JP2001071775A - 4輪駆動車の駆動力分配制御装置 - Google Patents
4輪駆動車の駆動力分配制御装置Info
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Abstract
係合力を細かく制御することにより、走行安定性および
操舵フィーリングを向上できる4輪駆動車の駆動力分配
制御装置を実現する。 【解決手段】 CPUはカップリングに設けられたセン
サから出力される回転速度差信号(第1プロペラシャフ
トおよび第2プロペラシャフトの回転速度差を示す信
号)を取込み(S10)、回転速度差ΔNを演算し(S
12)、回転速度差ΔNが正の場合は(S14:Ye
s)、回転速度差ΔNの加速度αを演算し(S16)、
その加速度αに対応するゲイン、つまり正転モード用マ
ップの傾きを決定し(S18)、回転速度差ΔNに対応
する係合力Tを正転モード用マップから抽出し(S2
0)、その係合力Tに対応する電圧を有する制御信号を
カップリングへ出力する(S24)。
Description
動力分配制御装置であって、車両の走行状態に対応して
前後輪に適切な駆動力を分配することにより、走行安定
性および操舵フィーリングを向上することができる4輪
駆動車の駆動力分配制御装置に関する。
装置として、たとえば、前輪と後輪の速度差に基づい
て、トルク分配用クラッチの係合力を可変制御するもの
が知られている。図6は、そのような4輪駆動車の駆動
力分配制御装置において用いられる制御マップの一例で
ある。縦軸のTは係合力を示し、横軸のΔNは前後輪の
回転速度差を示す。ところで、加速時、ならびに雪道や
凍結路などのいわゆる低μ路における発進時では、図6
において一点鎖線で示すマップBを用いて加速時や発進
時における上記係合力Tを強くすることにより、安定し
た加速や発進を行うことができる。しかし、上記係合力
を強くすると、タイトコーナを走行する場合、あるいは
大きな操舵角にて駐車や車庫入れなどを行う場合に前後
輪間で発生する回転速度差を吸収できず、いわゆるタイ
トコーナーブレーキング現象(ブレーキがかかったよう
に曲がり難くなる現象)が発生してしまい、エンジンス
トールに至ることがある。また一方、図6に示すよう
に、上記係合力の勾配が急なマップBおよび勾配が緩や
かなマップCの2つを用意して使い分けることも考えら
れるが、前後輪の速度差ΔNは、加速時または低μ路に
おける発進時に生じたものであるか、タイトコーナ走行
により生じたものであるかを判別することが困難であっ
た。これを解決する手法として、操舵角センサを設け、
その操舵角センサにより所定値以上の操舵角が検出され
た場合にタイトコーナ走行モードであることを判別する
ものが考えられている。また、アクセル開度センサを設
け、そのアクセル開度センサにより所定値以上のアクセ
ル開度が検出された場合に加速モードであることを判別
するものが考えられている。しかし、操舵角センサやア
クセル開度センサを設けることは、コストアップを招く
ため望ましくない。そこで、従来、操舵角センサやアク
セル開度センサを用いない場合は、その妥協策として、
図6において実線で示すように、上記係合力の勾配が急
なマップBおよび勾配が緩やかなマップCの中間的な勾
配を有するマップAを使用している。
輪駆動車の駆動力分配制御装置が使用している制御マッ
プAは、制御マップB,Cの中間的なものであるため、
たとえば加速する場合や低μ路で発進する場合などに大
きな係合力を得られないので、駆動力の分配を受ける側
の車輪が空転し易いという問題がある。また、低速での
タイトコーナ走行時、駐車時および車庫入れ時などにお
いて、タイトコーナーブレーキング現象が発生し易いと
いう問題がある。つまり、従来の4輪駆動車の駆動力分
配制御装置は、前後輪間で発生する回転速度差ΔNが加
速や発進によるものか、あるいはタイトコーナ旋回によ
るものなのかを判別できず、4輪駆動車の走行状態に対
応してトルク分配用クラッチの係合力を細かく制御でき
ないため、走行安定性および操舵フィーリングを向上さ
せ難いという問題がある。
態に対応してトルク分配用クラッチの係合力を細かく制
御することにより、走行安定性および操舵フィーリング
を向上できる4輪駆動車の駆動力分配制御装置を実現す
ることを目的とする。
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載
の発明では、原動機の発生する駆動力を前輪および後輪
の一方に直接的に伝達するとともに、前記駆動力をトル
ク分配用クラッチを介して前輪および後輪の他方に伝達
