JP2001118841A - 多孔性シリカ - Google Patents
多孔性シリカInfo
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- thin film
- porous silica
- silica
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- Formation Of Insulating Films (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 機械的強度の優れた多孔性シリカ薄膜を提供
する。 【解決手段】 多孔性シリカの空孔率が高くて、空孔径
がナノメーターサイズであり、さらに構造中に特定量の
有機ポリマーまたはその変性物が残存する多孔性シリカ
薄膜。
する。 【解決手段】 多孔性シリカの空孔率が高くて、空孔径
がナノメーターサイズであり、さらに構造中に特定量の
有機ポリマーまたはその変性物が残存する多孔性シリカ
薄膜。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁薄膜用の多孔
性シリカ薄膜に関するものであって、さらに詳しくは、
低密度の多孔性シリカの細孔が均一で、密着性および機
械的強度に著しく優れた絶縁薄膜用の多孔性シリカ薄膜
およびその用途に関する。
性シリカ薄膜に関するものであって、さらに詳しくは、
低密度の多孔性シリカの細孔が均一で、密着性および機
械的強度に著しく優れた絶縁薄膜用の多孔性シリカ薄膜
およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔性のシリカは軽量、耐熱性などの優
れた特性を有するために、構造材料、触媒担体、光学材
料などに幅広く用いられている。例えば近年、多孔性の
シリカは誘電率を低くできる、という点から期待を集め
ている。LSIをはじめとする半導体素子の多層配線構
造体用の絶縁薄膜素材としては、従来緻密なシリカ膜が
一般的に用いられてきた。しかし近年、LSIの配線密
度は微細化の一途をたどっており、これに伴って基板上
の隣接する配線間の距離が狭まっている。この場合に、
絶縁体の誘電率が高いと配線間の静電容量が増大し、そ
の結果配線を通じて伝達される電気信号の遅延が顕著と
なるため、問題となっている。このような問題を解決す
るため、多層配線構造体用の絶縁膜の素材として、誘電
率のより低い物質が強く求められている。ここで、多孔
性のシリカは比誘電率が1である空気との複合体である
ため、比誘電率をシリカ自身の4.0〜4.5よりも大
幅に低下させることができ、しかも緻密なシリカ膜と同
等の加工性、耐熱性をもつために理想的な絶縁膜材料と
して注目されている。
れた特性を有するために、構造材料、触媒担体、光学材
料などに幅広く用いられている。例えば近年、多孔性の
シリカは誘電率を低くできる、という点から期待を集め
ている。LSIをはじめとする半導体素子の多層配線構
造体用の絶縁薄膜素材としては、従来緻密なシリカ膜が
一般的に用いられてきた。しかし近年、LSIの配線密
度は微細化の一途をたどっており、これに伴って基板上
の隣接する配線間の距離が狭まっている。この場合に、
絶縁体の誘電率が高いと配線間の静電容量が増大し、そ
の結果配線を通じて伝達される電気信号の遅延が顕著と
なるため、問題となっている。このような問題を解決す
るため、多層配線構造体用の絶縁膜の素材として、誘電
率のより低い物質が強く求められている。ここで、多孔
性のシリカは比誘電率が1である空気との複合体である
ため、比誘電率をシリカ自身の4.0〜4.5よりも大
幅に低下させることができ、しかも緻密なシリカ膜と同
等の加工性、耐熱性をもつために理想的な絶縁膜材料と
して注目されている。
【0003】多孔性のシリカとして代表的なものにシリ
カキセロゲルやシリカエアロゲルなどがあげられる。こ
れらの素材は、ゾル−ゲル反応により製造される。ここ
でゾル−ゲル反応とは、ゾルと呼ばれる粒子が液体に分
散したコロイド状のものを中間体として固体状のゲルに
変化させる反応である。シリカの場合は、例えばアルコ
キシシラン化合物を原料とすると、その加水分解および
縮合反応により得られる架橋構造体の粒子が溶媒に分散
したものがゾルであり、さらに粒子が加水分解及び縮合
反応をおこない溶媒を含んだ固体ネットワークを形成し
た状態がゲルである。そして、ゲルから溶媒を取り去る
と固体ネットワークのみが残ったキセロゲル構造を示す
シリカキセロゲルが製造できる。
カキセロゲルやシリカエアロゲルなどがあげられる。こ
れらの素材は、ゾル−ゲル反応により製造される。ここ
でゾル−ゲル反応とは、ゾルと呼ばれる粒子が液体に分
散したコロイド状のものを中間体として固体状のゲルに
変化させる反応である。シリカの場合は、例えばアルコ
キシシラン化合物を原料とすると、その加水分解および
縮合反応により得られる架橋構造体の粒子が溶媒に分散
したものがゾルであり、さらに粒子が加水分解及び縮合
反応をおこない溶媒を含んだ固体ネットワークを形成し
た状態がゲルである。そして、ゲルから溶媒を取り去る
と固体ネットワークのみが残ったキセロゲル構造を示す
シリカキセロゲルが製造できる。
【0004】シリカキセロゲルの薄膜形成の例として
は、特開平7−257918号公報に開示されているよ
うに、ゾルであるシリカ前駆体の塗布液を一旦調製し、
引き続きスプレーコーティング、浸漬コーティングまた
はスピンコーティングにより基板上に塗布し、厚さが数
ミクロン以下の薄膜を形成する。そして、この薄膜をゲ
ル化してシリカとした後、乾燥するとシリカキセロゲル
が得られる。一方、シリカエアロゲルの場合には、シリ
カ中の溶媒を超臨界状態にして除去する点がシリカキセ
ロゲルと異なるが、ゾルであるシリカ前駆体の塗布液を
調製する点はシリカキセロゲルと同様である。
は、特開平7−257918号公報に開示されているよ
うに、ゾルであるシリカ前駆体の塗布液を一旦調製し、
引き続きスプレーコーティング、浸漬コーティングまた
はスピンコーティングにより基板上に塗布し、厚さが数
ミクロン以下の薄膜を形成する。そして、この薄膜をゲ
ル化してシリカとした後、乾燥するとシリカキセロゲル
が得られる。一方、シリカエアロゲルの場合には、シリ
カ中の溶媒を超臨界状態にして除去する点がシリカキセ
ロゲルと異なるが、ゾルであるシリカ前駆体の塗布液を
調製する点はシリカキセロゲルと同様である。
【0005】さらにシリカキセロゲル薄膜の形成例とし
て、米国特許第5807607号明細書および米国特許
第5900879号明細書には、ゾルであるシリカ前駆
体を塗布液とする場合に、調製時の溶液中にグリセロー
ルなどの特定の溶媒を含有させることによって、その後
のゲル化や溶媒除去を経て得られるシリカキセロゲルの
孔径および孔径分布を制御し、多孔体の機械的強度を向
上させようとする方法が開示されている。しかし、この
例では、溶媒に低沸点溶媒を用いているために、孔が形
成される時の溶媒の除去が急激に起こり、そこに発生し
た毛細管力に対して、孔を取り巻く壁部分が追随でき
ず、その結果孔の収縮が起こってしまう。そのため、孔
がつぶれたり、孔のまわりにミクロクラックが発生し、
ここに外的応力がかかると、ここが応力の集中点として
働くため、結局、シリカキセロゲルは十分な機械的強度
が発現されない、といった問題が生じている。
て、米国特許第5807607号明細書および米国特許
第5900879号明細書には、ゾルであるシリカ前駆
体を塗布液とする場合に、調製時の溶液中にグリセロー
ルなどの特定の溶媒を含有させることによって、その後
のゲル化や溶媒除去を経て得られるシリカキセロゲルの
孔径および孔径分布を制御し、多孔体の機械的強度を向
上させようとする方法が開示されている。しかし、この
例では、溶媒に低沸点溶媒を用いているために、孔が形
成される時の溶媒の除去が急激に起こり、そこに発生し
た毛細管力に対して、孔を取り巻く壁部分が追随でき
ず、その結果孔の収縮が起こってしまう。そのため、孔
がつぶれたり、孔のまわりにミクロクラックが発生し、
ここに外的応力がかかると、ここが応力の集中点として
働くため、結局、シリカキセロゲルは十分な機械的強度
が発現されない、といった問題が生じている。
【0006】溶媒の除去速度を極端に遅くすることは可
能であるが、この場合にはシリカキセロゲルを得るのに
多大の時間を必要とするので生産性に問題を生じる。上
述したような低沸点溶媒における問題点を改善する手段
として、例えば低沸点溶媒の代わりに有機ポリマーを用
