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JP2001146408A - 水素貯蔵材料およびその製造方法 - Google Patents

水素貯蔵材料およびその製造方法

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JP2001146408A
JP2001146408A JP32386099A JP32386099A JP2001146408A JP 2001146408 A JP2001146408 A JP 2001146408A JP 32386099 A JP32386099 A JP 32386099A JP 32386099 A JP32386099 A JP 32386099A JP 2001146408 A JP2001146408 A JP 2001146408A
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JP
Japan
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hydrogen
carbon
graphite
catalyst
hydrogen storage
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Pending
Application number
JP32386099A
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English (en)
Inventor
Seiichi Suenaga
誠一 末永
Morohiro Tomimatsu
師浩 富松
Miho Maruyama
美保 丸山
Yasuhiro Itsudo
康広 五戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP32386099A priority Critical patent/JP2001146408A/ja
Publication of JP2001146408A publication Critical patent/JP2001146408A/ja
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage

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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 室温でも安定に水素を貯蔵する炭素系材料の
提供。 【解決手段】 円環状のグラファイト面31を積層した
グラファイトチューブの内壁に粒径10nm以下の8族
金属微粒子からなる触媒2を担持させた水素貯蔵材料
は、供給される水素ガスを触媒2により原子に分離した
状態で水素をカーボンナノチューブの内壁面に化学的に
吸着させることが可能なりその結合力が大きくなり、室
温においても安定して吸着させることが可能となる。ま
た貯蔵する水素を原子に変化させているため、前記グラ
ファイト面31の面間にアルカリ金属の中でも粒径の小
さなリチウム3をドーピングしてもグラファイト面31
の面間に水素を導入できるため、水素貯蔵能の高い水素
貯蔵材料を提供することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素貯蔵材料に係
り、特にカーボンナノファイバーを使用した水素貯蔵材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】水素貯蔵材料はエネルギー貯蔵材料とし
て重要な材料で、特に、電気自動車等のエネルギー貯蔵
方法を考える場合、欠かすことのできないものである。
【0003】代表的な水素貯蔵材料としてはLaNi合
金等のいわゆる水素吸蔵合金が挙げられ、二次電池とし
て広い分野で使われている。
【0004】しかし、これらの金属系水素貯蔵材料で
は、吸蔵水素量に対する重量が大きすぎ、特に電気自動
車等の移動を伴う装置に搭載する用途としては適さない
と言う問題があった。
【0005】近年、フラーレン、カーボンナノファイバ
ー等の新しい炭素系材料が見出された。これらの材料
は、軽量で、同時に、水素を吸蔵することから、次世代
のエネルギー貯蔵方法として注目を集めている。
【0006】これらの材料の実用上の問題点は、室温付
近での水素の貯蔵量が少ないということである。
【0007】カーボンナノファイバーの中でもカーボン
ナノチューブは、5〜10wt%程度の水素を貯蔵する
ことが報告されいてるが、この貯蔵能は液体窒素温度付
近の低温でのみ達成が可能で、室温付近では殆どの水素
は放出されてしまい水素貯蔵材料として機能しないのが
現状である。
【0008】すなわち、従来のカーボンナノファイバー
を用いた水素貯蔵材料は室温で用いることができず、使
