JP2001097758A - 速硬型セルフレベリング性組成物 - Google Patents
速硬型セルフレベリング性組成物Info
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Abstract
(C)消泡剤、並びに(D)ポリアルキレングリコール
鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とす
る液に、還元性無機化合物および還元性有機化合物を添
加し、次いで乾燥粉末化することにより得られる粉末状
セメント分散剤を含有する速硬型セルフレベリング性組
成物。 【効果】 本発明の速硬型セルフレベリング性組成物
は、従来用いられてきた既調合の速硬型セルフレベリン
グ性組成物に比べ、高い流動性を長時間保持することが
でき、しかも十分な速硬性を有する。これにより、打設
量が多く、短時間で打設面の開放が必要な場合でも水平
面の精度を悪化させることなく、効率の良い施工を行う
ことが可能となる。
Description
礎の天端調整材として用いられるセルフレベリング性組
成物であって、水以外の材料を既調合で供給することが
可能な、速硬型セルフレベリング性組成物に関する。
分を水平に調整する方法として、従来はモルタルのこて
仕上による方法が採られていたが、近年ではセルフレベ
リング性組成物が使用されるようになり、高精度で効率
的な施工が可能となっている。ここで用いられるセルフ
レベリング性組成物としてセメント系セルフレベリング
性組成物(以下SL材という)がある。SL材は一般に
結合材であるセメント、細骨材およびセメント分散剤か
らなり、これに必要に応じて増粘剤、消泡剤、膨張材や
収縮低減剤等が配合されている。
おり、施工現場で水を加えて練り混ぜて使用する既調合
SL材と、工場で製造してアジテーター車で施工現場ま
で運搬して使用するレディミックス型のSL材があり、
既調合SL材は主に床下地や基礎の天端部分を水平に調
整する材料として使用され、レディミックス型のSL材
は主に比較的大規模な建築物の床下地の調整材として用
いられている。このうち、既調合SL材は現場で混練し
打設するため、必要な流動性の保持時間は通常1時間程
度であり、用いられているセメント分散剤は流動性保持
効果が比較的低い、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン
縮合物の粉末またはメラミンスルホン酸塩ホルマリン縮
合物の粉末が主に使用されている(特開昭56−843
58号、特開平4−367546号)。
ムを主成分とするセメントや急硬材を用いることにより
速硬性を付与したものがあり(特開平10−23116
5号、特開平2−302352号)、打設面の開放時間
の短縮が図られている。従来、速硬型既調合SL材は比
較的小規模な建築物で補修材などの用途で使用されるこ
とが多かったが、近年では工期短縮のために比較的大規
模な建築物で使用されることも多くなってきており、セ
ルフレベリング性を発揮させるのに必要な高い流動性を
より長時間確保し、且つ、十分な速硬性を発揮すること
が望まれている。しかしながら、従来のナフタレンスル
ホン酸塩ホルマリン縮合物やメラミンスルホン酸塩ホル
マリン縮合物を主成分とする粉末状セメント分散剤を配
合した速硬型既調合SL材において高い流動性をより長
時間確保するために、凝結遅延剤やセメント分散剤の添
加量を増したり、水セメント比を高くしたりすると、速
硬性が損なわれたり、強度が低下したりする問題があっ
た。また、スルホン酸塩系ホルマリン縮合物を主成分と
するセメント分散剤ではホルマリンが有害物質であるた
め、その取り扱いや使用に於いて必然的に制約せざるを
得なかった。
使用されているポリカルボン酸系高分子化合物を主成分
とするセメント分散剤は、硬化時間が遅延したり、強度
が低下するなどの問題を生じることなく、流動性を長時
間保持することが可能であるが、この分散剤は一般に水
溶液として製造されるため、既調合SL材にあらかじめ
配合しておくことが不可能である。このためポリカルボ
ン酸系高分子化合物を主成分とする分散剤を粉末化する
ことも試みられているが、既知の粉末化技術(特公平7
−14829号)で水への溶解度が高い粉末状分散剤を
得ようとすると、粉末製造過程中に不溶性のゲルが生成
し、得られた粉末は分散作用を初めとする性状面での安
定性を欠き易かった。また、噴霧乾燥装置を用いた粉末
化方法(特許第2669761号)も知られているが、
多量の無機粉体を併用しなければならないため、分散剤
中のポリカルボン酸系高分子化合物含量が低下したり、
無機粉体に吸着され、水溶液状態で使用した場合よりも
分散性能が低下する問題があった。
は、上記問題点を解決し、粉末状セメント分散剤を配合
した、流動性保持効果が高く、十分な速硬性を有する速
硬型セメント系セルフレベリング性組成物を提供するこ
とにある。
検討した結果、ポリアルキレングリコール鎖を有するポ
リカルボン酸系高分子化合物含有液に、還元性無機化合
物と還元性有機化合物を添加して乾燥粉末化すれば、効
率良く流動性に優れた粉末状セメント分散剤が得られ
る、さらにこの粉末状分散剤を速硬セメント、石膏およ
