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JP2001151796A - 新規タキキニン関連ペプチドおよびその前駆体ポリペプチドならびにこれらをコードする遺伝子 - Google Patents

新規タキキニン関連ペプチドおよびその前駆体ポリペプチドならびにこれらをコードする遺伝子

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JP2001151796A
JP2001151796A JP2000138902A JP2000138902A JP2001151796A JP 2001151796 A JP2001151796 A JP 2001151796A JP 2000138902 A JP2000138902 A JP 2000138902A JP 2000138902 A JP2000138902 A JP 2000138902A JP 2001151796 A JP2001151796 A JP 2001151796A
Authority
JP
Japan
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ser
leu
arg
phe
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000138902A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiko Iwakoshi
栄子 岩越
Hiroyuki Namikata
宏之 南方
Kyoko Takuwa
京子 宅和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Ltd filed Critical Suntory Ltd
Priority to JP2000138902A priority Critical patent/JP2001151796A/ja
Publication of JP2001151796A publication Critical patent/JP2001151796A/ja
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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 マダコの脳より単離、精製されるタキキニン
関連ペプチドを提供し、分子レベルでの構造活性相関の
研究を通じて、医薬、農薬への新たなアプローチを与え
る。 【解決手段】 次のアミノ酸配列式(I): R1−Phe−Xaa−Yaa−Zaa−Arg−NH2 (I) (R1はアミノ酸残基数5または6のペプチド、XaaはLe
u、Ile、Met、ValまたはGln、YaaはGlyまたはPro、ZaaはSer
またはThr)のタキキニン関連ペプチドであり、特に以
下のアミノ酸配列式(1)〜(3): H−Thr−Val−Ser−Ala−Asn−Ala−Phe−Leu−Gly−Se
r−Arg−NH2 (1) H−Leu−Asn−Ala−Asn−Ser−Phe−Met−Gly−Ser−Ar
g−NH2 (2) H−Ala−Ser−Leu−His−Asn−Thr−Phe−Ile−Pro−Se
r−Arg−NH2 (3) の新規ペプチド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な神経ペプチド
に関し、さらに詳細には、マダコ(Octopus
ulgaris)の脳から得られる、軟体動物の心臓の
拍動を増強する活性を有する新規タキキニン関連ペプチ
ド、およびその前駆体ポリペプチドならびにこれらをコ
ードする遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】無脊椎動物は、神経系の発達に伴って、
神経内分泌系が発達しており、様々な内因性ペプチドが
神経伝達物質、神経修飾物質または神経ホルモンとして
働いていることが知られている。
【0003】また、軟体動物の神経系は、一般に高等動
物に比べて単純であるため、情報処理の機構の解明に利
用することができる。特に、軟体動物より得られた情報
処理機構に関する知見が、細胞下レベルにおける機構に
関するものであれば、高等動物の神経系における情報処
理機構の解明に、その知見が一般化できると考えられる
ことから、軟体動物の神経伝達物質の探索が精力的に行
われている。
【0004】例えば、特開平1−221392号公報に
はムラサキイガイより得られる内因性神経ペプチドが開
示されている。また、特開平2−286696号公報に
はアフリカマイマイの神経節から得られる内在性神経伝
達物質として、D−アミノ酸を含む新規ペプチドが開示
されており、さらに特開平6−56890号公報にはハ
ンガリー産マイマイの神経節から得られる神経ペプチド
が開示されている。
【0005】この他、軟体動物からは、H−Ala−P
ro−Gly−Trp−NH2、ミオモジュリン−CA
RP、心筋作動性小ペプチド(SCP)、バッカリンな
どの多数の神経ペプチドが単離、同定されている(M.
Kobayashi andY.Muneoka,Zo
ol.Sci.,7,801,1990;Y.Mune
oka and M.Kobayashi,Exper
ientia 48,448,1992;宗岡洋二郎、
日本農薬学会誌 18,S191,1993;Y.Mu
neoka,T.Takahashi,M.Kobay
ashi,“Perspective in Comp
arative Endocrinology”,Na
tional Research Council o
f Canada 1994,p109)。
【0006】さらに、外洋性ジャコウダコ(Eledo
ne moschataおよびE.aldrovand
)の後部唾腺からエレドイシン(Erspamer,
V.& Anastasi,A.:Experient
ia,18,58,1962)が単離され、このペプチ
ドがモルモットの回腸を素早く収縮させる作用を有する
ことから、「タキキニン」という用語が定義された。そ
の後、エレドイシンの構造がもとになって、サブスタン
スPの構造が明らかにされ、今日では、タキキニンは、
そのC末端に共通アミノ酸残基として:−Phe−Aa
a−Gly−Leu−Met−NH2をもち、Aaaは
芳香族アミノ酸(Phe,Tyr)または分枝アミノ酸
(Val,Ile)であり、哺乳類において腸管収縮、
血圧降下、唾液分泌促進作用などを示す生理活性ペプチ
ドの総称とされている。そして、タキキニンには、サブ
スタンスP(P物質)、エレドイシン、フィザラミン、
ニューロキニンA、ニューロキニンB、カシニンなどが
含まれる(生物学辞典(第4版)、岩波書店、199
7)。
【0007】一方、タキキニンに関連するペプチドが昆
虫より単離されており、ローカスタタキキニンとして報
告されている(Schoofs,L.,Holman,
G.M.,Hayes,T.K.,Nachman,
R.J.& De Loof,A.:FEBS Let
ters,261,397,1990)。また、特開平
6−32798号公報には、ユムシ由来のタキキニン関
連神経ペプチドが開示されている。そして、これらのタ
キキニン関連ペプチドは、昆虫の後腸の収縮作用がある
ことが知られている(Nassel.D.R:Pept
ides,20,141,1999)。
【0008】こうしたタキキニンおよびタキキニン関連
ペプチドの研究を通じ、脊椎動物に作用するタキキニン
と、無脊椎動物に作用するタキキニン関連ペプチドとが
あることが明らかにされ、これらの構造活性相関の研究
も行われている。その研究結果から、ペプチド中のアミ
ノ酸残基の相違が、重要な要素となっていることが明ら
かにされ、C末端のアミノ酸がMet残基か、あるいは
Arg残基かの違いにより、脊椎動物に作用するもの
と、無脊椎動物に作用するものとに分類されることが判
明した。すなわち、タキキニン類は、Met型タキキニ
ンと、Arg型タキキニンに分けることができると考え
られている。
【0009】しかしながら、これらタキキニン関連ペプ
チドについての構造−活性相関や、種特異性を明らかに
し、高等動物の神経系にも一般化できる情報を得るため
には、さらに多くの動物種から、タキキニン関連ペプチ
