[go: up one dir, main page]

JP2001172305A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2001172305A
JP2001172305A JP35588899A JP35588899A JP2001172305A JP 2001172305 A JP2001172305 A JP 2001172305A JP 35588899 A JP35588899 A JP 35588899A JP 35588899 A JP35588899 A JP 35588899A JP 2001172305 A JP2001172305 A JP 2001172305A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
polymerization
polymerization reaction
polymer
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35588899A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Sawano
正雄 澤野
Toshihiko Tanaka
利彦 田中
Toshio Nakamae
俊夫 中前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP35588899A priority Critical patent/JP2001172305A/ja
Publication of JP2001172305A publication Critical patent/JP2001172305A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合反応系内の発泡現象を抑制し、重合反応
器へのスケール付着の防止し、品質の優れる塩化ビニル
系重合体が得られる塩化ビニル系重合体の製造方法を提
供する。 【解決手段】 塩化ビニル系重合体を製造する方法にお
いて、塩化ビニル系単量体の重合転化率が40%を越え
た後に、重合転化率40%〜重合反応終了時点の間の体
積収縮分の1.2〜3.0倍に相当する水性媒体を添加
する塩化ビニル系重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系重合
体の製造方法において、重合反応の中〜後期段階で大量
の水性媒体を注入することにより、該水性媒体での冷却
効果により、重合反応中の発熱による重合反応系の発泡
現象を抑制し、重合反応器へのスケール付着を防止する
と共に、得られる塩化ビニル系重合体のフィッシュアイ
をも改善をすることができる塩化ビニル系重合体の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、塩化ビニル系重合体の製造は
バッチ式で行われ、塩化ビニル系重合体を製造する際に
は、重合反応器に水性媒体、分散安定剤、重合開始剤お
よび添加剤を仕込んだ後、重合反応系内を脱気して塩化
ビニル系単量体等を仕込み、攪拌しながら重合反応器の
ジャケットに温水または水蒸気を通し、重合開始温度ま
で昇温して重合反応を開始させる。その後、重合反応に
よって発生する熱を除熱し、重合温度を一定に保持する
ため重合反応器のジャケットに冷却水を通し、所定の重
合転化率に到達するまで重合反応を継続する。そして、
重合反応終了後、未反応塩化ビニル系単量体を回収し、
塩化ビニル系重合体を重合反応器から排出する一連の操
作を行っている。
【0003】近年、塩化ビニル系重合体の生産性を向上
させるため、重合反応器の大型化、重合時間の短縮化等
が図られている。しかし、重合反応器を大型化した場合
は、反応器の内容積当たりのジャケット伝熱面積が低下
する、また、重合時間を短縮化した場合は、単位時間当
たりの反応熱が増大する、等の問題があり重合缶ジャケ
ットのみで重合反応熱を除熱するには限界があった。
【0004】そこで、重合反応系内の除熱量を高める方
法として、冷凍機等を使用しジャケットに流す冷却水の
温度を下げる方法、重合反応系内にジャケットを有する
