JP2001163841A - 光学活性な2−(2,3,4―トリハロゲノアニリノ)−プロピオン酸誘導体の製法 - Google Patents
光学活性な2−(2,3,4―トリハロゲノアニリノ)−プロピオン酸誘導体の製法Info
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- JP2001163841A JP2001163841A JP2000297799A JP2000297799A JP2001163841A JP 2001163841 A JP2001163841 A JP 2001163841A JP 2000297799 A JP2000297799 A JP 2000297799A JP 2000297799 A JP2000297799 A JP 2000297799A JP 2001163841 A JP2001163841 A JP 2001163841A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 抗菌薬の製造中間体の簡便な製造法を提供す
る。 【解決手段】 式(I) (式中、X1、X2及びX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、Zは、アミノ基又はニトロ基を表す。)で
表される化合物と式(II) (式中、R1は、C1〜6のアルキル基またはHを表
す。)で表される化合物とを、所望により脱水剤または
酸の存在下、金属触媒の存在下に水素ガス雰囲気下で処
理することを特徴とする式(III) (式中、X1、X2及びX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は、C1〜6のアルキル基又はHを表
す。)で表される化合物の製造法
る。 【解決手段】 式(I) (式中、X1、X2及びX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、Zは、アミノ基又はニトロ基を表す。)で
表される化合物と式(II) (式中、R1は、C1〜6のアルキル基またはHを表
す。)で表される化合物とを、所望により脱水剤または
酸の存在下、金属触媒の存在下に水素ガス雰囲気下で処
理することを特徴とする式(III) (式中、X1、X2及びX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は、C1〜6のアルキル基又はHを表
す。)で表される化合物の製造法
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性化合物の合成原
料として有用な化合物およびその製造法に関する。
料として有用な化合物およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】S−(−)9−フルオロ−3−メチル−
10−(4−メチル−1−ピペラジニル)−7−オキソ
−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−d
e][1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸(レ
ボフロキサシン、LVFX;特開昭62−252790
号公報)
10−(4−メチル−1−ピペラジニル)−7−オキソ
−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−d
e][1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸(レ
ボフロキサシン、LVFX;特開昭62−252790
号公報)
【0003】
【化34】 は優れた合成抗菌薬として知られている。
【0004】この化合物の製造中間体として重要な下式
【0005】
【化35】 (式中、R5およびR6は、各々独立してアルキル基を表
す。なお、ここで使用した置換基の定義は、本願におけ
る化合物での定義とは無関係である。)で表わされる化
合物の製造法として下記に示す方法がある(特願平11
−253958号)。
す。なお、ここで使用した置換基の定義は、本願におけ
る化合物での定義とは無関係である。)で表わされる化
合物の製造法として下記に示す方法がある(特願平11
−253958号)。
【0006】
【化36】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は、保護基で保護された水酸基、また
はハロゲン原子を表し、R3は、水素原子、アラルキル
基または炭素数1から6のアルキル基を表し、R5およ
びR6は、各々独立してアルキル基を表し、Yは、アル
コキシル基、ハロゲン原子、またはジアルキルアミノ基
を表す。なお、本スキームで使用した化合物の一般式の
番号、さらに化合物の置換基の定義は本願における化合
物の定義とは無関係である。)
原子を表し、R1は、保護基で保護された水酸基、また
はハロゲン原子を表し、R3は、水素原子、アラルキル
基または炭素数1から6のアルキル基を表し、R5およ
びR6は、各々独立してアルキル基を表し、Yは、アル
コキシル基、ハロゲン原子、またはジアルキルアミノ基
を表す。なお、本スキームで使用した化合物の一般式の
番号、さらに化合物の置換基の定義は本願における化合
物の定義とは無関係である。)
【0007】上記製法においては、式(VI−a)の化
合物は(以下、化合物(VI-a)と表す。また他の番
号の化合物も同様にして表す。)、化合物(I)と化合
物(II−a)を溶媒中、塩基存在下で処理して化合物
(III−1−a)を得た後、この化合物を溶媒中、還
元剤で処理して化合物(IV−a)を得、その後この化
合物を式
合物は(以下、化合物(VI-a)と表す。また他の番
号の化合物も同様にして表す。)、化合物(I)と化合
物(II−a)を溶媒中、塩基存在下で処理して化合物
(III−1−a)を得た後、この化合物を溶媒中、還
元剤で処理して化合物(IV−a)を得、その後この化
合物を式
【0008】
【化37】 で表されるメチレンマロン酸ジアルキルエステル誘導体
と加熱するか、あるいは溶媒中、塩基および相間移動触
媒存在下に処理することによって化合物(V−a)を合
成し、この化合物を塩基存在下に閉環する方法等によっ
て得ている。
と加熱するか、あるいは溶媒中、塩基および相間移動触
媒存在下に処理することによって化合物(V−a)を合
成し、この化合物を塩基存在下に閉環する方法等によっ
て得ている。
【0009】この製法において式(III−a)
【0010】
【化38】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は炭素数1からのアルキル基または水
素原子を表す。)で表される化合物(上記製法スキーム
中における、式(III−1−a)の化合物に相当す
る。)は式(VI−a)で表される化合物の製造中間体
として有用な化合物である。
原子を表し、R1は炭素数1からのアルキル基または水
素原子を表す。)で表される化合物(上記製法スキーム
中における、式(III−1−a)の化合物に相当す
る。)は式(VI−a)で表される化合物の製造中間体
として有用な化合物である。
【0011】本発明者らはこの式(III−a)の化合
物の製造法についてさらに簡便で工業的に有利な方法を
鋭意検討した。その結果;安価なピルビン酸誘導体と
2,3,4−トリフルオロ−ニトロベンゼン、または−
アニリン誘導体を金属触媒存在下において水素ガス雰囲
気下での反応を行うことによって、ラセミ体の2−
(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸
誘導体が収率よく製造できること;このようにして得ら
れたラセミ体の2−(2,3,4−トリフルオロアニリ
ノ)−プロピオン酸誘導体は、エステル不斉加水分解能
を有する酵素等で処理することによって一方の光学異性
体のエステルを特異的に水解でき光学活性なカルボン酸
を分離できること;ラセミ体の2−(2,3,4−トリ
フルオロアニリノ)−プロピオン酸誘導体を光学活性有
機塩基とのジアステレオマー塩に導き、単一の光学異性
体からなる2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸誘導体を得ることができること;不要の
異性体を効率的にラセミ化させ、必要とする異性体に転
換できること;等を見出した。本願発明はこれらの知見
によって完成されたものである。
物の製造法についてさらに簡便で工業的に有利な方法を
鋭意検討した。その結果;安価なピルビン酸誘導体と
2,3,4−トリフルオロ−ニトロベンゼン、または−
アニリン誘導体を金属触媒存在下において水素ガス雰囲
気下での反応を行うことによって、ラセミ体の2−
(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸
誘導体が収率よく製造できること;このようにして得ら
れたラセミ体の2−(2,3,4−トリフルオロアニリ
ノ)−プロピオン酸誘導体は、エステル不斉加水分解能
を有する酵素等で処理することによって一方の光学異性
体のエステルを特異的に水解でき光学活性なカルボン酸
を分離できること;ラセミ体の2−(2,3,4−トリ
フルオロアニリノ)−プロピオン酸誘導体を光学活性有
機塩基とのジアステレオマー塩に導き、単一の光学異性
体からなる2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸誘導体を得ることができること;不要の
異性体を効率的にラセミ化させ、必要とする異性体に転
換できること;等を見出した。本願発明はこれらの知見
によって完成されたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本願発明は、式(I)
【0013】
【化39】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、Zは、アミノ基またはニトロ基を表す。)
で表される化合物と式(II)
原子を表し、Zは、アミノ基またはニトロ基を表す。)
で表される化合物と式(II)
【0014】
【化40】 (式中、R1は、炭素数1から6のアルキル基または水
素原子を表す。)で表される化合物とを、所望により脱
水剤または酸の存在下、金属触媒の存在下に水素ガス雰
囲気下で処理することを特徴とする式(III)
素原子を表す。)で表される化合物とを、所望により脱
水剤または酸の存在下、金属触媒の存在下に水素ガス雰
囲気下で処理することを特徴とする式(III)
【0015】
【化41】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物の製造法に関す
る。また、R1が水素原子である上記の式(III)の
化合物の製造法;R1がメチル基である上記の式(II
I)の化合物の製造法;R1がエチル基である上記の式
(III)の化合物の製造法;Zがアミノ基である上記
の式(III)の化合物の各製造法;Zがニトロ基であ
る上記の式(III)の化合物の各製造法;Zがアミノ
基であり、R1が水素原子である上記の式(III)の
化合物の製造法;Zがアミノ基であり、R1がメチル基
である上記の式(III)の化合物の製造法;Zがアミ
ノ基であり、R1がエチル基である上記の式(III)
の化合物の製造法;Zがニトロ基であり、R1がメチル
基である上記の式(III)の化合物の製造法;Zがニ
トロ基であり、R1がメチル基である上記の式(II
I)の化合物の製造法;Zがニトロ基であり、R1がエ
チル基である上記の式(III)の化合物の製造法;X
1、X2およびX3がフッ素原子である上記の式(II
I)の化合物の各製造法;
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物の製造法に関す
る。また、R1が水素原子である上記の式(III)の
化合物の製造法;R1がメチル基である上記の式(II
I)の化合物の製造法;R1がエチル基である上記の式
(III)の化合物の製造法;Zがアミノ基である上記
の式(III)の化合物の各製造法;Zがニトロ基であ
る上記の式(III)の化合物の各製造法;Zがアミノ
基であり、R1が水素原子である上記の式(III)の
化合物の製造法;Zがアミノ基であり、R1がメチル基
である上記の式(III)の化合物の製造法;Zがアミ
ノ基であり、R1がエチル基である上記の式(III)
の化合物の製造法;Zがニトロ基であり、R1がメチル
基である上記の式(III)の化合物の製造法;Zがニ
トロ基であり、R1がメチル基である上記の式(II
I)の化合物の製造法;Zがニトロ基であり、R1がエ
チル基である上記の式(III)の化合物の製造法;X
1、X2およびX3がフッ素原子である上記の式(II
I)の化合物の各製造法;
【0016】さらに、式(III)
【0017】
【化42】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物に関する。そし
て、式(III−a)
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物に関する。そし
て、式(III−a)
【0018】
【化43】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物; 式(III−b)
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物; 式(III−b)
【0019】
【化44】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物;に関する。ま
た、R1が水素原子である上記の式(III)、(II
I−a)、または(III−b)の化合物;R1がメチ
ル基である上記の式(III)、(III−a)、また
は(III−b)の化合物;R1がエチル基である上記
の式(III)、(III−a)、または(III−
b)の化合物;X1、X2およびX3がフッ素原子である
上記の式(III)、(III−a)、または(III
−b)の各化合物;に関する。
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物;に関する。ま
た、R1が水素原子である上記の式(III)、(II
I−a)、または(III−b)の化合物;R1がメチ
ル基である上記の式(III)、(III−a)、また
は(III−b)の化合物;R1がエチル基である上記
の式(III)、(III−a)、または(III−
b)の化合物;X1、X2およびX3がフッ素原子である
上記の式(III)、(III−a)、または(III
−b)の各化合物;に関する。
【0020】さらに、式(III−1)
【0021】
【化45】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を、エステル不斉加水分解能を
有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該
微生物菌体処理物で処理した後の処理液から単離採取す
ることを特徴とする式(III−2−a)
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を、エステル不斉加水分解能を
有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該
微生物菌体処理物で処理した後の処理液から単離採取す
ることを特徴とする式(III−2−a)
【0022】
【化46】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物の製造法; 式(III−1)
原子を表す。)で表される化合物の製造法; 式(III−1)
【0023】
【化47】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を、エステル不斉加水分解能を
有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該
微生物菌体処理物の存在下に処理し、処理液から式(I
II−1−b)
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を、エステル不斉加水分解能を
有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該
微生物菌体処理物の存在下に処理し、処理液から式(I
II−1−b)
【0024】
【化48】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を分離することを特徴とする式
(III−2−a)
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を分離することを特徴とする式
(III−2−a)
【0025】
【化49】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物の製造法; 式(III−1)
原子を表す。)で表される化合物の製造法; 式(III−1)
【0026】
【化50】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を、エステル不斉加水分解能を
有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該
微生物菌体処理物で処理した後の処理液から単離採取す
ることを特徴とする式(III−1−a)
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を、エステル不斉加水分解能を
有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該
微生物菌体処理物で処理した後の処理液から単離採取す
ることを特徴とする式(III−1−a)
【0027】
【化51】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物の製造法; 式(III−1)
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物の製造法; 式(III−1)
【0028】
【化52】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を、エステル不斉加水分解能を
有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該
微生物菌体処理物の存在下に処理し、処理液から式(I
II−2−b)
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を、エステル不斉加水分解能を
有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該
微生物菌体処理物の存在下に処理し、処理液から式(I
II−2−b)
【0029】
【化53】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物を分離することを特徴
とする式(III−1−a)
原子を表す。)で表される化合物を分離することを特徴
とする式(III−1−a)
【0030】
【化54】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物の製造法;R2がメチル基であ
る式(III−1−a)または(III−2−a)の化
合物の上記の製造法;R2がエチル基である式(III
−1−a)または(III−2−a)の化合物の上記の
製造法;処理に使用する酵素が、エステラーゼ、プロテ
アーゼ、またはキモトリプシンである式(III−1−
a)または(III−2−a)の化合物の上記の製造
法;微生物が、バチルス属、マイクロコッカス属、また
はアクチノマイセス属の細菌から選ばれる微生物である
式(III−1−a)または(III−2−a)の化合
物の上記の製造法;微生物が、アスペルギルス属、リゾ
パス属、ナンニーザ属、またはペニシリウム属のカビか
ら選ばれる微生物である式(III−1−a)または
(III−2−a)の化合物の上記の製造法;微生物
が、キャンディダ属、サッカロマイセス属、またはジゴ
アスカス属の酵母から選ばれる微生物である式(III
−1−a)または(III−2−a)の化合物の上記の
製造法;X1、X2およびX3がフッ素原子である式(I
II−1−a)または(III−2−a)の化合物の上
記の各製造法;に関する。
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物の製造法;R2がメチル基であ
る式(III−1−a)または(III−2−a)の化
合物の上記の製造法;R2がエチル基である式(III
−1−a)または(III−2−a)の化合物の上記の
製造法;処理に使用する酵素が、エステラーゼ、プロテ
アーゼ、またはキモトリプシンである式(III−1−
a)または(III−2−a)の化合物の上記の製造
法;微生物が、バチルス属、マイクロコッカス属、また
はアクチノマイセス属の細菌から選ばれる微生物である
式(III−1−a)または(III−2−a)の化合
物の上記の製造法;微生物が、アスペルギルス属、リゾ
パス属、ナンニーザ属、またはペニシリウム属のカビか
ら選ばれる微生物である式(III−1−a)または
(III−2−a)の化合物の上記の製造法;微生物
が、キャンディダ属、サッカロマイセス属、またはジゴ
アスカス属の酵母から選ばれる微生物である式(III
−1−a)または(III−2−a)の化合物の上記の
製造法;X1、X2およびX3がフッ素原子である式(I
II−1−a)または(III−2−a)の化合物の上
記の各製造法;に関する。
【0031】そして、式(III−1)で表される化合
物のエステルを加水分解することを特徴とする式(II
I−2)
物のエステルを加水分解することを特徴とする式(II
I−2)
【0032】
【化55】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物の製造法に関する。
原子を表す。)で表される化合物の製造法に関する。
【0033】あるいは、式(III−2)で表される
化合物を光学活性有機塩基を用いて光学分割することを
特徴とする、単一の光学異性体からなる2−(2,3,
4―トリハロゲノアニリノ)−プロピオン酸の製造法;
式(III−2)で表される化合物を光学活性有機塩基
と処理して、2−(2,3,4―トリハロゲノアニリ
ノ)−プロピオン酸の光学異性体と光学活性有機塩基と
のジアステレオマー塩を得、次いで該ジアステレオマー
塩を酸処理することを特徴とする、単一の光学異性体か
らなる2−(2,3,4―トリハロゲノアニリノ)−プ
ロピオン酸の製造法; 光学活性有機塩基が式(IV)
化合物を光学活性有機塩基を用いて光学分割することを
特徴とする、単一の光学異性体からなる2−(2,3,
4―トリハロゲノアニリノ)−プロピオン酸の製造法;
式(III−2)で表される化合物を光学活性有機塩基
と処理して、2−(2,3,4―トリハロゲノアニリ
ノ)−プロピオン酸の光学異性体と光学活性有機塩基と
のジアステレオマー塩を得、次いで該ジアステレオマー
塩を酸処理することを特徴とする、単一の光学異性体か
らなる2−(2,3,4―トリハロゲノアニリノ)−プ
ロピオン酸の製造法; 光学活性有機塩基が式(IV)
【0034】
【化56】 (式中、Arylは、炭素数1から6のアルキル基、炭
素数1から6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基、またはカルバモイル基を有することもあ
るアリール基を表し、R3、R4およびR5は、各々独立
して、 炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、もしくはシアノ
基を有していてもよいフェニル基、 炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ニト
ロ基、カルバモイル基、ハロゲン原子、もしくはシアノ
基を有していてもよいフェニル基を有するベンジル基、 炭素数1から6のアルキル基、または 水素原子を表す。)で表される化合物である、単一の
光学異性体からなる2−(2,3,4―トリハロゲノア
ニリノ)−プロピオン酸の上記の製造法;光学活性有機
塩基が1−フェニルエチルアミンである、単一の光学異
性体からなる2−(2,3,4―トリハロゲノアニリ
ノ)−プロピオン酸の上記の製造法;光学活性有機塩基
が1−(p−トリル)エチルアミンである、単一の光学
異性体からなる2−(2,3,4―トリハロゲノアニリ
ノ)−プロピオン酸の上記の製造法;光学活性有機塩基
が1−フェニル−2−(p−トリル)エチルアミンであ
る、単一の光学異性体からなる2−(2,3,4―トリ
ハロゲノアニリノ)−プロピオン酸の上記の製造法;X
1、X2およびX3がフッ素原子である上記の各製造法;
に関する。
素数1から6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基、またはカルバモイル基を有することもあ
