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JP2001068109A - リチウム二次電池用正極材料及びその製造方法、リチウム二次電池用正極、並びにリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用正極材料及びその製造方法、リチウム二次電池用正極、並びにリチウム二次電池

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Publication number
JP2001068109A
JP2001068109A JP23801599A JP23801599A JP2001068109A JP 2001068109 A JP2001068109 A JP 2001068109A JP 23801599 A JP23801599 A JP 23801599A JP 23801599 A JP23801599 A JP 23801599A JP 2001068109 A JP2001068109 A JP 2001068109A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
lithium
secondary battery
lithium secondary
composite oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23801599A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Sueyoshi
剛 末吉
Yuko Ishida
優子 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP23801599A priority Critical patent/JP2001068109A/ja
Publication of JP2001068109A publication Critical patent/JP2001068109A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温下での電池特性の優れたリチウム二
次電池用の材料及びリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 マンガンに対して10モル%未満のアル
カリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれる
少なくとも一種の金属元素(但し、リチウムを除く)を
含有するリチウムマンガン複合酸化物をリチウム二次電
池の正極活物質に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム二次電池の
改良、特に正極活物質の改良に関し、さらには電池の充
放電容量及び熱安定性が向上したリチウム二次電池用正
極材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯用電子機器の小型化、軽量化
に伴い、その電源として高出力、高エネルギー密度であ
る二次電池が求められている。特にリチウム二次電池は
上記の要件を満たすため、開発が行われている。リチウ
ム二次電池の正極活物質(正極材料)としては、LiC
oO2 、LiNiO2 、LiMn2 4 等のリチウム複
合酸化物が提案され、研究が盛んに行われている。その
中でもリチウムとマンガンを主成分とする複合酸化物
(以下、「リチウムマンガン複合酸化物」と表記するこ
とがある)は、MnがCoやNiと比較して埋蔵量が多
く安価であることから、注目を集めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リチウ
ムマンガン複合酸化物を正極活物質として用いた場合、
例えば50℃程度の高温でのサイクル特性が悪いという
問題がみられる。一般に、高温の場合と室温の場合とで
は、サイクル特性に与える影響が異なり、たとえ室温で
のサイクル特性が向上しても高温でのサイクル特性が向
上するとは限らない。従来、室温でのサイクル特性向上
のためには、様々な検討がなされている。例えば、特開
平4−292861号公報には、リチウムマンガン複合
酸化物に、Mnに対してモル比で0.1以上0.3以下
のRbやCsを固溶化することによりサイクル特性を向
上させることが記載されている。しかしながら、上記の
ように、室温でのサイクル特性は高温でのサイクル特性
と相関がなく、高温でのサイクル特性の向上を示唆する
ものではない。また、本発明者らの検討によれば、上記