用用途が限られてしまい、汎用性の面で問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、カー
ボンナノチューブなどのカーボンナノファイバーは、室
温での水素貯蔵能が低いために、汎用性の面で問題があ
った。
【0010】本発明は、このような問題に鑑みて為され
たもので有り、室温での水素貯蔵能の高いカーボンナノ
ファイバーを用いた水素貯蔵材料およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、チューブ
状のグラファイトからなるカーボンナノチューブと、こ
のカーボンナノチューブの内壁面に担持された、水素分
子を水素原子に分離させる触媒とを具備することを特徴
とする水素貯蔵材料である。
【0012】すなわち、カーボンナノチューブの内壁面
に、水素原子を貯蔵させることを主旨としたものであ
る。
【0013】カーボンナノチューブにおいては、そのチ
ューブ内に貯蔵される水素の比率が高いものと考えられ
ると共に、外壁面に付着した水素に比べ、安定性が高
く、より高温においても水素の貯蔵能が高いものと考え
られる。第1の発明においては、このチューブ内に貯蔵
される水素を触媒によって水素分子から水素原子に変化
させた状態(イオン化された状態)でグラファイトに付
着させることで、高温での水素貯蔵能を向上させるもの
である。
【0014】なお、水素を原子状にすることで、水素は
グラファイトに化学的に結合するため、より安定的にカ
ーボン表面に貯蔵されるものと考えられる。
【0015】第2の発明は、c軸方向を長手方向とした
グラファイトからなるカーボンナノファイバーと、前記
カーボンナノファイバーのグラファイト面間に挿入され
たアルカリ金属と、前記カーボンナノファイバーの内壁
面あるいは外壁面に担持され、水素分子を水素原子に分
離させる触媒とを具備することを特徴とする水素貯蔵材
料である。
【0016】カーボンナノファイバーは、構成する複数
のグラファイト面の面間に水素を貯蔵することが可能で
あり、この面間に貯蔵された水素はカーボンナノファイ
バーの外表面に付着した水素に比べ安定であり、より高
温においてもカーボンナノファイバーに貯蔵されやす
い。第2の発明は、グラファイト面の面間に多量の水素
を導入することを主旨としたものであり、グラファイト
面間をアルカリ金属によって広げ収納体積を広げた状態
で、触媒によって水素分子から変化した貯蔵能の高い水
素原子をグラファイト面間に挿入せしめて貯蔵しようと
いうものである。
【0017】前記アルカリ金属は、リチウムを使用する
ことが望ましい。グラファイト面間に分子径の大きな元
素を挿入することは困難であるが、リチウムはアルカリ
金属のうちでも分子径の小さな金属であるため、比較的
容易に作製することが可能である。
【0018】また、水素分子を水素原子に分離させる触
媒としては、8族金属を使用できる。
【0019】第3の発明は、チューブ状のグラファイト
からなるカーボンナノチューブの内壁面に、水素分子を
水素原子に分離させる触媒元素を含有する酸溶液または
アルカリ溶液を注入する工程と、前記酸溶液またはアル
カリ溶液に反応液を滴下し、水素分子を水素原子に分離
させる触媒元素を前記内壁面に沈殿・付着させる工程と
を有することを特徴とする水素貯蔵材料の製造方法であ
る。
【0020】すなわち、カーボンナノチューブの内壁面
に触媒を担持させる手法であり、触媒として機能する元
素を含んだ酸溶液(あるいはアルカリ溶液)をチューブ
内に注入した後に、アルカリ溶液(あるいは酸溶液)と
反応させ、例えば共沈反応させることで、触媒として機
能する元素を沈殿させてチューブ内に触媒を担持させる
ことができる。このようにすることで、カーボンナノチ
ューブの常温での水素貯蔵能を向上させることができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係るカーボンナノファイ
バーについて図面を用いて説明する。
【0022】第1の発明に係るカーボンナノチューブ
を、以下の図2〜図5に例示し、第2の発明に係るカー
ボンナノファイバーを、以下の図1〜図4に例示する。
【0023】図1はカーボンナノファイバーの一例を模
式的に示す斜視図、図2はカーボンナノファイバーの別
の一例を示す平面図である。
【0024】図1に示すカーボンナノファイバーは、直
径数nm〜数十nm程度のグラファイト面11が積層さ
れた状態、すなわちc軸方向にグラファイトを成長さ
せ、c軸方向を長手方向として繊維状に形成したもので
ある。また、図2に示すように、各グラファイト面21
が、「く」の字型に曲げられたものであっても構わな
い。すなわち、c軸方向をカーボンナノファイバーの長
手方向に対して45°程度以下の、ある程度の傾きを持
って成長させたものでも構わない。
【0025】図3はチューブ状のカーボンナノファイバ
ー(以下、カーボンナノチューブと呼ぶ)の一例を模式
的に示す斜視図である。
