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JP2001075054A - 高分子製光学的ローパスフィルター、その製造方法及び高分子製光学的ローパスフィルター複合体 - Google Patents

高分子製光学的ローパスフィルター、その製造方法及び高分子製光学的ローパスフィルター複合体

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JP2001075054A
JP2001075054A JP24860399A JP24860399A JP2001075054A JP 2001075054 A JP2001075054 A JP 2001075054A JP 24860399 A JP24860399 A JP 24860399A JP 24860399 A JP24860399 A JP 24860399A JP 2001075054 A JP2001075054 A JP 2001075054A
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JP
Japan
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liquid crystal
pass filter
optical low
general formula
compound represented
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Application number
JP24860399A
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English (en)
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JP4419221B2 (ja
Inventor
Hiroshi Hasebe
浩史 長谷部
Naoki Koo
直紀 小尾
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的ローパスフィルターとして優れた機能
を有し、しかも容易に製造することができ、かつ、画像
の明るさと解像度を改善した複屈折型高分子製光学的ロ
ーパスフィルターを提供すること。 【解決手段】 重合性液晶組成物からなる層を、該組成
物が液晶相を示す温度で重合させて得られる光学異方性
高分子フィルムであって、常光線と異常光線との変位距
離が1〜70ミクロンの範囲にあり、かつ、ヘイズが5
%以下である光学異方性高分子フィルムからなる高分子
製光学的ローパスフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像情報を離散的
にサンプリングして出力情報を得るCCD素子(電荷結
合素子)、MOS素子(金属酸化物半導体素子)等の固
体撮像素子、又は画像情報を2次元的に配列した画素に
よって表現する液晶ディスプレイパネル、プラズマディ
スプレイパネル等のドットマトリックス型表示装置等に
好適に用いられる高分子製光学的ローパスフィルター及
びその製造方法に関し、さらに詳しくは、複屈折型の高
分子製光学的ローパスフィルター及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、CCD素子やMOS素子の如き
固体撮像素子を用いて、撮像素子の画素周期の2倍より
も細かい周期パターンを含む物体を撮影しようとする
と、モアレ縞が発生し、撮影画像が劣化するという現象
がある。また、液晶ディスプレイパネル、プラズマディ
スプレイパネルの如きドットマトリックス型表示装置等
においても、画素の周期構造に起因するノイズが発生
し、画質が劣化する現象が見られる。このような問題と
なる現象の発生を防ぐための手段として、画素のピッチ
によって規定される周波数よりも低い空間周波数成分を
通過させる光学的ローパスフィルターを利用する方法が
採用されている。このような光学的ローパスフィルター
としては、単軸結晶を光軸に対して斜めに切断して平行
平面板とした複屈折型のものが多用されている。
【0003】光学的ローパスフィルターの特性(空間遮
断周波数)を規定するものとして、変位距離がある。平
行平面板に自然光線が入射すると、出射光が常光線と異
常光線とに分離するが、変位距離は、この常光線と異常
光線との間の距離を指す。この変位距離は、平行平面板
の法線と光軸とのなす角度(以下、配向角とよぶ)、平
行平面板の厚み、結晶の常光屈折率、異常光屈折率の関
数で表わされ、例えば、平行平面板の厚み、結晶の常光
屈折率、異常光屈折率が一定であれば、配向角は45度
に近いほど変位距離は大きくなり、配向角が0度又は9
0度に近いと変位距離はほとんど零になる性質がある
(応用物理学会光学懇話会編、結晶光学、森北出版、1
98項)。
【0004】現在では、水晶を光軸に対して約45度斜
めに切断したものが、複屈折型の光学的ローパスフィル
ターとして主流をなしているが、水晶を用いているの
で、高価であり、また大面積のものを作成できないとい
う問題点がある。
【0005】このような問題点を解決する手段として、
有機材料の利用、特に、延伸処理を行うことによって複
屈折性を得ることが可能な高分子フィルム材料の利用が
考えられるが、延伸処理によって配向角は、ほぼ0度に
固定されてしまうため、光学的ローパスフィルターとし
ては機能しないものである。
【0006】配向角の制御が困難であるという問題を解
決する手段として、特開昭61−258570号(特許
