JP2001003068A - 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物 - Google Patents
燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物Info
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Abstract
せ、しかも軽油や重質油に対する溶解性が優れている燃
料油用流動性向上剤及びそれが添加されてなる燃料油組
成物を提供する。 【解決手段】 ブタジエンとイソプレンからなる重合体
を水素化してなる重合体水素化物を主成分とし、該重合
体におけるイソプレンに由来する単位/ブタジエンに由
来する単位の重量比が80/20〜5/95である燃料
油用流動性向上剤、又は前記重合体水素化物と、ポリオ
キシアルキレングリコール部及び鎖状アルキル部を有す
るポリオキシアルキレングリコール誘導体とを重量比1
/99〜99/1で含有することを特徴とする燃料油用
流動性向上剤である。燃料油組成物は、軽油又は重質油
にこの燃料油用流動性向上剤が添加されてなる。
Description
剤及び燃料油組成物に関する。さらに詳しくは、広範囲
な燃料性状を有する様々な燃料油、特に軽油など中間留
出油あるいは重質油の低温特性を向上させるとともに、
該燃料油に対する溶解性の優れた燃料油用流動性向上剤
及びこれを含有する燃料油組成物に関するものである。
エネルギーである中間留分の増産を目的として、例えば
製品としての軽油の規格を満足させるために行われる灯
油のカットバック量を通常よりも減少させることで灯油
の増産を行ったり、A重油にするような蒸留範囲の成分
の一部を軽油として使用することで軽油の増産を行って
いる。これらにより、燃料油の蒸留性状が狭くなった
り、重質留分を多く含む性状変更が余儀なくされてい
る。それに加えて近年の原油の重質化により燃料油中に
含まれる長鎖n−パラフィンが多くなり、低温性状は大
きく変化している。
高い温度で溶解性が低い長鎖n−パラフィンが析出して
曇り点が高くなる。その結果、厳冬期に外気温が極度に
低下した際、油温の低下に伴って析出したn−パラフィ
ンが、自動車などの燃料油移送ラインに設置されている
フィルター、あるいはラインそのものに目詰まりして閉
塞させるなど、低温特性に問題を有している。またこの
ことは、各種の重質燃料油についても同様である。この
ような問題を解決するためにこれまで多くの添加剤が提
案されているが、いずれも充分に満足できるものではな
かった。
には、エチレン/プロピレン共重合体が、特開昭55−
137193号公報にはエチレン/酢酸ビニル共重合体
が中間留出油の流動点を下げる効果を有するものとして
開示されているが、目詰まり点を下げることはできな
い。また、米国特許第3600311号明細書には、分
子内に特定含有量の1,2結合を有する水素化ポリブタ
ジエンが、特開平11−106764号公報には、芳香
族ビニル化合物重合体ブロックとジエン化合物重合体ブ
ロックから構成されたブロック共重合体の水素化物のポ
リマー型添加剤が流動点を下げる効果を有するものとし
て開示されているが、目詰まり点については効果が不十
分であり、さらに中間留出油に対する溶解性が劣るなど
の欠点を有している。
コハク酸アミド(特開昭56−43391号公報) や、
ポリオキシアルキレンエステル(特開昭57−1770
92号公報) などの比較的低分子型添加剤(以下、界面
活性剤型添加剤という) が開示されているが、流動点に
ついての効果は乏しい。また、英国特許2129012
号明細書には、目詰まり点及び流動点を下げることを目
的として、エチレン/酢酸ビニル共重合体とアルケニル
コハク酸アルキルエステルなどのポリマー型添加剤と界
面活性剤型添加剤との併用タイプが開示されている。し
かし、目詰まり点及び流動点を改善する効果は未だ不十
分であり、さらにこれらポリマー型添加剤と界面活性剤
型添加剤とを併用した場合、中間留出油の性状、特に蒸
留性状が狭くなったり、重質留分を多く含む性状の油種
については目詰まり点を下げる効果を損なう場合があ
る。
状況下で、軽油の目詰まり点及び流動点を下げ、また界
面活性剤型添加剤と組み合わせた場合においても目詰ま
り点を下げる効果を損なうことなく優れた流動点の改善
効果を発現し、さらに軽油に対する溶解性も良好な燃料
油用流動性向上剤及びこれを含有する燃料油組成物を提
供することを目的とするものである。また、さらに本発
明は重質燃料油に対しても同様の改善を行うことをも目
的とする。
を解決するために鋭意検討を行った結果、イソプレンに
由来する単位とブタジエンに由来する単位を特定の比率
で含む重合体の水素化物、あるいはこの水素化物とポリ