ドやその前駆体ペプチドを見出すことが必要とされてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
無脊椎動物から新たな無脊椎動物型タキキニン関連ペプ
チドを見出し、その構造を明らかにするとともに、その
タキキニン関連ペプチドを有する動物自身の中での作用
や、他の無脊椎動物に対する作用を解明し、高等動物の
神経系における情報処理機構の解明用の試薬や、農薬ま
たは医薬品開発における基礎化合物として利用可能な新
規タキキニン関連ペプチドを得ることを課題とする。さ
らに本発明は、こうしたタキキニン関連ペプチドの前駆
体ポリペプチドおよびそれをコードする遺伝子を明らか
にするとともに、かかるタキキニン関連ペプチドを製造
する方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】無脊椎動物の代表である
軟体動物のうち、頭足類に分類されるタコ類は、高度に
発達した脳を持ち、他の軟体動物に比べて運動機能や知
覚機能において格段の進化を遂げている。特に循環系
は、軟体動物では唯一、閉鎖血管であり、脳で作られた
物質を血管により末梢組織まで送っていると考えられ
る。
【0012】本発明者らは、これまでにマダコ(Oct
opus vulgaris)の後部唾腺より脊椎動物
型タキキニンを見出し、その生理作用を明らかにしてい
るが、タコ類には無脊椎動物型のタキキニン関連ペプチ
ドも存在するのではないかと考えた。そして今回、本発
明者らはタコ類から新たな神経ペプチドを得るべく検討
を行い、マダコの脳から、その心臓に対する活性を指標
に、マダコの無脊椎動物型タキキニン関連ペプチドを単
離・精製し、本発明を完成した。
【0013】また本発明者らは、かくして得られたタキ
キニン関連ペプチドの前駆体ポリペプチド、およびそれ
をコードする遺伝子を明らかにするとともに、かかる遺
伝子を用いた前駆体ポリペプチド、およびタキキニン関
連ペプチドを製造する方法を完成させるに至った。
【0014】したがって、本発明は、次のアミノ酸配列
式(I): R1−Phe−Xaa−Yaa−Zaa−Arg−NH2 (I) (式中、R1はアミノ酸残基数5または6のペプチドを
表わし、XaaはLeu、Ile、Met、Valまた
はGlnを表わし、YaaはGlyまたはProを表わ
し、ZaaはSerまたはThrを表わす)で表わされ
るタキキニン関連ペプチドを提供する。
【0015】より具体的な態様として、本発明は、次の
アミノ酸配列式(II): R2−Aaa−Baa−Phe−Xaa−Yaa−Zaa−Arg−NH2 ( II) (式中、R2はアミノ酸残基数3または4のペプチドを
表わし、AaaはAsn、TyrまたはLeuを表わ
し、BaaはAla、Ser、ThrまたはAspを表
わし、XaaはLeu、Ile、Met、Valまたは
Glnを表わし、YaaはGlyまたはProを表わ
し、ZaaはSerまたはThrを表わす)で表わされ
るタキキニン関連ペプチドを提供する。
【0016】すなわち本発明者らは、無脊椎動物型のタ
キキニン関連ペプチドを得るべく、マダコ(Octop
us vulgaris)の脳から、マダコの心臓に対
する活性を指標に検索を行い、その結果、上記アミノ酸
配列式(I)または(II)のなかでも、次のアミノ酸
配列式(1)、(2)および(3):
【0017】 H−Thr−Val−Ser−Ala−Asn−Ala−Phe−Leu−Gl y−Ser−Arg−NH2 (1) (以下、このペプチドを化合物(1)と称する。)
【0018】 H−Leu−Asn−Ala−Asn−Ser−Phe−Met−Gly−Se r−Arg−NH2 (2) (以下、このペプチドを化合物(2)と称する。)
【0019】 H−Ala−Ser−Leu−His−Asn−Thr−Phe−Ile−Pr o−Ser−Arg−NH2 (3) (以下、このペプチドを化合物(3)と称する。)
【0020】で表されるペプチドを分離、精製し、その
化学構造を決定すると共に、全合成によりその構造およ
び無脊椎動物に対する生理活性を確認した。
【0021】さらに本発明者らは、上記のアミノ酸配列
をもとにプライマーを作成し、マダコの脳から調製した
total RNAに対して、逆転写ポリメラーゼ連鎖
反応(RT−PCR)法などを用いた遺伝子配列の解析
手段を組み合わせることにより、タキキニン関連ペプチ
ドの前駆体であるポリペプチドの全一次アミノ酸配列
は、配列番号4で示されることを明らかにした。また、
当該前駆体ポリペプチドをコードする遺伝子は、配列番
号5に示す塩基配列を有するものであることを明らかに
した。
【0022】かくして決定されたタキキニン関連ペプチ
ドの前駆体ポリペプチドの全一次アミノ酸配列をベース
にし、タキキニン関連ペプチドと推定される部分構造の
検索を行ったところ、前駆体ポリペプチドの中には、前
記アミノ酸配列式(1)〜(3)以外に、C末端がAr
g残基であるタキキニン関連ペプチドに該当する、次式
アミノ酸配列式(4)、(5)および(6):
【0023】 H−Val−Asn−Pro−Tyr−Ser−Phe−Gln−Gly−Th r−Arg−NH2 (4) (以下、このペプチドを化合物(4)と称する。)
【0024】 H−Ser−Asp−Ala−Leu−Ala−Phe−Val−Pro−Th r−Arg−NH2 (5) (以下、このペプチドを化合物(5)と称する。)
【0025】 H−Tyr−Ser−Pro−Leu−Asp−Phe−Ile−Gly−Se r−Arg−NH2 (6) (以下、このペプチドを化合物(6)と称する。)
【0026】で表わされるペプチドが含まれていること
が明らかになった。そこでこれらペプチドの前駆体の切
り出しおよびC末端のアミド化を行い、これらペプチド
の生理活性を検討したところ、先の化合物(1)〜
(3)のタキキニン関連ペプチドと同様の生理活性を有
するものであることを確認した。
【0027】さらに本発明者らは、当該前駆体ポリペプ
チドの全一次アミノ酸配列について検討を加え、C末端
がArg残基以外にLys残基となった次式アミノ酸配
列式(7):
【0028】 H−Arg−Met−Asn−Ser−Leu−Ser−Phe−Gly−Pr o−Pro−Lys−NH2 (7) (以下、このペプチドを化合物(7)と称する。)
【0029】で表わされるペプチドが、活性の強さは若
干低下するもののタキキニン関連ペプチドと同様の生理
活性を有するペプチドであることを確認した。
【0030】したがって、本発明は別の態様として、配
列番号4で表わされるアミノ酸配列または、その一部が
欠失もしくは置換したアミノ酸配列、あるいは該アミノ
酸配列またはその一部が欠失もしくは置換したアミノ酸
配列に1個から複数個のアミノ酸が付加したアミノ酸配
列を有する、タキキニン関連ペプチドの前駆体ポリペプ
チドを提供する。
【0031】さらに別の態様として、本発明は、かかる
タキキニン関連ペプチドの前駆体ポリペプチド、および
タキキニン関連ペプチドの製造方法を提供し、また、別
の態様としては、かかるタキキニン関連ペプチドの前駆
体ポリペプチドをコードする遺伝子、およびこの遺伝子
を用いた前駆体ポリペプチド、およびタキキニン関連ペ
プチドの製造方法を提供する。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明が提供するこれらの新規ペ
プチドは、タコの心臓の拍動を増強させるタキキニン関
連ペプチドであり、マダコ(Octopus vulg
aris)から、例えば以下の方法により単離、精製す
ることができる。
【0033】すなわち、マダコの脳を熱水抽出し、その
抽出液に酢酸を3%濃度となるように加え、冷却後遠心
分離して粗抽出物を得る。この粗抽出物を、C18カー
トリッジ(例えばSep−Pak(登録商標)Vac
C18 Cartridges:ウォーターズ社製)に
吸着させた後、0.1%トリフルオロ酢酸(以下、TF
Aと略す)を含む60%メタノールで溶出してペプチド
画分を分取し、この画分をイオン交換クロマトグラフィ
ー、逆相クロマトグラフィー等に付して、目的とするペ
プチドを分離、精製することができる。
【0034】また、本発明のペプチドはアミノ酸残基数
10または11残基のペプチドであるため、通常のペプ
チド合成機(例えば、PEバイオシステムズジャパン社
製ペプチド合成機433A型)を用いた固相合成法や、
通常の有機合成化学的手法により容易に合成することが
