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JP2001038848A - 環状オレフィン系樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

環状オレフィン系樹脂組成物およびその成形体

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JP2001038848A
JP2001038848A JP2000119694A JP2000119694A JP2001038848A JP 2001038848 A JP2001038848 A JP 2001038848A JP 2000119694 A JP2000119694 A JP 2000119694A JP 2000119694 A JP2000119694 A JP 2000119694A JP 2001038848 A JP2001038848 A JP 2001038848A
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JP
Japan
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cyclic olefin
group
olefin
crystalline
resin
Prior art date
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JP2000119694A
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Toshiyuki Hirose
敏行 広瀬
Yozo Yamamoto
陽造 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温での滅菌処理、保温などで層間剥離強度
が低下しにくく、防湿性、透明性、柔軟性、手切れ性、
ヒートシール性およびデッドホールド性などに優れた環
状オレフィン系樹脂積層体、特に耐熱性の容器または包
装材の用途に適した積層体の提供。 【解決手段】 特定構造の環状オレフィン系樹脂、また
はこれとポリオレフィンとの組成物よりなる層と、ガラ
ス転移温度が0℃以下の低結晶性乃至非晶性軟質重合体
(c)および結晶性ポリオレフィン樹脂(b’)から選
ばれる少なくとも一種の樹脂99〜50重量%と、ガラ
ス転移温度が50℃以上の低結晶性乃至非晶性重合体
(d)1〜50重量%の組成物から形成される層よりな
る少なくとも2層が積層されてなる積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容器、包装材に適した
環状オレフィン系樹脂積層体に関し、さらに詳しくは、
高温で処理されるレトルトや高温滅菌の必要な用途に適
した積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】環状オレフィン系樹脂は、透明性、防湿
性に優れているが、耐油性、ヒートシールの困難さなど
が問題となる場合がある。これらの問題を解決するため
には、耐油性、ヒートシール性に優れたポリオレフィン
系樹脂層を環状オレフィン系樹脂層に積層する方法が本
出願人により開示されている。(特開平8−72210
号)。しかし、このような積層体は、初期の層間接着性
は優れているものの、煮沸滅菌、レトルト、スチーム滅
菌などで成形体が高温に曝された後では、層間が剥離し
やすくなることがあり改良が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
での滅菌処理、保温などで層間剥離強度が低下しにく
く、防湿性、透明性、柔軟性、手切れ性、ヒートシール
性およびデッドホールド性などに優れた環状オレフィン
系樹脂積層体、特に耐熱性の容器または包装材の用途に
適した積層体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に関わる環状オレ
フィン系樹脂組成物は、
【0005】(A) (a−1)下記式 (1)または (2)で表される環状オ
レフィンと炭素原子数が2〜20のα-オレフィンとの
共重合体からなるα-オレフィン・環状オレフィンラン
ダム共重合体、(a−2)下記式 (1)または (2)で
表される環状オレフィンの開環(共)重合体もしくはそ
の水素添加物、および(a−3)前記α-オレフィン・
環状オレフィンランダム共重合体(a−1)または環状
オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素添加物
(a−2)のグラフト変性物よりなる群から選ばれる少
なくとも1種の環状オレフィン系樹脂(A1)、または
該環状オレフィン系樹脂(A1)と(b)ポリオレフィ
ンとからなる樹脂組成物(A2)と、 (B):ガラス転移温度が0℃以下の低結晶性乃至非晶
性軟質重合体(c)および結晶性ポリオレフィン樹脂
(b’)から選ばれる少なくとも一種の樹脂99〜50
重量%と、結晶化度40%以下でガラス転移温度が50
℃以上の低結晶性乃至非晶性重合体(d)1〜50重量
%の組成物から形成された第2の層との少なくとも2層
が積層されてなる積層体である。
【0006】
【化3】 (式 (1)において、nは0または1であり、mは0ま
たは正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R
18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ば
れる原子または基を表し、R15〜R18は、互いに結合し
て単環または多環を形成していてもよく、かつこの単環
または多環は二重結合を有していてもよく、またR15
16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成
していてもよい。ここでqが0の場合には、それぞれの
結合手が結合して5員環を形成する。)
【0007】
【化4】 (式(2)において、mは0または正の整数であり、h
は0または正の整数であり、jおよびkは0、1または
2であり、R7〜R15およびR17〜R18は、それぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりな
る群から選ばれる原子または基を表し、R19〜R27は、
それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基
およびアルコキシ基からなる群から選ばれる原子または
基を表す。)
【0008】また、本発明においては、積層体の(B)
層を構成する、結晶化度40%以下でガラス転移温度が
50℃以上の低結晶性乃至非晶性樹脂(d)が環状オレ
フィン系樹脂(A1)であることが好ましい。
【0009】また、本発明によれば、50℃以上の温度
で処理される用途に用いられうる環状オレフィン系樹脂
積層体が提供される。さらにまた、本発明では、容器ま
たは包装材として使用されうる積層体、およびその容器
または包装材を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係わる環状オレ
フィン系樹脂積層体およびその用途について具体的に説
明する。本発明に係わる環状オレフィン系樹脂積層体
は、(A)環状オレフィン系樹脂またはそれよりなる組
成物層と(B):低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)
および結晶性ポリオレフィン樹脂(b’)から選ばれる
少なくとも一種の樹脂99〜50重量%と、結晶化度4
0%以下でガラス転移温度が50℃以上の低結晶性乃至
非晶性重合体(d)1〜50重量%の組成物から形成さ
れた第2の層との少なくとも2層が積層されいる。
【0011】(A)環状オレフィン系樹脂(A1)、お
よび環状オレフィン系樹脂(A1)とポリオレフィンよ
りなる樹脂組成物(A2) 最初に、環状オレフィン系樹脂(A1)、およびこの環
状オレフィン系樹脂とポリオレフィンとからなる樹脂組
成物(A2)について説明する。
【0012】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
(A1)としては、(a−1)炭素原子数が2〜20の
α-オレフィンと前記式(1)または(2)で表される
環状オレフィンとのランダム共重合体、(a−2)式
(1)または(2)で表される環状オレフィンの開環
(共)重合体またはその水素化物、あるいは(a−3)
上記(a−1)または(a−2)のグラフト変性物から
選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
【0013】本発明で好ましく用いられる環状オレフィ
ン系樹脂(A1)は、サーマル・メカニカル・アナライ
ザーで測定した軟化温度(TMA)が、通常は60℃以
上であり、好ましくは70〜210℃、さらに好ましく
は80〜180℃である。なお軟化温度(TMA)は、
シート上に直径1.0mmの石英製針を載せ、荷重49g
をかけ、5℃/分の速度で昇温させたときに、針がシー
トに0.635mm侵入した温度である。
【0014】本発明の環状オレフィン系樹脂(A1)の
135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、通
常は0.01〜10dl/gであり、好ましくは0.0
5〜2.0dl/g、さらに好ましくは0.4〜1.2
dl/gである。また環状オレフィン系樹脂(A1)
の、ガラス転移温度(Tg)は、通常50℃以上、好ま
しくは60〜200℃であり、X線回折法によって測定
した結晶化度は、通常0〜20%、好ましくは0〜2%
である。
【0015】ここで、前記炭素原子数が2〜20のα-
オレフィンについて説明する。α-オレフィンとして
は、直鎖状でも分岐状でもよく、エチレン、プロピレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、