し、車両の走行状態に対応して前記トルク分配用クラッ
チの係合力を制御する4輪駆動車の駆動力分配制御装置
において、前記前輪および後輪の回転速度差の時間当た
りの変化を演算する演算手段と、この演算手段によって
演算された前記回転速度差の時間当たりの変化が大きい
ほど前記係合力が大きくなるように制御する制御手段
と、が備えられたという技術的手段を用いる。
の時間当たりの変化、つまり回転速度差の加速度を演算
する。回転速度差の加速度が大きい場合としては、雪道
や凍結路などの低μ路で発進する場合や急発進する場合
などがあり、回転速度差の加速度が小さい場合として
は、タイトコーナを走行する場合、操舵角の大きい駐車
の場合および車庫入れの場合などがある。制御手段は、
演算手段によって演算された回転速度差の時間当たりの
変化が大きいほど係合力が大きくなるように制御する。
つまり、制御手段は、雪道や凍結路などの低μ路で発進
する場合や急発進する場合などは回転速度差の加速度が
大きいため、係合力が大きくなるように制御する。した
がって、原動機に直接的に接続されていない方の車輪
(駆動力の分配を受ける側の車輪)に対する駆動力の配
分量を多くすることができるため、上記車輪のスリップ
を防止して安定した発進および加速を行うことができ
る。また、制御手段は、タイトコーナを走行する場合、
操舵角の大きい駐車の場合および車庫入れの場合などは
回転速度差の加速度が小さいため、係合力が小さくなる
ように制御する。したがって、前後輪間の回転速度差を
吸収できるので、前述したタイトコーナーブレーキング
現象の発生を防止することができる。
載の4輪駆動車の駆動力分配制御装置において、前記ト
ルク分配用クラッチの入力側および出力側の回転速度差
を検出するセンサを備え、前記演算手段は、前記センサ
により検出される回転速度差の時間当たりの変化を演算
するという技術的手段を用いる。
および出力側の回転速度差を検出し、演算手段は、上記
センサにより検出される回転速度差の時間当たりの変化
を演算する。つまり、トルク分配用クラッチの入力側お
よび出力側の回転速度差を検出することにより、前後輪
の回転速度差を検出できるため、たとえば入力側および
出力側それぞれの回転速度センサにより検出される回転
速度から回転速度差を求めるよりも応答性が良い。これ
により、センサの数を削減することができるとともに、
演算手段の処理を簡素化することができる。したがっ
て、センサの数を削減できる分、4輪駆動車の駆動力分
配制御装置の製造コストを低減することができる。ま
た、演算手段の処理を簡素化できる分、演算手段を安価
なものとすることができるため、4輪駆動車の駆動力分
配制御装置の製造コストをさらに低減することができ
る。
載の4輪駆動車の駆動力分配制御装置において、前記セ
ンサは、前記入力側および出力側の一方と共に回転する
ように設けられており、外周にセンシング部を所定間隔
置きに有し、相互に位相がずれた2つの環状部材と、前
記入力側および出力側の他方と共に回転するように設け
られており、前記センシング部に対向して前記センシン
グ部を検出する検出部とを備えたという技術的手段を用
いる。
は、入力側および出力側の一方に設けられており、セン
シング部を検出する検出部は、入力側および出力側の他
方に設けられているため、入力側および出力側間に回転
速度差が発生すると、その回転速度差は、検出部がセン
シング部を検出する周期となって現れるので、その周期
を演算することにより、入力側および出力側の回転速度
差を求めることができる。そして、時間当たりの回転速
度差が変化すると、その変化は上記周期の変化となって
現れるため、その変化を演算することにより、上記回転
速度差の時間当たり変化を求めることができる。また、
2つの環状部材がそれぞれ有するセンシング部は、相互
に位相がずれているため、入力側または出力側の回転方
向が相対的に変化すると、その変化は、上記2つの環状
部材の一方または他方の位相の進みまたは遅れとなって
現れるため、それを検出部が検出することにより、入力
側または出力側の回転方向が相対的に変化したことを検
出することができる。
力分配制御装置の実施形態について図を参照して説明す
る。図1は、本発明第1実施形態の4輪駆動車の駆動力
分配制御装置を備えた4輪駆動車の構成の概略を示す説
明図である。なお、この第1実施形態では、前輪駆動を
ベースとした4輪駆動車を例に挙げて説明する。
たエンジン12が発生した駆動力は、トランスミッショ
ン14からフロントデフ16に伝達され、さらにフロン
