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JP2001009618A - 穿孔工具 - Google Patents

穿孔工具

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Publication number
JP2001009618A
JP2001009618A JP11187043A JP18704399A JP2001009618A JP 2001009618 A JP2001009618 A JP 2001009618A JP 11187043 A JP11187043 A JP 11187043A JP 18704399 A JP18704399 A JP 18704399A JP 2001009618 A JP2001009618 A JP 2001009618A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drilling
piercing
hole
cylindrical
cylindrical blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11187043A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Minamimura
洋 南村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiwa Electric Mfg Co Ltd
Original Assignee
Seiwa Electric Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiwa Electric Mfg Co Ltd filed Critical Seiwa Electric Mfg Co Ltd
Priority to JP11187043A priority Critical patent/JP2001009618A/ja
Publication of JP2001009618A publication Critical patent/JP2001009618A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芯出し用の突刺体に切屑及び切取り円板を付
着させることなく、しかも孔の下側縁にバリを発生させ
ることなくドリル単体によってあけることができない大
きさの孔を自動化によって合成樹脂板にあけることがで
きるようにする。 【解決手段】 筒端に刃11を有する筒刃体1と、該筒
刃体1内に同芯的に設けられ、軸端に前記刃11よりも
軸長方向外方へ突出して合成樹脂板に突き刺すことが可
能な尖部21を有する芯出し用の突刺体2とを備え、該
突刺体によって切屑が発生することをなくし、該突刺体
2に切屑及び切取り円板が付着することをなくすことが
できるとともに、バリのない孔をあけることができ、孔
あけを自動化することができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドリル単体であけ
ることができない大きさの孔を合成樹脂板等の被穿孔物
にあけるための穿孔工具に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂製品にドリル単体であけること
ができない大きさの孔(例えば13〜40m/m の孔)を
設ける場合、一般には合成樹脂製品を成形する成形工程
で成形用型によって設けられる。このため、合成樹脂板
に前述した大きさの孔を連続してあけるための穿孔工具
は開発されていない。
【0003】ところで、合成樹脂板に前述した大きさの
孔をあける場合、金属板の孔あけに使用されている穿孔
工具を用いることが考えられる。
【0004】図7は金属板の孔あけに使用されている穿
孔工具を示す断面図である。この穿孔工具は、筒端に刃
100を有する筒刃体101と、該筒刃体101内に同
芯的として一体回転を可能にネジ体110で固定され、
軸端に前記刃100よりも軸長方向外方へ突出する刃1
02を有するドリル103と、前記筒刃体101内のド
リル103の基端部に嵌合保持され、ドリル103及び
