JP2001010552A - 履帯のリンク及びピンの固定構造 - Google Patents
履帯のリンク及びピンの固定構造Info
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B62—LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
- B62D—MOTOR VEHICLES; TRAILERS
- B62D55/00—Endless track vehicles
- B62D55/08—Endless track units; Parts thereof
- B62D55/18—Tracks
- B62D55/20—Tracks of articulated type, e.g. chains
- B62D55/205—Connections between track links
- B62D55/21—Links connected by transverse pivot pins
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16B—DEVICES FOR FASTENING OR SECURING CONSTRUCTIONAL ELEMENTS OR MACHINE PARTS TOGETHER, e.g. NAILS, BOLTS, CIRCLIPS, CLAMPS, CLIPS OR WEDGES; JOINTS OR JOINTING
- F16B2200/00—Constructional details of connections not covered for in other groups of this subclass
- F16B2200/69—Redundant disconnection blocking means
Landscapes
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- Combustion & Propulsion (AREA)
- Transportation (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Snaps, Bayonet Connections, Set Pins, And Snap Rings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】リンク及びピンを確実に且つ強固に結合できる
と共に前記ピンの軸方向に対する保持力を充分に確保で
き、リンク及びピンの組み立てを安価に且つ容易にに行
うことが可能な履帯のリンク及びピンの固定構造を提供
する。 【解決手段】リンク(3,4) のピン圧入孔(12)とピン(8)
の露呈端部(80)との間に、断面の径がDである弾性リン
グ(17)を嵌着させる環状の開口入口を有する嵌着空間(1
6)を設けている。同嵌着空間(16)のリンク内壁面及びピ
ン外周面は、それぞれがピン(8) の軸線と角度α, β(
α>β)をもって奥側に窄まるようなテーパ面(12c,8b)
に形成されている。前記弾性リング(17)は、その断面中
心(O) を通る垂線(P) と前記角度α,βをもって前記嵌
着空間(16)の各テーパ面(8b,12c)に接触し、その各テー
パ面(8b,12c)上の接触点(A,B) と前記弾性リング断面中
心(O) を通る水平線(H) との間の各寸法d1,d2、前
記弾性リング断面の径D、及び前記角度α,βは、α>
β,D>d1+d2(ただし、d1=D/2・ cosα、
d2=D/2・ cosβ)の関係を有している。
と共に前記ピンの軸方向に対する保持力を充分に確保で
き、リンク及びピンの組み立てを安価に且つ容易にに行
うことが可能な履帯のリンク及びピンの固定構造を提供
する。 【解決手段】リンク(3,4) のピン圧入孔(12)とピン(8)
の露呈端部(80)との間に、断面の径がDである弾性リン
グ(17)を嵌着させる環状の開口入口を有する嵌着空間(1
6)を設けている。同嵌着空間(16)のリンク内壁面及びピ
ン外周面は、それぞれがピン(8) の軸線と角度α, β(
α>β)をもって奥側に窄まるようなテーパ面(12c,8b)
に形成されている。前記弾性リング(17)は、その断面中
心(O) を通る垂線(P) と前記角度α,βをもって前記嵌
着空間(16)の各テーパ面(8b,12c)に接触し、その各テー
パ面(8b,12c)上の接触点(A,B) と前記弾性リング断面中
心(O) を通る水平線(H) との間の各寸法d1,d2、前
記弾性リング断面の径D、及び前記角度α,βは、α>
β,D>d1+d2(ただし、d1=D/2・ cosα、
d2=D/2・ cosβ)の関係を有している。
Description
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は履帯型車両に使われる走
行用履帯のリンク及びピンの固定構造に関し、より具体
的には、リンク及びピンを簡易に且つ強固に固定でき、
リンク及びピンの組み立てを安価に且つ確実に行うこと
が可能な履帯のリンク及びピンの固定構造に関する。
行用履帯のリンク及びピンの固定構造に関し、より具体
的には、リンク及びピンを簡易に且つ強固に固定でき、
リンク及びピンの組み立てを安価に且つ確実に行うこと
が可能な履帯のリンク及びピンの固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ブルドーザや油圧ショベル等の建設機械
等の履帯型車両における走行用履帯には、地面接地用の
複数の履板が無端状のリンクチェーンに取付ボルトによ
り取り付けられている。このリンクチェーンは、例えば
両端が外部に露呈した状態で筒状のブッシュに圧入され
たリンク連結用のピンを左右側リンクの各端部に順次圧
入することにより組み立てられ、各リンクの端部を互い
に離間させた状態で前記ピンにより関節的に結合され
る。各リンクの端部には、ピンとブッシュとの間の内部
摩耗を防止するための潤滑油密閉シール部材及びその潰
れ防止用スペーサが配されており、前記ピンの内部に溜
められた潤滑油が、同ピンと前記ブッシュとの間に供給
されるようになっている。
等の履帯型車両における走行用履帯には、地面接地用の
複数の履板が無端状のリンクチェーンに取付ボルトによ
り取り付けられている。このリンクチェーンは、例えば
両端が外部に露呈した状態で筒状のブッシュに圧入され
たリンク連結用のピンを左右側リンクの各端部に順次圧
入することにより組み立てられ、各リンクの端部を互い
に離間させた状態で前記ピンにより関節的に結合され
る。各リンクの端部には、ピンとブッシュとの間の内部
摩耗を防止するための潤滑油密閉シール部材及びその潰
れ防止用スペーサが配されており、前記ピンの内部に溜
められた潤滑油が、同ピンと前記ブッシュとの間に供給
されるようになっている。
【0003】一般に、前記リンクチェーンは土砂や砕石
等の硬軟質地盤や、その急勾配の硬軟質地盤等を走行す
るために用いられている。このため、前記リンクチェー
ンは外部の障害物や岩石等と干渉し、車体の下側ローラ
のツバ部等により各リンクに軸方向の外力を受けやす
く、また車体のローラガード等により前記ピンの端面に
軸方向の外力等をも受けやすく、ガタツキが発生しやす
い。このピンの保持力が小さい場合には、ピンずれやピ
ン抜け等が生じるため、各リンクの端部に配された前記
潤滑油密閉シール部材及び同シール部材の潰れ防止用ス
ペーサに変形、位置ずれや破損等が生じる。
等の硬軟質地盤や、その急勾配の硬軟質地盤等を走行す
るために用いられている。このため、前記リンクチェー
ンは外部の障害物や岩石等と干渉し、車体の下側ローラ
のツバ部等により各リンクに軸方向の外力を受けやす
く、また車体のローラガード等により前記ピンの端面に
軸方向の外力等をも受けやすく、ガタツキが発生しやす
い。このピンの保持力が小さい場合には、ピンずれやピ
ン抜け等が生じるため、各リンクの端部に配された前記
潤滑油密閉シール部材及び同シール部材の潰れ防止用ス
ペーサに変形、位置ずれや破損等が生じる。
【0004】前記シール部材及び同部材の潰れ防止用ス
ペーサに破損等を生じると、前記潤滑油の消耗速度が速
まり、ピンとブッシュとの間に内部摩耗を生じてピン及
びブッシュの破壊等が急速に起こり、リンクチェーンと
しての機能が短期間に失われてしまう。このため、各リ
ンクやピンが外力により軸方向に移動しないように各リ
ンクとピンとを強固に圧入固定すると共に、このピンに
対する各リンクの圧入固定に加えて各リンクとピンとの
機械的な抜け止め機構を採用している。
ペーサに破損等を生じると、前記潤滑油の消耗速度が速
まり、ピンとブッシュとの間に内部摩耗を生じてピン及
びブッシュの破壊等が急速に起こり、リンクチェーンと
しての機能が短期間に失われてしまう。このため、各リ
ンクやピンが外力により軸方向に移動しないように各リ
ンクとピンとを強固に圧入固定すると共に、このピンに
対する各リンクの圧入固定に加えて各リンクとピンとの
機械的な抜け止め機構を採用している。
【0005】この抜け止め機構としては、例えば特公平
5−79548号公報に開示されているごときリンクと
ピンとの固定構造が提案されている。この従来の固定構