オキシアルキレングリコール部を有する特定の化合物と
からなるものが、広範囲な燃料性状を有する軽油やA重
油などの様々な燃料油に対して、その低温特性を改善、
すなわち目詰まり点及び流動点を下げると共に、これら
の燃料油に対する溶解性が良好であることを見出した。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
ンからなる重合体を水素化してなる重合体水素化物を主
成分とし、該重合体におけるイソプレンに由来する単位
(以下、イソプレン単位という)/ブタジエンに由来す
る単位(以下、ブタジエン単位という)の重量比が80
/20〜5/95であることを特徴とする燃料油用流動
性向上剤(以下、燃料油用流動性向上剤I)を提供す
る。また、本発明の別の態様は、前記重合体水素化物
と、ポリオキシアルキレングリコール部及び鎖状アルキ
ル部を有するポリオキシアルキレングリコール誘導体と
を重量比1/99〜99/1で含有することを特徴とす
る燃料油用流動性向上剤(以下、燃料油用流動性向上剤
II)を提供する。さらに、本発明は、軽油や残留炭素
分を含む重質燃料油に、前記燃料油用流動性向上剤I又
はIIを1〜10000ppm添加してなることを特徴
とする燃料油組成物を提供する。
及びIIの成分である重合体水素化物は、ブタジエンと
イソプレンとからなる重合体を水素化して得られるもの
である。そしてこの重合体中の構成単位の比率、すなわ
ちイソプレン単位/ブタジエン単位の重量比は80/2
0〜5/95であり、好ましくは70/30〜10/9
0である。ここで、イソプレン単位が80を越えると、
流動点を改善する効果が乏しく、ブタジエン単位が95
を越えると、軽油や重質燃料油に対する溶解性が乏しく
なり好ましくない。また、上記重合体水素化物を製造す
るに当たって、本発明の効果を損なわない範囲でイソプ
レンやブタジエンと共重合可能な他の単量体、例えばア
ルキルメタクリレートなどを加えてもよい。
はないが、通常は80〜100%である。水素化率が8
0%未満の場合、結晶化開始温度が低く流動点の改善効
果が乏しい場合がある。また、前記重合体水素化物の数
平均分子量は状況に応じてことなるが、通常は1000
〜100000、好ましくは3000〜60000であ
る。結晶化開始温度は、本発明の効果を奏するために重
要な要素であるが、本発明の重合体水素化物の結晶化開
始温度は0〜50℃、好ましくは0〜40℃であり、さ
らに好ましくは0〜30℃である。結晶化開始温度が5
0℃を超えると、軽油や重質燃料油に対する溶解性が低
下する恐れがあり、また前述のポリオキシアルキレング
リコール誘導体と併用した場合に、目詰まり点の改善効
果が阻害されることがある。また0℃未満では低温での
析出のタイミングが遅く、流動点を下げる効果が充分に
得られないことがある。ただし、結晶化開始温度がこれ
らの範囲を逸脱するものであっても、重合体水素化物の
イソプレン単位とブタジエン単位の比率や数平均分子量
などを適宜選定することによって、燃料油の低温特性の
改善効果を十分に発現させることができる。
(differential scanning calorimetry 、 以下DSCと
いう) にて測定することができる。すなわち、測定条件
として10℃/minで室温から200℃まで一旦昇温
し、そのまま30分保持した後、10℃/minにて−
50℃まで下げ、その結果得られたチャートにおいて、
べースラインとピークの立ち上がりはじめの接線の交点
を結晶化開始温度とする。
化物は、特開平3−188114号公報に記載されてい
るように、重合体のミクロ構造をコントロールすること
により製造が可能であり、結晶化開始温度を上げる場合
は、ミクロ構造内に連続したエチレン鎖を導入し、下げ
る場合は分岐鎖を導入すれば良い。本発明の場合には、
連続したエチレン鎖は1,4 −結合により得られるブタ
ジエン重合体であり、分岐鎖は1,2 −結合により得ら
れるブタジエン重合体、1,4−結合により得られるイ
ソプレン重合体である。すなわち、1,4−結合により
得られるブタジエン重合体を完全水素化した場合には分
岐を持たないポリエチレンと同一な構造をとるため結晶
性は高くなり結晶化開始温度も高くなる。また、1,2
−結合により得られるブタジエン重合体、あるいは1,
4−結合により得られるイソプレン重合体を完全水素化
した場合には、構造中に分岐鎖が残存し、非晶性となり
結晶化開始温度は低くなる。結晶化開始温度は、同一組
成にて製造を実施した場合でも、反応条件や触媒種によ
っても変化するため、この温度をコントロールするには
反応条件を適宜選定することとなる。
としてブタジエンとイソプレンを用い、これらを共重合
させ、さらに水素化することによって得られるが、ここ
