JP2001126911A - 低損失の酸化物磁性材料 - Google Patents
低損失の酸化物磁性材料Info
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-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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- H01F1/34—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
- H01F1/342—Oxides
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 小型で高効率な電源トランス用の磁性材料を
提供するために、Ni−Zn−Cu系フェライトの損失
を低減すること。 【解決手段】 本発明の低損失酸化物磁性材料は、Fe
2O3、NiO、ZnO、CuOを主成分とするNi−
Zn−Cu系フェライトであって、結晶粒度分布のD5
0、即ち累積度数50%での結晶粒径が13〜50μm
であり、かつD10、即ち累積度数10%での結晶粒径
が5μmより大きく、かつD90、即ち累積度数90%
での結晶粒径が80μmより小さい結晶粒度分布を有す
ることを特徴とする。また、本発明による低損失酸化物
磁性材料の製造方法おいては、焼結後の結晶粒径を制御
するために、焼結雰囲気の酸素分圧を大気圧の25%以
上とすることを特徴とする。
提供するために、Ni−Zn−Cu系フェライトの損失
を低減すること。 【解決手段】 本発明の低損失酸化物磁性材料は、Fe
2O3、NiO、ZnO、CuOを主成分とするNi−
Zn−Cu系フェライトであって、結晶粒度分布のD5
0、即ち累積度数50%での結晶粒径が13〜50μm
であり、かつD10、即ち累積度数10%での結晶粒径
が5μmより大きく、かつD90、即ち累積度数90%
での結晶粒径が80μmより小さい結晶粒度分布を有す
ることを特徴とする。また、本発明による低損失酸化物
磁性材料の製造方法おいては、焼結後の結晶粒径を制御
するために、焼結雰囲気の酸素分圧を大気圧の25%以
上とすることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、電源ト
ランス用あるいはインダクタ用の材料に係わり、特に、
小型で高効率な電源トランスに好適な磁性材料とその製
造方法に関する。
ランス用あるいはインダクタ用の材料に係わり、特に、
小型で高効率な電源トランスに好適な磁性材料とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯機器を始めとして、近年、電子機器
の小型化が急速に進んでいる。それらで使用される電源
において、トランスは、体積的にも、電力損失において
も重要な位置を占める。そのため、トランスの小型化、
高効率化が求められている。トランス材料の損失が大き
いと電源としての効率が悪いだけでなく、自己発熱によ
る熱暴走の危険が生じる。それゆえ、トランス用材料と
しては、一般に低損失で飽和磁束密度が高く(約500
mT)、低価格なMn-Zn系フェライトが用いられてい
る。
の小型化が急速に進んでいる。それらで使用される電源
において、トランスは、体積的にも、電力損失において
も重要な位置を占める。そのため、トランスの小型化、
高効率化が求められている。トランス材料の損失が大き
いと電源としての効率が悪いだけでなく、自己発熱によ
る熱暴走の危険が生じる。それゆえ、トランス用材料と
しては、一般に低損失で飽和磁束密度が高く(約500
mT)、低価格なMn-Zn系フェライトが用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Mn−
Zn系フェライトは、比抵抗が小さく、絶縁性の確保の
ために、ボビンの巻線用部品を介し、巻線を行わなけれ
ばならない。よって、トランス材料として、Mn−Zn
系フェライトを用いては、小型化に対し、一定の限界が
ある。一方、Ni−Zn−Cu系フェライトは、比抵抗
が高く、巻線の直巻きが可能である。また、比抵抗が高
いことに加え、Cu添加により低温焼成が可能であるこ
とより、導体と磁性体の一体焼成が可能であり、高度な
小型化が実現できる。しかしながら、従来のNi−Zn
−Cu系フェライトは、高損失であるため、効率が悪
く、かつ、熱暴走など、安全性に劣るため、トランス用
材料として、商品化が困難であった。
Zn系フェライトは、比抵抗が小さく、絶縁性の確保の
ために、ボビンの巻線用部品を介し、巻線を行わなけれ