造によれば、リンクは、ピンを圧入させるピン圧入孔の
外端面に軸線方向外側に向かう拡径傾斜面をもつ環状の
ソケットが設けられており、前記ピンの露呈端部は、そ
の端面からリンクの軸線方向内側に滑らかに陥没した環
状の溝を有している。従って、ピンを各リンクのピン圧
入孔に圧入した状態で、ピンの前記溝とリンクの前記ソ
ケットとの間には、外側方向に傾斜した開口を有する環
状の空洞部が構成される。
5−79548号公報に開示されているごときリンクと
ピンとの固定構造が提案されている。この従来の固定構
造によれば、リンクは、ピンを圧入させるピン圧入孔の
外端面に軸線方向外側に向かう拡径傾斜面をもつ環状の
ソケットが設けられており、前記ピンの露呈端部は、そ
の端面からリンクの軸線方向内側に滑らかに陥没した環
状の溝を有している。従って、ピンを各リンクのピン圧
入孔に圧入した状態で、ピンの前記溝とリンクの前記ソ
ケットとの間には、外側方向に傾斜した開口を有する環
状の空洞部が構成される。
【0006】そして、リンクの前記ピン圧入孔とピンの
前記露呈端部との間における前記空洞部の開口を介して
同空洞部内に金属材料からなるピン抜止用の環状の押し
込みリテイナを押し込み、同押し込みリテイナを前記空
洞部内に沿って塑性変形させ、同リテイナを塑性変形さ
せることにより前記空洞部中に充填する。この抜け止め
機構を採用することにより、ピンの軸方向の移動を抑制
することができるという利点がある。
前記露呈端部との間における前記空洞部の開口を介して
同空洞部内に金属材料からなるピン抜止用の環状の押し
込みリテイナを押し込み、同押し込みリテイナを前記空
洞部内に沿って塑性変形させ、同リテイナを塑性変形さ
せることにより前記空洞部中に充填する。この抜け止め
機構を採用することにより、ピンの軸方向の移動を抑制
することができるという利点がある。
【0007】一方、前記リンクとピンとにより構成され
るジョイント部を修理する際には、前記ピンを各リンク
の端部から押し出して前記押し込みリテイナを剪断し、
剪断された押し込みリテイナを前記空洞部内から取り出
す。次に、前記ピンの端部を各リンクのピン圧入孔に圧
入し、前記空洞部の開口に新たな押し込みリテイナを嵌
入して、上述したように前記空洞部中に新たに前記押し
込みリテイナを充填するようにしている。
るジョイント部を修理する際には、前記ピンを各リンク
の端部から押し出して前記押し込みリテイナを剪断し、
剪断された押し込みリテイナを前記空洞部内から取り出
す。次に、前記ピンの端部を各リンクのピン圧入孔に圧
入し、前記空洞部の開口に新たな押し込みリテイナを嵌
入して、上述したように前記空洞部中に新たに前記押し
込みリテイナを充填するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公平5−79548号公報の開示によれば、環状の前記
空洞部中に環状の前記押し込みリテイナを永久変形させ
て充填させる構成になっているため、同押し込みリテイ
ナを前記ピンの溝の表面と前記リンクのソケットの内面
との間に確実に充填させる必要がある。つまり、充填さ
れた環状の押し込みリテイナがピンの前記溝表面及びリ
ンクの前記ソケット内面の間に局部的に密着しない部分
を生じた場合には剥がれが生じやすくなり、前記ピンの
軸方向に対する保持力は小さくガタが生じやすく、耐久
性を期待することができない。
公平5−79548号公報の開示によれば、環状の前記
空洞部中に環状の前記押し込みリテイナを永久変形させ
て充填させる構成になっているため、同押し込みリテイ
ナを前記ピンの溝の表面と前記リンクのソケットの内面
との間に確実に充填させる必要がある。つまり、充填さ
れた環状の押し込みリテイナがピンの前記溝表面及びリ
ンクの前記ソケット内面の間に局部的に密着しない部分
を生じた場合には剥がれが生じやすくなり、前記ピンの
軸方向に対する保持力は小さくガタが生じやすく、耐久
性を期待することができない。
【0009】このため、複雑な機械加工及び製品に高い
寸法精度等が必要であり、リンクの前記ソケットとピン
の前記溝との位置合わせを正確に行う必要があり、設備
費や製造コスト等が増加することに加えて、厳格な品質
管理をも行わなければならない。しかしながら、前記空
洞部中に変形充填された押し込みリテイナの塊を内部形
態まで目視することは不可能であり、リンク及びピンの
組み立て作業のみならず組み立て作業後の検査において
さえも、目視によっては前記空洞部中に塊が確実に密着
しているか否かを確定することはできないという問題点
があり、各製品ごとにバラツキが生じやすく不良品の発
生も少なくない等の諸々の課題が生じる。
寸法精度等が必要であり、リンクの前記ソケットとピン
の前記溝との位置合わせを正確に行う必要があり、設備
費や製造コスト等が増加することに加えて、厳格な品質
管理をも行わなければならない。しかしながら、前記空
洞部中に変形充填された押し込みリテイナの塊を内部形
態まで目視することは不可能であり、リンク及びピンの
組み立て作業のみならず組み立て作業後の検査において
さえも、目視によっては前記空洞部中に塊が確実に密着
しているか否かを確定することはできないという問題点
があり、各製品ごとにバラツキが生じやすく不良品の発
生も少なくない等の諸々の課題が生じる。
【0010】本発明は、かかる従来の課題を解消すべく
なされたものであり、その具体的な目的はリンク及びピ
ンを確実に且つ強固に結合できると共に前記ピンの軸方
向に対する保持力を充分に確保でき、リンク及びピンの
組み立てを安価に且つ容易に行うことが可能な履帯のリ
ンク及びピンの固定構造を提供することにある。
なされたものであり、その具体的な目的はリンク及びピ
ンを確実に且つ強固に結合できると共に前記ピンの軸方
向に対する保持力を充分に確保でき、リンク及びピンの
組み立てを安価に且つ容易に行うことが可能な履帯のリ
ンク及びピンの固定構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用効果】前記目的は
本件請求項1〜4に記載された各発明により効果的に達
成される。本件請求項1に係る発明は、車両の走行用履
帯のリンク及びピンの固定構造であって、リンクのピン
圧入孔の開口端部と同開口端部内に露呈するピンの圧入
端部との間に、断面の径がDである弾性リングを嵌入さ
せる環状の開口を有する嵌着空間が形成され、同嵌着空
間のリンク内壁面は、ピンの軸線と所定の角度αをもっ
て交差するように奥に向かって漸次縮径する内径テーパ
面を有し、前記嵌着空間に露呈するピンの露呈端部の外
周面は、ピンの軸線と所定の角度βをもって交差するよ
うに奥に向かって漸次縮径する外径テーパ面を有してな
り、前記嵌着空間は前記外径テーパ面及び内径テーパ面
に接続する各環状面を経てリンクの前記ピン圧入孔の内
径面と交差しており、前記弾性リングは、前記嵌着空間
の内径テーパ面及び外径テーパ面の各接触点と、前記弾
性リングの断面中心を通る水平線との間の各寸法がd
1,d2であるとき、前記寸法d1,d2、前記弾性リ
ング断面の径D、前記角度α,βが、α>β、D>d1
+d2(ただし、d1=D/2・ cosα、d2=D/2
・ cosβ)の関係を有することを特徴としている。
本件請求項1〜4に記載された各発明により効果的に達
成される。本件請求項1に係る発明は、車両の走行用履
帯のリンク及びピンの固定構造であって、リンクのピン
圧入孔の開口端部と同開口端部内に露呈するピンの圧入
端部との間に、断面の径がDである弾性リングを嵌入さ
せる環状の開口を有する嵌着空間が形成され、同嵌着空
間のリンク内壁面は、ピンの軸線と所定の角度αをもっ
て交差するように奥に向かって漸次縮径する内径テーパ
面を有し、前記嵌着空間に露呈するピンの露呈端部の外
周面は、ピンの軸線と所定の角度βをもって交差するよ
うに奥に向かって漸次縮径する外径テーパ面を有してな
り、前記嵌着空間は前記外径テーパ面及び内径テーパ面
に接続する各環状面を経てリンクの前記ピン圧入孔の内
径面と交差しており、前記弾性リングは、前記嵌着空間
の内径テーパ面及び外径テーパ面の各接触点と、前記弾
性リングの断面中心を通る水平線との間の各寸法がd
1,d2であるとき、前記寸法d1,d2、前記弾性リ
ング断面の径D、前記角度α,βが、α>β、D>d1
+d2(ただし、d1=D/2・ cosα、d2=D/2
・ cosβ)の関係を有することを特徴としている。
【0012】すなわち、本発明にあっては、前記リンク
のピン圧入孔の開口端部の内面とピンの前記露呈端部と
の間には環状の嵌着空間が形成され、同嵌着空間には断
面の径がDである弾性リングが嵌着可能となっている。
この嵌着空間のリンク内壁面は、リンクの前記ピン圧入
孔の中心と所定角度αをもって交差するように前記嵌着
空間の奥に向けて漸次縮径する内径テーパ面を有してい
る。
のピン圧入孔の開口端部の内面とピンの前記露呈端部と
の間には環状の嵌着空間が形成され、同嵌着空間には断
面の径がDである弾性リングが嵌着可能となっている。
この嵌着空間のリンク内壁面は、リンクの前記ピン圧入
孔の中心と所定角度αをもって交差するように前記嵌着
空間の奥に向けて漸次縮径する内径テーパ面を有してい
る。
【0013】一方、前記嵌着空間に露呈するピンの外周