いて孔の周りにある流体の除去をできるだけ遅くして毛
細管力を軽減しようとする試みがある。有機ポリマーを
使うと、溶媒揮発速度や雰囲気を厳密にコントロールす
る必要がない、などの利点もある。
能であるが、この場合にはシリカキセロゲルを得るのに
多大の時間を必要とするので生産性に問題を生じる。上
述したような低沸点溶媒における問題点を改善する手段
として、例えば低沸点溶媒の代わりに有機ポリマーを用
いて孔の周りにある流体の除去をできるだけ遅くして毛
細管力を軽減しようとする試みがある。有機ポリマーを
使うと、溶媒揮発速度や雰囲気を厳密にコントロールす
る必要がない、などの利点もある。
【0007】例えば、特開平4−285081号公報に
は、アルコキシシランのゾル−ゲル反応を特定の有機ポ
リマーを共存させておこない、一旦シリカゲル/有機ポ
リマー複合体を製造し、その後で有機ポリマーを除去し
て、均一な孔径を有する多孔性シリカを得る方法が開示
されている。特開平5−85762号公報やWO99/
03926公開パンフレットにも、アルコキシシラン/
有機ポリマー混合系から、誘電率が極めて低く、均一細
孔および良好な孔径分布を持った多孔体を得ようとする
方法が開示されている。また特開平9−315812号
公報には、シリカ微粒子と特定のアルコキシシランおよ
びその加水分解物からなる塗布液を用いて、絶縁薄膜の
密着性や機械的強度等の特性の改善を試みた例が開示さ
れている。さらに、特開平10−25359号公報、お
よび特公平7−88239号公報には、アルコキシシラ
ンを含む金属アルコキシドのオリゴマー中に有機高分子
微粒子を分散させてゲルを生成した後、有機高分子微粒
子を焼成除去して、細孔系を制御した多孔体を得る方法
も報告されている。
は、アルコキシシランのゾル−ゲル反応を特定の有機ポ
リマーを共存させておこない、一旦シリカゲル/有機ポ
リマー複合体を製造し、その後で有機ポリマーを除去し
て、均一な孔径を有する多孔性シリカを得る方法が開示
されている。特開平5−85762号公報やWO99/
03926公開パンフレットにも、アルコキシシラン/
有機ポリマー混合系から、誘電率が極めて低く、均一細
孔および良好な孔径分布を持った多孔体を得ようとする
方法が開示されている。また特開平9−315812号
公報には、シリカ微粒子と特定のアルコキシシランおよ
びその加水分解物からなる塗布液を用いて、絶縁薄膜の
密着性や機械的強度等の特性の改善を試みた例が開示さ
れている。さらに、特開平10−25359号公報、お
よび特公平7−88239号公報には、アルコキシシラ
ンを含む金属アルコキシドのオリゴマー中に有機高分子
微粒子を分散させてゲルを生成した後、有機高分子微粒
子を焼成除去して、細孔系を制御した多孔体を得る方法
も報告されている。
【0008】しかしながら、これらの方法でも実用上満
足できるような密着力や機械的強度は発現されていない
状況にある。さらに、特開平9−169845号公報に
は、有機トリアルコキシシランを原料とし、ゾル化反応
における水分量と反応温度との制御により、バルク状の
シリカ膜の硬度、密着性を改善しようとする試みがあ
る。しかし、この製造法では、高密度な、すなわち高誘
電率なシリカ体しか得られず、さらに孔径や孔径分布の
制御という概念が全くないので、多孔体の密着性や機械
的強度を向上させることは極めて困難である。特公平8
−29952号公報には、均一系で有機高分子を添加す
る方法が開示されているが、ゲル化の時点で系内が相分
離するので、この場合にはサブミクロンオーダーの孔し
か得られず、やはりこの場合にも十分な機械的強度の発
現は困難である。
足できるような密着力や機械的強度は発現されていない
状況にある。さらに、特開平9−169845号公報に
は、有機トリアルコキシシランを原料とし、ゾル化反応
における水分量と反応温度との制御により、バルク状の
シリカ膜の硬度、密着性を改善しようとする試みがあ
る。しかし、この製造法では、高密度な、すなわち高誘
電率なシリカ体しか得られず、さらに孔径や孔径分布の
制御という概念が全くないので、多孔体の密着性や機械
的強度を向上させることは極めて困難である。特公平8
−29952号公報には、均一系で有機高分子を添加す
る方法が開示されているが、ゲル化の時点で系内が相分
離するので、この場合にはサブミクロンオーダーの孔し
か得られず、やはりこの場合にも十分な機械的強度の発
現は困難である。
【0009】シリカ以外の金属酸化物を添加して、多孔
体の機械的強度などを改善しようとする試みがある。特
開平7−185306号公報には、アルコキシシランと
珪素以外の金属アルコキシド、ハロゲン化物の加水分解
によりアルコゲルを得、次いで生成アルコゲルを超臨界
乾燥してエアロゲルを得る製法によって、その耐湿性や
機械的強度を改善する方法が開示されている。しかし、
このようなシリカ以外の金属アルコキシド、ハロゲン化
物を用いた場合、これらの原料または/および加水分解
・縮合物がゾル−ゲル反応中における溶解性に乏しいた
めに、系内が大粒径の粒子からなるスラリーになった
り、沈殿物が生成したりする場合もあり、いずれにして
も不均質ゲルしか得られない。その結果、前述の有機ポ
リマー微粒子を添加した場合と同様な理由で、絶縁膜用
として適さない。以上の記述より明らかなように、誘電
率が低く、密着力および機械的強度が高い、半導体素子
の多層配線構造体用の絶縁薄膜は得られていなかった。
体の機械的強度などを改善しようとする試みがある。特
開平7−185306号公報には、アルコキシシランと
珪素以外の金属アルコキシド、ハロゲン化物の加水分解
によりアルコゲルを得、次いで生成アルコゲルを超臨界
乾燥してエアロゲルを得る製法によって、その耐湿性や
機械的強度を改善する方法が開示されている。しかし、
このようなシリカ以外の金属アルコキシド、ハロゲン化
物を用いた場合、これらの原料または/および加水分解
・縮合物がゾル−ゲル反応中における溶解性に乏しいた
めに、系内が大粒径の粒子からなるスラリーになった
り、沈殿物が生成したりする場合もあり、いずれにして
も不均質ゲルしか得られない。その結果、前述の有機ポ
リマー微粒子を添加した場合と同様な理由で、絶縁膜用
として適さない。以上の記述より明らかなように、誘電
率が低く、密着力および機械的強度が高い、半導体素子
の多層配線構造体用の絶縁薄膜は得られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するものであって、多孔性シリカゲル薄膜の誘電率
が低く、空孔の最大孔径が50nm以下であり、密着力
および機械的強度に著しく優れた、絶縁薄膜用の多孔性
シリカ薄膜を提供する。
解決するものであって、多孔性シリカゲル薄膜の誘電率
が低く、空孔の最大孔径が50nm以下であり、密着力
および機械的強度に著しく優れた、絶縁薄膜用の多孔性
シリカ薄膜を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決すべ
く、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定の空孔率
を有する多孔性シリカ薄膜において、空孔サイズがナノ
メーターサイズの細孔を有し、さらに構造中に、比誘電
率を損なわない程度に、特定の化学構造を有する有機ポ
リマーおよび/またはポリマー由来の変性有機物を特定
量含有することで、密着力や機械的強度に著しく優れた
絶縁膜材料が得られることを見出し、本発明を完成する
にいたった。したがって、本発明の目的は、30〜80
%の空孔率を有し誘電率が低く、最大孔径が50nm以
下であり細孔分布が狭く、密着力や機械的強度に著しく
優れた絶縁膜材料およびその用途を提供することにあ
る。
く、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定の空孔率
を有する多孔性シリカ薄膜において、空孔サイズがナノ
メーターサイズの細孔を有し、さらに構造中に、比誘電
率を損なわない程度に、特定の化学構造を有する有機ポ
リマーおよび/またはポリマー由来の変性有機物を特定
量含有することで、密着力や機械的強度に著しく優れた
絶縁膜材料が得られることを見出し、本発明を完成する
にいたった。したがって、本発明の目的は、30〜80
%の空孔率を有し誘電率が低く、最大孔径が50nm以
下であり細孔分布が狭く、密着力や機械的強度に著しく
優れた絶縁膜材料およびその用途を提供することにあ
る。
【0012】本発明の上記およびその他の諸目的、諸特
性ならびに諸利益は、以下に述べる詳細な説明から明ら