第2556831号)公報には、低分子液晶材料を利用
する方法が提案されている。この方法は、低分子液晶材
料が、複屈折率が大きく、かつ、配向角の制御が容易で
あるという特徴を利用したものであって、空間遮断周波
数を低分子液晶材料に印加する電界の強さによって制御
できるという特徴がある。しかしながら、この方法で
は、約2〜3mm程度の厚みを有する液晶セルに低分子
液晶材料を封じ込める必要があり、小型化が難しい、と
いう問題点がある。また、低分子液晶材料の複屈折率
は、周囲の温度によって大きく変化するので、一定の空
間遮断周波数で制御可能とはいえ、使用環境の温度変化
を考慮して低分子液晶に印加する電界の強さを制御する
必要があり、温度センサーや温度補償回路を付加するた
めに、装置が複雑になってしまう、という問題点があっ
た。
【0007】低分子液晶材料の複屈折率が周囲の温度に
よって変化する問題を解決する手段として、特開平7−
33885号公報には、液晶オリゴマーを利用した配向
角が10〜80度のフィルムの製造方法が提案されてい
る。また、特開平7−20434号公報には、液晶高分
子を利用した配向角が5〜85度のフィルムの製造方法
が提案されている。これらの公報で提案されているフィ
ルムは、光学的ローパスフィルターとしての応用を主た
る目的としたものではないが、光学的ローパスフィルタ
ーとして利用可能であり、周囲の温度によって複屈折率
が大きく変化しないことが期待できる。
【0008】しかしながら、液晶オリゴマーを用いてフ
ィルムを製造する場合、液晶性オリゴマーが配向しにく
いため、20ミクロン以上の膜厚のものを得ることが困
難であり、一般に光学的ローパスフィルターとして求め
られる空間遮断周波数を得ることは難しい、という問題
点がある。また、液晶高分子を用いてフィルムを製造す
る場合、フィルムの耐熱性確保の観点から、約100℃
以上で液晶性を示す液晶高分子を用いる必要がある。そ
のため、液晶高分子を配向させるために、基板上で約1
00℃以上に加熱する製造工程において、使用する基板
として、変形や劣化が無く、耐熱性に優れたものを使用
することが求められており、基板の材質が限られてしま
う、という問題点がある。
【0009】上述の方法以外に、低分子液晶材料の複屈
折率が周囲の温度によって変化する問題を解決する手段
として、特開平5−215921号公報には、分子内に
重合性官能基を有する低分子液晶材料を用いた複屈折板
が提案されている。この複屈折板は、分子内に重合性官
能基を有する低分子液晶材料を配向させた後、重合性官
能基を重合させて配向を固定するものである。
【0010】しかしながら、該公報に記載の低分子液晶
材料は、液晶性を示す温度が134℃以上であり、その
ため、低分子液晶材料を基板上にて134℃以上に加熱
し、配向させる製造工程において、使用する基板には変
形や劣化が無く、耐熱性に優れたものを使用する必要が
あり、基板の材質が限られてしまう、という問題点があ
る。また、液晶性を示す温度が高いために、配向させる
工程において熱重合を誘起してしまう可能性があり、熱
重合が誘起された場合、光学的均一性が劣化してしま
う、という問題点もある。
【0011】低分子液晶材料を用いた場合において、複
屈折率が周囲の温度によって変化せず、膜厚を20ミク
ロン以上確保可能で、かつ製造工程において使用する基
板の材質が耐熱性の観点から制限を受けない光学的ロー
パスフィルターが、特開平8−122708号公報に開
示されている。この公報に記載の光学的ローパスフィル
ターは、分子内に重合性官能基を有し、かつ、室温にて
液晶性を示す低分子液晶材料を配向させた状態におい
て、室温で重合させて高分子化することにより製造され
るものである。
【0012】しかしながら、特開平8−122708号
公報に開示された光学的ローパスフィルターは、光を散
乱させるため、解像度と感度が低下するという問題点が
あった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来、
複屈折型光学的ローパスフィルターの材料として有機材
料の利用が試みられてきたが、今後、有機材料製の複屈
折型光学的ローパスフィルターが広く利用されるには、
さらに、画像の明るさと解像度を改善する必要がある。
【0014】本発明が解決しようとする課題は、光学的
ローパスフィルターとして優れた機能を有し、しかも容
易に製造することができ、かつ、画像の明るさと解像度
を改善した複屈折型高分子製光学的ローパスフィルター
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、(1)重合性液晶組成物からなる層を、該
組成物が液晶相を示す温度で重合させて得られる光学異
方性高分子フィルムであって、常光線と異常光線との変
位距離が1〜70ミクロンの範囲にあり、かつ、ヘイズ
が5%以下である光学異方性高分子フィルムからなる高
分子製光学的ローパスフィルターを提供する。
【0016】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(2)一般式(I)
【0017】
【化4】
【0018】(式中、L1 、 L2 及びL3 はそれぞれ
独立的に水素原子又はメチル基を表わし、R1 、R2
びR3 はそれぞれ独立的に炭素原子数1〜20のアルキ
レン基を表わす。)で表わされる化合物を含有し、か
つ、一般式(II)
【0019】
【化5】
【0020】(式中、L4 は水素原子又はメチル基を表
わし、R4 は炭素原子数1〜18のアルキル基を表わ
す。)で表わされる化合物及び/又は一般式(III)
【0021】
【化6】
【0022】(式中、L5 は水素原子又はメチル基を表