1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセ
ン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素原子数が
2〜20の直鎖状α-オレフィン;3-メチル-1-ブテン、
3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル
-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-
ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキ
セン、3-エチル-1-ヘキセンなどの炭素原子数が4〜2
0の分岐状α-オレフィンなどが挙げられる。これらの
なかでは、炭素原子数が2〜8の直鎖状α-オレフィン
が好ましく、炭素原子数が2〜4の直鎖状α-オレフィ
ンがより好ましい。なかでもエチレンが特に好ましい。
【0016】次に、上記した環状オレフィンについて説
明する。本発明の環状オレフィンは、前記式(1)また
は(2)で表される化合物である。
【0017】前記式(1)において、nは0または1で
あり、mは0または正の整数である。また、R1〜R18
ならびにRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子
または基を表す。ここで、ハロゲン原子は、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
【0018】炭化水素基としては、炭素原子数1〜20
のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキ
ル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基および炭
素数6〜20の芳香族炭化水素基などを挙げることがで
きる。
【0019】より具体的には、アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基
およびオクタデシル基などを挙げることができ、ハロゲ
ン化アルキル基としては、上記のようなアルキル基を形
成している水素原子の少なくとも一部がフッ素原子、塩
素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換された基を挙
げることができ、シクロアルキル基としては、シクロヘ
キシル基などを挙げることができ、芳香族炭化水素基と
しては、フェニル基およびナフチル基などを挙げること
ができる。
【0020】さらに前記式(1)において、R15とR16
とが、R17とR18とが、R15とR17とが、R16とR18
が、R15とR18とが、あるいはR16とR17とがそれぞれ
結合して(互いに共同して)、単環または多環を形成し
ていてもよく、しかもこのようにして形成された単環ま
たは多環が二重結合を有していてもよい。ここで形成さ
れる単環または多環としては、具体的に以下のようなも
のを挙げることができる。
【0021】
【化5】
【0022】上記例示において、1または2の番号を付
した炭素原子は、式(1)においてそれぞれR
15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子
を表す。また、R15とR16とで、またはR17とR18とで
アルキリデン基を形成していてもよい。このようなアル
キリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデ
ン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例と
しては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロ
ピリデン基などを挙げることができる。
【0023】前記式(1)の中で好ましい環状オレフィ
ンとして、下記式(1−1)で表される環状オレフィン
を挙げることができる。
【化6】 上記式(1−1)において、n、m、R1〜R18は式
(1)と同じ意味を表す。
【0024】前記式(2)において、mは0または正の
整数であり、hは0または正の整数であり、jおよびk
は0、1または2である。また、R7〜R15およびR17
〜R1 8は式(1)と同じものを表す。さらに、R19〜R
27はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水
素基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる原子ま
たは基を表す。
【0025】ここでハロゲン原子は、前記式(1)にお
けるハロゲン原子と同じである。また式(2)のR19
27の炭化水素基としては、炭素原子数1〜20のアル
キル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、
炭素原子数3〜15のシクロアルキル基および炭素原子
数6〜20の芳香族炭化水素基などを挙げることができ
る。
【0026】より具体的には、アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基
およびオクタデシル基などを挙げることができ、ハロゲ
ン化アルキル基としては、上記のようなアルキル基を形
成している水素原子の少なくとも一部がフッ素原子、塩
素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換された基を挙
げることができる。
【0027】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基などを挙げることができ、芳香族炭化水素基として
は、アリール基およびアラルキル基などを挙げることが
でき、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル
基、ベンジル基およびフェニルエチル基などを挙げるこ
とができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基およびプロポキシ基などを挙げることができる。
【0028】ここで、R17およびR18が結合している炭
素原子と、R21が結合している炭素原子またはR19が結
合している炭素原子とは直接あるいは炭素原子数1〜3
のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわ
ち、上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合し
ている場合には、R17およびR21で表される基が、また
は、R18およびR19で表される基が互いに共同して、メ
チレン基(−CH2−)、エチレン基(−CH2CH
2−)またはトリメチレン基(−CH2CH2CH2−)の
内のいずれかのアルキレン基を形成している。
【0029】さらに、j=k=0のとき、R23とR20
たはR23とR27とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多
環の芳香族環の例としては、j=k=0のときR23とR
20がさらに芳香族環を形成している以下に記載する基な
どを挙げることができる。
【化7】 上記式において、hは式(2)におけるhと同じ意味を
表す。
【0030】上記のような式(1)または(2)で表さ
れる環状オレフィンとしては、具体的には、ビシクロ
[2.2.1)ヘプト-2-エン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]-3-ドデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.1
3,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン誘導体、オク
タシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17]-5-ドコセン誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.
02,7.09,14]-4-ヘキサデセン誘導体、ヘプタシクロ-5-
エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5-ヘンエイコセン誘
導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリ
シクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン誘導体、ペンタシク
ロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン誘導体、ペ
ンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ[7.
4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ペンタデセン誘導体、ヘプタ
シクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-エ
イコセン誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.1
15,18.03,8.02,10.012,21.014,19]-5-ペンタコセン誘導
体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ヘキサ
デセン誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.1
13,16.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセン誘導体、ノナシ
クロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.