び消泡剤とともに使用すれば流動性保持効果が高く、十
分な速硬性を有する速硬型セルフレベリング性組成物が
得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(B)石膏、(C)消泡剤、並びに(D)ポリアルキレ
ングリコール鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物
を主成分とする液に、還元性無機化合物および還元性有
機化合物を添加し、次いで乾燥粉末化することにより得
られる粉末状セメント分散剤を含有する速硬型セルフレ
ベリング性組成物を提供するものである。
性組成物に配合される(D)粉末状セメント分散剤は、
前記の如くポリアルキレングリコール鎖を有するポリカ
ルボン酸系高分子化合物を主成分とする液に還元性無機
化合物および還元性有機化合物を添加し、乾燥粉末化す
ることにより得られる。ここで用いられるポリアルキレ
ングリコール鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物
としては、特に限定されず、例えば(D1)ポリアルキ
レングリコール鎖を有する(メタ)アクリル酸系共重合
体および(D2)ポリアルキレングリコール鎖を有する
マレイン酸系共重合体(ただし、(D2)の場合、多価
金属塩を除く)等が挙げられ、これらは1種でも2種以
上を混合して用いてもよい。
OM(式中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、アンモニウムまたは有機アミンを示す)および
ポリアルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリル
酸系共重合体が好ましいものとして挙げられる。また
(D2)としては、ポリアルキレングリコールアルケニ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体(ただし、多価金
属塩を除く)等が好ましいものとして挙げられる。
体の基−COOM中のMは、水素原子;ナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等
のアルカリ土類金属;アンモニウムまたは有機アミンが
好ましい。
ルキレングリコール鎖としては、−O(CH2CH
(Ra)O)b−で示されるものが好ましい。ここでRa
は水素原子またはメチル基を示し、bは2〜200であ
るが、5〜109が好ましく、特に20〜109、さら
に30〜109が好ましい。
合体の好ましいものとしては、全構成単位中に、下記式
(1)で示される構成単位(1)を40〜80モル%、
下記式(2)で示される構成単位(2)を2〜25モル
%、下記式(3)で示される構成単位(3)を3〜20
モル%および下記式(4)で示される構成単位(4)を
1〜45モル%の割合で有する数平均分子量2000〜
50000の(メタ)アクリル酸系共重合体が挙げられ
る。
たは異なって水素原子またはメチル基を示し、R3およ
びR6は炭素数1〜3のアルキル基を示し、M1は水素原
子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムま
たは有機アミンを示し、Xは−SO 3M2または−O−
Ph−SO3M2(ここで、M2は水素原子、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アミン
を示し、Phはフェニレン基を示す)を示し、nは2〜
200の整数を示す〕
およびR5は、メチル基が好ましい。またR3およびR6
としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基が挙げられ、就中メチル基が好ましい。ま
た、M1としては、ナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、マグネシウム、アルカノールアミン等が好ましく、
特に、水に対する溶解性の面からナトリウムが好まし
い。また基X中のM2としては、ナトリウム、カリウム
等のアルカリ金属原子、カルシウム、マグネシウム等の
アルカリ土類金属、アンモニウムおよびエタノールアミ
ン等のアルカノールアミン等の有機アミンが挙げられ
る。これらのうちXとしては、−SO3Naが好まし
い。また、(4)式中のnは2〜200であるが、5〜
109が好ましく、特に20〜109、さらに30〜1
09が好ましい。構成単位(1)は40〜80モル%で
あることが好ましく、特に45〜75モル%であること
が好ましい。構成単位(2)は2〜25モル%であるこ
とが好ましく、特に5〜20モル%であることが好まし
い。構成単位(3)は3〜20モル%であることが好ま
しく、特に5〜15モル%であることが好ましい。ま
た、構成単位(4)は1〜45モル%であることが好ま
しく、特に3〜40モル%であることが好ましい。な
お、構成単位のモル%は、(1)〜(4)の全構成単位
を100モル%とした場合の夫々の構成単位のモル%を
示す。
重合体の好ましいものとしては、全構成単位中に、下記
式(5)で示される構成単位(5)を40〜70モル
