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JP2001066416A - カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子 - Google Patents

カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子

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JP2001066416A
JP2001066416A JP24453999A JP24453999A JP2001066416A JP 2001066416 A JP2001066416 A JP 2001066416A JP 24453999 A JP24453999 A JP 24453999A JP 24453999 A JP24453999 A JP 24453999A JP 2001066416 A JP2001066416 A JP 2001066416A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
colored
ink
color filter
layer
colored portion
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP24453999A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Shiba
昭二 芝
Hideaki Takao
英昭 高尾
Ryuichi Yokoyama
隆一 横山
Masaji Sofue
正司 祖父江
Takeshi Okada
岡田  健
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP24453999A priority Critical patent/JP2001066416A/ja
Publication of JP2001066416A publication Critical patent/JP2001066416A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Optical Filters (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット方式によりインク受容層を着
色して形成されるカラーフィルタにおいて、体積膨張し
た着色部の検査時における損傷を防止する。 【解決手段】 透明基板1上にインク受容層を形成し、
パターン露光して被着色部と非着色部5を形成し、該被
着色部にインクを付与して硬化させ、着色部8を形成し
た後、非着色部5を覆うレジストパターン10を形成
し、透明基板1表面からの最も高い位置をレジストパタ
ーン10表面とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビ、パ
ーソナルコンピュータ、パチンコ遊技台等に使用される
カラー液晶素子の構成部材であるカラーフィルタとその
製造方法、さらには該カラーフィルタを用いた液晶素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの発達、
特に携帯用パーソナルコンピュータの発達に伴い、液晶
ディスプレイ、特にカラー液晶ディスプレイの需要が増
加する傾向にある。しかしながら、さらなる普及のため
にはコストダウンが必要であり、特にコスト的に比重の
重いカラーフィルタのコストダウンに対する要求が高ま
っている。
【0003】従来から、カラーフィルタの要求特性を満
足しつつ上記の要求に応えるべく種々の方法が試みられ
ているが、未だ全ての要求特性を満足する方法は確立さ
れていない。以下にそれぞれの方法を説明する。
【0004】第一の方法は染色法である。染色法は、先
ず透明基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料
層を形成し、これをフォトリソグラフィ工程により所望
の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色
浴に浸漬して着色されたパターンを得る。この工程を3
回繰り返すことにより、R(赤)、G(緑)、B(青)
の3色の着色層からなるカラーフィルタを得る。
【0005】第二の方法は顔料分散法であり、近年最も
盛んに行われている。この方法は、先ず透明基板上に顔
料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニン
グすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工
程を3回繰り返すことにより、R、G、Bの3色の着色
層からなるカラーフィルタを形成する。
【0006】第三の方法としては電着法がある。この方
法は、先ず基板上に透明電極をパターニングし、顔料、
樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して第一の色
を電着する。この工程を3回繰り返して、R、G、Bの
3色の着色層を形成し、最後に焼成してカラーフィルタ
を得る方法である。
【0007】第四の方法としては、熱硬化型の樹脂に顔
料を分散させ、印刷を3回繰り返すことにより、R、
G、Bに塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより
R、G、Bの3色の着色層からなるカラーフィルタを得
る。
【0008】いずれの方法においても着色層の上に保護
層を形成するのが一般的である。また、これらの方法に
共通している点は、R、G、Bの3色を着色するために
同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になる
ことである。また、工程数が多いほど歩留まりが低下す
るという問題を有している。さらに、電着法において
は、形成可能なパターン形状が限定されるため、現状の
技術ではTFT型(薄膜トランジスタ(TFT)を用い
たアクティブマトリクスタイプ)液晶素子には不向きで
ある。また、印刷法は、解像性が悪いためファインピッ
チのパターンの形成は困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記製造方法の欠点を
補うべく、インクジェット方式を用いたカラーフィルタ
の製造方法として、特開昭59−75205号、特開昭
63−235901号、特開平1−217302号等の
提案があるが、未だ不十分である。特に、インクジェッ
ト方式を用いてカラーフィルタを作製する際には、隣
接する異なる色の画素間における混色、及び、着色部
とブラックマトリクスとの境界部における白抜けや、着
色画素内における着色濃度の分布に起因する色ムラが問