で各単量体単位の結合様式はランダム、ブロックいずれ
の場合でもよい。ブタジエンとイソプレンを共重合させ
る温度は、各種の反応条件により異なり、一義的に決定
することはできないが、−20〜80℃が好ましく、0
〜60℃であるとさらに好ましい。これらより低温で
は、得られる重合体水素化物の結晶化開始温度が低くな
りすぎ、その結果燃料油の流動点の改善効果が十分に得
られないことがある。また、重合の際の触媒種として、
炭素数1〜10のアルキルリチウム化合物、ヘキサメチ
レンジリチウム、ナフタレンジリチウムなどのジリチウ
ム化合物などが挙げられる。さらに、水素化の際の触媒
としては、例えばケイソウ土担持ニッケル触媒、白金、
パラジウムなどが挙げられる。本発明における重合体水
素化物は、一種類を単独で用いることも、また結晶化開
始温度の異なる二種以上を組み合わせて使用することも
できる。
るポリオキシアルキレングリコール部及び鎖状アルキル
部を有するポリアルキレングリコール誘導体としては、
(a)ポリオキシアルキレングリコール部を含有する含
窒素化合物と飽和、不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂
肪酸とから合成される完全エステルまたは部分エステル
化物もしくはその塩、(b)ポリオキシアルキレングリ
コール部を含有する含窒素化合物と飽和、不飽和の直鎖
状及び/又は分岐状脂肪酸と二塩基酸とから合成される
完全架橋エステル化物又は部分架橋エステル化物、
(c)ポリオキシアルキレングリコールと飽和、不飽和
の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸とから合成されるエス
テル化物、(d)ポリオキシアルキレングリコール部を
含有する多価アルコールと飽和、不飽和の直鎖状及び/
又は分岐状脂肪酸とから合成される完全エステル化物又
は部分架橋エステル化物、(e)ポリオキシアルキレン
グリコール部を含有する多価アルコールと飽和、不飽和
の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸と二塩基酸とから合成
される完全架橋エステルまたは部分架橋エステル化物、
(f)ポリアルキレンポリアミンと飽和、不飽和の直鎖
状及び/又は分岐状脂肪酸のアミド化物のアルキレンオ
キシド付加物、(g)ポリアルキレンポリアミンと飽
和、不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸のアミド化
物のアルキレンオキシド付加物と二塩基酸とから合成さ
れる完全架橋エステル又は部分架橋エステル化物、
(h)ポリオキシアルキレングリコール部を含有する含
硫黄化合物と飽和、不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂
肪酸とから合成される完全エステルまたは部分架橋エス
テル化物、(i)燐酸又は亜燐酸のアルキレンオキシド
付加物と飽和、不飽和の直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸
とから合成されるエステル化物、などが挙げられる。こ
れらは、一種単独又は二種以上を組み合わせて使用する
ことができる。
及び(g)のポリオキシアルキレングリコール誘導体
が、低温特性、特に目詰まり点の改善効果がより大き
く、特に好ましい。燃料油用流動性向上剤IIにおい
て、前記重合体水素化物と、前記ポリオキシアルキレン
グリコール誘導体との重量比は1/99〜99/1の範
囲であることが必要であり、特に1/5〜10/1の範
囲であると、低温特性改善効果がより大きいため好まし
い。
体と組み合わせる重合体水素化物については、軽油や重
質燃料油などの対象とする燃料油の燃料性状に従って任
意の結晶化開始温度を持つものを選定することにより、
燃料油の性状にあった添加剤(流動性向上剤)を調製す
ることが可能である。また、異なる結晶開始温度を持つ
二種以上のブロック共重合体からなる重合体水素化物を
組み合わせても良い。
油用流動性向上剤I又はIIを、軽油あるいは残留炭素
分を含む重質燃料油に添加する量は1〜10000pp
m、好ましくは10〜500ppmである。流動性向上
剤の添加量が10000ppmを超える場合は、添加効
果が飽和状態に達し、添加量に見合うだけの効果が得ら
れないことがあるばかりか、経済的に不利であり、また
添加量が1ppm未満である場合、十分な低温特性改善
効果が得られない。
は、硫黄分規制に対応するために、極度の水素化により
精製された低硫黄分の軽油(低硫黄軽油)が挙げられ
る。ここで軽油とは、石油精製における沸点範囲が13
0〜450℃、好ましくは150〜380℃の燃料油で
ある。また、低硫黄軽油としては、硫黄分含有量が0.