015,20]-5-ヘキサコセン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,9a
-テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,
5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセン誘導体、およびシ
クロペンタジエン-アセナフチレン付加物などを挙げる
ことができる。
【0031】以下に前記のような式(1)または(2)で
表される環状オレフィンのより具体的な例を示す。
【0032】
【化8】 などのビシクロ[2.2.1]ヘプトー2―エン誘導体;
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】 などのテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
誘導体;
【0038】
【化14】 などのヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−
4−ヘプタデセン誘導体;
【0039】
【化15】 などのオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.0
3,8.012,17]−5−ドコセン誘導体;
【0040】
【化16】 などのペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘ
キサデセン誘導体;
【0041】
【化17】 などのヘプタシクロ−5−エイコセン誘導体またはヘプ
タシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体;
【0042】
【化18】 などのトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン誘導体;
【0043】
【化19】 などのトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン誘導
体;
【0044】
【化20】 などのペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペ
ンタデセン誘導体;
【0045】ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−
4−ペンタデカジエン
【化21】 などのジエン誘導体;
【0046】
【化22】 などのペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペ
ンタデセン誘導体;
【0047】
【化23】 などのヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.0
11,16]−4−エイコセン誘導体;
【0048】
【化24】 などのノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.03,8.0
2,10.012,21.014,19]−5−ペンタコセン誘導体;
【0049】
【化25】 などのペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘ
キサデセン誘導体;
【0050】
【化26】 などのヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.0
12,17]−5−ヘンエイコセン誘導体;
【0051】ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.
02,11.04,9.013,22.015,20]―6―ヘキサコセン
【化27】 などのノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.
04,9.013,22.015,20]―6―ヘキサコセン誘導体;
【0052】そしてさらには、
【化28】
【0053】
【化29】
【0054】
【化30】
【0055】
【化31】
【0056】
【化32】
【0057】上記のような式 (1)または (2)で表さ
れる環状オレフィンは、シクロペンタジエン類と対応す
る構造を有するオレフィン類とのディールス・アルダー
反応により製造することができる。これらの環状オレフ
ィンは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。
【0058】本発明で用いられる(a−1)〜(a−
3)の環状オレフィン系樹脂は、上記のような式 (1)
または (2)で表される環状オレフィンを用いて、例え
ば特開昭60−168708号公報、特開昭61−12
0816号公報、特開昭61−115912号公報、特
開昭61−115916号公報、特開昭61−2713
08号公報、特開昭61−272216号公報、特開昭
62−252406号公報、特開昭62−252407
号公報、特開昭64−106号公報、特開平1−156
308号公報および特開平1−197511号公報など
に記載された方法に従い、適宜条件を選択することによ
り製造することができる。
【0059】(a−1)α-オレフィンエチレン・環状
オレフィンランダム共重合体 本発明の(a−1)α-オレフィン・環状オレフィンラ
ンダム共重合体は、通常、α-オレフィンから誘導され
る構成単位を30〜90モル%、好ましくは40〜80
モル%の量で、環状オレフィンから誘導される構成単位
を10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%の量
で含有している。なお、α-オレフィン組成および環状
オレフィン組成は13C−NMRによって測定される。
【0060】本発明における(a−1)α-オレフィン
・環状オレフィンランダム共重合体として特に好ましく
使用されるのは、エチレンから誘導される構成単位と、
前記した環状オレフィンから誘導される構成単位とから
なるエチレン・環状オレフィンランダム共重合体であ
る。
【0061】(a−1)α-オレフィン・環状オレフィ
ンランダム共重合体においては、上記のような炭素原子
数が2〜20のα-オレフィンから誘導される構成単位
と環状オレフィンから誘導される構成単位とが、ランダ
ムに配列して結合し、実質的に線状構造を有しているこ
とが好ましい。この共重合体が実質的に線状であって、
実質的にゲル状架橋構造を有していないことは、この共
重合体が有機溶媒に溶解し、不溶分を含まないことによ
り確認することができる。たとえば後述するようにして
極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体が135
℃、デカリンに完全に溶解することにより確認すること
ができる。
【0062】本発明で用いられる(a−1)α-オレフ
ィン・環状オレフィンランダム共重合体において、前記
式 (1)または (2)で表される環状オレフィンから誘
導される構成単位の少なくとも一部は、それぞれ下記構
造式 (1−a)または (2−a)で示される構造を有し
ていると考えられる。また、式 (1−1)で表される環
状オレフィンの少なくとも一部は下記構造式 (1−1−
a)で表される構造を有していると考えられる。
【0063】
【化33】 上記式 (1−a)、 (1−1−a)において、n、m、
q、R1〜R18ならびにRa、Rbは式 (1)と同じもの
を表す。式 (2−a)において、m、h、j、k、R7
〜R15およびR17〜R27は式 (2)と同じ意味を表す。
【0064】また本発明で用いられる(a−1)α-オ
レフィン・環状オレフィンランダム共重合体は、本発明
の目的を損なわない範囲で必要に応じて他の共重合可能
なモノマーから誘導される構成単位を含有していてもよ
い。このような他のモノマーとしては、上記のような炭
素原子数が2〜20のα-オレフィンまたは環状オレフ
ィン以外のオレフィンや、ノルボルネン類、非共役ジエ
ン類などを挙げることができる。
【0065】具体的には、シクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロヘキセン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-
メチルシクロヘキセン、2-(2-メチルブチル)-1-シク
ロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ
-4,7-メタノ-1H-インデンなどのシクロオレフィン;2-
ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-
