JP2001122981A - 有機薄膜、その製造方法及び光硬化性組成物 - Google Patents
有機薄膜、その製造方法及び光硬化性組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温、長時間の加熱前処理工程等が不用であ
り、生産性に優れるとともに耐熱性、化学的安定性に優
れる有機薄膜および少ない光照射量で良好な液晶配向能
を有する液晶配向膜を提供する。 【解決手段】 芳香族環および複数のマレイミド基を有
するマレイミド化合物等に光を照射し、反応させること
により、耐熱性、化学的安定性に優れる有機薄膜を得
る。照射する光が異方的な光である場合には、異方性を
有する液晶配向膜が得られる。光によりマレイミド化合
物が反応するため、従来のポリアミック酸からの焼成工
程のような高温長時間の加熱工程等が不要である。ま
た、ポリマーを用いた固相反応と異なり、少ない光照射
量で安定な有機薄膜、液晶配向膜を得ることができる。
り、生産性に優れるとともに耐熱性、化学的安定性に優
れる有機薄膜および少ない光照射量で良好な液晶配向能
を有する液晶配向膜を提供する。 【解決手段】 芳香族環および複数のマレイミド基を有
するマレイミド化合物等に光を照射し、反応させること
により、耐熱性、化学的安定性に優れる有機薄膜を得
る。照射する光が異方的な光である場合には、異方性を
有する液晶配向膜が得られる。光によりマレイミド化合
物が反応するため、従来のポリアミック酸からの焼成工
程のような高温長時間の加熱工程等が不要である。ま
た、ポリマーを用いた固相反応と異なり、少ない光照射
量で安定な有機薄膜、液晶配向膜を得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機薄膜、その製
造方法及び硬化性組成物に関し、本発明に係る有機薄膜
は、コーティング用等の薄膜や液晶配向膜等として使用
される。また、本発明の有機薄膜は光によって液晶配向
能を付与した液晶配向膜として使用される。
造方法及び硬化性組成物に関し、本発明に係る有機薄膜
は、コーティング用等の薄膜や液晶配向膜等として使用
される。また、本発明の有機薄膜は光によって液晶配向
能を付与した液晶配向膜として使用される。
【0002】
【従来の技術】現在、保護膜等のコーティング材料とし
て広く利用されているポリイミドは、その耐熱性、化学
的安定性から高範囲に使用されており、特に芳香族環を
多く含むポリイミドは、きわめて高い耐熱性、化学的安
定性を有している。ポリイミドは熱的、化学的に安定で
あるが、同時に適当な良溶媒が存在しないため、ポリイ
ミドの薄膜を作成するには、ポリイミドの前駆体である
ポリアミック酸をNMP、γ−ブチロラクトン等の溶媒
に溶解し、基体(被コーティング物)に塗布した後、焼
成加熱処理によりポリイミド薄膜とするか、上記溶媒に
可溶性の低分子量のポリイミドが使用されている。
て広く利用されているポリイミドは、その耐熱性、化学
的安定性から高範囲に使用されており、特に芳香族環を
多く含むポリイミドは、きわめて高い耐熱性、化学的安
定性を有している。ポリイミドは熱的、化学的に安定で
あるが、同時に適当な良溶媒が存在しないため、ポリイ
ミドの薄膜を作成するには、ポリイミドの前駆体である
ポリアミック酸をNMP、γ−ブチロラクトン等の溶媒
に溶解し、基体(被コーティング物)に塗布した後、焼
成加熱処理によりポリイミド薄膜とするか、上記溶媒に
可溶性の低分子量のポリイミドが使用されている。
【0003】上記の方法で基板上に形成されたポリイミ
ドの薄膜は、液晶ディスプレイ(LCD)の配向膜とし
ても広く使用されている。LCDでは、基板界面で液晶
分子を一方向に配向させる必要があり、上記方法で基板
上に形成したポリイミド薄膜を、ナイロン布、レーヨン
布等で機械的に擦ることにより、ポリイミド界面の液晶
分子を1方向に配向させている(ラビング法)。しか
し、このラビング法は、機械的に有機薄膜の表面を擦る
技術であるため、ラビング時に微小なゴミが発生する、
摩擦による静電気の発生等によりTFT等のアクティブ
素子が破壊される、広い範囲にわたりムラなく均一に配
向させることが難しい等の問題がある。
ドの薄膜は、液晶ディスプレイ(LCD)の配向膜とし
ても広く使用されている。LCDでは、基板界面で液晶
分子を一方向に配向させる必要があり、上記方法で基板
上に形成したポリイミド薄膜を、ナイロン布、レーヨン
布等で機械的に擦ることにより、ポリイミド界面の液晶
分子を1方向に配向させている(ラビング法)。しか
し、このラビング法は、機械的に有機薄膜の表面を擦る
技術であるため、ラビング時に微小なゴミが発生する、
摩擦による静電気の発生等によりTFT等のアクティブ
素子が破壊される、広い範囲にわたりムラなく均一に配
向させることが難しい等の問題がある。
【0004】ラビング法のこのような欠点を克服する配
向膜の製造方法として、光を用いた非接触型の液晶配向
膜の製造方法が知られている。光を用いた液晶配向膜の
製造方法として、NATURE 351、p.49(1
991)や特開平2−277025号公報に開示された
アゾ染料等の異方性吸収分子を用いる方法、Proc.
IDRC 94 p.213に開示されたポリイミドを
用いる方法、Jpn.J. Appl. Phys.,
31, p.2155(1992)や特開平5−23
2473号公報に開示された光反応性基を側鎖に有する
高分子を用いる方法等が知られている。
向膜の製造方法として、光を用いた非接触型の液晶配向
膜の製造方法が知られている。光を用いた液晶配向膜の
製造方法として、NATURE 351、p.49(1
991)や特開平2−277025号公報に開示された
アゾ染料等の異方性吸収分子を用いる方法、Proc.
IDRC 94 p.213に開示されたポリイミドを
用いる方法、Jpn.J. Appl. Phys.,
31, p.2155(1992)や特開平5−23
2473号公報に開示された光反応性基を側鎖に有する
高分子を用いる方法等が知られている。
【0005】特開平2−277025号公報に開示され
たアゾ染料等の異方性吸収分子を用いる方法では、アゾ
染料等の異方性吸収分子とポリイミドを含む混合溶液を
基板に塗布し、焼成、溶媒除去して薄膜とした後に、偏
光レーザー光を照射することにより、異方性を有する配
向膜を得ている(同公報例10等)。Proc.IDR
C 94 p.213に開示されたポリイミドを用いる
方法では、通常ラビング用配向膜として使用される基板
上のポリイミド薄膜に、偏光を照射することにより異方
性を有する配向膜を得ている。特開平5−232473
号公報に開示された光反応性基を側鎖に有する高分子を
用いる方法では、光二量化反応を生じる側鎖を有するポ
リビニルシンナメート等の側鎖型高分子の溶液を基板に
塗布し、溶媒を除去して薄膜とした後に、偏光を照射す
ることにより異方性を有する配向膜を得ている。
たアゾ染料等の異方性吸収分子を用いる方法では、アゾ
染料等の異方性吸収分子とポリイミドを含む混合溶液を
基板に塗布し、焼成、溶媒除去して薄膜とした後に、偏
光レーザー光を照射することにより、異方性を有する配
向膜を得ている(同公報例10等)。Proc.IDR
C 94 p.213に開示されたポリイミドを用いる
方法では、通常ラビング用配向膜として使用される基板
上のポリイミド薄膜に、偏光を照射することにより異方
性を有する配向膜を得ている。特開平5−232473
号公報に開示された光反応性基を側鎖に有する高分子を
用いる方法では、光二量化反応を生じる側鎖を有するポ
リビニルシンナメート等の側鎖型高分子の溶液を基板に
塗布し、溶媒を除去して薄膜とした後に、偏光を照射す
ることにより異方性を有する配向膜を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法で得たポリイミド薄膜や、光を用いた液晶配向膜に
は以下のような問題がある。
方法で得たポリイミド薄膜や、光を用いた液晶配向膜に
は以下のような問題がある。
【0007】コーティング用等のポリイミド薄膜やポリ
イミドを用いた光配向膜に共通する問題点として、ポリ
イミドの前駆体であるポリアミック酸を使用することが
挙げられる。ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸
からポリイミドを得るためには、ポリアミック酸をイミ
ド化する必要があるため、200℃以上の高温で1時間
以上の長い焼成工程が必要となる。特に、この反応は固
相反応であるため長い反応時間が必要とされる。一方、
溶媒に可溶性の低分子量のポリイミドを使用する場合に
おいては、低分子量であってもポリイミドは溶媒への溶
解性が小さいため、分子内に屈曲鎖成分を取り入れるこ
とや、分子量をかなり小さくすることが必要となり、基
体への密着性が不充分となる、有機薄膜の耐熱性、化学
的安定性が低下する、耐摩擦性等の機械的強度が低下す
る等の問題がある。
イミドを用いた光配向膜に共通する問題点として、ポリ
イミドの前駆体であるポリアミック酸を使用することが
挙げられる。ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸
からポリイミドを得るためには、ポリアミック酸をイミ
ド化する必要があるため、200℃以上の高温で1時間
以上の長い焼成工程が必要となる。特に、この反応は固
相反応であるため長い反応時間が必要とされる。一方、
溶媒に可溶性の低分子量のポリイミドを使用する場合に
おいては、低分子量であってもポリイミドは溶媒への溶
解性が小さいため、分子内に屈曲鎖成分を取り入れるこ
とや、分子量をかなり小さくすることが必要となり、基
体への密着性が不充分となる、有機薄膜の耐熱性、化学
的安定性が低下する、耐摩擦性等の機械的強度が低下す
る等の問題がある。
【0008】また、特開平2−277025号公報、P