【0026】図3に示すカーボンナノチューブは、各グ
ラファイト面31が円環状であり、図1に示すカーボン
ナノファイバーと同様にc軸方向にグラファイトを成長
させたものである。
【0027】図4は、カーボンナノチューブの別の一例
を示す斜視図である。このカーボンナノファイバーは、
グラファイト面41が載頭円形の環状体であり、このグ
ラファイト面を積層してチューブ形状にしたものであ
り、本発明ではこのようなカーボンナノファイバーを用
いることもできる。すなわち、図2カーボンナノファイ
バーと同様C軸方向をカーボンナノファイバーの長手方
向に対して45°程度以下の、ある程度の傾きを持って
成長させたものでも構わない。
【0028】図5は、チューブの長手方向に対して垂直
なC軸を持つグラファイト面からなるカーボンナノチュ
ーブの斜視図である。図5においては、カーボンナノチ
ューブはグラファイト膜51からなる内筒51-1及び外筒
51-2から形成されており、内筒51-1及び外筒51-2はそれ
ぞれC軸がチューブの長手方向に対して垂直になってい
る。また、図5においては内筒51-1、外筒51-2からなる
2層構造のカーボンナノチューブを示したが、3層以上
の円筒を同軸状に重ねた構造のカーボンナノチューブを
使用することもできる。
【0029】前述したようなカーボンナノファイバー
は、炭化水素を分解する金属触媒、例えばニッケル、コ
バルト、鉄、Fe−Cu合金、Ni−Cu合金、Co−
Cu合金などの金属触媒に炭化水素ガスを高温下で接触
させることで、金属触媒表面に形成される。
【0030】また、金属触媒の種類、形状や、金属触媒
と炭化水素ガスとを接触させる時の温度などによって、
カーボンナノファイバーのc軸の向きを調整したり、形
状をチューブ状にしたりすることができる。
【0031】本発明の水素貯蔵材料の縦断面図を図6乃
至図10に示すが、本発明は、図示するように図1乃至
図5に示すカーボンナノファイバーの内外壁に触媒2を
付与すること、あるいはカーボンナノファイバーを構成
するグラファイト面11、21、31、41あるいは5
1間に、アルカリ金属粒子3を挿入することを特徴とし
ている。
【0032】触媒2は、水素分子を水素原子に変化させ
る触媒であり、例えばNi、Pd、Pt、Co、Rh、
Ir、Fe、Ru、Os、Cu、AgあるいはAuなど
の8族金属を使用できる。
【0033】これらの触媒は、カーボンナノチューブ表
面に微粒子として付着される。この微粒子の平均粒径は
10nm以下であることが望ましい。微粒子の粒径が大
きすぎると触媒作用が低下する恐れがあるためである。
さらに単位面積当たりの微粒子の付着量は1015〜10
17個/m2の範囲内であることが好ましい。微粒子の付
着量および平均粒径は、例えばTEMを用いた画像解析
を行い単位面積当たりの粒子の個数をカウントし、次い
で平均粒径、粒度分布などを求めることで測定すること
が可能である。
【0034】水素分子をカーボンナノファイバーに貯蔵
する際には物理吸着によって貯蔵されているため、その
結合力は弱く、室温付近での安定した吸着を達成できな
いが、前記触媒によって水素分子を水素原子に変化させ
(水素イオンに変化させ)、化学的にカーボンナノファ
イバーに吸着させることで、室温付近での安定した結合
力を高めることが可能となる。
【0035】また、カーボンナノチューブにおいては、
チューブ内に大量の水素が貯蔵されるものと考えられる
ため、特にその内壁面に前記触媒を付着させることが好
ましい。
【0036】微細なカーボンナノチューブのチューブ内
に、触媒を付着させるための手法を以下に説明する。
【0037】例えば塩化白金酸などのイオン化された触
媒元素を含む酸液中にカーボンナノチューブを浸漬する
などして、この酸液をチューブ内に挿入し、この酸液中
に炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ液を滴下すること
で、下記化学式(1)〜(3)で示すような反応を生じ
させる。
【化1】 すなわち、カーボンナノチューブ内において、二酸化炭
素はガスとして分離され、塩化ナトリウム水溶液中に白
金が沈殿し、カーボンナノチューブ内に付着する。
【0038】この反応が済んだ後に、カーボンナノチュ
ーブを水洗し、乾燥させることで白金微粒子を内壁面に
担持するカーボンナノチューブを作製することができ
る。
【0039】前記酸液は、塩化白金酸に限られず、硫化
白金酸、フッ化白金酸、硝化白金酸など、酸性物質であ
れば使用できるし、白金に変えて、8族金属元素などの
水素分子を水素原子に変化させる金属元素を使用するこ
ともできる。
【0040】また、滴下するアルカリ液は、炭酸水素ナ
トリウムに限られず、前記酸液を中和することのできる
ものであれば特に限定されず、炭酸ナトリウムあるいは
水酸化ナトリウムなどを使用することができる。
【0041】また、前記酸液は、塩化白金酸は、その濃
度が高すぎると、沈殿する微粒子のサイズが大きくなり