ノルボルネン、5-イソプロピル-2-ノルボルネン、5-n-ブ
チル-2-ノルボルネン、5-イソブチル-2-ノルボルネン、
5,6-ジメチル-2-ノルボルネン、5-クロロ-2-ノルボルネ
ン、5-フルオロ-2-ノルボルネンなどのノルボルネン
類;1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5
-メチル-1,4-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、ジシク
ロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビ
ニル-2-ノルボルネンなどの非共役ジエン類;等を挙げ
ることができる。
【0066】これらの他のモノマーは、単独であるいは
2種以上組み合わせて用いることができる。 (a−1)炭素原子数が2〜20のα-オレフィン・環
状オレフィンランダム共重合体において、上記のような
他のモノマーから誘導される構成単位は、通常20モル
%以下、好ましくは10モル%以下の量で含有されてい
てもよい。
【0067】本発明で用いられる(a−1)α-オレフ
ィンエチレン・環状オレフィンランダム共重合体は、炭
素原子数が2〜20のα-オレフィンと式 (1)または
(2)で表される環状オレフィンとを用いて、前記公報
に開示された製造方法により製造することができる。こ
れらのうちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で行い、
触媒としてこの炭化水素溶媒に可溶性のバナジウム化合
物および有機アルミニウム化合物から形成されるバナジ
ウム系触媒、チタン化合物および有機アルミニウム化合
物から形成されるチタン系触媒、または少なくとも2個
の共役シクロアルカジエニル基が低級アルキレン基を介
して結合した多座配位性化合物を配位子とするジルコニ
ウム錯体およびアルミノオキサンから形成されるジルコ
ニウム系触媒を用いて(a−1)α-オレフィン・環状
オレフィンランダム共重合体を製造することが好まし
い。
【0068】(a−2)環状オレフィンの開環(共)重
合体もしくはその水素添加物 本発明で用いられる(a−2)における環状オレフィン
の開環(共)重合体は、前記式 (1)または (2)で表
される環状オレフィンから誘導される構成単位からな
り、この構成単位の少なくとも一部は、下記式 (1−
b)または (2−b)で表される構造を有していると考
えられる。また、式 (1−1)で表される環状オレフィ
ンの少なくとも一部は次式 (1−1−b)で表される構
造を有していると考えられる。
【0069】
【化34】 上記式 (1−b)、 (1−1−b)において、n、m、
q、R1〜R18ならびにRa、Rbは式 (1)と同じもの
を表す。式 (2−b)において、m、h、j、k、R7
〜R15およびR17〜R27は式 (2)と同じものを表す。
【0070】上記環状オレフィン系開環(共)重合体
は、前記環状オレフィンを必須成分とするものである
が、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他
の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよ
い。任意に共重合されていてもよい不飽和単量体として
は、例えば下記式 (3)で表される環状オレフィンなど
を挙げることができる。
【0071】
【化35】 上記式 (3)中、R28およびR29は、水素原子、炭化水
素基またはハロゲン原子であって、それぞれ同一でも異
なっていてもよい。また、tは2以上の整数であって、
28およびR29が複数回繰り返される場合には、これら
はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0072】前記式 (3)で示されるモノマー成分とし
ては、例えばシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネ
ン、シクロデセン、メチルシクロペンテン、メチルシク
ロヘキセン、メチルシクロヘプテン、メチルシクロオク
テン、メチルシクロノネン、メチルシクロデセン、エチ
ルシクロペンテン、エチルシクロブテン、エチルシクロ
オクテン、ジメチルシクロペンテン、ジメチルシクロヘ
キセン、ジメチルシクロヘプテン、ジメチルシクロオク
テン、トリメチルシクロデセン、2-(2-メチルブチル)
-1-シクロヘキセンなどを挙げることができる。
【0073】前記式 (3)以外に任意に共重合されても
よい不飽和単量体としては、具体的には2,3,3a,7a-テト
ラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン、3a,5,6,7a-テトラ
ヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン等の環状オレフィンを
挙げることができる。このような任意に共重合されても
よい不飽和単量体は単独で、または組合せて使用するこ
とができ、通常、環状オレフィン系開環(共)重合体
(a−2)100モル%に対して50モル%未満の量で
用いられる。
【0074】このような開環(共)重合体は、前記公報
に開示された製造方法により製造することができる。具
体的には、前記式 (1)または (2)で表される環状オ
レフィンを開環重合触媒の存在下に、重合または共重合
させることにより製造することができる。このような開
環重合触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、イリジウムまたは白金などから選ばれ
る金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン
化合物と、還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、
パラジウム、ジルコニウムまたはモリブテンなどから選
ばれる金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合
物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いる
ことができる。
【0075】本発明で用いられる(a−2)における開
環(共)重合体の水素化物は、上記のようにして得られ
る(a−2)開環(共)重合体を、従来公知の水素添加
触媒の存在下に水素化して得られる。この開環(共)重
合体の水素化物において、式 (1)または (2)で表さ
れる環状オレフィンから誘導される構成単位のうち、少
なくとも一部は下記式 (1−c)または (2−c)で表
される構造を有していると考えられる。また、式 (1−
1)で表される環状オレフィンの少なくとも一部は、次
式 (1−1−c)で表される構造を有していると考えら
れる。
【0076】
【化36】 上記式 (1−c)、 (1−1−c)において、n、m、
q、R1〜R18ならびにRa、Rbは式 (1)と同じもの
を表す。式 (2−c)において、m、h、j、k、R7
〜R15およびR17〜R27は式 (2)と同じものを表す。
【0077】(a−3)上記(a−1)または(a−
2)のグラフト変性物 本発明で用いられる(a−3)のグラフト変性物は、上
記のような(a−1)α-オレフィン・環状オレフィン
ランダム共重合体、または(a−2)環状オレフィンの
開環(共)重合体もしくはその水素化物の一部を、変性
剤でグラフト変性して得られる。
【0078】変性剤としては、無水マレイン酸などの不
飽和カルボン酸、これらの酸無水物または不飽和カルボ
ン酸のアルキルエステル等の誘導体などを挙げることが
できる。本発明で用いられる(a−3)グラフト変性物
において、変性剤から誘導される構成単位の含有率は、
通常10モル%以下である。
【0079】このような(a−3)グラフト変性物は、
所望の変性率になるように、(a−1)α-オレフィン
・環状オレフィンランダム共重合体または(a−2)環
状オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素化物
に、変性剤を配合してグラフト重合させ製造することも
できるし、予め高変性率の変性物を調製し、次いでこの
変性物と未変性の環状オレフィン系樹脂とを混合するこ
とによっても製造できる。
【0080】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
(A1)は、上記のような(a−1)、(a−2)およ
び(a−3)からなる群から選ばれ、これらを2種以上
組み合わせたものであってもよい。本発明では、環状オ
レフィン系樹脂(A1)として、これらのうちでも(a