できる。これらの方法で得られた粗ペプチドは、必要で
あれば逆相高速液体クロマトグラフィーや結晶化等の通
常の精製手法によって、精製することができる。
【0035】一方、タキキニン関連ペプチドの前駆体ポ
リペプチドのアミノ酸配列、および当該ポリペプチドを
コードする遺伝子の塩基配列は、次のようにして決定す
ることができる。すなわち、上記により得られたタキキ
ニン関連ペプチドのアミノ酸配列をもとにプライマーを
作成し、マダコの脳より調製したtotal RNAに
対して逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を
行い、約600塩基対の遺伝子配列を解明し、続いて
5’−RACE法、3’−RACE法を用いて5’末端
および3’末端側の遺伝子配列を解明することができ
る。本発明においては、この方法によりマダコのタキキ
ニン関連ペプチドの前駆体ポリペプチドは、配列番号4
で示されるアミノ酸配列を有するものであること、ま
た、当該前駆体ポリペプチドをコードする遺伝子は、配
列番号5に示す塩基配列を有するものであることを明ら
かにした。
【0036】したがって、本発明のタキキニン関連ペプ
チドの前駆体ポリペプチドおよびタキキニン関連ペプチ
ドは、遺伝子組換法によっても製造することができる。
すなわち、遺伝子組換法によって製造を行う場合は、例
えば、配列番号5で示される遺伝子を組み込んだベクタ
ーを作成し、当該ベクターによって宿主の形質転換を行
った後、該宿主を培養または成育させ、該宿主から目的
の前駆体ポリペプチドを単離、精製すれば良い。そし
て、前駆体ポリペプチドから目的のタキキニン関連ペプ
チドを得るには、前駆体ポリペプチドから酵素などを用
いて切り出し(プロセッシング)を行った後、C末端を
アミド化酵素など用いて修飾(アミド化)し、さらに必
要に応じて単離、精製すれば良い。
【0037】
【作用】本発明が提供するペプチドは、タキキニン関連
の神経ペプチドであり、神経伝達系を解明するための生
化学試薬として有用であるにとどまらず、医薬および農
薬等への開発に、新たなアプローチを与える化合物とし
て利用し得るものである。
【0038】例えば、本発明のペプチドを有効成分とす
る医薬としては、製剤学的に慣用されている賦形剤と共
にカプセル剤、錠剤、注射剤等の適当な剤形で、経口的
または非経口的に投与することができる。具体的には、
本発明のペプチドを、乳糖、デンプンまたはその誘導
体、セルロース誘導体等の賦形剤と混合したのち、ゼラ
チンカプセルに充填することによりカプセル剤を調製す
ることができる。
【0039】また錠剤は、上記の賦形剤の他に、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸、アラビ
アゴム等の結合剤と水を加えて練合し、必要により顆粒
として造粒したのち、さらにタルク、ステアリン酸マグ
ネシウム等の滑沢剤を添加して、通常の圧縮打錠機を用
いて錠剤に調製することができる。
【0040】さらに、非経口投与に際しては、本発明の
ペプチドを溶解補助剤と共に滅菌蒸留水あるいは滅菌生
理食塩水に溶解し、アンプルに封入して注射用製剤とす
ることができる。この場合、必要により安定化剤、緩衝
物質等を含有させてもよい。また、粉末のままバイアル
充填し、滅菌蒸留水により用時溶解型の製剤とすること
もできる。これらの非経口投与製剤は、静脈内投与、あ
るいは点滴静注により投与することができる。
【0041】なお本発明のペプチドを有効成分とする場
合の投与量は、種々の要因、例えば治療すべき病態、患
者の症状、重篤度、患者の年齢、さらには投与経路等を
考慮して、適宜設定すればよい。一般的に経口投与の場
合には、有効成分として通常0.1〜1000mg/日
/ヒト、好ましくは1〜500mg/日/ヒトの範囲内
で、また非経口投与の場合には、経口投与の場合におけ
る投与量の約1/100〜1/2程度の範囲内で適宜選
択し投与することができる。
【0042】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに説明する
が、本発明の範囲はこれのみに限定されるものではな
い。
【0043】実施例1:マダコからタコの心臓の拍動を
増強させるペプチド類の分離 (a):粗抽出 マダコ(Octopus vulgaris)100匹
から脳(視葉を含む)を摘出し、液体窒素にて凍結保存
した。凍結した摘出組織(180g)を沸騰した蒸留水
900ml中に入れ、10分間煮沸した。放冷後、酢酸
を3%濃度になるように加え、ホモジナイズした後、4
℃で30分間、12,000×gで遠心分離して、上清
を得た。一方、沈殿物に200mlの3%酢酸を加え、
再度ホモジナイズした後、同じ操作条件で遠心分離をし
て上清を得た。集めた上清を、減圧下に約200mlに
なるまで濃縮し、粗抽出物とした。
【0044】(b):C18カートリッジへの吸着 (a)で得られた粗抽出物に、6N−HClを5ml加
え、4℃で30分間、12,000×gで遠心分離し
た。得られた上清を、Sep−Pak(登録商標)Va
c C18カートリッジ(10g、35cc、ウォータ
ーズ社製)に通した。カートリッジを0.1%TFA2
00mlで洗浄した後、保持物質を60%メタノール/
0.1%TFA100mlで溶出し、溶出液を減圧濃縮
後、凍結乾燥させ、乾燥物0.150gを得た。
【0045】(c)逆相高速液体カラムクロマトグラフ
ィー(1) (b)で得られた乾燥物を、Capcell pak
C18 UG80(5μm、Φ10×250mm、資生
堂製)を用いた逆相高速液体カラムクロマトグラフィー
(逆相HPLC)に付し、流速1.5ml/minで、
0.1%TFA(pH2.2)中、60分間で0%から
60%のアセトニトリルの直線濃度勾配で溶出した。2
15nmの紫外吸収のモニターにより、3mlずつに分
画した。
【0046】各フラクションを、後記する実施例7に示
す方法に従って生物検定に付したところ、アセトニトリ
ル26〜30%濃度で溶出される画分に、マダコの心臓
に対する心拍動増強活性が見られた。
【0047】(d)陽イオン交換カラムクロマトグラフ
ィー (c)で得られた活性画分を、TSKgel SP−5
PW(10μm、Φ7.5×75mm、東ソー製)を用
いた陽イオン交換カラムクロマトグラフィー(陽イオン
交換HPLC)に付し、流速1.0ml/minで、1
0mMリン酸緩衝液(pH7.0)中、60分間で0M
から0.6MのNaClの直線濃度勾配で溶出した。
【0048】2mlずつの画分を生物検定したところ、
0.08MのNaCl濃度で溶出された画分(以下、画
分Aという)、0.12MのNaCl濃度で溶出された
画分(以下、画分Bという)および0.16MのNaC
l濃度で溶出された画分(以下、画分Cという)に活性
が見られた。
【0049】実施例2:活性画分からのペプチド類の精
製(その1:活性画分Aからの精製) 実施例1の分離操作により得られた活性画分Aについ
て、更に以下の操作を行い、ペプチド類を精製した。
【0050】(a)逆相HPLC(1) 実施例1の(d)で得られた活性画分Aを、Capce
ll pak C18UG80(5μm、Φ4.6×1
50mm、資生堂製)を用いた逆相HPLCに付し、流
速1.0ml/minで、0.1%TFA(pH2.
2)中、40分間で、10〜30%のアセトニトリルの
直線濃度勾配で溶出した。1mlずつ分画し、アセトニ
トリル濃度約19%に溶出する画分に活性を認めた。
【0051】(b)逆相HPLC(2) (a)で得られた活性画分を、Capcell pak
C18 UG80(5μm、Φ4.6×150mm、
資生堂製)を用いた逆相HPLCに付し、流速0.5m
l/minで、0.1%TFA(pH2.2)中、アセ
トニトリル18%で展開した。保持時間14分に単一の
化合物が得られ、化合物(1)とした。この逆相HPL
Cの展開図を、図1として示す。
【0052】実施例3:活性画分からのペプチド類の精
製(その2:活性画分Bからの精製) 実施例1の分離操作により得られた活性画分Bについ
て、更に以下の操作を行い、ペプチド類を精製した。
【0053】(a)逆相HPLC(1) 実施例1の(d)で得られた活性画分Bを、Capce
ll pak C18UG80(5μm、Φ4.6×1
50mm、資生堂製)を用いた逆相HPLCに付し、流
速1.0ml/minで、0.1%TFA(pH2.