筒刃体101の孔あけによって生じた円板状の切粕を弾
性的に押出す略円錐形のコイルバネ120とを備え、前
記ドリル103が孔あけ位置中心に芯出し孔をあけ、筒
刃体101が前述した大きさの孔をあけるように構成さ
れている。
【0005】筒刃体101は、一方の筒端に周方向に適
宜の間隔を隔てて複数の刃100を有し、他方の筒端に
底を有する有底の筒部104と、該筒部104の底の中
心部に外方へ向けて突設された筒状の保持部105と、
該保持部105の端縁に連続する取付軸部106と、前
記刃100が設けられた一方の筒端から他方の筒端へか
けて軸長方向へ延びる切屑排出孔107とを備えてい
る。また、前記保持部105にはその中心部の孔に開口
するネジ孔109が設けられており、該ネジ孔109に
螺合するネジ体110を緊締することによってドリル1
03を筒刃体101に同芯的に固定してある。
【0006】ドリル103は、軸部の外周面に設けられ
た複数の螺旋溝108と一方の軸端との交線が2本の直
線の刃102をなしていて軸心部は前記2本の刃にかけ
て直線となるチゼルポイントになっている。ドリル10
3の他方の軸端は前記筒刃体101の保持部105に挿
入し、同芯的に固定されており、また、刃102は筒刃
体101の刃100よりも軸長方向外方へ突出してい
る。
【0007】前述の穿孔工具は、筒刃体101の取付軸
部106がボール盤の回転及び下降が可能な工具保持部
に着脱可能に取付けられ、この工具保持部によって筒刃
体101及びドリル103が同芯的に一体で回転すると
ともに下降する。
【0008】この穿孔工具を用いて金属板に孔をあける
場合、予め作業者が所定の孔あけ位置に位置決め用目印
のけがき作業、及び前記位置決め用目印にポンチによる
位置ずれ防止用凹みを刻設する作業を行い、作業者がボ
ール盤を操作し、前記工具保持部によって筒刃体及びド
リルを共回りさせるとともに、伴に下降させることによ
ってドリル103のチゼルポイントを前述のけがきによ
る位置決め用目印の位置ずれ防止用凹みに当接させ、ド
リル103の位置ずれを防止した状態で小径の芯出し孔
を浅くあけ、筒刃体101の孔あけ位置に対する変位を
拘束した後、さらなる下降によって筒刃体101の刃1
00が金属板に当接し、該刃100が金属板を切り抜け
ることによってドリル単体ではあけることができない大
きさの大径孔をあける。
【0009】これら芯出し孔及び大径孔をあけるときの
切屑は、比較的長い長さに成長して螺旋状となる。ドリ
ル103によって発生する切屑は、螺旋溝108に巻付
きつつ該螺旋溝に沿って筒刃体101内へ螺旋状に侵入
するとともにコイルバネ120の線間隙間を経て前記切
屑排出孔107へ侵入し、該切屑排出孔107から外部
へ連続した状態で排出される。また、筒刃体101によ
って発生する切屑の大部分は筒刃体101の外周りに巻
き付き、一部分は筒刃体101内へ侵入する。また、ド
リル103及び筒刃体101の間の切取り円板は自然に
落下することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た穿孔工具を用いて合成樹脂板に孔をあける場合、 (1) 合成樹脂板は金属板に比較して脆いため、ドリル
103によって発生する切屑は金属板のように成長して
螺旋状に長くなることなく、比較的短い長さで折れてド
リル103の螺旋溝108に巻付く。 (2) 合成樹脂板の切屑はドリル103の刃102との
摩擦熱によって溶融化したあと孔あけが終わるまでの間
の短い時間で硬化する。 (3) 筒刃体101の刃が合成樹脂板を切り抜けて孔あ
けが終わった時点で前述のようにドリル103に巻付い
た切屑とドリル103及び筒刃体101の間の切取り円
板とが部分的に繋がった状態になる。
【0011】このため、ドリル103によって発生する
切屑及び筒刃体101によって発生する切取り円板がコ
イルバネ120によって押出されることなく孔あけを終
わった後のドリル103に付着することになる。従っ
て、切屑及び切取り円板がドリル103に付着した状態
で孔あけを繰り返し行う場合は、前記切屑及び切取り円
板が順次筒刃体101内に溜り、筒刃体101内が詰る
ことになり、しかも、溶融化した後の硬化によって前記
切屑及び切取り円板をドリル103から取り除くことが