−1)α-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合
体が好ましく用いられる。
【0081】次に、本発明で用いられる環状オレフィン
系樹脂(A1)とポリオレフィン(b)とからなる環状
オレフィン系樹脂組成物(A2)について説明する。環
状オレフィン系樹脂組成物(A2)を構成する環状オレ
フィン系樹脂(A1)については、前述したとおりであ
る。
【0082】(b)ポリオレフィン 本発明で用いられる(b)ポリオレフィンとしては、通
常は炭素数2〜20のα-オレフィンの(共)重合体が
使用される。具体的にはこの炭素数2〜20のα-オレ
フィンの例としては、エチレン、プロピレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-
メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1
-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセ
ン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ
デセンおよび1-エイコセンなどを挙げることができる。
【0083】本発明で使用される(b)ポリオレフィン
は、上記のようなα-オレフィンの単独重合体であって
もよいし、また2種以上のα-オレフィンの共重合体で
あってもよい。さらに、この(b)ポリオレフィンに
は、このポリオレフィンの特性を損なわない範囲内で、
この上記のようなα-オレフィンに、ノルボルネン類、
非共役ジエン類などの他の単量体が共重合していてもよ
い。
【0084】こうした他の単量体の例としては、シクロ
ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4-ジメチ
ルシクロペンテン、3-メチルシクロヘキセン、2-(2-メ
チルブチル)-1-シクロヘキセン、シクロオクテンおよ
び3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンな
どのシクロオレフィン;2-ノルボルネン、5-メチル-2-
ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-イソプロピ
ル-2-ノルボルネン、5-n-ブチル-2-ノルボルネン、5-イ
ソブチル-2-ノルボルネン、5,6-ジメチル-2-ノルボルネ
ン、5-クロロ-2-ノルボルネンおよび5-フルオロ-2-ノル
ボルネンなどのノルボルネン類;1,4-ヘキサジエン、4-
メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエ
ン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチ
リデン-2-ノルボルネンおよび5-ビニル-2-ノルボルネン
などの非共役ジエン類;等を挙げることができる。これ
らの他のモノマーは、単独であるいは2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0085】特に本発明では、この(b)ポリオレフィ
ンが、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンであ
ることが好ましい。(b)ポリオレフィンがポリエチレ
ンである場合に、このポリエチレンはエチレンの単独重
合体であってもよいし、エチレンと他のα-オレフィン
との共重合体であってもよい。
【0086】上記ポリオレフィンは、結晶化度に関して
は、高度の結晶性を有するものから、低結晶性のもの、
さらには非晶質のものまで幅広く得ることができので、
使用目的に応じて必要な結晶性のものを選択することが
できる。
【0087】(b)ポリオレフィンが、例えば、ポリエ
チレンである場合、エチレンの単独重合体、またはエチ
レン含有量が60モル%以上、好ましくは70モル%以
上のエチレンと他のα-オレフィンとの共重合体であっ
て、密度が0.830g/cm3以上、好ましくは0.8
7〜0.94g/cm3、190℃のメルトフローレート
が0.01〜100g/10分、好ましくは0.03〜
50g/10分、ビカット軟化点が50〜140℃、好
ましくは80〜130℃の範囲にあるものを使用するの
が望ましい。
【0088】エチレンと共重合する他のα-オレフィン
としては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキ
セン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エ
チル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-
ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-
ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセ
ン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセ
ンなどの炭素数3〜14、好ましくは3〜10のものを
挙げることができる。
【0089】また、(b)ポリオレフィンが、例えば、
ポリプロピレンである場合に、このポリプロピレンはプ
ロピレンの単独重合体であってもよいし、プロピレンと
他のα-オレフィンとの共重合体であってもよい。
(b)ポリオレフィンがポリプロピレンである場合、プ
ロピレンの単独重合体、またはプロピレン含有量が70
モル%以上、好ましくは80モル%以上のポリプロピレ
ンと他のα-オレフィンとの共重合体であって、密度が
0.85g/cm3以上、好ましくは0.89〜0.91g/
cm3、230℃のメルトフローレートが0.01〜100
g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分、ビ
カット軟化点が100〜170℃、好ましくは110〜
160℃の範囲にあるものを使用するのが望ましい。
【0090】プロピレンと共重合する他のα-オレフィ
ンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキ
セン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エ
チル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-
ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-
ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセ
ン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセ
ンなどの炭素数2〜14(プロピレンを除く)、好まし
くは2〜10(プロピレンを除く)のものを挙げること
ができる。
【0091】また、(b)ポリオレフィンはグラフト変
性物であってもよい。ここで使用される変性剤として
は、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、これらの
酸無水物または不飽和カルボン酸のアルキルエステル等
の誘導体などを挙げることができる。(b)ポリオレフ
ィンがグラフト変性物である場合に、このポリオレフィ
ン(b)中における変性剤から誘導される構成単位の含
有率は、通常10モル%以下である。
【0092】このようなグラフト変性物は、所望の変性
率になるようにポリオレフィンに変性剤を配合してグラ
フト重合させ製造することもできるし、予め高変性率の
変性物を調製し、次いでこの変性物と未変性のポリオレ
フィンとを混合することにより製造することもできる。
【0093】樹脂組成物(A2)中に占める環状オレフ
ィン系樹脂(A1)の割合は、通常50重量%以上、好
ましくは60〜99重量%、ポリオレフィン(b)の割
合は、通常50重量%未満、好ましくは1〜40重量%
とするのが望ましい。
【0094】本発明で用いられる(A)環状オレフィン
系樹脂または環状オレフィン系樹脂組成物には、本発明
の目的を損なわない範囲で、前記(a−1)〜(a−
3)および(b)以外の他の成分として、衝撃強度を向
上させるためのゴム成分を配合したり、他の樹脂成分、
耐熱安定剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、ス
リップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、核剤、滑