面は、その中心軸と所定角度βをもって交差するような
前記嵌着空間の開口側に漸次拡径する外径テーパ面とさ
れており、前記嵌着空間の奥の部分で前記外径テーパ面
及び内径テーパ面は、それに続く各環状面を経て交差し
ている。かかる嵌着空間は、その開口入口寸法が前記弾
性リング断面の径Dよりも大きい寸法に設定され、その
開口入口端から奥に向かって漸次窄まり状に構成され
る。
面は、その中心軸と所定角度βをもって交差するような
前記嵌着空間の開口側に漸次拡径する外径テーパ面とさ
れており、前記嵌着空間の奥の部分で前記外径テーパ面
及び内径テーパ面は、それに続く各環状面を経て交差し
ている。かかる嵌着空間は、その開口入口寸法が前記弾
性リング断面の径Dよりも大きい寸法に設定され、その
開口入口端から奥に向かって漸次窄まり状に構成され
る。
【0014】このため、かかる弾性リングは、定常状態
よりも拡径させた状態で前記嵌着空間の開口入口を介し
てピン端部に嵌着され、次いでピンの前記外径テーパ面
を弾性的に挟持した状態で同外径テーパ面に沿ってリン
グの締まり力を徐々に減衰させながら押し込まれる。
よりも拡径させた状態で前記嵌着空間の開口入口を介し
てピン端部に嵌着され、次いでピンの前記外径テーパ面
を弾性的に挟持した状態で同外径テーパ面に沿ってリン
グの締まり力を徐々に減衰させながら押し込まれる。
【0015】そして、前記嵌着空間内に対する弾性リン
グの嵌着時における各テーパ面との接触位置と前記弾性
リング断面の中心とを結ぶ線分(弾性リング断面の半
径、D/2) と、前記弾性リング断面の中心を通る垂線
とが作る各角度は、リンクの前記内径テーパ面がなす角
度α及びピンの前記外径テーパ面がなす角度βと同じ角
度α及びβである。
グの嵌着時における各テーパ面との接触位置と前記弾性
リング断面の中心とを結ぶ線分(弾性リング断面の半
径、D/2) と、前記弾性リング断面の中心を通る垂線
とが作る各角度は、リンクの前記内径テーパ面がなす角
度α及びピンの前記外径テーパ面がなす角度βと同じ角
度α及びβである。
【0016】本発明では、かかるリンクとピンとの弾性
リングによる好適な固定構造を設定するために、前記弾
性リングの嵌着時におけるリンクの前記内径テーパ面と
の接点は、前記弾性リング断面の第4象限内にある四分
円内にあり、ピンの前記外径テーパ面との接点は、前記
弾性リング断面の第2象限内にある四分円内にある。
リングによる好適な固定構造を設定するために、前記弾
性リングの嵌着時におけるリンクの前記内径テーパ面と
の接点は、前記弾性リング断面の第4象限内にある四分
円内にあり、ピンの前記外径テーパ面との接点は、前記
弾性リング断面の第2象限内にある四分円内にある。
【0017】そして、前記弾性リングの嵌着時における
リンクの前記内径テーパ面との接点と前記弾性リング断
面の中心とを通る線分(半径(D/2))と、同中心を通る
垂線とが作る角度αは、前記弾性リングの嵌着時におけ
るピンの前記外径テーパ面との接点と前記弾性リング断
面の中心とを通る線分(半径(D/2))と、同中心を通る垂
線とが作る角度βよりも大きくしている。更に、本発明
にあっては、前記弾性リング断面の径Dは、同弾性リン
グの各テーパ面上との各接点から前記弾性リング断面の
中心を通る水平線までの各寸法d1及びd2の和よりも
大きい寸法に設定している。
リンクの前記内径テーパ面との接点と前記弾性リング断
面の中心とを通る線分(半径(D/2))と、同中心を通る
垂線とが作る角度αは、前記弾性リングの嵌着時におけ
るピンの前記外径テーパ面との接点と前記弾性リング断
面の中心とを通る線分(半径(D/2))と、同中心を通る垂
線とが作る角度βよりも大きくしている。更に、本発明
にあっては、前記弾性リング断面の径Dは、同弾性リン
グの各テーパ面上との各接点から前記弾性リング断面の
中心を通る水平線までの各寸法d1及びd2の和よりも
大きい寸法に設定している。
【0018】本発明によれば、上記構成を採用すること
により、ピンの前記外径テーパ面に沿って前記弾性リン
グの締まり力を徐々に減衰させながら嵌入させ、前記嵌
着空間中の所定箇所で内外の各テーパ面間に前記弾性リ
ングを接触させるようにしているため、前記弾性リング
を各テーパ面間に比較的小さな押圧力により容易に自在
に嵌入させることができる。
により、ピンの前記外径テーパ面に沿って前記弾性リン
グの締まり力を徐々に減衰させながら嵌入させ、前記嵌
着空間中の所定箇所で内外の各テーパ面間に前記弾性リ
ングを接触させるようにしているため、前記弾性リング
を各テーパ面間に比較的小さな押圧力により容易に自在
に嵌入させることができる。
【0019】前記弾性リングが各テーパ面間に押し込ま
れると、各テーパ面は前記弾性リング自体の締まり力に
基づき同弾性リングには嵌着空間の奥に向かう力が与え
られるため、たとえ同弾性リングの嵌着空間内への嵌入
姿勢にばらつきがあったとしても、前記嵌着空間内にお
いて前記弾性リングの姿勢を矯正すると共に、同弾性リ
ングを強固に嵌着固定させることができる。
れると、各テーパ面は前記弾性リング自体の締まり力に
基づき同弾性リングには嵌着空間の奥に向かう力が与え
られるため、たとえ同弾性リングの嵌着空間内への嵌入
姿勢にばらつきがあったとしても、前記嵌着空間内にお
いて前記弾性リングの姿勢を矯正すると共に、同弾性リ
ングを強固に嵌着固定させることができる。
【0020】また、リンク又はピンが軸方向の外力を受
けると、各テーパ面の弾性リングとの接触部にテーパ面
に沿った反対方向の力が作用すると同時に、前記弾性リ
ングの締まり力がピンの外径テーパ面にも作用する。こ
のときの締まり力の方向は外径テーパ面に対して垂直の
方向である。従って、外径テーパ面に沿って嵌着空間の
奥に向かう力は、外力の外径テーパ面に沿った分力と前
記弾性リングの締まり力の外径テーパ面に沿った分力の
和になる。
けると、各テーパ面の弾性リングとの接触部にテーパ面
に沿った反対方向の力が作用すると同時に、前記弾性リ
ングの締まり力がピンの外径テーパ面にも作用する。こ
のときの締まり力の方向は外径テーパ面に対して垂直の
方向である。従って、外径テーパ面に沿って嵌着空間の
奥に向かう力は、外力の外径テーパ面に沿った分力と前
記弾性リングの締まり力の外径テーパ面に沿った分力の
和になる。
【0021】一方、上述のごとく弾性リングは、その断
面中心を通る垂線と前記角度α>βの関係をもって嵌着
空間の各テーパ面にそれぞれ接触しているため、前記外
力に基づくリンクの内径テーパ面に沿って嵌着空間の入
口に向かう分力は、前記外径テーパ面に沿って作用する
分力の和よりも小さくなる。
面中心を通る垂線と前記角度α>βの関係をもって嵌着
空間の各テーパ面にそれぞれ接触しているため、前記外
力に基づくリンクの内径テーパ面に沿って嵌着空間の入
口に向かう分力は、前記外径テーパ面に沿って作用する
分力の和よりも小さくなる。
【0022】その結果、リンク又はピンに軸方向の外力
が加わったとしても、常に前記弾性リングは前記嵌着空
間の奥に向かって押し込まれるように力が作用し、前記
嵌着空間から抜け出ることがない。また、たとえ軸方向
の外力が増大したとしても、ピンの前記外径テーパ面に
沿って生じる分力が増加するため、弾性リングには大き
な嵌着空間の奥方向に向かって押し込まれるような力が
作用し、弾性リングは自ずと嵌着空間内に向かい、同嵌
着空間内に更に強力に保持される。
が加わったとしても、常に前記弾性リングは前記嵌着空
間の奥に向かって押し込まれるように力が作用し、前記
嵌着空間から抜け出ることがない。また、たとえ軸方向
の外力が増大したとしても、ピンの前記外径テーパ面に
沿って生じる分力が増加するため、弾性リングには大き
な嵌着空間の奥方向に向かって押し込まれるような力が
作用し、弾性リングは自ずと嵌着空間内に向かい、同嵌
着空間内に更に強力に保持される。
【0023】つまり、本発明によればリンク又はピンに
軸方向の外力が作用したとき、弾性リングを嵌着空間の
奥に押し込もうとする力が、常に外に押し出そうとする
力に打ち勝つため、弾性リングは自ずとその嵌着力を強
化することになり、リンク又はピンの軸方向の移動を確
実に阻止することができ、ガタツキも生じない。従っ
て、各リンク又はピンは軸方向の衝撃等を受けることが
あっても、各リンクのジョイント部に配された潤滑油密
閉シール部材及び同潰れ防止用スペーサの変形や破損等
が防止でき、リンクチェーンとしての耐久性が充分に確
保される。
軸方向の外力が作用したとき、弾性リングを嵌着空間の
奥に押し込もうとする力が、常に外に押し出そうとする
力に打ち勝つため、弾性リングは自ずとその嵌着力を強
化することになり、リンク又はピンの軸方向の移動を確
実に阻止することができ、ガタツキも生じない。従っ
て、各リンク又はピンは軸方向の衝撃等を受けることが
あっても、各リンクのジョイント部に配された潤滑油密
閉シール部材及び同潰れ防止用スペーサの変形や破損等
が防止でき、リンクチェーンとしての耐久性が充分に確
保される。
【0024】請求項2〜4に係る発明は、前記弾性リン
グを前記嵌着空間内に嵌入するだけで上記請求項1に係
る発明が発揮すると同等の作用効果を奏するための典型
的な構造を規定している。すなわち、請求項2に係る発
明では、本件請求項1の構成に加えて、前記嵌着空間に