内部ジャケットを使用する方法、還流凝縮器で除熱する
方法等が提案され、その中でも、特に還流凝縮器による
除熱は除熱能力が高く、設備コスト、ランニングコスト
が安いという特徴を有している。
【0005】しかし、還流凝縮器による除熱は塩化ビニ
ル系単量体の蒸発潜熱を利用した除熱方法であるため、
還流凝縮器の除熱量を高めた場合、未反応塩化ビニル系
単量体の蒸発量が増加し、それに伴い重合反応器内で重
合体スラリーの発泡現象が発生し、還流凝縮器の内部へ
重合体スラリーが流入し易くなるため、重合反応器内壁
面、還流凝縮器内等にスケールが付着する等の問題が生
じるばかりでなく、還流凝縮器内等に付着したスケール
によって、得られる塩化ビニル系重合体のフィッシュア
イが悪化する等の品質上の問題を生じる。また、激しい
発泡現象の場合、還流凝縮器内部へ重合体スラリーが大
量に流入し、還流凝縮器の除熱制御が困難となる等の問
題を有していた。
【0006】そして、還流凝縮器にて除熱を行う際の重
合体スラリーの発泡防止方法としては、特開昭56−2
6908号公報に気相部に設置した回転羽根で泡を破泡
する方法、特開平2−180908号公報、特開平3−
212409号公報には消泡剤を添加する方法等が提案
されている。
【0007】しかし、上記の特開昭56−26908号
公報に提案の方法は、重合反応系で発生する泡を破泡す
ることはできるものの、飛散した泡が重合反応器壁面な
どに付着し、スケールとなり得られる塩化ビニル系重合
体のフィッシュアイが悪化するという問題を有してい
る。
【0008】また、特開平2−180908号公報、特
開平3−212409号公報に提案の方法では、消泡剤
の添加により発泡現象を抑制することは可能であるが、
得られる塩化ビニル系重合体の熱安定性やフィッシュア
イが悪化するという問題を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、重合反応の中〜後期段階で大量の水性媒体を注入す
ることにより、重合反応中の発熱による重合反応系の発
泡現象を抑制し、重合反応器へのスケール付着を防止す
ると共に、得られる塩化ビニル系重合体のフィッシュア
イの改善をすることができる塩化ビニル系重合体の製造
方法、特に重合反応中に発泡現象が著しく生じやすく、
得られる塩化ビニル系重合体の品質に問題が発生しやす
い還流凝縮器を付設した重合反応器に適した塩化ビニル
系重合体の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に関し鋭意検討した結果、塩化ビニル系重合体の製造方
法において、発泡現象は塩化ビニル系単量体の重合転化
率が40%を越えてから激しくなり、特に、還流凝縮器
を有する重合反応器を用いた場合、その際の還流凝縮器
による除熱割合が高ければ高いほど、発泡現象が激しく
なることを見出した。この知見を基に塩化ビニル系単量
体の重合転化率が40%を越えてから大量の水性媒体を
添加することにより、該水性媒体の冷却効果により重合
反応系の冷却を行うと共に、重合反応系の発泡現象を抑
制し、重合反応器へのスケール付着を防止し、得られる
塩化ビニル系重合体のフィッシュアイの改善をすること
ができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】即ち、本発明は、塩化ビニル系単量体を油
溶性重合開始剤及び分散安定剤の存在下、水性媒体中で
懸濁重合を行い塩化ビニル系重合体を製造する方法にお
いて、塩化ビニル系単量体の重合転化率が40%を越え
た後に、塩化ビニル系単量体の重合転化率40%から重
合反応終了時の間の重合反応系の体積収縮分の1.2〜
3.0倍に相当する水性媒体を添加することを特徴とす
る塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものである。
【0012】以下に、本発明についてより詳細に説明す
る。
【0013】本発明は、塩化ビニル系重合体の製造方法
において、塩化ビニル系単量体の重合転化率が40%を
越えた後に、塩化ビニル系単量体の重合転化率40%か
ら重合反応終了時の間の重合反応系の体積収縮分の1.