の方法では初期容量が著しく低下するという問題がある
こともわかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、初期容
量の低下を抑え、かつ高温下での電池特性の優れたリチ
ウム二次電池用の材料及びリチウム二次電池を提供する
ことにある。また、本発明の他の目的は、上記のような
材料を提供できるその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的は、リチウムマンガン複合酸化
物に、さらにアルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素
をマンガンに対して10mol%未満含有させることで
達成されることを見出して本発明を完成した。即ち、本
発明の要旨は、マンガンに対して10モル%未満のアル
カリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれる
少なくとも一種の金属元素(但し、リチウムを除く)を
含有するリチウムマンガン複合酸化物を有するリチウム
二次電池用正極材料、並びにそれを用いたリチウム二次
電池用正極及びリチウム二次電池に存する。また、本発
明の他の要旨は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の
少なくとも一種の金属元素(但し、リチウムを除く)を
含有する化合物とリチウムマンガン複合酸化物とを含む
スラリーを噴霧乾燥後焼成することを特徴とするリチウ
ム二次電池正極材料の製造方法、に存する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。本発明の特徴の1つは、リチウム二次電池の電極に
使用するリチウムマンガン複合酸化物に、さらにリチウ
ム以外のアルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群
から選ばれる少なくとも一種の金属元素Mを特定量含有
させることにある。リチウムマンガン複合酸化物が高温
において性能が低下する原因の1つとして、リチウムマ
ンガン複合酸化物からのマンガンの溶出が考えられる
が、本発明によれば、上記特定量の金属元素の存在によ
って、マンガンの溶出を抑えることができ、かつ初期容
量の低下も抑制することができるため、高温でのサイク
ル特性等の電池性能を向上させることができると考えら
れる。
【0006】使用する上記金属元素Mは、リチウムを除
くアルカリ金属及びアルカリ土類金属の中から選ばれる
が、好ましくはアルカリ金属であり、特に好ましくはナ
トリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる
群から選ばれた少なくとも一種を使用する。さらに好ま
しくは上記金属元素はセシウムを含有する。金属元素
は、1種類の元素を使用してもよく、また複数種を使用
してもよい。
【0007】上記金属元素Mの含有量は、マンガンに対
して10モル%未満とする。即ち、使用するアルカリ金
属及びアルカリ土類金属のモル数の総和をX、マンガン
のモル数をYとしたときX/Yを0.1未満とする。こ
の中でも、X/Yは好ましくは0.095以下、さらに
好ましくは0.08以下、さらに好ましくは0.05以
下、最も好ましくは0.02以下とする。X/Yが大き
すぎると、放電状態でのMn平均価数の増加、界面抵抗
の増大などにより容量の低下という問題が生じることが
ある。一方、X/Yがあまりに小さいと、本発明の効果
が不十分になる傾向にあるので、X/Yは通常0.00
01以上、好ましくは0.0003以上とする。
【0008】また、金属元素Mの含有量は、含有された
アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属が酸化物として
リチウムマンガン複合酸化物を被覆したと仮定した場合
の平均厚みとして、好ましくは1Å以上、さらに好まし
くは2Å以上となる量であり、また好ましくは1000
Å以下となる量である。酸化物と仮定した場合の平均厚
みが小さすぎると、本発明の効果が不十分になる傾向に
あり、大きすぎると放電状態でのMn平均価数の増加、
界面抵抗の増大などにより容量の低下という問題が生じ
ることがある。
【0009】本発明において、金属元素Mは特に活物質
粒子表面近傍に存在するものが大きく寄与しているもの
と考えられるので、活物質粒子の表面近傍に偏在させる
のが好ましい。粒子内部に固溶させた場合は、本発明の
効果が不十分になることがあり、また容量が低下する傾
向にある。表面近傍に偏在していることは、例えばX線
光電子分光にて測定される表面近傍の組成が、全体の平