roc.IDRC 94 p.213に開示されたポリ
イミドを光配向膜として用いる方法では、UV光(紫外
光)によるポリイミド鎖の分解反応により液晶配向能が
生じていると考えられるが、ポリイミドは安定な高分子
であるため、かなり長い時間UV光を照射しないと十分
な液晶配向能が得られないという問題がある。一方、こ
のような長時間のUV照射によるポリイミド鎖の劣化に
より、作製したLCDの信頼性に問題が生じることが考
えられる。
roc.IDRC 94 p.213に開示されたポリ
イミドを光配向膜として用いる方法では、UV光(紫外
光)によるポリイミド鎖の分解反応により液晶配向能が
生じていると考えられるが、ポリイミドは安定な高分子
であるため、かなり長い時間UV光を照射しないと十分
な液晶配向能が得られないという問題がある。一方、こ
のような長時間のUV照射によるポリイミド鎖の劣化に
より、作製したLCDの信頼性に問題が生じることが考
えられる。
【0009】ポリイミド以外の有機薄膜を用いた他の光
配向膜においては、液晶の配向安定性に問題がある。
配向膜においては、液晶の配向安定性に問題がある。
【0010】アゾ染料等の異方性吸収分子を用いる方法
では、アゾ化合物が光によって異性化反応を生じるた
め、偏光照射により生じた配向異方性は不安定であり、
その後の光の照射により異方性が低下するという問題が
ある。また、アゾ染料等の異方性吸収分子は、ポリイミ
ド中に低分子の状態で存在していると考えられ、液晶セ
ル作製後にこのような異方性吸収分子が液晶層に溶解
し、LCDの特性劣化の原因になるという問題がある。
では、アゾ化合物が光によって異性化反応を生じるた
め、偏光照射により生じた配向異方性は不安定であり、
その後の光の照射により異方性が低下するという問題が
ある。また、アゾ染料等の異方性吸収分子は、ポリイミ
ド中に低分子の状態で存在していると考えられ、液晶セ
ル作製後にこのような異方性吸収分子が液晶層に溶解
し、LCDの特性劣化の原因になるという問題がある。
【0011】ポリビニルシンナメート等光反応性基を側
鎖に有する高分子を用いる方法においては、側鎖は二量
化反応で安定化するものの、主鎖がフレキシブルな一重
炭素結合鎖のみからなっているため、十分な耐熱性が得
られない。特に、上下基板の固定に熱硬化性樹脂を使用
する場合には、熱硬化性樹脂の硬化に、160℃程度の
高温加熱処理工程を径るため、この加熱工程において液
晶配向能が保持できないという問題がある。また、ポリ
ビニルシンナメートも光異性化反応を生じるため、未反
応のシンナメート基が残っていると、光異性化反応にと
もなう配向の不安定性という問題がある。さらに、側鎖
に光反応性を有する高分子の種類は著しく限定されると
いう問題もある。
鎖に有する高分子を用いる方法においては、側鎖は二量
化反応で安定化するものの、主鎖がフレキシブルな一重
炭素結合鎖のみからなっているため、十分な耐熱性が得
られない。特に、上下基板の固定に熱硬化性樹脂を使用
する場合には、熱硬化性樹脂の硬化に、160℃程度の
高温加熱処理工程を径るため、この加熱工程において液
晶配向能が保持できないという問題がある。また、ポリ
ビニルシンナメートも光異性化反応を生じるため、未反
応のシンナメート基が残っていると、光異性化反応にと
もなう配向の不安定性という問題がある。さらに、側鎖
に光反応性を有する高分子の種類は著しく限定されると
いう問題もある。
【0012】また、従来の光配向型の液晶配向膜は、い
ずれも高分子に光を照射する固相反応であるため、反応
が遅く、十分な液晶配向能を得るために、長時間の光照
射が必要とされるという問題もある。
ずれも高分子に光を照射する固相反応であるため、反応
が遅く、十分な液晶配向能を得るために、長時間の光照
射が必要とされるという問題もある。
【0013】本発明の目的は、上記問題を回避し、高
温、長時間の加熱前処理工程等が不用であり、生産性に
優れているとともに、耐熱性、化学的安定性に優れてい
る有機薄膜、少ない光照射量で良好な液晶配向能を有す
る液晶配向膜、およびこれらの製造方法を提供すること
である。
温、長時間の加熱前処理工程等が不用であり、生産性に
優れているとともに、耐熱性、化学的安定性に優れてい
る有機薄膜、少ない光照射量で良好な液晶配向能を有す
る液晶配向膜、およびこれらの製造方法を提供すること
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下に示
す本発明によって達成される。
す本発明によって達成される。
【0015】すなわち本発明の要旨とするところは、
(1) 芳香族環および複数のマレイミド基を有するマ
レイミド化合物を構成成分とする有機薄膜、(2) 複
数のマレイミド基を有するマレイミド化合物を構成成分
とし、異方性を有する有機薄膜、(3) 芳香族環およ
び複数のマレイミド基を有するマレイミド化合物を含有
する光硬化性組成物、(4) 芳香族環および複数のマ
レイミド基を有するマレイミド化合物を含有する電子線
硬化性組成物、(5) 芳香族環および複数のマレイミ
ド基を有するマレイミド化合物又は芳香族環および複数
のマレイミド基を有するマレイミド化合物を含む組成物
に光又は電子線を照射して反応させることを特徴とする
有機薄膜の製造方法、(6) 複数のマレイミド基を有
するマレイミド化合物又は複数のマレイミド基を有する
マレイミド化合物を含む組成物に異方的な光又は電子線
を照射して反応させることを特徴とする有機薄膜の製造
方法、(7) 複数のマレイミド基を有するマレイミド
化合物又は複数のマレイミド基を有するマレイミド化合
物を含む溶液を基体あるいは基板に塗布した後、溶媒が
残存する状態で光又は電子線を照射して当該マレイミド
化合物又はマレイミド化合物を含む組成物を反応させる
ことを特徴とする有機薄膜の製造方法、(8) 複数の
マレイミド基を有するマレイミド化合物が芳香族環を有
するビスマレイミド化合物であることを特徴とする、上
記(1)又は(2)に記載の有機薄膜、(9) 複数の
マレイミド基を有するマレイミド化合物が芳香族環を有
するビスマレイミド化合物であることを特徴とする、上
記(3)又は(4)に記載の硬化性組成物、(10)
複数のマレイミド基を有するマレイミド化合物が芳香族
環を有するビスマレイミド化合物であることを特徴とす
る、上記(5)乃至(7)のいずれか1項に記載の有機
薄膜の製造方法、(11) 複数のマレイミド基を有す
るマレイミド化合物が式1で表される化合物である、上
記(1)又は(2)に記載の有機薄膜、
(1) 芳香族環および複数のマレイミド基を有するマ
レイミド化合物を構成成分とする有機薄膜、(2) 複
数のマレイミド基を有するマレイミド化合物を構成成分
とし、異方性を有する有機薄膜、(3) 芳香族環およ
び複数のマレイミド基を有するマレイミド化合物を含有
する光硬化性組成物、(4) 芳香族環および複数のマ
レイミド基を有するマレイミド化合物を含有する電子線
硬化性組成物、(5) 芳香族環および複数のマレイミ
ド基を有するマレイミド化合物又は芳香族環および複数
のマレイミド基を有するマレイミド化合物を含む組成物
に光又は電子線を照射して反応させることを特徴とする
有機薄膜の製造方法、(6) 複数のマレイミド基を有
するマレイミド化合物又は複数のマレイミド基を有する
マレイミド化合物を含む組成物に異方的な光又は電子線
を照射して反応させることを特徴とする有機薄膜の製造
方法、(7) 複数のマレイミド基を有するマレイミド
化合物又は複数のマレイミド基を有するマレイミド化合
物を含む溶液を基体あるいは基板に塗布した後、溶媒が
残存する状態で光又は電子線を照射して当該マレイミド
化合物又はマレイミド化合物を含む組成物を反応させる
ことを特徴とする有機薄膜の製造方法、(8) 複数の
マレイミド基を有するマレイミド化合物が芳香族環を有
するビスマレイミド化合物であることを特徴とする、上
記(1)又は(2)に記載の有機薄膜、(9) 複数の
マレイミド基を有するマレイミド化合物が芳香族環を有
するビスマレイミド化合物であることを特徴とする、上
記(3)又は(4)に記載の硬化性組成物、(10)
複数のマレイミド基を有するマレイミド化合物が芳香族
環を有するビスマレイミド化合物であることを特徴とす
る、上記(5)乃至(7)のいずれか1項に記載の有機
薄膜の製造方法、(11) 複数のマレイミド基を有す
るマレイミド化合物が式1で表される化合物である、上
記(1)又は(2)に記載の有機薄膜、
【0016】
【化6】 (ここで、E1、E2、E3、E4は、それぞれ水素原子ま
たはアルキル基、アリーレン基のいずれかを表し、−A
r−は式2、
たはアルキル基、アリーレン基のいずれかを表し、−A
r−は式2、
【0017】
【化7】 式3、
【0018】
【化8】 式4、
【0019】
【化9】 又は式5
【0020】
【化10】 を表し、式2、3、4及び5に於いて、X、Y1、Y2は
それぞれ直接結合、−O−、−CH2−、−C(CH3)
2−、−CF2−、−C(CF3)2−、―CO−、−OC
O−、−COO−、−CH=CH−、−CF=CF−、
−C(Cn′H2n ′+1)=C(Cn′H2n′+1)−[n′
は0から20の整数]のいずれかを表し、nは0から5
の整数を表し、R1、R2、R3はそれぞれアルキル基、
芳香族基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基(mは0
から20の整数を表し、R1、R2、R3で置換されてい
ない部位は水素原子であることを示す)のいずれかを表
す)(12) 複数のマレイミド基を有するマレイミド
化合物が式1で表される化合物である、上記(3)又は
(4)に記載の硬化性組成物、(13) 複数のマレイ
ミド基を有するマレイミド化合物が式1で表される化合
物である、上記(5)乃至(7)のいずれか1項に記載
