JP2001002335A - エレベーター装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレベーター装置の待機電力を低減する。 【解決手段】 商用電源１を電力源として電動機５を駆
動するための電源を生成する電力変換器２，３，４と、
この電力変換器の電力変換を制御する制御装置１０と、
この制御装置を含むエレベーターに備えられる他のエレ
ベーター機器への電源供給を制御する制御電源回路１１
とを備えたエレベーター装置において、エレベーターの
待機中は前記電力源から前記電力変換器および前記制御
電源回路への電力供給を遮断し、エレベーターを動作す
べき指令があった場合にはその指令に連動してそれらに
電力を供給するリレー回路手段１２を備えることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エレベーター装置
に係わり、特に、待機電力の低減を図ったエレベーター
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のエレベーター装置として、交流電
源を直流電圧に変換するコンバータの直流側に平滑コン
デンサを接続し、このコンバータと平滑コンデンサとの
間に抵抗器を並列接続した電磁接触器を設け、さらに、
平滑コンデンサの出力側に平滑コンデンサの直流電圧を
可変周波数、可変電圧に変換するインバータを設け、コ
ンバータの交流側にはエレベーターの制御電源を得るエ
レベーター制御電源回路を接続して、前記インバータで
電動機を駆動するものが知られている。

【０００３】このような装置では、かごが停止し所定時
間経過後も呼びがない場合には、コンバータの直流側に
接続した電磁接触器を遮断して待機電力の低減を図って
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術では、かごが停止し所定時間経過後も呼びがない場合
に、コンバータの直流側に接続した電磁接触器を遮断す
るようにしているが、電磁接触器と並列接続された抵抗
器を介して回路が閉路し、常時平滑コンデンサに放電電
圧を補う電流が流れ、エレベーターの待機中も電力を消
費してしまうという問題がある。また、エレベーター制
御電源回路にも電流が流れるためエレベーターの待機中
に電力を消費してしまう。

【０００５】本発明の目的は、上記の種々の問題点に鑑
みて、エレベーター装置の待機中は電力の消費を極力低
減し、呼び等があった場合には即座に応答してエレベー
ターを可動状態に復帰させるエレベーター装置を提供す
ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、商用電源を電力源として電動機を駆動
するための電源を生成する電力変換器と、この電力変換
器の電力変換を制御する制御装置と、この制御装置を含
むエレベーターに備えられる他のエレベーター機器への
電源供給を制御する制御電源回路とを備えたエレベータ
ー装置において、エレベーターの待機中は前記電力源か
ら前記電力変換器および前記制御電源回路への電力供給
を遮断し、エレベーターを動作すべき指令があった場合
にはその指令に連動してそれらに電力を供給するリレー
回路手段を備えることを特徴とする。

【０００７】また、請求項１に記載のエレベーター装置
において、前記指令は、ホールとかごの少なくとも一方
の呼びであることを特徴とする。

【０００８】また、請求項１に記載のエレベーター装置
において、前記指令は、遠隔操作手段からの呼びである
ことを特徴とする。

【０００９】また、請求項１に記載のエレベーター装置
において、前記指令は、タイマーによって設定された所
定時刻における呼びであることを特徴とする。

【００１０】また、請求項１に記載のエレベーター装置
において、前記指令は、呼び釦に隣接して設置されたス
イッチ手段の投入によるものであることを特徴とする。

【００１１】また、請求項１ないしは請求項５のいずれ
か１つの請求項に記載のエレベーター装置において、前
記他のエレベーター機器は、ドア制御装置、ブレーキ制
御装置、塔内機器制御装置、インジ・ブザー制御装置、
照明制御装置のうちの少なくとも一つであることを特徴
とする。

【００１２】また、請求項１ないしは請求項６のいずれ
か１つの請求項に記載のエレベーター装置において、前
記リレー回路手段は、前記電力源と前記電力変換器およ
び前記制御電源回路間に接続された電磁接触器と、前記
指令によって前記電磁接触器を接触させる励磁回路から
構成されていることを特徴とする。

【００１３】また、請求項１ないしは請求項７のいずれ
か１つの請求項に記載のエレベーター装置において、前
記リレー回路手段は、エレベーターが停止してから所定
時間経過後に前記待機状態と判定し、前記電力源から前
記電力変換器および前記制御電源回路への電力供給を遮
断することを特徴とする。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図１および
図２を用いて説明する。