題となる。
【0010】そこで、カラーフィルタの画素間における
混色を防止する方法として、特開平4−123005号
の提案がある。当該提案においては、ブラックマトリク
ス上に撥水、撥油性の大きなシリコーンゴムのパターン
を形成し、インクジェット方式或いは印刷法における混
色を防止する方法が記載されている。
【0011】しかしながら、シリコーンゴムのパターン
を形成する方法としては、感光性樹脂層上にシリコーン
ゴム層を形成した後にフォトリソグラフィによって該シ
リコーンゴム層或いはシリコーンゴム層と感光性樹脂層
をパターニングするため、工程数が多く、製造工程的に
不利である。
【0012】そこで、より簡便な方法で表面に撥水、撥
油性を有するブラックマトリクスを得る方法として、特
開平7−35916号の提案がある。該提案は、ブラッ
クマトリクス形成用部材上に、シリコーン微粒子を含有
する光透過性の感光性樹脂層を形成し、該感光性樹脂層
をフォトリソグラフィによってパターニングした後、パ
ターニングされた感光性樹脂層をマスクとしてブラック
マトリクス形成用部材のパターニングを行う方法であ
る。
【0013】しかしながら、該提案は、感光性樹脂中に
微粒子状態でシリコーンを含有するため、 (1)シリコーン微粒子が現像残渣となり、これがブラ
ックマトリクス形成用部材に転写されてブラックマトリ
クスに欠陥が発生する。 (2)シリコーン微粒子の添加量を多くすると解像性が
低下するため、微細パターンの形成には不向きである。
等の問題がある。
【0014】また、感光性シリコーンを用いて画素のに
じみを防止する方法として、特開昭63−66501号
公報に感光性樹脂でマトリクスを形成し、その上部に印
刷により黒色部を設けてブラックマトリクスとした後、
感光性シリコーンを用いてブラックマトリクス上に保護
層を形成する方法が記載されている。この方法は、ブラ
ックマトリクスの間隙に設ける画素部とブラックマトリ
クスとの境界を明確にし、画素のにじみを防止してコン
トラストの高いカラーフィルタを目的としたものである
が、感光性樹脂で形成したブラックマトリクスのエッジ
部まで感光性シリコーンで被覆するため、着色部とブラ
ックマトリクスとの境界部において白抜けが発生すると
いう問題がある。
【0015】本発明者等は、簡便な方法で混色を防止す
る方法として、特開平8−75916号を提案した。こ
の方法は、透明基板上に光照射または光照射と熱処理に
よりインク吸収性が低下する感光性樹脂組成物からなる
インク受容層を設け、非着色部に対してパターン露光を
行ってインク吸収性を低下させた後、未露光部に対して
インクジェット方式によりインクを付与し、着色部を形
成するものである。この製造方法は、いわばインク受容
層中に化学的な壁を設けることにより混色を防止するも
のである。
【0016】しかしながら、インク受容層の表面層にお
いて既にインクの混色が発生している場合には、その効
果を十分に発揮することができない。即ち、インクジェ
ット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドに不良
が発生し、インクのよれ或いはサテライト等が発生する
場合には混色の防止に対する効果が不十分である。さら
に、白抜け及び画素内色ムラを防止するために、多量の
インクを未露光部に対して付与した場合にも、インクが
インク受容層に吸収される前に表面層で混色してしまう
ことがあり、同様に混色防止効果を十分に発揮すること
は困難である。
【0017】また、該製造方法により製造されたカラー
フィルタの着色層は、着色部がインク中の着色剤を吸収
することにより体積が増加するため、非着色部よりも盛
り上がった構造となる。一方、カラーフィルタの色ムラ
を検査する方法としては、一般に、バックライト上で、
対応するカラーフィルタのR、G、Bのいずれか一色分
の開口部を有するよう遮光部を形成したマスク(1/3
BMマスク)をカラーフィルタに密着させ、徐々にずら
せることによって、R、G、B各色を単色で表示させて
目視によって評価する方法がとられている。該方法によ
って、上記本発明者等が提案した方法で製造したカラー
フィルタを検査した場合、表面が盛り上がった着色部が
上記マスクに接するために、該マスクをずらせる際に着
色部表面に傷が付く場合があり、表示不良の原因となる
可能性があった。
【0018】本発明の目的は、上記問題を解決し、簡便
な方法で歩留まり良くカラーフィルタを製造し、該カラ
ーフィルタを用いて表示特性に優れた液晶素子を安価に
提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーフィルタ
は、透明基板上に、複数の着色部と隣接する該着色部間
に位置する非着色部を有する着色層と、該非着色部上に
位置するレジストパターンと、を少なくとも有し、透明
基板の表面から着色部の表面までの高さよりも、透明基
板の表面からレジストパターンの表面までの高さの方が
高いことを特徴とする。
【0020】また、本発明のカラーフィルタの製造方法
は、上記本発明のカラーフィルタの製造方法であって、
第一の方法は、透明基板上に少なくとも光照射によって
インク吸収性が低減するインク受容層を形成する工程
と、上記インク受容層をパターン露光してインク吸収性
を有する被着色部と、被着色部間に位置し該被着色部よ
りもインク吸収性が低い非着色部を形成する工程と、上
記インク受容層の被着色部にインクジェット方式により
インクを付与して着色する工程と、上記インク受容層を
熱処理により硬化して着色した被着色部を着色部とし、
着色部と非着色部からなる着色層を形成する工程と、上
記着色層上にレジスト層を形成する工程と、上記レジス
ト層をパターン露光して非着色部上にレジストパターン
を形成する工程と、を少なくとも有することを特徴とす
る。
【0021】本発明のカラーフィルタの第二の製造方法
は、透明基板上に少なくとも光照射によって、インク吸
収性が低減するインク受容層を形成する工程と、上記イ
ンク受容層をパターン露光してインク吸収性を有する被
着色部と、被着色部間に位置し該被着色部よりもインク
吸収性が低い非着色部を形成する工程と、上記インク受
容層上にレジスト層を形成する工程と、上記レジスト層
をパターン露光して少なくとも非着色部上を覆うレジス
トパターンを形成する工程と、上記インク受容層の被着
色部にインクジェット方式によりインクを付与して着色
する工程と、上記インク受容層を熱処理により硬化して
着色した被着色部を着色部とし、着色部と非着色部から
なる着色層を形成する工程と、を少なくとも有すること
を特徴とする。
【0022】本発明のカラーフィルタの第三の製造方法
は、透明基板上に少なくとも光照射によって、インク吸
収性が低減するインク受容層を形成する工程と、上記イ
ンク受容層上にネガ型レジスト層を形成する工程と、イ
ンク受容層とレジスト層を同時にパターン露光して、イ
ンク受容層にインク吸収性を有する被着色部と、被着色