わし、R5 は炭素原子数1〜18のアルキル基を表わ
す。)で表わされる化合物を含有する重合性液晶組成物
を、該組成物が液晶相を示す温度にて、ハイブリッド配
向又は特定の角度に傾いたホモジニアス配向させた後、
活性エネルギー線を照射して重合させる上記(1)に記
載された高分子光学的ローパスフィルターの製造方法を
提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の高分子製光学的ローパス
フィルターは、重合性液晶組成物からなる層を、該組成
物が液晶相を示す温度で重合させて得られる光学異方性
高分子フィルムであって、常光線と異常光線との変位距
離が1〜70ミクロンの範囲にあり、かつ、ヘイズが5
%以下である光学異方性高分子フィルムからなるもので
ある。
【0024】本発明の高分子製光学的ローパスフィルタ
ーは、例えば、重合性液晶組成物が液晶相を示す温度に
て、ハイブリッド配向又は特定の角度に傾いたホモジニ
アス配向させた後、活性エネルギー線を照射して重合さ
せることにより製造することができる。
【0025】本発明で用いる重合性液晶組成物は、前記
一般式(I)で表わされる化合物を含有し、さらに、前
記一般式(II)で表わされる化合物及び/又は一般式
(III)で表わされる化合物を含有するものが特に好ま
しい。しかしながら、一般式(I)で表わされる化合物
と併用する重合性液晶化合物は、規定した変位距離とヘ
イズとを満足できる重合性液晶組成物を調整できる材料
であれば、前記一般式(II)で表わされる化合物及び/
又は前記一般式(III) で表わされる化合物に制限され
るものではない。
【0026】また、一般式(I)で表わされる化合物
は、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立的に炭素原子数
3〜8のアルキレン基である化合物が好ましい。また、
一般式(I)で表わされる化合物は、L1 、L2 及びL
3 が水素原子である化合物、一般式(II)で表わされる
化合物は、L4 が水素原子である化合物、かつ、一般式
(III) で表わされる化合物が、L5 が水素原子である
化合物がより好ましい。
【0027】重合性液晶組成物中の一般式(II)で表わ
される化合物の使用割合と一般式(III) で表わされる
化合物の使用割合は同量であることが好ましい。また、
前記重合性液晶組成物中の一般式(I)で表わされる化
合物の使用割合が20〜30重量%の範囲にあることが
好ましい。
【0028】活性エネルギー線照射工程における、望ま
しくない熱重合の誘起を避け、均一性に優れた光学異方
体を製造するために、本発明で用いる重合性液晶組成物
は、40℃以下で、さらに好ましくは30℃以下、特に
好ましくは室温、即ち、典型的には20〜25℃で液晶
相を呈するものが好ましい。
【0029】一般式(II)及び一般式(III) で表わさ
れる単官能液晶性(メタ)アクリレート化合物は、一般
式(I)で表わされる3官能液晶性(メタ)アクリレー
ト化合物と比較して、液晶相を示す温度が低く、室温に
近い温度で液晶性を示す傾向がある。従って、重合性液
晶組成物中における一般式(II)及び一般式(III)で
表わされる化合物の含有量が多いほど、液晶性を示す温
度を低減することができる。特に、一般式(II)で表わ
される化合物と一般式(III) で表わされる化合物との
使用割合を同量とした場合、液晶性を示す温度の低減効
果は顕著であり、室温で液晶性を確保するのに有効であ
る。
【0030】一方、本発明で用いる重合性液晶組成物に
おける一般式(I)で表わされる化合物の含有量が多い
ほど、重合して得られる光学的ローパスフィルターのヘ
イズを低減できる傾向がある。従って、40℃以下、さ
らに好ましくは30℃以下、特に好ましくは室温におけ
る液晶性が確保される限り、重合性液晶組成物中の一般
式(I)で表わされる化合物の含有割合を増やすのは有
効である。
【0031】重合性液晶組成物中の一般式(I)で表わ
される化合物の含有割合は、20〜30重量%の範囲が
好ましい。重合性液晶組成物中の一般式(I)で表わさ
れる化合物の含有割合が20重量%より少ない場合、重
合性液晶組成物を重合させて得られる光学的ローパスフ
ィルターのヘイズが5%以上になる傾向にあり、30重
量%より多い場合、重合性液晶組成物の液晶性を示す温
度が高くなってしまう傾向にあるので、好ましくない。
【0032】本発明で用いる重合性液晶組成物には、一
般式(I)、一般式(II)及び(III) で表わされる化
合物の他に、1分子中に1個の重合性官能基を有する液
晶化合物(以下、単官能の液晶化合物という。)を添加
することもできる。重合性液晶組成物に添加することが
できる一般式(I)、一般式(II)及び(III) で表わ
される化合物以外の単官能の液晶化合物としては、例え
ば、以下の式(1)〜(20)で表わされる化合物を挙
げることができる。
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】(式中、シクロヘキサン環はトランスシク
ロヘキサン環を表わし、数字は相転移温度を表わし、相
転移温度におけるCは結晶相、Nはネマチック相、Sは
スメクチック相、Iは等方性液体相をそれぞれ表わ
す。)
【0038】以上に挙げた化合物は、比較的低い温度で
液晶性を示すため、液晶性を示す温度を低減する観点か
ら好ましい。これらの単官能の液晶化合物は、単独で
も、また複数を組み合わせて添加することもできる。こ
れらの単官能の化合物を重合性液晶組成物に添加する場
合の添加割合は、50重量%以下が好ましく、20重量
%以下が特に好ましく、10重量%以下が更に好まし