剤、特定波長の光だけを吸収する染料、顔料、天然油、
合成油、ワックスまたは可透光性の充填剤などを配合す
ることができる。これらの他の成分の配合量は、環状オ
レフィン系樹脂(A1)および他の成分の合計量、また
は環状オレフィン系樹脂(A1)、ポリオレフィン
(b)および他の成分の合計量に占める割合で、通常5
0重量%未満とするのが望ましい。
【0095】例えば任意成分として配合される安定剤と
して具体的には、テトラキス[メチレン-3(3,5-ジ-t-
ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタ
ン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオン酸アルキルエステル、2,2'-オキサミドビス
[エチル-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]等のフェノール系酸化防止剤;ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12ーヒドロキシ
ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸カルシウムなどの脂
肪酸金属塩;多価アルコールの脂肪酸エステルなどを挙
げることができる。
【0096】これらは単独で配合してもよく、例えばテ
トラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]メタンとステアリン酸亜
鉛およびグリセリンモノステアレートとの組合せのよう
に組み合わせて使用することもできる。
【0097】本発明では特に、フェノール系酸化防止剤
と多価アルコールの脂肪酸エステルとを組合せて用いる
ことが好ましく、このような多価アルコールの脂肪酸エ
ステルとしては3価以上の多価アルコールのアルコール
性水酸基の一部がエステル化された多価アルコール脂肪
酸エステルを挙げることができる。
【0098】このような多価アルコールの脂肪酸エステ
ルとしては、具体的にはグリセリンモノステアレート、
グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステー
ト、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジステア
レート、グリセリンジラウレート等のグリセリン脂肪酸
エステル;ペンタエリスリトールモノステアレート(pe
ntaerythritol mono stearate)、ペンタエリスリトー
ルモノラウレート、ペンタエリスリトールジステアレー
ト、ペンタエリスリトールトリステアレート等のペンタ
エリスリトールの脂肪酸エステルなどを挙げることがで
きる。これらは単独で用いてもよく、相互間で組合せて
用いてもよい。
【0099】フェノール系酸化防止剤は、必須成分の合
計100重量%に対して10重量%未満、好ましくは5
重%部未満、さらに好ましくは2重量%未満の割合で用
いるのが望ましい。また多価アルコールの脂肪酸エステ
ルは、必須成分の合計100重量%に対して10重量%
未満、好ましくは5重量%未満の割合で用いるのが望ま
しい。
【0100】環状オレフィン系樹脂(A1)とポリオレ
フィン(b)とから樹脂組成物(A2)を製造するには
公知の混合方法が採用でき、例えば、ヘンシェルミキサ
ー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブ
レンダー等で混合する方法、混合後さらに一軸押出機、
二軸押出機、ニーダー等により溶融混練した後、造粒あ
るいは粉砕する方法などを挙げることができる。
【0101】(B)ガラス転移温度が0℃以下の低結晶
性乃至非晶性軟質重合体(c)および結晶性ポリオレフ
ィン(b′)から選ばれる少なくとも一種の樹脂と、ガ
ラス転移温度50℃以上の低結晶性乃至非晶性重合体
(d)よりなる組成物 次に本発明の積層体の第2の層の形成材料であるガラス
転移温度が0℃以下の低結晶性乃至非晶性軟質重合体
(c)および結晶性ポリオレフィン(b′)から選ばれ
る少なくとも一種の樹脂と、ガラス転移温度50℃以上
の低結晶性乃至非晶性重合体(d)よりなる組成物につ
いて説明する。
【0102】ガラス転移温度が0℃以下の低結晶性乃至
非晶性軟質重合体(c)および結晶性ポリオレフィン
(b′)から選ばれる少なくとも一種の樹脂とは、低結
晶性乃至非晶性軟質重合体(c)およびポリオレフィン
(b′)がそれぞれ単独で用いられてもよいが、低結晶
性乃至非晶性軟質重合体(c)およびポリオレフィン
(b′)の両方が用いられてもよいことを意味し、低結
晶性乃至非晶性軟質重合体(c)および/またはポリオ
レフィン(b′)が用いられることである。したがっ
て、低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)とポリオレフ
ィン(b′)が用いられる割合は、低結晶性乃至非晶性
軟質重合体(c)0〜100重量部とポリオレフィン
(b‘)が100〜0重量部である。
【0103】(c)ガラス転移温度が0℃以下の低結晶
性乃至非晶性軟質重合体 本発明で使用されるガラス転移温度が0℃以下の低結晶
性乃至非晶性軟質重合体(c)としては、JIS A硬
度が100以下の軟質熱可塑性樹脂が好ましい。具体的
な例としては、例えばオレフィン系エラストマー、スチ
レン系共重合体、その他の軟質重合体を上げることがで
きる。 本発明の低結晶性乃至非晶性軟質重合体の結晶
化度は、40%以下であることが好ましい。
【0104】オレフィン系エラストマーとしては、エチ
レン・プロピレンゴム(EPR)、エチレン・ブテンゴ
ム(EBR)等のエチレン・α−オレフィン共重合体、
あるいはプロピレン・ブテンゴム(PBR)等のプロピ
レン・α―オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン
・ジエン(EPDM)、エチレン・ブテン・ジエン(E
BDM)等のエチレン・α−オレフィン・ジエン三元共
重合体、エチレンとプロピレンとトリエンなどのポリエ
ンとの三元共重合体などを挙げることができる。スチレ
ン系共重合体としては(スチレン・エチレン・ブテン・
スチレンブロック共重合体(SEBS),スチレン・ブ
タジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチ
レン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP
S)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体(SIS)などを上げることができる。
【0105】その他の軟質重合体としては、ポリイソプ
レン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、スチレン・
ブタジエンゴムなどが挙げられる。これらの中でもオレ
フィン系エラストマーのEPR、EBR、EPDMなど
が特に好ましく用いられる。
【0106】そのほか、前記ポリオレフィン(b)で記
載した重合体で、ガラス転移温度が0℃以下の低結晶性
乃至非晶性軟質重合体であるものも、上記成分(c)と
して使用することができる。
【0107】オレフィン系エラストマーのASTM D
1238Lにより測定したメルトフローレート(MF
R)は、通常0.01〜100g/10分、好ましくは
0.05〜50g/10分の範囲にある。密度が通常は
0.850〜0.910g/cm3、好ましくは0.855
〜0.900g/cm3の範囲内にあり、エチレン含有量
が30〜95モル%、好ましくは40〜92モル%の範
囲内にあり、かつX線回折法で測定した結晶化度が通常
は40%以下、好ましくは30%以下である。
【0108】このエチレン・α-オレフィン共重合体を
構成するα-オレフィンとしては、通常は、炭素数が3
〜20のα-オレフィンが使用される。このようなα-オ
レフィンの例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキ
セン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1
-テトラデセンおよび1-オクタデセンを挙げることがで
きる。このα-オレフィンは単独であるいは組み合わせ
て共重合させることができる。
【0109】このエチレン・α-オレフィン共重合体
は、前述のように低結晶性乃至非晶性のポリオレフィン
であり、この共重合体についてASTM D 3418
により測定した融点は通常は100℃以下である。本発
明では上記のような低結晶性乃至非晶性軟質重合体に粘
着賦与剤を配合して組成物とすることもできる。