トデフ16に接続されたフロントアクスルシャフト18
に伝達され、フロントアクスルシャフト18に連結され
た前輪FT1,FT2が駆動される。また、フロントデ
フ16に伝達された駆動力は、フロントデフ16に連結
された第1プロペラシャフト20に伝達され、さらに第
1プロペラシャフト20に連結されたカップリング22
に伝達される。カップリング22には第2プロペラシャ
フト24が連結されており、カップリング22には、複
数のクラッチ板からなる電磁クラッチ22aが備えられ
ている。第1プロペラシャフト20の回転トルクは、カ
ップリング22に備えられた複数のクラッチ板間が係合
することにより、カップリング22に連結された第2プ
ロペラシャフト24に伝達される。そして、第2プロペ
ラシャフト24の回転トルクは、リヤデフ26に伝達さ
れ、さらにリヤデフ26に連結されたリヤアクスルシャ
フト28に伝達され、リヤアクスルシャフト28に連結
された後輪RT1,RT2が駆動される。
ト20および第2プロペラシャフト24間の回転速度差
などを検出するセンサ40の構造について図2を参照し
て説明する。図2(A)はセンサの構造を示す説明図で
あり、図2(B)は図2(A)に示す環状部材の外周面
に設けられたセンシング部の一部を拡大して示す説明図
であり、図2(C)は図2(A)に示すセンサ40によ
り検出された信号のタイミングチャートである。図2
(A)に示すように、カップリング22は、第1プロペ
ラシャフト20と連結されたカップリングケース22b
を備える。カップリングケース22bには、第2プロペ
ラシャフト24が挿入されており、第1プロペラシャフ
ト20の回転トルクは、電磁クラッチ22aを介して第
2プロペラシャフト24に伝達される。第2プロペラシ
ャフト24の周面には、磁性材料により形成された環状
部材42,43が同軸上に取り付けられている。
外周面には、一定の長さおよび高さを有する凸状のセン
シング部42aが等角度間隔ピッチで複数設けられてい
る。環状部材43の外周面には、センシング部42aと
同じ大きさおよび形状のセンシング部43aが、センシ
ング部42aと半ピッチずらして複数設けられている。
つまり、センシング部42a,43aが半分ずつオーバ
ラップしている。カップリングケース22bの外面であ
って環状部材42,43と対向する箇所には、コイルを
有する検出部41a,41bがそれぞれ取付けられてい
る。環状部材42,43および検出部41a,41bに
よりセンサ40が構成される。検出部41a,41b
は、図示しない信号取出手段、たとえばスリップリング
に接触しており、そのスリップリングを介して検出信号
を出力する。その検出信号は、たとえば図2(C)に示
すようなパルス信号であり、その周期は、センシング部
42a,43aを検出する周期に対応する。そして、第
1プロペラシャフト20および第2プロペラシャフト2
4間に回転速度差ΔNが生じると、その回転速度差ΔN
は、上記パルス信号の周期として検出され、回転速度差
ΔNの単位時間当たりの変化の大きさ、つまり加速度α
は、上記周期の単位時間当たりの変化として求めること
ができる。周期および加速度αの演算は、ECU30に
設けられたCPU34が行う(図1)。
にそれぞれ設けられたセンシング部42a,43aは半
分ずつオーバラップしているため、第1プロペラシャフ
ト20および第2プロペラシャフト24の相対的な回転
方向が変化すると、検出部41a,41bからそれぞれ
出力されるパルス信号の位相が変化する。たとえば、図
2(C)に示すように、検出部41aからの検出信号が
検出部41bからの検出信号よりも位相が半周期進んで
いる場合を正転とすると、第1プロペラシャフト20お
よび第2プロペラシャフト24の相対的な回転方向が正
転から逆転に変化すると、検出部41aからの検出信号
が検出部41bからの検出信号よりも位相が半周期遅れ
る。つまり、CPU34は、検出部41aからの検出信
号と検出部41bからの検出信号とを比較し、どちらの
位相が進んでいるか、あるいは遅れているかを検出する
ことにより、正転か逆転かを判別する。
動車10には、カップリング22の制御などを行うEC
U30が備えられている。ECU30には、入出力回路
32と、CPU34と、ROM36と、RAM38とが
備えられている。入出力回路32は、センサ40により
検出された信号の入力およびカップリング22への制御
信号の出力などを行う。カップリング22は、上記制御
信号によって電磁クラッチ22aを動作させ、その制御
信号の電圧値に対応して複数のクラッチ板間の係合力の
大きさを制御する。CPU34は、前述したように、セ