の有機薄膜の製造方法、(14) 照射する光が異方的
な光であることを特徴とする、上記(5)、(7)、
(10)及び(13)のいずれか1項に記載の有機薄膜
の製造方法、(15) 異方的な光が直線偏光、部分偏
光、斜め照射光のいずれかであることを特徴とする、上
記(14)に記載の有機薄膜の製造方法、(16) 照
射する光が紫外光であることを特徴とする、上記
(5)、(6)、(7)、(10)、(13)、(1
4)及び(15)のいずれか1項に記載の有機薄膜の製
造方法、(17) 上記(1)、(2)、(8)及び
(11)のいずれか1項に記載の有機薄膜を液晶配向膜
として使用した液晶表示装置、(18) 上記(5)、
(6)、(7)、(10)、(13)、(14)、(1
5)及び(16)のいずれか1項に記載の有機薄膜の製
造方法で製造した有機薄膜を液晶配向膜として使用した
液晶表示装置、にある。
それぞれ直接結合、−O−、−CH2−、−C(CH3)
2−、−CF2−、−C(CF3)2−、―CO−、−OC
O−、−COO−、−CH=CH−、−CF=CF−、
−C(Cn′H2n ′+1)=C(Cn′H2n′+1)−[n′
は0から20の整数]のいずれかを表し、nは0から5
の整数を表し、R1、R2、R3はそれぞれアルキル基、
芳香族基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基(mは0
から20の整数を表し、R1、R2、R3で置換されてい
ない部位は水素原子であることを示す)のいずれかを表
す)(12) 複数のマレイミド基を有するマレイミド
化合物が式1で表される化合物である、上記(3)又は
(4)に記載の硬化性組成物、(13) 複数のマレイ
ミド基を有するマレイミド化合物が式1で表される化合
物である、上記(5)乃至(7)のいずれか1項に記載
の有機薄膜の製造方法、(14) 照射する光が異方的
な光であることを特徴とする、上記(5)、(7)、
(10)及び(13)のいずれか1項に記載の有機薄膜
の製造方法、(15) 異方的な光が直線偏光、部分偏
光、斜め照射光のいずれかであることを特徴とする、上
記(14)に記載の有機薄膜の製造方法、(16) 照
射する光が紫外光であることを特徴とする、上記
(5)、(6)、(7)、(10)、(13)、(1
4)及び(15)のいずれか1項に記載の有機薄膜の製
造方法、(17) 上記(1)、(2)、(8)及び
(11)のいずれか1項に記載の有機薄膜を液晶配向膜
として使用した液晶表示装置、(18) 上記(5)、
(6)、(7)、(10)、(13)、(14)、(1
5)及び(16)のいずれか1項に記載の有機薄膜の製
造方法で製造した有機薄膜を液晶配向膜として使用した
液晶表示装置、にある。
【0021】本発明の有機薄膜は、芳香族環および複数
のマレイミド基を有するマレイミド化合物を構成成分と
することを特徴としている。芳香族環およびマレイミド
化合物の反応生成物は剛直であり反応性が低いため、本
発明の有機薄膜は、芳香族環を有しないあるいは芳香族
環を有するものの、長いアルキレン鎖等の屈曲鎖を有す
るマレイミド化合物を構成成分とする有機薄膜やポリオ
レフィン、ポリエステル、ポリアミド等の有機薄膜に比
べ、熱的安定性、化学的安定性に優れた有機薄膜を提供
するものである。
のマレイミド基を有するマレイミド化合物を構成成分と
することを特徴としている。芳香族環およびマレイミド
化合物の反応生成物は剛直であり反応性が低いため、本
発明の有機薄膜は、芳香族環を有しないあるいは芳香族
環を有するものの、長いアルキレン鎖等の屈曲鎖を有す
るマレイミド化合物を構成成分とする有機薄膜やポリオ
レフィン、ポリエステル、ポリアミド等の有機薄膜に比
べ、熱的安定性、化学的安定性に優れた有機薄膜を提供
するものである。
【0022】本発明の他の有機薄膜は、複数のマレイミ
ド基を有するマレイミド化合物を構成成分とし、異方性
を有することを特徴としている。マレイミドの反応物は
反応性が低く、熱的あるいは化学的に安定であるため、
本発明の有機薄膜はポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リアミド等の有機薄膜に比べ、異方性を有する状態を安
定に維持することができる。
ド基を有するマレイミド化合物を構成成分とし、異方性
を有することを特徴としている。マレイミドの反応物は
反応性が低く、熱的あるいは化学的に安定であるため、
本発明の有機薄膜はポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リアミド等の有機薄膜に比べ、異方性を有する状態を安
定に維持することができる。
【0023】本発明の有機薄膜の製造方法では、芳香族
環および複数のマレイミド基を有するマレイミド化合物
等に光等を照射して反応させることを特徴としている。
マレイミド基は光の照射により光のエネルギーを吸収し
て反応を起こす。2つのマレイミド基が付加的に反応す
る場合には、生成物として熱的、化学的に安定なポリイ
ミドが得られると考えられる。
環および複数のマレイミド基を有するマレイミド化合物
等に光等を照射して反応させることを特徴としている。
マレイミド基は光の照射により光のエネルギーを吸収し
て反応を起こす。2つのマレイミド基が付加的に反応す
る場合には、生成物として熱的、化学的に安定なポリイ
ミドが得られると考えられる。
【0024】従来の芳香族環を含むポリイミドは、化学
的、熱的に安定であるため、適当な良溶媒が存在せず、
ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸の溶液を基体
に塗布後、高温、長時間の加熱によりイミド化する等の
方法により、ポリイミド薄膜を得ていた。本発明の有機
薄膜の製造方法では、ポリマーではないマレイミド化合
物を用い、光等により反応させるため、このような適当
な溶媒がないことに基づく前駆体からの反応や、高温、
長時間の加熱工程は必要とされない。また、反応生成物
は高分子量化するため、低分子量のポリイミドを使用し
た場合のような耐熱性、化学的安定性の低下、基体との
密着性の不足、機械的強度の低下のような問題もない。
的、熱的に安定であるため、適当な良溶媒が存在せず、
ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸の溶液を基体
に塗布後、高温、長時間の加熱によりイミド化する等の
方法により、ポリイミド薄膜を得ていた。本発明の有機
薄膜の製造方法では、ポリマーではないマレイミド化合
物を用い、光等により反応させるため、このような適当
な溶媒がないことに基づく前駆体からの反応や、高温、
長時間の加熱工程は必要とされない。また、反応生成物
は高分子量化するため、低分子量のポリイミドを使用し
た場合のような耐熱性、化学的安定性の低下、基体との
密着性の不足、機械的強度の低下のような問題もない。
【0025】本発明の他の有機薄膜の製造方法では、複
数のマレイミド基を有するマレイミド化合物等に異方的
な光等を照射して反応させることを特徴としている。照
射する光が異方的である場合には、マレイミド化合物等
が異方的に反応するため、異方性を有する有機薄膜が得
られる。この有機薄膜を液晶配向膜として使用すれば、
良好な配向特性が得られる。この異方性を有する有機薄
膜の製造方法では、ポリアミック酸溶液を用いた薄膜の
製造方法のような、高温、長時間の焼成工程が不用であ
る。また、ポリマーを用いた光配向膜では、反応部位が
ポリマー鎖で連結され動きが悪いため、反応に時間がか
かるのに対して、ビスマレイミド化合物は個々の分子が
連結されていないため分子運動が容易であり、短時間で
異方的な反応が生じる。また、マレイミド化合物等を使
用した場合には、反応により強固な構造を生じるため、
基体(基板)に対する接着性に優れ、高い耐熱性、安定
性を有する安定な有機薄膜(配向膜)が得られる。
数のマレイミド基を有するマレイミド化合物等に異方的
な光等を照射して反応させることを特徴としている。照
射する光が異方的である場合には、マレイミド化合物等
が異方的に反応するため、異方性を有する有機薄膜が得
られる。この有機薄膜を液晶配向膜として使用すれば、
良好な配向特性が得られる。この異方性を有する有機薄
膜の製造方法では、ポリアミック酸溶液を用いた薄膜の
製造方法のような、高温、長時間の焼成工程が不用であ
る。また、ポリマーを用いた光配向膜では、反応部位が
ポリマー鎖で連結され動きが悪いため、反応に時間がか
かるのに対して、ビスマレイミド化合物は個々の分子が
連結されていないため分子運動が容易であり、短時間で
異方的な反応が生じる。また、マレイミド化合物等を使
用した場合には、反応により強固な構造を生じるため、
基体(基板)に対する接着性に優れ、高い耐熱性、安定
性を有する安定な有機薄膜(配向膜)が得られる。
【0026】さらに、ポリビニルシンナメート等の側鎖
型高分子を使用する配向膜では、側鎖に特殊な構造を必
要とする等のため、化合物の選択の幅が著しく限定され
るのに対して、本発明の有機薄膜ではマレイミド化合物
を使用するため、化合物の選択の幅は広く、各種構造の
化合物を合成することも容易である。
型高分子を使用する配向膜では、側鎖に特殊な構造を必
要とする等のため、化合物の選択の幅が著しく限定され
るのに対して、本発明の有機薄膜ではマレイミド化合物
を使用するため、化合物の選択の幅は広く、各種構造の
化合物を合成することも容易である。
【0027】本発明の他の有機薄膜の製造方法では、複
数のマレイミド基を有するマレイミド化合物の溶液等を
基体(基板)に塗布した後、溶媒が残存する状態で光を
照射して当該マレイミド化合物等を反応させることを特
徴としている。
数のマレイミド基を有するマレイミド化合物の溶液等を
基体(基板)に塗布した後、溶媒が残存する状態で光を
照射して当該マレイミド化合物等を反応させることを特