困難となるため、孔あけが終わる都度、筒刃体101内
の切屑及び切取り円板を作業者が手作業で取り除く必要
があり、孔あけ作業の能率が悪い。
【0012】図8は金属板の孔あけに使用されている穿
孔工具を用いて合成樹脂板Aに孔Bをあけた状態を示す
模式的説明図である。前述の如くドリル103によって
発生する切屑はドリル103の螺旋溝108に巻付くと
ともに切取り円板Cが孔あけを終わった後のドリル10
3に付着することになるため、筒刃体101によって発
生する切屑の最終部分が、筒刃体101があけた孔Bの
下側縁に残って所謂バリDとなり、このバリDを孔あけ
が終わる都度、作業者によって取り除く必要があり、よ
り一層孔あけ作業の能率が悪い。
【0013】以上の如く金属板の孔あけに使用されてい
る前述した穿孔工具を用いて合成樹脂板Aにドリル単体
であけることができない大きさの孔Bをあける場合は、
孔あけが終わる都度、ドリル103に付着している切屑
及び切取り円板を作業者が手作業で取り除くとともに、
孔Bの下側縁のバリDを作業者が手作業で取り除く必要
があるため、例えば、道路用照明燈の点火制御部が収容
される合成樹脂製の筐体にケーブル挿通用の孔を設ける
場合等、被穿孔物の外形寸法、孔の位置等が夫々異な
り、被穿孔物の種類が比較的多い反面、各仕様の個数が
少ないような場合、成形によって孔を設けるとなれば、
成形用型が多種類必要となり、任意の位置に孔あけする
ことができないし、また、ボール盤であける場合に比較
してコスト高となる。従って、前述した穿孔工具を用い
て孔をあけざるを得ないのが現状である。また、前述し
た穿孔工具を用いた場合は、前述の手作業が強いられる
ため、連続加工で孔あけすることができない。
【0014】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、筒端に刃を有する筒刃体と、該筒刃体内に同芯
的に設けられ、軸端に前記刃よりも軸長方向外方へ突出
して被穿孔物に突き刺すことが可能な尖部を有する突刺
体とを備えた構成とすることにより、芯出し用の突刺体
によって切屑が発生することをなくし、該突刺体に切屑
及び切取り円板が付着することをなくすることができる
とともに、バリのない孔をあけることができ、孔あけを
自動化することができる穿孔工具を提供することを目的
とする。
【0015】また、筒刃体内に、軸長方向へ相対移動が
可能であり、付勢手段によつて前記刃へ向けて付勢され
た押体が設けられている構成とすることにより、孔あけ
が終わると同時に切取り円板を筒刃体の外方へ確実に押
し出すことができ、孔あけを効率よく自動化することが
できる穿孔工具を提供することを目的とする。
【0016】また、前記押体に、前記突刺体が挿通され
る貫通孔及び前記刃側の端部が細いテーパ面が設けられ
ている構成とすることにより、筒刃体によって発生した
切屑の一部が筒刃体内へ侵入したとき、該切屑をテーパ
面及び筒刃体の間の空間に溜め、孔あけが終わったとき
切取り円板とともに筒刃体の外方へ確実に押し出すこと
ができ、孔あけをより一層効率よく自動化することがで
きる穿孔工具を提供することを目的とする。
【0017】また、突刺体に、前記押体の付勢手段によ
る移動を制限するストッパーが設けられている構成とす
ることにより、尖部を押体よりも軸長方向外方へ確実に
突出させることができる穿孔工具を提供することを目的
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る穿孔工具
は、筒端に刃を有する筒刃体と、該筒刃体内に同芯的に
設けられ、軸端に前記刃よりも軸長方向外方へ突出して
被穿孔物に突き刺すことが可能な尖部を有する突刺体と
を備えていることを特徴とする。
【0019】第1発明にあっては、合成樹脂板等の被穿
孔物にドリル単体であけることができない大きさの孔を
あけるとき、突刺体及び筒刃体が一体的に回転及び下降
することによって突刺体の尖部が被穿孔物の孔あけ位置
中心に突き刺さり、この突き刺さり状態で突刺体及び筒
刃体が一体的に回転及び下降することになるため、尖部
が突き刺さっている部分はその突刺孔が大きくなるだけ
であり、尖部によって切屑は発生しないのである。従っ
て、突刺体に切屑が巻きつくことはないし、また、突刺