2)中、40分間で、10〜30%のアセトニトリルの
直線濃度勾配で溶出した。1mlずつ分画し、アセトニ
トリル濃度約18%に溶出する画分に活性を認めた。
【0054】(b)逆相HPLC(2) (a)で得られた活性画分を、Capcell pak
C18 UG80(5μm、Φ4.6×150mm、
資生堂製)を用いた逆相HPLCに付し、流速0.5m
l/minで、0.1%TFA(pH2.2)中、アセ
トニトリル16%で展開した。保持時間16分に単一の
化合物が得られ、化合物(2)とした。この逆相HPL
Cの展開図を、図2として示す。
【0055】実施例4:活性画分からのペプチド類の精
製(その3:活性画分Cからの精製) 実施例1の分離操作により得られた活性画分Cについ
て、更に以下の操作を行い、ペプチド類を精製した。
【0056】(a)逆相HPLC(1) 実施例1の(d)で得られた活性画分Cを、Capce
ll pak C18UG80(5μm、Φ4.6×1
50mm、資生堂製)を用いた逆相HPLCに付し、流
速1.0ml/minで、0.1%TFA(pH2.
2)中、40分間で、10〜30%のアセトニトリルの
直線濃度勾配で溶出した。1mlずつ分画し、アセトニ
トリル濃度約18%に溶出する画分に活性を認めた。
【0057】(b)逆相HPLC(2) (a)で得られた活性画分を、Capcell pak
C18 UG80(5μm、Φ4.6×150mm、
資生堂製)を用いた逆相HPLCに付し、流速0.5m
l/minで、0.1%TFA(pH2.2)中、アセ
トニトリル16%で展開した。保持時間16.7分にピ
ークがみられたが、他の物質が混入されている可能性が
あったため、再度同じ条件で、逆相HPLCを行い、保
持時間16.7分に単一の化合物を得て、これを化合物
(3)とした。この逆相HPLCの展開図を、図3とし
て示す。
【0058】実施例5:神経ペプチド類の同定 上記の実施例2で純化した化合物(1)、実施例3で純
化した化合物(2)および実施例4で純化した化合物
(3)の構造を、Shimadzu PSQ−1型気相
シークエンサー(島津製作所製)によって解析した。得
られた各アミノ酸配列を、下記表1に示した。
【0059】
【表1】ペプチドのアミノ酸配列(単位pmol)
【0060】化合物(1)、化合物(2)および化合物
(3)の分子量は、MALDI TOF−MS(Voy
ager Elite,PEバイオシステムズジャパン
社製)によって確認した。その測定値を下記表2に示し
た。
【0061】
【表2】ペプチドのMSデータ
【0062】以上の機器分析データにより、活性画分A
より単離、精製されたマダコの神経ペプチド類である化
合物(1)は、次のアミノ酸配列式(1): H−Thr−Val−Ser−Ala−Asn−Ala−Phe−Leu−Gl y−Ser−Arg−NH2 (1) で表されることが明らかになった。
【0063】また、活性画分Bより単離、精製されたマ
ダコの神経ペプチド類である化合物(2)は、次のアミ
ノ酸配列式(2): H−Leu−Asn−Ala−Asn−Ser−Phe−Met−Gly−Se r−Arg−NH2 (2) で表されることが明らかになった。
【0064】さらに、活性画分Cより単離、精製された
マダコの神経ペプチド類である化合物(3)は、次のア
ミノ酸配列式(3): H−Ala−Ser−Leu−His−Asn−Thr−Phe−Ile−Pr o−Ser−Arg−NH2 (3) で表されることが明らかになった。
【0065】実験例6:固相法によるマダコ神経ペプチ
ド類の合成 各々のマダコ神経ペプチド類の合成は、PEバイオシス
テムズジャパン社の全自動ペプチド合成機433A型を
用い、FastMoc(登録商標)法により合成した。
【0066】なお、化合物(1)の合成には、Fmoc
−NH−SAL−Aレジン(渡辺化学工業社製)を担体
とし、Fmoc−Thr(tBu)、Fmoc−Va
l、Fmoc−Ser(tBu)、Fmoc−Ala、
Fmoc−Asn(Trt)、Fmoc−Phe、Fm
oc−Leu 、Fmoc−GlyおよびFmoc−A
rg(Pmc)を用いた。
【0067】また、化合物(2)の合成には、Fmoc
−NH−SAL−Aレジン(渡辺化学工業社製)を担体
とし、Fmoc−Leu、Fmoc−Asn(Tr
t)、Fmoc−Ala、Fmoc−Ser(tB
u)、Fmoc−Phe、Fmoc−Met、Fmoc
−GlyおよびFmoc−Arg(Pmc)を用いた。
【0068】さらに、化合物(3)の合成には、Fmo
c−NH−SAL−Aレジン(渡辺化学工業社製)を担
体とし、Fmoc−Ala、Fmoc−Ser(tB
u)、Fmoc−Leu、Fmoc−His(Tr
t)、Fmoc−Asn(Trt)、Fmoc−Thr
(tBu)、Fmoc−Phe、Fmoc−Ile、F
moc−ProおよびFmoc−Arg(Pmc)を用
いた。
【0069】ただし、Fmocは9−Fluoreny
lmethoxycarbonylを、tBuはt−B
utylを、Trtはtritylを、Pmcは2,
2,5,7,8−pentamethyl chrom
an−6−sulfonylを示す。
【0070】反応終了後のペプチド樹脂からの粗ペプチ
ドの切離しと脱保護には、フェノール4.3%/1,2
−エタンジチオール2.1%/チオアニソール4.3%
/水4.3%/TFA85%を用いた。反応混合物を濾
過し、濾液にエーテルを加えてペプチドを沈殿させ、沈
殿をエーテルで3回洗浄し、粗ペプチド約100mgを
得た。このうちの約10mgの粗ペプチドを逆相HPL
Cにより精製し、約6mgの精製ペプチドをそれぞれ得
た。
【0071】得られた各精製ペプチドは、Capcel
l pak C18を用いる逆相HPLCにおいて、保
持時間が化合物(1)、(2)および(3)のそれぞれ
と全く一致した。また、マダコの心臓の心拍動活性にお
いても、合成物はそれぞれの天然物と同様であった。
【0072】実施例7:マダコの心臓の心拍動活性の測
定 マダコの心臓の拍動活性は、森下ら(Fumihiro
Morishita,Biochem.Biophy
s.Res.Commun.,240,354−35
8,1997)の方法に準拠して実施した。すなわち、
マダコの心臓を摘出し、両心房を切断して、それぞれの
房室から心室にカニューレを差込み、チャンバー(容量
80ml)に木綿の糸で縛って固定した。また、心室内
の溶液が流れ出すのを妨げないように大動脈をはさみ、
張力トランスデューサーにつないで検定の標本とした。
カニューレからは人工海水(1%グルコースを含む)が
1〜2ml/min流れるようセットした。検定すべき
検体は、同様の人工海水1mlに溶解して、カニューレ
から心臓内部に到達するよう添加し、心臓の拍動の変化
を記録した。
【0073】その結果を図4ないし図6に示した。各図
に示した結果からも明らかなように、化合物(1)[図
4]、化合物(2)[図5]および化合物(3)[図
6]は、それぞれマダコ心臓の拍動を増強させる。
【0074】実施例8:マデレゴキブリ後腸の収縮活性
の測定 マデレゴキブリ後腸の収縮活性は、クックら(Cook
B.J.et al.,Comp.Biochem.