対する弾性リングの嵌着時における前記外径テーパ面と
の接触位置は、軸方向に延びる前記外径テーパ面の領域
内であることを規定している。
グを前記嵌着空間内に嵌入するだけで上記請求項1に係
る発明が発揮すると同等の作用効果を奏するための典型
的な構造を規定している。すなわち、請求項2に係る発
明では、本件請求項1の構成に加えて、前記嵌着空間に
対する弾性リングの嵌着時における前記外径テーパ面と
の接触位置は、軸方向に延びる前記外径テーパ面の領域
内であることを規定している。
【0025】かかる構成によれば、ピンの前記外径テー
パ面の領域内において、前記弾性リングを前記嵌着空間
内に嵌入するだけで、前記嵌着空間中に前記弾性リング
が適切な締まり力をもって接触し、本件請求項1の作用
効果に加えて前記嵌着空間内の各テーパ面間に前記弾性
リングを容易に且つ強固に固定させることが可能とな
る。
パ面の領域内において、前記弾性リングを前記嵌着空間
内に嵌入するだけで、前記嵌着空間中に前記弾性リング
が適切な締まり力をもって接触し、本件請求項1の作用
効果に加えて前記嵌着空間内の各テーパ面間に前記弾性
リングを容易に且つ強固に固定させることが可能とな
る。
【0026】また請求項3に係る発明にあっては、本件
請求項1の構成に加えて前記弾性リングは、その一部が
欠除した環状の弾性金属材料からなり、その内径がピン
の前記圧入端部の細径部分の径よりも小さいC型リング
であることを規定している。かかる弾性リングの内径
は、前記嵌着空間中におけるピンの前記外径テーパ面の
外径より小さい寸法に設定しているため、弾性リングを
嵌着空間中に嵌入すると前記弾性リングの締まり力によ
り、弾性リングは嵌着空間の奥方向に向かう力が作用
し、弾性リングを単に嵌着空間中に嵌入するだけで、容
易にリンクの内径テーパ面とピンの外径テーパ面に接触
する適正位置にセットできる。
請求項1の構成に加えて前記弾性リングは、その一部が
欠除した環状の弾性金属材料からなり、その内径がピン
の前記圧入端部の細径部分の径よりも小さいC型リング
であることを規定している。かかる弾性リングの内径
は、前記嵌着空間中におけるピンの前記外径テーパ面の
外径より小さい寸法に設定しているため、弾性リングを
嵌着空間中に嵌入すると前記弾性リングの締まり力によ
り、弾性リングは嵌着空間の奥方向に向かう力が作用
し、弾性リングを単に嵌着空間中に嵌入するだけで、容
易にリンクの内径テーパ面とピンの外径テーパ面に接触
する適正位置にセットできる。
【0027】また、請求項4に係る発明にあっては、本
件請求項1の構成に加えて前記外径テーパ面及び内径テ
ーパ面に接続する各環状面の少なくとも外径テーパ面に
接続する外環状面の一部が軸方向に陥没状に湾曲してな
ることを規定している。前記外径テーパ面と前記外環状
面との切り換え部を所要の角度をもって直線的に切り換
えると、弾性リングによりピンとリンクとを固定したの
ちに、外部の衝撃的な力が作用したとき前記切り換え部
にクラック等が発生しやすい。これに対して、本発明に
よれば前記切り換え部を陥没状に湾曲面としているため
クラック等の発生が回避されるばかりでなく、弾性リン
グを嵌着空間中に嵌入すると、同弾性リングは陥没状に
湾曲した前記外環状面の一部で面接触するため、同弾性
リングの嵌入位置が固定され、上記請求項1に係る発明
の機能に加えてピンとリンクとの安定した固定機能が発
揮される。
件請求項1の構成に加えて前記外径テーパ面及び内径テ
ーパ面に接続する各環状面の少なくとも外径テーパ面に
接続する外環状面の一部が軸方向に陥没状に湾曲してな
ることを規定している。前記外径テーパ面と前記外環状
面との切り換え部を所要の角度をもって直線的に切り換
えると、弾性リングによりピンとリンクとを固定したの
ちに、外部の衝撃的な力が作用したとき前記切り換え部
にクラック等が発生しやすい。これに対して、本発明に
よれば前記切り換え部を陥没状に湾曲面としているため
クラック等の発生が回避されるばかりでなく、弾性リン
グを嵌着空間中に嵌入すると、同弾性リングは陥没状に
湾曲した前記外環状面の一部で面接触するため、同弾性
リングの嵌入位置が固定され、上記請求項1に係る発明
の機能に加えてピンとリンクとの安定した固定機能が発
揮される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明
の履帯のリンク及びピンの固定構造を備えたリンクチェ
ーンの一部を示す構造説明図、図2は同リンクチェーン
の一部を分解して示す一部破断分解図であり、図3は同
リンク及びピンにおける固定構造の一部を断面で示す構
造説明図、及び図4は同リンク及びピンに対する弾性リ
ングの嵌着時における接触位置の形態を示す構造説明図
である。
を添付図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明
の履帯のリンク及びピンの固定構造を備えたリンクチェ
ーンの一部を示す構造説明図、図2は同リンクチェーン
の一部を分解して示す一部破断分解図であり、図3は同
リンク及びピンにおける固定構造の一部を断面で示す構
造説明図、及び図4は同リンク及びピンに対する弾性リ
ングの嵌着時における接触位置の形態を示す構造説明図
である。
【0029】図1において、符号1は建設機械や運搬機
械等における履帯型車両の履帯であり、同履帯1は前記
履帯型車両の前部に配される遊動輪、同後部に配された
起動輪及び同中央部に配された下部転輪等からなる図示
せぬ走行駆動輪に回動可能に掛け廻される。無端状のリ
ンクチェーン2は、左右一対の複数のリンク3,4が関
節的に連結されて構成される。また図2及び図3に示す
ように、前記リンク3,4の履板取付孔5には図1に示
した地面接地用の複数の履板6がボルト止めされ、同履
板6及び前記リンクチェーン2により前記履帯1を構成
する。
械等における履帯型車両の履帯であり、同履帯1は前記
履帯型車両の前部に配される遊動輪、同後部に配された
起動輪及び同中央部に配された下部転輪等からなる図示
せぬ走行駆動輪に回動可能に掛け廻される。無端状のリ
ンクチェーン2は、左右一対の複数のリンク3,4が関
節的に連結されて構成される。また図2及び図3に示す
ように、前記リンク3,4の履板取付孔5には図1に示
した地面接地用の複数の履板6がボルト止めされ、同履
板6及び前記リンクチェーン2により前記履帯1を構成
する。
【0030】図2及び図3に示すように、前記リンクチ
ェーン2は複数のジョイント部7に関節的に連結される
リンク組立体により構成される。同リンク組立体は互い
に鏡面対称の関係にある左右一対の本発明の特徴をなす
板材からなるリンク3,4と、同リンク3,4を連結す
る本発明の特徴をなすピン8と、同ピン8に密嵌的に外
嵌される円筒状のブッシュ9と、前記ピン8の抜け防止
用の本発明の特徴をなす弾性リング17とを備えてい
る。前記リンク3,4は中央部分を除いた前後両端部に
内側及び外側に屈曲された平行な端部部分10,11を
有している。前記ピン8の長さ寸法は左右リンク3,4
間の外幅寸法と略同じ寸法又は短い寸法に設定されてい
る。前記ブッシュ9の両側端縁には、その本体の外径よ
り小径のリンク圧入用のブッシュ圧入部9aが形成され
ている。
ェーン2は複数のジョイント部7に関節的に連結される
リンク組立体により構成される。同リンク組立体は互い
に鏡面対称の関係にある左右一対の本発明の特徴をなす
板材からなるリンク3,4と、同リンク3,4を連結す
る本発明の特徴をなすピン8と、同ピン8に密嵌的に外
嵌される円筒状のブッシュ9と、前記ピン8の抜け防止
用の本発明の特徴をなす弾性リング17とを備えてい
る。前記リンク3,4は中央部分を除いた前後両端部に
内側及び外側に屈曲された平行な端部部分10,11を
有している。前記ピン8の長さ寸法は左右リンク3,4
間の外幅寸法と略同じ寸法又は短い寸法に設定されてい
る。前記ブッシュ9の両側端縁には、その本体の外径よ
り小径のリンク圧入用のブッシュ圧入部9aが形成され
ている。
【0031】図示例によれば、各リンク3,4の外側に
屈曲した一方の端部10は前記ピン8を圧入するピン圧
入用端部であり、各リンク3,4の内側に屈曲した他方
の前記端部11は前記ブッシュ9 の圧入部9aを圧入す
るブッシュ圧入用端部を構成している。リンク3,4の
前記ピン圧入用端部10には前記ピン圧入孔12が穿設
されており、同リンク3,4の前記ブッシュ圧入用端部
11には前記ブッシュ圧入孔13が設けられている。リ
ンク3,4の前記ピン圧入用端部10の前後方向の寸法
は、前記ブッシュ圧入用端部11の同方向の寸法よりも
短く形成され、これら一対の端部10及び11の先端は
略半円形とされている。
屈曲した一方の端部10は前記ピン8を圧入するピン圧
入用端部であり、各リンク3,4の内側に屈曲した他方
の前記端部11は前記ブッシュ9 の圧入部9aを圧入す
るブッシュ圧入用端部を構成している。リンク3,4の
前記ピン圧入用端部10には前記ピン圧入孔12が穿設
されており、同リンク3,4の前記ブッシュ圧入用端部
11には前記ブッシュ圧入孔13が設けられている。リ
ンク3,4の前記ピン圧入用端部10の前後方向の寸法
は、前記ブッシュ圧入用端部11の同方向の寸法よりも
短く形成され、これら一対の端部10及び11の先端は
略半円形とされている。