%、下記式(6)で示される構成単位(6)を5〜30
モル%、下記式(7)で示される構成単位(7)を1〜
20モル%、下記式(8)で示される構成単位(8)を
1〜30モル%および下記式(9)で示される構成単位
(9)を1〜30モル%の割合で有する数平均分子量2
000〜50000の(メタ)アクリル酸系共重合体が
挙げられる。
びR14は同一または異なって水素原子またはメチル基を
示し、R9、R12およびR15は炭素数1〜3のアルキル
基を示し、M3は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、アンモニウムまたは有機アミンを示し、Yは−
SO3M4または−O−Ph−SO3M4(ここで、M4は
水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニ
ウムまたは有機アミンを示し、Phはフェニレン基を示
す)を示し、mは2〜200の整数を示し、pは2〜1
09の整数を示す。〕
R10、R11、R13およびR14はメチル基が好ましい。ま
た、R9、R12およびR15としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基が挙げられ、就
中、メチル基が好ましい。また、M 3およびM4として
は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウ
ム、アルカノールアミン等が好ましく、特にナトリウム
が好ましい。また基Yとしては−SO3Naが好まし
い。(8)式中のmは2〜200であるが、5〜109
が好ましく、特に20〜109が好ましく、さらに30
〜109が好ましい。また、(9)式中のpは2〜10
9であるが、5〜50が好ましい。構成単位(5)は4
0〜70モル%であることが好ましく、特に45〜65
モル%であることが好ましい。構成単位(6)は5〜3
0モル%であることが好ましく、特に8〜23モル%で
あることが好ましい。構成単位(7)は1〜20モル%
であることが好ましく、特に1〜15モル%であること
が好ましい。構成単位(8)は1〜30モル%であるこ
とが好ましく、特に5〜25モル%であることが好まし
い。また、構成単位(9)は1〜30モル%であること
が好ましく、特に3〜25モル%であることが好まし
い。なお、構成単位のモル%は(5)〜(9)の全構成
単位の合計を100モル%とした場合の夫々の構成単位
のモル%を示す。
系共重合体としては、数平均分子量2000〜5000
0(GPC法、ポリエチレングリコール換算)のものが
好ましく、3500〜30000のものがより好まし
い。
有するマレイン酸系共重合体としては、メチルポリエチ
レングリコールビニルエーテル−無水マレイン酸共重合
体、ポリエチレングリコールアリルエーテル−無水マレ
イン酸共重合体、メチルポリエチレングリコールアリル
エーテル−無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸メチ
ルポリエチレングリコール−マレイン酸共重合体等が挙
げられる。当該共重合体(D2)の好ましい数平均分子
量(GPC法、ポリエチレングリコール換算)は、30
00〜200000、特に3000〜80000が好ま
しい。
硝酸塩、チオ硫酸塩等が挙げられる。これらの塩として
はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ましい。当
該還元性無機化合物の添加により乾燥工程の混練攪拌時
のゲル化が防止できる理由は、明らかではないが、当該
還元性無機化合物がポリカルボン酸系共重合体含有液中
に残存するラジカル反応開始剤を失活させるためと考え
られる。従って、還元性無機化合物の添加量は、混合物
中に残存するラジカル反応開始剤の種類や残存量に応じ
て決定すればよく、通常は高分子化合物合成に用いたラ
ジカル反応開始剤の固型分の量(モル%値)以下である
が、残存ラジカル反応開始剤の固型分の量(モル%値)
以下で残存ラジカル反応開始剤の酸化力を失活できる量
以上とするのが望ましい。
系化合物、特にアルカノールアミン類が好ましい。具体
的にはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モ
ノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、N,N
−ジエチルエタノールアミン等のアルカノールアミン、
sec−ブチルアミン等のアルキルアミン、エチレンジ
アミン等のジアミン類等が挙げられる。当該還元性有機
化合物の添加により、混練攪拌機の負荷が大きく低減さ
れ、乾燥粉末時に排出される留去水のCOD値が低下
(200mg/L以下)する。
のそれぞれの添加量は、前記ポリカルボン酸系高分子化
合物の固型分含有量の0.01〜2.5重量%、特に
0.5〜1.5重量%が好ましい。尚、このような還元
性有機化合物添加により、乾燥粉末化工程に於ける混合
攪拌機の負荷が低減され、また乾燥時に留去される水の
COD値が低下する理由は、これが解砕助剤として作用
すると共に、アミン効果によって室温付近の低温下で重