【００１５】図１は、本実施形態に係るエレベーター装
置の全体構成を示す図である。

【００１６】同図において、１は商用電源、２はコンバ
ータ、３は平滑コンデンサ、４はインバータ、５は電動
機、８はかご、９はおもり、６２はシーブ、６３はブレ
ーキ制御装置、６４はロープ、８１はドア制御装置、１
０はインバータ制御装置、１１はエレベーター制御電源
回路、１２はリレー回路、１２Ｘはリレー回路１２の電
磁接触器、１２Ｙは電磁接触器１２Ｘの励磁回路、１３
ａはホール呼び釦、１３ｂはかご内呼び釦、１４は遠隔
操作手段、１５はタイマー、１６はホール呼び釦に隣接
して設置したスイッチである。

【００１７】このエレベーター装置において、電動機５
は商用電源１を電源としてコンバータ２とインバータ４
で構成する電力変換器及びインバータ制御装置１０によ
って制御され、かご８を駆動する。また、エレベーター
制御電源回路１１は商用電源１を電源として、エレベー
ターを運転するために必要な、ブレーキ制御装置６３、
ドア制御装置８１、インバータ制御装置１０や図示して
いない塔内機器制御装置、インジ・ブザー制御装置の電
源を作成する。さらに、リレー回路１２は電磁接触器１
２Ｘをコンバータおよびエレベーター制御電源回路１１
の商用電源側に接続し、この電磁接触器１２Ｘの開閉に
よって商用電源１の電力を電力変換器およびエレベータ
ー制御電源回路１１へ給電または遮断する。また、リレ
ー回路１２は電磁接触器１１の励磁回路１２Ｙを備え、
励磁回路１２Ｙにはホール呼び釦１３ａと、かご内呼び
釦１３ｂと、遠隔操作手段１４と、タイマー１５と、ホ
ール呼び釦に隣接して設置したスイッチ１６のうち少な
くとも一つの接点と、インバータ装置１０のマイコンで
制御される接点Ａと、商用電源１からの電源Ｐ、Ｎが接
続される。

【００１８】図２は、図１に示す励磁回路１２Ｙの詳細
な構成を示す図である。

【００１９】同図において、電源Ｐ、Ｎ間には、タイマ
ーＴｘとこのタイマーＴｘを起動する接点Ａの直列回路
と、上述したホール呼び釦１３ａなどの接点と電磁接触
器１２Ｘの自己ホールド接点１２Ｘａを並列接続し、こ
の並列接続回路とタイマーＴｘのＢ接点Ｔｘｂと電磁接
触器１２Ｘのコイルの直列回路を接続する。

【００２０】次に、このエレベーター装置の動作を図１
および図２を用いて説明する。

【００２１】まず、エレベーターの待機中にホール呼び
釦１３ａが押されると、電磁接触器１２Ｘが励磁され閉
路し接点１２Ｘａで自己ホールドするとともに、商用電
源１の電力を電力変換器及びエレベーター制御電源回路
１１へ給電し、エレベーターを駆動する。次に、エレベ
ーターが停止するとインバータ装置１０のマイコンで接
点Ａを閉路し、タイマーＴｘを起動して所定の時間例え
ば３分経過後に接点Ｔｘｂを開路し電磁接触器１２Ｘの
コイル励磁を切り商用電源１から電力変換器およびエレ
ベーター制御電源回路１１への給電を完全に遮断するこ
とができる。この時、励磁回路１２Ｙも、図２に示すご
とく、電源Ｐと電源Ｎ間が電気的に遮断されるので、
エレベーター装置における電力消費をほぼ完全に止める
ことができる。

【００２２】上記のごとく、本実施形態によれば、リレ
ー回路を励磁回路１２Ｙと電磁接触器１２Ｘからなるリ
レー回路で構成したので、エレベーター装置における待
機電力をほぼ完全に止めることができ、また呼びに連動
して即座にエレベーターを利用可能状態にすることがで
きる。

【００２３】なお、呼びを作成する他の方法としてかご
内呼び釦１３ｂの場合は、かご８がドア開状態の待機中
やかご内に乗客が取り残された時にも呼びに連動して即
座にエレベーターを利用することができる。