体及び筒刃体の間の円板状の切取り円板が突刺体に付着
することを良好に防止することができるのであり、孔あ
けを自動化することができる。また、切取り円板が突刺
体に付着することを防止することができるため、孔の下
側縁にバリが発生し難くでき、バリ取り作業を少なくす
ることができるのであり、また、突刺体の尖部を被穿孔
物の孔あけ位置に突き刺すため、孔あけ位置にけがきに
よる位置決め用目印を設けることなく、孔あけ自動化装
置によって予め設定される孔あけ位置の中心に尖部を突
き刺すことができ、けがき作業及びポンチによる位置ず
れ防止作業をなくすることができる。
【0020】第2発明に係る穿孔工具は、前記筒刃体内
に、軸長方向へ相対移動が可能であり、付勢手段によっ
て前記刃へ向けて付勢された押体が設けられていること
を特徴とする。
【0021】第2発明にあっては、尖部が被穿孔物に突
き刺さった後、筒刃体によって孔あけが終わるまでの間
に押体を被穿孔物に押しつけることによって、孔あけが
終わると同時に円板状の切取り円板を筒刃体の外方へ確
実に押し出すことができ、切取り円板を被穿孔物から確
実に離脱させることができる。このため、孔の下側縁に
バリが発生することを良好に防止することができ、孔あ
けを効率よく自動化することができる。
【0022】第3発明に係る穿孔工具は、前記押体は、
前記突刺体が挿通される貫通孔と、前記刃側の端部が細
いテーパ面とが設けられていることを特徴とする。
【0023】第3発明にあっては、筒刃体によって発生
した切屑の大部分は筒刃体の外周りに螺旋状に排出さ
れ、切屑の一部分は筒刃体内へ侵入することになるが、
筒刃体内に設けた押体には刃側の端部が細いテーパ面が
設けられているため、筒刃体内へ侵入する一部分の切屑
をテーパ面及び筒刃体の間の環状空間に溜めることがで
き、この環状空間内の切屑を、筒刃体によって孔あけが
終わるとき前記押体によって切取り円板とともに筒刃体
の外方へ確実に押し出すことができる。従って、筒刃体
内に切屑が溜ること及び孔の下側縁にバリが発生するこ
とを良好に防止することができ、孔あけをより一層効率
よく自動化することができる。
【0024】また、刃側の端部が細いテーパ面を設ける
ことによってテーパ面を設けないものに比較して押体の
被穿孔物との接触面積を少なくでき、しかも、周速が遅
くなる端面を被穿孔物に接触させることができるため、
押体と被穿孔物との間の摩擦抵抗を少なくでき、筒刃体
が穿孔する部分の発熱量を少なくでき、筒刃体によって
発生する切屑の溶融を抑制することができ、溶融化した
切屑が押体及び筒刃体の間の隙間に侵入することを良好
に防止することができる。
【0025】第4発明に係る穿孔工具は、前記突刺体
は、前記押体の付勢手段による移動を制限するストッパ
ーが設けられていることを特徴とする。
【0026】第4発明にあっては、尖部を押体よりも軸
長方向外方へ確実に突出させることができ、押体によっ
て邪魔されることなく、尖部を孔あけ位置中心に突き刺
すことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。 実施の形態1 図1は本発明に係る穿孔工具の縦断正面図、図2は分解
斜視図である。
【0028】本発明に係る穿孔工具は、筒部10の一方
の筒端に刃11を有する筒刃体1と、該筒刃体1内に同
芯的に設けられ、軸部20の一方の軸端に前記刃11よ
りも軸長方向外方へ突出して被穿孔物Aに突き刺すこと
が可能な尖部21を有する突刺体2と、前記筒刃体1内
に軸長方向へ相対移動を可能に設けられた押体3と、該
押体3を前記刃11へ向けて付勢する付勢手段4とを備
えている。
【0029】筒刃体1は、一方の筒端に周方向に適宜の
間隔を隔てて複数の刃11を有し、他方の筒端に底12
を有する有底の筒部10と、該筒部10の底12の中心
部に外方へ向けて突設された筒状の保持部13と、該保
持部13の端縁に連続する取付軸部14とを備え、該取
付軸部14がボール盤又は自動孔あけ装置の工具保持部
に着脱可能に取付けられる。また、保持部13には、そ
の中心部の孔に開口するネジ孔15が設けられている。
【0030】突刺体2は、軸部20の他方の軸端が前記
保持部13内に挿入され、前記ネジ孔15に螺合するネ
ジ体5を緊締することによって筒刃体1に同芯的に固定