徴としている。
【0028】複数のマレイミド基を有するマレイミド化
合物、特に芳香族環を含むマレイミド化合物は、常温で
固体であるものが多い。従って、このような固体のマレ
イミド化合物等を適当な溶媒を用いてを溶液とし、基体
(基板)に塗布した場合において、溶媒がなくなるとマ
レイミド化合物の固体が析出したり、結晶が発生したり
して、基体上に均一な薄膜がうまく形成できないことに
なる。したがって、マレイミド化合物が固体である場合
には、溶媒が残存する状態下で光を照射し、マレイミド
化合物を反応させることにより均一な薄膜を得ることが
が望ましい。また、溶媒が残存する状態下で光を照射
し、マレイミド化合物を反応させる場合には、溶媒の存
在により、マレイミド化合物が動きやすいため、固体の
ポリマーを反応させる場合に比べて、短時間、少ない光
照射量で反応させることができ、また、液晶配向膜とし
て使用できる異方性有機薄膜が得られやすいという利点
もある。
合物、特に芳香族環を含むマレイミド化合物は、常温で
固体であるものが多い。従って、このような固体のマレ
イミド化合物等を適当な溶媒を用いてを溶液とし、基体
(基板)に塗布した場合において、溶媒がなくなるとマ
レイミド化合物の固体が析出したり、結晶が発生したり
して、基体上に均一な薄膜がうまく形成できないことに
なる。したがって、マレイミド化合物が固体である場合
には、溶媒が残存する状態下で光を照射し、マレイミド
化合物を反応させることにより均一な薄膜を得ることが
が望ましい。また、溶媒が残存する状態下で光を照射
し、マレイミド化合物を反応させる場合には、溶媒の存
在により、マレイミド化合物が動きやすいため、固体の
ポリマーを反応させる場合に比べて、短時間、少ない光
照射量で反応させることができ、また、液晶配向膜とし
て使用できる異方性有機薄膜が得られやすいという利点
もある。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の有機薄膜および有機薄膜
の製造方法を構成するマレイミド化合物は、複数のマレ
イミド基を有することが必要である。化合物内に複数の
マレイミド基を有することにより、反応後の生成物がポ
リマー等の連鎖状構造を生成し、熱的、化学的に安定な
薄膜を形成すると共に、基体(基板)への密着性のよい
有機薄膜となるからである。また、1分子内に3つ以上
のマレイミド基を有する場合には、反応後に網目構造を
形成することになり、さらに安定な有機薄膜が得られ
る。
の製造方法を構成するマレイミド化合物は、複数のマレ
イミド基を有することが必要である。化合物内に複数の
マレイミド基を有することにより、反応後の生成物がポ
リマー等の連鎖状構造を生成し、熱的、化学的に安定な
薄膜を形成すると共に、基体(基板)への密着性のよい
有機薄膜となるからである。また、1分子内に3つ以上
のマレイミド基を有する場合には、反応後に網目構造を
形成することになり、さらに安定な有機薄膜が得られ
る。
【0030】複数のマレイミド基を有するマレイミド化
合物には、アルキレン鎖とマレイミド基のみから構成さ
れるマレイミド化合物も含まれる。しかし、熱的、化学
的に安定な有機薄膜を得るためには、屈曲性を有するア
ルキレン鎖のみからなるマレイミド化合物よりも、剛直
な構造を有するマレイミド化合物が望ましい。このよう
な化合物として芳香族環を有する(化学構造の一部に含
む)マレイミド化合物が望ましく、特に屈曲性を有する
アルキレン鎖を含まない芳香族環を有するマレイミド化
合物が望ましい。
合物には、アルキレン鎖とマレイミド基のみから構成さ
れるマレイミド化合物も含まれる。しかし、熱的、化学
的に安定な有機薄膜を得るためには、屈曲性を有するア
ルキレン鎖のみからなるマレイミド化合物よりも、剛直
な構造を有するマレイミド化合物が望ましい。このよう
な化合物として芳香族環を有する(化学構造の一部に含
む)マレイミド化合物が望ましく、特に屈曲性を有する
アルキレン鎖を含まない芳香族環を有するマレイミド化
合物が望ましい。
【0031】また、光を照射してマレイミド化合物を反
応させる場合には、可視光または可視光に近い長波長領
域の光を吸収する特性に優れる化合物が望ましいが、こ
の点においても、マレイミド化合物が芳香族環を有して
いることが望ましく、マレイミド基と芳香族環が直結
し、共鳴構造を形成しているものが特に望ましい。
応させる場合には、可視光または可視光に近い長波長領
域の光を吸収する特性に優れる化合物が望ましいが、こ
の点においても、マレイミド化合物が芳香族環を有して
いることが望ましく、マレイミド基と芳香族環が直結
し、共鳴構造を形成しているものが特に望ましい。
【0032】このような芳香族環を含むマレイミド化合
物として、前記式1で表される構造のマレイミド化合物
を挙げることができる。
物として、前記式1で表される構造のマレイミド化合物
を挙げることができる。
【0033】前記式2、3、4及び5に於いて、R1、
R2、R3で表される置換基を適切に選ぶことにより、マ
レイミド化合物の溶解性等を改善する効果が得られ、ま
た、液晶配向膜においては、プレティルト角の付与や垂
直配向特性の付与が可能である。
R2、R3で表される置換基を適切に選ぶことにより、マ
レイミド化合物の溶解性等を改善する効果が得られ、ま
た、液晶配向膜においては、プレティルト角の付与や垂
直配向特性の付与が可能である。
【0034】特に異方的な光を照射してマレイミド化合
物を反応させ、異方性を有する有機薄膜を製造する場合
においては、マレイミド化合物が光の吸収特性に優れる
ことのほか、光吸収の異方性を有することが望ましい。
このような構造として、マレイミド化合物が直線状の構
造を有することや、分子全体に共鳴構造を有しているこ
とが望ましく、p-フェニレン、ビフェニレン、ターフェ
ニレン、ナフタレン構造、アントラセン構造等を含んだ
ビスマレイミド化合物望ましい。このような例として、
N,N′-p-フェニレンビスマレイミドを挙げることができ
る。また、液晶を配向させるという配向膜の性質から、
ビスマレイミドの中央部が液晶分子に近い構造を有して
いるものも望ましい。
物を反応させ、異方性を有する有機薄膜を製造する場合
においては、マレイミド化合物が光の吸収特性に優れる
ことのほか、光吸収の異方性を有することが望ましい。
このような構造として、マレイミド化合物が直線状の構
造を有することや、分子全体に共鳴構造を有しているこ
とが望ましく、p-フェニレン、ビフェニレン、ターフェ
ニレン、ナフタレン構造、アントラセン構造等を含んだ
ビスマレイミド化合物望ましい。このような例として、
N,N′-p-フェニレンビスマレイミドを挙げることができ
る。また、液晶を配向させるという配向膜の性質から、
ビスマレイミドの中央部が液晶分子に近い構造を有して
いるものも望ましい。
【0035】尚、本発明にいうビスマレイミド化合物と
は、マレイミド基を2個含む化合物を言い、ジマレイミ
ド化合物と同義語である。
は、マレイミド基を2個含む化合物を言い、ジマレイミ
ド化合物と同義語である。
【0036】本発明の有機薄膜等における「マレイミド
化合物を構成成分とする」とは、マレイミド化合物を含
むことをいい、原則としてマレイミド化合物が有機薄膜
内に、反応した状態で存在することをいうが、これに限
定されるわけではなく、未反応状態で存在しているマレ
イミド化合物が存在していてもよい。また、「マレイミ
ド化合物を構成成分とする」とは、マレイミド化合物の
みからなることをいうものではないが、マレイミド化合
物が有機薄膜中に少量あるいは微量に存在していること
をいうものではなく、主要成分または主要成分のひとつ
として存在することをいう。例えば、有機薄膜中に所定
のマレイミド化合物が、30%以上、あるいは50%以
上、あるいは70%以上、あるいは90%以上含まれて
いるような場合である。
化合物を構成成分とする」とは、マレイミド化合物を含
むことをいい、原則としてマレイミド化合物が有機薄膜
内に、反応した状態で存在することをいうが、これに限
定されるわけではなく、未反応状態で存在しているマレ
イミド化合物が存在していてもよい。また、「マレイミ
ド化合物を構成成分とする」とは、マレイミド化合物の
みからなることをいうものではないが、マレイミド化合
物が有機薄膜中に少量あるいは微量に存在していること
をいうものではなく、主要成分または主要成分のひとつ
として存在することをいう。例えば、有機薄膜中に所定
のマレイミド化合物が、30%以上、あるいは50%以
上、あるいは70%以上、あるいは90%以上含まれて
いるような場合である。
【0037】一方、本発明の硬化性組成物にいう「含有
する」とは、「構成成分とする」とは異なり、未反応の
化合物として存在することをいう。また、本発明の硬化
性組成物にいう「マレイミド化合物を含有する」とは、
マレイミド化合物が有機薄膜中に少量あるいは微量に存
在していることをいうものではなく、主要成分または主
要成分のひとつとして存在することをいう。例えば、硬
化組成物中に所定のマレイミド化合物が、30%以上、
あるいは50%以上、あるいは70%以上、あるいは9
0%以上含まれているような場合である。また、硬化性
組成物には、開始剤、反応助剤、着色剤、界面活性剤等
のほか、マレイミド基と反応する不飽和結合等を有する
化合物を加えることもできる。このような化合物とし
て、ビニル基、(メタ)アクリレート基、エポキシ基、
エステル基、活性水素基を有する化合物を挙げることが
できる。
する」とは、「構成成分とする」とは異なり、未反応の
化合物として存在することをいう。また、本発明の硬化
性組成物にいう「マレイミド化合物を含有する」とは、
マレイミド化合物が有機薄膜中に少量あるいは微量に存
在していることをいうものではなく、主要成分または主
要成分のひとつとして存在することをいう。例えば、硬