2〜3.0倍に相当する水性媒体を添加するものであ
る。ここで、塩化ビニル系単量体の重合転化率が40%
を越えた後の水性媒体の添加量が塩化ビニル系単量体の
重合転化率40%から重合反応終了時の間の重合反応系
の体積収縮分の1.2倍未満である場合、重合反応系の
冷却効果が低く、重合反応系内の発泡現象を抑えること
が困難となる。また、塩化ビニル系単量体の重合転化率
が40%を越えた後の水性媒体の添加量が塩化ビニル系
単量体の重合転化率40%から重合反応終了時の間の重
合反応系の体積収縮分の3.0倍を越える場合、重合反
応系内の水性媒体の量が多量になるために塩化ビニル系
重合体の生産性が著しく低下するうえに、特に還流凝縮
器を有する重合反応器を用いた場合、重合反応器内の懸
濁液体積が増加するために、懸濁液面が還流凝縮器内に
入り込み、該還流凝縮器による除熱効率が著しく低下す
るとともに、得られる塩化ビニル系重合体の品質が低下
するという問題が発生する。
【0014】そして、本発明においては、特に冷却効率
に優れた条件で塩化ビニル系重合体の製造が可能とな
り、得られる塩化ビニル系重合体の品質に優れることか
ら、塩化ビニル系単量体の重合転化率が50〜75%の
範囲で塩化ビニル系単量体の重合転化率40%から重合
反応終了時の間の重合反応系の体積収縮分の1.4〜
3.0倍に相当する水性媒体を添加することが好まし
い。
【0015】本発明でいう重合反応終了時とは任意であ
り、製造する塩化ビニル系重合体の特性により選ぶこと
が可能であり、一般的には塩化ビニル系単量体の重合転
化率が80〜90%に達した時点を重合反応終了とす
る。
【0016】また、本発明においては、より効果的に重
合反応系の除熱を行うことが可能で、得られる塩化ビニ
ル系重合体の品質が優れることから、塩化ビニル系単量
体の重合転化率が40%に到達するまでに、塩化ビニル
系単量体の重合転化率が40%に到達した時の重合反応
系の体積収縮分の0.6倍未満に相当する水性媒体を添
加し、その後、塩化ビニル系単量体の重合転化率が40
%を越えた後に塩化ビニル系単量体の重合転化率40%
から重合反応終了時の間の重合反応系の体積収縮分の
1.2〜3.0倍に相当するの水性媒体をさらに添加す
ることが好ましい。
【0017】本発明の製造方法はいかなる重合反応器を
用いても実施することが可能である。そして、本発明は
冷却効果に優れ、発泡現象を抑制し、重合反応器へのス
ケール付着を防止すると共に、得られる塩化ビニル系重
合体のフィッシュアイの改善も行うものであることか
ら、特に発泡現象が著しいとされている還流凝縮器を付
設した重合反応器を用いる塩化ビニル系重合体の製造方
法に適応した場合、その効果は著しいものとなる。
【0018】本発明における重合反応系の体積収縮と
は、塩化ビニル系単量体が重合反応により塩化ビニル系
重合体に転化する際のその比重差により、発生する体積
の減少をいう。一般的に塩化ビニル系単量体の比重と塩
化ビニル系重合体の比重では、塩化ビニル系重合体の比
重の方が大きいため、重合反応の進行と共に重合反応系
の体積収縮が発生する。
【0019】そして、本発明においては、そのような体
積収縮は、いかなる方法により測定しても差し支えはな
いが、例えば下記式(1)より算出することができる。
【0020】 V=仕込み塩化ビニル系単量体重量*C/100*(1/ρ1−1/ρ2) (1) (ここで、Vは重合反応による体積収縮量、Cは塩化ビ
ニル系単量体の塩化ビニル系重合体への転化率、ρ1は
塩化ビニル系単量体の比重、ρ2は塩化ビニル系重合体
の比重のそれぞれを示す。) 本発明において用いられる塩化ビニル系単量体として
は、塩化ビニル単量体及び塩化ビニル単量体と塩化ビニ
ル単量体との共重合可能な単量体からなる混合物が挙げ
られる。ここで、塩化ビニル単量体との共重合可能な単
量体としては、塩化ビニル単量体との共重合が可能であ
ればいかなるものでもよく、例えばエチレン,プロピレ
ン等のオレフィン類、酢酸ビニル,ステアリン酸ビニル
等のビニルエステル類、エチルビニルエーテル,セチル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリル酸メチ
ル,アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル類、マレ
イン酸,フマル酸等のエステル類若しくは無水物、スチ
レン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル等が挙
げられる。そして、該共重合可能な単量体は、塩化ビニ
ル単量体に対し、通常20重量%以下の割合で使用する
ことが好ましい。
【0021】本発明の方法において用いられる分散安定
剤としては特に限定はなく、一般的に懸濁重合の分散安
定剤として使用されているもので良く、例えばメチルセ
ルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプ
ロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス等のセルローズ誘導体、部分けん化ポリビニルアルコ
ール、アクリル酸重合体、ゼラチン等の水溶性ポリマ
ー、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤等が挙げ