かになる。本発明の理解を容易にするために、本発明の
基本的諸特徴および好ましい態様を列挙する。 1.アルコキシシラン類の加水分解・縮合反応により得
られるシリカと有機ポリマーとの複合体から有機ポリマ
ーを除去して得られる多孔性シリカ薄膜であって、ゲル
内の有機ポリマー由来の残留物が3〜15重量%であ
り、その空孔率が30〜80%、最大孔径が50nm以
下であることを特徴とする多孔性シリカ薄膜。 2.空孔率が40〜70%であることを特徴とする前記
1.の多孔性シリカ薄膜。 3.膜厚が10μm以下であることを特徴とする前記
1.または2.の多孔性シリカ薄膜。 4.複数の絶縁層およびその上に形成された配線を包含
し、該絶縁層の少なくとも1層が前記1.〜3.の多孔
性シリカ薄膜より構成されてなることを特徴とする多層
配線構造体。 5.前記4.記載の多層配線構造体を包含してなる半導
体素子。
性ならびに諸利益は、以下に述べる詳細な説明から明ら
かになる。本発明の理解を容易にするために、本発明の
基本的諸特徴および好ましい態様を列挙する。 1.アルコキシシラン類の加水分解・縮合反応により得
られるシリカと有機ポリマーとの複合体から有機ポリマ
ーを除去して得られる多孔性シリカ薄膜であって、ゲル
内の有機ポリマー由来の残留物が3〜15重量%であ
り、その空孔率が30〜80%、最大孔径が50nm以
下であることを特徴とする多孔性シリカ薄膜。 2.空孔率が40〜70%であることを特徴とする前記
1.の多孔性シリカ薄膜。 3.膜厚が10μm以下であることを特徴とする前記
1.または2.の多孔性シリカ薄膜。 4.複数の絶縁層およびその上に形成された配線を包含
し、該絶縁層の少なくとも1層が前記1.〜3.の多孔
性シリカ薄膜より構成されてなることを特徴とする多層
配線構造体。 5.前記4.記載の多層配線構造体を包含してなる半導
体素子。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明
細書中で用いられるシリカとは、珪素酸化物(Si
O2 )のほかに珪素上に炭化水素や水素原子を有する次
の構造式で表されるものを含む。 R1 x Hy SiO(2-(x+y)/2) (式中、R1 は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状および環
状アルキル基、またはアリール基を表し、0≦x≦2、
yは0または1を表す。) 本発明で得られる多孔性シリカ薄膜の特徴は、まず30
〜80%の空孔率を有することである。本発明の効果が
より顕著になる空孔率は40〜70%である。シリカの
化学構造にも依存するが、空孔率が30%以下であると
比誘電率が高くなりすぎて、絶縁薄膜として適さない。
逆に空孔率が80%を超えると密着力や機械的強度が実
用レベルに達しない。
細書中で用いられるシリカとは、珪素酸化物(Si
O2 )のほかに珪素上に炭化水素や水素原子を有する次
の構造式で表されるものを含む。 R1 x Hy SiO(2-(x+y)/2) (式中、R1 は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状および環
状アルキル基、またはアリール基を表し、0≦x≦2、
yは0または1を表す。) 本発明で得られる多孔性シリカ薄膜の特徴は、まず30
〜80%の空孔率を有することである。本発明の効果が
より顕著になる空孔率は40〜70%である。シリカの
化学構造にも依存するが、空孔率が30%以下であると
比誘電率が高くなりすぎて、絶縁薄膜として適さない。
逆に空孔率が80%を超えると密着力や機械的強度が実
用レベルに達しない。
【0014】多孔性シリカの機械強度や密着力を上げる
ためには、多孔体に特有の孔の大きさおよび孔径分布を
制御することが重要である。一般に多孔体中に大きな孔
が存在すると、その部分が応力の集中するような欠損点
として働いてしまうので、高機械的強度は発現されな
い。場合によっては、ミクロクラックの発生から構造自
体の破壊へとつながり好ましくない。このような大孔径
の空孔ができる原因はいろいろ考えられるが、粒径の大
きなゾル同士が集合してゲル化した場合や、粒径の異な
るゾル同士が集まってゲル化する場合には、ゾル粒子間
の隙間が大空孔となりやすい。これに対して本発明の多
孔性シリカゲル薄膜の場合には、ゾル粒子径が小さくか
つ均一なために、最密充填化が可能であり、多孔体中に
最大孔径が50nm以下の細孔しか存在しない。したが
って構造上応力が分散されるので、高機械的強度は損な
われ難い。機械的強度を上げる上で孔径の制御と同様に
重要なものに、多孔体ゲル骨格の構造強化が挙げられ
る。文献「Sol−Gel Science(C.J.
Brinker & G.W.Scherer著、Ac
ademic Press、1990年発行)」によれ
ば、シリカゲルの骨格強度はゲルの構成単位であるゾル
粒子同士の結合強度に大きく左右される、と述べられて
いる。
ためには、多孔体に特有の孔の大きさおよび孔径分布を
制御することが重要である。一般に多孔体中に大きな孔
が存在すると、その部分が応力の集中するような欠損点
として働いてしまうので、高機械的強度は発現されな
い。場合によっては、ミクロクラックの発生から構造自
体の破壊へとつながり好ましくない。このような大孔径
の空孔ができる原因はいろいろ考えられるが、粒径の大
きなゾル同士が集合してゲル化した場合や、粒径の異な
るゾル同士が集まってゲル化する場合には、ゾル粒子間
の隙間が大空孔となりやすい。これに対して本発明の多
孔性シリカゲル薄膜の場合には、ゾル粒子径が小さくか
つ均一なために、最密充填化が可能であり、多孔体中に
最大孔径が50nm以下の細孔しか存在しない。したが
って構造上応力が分散されるので、高機械的強度は損な
われ難い。機械的強度を上げる上で孔径の制御と同様に
重要なものに、多孔体ゲル骨格の構造強化が挙げられ
る。文献「Sol−Gel Science(C.J.
Brinker & G.W.Scherer著、Ac
ademic Press、1990年発行)」によれ
ば、シリカゲルの骨格強度はゲルの構成単位であるゾル
粒子同士の結合強度に大きく左右される、と述べられて
いる。
【0015】本発明の多孔性シリカ薄膜では、構造中の
有機ポリマー含有率が3〜15重量%であり、全体の誘
電率を損なわずに、高密着力、高機械的強度の発現が達
成される。高機械的強度が発現される理由については明
確ではないが、シリカゾル粒子間の結合をシリカ末端基
とポリマーとの直接的な化学結合によって、または両者
間での水素結合によって、あるいは物理的な絡まりあい
によって補強しているものと推定される。この効果は特
定の化学構造を有するポリマーを用いることによって、
後述するような300〜500℃といった高温度下でも
損なわれることはない。薄膜中のポリマー量が3重量%
以下であると、上の補強効果が発現されない。逆に15
重量%を超えると、誘電率が高くなるので、絶縁薄膜と
して適さない。本発明の多孔性シリカ薄膜の特徴は実施
例の項で詳述するが、一例として、有機ポリマーとして
分子量500の片末端がメタクリレート基を有するポリ
エチレングリコールモノメタクリレートを用い、425
℃で大部分のポリマーを除去して得られた厚さ1 μmの
多孔性シリカ薄膜は、空孔率が53%で比誘電率が2.
1、最大孔径が2.9nmで、ポリマー残存量が5.2
重量%であった。さらにその引っ張り強度は50MPa
(密着力は50MPa 以上)であった。
有機ポリマー含有率が3〜15重量%であり、全体の誘
電率を損なわずに、高密着力、高機械的強度の発現が達
成される。高機械的強度が発現される理由については明
確ではないが、シリカゾル粒子間の結合をシリカ末端基
とポリマーとの直接的な化学結合によって、または両者
間での水素結合によって、あるいは物理的な絡まりあい
によって補強しているものと推定される。この効果は特
定の化学構造を有するポリマーを用いることによって、
後述するような300〜500℃といった高温度下でも
損なわれることはない。薄膜中のポリマー量が3重量%
以下であると、上の補強効果が発現されない。逆に15
重量%を超えると、誘電率が高くなるので、絶縁薄膜と
して適さない。本発明の多孔性シリカ薄膜の特徴は実施
例の項で詳述するが、一例として、有機ポリマーとして
分子量500の片末端がメタクリレート基を有するポリ
エチレングリコールモノメタクリレートを用い、425
℃で大部分のポリマーを除去して得られた厚さ1 μmの
多孔性シリカ薄膜は、空孔率が53%で比誘電率が2.
