JP2000513297A - 自動車の車輪用ホイールハブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 軸受シート（５、６）を有する軸受部（１）と、リム取付けフランジ（２）と、ブレーキディスク（２０）用のキャリア部（３）とを備えた自動車の車輪用ホイールハブ。軸受部とキャリア部は、環状間隙（１５）を間に形成するように互いに連結してある。環状溝は、取付けフランジのルート部（１１）で開口する溝（２２）と連通している。

Description

【発明の詳細な説明】 自動車の車輸用ホイールハブ 本発明は、内部に円筒型開口部を有する軸受部を備えており、その中には軸受 手段用のシートが配置されており、さらに、ブレーキディスクを非回転式に取り 付けるための手段を有し、ハブの一端で開口している環状の間隙が軸受部の外側 円筒型表面とキャリア部の内側円筒型表面との聞に形成されるように軸受部に連 結されているキャリア部を備えた自動車の車輪用ホイールハブに関する。 最重量級トラックのディスクブレーキの場合、最大制動トルクが２００００Ｎ ｍ近くあると、ブレーキディスクの温度が極端に上昇する。ディスクからハブを 介して内部の熱膨張を起こしてはならない構成要素、例えばハブ軸受手段などへ の熱伝達をできるだけ制限することは、非常に重要なことである。 ＳＥ−Ａ−４６９ ６８７は、周知のように、冒頭部分で説明した型のホイー ルハブを開示しており、そこでは、軸方向の熱伝達通路を作成し、それにより、 通路を実質的にブレーキディスクから軸受までの金属材料を通って延在させるこ とによって、熱伝達通路が完全に半径方向であるソリッドハブに比べると、環状 間隙が半径方向内側に位置する構成要素への熱の伝達を制限するように構成され ている。 本発明の目的は、そのような周知のホイールハブをさらに改善し、ブレーキデ ィスクから、ホイールハブの軸受シートがついた軸受部への熱の伝達をさらに減 じることにある。 これは、本発明により、環状間隙を前記軸受シートの半径方向外側の表面で溝 の開口部と連通させることにより、達成することができる。 上記の周知の設計では、環状間隙は、ハブの一端に向かってのみ開口しており 、すなわち、環状間隙内の空気の交換は非常に限 られているということを意味する。制動中は、環状間隙内の空気は加熱され、従 って、間隙の中の空気からハブ部の軸受シートへの半径方向の熱伝達は、たとえ 熱伝達が金属材料を介して半径方向に起きた場合よりも実質的には少なくても、 ある程度避けられない。本発明により、環状間隙と連通し、周囲の空気に向かっ て開いた溝を配置することにより、入口から出口までの自由な空気の通り道がで き、環状間隙内の空気の交換が非常に盛んになり、それによって、ハブの軸受部 の冷却が改善される。 本発明によるハブの好ましい実施形態では、軸受部の外側は、リムボルト用の 貫通穴を有し、ルート部が徐々に広がり、軸受部の外側側面へと徐々につながる 断面を有する環状取付けフランジと一体構造になっている。環状間隙と連通する 溝は、このルート部を通って延在し、外に向かって開口している。 この溝を取付けフランジの広がったルート部に配置することにより、溝の流通 領域が、その溝がハブの軸受部の円筒型の部分のような、より厚みの小さい部分 を通って半径方向外側に真っ直ぐ向かっている場合より大きくなる。 本発明について、添付の図面に基づいて後に詳しく説明するが、図面は、本発 明によるホイールハブの一つの実施形態を長手方向に切った際の断面を表してい る。 このハブは、単体として鋳造してあり、円筒型軸受部１、円盤型リム取付けフ ランジ２、およびブレーキディスク用円筒型支持部３の、三つの主要な部分から 構成されている。軸受部１は、内部の円筒型貫通開口部４を有しており、その中 に、一対の円錐転がり軸受７および８それぞれに対するシート５および６がそれ ぞれ配設されている。取付けフランジ２は、リムボルト１０用に均等に配分され た外周穴９を有しており、断面が軸受部まで徐々に広がる遷移型ルート部１１を 有している。この例で示すハブは、一点鎖線で示した二重リム用のハブである。 全体を３で表した支持部は、第１の円筒型部１２を有しており、軸受部１の隣 接する部分１４の外径より大きい内径を有する円筒 型開口部１３を有する。支持部は、支持部３の内側表面３ａと軸受部１の外側表 面１ａとの間に環状間隙を形成する部分１４と重なり合っている。支持部３の円 筒型部１２は、一端が取付けフランジ２のルート部１１となり、もう一端が先で は円筒型部１７となる円錐部１６となり、その外側の側面には、ブレーキディス ク２０上の内歯スプラインと係合するスプラインが設けられている。 環状間隙１５は、ブレーキディスク２０に面する端部に環状の開口部２１を有 している。その反対側の端部では、環状間隙１５が、取付けフランジ２のルート 部１１を通って延在し、ルート部の表面に開口部２３を有する溝２２と連通して いる。例えば、環状間隙１５は外周に均等に間隔をあけた五本の溝２２と連通し ていてもよく、その回転寸法は、半径方向の寸法より僅かに大きい。 そのようにしてあるため、環状間隙で非常に効率の良い空気の交換が行なわれ 、それによって、冒頭部分で説明した周知の設計に比べると、軸受シートへの熱 伝達をかなり減らすことができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．内部に円筒型の開口部（４）を有し、その中に軸受手段用のシート（５、６ ）を配置した軸受部（１）と、ブレーキディスク（２０）を非回転式に取付ける ための手段を有し、軸受部の外側の円筒型表面（１ａ）とキャリア部上の内部の 円筒型表面（３ａ）との間にハブの一端に開口する環状間隙（１５）を形成する ように軸受部（１）に連結したキャリア部（３）とを備えた自動車の車輪用ホイ ールハブ。 ２．軸受部（１）が、その外部にリムボルト用の外周に間隔をあけて位置する穴 （９）を有する環状取付けフランジ（２）と連結され、溝（２２）が取付けフラ ンジ（２）上の表面に開口していることを特徴とする、請求項１に記載のホイー ルハブ。 ３．取付けフランジ（２）が軸受部（１）と一体構造であることを特徴とする、 請求項１または２に記載のホイールハブ。 ４．取付けフランジ（２）が、断面が漸進的に広がり、徐々に軸受部の外部の側 面につながるルート部（１１）を有し、溝（２２）がそのルート部を通って延在 していることを特徴とする、請求項３に記載のホイールハブ。 ５．非回転式にブレーキディスク（２０）を取り付けるための支持部（３）の手 段が、環状間隙（１５）の軸方向外側に位置する外部スプラインから形成されて いることを特徴とする、請求項１乃至４のいずれか一項に記載のホイールハブ。