られ、これらは一種単独でまたは二種以上組合わせ使用
することも可能である。そして、本発明では、特に少な
くとも(A)けん化度70〜85モル%,平均重合度5
00〜3000である部分けん化ポリビニルアルコール
(以下、PVAという。)、または、(A)けん化度7
0〜85モル%,平均重合度500〜3000であるP
VA、(B)けん化度20〜50モル%,平均重合度1
00〜1000であるPVA及び/又は(C)2%水溶
液の20℃における粘度が200cps以下であるヒド
ロキシプロピルメチルセルロース(以下、HPMCとい
う。)を組み合わせて用いることが特に好ましい。
【0022】本発明において用いる油溶性重合開始剤と
しては、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパ
ーカーボネイト化合物;t−ブチルパーオキシネオデカ
ネート、α−クミルパーオキシネオデカネート等のパー
エステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパ
ーオキシド等の過酸化物:アゾビス−2,4−ジメチル
バレロニトリル、アゾビス−(4−メトキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;さらには、
過酸化水素等をあげることができ、これらは一種単独で
または二種以上組合せて使用することも可能である。
【0023】本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法
は、本発明の目的を逸脱しない限りに於いて特に限定は
なく公知懸濁重合の条件で行うことが可能であり、例え
ば塩化ビニル系単量体当りに対して使用する水性媒体の
量、油溶性重合開始剤の量、重合温度等は、従来から採
用されている範囲でよい。また、必要に応じて、pH調
整剤、重合度調節剤、滑剤、スケール付着防止剤等は、
本発明の効果に影響しない範囲内であれば使用して差し
支えない。
【0024】
【実施例】以下に、実施例にもとづき本発明を説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0025】実施例及び比較例により得られた塩化ビニ
ル系重合体の評価は、下記方法により測定した。
【0026】〜平均粒子径〜 得られた塩化ビニル系重合体をJIS Z 8801に
準じた45メッシュの篩にかけ、該篩を通過したサンプ
ルを用い、該サンプルの50重量%の塩化ビニル系重合
体粒子が通過するふるいの目の大きさ(μm)を平均粒
子径として表す。
【0027】〜フィッシュアイ〜 得られた塩化ビニル系重合体100重量部、Ca−Zn
系粉末複合安定剤1.5重量部、有機燐系安定化助剤
0.5重量部、群青3重量部およびDOP(ジオクチル
フタレート)50重量部を混合し、150℃のロールで
厚さ0.35mmとして5分間混練し、0.35mmの
シートを分取し、シート50cm2中の透明粒子の数を
もって示す。
【0028】〜発泡状況〜 重合反応器上部に取り付けた観察窓から液表面の動きを
目視により観察し、発泡状況を観察した。
【0029】〜スケール付着状況〜 重合反応器壁及び還流凝縮器内部についたスケール付着
状況を目視で評価した。
【0030】〜重合反応による体積収縮量〜 塩化ビニル単量体の比重は0.84であり、塩化ビニル
重合体の比重は1.40であるので重合反応による体積
収縮は以下の式により算出した。なお、実施例及び比較
例では、重合反応終了時を塩化ビニル系単量体の重合転
化率を85%到達時としており、それにより体積収縮量
を算出している。
【0031】(重合による体積収縮)=仕込み塩化ビニ
ル単量体量*転化率/100*(1/0.84−1/
1.40) 実施例1 内容積1.6m3の還流凝縮器を付設した重合反応器の
内部の空気を真空ポンプにより排除した。
【0032】分散安定剤として、けん化度80モル%,
平均重合度2600であるPVA0.05重量部、けん
化度35モル%,平均重合度300であるPVA0.0
3重量部と油溶性重合開始剤としてパーオキシネオデカ
ノエート0.05重量部、塩化ビニル単量体100重量
部(712kg)及び40℃の水100重量部(712
kg)を攪拌しがら、該重合反応器に仕込み、重合温度
57℃まで昇温し、重合反応を開始した。
【0033】そして、塩化ビニル単量体の重合転化率5
〜30%の間で該重合反応器内へ塩化ビニル単量体の重
合転化率が40%到達時の重合反応系の体積収縮分(1
36000cm3)の0.5倍に相当する68kgの4
0℃の水を連続的に添加した。そして、更に塩化ビニル
単量体の重合転化率50〜75%の間で該重合反応器内
へ塩化ビニル単量体の重合転化率が40%から重合反応
終了時点である塩化ビニル単量体の転化率が85%の間
での重合反応系の体積収縮分(152500cm3)の
1.2倍に相当する183kgの40℃の水を連続的に
添加し、重合温度が57℃に到達してから4.5時間後
に塩化ビニル単量体の重合転化率が85%に達したので
重合反応を終了し、未反応塩化ビニル単量体を回収し
た。得られた塩化ビニル重合体スラリーを脱水乾燥し、
塩化ビニル重合体を得た。得られた塩化ビニル重合体を
上記の評価方法により測定した。
【0034】塩化ビニル単量体の重合転化率が40%を