すぎ、薄すぎると、カーボンナノチューブに付着する触
媒粒子の量が少なくなり、十分に触媒としての機能を発
揮できなくなる恐れがある。
【0042】触媒元素を含む酸液をアルカリ液で中和
し、触媒元素を沈殿させる方法を上述したが、触媒元素
を含むアルカリ液を酸液で中和し、触媒元素を沈殿さ
せ、カーボンナノチューブ内に触媒粒子を担持させるこ
ともできる。一方、カーボンナノファイバーを構成する
グラファイト面間にアルカリ金属を挿入することで、面
間隔を大きくし、水素の貯蔵量を大きくすることができ
る。
【0043】アルカリ金属としては、リチウム、カリウ
ム、ナトリウムなど特に規定されるものではないが、グ
ラファイト面間の狭い領域へ挿入することを考慮する
と、径の小さなリチウムを選択することは、その製造が
簡便に行うことができる点で好ましい。
【0044】すなわち、従来の水素分子を貯蔵する際に
は、水素分子のサイズが大きいため、ナトリウムなどの
径の大きなアルカリ金属を使用することが検討されてき
ていたが、本発明においては水素を原子化して貯蔵する
ため、水素分子をそのまま貯蔵する場合に比べてグラフ
ァイト面間が狭くても面間への水素原子の貯蔵が可能と
なる。
【0045】アルカリ金属をグラファイト面間に挿入す
る方法は、例えばリチウム等のアルカリ金属を加熱蒸発
させ、この加熱されたリチウム蒸気をカーボンナノファ
イバーに接触させることで、カーボンナノファイバー中
を拡散しグラファイト面の間にドーピングされる。
【0046】カーボンナノファイバーへの触媒粒子の担
持処理と、グラファイト面間へのアルカリ金属の挿入処
理との順序は特に規定しないが、互いのプロセスを妨げ
ないようにする必要がある。
【0047】ドーピング量は特に規定しないが、アルカ
リ金属と炭素の化合物を形成しないように制御すること
が好ましい。Liを例にとると、炭素に対して原子比で
1/6以下になるようにすることが好ましい。
【0048】このようにして得られるカーボンナノファ
イバーを所定の容器内に収め、この容器内に水素ガスを
導入することで室温程度の温度域で水素を貯蔵すること
が可能となる。
【0049】なお、本発明においては、水素がカーボン
ナノファイバーに化学的に吸着させることで水素を貯蔵
しているため、本発明の水素貯蔵材料は、より高温下に
おいて水素貯蔵能が高まる。
【0050】また、本発明の水素貯蔵材料に水素を貯蔵
させる際の水素の圧力は特に規定しないが、水素の貯蔵
温度が低温である場合には、高圧の水素雰囲気下で水素
を貯蔵させることが好ましい。
【0051】水素の吸蔵評価は、熱天秤と質量分析計を
用いて行うことが好ましい。すなわち、水素貯蔵前の状
態と、貯蔵後の状態とを熱天秤と質量分析計とで比較す
ることが好ましい。
【0052】
【実施例】実施例1 雰囲気炉を使い、SiO2上に担持された、平均粒径5
nmでFe:Cu=9:1の金属触媒上に、エチレン:
水素=1:4の混合ガスを流し、600℃で熱CVDを
行い、気相からカーボンナノファイバーを合成した。
【0053】次いで、雰囲気ガスをCO2に切り替え
て、気相合成したカーボンナノファイバーを更に700
℃で5分間の熱処理を行った。
【0054】合成・熱処理後カーボンナノファイバーを
炉から取出して電子顕微鏡で観察を行ったところ、平均
外径が30nm、内径が10nm、c面が長手方向に対
して約45°の傾きを持った、図4に示すようなカーボ
ンナノチューブが観察された。
【0055】さらにカーボンナノチューブの先端はCO
2中での熱処理により除去されて開放であった。
【0056】このカーボンナノチューブの比表面積をB
ET法により測定したところ120m2/gであった。
【0057】次いで、前記カーボンナノチューブに共沈
法を使って8族金属である白金を担持させた。
【0058】白金担持は、まずカーボンナノチューブを
純粋中で加熱しながら攪拌・解砕し、次いで塩化白金酸
の水溶液を加え、さらに攪拌して均質化した。
【0059】十分に均質化した後に、炭酸水素ナトリウ
ムの水溶液を少しずつ加えて、白金をカーボンナノチュ
ーブ上に沈降させた。
【0060】沈降後は、真空ろ過法によりカーボンナノ
チューブを回収した。
【0061】回収後のカーボンナノチューブは水素ガス
フロー中200℃で熱処理して、乾燥するとともに不純
物を飛散させた。
【0062】電子顕微鏡を使って上記白金の粒子を観察
したところ、平均粒径が3nm、面積あたり5×1016
個/m2の担持量であることが分かった。
【0063】さらに上記白金担持カーボンナノチューブ
にアルカリ金属であるリチウムをドーピングした。
【0064】ドーピングは、不活性雰囲気中でステンレ
ス容器内に金属リチウムとカーボンナノチューブを導入
した後、真空にポンプに接続してステンレス容器内を減
圧にした。
【0065】次に、ステンレス容器を真空に排気しなが
らの電気炉にセットして外側からヒーターを使って、3
00℃まで加熱してリチウムをカーボンナノチューブ内
に0.4wt%ドーピングした。