るアリール基を表し、R3、R4およびR5は、各々独立
して、 炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、もしくはシアノ
基を有していてもよいフェニル基、 炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ニト
ロ基、カルバモイル基、ハロゲン原子、もしくはシアノ
基を有していてもよいフェニル基を有するベンジル基、 炭素数1から6のアルキル基、または 水素原子を表す。)で表される化合物である、単一の
光学異性体からなる2−(2,3,4―トリハロゲノア
ニリノ)−プロピオン酸の上記の製造法;光学活性有機
塩基が1−フェニルエチルアミンである、単一の光学異
性体からなる2−(2,3,4―トリハロゲノアニリ
ノ)−プロピオン酸の上記の製造法;光学活性有機塩基
が1−(p−トリル)エチルアミンである、単一の光学
異性体からなる2−(2,3,4―トリハロゲノアニリ
ノ)−プロピオン酸の上記の製造法;光学活性有機塩基
が1−フェニル−2−(p−トリル)エチルアミンであ
る、単一の光学異性体からなる2−(2,3,4―トリ
ハロゲノアニリノ)−プロピオン酸の上記の製造法;X
1、X2およびX3がフッ素原子である上記の各製造法;
に関する。
【0035】あるいは、式(III−2−a)で表され
る化合物と光学活性有機塩基との塩;式(III−2−
b)で表される化合物と光学活性有機塩基との塩;光学
活性有機塩基が式(IV)で表される化合物である式
(III−2−a)または式(III−2−b)で表さ
れる化合物の上記の塩;光学活性有機塩基が1−フェニ
ルエチルアミンである式(III−2−a)または式
(III−2−b)で表される化合物の上記の塩;1−
フェニルエチルアミンが(R)−(+)−1−フェニル
エチルアミンである式(III−2−a)または式(I
II−2−b)で表される化合物の上記の塩;光学活性
有機塩基が1−(p−トリル)エチルアミンである式
(III−2−a)または式(III−2−b)で表さ
れる化合物の上記の塩;1−(p−トリル)エチルアミ
ンが(R)−(+)−1−(p−トリル)エチルアミン
である式(III−2−a)または式(III−2−
b)で表される化合物の上記の塩;光学活性有機塩基が
1−フェニル−2−(p−トリル)エチルアミンである
式(III−2−a)または式(III−2−b)で表
される化合物の上記の塩;1−フェニル−2−(p−ト
リル)エチルアミンが(S)−(+)−1−フェニル−
2−(p−トリル)エチルアミンである式(III−2
−a)または式(III−2−b)で表される化合物の
上記の塩;X1、X2およびX3がフッ素原子である上記
の各化合物;に関する。
る化合物と光学活性有機塩基との塩;式(III−2−
b)で表される化合物と光学活性有機塩基との塩;光学
活性有機塩基が式(IV)で表される化合物である式
(III−2−a)または式(III−2−b)で表さ
れる化合物の上記の塩;光学活性有機塩基が1−フェニ
ルエチルアミンである式(III−2−a)または式
(III−2−b)で表される化合物の上記の塩;1−
フェニルエチルアミンが(R)−(+)−1−フェニル
エチルアミンである式(III−2−a)または式(I
II−2−b)で表される化合物の上記の塩;光学活性
有機塩基が1−(p−トリル)エチルアミンである式
(III−2−a)または式(III−2−b)で表さ
れる化合物の上記の塩;1−(p−トリル)エチルアミ
ンが(R)−(+)−1−(p−トリル)エチルアミン
である式(III−2−a)または式(III−2−
b)で表される化合物の上記の塩;光学活性有機塩基が
1−フェニル−2−(p−トリル)エチルアミンである
式(III−2−a)または式(III−2−b)で表
される化合物の上記の塩;1−フェニル−2−(p−ト
リル)エチルアミンが(S)−(+)−1−フェニル−
2−(p−トリル)エチルアミンである式(III−2
−a)または式(III−2−b)で表される化合物の
上記の塩;X1、X2およびX3がフッ素原子である上記
の各化合物;に関する。
【0036】さらに、式(III−2−a)で表される
化合物を、式(V)
化合物を、式(V)
【0037】
【化57】 R2−OH V (式中、R2は炭素数1から6のアルキル基を表す。)
で表されるアルコール中、酸触媒存在下で処理すること
を特徴とする式(III−1−a)で表される化合物の
製造法;式(III−2−b)で表される化合物を、式
(V)で表されるアルコール中、酸触媒の存在下で処理
することを特徴とする式(III−1−b)で表される
化合物の製造法;に関する。
で表されるアルコール中、酸触媒存在下で処理すること
を特徴とする式(III−1−a)で表される化合物の
製造法;式(III−2−b)で表される化合物を、式
(V)で表されるアルコール中、酸触媒の存在下で処理
することを特徴とする式(III−1−b)で表される
化合物の製造法;に関する。
【0038】あるいは、式(III−1−b)で表され
る化合物を塩基存在下に処理することを特徴とするラセ
ミ化法;塩基が三級アミンである上記のラセミ化法;三
級アミンが1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウン
デセ−7−エン(DBU)である上記ののラセミ化法;
塩基がアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩であ
る上記のラセミ化法;アルカリ金属またはアルカリ土類
金属炭酸塩が炭酸カリウムである上記のラセミ化法;式
(III−1−b)で表される化合物を塩基存在下に処
理してラセミ化させた後、得られるラセミ化化合物を加
水分解することを特徴とする式(III−2)で表され
る化合物の製造法;塩基が金属アルコキサイドである式
(III−2)で表される化合物の製造法;金属アルコ
キサイドがカリウムターシャリーブトキサイドである式
(III−2)で表される化合物の製造法;塩基がアル
カリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩である式(II
I−2)で表される化合物の製造法;アルカリ金属また
はアルカリ土類金属炭酸塩が炭酸カリウムである式(I
II−2)で表される化合物の製造法;等に関するもの
である。
る化合物を塩基存在下に処理することを特徴とするラセ
ミ化法;塩基が三級アミンである上記のラセミ化法;三
級アミンが1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウン
デセ−7−エン(DBU)である上記ののラセミ化法;
塩基がアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩であ
る上記のラセミ化法;アルカリ金属またはアルカリ土類
金属炭酸塩が炭酸カリウムである上記のラセミ化法;式
(III−1−b)で表される化合物を塩基存在下に処
理してラセミ化させた後、得られるラセミ化化合物を加
水分解することを特徴とする式(III−2)で表され
る化合物の製造法;塩基が金属アルコキサイドである式
(III−2)で表される化合物の製造法;金属アルコ
キサイドがカリウムターシャリーブトキサイドである式
(III−2)で表される化合物の製造法;塩基がアル
カリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩である式(II
I−2)で表される化合物の製造法;アルカリ金属また
はアルカリ土類金属炭酸塩が炭酸カリウムである式(I
II−2)で表される化合物の製造法;等に関するもの
である。
【0039】本発明の製造工程は下式に示した通りであ
るが、次に各工程に関して説明する。
るが、次に各工程に関して説明する。
【化58】
【0040】反応工程中の置換基について説明する。X
1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン原子を表す
が、ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。
1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン原子を表す
が、ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。
【0041】R1は、水素原子またはアルキル基を表す
が、アルキル基とは、直鎖状、分枝状、または環状の炭
素数1から6のアルキル基でよく、具体的にはメチル
基、エチル基、プロピル基、シクロブチル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R1としてはメチル基、エチル基、またはイソプロピル
基が特に好ましい。また、R1はカルボキシル基の保護
基であってもよい。カルボキシル基の保護基としては、
通常使用されるものでよいが、上記のアルキル基の他
は、特にアラルキル基を挙げることができる。アラルキ
ル基としては、炭素数1から6のアルキル基とアリール
基で構成される基でよく、具体的にはベンジル基、ナフ
チルメチル基等を挙げることができる。
が、アルキル基とは、直鎖状、分枝状、または環状の炭
素数1から6のアルキル基でよく、具体的にはメチル
基、エチル基、プロピル基、シクロブチル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R1としてはメチル基、エチル基、またはイソプロピル
基が特に好ましい。また、R1はカルボキシル基の保護
基であってもよい。カルボキシル基の保護基としては、
通常使用されるものでよいが、上記のアルキル基の他
は、特にアラルキル基を挙げることができる。アラルキ
ル基としては、炭素数1から6のアルキル基とアリール
基で構成される基でよく、具体的にはベンジル基、ナフ
チルメチル基等を挙げることができる。
【0042】R2はR1と同様に考えればよいが、アルキ
ル基が好ましく、アルキル基としては炭素数1から6の
低級アルキル基が好ましく、これは直鎖状でも分枝鎖状
でもいずれでもよく、特にメチル基、エチル基、イソプ
ロピル基が好ましい。
ル基が好ましく、アルキル基としては炭素数1から6の
低級アルキル基が好ましく、これは直鎖状でも分枝鎖状
でもいずれでもよく、特にメチル基、エチル基、イソプ
ロピル基が好ましい。
【0043】工程(a) 工程(a)は、式(III)
【0044】
【化59】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物を得る工程であ
る。
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物を得る工程であ
る。
【0045】化合物(III)は、化合物(I)
【0046】
【化60】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、Zは、アミノ基またはニトロ基を表す。)
と化合物(II)
原子を表し、Zは、アミノ基またはニトロ基を表す。)
と化合物(II)
【0047】
【化61】 (式中、R1は、炭素数1から6のアルキル基または水
素原子を表す。)とを溶媒中、金属触媒存在下におい
て、水素ガス雰囲気下で反応させることによって得るこ
とができる。
素原子を表す。)とを溶媒中、金属触媒存在下におい
て、水素ガス雰囲気下で反応させることによって得るこ
とができる。
【0048】この製造法に用いることができる金属触媒
としては、接触水素添加反応で使用できる金属触媒であ
れば特に制限はない。これらのうちで好ましくは、パラ
ジウム−炭素、ラネーニッケル、ラネーコバルトであ
る。
としては、接触水素添加反応で使用できる金属触媒であ
れば特に制限はない。これらのうちで好ましくは、パラ
ジウム−炭素、ラネーニッケル、ラネーコバルトであ
る。
【0049】この反応では反応を促進するために脱水剤
を加えてもよく、脱水剤としては反応に不活性なもので
あれば特に制限はないが、無水硫酸マグネシウム、無水
硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブス等を用いればよ
い。これらの脱水剤のうち、無水硫酸マグネシウム、無
水硫酸ナトリウムが好ましい。
を加えてもよく、脱水剤としては反応に不活性なもので
あれば特に制限はないが、無水硫酸マグネシウム、無水
硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブス等を用いればよ
い。これらの脱水剤のうち、無水硫酸マグネシウム、無
水硫酸ナトリウムが好ましい。
【0050】化合物(I)とピルビン酸化合物(II)
との反応は、触媒量の酸を添加して加圧下に水素添加反
応を実施することでさらに簡便に実施できる。添加する
酸としては有機酸であっても無機酸であってもいずれで
もよい。例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機
酸;置換カルボン酸化合物や置換スルホン酸化合物等の
有機酸を挙げることができる。置換カルボン酸として
は、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸等;置換スルホ
ン酸としては、メタンスルホン酸、トリフルオロメタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸
等を挙げることができる。添加する無機酸としては、塩
酸、硫酸が好ましい。添加する酸は上記に列挙した酸を
添加してもよいが、反応種であるピルビン酸誘導体とし
てピルビン酸自体(CH3COCOOH)を選択して、
このピルビン酸に反応種としてだけではなく、反応促進
剤としての酸の役割を兼ねさせてもよい。添加する酸の
量は触媒量でよく、ピルビン酸以外の酸の場合は化合物
(I)のモル数に対して、1から30%(モル)程度で
よい。ピルビン酸自体に反応促進効果を担わせるとき
は、化合物(I)のモル数に対して当モルでもよいが、
さらに小過剰量を加えることで反応促進効果が得られ
る。触媒効果のためのピルビン酸は1から5%(モル)
程度あればよい。
との反応は、触媒量の酸を添加して加圧下に水素添加反
応を実施することでさらに簡便に実施できる。添加する
酸としては有機酸であっても無機酸であってもいずれで
もよい。例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機
酸;置換カルボン酸化合物や置換スルホン酸化合物等の
有機酸を挙げることができる。置換カルボン酸として
は、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸等;置換スルホ
ン酸としては、メタンスルホン酸、トリフルオロメタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸
等を挙げることができる。添加する無機酸としては、塩
酸、硫酸が好ましい。添加する酸は上記に列挙した酸を
添加してもよいが、反応種であるピルビン酸誘導体とし
てピルビン酸自体(CH3COCOOH)を選択して、
このピルビン酸に反応種としてだけではなく、反応促進
剤としての酸の役割を兼ねさせてもよい。添加する酸の
量は触媒量でよく、ピルビン酸以外の酸の場合は化合物
(I)のモル数に対して、1から30%(モル)程度で
よい。ピルビン酸自体に反応促進効果を担わせるとき
は、化合物(I)のモル数に対して当モルでもよいが、
さらに小過剰量を加えることで反応促進効果が得られ
る。触媒効果のためのピルビン酸は1から5%(モル)
程度あればよい。
【0051】溶媒としては、反応に不活性なものであれ
ば特に制限はないが、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール(IPA)等のアルコール系
溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(TH
F)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;ジクロ
ロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶
媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N
−ジメチルアセトアミド(DMAc)等のアミド系溶
媒;その他、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、
アセトン、酢酸エステル、水等を用いることができる。
また、これらを混合溶媒として使用することもできる。
これらの溶媒のうち、アルコール系溶媒が好ましく、特
にメタノール、エタノール、イソプロパノールが好まし
い。
ば特に制限はないが、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール(IPA)等のアルコール系
溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(TH
F)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;ジクロ
ロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶
媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N
−ジメチルアセトアミド(DMAc)等のアミド系溶
媒;その他、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、
アセトン、酢酸エステル、水等を用いることができる。
また、これらを混合溶媒として使用することもできる。
これらの溶媒のうち、アルコール系溶媒が好ましく、特
にメタノール、エタノール、イソプロパノールが好まし
い。
【0052】反応温度は使用する溶媒により異なるが、
通常、−78℃から溶媒の沸点の範囲で、好ましくは室
温から溶媒の沸点の範囲である。反応時間は1から24
時間の範囲であり、通常、1から16時間の範囲で終了
するこの方法は水素ガス雰囲気下において実施するが、
水素圧は、通常、0.1MPaから10MPaの範囲で
よく、好ましくは0.1から5Mpaの範囲である。
通常、−78℃から溶媒の沸点の範囲で、好ましくは室
温から溶媒の沸点の範囲である。反応時間は1から24
時間の範囲であり、通常、1から16時間の範囲で終了
するこの方法は水素ガス雰囲気下において実施するが、
水素圧は、通常、0.1MPaから10MPaの範囲で
よく、好ましくは0.1から5Mpaの範囲である。
【0053】化合物(I)としてニトロベンゼン誘導体
(Z=NO2)を使用して本反応を実施したときは、ま
ずニトロ基が還元されてアミノ基(アニリン誘導体)と
なり、このアミノ基とピルビン酸のカルボニル基とが反
応してイミン化合物
(Z=NO2)を使用して本反応を実施したときは、ま
ずニトロ基が還元されてアミノ基(アニリン誘導体)と
なり、このアミノ基とピルビン酸のカルボニル基とが反
応してイミン化合物
【0054】
【化62】 が生成し、このイミン化合物のイミノ基が水素添加され
てアミノ基となる(ここにはイミン化合物の幾何異性体
のうちの一方のみを示した)。したがって、本反応の出
発物質としてはニトロ基が還元されたアニリン化合物を
適用できることは言うまでもない。なお、このイミン化
合物は、一方の異性体のみが生成することもあるし、ま
た異性体の混合物として生成することもある。いずれに
場合でも本工程の還元、さらには不斉還元に適用でき
る。
てアミノ基となる(ここにはイミン化合物の幾何異性体
のうちの一方のみを示した)。したがって、本反応の出
発物質としてはニトロ基が還元されたアニリン化合物を
適用できることは言うまでもない。なお、このイミン化
合物は、一方の異性体のみが生成することもあるし、ま
た異性体の混合物として生成することもある。いずれに
場合でも本工程の還元、さらには不斉還元に適用でき
る。
【0055】化合物(I)とピルビン酸化合物を還元条
件下で反応させる製造法においては、通常はラセミ体の
化合物(III)が生成する。これに対して光学活性体
である化合物(III−a)を得ようとするときは、化
合物(I)およびピルビン酸化合物とから生成するイミ
ン化合物を、不斉還元条件下で還元処理することによっ
て得ることができる。イミンの不斉還元反応は、以下に
例示する反応条件によって達成することができる。
件下で反応させる製造法においては、通常はラセミ体の
化合物(III)が生成する。これに対して光学活性体
である化合物(III−a)を得ようとするときは、化
合物(I)およびピルビン酸化合物とから生成するイミ
ン化合物を、不斉還元条件下で還元処理することによっ
て得ることができる。イミンの不斉還元反応は、以下に
例示する反応条件によって達成することができる。
【0056】K.Yamada, J. Chem. Soc., Perkin Tran
s. 1, 265 (1983); S. Ituno, Bull.Chem. Soc. Jpn.,
60, 395 (1987); S. Ituno, J. Chem. Soc., Perkin Tr
ans.1, 1859 (1990); B. T. Cho, Tetrahedron Asymmet
ry, 3, 1583 (1992); T. Sakai, Synlett., 753 (199
5); M. Shimizu, Tetrahedron Lett., 36, 8607 (199
5); C. Bolm, Synlett., 655 (1994); J. M. Brunel, S
ynlett., 177 (1996); R.O. Hutchins, J. Org. Chem.,
52, 704 (1987)等にて報告されているホウ素およびア
ルミニウム化合物を用いる還元反応;
s. 1, 265 (1983); S. Ituno, Bull.Chem. Soc. Jpn.,
60, 395 (1987); S. Ituno, J. Chem. Soc., Perkin Tr
ans.1, 1859 (1990); B. T. Cho, Tetrahedron Asymmet
ry, 3, 1583 (1992); T. Sakai, Synlett., 753 (199
5); M. Shimizu, Tetrahedron Lett., 36, 8607 (199
5); C. Bolm, Synlett., 655 (1994); J. M. Brunel, S
ynlett., 177 (1996); R.O. Hutchins, J. Org. Chem.,
52, 704 (1987)等にて報告されているホウ素およびア
ルミニウム化合物を用いる還元反応;
【0057】N. Langlois, Tetrahedron Lett., 4865
(1973); H. B. Kagan, J. Organomet. Chem., 90, 353
(1975); X. Verdaguer, J. Am. Chem. Soc., 118, 678
4 (1996)等にて報告されているヒドロシリル化反応;
(1973); H. B. Kagan, J. Organomet. Chem., 90, 353
(1975); X. Verdaguer, J. Am. Chem. Soc., 118, 678
4 (1996)等にて報告されているヒドロシリル化反応;
【0058】以下の文献等にて報告されている触媒的
水素化反応(Rh触媒: A. Levi, J.Chem. Soc., Che
m. Commun., 6 (1975); S. Vastag, J. Mol. Catal., 2
2, 283(1984); G. -J. Kang, J. Chem. Soc., Chem. C
ommun., 1466 (1988); W. R.Cullen, J. Mol. Catal.,
62, 243 (1990); A. G. Becalski, Inorg. Chem., 30,
5002 (1991); J. Bakos, J. Organomet. Chem., 279, 2
3 (1985); J. Bakos,J. Organomet. Chem., 370, 263
(1989); J. Bakos, J. Chem. Soc.,Chem. Commun., 168
4 (1991); C. Lensink, Tetrahedron Asymmetry, 3, 23
5 (1992); C. Lensink, Tetrahedron Asymmetry, 4, 21
5 (1993); J. M. Buriak, Organometallics, 15, 3161
(1996); M. J. Burk, J. Am. Chem. Soc., 114, 6266
(1992); M. J. Burk, Tetrahedron, 50, 4399 (1994);
Ir触媒: F. Spindler, Angew.Chem., Int. Ed. Eng
l., 29, 558 (1990); A. Togni., Angew. Chem., Int.