1、最大孔径が2.9nmで、ポリマー残存量が5.2
重量%であった。さらにその引っ張り強度は50MPa
(密着力は50MPa 以上)であった。
【0016】次に本発明である多孔性シリカ薄膜の製造
法の具体例を示す。まず、本発明において用いることが
できるアルコキシシランの具体的な例としては、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−
プロポキシ)シラン、テトラ(i−プロポキシ)シラ
ン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラ(t−ブト
キシ)シラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタ
ン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス
(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエ
トキシシリル)エタン、1,4−ビス(トリメトキシシ
リル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)
ベンゼンなどが挙げられる。この中でも特に好ましいの
がテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリ
メトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシランである。アル
コキシシラン類の部分加水分解物を原料としてもよい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合しても差
し支えない。
法の具体例を示す。まず、本発明において用いることが
できるアルコキシシランの具体的な例としては、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−
プロポキシ)シラン、テトラ(i−プロポキシ)シラ
ン、テトラ(n−ブトキシ)シラン、テトラ(t−ブト
キシ)シラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタ
ン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス
(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエ
トキシシリル)エタン、1,4−ビス(トリメトキシシ
リル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)
ベンゼンなどが挙げられる。この中でも特に好ましいの
がテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリ
メトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシランである。アル
コキシシラン類の部分加水分解物を原料としてもよい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合しても差
し支えない。
【0017】さらに、得られるハイブリッド体薄膜や多
孔性シリカ薄膜を改質するために、ケイ素原子上に2〜
3個の水素、アルキル基又はアリール基を有するアルコ
キシシランを上記のアルコキシシラン類に混合すること
も可能である。例えば、トリメチルメトキシシラン、ト
リメチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラ
ン、トリフェニルエトキシシラン、フェニルジメチルメ
トキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ジフ
ェニルメチルメトキシシラン、ジフェニルメチルエトキ
シシランなどが挙げられる。混合する量は、原料アルコ
キシシラン類の全モル数のうち80モル%以下となるよ
うにする。80モル%を超えるとゲル化しない場合があ
る。
孔性シリカ薄膜を改質するために、ケイ素原子上に2〜
3個の水素、アルキル基又はアリール基を有するアルコ
キシシランを上記のアルコキシシラン類に混合すること
も可能である。例えば、トリメチルメトキシシラン、ト
リメチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラ
ン、トリフェニルエトキシシラン、フェニルジメチルメ
トキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ジフ
ェニルメチルメトキシシラン、ジフェニルメチルエトキ
シシランなどが挙げられる。混合する量は、原料アルコ
キシシラン類の全モル数のうち80モル%以下となるよ
うにする。80モル%を超えるとゲル化しない場合があ
る。
【0018】本発明における組成物中に含まれる有機ポ
リマーとしては、シリカゾルとの相溶性が適度に良好
で、かつゲルを膨潤させることができ、さらに後述する
ような加熱によって適度に分解除去または揮散除去され
やすいポリマーが好適である。これに該当するポリマー
としては、分子内に少なくとも一つの重合官能基を有す
る脂肪族ポリマーや末端基が水酸基である脂肪族ポリマ
ーが挙げられる。加熱により除去される程度が適度に制
御されたポリマーのより好ましい例としては、ポリマー
分子内に少なくとも1つの重合可能な官能基を有する脂
肪族ポリマーが挙げられる。このポリマーでは、シリカ
中に3次元網目構造および/またはグラフト構造を形成
し、シリカとの物理的な絡まりあいが強固になったり、
またはシリカ末端との化学結合または水素結合によって
加熱によって除去され難くなる。一方、有機ポリマーの
主鎖が易分解性の脂肪族ポリマーであるので、結局両者
の効果が適度にバランスされて、最終的に多孔性シリカ
薄膜内に、有機ポリマーの一部または加熱変生物として
残存する。
リマーとしては、シリカゾルとの相溶性が適度に良好
で、かつゲルを膨潤させることができ、さらに後述する
ような加熱によって適度に分解除去または揮散除去され
やすいポリマーが好適である。これに該当するポリマー
としては、分子内に少なくとも一つの重合官能基を有す
る脂肪族ポリマーや末端基が水酸基である脂肪族ポリマ
ーが挙げられる。加熱により除去される程度が適度に制
御されたポリマーのより好ましい例としては、ポリマー
分子内に少なくとも1つの重合可能な官能基を有する脂
肪族ポリマーが挙げられる。このポリマーでは、シリカ
中に3次元網目構造および/またはグラフト構造を形成
し、シリカとの物理的な絡まりあいが強固になったり、
またはシリカ末端との化学結合または水素結合によって
加熱によって除去され難くなる。一方、有機ポリマーの
主鎖が易分解性の脂肪族ポリマーであるので、結局両者
の効果が適度にバランスされて、最終的に多孔性シリカ
薄膜内に、有機ポリマーの一部または加熱変生物として
残存する。
【0019】重合可能な官能基としては、ビニル基、ビ
ニリデン基、ビニレン基、グリシジル基、アリル基、ア
クリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、
メタクリルアミド基、カルボキシル基、ヒドロキシル
基、イソシアネート基、アミノ基、イミノ基、ハロゲン
基などが挙げられる。これらの官能基はポリマーの主鎖
中にあっても末端にあっても側鎖にあってもよい。ま
た、ポリマー鎖に直接結合していてもよいし、アルキレ
ン基やエーテル基などのスペーサーを介して結合してい
てもよい。同一のポリマー分子が1種類の官能基を有し
ていても、2種類以上の官能基を有していてもよい。上
記した官能基の中でも、ビニル基、ヒドロキシル基、ビ
ニリデン基、ビニレン基、グリシジル基、アリル基、ア
クリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、
メタクリルアミド基が好適に用いられる。
ニリデン基、ビニレン基、グリシジル基、アリル基、ア
クリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、
メタクリルアミド基、カルボキシル基、ヒドロキシル
基、イソシアネート基、アミノ基、イミノ基、ハロゲン
基などが挙げられる。これらの官能基はポリマーの主鎖
中にあっても末端にあっても側鎖にあってもよい。ま
た、ポリマー鎖に直接結合していてもよいし、アルキレ
ン基やエーテル基などのスペーサーを介して結合してい
てもよい。同一のポリマー分子が1種類の官能基を有し
ていても、2種類以上の官能基を有していてもよい。上
記した官能基の中でも、ビニル基、ヒドロキシル基、ビ
ニリデン基、ビニレン基、グリシジル基、アリル基、ア
クリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、
メタクリルアミド基が好適に用いられる。
【0020】以下、本発明で好適に用いられるポリマー
の具体例を挙げるが、この中でアルキレンアルキレング
リコールとは炭素数2以上のアルカンの同一炭素原子上
に結合していない2個の水素原子をそれぞれ水酸基に置
換して得られる2価アルコールを指す。(メタ)アクリ
レートとはメタクリレートとアクリレートの両方を指
す。さらに、ジカルボン酸とは蓚酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸などのカルボキシル基を
2個有する有機酸を指す。末端にアクリレート基、メタ
クリレート基、ビニル基、グリシジル基などの重合可能
な官能基をもつ脂肪族ポリエーテルの具体例としては、
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ
アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリア
ルキレングリコールアルキルエーテル(メタ)アクリレ
ート、ポリアルキレングリコールビニルエーテル、ポリ
アルキレングリコールジビニルエーテル、ポリアルキレ
ングリコールアルキルエーテルビニルエーテル、ポリア
ルキレングリコールグリシジルエーテル、ポリアルキレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリアルキレング
リコールアルキルエーテルグリシジルエーテルなどが挙
げられる。
の具体例を挙げるが、この中でアルキレンアルキレング
リコールとは炭素数2以上のアルカンの同一炭素原子上
に結合していない2個の水素原子をそれぞれ水酸基に置
換して得られる2価アルコールを指す。(メタ)アクリ
レートとはメタクリレートとアクリレートの両方を指
す。さらに、ジカルボン酸とは蓚酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸などのカルボキシル基を
2個有する有機酸を指す。末端にアクリレート基、メタ
クリレート基、ビニル基、グリシジル基などの重合可能
な官能基をもつ脂肪族ポリエーテルの具体例としては、
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ
アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリア
ルキレングリコールアルキルエーテル(メタ)アクリレ
ート、ポリアルキレングリコールビニルエーテル、ポリ
アルキレングリコールジビニルエーテル、ポリアルキレ
ングリコールアルキルエーテルビニルエーテル、ポリア
ルキレングリコールグリシジルエーテル、ポリアルキレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリアルキレング
リコールアルキルエーテルグリシジルエーテルなどが挙
げられる。
【0021】片末端あるいは両末端にアクリレート基、
メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基等の重合可
能な官能基をもつポリカプロラクトンの例としては、ポ
リカプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリカプロラ
クトンビニルエーテル、ポリカプロラクトングリシジル
エーテル、ポリカプロラクトンビニルエステル、ポリカ
プロラクトングリシジルエステル、ポリカプロラクトン
ビニルエステル(メタ)アクリレート、ポリカプロラク
トングリシジルエステル(メタ)アクリレート、ポリカ
プロラクトンビニルエステルビニルエーテル、ポリカプ
ロラクトングリシジルエステルビニルエーテル、ポリカ
プロラクトンビニルエステルグリシジルエーテル、ポリ
カプロラクトングリシジルエステルグリシジルエーテル
などが挙げられる。
メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基等の重合可
能な官能基をもつポリカプロラクトンの例としては、ポ
リカプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリカプロラ
クトンビニルエーテル、ポリカプロラクトングリシジル
エーテル、ポリカプロラクトンビニルエステル、ポリカ
プロラクトングリシジルエステル、ポリカプロラクトン
ビニルエステル(メタ)アクリレート、ポリカプロラク
トングリシジルエステル(メタ)アクリレート、ポリカ
プロラクトンビニルエステルビニルエーテル、ポリカプ
ロラクトングリシジルエステルビニルエーテル、ポリカ
プロラクトンビニルエステルグリシジルエーテル、ポリ
カプロラクトングリシジルエステルグリシジルエーテル
などが挙げられる。
【0022】片末端あるいは両末端にアクリレート基、
メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基などの重合