い。これらの化合物の含有割合が50重量%を超える場
合、重合して得られる光学的ローパスフィルターのヘイ
ズが大きくなる傾向があるので、好ましくない。
【0039】本発明で用いる重合性液晶組成物には、一
般式(I)、一般式(II)及び(III) で表わされる化
合物の他に、1分子中に2個の重合性官能基を有する液
晶化合物(以下、2官能の液晶化合物という。)を添加
することもできる。重合性液晶組成物に添加することが
できる一般式(I)、一般式(II)及び(III) で表わ
される化合物以外の2官能の液晶化合物としては、例え
ば、以下の式(21)〜(30)で表わされる化合物を
挙げることができる。
【0040】
【化11】
【0041】(式中、L6 及びL7 はそれぞれ独立的に
水素原子又はメチル基を表わし、s及びtはそれぞれ1
〜20の整数を表わす。)
【0042】ここに挙げた2官能の重合性官能基を有す
る液晶化合物の多くは、一般式(II)及び(III) で表
わされる化合物と比較して、高い温度で液晶性を示す傾
向がある。これらの化合物は、単独でも、また複数を組
み合わせて添加することもできる。これらの2官能の液
晶化合物を重合性液晶組成物に添加する場合の添加割合
は、20重量%以下が好ましく、15重量%以下が特に
好ましく、10重量%以下がさらに好ましい。
【0043】本発明で用いる重合性液晶組成物には、重
合性官能基を有していない液晶化合物を用途に応じて添
加することもできる。しかしながら、液晶組成物を用い
て作製する光学異方体の耐熱性を確保する観点から、そ
の添加量は10重量%以下にすることが好ましい。
【0044】また、本発明で用いる重合性液晶組成物に
は、重合性官能基を有する化合物であって、液晶性を示
さない化合物を添加することもできる。そのような化合
物としては、通常、この技術分野で高分子形成性モノマ
ーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識されるも
のであれば特に制限なく使用することができるが、アク
リレート化合物、メタクリレート化合物、ビニルエーテ
ル化合物が特に好ましい。
【0045】本発明で用いる重合性液晶組成物には、以
上のように、重合性官能基を有する液晶化合物、重合性
官能基を有しない液晶化合物、液晶性を示さない重合性
化合物を適宜組み合わせて添加することができるが、少
なくとも得られる重合性液晶組成物の液晶性が失われな
いよう、液晶性を示す温度が40℃以下に、特に好まし
くは30℃以下に、更に好ましくは室温、典型的には2
5℃で液晶性が発現するように、かつ、重合して得られ
る光学的ローパスフィルターのヘイズが5%以上になら
ないように各成分の添加量を調整する必要がある。
【0046】更に、本発明で用いる重合性液晶組成物に
は、その重合反応性を向上させることを目的として、熱
重合開始剤、光重合開始剤等の重合開始剤を添加するこ
ともできる。
【0047】熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベ
ンゾイル、ビスアゾブチロニトリル等が挙げられる。ま
た、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテ
ル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジル
ケタール類等が挙げられる。熱重合開始剤あるいは光重
合開始剤を添加する場合の添加量は、重合性液晶組成物
に対して10重量%以下が好ましく、5重量%以下が特
に好ましく、0.5〜1.5重量%の範囲が更に好まし
い。
【0048】また、本発明で用いる重合性液晶組成物に
は、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加
することもできる。使用できる安定剤としては、例え
ば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル
類、第三ブチルカテコール等が挙げられる。安定剤を使
用する場合の添加量は、液晶組成物に対して1重量%以
下が好ましく、0.5重量%以下が特に好ましい。
【0049】本発明で用いる重合性液晶組成物の液晶相
は、通常この技術分野で液晶相と認識される相を示す組
成物であればよい。そのような液晶組成物の中でも、液
晶相として、ネマチック相、スメクチックA相、スメク
チックC相、(キラル)スメクチックC相、コレステリ
ック相を発現するものが好ましい。この中でも、ネマチ
ック相は粘度が低くなる傾向があり、光学異方体の製造
時の配向工程において、安定した配向状態を迅速に得ら
れる傾向があるため、特に好ましい。
【0050】安定した配向状態を迅速に得るために、本
発明で用いる重合性液晶組成物の透明点(液晶相から等
方性液体相へ転移する温度)を調節することも重要であ
る。同じ温度で配向処理を行なうことを考えた場合、透
明点を低くすればするほど、必然的に流動性が高い状態
で配向処理を行なうことになり、迅速に配向が安定する
効果が得られる。透明点としては80℃以下が好まし
く、70℃以下がさらに好ましく、60℃以下が特に好
ましい。
【0051】本発明の製造方法の重合工程において、重
合性液晶組成物の温度は40℃以下に保つことが好まし
い。この場合、製造の際に耐熱性に優れた基板を用いる
必要がない。また、重合性液晶組成物は、60〜80℃
以上の温度に保つと、自発的に熱重合してしまう恐れが
あるが、40℃以下の温度で重合させる場合には、望ま
しくない熱重合の誘起も避けることができる。これによ
り、液晶の配向状態を重合によって均一に固定化するこ
とができ、結果として良質な光学的ローパスフィルター