ンサ40により検出された第1プロペラシャフト20お
よび第2プロペラシャフト24間の回転速度差ΔNを示
す信号(以下、回転速度差信号と称する)40aを取込
み、回転速度差ΔNの単位時間当たりの変化の大きさ、
つまり加速度αと、第1プロペラシャフト20および第
2プロペラシャフト24の相対的な回転方向とを演算す
る。ROM36には、CPU34が各種制御を実行する
ためのコンピュータプログラムや各種制御マップなどが
記憶されており、RAM38は、CPU34が実行する
コンピュータプログラムやCPU34による演算結果な
どを一時的に記憶する。
御するコンピュータプログラムを実行する際に参照する
係合力制御マップについて図3および図4を参照して説
明する。なお、以下の説明では、回転速度差ΔN>0の
場合を正転モード、回転速度差ΔN<0の場合を逆転モ
ードとする。図3は、CPU34がカップリング22を
制御するコンピュータプログラムを実行する際に参照す
る係合力制御マップの構成を示す説明図であり、図3
(A)は正転モードの場合に用いる正転モード用マップ
を示す説明図であり、図3(B)は逆転モードの場合に
用いる逆転モード用マップを示す説明図である。図4
(A)は低μ路発進時や急発進時などにおける前後輪の
回転速度差ΔNと時間tとの関係を示すグラフであり、
図4(B)はタイトコーナ走行時などの操舵角が大きい
低速走行時における回転速度差ΔNと時間tとの関係を
示すグラフである。
急発進時などでは、前輪に駆動力が直接的に伝達される
ため、前輪が空転し、前後輪の回転速度差ΔNが発進直
後に急激に大きくなる。また、図4(B)に示すよう
に、タイトコーナ走行時では、コーナを曲がり始めてか
ら徐々に回転速度差ΔNが増加する。図4(A)および
図4(B)を比較すると、回転速度差ΔNの時間当たり
の変化の大きさ、つまり加速度が異なることが分かる。
そこで、本発明者らは、回転速度差ΔNの加速度を検出
すれば、車両10が低μ路発進時や急発進時であるか、
あるいはタイトコーナ走行時であるかを判定することが
できることを見出し、上記加速度に対応して係合力制御
マップを切替えることにより、係合力を細かく制御でき
る手段を発明した。
転モード用マップ36aおよび図3(B)に示す逆転モ
ード用マップ36bから構成される。各マップは、横軸
に回転速度差ΔNを縦軸に係合力Tをそれぞれ設定して
構成されている。正転モード用マップ36aは、回転速
度差ΔNの加速度αの大きさによって決定されたゲイン
の大きさに対応して特性の異なる複数のマップを有す
る。雪道や凍結路などの低μ路で発進する場合や急発進
する場合などは加速度αが大きいため(たとえばゲイン
G2)、係合力Tが大きくなるように制御される。した
がって、後輪RT1,RT2に対する駆動力の配分量を
多くすることができるため、前輪FT1,FT2の空転
を防止して安定した発進および加速を行うことができ
る。また、タイトコーナを走行する場合、操舵角の大き
い駐車の場合および車庫入れの場合などは回転速度差Δ
Nの加速度αが小さいため(たとえばゲインG1)、係
合力Tが小さくなるように制御される。したがって、前
後輪間の回転速度差ΔNを吸収できるので、前述したタ
イトコーナーブレーキング現象の発生を防止することが
できる。
ΔN<0の場合、つまりエンジンブレーキやブレーキン
グなどによって減速するなど、前輪の回転速度よりも後
輪の回転速度の方が速くなる際に用いる係合力制御マッ
プであり、回転速度差ΔNの増加の割合に対する係合力
Tの増加の割合は、正転モード用マップ36aにおける
ゲインG1の場合の傾きよりも大きく、かつ、ゲインG
2の場合の傾きよりも小さい中間的な特性となってい
る。つまり、エンジンブレーキやブレーキングなどによ
って減速する場合に、係合力Tを中間的な大きさに制御
することにより、車輪のスリップを防止して走行安定性
を高めることができる。
めに実行する処理の流れについて、それを示す図5のフ
ローチャートを参照して説明する。CPU34は、セン
サ40から送出された回転速度差信号40aを取り込み
(ステップ(以下、Sと略す)10)、回転速度差信号
40aに基づいて回転速度差ΔNを演算する(S1
2)。回転速度差ΔNの演算は、たとえば回転速度差信
号40aが周期を有する信号である場合は、その周期を
計測し、その計測値に基づいて行う。
した回転速度差ΔNが正であるか負であるかを判定し
(S14)、回転速度差ΔNが正である場合は(S1
4:Yes)、回転速度差ΔNを微分し、回転速度差Δ
Nの加速度αを演算する(S16)。続いてCPU34