部間に位置し該被着色部よりもインク吸収性が低い非着
色部を形成すると同時に、該非着色部上を覆うレジスト
パターンを形成する工程と、上記インク受容層の被着色
部にインクジェット方式によりインクを付与して着色す
る工程と、上記インク受容層を熱処理により硬化して着
色した被着色部を着色部とし、着色部と非着色部からな
る着色層を形成する工程と、を少なくとも有することを
特徴とする。
【0023】さらに本発明の液晶素子は、一対の基板間
に液晶を狭持してなり、一方の基板が上記本発明のカラ
ーフィルタを用いて構成されていることを特徴とする。
【0024】本発明のカラーフィルタは、着色層の非着
色部上にレジストパターンを設けることによって、透明
基板表面から最も高い位置を該レジスト表面とし、カラ
ーフィルタ検査時における着色部の損傷を防止するもの
である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明を詳
細に説明する。
【0026】本発明のカラーフィルタの製造方法は、前
記したように、第一〜第三の製造方法があるが、その違
いを要約すると以下の通りである。
【0027】第一の製造方法:着色層を形成した後に非
着色部上にレジストパターンを形成する。
【0028】第二の製造方法:インク受容層をパターン
露光した後に、非着色部上にレジストパターンを形成
し、インク受容層を着色する。
【0029】第三の製造方法:インク受容層のパターン
露光とレジスト層のパターン露光を同時に行い、インク
受容層を着色する。
【0030】第二の製造方法と第三の製造方法では、イ
ンク受容層の非着色部上にレジストパターンを形成した
後に被着色部にインクを付与して着色するため、インク
を付与した際には、該レジストパターンが隔壁となっ
て、インク受容層表面でのインクの混色を防止すること
ができる。
【0031】以下に図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
【0032】図1、図2は本発明のカラーフィルタの第
一の製造方法の一実施形態の工程図である。図中、1は
透明基板、2はブラックマトリクス、3はインク受容
層、4,4’はフォトマスク、5は非着色部、6は被着
色部、7はインク、8は着色部、9はレジスト層、10
はレジストパターン、11は保護層である。尚、図1,
図2の(a)〜(i)は下記工程(a)〜(i)に対応
する断面模式図である。
【0033】工程(a) 透明基板1上に必要に応じて画素間を遮光する遮光層を
形成する。本例ではブラックマトリクス2を形成した場
合を示すが、ブラックストライプを用いる場合もある。
透明基板1としては、通常ガラス基板が用いられるが、
カラーフィルタとしての透明性及び機械的強度等必要特
性を有するものであれば、プラスチック基板等適宜用い
ることができる。ブラックマトリクス2の形成方法とし
ては、通常スパッタもしくは蒸着により金属薄膜を形成
し、フォトリソ工程によりパターニングして形成するこ
とができる。
【0034】工程(b) 透明基板1上にインク受容層3を形成する。インク受容
層3は少なくとも光照射によってインク吸収性が低減す
る素材で形成する。具体的には、光照射或いは光照射と
熱処理によってインク吸収性が低減する感光性樹脂組成
物が好ましく用いられる。このような感光性樹脂として
は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、
フェノール系樹脂、ポリスチレン系樹脂などが必要に応
じて光開始剤(架橋剤)と併せて用いられる。
【0035】上記感光性樹脂組成物は透明基板1上にデ
ィッピング法、ロールコート法、バーコート法、スリッ
トコート法等の公知の手段により塗布し、必要に応じて
プリベークしてインク受容層3とする。
【0036】尚、本発明においては、インク受容層3は
光照射によってインク受容層3のインク吸収性が低減す
ると同時に、インクぬれ性も低減するものが好ましい。
【0037】工程(c) フォトマスク4を介してパターン露光を行うことによ
り、インク吸収性を有する被着色部6とインク吸収性が
被着色部6より低い(或いは無い)非着色部5を形成す
る。この場合、ブラックマトリクス2の開口部における
色抜けを防止するために、着色部8をブラックマトリク
ス2の開口部よりも広く形成する意味から、ブラックマ
トリクス2の幅よりも非着色部5の幅が狭くなるような
開口パターンを有するフォトマスクを用いることが好ま
しい。
【0038】工程(d) インク受容層の被着色部6にインクジェット方式によ
り、所定の着色パターンに沿ってR、G、Bの各インク
7を付与する。この時、被着色部6間にはインク吸収性
が低い(或いはない)非着色部5が介在するため、被着
色部6からはみ出したインクは非着色部5においてはじ
かれ、隣接する被着色部6間での混色が防止される。
【0039】本発明において用いられるインク7として
は、染料系、顔料系のいずれでも用いることができ、イ
ンクジェット方式によって吐出が可能なものであれば好
ましく用いることができる。
【0040】また、本発明において用いられるインクジ
ェット方式としては、エネルギー発生素子として電気熱
変換体を用いたバブルジェットタイプ、或いは圧電素子
を用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能であり、着
色面積及び着色パターンは任意に設定することができ
る。
【0041】工程(e) インク7が被着色部6に吸収され十分に拡散した後、必
要に応じて乾燥処理を施し、さらに光照射、熱処理等必
要な処理を施してインク受容層全体を硬化させ、非着色
部5と着色部8からなる着色層を形成する。
【0042】工程(f) インク中の着色剤を吸収して体積膨張した着色部8の表
面が露出しないように、着色層全面が覆われるようにレ
ジスト層9を形成する。
【0043】工程(g) レジスト層9をフォトマスク4’を介してパターン露光
する。この時、レジスト層9としてネガ型レジストを用
いておくことにより、フォトマスク4、4’として同じ
開口パターンのものを用いることができるため、好まし
い。また、レジストの感光性をポジ型とした場合には、
フォトマスク4とは逆の開口部を有するフォトマスク
4’を用いる。本実施形態はネガ型レジストを用いた例
を示す。
【0044】工程(h) パターン露光したレジスト層9を現像して未露光部を取
り除き、非着色部5上にレジストパターン10を形成す
る。これにより、透明基板1の表面から着色部8の表面
までの高さよりも、透明基板1の表面からレジストパタ
ーン10の表面までの高さの方が高くなる。
【0045】工程(i) 必要に応じて保護層11を形成する。保護層11として
は、光硬化型、熱硬化型、或いは熱・光併用硬化型の樹
脂組成物層、或いは蒸着、スパッタ等によって形成され
た無機膜等を用いることができる。いずれの場合も、カ
ラーフィルタとしての透明性を有し、その後のITO膜