2重量%以下、好ましくは0.05重量%以下、より好
ましくは0.03重量%以下に低減された軽油を挙げる
ことができる。このような低硫黄軽油は、通常直留軽
油、水素化直接脱硫軽油、水素化間接脱硫軽油、水素化
分解軽油、水素化脱硫重質軽油、脱硫灯油などを混合し
て調製することができる。
燃料油とは、A重油などの石油を直接に常圧または減圧
によって蒸留した中〜重質留出燃料油、水素化脱硫や接
触改質処理を行った中〜重質留出燃料油、熱分解、接触
分解、水素化分解などの分解処理を行った中〜重質留出
燃料油、オイルシェール、オイルサンド、石炭などの分
解油の中〜重質留出燃料油などの燃料油の一種又は二種
以上の混合物、又は油脂、脂肪酸、アルコール、エーテ
ル、ケトンなどの酸素を含有する炭化水素化合物を中質
〜重質留出燃料油に混合したものに、残留炭素分が生じ
る残油、例えば石油を常圧または減圧によって蒸留する
際の蒸留残油、水素化脱硫や接触改質処理を行った処理
油の蒸留残油、水素化脱硫や接触改質処理を行った処理
油の蒸留残油、熱分解、接触分解、水素化分解などによ
る分解処理油の蒸留残油、潤滑油製造工程から発生する
重質エクストラクト、各種石地精製工程から発生するア
スファルト質〜樹脂質の副生物、不飽和性が高いオレフ
ィン、ポリオレフィン、オイルシェール、オイルサンド
など、これらの分解油の蒸留残油、その他の高分子量及
び/又は高重合性の炭化水素系物質の重質留出燃料油な
どの燃料油の一種又は二種以上の混合物である。
ては、特に制限はなく、前記燃料油用流動性向上剤I又
はIIを単に軽油又は重質燃料油に添加することにより
調製することができるが、これらの軽油又は重質燃料油
と相溶性のある有機溶媒で希釈することにより調製が容
易となる。このような有機溶媒としては、ナフサ、灯
油、軽油などの石油留分、芳香族炭化水素、パラフィン
系炭化水素などが挙げられる。有機溶剤で希釈して用い
る場合には、前記流動性向上剤を好ましくは20〜80
重量%、より好ましくは35〜75重量%の割合で含有
する溶液を用いるのが有利である。また本発明の燃料油
組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で従来から燃
料油の添加剤として使用されている曇点降下剤、流動性
向上剤、防錆剤、酸化防止剤、セタン価向上剤、金属不
活性化剤、清浄分散剤、燃焼性向上剤、黒煙減少剤、色
相安定剤、氷結防止剤、スラッジ分散剤、マーカーなど
を含有させることもできる。
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。なお、実施例及び比較例で得られた燃料
油組成物の性能は、下記の要領に従って求め、評価し
た。 (a)結晶化開始温度 DSCにより重合体水素化物の結晶化開始温度を測定し
た。測定はセイコーインスツルメント社製DSCを用
い、温度条件は10℃/minで室温から200℃まで
一旦昇温し、そのまま30分保持した後、10℃/mi
nで−50℃まで下げた。その結果得られたチャートに
おいて、べ一スラインとピークの立ち上がりはじめの接
線の交点を結晶化開始温度とした。
PC) で、ポリスチレン換算により数平均分子量を測定
した。 (c)目詰まり点 JIS K−2288に準拠して測定した。 (d)流動点 JIS K−2269に準拠し、1℃間隔で測定した。 (e)簡易シミュレーター試験での目詰まり点の測定
(修正目詰まり点) JIS K−2288に準拠し、金網を149μm、冷
却速度を1℃/時間、吸引時間を30秒に変更して、低
温庫内で測定した。 (f)添加剤の燃料油に対する溶解性 100ミリリットルのビーカーに試料油50ミリリット
ルを入れ、攪拌しながら3℃に冷却する。この試料油
に、表5〜7の添加剤組成比で10重量%キシレン溶液
を作成し、このキシレン溶液50ミリリットルを50℃
に加熱した状態で添加し、この際の溶解状態を目視にて
観察して、次の基準に従い評価した。 ○:析出物なし,△:白濁あり,×:析出物あり
5)の製造 攪拌装置及び滴下漏斗が付属した耐圧反応容器にシクロ
ヘキサン500重量部およびsec−ブチルリチウム1
1重量部を仕込み、30℃に昇温して、重量比65/3
5の割合でイソプレン/ブタジエンの混合モノマー28
0重量部を連続的に仕込み8時間重合を行った。その後
反応系を水素で置換し、ケイソウ土担持ニッケル触媒を
25重量部加えて15kg/cm2 の水素圧を保ちなが
ら、150℃で10時間反応させた。反応生成物をシク
ロヘキサンで希釈し、触媒を濾過し、次いで濾液を減圧
下で濃縮乾燥して重合体水素化物(A−1)を得た。こ
の重合体水素化物の数平均分子量はGPC分析より23
000であり、結晶化開始温度はDSC分析より14.