は、S16において演算した加速度αに対応するゲイン
Gを決定する(S18)。ここで、加速度αが大きいほ
ど大きなゲインGに決定する。つまり、車両10が低μ
路における発進や急発進など、前輪が空転している状態
にある場合は加速度αが大きいため、大きなゲインGに
決定し、タイトコーナなど、大きな操舵角で低速走行状
態にある場合は加速度αが小さいため、小さなゲインG
に決定する。そしてCPU34は、ROM36に記憶さ
れている正転モード用マップ36aを参照し、S18に
おいて決定したゲインGに対応するマップを選択し、S
12において演算した回転速度差ΔNに対応する係合力
Tを上記選択したマップから抽出する(S20)。続い
てCPU34は、S20において抽出した係合力Tに対
応する電圧値の制御信号30aをカップリング22へ出
力する(S24)。
である逆転、つまり逆転モードである場合は(S14:
No)、ROM36に記憶されている逆転モード用マッ
プ36bを参照し、S12において演算した回転速度差
ΔNに対応する係合力Tを抽出し(S22)、その抽出
した係合力Tに対応する電圧値の制御信号30aをカッ
プリング22へ出力する(S24)。この場合、前述の
ように、逆転モード用マップ36bは、回転速度差ΔN
の増加の割合に対する係合力Tの増加の割合が、正転モ
ード用マップ36aにおけるゲインG1の場合の傾きよ
りも大きく、かつ、ゲインG2の場合の傾きよりも小さ
い中間的な特性となっているため、係合力Tを回転速度
差ΔNに対応した中間的な大きさに制御することができ
る。これは、エンジンブレーキにより前輪FT1,FT
2が減速するのに対して車両は慣性にて移動し続けよう
とすることにより、前輪FT1,FT2が空転し易くな
るため、後輪RT1,RT2へトルク分配をするのであ
るが、前輪FT1,FT2に対して荷重の小さい後輪R
T1,RT2に大きなトルクを与えると、逆に後輪RT
1,RT2が空転し易くなって操縦安定性が悪化するた
め、係合力Tを前記中間的な大きさに制御しているので
ある。つまり、エンジンブレーキやブレーキングなどに
よって減速する場合に、その減速度に対応した駆動力を
後輪に配分することができるため、車輪のスリップを防
止して走行安定性を高めることができる。なお、アンチ
ロックブレーキシステム(ABS)が搭載された車両に
おいては、ABS制御との干渉を防止するため、ABS
作動時には本発明とは別の制御フローが用意されてい
る。
の駆動力分配制御装置を使用すれば、回転速度差ΔNの
加速度αのみで4輪駆動車10の走行状態に対応してト
ルク分配用クラッチの係合力を細かく制御することにが
できるため、操舵角センサやアクセル回路センサなどを
用いることなく走行安定性および操舵フィーリングを向
上できる。しかも、1つのセンサ40によって係合力T
を制御できるため、従来のものよりもセンサを削減する
ことができるので、装置の製造コストを低減することが
できる。また、回転速度差ΔN信号を直接取り込むた
め、、CPU34の処理が軽減される分、CPU34を
安価なものとすることができるので、さらに製造コスト
を低減することができる。
分配制御装置は、後輪駆動をベースとした4輪駆動車の
駆動力配分制御にも適用することができる。この場合、
第2プロペラシャフト24の回転速度が第1プロペラシ
ャフト20の回転速度よりも速く、回転速度差ΔNが負
となる場合が正転モードとなり、回転速度差ΔNが正と
なる場合が逆転モードとなる。つまり、図3におけるS
14の判定内容がΔN<0?となる。そして、S20お
よびS22では、前輪に対するトルク配分が細かく制御
されるため、走行安定性および操舵フィーリングを向上
できる。また、1つのセンサ40によって係合力Tを制
御できるため、従来のものよりもセンサを削減すること
ができるので、装置の製造コストを低減することができ
る。さらに、回転速度差ΔN信号を直接取り込むた
め、、CPU34の処理が軽減される分、CPU34を
安価なものとすることができるので、さらに製造コスト
を低減することができる。
決定したゲインGに対応するマップを選択し、S12に
おいて演算した回転速度差ΔNに対応する係合力Tを上
記選択したマップから抽出しているが(S20)、正転
モード用マップ36aを構成するマップを1つとし、そ
のマップにゲインGを乗算して係合力Tを求めるように
してもよい。さらに、上記実施形態では、磁性材料によ
って形成された環状部材42,43と、コイルを有する
検出部41a,41bとを組み合わせたセンサ40を例
に挙げたが、ロータリエンコーダなどを用いることもで