形成工程、配向膜形成工程等液晶素子の製造工程に耐え
るものであれば使用することができる。
【0046】また、本発明のカラーフィルタは、表面に
液晶を駆動するための電極となるITO等の透明導電膜
を形成した状態で提供される場合もある。
【0047】次に、図4、図5に本発明のカラーフィル
タの第二の製造方法の一実施形態の工程図を示す。図
中、図1,図2と同じ部材には同じ符号を付した。尚、
図4、図5の(a)〜(f)は下記工程(a)〜(f)
に対応する断面模式図である。
【0048】工程(a)〜(c) 先の第一の製造方法の実施形態における工程(a)、
(b)と同様にして、透明基板1上にブラックマトリク
ス2とインク受容層3を形成し、インク受容層3をパタ
ーン露光して被着色部6と非着色部5を形成する。
【0049】工程(d) インク受容層上に全面にレジスト層9を形成する。
【0050】工程(e) ブラックマトリクス2をフォトマスクとして用いて透明
基板1の裏面からレジスト層9をパターン露光する。本
実施形態ではレジスト層9の感光性はポジ型である。こ
のように、ポジ型のレジストを用いることにより、フォ
トマスクを用いずにパターン露光することが可能であ
る。また、ネガ型のレジストを用いた場合には、工程
(c)でインク受容層3のパターン露光に用いたフォト
マスク4を用いてレジスト層9をパターン露光すればよ
い。
【0051】尚、本製造方法において、ポジ型レジスト
を用いる場合、レジスト層9のパターン露光の際にイン
ク受容層3の被着色部6が反応して硬化してしまわない
ように、互いに感光波長が異なる素材を選択することが
必要である。例えば、インク受容層3には、Deep−
UV領域(波長300nm以下)に対して感光性を有す
る素材を用い、レジスト層9には300nmを超える波
長に感光するポジ型素材を選択すればよい。一般的に支
持基板として用いられるガラス基板は、300nm以下
の波長の光を透過しないことから、ポジ型のレジスト層
9を裏面から露光する場合には、i線(365nm)或
いはg線(436nm)に対して感光性を有する素材を
レジスト層9として選択すればよい。
【0052】工程(f) 現像処理を行って、レジストパターン10を形成する。
【0053】工程(g)〜(i) 先の第一の製造方法の実施形態における工程(d)、
(e)、(i)と同様にして、インクジェット方式によ
り、インク受容層の被着色部6にインク7を付与し、適
宜必要な処理を施して硬化させ、着色部6を得る。さら
に、必要に応じて保護層11を着色層上に形成する。ま
たさらに、必要に応じて透明導電膜を形成する場合もあ
る。
【0054】次に、図6に本発明のカラーフィルタの第
三の製造方法の一実施形態の工程図を示す。図中、図
1,図2と同じ部材には同じ符号を付した。尚、図6の
(a)〜(h)は下記工程(a)〜(h)に対応する断
面模式図である。
【0055】工程(a)、(b) 先の第一の製造方法の実施形態における工程(a)、
(b)と同様にして、透明基板1上にブラックマトリク
ス2とインク受容層3を形成する。
【0056】工程(c) インク受容層3上にネガ型のレジスト層9を形成する。
【0057】工程(d) フォトマスク4を用いて、インク受容層3とレジスト層
9を同時にパターン露光する。この場合、ブラックマト
リクス2の開口部における色抜けを防止するために、着
色部8をブラックマトリクス2の開口部よりも広く形成
する意味から、ブラックマトリクス2の幅よりも非着色
部5の幅が狭くなるような開口パターンを有するフォト
マスクを用いることが好ましい。 工程(e) 現像処理を行って、レジストパターン10を形成する。
【0058】工程(f)〜(h) 先の第一の製造方法の実施形態における工程(d)、
(e)、(i)と同様にして、インクジェット方式によ
り、インク受容層の被着色部6にインク7を付与し、適
宜必要な処理を施して硬化させ、着色部6を得る。さら
に、必要に応じて保護層11を着色層上に形成する。ま
たさらに、必要に応じて透明導電膜を形成する場合もあ
る。
【0059】次に、本発明の液晶素子の一例を図3に示
す。図3は、図1,図2に示した工程で得られた本発明
のカラーフィルタを用いて構成した液晶素子の一例の断
面模式図である。図中、21は対向基板、22は共通電
極、23は画素電極、24,25は配向膜、26は液晶
である。本液晶素子は、画素毎にTFT(薄膜トランジ
スタ)を配置したアクティブマトリクスタイプ(いわゆ
るTFT型)の液晶素子の一例である。
【0060】カラー表示の液晶素子は、一般的にカラー
フィルタ側基板1と対向基板21を合わせ込み、液晶2
6を封入することにより形成される。対向基板21の内
側に、TFT(図示しない)と透明な画素電極23がマ
トリクス状に形成される。また、透明基板1の内側に
は、画素電極23に対向する位置に、R、G、Bが配列
するようにカラーフィルタの着色部8が設置され、その
上に透明な共通電極22が一面に形成される。ブラック
マトリクス2は、通常カラーフィルタ側に形成される
が、BMオンアレイタイプの液晶素子においては対向基
板21側に形成される。さらに、両基板の面内には配向
膜24,25が形成されており、これらをラビング処理
することにより液晶分子を一定方向に配列させることが
できる。これらの基板はスペーサー(図示しない)等を
介して対向配置され、シール材(図示しない)によって
貼り合わされ、その間隙に液晶26が充填される。
【0061】上記液晶素子は、透過型の場合には両基板
の外側に偏光板を設置し、一般的に蛍光灯と散乱板を組
み合わせたバックライトを用い、反射型の場合には透明
基板21の外側に偏光板を設置して、それぞれ液晶26
を光の透過率を変化させる光シャッターとして機能させ
ることにより表示を行う。
【0062】上記実施形態においては、TFT型の液晶
素子について説明したが、本発明は単純マトリクス型等
他の駆動タイプの液晶素子にも好ましく適用される。ま
た、本発明の液晶素子は直視型でも投写型でも好適に用
いられる。
【0063】また、本発明の液晶素子においては、本発
明のカラーフィルタを用いて構成されていれば、他の部
材については従来の液晶素子の技術を用いることがで
き、液晶としても一般的に用いられているTN型液晶や
強誘電性液晶等いずれも用いることができる。
【0064】
【実施例】(実施例1)ブラックマトリクスが形成され
たガラス基板上に、下記の組成からなるアクリル系共重
合体を97重量部と メチルメタクリレート 50重量部 ヒドロキシエチルメタクリレート 30重量部 N−メチロールアクリルアミド 20重量部 3重量部のトリフェニルスルフォニウムトリフラート
(みどり化学社製「TPS−105」)をエチルセロソ
ルブに溶解してなる感光性樹脂組成物を膜厚が2μmと
なるようにスピンコートし、90℃で20分間のプリベ
ークを行って、感光性樹脂組成物からなるインク受容層
を形成した。
【0065】次いで、ブラックマトリクスの幅よりも狭