Ed.Engl., 35, 1475 (1996); T. Morimoto, Chem. Phar
m. Bull., 42, 1951 (1994); T. Morimoto, Tetrahedro
n Asymmetry, 6, 2661 (1995); T. Morimoto, Synlet
t., 748 (1995); K. Tani, Chem. Lett., 955 (1995);
K. Satoh, Tetrahedron Asymmetry, 9, 2657 (1998);
Y. Ng C. Chan, J. Chem. Soc.,Chem. Commun., 869
(1990); Y. Ng C. Chan, J. Am. Chem. Soc., 112, 940
0 (1990); R. Sablong, Tetrahedron. Lett., 37, 4937
(1996); Ti触媒: C. A. Willoughby,J. Am. Chem.
Soc., 114, 7562 (1992); C. A. Willoughby, J. Org.
Chem., 58, 7627 (1993); C. A. Willoughby, J. Am. C
hem. Soc., 116, 8952 (1994); C.A. Willoughby, J. A
m. Chem. Soc., 116, 11703 (1994); Ru触媒: C. Bo
tteghi, Chimia, 29, 256 (1975); W. Oppolzer, Tetra
hedron Lett., 31, 4117 (1990); D. E. Fogg, Inorg.
Chim. Acta., 222, 85 (1994))および(4)S. Hashiguch
i, J. Am. Chem. Soc., 117, 7562 (1995); A. Fujii,
J. Am. Chem. Soc.,118, 2521 (1996); N. Uematsu, J.
Am. Chem. Soc., 118, 4916 (1996)等にて報告されて
いる水素移動型還元反応が知られている。
水素化反応(Rh触媒: A. Levi, J.Chem. Soc., Che
m. Commun., 6 (1975); S. Vastag, J. Mol. Catal., 2
2, 283(1984); G. -J. Kang, J. Chem. Soc., Chem. C
ommun., 1466 (1988); W. R.Cullen, J. Mol. Catal.,
62, 243 (1990); A. G. Becalski, Inorg. Chem., 30,
5002 (1991); J. Bakos, J. Organomet. Chem., 279, 2
3 (1985); J. Bakos,J. Organomet. Chem., 370, 263
(1989); J. Bakos, J. Chem. Soc.,Chem. Commun., 168
4 (1991); C. Lensink, Tetrahedron Asymmetry, 3, 23
5 (1992); C. Lensink, Tetrahedron Asymmetry, 4, 21
5 (1993); J. M. Buriak, Organometallics, 15, 3161
(1996); M. J. Burk, J. Am. Chem. Soc., 114, 6266
(1992); M. J. Burk, Tetrahedron, 50, 4399 (1994);
Ir触媒: F. Spindler, Angew.Chem., Int. Ed. Eng
l., 29, 558 (1990); A. Togni., Angew. Chem., Int.
Ed.Engl., 35, 1475 (1996); T. Morimoto, Chem. Phar
m. Bull., 42, 1951 (1994); T. Morimoto, Tetrahedro
n Asymmetry, 6, 2661 (1995); T. Morimoto, Synlet
t., 748 (1995); K. Tani, Chem. Lett., 955 (1995);
K. Satoh, Tetrahedron Asymmetry, 9, 2657 (1998);
Y. Ng C. Chan, J. Chem. Soc.,Chem. Commun., 869
(1990); Y. Ng C. Chan, J. Am. Chem. Soc., 112, 940
0 (1990); R. Sablong, Tetrahedron. Lett., 37, 4937
(1996); Ti触媒: C. A. Willoughby,J. Am. Chem.
Soc., 114, 7562 (1992); C. A. Willoughby, J. Org.
Chem., 58, 7627 (1993); C. A. Willoughby, J. Am. C
hem. Soc., 116, 8952 (1994); C.A. Willoughby, J. A
m. Chem. Soc., 116, 11703 (1994); Ru触媒: C. Bo
tteghi, Chimia, 29, 256 (1975); W. Oppolzer, Tetra
hedron Lett., 31, 4117 (1990); D. E. Fogg, Inorg.
Chim. Acta., 222, 85 (1994))および(4)S. Hashiguch
i, J. Am. Chem. Soc., 117, 7562 (1995); A. Fujii,
J. Am. Chem. Soc.,118, 2521 (1996); N. Uematsu, J.
Am. Chem. Soc., 118, 4916 (1996)等にて報告されて
いる水素移動型還元反応が知られている。
【0059】工程(b) 工程(b)は、化合物(III−2)
【0060】
【化63】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)を得る工程である。
原子を表す。)を得る工程である。
【0061】化合物(III−2)は、化合物(III
−1)
−1)
【0062】
【化64】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は炭素数1から6のアルキル基を表
す。)のエステルを加水分解することにより得られる。
原子を表し、R2は炭素数1から6のアルキル基を表
す。)のエステルを加水分解することにより得られる。
【0063】加水分解は、酸または塩基を用いて行わ
れ、酸性加水分解には塩酸、硫酸等の酸を、アルカリ性
加水分解には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナト
リウムアルコラート等の塩基を用いればよい。これら酸
または塩基は水溶液、メタノール、エタノール等のアル
コール系有機溶媒、または含水有機溶媒による溶液とし
て反応に用いることができ、反応温度は室温から溶媒の
沸点において行われる。反応時間は通常、1から24時
間の範囲で、好ましくは1から5時間の範囲である。
れ、酸性加水分解には塩酸、硫酸等の酸を、アルカリ性
加水分解には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナト
リウムアルコラート等の塩基を用いればよい。これら酸
または塩基は水溶液、メタノール、エタノール等のアル
コール系有機溶媒、または含水有機溶媒による溶液とし
て反応に用いることができ、反応温度は室温から溶媒の
沸点において行われる。反応時間は通常、1から24時
間の範囲で、好ましくは1から5時間の範囲である。
【0064】工程(c) 工程(c)は、カルボン酸である対掌体化合物(III
−2−a)
−2−a)
【0065】
【化65】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)を得る工程である。
原子を表す。)を得る工程である。
【0066】化合物(III−2−a)はラセミ体であ
る化合物(III−1)
る化合物(III−1)
【0067】
【化66】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2はアルキル基を表す。)を、不斉加水
分解能を有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、
または該微生物菌体処理物にて処理することによって得
られる。エステルの不斉加水分解を実施するには、ラセ
ミ体である化合物(III−1)を適当な緩衝液に懸濁
し、酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該微
生物菌体処理物を加え攪拌して処理すればよい。
原子を表し、R2はアルキル基を表す。)を、不斉加水
分解能を有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、
または該微生物菌体処理物にて処理することによって得
られる。エステルの不斉加水分解を実施するには、ラセ
ミ体である化合物(III−1)を適当な緩衝液に懸濁
し、酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該微
生物菌体処理物を加え攪拌して処理すればよい。
【0068】この反応で使用できる酵素等はエステル不
斉加水分解能を有していれば特に限定されないが、酵素
としては微生物、動物および植物由来の市販酵素製剤を
挙げることができる。例えば、各種のエステラーゼやプ
ロテアーゼやキモトリプシンを使用することができる。
また、微生物としては、バチルス属、マイクロコッカス
属、アクチノマイセス属等の細菌;アスペルギルス属、
リゾパス属、ナンニーザ属、ペニシリウム属等のカビ;
キャンディダ属、サッカロマイセス属、ジゴアスカス属
等の酵母;を用いることができる。
斉加水分解能を有していれば特に限定されないが、酵素
としては微生物、動物および植物由来の市販酵素製剤を
挙げることができる。例えば、各種のエステラーゼやプ
ロテアーゼやキモトリプシンを使用することができる。
また、微生物としては、バチルス属、マイクロコッカス
属、アクチノマイセス属等の細菌;アスペルギルス属、
リゾパス属、ナンニーザ属、ペニシリウム属等のカビ;
キャンディダ属、サッカロマイセス属、ジゴアスカス属
等の酵母;を用いることができる。
【0069】上記の酵素や菌体等による処理によって、
化合物(III−1)のうちの一方の異性体(対掌体)
化合物(III−1)のうちの一方の異性体(対掌体)
【0070】
【化67】 のエステル部分が加水分解されてカルボン酸が生成し、
さらにこれはカルボン酸塩となって処理液に溶解する。
この時点でこの処理液を酢酸エチル、クロロホルム、ジ
イソプロピルエーテル(IPE)、メチルt−ブチルエ
ーテル(MTBE)等の有機溶媒によって抽出すること
で、不要の異性体(対掌体)である化合物(III−1
−b)のエステル体(下記構造式参照)
さらにこれはカルボン酸塩となって処理液に溶解する。
この時点でこの処理液を酢酸エチル、クロロホルム、ジ
イソプロピルエーテル(IPE)、メチルt−ブチルエ
ーテル(MTBE)等の有機溶媒によって抽出すること
で、不要の異性体(対掌体)である化合物(III−1
−b)のエステル体(下記構造式参照)
【0071】
【化68】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)を単離採取することができる。なお、この抽出操
作に当たっては処理に用いた酵素、菌体等を、化合物
(III−1−b)の抽出前に濾過等によって除去して
おくのがよい。
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)を単離採取することができる。なお、この抽出操
作に当たっては処理に用いた酵素、菌体等を、化合物
(III−1−b)の抽出前に濾過等によって除去して
おくのがよい。
【0072】化合物(III−1−b)を抽出した後、
処理液の液性を酸性にした後、ジイソプロピルエーテ
ル、メチルt−ブチルエーテル、酢酸エチル等の有機溶
媒によって抽出を行なえば、遊離体である化合物(II
I−1−a)のカルボン酸化合物を得ることができる。
処理液の液性を酸性にした後、ジイソプロピルエーテ
ル、メチルt−ブチルエーテル、酢酸エチル等の有機溶
媒によって抽出を行なえば、遊離体である化合物(II
I−1−a)のカルボン酸化合物を得ることができる。
【0073】酵素、菌体等による処理の温度は、通常5
℃から60℃の範囲であればよいが、好ましくは20℃
から40℃の範囲である。また、この際の処理液のpH
は、4から9の範囲であればよいが、好ましくは6から
8の範囲である。酵素、菌体等による処理時間は、4時
間から7日間の範囲であればよいが、好ましくは8時間
から50時間の範囲である。処理液中の化合物(III
−1)の濃度は、通常は重量割合で0.1%から20%
の範囲で行なうが、好ましくは0.5%から5%の範囲
である。酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または
該微生物菌体処理物の使用量は特に限定されないが、乾
燥重量に換算して、化合物(III−1)に対し重量比
で0.05倍から0.5倍が適当である。
℃から60℃の範囲であればよいが、好ましくは20℃
から40℃の範囲である。また、この際の処理液のpH
は、4から9の範囲であればよいが、好ましくは6から
8の範囲である。酵素、菌体等による処理時間は、4時
間から7日間の範囲であればよいが、好ましくは8時間
から50時間の範囲である。処理液中の化合物(III
−1)の濃度は、通常は重量割合で0.1%から20%
の範囲で行なうが、好ましくは0.5%から5%の範囲
である。酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または
該微生物菌体処理物の使用量は特に限定されないが、乾
燥重量に換算して、化合物(III−1)に対し重量比
で0.05倍から0.5倍が適当である。
【0074】なお、化合物(III−1−a)のエステ
ルを切断してカルボキシル基に変換するのとは反対の不
斉認識能を有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌
体、または該微生物菌体処理物を使用することによって
化合物(III−1−b)のカルボン酸化合物を得るこ
とができる。
ルを切断してカルボキシル基に変換するのとは反対の不
斉認識能を有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌
体、または該微生物菌体処理物を使用することによって
化合物(III−1−b)のカルボン酸化合物を得るこ
とができる。
【0075】工程(d) 工程(d)は、エステルの対掌体化合物(III−1−
a)
a)
【0076】
【化69】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)を得る工程である。
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)を得る工程である。
【0077】化合物(III−1−a)は、化合物(I
II−1)
II−1)
【0078】
【化70】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)をエステル不斉加水分解能を有する酵素、微生物
の培養液、該微生物菌体または該微生物菌体処理物にて
処理することにより得られる。まず、化合物(III−
1)を適当な緩衝液に懸濁し、酵素、微生物の培養液、
該微生物菌体、または該微生物菌体処理物を加え攪拌し
て処理する。
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)をエステル不斉加水分解能を有する酵素、微生物
の培養液、該微生物菌体または該微生物菌体処理物にて
処理することにより得られる。まず、化合物(III−
1)を適当な緩衝液に懸濁し、酵素、微生物の培養液、
該微生物菌体、または該微生物菌体処理物を加え攪拌し
て処理する。
【0079】反応に使用する酵素または微生物等は、工
程(c)において使用したのと同様にエステル不斉加水
分解能を有し、かつ、工程(c)で使用したとは反対の
対掌体のエステル不斉加水分解能を有していれば限定さ
れない。酵素としては微生物、動物および植物由来の市
販酵素製剤を挙げることができる。例えば、各種のエス
テラーゼやプロテアーゼやキモトリプシンを使用するこ
とができる。また、微生物としては、バチルス属、マイ
クロコッカス属、アクチノマイセス属等の細菌;アスペ
ルギルス属、リゾパス属、ナンニーザ属、ペニシリウム
属等のカビ;キャンディダ属、サッカロマイセス属、ジ
ゴアスカス属等の酵母;を用いることができる。この様
な能力を有する酵素または微生物等の処理によって、化
合物(III−1−b)
程(c)において使用したのと同様にエステル不斉加水
分解能を有し、かつ、工程(c)で使用したとは反対の
対掌体のエステル不斉加水分解能を有していれば限定さ
れない。酵素としては微生物、動物および植物由来の市
販酵素製剤を挙げることができる。例えば、各種のエス
テラーゼやプロテアーゼやキモトリプシンを使用するこ
とができる。また、微生物としては、バチルス属、マイ
クロコッカス属、アクチノマイセス属等の細菌;アスペ
ルギルス属、リゾパス属、ナンニーザ属、ペニシリウム
属等のカビ;キャンディダ属、サッカロマイセス属、ジ
ゴアスカス属等の酵母;を用いることができる。この様
な能力を有する酵素または微生物等の処理によって、化
合物(III−1−b)
【0080】
【化71】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)のエステル部分が加水分解され、カルボン酸とな
った化合物(III−2−b)
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)のエステル部分が加水分解され、カルボン酸とな
った化合物(III−2−b)
【0081】
【化72】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)が生成し、この化合物(III−2−
b)はカルボン酸塩となって処理液に溶解する。この処
理液を酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶媒にて抽出
することによって、加水分解を受けなかった化合物(I
II−1−a)を単離採取することができる。なお、処
理に用いた酵素、菌体等は、化合物(III−1−a)
の抽出前に、濾過等により除いておくのがよい。また、
エステル化合物(III−1−a)を抽出した後、処理
液を酸性として、工程(c)と同様に有機溶媒にて抽出
を行なえば、遊離の化合物(III−2−b)を得るこ
とができる。
原子を表す。)が生成し、この化合物(III−2−
b)はカルボン酸塩となって処理液に溶解する。この処
理液を酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶媒にて抽出
することによって、加水分解を受けなかった化合物(I
II−1−a)を単離採取することができる。なお、処
理に用いた酵素、菌体等は、化合物(III−1−a)
の抽出前に、濾過等により除いておくのがよい。また、
エステル化合物(III−1−a)を抽出した後、処理
液を酸性として、工程(c)と同様に有機溶媒にて抽出
を行なえば、遊離の化合物(III−2−b)を得るこ
とができる。
【0082】処理温度は、通常5℃から60℃の範囲で
あればよいが、好ましくは20℃から40℃の範囲であ
る。また、処理液のpHは、4から9の範囲であればよ
いが、好ましくは6から8の範囲である。処理時間は、
4時間から7日間の範囲であればよいが、好ましくは8
時間から50時間の範囲である。処理液中の化合物(I
II−1)の濃度は、通常は重量割合で1%から10%
の範囲で行なうが、好ましくは0.5%から5%の範囲
である。酵素、微生物の培養液、該微生物菌体または該
微生物菌体処理物の使用量は特に限定されないが、乾燥
重量に換算して、化合物(III−1)に対し重量比で
0.05倍から0.5倍が適当である。
あればよいが、好ましくは20℃から40℃の範囲であ
る。また、処理液のpHは、4から9の範囲であればよ
いが、好ましくは6から8の範囲である。処理時間は、
4時間から7日間の範囲であればよいが、好ましくは8
時間から50時間の範囲である。処理液中の化合物(I
II−1)の濃度は、通常は重量割合で1%から10%
の範囲で行なうが、好ましくは0.5%から5%の範囲
である。酵素、微生物の培養液、該微生物菌体または該
微生物菌体処理物の使用量は特に限定されないが、乾燥
重量に換算して、化合物(III−1)に対し重量比で
0.05倍から0.5倍が適当である。
【0083】工程(e) 工程(e)は、化合物(III−1−a)
【0084】
【化73】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)または化合物(III−1−b)
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)または化合物(III−1−b)
【0085】
【化74】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)を得る工程である。
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)を得る工程である。