【0110】上記のような粘着付与剤としては、脂肪族
系炭化水素樹脂および/または芳香族系炭化水素樹脂を
水素添加した脂環族系炭化水素樹脂を挙げることができ
る。この中でも水素添加率が80%以上、好ましくは8
5%以上の脂環族系炭化水素樹脂を使用することが望ま
しい。また、両者の配合割合は、エチレン・α-オレフ
ィン共重合体が60〜98重量%、好ましくは、70〜
95重量%、脂肪族系炭化水素樹脂および/または脂環
族炭化水素樹脂が2〜40重量%、好ましくは、5〜3
0重量%である。このような粘着賦与剤を用いることに
より層間剥離強度を高めることができる。
【0111】さらに、この低結晶性乃至非晶性軟質重合
体は、全部または一部が不飽和カルボン酸またはその誘
導体で変性されていてもよいし、この低結晶性乃至非晶
性軟質重合体に変性ポリオレフィンを配合することもで
きる。この変性ポリオレフィンの変性前のポリオレフィ
ンとしては、前述の(b)ポリオレフィンが挙げられ
る。変性ポリオレフィンは、不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体のグラフト量が0.01〜10重量%、好まし
くは0.1〜5重量%、密度が0.905〜0.980g
/cm3、好ましくは0.920〜0.970g/cm3
範囲内にあり、X線回折法により測定した結晶化度が4
5%以上、好ましくは50〜80%の範囲内にある変性
ポリオレフィンである。
【0112】この中では、変性ポリエチレンが好まし
い。変性ポリエチレンを製造するには、メルトフローレ
ート(MFR:ASTM D 1238,E)が0.0
01〜100g/10分、密度が0.905〜0.980
g/cm3の範囲内にあり、X線回折法により測定した
結晶化度が45%以上のエチレンの単独重合体を使用す
ることもできるし、α-オレフィンと組み合わせて共重
合体として使用することも可能である。ここでエチレン
と共に共重合させることができるα-オレフィンの例と
しては、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテ
ン、1-ヘキセン、1-オクテンおよび1-デセンを挙げるこ
とができる。
【0113】上記のポリオレフィンにグラフトする不飽
和カルボン酸またはその誘導体としてはアクリル酸、マ
レイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナ
ジック酸TM(エンドシス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-
エン-2,3-ジカルボン酸)などの不飽和カルボン酸また
はその誘導体、例えば酸ハライド、アミド、イミド、酸
無水物、エステル等を挙げることができ、具体的には塩
酸マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラ
コン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、
グリシジルマレエートなどを挙げることができる。これ
らの中でも不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好
適であり、特にマレイン酸、ナジック酸TMまたはこれら
の酸無水物が好ましい。上記のようなグラフト剤を用い
たポリオレフィンの変性は、従来から採用されている方
法に準じて行うことができる。
【0114】結晶性ポリオレフィン(b’) ポリオレフィンとしては、前記ポリオレフィン(b)で
例示された重合体をあげることができるが、その中で、
結晶化度が40%を超える重合体がポリオレフィン
(b’)として使用される。
【0115】(d)ガラス転移温度50℃以上の低結晶
性乃至非晶性重合体 本発明で使用される第2の層(B)を構成するガラス転
移温度50℃以上の低結晶性乃至非晶性重合体(d)
は、例えば上記の環状オレフィン系樹脂又はその組成物
(A)、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリロニ
トリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジ
エン・スチレン共重合体、スチレン・無水マレイン酸共
重合体、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、
ポリフェニレンオキサイド、エポキシ樹脂などを例示す
ることができる。これらの樹脂は、線状高分子の状態で
あっても良いし架橋されていてもかまわない。
【0116】この低結晶性乃至非晶性重合体(d)のX
線回折法により測定した結晶化度は、通常40%以下、
好ましくは30%以下であり、ガラス転移温度は50℃
以上、好ましくは60℃以上である。
【0117】第2の層(B)を形成する低結晶性乃至非
晶性軟質重合体(c)および/またはポリオレフィン
(b′)と低結晶性乃至非晶性重合体(d)とは、あら
かじめ押出機、バンバリーミキサー、ロールなどで混練
した後、成形に供することもできるし、全成分をト゛ライフ゛
レント゛した後、そのまま成形することもできる。
【0118】第2の層(B)を形成する軟質重合体
(c)および/またはポリオレフィン(b′)と低結晶
性乃至非晶性重合体(d)の組成物は、軟質重合体
(c)0〜100重量部とポリオレフィン(b′)10
0〜0重量部の合計99〜50重量%、好ましくは、9
0〜60重量%と低結晶性乃至非晶性重合体(d)が1
〜50重量%好ましくは、10〜40重量%より形成さ
れる。
【0119】環状オレフィン系樹脂(組成物)(A)層
と軟質重合体(c)および/またはポリオレフィン
(b′)と低結晶性乃至非晶性重合体(d)よりなる
(B)層の積層の形態としては、(A)/(B)、
(B)/(A)/(B)、(A)/(B)/(A)など
任意の組み合わせを採ることができる。また、上記の積
層体にさらに、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポ
リオレフィン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、
ナイロン6、ナイロン6.6などのポリアミド、PE
T,PBTなどのポリエステル、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロファンなどの樹脂、
シリカ蒸着フィルム、アルミなどの金属蒸着フィルム、
アルミ箔等の金属箔を直接あるいは接着層を介して積層
してもよい。
【0120】このような本発明の積層体において、
(A)環状オレフィン系樹脂(組成物)層と、(B)軟
質重合体(c)および/またはポリオレフィン(b′)
と低結晶性乃至非晶性重合体(d)よりなる組成物層と
の厚さは、本発明の積層体の用途を考慮して適宜設定す
ることができるが、通常の場合、(A)層の厚さは1μ
m〜10mmの範囲内にあり、(B)層の厚さは1μm
〜10mmの範囲内にある。そして、本発明の環状オレ
フィン系樹脂積層体全体の厚さは、この積層体の用途、
積層される層の数等によって異なるが、通常は、2μm
〜20mmの範囲内にある。
【0121】上記のような環状オレフィン系樹脂(組成
物)(A)層と軟質重合体(c)および/またはポリオ
レフィン(b′)と低結晶性乃至非晶性重合体(d)よ
りなる組成物(B)層とは、例えば、多層Tダイ法、多
層インフレーション法、押出ラミネーション法等の共押
出成形法、多層(射出)ブロー法、2色成形法、サンド
イッチ成形法、スタンピング成形法、プレス法など、一
般的な多層積層体の成形法を採用して積層することがで
きる。また、テンター法、チューブラー法等の方法によ
る、一軸または二軸延伸も可能である。
【0122】本発明の積層体は、初期の接着力に優れて
いるので食品や医薬品等の各種容器包装用途に用いるこ
とができる。特に、50℃以上の温度で一時的処理され
るか、50℃以上の温度で保温または加熱される用途に
あっては、層間の剥離強度の低下が少ないため好適に用
いられる。具体的な用途としては、湯滅菌、レトルト、
ホットフィル、スチーム滅菌等に使用される食品や医薬
品の容器、包装等が挙げられる。また、本発明の積層体
は、防湿性に優れており、食品や薬品の成分を吸着しに
くく、保香性に優れ、積層体からの溶出物が少ない。ま
た、シート、フィルム状とした積層体は、手切れ性、ヒ
ートシール性およびデッドホールド性に優れ、さらに真
空または圧空成形性にも優れている。
【0123】具体的な用途としては、薬剤、食品などの
容器、包装を挙げることができる。例えば、輸液バッ
グ、試薬管などの医療容器包装、加熱滅菌の必要なレト
ルトパック、ゼリー、プリン容器およびこの容器に用い