される。尖部21は、ABS樹脂などの熱可塑性の合成
樹脂板に突き刺すことが可能な長さで尖鋭に尖ってい
る。この尖部21は、例えば略三角錐状に尖っており、
該尖部21の端縁部分が筒刃体1の刃11よりも軸長方
向外方へ突出している。この尖部21の刃11に対する
突出量は、筒刃体1及び突刺体2が一体に下降すると
き、刃11が合成樹脂板に当接するよりも前に合成樹脂
板に突き刺さって芯出しが行える長さとしてある。ま
た、軸部20の尖部21の近傍には軸部20よりも大径
であり、前記押体3の付勢手段4による移動を制限する
円形のストッパー22が突設されている。
【0031】押体3は、中心部に前記突刺体2の軸部2
0が挿通される貫通孔30を有し、外周面と筒刃体1の
内周面との間に若干の隙間が生ずる大きさとされた円筒
状に形成されている。この押体3には、前記刃11側の
端部が細いテーパ面31が設けられている。このテーパ
面31は例えば外径寸法の1/2 〜2/3 の位置から軸長方
向の略中央位置へかけて設けられている。押体3の前記
貫通孔30の両端縁には環状凹部32,33が設けられ
ており、一方の環状凹部32に前記ストッパー22が挿
入され、環状凹部32がストッパー22に当接すること
によって付勢手段4による押体の移動を制限している。
【0032】付勢手段4は、コイルバネ40を用いてお
り、前記突刺体2の軸部20に巻装し、その一端を前記
環状凹部33に当接させ、他端を筒刃体1の前記底12
に当接させ、該コイルバネ40の弾性復元力によって押
体3を前記ストッパー22へ付勢し、環状凹部32をス
トッパー22に当接させることによって押体3の一端を
筒刃体1の刃11よりも軸長方向の外方へ突出させてい
る。
【0033】以上の如く構成された穿孔工具は、例えば
筒刃体1の取付軸部14がボール盤又は自動孔あけ装置
の回転及び下降が可能な工具保持部Eに挿嵌され、ネジ
体Fの緊締などによって着脱可能に取付けられる。前記
工具保持部Eの近傍位置には圧気源に連通する一つのノ
ズル(図示せず)が筒刃体1の筒部10の外周面へ向け
て配置されている。
【0034】図3、図4及び図5は孔あけの過程を示す
説明図である。テーブルに保持した被穿孔物Aに孔Bを
あける場合、ボール盤又は自動孔あけ装置の工具保持部
によって穿孔工具を回転させるとともに、下降させる。
この下降によって突刺体2の尖部21が被穿孔物Aの孔
あけ位置中心に突き刺さり、芯出しする(図3の#1、
図4のa)。この突き刺さり部分が尖部21の回転によ
って抉られてその突刺孔が大きくなり、突き刺さり量が
増加することになり、切屑は発生しない。すなわち、尖
部21によって抉られるときの摩擦熱によって突刺孔部
分が溶融化し、その突刺孔が大きくなるとともに、突刺
孔の孔縁に盛上り屑が発生するだけであり、切屑は発生
しない。
【0035】この尖部21の突き刺さり量が増加する過
程で押体3の一端が被穿孔物Aに当接し(図3の#2、
図4のb)、該押体3はコイルバネ40の弾性復元力に
抗して相対移動し(図3の#3)、移動が停止した後、
筒刃体1の刃11が被穿孔物Aに当接し(図3の#4、
図4のc)、該筒刃体1が被穿孔物Aを環状に穿孔して
前述の孔Bをあける(図3の#5)。
【0036】この筒刃体1が被穿孔物Aを穿孔するとき
に発生する切屑の大部分は筒刃体1の外周りに螺旋状に
排出され、筒部10の外周面に巻きつくことになり、切
屑の一部分は筒刃体1内へ侵入することになる。このと
き、筒刃体1内の押体3及び筒刃体1の間にはテーパ面
31による環状空間6が設けられているため、筒刃体1
内へ侵入する一部分の切屑を前記環状空間6に溜めるこ
とができる。また、刃側の端部が細いテーパ面31を設
けるため、テーパ面を設けないものに比較して押体3の
被穿孔物Aとの接触面積を少なくでき、しかも、周速が
遅くなる端面を被穿孔物Aに接触させることができる。
従って、押体3と被穿孔物Aとの間の摩擦抵抗を少なく
でき、筒刃体1が穿孔する部分の発熱量を少なくでき、
筒刃体1によって発生する切屑の溶融を抑制することが
でき、溶融化した切屑が押体3及び筒刃体1の間の隙間
に侵入することを良好に防止することができ、溶融化し
た切屑が押体3及び筒刃体1の間の隙間に侵入すること
を良好に防止することができるとともに、前記環状空間
6内の切屑をテーパ面31によって落下させ易い。