【0086】これらの化合物は対応するカルボン酸であ
る化合物(III−2−a)または化合物(III−2
−b)をエステル化することにより得られる。このエス
テル化は、化合物(III−2−a)または化合物(I
II−2−b)を式(V)
る化合物(III−2−a)または化合物(III−2
−b)をエステル化することにより得られる。このエス
テル化は、化合物(III−2−a)または化合物(I
II−2−b)を式(V)
【0087】
【化75】 R2−OH V (式中、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表されるアルコール中、酸触媒存在下で処理す
ることにより得られる。
す。)で表されるアルコール中、酸触媒存在下で処理す
ることにより得られる。
【0088】使用できるアルコールとしては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノールを挙げることができる。これらのアルコー
ルにより、そのアルコールに対応するエステル化が進行
する。反応温度は使用するアルコールにより異なるが、
−78℃からアルコールの沸点で、好ましくは室温から
アルコールの沸点である。また、この製法において使用
できる酸としては、塩酸、硫酸またはリン酸などを挙げ
ることができる。
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノールを挙げることができる。これらのアルコー
ルにより、そのアルコールに対応するエステル化が進行
する。反応温度は使用するアルコールにより異なるが、
−78℃からアルコールの沸点で、好ましくは室温から
アルコールの沸点である。また、この製法において使用
できる酸としては、塩酸、硫酸またはリン酸などを挙げ
ることができる。
【0089】工程(f) 工程(f)は、化合物(III−2−a)
【0090】
【化76】
【0091】(式中、X1、X2およびX3は、各々独立
してハロゲン原子をす。) および化合物(III−2−b)
してハロゲン原子をす。) および化合物(III−2−b)
【0092】
【化77】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)を得る工程である。
原子を表す。)を得る工程である。
【0093】先ず、ラセミ体である化合物(III−
2)
2)
【0094】
【化78】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)と光学活性有機塩基を、通常は各々を適
当な溶媒に溶解した後に混合してジアステレオマー塩を
形成させ晶析し、一旦生成した塩を適当な溶媒を用いて
再結晶を行ない、より立体異性体的に純粋な塩を得る。
次いで、生成したジアステレオマー塩を加水分解するこ
とにより、化合物(III−2−a)および化合物(I
II−2−b)が得られる。
原子を表す。)と光学活性有機塩基を、通常は各々を適
当な溶媒に溶解した後に混合してジアステレオマー塩を
形成させ晶析し、一旦生成した塩を適当な溶媒を用いて
再結晶を行ない、より立体異性体的に純粋な塩を得る。
次いで、生成したジアステレオマー塩を加水分解するこ
とにより、化合物(III−2−a)および化合物(I
II−2−b)が得られる。
【0095】本発明でいう「単一の光学異性体からな
る」とは、他の光学異性体を全く含まない場合だけでな
く、物理恒数に影響しない程度であれば他の光学異性体
を含んでいてもよい。本発明でいう「立体異性体的に純
粋な塩」とは以下のようなものである。すなわち、塩を
構成する酸と塩基に立体異性体が存在する場合におい
て、1種の立体異性体から構成される酸と、あるいは同
様に1種の立体異性体から構成される塩基とを組み合わ
せて生ずる塩を称して立体異性体的に純粋であるとい
う。つまり、塩を構成する酸と塩基とがいずれも1種の
立体異性体によって構成されることを示している。ここ
で、1種の立体異性体によって構成されるとは、化学的
に実質的に他の異性体を含有しないと認められる状態で
あればよい。
る」とは、他の光学異性体を全く含まない場合だけでな
く、物理恒数に影響しない程度であれば他の光学異性体
を含んでいてもよい。本発明でいう「立体異性体的に純
粋な塩」とは以下のようなものである。すなわち、塩を
構成する酸と塩基に立体異性体が存在する場合におい
て、1種の立体異性体から構成される酸と、あるいは同
様に1種の立体異性体から構成される塩基とを組み合わ
せて生ずる塩を称して立体異性体的に純粋であるとい
う。つまり、塩を構成する酸と塩基とがいずれも1種の
立体異性体によって構成されることを示している。ここ
で、1種の立体異性体によって構成されるとは、化学的
に実質的に他の異性体を含有しないと認められる状態で
あればよい。
【0096】塩の形成に用いる光学活性有機塩基として
は、例えば式(IV)
は、例えば式(IV)
【0097】
【化79】 (式中、Arylは、炭素数1から6のアルキル基、炭
素数1から6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基、またはカルバモイル基を有することもあ
るアリール基を表し、R3、R4およびR5は、各々独立
して、 炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、もしくはシアノ
基を有していてもよいフェニル基、 炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ニト
ロ基、カルバモイル基、ハロゲン原子、もしくはシアノ
基を有していてもよいフェニル基を有するベンジル基、 炭素数1から6のアルキル基、または 水素原子を表す。)で表される1位がアリール基で置
換された光学活性なエチルアミン誘導体(1−アリール
エチルアミン誘導体)を挙げることができる。
素数1から6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基、またはカルバモイル基を有することもあ
るアリール基を表し、R3、R4およびR5は、各々独立
して、 炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、もしくはシアノ
基を有していてもよいフェニル基、 炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ニト
ロ基、カルバモイル基、ハロゲン原子、もしくはシアノ
基を有していてもよいフェニル基を有するベンジル基、 炭素数1から6のアルキル基、または 水素原子を表す。)で表される1位がアリール基で置
換された光学活性なエチルアミン誘導体(1−アリール
エチルアミン誘導体)を挙げることができる。
【0098】ここでアリール基としてはフェニル基、ナ
フチル基を例示することができる。これらのアリール基
の芳香環は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1か
ら6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、またはカルバモイル基を1以上有してもよく、また
これらの置換基の複数種を1以上有していてもよい。こ
のような光学活性な塩基としては1−フェニルエチルア
ミン、1−(p−トリル)エチルアミン、または1−フ
ェニル−2−(p−トリル)エチルアミンを例示するこ
とができる。
フチル基を例示することができる。これらのアリール基
の芳香環は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1か
ら6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、またはカルバモイル基を1以上有してもよく、また
これらの置換基の複数種を1以上有していてもよい。こ
のような光学活性な塩基としては1−フェニルエチルア
ミン、1−(p−トリル)エチルアミン、または1−フ
ェニル−2−(p−トリル)エチルアミンを例示するこ
とができる。
【0099】そして、これらの塩基のうちで化合物(I
II−2−a)と組み合わせることで有利な塩形成を行
なうことができる光学活性な塩基としては、(R)−
(+)−1−フェニルエチルアミン、(R)−(+)−
1−(p−トリル)エチルアミン、または(S)−
(+)−1−フェニル−2−(p−トリル)エチルアミ
ンを挙げることができる。また、化合物(III−2−
b)と組み合わせることで有利な塩形成を行なうことが
できる光学活性な塩基としては、(S)−(+)−1−
フェニルエチルアミン、(S)−(+)−1−(p−ト
リル)エチルアミン、または(R)−(+)−1−フェ
ニル−2−(p−トリル)エチルアミンを挙げることが
できる。
II−2−a)と組み合わせることで有利な塩形成を行
なうことができる光学活性な塩基としては、(R)−
(+)−1−フェニルエチルアミン、(R)−(+)−
1−(p−トリル)エチルアミン、または(S)−
(+)−1−フェニル−2−(p−トリル)エチルアミ
ンを挙げることができる。また、化合物(III−2−
b)と組み合わせることで有利な塩形成を行なうことが
できる光学活性な塩基としては、(S)−(+)−1−
フェニルエチルアミン、(S)−(+)−1−(p−ト
リル)エチルアミン、または(R)−(+)−1−フェ
ニル−2−(p−トリル)エチルアミンを挙げることが
できる。
【0100】一方、1−アリールエチルアミン誘導体の
芳香環としては炭化水素系の芳香環だけではなく、硫黄
原子、窒素原子または酸素原子などを含む芳香族複素環
でもよい。例えば、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピ
リジン、キノリン、イソキノリン、フラン、ベンゾフラ
ン等を挙げることができる。
芳香環としては炭化水素系の芳香環だけではなく、硫黄
原子、窒素原子または酸素原子などを含む芳香族複素環
でもよい。例えば、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピ
リジン、キノリン、イソキノリン、フラン、ベンゾフラ
ン等を挙げることができる。
【0101】光学活性塩基の使用量は、カルボン酸化合
物のモル数に対して通常は当倍モル以下を使用すればよ
い。
物のモル数に対して通常は当倍モル以下を使用すればよ
い。
【0102】目的の塩を晶析または再結晶する際の溶媒
は各種の溶媒を使用することができる。使用する溶媒と
しては、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の脂肪族または芳香族炭化水素系溶
媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコ
ール系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、メチルt−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエ
ーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;クロロホル
ム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン(EDC)
等のハロゲン化炭化水素系溶媒を挙げることができる。
この他に、水、アセトニトリル、酢酸エステル類、アセ
トン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独でも
よいが複数種を組み合わせてもよい。使用する溶媒の量
は、通常1から100重量倍程度、好ましくは2から5
0重量倍程度の範囲である。
は各種の溶媒を使用することができる。使用する溶媒と
しては、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の脂肪族または芳香族炭化水素系溶
媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコ
ール系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、メチルt−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等のエ
ーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;クロロホル
ム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン(EDC)
等のハロゲン化炭化水素系溶媒を挙げることができる。
この他に、水、アセトニトリル、酢酸エステル類、アセ
トン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独でも
よいが複数種を組み合わせてもよい。使用する溶媒の量
は、通常1から100重量倍程度、好ましくは2から5
0重量倍程度の範囲である。
【0103】目的の塩を晶析または再結晶する際の温度
は一定ではないが、通常用いられている程度の温度条件
でよく、具体的には氷冷から使用する溶媒の沸点の間の
温度で行なえばよい。反応時間は通常、1から24時間
の範囲である。
は一定ではないが、通常用いられている程度の温度条件
でよく、具体的には氷冷から使用する溶媒の沸点の間の
温度で行なえばよい。反応時間は通常、1から24時間
の範囲である。
【0104】また、カルボン酸塩を遊離体に導くには酸
によって処理すればよく、塩酸、硫酸等の無機酸によっ
て処理し、次いで有機溶媒によって抽出する等して単離
すればよい。
によって処理すればよく、塩酸、硫酸等の無機酸によっ
て処理し、次いで有機溶媒によって抽出する等して単離
すればよい。
【0105】工程(g) 工程(g)は、ラセミ体の化合物(III−1)
【0106】
【化80】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)を得る工程である。化合物(III−1)は化合
物(III−1−b)
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)を得る工程である。化合物(III−1)は化合
物(III−1−b)
【0107】
【化81】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)を塩基存在下に処理し、ラセミ化することにより
得られる。
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)を塩基存在下に処理し、ラセミ化することにより
得られる。
【0108】レボフロキサシンの製造に使用する異性体
(対掌体)は、化合物(III−1−a)であり、した
がってもう一方の異性体である化合物(III−1−
b)はこのままでは利用価値がない。この化合物(II
I−1−b)のうちのエステル化合物は、塩基存在下に
処理することによってラセミ化させることができる。こ
の方法によって、不要の異性体を必要な異性体に転換す
ることができる。
(対掌体)は、化合物(III−1−a)であり、した
がってもう一方の異性体である化合物(III−1−
b)はこのままでは利用価値がない。この化合物(II
I−1−b)のうちのエステル化合物は、塩基存在下に
処理することによってラセミ化させることができる。こ
の方法によって、不要の異性体を必要な異性体に転換す
ることができる。
【0109】この異性化反応において使用できる溶媒と
しては各種のものを挙げることができるが、例えば、n
−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の脂肪族または芳香族炭化水素系溶媒;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール系溶媒;
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt
−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメ
トキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶
媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド等のアミド系溶媒;クロロホルム、塩化メ
チレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水
素系溶媒を挙げることができる。この他に、水、アセト
ニトリル、酢酸エステル類、アセトン等を挙げることが
できる。これらの溶媒は単独でもよいが複数種を組み合
わせてもよい。これら溶媒のうち、トルエン等の芳香族
炭化水素系およびN,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド等のアミド系が好ましい。
しては各種のものを挙げることができるが、例えば、n
−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の脂肪族または芳香族炭化水素系溶媒;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール系溶媒;
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt
−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメ
トキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶
媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド等のアミド系溶媒;クロロホルム、塩化メ
チレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水
素系溶媒を挙げることができる。この他に、水、アセト
ニトリル、酢酸エステル類、アセトン等を挙げることが
できる。これらの溶媒は単独でもよいが複数種を組み合
わせてもよい。これら溶媒のうち、トルエン等の芳香族
炭化水素系およびN,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド等のアミド系が好ましい。
【0110】反応温度は塩基の種類や使用する溶媒によ
り異なるが、−78℃から溶媒の沸点で、好ましくは室
温から溶媒の沸点である。反応時間は通常、1から24
時間の範囲で、好ましくは1から16時間の範囲であ
る。
り異なるが、−78℃から溶媒の沸点で、好ましくは室
温から溶媒の沸点である。反応時間は通常、1から24
時間の範囲で、好ましくは1から16時間の範囲であ
る。
【0111】塩基としては、有機または無機のいずれで
あってもよく、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、
例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウ
ム、カルシウム等の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩およ
びアルコキサイド等;水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム、水素化リチウム等の金属水素化物;n−ブチルリチ
ウム、メチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド
等のアルキルリチウム試薬;トリエチルアミン、N,N
−ジイソプロピルエチルアミン等の三級アミン類、その
他、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−
7−エン(DBU)、1,8−ジアザビシクロ[4.
3.0]ノン−5−エン(DBN)、N−メチルモルフ
ォリン等の含窒素複素環化合物;ジメチルアニリン、ジ
エチルアニリン等のN,N−ジアルキルアニリン;等を
用いることができる。これらの塩基のうち、1,8−ジ
アザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DB
U)等の含窒素複素環化合物;および炭酸カリウム等の
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩;カリウ
ムターシャリーブトキサイド(t−BuOK)等のアル
カリ金属またはアルカリ土類金属の金属アルコキサイ
ド;が好ましい。塩基の使用量は通常、化合物(III
−1−b)のエステル化合物のモル数に対して0.1か
ら15倍量の範囲で使用すればよく、好ましくは1から
5倍モル程度である。
あってもよく、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、
例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウ
ム、カルシウム等の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩およ
びアルコキサイド等;水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム、水素化リチウム等の金属水素化物;n−ブチルリチ
ウム、メチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド
等のアルキルリチウム試薬;トリエチルアミン、N,N
−ジイソプロピルエチルアミン等の三級アミン類、その
他、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−
7−エン(DBU)、1,8−ジアザビシクロ[4.