を容易に製造することができる。
【0052】光学的ローパスフィルターとして機能させ
るためには、重合性液晶組成物からなる層を層の厚み方
向に対して液晶分子の長軸が0度又は90度でない角度
に傾けた配向状態にする必要がある。重合性液晶組成物
からなる層は、層の厚み方向の一方の端面における液晶
分子の配向状態がホモジニアス配向(水平一軸配向)で
あり、もう一方の端面における液晶分子の配向状態がホ
メオトロピック配向(垂直配向)したハイブリッド配向
している状態において、重合させること、あるいは、液
晶分子の長軸が層の厚み方向に対して特定の角度傾いた
ホモジニアス配向(水平一軸配向)した状態において重
合させることが好ましい。特定の角度傾いたホモジニア
ス配向の場合、液晶分子の長軸方向が結晶軸に相当する
ので、特定の角度と配向角は一致する。この特定の角度
は、20〜70度の範囲が好ましく、30〜60度の範
囲が特に好ましい。この特定角度が45度に近いほど、
変位距離を大きくすることができる。
【0053】重合性液晶組成物からなる層の配向状態と
して液晶分子の長軸が層の厚み方向に特定の角度傾いた
ホモジニアス配向状態を用いる場合には、重合性液晶組
成物を、間隙を介して対向する2枚の基板間に挟持させ
た後、基板法線と磁力線の方向が特定の角度となるよう
に磁界を作用させることにより特定の角度傾いたホモジ
ニアス配向状態を得る方法が好ましい。
【0054】また、重合性液晶組成物からなる層の配向
状態としては、ハイブリッド配向している状態を用いる
場合には、基板面に対して液晶の長軸は平行方向に一軸
配向させる配向処理を施した基板と、基板面に対して液
晶の長軸を垂直方向に配向させる配向処理を施した基板
とを、配向処理を施した面が対向するように間隙をもっ
て配置し、その間隙に重合性液晶組成物を挟持させるこ
とにより、ハイブリッド配向状態を得る方法が好まし
い。
【0055】さらに、重合性液晶組成物からなる層の配
向状態としてハイブリッド配向している状態を用いる場
合には、液晶の長軸を平行方向に一軸に配向させる配向
処理を施した基板に、重合性液晶組成物を塗布すること
により、ハイブリッド配向状態を得る方法が好ましい。
【0056】基板を構成する材料としては、有機材料、
無機材料を問わず用いることができる。有機材料として
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリメタクリル酸メ
チル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ
アリレート、ポリスルホン、トリアセチルセルロース、
セルロース、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げら
れ、また、無機材料としては、例えば、シリコン、ガラ
ス、方解石等が挙げられる。用いる2枚の基板は、双方
とも同じ材質でも良いし、異なる材質でも良い。しかし
ながら、挟持させた状態で重合性液晶組成物を重合させ
る必要があるので、少なくとも1枚の基板は、紫外線又
は電子線等の用いるエネルギー線に対して透明である必
要がある。
【0057】また、配向処理を施した基板を用いること
も有効である。配向処理を施していない場合、重合性液
晶組成物を2枚の基板間に挟持させる工程において、重
合性液晶組成物が流動した痕跡が残り、良質な光学的ロ
ーパスフィルターを製造できない場合がある。これを避
けるために、基板表面を布等でこするラビング処理や、
また基板表面にポリイミド等の有機薄膜を形成した後
に、その表面を布等でこするラビング処理が好ましい。
このラビング処理は、液晶の長軸を基板面に対して平行
方向に一軸配向させる際に有用である。
【0058】また、表面に界面活性剤や離型剤を塗布し
た基板を用いることにより、その基板表面で液晶分子を
ホメオトロピック配向させることができるので、そのよ
うな処理を施すことも好ましい。
【0059】強度や光学的な問題から、基板表面に配向
処理を施せない場合には、基板の温度を重合性液晶組成
物の透明点以上に加熱し、等方性液体状態で重合性液晶
組成物を2枚の基板間に挟持させると、流動した痕跡が
残る問題を解決できるので、好ましい。しかしながら、
透明点が60〜80℃以上に高くなると等方性液体相状
態にした時、望ましくない熱重合が誘起されてしまい、
均一性の良い光学異方体を作製できなくなる危険性があ
る。従って、基板の加熱により均一な配向状態を迅速に
得るためには、透明点が80℃以下、さらに好ましくは
70℃以下、特に好ましくは60℃以下の重合性液晶組
成物を用いる必要がある。
【0060】ホモジニアス配向状態を得るために用いる
磁界の印加手段としては、例えば、永久磁石、電気磁
石、超伝導磁石を用いる方法が挙げられる。磁界の強さ
は、用いる重合性液晶組成物の磁化率の異方性にもよる
が、2kガウス以上が好ましく、4kガウス以上が特に
好ましく、8kガウス以上がさらに好ましい。磁界の強
さが2kガウスよりも小さい場合、重合性液晶組成物の
配向状態が良好でなくなる傾向があるので、好ましくな
い。
【0061】2枚の基板間の間隙は、1〜200ミクロ
ンが好ましく、2〜150ミクロンがさらに好ましく、
5〜70ミクロンが特に好ましい。
【0062】重合性液晶組成物を基板上に塗布する方法
としては、例えば、スピンコーティング、ダイコーティ
ング、エクストルージョンコーティング、ロールコーテ
ィング、ワイヤーバーコーティング、グラビアコーティ
ング、スプレーコーティング、ディッピング、プリント
法、などが挙げられる。また、塗布の際に、重合性液晶
組成物に有機溶媒を添加する事もできる。