可能な官能基をもつ脂肪族ポリエステルの例としては、
ポリカプロラクトントリオールの(メタ)アクリレー
ト、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレー
ト、ビニルエーテル、ジビニルエーテル、トリビニルエ
ーテル、グリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、
トリグリシジルエーテルやジカルボン酸とアルキレング
リコールとの重合体が挙げられ、片末端あるいは両末端
にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、グリ
シジル基等の重合可能な官能基をもつ脂肪族ポリアルキ
レンカーボネートやジカルボン酸無水物の重合体であ
り、末端にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル
基、グリシジル基等の重合可能な官能基をもつ脂肪族ポ
リアンハイドライドなども含まれる。
メタクリレート基、ビニル基、グリシジル基などの重合
可能な官能基をもつ脂肪族ポリエステルの例としては、
ポリカプロラクトントリオールの(メタ)アクリレー
ト、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレー
ト、ビニルエーテル、ジビニルエーテル、トリビニルエ
ーテル、グリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、
トリグリシジルエーテルやジカルボン酸とアルキレング
リコールとの重合体が挙げられ、片末端あるいは両末端
にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基、グリ
シジル基等の重合可能な官能基をもつ脂肪族ポリアルキ
レンカーボネートやジカルボン酸無水物の重合体であ
り、末端にアクリレート基、メタクリレート基、ビニル
基、グリシジル基等の重合可能な官能基をもつ脂肪族ポ
リアンハイドライドなども含まれる。
【0023】これらのポリマーの中で、特に好適に用い
られるポリマーとしては、ポリエチレグリコールモノメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポ
リプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレ
ンアジペートモノメタクリレート、ポリエチレンカーボ
ネートモノメタクリレートなどが挙げられる。更にポリ
マー末端基がヒドロキシル基である脂肪族ポリマーも好
適である。脂肪族ポリエーテルの例としては、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリ
メチレングルコール、ポリテトラメチレングリコール、
ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレング
リコール、ポリジオキソラン、ポリジオキセパンなどの
アルキレングリコール類を挙げることができる。
られるポリマーとしては、ポリエチレグリコールモノメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポ
リプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレ
ンアジペートモノメタクリレート、ポリエチレンカーボ
ネートモノメタクリレートなどが挙げられる。更にポリ
マー末端基がヒドロキシル基である脂肪族ポリマーも好
適である。脂肪族ポリエーテルの例としては、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリ
メチレングルコール、ポリテトラメチレングリコール、
ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレング
リコール、ポリジオキソラン、ポリジオキセパンなどの
アルキレングリコール類を挙げることができる。
【0024】脂肪族ポリエステルの例としては、ポリグ
リコリド、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンチ
リオール、ポリピバロラクトン等のヒドロキシカルボン
酸の重縮合物やラクトンの開環重合物、およびポリエチ
レンオキサレート、ポリエチレンスクシネート、ポリエ
チレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリプロ
ピレンアジペート、ポリオキシジエチレンアジペート等
のジカルボン酸とアルキレングリコールとの重縮合物、
ならびにエポキシドと酸無水物との開環共重合物で末端
基がヒドロキシル基である脂肪族ポリエステルが挙げら
れる。脂肪族ポリカーボネートの例としては、ポリエチ
レンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリ
ペンタメチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカー
ボネート等のポリカーボネートが挙げられる。
リコリド、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンチ
リオール、ポリピバロラクトン等のヒドロキシカルボン
酸の重縮合物やラクトンの開環重合物、およびポリエチ
レンオキサレート、ポリエチレンスクシネート、ポリエ
チレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリプロ
ピレンアジペート、ポリオキシジエチレンアジペート等
のジカルボン酸とアルキレングリコールとの重縮合物、
ならびにエポキシドと酸無水物との開環共重合物で末端
基がヒドロキシル基である脂肪族ポリエステルが挙げら
れる。脂肪族ポリカーボネートの例としては、ポリエチ
レンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリ
ペンタメチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカー
ボネート等のポリカーボネートが挙げられる。
【0025】脂肪族ポリアンハイドライドの例として
は、ポリマロニルオキシド、ポリアジポイルオキシド、
ポリピメロイルオキシド、ポリスベロイルオキシド、ポ
リアゼラオイルオキシド、ポリセバコイルオキシド等の
ジカルボン酸の重縮合物が挙げられる。これらのなかで
も、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリカプロラクトントリオール、ポリエチレンカー
ボネート、ポリペンタメチレンカーボネート、ポリヘキ
サメチレンカーボネート、ポリアジポイルオキシド、ポ
リアゼラオイルオキシド、ポリセバコイルオキシドを用
いるのが好ましい。
は、ポリマロニルオキシド、ポリアジポイルオキシド、
ポリピメロイルオキシド、ポリスベロイルオキシド、ポ
リアゼラオイルオキシド、ポリセバコイルオキシド等の
ジカルボン酸の重縮合物が挙げられる。これらのなかで
も、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリカプロラクトントリオール、ポリエチレンカー
ボネート、ポリペンタメチレンカーボネート、ポリヘキ
サメチレンカーボネート、ポリアジポイルオキシド、ポ
リアゼラオイルオキシド、ポリセバコイルオキシドを用
いるのが好ましい。
【0026】上記有機ポリマーは単独であっても、複数
のポリマーの混合であってもよい。また、有機ポリマー
の主鎖は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外
の任意の繰り返し単位を有するポリマー鎖を含んでいて
もよい。さらに、上記ポリマー以外に加熱によっても除
去され難いポリマーを一部混合して用いても良い。これ
に該当するポリマーとしては、ポリイミド、ポリイミ
ン、ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ尿素、
ポリスルホン、ポリシロキサンなどが挙げられる。本発
明における有機ポリマーの添加量は、アルコキシシラン
類1重量部に対し10-2〜100重量部、好ましくは1
0-1〜10重量部、さらに好ましくは10 -1〜5重量部
である。有機ポリマーの添加量が10-2重量部より少な
いと多孔体が得られず、また100重量部より多くて
も、十分な機械強度を有する多孔性シリカが得られず、
実用性に乏しい。
のポリマーの混合であってもよい。また、有機ポリマー
の主鎖は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外
の任意の繰り返し単位を有するポリマー鎖を含んでいて
もよい。さらに、上記ポリマー以外に加熱によっても除
去され難いポリマーを一部混合して用いても良い。これ
に該当するポリマーとしては、ポリイミド、ポリイミ
ン、ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ尿素、
ポリスルホン、ポリシロキサンなどが挙げられる。本発
明における有機ポリマーの添加量は、アルコキシシラン
類1重量部に対し10-2〜100重量部、好ましくは1
0-1〜10重量部、さらに好ましくは10 -1〜5重量部
である。有機ポリマーの添加量が10-2重量部より少な
いと多孔体が得られず、また100重量部より多くて
も、十分な機械強度を有する多孔性シリカが得られず、
実用性に乏しい。
【0027】有機ポリマーの分子量は数平均で100〜
100万であることが好ましい。ここで注目すべきこと
は、多孔性シリカの空孔の大きさは、有機ポリマーの分
子量にあまり依存せずに、きわめて小さくかつ均一なこ
とである。これは高機械強度を発現するためにきわめて
重要である。アルコキシシランの加水分解には水が必要
である。アルコキシシランに対する水の添加は液体のま
ま、あるいはアルコールや水溶液として加えるのが一般
的であるが、水蒸気の形で加えてもかまわない。水の添
加を急激におこなうと、アルコキシシランの種類によっ
ては加水分解と縮合が速すぎて沈殿を生じる場合がある
ため、水の添加に充分な時間をかける、均一化させるた
めにアルコールなどの溶媒を共存させる、低温で添加す
る、などの手法が単独または組み合わせて用いられる。
100万であることが好ましい。ここで注目すべきこと
は、多孔性シリカの空孔の大きさは、有機ポリマーの分
子量にあまり依存せずに、きわめて小さくかつ均一なこ
とである。これは高機械強度を発現するためにきわめて
重要である。アルコキシシランの加水分解には水が必要
である。アルコキシシランに対する水の添加は液体のま
ま、あるいはアルコールや水溶液として加えるのが一般
的であるが、水蒸気の形で加えてもかまわない。水の添
加を急激におこなうと、アルコキシシランの種類によっ
ては加水分解と縮合が速すぎて沈殿を生じる場合がある
ため、水の添加に充分な時間をかける、均一化させるた
めにアルコールなどの溶媒を共存させる、低温で添加す
る、などの手法が単独または組み合わせて用いられる。
【0028】本発明においてアルコキシシランの加水分
解、脱水縮合反応を促進するための触媒として機能する
物質を添加してもよい。触媒として機能しうる物質の具
体例としては、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、
マレイン酸などの酸類が好ましい。これらの触媒の添加
量はアルコキシシラン1モルに対し1モル以下、好まし
くは10-1モル以下が適当である。1モルより多いと沈
殿物が生成し、均一な多孔質体が得られない場合があ
る。
解、脱水縮合反応を促進するための触媒として機能する
物質を添加してもよい。触媒として機能しうる物質の具
体例としては、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、
マレイン酸などの酸類が好ましい。これらの触媒の添加
量はアルコキシシラン1モルに対し1モル以下、好まし
くは10-1モル以下が適当である。1モルより多いと沈
殿物が生成し、均一な多孔質体が得られない場合があ
る。
【0029】本発明のようなハイブリッド体を経由した
多孔性シリカ薄膜の製造において、溶媒の存在は必ずし
も必須ではないが、アルコキシシラン類と有機ポリマー
とを溶解するものであれば、特に限定することなく用い
ることが可能である。用いられる溶媒の例としては、炭
素数1〜4の一価アルコール、炭素数1〜4の二価アル
コール、グリセリンなどおよびそれらのエーテルまたは
エステル化物、例えば、ジエチレングリコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
ジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、プロピレ
ングリコール、モノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールメチルエーテルアセテートあるいはホルムアミド、
N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセト
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミ
ルモルホリン、N−アセチルモルホリン、N−ホルミル
ピペリジン、N−アセチルピペリジン、N−ホルミルピ
ロリジン、N−アセチルピロリジン、N,N’−ジホル
ミルピペラジン、N,N’−ジアセチルピペラジンなど
のアミド類、γ−ブチロラクトンのようなラクトン類、
テトラメチルウレア、N,N’−ジメチルイミダゾリジ
ノンなどのウレア類などが挙げられる。これらは単独、