3.0]ノン−5−エン(DBN)、N−メチルモルフ
ォリン等の含窒素複素環化合物;ジメチルアニリン、ジ
エチルアニリン等のN,N−ジアルキルアニリン;等を
用いることができる。これらの塩基のうち、1,8−ジ
アザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DB
U)等の含窒素複素環化合物;および炭酸カリウム等の
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩;カリウ
ムターシャリーブトキサイド(t−BuOK)等のアル
カリ金属またはアルカリ土類金属の金属アルコキサイ
ド;が好ましい。塩基の使用量は通常、化合物(III
−1−b)のエステル化合物のモル数に対して0.1か
ら15倍量の範囲で使用すればよく、好ましくは1から
5倍モル程度である。
【0112】また、反応を促進させるためにテトラブチ
ルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニ
ウムクロリド等の四級アンモニウム塩;ヨウ化カリウ
ム、ヨウ化ナトリウム等のアルカリ金属またはアルカリ
土類金属のヨウ化物;およびクラウンエーテル等の存在
下で行ってもよい。
ルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニ
ウムクロリド等の四級アンモニウム塩;ヨウ化カリウ
ム、ヨウ化ナトリウム等のアルカリ金属またはアルカリ
土類金属のヨウ化物;およびクラウンエーテル等の存在
下で行ってもよい。
【0113】工程(h) 工程(h)は、ラセミ体の化合物(III−2)
【0114】
【化82】 を得る工程である。
【0115】化合物(III−2)は化合物(III−
1−b)
1−b)
【0116】
【化83】 を塩基存在下に処理してラセミ化した後、加水分解処理
することによって得られる。
することによって得られる。
【0117】溶媒は各種の溶媒を使用することができ、
例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、t−ブタノールのアルコール系溶媒;ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−
ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶
媒;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエ
タン(EDC)等のハロゲン化炭化水素系溶媒を挙げる
ことができる。この他に、水、アセトニトリル、酢酸エ
ステル類、アセトン等を挙げることができる。これらの
溶媒は単独でもよいが複数種を組み合わせてもよい。こ
れら溶媒のうち、トルエン等の芳香族炭化水素系および
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミ
ド系が好ましい。
例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、t−ブタノールのアルコール系溶媒;ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−
ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶
媒;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエ
タン(EDC)等のハロゲン化炭化水素系溶媒を挙げる
ことができる。この他に、水、アセトニトリル、酢酸エ
ステル類、アセトン等を挙げることができる。これらの
溶媒は単独でもよいが複数種を組み合わせてもよい。こ
れら溶媒のうち、トルエン等の芳香族炭化水素系および
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミ
ド系が好ましい。
【0118】反応温度は塩基の種類や使用する溶媒によ
り異なるが、−78℃から溶媒の沸点で、好ましくは室
温から溶媒の沸点である。反応時間は通常、1から24
時間の範囲で、好ましくは1から16時間の範囲であ
る。
り異なるが、−78℃から溶媒の沸点で、好ましくは室
温から溶媒の沸点である。反応時間は通常、1から24
時間の範囲で、好ましくは1から16時間の範囲であ
る。
【0119】塩基としては、有機または無機のいずれで
あってもよく、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、
例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウ
ム、カルシウム等の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩およ
びアルコキサイド等;水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム、水素化リチウム等の金属水素化物;n−ブチルリチ
ウム、メチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド
等のアルキルリチウム試薬、トリエチルアミン、N、N
−ジイソプロピルエチルアミン等の三級アミン類;その
他、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−
7−エン、1,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン
−5−エン、ジメチルアニリン、N−メチルモルフォリ
ン等の複素環化合物を用いることができる。これらの塩
基のうち、カリウムターシャリーブトキサイド等のアル
カリ金属アルコキサイドおよび炭酸カリウム等のアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩が好ましい。塩
基の使用量は通常、化合物(III−1−b)に対して
0.1から15当量の範囲でよく、好ましくは1から5
当量程度である。
あってもよく、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、
例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウ
ム、カルシウム等の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩およ
びアルコキサイド等;水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム、水素化リチウム等の金属水素化物;n−ブチルリチ
ウム、メチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド
等のアルキルリチウム試薬、トリエチルアミン、N、N
−ジイソプロピルエチルアミン等の三級アミン類;その
他、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−
7−エン、1,8−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン
−5−エン、ジメチルアニリン、N−メチルモルフォリ
ン等の複素環化合物を用いることができる。これらの塩
基のうち、カリウムターシャリーブトキサイド等のアル
カリ金属アルコキサイドおよび炭酸カリウム等のアルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩が好ましい。塩
基の使用量は通常、化合物(III−1−b)に対して
0.1から15当量の範囲でよく、好ましくは1から5
当量程度である。
【0120】また、反応を促進させるためにテトラブチ
ルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニ
ウムクロリド等の四級アンモニウム塩やヨウ化カリウ
ム、ヨウ化ナトリウム等のアルカリ金属またはアルカリ
土類金属のヨウ化物およびクラウンエーテル等の存在下
で行うこともある。
ルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニ
ウムクロリド等の四級アンモニウム塩やヨウ化カリウ
ム、ヨウ化ナトリウム等のアルカリ金属またはアルカリ
土類金属のヨウ化物およびクラウンエーテル等の存在下
で行うこともある。
【0121】また、加水分解は酸または塩基を用いて行
われ、酸性加水分解には塩酸、硫酸等の酸を用いる。塩
基性加水分解には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩等の塩基が用
いられ、塩基は通常、水溶液として用いられる。
われ、酸性加水分解には塩酸、硫酸等の酸を用いる。塩
基性加水分解には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩等の塩基が用
いられ、塩基は通常、水溶液として用いられる。
【0122】なお、エステルの不斉加水分解反応あるい
は酸や塩基の存在下での加水分解反応によって得られる
化合物(III−a)のうちのカルボン酸化合物は、各
種のアミン類との塩を形成させることで精製することが
できる。この精製のために使用できるアミンとしては、
脂溶性の高いアミンが好ましく、例えばシクロヘキシシ
ルアミン等の環状アルキルアミン類;ベンジルアミン、
フェネチルアミン等のアラルキルアミンを挙げることが
できる。こららのアミンのうちでは、シクロヘキシルア
ミン、ベンジルアミンが好ましく、シクロヘキシルアミ
ンがさらに好ましい。これらのアミンの塩は通常の方法
によって再結晶して精製すればよい。精製のための条件
は先に述べた光学分割の条件を適宜採用することができ
る。この様にして得た化合物(III−1)のうちのカ
ルボン酸化合物のアミン塩は酸処理することで遊離体に
導くことができ、その後に上記の方法によってエステル
化することができる。また、エステル化のために使用す
る酸の量を、カルボン酸塩のモル数に対して過剰量とす
ることによって、この遊離体を得るための操作を行うこ
となくエステル化を行うことができる。
は酸や塩基の存在下での加水分解反応によって得られる
化合物(III−a)のうちのカルボン酸化合物は、各
種のアミン類との塩を形成させることで精製することが
できる。この精製のために使用できるアミンとしては、
脂溶性の高いアミンが好ましく、例えばシクロヘキシシ
ルアミン等の環状アルキルアミン類;ベンジルアミン、
フェネチルアミン等のアラルキルアミンを挙げることが
できる。こららのアミンのうちでは、シクロヘキシルア
ミン、ベンジルアミンが好ましく、シクロヘキシルアミ
ンがさらに好ましい。これらのアミンの塩は通常の方法
によって再結晶して精製すればよい。精製のための条件
は先に述べた光学分割の条件を適宜採用することができ
る。この様にして得た化合物(III−1)のうちのカ
ルボン酸化合物のアミン塩は酸処理することで遊離体に
導くことができ、その後に上記の方法によってエステル
化することができる。また、エステル化のために使用す
る酸の量を、カルボン酸塩のモル数に対して過剰量とす
ることによって、この遊離体を得るための操作を行うこ
となくエステル化を行うことができる。
【0123】
【実施例】以下、実施例および参考例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。なお、得られた化合物の光学純度(%
ee)は、次のようにして求めた。ジアステレオマー塩
中のカルボン酸の光学純度(%ee)は、対応するカル
ボン酸へ誘導後求めた。また、カルボン酸の光学純度
(%ee)は、カルボン酸をジアゾメタンにてカルボン
酸のメチルエステル体に変換後求めた。さらに、メチル
エステル体およびエチルエステル体の光学純度(%e
e)は、HPLCに付して測定した。得られた化合物の
絶対配置は、別途合成した絶対配置が既知のサンプルと
比較して決定されたものである。
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。なお、得られた化合物の光学純度(%
ee)は、次のようにして求めた。ジアステレオマー塩
中のカルボン酸の光学純度(%ee)は、対応するカル
ボン酸へ誘導後求めた。また、カルボン酸の光学純度
(%ee)は、カルボン酸をジアゾメタンにてカルボン
酸のメチルエステル体に変換後求めた。さらに、メチル
エステル体およびエチルエステル体の光学純度(%e
e)は、HPLCに付して測定した。得られた化合物の
絶対配置は、別途合成した絶対配置が既知のサンプルと
比較して決定されたものである。
【0124】実施例1:2−(2,3,4−トリフルオ
ロアニリノ)−プロピオン酸メチル 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(100
g)、ピルビン酸メチル(57.6g)をメタノール
(1000ml)に溶解し、5%Pd−C(20.0
g)、無水硫酸マグネシウム(90g)を加え、室温に
て水素雰囲気下で16時間攪拌した。反応液をセライト
濾過し、Pd−C、硫酸マグネシウムを濾去した。得ら
れた濾液を減圧下濃縮し、残留物にフロリジル(100
g)、ジエチルエーテル(700ml)を加え,2時間
攪拌した。反応液を濾過後,得られた有機層を留去後、
析出した結晶をヘキサンにて洗浄しながら濾取し、標題
化合物(128.2g)を微黄白色結晶として得た。 融点:41−43℃1 H−NMR(CDCl3)δ:1.51(d,J=6.
9Hz,3H),3.74(s,3H),4.0−4.
3(m,2H),6.2−6.4(m,1H),6.7
−6.9(m,1H) IR(KBr);3357,1719,1510cm-1 元素分析:C10H10NO2F3として; 理論値(%):C, 51.51;H, 4.32;
N, 6.01 実測値(%);C, 51.65;H, 4.31;
N, 5.99
ロアニリノ)−プロピオン酸メチル 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(100
g)、ピルビン酸メチル(57.6g)をメタノール
(1000ml)に溶解し、5%Pd−C(20.0
g)、無水硫酸マグネシウム(90g)を加え、室温に
て水素雰囲気下で16時間攪拌した。反応液をセライト
濾過し、Pd−C、硫酸マグネシウムを濾去した。得ら
れた濾液を減圧下濃縮し、残留物にフロリジル(100
g)、ジエチルエーテル(700ml)を加え,2時間
攪拌した。反応液を濾過後,得られた有機層を留去後、
析出した結晶をヘキサンにて洗浄しながら濾取し、標題
化合物(128.2g)を微黄白色結晶として得た。 融点:41−43℃1 H−NMR(CDCl3)δ:1.51(d,J=6.
9Hz,3H),3.74(s,3H),4.0−4.
3(m,2H),6.2−6.4(m,1H),6.7
−6.9(m,1H) IR(KBr);3357,1719,1510cm-1 元素分析:C10H10NO2F3として; 理論値(%):C, 51.51;H, 4.32;
N, 6.01 実測値(%);C, 51.65;H, 4.31;
N, 5.99
【0125】実施例2:2−(2,3,4−トリフルオ
ロアニリノ)−プロピオン酸メチル 2,3,4−トリフルオロアニリン(2.94g)、ピ
ルビン酸メチル(2.04g)をメタノール(30m
l)に溶解し、5%Pd−C(2.0g)、無水硫酸マ
グネシウム(2.65g)を加え、50℃にて水素雰囲
気下で16時間攪拌した。Pd−C、硫酸マグネシウム
を濾去後、得られた濾液を減圧下濃縮した。析出した結
晶をヘキサンにて洗浄しながら濾取し、標題化合物
(4.44g)を微黄白色結晶として得た。各種スペク
トルデータは実施例1で得たものと一致した。
ロアニリノ)−プロピオン酸メチル 2,3,4−トリフルオロアニリン(2.94g)、ピ
ルビン酸メチル(2.04g)をメタノール(30m
l)に溶解し、5%Pd−C(2.0g)、無水硫酸マ
グネシウム(2.65g)を加え、50℃にて水素雰囲
気下で16時間攪拌した。Pd−C、硫酸マグネシウム
を濾去後、得られた濾液を減圧下濃縮した。析出した結
晶をヘキサンにて洗浄しながら濾取し、標題化合物
(4.44g)を微黄白色結晶として得た。各種スペク
トルデータは実施例1で得たものと一致した。
【0126】実施例3:2−(2,3,4−トリフルオ
ロアニリノ)−プロピオン酸エチル 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(3.54
g)、ピルビン酸エチル(2.32g)をエタノール
(30ml)に溶解し、5%Pd−C(2.0g)、無
水硫酸マグネシウム(2.65g)を加え、50℃にて
水素雰囲気下で16時間攪拌した。Pd−C、硫酸マグ
ネシウムを濾去後、得られた濾液を減圧下濃縮した。得
られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=1:4)に付し、標
題化合物(4.84g)を淡黄色油状物として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.25(t,J=7.
1Hz,3H),1.50(d,J=7.1Hz,3
H),4.0−4.3(m,2H),4.19(dd,
J=7.3,10.9Hz,3H),6.2−6.4
(m,1H),6.7−6.9(m,1H) IR(cm-1);1737,1524,909
ロアニリノ)−プロピオン酸エチル 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(3.54
g)、ピルビン酸エチル(2.32g)をエタノール
(30ml)に溶解し、5%Pd−C(2.0g)、無
水硫酸マグネシウム(2.65g)を加え、50℃にて
水素雰囲気下で16時間攪拌した。Pd−C、硫酸マグ
ネシウムを濾去後、得られた濾液を減圧下濃縮した。得
られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=1:4)に付し、標
題化合物(4.84g)を淡黄色油状物として得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.25(t,J=7.
1Hz,3H),1.50(d,J=7.1Hz,3
H),4.0−4.3(m,2H),4.19(dd,
J=7.3,10.9Hz,3H),6.2−6.4
(m,1H),6.7−6.9(m,1H) IR(cm-1);1737,1524,909
【0127】実施例4:2−(2,3,4−トリフルオ
ロアニリノ)−プロピオン酸エチル 2,3,4−トリフルオロアニリン(2.94g)、ピ
ルビン酸エチル(2.32g)をエタノール(30m
l)に溶解し、5%Pd−C(2.0g)、無水硫酸マ
グネシウム(2.65g)を加え、50℃にて水素雰囲
気下で16時間攪拌した。Pd−C、硫酸マグネシウム
を濾去後、得られた濾液を減圧下濃縮した。得られた残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル−ノルマルヘキサン=1:4)に付し、標題化合物
(4.69g)を淡黄色油状物として得た。各種スペク
トルデータは実施例3で得たものと一致した。
ロアニリノ)−プロピオン酸エチル 2,3,4−トリフルオロアニリン(2.94g)、ピ
ルビン酸エチル(2.32g)をエタノール(30m
l)に溶解し、5%Pd−C(2.0g)、無水硫酸マ
グネシウム(2.65g)を加え、50℃にて水素雰囲
気下で16時間攪拌した。Pd−C、硫酸マグネシウム
を濾去後、得られた濾液を減圧下濃縮した。得られた残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル−ノルマルヘキサン=1:4)に付し、標題化合物
(4.69g)を淡黄色油状物として得た。各種スペク
トルデータは実施例3で得たものと一致した。
【0128】実施例5:2−(2,3,4−トリフルオ
ロアニリノ)−プロピオン酸メチル 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(1.01
g)、ピルビン酸メチル(0.87g)をメタノール
(8ml)に溶解し、5%Pd−C(0.11g)、濃
塩酸(0.03g)を加え、40℃、水素圧2.94M
Pa(30kgf/cm2を換算)にて2時間攪拌し
た。Pd−Cを濾去後、得られた濾液を減圧下濃縮し、
標題化合物(1.31g)を微黄白色結晶として得た。
各種スペクトルデータは実施例1で得たものと一致し
た。
ロアニリノ)−プロピオン酸メチル 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(1.01
g)、ピルビン酸メチル(0.87g)をメタノール
(8ml)に溶解し、5%Pd−C(0.11g)、濃
塩酸(0.03g)を加え、40℃、水素圧2.94M
Pa(30kgf/cm2を換算)にて2時間攪拌し
た。Pd−Cを濾去後、得られた濾液を減圧下濃縮し、
標題化合物(1.31g)を微黄白色結晶として得た。
各種スペクトルデータは実施例1で得たものと一致し
た。
【0129】実施例6:2−(2,3,4−トリフルオ
ロアニリノ)−プロピオン酸エチル 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(1.01
g)、ピルビン酸エチル(1.15g)をエタノール
(8ml)に溶解し、5%Pd−C(0.11g)、濃
塩酸(0.03g)を加え、40℃、水素圧2.94M
Paにて3時間攪拌した。Pd−Cを濾去後、得られた
濾液を減圧下濃縮し、標題化合物(1.38g)を淡黄
色油状物としてを得た。各種スペクトルデータは実施例
3で得たものと一致した。
ロアニリノ)−プロピオン酸エチル 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(1.01
g)、ピルビン酸エチル(1.15g)をエタノール
(8ml)に溶解し、5%Pd−C(0.11g)、濃
塩酸(0.03g)を加え、40℃、水素圧2.94M
Paにて3時間攪拌した。Pd−Cを濾去後、得られた
濾液を減圧下濃縮し、標題化合物(1.38g)を淡黄
色油状物としてを得た。各種スペクトルデータは実施例
3で得たものと一致した。
【0130】実施例7:2−(2,3,4−トリフルオ
ロアニリノ)−プロピオン酸メチル 2,3,4−トリフルオロアニリン(0.83g)、ピ
ルビン酸メチル(0.87g)をメタノール(8ml)
に溶解し、5%Pd−C(0.11g)、濃塩酸(0.
03g)を加え、40℃、水素圧2.94MPaにて2
時間攪拌した。Pd−Cを濾去後、得られた濾液を減圧
下濃縮し、標題化合物(1.26g)を微黄白色結晶と
して得た。各種スペクトルデータは実施例1で得たもの
と一致した。
ロアニリノ)−プロピオン酸メチル 2,3,4−トリフルオロアニリン(0.83g)、ピ
ルビン酸メチル(0.87g)をメタノール(8ml)
に溶解し、5%Pd−C(0.11g)、濃塩酸(0.
03g)を加え、40℃、水素圧2.94MPaにて2
時間攪拌した。Pd−Cを濾去後、得られた濾液を減圧
下濃縮し、標題化合物(1.26g)を微黄白色結晶と
して得た。各種スペクトルデータは実施例1で得たもの
と一致した。
【0131】実施例8:2−(2,3,4−トリフルオ
ロアニリノ)−プロピオン酸エチル 2,3,4−トリフルオロアニリン(0.83g)、ピ
ルビン酸エチル(1.15g)をエタノール(8ml)
に溶解し、5%Pd−C(0.11g)、濃塩酸(0.
03g)を加え、40℃、水素圧2.94MPaにて3
時間攪拌した。Pd−Cを濾去後、得られた濾液を減圧
下濃縮し、標題化合物(1.32g)を淡黄色油状物と
してを得た。各種スペクトルデータは実施例3で得たも
のと一致した。
ロアニリノ)−プロピオン酸エチル 2,3,4−トリフルオロアニリン(0.83g)、ピ
ルビン酸エチル(1.15g)をエタノール(8ml)
に溶解し、5%Pd−C(0.11g)、濃塩酸(0.
03g)を加え、40℃、水素圧2.94MPaにて3
時間攪拌した。Pd−Cを濾去後、得られた濾液を減圧
下濃縮し、標題化合物(1.32g)を淡黄色油状物と
してを得た。各種スペクトルデータは実施例3で得たも
のと一致した。
【0132】実施例9:2−(2,3,4−トリフルオ
ロアニリノ)−プロピオン酸 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(5.03
g)、ピルビン酸(2.75g)をイソプロパノール
(IPA;40ml)に溶解し、10%Pd−C(0.
21g)を加え、40℃にて常圧水素雰囲気下で3時間
攪拌した。Pd−Cを濾去後、得られた濾液を減圧下濃
縮し、標題化合物(6.11g)を白色結晶として得
た。各種スペクトルデータは別途合成された標品と一致
した。
ロアニリノ)−プロピオン酸 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(5.03
g)、ピルビン酸(2.75g)をイソプロパノール
(IPA;40ml)に溶解し、10%Pd−C(0.
21g)を加え、40℃にて常圧水素雰囲気下で3時間
攪拌した。Pd−Cを濾去後、得られた濾液を減圧下濃
縮し、標題化合物(6.11g)を白色結晶として得
た。各種スペクトルデータは別途合成された標品と一致
した。
【0133】実施例10:2−(2,3,4−トリフル
オロアニリノ)−プロピオン酸 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(5.03
g)、ピルビン酸(2.75g)をIPA(40ml)
に溶解し、10%Pd−C(0.21g)を加え、40
℃、水素圧2.94MPaにて3時間攪拌した。Pd−
Cを濾去後、得られた濾液を減圧下濃縮し、標題化合物
(6.09g)を白色結晶として得た。各種スペクトル
データは別途合成された標品と一致した。
オロアニリノ)−プロピオン酸 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(5.03
g)、ピルビン酸(2.75g)をIPA(40ml)
に溶解し、10%Pd−C(0.21g)を加え、40
℃、水素圧2.94MPaにて3時間攪拌した。Pd−
Cを濾去後、得られた濾液を減圧下濃縮し、標題化合物
(6.09g)を白色結晶として得た。各種スペクトル
データは別途合成された標品と一致した。
【0134】実施例11:2−(2,3,4−トリフル
オロアニリノ)−プロピオン酸 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(1.01
g)、ピルビン酸(0.75g)をメタノール(8m
l)に溶解し、5%Pd−C(0.11g)を加え、4
0℃、水素圧4.9MPa(50kgf/cm2を換
算)にて5時間攪拌した。Pd−Cを濾去後、得られた
濾液を減圧下濃縮し、標題化合物(1.20g)を白色
結晶として得た。各種スペクトルデータは別途合成され
た標品と一致した。
オロアニリノ)−プロピオン酸 2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン(1.01
g)、ピルビン酸(0.75g)をメタノール(8m
l)に溶解し、5%Pd−C(0.11g)を加え、4
0℃、水素圧4.9MPa(50kgf/cm2を換
算)にて5時間攪拌した。Pd−Cを濾去後、得られた
濾液を減圧下濃縮し、標題化合物(1.20g)を白色
結晶として得た。各種スペクトルデータは別途合成され
た標品と一致した。
【0135】実施例12:2−(2,3,4−トリフル
オロアニリノ)−プロピオン酸 2,3,4−トリフルオロアニリン(4.18g)、ピ
ルビン酸(2.75g)をIPA(40ml)に溶解
し、10%Pd−C(0.21g)を加え、40℃にて
常圧水素雰囲気下で3時間攪拌した。Pd−Cを濾去
後、得られた濾液を減圧下濃縮し、標題化合物(5.6
9g)を白色結晶として得た。各種スペクトルデータは
別途合成された標品と一致した。
オロアニリノ)−プロピオン酸 2,3,4−トリフルオロアニリン(4.18g)、ピ
ルビン酸(2.75g)をIPA(40ml)に溶解
し、10%Pd−C(0.21g)を加え、40℃にて
常圧水素雰囲気下で3時間攪拌した。Pd−Cを濾去
後、得られた濾液を減圧下濃縮し、標題化合物(5.6
9g)を白色結晶として得た。各種スペクトルデータは
別途合成された標品と一致した。
【0136】実施例13:N−(1−メトキシカルボニ
ルエチリデン)−2,3,4−トリフルオロアニリン トリフルオロアニリン(1g)および硫酸マグネシウム
(1.36g)をメタノール(5ml)中で室温下攪拌
した。ここへ、ピルビン酸メチル(1.27g)を加え
た後、40℃に昇温し、20時間攪拌した。反応終了
後、硫酸マグネシウムを濾去した。得られた濾液を減圧
下濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン−ジエチルエーテル=1:3)に付し、標
題化合物(552mg)を一メタノール晶として得た。1 H−NMR(CDCl3)d:6.92−6.74
(m,2H),5.09(br s,1H),3.84
(s,3H),3.24(s,3H),1.65(s,
3H).