Physiol.,61C,291−295,199
8)の方法に準拠して実施した。すなわち、マデレゴキ
ブリの腸管を摘出し、後腸の部分の両端を木綿の糸で縛
り、一端をチャンバー(容量2ml)に固定し、他端を
張力トランスデューサーにつないで検定の標本とした。
検定すべき検体は、生理食塩水に溶解して、チャンバー
に添加し、収縮による長さの変化を記録した。
【0075】その結果を図7ないし図9に示した。各図
に示した結果からも明らかなように、化合物(1)[図
7]、化合物(2)[図8]および化合物(3)[図
9]は、それぞれマデレゴキブリの後腸を収縮させる。
このことから、本発明のペプチド類、すなわち化合物
(1)、化合物(2)および化合物(3)は、無脊椎動
物に作用するタキキニン関連ペプチドであることが判明
した。
【0076】実施例9:前駆体ポリペプチドの全アミノ
酸構造およびそれをコードする遺伝子の塩基配列決定 (1)マダコ脳 total RNAの調製 マダコの脳約1gを液体窒素中で粉砕し、10mlのT
RIzol(登録商標)試薬(GIBCO BRL社
製)に溶解した後ホモジナイズした。室温で5分間静置
した後、エッペンドルフチューブに1mlずつ分注し、
200μlずつクロロホルムを加えて撹拌後、冷却遠心
機(佐久間製作所社製)で遠心分離(15,000rp
m、15分間、4℃)した。上層の水層をエッペンドル
フチューブに分取して、0.5mlずつイソプロパノー
ルを加え、室温で10分静置した。冷却遠心機で遠心分
離(15,000rpm、10分間、4℃)した後、上
清を除いて1mlの75%エタノールを加えて再度遠心
分離(10,000rpm、5分間、4℃)した。上清
を除いて約10分間風乾し、10μlのDEPC−処理
水を加え、60℃で10分間インキュベートしてRNA
を溶解した。以上の方法で約250μgのtotal
RNAが得られた。
【0077】(2)degenerate 3’−RA
CE マダコの脳から単離されたペプチドの配列を基に、次の
縮重プライマーを設計し、常法により合成した。 Oct-B-Tac-1: 5'-TIAA(C/T)GCIAA(C/T)(T/A)(C/G)IT
T(C/T)ATGGG-3' Oct-B-Tac-2: 5'-TT(C/T)ATGGGI(T/A)(C/G)I(C/A)GI
GGIAA-3' (各式中の英文字は「ヌクレオチド略語表」による(細
胞工学別冊「バイオ実験イラストレイテッド」:秀潤
社);以下の各式において同じ。)
【0078】次に、5’/3’−RACE Kit(B
oehringer Mannheim社製)を用い
て、以下の手順でdegenerate 3’−RAC
Eを行った。すなわち、2μgのtotal RNA、
4μlのcDNA synthesis buffe
r、2μlのdNTP mix、1μlのoligo
dT−anchor primer(12.5pmol
/μl)、1μlのAMVreverse trans
criptase(20units/μl)、DEPC
−処理水を混合して全量20μlにし、55℃で60分
間インキュベートした後65℃で10分間処理して1s
t−strand cDNAを合成した。
【0079】次に、以下の条件で1st−3’−RAC
Eを行った。すなわち、3μlの1st−strand
cDNA、5μlの10×PCR buffer、8
μlのdNTP mix、3μlのOct−B−Tac
−1(100pmol/μl)、1μlのPCR an
chor primer(12.5pmol/μl)、
0.5μlのTaKaRa Ex Taq(登録商標)
(宝酒造社製)、水を混合して全量50μlにし、94
℃5分間の後、94℃30秒間、48℃30秒間、72
℃2分30秒間で30サイクル、その後72℃で5分間
反応させた。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)には、G
eneAmp PCR System2400 the
rmal cycler(Perkin−Elmer社
製)を用いた。
【0080】続いて、1st−PCR産物をスピンカラ
ム(MicroSpin(登録商標)S−400,Am
ersham Pharmacia社製)で精製し、以
下の条件で2nd−3’−RACEを行った。すなわ
ち、3μlの1st−PCR産物、5μlの10×PC
R buffer、8μlのdNTP mix、3μl
のOct−B−Tac−2(100pmol/μl)、
1μlのPCR anchor primer(12.
5pmol/μl)、0.5μlのTaKaRaEx
Taq(登録商標)(宝酒造社製)、水を混合して全量
50μlにし、94℃5分間の後、94℃30秒間、4
5℃30秒間、72℃1分30秒間で30サイクル、そ
の後72℃で5分間反応させた。反応液5μlを1.5
%アガロースゲルで電気泳動した結果、約600bpの
PCR産物の増幅がみられた。
【0081】(3)PCR産物の連結反応(ligat
ion) PCR産物をスピンカラムで精製し、そのうち8μlと
2μlのTAクローニングベクターpCR2.1(In
vitrogene社製)、10μlのLigatio
n high(東洋紡社製)を混合して16℃で1時間
連結反応(ligation)を行った。
【0082】(4)大腸菌の形質転換 上記(3)で得た20μlの連結反応溶液を、コンピテ
ントセルCompetent high E.coli
DH5α(東洋紡社製)に混合し、氷中に30分間静
置した後、42℃で50秒間ヒートショックを行った。
氷中で2分間冷却した後、1mlのSOC mediu
mを加え、37℃で30分間インキュベートした。続い
て、LB/Amp.(50μg/mlアンピシリンを含
むLB)寒天培地上に35μlのX−galを塗布した
後、10μlの形質転換体を蒔いた。残りの形質転換体
も10,000rpmで1分間遠沈して容量を100μ
l程度に減らし、全量をLB/Amp.寒天培地上に蒔
いた。培地は37℃で一晩培養した。
【0083】(5)コロニー(colony)PCR 得られたコロニーを鋳型にして、以下の条件でコロニー
(colony)PCRを行った。すなわち、大腸菌の
菌体、5μlの10×Reaction Buffe
r、5μlの2mM dNTP mix、3μlの25
mM MgCl2、0.5μlのM13FW prim
er(100pmol/μl)、0.5μlのM13R
V primer(100pmol/μl)、0.5μ
lのrTaq DNA polymerase(東洋紡
社製)、水を混合して全量50μlにし、90℃10分
間の後、94℃30秒間、55℃30秒間、72℃1分
間で30サイクル、72℃でさらに5分間反応させた。
反応液5μlを1.5%アガロースゲルで電気泳動し
た。なお、この反応に使用したM13FW prime
rおよびM13RV primerは、常法により合成
した。その配列を以下に示す。
【0084】M13FW: 5'-GTAAAACGACGGCCAGTG-3' M13RV: 5'-GGAAACAGCTATGACCATG-3'
【0085】(6)DNAシークエンス 目的のサイズ(約800bp)のコロニー(colon
y)PCR産物をスピンカラムで精製して、DNA S
equencing Kit(PE Biosyste
ms社製)を用いてシークエンスを行った。シークエン
スには、ABIPRISM 310 Genetic
Analyzer(PE Biosystems社製)
を用いた。得られた配列を、遺伝子解析ソフトGENE
TYX−MAC(ソフトウエア開発社製)を用いて解析
した結果、約600bpの部分cDNA配列が解明でき
た。
【0086】(7)5’−RACE 部分cDNAの塩基配列から、以下のプライマーを合成
した。 TKRP-5'-1R:5'-GTAAGATCGTTTAGTTGGGG-3' TKRP-5'-2R: 5'-TTTAGTTGGGGCTTTTCACC-3' TKRP-5'-3R: 5'-TTTCACCGAGTAAGGTAACC-3'
【0087】次に、5’/3’−RACE Kit(B
oehringer Mannheim社製)を用いて
以下の手順で5’−RACEを行った。まず、2μgの
total RNA、4μlのcDNA synthe
sis buffer、2μlのdNTP mix、1
μlのTKRP−5’−1R(12.5pmol/μ
l)、1μlのAMV reverse transc
riptase(20units/μl)、DEPC−
処理水を混合して全量20μlにし、55℃で60分間
インキュベートの後、65℃で10分間処理して、1s
t−strand cDNAを合成した。次いで、1s
t−strand cDNAをスピンカラムで精製した
後、2.5μlのreaction buffer、
2.5μlの2mM dATPを加えて94℃で3分間
処理し、そこに1μlのterminal trans
ferase(10units/μl)を加えて37℃
で20分間インキュベート後、70℃で10分間処理し
てdA−tailed cDNAを合成した。
【0088】次いで、1st−PCRおよび2nd−P
CRを、以下の条件で行った。 1st−PCR:5μlのdA−tailed c
DNA、5μlの10×PCR buffer、8μl
のdNTP mix、1μlのTKRP−5’−2R
(12.5pmol/μl)、1μlのoligo d
T−anchor primer(12.5pmol/
μl)、0.5μlのTaKaRa Ex Taq(登
録商標)(宝酒造社製)および水を混合して全量50μ
lにし、94℃5分間の後、94℃30秒間、55℃3
0秒間、72℃2分間で30サイクル、その後72℃で
7分間反応させた。
【0089】 2nd−PCR:3μlのスピンカラ
ム精製した1st−PCR産物、5μlの10×PCR
buffer、8μlのdNTP mix、1μlのT
KRP−5’−3R(12.5pmol/μl)、1μ
lのPCR anchor primer(12.5p