ばならない。よって、トランス材料として、Mn−Zn
系フェライトを用いては、小型化に対し、一定の限界が
ある。一方、Ni−Zn−Cu系フェライトは、比抵抗
が高く、巻線の直巻きが可能である。また、比抵抗が高
いことに加え、Cu添加により低温焼成が可能であるこ
とより、導体と磁性体の一体焼成が可能であり、高度な
小型化が実現できる。しかしながら、従来のNi−Zn
−Cu系フェライトは、高損失であるため、効率が悪
く、かつ、熱暴走など、安全性に劣るため、トランス用
材料として、商品化が困難であった。
【0004】そこで、本発明は、小型で高効率な電源ト
ランス用の磁性材料を提供するために、Ni−Zn−C
u系フェライトの損失を低減することを課題としてい
る。
ランス用の磁性材料を提供するために、Ni−Zn−C
u系フェライトの損失を低減することを課題としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】我々は、種々の実験検討
を行った結果、Fe2O3、NiO、ZnO、CuOを
主成分とするNi−Zn−Cu系フェライトにおいて、
焼結雰囲気の酸素分圧が大気圧の25%以上で焼結さ
れ、結晶粒度分布のD50が13〜50μmであり、か
つD10が5μmより大きく、D90が80μmより小
さいことを特徴とする結晶粒度分布において、低損失を
実現できることを見出した。ここで、D10、D50お
よびD90とは、それぞれ、累積度数が10%、50
%、および90%の時の結晶粒径を示している。
を行った結果、Fe2O3、NiO、ZnO、CuOを
主成分とするNi−Zn−Cu系フェライトにおいて、
焼結雰囲気の酸素分圧が大気圧の25%以上で焼結さ
れ、結晶粒度分布のD50が13〜50μmであり、か
つD10が5μmより大きく、D90が80μmより小
さいことを特徴とする結晶粒度分布において、低損失を
実現できることを見出した。ここで、D10、D50お
よびD90とは、それぞれ、累積度数が10%、50
%、および90%の時の結晶粒径を示している。
【0006】一般に、フェライトの損失は、ヒステリシ
ス損失、渦電流損失、残留損失に大別できる。本発明品
と従来のNi−Zn−Cu系フェライトの損失を比較す
ると、主に、ヒステリシス損失の低減により損失が低減
されていることが分かった。ヒステリシス損失は、主
に、結晶粒径と結晶磁気異方性エネルギー(K1)に依
存する。結晶粒界は、磁壁移動に対して摩擦力として作
用するため、通常の均一な粒成長となる焼成条件では、
結晶粒径が大きいほどヒステリシス損失は低下する。し
かしながら、異常粒成長により、局所的に粗大粒が発生
すると逆にヒステリシス損失は増大する。通常、Ni−
Zn−Cu系フェライトは、大気中(酸素分圧〜20
%)で焼成される。本発明品の結晶粒度分布は、従来品
と比較して、より均一であり、本発明の方法によれば、
焼成温度を高くしても、局所的な粗大粒を発生すること
なく、均一に粒成長させることができる。また、125
0℃以上の温度で焼成すると、従来品の比抵抗は低下す
るが、本発明品は高温で焼成しても、高比抵抗を維持で
きる。
ス損失、渦電流損失、残留損失に大別できる。本発明品
と従来のNi−Zn−Cu系フェライトの損失を比較す
ると、主に、ヒステリシス損失の低減により損失が低減
されていることが分かった。ヒステリシス損失は、主
に、結晶粒径と結晶磁気異方性エネルギー(K1)に依
存する。結晶粒界は、磁壁移動に対して摩擦力として作
用するため、通常の均一な粒成長となる焼成条件では、
結晶粒径が大きいほどヒステリシス損失は低下する。し
かしながら、異常粒成長により、局所的に粗大粒が発生
すると逆にヒステリシス損失は増大する。通常、Ni−
Zn−Cu系フェライトは、大気中(酸素分圧〜20
%)で焼成される。本発明品の結晶粒度分布は、従来品
と比較して、より均一であり、本発明の方法によれば、
焼成温度を高くしても、局所的な粗大粒を発生すること
なく、均一に粒成長させることができる。また、125
0℃以上の温度で焼成すると、従来品の比抵抗は低下す
るが、本発明品は高温で焼成しても、高比抵抗を維持で
きる。
【0007】即ち、本発明の低損失酸化物磁性材料は、
Fe2O3、NiO、ZnO、CuOを主成分とするN
i−Zn−Cu系フェライトであって、結晶粒度分布の
D50、即ち累積度数50%での結晶粒径が13〜50
μmであり、かつD10、即ち累積度数10%での結晶
粒径が5μmより大きく、かつD90、即ち累積度数9
0%での結晶粒径が80μmより小さい結晶粒度分布を
有することを特徴としている。
Fe2O3、NiO、ZnO、CuOを主成分とするN