ルエチリデン)−2,3,4−トリフルオロアニリン トリフルオロアニリン(1g)および硫酸マグネシウム
(1.36g)をメタノール(5ml)中で室温下攪拌
した。ここへ、ピルビン酸メチル(1.27g)を加え
た後、40℃に昇温し、20時間攪拌した。反応終了
後、硫酸マグネシウムを濾去した。得られた濾液を減圧
下濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン−ジエチルエーテル=1:3)に付し、標
題化合物(552mg)を一メタノール晶として得た。1 H−NMR(CDCl3)d:6.92−6.74
(m,2H),5.09(br s,1H),3.84
(s,3H),3.24(s,3H),1.65(s,
3H).
【0137】実施例14:(2S)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸メチル クロロ−1,5−シクロオクダジエンイリジウム(I)
二量体(12.8mg)および(2S,4S)−BCP
M(23.6mg)をアルゴン気流下、IPA(2m
l)にて溶解し、室温下1時間攪拌した。この反応液
へ、N−(1−メトキシカルボニルエチリデン)−2,
3,4−トリフルオロアニリン・一メタノール晶(50
mg)のIPA(2ml)溶液を加えた。反応液をオー
トクレーブに移した後、50kg/cm2の水素により
加圧した。10℃にて15時間攪拌した。最終反応液に
含まれる標題化合物の化学収率および光学純度を高速液
体クロマトグラフィーにより測定した結果、70%、5
0%ee(S体)であった。
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸メチル クロロ−1,5−シクロオクダジエンイリジウム(I)
二量体(12.8mg)および(2S,4S)−BCP
M(23.6mg)をアルゴン気流下、IPA(2m
l)にて溶解し、室温下1時間攪拌した。この反応液
へ、N−(1−メトキシカルボニルエチリデン)−2,
3,4−トリフルオロアニリン・一メタノール晶(50
mg)のIPA(2ml)溶液を加えた。反応液をオー
トクレーブに移した後、50kg/cm2の水素により
加圧した。10℃にて15時間攪拌した。最終反応液に
含まれる標題化合物の化学収率および光学純度を高速液
体クロマトグラフィーにより測定した結果、70%、5
0%ee(S体)であった。
【0138】実施例15−18:光学活性配位子を変
え、上記の反応と同様にしてイミノ化合物の不斉還元を
行った。これらの実施例の結果を、次の表に示す。
え、上記の反応と同様にしてイミノ化合物の不斉還元を
行った。これらの実施例の結果を、次の表に示す。
【0139】
【表1】 (S)-(R)-JOSIPHOS:(S)−1−[(R)−2−(ジフ
ェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキ
シルホスフィン (2S,4S)−BCPM:(2S,4S)−N−(t
−ブトキシカルボニル)−4−(ジシクロヘキシルホス
フィノ)−2−[(ジフェニルホスフィノ)メチル]ピ
ロリジン (4R,5R)−MOD−DIOP:(4S,5S)−
4,5−ビス[[ビス(4’−メトキシ−3’,5’−
ジメチルフェニル)ホスフィノ]メチル]−2,2−ジ
メチル−1,3−ジオキソラン
ェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキ
シルホスフィン (2S,4S)−BCPM:(2S,4S)−N−(t
−ブトキシカルボニル)−4−(ジシクロヘキシルホス
フィノ)−2−[(ジフェニルホスフィノ)メチル]ピ
ロリジン (4R,5R)−MOD−DIOP:(4S,5S)−
4,5−ビス[[ビス(4’−メトキシ−3’,5’−
ジメチルフェニル)ホスフィノ]メチル]−2,2−ジ
メチル−1,3−ジオキソラン
【0140】実施例19:2−(2,3,4−トリフル
オロアニリノ)−プロピオン酸 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸メチル(46.64g)をメタノール(130m
l)にて溶解し、0℃にて水酸化ナトリウム水溶液(3
mol/l;100ml)を徐々に加えた。室温にて3
時間攪拌後、溶媒を留去した。残留物に水を加え、クロ
ロホルムで洗浄した後、水層に塩酸(6mol/l)を
pH1まで徐々に添加し、その水層をジイソプロピルエ
ーテル(IPE)にて抽出した。有機層を無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥後、溶媒を留去し標題化合物(43.
7g)を白色結晶として得た。 融点:114―119℃1 H−NMR(CDCl3)δ:1.57(d,J=6.
9Hz,3H),4.11(dd,J=6.9,10.
3Hz,1H),6.2−6.4(m,1H),6.7
−6.9(m,1H) IR(cm-1);3357,1725,1524,11
95 元素分析:C9H8NO2F3として 理論値(%);C, 49.32;H, 3.68;
N, 6.39 実測値(%);C, 49.33;H, 3.65;
N, 6.34
オロアニリノ)−プロピオン酸 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸メチル(46.64g)をメタノール(130m
l)にて溶解し、0℃にて水酸化ナトリウム水溶液(3
mol/l;100ml)を徐々に加えた。室温にて3
時間攪拌後、溶媒を留去した。残留物に水を加え、クロ
ロホルムで洗浄した後、水層に塩酸(6mol/l)を
pH1まで徐々に添加し、その水層をジイソプロピルエ
ーテル(IPE)にて抽出した。有機層を無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥後、溶媒を留去し標題化合物(43.
7g)を白色結晶として得た。 融点:114―119℃1 H−NMR(CDCl3)δ:1.57(d,J=6.
9Hz,3H),4.11(dd,J=6.9,10.
3Hz,1H),6.2−6.4(m,1H),6.7
−6.9(m,1H) IR(cm-1);3357,1725,1524,11
95 元素分析:C9H8NO2F3として 理論値(%);C, 49.32;H, 3.68;
N, 6.39 実測値(%);C, 49.33;H, 3.65;
N, 6.34
【0141】実施例20:2−(2,3,4−トリフル
オロアニリノ)−プロピオン酸 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸エチル(2.47g)をエタノール(40ml)に
て溶解し、0℃にて水酸化ナトリウム水溶液(3mol
/l;10ml)を徐々に加えた。室温にて3時間攪拌
後、溶媒を留去した。残留物に水を加え,クロロホルム
で洗浄した後、水層に塩酸(6mol/l)をpH1ま
で徐々に添加し、その水層をIPEにて抽出した。有機
層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去し標
題化合物(2.19g)を白色結晶として得た。各種ス
ペクトルデータは実施例19で得たものと一致した。
オロアニリノ)−プロピオン酸 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸エチル(2.47g)をエタノール(40ml)に
て溶解し、0℃にて水酸化ナトリウム水溶液(3mol
/l;10ml)を徐々に加えた。室温にて3時間攪拌
後、溶媒を留去した。残留物に水を加え,クロロホルム
で洗浄した後、水層に塩酸(6mol/l)をpH1ま
で徐々に添加し、その水層をIPEにて抽出した。有機
層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去し標
題化合物(2.19g)を白色結晶として得た。各種ス
ペクトルデータは実施例19で得たものと一致した。
【0142】実施例21:(2S)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸・(R)−1
−フェニルエチルアミン塩 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸(1.1g)をメタノール−IPE=1:20の混
合溶媒(15ml)に溶解し、室温下、(R)−1−フ
ェニルエチルアミン(333.2mg)をメタノール−
IPE=1:20の混合溶媒に溶解した溶液(15m
l)を徐々に加えた。懸濁液を室温にてさらに2時間攪
拌後、IPEにて洗浄しながら濾取し、標題化合物を白
色結晶として(802mg)得た。その光学純度は80
%eeであった。続いて、得られた塩へクロロホルムを
加え、50℃で18時間攪拌した。その懸濁液をIPE
にて洗浄しながら濾取し、標題化合物を白色結晶として
703mg得た。その光学純度は99%eeであった。 [α]D=5.7°(c=0.386,メタノール) 融点(分解点):189−197℃1 H−NMR(CD3OD)δ:1.41(d,J=6.
9Hz,3H),1.61(d,J=6.9Hz,3
H),3.80(dd,J=6.9,15.4Hz,1
H),4.42(dd,J=6.9,10.0Hz,1
H),6.3−6.5(m,1H),6.7−6.9
(m,1H),7.3−7.5(m,5H) 元素分析:C17H19N2O2F3として; 理論値(%);C, 60.86;H, 5.96;
N, 7.91 実測値(%);C, 61.01;H, 5.97;
N, 7.85
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸・(R)−1
−フェニルエチルアミン塩 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸(1.1g)をメタノール−IPE=1:20の混
合溶媒(15ml)に溶解し、室温下、(R)−1−フ
ェニルエチルアミン(333.2mg)をメタノール−
IPE=1:20の混合溶媒に溶解した溶液(15m
l)を徐々に加えた。懸濁液を室温にてさらに2時間攪
拌後、IPEにて洗浄しながら濾取し、標題化合物を白
色結晶として(802mg)得た。その光学純度は80
%eeであった。続いて、得られた塩へクロロホルムを
加え、50℃で18時間攪拌した。その懸濁液をIPE
にて洗浄しながら濾取し、標題化合物を白色結晶として
703mg得た。その光学純度は99%eeであった。 [α]D=5.7°(c=0.386,メタノール) 融点(分解点):189−197℃1 H−NMR(CD3OD)δ:1.41(d,J=6.
9Hz,3H),1.61(d,J=6.9Hz,3
H),3.80(dd,J=6.9,15.4Hz,1
H),4.42(dd,J=6.9,10.0Hz,1
H),6.3−6.5(m,1H),6.7−6.9
(m,1H),7.3−7.5(m,5H) 元素分析:C17H19N2O2F3として; 理論値(%);C, 60.86;H, 5.96;
N, 7.91 実測値(%);C, 61.01;H, 5.97;
N, 7.85
【0143】実施例22:(2S)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸・(R)−1
−p−トリルエチルアミン塩 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸(1.1g)をメタノール−IPE=1:20の混
合溶媒(15ml)にて溶解し、室温下、(R)−1−
p−トリルエチルアミン(371.8mg)をメタノー
ル−IPE=1:20の混合溶媒に溶解した溶液(15
ml)を徐々に加えた。懸濁液を室温にてさらに2時間
攪拌後、IPEにて洗浄しながら濾取し、標題化合物を
白色結晶として860mg得た。その光学純度は52%
eeであった。続いて、得られた塩へクロロホルムを加
え、50℃で18時間攪拌した。その懸濁液をIPEに
て洗浄しながら濾取し、標題化合物を白色結晶として5
91mg得た。その光学純度は99%eeであった。 [α]D=−2.0°(c=0.197,メタノール) 融点(分解点):190−197℃1 H−NMR(CD3OD)δ:1.41(d,J=6.
9Hz,3H),1.59(d,J=6.9Hz,3
H),2.35(s,3H),3.80(dd,J=
6.9,12.0Hz,1H),4.38(dd,J=
6.9,12.0Hz,1H),6.3−6.5(m,
1H),6.7−6.9(m,1H),7.2−7.3
(m,4H) 元素分析:C18H21N2O2F3として; 理論値(%);C, 59.99;H, 5.63;
N, 8.23 実測値(%);C, 59.96;H, 5.67;
N, 8.16
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸・(R)−1
−p−トリルエチルアミン塩 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸(1.1g)をメタノール−IPE=1:20の混
合溶媒(15ml)にて溶解し、室温下、(R)−1−
p−トリルエチルアミン(371.8mg)をメタノー
ル−IPE=1:20の混合溶媒に溶解した溶液(15
ml)を徐々に加えた。懸濁液を室温にてさらに2時間
攪拌後、IPEにて洗浄しながら濾取し、標題化合物を
白色結晶として860mg得た。その光学純度は52%
eeであった。続いて、得られた塩へクロロホルムを加
え、50℃で18時間攪拌した。その懸濁液をIPEに
て洗浄しながら濾取し、標題化合物を白色結晶として5
91mg得た。その光学純度は99%eeであった。 [α]D=−2.0°(c=0.197,メタノール) 融点(分解点):190−197℃1 H−NMR(CD3OD)δ:1.41(d,J=6.
9Hz,3H),1.59(d,J=6.9Hz,3
H),2.35(s,3H),3.80(dd,J=
6.9,12.0Hz,1H),4.38(dd,J=
6.9,12.0Hz,1H),6.3−6.5(m,
1H),6.7−6.9(m,1H),7.2−7.3
(m,4H) 元素分析:C18H21N2O2F3として; 理論値(%);C, 59.99;H, 5.63;
N, 8.23 実測値(%);C, 59.96;H, 5.67;
N, 8.16
【0144】実施例23:(2S)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸・(S)−1
−フェニル−2−p−トリルエチルアミン塩 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸(1.1g)をメタノール−IPE=1:20の混
合溶媒(15ml)に溶解し、室温下、(R)−1−p
−トリルエチルアミン(581.8mg)をメタノール
−IPE=1:20の混合溶媒に溶解した溶液(15m
l)を徐々に加えた。懸濁液を室温にてさらに2時間攪
拌後、IPEにて洗浄しながら濾取し、標題化合物を白
色結晶として1.1g得た。その光学純度は79%ee
であった。続いて、得られた塩へクロロホルムを加え、
50℃で18時間攪拌した。その懸濁液をIPEにて洗
浄しながら濾取し、標題化合物を白色結晶として923
mg得た。その光学純度は99%eeであった。 [α]D=−5.6°(c=0.386,メタノール) 融点(分解点):187−193℃1 H−NMR(CD3OD)δ:1.41(d,J=6.
9Hz,3H),2.26(s,3H),3.0−3.
3(m,2H),3.81(dd,J=6.9,11.
7Hz,1H),4.43(dd,J=6.6,8.3
Hz,1H),6.3−6.5(m,1H),6.7−
6.9(m,1H),7.00(dd,J=7.9,2
1.0Hz,4H),7.2−7.3(m,5H) 元素分析:C23H23N2O2F3として; 理論値(%);C, 66.96;H, 5.85;
N, 6.51 実測値(%);C, 56.85;H, 5.89;
N, 6.44
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸・(S)−1
−フェニル−2−p−トリルエチルアミン塩 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸(1.1g)をメタノール−IPE=1:20の混
合溶媒(15ml)に溶解し、室温下、(R)−1−p
−トリルエチルアミン(581.8mg)をメタノール
−IPE=1:20の混合溶媒に溶解した溶液(15m
l)を徐々に加えた。懸濁液を室温にてさらに2時間攪
拌後、IPEにて洗浄しながら濾取し、標題化合物を白
色結晶として1.1g得た。その光学純度は79%ee
であった。続いて、得られた塩へクロロホルムを加え、
50℃で18時間攪拌した。その懸濁液をIPEにて洗
浄しながら濾取し、標題化合物を白色結晶として923
mg得た。その光学純度は99%eeであった。 [α]D=−5.6°(c=0.386,メタノール) 融点(分解点):187−193℃1 H−NMR(CD3OD)δ:1.41(d,J=6.
9Hz,3H),2.26(s,3H),3.0−3.
3(m,2H),3.81(dd,J=6.9,11.