【0063】そのような目的で用いる有機溶媒として
は、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキ
サン、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミ
ド、塩化メチレン、イソプロパノール、アセトン、メチ
ルエチルケトン、アセトニトリル、セロソルブ類、など
が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で用いること
も、2種類以上を組み合わせて用いることもでき、その
蒸気圧と重合性液晶組成物の溶解性を考慮し、適宜選択
すれば良い。また、その添加量は90重量%以下が好ま
しい。90重量%以上になると、得られる膜厚が薄くな
ってしまう傾向にあるので好ましくない。添加した有機
溶媒を揮発させる方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、
減圧乾燥、減圧加熱乾燥などの方法を用いることができ
る。
【0064】上述のような方法で重合性液晶組成物を配
向させた後に光重合させる際には、重合性液晶組成物か
らなる層は、該組成物が液晶相を示す温度において、活
性エネルギー線を照射して重合させる。その温度は、4
0℃以下が好ましく、30℃以下が特に好ましく、室
温、典型的には25℃が好ましい。活性エネルギー線と
しては、紫外線や電子線などが挙げられる。
【0065】重合の際に照射する活性エネルギー線の強
度は、0.1mW/cm2 〜2W/cm 2 の範囲が好まし
い。照射する活性エネルギー線の強度が0.1mW/cm
2 よりも低い場合、光重合を完了させるのに多大な時間
を要することになり、生産性が悪化してしまうので好ま
しくなく、照射する活性エネルギー線の強度が2W/cm
2 よりも高い場合、重合性液晶組成物が劣化してしまう
危険があるので、好ましくない。照射時間は、活性エネ
ルギー線の強度にも依存するが、0.1〜10分の範囲
が好ましい。活性エネルギー線の照射終了後、初期の特
性変化を軽減し、安定的な特性発現を図ることを目的と
して熱処理を施すこともできる。熱処理の温度は50〜
250℃の範囲が好ましく、熱処理時間は5秒〜12時
間の範囲が好ましい。このようにして得られた光学的ロ
ーパスフィルターは、基板から剥離しても、また剥離せ
ずに用いても良い。
【0066】このようにして得られる本発明の高分子製
光学的ローパスフィルターは、ヘイズが5%以下、好ま
しくは3%以下の光学異方性高分子フィルムからなるも
のが好ましい。また、本発明の高分子製光学的ローパス
フィルターは、25℃における屈折率の異方性が0.0
2〜0.3の範囲にある光学異方性高分子フィルムから
なるものが好ましい。
【0067】液晶材料の複屈折率は、水晶の複屈折率よ
り大きいので、高分子製光学的ローパスフィルターの膜
厚は、水晶と比較して薄くすることが可能である。本発
明の高分子製光学的ローパスフィルターの膜厚は、1〜
200ミクロンの範囲が好ましく、2〜150ミクロン
の範囲が特に好ましく、5〜70ミクロンの範囲が更に
好ましい。高分子製光学的ローパスフィルターの膜厚が
1ミクロンよりも薄い場合、目的の空間遮断周波数を得
ることが困難になり、200ミクロンよりも厚い場合、
ヘイズが大きくなる傾向があるので、好ましくない。
【0068】視感度補正用光学フィルターと高分子製光
学的ローパスフィルターが積層された複合体は、光学的
ローパスフィルターを製造する際の基板として視感度補
正用光学フィルターを用いることによって容易に製造す
ることができる。また、基板として視感度補正用光学フ
ィルターを使わずに高分子製光学的ローパスフィルター
を製造し、その後、基板を剥離し、もしくは剥離せず
に、さらに視感度補正用光学フィルターを積層すること
によっても製造することができる。この場合は、視感度
補正用光学フィルターと高分子製光学的ローパスフィル
ターとを接着剤を用いて接着させることが好ましい。
【0069】??? (貴案における組成物(B)は、その調製後に、ローパ
スフィルターの加工に用いられていないので、削除しま
した。この削除に伴ない、アルファベット記号は順次、
繰り上げてあります。)
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例の範囲
に限定されるものではない。
【0070】(実施例1) (1−1)重合性液晶組成物(A)の調製 式(31)
【0071】
【化12】
【0072】で表わされる化合物50重量部及び式(3
2)
【0073】
【化13】
【0074】で表わされる化合物50重量部から成る重
合性液晶組成物(A)を調製した。この重合性液晶組成
物(A)は、室温(25℃)でネマチック液晶相を呈し
た。N(ネマチック相)−I(等方性液体相)転移温度
は46℃であった。また、589nmで測定したne (異
常光の屈折率)は1.662で、no (常光の屈折率)
は1.510、複屈折率は0.152であった。
【0075】(1−2)重合性液晶組成物(B)の調製 重合性液晶組成物(A)80重量部及び式(33)
【0076】
【化14】
【0077】で表わされる化合物20重量部からなる重
合性液晶組成物(B)を調製した。重合性液晶組成物
(B)は、室温(25℃)でネマチック液晶相を呈し
た。N(ネマチック相)−I(等方性液体相)転移温度
は50℃であった。また、589nmで測定したne (異
常光の屈折率)は1.656で、no (常光の屈折率)
は1.513、複屈折率は0.143であった。
【0078】(1−3)高分子製光学的ローパスフィル
ターの作製 重合性液晶組成物(B)99重量部及び「イルガキュア