化組成物中に所定のマレイミド化合物が、30%以上、
あるいは50%以上、あるいは70%以上、あるいは9
0%以上含まれているような場合である。また、硬化性
組成物には、開始剤、反応助剤、着色剤、界面活性剤等
のほか、マレイミド基と反応する不飽和結合等を有する
化合物を加えることもできる。このような化合物とし
て、ビニル基、(メタ)アクリレート基、エポキシ基、
エステル基、活性水素基を有する化合物を挙げることが
できる。
【0038】本発明にいう「有機薄膜」とは、有機物質
を主要な構成成分とする薄膜をいうが、無機物質等の含
有を除外する意図ではなく、主要成分とならない範囲で
無機物質等を含んでいてもよい。また、有機物質の含有
量が50%以下であっても、多量の無機フィラーを含む
薄膜のように、薄膜の形成に寄与している物質が有機物
質である場合は、本発明にいう「有機薄膜」に含まれ
る。
を主要な構成成分とする薄膜をいうが、無機物質等の含
有を除外する意図ではなく、主要成分とならない範囲で
無機物質等を含んでいてもよい。また、有機物質の含有
量が50%以下であっても、多量の無機フィラーを含む
薄膜のように、薄膜の形成に寄与している物質が有機物
質である場合は、本発明にいう「有機薄膜」に含まれ
る。
【0039】本発明にいう「薄膜」とは、分子オーダー
のnmオーダーから目視可能なmmオーダーの厚さを含
む膜をいうが、縦横の広がりに対して厚みが十分に薄い
場合には、厚みがcmオーダーであっても本発明の薄膜
に該当する。
のnmオーダーから目視可能なmmオーダーの厚さを含
む膜をいうが、縦横の広がりに対して厚みが十分に薄い
場合には、厚みがcmオーダーであっても本発明の薄膜
に該当する。
【0040】本発明の有機薄膜が「異方性を有する」と
は、等方性状態から対称性が低下した状態をいい、本発
明にいう異方性は面内異方性の他、面外の異方性を含
む。異方性の例としては、光学的な異方性、物理的な異
方性、電気的な異方性を挙げることができる。光学的な
異方性とは、複屈折等、光学特性に異方性があることを
いい、有機薄膜についてこれらの光学特性を測定するこ
とにより検出することができる。物理的な異方性として
は、薄膜の強度、弾性率の異方性等を挙げることがで
き、電気的な異方性としては、誘電率、電気抵抗の異方
性を挙げることができる。また、有機薄膜が全芳香族の
ような構造であれば、導電性を有することも期待され、
導電率の異方性を考えることもできる。
は、等方性状態から対称性が低下した状態をいい、本発
明にいう異方性は面内異方性の他、面外の異方性を含
む。異方性の例としては、光学的な異方性、物理的な異
方性、電気的な異方性を挙げることができる。光学的な
異方性とは、複屈折等、光学特性に異方性があることを
いい、有機薄膜についてこれらの光学特性を測定するこ
とにより検出することができる。物理的な異方性として
は、薄膜の強度、弾性率の異方性等を挙げることがで
き、電気的な異方性としては、誘電率、電気抵抗の異方
性を挙げることができる。また、有機薄膜が全芳香族の
ような構造であれば、導電性を有することも期待され、
導電率の異方性を考えることもできる。
【0041】また、有機薄膜の異方性は、液晶配向膜の
ように、他の物質を接触させたときに発生する異方性か
ら検出することもできる。有機薄膜が有するこのような
異方性が大きい場合には、本発明の有機薄膜は良好な液
晶配向膜として機能する。
ように、他の物質を接触させたときに発生する異方性か
ら検出することもできる。有機薄膜が有するこのような
異方性が大きい場合には、本発明の有機薄膜は良好な液
晶配向膜として機能する。
【0042】また、本発明の有機薄膜の異方性は面内に
限定されるものではなく、異方性の軸が面内から傾いて
いてもよい。液晶配向膜におけるこのような面外成分を
有する異方性は、プレティルト角の発生を意味し、異方
性が面内に垂直であれば垂直配向膜を、垂直から少しず
れている場合は、傾斜垂直配向の配向膜として使用する
ことができる。
限定されるものではなく、異方性の軸が面内から傾いて
いてもよい。液晶配向膜におけるこのような面外成分を
有する異方性は、プレティルト角の発生を意味し、異方
性が面内に垂直であれば垂直配向膜を、垂直から少しず
れている場合は、傾斜垂直配向の配向膜として使用する
ことができる。
【0043】本発明にいう「マレイミド化合物を含む組
成物」とは、所定のマレイミド化合物を含み、それ以外
の化合物をも含むものをいい、たとえば所定のマレイミ
ド化合物が、20%以上、あるいは50%以上含まれて
いるような場合をあげることができるが、本発明の効果
が得られる限りにおいて、その組成比は限定されるもの
ではない。
成物」とは、所定のマレイミド化合物を含み、それ以外
の化合物をも含むものをいい、たとえば所定のマレイミ
ド化合物が、20%以上、あるいは50%以上含まれて
いるような場合をあげることができるが、本発明の効果
が得られる限りにおいて、その組成比は限定されるもの
ではない。
【0044】本発明のマレイミド化合物は単独で使用す
ることもできるし、二種類以上を混合して使用すること
もできる。また、組成物には、開始剤、反応助剤、着色
剤、界面活性剤等のほか、マレイミド基と反応する不飽
和結合等を有する化合物を加えることもできる。このよ
うな化合物として、ビニル基、(メタ)アクリレート
基、エポキシ基、エステル基、活性水素基を有する化合
物を挙げることができる。
ることもできるし、二種類以上を混合して使用すること
もできる。また、組成物には、開始剤、反応助剤、着色
剤、界面活性剤等のほか、マレイミド基と反応する不飽
和結合等を有する化合物を加えることもできる。このよ
うな化合物として、ビニル基、(メタ)アクリレート
基、エポキシ基、エステル基、活性水素基を有する化合
物を挙げることができる。
【0045】また、マレイミド化合物が固体であり、基
体(基板)への塗布が難しい場合には、少量の高分子化
合物を混合することも望ましい。
体(基板)への塗布が難しい場合には、少量の高分子化
合物を混合することも望ましい。
【0046】マレイミド化合物はそれ自体が光吸収性を
有し、光反応開始剤の働きを兼ねるものであるが、反応
促進等の目的から、光重合開始剤を添加することもでき
る。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾ
イン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系等があ
り、例えば、カンファーキノン、、5,7−ヨード−3−ブ
トキシ−6−フルオレン、ジエトキシアセトフェノン、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、4−フェニルベンゾフェノン、2−クロロチオキ
サンソン、2−メチルチオキサンソン等、およびこれら
の化合物の誘導体がある。
有し、光反応開始剤の働きを兼ねるものであるが、反応
促進等の目的から、光重合開始剤を添加することもでき
る。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾ
イン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系等があ
り、例えば、カンファーキノン、、5,7−ヨード−3−ブ
トキシ−6−フルオレン、ジエトキシアセトフェノン、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、4−フェニルベンゾフェノン、2−クロロチオキ
サンソン、2−メチルチオキサンソン等、およびこれら
の化合物の誘導体がある。
【0047】また、必要の応じてメチルジエタノールア
ミン、4-ジメチルアミノ安息香酸、光増感色素等の光開
始助剤を添加することもでき、これにより広範囲の波長
の光を反応に使用することができる。
ミン、4-ジメチルアミノ安息香酸、光増感色素等の光開
始助剤を添加することもでき、これにより広範囲の波長
の光を反応に使用することができる。
【0048】本発明で使用する「光」は、マレイミド化
合物に反応を生じさせるために使用される電磁波をい
い、化学反応に通常使用される紫外光のほか、可視光
や、反応を引き起こすものであればX線や赤外線も含
む。また、光と同様、反応を引き起こす電子線も使用す
ることができる。
合物に反応を生じさせるために使用される電磁波をい
い、化学反応に通常使用される紫外光のほか、可視光
や、反応を引き起こすものであればX線や赤外線も含
む。また、光と同様、反応を引き起こす電子線も使用す
ることができる。
【0049】照射光の波長は、マレイミド化合物の吸収
がある領域(開始剤を添加した系においては、マレイミ
ド化合物または開始剤の吸収がある領域)のものが望ま
しく、一般に紫外光が望ましい。このような光を発生す
る光源として、超高圧、高圧、低圧等の水銀ランプ、キ
セノンランプ、波長範囲の狭いエキシマランプ等のUV
ランプ、KrF、ArF等の紫外光レーザ光源、可視光
または赤外レーザ光線を非線形素子等を用いて高調波に
変換し、紫外光としたもの等を用いることができる。
がある領域(開始剤を添加した系においては、マレイミ
ド化合物または開始剤の吸収がある領域)のものが望ま
しく、一般に紫外光が望ましい。このような光を発生す
る光源として、超高圧、高圧、低圧等の水銀ランプ、キ
セノンランプ、波長範囲の狭いエキシマランプ等のUV
ランプ、KrF、ArF等の紫外光レーザ光源、可視光
または赤外レーザ光線を非線形素子等を用いて高調波に
変換し、紫外光としたもの等を用いることができる。
【0050】本発明は、光の干渉性を利用してミクロな
不均一構造を作製するわけではないため、光がレーザー
のような干渉性を有するものである必要は特に無く、通
常使用される安価な光源が利用でき、また、複数の光の
同時照射の必要性も無い。しかし、レーザーのような干