mol/μl)、0.5μlのTaKaRa Ex T
aq(登録商標)(宝酒造社製)および水を混合して全
量50μlにし、1st−PCRと同じサイクルで行っ
た。
【0090】以上の方法で得られた2nd−PCR産物
を、1.5%アガロースゲルで電気泳動したところ、約
400bpのバンドが確認できた。この2nd−PCR
産物を、上記の方法(3)、(4)、(5)および
(6)に記載した方法にしたがってシークエンスを行っ
た。
【0091】そのシークエンス解析の結果、5’側が不
完全であったため、以下のプライマーを常法により合成
して、再度5’−RACEを行った。
【0092】 TKRP-5'-4R: 5'-TTCAGCAGATTCTGAGTCGG-3' TKRP-5'-5R: 5'-TCTACTTTCGATAGTGTTGGC-3' TKRP-5'-6R: 5'-GACGTTATTACTGTCCAACTC-3'
【0093】すなわち、2μgのtotal RNA、
4μlのcDNA synthesis buffe
r、2μlのdNTP mix、1μlのTKRP−
5’−4R(12.5pmol/μl)、1μlのAM
V reverse transcriptase(2
0units/μl)、DEPC−処理水を混合して全
量20μlにし、55℃で60分間インキュベートの
後、65℃で10分間処理して1st−strand
cDNAを合成した。
【0094】次いで、1st−strand cDNA
をスピンカラムで精製した後、2.5μlのreact
ion buffer、2.5μlの2mM dATP
を加えて94℃で3分間処理し、そこに1μlのter
minal transferase(10units
/μl)を加え37℃で20分間インキュベート後、7
0℃で10分間処理してdA−tailed cDNA
を合成した。
【0095】次いで、1st−PCRおよび2nd−P
CRを、以下の条件で行った。 1st−PCR:5μlのdA−tailed c
DNA、5μlの10×PCR buffer、8μl
のdNTP mix、1μlのTKRP−5’−5R
(12.5pmol/μl)、1μlのoligo d
T−anchor primer(12.5pmol/
μl)、0.5μlのTaKaRa Ex Taq(登
録商標)(宝酒造社製)および水を混合して全量50μ
lにし、94℃5分間の後、94℃30秒間、55℃3
0秒間、72℃2分間で30サイクル、その後72℃で
7分間反応させた。
【0096】 2nd−PCR:3μlのスピンカラ
ム精製した1st−PCR産物、5μlの10×PCR
buffer、8μlのdNTP mix、1μlのT
KRP−5’−6R(12.5pmol/μl)、1μ
lのPCR anchor primer(12.5p
mol/μl)、0.5μlのTaKaRa Ex T
aq(登録商標)(宝酒造社製)および水を混合して全
量50μlにし、1st−PCRと同じサイクルで行っ
た。
【0097】以上の方法で得られた2nd−PCR産物
を、1.5%アガロースゲルで電気泳動したところ、約
500bpのバンドが確認できた。この2nd−PCR
産物を上記の方法(3)、(4)、(5)および(6)
に記載した方法にしたがってシークエンスした。
【0098】その結果、タキキニン関連ペプチドの前駆
体ポリペプチドをコードするcDNAのサイズ(約1.
7kb)と、その推定アミノ酸の数(266アミノ酸残
基)と配列を明らかにすることができた。そのアミノ酸
配列を配列番号8に、また、cDNAの配列を配列番号
9に示した。
【0099】以上のようにして決定した配列番号8で示
されるタキキニン関連ペプチドの前駆体ポリペプチドに
ついて、本発明が提供するタキキニン関連ペプチドに相
当するアミノ酸配列を有する部分の切り出しを行うべく
検討した。その結果、実施例1〜5で単離された化合物
(1)〜(3)に加えて、タキキニン関連ペプチドと推
定される化合物(4)〜(7)が含まれていることが判
明した。それらを、図10にアンダーラインに該当する
部分で示した。
【0100】前駆体ポリペプチドからこの配列式に基づ
いて切り出し、C末端の修飾を行った化合物(4)〜
(7)について、実施例7に記載のマダコの心臓の心拍
動活性の測定、および実施例8に記載のマデレゴキブリ
後腸の収縮活性の測定を行ったところ、化合物(1)〜
(3)と同様の活性が認められた。なお、化合物(7)
は化合物(1)〜(3)に比べ活性の強さは1/1,0
00程度であり、これはC末端がLysになっているた
めと思われた。
【0101】 実施例10:製剤例 錠剤 組成:化合物(1)、(2)または(3) 10g 乳糖 125g 微結晶セルロース 25g トウモロコシデンプン 25g 5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース 100ml ステアリン酸マグネシウム 5g 上記成分を常法により練合、造粒、乾燥後打錠して、1
錠中有効成分として化合物(1)、化合物(2)または
化合物(3)を10mg含有する重量190mgの錠剤
を得た。
【0102】
【発明の効果】本発明のペプチド類は、マダコ心臓の心
拍動を増強させ、マデレゴキブリの後腸を収縮させる作
用を有する神経ペプチドであり、神経伝達系を解明する
ための生化学試薬として有用である。
【0103】さらに、本発明のペプチド類は軟体動物で
あるマダコから得られたタキキニン関連の神経ペプチド
であり、医薬および農薬等への新たなアプローチを与え
るものである。
【0104】また、本発明によって得られるタキキニン
関連ペプチドの前駆体ポリペプチドおよびそれをコード
する遺伝子は、本発明のタキキニン関連ペプチドを製造
する際の重要なツールとなる。
【0105】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> SUNTORY LIMITED <120> TACHYKININ RELATED PEPTIDE <130> SN186 <141> 2000-05-11 <150> JP11-260982 <151> 1999-09-14 <160> 9 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 11 <212> PRT <213> OCTOPUS VULGARIS <400> 1 Thr Val Ser Ala Asn Ala Phe Leu Gly Ser Arg 1 5 10 <210> 2 <211> 10 <212> PRT <213> OCTOPUS VULGARIS <400> 2 Leu Asn Ala Asn Ser Phe Met Gly Ser Arg 1 5 10 <210> 3 <211> 11 <212> PRT <213> OCTOPUS VULGARIS <400> 3 Ala Ser Leu His Asn Thr Phe Ile Pro Ser Arg 1 5 10 <210> 4 <211> 10 <212> PRT <213> OCTOPUS VULGARIS <400> 4 Val Asn Pro Tyr Ser Phe Gln Gly Thr Arg 1 5 10 <210> 5 <211> 10 <212> PRT <213> OCTOPUS VULGARIS <400> 5 Ser Asp Ala Leu Ala Phe Val Pro Thr Arg 1 5 10 <210> 6 <211> 10 <212> PRT <213> OCTOPUS VULGARIS <400> 6 Tyr Ser Pro Leu Asp Phe Ile Gly Ser Arg 1 5 10 <210> 7 <211> 11 <212> PRT <213> OCTOPUS VULGARIS <400> 7 Arg Met Asn Ser Leu Ser Phe Gly Pro Pro Lys 1 5 10 <210> 8 <211> 265 <212> PRT <213> OCTOPUS VULGARIS <400> 8 Met Tyr Ala Ile Arg Val Ser Ser Ser Arg Arg Ile Ser Cys Phe Leu 1 5 10 15 Gln Val Ser Leu Leu Phe Ser Gly Leu Leu Asn Thr Leu Gln Trp Gly 20 25 30 Ala Phe Ala Ser Tyr Leu Pro Lys Gln Leu Glu Pro Gln Gln Lys Asn 35 40 45 Tyr Glu Leu Asp Ser Asn Asn Val Asn Ser Ser Arg Tyr Pro Gly His 50 55 60 Glu Glu Ile Met Glu Phe Leu Arg Lys Leu Gly Phe Leu Ala Asn Thr 65 70 75 80 Ile Glu Ser Arg Ala Ser Ile Asp Asp Thr Asp Ser Glu Ser Ala Glu 85 90 95 Arg Met Lys Lys Val Asn Pro Tyr Ser Phe Gln Gly Thr Arg Gly Lys 100 105 110 Arg Leu Asn Ala Asn Ser Phe Met Gly Ser Arg Gly Lys Arg Val Leu 115 120 125 Val Asn Asp Lys Arg Thr Val Ser Ala Asn Ala Phe Leu Gly Ser Arg 130 135 140 Gly Lys Arg Leu Val Thr Leu Leu Gly Glu Lys Pro Gln Leu Asn Asp 145 150 155 160 Leu Thr Gly Val Ile Asp Lys Lys Ser Asp Ala Leu Ala Phe Val Pro 165 170 175 Thr Arg Gly Arg Ser Gln Ser Thr Asn Asp Glu Leu Ala Tyr Thr Gly 180 185 190 Pro Met Leu Leu Arg Glu Gly Arg Arg Met Asn Ser Leu Ser Phe Gly 195 200 205 Pro Pro Lys Gly Lys Lys Tyr Ser Pro Leu Asp Phe Ile Gly Ser Arg 210 215 220 Gly Lys Lys Ser Thr Phe Glu Asp Tyr Val Leu Asn Thr Gln Asn Asp 225 230 235 240 Ser Pro Lys Glu Asn Tyr Glu Arg Arg Ala Ser Leu His Asn Thr Phe 245 250 255 Ile Pro Ser Arg Gly Lys Arg Ser Thr 260 265 <210> 9 <211> 1660 <212> DNA <213> OCTOPUS VULGARIS <220> <221> CDS <222> (384)..