均組成よりも金属元素Mの量が多いことから確認でき
る。また、活物質の表面近傍を酸性溶液または還元性溶
液により溶解させて表面近傍の組成を測定し、これが全
体の平均組成よりも金属元素Mの量が多いことからも確
認できる。いずれの場合も、表面近傍の金属元素Mの組
成割合は、平均組成の好ましくは2倍以上、さらに好ま
しくは5倍以上、最も好ましくは10倍以上である。な
お、酸性溶液としては4.5規定硫酸,還元性溶液とし
ては5wt%シュウ酸水溶液を用いることができる。
【0010】リチウムマンガン複合酸化物の平均組成や
結晶構造には特に制限はなく、常法に従って作製された
各種のものを使用することができる。代表的には、Li
Mn 2 4 なる基本組成で示されるスピネル型のリチウ
ムマンガン複合酸化物やLiMnO2なる基本組成で示
される層状構造のリチウムマンガン複合酸化物が挙げら
れるが、好ましくは上記スピネル型の結晶構造を有する
リチウムマンガン複合酸化物である。スピネル型のリチ
ウムマンガン複合酸化物の中でも、好ましくは、マンガ
ンサイトの一部をAl、Ti、V、Cr、Fe、Co、
Ni、Cu、Zn、Mg等の他の金属で置換する。ま
た、酸素サイトの一部が硫黄やハロゲン元素で置換され
ていたり、酸素量に多少の不定比性があってもよい。具
体的には、例えば、
【0011】
【化1】Lix Mny z 4
【0012】(ただし、0<x<2.5、1.5<y<
2.5、0<z<1、MはAl、Ti、V、Cr、F
e、Co、Ni、Cu、Zn及びMgからなる群から選
ばれる少なくとも1種以上の元素)で表されるリチウム
含有複合酸化物が挙げられる。なお、前記のように、金
属元素Mは粒子表面近傍に偏在させるのが好ましいの
で、上記の平均組成の説明から金属元素Mを除外してい
る。本発明のリチウムマンガン複合酸化物の形状に特に
制限はないが、通常一次粒子の粒径が5μm以下であ
り、好ましくは2μm以下である。また、一次粒子の粒
径は通常0.1μm以上であり、好ましくは0.5μm
以上である。粒径が大きすぎるとリチウムの通過に時間
がかかりすぎる傾向にあり、粒径が小さすぎると比表面
積が大きくなり、アルカリ金属及びアルカリ土類金属に
よる修飾が困難になる傾向にある。また、リチウムマン
ガン複合酸化物の比表面積としては、あまりに大きすぎ
ると修飾が困難になるので通常50m2 /g以下、好ま
しくは10m2 /g以下であるが、あまりに小さいとリ
チウムの通過が困難になるので一般的には0.1m2
g以上である。
【0013】本発明の金属元素Mを含有するリチウムマ
ンガン複合酸化物の製造方法としては、予め作成したリ
チウムマンガン複合酸化物(以下金属元素Mを含有する
前のリチウムマンガン複合酸化物を「原料リチウムマン
ガン複合酸化物」ということがある)に金属元素Mを含
む化合物を気相あるいは液相で供給し、沈積させる方法
が好ましく用いられる。特に、工業的な生産性の点から
好ましいのは後者の方法である。液相で供給する場合、
原料リチウムマンガン複合酸化物と金属元素Mを含む化
合物とを含むスラリーを調製し、これを乾燥後、焼成す
る方法が好ましい。この場合、使用する金属元素Mを含
む化合物としては、用いられるスラリー溶媒に溶解ある
いは懸濁するものが好ましく、金属Mの炭酸塩、シュウ
酸塩、酢酸塩、水酸化物などが挙げられる。スラリー溶
媒としては、通常水が使用されるが、その他各種の無機
溶媒や有機溶媒が使用できる。乾燥方法に特に制限はな
いが、金属元素Mをリチウムマンガン複合酸化物の粒子
表面に均一に含有させることが容易である点で噴霧乾燥
法が好ましい。乾燥時の乾燥温度は通常20℃以上、好
ましくは40℃以上であり、また通常300℃以下、好
ましくは200℃以下である。乾燥温度があまりに低す
ぎると乾燥時間に時間がかかりすぎ、あまりに高すぎる
とリチウムマンガン複合酸化物の形状を保つのが困難に
なる。乾燥後の焼成の際の焼成温度は、充分な乾燥を行
うことができ、かつリチウムマンガン酸複合酸化物中に
固溶しない温度が望ましく、通常200℃以上、好まし
くは400℃以上であり、また通常1000℃以下、好
ましくは600℃以下である。焼成温度が低すぎると
水、水酸基などが残存し、高すぎるとリチウムマンガン
複合酸化物が分解しやすくなる。焼成は、通常空気雰囲
気などの酸素存在下で行う。
【0014】原料リチウムマンガン複合酸化物は、従来
公知の各種の方法にて製造することができ、例えば、リ
チウム、マンガン及び必要に応じてその他の材料を含有
する出発原料を混合後、酸素存在下で焼成・冷却するこ
とによって製造することができる。出発原料として用い
られるリチウム化合物としては、Li2 CO3 、LiN
3 、LiOH、LiOH・H2 O、LiCl、CH3