i−Zn−Cu系フェライトであって、結晶粒度分布の
D50、即ち累積度数50%での結晶粒径が13〜50
μmであり、かつD10、即ち累積度数10%での結晶
粒径が5μmより大きく、かつD90、即ち累積度数9
0%での結晶粒径が80μmより小さい結晶粒度分布を
有することを特徴としている。
【0008】また、本発明の製造方法は、Fe2O3、
NiO、ZnO、CuOを主成分とするNi−Zn−C
u系フェライトの製造方法において、焼結後の結晶粒径
を制御するために、焼結雰囲気の酸素分圧を大気圧の2
5%以上とすることを特徴としている。
NiO、ZnO、CuOを主成分とするNi−Zn−C
u系フェライトの製造方法において、焼結後の結晶粒径
を制御するために、焼結雰囲気の酸素分圧を大気圧の2
5%以上とすることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、主成分であるFe2O3、
NiO、ZnO、CuOの粉末を所定の量だけ秤量す
る。次に、混合、造粒、仮焼を行い、得られた粉末を解
砕し、再び造粒し、所定の形状にプレスし、950〜1
300℃で焼成する。そのとき、焼成時の酸素分圧は、
大気圧の25%以上の範囲で変化させる。作製したNi
−Zn−Cu系フェライトについては、結晶粒度分布を
調べる。また、周波数50kHz、磁束密度150mT
の磁気的条件で、温度範囲25〜140℃において損失
を測定する。
NiO、ZnO、CuOの粉末を所定の量だけ秤量す
る。次に、混合、造粒、仮焼を行い、得られた粉末を解
砕し、再び造粒し、所定の形状にプレスし、950〜1
300℃で焼成する。そのとき、焼成時の酸素分圧は、
大気圧の25%以上の範囲で変化させる。作製したNi
−Zn−Cu系フェライトについては、結晶粒度分布を
調べる。また、周波数50kHz、磁束密度150mT
の磁気的条件で、温度範囲25〜140℃において損失
を測定する。
【0010】損失は、焼成時の雰囲気の酸素分圧が高く
なると、より低くなるが、最小の損失をもたらす焼成温
度は酸素分圧が高いほど高温側へ移動するので、他の条
件を勘案して決めると良い。一例として、49mol%
のFe2O3、19mol%のNiO、25mol%の
ZnO、残部をCuOとするNi−Zn−Cu系フェラ
イトにおいては、焼成温度1250℃、酸素分圧95%
の焼成条件で、優れた損失値が得られる。
なると、より低くなるが、最小の損失をもたらす焼成温
度は酸素分圧が高いほど高温側へ移動するので、他の条
件を勘案して決めると良い。一例として、49mol%
のFe2O3、19mol%のNiO、25mol%の
ZnO、残部をCuOとするNi−Zn−Cu系フェラ
イトにおいては、焼成温度1250℃、酸素分圧95%
の焼成条件で、優れた損失値が得られる。
【0011】他方、焼成雰囲気の酸素分圧が高いほど、
損失が最小となるD50(累積度数50%での結晶粒
径)は、粒径が大きい側に移動し、粒径は均一化され
る。そして、D50が13〜50μmであり、かつD1
0(累積度数10%での結晶粒径)が5μmより大き
く、かつD90(累積度数90%での結晶粒径)が80
μmより小さいときに優れた損失値が得られる。
損失が最小となるD50(累積度数50%での結晶粒
径)は、粒径が大きい側に移動し、粒径は均一化され
る。そして、D50が13〜50μmであり、かつD1
0(累積度数10%での結晶粒径)が5μmより大き
く、かつD90(累積度数90%での結晶粒径)が80
μmより小さいときに優れた損失値が得られる。
【0012】以上、Fe2O3、NiO、ZnO、Cu
Oを主成分としたNi−Zn−Cu系フェライトについ
て説明したが、Fe2O3、NiO、ZnOを主成分と
するNi−Zn系フェライトにおいても、酸素分圧と温
度による結晶粒度分布の制御は損失の低減に対して同様
の効果をもたらす。
Oを主成分としたNi−Zn−Cu系フェライトについ
て説明したが、Fe2O3、NiO、ZnOを主成分と
するNi−Zn系フェライトにおいても、酸素分圧と温
度による結晶粒度分布の制御は損失の低減に対して同様
の効果をもたらす。
【0013】
【実施例】本発明の実施例について、図表を参照して説
明する。主成分組成として、49mol%のFe
2O3、19mol%のNiO、25mol%のZn
O、残部のCuOを所定の量だけ秤量し、アトライター
を用いて、2時間混合した。混合の後、スプレードライ
アーで造粒した。造粒した粉末をロータリーキルンで仮
焼した。得られた粉末をアトラターを用いて解砕した。
その後、スプレードライアーにて造粒し、トロイダル形
状にプレスし、950〜1300℃で焼成した。