7Hz,1H),4.43(dd,J=6.6,8.3
Hz,1H),6.3−6.5(m,1H),6.7−
6.9(m,1H),7.00(dd,J=7.9,2
1.0Hz,4H),7.2−7.3(m,5H) 元素分析:C23H23N2O2F3として; 理論値(%);C, 66.96;H, 5.85;
N, 6.51 実測値(%);C, 56.85;H, 5.89;
N, 6.44
【0145】実施例24:(2S)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 (2S)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸・(S)−1−フェニルエチルアミン塩
(1.0g;99%ee)にIPE(20ml)、塩酸
(1mol/l)をpH1になるまで加え、室温にて1
時間攪拌した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥
後、溶媒を留去し、標題化合物を白色結晶として618
mg得た。その光学純度は99%eeであった。1H−
NMRおよびIRスペクトルデータは実施例19で得た
化合物と一致した。 [α]D=−39.5°(c=0.496,メタノー
ル)
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 (2S)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸・(S)−1−フェニルエチルアミン塩
(1.0g;99%ee)にIPE(20ml)、塩酸
(1mol/l)をpH1になるまで加え、室温にて1
時間攪拌した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥
後、溶媒を留去し、標題化合物を白色結晶として618
mg得た。その光学純度は99%eeであった。1H−
NMRおよびIRスペクトルデータは実施例19で得た
化合物と一致した。 [α]D=−39.5°(c=0.496,メタノー
ル)
【0146】実施例25:(2S)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 (2S)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸・(S)−1−p−トリルエチルアミン
塩(1.0g;99%ee)にIPE(22ml)、塩
酸(1mol/l)をpH1になるまで加え、室温にて
1時間攪拌した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾
燥後、溶媒を留去し、標題化合物を白色結晶として64
5mg得た。その光学純度は99%eeであった。1H
−NMRおよびIRスペクトルデータは実施例19で得
た化合物と一致した。
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 (2S)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸・(S)−1−p−トリルエチルアミン
塩(1.0g;99%ee)にIPE(22ml)、塩
酸(1mol/l)をpH1になるまで加え、室温にて
1時間攪拌した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾
燥後、溶媒を留去し、標題化合物を白色結晶として64
5mg得た。その光学純度は99%eeであった。1H
−NMRおよびIRスペクトルデータは実施例19で得
た化合物と一致した。
【0147】実施例26:(2S)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 (2S)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸・(R)−1−フェニル−2−p−トリ
ルエチルアミン塩(1.0g;99%ee)にIPE
(25ml)、塩酸(1mol/l)をpH1になるま
で加え、室温にて1時間攪拌した。有機層を無水硫酸マ
グネシウムにて乾燥後、溶媒を留去し、標題化合物を白
色結晶として510mg得た。その光学純度は99%e
eであった。1H−NMRおよびIRスペクトルデータ
は実施例19で得た化合物と一致した。
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 (2S)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸・(R)−1−フェニル−2−p−トリ
ルエチルアミン塩(1.0g;99%ee)にIPE
(25ml)、塩酸(1mol/l)をpH1になるま
で加え、室温にて1時間攪拌した。有機層を無水硫酸マ
グネシウムにて乾燥後、溶媒を留去し、標題化合物を白
色結晶として510mg得た。その光学純度は99%e
eであった。1H−NMRおよびIRスペクトルデータ
は実施例19で得た化合物と一致した。
【0148】実施例27:(2S)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸メチル (2S)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸(1.1g;99%ee)をメタノール
(10ml)に溶解し、室温にて塩酸(5mol/l;
1ml)を加えた。反応液を6時間加熱還流した後、溶
媒を留去した。得られた残留物へクロロホルム(10m
l)を加えた後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液および水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥
した。溶媒留去後、得られた残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=
1:4)に付し、標題化合物(1.17g)を油状物質
として得た。その光学純度は99%eeであった。1H
−NMRおよびIRスペクトルデータは実施例1で得た
化合物と一致した。 [α]D=−49.9°(c=0.119,メタノー
ル)
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸メチル (2S)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸(1.1g;99%ee)をメタノール
(10ml)に溶解し、室温にて塩酸(5mol/l;
1ml)を加えた。反応液を6時間加熱還流した後、溶
媒を留去した。得られた残留物へクロロホルム(10m
l)を加えた後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液および水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥
した。溶媒留去後、得られた残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=
1:4)に付し、標題化合物(1.17g)を油状物質
として得た。その光学純度は99%eeであった。1H
−NMRおよびIRスペクトルデータは実施例1で得た
化合物と一致した。 [α]D=−49.9°(c=0.119,メタノー
ル)
【0149】実施例28:(2R)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸メチル (2R)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸(1.1g;98%ee)をメタノール
(10ml)に溶解し、室温にて塩酸(5mol/l;
1ml)を加えた。反応液を6時間加熱還流した後、溶
媒を留去した。得られた残留物へクロロホルム(10m
l)を加えた後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液および水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥
した。溶媒留去後、得られた残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=
1:4)に付し、標題化合物(1.17g)を油状物質
として得た。その光学純度は98%eeであった。1H
−NMRおよびIRスペクトルデータは実施例1で得た
化合物と一致した。
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸メチル (2R)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸(1.1g;98%ee)をメタノール
(10ml)に溶解し、室温にて塩酸(5mol/l;
1ml)を加えた。反応液を6時間加熱還流した後、溶
媒を留去した。得られた残留物へクロロホルム(10m
l)を加えた後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液および水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥
した。溶媒留去後、得られた残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=
1:4)に付し、標題化合物(1.17g)を油状物質
として得た。その光学純度は98%eeであった。1H
−NMRおよびIRスペクトルデータは実施例1で得た
化合物と一致した。
【0150】実施例29:(2S)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸エチル (2S)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸(219mg;99%ee)をエタノー
ル(2ml)に溶解し、室温にて塩酸(5mol/l;
0.2ml)を加えた。反応液を6時間加熱還流した
後、溶媒を留去した。得られた残留物へクロロホルムを
加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水
にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒
留去後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=1:4)に
付し、標題化合物(246mg)を淡黄色油状物として
得た。その光学純度は99%eeであった。1H−NM
RおよびIRスペクトルデータは実施例3で得た化合物
と一致した。 [α]D=−57.2°(c=0.352,メタノー
ル)
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸エチル (2S)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸(219mg;99%ee)をエタノー
ル(2ml)に溶解し、室温にて塩酸(5mol/l;
0.2ml)を加えた。反応液を6時間加熱還流した
後、溶媒を留去した。得られた残留物へクロロホルムを
加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水
にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒
留去後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=1:4)に
付し、標題化合物(246mg)を淡黄色油状物として
得た。その光学純度は99%eeであった。1H−NM
RおよびIRスペクトルデータは実施例3で得た化合物
と一致した。 [α]D=−57.2°(c=0.352,メタノー
ル)
【0151】実施例30:(2R)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸エチル (2R)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸(219mg;98%ee)をエタノー
ル(2ml)に溶解し、室温にて塩酸(5mol/l;
0.2ml)を加えた。反応液を6時間加熱還流した
後、溶媒を留去した。得られた残留物へクロロホルムを
加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水
にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒
留去後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=1:4)に
付し、標題化合物(245mg)を淡黄色油状物として
得た。その光学純度は98%eeであった。1H−NM
RおよびIRスペクトルデータは実施例3で得た化合物
と一致した。
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸エチル (2R)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸(219mg;98%ee)をエタノー
ル(2ml)に溶解し、室温にて塩酸(5mol/l;
0.2ml)を加えた。反応液を6時間加熱還流した
後、溶媒を留去した。得られた残留物へクロロホルムを
加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水
にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒
留去後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=1:4)に
付し、標題化合物(245mg)を淡黄色油状物として
得た。その光学純度は98%eeであった。1H−NM
RおよびIRスペクトルデータは実施例3で得た化合物
と一致した。
【0152】実施例31:(2S)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸メチル(2.0g)を0.1Mリン酸塩緩衝液(p
H6.5;400ml)に懸濁し、プロテアーゼN(天
野製薬社製、バチルス属細菌由来;0.4g)を加え静
かに攪拌した。更に、この混合物を30℃に保ちながら
14時間攪拌を続けた。反応液に塩化メチレンを加え、
セライト濾過により変性蛋白質を除去した後分液した。
有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩
水にて洗浄し,無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。次
いで、溶媒を減圧下濃縮することにより(2R)−2−
(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸
メチル(0.94g)を得た。その光学純度は98%e
eであった。一方、分液により生じた全ての水層を集め
10%塩酸によりpH2とした後、IPEにて抽出し
た。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、留去す
ることにより、標題化合物の粗体(0.96g)を得
た。その光学純度は96%eeであった。更に,この粗
体をジイソプロピルエーテルとヘキサンの混合溶媒から
再結晶することにより100%eeの標題化合物を得
た。1H−NMRおよびIRスペクトルデータは実施例
24で得た化合物と一致した。
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸メチル(2.0g)を0.1Mリン酸塩緩衝液(p
H6.5;400ml)に懸濁し、プロテアーゼN(天
野製薬社製、バチルス属細菌由来;0.4g)を加え静
かに攪拌した。更に、この混合物を30℃に保ちながら
14時間攪拌を続けた。反応液に塩化メチレンを加え、
セライト濾過により変性蛋白質を除去した後分液した。
有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩
水にて洗浄し,無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。次
いで、溶媒を減圧下濃縮することにより(2R)−2−
(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸
メチル(0.94g)を得た。その光学純度は98%e
eであった。一方、分液により生じた全ての水層を集め
10%塩酸によりpH2とした後、IPEにて抽出し
た。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、留去す
ることにより、標題化合物の粗体(0.96g)を得
た。その光学純度は96%eeであった。更に,この粗
体をジイソプロピルエーテルとヘキサンの混合溶媒から
再結晶することにより100%eeの標題化合物を得
た。1H−NMRおよびIRスペクトルデータは実施例
24で得た化合物と一致した。
【0153】実施例32:(2R)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸メチル(1.0g)を0.1Mリン酸塩緩衝液(p
H6.5;200ml)に懸濁し、α−キモトリプシン
(シグマ社製;0.2g)を加え静かに攪拌した。更
に、この混合物を30℃に保ちながら16時間攪拌を続
けた。反応液に塩化メチレンを加え、セライト濾過によ
り変性蛋白質を除去した後分液した.有機層を5%炭酸
水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水にて洗浄し,無
水硫酸マグネシウムにて乾燥した。次いで、溶媒を減圧
下濃縮することにより、(2S)−2−(2,3,4−
トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸メチル(0.4
3g)を得た。その光学純度は98%eeであった。一
方、分液により生じた全ての水層を集め10%塩酸によ
りpH2とした後、IPEにて抽出した。有機層を無水
硫酸マグネシウムにて乾燥後、留去することにより、標
題化合物の粗体(0.47g)を得た。その光学純度は
92%eeであった。更に、この粗体をジイソプロピル
エーテルとヘキサンの混合溶媒から再結晶することによ
り100%eeの標題化合物を得た。1H−NMRおよ
びIRスペクトルデータは実施例25で得た化合物と一
致した。
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオ
ン酸メチル(1.0g)を0.1Mリン酸塩緩衝液(p
H6.5;200ml)に懸濁し、α−キモトリプシン
(シグマ社製;0.2g)を加え静かに攪拌した。更
に、この混合物を30℃に保ちながら16時間攪拌を続
けた。反応液に塩化メチレンを加え、セライト濾過によ
り変性蛋白質を除去した後分液した.有機層を5%炭酸
水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水にて洗浄し,無
水硫酸マグネシウムにて乾燥した。次いで、溶媒を減圧
下濃縮することにより、(2S)−2−(2,3,4−
トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸メチル(0.4
3g)を得た。その光学純度は98%eeであった。一
方、分液により生じた全ての水層を集め10%塩酸によ
りpH2とした後、IPEにて抽出した。有機層を無水
硫酸マグネシウムにて乾燥後、留去することにより、標
題化合物の粗体(0.47g)を得た。その光学純度は
92%eeであった。更に、この粗体をジイソプロピル
エーテルとヘキサンの混合溶媒から再結晶することによ
り100%eeの標題化合物を得た。1H−NMRおよ
びIRスペクトルデータは実施例25で得た化合物と一
致した。
【0154】実施例33−38:不斉加水分解反応に使
用する基質及び触媒(酵素及び微生物)を変化させ、実
施例32と同様にして反応を行った。
用する基質及び触媒(酵素及び微生物)を変化させ、実
施例32と同様にして反応を行った。
【0155】
【表2】
【0156】実施例39:(2S)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 微生物菌体(IAM−1623:バチルス ズブチリ
ス)をブイヨン培地(pH7.0;50ml)中、30
℃で14時間培養した。得られた培養物から遠心分離に
て培地を除いた後、菌体を凍結乾燥して凍結乾燥菌体を
得た。2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プ
ロピオン酸メチル(2.0g)を0.1Mリン酸塩緩衝
液(pH6.5;100ml)に懸濁し、上記凍結乾燥
菌体(0.2g)を加え静かに攪拌した。更に、この混
合物を30℃に保ちながら6時間攪拌を続けた。反応液
に塩化メチレンを加え、セライト濾過により変性蛋白質
を除去した後分液した。有機層を5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液および飽和食塩水にて洗浄し,無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥した。次いで、溶媒を減圧下濃縮するこ
とにより(2R)−2−(2,3,4−トリフルオロア
ニリノ)−プロピオン酸メチル(0.92g)を得た。
その光学純度は97%eeであった。一方、分液により
生じた全ての水層を集め10%塩酸によりpH2とした
後、IPEで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウム
にて乾燥、留去することにより標題化合物を粗体として
白色結晶として0.97gを得た。その光学純度は94
%eeであった。更に、この粗体をジイソプロピルエー
テルとヘキサンの混合溶媒から再結晶することにより1
00%eeの標題化合物を得た。1H−NMRおよびI
Rスペクトルデータは実施例24で得た化合物と一致し
た。
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 微生物菌体(IAM−1623:バチルス ズブチリ
ス)をブイヨン培地(pH7.0;50ml)中、30
℃で14時間培養した。得られた培養物から遠心分離に
て培地を除いた後、菌体を凍結乾燥して凍結乾燥菌体を
得た。2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プ
ロピオン酸メチル(2.0g)を0.1Mリン酸塩緩衝
液(pH6.5;100ml)に懸濁し、上記凍結乾燥
菌体(0.2g)を加え静かに攪拌した。更に、この混
合物を30℃に保ちながら6時間攪拌を続けた。反応液
に塩化メチレンを加え、セライト濾過により変性蛋白質
を除去した後分液した。有機層を5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液および飽和食塩水にて洗浄し,無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥した。次いで、溶媒を減圧下濃縮するこ
とにより(2R)−2−(2,3,4−トリフルオロア
ニリノ)−プロピオン酸メチル(0.92g)を得た。
その光学純度は97%eeであった。一方、分液により
生じた全ての水層を集め10%塩酸によりpH2とした
後、IPEで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウム
にて乾燥、留去することにより標題化合物を粗体として
白色結晶として0.97gを得た。その光学純度は94
%eeであった。更に、この粗体をジイソプロピルエー
テルとヘキサンの混合溶媒から再結晶することにより1
00%eeの標題化合物を得た。1H−NMRおよびI
Rスペクトルデータは実施例24で得た化合物と一致し
た。
【0157】実施例40:(2S)−2−(2,3,4
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 微生物菌体(IFO−1575:ジゴアスカス ヘレニ
カス)をMY培地(pH6.0;50ml)中で30℃
で48時間培養した。2−(2,3,4−トリフルオロ
アニリノ)−プロピオン酸メチル(1.0g)を0.1
Mリン酸塩緩衝液(pH6.5;90ml)に懸濁し、
上記培養液(10ml)を加え静かに攪拌した。更に、
この混合物を30℃に保ちながら16時間攪拌を続け
た。この後、実施例43と同様の操作を行い、(2R)
−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピ
オン酸メチル(0.39g,光学純度91%ee)及び
標題化合物(0.45g,光学純度84%ee)を得
た。また、上記と同じ不斉加エステル水分解反応を、微
生物菌体としてIFO−8306:ナンニーザ ジプシ
アを用いて同様に実施したところ、表題化合物を、反応
率55%;カルボン酸80%ee(S)で、エステルを
80%ee(R)で得た。同様に、IFO−1288
3:アクチノマイセス レボリスでは、反応率42%;
カルボン酸92%ee(S)で、エステルを60%ee
(R)で得た。さらに、NRIC1271:ペニシリウム
クリソゲナムを用いて、反応率37%;カルボン酸9
1%ee(S)で、エステルを50%ee(R)で得
た。得られた各化合物の1H−NMRおよびIRスペク
トルデータは実施例24で得た化合物と一致した。
−トリフルオロアニリノ)−プロピオン酸 微生物菌体(IFO−1575:ジゴアスカス ヘレニ
カス)をMY培地(pH6.0;50ml)中で30℃
で48時間培養した。2−(2,3,4−トリフルオロ
アニリノ)−プロピオン酸メチル(1.0g)を0.1
Mリン酸塩緩衝液(pH6.5;90ml)に懸濁し、
上記培養液(10ml)を加え静かに攪拌した。更に、
この混合物を30℃に保ちながら16時間攪拌を続け
た。この後、実施例43と同様の操作を行い、(2R)
−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピ
オン酸メチル(0.39g,光学純度91%ee)及び
標題化合物(0.45g,光学純度84%ee)を得
た。また、上記と同じ不斉加エステル水分解反応を、微
生物菌体としてIFO−8306:ナンニーザ ジプシ
アを用いて同様に実施したところ、表題化合物を、反応
率55%;カルボン酸80%ee(S)で、エステルを
80%ee(R)で得た。同様に、IFO−1288
3:アクチノマイセス レボリスでは、反応率42%;
カルボン酸92%ee(S)で、エステルを60%ee
(R)で得た。さらに、NRIC1271:ペニシリウム
クリソゲナムを用いて、反応率37%;カルボン酸9
1%ee(S)で、エステルを50%ee(R)で得
た。得られた各化合物の1H−NMRおよびIRスペク
トルデータは実施例24で得た化合物と一致した。
【0158】実施例41:2−(2,3,4−トリフル
オロアニリノ)−プロピオン酸メチル (2R)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸メチル(100mg,38%ee)をト
ルエン(2ml)に溶解し、室温にて1,8−ジアザビ
シクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU;7
1.8mg)を加えた。反応液を110℃にて16時間
攪拌した。反応液に塩酸(1mol/l;1ml)を加
えた後、水層をトルエンにて抽出した。有機層を水およ
び飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾
燥した。溶媒留去後、得られた残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ノルマルヘキサン
=1:4)に付し、標題化合物(86.6mg)を白色
結晶として得た。その光学純度は0%eeであった。1
H−NMRおよびIRスペクトルデータは実施例1で得
た化合物と一致した。
オロアニリノ)−プロピオン酸メチル (2R)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸メチル(100mg,38%ee)をト
ルエン(2ml)に溶解し、室温にて1,8−ジアザビ
シクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU;7
1.8mg)を加えた。反応液を110℃にて16時間
攪拌した。反応液に塩酸(1mol/l;1ml)を加
えた後、水層をトルエンにて抽出した。有機層を水およ
び飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾
燥した。溶媒留去後、得られた残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ノルマルヘキサン
=1:4)に付し、標題化合物(86.6mg)を白色
結晶として得た。その光学純度は0%eeであった。1
H−NMRおよびIRスペクトルデータは実施例1で得
た化合物と一致した。
【0159】実施例42:2−(2,3,4−トリフル
オロアニリノ)−プロピオン酸メチル (2R)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸メチル(50mg,57%ee)をN,
N−ジメチルホルムアミド(DMF;1ml)に溶解
し、室温にて炭酸カリウム(63.2mg)を加えた。
反応液を110℃にて19時間攪拌した。反応液に水を
加え、水層を酢酸エチルにて抽出した。有機層を水にて
洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去
後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=1:4)に付
し、標題化合物(42.5mg)を白色結晶として得
た。その光学純度は0%eeであった。1H−NMRお
よびIRスペクトルデータは実施例1で得た化合物と一
致した。
オロアニリノ)−プロピオン酸メチル (2R)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸メチル(50mg,57%ee)をN,
N−ジメチルホルムアミド(DMF;1ml)に溶解
し、室温にて炭酸カリウム(63.2mg)を加えた。
反応液を110℃にて19時間攪拌した。反応液に水を
加え、水層を酢酸エチルにて抽出した。有機層を水にて
洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去
後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=1:4)に付
し、標題化合物(42.5mg)を白色結晶として得
た。その光学純度は0%eeであった。1H−NMRお
よびIRスペクトルデータは実施例1で得た化合物と一
致した。
【0160】実施例43:2−(2,3,4−トリフル
オロアニリノ)−プロピオン酸メチル (2R)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸メチル(200mg,57%ee)をジ
メチルアセトアミド(DMAc;3ml)に溶解し、室
温にて炭酸カリウム(474.1mg)を加えた。反応
液を95℃にて19時間攪拌した。反応液に水を加え、
水層を酢酸エチルにて抽出した。有機層を水にて洗浄
後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去後、
得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=1:4)に付し、標
題化合物(179mg)を白色結晶として得た。その光
学純度は0%eeであった。1H−NMRおよびIRス
ペクトルデータは実施例1で得た化合物と一致した。
オロアニリノ)−プロピオン酸メチル (2R)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸メチル(200mg,57%ee)をジ
メチルアセトアミド(DMAc;3ml)に溶解し、室
温にて炭酸カリウム(474.1mg)を加えた。反応
液を95℃にて19時間攪拌した。反応液に水を加え、
水層を酢酸エチルにて抽出した。有機層を水にて洗浄
後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去後、
得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル−ノルマルヘキサン=1:4)に付し、標
題化合物(179mg)を白色結晶として得た。その光
学純度は0%eeであった。1H−NMRおよびIRス
ペクトルデータは実施例1で得た化合物と一致した。
【0161】実施例44:2−(2,3,4−トリフル
オロアニリノ)−プロピオン酸 カリウムターシャリーブトキサイド(123.4mg)
をDMAc(2ml)に懸濁し、氷冷下、(2R)−2
−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオン
酸メチル(223mg,91%ee)のDMAc(2m
l)溶液を加えた。反応液をそのままの温度にて1時間
攪拌した後、水酸化ナトリウム水溶液(3mol/l;
2ml)を加え、1時間攪拌した。反応液を塩酸水溶液
(3mol/l)によりpH2とした後、IPEで抽出
した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、留去す
ることによって得た粗体を塩化メチレンとノルマルヘキ
サンの混合溶媒より再結晶することにより、標題化合物
(206mg)を白色結晶として得た。その光学純度は
0%eeであった。各種スペクトルデータは実施例19
で得たものと一致した。
オロアニリノ)−プロピオン酸 カリウムターシャリーブトキサイド(123.4mg)
をDMAc(2ml)に懸濁し、氷冷下、(2R)−2
−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)−プロピオン
酸メチル(223mg,91%ee)のDMAc(2m
l)溶液を加えた。反応液をそのままの温度にて1時間
攪拌した後、水酸化ナトリウム水溶液(3mol/l;
2ml)を加え、1時間攪拌した。反応液を塩酸水溶液
(3mol/l)によりpH2とした後、IPEで抽出
した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、留去す
ることによって得た粗体を塩化メチレンとノルマルヘキ
サンの混合溶媒より再結晶することにより、標題化合物
(206mg)を白色結晶として得た。その光学純度は
0%eeであった。各種スペクトルデータは実施例19
で得たものと一致した。
【0162】実施例45:2−(2,3,4−トリフル
オロアニリノ)−プロピオン酸 (2R)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸メチル(223mg,91%ee)をD
MAc(3ml)に溶解し、室温にて炭酸カリウム(4
74.1mg)を加えた。反応液を95℃にて19時間
攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液(3mol
/l)を加え、1時間攪拌した後、塩酸(3mol/
l)によりpH2とした後、IPEで抽出し、無水硫酸
マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去後、得られた粗体
を塩化メチレンとノルマルヘキサンの混合溶媒より再結
晶することにより、標題化合物(198mg)を白色結
晶として得た。その光学純度は0%eeであった。各種
スペクトルデータは実施例19で得たものと一致した。
オロアニリノ)−プロピオン酸 (2R)−2−(2,3,4−トリフルオロアニリノ)
−プロピオン酸メチル(223mg,91%ee)をD
MAc(3ml)に溶解し、室温にて炭酸カリウム(4
74.1mg)を加えた。反応液を95℃にて19時間
攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液(3mol
/l)を加え、1時間攪拌した後、塩酸(3mol/
l)によりpH2とした後、IPEで抽出し、無水硫酸
マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去後、得られた粗体
を塩化メチレンとノルマルヘキサンの混合溶媒より再結
晶することにより、標題化合物(198mg)を白色結
晶として得た。その光学純度は0%eeであった。各種
スペクトルデータは実施例19で得たものと一致した。
【0163】実施例46:2−(2,3,4−トリフル
オロアニリノ)−プロピオン酸 炭酸カリウム(1.66g)をDMAc(18ml)に
懸濁し、140℃にて(2R)−2−(2,3,4−ト
リフルオロアニリノ)−プロピオン酸メチル(2.33
g、54%ee)のDMAc溶液(5ml)を滴下し
た。そのままの温度にて2時間攪拌した。反応液に水酸
化カリウム水溶液(3mol/l)を加え、15分間攪
拌した後、塩酸(6mol/l)によりpH2とした
後、メチルt−ブチルエーテルにて抽出し、硫酸マグネ
シウムにて乾燥した.溶媒留去後、得られた粗体を酢酸
エチル(12ml)に溶解し,60℃にてシクロヘキシ
ルアミン(991.8mg)の酢酸エチル溶液(10m
l)へ30分かけて滴下した.そのままの温度にて2時
間攪拌し、析出した2−(2,3,4−トリフルオロア
ニリノ)−プロピオン酸のシクロヘキシルアミン塩
(2.74g)を濾取した。2−(2,3,4−トリフ
ルオロアニリノ)−プロピオン酸・シクロヘキシルアミ
ン塩のデータを次に示す。 元素分析:C15H21F3N2O2として; 計算値(%):C, 56.59;H, 6.65;
N, 8.80 実測値(%):C, 56.52;H, 6.67;
N, 8.771 H−NMR(270MHz,CDCl3)δ(pp
m):1.11−2.05(m,16H),2.90−
3.13(m,1H),3.73−3.86(m,1
H),6.30−6.47(m,1H),6.75−
6.89(m,1H) 次いで、このシクロヘキシルアミン塩に塩酸(6mol
/l)を加え、メチルt−ブチルエーテルにて抽出し、
硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去後、標題化合
物(1.92g)を白色結晶として得た。その光学純度
は0%eeであった。
オロアニリノ)−プロピオン酸 炭酸カリウム(1.66g)をDMAc(18ml)に
懸濁し、140℃にて(2R)−2−(2,3,4−ト
リフルオロアニリノ)−プロピオン酸メチル(2.33
g、54%ee)のDMAc溶液(5ml)を滴下し
た。そのままの温度にて2時間攪拌した。反応液に水酸
化カリウム水溶液(3mol/l)を加え、15分間攪
拌した後、塩酸(6mol/l)によりpH2とした
後、メチルt−ブチルエーテルにて抽出し、硫酸マグネ
シウムにて乾燥した.溶媒留去後、得られた粗体を酢酸
エチル(12ml)に溶解し,60℃にてシクロヘキシ
ルアミン(991.8mg)の酢酸エチル溶液(10m
l)へ30分かけて滴下した.そのままの温度にて2時
間攪拌し、析出した2−(2,3,4−トリフルオロア
ニリノ)−プロピオン酸のシクロヘキシルアミン塩
(2.74g)を濾取した。2−(2,3,4−トリフ
ルオロアニリノ)−プロピオン酸・シクロヘキシルアミ
ン塩のデータを次に示す。 元素分析:C15H21F3N2O2として; 計算値(%):C, 56.59;H, 6.65;
N, 8.80 実測値(%):C, 56.52;H, 6.67;
N, 8.771 H−NMR(270MHz,CDCl3)δ(pp
m):1.11−2.05(m,16H),2.90−
3.13(m,1H),3.73−3.86(m,1
H),6.30−6.47(m,1H),6.75−
6.89(m,1H) 次いで、このシクロヘキシルアミン塩に塩酸(6mol
/l)を加え、メチルt−ブチルエーテルにて抽出し、
硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒留去後、標題化合
物(1.92g)を白色結晶として得た。その光学純度
は0%eeであった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 41/00 C12P 41/00 A // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (C12P 41/00 (C12P 41/00 A C12R 1:125) C12R 1:125) (C12P 41/00 (C12P 41/00 A C12R 1:265) C12R 1:265) (C12P 41/00 (C12P 41/00 A C12R 1:04) C12R 1:04) (C12P 41/00 (C12P 41/00 A C12R 1:465) C12R 1:465) (C12P 41/00 (C12P 41/00 A C12R 1:66) C12R 1:66) (C12P 41/00 (C12P 41/00 A C12R 1:845) C12R 1:845) (C12P 41/00 (C12P 41/00 A C12R 1:645) C12R 1:645) (C12P 41/00 (C12P 41/00 A C12R 1:80) C12R 1:80) (C12P 41/00 (C12P 41/00 A C12R 1:72) C12R 1:72) (C12P 41/00 (C12P 41/00 A C12R 1:85) C12R 1:85) C07M 7:00 C07M 7:00 (72)発明者 岡野 克彦 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 八木 努 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内
Claims (59)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、Zは、アミノ基またはニトロ基を表す。)
で表される化合物と式(II) 【化2】 (式中、R1は、炭素数1から6のアルキル基または水
素原子を表す。)で表される化合物とを、所望により脱
水剤または酸の存在下、金属触媒の存在下に水素ガス雰
囲気下で処理することを特徴とする式(III) 【化3】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物の製造法 - 【請求項2】 R1が水素原子である請求項1に記載の
製造法 - 【請求項3】 R1がメチル基である請求項1に記載の
製造法 - 【請求項4】 R1がエチル基である請求項1に記載の
製造法 - 【請求項5】 Zがアミノ基である、請求項1から4の
いずれか一項に記載の製造法 - 【請求項6】 Zがニトロ基である、請求項1から4の
いずれか一項に記載の製造法 - 【請求項7】 Zがアミノ基、R1が水素原子である請
求項1に記載の製造法 - 【請求項8】 Zがアミノ基、R1がメチル基である請
求項1に記載の製造法 - 【請求項9】 Zがアミノ基、R1がエチル基である請
求項1に記載の製造法 - 【請求項10】 Zがニトロ基、R1がメチル基である
請求項1に記載の製造法 - 【請求項11】 Zがニトロ基、R1がメチル基である
請求項1に記載の製造法 - 【請求項12】 Zがニトロ基、R1がエチル基である
請求項1に記載の製造法 - 【請求項13】 X1、X2およびX3がフッ素原子であ
る請求項1から12のいずれか一項に記載の製造法 - 【請求項14】 式(III) 【化4】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物 - 【請求項15】 式(III−a) 【化5】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物 - 【請求項16】 式(III−b) 【化6】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R1は、炭素数1から6のアルキル基また
は水素原子を表す。)で表される化合物 - 【請求項17】 R1が水素原子である請求項14から
16のいずれか一項に記載の化合物 - 【請求項18】 R1がメチル基である請求項14から
16のいずれか一項に記載の化合物 - 【請求項19】 R1がエチル基である請求項14から
16のいずれか一項に記載の化合物 - 【請求項20】 X1、X2およびX3がフッ素原子であ
る請求項14から19のいずれか一項に記載の化合物 - 【請求項21】 式(III−1) 【化7】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を、エステル不斉加水分解能を
有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該
微生物菌体処理物で処理した後の処理液から単離採取す
ることを特徴とする式(III−2−a) 【化8】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物の製造法 - 【請求項22】 式(III−1) 【化9】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を、エステル不斉加水分解能を
有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該
微生物菌体処理物の存在下に処理し、処理液から式(I
II−1−b) 【化10】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を分離することを特徴とする式
(III−2−a) 【化11】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物の製造法 - 【請求項23】 式(III−1) 【化12】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を、エステル不斉加水分解能を
有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該
微生物菌体処理物で処理した後の処理液から単離採取す
ることを特徴とする式(III−1−a) 【化13】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物の製造法 - 【請求項24】 式(III−1) 【化14】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を、エステル不斉加水分解能を
有する酵素、微生物の培養液、該微生物菌体、または該
微生物菌体処理物の存在下に処理し、処理液から式(I
II−2−b) 【化15】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物を分離することを特徴
とする式(III−1−a) 【化16】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物の製造法 - 【請求項25】 R2がメチル基である請求項21から
24のいずれか一項に記載の製造法 - 【請求項26】 R2がエチル基である請求項21から
24のいずれか一項に記載の製造法 - 【請求項27】 処理に使用する酵素が、エステラー
ゼ、プロテアーゼ、またはキモトリプシンである請求項
21から26のいずれか一項に記載の製造法 - 【請求項28】 微生物が、バチルス属、マイクロコッ
カス属、またはアクチノマイセス属の細菌から選ばれる
微生物である請求項21から26のいずれか一項に記載
の製造法 - 【請求項29】 微生物が、アスペルギルス属、リゾパ
ス属、ナンニーザ属、またはペニシリウム属のカビから
選ばれる微生物である請求項21から26のいずれか一
項に記載の製造法 - 【請求項30】 微生物が、キャンディダ属、サッカロ
マイセス属、またはジゴアスカス属の酵母から選ばれる
微生物である請求項21から26のいずれか一項に記載
の製造法 - 【請求項31】 X1、X2およびX3がフッ素原子であ
る請求項21から30のいずれか一項に記載の製造法 - 【請求項32】 式(III−1) 【化17】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、アルキル基を表す。)で表される
化合物のエステルを加水分解することを特徴とする式
(III−2) 【化18】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物の製造法 - 【請求項33】 式(III−2) 【化19】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物を光学活性有機塩基を
用いて光学分割することを特徴とする、単一の光学異性
体からなる2−(2,3,4―トリハロゲノアニリノ)
−プロピオン酸の製造法 - 【請求項34】 式(III−2) 【化20】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物を、光学活性有機塩基
と処理して2−(2,3,4―トリハロゲノアニリノ)
−プロピオン酸の光学異性体と光学活性有機塩基とのジ
アステレオマー塩を得、次いで該ジアステレオマー塩を
酸処理することを特徴とする、単一の光学異性体からな
る2−(2,3,4―トリハロゲノアニリノ)−プロピ
オン酸の製造法 - 【請求項35】 光学活性有機塩基が式(IV) 【化21】 (式中、Arylは、炭素数1から6のアルキル基、炭
素数1から6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基、またはカルバモイル基を有することもあ
るアリール基を表し、R3、R4およびR5は、各々独立
して、 炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、もしくはシアノ
基を有していてもよいフェニル基、 炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ニト
ロ基、カルバモイル基、ハロゲン原子、もしくはシアノ
基を有していてもよいフェニル基を有するベンジル基、 炭素数1から6のアルキル基、または 水素原子を表す。)で表される化合物である請求項3
3または34に記載の製造法 - 【請求項36】 光学活性有機塩基が1−フェニルエチ
ルアミンである請求項35に記載の製造法 - 【請求項37】 光学活性有機塩基が1−(p−トリ
ル)エチルアミンである請求項35に記載の製造法 - 【請求項38】 光学活性有機塩基が1−フェニル−2
−(p−トリル)エチルアミンである請求項35に記載
の製造法 - 【請求項39】 式(III−2−a) 【化22】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物と光学活性有機塩基と
の塩 - 【請求項40】 式(III−2−b) 【化23】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物と光学活性有機塩基と
の塩 - 【請求項41】 光学活性有機塩基が式(IV) 【化24】 (式中、Arylは、炭素数1から6のアルキル基、炭
素数1から6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基、またはカルバモイル基を有することもあ
るアリール基を表し、R3、R4およびR5は、各々独立
して、 炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、カルバモイル基、もしくはシアノ
基を有していてもよいフェニル基、 炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロ
ゲノアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ニト
ロ基、カルバモイル基、ハロゲン原子、もしくはシアノ
基を有していてもよいフェニル基を有するベンジル基、 炭素数1から6のアルキル基、または 水素原子を表す。)で表される化合物である請求項3
9または40に記載の塩 - 【請求項42】 光学活性有機塩基が1−フェニルエチ
ルアミンである請求項41に記載の塩 - 【請求項43】 1−フェニルエチルアミンが(R)−
(+)−1−フェニルエチルアミンである請求項42に
記載の塩 - 【請求項44】 光学活性有機塩基が1−(p−トリ
ル)エチルアミンである請求項41に記載の塩 - 【請求項45】 1−(p−トリル)エチルアミンが
(R)−(+)−1−(p−トリル)エチルアミンであ
る請求項44に記載の塩 - 【請求項46】 光学活性有機塩基が1−フェニル−2
−(p−トリル)エチルアミンである請求項41に記載
の塩 - 【請求項47】 1−フェニル−2−(p−トリル)エ
チルアミンが(S)−(+)−1−フェニル−2−(p
−トリル)エチルアミンである請求項46に記載の塩 - 【請求項48】 式(III−2−a) 【化25】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物を、式(V) 【化26】 R2−OH V (式中、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表されるアルコール中、酸触媒の存在下で処理
することを特徴とする式(III−1−a) 【化27】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物の製造法 - 【請求項49】 式(III−2−b) 【化28】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表す。)で表される化合物を、式(V) 【化29】 R2−OH IV (式中、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表されるアルコール中、酸触媒の存在下で処理
することを特徴とする式(III−1−b) 【化30】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物の製造法 - 【請求項50】 式(III−1−b) 【化31】 (式中、X1、X2およびX3は、各々独立してハロゲン
原子を表し、R2は、炭素数1から6のアルキル基を表
す。)で表される化合物を塩基存在下に処理することを
特徴とするラセミ化法 - 【請求項51】 塩基が三級アミンである請求項50に
記載のラセミ化法 - 【請求項52】 三級アミンが1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)である請
求項51に記載のラセミ化法 - 【請求項53】 塩基がアルカリ金属またはアルカリ土
類金属炭酸塩である請求項50に記載のラセミ化法 - 【請求項54】 アルカリ金属またはアルカリ土類金属
炭酸塩が炭酸カリウムである請求項53に記載のラセミ
化法 - 【請求項55】 式(III−1−b) 【化32】 (式中、R2は炭素数1から6までのアルキル基を表
す。)で表される化合物を塩基存在下に処理してラセミ
化させた後、得られるラセミ化化合物を加水分解するこ
とを特徴とする式(III−2) 【化33】 で表される化合物の製造法 - 【請求項56】 塩基が金属アルコキサイドである請求
項55記載の製造法 - 【請求項57】 金属アルコキサイドがカリウムターシ
ャリーブトキサイドである請求項56記載の製造法 - 【請求項58】 塩基がアルカリ金属またはアルカリ土
類金属炭酸塩である請求項55記載の製造法 - 【請求項59】 アルカリ金属またはアルカリ土類金属
炭酸塩が炭酸カリウムである請求項58記載の製造法
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001354634A (ja) * | 2000-06-08 | 2001-12-25 | F-Tech Inc | 光学活性な含フッ素アミノ酸誘導体の製造方法 |
JP2009501196A (ja) * | 2005-07-15 | 2009-01-15 | エレジーレ ソシエタ ペル アチオニ | 2−メトキシカルボニルメチル−6,6−ジメチル−2−テトラヒドロピラン−カルボン酸の調製方法 |
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2000
- 2000-09-29 JP JP2000297799A patent/JP2001163841A/ja active Pending
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JP4658289B2 (ja) * | 2000-06-08 | 2011-03-23 | 東ソ−・エフテック株式会社 | 光学活性な含フッ素アミノ酸誘導体の製造方法 |
JP2009501196A (ja) * | 2005-07-15 | 2009-01-15 | エレジーレ ソシエタ ペル アチオニ | 2−メトキシカルボニルメチル−6,6−ジメチル−2−テトラヒドロピラン−カルボン酸の調製方法 |
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