または混合物として用いても良い。
多孔性シリカ薄膜の製造において、溶媒の存在は必ずし
も必須ではないが、アルコキシシラン類と有機ポリマー
とを溶解するものであれば、特に限定することなく用い
ることが可能である。用いられる溶媒の例としては、炭
素数1〜4の一価アルコール、炭素数1〜4の二価アル
コール、グリセリンなどおよびそれらのエーテルまたは
エステル化物、例えば、ジエチレングリコール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
ジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、プロピレ
ングリコール、モノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールメチルエーテルアセテートあるいはホルムアミド、
N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセト
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミ
ルモルホリン、N−アセチルモルホリン、N−ホルミル
ピペリジン、N−アセチルピペリジン、N−ホルミルピ
ロリジン、N−アセチルピロリジン、N,N’−ジホル
ミルピペラジン、N,N’−ジアセチルピペラジンなど
のアミド類、γ−ブチロラクトンのようなラクトン類、
テトラメチルウレア、N,N’−ジメチルイミダゾリジ
ノンなどのウレア類などが挙げられる。これらは単独、
または混合物として用いても良い。
【0030】その他、所望により、例えば感光性付与の
ための光触媒発生剤、基板との密着性を高めるための密
着性向上剤、長期保存のための安定剤など任意の添加物
を、本発明の趣旨を損なわない範囲で本発明の組成物に
添加することができる。本発明において、薄膜の形成は
基板上に上記の製造法によって得られた混合物を塗布す
ることによって行う。膜形成方法としては流延、浸漬、
スピンコートなどの周知の方法で行うことができるが、
半導体素子の多層配線構造体用の絶縁層の製造に用いる
にはスピンコートが好適である。薄膜の厚さは組成物の
粘度や回転速度を変えることによって0.1μm〜10
μmの範囲で制御できる。10μmより厚いとクラック
が発生する場合がある。半導体素子の多層配線構造体用
の絶縁層としては、通常0.5μm〜5μmの範囲で用
いられる。
ための光触媒発生剤、基板との密着性を高めるための密
着性向上剤、長期保存のための安定剤など任意の添加物
を、本発明の趣旨を損なわない範囲で本発明の組成物に
添加することができる。本発明において、薄膜の形成は
基板上に上記の製造法によって得られた混合物を塗布す
ることによって行う。膜形成方法としては流延、浸漬、
スピンコートなどの周知の方法で行うことができるが、
半導体素子の多層配線構造体用の絶縁層の製造に用いる
にはスピンコートが好適である。薄膜の厚さは組成物の
粘度や回転速度を変えることによって0.1μm〜10
μmの範囲で制御できる。10μmより厚いとクラック
が発生する場合がある。半導体素子の多層配線構造体用
の絶縁層としては、通常0.5μm〜5μmの範囲で用
いられる。
【0031】基板としてはシリコン、ゲルマニウム等の
半導体基板、ガリウム−ヒ素、インジウム−アンチモン
等の化合物半導体基板等を用いこともできるし、これら
の表面に他の物質の薄膜を形成したうえで用いることも
可能である。この場合、薄膜としては、アルミニウム、
チタン、クロム、ニッケル、銅、銀、タンタル、タング
ステン、オスミウム、白金、金などの金属の他に、二酸
化ケイ素、フッ素化ガラス、リンガラス、ホウ素−リン
ガラス、ホウケイ酸ガラス、多結晶シリコン、アルミ
ナ、チタニア、ジルコニア、窒化シリコン、窒化チタ
ン、窒化タンタル、窒化ホウ素、水素化シルセスキオキ
サン等の無機化合物、メチルシルセスキオキサン、アモ
ルファスカーボン、フッ素化アモルファスカーボン、ポ
リイミド、その他任意の有機ポリマーからなる薄膜を用
いることができる。
半導体基板、ガリウム−ヒ素、インジウム−アンチモン
等の化合物半導体基板等を用いこともできるし、これら
の表面に他の物質の薄膜を形成したうえで用いることも
可能である。この場合、薄膜としては、アルミニウム、
チタン、クロム、ニッケル、銅、銀、タンタル、タング
ステン、オスミウム、白金、金などの金属の他に、二酸
化ケイ素、フッ素化ガラス、リンガラス、ホウ素−リン
ガラス、ホウケイ酸ガラス、多結晶シリコン、アルミ
ナ、チタニア、ジルコニア、窒化シリコン、窒化チタ
ン、窒化タンタル、窒化ホウ素、水素化シルセスキオキ
サン等の無機化合物、メチルシルセスキオキサン、アモ
ルファスカーボン、フッ素化アモルファスカーボン、ポ
リイミド、その他任意の有機ポリマーからなる薄膜を用
いることができる。
【0032】以上のようにして得られる組成物を成形す
ることにより薄膜を形成させ、得られた薄膜中のシリカ
前駆体(ゾル)を50〜300℃でゲル化させることに
よって、シリカゲル/有機ポリマー複合体( ハイブリッ
ド体) 薄膜が得られる。より好ましいゲル化温度範囲は
60〜200℃である。この温度範囲でゲル化を行うこ
とによって、ゲル化が十分に進行し、シリカ骨格が強固
になる。60℃以下であると、ゲル化が十分に進まない
ので、収縮が起こるし、シリカ骨格が脆弱で、結果的に
多孔体薄膜の機械的強度が得られない。また有機ポリマ
ーの沁み出しが起こる場合もある。また300℃以上で
あると、ハイブリッド体に不要なボイドが生成する場合
があり、好ましくない。
ることにより薄膜を形成させ、得られた薄膜中のシリカ
前駆体(ゾル)を50〜300℃でゲル化させることに
よって、シリカゲル/有機ポリマー複合体( ハイブリッ
ド体) 薄膜が得られる。より好ましいゲル化温度範囲は
60〜200℃である。この温度範囲でゲル化を行うこ
とによって、ゲル化が十分に進行し、シリカ骨格が強固
になる。60℃以下であると、ゲル化が十分に進まない
ので、収縮が起こるし、シリカ骨格が脆弱で、結果的に
多孔体薄膜の機械的強度が得られない。また有機ポリマ
ーの沁み出しが起こる場合もある。また300℃以上で
あると、ハイブリッド体に不要なボイドが生成する場合
があり、好ましくない。
【0033】本発明で得られるハイブリッド体の形成に
おける有機ポリマーの役割は重要である。というのは、
有機ポリマーは50〜300℃でゾルからゲルへ移行す
る場合でも実質的に反応系内に残存しているので、ゾル
粒子は膨潤状態のままその大きさや形態を維持しつつゲ
ル体となることができ、その後の工程で有機ポリマーが
ハイブリッド体から抜き去られて多孔体が形成される場
合にその空孔率を十分に高めることができる。本発明に
おける多孔性シリカ薄膜は、ハイブリッド体薄膜に30
0〜500℃の熱をかけて有機スペーサーの大部分を除
去することによって得られる。加熱温度をこの範囲制御
することで、多孔性シリカ薄膜中の有機ポリマーに由来
する残存物の量が3〜15重量%になる。残存物組成
は、加熱によっても分解せずにそのまま残るもの、分解
生成物、およびそれらの混合物からなるものと考えられ
る。より好ましい温度は350〜425℃である。
おける有機ポリマーの役割は重要である。というのは、
有機ポリマーは50〜300℃でゾルからゲルへ移行す
る場合でも実質的に反応系内に残存しているので、ゾル
粒子は膨潤状態のままその大きさや形態を維持しつつゲ
ル体となることができ、その後の工程で有機ポリマーが
ハイブリッド体から抜き去られて多孔体が形成される場
合にその空孔率を十分に高めることができる。本発明に
おける多孔性シリカ薄膜は、ハイブリッド体薄膜に30
0〜500℃の熱をかけて有機スペーサーの大部分を除
去することによって得られる。加熱温度をこの範囲制御
することで、多孔性シリカ薄膜中の有機ポリマーに由来
する残存物の量が3〜15重量%になる。残存物組成
は、加熱によっても分解せずにそのまま残るもの、分解
生成物、およびそれらの混合物からなるものと考えられ
る。より好ましい温度は350〜425℃である。
【0034】300℃よりも低いと有機スペーサーの除
去が不充分で、有機物が多孔性シリカ薄膜中に多量に残
るため、誘電率の低い多孔性シリカ薄膜が得られない危
険がある。逆に500℃よりも高い温度で処理すること
はLSIの製造工程で用いるのは不可能である。加熱時
間は1分〜24時間の範囲で行うことが好ましい。1分
より少ないとポリマーの蒸散や分解が十分進行しないの
で、得られる多孔質シリカ薄膜に有機物が多量に残存
し、特性が悪化する。また、通常熱分解や蒸散は24時
間以内に終了するので、これ以上長時間の焼成はあまり
意味をなさない。
去が不充分で、有機物が多孔性シリカ薄膜中に多量に残
るため、誘電率の低い多孔性シリカ薄膜が得られない危
険がある。逆に500℃よりも高い温度で処理すること
はLSIの製造工程で用いるのは不可能である。加熱時
間は1分〜24時間の範囲で行うことが好ましい。1分
より少ないとポリマーの蒸散や分解が十分進行しないの
で、得られる多孔質シリカ薄膜に有機物が多量に残存
し、特性が悪化する。また、通常熱分解や蒸散は24時
間以内に終了するので、これ以上長時間の焼成はあまり
意味をなさない。
【0035】有機ポリマーの除去は窒素、アルゴン、ヘ
リウムなどの不活性雰囲気下で行ってもよいし、空気中
または酸素ガスを混入させたりといった酸化性雰囲気下
で行うことも可能である。一般的に、酸化性雰囲気を用
いることによって除去温度や時間が低減する傾向にあ
る。また、雰囲気中にアンモニア、水素などが存在して
いると、同時にシリカ中に残存しているシラノール基が
反応して水素化あるいは窒化され、多孔質シリカ薄膜の
吸湿性を低減させ、誘電率の上昇を抑制することもでき
る。
リウムなどの不活性雰囲気下で行ってもよいし、空気中
または酸素ガスを混入させたりといった酸化性雰囲気下
で行うことも可能である。一般的に、酸化性雰囲気を用
いることによって除去温度や時間が低減する傾向にあ
る。また、雰囲気中にアンモニア、水素などが存在して
いると、同時にシリカ中に残存しているシラノール基が
反応して水素化あるいは窒化され、多孔質シリカ薄膜の
吸湿性を低減させ、誘電率の上昇を抑制することもでき
る。
【0036】得られた多孔性シリカ薄膜をシリル化剤で
処理すると、吸水性が抑えられ、さらに誘電率の安定化
が可能になるし、また他の物質との接着性を向上させた
りできる。用いることのできるシリル化剤の例として
は、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、ジメチルエトキシシラン、メチルジエトキシ
シラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニ
ルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシランなどのアルコキシシラ
ン類、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、
ジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、
メチルビニルジクロロシラン、メチルクロロジシラン、
トリフェニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシ
ラン、ジフェニルジクロロシランなどのクロロシラン
類、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメ
チルシリル)ウレア、N−トリメチルシリルアセトアミ
ド、ジメチルトリメチルシリルアミン、ジエチルトリエ
チルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾールなど
のシラザン類などが挙げられる。シリル化の方法は塗
布、浸漬、蒸気暴露などの方法で行う。
処理すると、吸水性が抑えられ、さらに誘電率の安定化
が可能になるし、また他の物質との接着性を向上させた
りできる。用いることのできるシリル化剤の例として
は、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、ジメチルエトキシシラン、メチルジエトキシ
シラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニ
ルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシランなどのアルコキシシラ
ン類、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、
ジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、
メチルビニルジクロロシラン、メチルクロロジシラン、
トリフェニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシ
ラン、ジフェニルジクロロシランなどのクロロシラン
類、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメ
チルシリル)ウレア、N−トリメチルシリルアセトアミ
ド、ジメチルトリメチルシリルアミン、ジエチルトリエ
チルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾールなど
のシラザン類などが挙げられる。シリル化の方法は塗
布、浸漬、蒸気暴露などの方法で行う。
【0037】以上の方法により得られた多孔性シリカ薄
膜は、その構造が空孔率が大きくて、誘電率は十分い低
く、また細孔径が均一で、しかもシリカ骨格は強固な構
造となっているため、密着力および機械的強度は極めて
高い。一例として、空孔率が53%で、平均孔径が2.