越えてから、大量の注入水を加えたことによる冷却効果
から還流凝縮器による除熱比率を低下させることが可能
となり、その結果として、塩化ビニル重合体の製造時に
発泡は起こらず、スケール付着も認められなかった。ま
た、得られた塩化ビニル重合体の平均粒子径及びフィッ
シュアイは良好なものであった。その結果を表2に示
す。
【0035】実施例2 塩化ビニル単量体の重合転化率0〜40%の間での重合
反応器内へ水の注入を行わず、塩化ビニル単量体の重合
転化率が50〜75%の間で重合反応器内へ塩化ビニル
単量体の重合転化率が40%から重合反応終了時点であ
る塩化ビニル単量体の転化率が85%の間での重合反応
系の体積収縮分(152500cm3)の3.0倍に相
当する457kgの40℃の水を連続的に添加した以外
は、実施例1と同様に行い、塩化ビニル重合体を得た。
【0036】塩化ビニル単量体の重合転化率が40%を
越えてから大量の注入水を加えたことによる冷却効果か
ら還流凝縮器除熱比率を低下させることが可能となり、
その結果として、塩化ビニル重合体の製造時に発泡は全
く起こらず、スケール付着も認められなかった。また、
得られた塩化ビニル重合体の平均粒子径及びフィッシュ
アイは良好なものであった。その結果を表2に示す。
【0037】比較例1 塩化ビニル単量体の重合転化率50〜75%の間で重合
反応器内へ塩化ビニル単量体の重合転化率が40%から
重合反応終了時点である塩化ビニル単量体の転化率が8
5%の間での重合反応系の体積収縮分(152500c
3)の1.0倍に相当する152kgの40℃の水を
連続的に添加した以外は、実施例1と同様に行い、塩化
ビニル重合体を得た。
【0038】塩化ビニル単量体の重合転化率が40%を
越えてからの還流凝縮器による除熱比率を低下させるこ
とができず、その結果として、塩化ビニル重合体の製造
時に発泡が起こり、重合反応器へのスケール付着が認め
られた。また、得られた塩化ビニル重合体のフィッシュ
アイは悪化した。その結果を表2に示す。
【0039】比較例2 塩化ビニル単量体の重合転化率50〜75%の間で重合
反応器内へ塩化ビニル単量体の重合転化率が40%から
重合反応終了時点である塩化ビニル単量体の転化率が8
5%の間での重合反応系の体積収縮分(152500c
3)の3.5倍に相当する534kgの40℃の水を
連続的に添加した以外は、実施例1と同様の製造を試み
た。しかし、塩化ビニル単量体の重合転化率40%に達
してからの重合反応器内の懸濁液体積が増加し、懸濁液
面が還流凝縮器内に入り込み、還流凝縮器除熱効率が著
しく低下し、重合反応熱を取り除くこと不可能となり、
異常重合になった。その結果を表2に示す。
【0040】比較例3 塩化ビニル単量体の重合転化率5〜30%の間で重合反
応器内へ塩化ビニル単量体の重合転化率が40%到達時
の重合反応系の体積収縮分(136000cm3)の
1.0倍に相当する136kgの40℃の水を連続的に
添加した以外は、実施例1と同様の製造を試みた。しか
し、塩化ビニル単量体の重合転化率40%に達してから
の重合反応器内の懸濁液体積が増加し、懸濁液面が還流
凝縮器内に入り込み、還流凝縮器除熱効率が著しく低下
し、重合反応熱を取り除くこと不可能となり、異常重合
になった。その結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、発泡現象の激しい塩化
ビニル系単量体の重合転化率が40%を越えてから大量
の水性媒体を添加することにより、該水性媒体の冷却効
果により、重合反応系内の発泡現象を抑制し、重合反応
器へのスケール付着の防止あるいは得られる塩化ビニル
系重合体のフィッシュアイの改善をすることができるこ
とから、その工業的価値は非常に大きいものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤及
    び分散安定剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合を行い塩
    化ビニル系重合体を製造する方法において、塩化ビニル
    系単量体の重合転化率が40%を越えた後に、塩化ビニ
    ル系単量体の重合転化率40%から重合反応終了時点の
    間の重合反応系の体積収縮分の1.2〜3.0倍に相当
    する水性媒体を添加することを特徴とする塩化ビニル系
    重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤及
    び分散安定剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合を行い塩
    化ビニル系重合体を製造する方法において、塩化ビニル
    系単量体の重合転化率が40%に到達するまでに、塩化
    ビニル系単量体の重合転化率が40%に到達した時の重
    合反応系の体積収縮分の0.6倍未満に相当する量の水
    性媒体を添加し、その後、塩化ビニル系単量体の重合転
    化率が40%を越えた後に、塩化ビニル系単量体の重合
    転化率40%から重合反応終了時点の間の重合反応系の
    体積収縮分の1.2〜3.0倍に相当する水性媒体をさ
    らに添加することを特徴とする請求項1に記載の塩化ビ