5℃であった。同様にして、重合体水素化物(A−2〜
5)を、表1に示すイソプレン/ブタジエンの混合モノ
マーの重量比で製造した。得られた重合体水素化物(A
−2〜5)の数平均分子量及び結晶化開始温度を同表に
示す。
の製造 攪拌装置及び滴下漏斗が付属した耐圧反応容器にシクロ
ヘキサン500重量部およびsec−ブチルリチウム1
1重量部を仕込み、50℃にて、ブタジエンモノマー2
80重量部を連続的に仕込み8時間重合を行った。その
後反応系を水素で置換し、ケイソウ土担持ニッケル触媒
を25重量部加えて15kg/cm2 の水素圧を保ちな
がら、150℃で10時間反応させた。反応生成物をシ
クロヘキサンで希釈し、触媒を濾過し、次いで濾液を減
圧下で濃縮乾燥して重合体水素化物(B−1)を得た。
この重合体水素化物の数平均分子量はGPC分析より2
5000であり、結晶化開始温度はDSC分析より8
4.5℃であった。
の製造 攪拌装置及び滴下漏斗が付属した耐圧反応容器にシクロ
ヘキサン500重量部およびsec−ブチルリチウム1
1重量部を仕込み、50℃にて、スチレンモノマー30
重量部、及び重量比50/50の割合でイソプレン/ブ
タジエンの混合モノマー140重量部を連続的に仕込み
8時間重合を行った。その後反応系を水素で置換し、ケ
イソウ土担持ニッケル触媒を25重量部加えて15kg
/cm2の水素圧を保ちながら、150℃で10時間反
応させた。反応生成物をシクロヘキサンで希釈し、触媒
を濾過し、次いで濾液を減圧下で濃縮乾燥して重合体水
素化物(B−2)を得た。この重合体水素化物の数平均
分子量はGPC分析より25000であり、結晶化開始
温度はDSC分析より49.8℃であった。
ポリオキシアルキレングリコール誘導体とからなる燃料
油用流動性向上剤を、表4記載の軽油X,Y及びA重油
Zに添加し、目詰まり点、流動点及び修正目詰まり点を
測定した。各重合体水素化物及びポリオキシアルキレン
グリコール誘導体の添加量及び評価結果を表5〜7に示
す。
く、重質留分を比較的多く含む軽油Xに本発明の重合体
水素化物を添加することにより、ポリアルキレングリコ
ール誘導体の目詰まり点改善効果を阻害することなく、
目詰まり点及び流動点ともに良好である。特に結晶化開
始温度が0〜50℃の範囲をもつ重合体水素化物を添加
すると、目詰まり点及び流動点ともにバランスよく下げ
ている。
い軽油Yでは、重量比が80/20〜5/95のイソプ
レン/ブタジエンより得られた重合体水素化物を添加す
ることにより、良好な低温特性値を示し、さらに結晶化
開始温度が0〜50℃の重合体水素化物、又は結晶化開
始温度が0〜50℃の範囲をもつ重合体水素化物とポリ
アルキレングリコール誘導体とを組み合わせたものを添
加することにより、目詰まり点及び流動点が一段と低下
する。
ついても、重量比が80/20〜5/95のイソプレン
/ブタジエンより得られた重合体水素化物を添加するこ
とにより、良好な低温特性値を示し、結晶化開始温度が
0〜50℃の重合体水素化物、又は結晶化開始温度が0
〜50℃の範囲をもつ重合体水素化物とポリアルキレン
グリコール誘導体とを組み合わせたものを添加すること
により、修正目詰まり点が改善している。また、本発明
の燃料油用流動性向上剤は、いずれの燃料油に対しても
溶解性が優れていることが確認される。
ンのみからなるもの(B−1)、イソプレン/ブタジエ
ン以外の成分を含有するもの(B−2)、及び表3に記
載した市販の流動性向上剤を用いて実施例と同様の評価
を行った。それらの結果を表5〜7に示す。表5〜7の
比較例1〜12に示したように、全ての比較例において
目詰まり点及び流動点ともにバランスよく下げると共に
溶解性も優れるという例はなかった。
定 2)90%留出温度と20%留出温度との差を求めて燃
料油の蒸留範囲の目安とした 3)JIS K−2541に準拠して測定 4)燃料油に含まれるn−パラフィンの1℃当たりの低
温下における析出率は下記の方法により測定した。試料
油40gをメスフラスコに入れ活栓をし、グラスフィル
ター(3G−1)を備えた吸引瓶を設置したコントロー
ラー付き冷却バスに浸す。室温から冷却速度1℃/hr
で所定温度まで徐冷した後、冷却バス内で同温度に冷却
した窒素ガスでシールする。次いで、10mmHgの減