9nmで、10nm以上の孔が実質上存在せず、引っ張
り強度が50MPa(密着力は50MPa 以上)の多孔
性シリカ薄膜が挙げられ、LSI多層配線用基板や半導
体素子の絶縁膜用として最適である。本発明により得ら
れる多孔性シリカ薄膜は、薄膜以外のバルク状の多孔性
シリカ体、例えば光学的膜や触媒担体はじめ断熱材、吸
収剤、カラム充填材、ケーキング防止剤、増粘剤、顔
料、不透明化剤、セラミック、防煙剤、研磨剤、歯磨剤
などとして使用することも可能である。
膜は、その構造が空孔率が大きくて、誘電率は十分い低
く、また細孔径が均一で、しかもシリカ骨格は強固な構
造となっているため、密着力および機械的強度は極めて
高い。一例として、空孔率が53%で、平均孔径が2.
9nmで、10nm以上の孔が実質上存在せず、引っ張
り強度が50MPa(密着力は50MPa 以上)の多孔
性シリカ薄膜が挙げられ、LSI多層配線用基板や半導
体素子の絶縁膜用として最適である。本発明により得ら
れる多孔性シリカ薄膜は、薄膜以外のバルク状の多孔性
シリカ体、例えば光学的膜や触媒担体はじめ断熱材、吸
収剤、カラム充填材、ケーキング防止剤、増粘剤、顔
料、不透明化剤、セラミック、防煙剤、研磨剤、歯磨剤
などとして使用することも可能である。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例などを示す
が、本発明の範囲はこれらにより何ら限定されるもので
はない。多孔性シリカ薄膜の評価は下記の装置、方法を
用いて行った。 (1)空孔率、平均孔径、孔径分布:シリコンウェハー
上の薄膜を削り取って、窒素吸着式ポロシメーター(ク
アンタクローム社製オートソーブ1)を用いて測定し
た。空孔率は、あらかじめ用意したバルク体の密度と比
較して求めた。最大孔径はV/r値で10-3以下になっ
たときの孔径を採用した。 (2)比誘電率:TiNを表面に形成したシリコンウェ
ハー上に多孔質膜を形成後、この薄膜の上部にSUS
(ステンレス鋼)製のマスクを通してアルミニウムを蒸
着し、直径1.7mmの電極を作製し、インピーダンス
アナライザを用いて1MHzにおける比誘電率(k)を
求めた。
が、本発明の範囲はこれらにより何ら限定されるもので
はない。多孔性シリカ薄膜の評価は下記の装置、方法を
用いて行った。 (1)空孔率、平均孔径、孔径分布:シリコンウェハー
上の薄膜を削り取って、窒素吸着式ポロシメーター(ク
アンタクローム社製オートソーブ1)を用いて測定し
た。空孔率は、あらかじめ用意したバルク体の密度と比
較して求めた。最大孔径はV/r値で10-3以下になっ
たときの孔径を採用した。 (2)比誘電率:TiNを表面に形成したシリコンウェ
ハー上に多孔質膜を形成後、この薄膜の上部にSUS
(ステンレス鋼)製のマスクを通してアルミニウムを蒸
着し、直径1.7mmの電極を作製し、インピーダンス
アナライザを用いて1MHzにおける比誘電率(k)を
求めた。
【0039】(3)機械的強度(密着性、引っ張り強
度):膜の密着性および引っ張り強度はシリコンウェハ
ー上の膜に10nmの膜厚でSiO2 をスパッタし、S
iO2 膜の上にエポキシ樹脂で鋲を接着して5つの資料
を作成して、引っ張り試験機で5つの資料の平均値とし
て評価した。測定温度は25℃である。 (4)残留物の含有率:シリコンウェハー上の多孔性シ
リカ薄膜を削り取って、島津製作所製、熱重量分析機:
TGA−50を用いて室温から20℃/分で425℃ま
で昇温し、425℃で120分間保持した前後の重量差
から求めた。
度):膜の密着性および引っ張り強度はシリコンウェハ
ー上の膜に10nmの膜厚でSiO2 をスパッタし、S
iO2 膜の上にエポキシ樹脂で鋲を接着して5つの資料
を作成して、引っ張り試験機で5つの資料の平均値とし
て評価した。測定温度は25℃である。 (4)残留物の含有率:シリコンウェハー上の多孔性シ
リカ薄膜を削り取って、島津製作所製、熱重量分析機:
TGA−50を用いて室温から20℃/分で425℃ま
で昇温し、425℃で120分間保持した前後の重量差
から求めた。
【0040】
【実施例1】メチルトリメトキシシラン7.0gとポリ
エチレングリコールモノメタクリレート(分子量50
0)5.2gを、エタノール10.0g、プロピレング
リコールメチルエーテルアセテート2.0gの混合溶媒
に溶解した後、この溶液に水3.0gと0.1N硫酸
1.5gを加え、室温で2時間攪拌した。この溶液2g
を、窒化ケイ素薄膜を化学気相法により予めコーティン
グしておいた6インチシリコンウエハー上に滴下し、毎
分1500回転の速度で回転して塗布した。次にホット
プレート上で大気中120℃で1分加熱後、窒素雰囲気
下のキュア炉にて200℃で1時間、次いで425℃で
1時間、加熱処理し、厚さ1.01μmの多孔性シリカ
薄膜を得た。
エチレングリコールモノメタクリレート(分子量50
0)5.2gを、エタノール10.0g、プロピレング
リコールメチルエーテルアセテート2.0gの混合溶媒
に溶解した後、この溶液に水3.0gと0.1N硫酸
1.5gを加え、室温で2時間攪拌した。この溶液2g
を、窒化ケイ素薄膜を化学気相法により予めコーティン
グしておいた6インチシリコンウエハー上に滴下し、毎
分1500回転の速度で回転して塗布した。次にホット
プレート上で大気中120℃で1分加熱後、窒素雰囲気
下のキュア炉にて200℃で1時間、次いで425℃で
1時間、加熱処理し、厚さ1.01μmの多孔性シリカ
薄膜を得た。
【0041】得られた多孔性シリカ薄膜の窒素吸着法に
よって求められた空隙率は53%であり、平均孔径2.
9nm、10nm以上の孔は事実上存在しないことがわ
かった。TiN膜上に形成した多孔質膜の1MHzにお
ける比誘電率は2.1であり、SiO2 の誘電率である
4.5を大きく下回っていた。TGA(熱重量分析)に
より求められた残留物量は5.2重量%であった。更
に、得られた薄膜の力学強度試験では、材料の凝集破壊
が起こり、その値が50MPa であり(従って密着性は
50MPa以上)、この多孔性シリカ薄膜は半導体層間
絶縁膜材料として好ましい誘電率、細孔径、細孔分布お
よび機械的強度を有するものである。
よって求められた空隙率は53%であり、平均孔径2.