い開口部を有するフォトマスクを介して、上記インク受
容層をパターン露光し、さらに120℃のホットプレー
ト上で1分間の熱処理を施して非着色部を形成した。
【0066】上記インク受容層の未露光の被着色部にイ
ンクジェット記録装置を用い、R、G、Bの染料系イン
クを所定の着色パターンに沿って付与して着色した後、
90℃で5分間のインク乾燥を行った。引き続き230
℃で30分間の熱処理を行ってインク受容層全体を硬化
させ、着色部と非着色部を有する着色層を形成した。
【0067】次いで、上記着色層にネガ型フォトレジス
ト(東京応化社製「OMR−85」)を膜厚が0.5μ
mとなるようにスピンコートし、真空乾燥を行ってネガ
型レジスト層を形成し、インク受容層のパターン露光に
用いたフォトマスクを介して該ネガ型レジスト層をパタ
ーン露光し、現像処理を行って非着色部上にレジストパ
ターンを形成した。
【0068】得られたカラーフィルタについて、表面粗
さ計(テンコール社製)により着色部表面からレジスト
パターン表面までの段差を測定したところ、 R着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.23μm G着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.30μm B着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.25μm であった。また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡によ
り観察したところ、混色は観察されなかった。さらに、
該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記検査
用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれぞれ
の着色部の色ムラを検査し、次いで着色部表面を光学顕
微鏡により観察したところ、傷、膜剥がれ等の傷害は観
察されなかった。
【0069】(実施例2)実施例1で得られたカラーフ
ィルタ上にスパッタによりITOからなる透明導電膜を
形成し、実施例1と同様に表面粗さ計を用いて着色部上
の透明導膜表面からレジストパターン上の透明導電膜表
面までの段差を測定したところ、 R着色部上の透明導電膜表面からレジストパターン上の
透明導電膜表面までの段差:0.23μm G着色部上の透明導電膜表面からレジストパターン上の
透明導電膜表面までの段差:0.30μm B着色部上の透明導電膜表面からレジストパターン上の
透明導電膜表面までの段差:0.25μm であった。
【0070】また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡に
より観察したところ、混色は観察されなかった。さら
に、該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記
検査用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれ
ぞれの着色部の色ムラを検査し、次いで透明導電膜表面
を光学顕微鏡により観察したところ、着色部上に傷、膜
剥がれ等の傷害は観察されなかった。
【0071】(比較例1)レジストパターンを形成しな
い以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製し
た。得られたカラーフィルタについて、実施例1と同様
に表面粗さ計を用いて着色部表面からレジストパターン
表面までの段差を測定したところ、 非着色部表面からR着色部表面までの段差:0.27μ
m 非着色部表面からG着色部表面までの段差:0.20μ
m 非着色部表面からB着色部表面までの段差:0.25μ
m であった。
【0072】また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡に
より観察したところ、混色は観察されなかった。さら
に、該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記
検査用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれ
ぞれの着色部の色ムラを検査し、次いで着色部表面を光
学顕微鏡により観察したところ、R及びBの着色部にお
いて傷が観察された。
【0073】(比較例2)比較例1のカラーフィルタ上
に、実施例2と同様にスパッタによりITOからなる透
明導電膜を形成した。実施例1と同様に表面粗さ計を用
いて着色部上の透明導膜表面からレジストパターン上の
透明導電膜表面までの段差を測定したところ、 非着色部上の透明導電膜表面からR着色部上の透明導電
膜表面までの段差:0.27μm 非着色部上の透明導電膜表面からG着色部上の透明導電
膜表面までの段差:0.20μm 非着色部上の透明導電膜表面からB着色部上の透明導電
膜表面までの段差:0.25μm であった。
【0074】また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡に
より観察したところ、混色は観察されなかった。さら
に、該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記
検査用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれ
ぞれの着色部の色ムラを検査し、次いで透明導電膜表面
を光学顕微鏡により観察したところ、R及びGの着色部
上の透明導電膜に傷が観察された。
【0075】(実施例3)実施例1と同様にして、ブラ
ックマトリクスを備えたガラス基板上にインク受容層を
形成した。次いで、該インク受容層上にポジ型フォトレ
ジスト(東京応化社製「OFPR−800」)を膜厚
0.5μmとなるようにスピンコートし、真空乾燥を行
ってポジ型レジスト層を形成し、次いで基板裏面から全
面露光を行った後、現像処理を施してレジストパターン
を形成した。
【0076】引き続き、インク受容層の未露光部(被着
色部)にインクジェット記録装置を用いてR、G、Bの
染料系インクを所定の着色パターンに沿って付与して着
色した後、90℃で5分間のインク乾燥を行い、さら
に、230℃で30分間の熱処理を行ってインク受容層
を硬化させ、着色部と非着色部からなる着色層を形成し
た。
【0077】得られたカラーフィルタについて、実施例
1と同様に、表面粗さ計(テンコール社製)により着色
部表面からレジストパターン表面までの段差を測定した