られる蓋、ホットフィル用容器などの食品容器包装等、
高温での処理の必要な用途に適している。
【0124】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、特定の
環状オレフィン系樹脂あるいは環状オレフィン系樹脂組
成物からなる第1の層と、軟質重合体および/またはポ
リオレフィンと低結晶性乃至非晶性重合体よりなる組成
物からなる第2の層とを良好に接着して積層することが
でき、50℃以上の温度で処理しても層間の接着強度が
良好であるので、加熱滅菌やホットフィルの必要な医
療、食品容器、包装等に好適に用いることができる。
【0125】
【実施例】次に本発明の実施例について説明するが、本
発明はこれらによって限定されるものではない。
【0126】各物性の測定方法 TMA(軟化温度):シート上に直径1.0mmの石英
製針を載せ、荷重49gをかけ、5℃/分の速度で昇温
させたときに、針がシートに0.635mm侵入した温
度 Tg(ガラス転移温度):DSCを用い、10℃/分の
昇温速度で測定した。 MFR(メルトフローレート):ASTM D1238
に基づき測定した。 結晶化度:X線回折法により測定した。
【0127】実施例1〜4、比較例1〜4 以下に記載の使用原料を用いて、3種3層のTダイキャ
スト成形機で下記条件でフィルムを作製した。各層の構
成は、表1の通りである。一つの層に複数の樹脂を用い
ている例では、あらかじめ所定の樹脂をドライブレンド
しておき、成形の際、成形機で混練を行いながら成形し
た。 ・A層:30mmΦ単軸押出機 設定温度250℃、スク
リュー回転30rpm ・B層:30mmΦ二軸押出機 設定温度250℃、スク
リュー回転100rpm ・C層:30mmΦ単軸押出機 設定温度250℃、スク
リュー回転30rpm ・ダイ温度:250℃ ・冷却ロール温度:40℃
【0128】(層厚み) A層/B層/C層=30μm/30μm/30μm (測定法)上記の方法で作成したフィルムの初期の接着
強度およびフィルムを110℃で4時間、熱風循環式オ
ーブンで加熱した後の接着強度を測定した。測定は、フ
ィルムの押出方向(MD)に15mm幅で切り出し、引
張試験機を用いてA層とB層の間をTピール法にて、剥
離速度300mm/分の条件で剥離することにより行っ
た。なお、測定時の温度は、23℃、相対湿度は50%
であった。測定結果を表1に示した。
【0129】(使用原料) <A層に用いた原料>環状オレフィン系樹脂(a) ETCD:エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
-3-ドデセンのランダム共重合体(エチレン含量65モ
ル%、TMA=135℃、Tg=125℃、結晶化度=
0%、[η]=0.60dl/g、MFR=15g/1
0分(260℃、2.16Kg)ポリオレフィン(b) EB:エチレン・ブテン−1共重合体(エチレン含量9
0モル%、密度0.890g/cm3、MFR=18g
/10分(190℃、2.16Kg)、Tg=−40
℃、結晶化度20%、JIS A硬度86)
【0130】<B層に用いた原料>結晶性ポリオレフィン樹脂(b‘) PE:線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、密度0.9
20g/cm3、MFR=2.1g/10分(190
℃、2.16Kg)、結晶化度50%ガラス転移温度0℃以下の低結晶性乃至非結晶性軟質重
合体(c) EP:エチレン・プロピレン共重合体(エチレン含量8
0モル%、密度0.870g/cm3、MFR=2.9
g/10分(190℃、2.16Kg)、Tg=−40
℃、結晶化度9%、JIS A硬度60)ガラス転移温度50℃以上の低結晶性乃至非結晶性軟質
重合体(d) 上記環状オレフィン系樹脂(ETCD)を用いたその他 PR:水添石油樹脂、アルコンP−125(軟化点温度
125℃、臭素価2、荒川化学製) <C層に用いた樹脂>B層に用いたPEと同じものを使
用した。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 45/00 C08L 51/00 51/00 B65D 1/00 B Fターム(参考) 3E033 BA14 BB08 3E086 AA23 AD01 BA04 BA15 BB22 BB41 BB51 CA03 CA27 4F100 AK02A AK02B AK03A AK03B AK04A AL03A AL04A AL05A AL05B BA02 BA15 GB15 GB16 JA05B JA11B JA12B JC00 JD04 JJ03 JK06 JK13 JL12 JN01 4J002 BB00W BB00Y BB03Y BB10W BB12Y BB17Y BB19Y BK00W BN03X CE00W GG01 GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) (a−1)下記式 (1)または (2)で表される環状オ
    レフィンと炭素原子数が2〜20のα-オレフィンとの
    共重合体からなるα-オレフィン・環状オレフィンラン
    ダム共重合体、(a−2)下記式 (1)または (2)で
    表される環状オレフィンの開環(共)重合体もしくはそ
    の水素添加物、および(a−3)前記α-オレフィン・
    環状オレフィンランダム共重合体(a−1)または環状
    オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素添加物
    (a−2)のグラフト変性物よりなる群から選ばれる少
    なくとも1種の環状オレフィン系樹脂(A1)、また
    は、該環状オレフィン系樹脂(A1)と(b)ポリオレ
    フィンとからなる樹脂組成物(A2)から形成される層
    と、 (B):ガラス転移温度が0℃以下の低結晶性乃至非晶
    性軟質重合体(c)および結晶性ポリオレフィン樹脂
    (b’)から選ばれる少なくとも一種の樹脂99〜50
    重量%と、結晶化度40%以下でガラス転移温度が50
    ℃以上の低結晶性乃至非晶性重合体(d)1〜50重量
    %の組成物から形成された第2の層との少なくとも2層
    が積層されてなる積層体。 【化1】 (式 (1)において、nは0または1であり、mは0ま
    たは正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R
    18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原
    子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ば
    れる原子または基を表し、R15〜R18は、互いに結合し
    て単環または多環を形成していてもよく、かつこの単環
    または多環は二重結合を有していてもよく、またR15
    16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成
    していてもよい。ここでqが0の場合には、それぞれの
    結合手が結合して5員環を形成する。) 【化2】 (式 (2)において、mは0または正の整数であり、h
    は0または正の整数であり、jおよびkは0、1または
    2であり、R7〜R15およびR17〜R18は、それぞれ独
    立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりな
    る群から選ばれる原子または基を表し、R19〜R27は、
    それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基
    およびアルコキシ基からなる群から選ばれる原子または
    基を表す。)
  2. 【請求項2】前記(a−1)における炭素原子数が2〜
    20のα-オレフィンがエチレンである請求項1に記載
    の積層体。
  3. 【請求項3】前記低結晶性乃至非晶性重合体(d)が、
    前記環状オレフィン系樹脂(A1)であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】50℃以上の温度で処理される用途に用い
    られうる請求項1から3のいずれかに記載の積層体。
  5. 【請求項5】その用途が、容器または包装材として使用
    しうる請求項4に記載の積層体。
  6. 【請求項6】前記請求項1から5のいずれかに記載され
    た積層体よりなる容器または包装材。
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