渉性を有する光を同時照射した場合には、凹凸溝等を同
時に作製すること等もでき、干渉性を有する光の使用を
特に除外するものでもない。
不均一構造を作製するわけではないため、光がレーザー
のような干渉性を有するものである必要は特に無く、通
常使用される安価な光源が利用でき、また、複数の光の
同時照射の必要性も無い。しかし、レーザーのような干
渉性を有する光を同時照射した場合には、凹凸溝等を同
時に作製すること等もでき、干渉性を有する光の使用を
特に除外するものでもない。
【0051】本発明で使用する「異方的な光」は、有機
薄膜に異方性を持たせるために使用される。すなわち、
異方的な光を照射することによって、有機薄膜に光学的
異方性、配向異方性等の異方的を付与する。このような
異方的な光として偏光を挙げることができる。偏光に
は、直線偏光のほか部分偏光も含まれる。また、自然光
等の非偏光であっても、斜め方向(基板法線方向以外の
方向)から照射することによって、偏光面とその垂直方
向の照射強度が異なることになり、結果的に部分偏光を
照射した場合と同様の効果を有することになり、このよ
うな非偏光の斜め照射も本発明の「異方的な光」に含ま
れるものである。もちろん、直線偏光、部分偏光を斜め
方向から照射する場合も、本発明の「異方的な光」に含
まれる。
薄膜に異方性を持たせるために使用される。すなわち、
異方的な光を照射することによって、有機薄膜に光学的
異方性、配向異方性等の異方的を付与する。このような
異方的な光として偏光を挙げることができる。偏光に
は、直線偏光のほか部分偏光も含まれる。また、自然光
等の非偏光であっても、斜め方向(基板法線方向以外の
方向)から照射することによって、偏光面とその垂直方
向の照射強度が異なることになり、結果的に部分偏光を
照射した場合と同様の効果を有することになり、このよ
うな非偏光の斜め照射も本発明の「異方的な光」に含ま
れるものである。もちろん、直線偏光、部分偏光を斜め
方向から照射する場合も、本発明の「異方的な光」に含
まれる。
【0052】本発明の有機薄膜を液晶配向膜として使用
する場合は、異方的な光の照射により高い配向能を付与
することができ、斜め方向からの光の照射により、プレ
ティルト角を付与することができる。このような斜め方
向からの光の照射、2回以上の照射等であってもよく、
また、フォトマスク等の光遮蔽膜を使用し、任意のパタ
ーンを形成することもできる。このうように斜め方向か
らの照射や、2回照射で生成するようなプレティルト角
は液晶表示装置には重要である。
する場合は、異方的な光の照射により高い配向能を付与
することができ、斜め方向からの光の照射により、プレ
ティルト角を付与することができる。このような斜め方
向からの光の照射、2回以上の照射等であってもよく、
また、フォトマスク等の光遮蔽膜を使用し、任意のパタ
ーンを形成することもできる。このうように斜め方向か
らの照射や、2回照射で生成するようなプレティルト角
は液晶表示装置には重要である。
【0053】偏光は、前記の光源からの光を、偏光フィ
ルム、偏光プリズム、積層した石英基板入射角に対して
ブルースター角で配置した積層型偏光板を透過させる、
偏光レーザー光を使用する等により得ることができる。
ルム、偏光プリズム、積層した石英基板入射角に対して
ブルースター角で配置した積層型偏光板を透過させる、
偏光レーザー光を使用する等により得ることができる。
【0054】本発明の有機薄膜の製造方法において、光
の照射によりマレイミド化合物に生じる反応として、2
つのマレイミド基の反応による環化反応等が考えられ
る。しかし、紫外光等は高エネルギーであるため、マレ
イミド基における他の反応や、ベンゼン環等他の部位に
おける反応、溶媒との反応が生じることも考えられる。
良好な特性や異方性を付与する反応であれば、本発明に
いう「反応」は、このような反応をも含み、マレイミド
基の環化反応に限定されるものではない。
の照射によりマレイミド化合物に生じる反応として、2
つのマレイミド基の反応による環化反応等が考えられ
る。しかし、紫外光等は高エネルギーであるため、マレ
イミド基における他の反応や、ベンゼン環等他の部位に
おける反応、溶媒との反応が生じることも考えられる。
良好な特性や異方性を付与する反応であれば、本発明に
いう「反応」は、このような反応をも含み、マレイミド
基の環化反応に限定されるものではない。
【0055】また、本発明の有機薄膜の製造方法におい
て、光等を照射したときに発生する活性反応種は、酸素
の存在下に失活する可能性が考えられる。従って、本発
明の有機薄膜の製造方法における光等の照射は、窒素雰
囲気下で行うことが望ましいが、化合物の反応性は膜厚
等にも依存し、反応が進行する限りにおいて、この条件
に限定されるものではない。
て、光等を照射したときに発生する活性反応種は、酸素
の存在下に失活する可能性が考えられる。従って、本発
明の有機薄膜の製造方法における光等の照射は、窒素雰
囲気下で行うことが望ましいが、化合物の反応性は膜厚
等にも依存し、反応が進行する限りにおいて、この条件
に限定されるものではない。
【0056】本発明の有機薄膜の製造方法における「基
体」とは、マレイミド化合物やその溶液等が塗布される
ものをいい、例えばガラス基板、ブラスチック基板等を
いう。しかし、マレイミド化合物等を塗布されるものが
板状ではなく、立体形状を有する場合もあるため、「基
体」なる用語を使用した。
体」とは、マレイミド化合物やその溶液等が塗布される
ものをいい、例えばガラス基板、ブラスチック基板等を
いう。しかし、マレイミド化合物等を塗布されるものが
板状ではなく、立体形状を有する場合もあるため、「基
体」なる用語を使用した。
【0057】本発明の有機薄膜および有機薄膜の製造方
法で使用されるマレイミド化合物が液体である場合に
は、基体(基板)に直接塗布することができ、さらに光
を照射して反応させ、安定な有機薄膜とすることができ
る。
法で使用されるマレイミド化合物が液体である場合に
は、基体(基板)に直接塗布することができ、さらに光
を照射して反応させ、安定な有機薄膜とすることができ
る。
【0058】しかし、マレイミド化合物が芳香族環を含
む化合物等である場合には、常温で固体であるものが多
く、薄膜を形成するためには、適当な溶媒に溶解し、溶
液とした後に基体に塗布等する必要がある。
む化合物等である場合には、常温で固体であるものが多
く、薄膜を形成するためには、適当な溶媒に溶解し、溶
液とした後に基体に塗布等する必要がある。
【0059】マレイミド化合物に対する溶解性のいい溶
媒としては、NMP、γ−ブチロラクトン、DMF、D
MSO等を挙げることができる。また、基体上への薄膜
作製においては基体に対する濡れ性のいい溶媒が望まし
く、このような溶媒としてトルエン、キシレン等の溶媒
を用いること、また、これらの溶媒を加えた混合溶媒を
使用することができる。また、塗布特性を改善するため
に、カップリング剤等の表面処理剤であらかじめ基体
(基板)の表面を処理することも可能である。
媒としては、NMP、γ−ブチロラクトン、DMF、D
MSO等を挙げることができる。また、基体上への薄膜
作製においては基体に対する濡れ性のいい溶媒が望まし
く、このような溶媒としてトルエン、キシレン等の溶媒
を用いること、また、これらの溶媒を加えた混合溶媒を
使用することができる。また、塗布特性を改善するため
に、カップリング剤等の表面処理剤であらかじめ基体
(基板)の表面を処理することも可能である。
【0060】マレイミド化合物を溶液として塗布する場
合の濃度は、その溶媒への溶解度を考慮して適当に決め
ることができる。溶解度が低い場合には、1%以下の濃
度でもよいし、溶解度が大きい場合には、50%以上の
濃度とすることもできる。
合の濃度は、その溶媒への溶解度を考慮して適当に決め
ることができる。溶解度が低い場合には、1%以下の濃
度でもよいし、溶解度が大きい場合には、50%以上の
濃度とすることもできる。
【0061】基板へのマレイミド化合物またはマレイミ
ド化合物溶液の塗布は、スピンコート法のほか、印刷法
等を使用することができる。
ド化合物溶液の塗布は、スピンコート法のほか、印刷法
等を使用することができる。
【0062】ビスマレイミド化合物が固体であり、溶液
として基体(基板)に塗布した場合においては、溶媒が
なくなるとビスマレイミド化合物の固体が析出し、基体
上に均一良好な有機薄膜を形成することが困難となる。
したがって、ビスマレイミド化合物が固体である場合に
は、塗布時の溶媒が残存する状態下で光を照射し、ビス
マレイミド化合物を反応させることが望ましい。したが
って、このような「溶媒が残存する状態」とは、ビスマ
レイミド化合物が固体として析出しない程度に溶媒が残
存することをいい、液体としての存在が確認できること
は要しない。また、溶媒が残存するという観点からは、
溶媒の沸点が100℃以上、望ましくは150℃以上あ
るものが望ましい。室温では揮発しにくく、ガラス基板
等に対する濡れ性が優れるという点からはキシレン、ト
ルエン等の溶媒も望ましい。なお、液晶配向膜等の有機
薄膜の場合は、膜厚が数十nmから百nm程度と薄いた
め、沸点が150℃程度の溶媒であっても、加熱前処理
工程を不用とすることができる。従って、従来のポリイ
ミド配向膜において必要とされた焼成工程等の、長時間
の加熱工程は必要とされない。
として基体(基板)に塗布した場合においては、溶媒が
なくなるとビスマレイミド化合物の固体が析出し、基体
上に均一良好な有機薄膜を形成することが困難となる。
したがって、ビスマレイミド化合物が固体である場合に
は、塗布時の溶媒が残存する状態下で光を照射し、ビス
マレイミド化合物を反応させることが望ましい。したが
って、このような「溶媒が残存する状態」とは、ビスマ
レイミド化合物が固体として析出しない程度に溶媒が残
存することをいい、液体としての存在が確認できること