【0032】本実施例にあっては、リンク3,4の前記
ピン圧入孔12の内外には、前記ピン8の内部に溜めら
れる潤滑油をシールするための密閉シール部材14及び
同部材14の潰れ防止用スペーサ15が同心上に嵌着さ
れる嵌着孔12a、前記ピン圧入孔12の開口端部12
bの内側に漸次縮径する内径テーパ面12cを有するピ
ン端部係着孔12dが段部を介して形成されている。前
記ピン圧入孔12の開口端部12bの内径テーパ面12
cは環状面を経て前記ピン圧入孔12の内径面に交差し
ている。前記内径テーパ面12cは、図4に示すように
前記ピン圧入孔12の中心軸線と角度αをもって同軸線
に向かって窄まるように傾斜している。
ピン圧入孔12の内外には、前記ピン8の内部に溜めら
れる潤滑油をシールするための密閉シール部材14及び
同部材14の潰れ防止用スペーサ15が同心上に嵌着さ
れる嵌着孔12a、前記ピン圧入孔12の開口端部12
bの内側に漸次縮径する内径テーパ面12cを有するピ
ン端部係着孔12dが段部を介して形成されている。前
記ピン圧入孔12の開口端部12bの内径テーパ面12
cは環状面を経て前記ピン圧入孔12の内径面に交差し
ている。前記内径テーパ面12cは、図4に示すように
前記ピン圧入孔12の中心軸線と角度αをもって同軸線
に向かって窄まるように傾斜している。
【0033】一方、リンク3,4の前記ブッシュ圧入孔
11は、図2に示すように前記ブッシュ9を係止する係
止孔11aと、同係止孔11aより小径の前記ブッシュ
圧入孔11bとを有している。前記ブッシュ9には前記
ピン8がその両端を外部に露出した状態で予め圧入固定
され、ピン・ブッシュ組立体として組み立てられる。先
位のリンク3,4のブッシュ圧入孔13には前記ブッシ
ュ9が圧入固定されると共に、次位のリンク3,4のピ
ン圧入孔12に前記ピン8が圧入される。
11は、図2に示すように前記ブッシュ9を係止する係
止孔11aと、同係止孔11aより小径の前記ブッシュ
圧入孔11bとを有している。前記ブッシュ9には前記
ピン8がその両端を外部に露出した状態で予め圧入固定
され、ピン・ブッシュ組立体として組み立てられる。先
位のリンク3,4のブッシュ圧入孔13には前記ブッシ
ュ9が圧入固定されると共に、次位のリンク3,4のピ
ン圧入孔12に前記ピン8が圧入される。
【0034】ピン8の前記露呈端部80は、その露呈端
面からピン8の軸線に向かって漸次縮径する外径テーパ
面8bを有しており、同外径テーパ面8bは前記ピン8
の軸線と角度βをもって傾斜している。同外径テーパ面
8bは所定の断面形状をもつ環状面8aを介して拡径し
ながらピン8の外周面まで延びている。ピン端部の前記
外径テーパ面8bの傾斜角度βはリンク3,4の開口端
部12bの前記内径テーパ面12cの傾斜角度αよりも
小さい角度(α>β)に設定している。
面からピン8の軸線に向かって漸次縮径する外径テーパ
面8bを有しており、同外径テーパ面8bは前記ピン8
の軸線と角度βをもって傾斜している。同外径テーパ面
8bは所定の断面形状をもつ環状面8aを介して拡径し
ながらピン8の外周面まで延びている。ピン端部の前記
外径テーパ面8bの傾斜角度βはリンク3,4の開口端
部12bの前記内径テーパ面12cの傾斜角度αよりも
小さい角度(α>β)に設定している。
【0035】一端の前記ピン8の軸中心には潤滑油を注
入する油注入孔8cが形成されている。前記ピン8の軸
心上には前記油注入孔8cに連通した潤滑油用溜部8d
が形成され、同潤滑油用溜部8dとピン8の外周面とは
潤滑油通路8eを介して連通しており、前記ブッシュ9
の内周面に潤滑油が供給されるようになっている。な
お、前記油注入孔8cは図示せぬ潤滑油用密封栓によっ
て封止される。
入する油注入孔8cが形成されている。前記ピン8の軸
心上には前記油注入孔8cに連通した潤滑油用溜部8d
が形成され、同潤滑油用溜部8dとピン8の外周面とは
潤滑油通路8eを介して連通しており、前記ブッシュ9
の内周面に潤滑油が供給されるようになっている。な
お、前記油注入孔8cは図示せぬ潤滑油用密封栓によっ
て封止される。
【0036】かかる車両の走行用履帯1のリンク3,4
及びピン8の構造を採用することにより、同リンク3,
4及びピン8の弾性リング17における固定構造が良好
に実施される。図4に示すようにリンク3,4の前記ピ
ン圧入孔12の開口端部12bの内面と同開口端部12
b内に露呈するピン8の前記露呈端部80との間は本発
明の特徴をなす環状の開口を有する嵌着空間16とさ
れ、同嵌着空間16は図5に示した断面の径がDである
弾性リング17を嵌着させる構成となっている。
及びピン8の構造を採用することにより、同リンク3,
4及びピン8の弾性リング17における固定構造が良好
に実施される。図4に示すようにリンク3,4の前記ピ
ン圧入孔12の開口端部12bの内面と同開口端部12
b内に露呈するピン8の前記露呈端部80との間は本発
明の特徴をなす環状の開口を有する嵌着空間16とさ
れ、同嵌着空間16は図5に示した断面の径がDである
弾性リング17を嵌着させる構成となっている。
【0037】かかる嵌着空間16内のリンク内壁面は、
既述のごとくピン8の軸線と所定の角度αをもって交差
するように奥に向かって漸次縮径する内径テーパ面12
cとされ、同内径テーパ面12cに接続する内側の環状
面を経てリンク3,4の前記ピン圧入孔12の内周面に
結合している。一方、前記嵌着空間16内のピン8の前
記露呈端部80は、既述したごとくピン8の軸線と所定
の角度βをもって交差するように奥に向かって漸次縮径
する外径テーパ面8bにより構成され、同外径テーパ面
8bに連続する環状面8aを経てリンク3,4の前記内
径テーパ面12cと交差する。
既述のごとくピン8の軸線と所定の角度αをもって交差
するように奥に向かって漸次縮径する内径テーパ面12
cとされ、同内径テーパ面12cに接続する内側の環状
面を経てリンク3,4の前記ピン圧入孔12の内周面に
結合している。一方、前記嵌着空間16内のピン8の前
記露呈端部80は、既述したごとくピン8の軸線と所定
の角度βをもって交差するように奥に向かって漸次縮径
する外径テーパ面8bにより構成され、同外径テーパ面
8bに連続する環状面8aを経てリンク3,4の前記内
径テーパ面12cと交差する。
【0038】本発明にあっては、各リンク3,4とピン
8との弾性リング17による適切な固定構造を設定する
ために、前記弾性リング17の嵌着時におけるリンクの
前記内径テーパ面12cとの接触点は、前記弾性リング
断面の第4象限内にある四分円内にある。一方、ピン8
の前記外径テーパ面8bとの接触点は、前記弾性リング
断面の第2象限内にある四分円内にある。前記嵌着空間
16に対する弾性リング17の嵌着時において、かかる
弾性リング17は前記嵌着空間16の各テーパ面8b,
12c間の所定の接触位置に接触される。
8との弾性リング17による適切な固定構造を設定する
ために、前記弾性リング17の嵌着時におけるリンクの
前記内径テーパ面12cとの接触点は、前記弾性リング
断面の第4象限内にある四分円内にある。一方、ピン8
の前記外径テーパ面8bとの接触点は、前記弾性リング
断面の第2象限内にある四分円内にある。前記嵌着空間
16に対する弾性リング17の嵌着時において、かかる
弾性リング17は前記嵌着空間16の各テーパ面8b,
12c間の所定の接触位置に接触される。
【0039】図4に示すごとく、嵌着空間16内の内径
テーパ面12c及び弾性リング17の接触位置A及び前
記弾性リング17の断面中心Oを通る線分と、前記弾性
リング17の断面中心Oを通る垂線Pとがなす角度は、
リンクの前記内径テーパ面12cがなす角度αと同じ角
度αである。一方、前記嵌着空間16内の外径テーパ面
8b及び弾性リング17の接触位置Bと前記弾性リング
断面の中心Oとを通る弾性リング断面の直線と、前記弾
性リング17の断面中心Oを通る垂線Pとのなす角度
は、ピン8の前記外径テーパ面8bがなす角度βと同じ
角度βである。
テーパ面12c及び弾性リング17の接触位置A及び前
記弾性リング17の断面中心Oを通る線分と、前記弾性
リング17の断面中心Oを通る垂線Pとがなす角度は、
リンクの前記内径テーパ面12cがなす角度αと同じ角
度αである。一方、前記嵌着空間16内の外径テーパ面
8b及び弾性リング17の接触位置Bと前記弾性リング
断面の中心Oとを通る弾性リング断面の直線と、前記弾
性リング17の断面中心Oを通る垂線Pとのなす角度
は、ピン8の前記外径テーパ面8bがなす角度βと同じ
角度βである。
【0040】本発明によれば、上述のように前記角度α
と前記角度βとの関係はα>βであるため、前記弾性リ
ング断面の径Dと、各テーパ面8b,12c上の接触位
置A,Bと前記弾性リング17の断面中心Oを通る水平
線Hとの間の各寸法d1及びd2との関係はD>(d1
+d2)となる。図4に示すように、前記寸法d1及び
寸法d2は、d1=(D/2・ cosα)、d2=(D/
2・ cosβ)である。従って、かかる嵌着空間16の開
口入口寸法は前記弾性リング断面の径Dより大きい寸法
に設定され、同嵌着空間16の内部は開口入口端から軸
線に向かって漸次窄まり形状とされる。
と前記角度βとの関係はα>βであるため、前記弾性リ
ング断面の径Dと、各テーパ面8b,12c上の接触位
置A,Bと前記弾性リング17の断面中心Oを通る水平