きる。この場合、発光側は第1プロペラシャフト20お
よび第2プロペラシャフト24の一方と共に回転する箇
所に取り付けられ、受光側は第1プロペラシャフト20
および第2プロペラシャフト24の他方と共に回転する
箇所に取り付けられる。さらに、この発明に係る4輪駆
動車の駆動力分配制御装置をABS(アンチロックブレ
ーキシステム)を装備した車両に適用する場合は、前後
輪のそれぞれに設けられた車輪速センサから出力される
信号に基づいて求められる前後輪の車輪速に基づいて回
転速度差ΔNおよび加速度αを演算する構成でもよい。
ところで、エンジン12が、この発明の原動機に対応
し、カップリング22がトルク分配用クラッチに対応す
る。また、CPU34が実行するS16が演算手段とし
て機能し、S18〜S22が制御手段として機能する。
制御装置を備えた4輪駆動車の構成の概略を示す説明図
である。
り、図2(B)は図2(A)に示す環状部材の外周面に
設けられたセンシング部の一部を拡大して示す説明図で
あり、図2(C)は図2(A)に示すセンサ40により
検出された信号のタイミングチャートである。
するコンピュータプログラムを実行する際に参照する係
合力制御マップの構成を示す説明図であり、図3(A)
は正転モードの場合に用いる正転モード用マップを示す
説明図であり、図3(B)は逆転モードの場合に用いる
逆転モード用マップを示す説明図である。
ける前後輪の回転速度差ΔNと時間tとの関係を示すグ
ラフであり、図4(B)はタイトコーナ走行時などの操
舵角が大きい低速走行時における回転速度差ΔNと時間
tとの関係を示すグラフである。
る処理の流れを示すフローチャートである。
て用いられる制御マップの一例を示す説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 原動機の発生する駆動力を前輪および後
輪の一方に直接的に伝達するとともに、前記駆動力をト
ルク分配用クラッチを介して前輪および後輪の他方に伝
達し、車両の走行状態に対応して前記トルク分配用クラ
ッチの係合力を制御する4輪駆動車の駆動力分配制御装
置において、 前記前輪および後輪の回転速度差の時間当たりの変化を
演算する演算手段と、 この演算手段によって演算された前記回転速度差の時間
当たりの変化が大きいほど前記係合力が大きくなるよう
に制御する制御手段と、が備えられたことを特徴とする
4輪駆動車の駆動力分配制御装置。 - 【請求項2】 前記トルク分配用クラッチの入力側およ
び出力側の回転速度差を検出するセンサを備え、 前記演算手段は、前記センサにより検出される回転速度
差の時間当たりの変化を演算することを特徴とする請求
項1に記載の4輪駆動車の駆動力分配制御装置。 - 【請求項3】 前記センサは、 前記入力側および出力側の一方と共に回転するように設
けられており、外周にセンシング部を所定間隔置きに有
し、相互に位相がずれた2つの環状部材と、 前記入力側および出力側の他方と共に回転するように設
けられており、前記センシング部に対向して前記センシ
ング部を検出する検出部とを備えたことを特徴とする請
求項2に記載の4輪駆動車の駆動力分配制御装置。
Priority Applications (4)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1356975A3 (en) * | 2002-04-23 | 2006-04-26 | Toyoda Koki Kabushiki Kaisha | Torque distribution control device for four-wheel drive vehicle |
JP2008195299A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-08-28 | Toyota Motor Corp | 四輪駆動車両の駆動力制御装置 |
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CN102971172A (zh) * | 2010-04-12 | 2013-03-13 | 雷诺股份公司 | 用于控制具有多种运行模式的扭矩传递致动器的系统 |
-
1999
- 1999-09-08 JP JP25419299A patent/JP2001071775A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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