(1178) <400> 9 caactctaat ttctgcagac gatctttttt tccgaacata caagcagtta catttattga 60 aaaaaaaaag atatatatat atagagagag aacaaagaaa aacttaaaca cttttttaaa 120 gaactgcata ttttcatatt tatttaataa ctttcttcac tttcatccct gtctccactt 180 agctctgctt ttcctttgtt ttattctaca tcatctacct atctagctat ctctctacct 240 actcaatgta tctttctgtt tatctgtctg tctgtctgtc tattcaatca acacacacat 300 atatttacgc gcacacacac cccagttttc tttctttcta gcattccttc tttctttctt 360 ttcgtctttc ttcttcttcc ctc atg tat gca att aga gta tca agc tca agg 413 Met Tyr Ala Ile Arg Val Ser Ser Ser Arg 1 5 10 cga ata agc tgt ttt tta caa gta tcc ttg cta ttt tcc gga ctt ttg 461 Arg Ile Ser Cys Phe Leu Gln Val Ser Leu Leu Phe Ser Gly Leu Leu 15 20 25 aac act ttg caa tgg ggt gcg ttt gcc agt tat cta ccc aag caa ttg 509 Asn Thr Leu Gln Trp Gly Ala Phe Ala Ser Tyr Leu Pro Lys Gln Leu 30 35 40 gaa cca cag cag aag aac tat gag ttg gac agt aat aac gtc aac agt 557 Glu Pro Gln Gln Lys Asn Tyr Glu Leu Asp Ser Asn Asn Val Asn Ser 45 50 55 agt agg tac cca ggc cat gaa gaa att atg gaa ttt tta cgc aaa ctg 605 Ser Arg Tyr Pro Gly His Glu Glu Ile Met Glu Phe Leu Arg Lys Leu 60 65 70 ggt ttc ctg gcc aac act atc gaa agt aga gct tca att gac gac acc 653 Gly Phe Leu Ala Asn Thr Ile Glu Ser Arg Ala Ser Ile Asp Asp Thr 75 80 85 90 gac tca gaa tct gct gaa aga atg aaa aaa gtt aac ccc tac agt ttc 701 Asp Ser Glu Ser Ala Glu Arg Met Lys Lys Val Asn Pro Tyr Ser Phe 95 100 105 caa ggt acc aga ggc aaa aga tta aac gca aac agt ttc atg ggt tcc 749 Gln Gly Thr Arg Gly Lys Arg Leu Asn Ala Asn Ser Phe Met Gly Ser 110 115 120 cga ggt aaa aga gtc ctc gtt aat gac aaa cgg act gtc agt gct aac 797 Arg Gly Lys Arg Val Leu Val Asn Asp Lys Arg Thr Val Ser Ala Asn 125 130 135 gct ttc ctc gga tcg agg ggt aaa cgt ctg gtt acc tta ctc ggt gaa 845 Ala Phe Leu Gly Ser Arg Gly Lys Arg Leu Val Thr Leu Leu Gly Glu 140 145 150 aag ccc caa cta aac gat ctt acg gga gtc att gac aaa aaa tca gat 893 Lys Pro Gln Leu Asn Asp Leu Thr Gly Val Ile Asp Lys Lys Ser Asp 155 160 165 170 gct tta gca ttc gtc cca aca aga ggc aga tca caa tca acc aat gac 941 Ala Leu Ala Phe Val Pro Thr Arg Gly Arg Ser Gln Ser Thr Asn Asp 175 180 185 gaa ctt gct tac acg ggt ccg atg tta ttg aga gaa ggc cga aga atg 989 Glu Leu Ala Tyr Thr Gly Pro Met Leu Leu Arg Glu Gly Arg Arg Met 190 195 200 aat tcc tta tcg ttt ggt ccc cca aaa ggc aaa aaa tac agt cca ctt 1037 Asn Ser Leu Ser Phe Gly Pro Pro Lys Gly Lys Lys Tyr Ser Pro Leu 205 210 215 gac ttc att gga tcg cgt ggc aag aaa agt act ttt gaa gat tat gtg 1085 Asp Phe Ile Gly Ser Arg Gly Lys Lys Ser Thr Phe Glu Asp Tyr Val 220 225 230 tta aat acc caa aac gat tca cca aag gag aac tac gaa agg cgg gcg 1133 Leu Asn Thr Gln Asn Asp Ser Pro Lys Glu Asn Tyr Glu Arg Arg Ala 235 240 245 250 tct tta cac aac aca ttc ata cct tcg cga ggt aag cga tcc aca 1178 Ser Leu His Asn Thr Phe Ile Pro Ser Arg Gly Lys Arg Ser Thr 255 260 265 taaagagacc cgagcaacca atcaaaatac ttgagcttga gtgacaataa acgacactga 1238 accattacat tcctcccaac taccactacc actaccactc acatcactat taccaccact 1298 gattaaccaa ttaaccaaac aaactaatca accgtgattg ctgccatctt gcaaattgtc 1358 cagtggttac gaccagatac aatgagattc gaagagattc gacaacatat agtctgcttt 1418 aaaaacgctt cgcgtattaa ctgtttgacg taataatctc atgttacaca aaaacttgtg 1478 cgtgtaattt acagaatgtt tttgtcgttt ttttttaatt ataattttcc agtgttttcc 1538 ataatggatc ctgcgattac tttaggttgt atgacaataa ataaaaaaaa ctgttttctt 1598 ttggaataaa tcattcgtta aggaatcatg aactaaaaaa aaaaaaaaaa aaaaaaaaaa 1658 aa 1660
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2における、本発明のペプチドである化
合物(1)の最終溶出パターンを示す逆相HPLCの展
開図である。
【図2】実施例3における、本発明のペプチドである化
合物(2)の最終溶出パターンを示す逆相HPLCの展
開図である。
【図3】実施例4における、本発明のペプチドである化
合物(3)の最終溶出パターンを示す逆相HPLCの展
開図である。
【図4】実施例7における、本発明のペプチドである化
合物(1)について、マダコの心臓の拍動を増強させる
結果を示す図であり、マダコ1匹分に相当する量の化合
物(1)をチャンバーに加えた時の結果を示す。
【図5】実施例7における、本発明のペプチドである化
合物(2)について、マダコの心臓の拍動を増強させる
結果を示す図であり、マダコ1匹分に相当する量の化合
物(2)をチャンバーに加えた時の結果を示す。
【図6】実施例7における、本発明のペプチドである化
合物(3)について、マダコの心臓の拍動を増強させる