【0066】上記白金担持、リチウムドーピング処理を
行った、カーボンナノチューブを水素吸蔵評価装置(P
CT装置)を使って評価したところ、300Kで5.5
wt%の水素を吸蔵した。
【0067】実施例2〜11 実施例1と同様のプロセスにより、カーボンナノチュー
ブ上に担持させる8族金属、また、ドーピングするアル
カリ金属を変えた水素貯蔵材料を作製し、室温での水素
貯蔵能を特性を評価した。その結果を表1に示す。
【表1】 実施例12〜21 熱CVD時の加熱温度を調整して、図5に示すような長
手方向に対してc軸が直交するカーボンナノチューブを
作製した。このカーボンナノチューブに実施例1と同様
にして、8族金属の担持、あるいはアルカリ金属のドー
ピングを行って水素貯蔵材料を作製し、室温での水素貯
蔵能を評価した。その結果を表2に示す。
【表2】 実施例22〜29 熱CVD時の加熱温度を調整し、非チューブ状のカーボ
ンナノファイバーを用い、このカーボンナノチューブに
実施例1〜10と同様にして、8族金属の担持、あるい
はアルカリ金属のドーピングを行って水素貯蔵材料を作
製し、室温での水素貯蔵能を評価した。その結果を表3
に示す。
【表3】 表1〜3の結果から分るように、実施例1〜29におい
ては300K以上の環境下であっても水素を貯蔵できて
いる。
【0068】比較例 前記実施例1で用いたものと同じカーボンナノファイバ
ーを、8族金属を担持させることなく、またアルカリ金
属をドーピングさせることなく、熱天秤で同様の評価を
行った。300K以上においては、重量増加は見られ
ず、実質的に水素を貯蔵できていなかった。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、室温に
おいても水素を貯蔵できる水素貯蔵材料を提供すること
ができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 カーボンナノファイバーの一例を示す斜視
図。
【図2】 カーボンナノファイバーの別の例を示す平面
図。
【図3】 カーボンナノチューブの一例を示す斜視図。
【図4】 カーボンナノチューブの別の例を示す斜視
図。
【図5】 カーボンナノチューブのさらに別の例を示す
斜視図。
【図6】 図1のカーボンナノチューブを用いた水素貯
蔵材料の縦断面図。
【図7】 図2のカーボンナノチューブを用いた水素貯
蔵材料の縦断面図。
【図8】 図3のカーボンナノチューブを用いた水素貯
蔵材料の縦断面図。
【図9】 図4のカーボンナノチューブを用いた水素貯
蔵材料の縦断面図。
【図10】 図5のカーボンナノチューブを用いた水素
貯蔵材料の縦断面図。
【符号の説明】
2・・・触媒粒子 3・・・アルカリ金属 11、21、31、41、51・・・グラファイト面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 美保 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 五戸 康広 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4G040 AA42 AA44 4G046 CA00 CB02 CB08 CC05 CC06 4G066 AA02B AA04B BA05 BA16 BA26 BA36 CA38 DA01 FA12 FA17 FA21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チューブ状のグラファイトからなるカーボ
    ンナノチューブと、 このカーボンナノチューブの内壁面に担持された、水素
    分子を水素原子に分離させる触媒とを具備することを特
    徴とする水素貯蔵材料。
  2. 【請求項2】c軸方向を長手方向としたグラファイトか
    らなるカーボンナノファイバーと、 前記カーボンナノファイバーのグラファイト面間に挿入
    されたアルカリ金属と、 前記カーボンナノファイバーの内壁面あるいは外壁面に
    担持された、水素分子を水素原子に分離させる触媒とを
    具備することを特徴とする水素貯蔵材料。
  3. 【請求項3】チューブ状のグラファイトからなるカーボ
    ンナノチューブの内壁面に、水素分子を水素原子に分離
    させる触媒として機能する元素を含有する酸溶液または
    アルカリ溶液を注入する工程と、 前記酸溶液またはアルカリ溶液に反応液を滴下し、前記
    内壁面に8族金属元素を沈殿・付着させる工程とを有す
    ることを特徴とする水素貯蔵材料の製造方法。
JP32386099A 1999-11-15 1999-11-15 水素貯蔵材料およびその製造方法 Pending JP2001146408A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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