合反応が進行し、未反応モノマーが消費されるためと推
測される。
剤では、その吸湿性やブロッキング性等を改善したり、
計量誤差を少なくするために乾燥後、上記必須成分の
他、さらにポリアルキレングリコール、炭素数8〜22
の脂肪酸またはその塩、無機粉体を配合してもよい。
量1000〜20000のポリエチレングリコール、分
子量2000〜6000のポリプロピレングリコールが
好ましいものとして挙げられる。このうちポリエチレン
グリコールが特に好ましく、さらに平均分子量2000
〜4000のポリエチレングリコールが好ましい。
塩は、飽和でも不飽和でもよく、また直鎖でも分岐を有
するものであってもよい。具体的には、カプリル酸、ペ
ラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、
トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミ
チン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン
酸、アラキン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン
酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジ
ン酸およびそれらの塩が挙げられる。上記脂肪酸の塩と
しては、ナトリウム、カリウム、バリウム、カルシウ
ム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の金属塩が好
ましい。就中、ステアリン酸またはその塩が好ましく、
特に好ましいものとしては、ステアリン酸カルシウムが
挙げられる。これらのポリアルキレングリコールおよび
炭素数8〜22の脂肪酸またはその塩の配合量は、前記
ポリアルキレングリコール鎖を有するポリカルボン酸系
高分子化合物の固型分含有量の0.2〜30重量%、特
に0.5〜20重量%が好ましい。
カルシウム等の無機塩類の粉末やカオリナイト、ベント
ナイト等の粘土鉱物粉末、または高炉スラグやフライア
ッシュなどの微粉末が使用できる。このような無機粉体
は、ポリカルボン酸系高分子化合物の固型含有量に対
し、最大3倍程度まで使用してもよい。
分とする液には、水または有機溶媒の溶液または分散液
が含まれていてもよい。
含有液は、通常酸性液となっているので、還元性無機化
合物および還元性有機化合物を添加後、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ
金属またはアルカリ土類金属の水溶液を加えてpH7〜9
に調整するのが好ましい。pHが未調整の場合、加温乾燥
処理時に混合物中の高分子化合物が加水分解を起こし易
くなったり、乾燥時に留去される水分のCOD値が高く
なる。尚、ポリカルボン酸系高分子化合物含有液が当初
よりpH7〜9である場合はpH調整剤を添加して調整する
必要はない。
は熱伝導型の乾燥装置であれば特に限定されないが、処
理物が5〜40%の溶液の場合は前者の乾燥装置である
スプレードライヤー、フラッシュジェトドライヤーなど
が適している。処理物が40%を超える高濃度溶液や粘
弾性の高いものの場合は、後者の混練攪拌乾燥機、バン
ド型連続真空乾燥機等の乾燥機を用いるのがよい。しか
しながら、ポリアルキレングリコール鎖を有するポリカ
ルボン酸系高分子化合物は、濃縮過程で粘性を帯びるこ
とがあるため粉末化の効率等の点から、混練攪拌を行う
ことにより乾燥粉末化する手段が特に好ましい。混練・
攪拌の温度は、40〜120℃程度が好ましく、より好
ましくは60〜110℃程度とする。混練・攪拌は大気
中でも行うことができるが、変質防止の観点から減圧ま
たは窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気で行うこと
が望ましい。また、硬度が30°以上になるまで濃縮し
た後に、0.5kg/m3/rpm 以上の馬力で混練攪拌しな
がら、乾燥粉末化するのが好ましい。このような乾燥操
作を行うことにより、粉末状の分散剤を得ることができ
る。尚、乾燥後の粉末は小塊状に凝集している場合もあ
るが、この塊状物は脆弱であるため僅かな解砕力で容易
に単粒子化できる。
から任意の粉砕・分級方法により平均粒径5〜2000
μm、より好ましくは10〜500μmに調整すること
が望ましい。しかし、製造された(D)粉末状分散剤は
熱に比較的弱いため蓄熱性が低い粉砕機が好ましく、具
体的にはピン型ミルが好ましい。また、粒度調整用にス
クリーンと一体型の粉砕機もあるが、未粉砕物が滞留す
ると粉砕熱が増大するので粉砕と分級を別々に行う方が
好ましい。
散剤の本発明セルフレベリング性組成物への添加量は少
なすぎると効果がなく、多すぎると凝結遅延や強度低下
の原因となるので、結合材(速硬セメント、他種セメン
トおよび石膏の合計)100重量部に対して0.005
〜5重量部、特に0.01〜3重量部が好ましい。
は、カルシウムアルミネートを主成分とするものであれ
ばいずれも使用できるが、特にモノカルシウムアルミネ
ート(CA)を主成分とし、Al2O3含有量が65重量
%以下であるものが好ましく、特にAl2O3含有量が3