【0037】筒刃体1の刃11が被穿孔物Aを切り抜け
ることによって孔あけが終る(図3の#6、図4のd)
と同時にコイルバネ40によって付勢されている押体3
が円板状の切取り円板Cを筒刃体1の外方へ確実に押し
出すことになり(図3の#7、図5)、この切取り円板
Cの押出しによって前記環状空間6内の切屑の支えがな
くなるとともに、環状空間6内の切屑はテーパ面31に
よって落下し易いようになっているため、この環状空間
6内の切屑も筒刃体1内から排出され、孔Bの下側縁に
バリが発生することを防止することができる。また、筒
刃体1によって孔あけが終わったとき、ボール盤又は自
動孔あけ装置の前記ノズルから筒刃体1の筒部10の外
周面へ向けて圧気が噴射され、筒部10の外周面に巻き
ついている螺旋状の切屑が下方へ向けて噴き飛ばされ
る。
【0038】このように芯出し用の突刺体2によって切
屑が発生しないし、しかも、筒刃体1によって発生し、
筒刃体1内へ侵入した一部分の切屑はテーパ面31部分
の環状空間6内に溜められ、さらに、筒刃体1によって
穿孔された切取り円板Cは押体3によって筒刃体1の軸
長方向外方へ押出すことができ、この押出しとともに前
記環状空間6内の切屑を排出させることができるため、
筒刃体1に切屑及び切取り円板が溜ることをなくするこ
とができ、孔あけを自動化することができる。従って、
例えば、道路用照明燈の点火制御部が収容される合成樹
脂製の筐体にケーブル挿通用の孔を設ける場合等、外形
寸法、孔の位置等が夫々異なる被穿孔物に同じ大きさの
孔を設ける場合であっても、ボール盤又は自動孔あけ装
置によって連続的に孔あけを行うことができ、孔を設け
るためのコストを低減できる。
【0039】また、突刺体2は尖部21を被穿孔物Aに
突き刺すため、被穿孔物Aがテーブル等に固定されるこ
となく、摩擦抵抗によって保持されている場合において
も突刺体2を孔あけ位置中心に正確に付き刺すことがで
き、筒刃体1による孔あけを正確に行うことができる。
従って、孔あけ位置に位置決め用目印を設けるためのけ
がき作業をなくすることができる。
【0040】実施の形態2 図6は実施の形態2の縦断正面図である。実施の形態2
の穿孔工具は、実施の形態1の押体3及び付勢手段4を
なくしたものであり、その他の構成及び作用は実施の形
態1と同じであるため、同じ符号を付し、その詳細な説
明及び構造を省略する。
【0041】この実施の形態2にあっても実施の形態1
と同様、突刺体2によって切屑が発生しないため、切屑
が突刺体2に巻きつくことを防止でき、従って、切取り
円板が突刺体2に付着することがなく、自動孔あけ装置
によって連続的に孔あけを行うことができ、孔あけ作業
の能率を向上することができる。
【0042】尚、実施の形態2の如く押体3をなくする
場合、筒刃体1内に、圧気源に連通する圧気噴射手段を
設け、筒刃体1による穿孔によって筒刃体1内へ入った
切屑及び切取り円板を、孔あけが終わると同時に前記圧
気噴射手段が噴射する圧気によって筒刃体1の刃側開放
口から外側へ吹き飛ばすように構成してもよい。
【0043】以上説明した実施の形態1,2では、突刺
体2の尖部21を略三角錐状に尖っている構造とした
が、その他、略四角錐又は略円錐状に尖っている構造と
してもよい。また、尖部21は合成樹脂板に端縁部を突
き刺すことができる程度に尖ったものであればよい。
【0044】また、以上説明した実施の形態1,2で
は、押体3を円筒状としたが、その他、突刺体2が挿通
される貫通孔を有する円板の一面に、中心に対し偏倚
し、前記被穿孔物に当接が可能な一つ又は複数の突起を
有する構造としてもよいのであり、押体3の構造は特に
制限されない。また、円筒状とする場合、前記テーパ面
に代えて、軸長方向の中間から一端にかけて小径となる
円周面としてもよい。
【0045】また、付勢手段4はコイルバネを用いる
他、皿バネ、ゴム環等の弾性体を用いてもよいし、ま
た、筒刃体1内に気体が充填された気体室を設け、該気
体室内の気体圧によって押体3を付勢するように構成し
てもよい。尚、本発明にかかる穿孔工具は、熱可塑性の
合成樹脂製品に孔をあけるだけでなく、例えば熱硬化性
の合成樹脂製品に孔をあけることもできる。
【0046】
【発明の効果】以上詳述した如く第1発明によれば、合