9nm、10nm以上の孔は事実上存在しないことがわ
かった。TiN膜上に形成した多孔質膜の1MHzにお
ける比誘電率は2.1であり、SiO2 の誘電率である
4.5を大きく下回っていた。TGA(熱重量分析)に
より求められた残留物量は5.2重量%であった。更
に、得られた薄膜の力学強度試験では、材料の凝集破壊
が起こり、その値が50MPa であり(従って密着性は
50MPa以上)、この多孔性シリカ薄膜は半導体層間
絶縁膜材料として好ましい誘電率、細孔径、細孔分布お
よび機械的強度を有するものである。
【0042】
【実施例2】実施例1において、有機ポリマーをポリエ
チレングリコールジメタクリレート(分子量400)
5.2gとする以外は同様の方法で、膜厚が0.95μ
mの多孔性シリカ薄膜を得た。TiN膜上に形成した多
孔質膜の比誘電率は1.9であり、平均孔径は3.5n
mで10nm以上の孔は存在しなかった。TGAによる
残留物量は4.9重量%であった。また、材料の凝集破
壊強度は55MPa (密着力は55MPa 以上)であっ
た。従って得られた多孔性シリカ薄膜は半導体層間絶縁
膜材料として好ましい特性を有するものである。
チレングリコールジメタクリレート(分子量400)
5.2gとする以外は同様の方法で、膜厚が0.95μ
mの多孔性シリカ薄膜を得た。TiN膜上に形成した多
孔質膜の比誘電率は1.9であり、平均孔径は3.5n
mで10nm以上の孔は存在しなかった。TGAによる
残留物量は4.9重量%であった。また、材料の凝集破
壊強度は55MPa (密着力は55MPa 以上)であっ
た。従って得られた多孔性シリカ薄膜は半導体層間絶縁
膜材料として好ましい特性を有するものである。
【0043】
【実施例3】有機ポリマーをポリエチレンアジペートモ
ノアクリレート(分子量400)5.2gとし、キュア
炉での加熱温度を450℃とする以外は実施例1と同様
の方法で、膜厚が0.97μmの多孔性シリカ薄膜を得
た。TiN膜上に形成した多孔質膜の比誘電率は2.5
あり、平均孔径は3.5nmで、20nm以上の孔は存
在しなかった。TGAによる残留物量は12.5重量%
であった。また材料の凝集破壊強度は45MPa (密着
力は45MPa 以上)であった。従って得られた多孔性
シリカ薄膜は半導体層間絶縁膜材料として好ましい特性
を有するものである。
ノアクリレート(分子量400)5.2gとし、キュア
炉での加熱温度を450℃とする以外は実施例1と同様
の方法で、膜厚が0.97μmの多孔性シリカ薄膜を得
た。TiN膜上に形成した多孔質膜の比誘電率は2.5
あり、平均孔径は3.5nmで、20nm以上の孔は存
在しなかった。TGAによる残留物量は12.5重量%
であった。また材料の凝集破壊強度は45MPa (密着
力は45MPa 以上)であった。従って得られた多孔性
シリカ薄膜は半導体層間絶縁膜材料として好ましい特性
を有するものである。
【0044】
【実施例4】実施例1において、メチルトリメトキシシ
ランに代えてテトラエトキシシラン12.0g(58.
0mmol)を用いて、ポリエチレングリコールモノメ
タクリレート( 分子量500) 10.4gを用いた以外
は実施例1と同様な方法で厚さ0.98μmの多孔性シ
リカ薄膜を得た。得られた多孔性シリカ薄膜は、誘電率
が2.2、平均孔径が6.2nmであり、30nm以上
の孔は存在しなかった。TGA上の重量減少は6.3重
量%で良好であった。さらに、引っ張り強度は48MP
a (密着力は48MPa 以上)であった。
ランに代えてテトラエトキシシラン12.0g(58.
0mmol)を用いて、ポリエチレングリコールモノメ
タクリレート( 分子量500) 10.4gを用いた以外
は実施例1と同様な方法で厚さ0.98μmの多孔性シ
リカ薄膜を得た。得られた多孔性シリカ薄膜は、誘電率
が2.2、平均孔径が6.2nmであり、30nm以上
の孔は存在しなかった。TGA上の重量減少は6.3重
量%で良好であった。さらに、引っ張り強度は48MP
a (密着力は48MPa 以上)であった。
【0045】
【比較例1】実施例1において、有機ポリマーをポリエ
チレングリコールジメチルエーテル(分子量500)
5.2gとした以外は、実施例1と同様の操作で、膜厚
が0.89μmの多孔性シリカ薄膜を得た。誘電率は
2.0、平均孔径は3n mだった。この材料は機械強度
測定試験において、基板との界面で剥離が起こり、この
場合の密着力は15MPa (凝集破壊強度は15MPa
以上)であり、半導体層間絶縁膜材料として満足できる
ものではない。
チレングリコールジメチルエーテル(分子量500)
5.2gとした以外は、実施例1と同様の操作で、膜厚
が0.89μmの多孔性シリカ薄膜を得た。誘電率は
2.0、平均孔径は3n mだった。この材料は機械強度
測定試験において、基板との界面で剥離が起こり、この
場合の密着力は15MPa (凝集破壊強度は15MPa
以上)であり、半導体層間絶縁膜材料として満足できる
ものではない。
【0046】
【比較例2】テトラエトキシシラン12.0g(58m
mol)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート
(平均分子量360)6.8g、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート(平均分子量540)3.4gをN
−メチルピロリドン20.0g、プロピレングリコール
メチルエーテルアセテート10.0gの混合溶媒に溶解
し、この溶液に水7.5gと0.1N硝酸1.5gを加
え、室温で2時間撹拌した。この溶液にジクミルパーオ
キサイド0.5gを添加し、窒化ケイ素薄膜を化学気相
法により予めコーティングしておいたシリコンウェハ上
に毎分1500回転の速度で回転塗布し、120℃にて
1時間、180℃にて1時間加熱して、厚さ0.41μ
mの複合体の薄膜を得た。この試料を窒素雰囲気下45
0℃にて1時間焼成し、有機ポリマー分を焼失させ、厚
さ0.23μmの多孔性シリカ薄膜を得た。残留物量は
1.8重量%であった。この場合の凝集破壊強度は25
MPa (密着力は25MPa 以上)であり、半導体層間
絶縁膜材料として満足できるものとはいえない。
mol)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート
(平均分子量360)6.8g、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート(平均分子量540)3.4gをN
−メチルピロリドン20.0g、プロピレングリコール
メチルエーテルアセテート10.0gの混合溶媒に溶解
し、この溶液に水7.5gと0.1N硝酸1.5gを加
え、室温で2時間撹拌した。この溶液にジクミルパーオ
キサイド0.5gを添加し、窒化ケイ素薄膜を化学気相
法により予めコーティングしておいたシリコンウェハ上
に毎分1500回転の速度で回転塗布し、120℃にて
1時間、180℃にて1時間加熱して、厚さ0.41μ
mの複合体の薄膜を得た。この試料を窒素雰囲気下45
0℃にて1時間焼成し、有機ポリマー分を焼失させ、厚
さ0.23μmの多孔性シリカ薄膜を得た。残留物量は
1.8重量%であった。この場合の凝集破壊強度は25
MPa (密着力は25MPa 以上)であり、半導体層間
絶縁膜材料として満足できるものとはいえない。
【0047】
【発明の効果】本発明により得られた多孔性シリカ薄膜
は、空孔率が大きくて誘電率が低く、細孔径は均一で、
かつシリカ骨格が強固であるため、密着力および引っ張
り強度は従来品に比べて格段に向上した。
は、空孔率が大きくて誘電率が低く、細孔径は均一で、
かつシリカ骨格が強固であるため、密着力および引っ張
り強度は従来品に比べて格段に向上した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G072 AA28 BB09 BB15 EE05 EE07 FF09 GG01 HH30 JJ11 JJ38 JJ47 KK01 LL06 LL11 LL15 MM01 MM02 MM36 NN21 PP17 RR05 RR12 TT30 UU30 4M104 EE14 HH09 5F033 RR09 SS22 WW00 WW02 XX12 XX23 5F058 BA10 BA20 BC05 BC20 BF46 BH01 BJ01 BJ02
Claims (5)
- 【請求項1】 アルコキシシラン類の加水分解・縮合反
応により得られるシリカと有機ポリマーとの複合体から
有機ポリマーを除去して得られる多孔性シリカ薄膜であ
って、シリカ内の有機物由来の残留物が3〜15重量%
であり、その空孔率が30〜80%、最大孔径が50n
m以下であることを特徴とする多孔性シリカ薄膜。 - 【請求項2】 空孔率が40〜70%であることを特徴
とする請求項1に記載の多孔性シリカ薄膜。 - 【請求項3】 膜厚が10μm以下であることを特徴と
する請求項1又は2に記載の多孔性シリカ薄膜。 - 【請求項4】 複数の絶縁層およびその上に形成された
配線を包含し、該絶縁層の少なくとも1層が請求項1〜
3のいずれかに記載の多孔性シリカ薄膜より構成されて
なることを特徴とする多層配線構造体。 - 【請求項5】請求項4記載の多層配線構造体を包含して
なる半導体素子。
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