COOLi、Li2 O、ジカルボン酸Li、脂肪酸Li
等が挙げられる。出発原料として用いられるマンガン化
合物としては、Mn2 3 、MnO2 等のマンガン酸化
物、MnCO3 、Mn(NO3 2 、ジカルボン酸マン
ガン、脂肪酸マンガン等のマンガン塩等が挙げられる
が、中でもMn2 3 を用いることが好ましく、この場
合のMn2 3 はMnCO3 やMnO2 などの化合物を
熱処理して作製したものを用いてもよい。
【0015】また、マンガンサイトの一部を他金属元素
により置換したリチウムマンガン酸化物を製造する場
合、出発原料として用いられる他金属元素の化合物とし
ては、酸化物、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩、ジカルボン
酸塩、脂肪酸塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これ
らの出発原料は、通常湿式混合、乾式混合、ボールミル
粉砕、共沈等の方法によって混合される。混合の前後、
および混合中において粉砕の工程を加えてもよい。焼成
・冷却の方法としては、例えば、仮焼後600〜850
℃程度の温度で酸素雰囲気下で本焼を行い、次いで50
0℃以下程度まで10℃/min以下の速度で徐冷する
方法や、仮焼後600〜850℃程度の温度で空気又は
酸素雰囲気下で本焼し、次いで400℃程度の温度で酸
素雰囲気下アニールする方法を挙げることができる。焼
成・冷却の条件については、特開平9−306490号
公報、特開平9−306493号公報、特開平9−25
9880号公報等に詳しく記載されている。
【0016】本発明のリチウム二次電池用正極材料は、
活物質としてリチウム二次電池の正極として用いること
ができる。このような正極は、通常上記活物質、結着剤
及び導電剤を含有する正極合剤からなる。結着剤( バイ
ンダー) としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリ
テトラフルオロエチレン、EPDM( エチレン−プロピ
レン−ジエン三元共重合体) 、SBR( スチレン−ブタ
ジエンゴム) 、NBR( アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム) 、フッ素ゴム等が挙げられる。また、導電剤とし
ては、黒鉛の微粒子、アセチレンブラック等のカーボン
ブラック、ニードルコークス等の無定形炭素の微粒子等
が挙げられる。正極中における、活物質、結着剤及び導
電剤の含有量は、それぞれ順に通常20〜90重量%、
10〜50重量%、及び1〜20重量%程度である。正
極は、上記の材料を含むスラリーを塗布、乾燥すること
によって得ることができる。
【0017】正極は、負極及び電解質層と組み合わせて
リチウム二次電池とされる。負極に使用される活物質と
しては、通常、この種のリチウム二次電池に用いられる
材料がいずれも使用可能である。例えば、リチウムやリ
チウム合金であってもよいが、より安全性の高いリチウ
ムを挿入・放出できる炭素材料が好ましい。この炭素材
料は特に限定されないが、黒鉛及び、石炭系コークス、
石油系コークス、石炭系ピッチの炭化物、石油系ピッチ
の炭化物、ニードルコークス、ピッチコークス、フェノ
ール樹脂、結晶セルロース等の炭化物等及びこれらを一
部黒鉛化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレン
ブラック、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。
【0018】負極は、通常上記活物質と結着剤(バイン
ダー)と含有する。結着剤としては、正極と同様の材料
を使用することができる。また、その製造も正極と同様
の方法を採用することができる。電解質層は、通常電解
質からなるイオン伝導体とセパレータとから構成され
る。セパレーターを使用する場合は、通常微多孔性の高
分子フィルムが用いられ、ナイロン、セルロースアセテ
ート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロ
ニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン高分子より
なるものが用いられる。セパレータの化学的及び電気化
学的安定性は重要な因子である。この点からポリオレフ
ィン系高分子が好ましく、電池セパレータの目的の一つ
である自己閉塞温度の点からポリエチレン製であること
が望ましい。
【0019】ポリエチレンセパレーターの場合、高温形
状維持性の点から超高分子量ポリエチレンであることが
好ましく、その分子量の下限は好ましくは50万、さら