線Hとの間の各寸法d1及びd2との関係はD>(d1
+d2)となる。図4に示すように、前記寸法d1及び
寸法d2は、d1=(D/2・ cosα)、d2=(D/
2・ cosβ)である。従って、かかる嵌着空間16の開
口入口寸法は前記弾性リング断面の径Dより大きい寸法
に設定され、同嵌着空間16の内部は開口入口端から軸
線に向かって漸次窄まり形状とされる。
【0041】かかる嵌着空間16に嵌着される前記弾性
リング17は、図5に示すように一部が欠除した環状の
弾性金属材料からなり、ピン8の前記外径テーパ面8b
に沿って自在に嵌着可能な丸鋼のC型リングである。同
リング17の内径はピン8の前記露呈端部80の最も細
い部分の径よりも小さい寸法に設定している。かかる弾
性リング17は、定常状態より外方に拡げられた状態で
前記嵌着空間16の開口入口を介して嵌入される。前記
弾性リング17を前記嵌着空間16内に嵌入すると同弾
性リング17の締まり力により、ピン8の前記外径テー
パ面8bの窄まる斜面に沿って前記嵌着空間16を奥方
向に移動しようとする。
リング17は、図5に示すように一部が欠除した環状の
弾性金属材料からなり、ピン8の前記外径テーパ面8b
に沿って自在に嵌着可能な丸鋼のC型リングである。同
リング17の内径はピン8の前記露呈端部80の最も細
い部分の径よりも小さい寸法に設定している。かかる弾
性リング17は、定常状態より外方に拡げられた状態で
前記嵌着空間16の開口入口を介して嵌入される。前記
弾性リング17を前記嵌着空間16内に嵌入すると同弾
性リング17の締まり力により、ピン8の前記外径テー
パ面8bの窄まる斜面に沿って前記嵌着空間16を奥方
向に移動しようとする。
【0042】その結果、前記弾性リング17は、ピン8
の前記外径テーパ面8bの斜面に沿って容易に奥へと押
し込まれる。このとき、たとえ前記弾性リング17の押
し込み姿勢が崩れていても、弾性リング17に締まり方
向の力が働くため、同弾性リング17の弾力に基づいて
弾性リング17の嵌着姿勢が自動的に矯正され、前記弾
性リング17の締まり力がピンの前記外径テーパ面8b
のほぼ全周にわたって均等に作用する。前述のように、
前記弾性リング17は前記嵌着空間16の各テーパ面8
b,12c間に比較的小さな押圧力により容易に嵌着さ
せることが可能であり、容易にリンク3,4の前記内径
テーパ面12cとピン8の前記外径テーパ面8b間の適
正な接触位置にセットすることができる。
の前記外径テーパ面8bの斜面に沿って容易に奥へと押
し込まれる。このとき、たとえ前記弾性リング17の押
し込み姿勢が崩れていても、弾性リング17に締まり方
向の力が働くため、同弾性リング17の弾力に基づいて
弾性リング17の嵌着姿勢が自動的に矯正され、前記弾
性リング17の締まり力がピンの前記外径テーパ面8b
のほぼ全周にわたって均等に作用する。前述のように、
前記弾性リング17は前記嵌着空間16の各テーパ面8
b,12c間に比較的小さな押圧力により容易に嵌着さ
せることが可能であり、容易にリンク3,4の前記内径
テーパ面12cとピン8の前記外径テーパ面8b間の適
正な接触位置にセットすることができる。
【0043】図6を参照すると、リンク4及びピン8の
弾性リング17に対する力の関係が示されている。同図
に示すように、例えばリンク4又はピン8が軸方向に外
力F又はF′を受けると、各テーパ面8b,12c間の
弾性リング17との接触部A,Bに各テーパ面8b,1
2cに沿って互いに反対方向に向かう力F0(F0=F
cos α)及びF1(F1=F′cos β)が作用すると同
時に、前記弾性リング17の締まり力fがピン8の前記
外径テーパ面8bにも作用する。ここで、F≒F′であ
り、α>βである。
弾性リング17に対する力の関係が示されている。同図
に示すように、例えばリンク4又はピン8が軸方向に外
力F又はF′を受けると、各テーパ面8b,12c間の
弾性リング17との接触部A,Bに各テーパ面8b,1
2cに沿って互いに反対方向に向かう力F0(F0=F
cos α)及びF1(F1=F′cos β)が作用すると同
時に、前記弾性リング17の締まり力fがピン8の前記
外径テーパ面8bにも作用する。ここで、F≒F′であ
り、α>βである。
【0044】このとき、前記外径テーパ面8bに作用す
る弾性リング17の締まり力fの方向は前記外径テーパ
面8bに対して垂直の方向である。従って、ピン8の前
記外径テーパ面8bに沿って嵌着空間16の奥に向かう
力は、前記外径テーパ面8bに沿った分力F1と前記弾
性リング17の締まり力fの前記外径テーパ面8bに沿
った分力f′(f′=fsin β)との和になる。
る弾性リング17の締まり力fの方向は前記外径テーパ
面8bに対して垂直の方向である。従って、ピン8の前
記外径テーパ面8bに沿って嵌着空間16の奥に向かう
力は、前記外径テーパ面8bに沿った分力F1と前記弾
性リング17の締まり力fの前記外径テーパ面8bに沿
った分力f′(f′=fsin β)との和になる。
【0045】一方、上述のごとく弾性リング17は、そ
の断面中心Oを通る垂線Pと前記角度α>βの関係をも
って前記嵌着空間16内の各テーパ面8b,12cにそ
れぞれ接触しているため、前記外力に基づくリンク4の
内径テーパ面12cに沿って前記嵌着空間16の入口に
向かう分力F0は、前記外径テーパ面8bに沿って作用
する分力F1及びf′の和よりも小さくなる(F0<F
1+f′)。
の断面中心Oを通る垂線Pと前記角度α>βの関係をも
って前記嵌着空間16内の各テーパ面8b,12cにそ
れぞれ接触しているため、前記外力に基づくリンク4の
内径テーパ面12cに沿って前記嵌着空間16の入口に
向かう分力F0は、前記外径テーパ面8bに沿って作用
する分力F1及びf′の和よりも小さくなる(F0<F
1+f′)。
【0046】かかる構成により、リンク4又はピン8に
軸方向の外力が加わったとしても、常に前記弾性リング
17は前記嵌着空間16の奥に向かって押し込まれるよ
うに力が作用し、前記嵌着空間16中から抜け出ること
がない。また、たとえ軸方向の外力F又はF′が増大し
たとしても、ピン8の前記外径テーパ面8bに沿って生
じる分力F1が増加するため、弾性リング17には前記
嵌着空間16の奥方向に向かって押し込もうとするより
大きな力が作用し、同弾性リング17は自ら前記嵌着空
間16の奥に移行しようとして、内外の各テーパ面8
b,12cに対する圧接力を増加させ、同嵌着空間16
内に更に強力に保持される。
軸方向の外力が加わったとしても、常に前記弾性リング
17は前記嵌着空間16の奥に向かって押し込まれるよ
うに力が作用し、前記嵌着空間16中から抜け出ること
がない。また、たとえ軸方向の外力F又はF′が増大し
たとしても、ピン8の前記外径テーパ面8bに沿って生
じる分力F1が増加するため、弾性リング17には前記
嵌着空間16の奥方向に向かって押し込もうとするより
大きな力が作用し、同弾性リング17は自ら前記嵌着空
間16の奥に移行しようとして、内外の各テーパ面8
b,12cに対する圧接力を増加させ、同嵌着空間16
内に更に強力に保持される。
【0047】このように、本発明によればリンク3,4
又はピン8に軸方向の外力が作用したとき、前記弾性リ
ング17を嵌着空間16の奥に押し込もうとする力が、
常に外に押し出そうとする力に打ち勝つため、同弾性リ
ング17は自ずとその嵌着力を強化することになり、リ
ンク3,4又はピン8の軸方向の移動を確実に阻止する
ことができ、もって、ピン8の軸方向の所要の保持力も
確保することが可能となり、前記リンク4をも保護する
ことも可能である。
又はピン8に軸方向の外力が作用したとき、前記弾性リ
ング17を嵌着空間16の奥に押し込もうとする力が、
常に外に押し出そうとする力に打ち勝つため、同弾性リ
ング17は自ずとその嵌着力を強化することになり、リ
ンク3,4又はピン8の軸方向の移動を確実に阻止する
ことができ、もって、ピン8の軸方向の所要の保持力も
確保することが可能となり、前記リンク4をも保護する
ことも可能である。
【0048】更に本発明にあっては、上記構成に加えて
前記嵌着空間16内の各テーパ面8b,12cの領域内
に弾性リング17を嵌入するに止まらず、同時に弾性リ
ング17の安定した嵌着構造が採用できる。図4は、そ
の代表的な構造例を示しており、前記外径テーパ面8b
及び内径テーパ面12cに接続する各環状面のうち、少
なくとも前記外径テーパ面8bに接続する外側環状面8
aの一部が軸方向に陥没状に湾曲している構成を採用し
ている。
前記嵌着空間16内の各テーパ面8b,12cの領域内
に弾性リング17を嵌入するに止まらず、同時に弾性リ
ング17の安定した嵌着構造が採用できる。図4は、そ
の代表的な構造例を示しており、前記外径テーパ面8b
及び内径テーパ面12cに接続する各環状面のうち、少
なくとも前記外径テーパ面8bに接続する外側環状面8
aの一部が軸方向に陥没状に湾曲している構成を採用し
ている。
【0049】かかる構成によれば、外側の環状面8aの
一部を所要の角度をもって前記外径テーパ面8bに連続
する陥没状の湾曲面としている。この環状面を外径テー
パ面と所要の角度をもって交差するような裁頭円錐形と
すると、弾性リングによりピンとリンクとを固定したの
ちに、外部の衝撃的な力が作用したとき前記外径テーパ