は要しない。また、溶媒が残存するという観点からは、
溶媒の沸点が100℃以上、望ましくは150℃以上あ
るものが望ましい。室温では揮発しにくく、ガラス基板
等に対する濡れ性が優れるという点からはキシレン、ト
ルエン等の溶媒も望ましい。なお、液晶配向膜等の有機
薄膜の場合は、膜厚が数十nmから百nm程度と薄いた
め、沸点が150℃程度の溶媒であっても、加熱前処理
工程を不用とすることができる。従って、従来のポリイ
ミド配向膜において必要とされた焼成工程等の、長時間
の加熱工程は必要とされない。
【0063】また、溶媒の揮発によるマレイミド化合物
の析出の問題等を避けるために、基板を加熱しながら光
を照射する、光によりマレイミド化合物を加熱しながら
同時に反応する等の方法をとることができる。
の析出の問題等を避けるために、基板を加熱しながら光
を照射する、光によりマレイミド化合物を加熱しながら
同時に反応する等の方法をとることができる。
【0064】本発明の有機薄膜を液晶配向膜として使用
した液晶表示装置の1例を図1に示す。図1は、ツイス
テッド、ネマティック(TN)型の液晶表示装置である
が、本発明はTN型に限られるものではなく、STN
型、横電界型(IPS)、強誘電液晶等いずれにも用い
ることができる。
した液晶表示装置の1例を図1に示す。図1は、ツイス
テッド、ネマティック(TN)型の液晶表示装置である
が、本発明はTN型に限られるものではなく、STN
型、横電界型(IPS)、強誘電液晶等いずれにも用い
ることができる。
【0065】本発明の液晶表示装置では、例えば電極2
2、32、本発明の配向膜21、31を付加した上下の
基板23、33間に、液晶材料11が挟持されている。
TN型では、液晶材料11は、配向膜21、31によ
り、90゜に近いねじれを有するよう処理されている。
2、32、本発明の配向膜21、31を付加した上下の
基板23、33間に、液晶材料11が挟持されている。
TN型では、液晶材料11は、配向膜21、31によ
り、90゜に近いねじれを有するよう処理されている。
【0066】本発明の液晶表示装置は、各画素が単一領
域からなっているものであってもよいが、各画素が配向
方向の異なる複数の領域に分割された画素分割型のもの
であってもよい。このような画素分割型のものとして、
2分割、4分割等が挙げられる。
域からなっているものであってもよいが、各画素が配向
方向の異なる複数の領域に分割された画素分割型のもの
であってもよい。このような画素分割型のものとして、
2分割、4分割等が挙げられる。
【0067】本発明の液晶表示装置の液晶層は、カイラ
ル剤等を含む液晶材料のみからなるものであってもよい
が、ポリマー固体やポリマーネットワーク等を含むもの
であってもよい。
ル剤等を含む液晶材料のみからなるものであってもよい
が、ポリマー固体やポリマーネットワーク等を含むもの
であってもよい。
【0068】本発明の液晶表示装置において両側の電極
に電圧を印加する方法としては、一定の電圧を印加する
スタティック駆動でもよいし、変化する電圧を印加する
ダイナミック駆動でもよい。また、ダイナミック駆動
は、単純マトリックスのものであってもよいし、TF
T、MIM等のアクティブマトリックスのものであって
もよい。
に電圧を印加する方法としては、一定の電圧を印加する
スタティック駆動でもよいし、変化する電圧を印加する
ダイナミック駆動でもよい。また、ダイナミック駆動
は、単純マトリックスのものであってもよいし、TF
T、MIM等のアクティブマトリックスのものであって
もよい。
【0069】また、ここまで透過型の液晶表示装置に基
づいて説明したが、本発明の液晶表示装置は透過型に限
定されるものではなく、反射型等であってもよい。この
場合には、一方の基板は透明である必要はなく、基板が
不透明である場合、基板が鏡面その他の反射面である場
合、基板が電極を兼ねている場合等も、本発明の液晶表
示装置に含まれる。
づいて説明したが、本発明の液晶表示装置は透過型に限
定されるものではなく、反射型等であってもよい。この
場合には、一方の基板は透明である必要はなく、基板が
不透明である場合、基板が鏡面その他の反射面である場
合、基板が電極を兼ねている場合等も、本発明の液晶表
示装置に含まれる。
【0070】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。
【0071】(実施例1)N,N′-p-フェニレンビスマレ
イミドをNMP(N-メチル-2-ピロリドン)とp-キシレ
ンの1/1混合溶液(重量比)に溶解し、濃度 0.8
wt%の溶液を得た。この溶液をITO(インジウム錫
酸化物)透明電極を有する25mm×35mm基板(接
着改良剤 AP-400(東レ)を事前に塗布、焼成した)に
スピンコート法で塗布した(回転数2000rpm)。
溶液を塗布した基板を加熱処理することなく、窒素雰囲
気下、偏光UV光を垂直方向から照射した。偏光UV光
は、UV光源(ウシオ SPOTCURE VIS 2
5100)からのUV光をグランテーラプリズムを通し
て得た。UV照射強度は2.6mW/cm2であった。UV照射
量は、0.1〜2.0J/cm2の範囲で変化させた。なお、UV
光の照射の開始時には、まだ溶媒が残っていた。
イミドをNMP(N-メチル-2-ピロリドン)とp-キシレ
ンの1/1混合溶液(重量比)に溶解し、濃度 0.8
wt%の溶液を得た。この溶液をITO(インジウム錫
酸化物)透明電極を有する25mm×35mm基板(接
着改良剤 AP-400(東レ)を事前に塗布、焼成した)に
スピンコート法で塗布した(回転数2000rpm)。
溶液を塗布した基板を加熱処理することなく、窒素雰囲
気下、偏光UV光を垂直方向から照射した。偏光UV光
は、UV光源(ウシオ SPOTCURE VIS 2
5100)からのUV光をグランテーラプリズムを通し
て得た。UV照射強度は2.6mW/cm2であった。UV照射
量は、0.1〜2.0J/cm2の範囲で変化させた。なお、UV
光の照射の開始時には、まだ溶媒が残っていた。
【0072】UV照射後の基板を観察すると、基板上に
均一な薄膜が生成されていた。薄膜(照射量 1.0J/cm
2)にNMPを滴下しても、薄膜は溶解しなかった。ま
た、この有機薄膜のついた基板について光学特性を測定
するとリターデーションが検出され、光学的な異方性を
有するのが認められた。
均一な薄膜が生成されていた。薄膜(照射量 1.0J/cm
2)にNMPを滴下しても、薄膜は溶解しなかった。ま
た、この有機薄膜のついた基板について光学特性を測定
するとリターデーションが検出され、光学的な異方性を
有するのが認められた。
【0073】上記方法により有機薄膜を付けた基板2枚
を、両基板の照射偏光の偏光方向が平行になるように加
圧しながら熱硬化性接着剤で張り合わせた。セルギャッ
プは、5.0μmのラテックス球を用いて調節した。
を、両基板の照射偏光の偏光方向が平行になるように加
圧しながら熱硬化性接着剤で張り合わせた。セルギャッ
プは、5.0μmのラテックス球を用いて調節した。
【0074】作製した空セルを大気下ホットプレートで
90℃に加熱しながら液晶材料(ZLI 4792:メル
ク社製)を注入した。この温度で液晶材料は等方相を示
す。
90℃に加熱しながら液晶材料(ZLI 4792:メル
ク社製)を注入した。この温度で液晶材料は等方相を示
す。
【0075】注入完了後、偏光顕微鏡クロスニコル下で
観察すると、セルの回転角90゜ごとに明暗が生じ、照
射UV光の偏光面が偏光子、または検光子の偏光面と一
致する場合に暗視野となり、液晶が一方向に配向してい
るのが、確認できた。光量計により明暗状態の光量比を
測定し、平行ニコルにおける光量に対する消光位光量
(消光位/平行ニコル)を「消光位透過率」として、配
向均一性の指標とした。UV照射量と消光位透過率の関
係を図2に示す。
観察すると、セルの回転角90゜ごとに明暗が生じ、照
射UV光の偏光面が偏光子、または検光子の偏光面と一
致する場合に暗視野となり、液晶が一方向に配向してい
るのが、確認できた。光量計により明暗状態の光量比を
測定し、平行ニコルにおける光量に対する消光位光量
(消光位/平行ニコル)を「消光位透過率」として、配
向均一性の指標とした。UV照射量と消光位透過率の関
係を図2に示す。
【0076】UV照射量の増加に伴って消光位透過率が
減少(配向均一性が向上)し、0.5J/cm2で飽和し、良好
な配向が得られている。この結果は、偏光顕微鏡による
観察結果と一致した。
減少(配向均一性が向上)し、0.5J/cm2で飽和し、良好
な配向が得られている。この結果は、偏光顕微鏡による
観察結果と一致した。
【0077】(実施例2)両基板の照射偏光の偏光方向
が直交するように張り合わせたこと、液晶材料として、
カイラル剤(S1011:メルク社製)を微量添加した
ZLI 4792:を用いた以外は、実施例1(UV照
射量 1.0J/cm2)と同様に液晶セルを作製した
(TNセル)。偏光顕微鏡クロスニコル下で観察する
と、液晶の配向状態はほぼ均一であり、視野は明るく、
セルの回転による明暗差はわずかであった。セルに電圧
を印加すると、1.8V(1kHz矩形波)印加時よ
り、視野が暗くなり始め、4.0Vで暗状態になった
(ただし、液晶分子の立ち上がり方向が異なる領域が混
在し、その境界部でディスクリネーションの発生が認め
られた)。
が直交するように張り合わせたこと、液晶材料として、
カイラル剤(S1011:メルク社製)を微量添加した
ZLI 4792:を用いた以外は、実施例1(UV照
射量 1.0J/cm2)と同様に液晶セルを作製した
(TNセル)。偏光顕微鏡クロスニコル下で観察する
と、液晶の配向状態はほぼ均一であり、視野は明るく、
セルの回転による明暗差はわずかであった。セルに電圧
を印加すると、1.8V(1kHz矩形波)印加時よ