に好ましくは100万、最も好ましくは150万であ
る。他方分子量の上限は、好ましくは500万、更に好
ましくは400万、最も好ましくは300万である。分
子量が大きすぎると、流動性が低すぎて加熱された時セ
パレーターの孔が閉塞しない場合があるからである。ま
た、本発明のリチウム二次電池におけるイオン伝導体に
は、例えば公知の有機電解液、高分子固体電解質、ゲル
状電解質、無機固体電解質等を用いることができるが、
中でも有機電解液が好ましい。有機電解液は、通常有機
溶媒と溶質から構成される。
【0020】有機溶媒としては特に限定されるものでは
ないが、例えばカーボネート類、エーテル類、ケトン
類、スルホラン系化合物、ラクトン類、ニトリル類、塩
素化炭化水素類、エーテル類、アミン類、エステル類、
アミド類、リン酸エステル化合物等を使用することがで
きる。これらの代表的なものを列挙すると、プロピレン
カーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボ
ネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタ
ノン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシ
エタン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキソラン、
4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテ
ル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、
プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニトリル、
バレロニトリル、1,2−ジクロロエタン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、リン酸トリメチ
ル、リン酸トリエチル等の単独もしくは二種類以上の混
合溶媒が挙げられる。
【0021】またこの溶媒に溶解させる溶質として特に
限定されるものではないが、従来公知のいずれもが使用
でき、LiClO4 、LiAsF6 、LiPF6 、Li
BF 4 、LiB(C6 5 4 、LiCl、LiBr、
CH3 SO3 Li、CF3 SO3 Li等のリチウム塩が
挙げられ、これらのうち少なくとも1種以上のものを用
いることができる。高分子固体電解質を使用する場合に
も、この高分子に公知のものを用いることができ、特に
リチウムイオンに対するイオン導電性の高い高分子を使
用することが好ましく、例えば、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミン等
が好ましく使用され、またこの高分子に対して上記の溶
質と共に、上記の溶媒を加えてゲル状電解質として使用
することも可能である。
【0022】無機固体電解質を使用する場合にも、この
無機物に公知の結晶質、非晶質固体電解質を用いること
ができる。結晶質の固体電解質としては例えば、Li
I、Li3 N、Li1+x x Ti2-x (PO4 3 (た
だしM=Al、Sc、Y及びLaからなる群から選ばれ
る少なくとも一種)、Li0.5-3xRE0.5+x TiO
3 (ただしRE=La、Pr、Nd及びSmからなる群
から選ばれる少なくとも一種)等が挙げられ、非晶質の
固体電解質としては例えば、4.9 LiI−34.1Li2
−61B2 5 、33.3Li2 O−66.7SiO2 等の酸化
物ガラスや0.45LiI−0.37Li2 S−0.26B2 3
0.30LiI−0.42Li2 S−0.28SiS2 等の硫化物ガ
ラス等が挙げられる。これらのうち少なくとも1種以上
のものを用いることができる。
【0023】
【実施例】以下実施例によって本発明の方法をさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限され
るものではない。 実施例1 まず、正極を以下のように作成した。水酸化リチウム一
水和物(LiOH・H2 O)、三酸化二マンガン(Mn
2 3 )、ベーマイト(AlOOH)をモル比が1.0
3:1.85:0.12となるような量で秤量し、良く
混合し、850℃で24時間加熱した。この様にして得
られたリチウムマンガン複合酸化物を、以下、" 核剤"
と表記する。水60gに核剤9.20g、炭酸セシウム
0.09gを加え、良く攪拌してスラリーとした後、噴
霧乾燥して解砕した。次に、これを600℃で2hr加
熱し、正極活物質を得た。正極活物質中のMnに対する
Csのモル比は0.0023であるが、X線光電子分光