ところ、 R着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.23μm G着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.30μm B着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.25μm であった。また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡によ
り観察したところ、混色は観察されなかった。さらに、
該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記検査
用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれぞれ
の着色部の色ムラを検査し、次いで着色部表面を光学顕
微鏡により観察したところ、傷、膜剥がれ等の傷害は観
察されなかった。
【0078】(実施例4)付与するインク量を所定量の
1.3倍とした以外は、実施例3と同様にしてカラーフ
ィルタを作製した。得られたカラーフィルタについて、
実施例1と同様に、表面粗さ計(テンコール社製)によ
り着色部表面からレジストパターン表面までの段差を測
定したところ、 R着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.17μm G着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.23μm B着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.18μm であった。また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡によ
り観察したところ、混色は観察されなかった。さらに、
該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記検査
用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれぞれ
の着色部の色ムラを検査し、次いで着色部表面を光学顕
微鏡により観察したところ、傷、膜剥がれ等の傷害は観
察されなかった。
【0079】(実施例5)実施例3で得られたカラーフ
ィルタ上にスパッタによりITOからなる透明導電膜を
形成し、実施例1と同様に表面粗さ計を用いて着色部上
の透明導膜表面からレジストパターン上の透明導電膜表
面までの段差を測定したところ、 R着色部上の透明導電膜表面からレジストパターン上の
透明導電膜表面までの段差:0.23μm G着色部上の透明導電膜表面からレジストパターン上の
透明導電膜表面までの段差:0.30μm B着色部上の透明導電膜表面からレジストパターン上の
透明導電膜表面までの段差:0.25μm であった。
【0080】また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡に
より観察したところ、混色は観察されなかった。さら
に、該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記
検査用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれ
ぞれの着色部の色ムラを検査し、次いで着色部上の透明
導電膜表面を光学顕微鏡により観察したところ、傷、膜
剥がれ等の傷害は観察されなかった。
【0081】(比較例3)レジストパターンを形成しな
い以外は実施例3と同様にしてカラーフィルタを作製し
た。得られたカラーフィルタについて、実施例1と同様
に表面粗さ計を用いて着色部表面からレジストパターン
表面までの段差を測定したところ、 非着色部表面からR着色部表面までの段差:0.27μ
m 非着色部表面からG着色部表面までの段差:0.20μ
m 非着色部表面からB着色部表面までの段差:0.25μ
m であった。
【0082】また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡に
より観察したところ、混色は観察されなかった。さら
に、該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記
検査用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれ
ぞれの着色部の色ムラを検査し、次いで着色部表面を光
学顕微鏡により観察したところ、R及びBの着色部にお
いて傷が観察された。
【0083】(比較例4)レジストパターンを形成しな
い以外は実施例4と同様にしてカラーフィルタを作製し
た。得られたカラーフィルタについて、実施例1と同様
に表面粗さ計を用いて着色部表面からレジストパターン
表面までの段差を測定したところ、 非着色部表面からR着色部表面までの段差:0.33μ
m 非着色部表面からG着色部表面までの段差:0.27μ
m 非着色部表面からB着色部表面までの段差:0.32μ
m であった。
【0084】また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡に
より観察したところ、一部混色が観察された。さらに、
該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記検査
用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれぞれ
の着色部の色ムラを検査し、次いで着色部表面を光学顕
微鏡により観察したところ、R、G、Bのいずれの着色
部においても傷が観察された。
【0085】(比較例5)比較例3のカラーフィルタ上
に、実施例5と同様にスパッタによりITOからなる透
明導電膜を形成した。実施例1と同様に表面粗さ計を用
いて着色部上の透明導膜表面からレジストパターン上の
透明導電膜表面までの段差を測定したところ、 非着色部上の透明導電膜表面からR着色部上の透明導電
膜表面までの段差:0.27μm 非着色部上の透明導電膜表面からG着色部上の透明導電
膜表面までの段差:0.20μm 非着色部上の透明導電膜表面からB着色部上の透明導電
膜表面までの段差:0.25μm であった。
【0086】また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡に
より観察したところ、混色は観察されなかった。さら
に、該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記
検査用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれ
ぞれの着色部の色ムラを検査し、次いで透明導電膜表面
を光学顕微鏡により観察したところ、R及びGの着色部
上の透明導電膜に傷が観察された。
【0087】(実施例6)実施例1と同様にして、ブラ
ックマトリクスを備えたガラス基板上にインク受容層を
形成した。次いで、該インク受容層上にネガ型フォトレ
ジスト(東京応化社製「OMR−85」)を膜厚が0.