り、視野が暗くなり始め、4.0Vで暗状態になった
(ただし、液晶分子の立ち上がり方向が異なる領域が混
在し、その境界部でディスクリネーションの発生が認め
られた)。
【0078】(実施例3)偏光UVの照射を垂直方向か
ら1.0J/cm2照射し、その後45゜方向からp偏光
を0.2J/cm2を照射した以外は、実施例2と同様
にTNセルを作製した。偏光顕微鏡クロスニコル下で観
察すると、液晶の配向状態はほぼ均一であり、視野は明
るく、セルの回転による明暗差はわずかであった。セル
に電圧を印加すると、1.7V(1kHz矩形波)印加
時より、視野が暗くなり始め、4.0Vで完全な暗状態
になった。実施例2とは異なり、電圧印加時において全
領域の液晶分子は同一方向から立ち上がり、ディスクリ
ネーションの発生は認められなかった。
ら1.0J/cm2照射し、その後45゜方向からp偏光
を0.2J/cm2を照射した以外は、実施例2と同様
にTNセルを作製した。偏光顕微鏡クロスニコル下で観
察すると、液晶の配向状態はほぼ均一であり、視野は明
るく、セルの回転による明暗差はわずかであった。セル
に電圧を印加すると、1.7V(1kHz矩形波)印加
時より、視野が暗くなり始め、4.0Vで完全な暗状態
になった。実施例2とは異なり、電圧印加時において全
領域の液晶分子は同一方向から立ち上がり、ディスクリ
ネーションの発生は認められなかった。
【0079】(実施例4)N,N′-p-フェニレンビスマレ
イミドの代わりに、下記構造式の3種のビスマレイミド
化合物(ケイ・アイ化成(株)製)をそれぞれ用いた以
外は、実施例1(UV照射量 2.0J/cm2)と同
様に基板上に薄膜を作製し、さらに液晶セルを作製、評
価した。
イミドの代わりに、下記構造式の3種のビスマレイミド
化合物(ケイ・アイ化成(株)製)をそれぞれ用いた以
外は、実施例1(UV照射量 2.0J/cm2)と同
様に基板上に薄膜を作製し、さらに液晶セルを作製、評
価した。
【0080】
【化11】
【0081】
【化12】
【0082】
【化13】 いずれのビスマレイミド化合物においてもUV照射後に
はNMPに不溶な均一な薄膜が得られていた。液晶セル
偏光顕微鏡で観察すると、液晶材料が配向しているのが
確認できた。
はNMPに不溶な均一な薄膜が得られていた。液晶セル
偏光顕微鏡で観察すると、液晶材料が配向しているのが
確認できた。
【0083】(実施例5)N,N′-p-フェニレンビスマレ
イミドの代わりに、N,N′-m-フェニレンビスマレイミド
およびN,N′-o-フェニレンビスマレイミドをそれぞれ用
い、UV光として非偏光を用いた以外は、実施例1と同
様に基板上に薄膜を作製した。
イミドの代わりに、N,N′-m-フェニレンビスマレイミド
およびN,N′-o-フェニレンビスマレイミドをそれぞれ用
い、UV光として非偏光を用いた以外は、実施例1と同
様に基板上に薄膜を作製した。
【0084】UV照射後に、NMPに不溶な均一な薄膜
が得られた。
が得られた。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により高
温、長時間の加熱前処理工程等が不用であり、生産性に
優れるとともに耐熱性、化学的安定性に優れる有機薄膜
および少ない光照射量で良好な液晶配向能を有する液晶
配向膜が得られる。この効果は、芳香族環および複数の
マレイミド基を有するマレイミド化合物等に(異方的
な)光等を照射し、有機薄膜とすることにより達成され
る。
温、長時間の加熱前処理工程等が不用であり、生産性に
優れるとともに耐熱性、化学的安定性に優れる有機薄膜
および少ない光照射量で良好な液晶配向能を有する液晶
配向膜が得られる。この効果は、芳香族環および複数の
マレイミド基を有するマレイミド化合物等に(異方的
な)光等を照射し、有機薄膜とすることにより達成され
る。
【図1】本発明の有機薄膜を液晶配向膜として使用した
液晶表示装置の断面図である。
液晶表示装置の断面図である。
【図2】本発明の有機薄膜(液晶配向膜)のUV照射量
と配向均一性の関係を示すグラフである。
と配向均一性の関係を示すグラフである。
11 液晶分子 21、31 有機薄膜(液晶配向膜) 22、32 透明電極 23、33 ガラス基板 24、34 偏光フィルム
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 290/06 C08F 290/06 G02F 1/1337 525 G02F 1/1337 525 // C08L 35:00 C08L 35:00 (72)発明者 中田 大作 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 2H090 HB08Y HC05 MB14 4F071 AA36 AE06 AF35 AH16 BB02 BB12 BC01 BC02 4J011 CA01 CA06 CC04 CC10 QA01 QA39 QA45 SA06 SA12 SA24 SA29 SA34 SA38 SA62 SA64 SA74 UA01 UA03 VA01 WA10 4J027 AB01 AB06 AC01 AC05 AJ02 BA17 CB10 CC05 CC06 CD00 4J100 AM55P BA02P BA15P BB12P BB13P BC43P BC48P BC49P CA01 CA23 DA66 JA39
Claims (18)
- 【請求項1】 芳香族環および複数のマレイミド基を有
するマレイミド化合物を構成成分とする有機薄膜。 - 【請求項2】 複数のマレイミド基を有するマレイミド
化合物を構成成分とし、異方性を有する有機薄膜。 - 【請求項3】 芳香族環および複数のマレイミド基を有
するマレイミド化合物を含有する光硬化性組成物。 - 【請求項4】 芳香族環および複数のマレイミド基を有
するマレイミド化合物を含有する電子線硬化性組成物。 - 【請求項5】 芳香族環および複数のマレイミド基を有
するマレイミド化合物または芳香族環および複数のマレ
イミド基を有するマレイミド化合物を含む組成物に光ま
たは電子線を照射して反応させることを特徴とする有機
薄膜の製造方法。 - 【請求項6】 複数のマレイミド基を有するマレイミド
化合物または複数のマレイミド基を有するマレイミド化
合物を含む組成物に異方的な光または電子線を照射して
反応させることを特徴とする有機薄膜の製造方法。 - 【請求項7】 複数のマレイミド基を有するマレイミド
化合物または複数のマレイミド基を有するマレイミド化
合物を含む溶液を基体あるいは基板に塗布した後、溶媒
が残存する状態で光または電子線を照射して当該マレイ
ミド化合物またはマレイミド化合物を含む組成物を反応
させることを特徴とする有機薄膜の製造方法。 - 【請求項8】 複数のマレイミド基を有するマレイミド
化合物が芳香族環を有するビスマレイミド化合物である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機薄膜。 - 【請求項9】 複数のマレイミド基を有するマレイミド
化合物が芳香族環を有するビスマレイミド化合物である
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の硬化性組成
物。 - 【請求項10】 複数のマレイミド基を有するマレイミ
ド化合物が芳香族環を有するビスマレイミド化合物であ
ることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記
載の有機薄膜の製造方法。 - 【請求項11】 複数のマレイミド基を有するマレイミ
ド化合物が式1で表される化合物である請求項1又は2
に記載の有機薄膜。 【化1】 (ここで、E1、E2、E3、E4は、それぞれ水素原子ま
たはアルキル基、アリーレン基のいずれかを表し、−A
r−は式2、 【化2】 式3、 【化3】 式4、 【化4】 又は式5 【化5】 を表し、式2、3、4及び5に於いて、X、Y1、Y2は
それぞれ直接結合、−O−、−CH2−、−C(CH3)
2−、−CF2−、−C(CF3)2−、―CO−、−OC
O−、−COO−、−CH=CH−、−CF=CF−、
−C(Cn′H2 n′+1)=C(Cn′H2n′+1)−[n′
は0から20の整数]のいずれかを表し、nは0から5
の整数を表し、R1、R2、R3はそれぞれアルキル基、
芳香族基、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基(mは0
から20の整数を表し、R1、R2、R3で置換されてい
ない部位は水素原子であることを示す)のいずれかを表
す) - 【請求項12】 複数のマレイミド基を有するマレイミ
ド化合物が式1で表される化合物である請求項3又は4
に記載の硬化性組成物。 - 【請求項13】 複数のマレイミド基を有するマレイミ
ド化合物が式1で表される化合物である請求項5乃至7
のいずれか1項に記載の有機薄膜の製造方法。 - 【請求項14】 照射する光が異方的な光であることを
特徴とする請求項5、7、10及び13のいずれか1項
に記載の有機薄膜の製造方法。 - 【請求項15】 異方的な光が直線偏光、部分偏光、斜
め照射光のいずれかであることを特徴とする請求項14
に記載の有機薄膜の製造方法。 - 【請求項16】 照射する光が紫外光であることを特徴
とする請求項5、6、7、10、13、14及び15の
いずれか1項に記載の有機薄膜の製造方法。 - 【請求項17】 請求項1、2、8及び11のいずれか
1項に記載の有機薄膜を液晶配向膜として使用した液晶
表示装置。 - 【請求項18】 請求項5、6、7、10、13、1
4、15及び16のいずれか1項に記載の有機薄膜の製
造方法で製造した有機薄膜を液晶配向膜として使用した
液晶表示装置。
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