面8bと前記環状面との接続部にクラック等が発生しや
すい。これに対して、本実施例によれば前記環状面が陥
没状の湾曲面であるためクラック等の発生が回避される
ばかりでなく、弾性リング17を嵌着空間16中に嵌入
すると、同弾性リング17は陥没状に湾曲した外環状面
8aの一部で面接触するため、たとえ大きな衝撃的な外
力が加わった場合であっても、前記弾性リング17の嵌
着位置が僅かに奥方向に移動して強固に固定され、前記
ピン8とリンク3,4との安定した固定機能が発揮され
る。
一部を所要の角度をもって前記外径テーパ面8bに連続
する陥没状の湾曲面としている。この環状面を外径テー
パ面と所要の角度をもって交差するような裁頭円錐形と
すると、弾性リングによりピンとリンクとを固定したの
ちに、外部の衝撃的な力が作用したとき前記外径テーパ
面8bと前記環状面との接続部にクラック等が発生しや
すい。これに対して、本実施例によれば前記環状面が陥
没状の湾曲面であるためクラック等の発生が回避される
ばかりでなく、弾性リング17を嵌着空間16中に嵌入
すると、同弾性リング17は陥没状に湾曲した外環状面
8aの一部で面接触するため、たとえ大きな衝撃的な外
力が加わった場合であっても、前記弾性リング17の嵌
着位置が僅かに奥方向に移動して強固に固定され、前記
ピン8とリンク3,4との安定した固定機能が発揮され
る。
【0050】図7に示す例は、前記嵌着空間16に対す
る弾性リング17の嵌着時における各テーパ面8b,1
2cとの固定構造の他の形態を示しており、同図に示す
ように前記嵌着空間16内の内径テーパ面12cには、
前記弾性リング17の外周面と同じ曲率の湾曲状をなす
環状面12eが形成されている。一方、前記嵌着空間1
6内の外径テーパ面8bと反対側の部分に続く陥没状に
湾曲した外環状面8aは前記弾性リング17の外周面と
略同じ曲率で形成されている。
る弾性リング17の嵌着時における各テーパ面8b,1
2cとの固定構造の他の形態を示しており、同図に示す
ように前記嵌着空間16内の内径テーパ面12cには、
前記弾性リング17の外周面と同じ曲率の湾曲状をなす
環状面12eが形成されている。一方、前記嵌着空間1
6内の外径テーパ面8bと反対側の部分に続く陥没状に
湾曲した外環状面8aは前記弾性リング17の外周面と
略同じ曲率で形成されている。
【0051】図示例によれば、リンクの前記内径テーパ
面12c側に位置する弾性リング17の外周面の一部は
前記環状面12eと面接触している。前記環状面12e
の曲率中心A′は弾性リング断面を中心Oとした第4象
限内にあり、前記弾性リング断面の中心Oを通る垂線P
に対して所定の角度α′を有している。
面12c側に位置する弾性リング17の外周面の一部は
前記環状面12eと面接触している。前記環状面12e
の曲率中心A′は弾性リング断面を中心Oとした第4象
限内にあり、前記弾性リング断面の中心Oを通る垂線P
に対して所定の角度α′を有している。
【0052】一方、ピン8の前記外径テーパ面8b側に
位置する弾性リング17の外周面の一部は、前記外径テ
ーパ面8bと前記環状面8aとの接続部分を接触開始点
B′として前記環状面8aと面接触されている。既述し
たようにピン8の前記外径テーパ面8b及び前記弾性リ
ング17の接触位置B′と同弾性リング断面の中心Oと
を通る線分と、その中心Oを通る垂線Pとがなす角度は
所定の角度β′を有しており、前記接触位置B′は弾性
リング断面を中心Oとした第2象限内にある。
位置する弾性リング17の外周面の一部は、前記外径テ
ーパ面8bと前記環状面8aとの接続部分を接触開始点
B′として前記環状面8aと面接触されている。既述し
たようにピン8の前記外径テーパ面8b及び前記弾性リ
ング17の接触位置B′と同弾性リング断面の中心Oと
を通る線分と、その中心Oを通る垂線Pとがなす角度は
所定の角度β′を有しており、前記接触位置B′は弾性
リング断面を中心Oとした第2象限内にある。
【0053】なお、前記嵌着空間16内の各テーパ面8
b,12c上の接触位置A′,B′と前記弾性リング1
7の断面中心Oを通る水平線Hとの間の各寸法d1′,
d2′、前記弾性リング断面の径D、及び前記角度
α′,β′の関係は、上記図4に基づいて説明した実施
例と同じである。
b,12c上の接触位置A′,B′と前記弾性リング1
7の断面中心Oを通る水平線Hとの間の各寸法d1′,
d2′、前記弾性リング断面の径D、及び前記角度
α′,β′の関係は、上記図4に基づいて説明した実施
例と同じである。
【0054】かかる構成を採用することにより、前記嵌
着空間16内の内径テーパ面12cに接続する環状面1
2eと外径テーパ面8bに接続する環状面8aとによ
り、例えば衝撃的な外力が軸方向に作用した場合には、
前記弾性リング17の外周面の一部を包み込むように面
接触するため、前記弾性リング17の嵌着姿勢を安定し
て強固に保持することが可能となる。
着空間16内の内径テーパ面12cに接続する環状面1
2eと外径テーパ面8bに接続する環状面8aとによ
り、例えば衝撃的な外力が軸方向に作用した場合には、
前記弾性リング17の外周面の一部を包み込むように面
接触するため、前記弾性リング17の嵌着姿勢を安定し
て強固に保持することが可能となる。
【0055】以上の本発明によるピン8とリンク3,4
との弾性リング17による固定機構を採用して、ピン8
とリンク3,4とを組み立てるにあたって、本実施例で
は上述したように、前記ブッシュ9には前記ピン8がそ
の両端を外部に露出した状態で予め圧入固定され、ピン
・ブッシュ組立体として組み立てられる。先位のリンク
3,4のブッシュ圧入孔13に前記ブッシュ9が圧入さ
れると共に、次位のリンク3,4のピン圧入孔12にピ
ン8が圧入される。そして、かかる組み立て操作を順次
繰り返し、所定の左右リンク3,4の組み立て数に達し
た後、リンクチェーン2が作られる。
との弾性リング17による固定機構を採用して、ピン8
とリンク3,4とを組み立てるにあたって、本実施例で
は上述したように、前記ブッシュ9には前記ピン8がそ
の両端を外部に露出した状態で予め圧入固定され、ピン
・ブッシュ組立体として組み立てられる。先位のリンク
3,4のブッシュ圧入孔13に前記ブッシュ9が圧入さ
れると共に、次位のリンク3,4のピン圧入孔12にピ
ン8が圧入される。そして、かかる組み立て操作を順次
繰り返し、所定の左右リンク3,4の組み立て数に達し
た後、リンクチェーン2が作られる。
【0056】次いで、本発明の履帯1のリンク3,4と
ピン8との弾性リング17による固定構造が実施され
る。なお、本実施例にあっては、ピン8とリンク3,4
とを固定するにあたり、複数の前記ピン・ブッシュ組立
体を各リンク3,4に圧入させて上述のごとくリンクチ
ェーン2を組み立てた後に、ピン8とリンク3,4とを
固定する場合について説明するが、本発明にあっては各
ピン・ブッシュ組立体を先位と次位の左右2組のリンク
3,4に圧入して組み立てた後に、続いて本発明による
ピン8とリンク3,4との弾性リング17における固定
構造を実施することもできる。
ピン8との弾性リング17による固定構造が実施され
る。なお、本実施例にあっては、ピン8とリンク3,4
とを固定するにあたり、複数の前記ピン・ブッシュ組立
体を各リンク3,4に圧入させて上述のごとくリンクチ
ェーン2を組み立てた後に、ピン8とリンク3,4とを
固定する場合について説明するが、本発明にあっては各
ピン・ブッシュ組立体を先位と次位の左右2組のリンク
3,4に圧入して組み立てた後に、続いて本発明による
ピン8とリンク3,4との弾性リング17における固定
構造を実施することもできる。
【0057】前記リンクチェーン2の組み立て操作を終
了した後、本発明の履帯1のリンク3及びピン8の弾性
リング17における固定操作に移行する。先ず、図示せ
ぬ弾性リング嵌着用治具を操作して断面の径がDである
弾性リング17を、前記リンク3のピン圧入孔12とピ
ン8の前記露呈端部80との間に構成された環状の開口
を有する嵌着空間16の開口入口に位置決めする。次い
で、前記弾性リング17を嵌着空間16中に嵌入してピ
ン8の前記内径テーパ面8bに沿って弾性リング17の
締まり力を徐々に減衰させながら押し込む。
了した後、本発明の履帯1のリンク3及びピン8の弾性
リング17における固定操作に移行する。先ず、図示せ
ぬ弾性リング嵌着用治具を操作して断面の径がDである
弾性リング17を、前記リンク3のピン圧入孔12とピ
ン8の前記露呈端部80との間に構成された環状の開口
を有する嵌着空間16の開口入口に位置決めする。次い
で、前記弾性リング17を嵌着空間16中に嵌入してピ
ン8の前記内径テーパ面8bに沿って弾性リング17の
締まり力を徐々に減衰させながら押し込む。
【0058】このとき、前記弾性リング17の締まり力
により、同弾性リング17は嵌着空間16の奥方向に向
かう力が常に作用し、同時に前記嵌着空間16のテーパ
面8bの下り傾斜面に沿って押し込まれ、各テーパ面8
b及び12cの間に前記弾性リング17の外周面がそれ
ぞれ接触される。このように、弾性リング17を単に嵌
着空間16中に嵌入するだけで、容易にリンク3の内径
テーパ面12cとピン8の外径テーパ面8bとに接触す
る適正位置にセットできる。
により、同弾性リング17は嵌着空間16の奥方向に向