圧度でグラスフィルター内に敷いたろ紙により吸引濾過
を行い、析出n−パラフィンを濾別する。同温度に冷却
したアセトンで充分に洗浄した後、減圧乾燥してn−パ
ラフィン析出量を秤量し、試料油に対する重量百分率を
求める。曇り点以下数点においてこの作業を繰り返し、
1℃当たりのn−パラフィン析出率を最小二乗法により
直線近似して算出し、n−パラフィン析出率(重量%/
℃)とする。 5)JIS K−2205に準拠して測定
や重質油の低温特性、すなわち目詰まり点及び流動点を
バランスよく低下させ、しかも軽油や重質油に対する溶
解性が優れている。また、界面活性剤型添加剤と組み合
わせて使用した場合においても目詰まり点を下げる効果
を損なうことがない。この燃料油用流動性向上剤が添加
された本発明の燃料油組成物は、目詰まり点及び流動点
がバランスよく低い値となり、低温特性が優れたものと
なる。
Claims (6)
- 【請求項1】 ブタジエンとイソプレンからなる重合体
を水素化してなる重合体水素化物を主成分とし、該重合
体におけるイソプレンに由来する単位/ブタジエンに由
来する単位の重量比が80/20〜5/95であること
を特徴とする燃料油用流動性向上剤。 - 【請求項2】 前記重合体水素化物の結晶化開始温度が
0℃〜50℃であることを特徴とする請求項1に記載の
燃料油用流動性向上剤。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の重合体水素化物
と、ポリオキシアルキレングリコール部及び鎖状アルキ
ル部を有するポリオキシアルキレングリコール誘導体と
を重量比1/99〜99/1で含有することを特徴とす
る燃料油用流動性向上剤。 - 【請求項4】 軽油に請求項1〜3のいずれかに記載の
燃料油用流動性向上剤を1〜10000ppm添加して
なることを特徴とする燃料油組成物。 - 【請求項5】 前記軽油の硫黄分含有量が0.2重量%
以下であることを特徴とする請求項4に記載の燃料油組
成物。 - 【請求項6】 残留炭素分を含む重質燃料油に請求項1
〜3のいずれかに記載の燃料油用流動性向上剤を1〜1
0000ppm添加してなることを特徴とする燃料油組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11179300A JP2001003068A (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11179300A JP2001003068A (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001003068A true JP2001003068A (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=16063426
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11179300A Pending JP2001003068A (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 燃料油用流動性向上剤及び燃料油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001003068A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007091982A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Sanyo Chem Ind Ltd | 脂肪酸組成物および燃料油組成物 |
-
1999
- 1999-06-25 JP JP11179300A patent/JP2001003068A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007091982A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Sanyo Chem Ind Ltd | 脂肪酸組成物および燃料油組成物 |
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