結果を示す図であり、マダコ1匹分に相当する量の化合
物(3)をチャンバーに加えた時の結果を示す。
【図7】実施例8における、本発明の化合物(1)につ
いて、マデレゴキブリ後腸の収縮活性を示す図であり、
1×10-6Mの化合物(1)をチャンバーに加えた時の
結果を示す。
【図8】実施例8における、本発明の化合物(2)につ
いて、マデレゴキブリ後腸の収縮活性を示す図であり、
1×10-6Mの化合物(2)をチャンバーに加えた時の
結果を示す。
【図9】実施例8における、本発明の化合物(3)につ
いて、マデレゴキブリ後腸の収縮活性を示す図であり、
1×10-6Mの化合物(3)をチャンバーに加えた時の
結果を示す。
【図10】本発明のタキキニン関連ペプチドの前駆体ポ
リペプチドについてのアミノ酸配列式において、タキキ
ニン関連ペプチドに該当するアミノ酸配列の部分を説明
するための、アミノ酸を1文字表記により示した図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/435 ZNA C12N 1/15 4H045 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 (C12P 21/02 C 15/09 ZNA C12R 1:19) C12P 21/02 A61K 37/02 //(C12P 21/02 C12N 5/00 A C12R 1:19) 15/00 ZNAA (72)発明者 宅和 京子 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1号 財団法人サントリー生物有機科学研究所 内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA07 AA11 BA80 CA04 CA11 DA06 EA04 GA11 GA19 4B064 AG01 BA10 BH09 CA02 CA19 CC24 DA12 DA13 4B065 AA26X AA90Y AB01 BA02 CA24 CA46 CA48 4C084 AA01 AA03 BA17 BA18 BA23 CA51 ZA011 ZA012 4H011 AC01 AC02 AF01 BB06 BC18 BC19 DA03 DC11 DH10 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 BA15 BA16 CA52 EA06 EA21 EA50 FA34 FA74 GA01 GA15 GA23 GA25 HA03

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次のアミノ酸配列式(I): R1−Phe−Xaa−Yaa−Zaa−Arg−NH2 (I) (式中、R1はアミノ酸残基数5または6のペプチドを
    表わし、XaaはLeu、Ile、Met、Valまた
    はGlnを表わし、YaaはGlyまたはProを表わ
    し、ZaaはSerまたはThrを表わす)で表わされ
    るタキキニン関連ペプチド。
  2. 【請求項2】 次のアミノ酸配列式(II): R2−Aaa−Baa−Phe−Xaa−Yaa−Zaa−Arg−NH2 ( II) (式中、R2はアミノ酸残基数3または4のペプチドを
    表わし、AaaはAsn、TyrまたはLeuを表わ
    し、BaaはAla、Ser、ThrまたはAspを表
    わし、XaaはLeu、Ile、Met、Valまたは
    Glnを表わし、YaaはGlyまたはProを表わ
    し、ZaaはSerまたはThrを表わす)で表わされ
    る、請求項1に記載のタキキニン関連ペプチド。
  3. 【請求項3】 マダコ(Octopus vulgar
    is)の脳から得られる請求項1または2に記載のペプ
    チド。
  4. 【請求項4】 次のアミノ酸配列式(1)〜(6): H−Thr−Val−Ser−Ala−Asn−Ala−Phe−Leu−Gl y−Ser−Arg−NH2 (1) H−Leu−Asn−Ala−Asn−Ser−Phe−Met−Gly−Se r−Arg−NH2 (2) H−Ala−Ser−Leu−His−Asn−Thr−Phe−Ile−Pr o−Ser−Arg−NH2 (3) H−Val−Asn−Pro−Tyr−Ser−Phe−Gln−Gly−Th r−Arg−NH2 (4) H−Ser−Asp−Ala−Leu−Ala−Phe−Val−Pro−Th r−Arg−NH2 (5) H−Tyr−Ser−Pro−Leu−Asp−Phe−Ile−Gly−Se r−Arg−NH2 (6) で表わされる請求項1ないし3のいずれかに記載のペプ
    チド。
  5. 【請求項5】 次のアミノ酸配列式(I): R1−Phe−Xaa−Yaa−Zaa−Arg−NH2 (I) (式中、R1はアミノ酸残基数5または6のペプチドを
    表わし、XaaはLeu、Ile、Met、Valまた
    はGlnを表わし、YaaはGlyまたはProを表わ
    し、ZaaはSerまたはThrを表わす)で表わされ
    るタキキニン関連ペプチドを有効成分とする医薬または
    農薬。
  6. 【請求項6】 次のアミノ酸配列式(II): R2−Aaa−Baa−Phe−Xaa−Yaa−Zaa−Arg−NH2 ( II) (式中、R2はアミノ酸残基数3または4のペプチドを
    表わし、AaaはAsn、TyrまたはLeuを表わ
    し、BaaはAla、Ser、ThrまたはAspを表
    わし、XaaはLeu、Ile、Met、Valまたは
    Glnを表わし、YaaはGlyまたはProを表わ
    し、ZaaはSerまたはThrを表わす)で表わされ
    るタキキニン関連ペプチドを有効成分とする医薬または
    農薬。
  7. 【請求項7】 配列番号8に示すアミノ酸配列、あるい
    はそのアミノ酸配列に対して1個または複数個のアミノ
    酸の付加、欠失、および/または他のアミノ酸による置
    換により修飾されたアミノ酸配列を有するタキキニン関
    連ペプチドの前駆体ポリペプチド。
  8. 【請求項8】 配列番号8に記載のポリペプチドと同一
    のアミノ酸配列、あるいはそのアミノ酸配列に対して1
    個または複数個のアミノ酸の付加、欠失、および/また
    は他のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配
    列を有し、遺伝子組換え技術によって造成された形質転
    換細胞の培養物から得られるタキキニン関連ペプチドの
    前駆体ポリペプチド。
  9. 【請求項9】 配列番号1〜3に示すアミノ酸配列のう
    ち、少なくとも1つをコードするポリヌクレオチドとハ
    イブリダイズするポリヌクレオチドを用いて、遺伝子組
    換え技術によって造成された形質転換細胞の培養物から
    得られる、請求項1ないし4のいずれかに記載のタキキ
    ニン関連ペプチドの前駆体ポリペプチド。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載のタキキニン関連ペプ
    チドの前駆体ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする
    遺伝子。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の遺伝子を含んでな
    るベクター。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のベクターにより形
    質転換された宿主。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の宿主を培養し、ま
    たは生育させ、そして該宿主からタキキニン関連ペプチ
    ドの前駆体ポリペプチドを採取し、当該前駆体ポリペプ
    チドからタキキニン関連ペプチドの前駆体を切り出し、
    続いてC末端をアミド化することを特徴とするタキキニ
    ン関連ペプチドの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13の方法で得られるタキキニ
    ン関連ペプチド。
  15. 【請求項15】 次のアミノ酸配列式(1)〜(7): H−Thr−Val−Ser−Ala−Asn−Ala−Phe−Leu−Gl y−Ser−Arg−NH2 (1) H−Leu−Asn−Ala−Asn−Ser−Phe−Met−Gly−Se r−Arg−NH2 (2) H−Ala−Ser−Leu−His−Asn−Thr−Phe−Ile−Pr o−Ser−Arg−NH2 (3) H−Val−Asn−Pro−Tyr−Ser−Phe−Gln−Gly−Th r−Arg−NH2 (4) H−Ser−Asp−Ala−Leu−Ala−Phe−Val−Pro−Th r−Arg−NH2 (5) H−Tyr−Ser−Pro−Leu−Asp−Phe−Ile−Gly−Se r−Arg−NH2 (6) H−Arg−Met−Asn−Ser−Leu−Ser−Phe−Gly−Pr o−Pro−Lys−NH2 (7) で表わされる請求項14に記載のタキキニン関連ペプチ
    ド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013023482A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Hiroshima Univ 整腸作用組成物
CN113891724A (zh) * 2019-03-11 2022-01-04 阿奎诺沃有限公司 提高鱼饲料转化率和存活率的方法

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