5μmとなるようにスピンコートし、真空乾燥を行って
ネガ型レジスト層を形成し、ブラックマトリクスの幅よ
りも狭い開口部を有するフォトマスクを介してパターン
露光し、さらに120℃のホットプレート上で1分間の
熱処理を施してインク受容層に非着色部を形成した。そ
の後、現像処理を行ってインク受容層の非着色部上にレ
ジストパターンを形成した。
【0088】引き続き、インク受容層の未露光部(被着
色部)にインクジェット記録装置を用いてR、G、Bの
染料系インクを所定の着色パターンに沿って付与して着
色した後、90℃で5分間のインク乾燥を行い、さら
に、230℃で30分間の熱処理を行ってインク受容層
を硬化させ、着色部と非着色部からなる着色層を形成し
た。
【0089】得られたカラーフィルタについて、実施例
1と同様に、表面粗さ計(テンコール社製)により着色
部表面からレジストパターン表面までの段差を測定した
ところ、 R着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.23μm G着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.30μm B着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.25μm であった。また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡によ
り観察したところ、混色は観察されなかった。さらに、
該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記検査
用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれぞれ
の着色部の色ムラを検査し、次いで着色部表面を光学顕
微鏡により観察したところ、傷、膜剥がれ等の傷害は観
察されなかった。
【0090】(実施例7)付与するインク量を所定量の
1.3倍とした以外は、実施例6と同様にしてカラーフ
ィルタを作製した。得られたカラーフィルタについて、
表面粗さ計(テンコール社製)により着色部表面からレ
ジストパターン表面までの段差を測定したところ、 R着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.17μm G着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.23μm B着色部表面からレジストパターン表面までの段差:
0.18μm であった。また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡によ
り観察したところ、混色は観察されなかった。さらに、
該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記検査
用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれぞれ
の着色部の色ムラを検査し、次いで着色部表面を光学顕
微鏡により観察したところ、傷、膜剥がれ等の傷害は観
察されなかった。
【0091】(実施例8)実施例6で得られたカラーフ
ィルタ上にスパッタによりITOからなる透明導電膜を
形成し、実施例1と同様に表面粗さ計を用いて着色部上
の透明導膜表面からレジストパターン上の透明導電膜表
面までの段差を測定したところ、 R着色部上の透明導電膜表面からレジストパターン上の
透明導電膜表面までの段差:0.23μm G着色部上の透明導電膜表面からレジストパターン上の
透明導電膜表面までの段差:0.30μm B着色部上の透明導電膜表面からレジストパターン上の
透明導電膜表面までの段差:0.25μm であった。
【0092】また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡に
より観察したところ、混色は観察されなかった。さら
に、該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記
検査用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれ
ぞれの着色部の色ムラを検査し、次いで着色部上の透明
導電膜表面を光学顕微鏡により観察したところ、傷、膜
剥がれ等の傷害は観察されなかった。
【0093】(比較例6)レジストパターンを形成しな
い以外は実施例6と同様にしてカラーフィルタを作製し
た。得られたカラーフィルタについて、実施例1と同様
に表面粗さ計を用いて着色部表面からレジストパターン
表面までの段差を測定したところ、 非着色部表面からR着色部表面までの段差:0.27μ
m 非着色部表面からG着色部表面までの段差:0.20μ
m 非着色部表面からB着色部表面までの段差:0.25μ
m であった。
【0094】また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡に
より観察したところ、混色は観察されなかった。さら
に、該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記
検査用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれ
ぞれの着色部の色ムラを検査し、次いで着色部表面を光
学顕微鏡により観察したところ、R及びBの着色部にお
いて傷が観察された。
【0095】(比較例7)レジストパターンを形成しな
い以外は実施例7と同様にしてカラーフィルタを作製し
た。得られたカラーフィルタについて、実施例1と同様
に表面粗さ計を用いて着色部表面からレジストパターン
表面までの段差を測定したところ、 非着色部表面からR着色部表面までの段差:0.33μ
m 非着色部表面からG着色部表面までの段差:0.27μ
m 非着色部表面からB着色部表面までの段差:0.32μ
m であった。
【0096】また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡に
より観察したところ、一部混色が観察された。さらに、
該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記検査
用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれぞれ
の着色部の色ムラを検査し、次いで着色部表面を光学顕
微鏡により観察したところ、R、G、Bのいずれの着色
部においても傷が観察された。
【0097】(比較例8)比較例6のカラーフィルタ上
に、実施例8と同様にスパッタによりITOからなる透
明導電膜を形成した。実施例1と同様に表面粗さ計を用
いて着色部上の透明導膜表面からレジストパターン上の
透明導電膜表面までの段差を測定したところ、 非着色部上の透明導電膜表面からR着色部上の透明導電
膜表面までの段差:0.27μm 非着色部上の透明導電膜表面からG着色部上の透明導電
膜表面までの段差:0.20μm 非着色部上の透明導電膜表面からB着色部上の透明導電
膜表面までの段差:0.25μm であった。
【0098】また、当該カラーフィルタを光学顕微鏡に
より観察したところ、混色は観察されなかった。さら
に、該カラーフィルタをバックライト上に設置し、前記
検査用の1/3BMマスクを密着させてR、G、Bそれ
ぞれの着色部の色ムラを検査し、次いで透明導電膜表面
を光学顕微鏡により観察したところ、R及びGの着色部
上の透明導電膜に傷が観察された。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カラーフィルタ検査時におけるカラーフィルタの損傷が