明する。主成分組成として、49mol%のFe
2O3、19mol%のNiO、25mol%のZn
O、残部のCuOを所定の量だけ秤量し、アトライター
を用いて、2時間混合した。混合の後、スプレードライ
アーで造粒した。造粒した粉末をロータリーキルンで仮
焼した。得られた粉末をアトラターを用いて解砕した。
その後、スプレードライアーにて造粒し、トロイダル形
状にプレスし、950〜1300℃で焼成した。
【0014】表1に、焼成時の酸素分圧PO2を大気圧
の20%から95%まで変化させた時の発明品、比較
品、および従来品における結晶粒度分布、50kHz−
150mT−80℃での損失Pcv(即ち周波数50kH
z、磁束密度150mTでの80℃における損失)、お
よび比抵抗を示す。ここで、従来品とは、酸素分圧PO
2=20%の雰囲気中で焼結した試料であり、焼結温度
に応じて1〜8の番号を付けた。他方、酸素分圧PO2
が25%以上で作製された試料のうち、損失Pcvが実用
的に良好なものを発明品と呼び、焼結温度に応じて1〜
8の番号を付け、また損失Pcvが実用的に良好でないも
の比較品と呼び、1〜16の番号を付けた。
の20%から95%まで変化させた時の発明品、比較
品、および従来品における結晶粒度分布、50kHz−
150mT−80℃での損失Pcv(即ち周波数50kH
z、磁束密度150mTでの80℃における損失)、お
よび比抵抗を示す。ここで、従来品とは、酸素分圧PO
2=20%の雰囲気中で焼結した試料であり、焼結温度
に応じて1〜8の番号を付けた。他方、酸素分圧PO2
が25%以上で作製された試料のうち、損失Pcvが実用
的に良好なものを発明品と呼び、焼結温度に応じて1〜
8の番号を付け、また損失Pcvが実用的に良好でないも
の比較品と呼び、1〜16の番号を付けた。
【0015】
【表1】
【0016】表1から、発明品は、従来品と比べ、結晶
粒度分布がより均一であり、また比抵抗は同等または、
それ以上であることが分かる。また、発明品の結晶粒度
分布は、D50が13〜50μmであり、かつD10が
5μmより大きく、D90が80μmより小さいことが
分かる。
粒度分布がより均一であり、また比抵抗は同等または、
それ以上であることが分かる。また、発明品の結晶粒度
分布は、D50が13〜50μmであり、かつD10が
5μmより大きく、D90が80μmより小さいことが
分かる。
【0017】図1に、酸素分圧を変化させた場合の50
kHz−150mT−80℃での損失と焼成温度との関
係を示す。酸素分圧が高いほど損失が最小となる焼成温
度は、高温側にシフトし、そのときの損失は、酸素分圧
が高いほど低いことが分かる。
kHz−150mT−80℃での損失と焼成温度との関
係を示す。酸素分圧が高いほど損失が最小となる焼成温
度は、高温側にシフトし、そのときの損失は、酸素分圧
が高いほど低いことが分かる。
【0018】図2に、焼成時の酸素分圧を変化させた場
合の50kHz−150mT−80℃の損失Pcvと結晶
粒度分布のD50との関係を示す。酸素分圧が高いほど
損失が最小となるD50は、粒径が大きい側にシフト
し、そのときの最小の損失は、酸素分圧が高いほど低い
ことがわかる。また、従来品の最良値である300mW
/ccよりも低損失な試料のD50は、13〜50μmで
あることもわかる。
合の50kHz−150mT−80℃の損失Pcvと結晶
粒度分布のD50との関係を示す。酸素分圧が高いほど
損失が最小となるD50は、粒径が大きい側にシフト
し、そのときの最小の損失は、酸素分圧が高いほど低い
ことがわかる。また、従来品の最良値である300mW
/ccよりも低損失な試料のD50は、13〜50μmで
あることもわかる。
【0019】図3に、発明品8と従来品3の50kHz
−150mTでの損失Pcvの温度特性を示す。発明品8
は、従来品3と比べ、全温度範囲で損失が小さいことが
わかる。ここで、従来品3とは、従来品の中で50kH
z−150mT−80℃での損失が最も小さい値を示し
たサンプルである。
−150mTでの損失Pcvの温度特性を示す。発明品8
は、従来品3と比べ、全温度範囲で損失が小さいことが
わかる。ここで、従来品3とは、従来品の中で50kH
z−150mT−80℃での損失が最も小さい値を示し
たサンプルである。
【0020】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明による酸化物
磁性材料は、低損失であり、高効率の電源トランス用と
して好適である。
磁性材料は、低損失であり、高効率の電源トランス用と
して好適である。
【0021】また、本発明品は、従来のMn−Zn系フ