ー651」(チバガイギー社製の光重合開始剤)1重量
部からなる重合性液晶組成物(C)を調製した。セルギ
ャップ50ミクロンのアンチパラレル配向液晶ガラスセ
ル(液晶を基板表面水平に一軸配向するよう配向処理を
施したガラスセル)に、重合性液晶組成物(C)を室温
にて注入した。その後、8kガウスの磁界中に、磁界と
アンチパラレル配向液晶ガラスセルの基板面に対する法
線が45度の角度をなすように静置した。静置してから
2分後、室温にてUVP社の紫外線照射装置「UVGL
−25」を用いて1mW/cm2 の紫外線を10分間照射
して、重合性液晶組成物(C)を重合させて、光学異方
体フィルムを得た。ガラスセルに入れたままの光学異方
体フィルムのヘイズは1.2%であった。また、偏光顕
微鏡とマイクロスケールを用いて測定した変位距離は3
ミクロンであり、高分子製光学的ローパスフィルターと
して機能することが確認できた。
【0079】(実施例2)高分子製光学的ローパスフィ
ルターの作製 セルギャップ50ミクロンのハイブリッド配向液晶ガラ
スセル(液晶がハイブリッド配向するよう配向処理を施
したガラスセル)に、室温にて、実施例1で調製した重
合性液晶組成物(C)を注入した。注入完了後、5分間
静置してから、室温にてUVP社の紫外線照射装置「U
VGL−25」を用いて1mW/cm2 の紫外線を10分
間照射して、重合性液晶組成物(C)を重合させて、光
学異方体フィルムを得た。ガラスセルにいれたままの光
学異方体フィルムのヘイズは1.6%であった。また、
偏光顕微鏡とマイクロスケールを用いて測定した変位距
離は2ミクロンであり、高分子製光学的ローパスフィル
ターとして機能することが確認できた。
【0080】(実施例3)高分子製光学的ローパスフィ
ルターの作製 実施例1で調製した組成物(C)60重量部及び酢酸エ
チル40重量部からなる重合性液晶組成物(D)を調製
した。ガラス基板にポリイミド膜を約100nmの厚みで
形成した後、ラビング処理した。注射器を用いて重合性
液晶組成物(D)を、ラビング処理した表面に一滴ずつ
10滴を滴下した。滴下の時間間隔は、基板上に滴下さ
れた一滴の組成物(D)中に含有される酢酸エチルが自
然乾燥する時間が確保されるように設定した。滴下終了
後、5分間静置し、窒素気流下で室温にてUVP社の紫
外線照射装置「UVGL−25」を用いて1mW/cm2
の紫外線を10分間照射して光重合させ、光学異方体フ
ィルムを得た。得られた光学異方体フィルムの膜厚は3
0ミクロンであり、そのヘイズは1.0%であった。ま
た、偏光顕微鏡とマイクロスケールを用いて測定した変
位距離は1ミクロンであり、高分子製光学的ローパスフ
ィルターとして機能することが確認できた。
【0081】
【発明の効果】本発明の高分子製光学的ローパスフィル
ターは、光学異方体フィルムからなるものであるので、
フィルムの膜厚を薄くすることが可能である。また、本
発明の高分子製光学的ローパスフィルターは、ヘイズが
小さいので、CCD素子(電荷結合素子)等と組み合わ
せることによって高品位な撮像装置を、また液晶ディス
プレイ素子等と組み合わせることによって高品位な表示
装置を構成することができる。さらに、本発明の製造方
法によれば、光学的性質の均一性に優れた高分子製光学
的ローパスフィルターを容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 HA03 HA11 MA06 4J100 AL08Q AL67P AT08R BA15P BC04Q BC43P BC43Q BC43R BC44P CA01 CA04 CA05 DA62 DA63 DA66 JA39 5C024 CA02 CA31 EA08 FA01 GA11

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性液晶組成物からなる層を、該組成
    物が液晶相を示す温度で重合させて得られる光学異方性
    高分子フィルムであって、常光線と異常光線との変位距
    離が1〜70ミクロンの範囲にあり、かつ、ヘイズが5
    %以下である光学異方性高分子フィルムからなることを
    特徴とする高分子製光学的ローパスフィルター。
  2. 【請求項2】 光学異方性高分子フィルムの25℃にお
    ける屈折率の異方性が0.02〜0.3の範囲にある請
    求項1記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  3. 【請求項3】 光学異方性高分子フィルムが、ハイブリ
    ッド配向状態にある重合性液晶組成物からなる層を重合
    させて得られる光学異方性高分子フィルムである請求項
    1記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  4. 【請求項4】 光学異方性高分子フィルムが、液晶分子
    の長軸が層の厚み方向に対して特定の角度に傾いたホモ
    ジニアス配向状態にある重合性液晶組成物からなる層を
    重合させて得られる光学異方性高分子フィルムである請
    求項1記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  5. 【請求項5】 液晶分子の長軸と、重合性液晶組成物か
    らなる層の厚み方向との角度が20〜70度の範囲にあ
    る請求項4記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  6. 【請求項6】 重合性液晶組成物が一般式(I) 【化1】 (式中、L1 、 L2 及びL3 はそれぞれ独立的に水素