かう力が常に作用し、同時に前記嵌着空間16のテーパ
面8bの下り傾斜面に沿って押し込まれ、各テーパ面8
b及び12cの間に前記弾性リング17の外周面がそれ
ぞれ接触される。このように、弾性リング17を単に嵌
着空間16中に嵌入するだけで、容易にリンク3の内径
テーパ面12cとピン8の外径テーパ面8bとに接触す
る適正位置にセットできる。
【0059】次に前記リンク4及びピン8の弾性リング
17における固定操作を同様に行って前記固定操作を終
了した後、先位の前記リンク3,4を送り出し、次位の
リンク3,4とピン8との固定操作を同様に実施する。
17における固定操作を同様に行って前記固定操作を終
了した後、先位の前記リンク3,4を送り出し、次位の
リンク3,4とピン8との固定操作を同様に実施する。
【0060】こうして、前記固定操作をリンク3,4ご
とに順次繰り返して、リンク3,4とピン8との弾性リ
ング17による固定操作を終了する。そして、リンクチ
ェーン2が完成した後、従来と同様の操作により各ピン
8の前記油注入孔8cから前記潤滑油用溜部8dに潤滑
油を封入すると共に、図示せぬ履体取付用インパクトレ
ンチ等を用いて図示せぬ取付ボルト等により前記リンク
3,4の履板取付孔5を介して前記リンクチェーン2に
前記履板6をそれぞれ取り付け、前記履帯1を完成させ
る。
とに順次繰り返して、リンク3,4とピン8との弾性リ
ング17による固定操作を終了する。そして、リンクチ
ェーン2が完成した後、従来と同様の操作により各ピン
8の前記油注入孔8cから前記潤滑油用溜部8dに潤滑
油を封入すると共に、図示せぬ履体取付用インパクトレ
ンチ等を用いて図示せぬ取付ボルト等により前記リンク
3,4の履板取付孔5を介して前記リンクチェーン2に
前記履板6をそれぞれ取り付け、前記履帯1を完成させ
る。
【0061】本発明によれば、リンク3,4とピン8と
の弾性リング17による固定操作において、弾性リング
17を嵌着空間16中に嵌入すれば、前記弾性リング1
7の締まり力により、同弾性リング17には嵌着空間1
6の奥方向に向かう力が自然と作用するため、同弾性リ
ング17を単に嵌着空間16中に嵌入するだけで、容易
に各リンク3,4の内径テーパ面12cとピン8の外径
テーパ面8b間の所定位置に適正に組み付けることがで
きる。また、上記従来技術に較べても、製品に高い寸法
精度及び複雑な機械加工等を必要とせず、組み立て時に
おける各リンク3,4とピン8との位置合わせを厳格に
正確に行う必要もない。
の弾性リング17による固定操作において、弾性リング
17を嵌着空間16中に嵌入すれば、前記弾性リング1
7の締まり力により、同弾性リング17には嵌着空間1
6の奥方向に向かう力が自然と作用するため、同弾性リ
ング17を単に嵌着空間16中に嵌入するだけで、容易
に各リンク3,4の内径テーパ面12cとピン8の外径
テーパ面8b間の所定位置に適正に組み付けることがで
きる。また、上記従来技術に較べても、製品に高い寸法
精度及び複雑な機械加工等を必要とせず、組み立て時に
おける各リンク3,4とピン8との位置合わせを厳格に
正確に行う必要もない。
【0062】以上の説明からも明らかなように、本発明
に係る履帯のリンク及びピンの固定構造によれば、各リ
ンク又はピンに水平方向の外力が作用したとき、前記弾
性リングは各テーパ面により前記嵌着空間の内側方向に
押し込まれるような大きな力が加わると同時に、前記弾
性リングによりピンの締まり方向に生じる力が前記嵌着
空間の内側方向に加わるため、前記弾性リングが前記嵌
着空間中から抜け出ようとする力を阻止して前記嵌着空
間内に前記弾性リングを強固に保持させることができ
る。
に係る履帯のリンク及びピンの固定構造によれば、各リ
ンク又はピンに水平方向の外力が作用したとき、前記弾
性リングは各テーパ面により前記嵌着空間の内側方向に
押し込まれるような大きな力が加わると同時に、前記弾
性リングによりピンの締まり方向に生じる力が前記嵌着
空間の内側方向に加わるため、前記弾性リングが前記嵌
着空間中から抜け出ようとする力を阻止して前記嵌着空
間内に前記弾性リングを強固に保持させることができ
る。
【0063】たとえ各リンク又はピンが軸方向に強い衝
撃を受けることがあっても、前記弾性リングを嵌着空間
の奥に押し込もうとする力が、外に押し出そうとする力
に常に打ち勝つため、同弾性リングは自ずとその嵌着力
を強化することになり、リンク又はピンの軸方向の移動
を確実に阻止することができることに加えて、ピンの軸
方向の所要の保持力も確保することが可能であり、リン
クをも保護することが可能となる。従って、各リンクの
ジョイント部に配された潤滑油密閉シール部材及び同潰
れ防止用スペーサの変形や破損等が防止でき、もってリ
ンクチェーンとしての耐久性が充分に確保される。な
お、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、そ
れらの実施例から当業者が容易に変更可能な技術的な範
囲をも当然に包含するものである。
撃を受けることがあっても、前記弾性リングを嵌着空間
の奥に押し込もうとする力が、外に押し出そうとする力
に常に打ち勝つため、同弾性リングは自ずとその嵌着力
を強化することになり、リンク又はピンの軸方向の移動
を確実に阻止することができることに加えて、ピンの軸
方向の所要の保持力も確保することが可能であり、リン
クをも保護することが可能となる。従って、各リンクの
ジョイント部に配された潤滑油密閉シール部材及び同潰
れ防止用スペーサの変形や破損等が防止でき、もってリ
ンクチェーンとしての耐久性が充分に確保される。な
お、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、そ
れらの実施例から当業者が容易に変更可能な技術的な範
囲をも当然に包含するものである。
【図1】本発明の履帯におけるリンク及びピンの固定構
造を備えたリンクチェーンの一部を示す構造説明図であ
る。
造を備えたリンクチェーンの一部を示す構造説明図であ
る。
【図2】同リンクチェーンの一部を分解して示す一部破
断分解図である。
断分解図である。
【図3】同リンク及びピンにおける固定構造の一部を断
面で示す構造説明図である。
面で示す構造説明図である。
【図4】同リンク及びピンに対する弾性リングの嵌着時
における接触位置の形態を示す構造説明図である。
における接触位置の形態を示す構造説明図である。
【図5】同弾性リングの斜視図である。
【図6】同リンク及びピンの弾性リングに対する力の関
係を示す説明図である。
係を示す説明図である。
【図7】同リンク及びピンの他の固定構造例を示す構造
説明図である。
説明図である。
1 履帯 2 リンクチェーン 3 左側のリンク 4 右側のリンク 5 履板取付孔 6 履板 7 ジョイント部 8 ピン 8a,12e 環状面 8b 外径テーパ面 8c 油注入孔 8d 潤滑油用溜部 9 筒状のブッシュ 9a ブッシュ圧入部 10 リンクのピン圧入用端部 11 リンクのブッシュ圧入用端部 11a 係止孔 11b 係合孔 12 リンクのピン圧入孔 12a 嵌着孔 12b 開口端部 12c 内径テーパ面 12d ピン端部係着孔 13 ブッシュ圧入孔 14 シール部材 15 スペーサ 16 嵌着空間 17 弾性リング 80 ピンの露呈端部
Claims (4)
- 【請求項1】 車両の走行用履帯のリンク及びピンの固
定構造であって、 リンクのピン圧入孔の開口端部と同開口端部内に露呈す
るピンの圧入端部との間に、断面の径がDである弾性リ
ングを嵌入させる環状の開口を有する嵌着空間が形成さ
れ、 同嵌着空間のリンク内壁面は、ピンの軸線と所定の角度
αをもって交差するように奥に向かって漸次縮径する内
径テーパ面を有し、 前記嵌着空間に露呈するピンの露呈端部の外周面は、ピ
ンの軸線と所定の角度βをもって交差するように奥に向
かって漸次縮径する外径テーパ面を有してなり、 前記嵌着空間は前記内径テーパ面及び外径テーパ面に接
続する内外の各環状面を経てリンクの前記ピン圧入孔の
内径面と交差しており、 前記弾性リングは、前記嵌着空間の内径テーパ面及び外
径テーパ面の各接触点と、前記弾性リングの断面中心を
通る水平線との間の各寸法がd1,d2であるとき、 前記寸法d1,d2、前記弾性リング断面の径D、前記
角度α,βが、次の関係を有することを特徴とする履帯
のリンク及びピンの固定構造。 α>β, D>d1+d2(ただし、d1=D/2・ cosα、d2
=D/2・ cosβ) - 【請求項2】 前記嵌着空間に対する弾性リングの嵌着
時における前記外径テーパ面との接触位置は、軸方向に
延びる前記外径テーパ面の領域内である請求項1記載の
履帯のリンク及びピンの固定構造。 - 【請求項3】 前記弾性リングは、その一部が欠除した
環状の弾性金属材料からなり、その内径がピンの前記圧
入端部の細径部分の径よりも小さいC型リングである請
求項1記載の履帯のリンク及びピンの固定構造。 - 【請求項4】 前記外径テーパ面及び内径テーパ面に接
続する各環状面の少なくとも外径テーパ面に接続する外
環状面の一部が軸方向に陥没状に湾曲してなる請求項1
記載の履帯のリンク及びピンの固定構造。
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