0〜45重量%であるものがより好ましい。また、本発
明で用いる(A)速硬セメントはポルトランドセメント
(普通セメント、早強セメント、超早強セメント、中庸
熱セメント、耐硫酸塩セメント等)や、混合セメント
(高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメ
ント等)と併用すると、高い流動性と十分な速硬性を両
立させる上でより好ましい。速硬セメントと普通セメン
トを併用する場合の配合比率は、速硬セメント/普通セ
メント=1/99〜90/10(重量比)が好ましく、
より好ましくは3/97〜50/50である。
硬性を向上させる作用があり、さらに乾燥収縮を低減さ
せる効果が期待できる。(B)石膏としては、無水石
膏、半水石膏、二水石膏のいずれも使用できるが、流動
性、速硬性および乾燥収縮低減性の面から無水石膏が最
も好ましい。また、(B)石膏の配合量は速硬セメント
100重量部に対し2〜150重量部が好ましく、より
好ましくは10〜70重量部である。
床面のふくれ、ヘコミ等を防止するためのものである。
(C)消泡剤としてはシリコーン系または非イオン系界
面活性剤等の一般に公知の消泡剤が使用できる。使用量
は結合材100重量部に対して0.01〜0.6重量
部、特に0.05〜0.4重量部が好ましい。
には、さらに(E)増粘剤、(F)凝結調整剤および
(G)細骨材をそれぞれ配合することもできる。
の防止、乾燥収縮防止等の目的で使用される。具体的に
は、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
(E)増粘剤の配合量は、流動性およびセルフレベリン
グ性の点から、結合材100重量部に対して0.005
〜0.6重量部、特に0.01〜0.4重量部が好まし
い。
は、凝結促進作用を有する化合物として、炭酸リチウ
ム、水酸化リチウム、塩化リチウム、硝酸リチウム、炭
酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化
ナトリウム等のアルカリ金属塩が好適に使用でき、特に
炭酸リチウムが好ましい。これら凝結促進作用を有する
化合物の配合量は結合材100重量部に対して0.00
5〜2重量部が、流動性および凝結促進効果の点から好
ましい。特に好ましくは0.05〜0.5重量部であ
る。また、凝結遅延作用を有する化合物としては、酒石
酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸等のオキシカルボ
ン酸類(その塩を含む)が好適に使用でき、特に酒石酸
またはクエン酸が好ましい。これら凝結遅延作用を有す
る化合物の配合量は結合材100重量部に対して0.0
05〜3重量部が、速硬性および凝結遅延効果の点から
好ましく、特に好ましくは0.03〜1重量部である。
砂、海砂、陸砂、砕砂、珪砂等が使用でき、これらの砂
は乾燥砂が好ましい。また、フライアッシュ、高炉スラ
グ、炭酸カルシウム、シリカフューム等を上記の砂と併
用することもできる。配合する細骨材の粒度は5mm以下
で、FMが1.5〜3.0程度のものが好ましい。細骨
材の使用量は流動性および強度の点から結合材100重
量部に対して30〜300重量部が好ましく、60〜1
50重量部が特に好ましい。
には上記材料以外に、収縮ひびわれ防止の目的で膨張
材、収縮低減剤などを必要に応じて配合することができ
る。また、物性に悪影響を及ぼすものでない限り、増量
材や各種混和剤を使用することもできる。
は通常上記材料を調合した状態で提供され、建築現場で
ミキサーを用いて水と混練した後打設される。ここで使
用されるミキサーは特に限定されるものではなく、水の
添加量は通常結合材100重量部に対して30〜100
重量部である。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例に使用した材料は以下の通りである。
(ラファージュアルミネート社製アルミナセメント) 表1に速硬セメント(シマン フォンデュ ラファージ
ュ)の化学成分を示す。
ント(株)製) (2)石膏 II型無水石膏(ブレーン比表面積7000cm2/g) (3)細骨材 珪砂(山形産)F.M=2.3 (4)粉末状セメント分散剤 本発明に係る粉末状セメント分散剤 本発明に用いた粉末状セメント分散剤の製造に使用した
ポリカルボン酸系高分子化合物を以下に示す。
造方法〕表2および表3に記載した高分子化合物を主成
分とする固形分濃度45%の液状混合物各800gに、
pH調整のために10重量%の水酸化ナトリウム水溶液7
5.2gを加えて常温で約3分間攪拌を行った。次い
で、還元剤として亜硫酸ソーダおよびトリエタノールア
ミンを固形分濃度に対して0.5〜2重量%添加し3分
間攪拌し、これを処理容積が1Lのニーダー型混練攪拌
機に入れて温度90℃、30torrの減圧下で混練しなが
ら濃縮・乾燥を行った。得られた粉粒体を粉砕機(マツ
バラ社製MCG180)で粉砕して、粒径50〜500
μmとし、表4に示す粉末状セメント分散剤(1)およ
び(2)を得た。
ラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物) (5)増粘剤 メトローズ(信越化学(株)製セルロース系増粘剤) (6)消泡剤 SN−ディフォーマー14HP(サンノプコ(株)製) (7)凝結調整剤 ・凝結促進剤:炭酸リチウム(市販品) ・凝結遅延剤:酒石酸(市販品)
組成物の配合例を示す。
の性能試験を以下のように行った。 〔試験例〕表5に示す配合に従い調合した材料100重
量部に対し、水21重量部を加え、ホバートミキサーを
用いて3分間混合した後、得られたスラリーに対して流
動性の評価としてフロー値を混練直後から60分まで1
0分毎に測定した。速硬性の評価としては凝結時間およ
び圧縮強度を測定した。試験結果を表6および表7に示
す。
JASS15M−103(セルフレベリング材の品質基
準)に準じて以下のように測定した。厚さ5mmのみがき
板ガラスの上に内径50mm、高さ51mmの塩化ビニール
製パイプ(内容積100mL)を置き、調整した速硬型セ
ルフレベリング性化合物を充填した後、パイプを引き上
げる。広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定し
その平均値をフロー値とした。フロー値経時変化の測定
では、測定前にホバートミキサーを用いて20秒間スラ
リーを混練してから測定を行った。
1「セメントの物理試験方法」に準じて測定した。
1「セメントの物理試験方法」に準じて材齢1日で測定
した。
ベリング性組成物は、従来の粉末状分散剤を使用したも
のに比べて、高い流動性を長時間保持でき、しかも十分
な速硬性を有することが分かる。
物は、従来用いられてきた既調合の速硬型セルフレベリ
ング性組成物に比べ、高い流動性を長時間保持すること
ができ、しかも十分な速硬性を有する。これにより、打
設量が多く、短時間で打設面の開放が必要な場合でも水
平面の精度を悪化させることなく、効率の良い施工を行
うことが可能となる。
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)速硬セメント、(B)石膏、
(C)消泡剤、並びに(D)ポリアルキレングリコール
鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とす
る液に、還元性無機化合物および還元性有機化合物を添
加し、次いで乾燥粉末化することにより得られる粉末状
セメント分散剤を含有する速硬型セルフレベリング性組
成物。 - 【請求項2】 さらに(E)増粘剤、(F)凝結調整
剤、および(G)細骨材含有するものである請求項1記
載の速硬型セルフレベリング性組成物。 - 【請求項3】 (A)速硬セメントが、モノカルシウム
アルミネート(CA)を主成分とし、Al2O3含有量が
65重量%以下である、請求項1または2記載の速硬型
セルフレベリング性組成物。 - 【請求項4】 (F)凝結調整剤が、アルカリ金属塩お
よびオキシカルボン酸類を含有するものである請求項2
または3記載の速硬型セルフレベリング性組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000003582A JP2001097758A (ja) | 1999-07-23 | 2000-01-12 | 速硬型セルフレベリング性組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-209123 | 1999-07-23 | ||
JP20912399 | 1999-07-23 | ||
JP2000003582A JP2001097758A (ja) | 1999-07-23 | 2000-01-12 | 速硬型セルフレベリング性組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001097758A true JP2001097758A (ja) | 2001-04-10 |
Family
ID=26517240
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000003582A Pending JP2001097758A (ja) | 1999-07-23 | 2000-01-12 | 速硬型セルフレベリング性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001097758A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006240899A (ja) * | 2005-03-01 | 2006-09-14 | Ube Ind Ltd | 自己流動性水硬性組成物、自己流動性水硬性組成物の製造方法及びこれらの組成物から得られるコンクリート硬化体 |
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-
2000
- 2000-01-12 JP JP2000003582A patent/JP2001097758A/ja active Pending
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