    原子又はメチル基を表わし、R1 、R2 及びR3 はそれ
    ぞれ独立的に炭素原子数1〜20のアルキレン基を表わ
    す。)で表わされる化合物を含有する請求項1〜5のい
    ずれか1項記載の高分子製光学的ローパスフィルター。
  7. 【請求項7】 一般式(I)で表わされる化合物が、R
    1 、R2 及びR3 がそれぞれ独立的に炭素原子数3〜8
    のアルキレン基である化合物である請求項6記載の高分
    子製光学的ローパスフィルター。
  8. 【請求項8】 重合性液晶組成物が一般式(II) 【化2】 (式中、L4 は水素原子又はメチル基を表わし、R4
    炭素原子数1〜18のアルキル基を表わす。)で表わさ
    れる化合物及び/又は一般式(III) 【化3】 (式中、L5 は水素原子又はメチル基を表わし、R5
    炭素原子数1〜18のアルキル基を表わす。)で表わさ
    れる化合物を含有する請求項6又は7記載の高分子製光
    学的ローパスフィルター。
  9. 【請求項9】 一般式(I)で表わされる化合物が、L
    1 、L2 及びL3 が水素原子である化合物であり、一般
    式(II)で表わされる化合物が、L4 が水素原子である
    化合物であり、一般式(III) で表わされる化合物が、
    5 が水素原子である化合物である請求項8記載の高分
    子製光学的ローパスフィルター。
  10. 【請求項10】 一般式(II)で表わされる化合物の使
    用量と一般式(III)で表わされる化合物の使用量が同
    量である請求項8又は9記載の高分子製光学的ローパス
    フィルター。
  11. 【請求項11】 重合性液晶組成物中の一般式(I)で
    表わされる化合物の使用割合が20〜30重量%の範囲
    にある請求項6〜12のいずれか1項記載の高分子製光
    学的ローパスフィルター。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載された一般式(I)で
    表わされる化合物を含有し、かつ、請求項8に記載され
    た一般式(II)で表わされる化合物及び/又は一般式
    (III) で表わされる化合物を含有する重合性液晶組成
    物を、該組成物が液晶相を示す温度にて、ハイブリッド
    配向又は特定の角度に傾いたホモジニアス配向させた
    後、活性エネルギー線を照射して重合させることを特徴
    とする請求項1に記載された高分子光学的ローパスフィ
    ルターの製造方法。
  13. 【請求項13】 一般式(I)で表わされる化合物が、
    1 、R2 及びR3がそれぞれ独立的に炭素原子数3〜
    8のアルキレン基である化合物である請求項12記載の
    高分子製光学的ローパスフィルターの製造方法。
  14. 【請求項14】 一般式(I)で表わされる化合物が、
    1 、L2 及びL3が水素原子である化合物であり、一
    般式(II)で表わされる化合物が、L4 が水素原子であ
    る化合物であり、一般式(III) で表わされる化合物
    が、L5 が水素原子である化合物である請求項12又は
    13記載の高分子製光学的ローパスフィルターの製造方
    法。
  15. 【請求項15】 一般式(II)で表わされる化合物の使
    用量と一般式(III)で表わされる化合物の使用量が同
    量である請求項12、13又は14記載の高分子製光学
    的ローパスフィルターの製造方法。
  16. 【請求項16】 重合性液晶組成物中の一般式(I)で
    表わされる化合物の使用割合が20〜30重量%の範囲
    にある請求項12〜15のいずれか1項記載の高分子製
    光学的ローパスフィルターの製造方法。
  17. 【請求項17】 重合工程において重合性液晶組成物の
    温度を40℃以下に保つ請求項12〜16のいずれか1
    項記載の高分子製光学的ローパスフィルターの製造方
    法。
  18. 【請求項18】 間隙を介して対向する2枚の基板間に
    重合性液晶組成物を挟持させた後、基板面に対して磁力
    線の方向が特定の角度となるように磁界を作用させるこ
    とにより傾いたホモジニアス配向を得る請求項12〜1
    7のいずれか1項記載の高分子光学的ローパスフィルタ
    ーの製造方法。
  19. 【請求項19】 基板面に対して液晶の長軸を平行方向
    に一軸配向させる配向処理を施した基板と、基板面に対
    して液晶の長軸を垂直方向に配向させる配向処理を施し
    た基板とを、配向処理を施した面が対向するように間隙
    をもって配置し、その2枚の基板間に重合性液晶組成物
    を挟持させることによりハイブリッド配向を得る請求項
    12〜17のいずれか1項記載の高分子製光学的ローパ
    スフィルターの製造方法。
  20. 【請求項20】 液晶の長軸を平行方向に一軸配向させ
    る配向処理を施した基板に、重合性液晶組成物を塗布す
    ることによりハイブリッド配向を得る請求項12〜17
    のいずれか1項記載の高分子製光学的ローパスフィルタ
    ーの製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の高分子製光学的ローパスフィルターと、これに積層さ
    れた視感度補正用光学フィルターとからなることを特徴
    とする高分子製光学的ローパスフィルター複合体。
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