【００２４】また、遠隔操作手段１４は、エレベーター
を遠隔診断等のために動作させたいときに、遠隔操作手
段１４からの呼びに連動してエレベーターを運転させる
ことができる。

【００２５】また、タイマー１５は、例えば、朝の所定
の時刻になると呼びを発生させエレベーターを運転させ
ることができる。

【００２６】また、ホール呼び釦に隣接して設置したス
イッチ１６は、このスイッチ１６の入り切りによって待
機電力状態にするか否かを設定することができる。

【００２７】なお、エレベーター待機中でも、インバー
タ制御装置１０のマイコンの情報が消失しない範囲でマ
イコンに電力源から電力を供給するようにしてもよい。

【００２８】

【発明の効果】本発明によれば、エレベーターの待機中
は電力源から電力変換器および制御電源回路への電力供
給を遮断し、エレベーターを動作すべき指令があった場
合にはその指令に連動してそれらに電力を供給するリレ
ー回路手段を設けたので、待機中は電力源から電力変換
器および制御電源回路への電力供給をほぼ完全に遮断す
ることができ、また、呼び等に応答して即座にエレベー
タ装置を可動可能状態にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るエレベーター装置の
全体構成を示す図である。

【図２】図１に示す励磁回路１２Ｙの詳細な構成を示す
図である。

【符号の説明】

１ 商用電源 ２ コンバータ ３ 平滑コンデンサ ４ インバータ ５ 電動機 ８ かご ８１ ドア制御装置 １０ インバータ制御装置 １１ エレベーター制御電源回路 １２ リレー回路 １２Ｘ 電磁接触器 １２Ｙ 励磁回路 １３ａ ホール呼び釦 １３ｂ かご内呼び釦 １４ 遠隔操作手段 １５ タイマー １６ ホール呼び釦に隣接して設置したスイッチ ６３ ブレーキ制御装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保苅 定夫 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 長瀬 博 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 大沼 直人 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 梶山 俊貴 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 厚沢 輝佳 東京都千代田区神田錦町１丁目６番地 株 式会社日立ビルシステム内 Ｆターム(参考） 3F002 CA08 FA01 FA02 GA03 GA04 GA07

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商用電源を電力源として電動機を駆動す
   るための電源を生成する電力変換器と、この電力変換器
   の電力変換を制御する制御装置と、この制御装置を含む
   エレベーターに備えられる他のエレベーター機器への電
   源供給を制御する制御電源回路とを備えたエレベーター
   装置において、 エレベーターの待機中は前記電力源から前記電力変換器
   および前記制御電源回路への電力供給を遮断し、エレベ
   ーターを動作すべき指令があった場合にはその指令に連
   動してそれらに電力を供給するリレー回路手段を備える
   ことを特徴とするエレベーター装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記指令は、ホール
   とかごの少なくとも一方の呼びであることを特徴とする
   エレベーター装置。
3. 【請求項３】 請求項１において、 前記指令は、遠隔操作手段からの呼びであることを特徴
   とするエレベーター装置。
4. 【請求項４】 請求項１において、 前記指令は、タイマーによって設定された所定時刻にお
   ける呼びであることを特徴とするエレベーター装置。
5. 【請求項５】 請求項１において、 前記指令は、呼び釦に隣接して設置されたスイッチ手段
   の投入によるものであることを特徴とするエレベーター
   装置。
6. 【請求項６】 請求項１ないしは請求項５のいずれか１
   つの請求項において、前記他のエレベーター機器は、ド
   ア制御装置、ブレーキ制御装置、塔内機器制御装置、イ
   ンジ・ブザー制御装置、照明制御装置のうちの少なくと
   も一つであることを特徴とするエレベーター装置。
7. 【請求項７】 請求項１ないしは請求項６のいずれか１
   つの請求項において、 前記リレー回路手段は、前記電力源と前記電力変換器お
   よび前記制御電源回路間に接続された電磁接触器と、前
   記指令によって前記電磁接触器を接触させる励磁回路か
   ら構成されていることを特徴とするエレベーター装置。
8. 【請求項８】 請求項１ないしは請求項７のいずれか１
   つの請求項において、 前記リレー回路手段は、エレベーターが停止してから所
   定時間経過後に前記待機状態と判定し、前記電力源から
   前記電力変換器および前記制御電源回路への電力供給を
   遮断することを特徴とするエレベーター装置。