    ニル系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】重合反応器として、還流凝縮器を付設した
    重合反応器を用いることを特徴とする請求項1又は2の
    いずれかに記載の塩化ビニル系重合体の製造方法。
JP35588899A 1999-12-15 1999-12-15 塩化ビニル系重合体の製造方法 Pending JP2001172305A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35588899A JP2001172305A (ja) 1999-12-15 1999-12-15 塩化ビニル系重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35588899A JP2001172305A (ja) 1999-12-15 1999-12-15 塩化ビニル系重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001172305A true JP2001172305A (ja) 2001-06-26

Family

ID=18446250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35588899A Pending JP2001172305A (ja) 1999-12-15 1999-12-15 塩化ビニル系重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001172305A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5169344B2 (ja) ペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH0710892B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂の製造法
JP2001172305A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
US5357011A (en) Process for producing vinyl chloride-based polymers
JP3041485B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造法
JP4098482B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2001106707A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2851453B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3317798B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2823681B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3900648B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2001261718A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造法
JP3437018B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH11217404A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造法
JP3440646B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3414026B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH05222105A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2001261709A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造法
JP2000038405A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造法
JPH04323208A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP2000109504A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH0578406A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH0539309A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH04323202A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH09110907A (ja) 高嵩比重ポリ塩化ビニルの製造方法