でのMn2pとCsの強度より求めた表面におけるMn
に対するCsのモル比は0.11であった。
【0024】正極合剤は、正極活物質と導電剤としての
アセチレンブラック及び結着剤としてのポリ4フッ化エ
チレン樹脂を重量比で75:20:5の割合で混合して
作成した。また、正極合剤をシート状に成型して正極と
した。塗布負極は、黒鉛と結着剤としてのポリフッ化ビ
ニリデン(PVdF)を重量比で90:10の割合で使
用し、N−メチルピロリドンを溶媒として20μmの厚
さの銅箔の片面に塗布し、乾燥して溶媒を蒸発させ、圧
力0.5t/cm2 でプレス処理をすることにより作成
した。得られた塗布負極を12mmφに打ち抜き、負極
として用いた。上記の正極、負極を用いて、電池を作成
した。即ち正極の上にセパレーターとして多孔性ポリプ
ロピレンフィルムを置き、その上に負極を、ポリプロピ
レン製ガスケットを付けた封口缶に圧着した。非水電解
液として、1 モル/lのLiPF6 を溶解したエチレン
カーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶液(5
0vol%:50vol%)を用い、これをセパレータ
ー上及び負極上に加えた。この後、電池を封口した。得
られたリチウム二次電池の50℃での高温サイクル特性
を測定した。なお、充放電サイクル試験は、充放電電流
密度1mA/cm2 、電圧範囲が4.2Vから3.0V
の間で定電流充放電することで行った。放電容量及びサ
イクル特性を表−1に示す。ここで、正極活物質1g当
たりに換算した放電容量を用いている。
【0025】比較例1 実施例1で示した核剤を正極活物質として用いること以
外は実施例1と同様にしてこの電池を作成して、高温サ
イクル特性を測定した。結果を表−1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】以上の様に、本発明に係わる正極材料を
用いることにより、これを用いたリチウム二次電池は初
期容量が大きく、高温安定性に優れたものになる。その
結果、安価で資源の豊富な材料であるリチウムマンガン
酸化物が正極材料として実用的に使用可能となり、高性
能で安全で安価なリチウム二次電池が広い用途に供給で
きるようになりその工業的価値は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G048 AA04 AA05 AB02 AB04 AB06 AC06 AD06 AE05 5H003 AA04 BA01 BB05 BC06 BD03 5H014 AA02 EE10 HH01 5H029 AJ05 AK03 AL07 AL12 AM03 AM04 AM07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガンに対して10モル%未満のアル
    カリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれる
    少なくとも一種の金属元素(但し、リチウムを除く)を
    含有するリチウムマンガン複合酸化物を含有するリチウ
    ム二次電池用正極材料。
  2. 【請求項2】 金属元素が、少なくともセシウムを含む
    請求項1に記載のリチウム二次電池用正極材料。
  3. 【請求項3】 金属元素が、リチウムマンガン複合酸化
    物粒子の表面近傍に偏在する請求項1又は2に記載のリ
    チウム二次電池用正極材料。
  4. 【請求項4】 金属元素が、マンガンに対して0.01
    モル%以上存在する請求項1乃至3のいずれか1つに記
    載のリチウム二次電池用正極材料。
  5. 【請求項5】 リチウムマンガン複合酸化物がスピネル
    型の結晶構造を有する請求項1乃至4のいずれか1つに
    記載のリチウム二次電池用正極材料。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の
    正極材料、結着剤及び導電剤を含有するリチウム二次電
    池用正極。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の
    正極材料を使用したリチウム二次電池。
  8. 【請求項8】 アルカリ金属及びアルカリ土類金属の少
    なくとも一種の金属元素(但し、リチウムを除く)を含
    有する化合物とリチウムマンガン複合酸化物とを含むス
    ラリーを噴霧乾燥後焼成することを特徴とするリチウム
    二次電池正極材料の製造方法。
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