防止され、また、レジストパターンを着色工程に先だっ
て形成しておくことにより、インク受容層表面での混色
も防止されるため、簡便な工程により信頼性の高いカラ
ーフィルタを歩留まり良く製造することができる。よっ
て、該カラーフィルタを用いて、カラー表示特性に優れ
た液晶素子をより安価に提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの第一の製造方法の一
実施形態の工程図である。
【図2】本発明のカラーフィルタの第一の製造方法の一
実施形態の工程図である。
【図3】本発明の液晶素子の一実施形態の断面模式図で
ある。
【図4】本発明のカラーフィルタの第二の製造方法の一
実施形態の工程図である。
【図5】本発明のカラーフィルタの第二の製造方法の一
実施形態の工程図である。
【図6】本発明のカラーフィルタの第三の製造方法の一
実施形態の工程図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 ブラックマトリクス 3 インク受容層 4、4’ フォトマスク 5 非着色部 6 被着色部 7 インク 8 着色部 9 レジスト層 10 レジストパターン 11 保護層 21 対向基板 22 共通電極 23 画素電極 24,25 配向膜 26 液晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 隆一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 祖父江 正司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岡田 健 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FB01 2H048 BA02 BA56 BA60 BB02 BB14 BB15 BB24 BB37 BB44 2H091 FA02Y FA35Y FC01 FC12 FD04 FD05 LA12 LA15 LA16

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、複数の着色部と隣接する
    該着色部間に位置する非着色部を有する着色層と、少な
    くとも非着色部上を覆うレジストパターンと、を少なく
    とも有し、透明基板の表面から着色部の表面までの高さ
    よりも、透明基板の表面からレジストパターンの表面ま
    での高さの方が高いことを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 【請求項2】 非着色部に少なくとも重なる遮光層を有
    する請求項1記載のカラーフィルタ。
  3. 【請求項3】 遮光層の幅が非着色部の幅よりも広い請
    求項2記載のカラーフィルタ。
  4. 【請求項4】 着色層上に保護層を有する請求項1〜3
    のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のカラー
    フィルタの製造方法であって、透明基板上に少なくとも
    光照射によって、インク吸収性が低減するインク受容層
    を形成する工程と、上記インク受容層をパターン露光し
    てインク吸収性を有する被着色部と、被着色部間に位置
    し該被着色部よりもインク吸収性が低い非着色部を形成
    する工程と、上記インク受容層の被着色部にインクジェ
    ット方式によりインクを付与して着色する工程と、上記
    インク受容層を熱処理により硬化して着色した被着色部
    を着色部とし、着色部と非着色部からなる着色層を形成
    する工程と、上記着色層上にレジスト層を形成する工程
    と、上記レジスト層をパターン露光して少なくとも非着
    色部上を覆うレジストパターンを形成する工程と、を少
    なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 レジストとしてネガ型レジストを用い、
    インク受容層とレジスト層のそれぞれのパターン露光に
    おいて同じフォトマスクを用いる請求項5記載のカラー
    フィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載のカラー
    フィルタの製造方法であって、透明基板上に少なくとも
    光照射によって、インク吸収性が低減するインク受容層
    を形成する工程と、上記インク受容層をパターン露光し
    てインク吸収性を有する被着色部と、被着色部間に位置
    し該被着色部よりもインク吸収性が低い非着色部を形成
    する工程と、上記インク受容層上にレジスト層を形成す
    る工程と、上記レジスト層をパターン露光して少なくと
    も非着色部上を覆うレジストパターンを形成する工程
    と、上記インク受容層の被着色部にインクジェット方式
    によりインクを付与して着色する工程と、上記インク受
    容層を熱処理により硬化して着色した被着色部を着色部
    とし、着色部と非着色部からなる着色層を形成する工程
    と、を少なくとも有することを特徴とするカラーフィル
    タの製造方法。
  8. 【請求項8】 レジストとしてネガ型レジストを用い、
    インク受容層とレジスト層のそれぞれのパターン露光に
    おいて同じフォトマスクを用いる請求項7記載のカラー
    フィルタの製造方法。
  9. 【請求項9】 透明基板上に遮光層を形成する工程を有
    し、レジストがポジ型であり、パターン露光に際してフ
    ォトマスクとして遮光層を用いて透明基板裏面より露光
    する請求項7に記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 【請求項10】 インク受容層の感光波長が300nm
    以下であり、レジストの感光波長が300nmを超える
    請求項9記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4のいずれかに記載のカラ
    ーフィルタの製造方法であって、透明基板上に少なくと
    も光照射によって、インク吸収性が低減するインク受容
    層を形成する工程と、上記インク受容層上にネガ型レジ
    スト層を形成する工程と、インク受容層とレジスト層を
    同時にパターン露光して、インク受容層にインク吸収性
    を有する被着色部と、被着色部間に位置し該被着色部よ
    りもインク吸収性が低い非着色部を形成すると同時に、
    該非着色部上を覆うレジストパターンを形成する工程
    と、上記インク受容層の被着色部にインクジェット方式
    によりインクを付与して着色する工程と、上記インク受
    容層を熱処理により硬化して着色した被着色部を着色部
    とし、着色部と非着色部からなる着色層を形成する工程
    と、を少なくとも有することを特徴とするカラーフィル
    タの製造方法。
  12. 【請求項12】 一対の基板間に液晶を狭持してなり、
    一方の基板が請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフ
    ィルタを用いて構成されていることを特徴とする液晶素
    子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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