成樹脂板等の被穿孔物に所定の孔をあける場合、芯出し
用の突刺体によって切屑を発生させることなく筒刃体に
よって孔をあけることができるため、突刺体から切屑及
び切取り円板を取り除く手作業を行うことなく、連続的
に孔あけを行うことができ、孔あけ作業の能率を向上す
ることができる。しかも、切取り円板が突刺体に付着す
ることを防止することができるため、孔の下側縁にバリ
が発生し難くでき、バリ取り作業を少なくすることがで
き、孔あけを自動化することができ、孔を設けるための
コストを前述した既存の穿孔工具を用いる場合に比較し
て大幅に低減することができる。
【0047】第2発明によれば、孔あけが終わると同時
に切取り円板を筒刃体の外方へ確実に押し出すことがで
き、切取り円板を被穿孔物から確実に離脱させることが
できるため、孔の下側縁にバリが発生することを良好に
防止することができ、孔あけを効率よく自動化すること
ができ、孔を設けるためのコストをさらに低減すること
ができる。
【0048】第3発明によれば、筒刃体によって発生し
た切屑の一部分が筒刃体内へ侵入したとき、この切屑を
テーパ面及び筒刃体の間の環状空間に溜めることができ
るとともに、この環状空間内の切屑を、筒刃体によって
孔あけが終わるとき押体によって切取り円板とともに筒
刃体の外方へ確実に押し出すことができるため、筒刃体
内に切屑が溜ること及び孔の下側縁にバリが発生するこ
とを良好に防止することができ、孔あけをより一層効率
よく自動化することができ、孔を設けるためのコストを
より一層低減することができる。
【0049】また、刃側の端部が細いテーパ面を設ける
ことによってテーパ面を設けないものに比較して押体の
被穿孔物との接触面積を少なくでき、しかも、周速が遅
くなる端面を被穿孔物に接触させることができるため、
押体と被穿孔物との間の摩擦抵抗を少なくでき、筒刃体
が穿孔する部分の発熱量を少なくでき、筒刃体によって
発生する切屑の溶融を抑制することができ、溶融化した
切屑が押体及び筒刃体の間の隙間に侵入することを良好
に防止することができる。
【0050】第4発明によれば、尖部を押体よりも軸長
方向外方へ確実に突出させることができ、押体によって
邪魔されることなく、尖部を孔あけ位置中心に突き刺す
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る穿孔工具の実施の形態1における
縦断正面図である。
【図2】本発明に係る穿孔工具の実施の形態1における
分解斜視図である。
【図3】本発明に係る穿孔工具の実施の形態1における
孔あけの過程を示す説明図である。
【図4】本発明に係る穿孔工具の実施の形態1における
孔あけの過程を示す説明図である。
【図5】本発明に係る穿孔工具の実施の形態1における
孔あけの過程を示す説明図である。
【図6】本発明に係る穿孔工具の実施の形態2における
縦断正面図である。
【図7】金属板の孔あけに使用されている穿孔工具を示
す断面図である。
【図8】金属板の孔あけに使用されている穿孔工具を用
いて合成樹脂板に孔をあけた状態を示す模式的説明図で
ある。
【符号の説明】
1 筒刃体 11 刃 2 突刺体 21 尖部 3 押体 31 テーパ面 4 付勢手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒端に刃を有する筒刃体と、該筒刃体内
    に同芯的として一体回転を可能に固定され、軸端に前記
    刃よりも軸長方向外方へ突出して被穿孔物に突き刺すこ
    とが可能な尖部を有する突刺体とを備えていることを特
    徴とする穿孔工具。
  2. 【請求項2】 前記筒刃体内に、軸長方向へ相対移動が
    可能であり、付勢手段によつて前記刃へ向けて付勢され
    た押体が設けられている請求項1記載の穿孔工具。
  3. 【請求項3】 前記押体は、前記突刺体が挿通される貫
    通孔と、前記刃側の端部が細いテーパ面とが設けられて
    いる請求項2記載の穿孔工具。
  4. 【請求項4】 前記突刺体は、前記押体の付勢手段によ
    る移動を制限するストッパーが設けられている請求項2
    記載の穿孔工具。
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