ェライトと比較し、比抵抗が著しく高い。そのため、巻
線のコアへの直巻きが可能であり、ボビン等の巻線用部
品が不要であり、コストの低減が図れる。また、比抵抗
が高いことにより導体との一体焼成が可能であり、高度
な小型化が可能である。
ェライトと比較し、比抵抗が著しく高い。そのため、巻
線のコアへの直巻きが可能であり、ボビン等の巻線用部
品が不要であり、コストの低減が図れる。また、比抵抗
が高いことにより導体との一体焼成が可能であり、高度
な小型化が可能である。
【図1】酸素分圧を変化させた場合の50kHz−15
0mT−80℃での損失Pcvと焼成温度との関係を示す
図。
0mT−80℃での損失Pcvと焼成温度との関係を示す
図。
【図2】酸素分圧を変化させた場合の50kHz−15
0mT−80℃での損失Pcvと結晶粒度分布のD50と
の関係を示す図。
0mT−80℃での損失Pcvと結晶粒度分布のD50と
の関係を示す図。
【図3】発明品8と従来品3における50kHz−15
0mTでの損失Pcvの温度特性を示す図。
0mTでの損失Pcvの温度特性を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 Fe2O3、NiO、ZnO、CuOを
主成分とするNi−Zn−Cu系フェライトであって、
結晶粒度分布のD50、即ち累積度数50%での結晶粒
径が13〜50μmであり、かつD10、即ち累積度数
10%での結晶粒径が5μmより大きく、かつD90、
即ち累積度数90%での結晶粒径が80μmより小さい
結晶粒度分布を有することを特徴とする低損失酸化物磁
性材料。 - 【請求項2】 請求項1記載の低損失酸化物磁性材の製
造方法であって、焼結雰囲気の酸素分圧を大気圧の25
%以上とすることを特徴とする低損失酸化物磁性材料の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30203699A JP2001126911A (ja) | 1999-10-25 | 1999-10-25 | 低損失の酸化物磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30203699A JP2001126911A (ja) | 1999-10-25 | 1999-10-25 | 低損失の酸化物磁性材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001126911A true JP2001126911A (ja) | 2001-05-11 |
Family
ID=17904142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30203699A Withdrawn JP2001126911A (ja) | 1999-10-25 | 1999-10-25 | 低損失の酸化物磁性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001126911A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006298725A (ja) * | 2005-04-25 | 2006-11-02 | Neomax Co Ltd | Ni系フェライトおよびそれを用いた電力線通信用伝送トランスの磁心 |
JP2008214161A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Hitachi Metals Ltd | Ni系スピネルフェライト焼結体およびその製造方法 |
-
1999
- 1999-10-25 JP JP30203699A patent/JP2001126911A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006298725A (ja) * | 2005-04-25 | 2006-11-02 | Neomax Co Ltd | Ni系フェライトおよびそれを用いた電力線通信用伝送トランスの磁心 |
JP2008214161A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Hitachi Metals Ltd | Ni系スピネルフェライト焼結体およびその製造方法 |
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060309 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070604 |