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JP2000506397A - テイルレス核ホルモン受容体(tlx受容体) - Google Patents

テイルレス核ホルモン受容体(tlx受容体)

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JP2000506397A
JP2000506397A JP10528551A JP52855198A JP2000506397A JP 2000506397 A JP2000506397 A JP 2000506397A JP 10528551 A JP10528551 A JP 10528551A JP 52855198 A JP52855198 A JP 52855198A JP 2000506397 A JP2000506397 A JP 2000506397A
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nuclear hormone
hormone receptor
polypeptide
tailless nuclear
tailless
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JP10528551A
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ビーリー,リー・ジェイムズ
ジェンキンズ,オーウェン
モサコースカ,ダヌタ・エワ・イレーナ
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スミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッド・カンパニー
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 テイルレス核ホルモンポリペプチドおよびポリヌクレオチド、ならびに組み換え法によるかかるポリペプチドの製造方法を開示する。治療および診断アッセイにおけるこれらのポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用方法も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 テイルレス核ホルモン受容体(TLX受容体) 発明の分野 本発明は、新たに同定されたポリヌクレオチド、それによりコードされるポリ ペプチド、ならびにかかるポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用、ならび にそれらの製造に関する。より詳細には、本発明ポリヌクレオチドおよびポリペ プチドは核ホルモン受容体に関連している(以下、テイルレス核ホルモン受容体( tailless nudear hormone receptor)(TLX)という)。また本発明は、かかる ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの作用の阻害または活性化にも関する。 発明の背景 核ホルモン受容体は、すべての脊椎動物および無脊椎動物に見られる蛋白の大 規模ファミリーであり、それらの機能は遺伝子転写を転調させることである(Par ker(1993)Curr.Op.Cell.Biol.5:499-504,Laudet et al,(1992)EMBO J.11:1003-1 013,Mangelsdorf et al,1995 Cell83:835-839,Loprs de Silva amd Burbach(199 5)Trends Neurosci.18:542-548に概説されている)。それらは、DNA結合ドメ インおよびリガンド結合ドメインを含む類似のドメイン構造を有している。構造 関連性に基づけば、これらの受容体はステロイドホルモン受容体、甲状腺ホルモ ン受容体およびレチノイン酸受容体のごときサブファミリーに分類されうるが、 既知リガンドを有しない多くの受容体の大規模でさらに増えつつあるファミリー も存在し、それらは孤児受容体(orphan receptors)と呼ばれる。DNA結合ド メインは、化学シグナルおよび/またはシグナルトランスダクション経路に応答 して特異的標的遺伝子のシス作用性エレメントと相互作用しうる。ステロイドホ ルモン受容体のごとき古典的受容体の場合、エストラジオール、テストステロン 、プロゲステロンのごとき内分泌系からのシグナルは、ホルモンとこれらの蛋白 のリガンド結合ドメインとの直接相互作用により細胞応答へとトラ ンスダクションされうる。これらの受容体のいくつかについての他の天然リガン ドが同定されており、それらは全−トランスレチノイン酸、1,25−ジヒドロ キシビタミンD3、3,5,3’−1−トリヨードチロニンおよび15−デオキ シ−Δ12,14−プロスタグランジンJ2を包含する(Mangelsdorf et al,1995Cell 83:835-839)。 テイルレスとしても知られるTLX(Monaghan et al,1995,Development,121: 839-853,Pignoni et al,1990,Cell,62:151-163)は、ショウジョウバエ(Pignoni et al,1990)、マウス(Tu et al,1994,Nature 370:375-379,Monaghan et al,199 5)、アフリカツメガエル(Holleman et al,1996,GenBank受託番号U67886)およ びニワトリ(Yu et al,1994)において見いだされている。TLXは発達中のシ ョウジョウバエ胚の末端(Pignoni et al,1990)および発達中のニワトリおよび マウスの前脳(Yu et al,1994,Monaghan et al,1995)において発現される。テ イルレス機能の喪失はすべての原脳神経芽細胞の不存在を招く(Younossi-Harten stein et al,1997,Developmental Biology 182:270-283)。テイルレス遺伝子の ノックアウトマウスが公表されており(Monaghan et al,1997,Nature 390:515-51 7)、マウスは欠損辺縁系を有し、過度に興奮しやすく、攻撃的な表現型を有する ことが示されている。ホモ接合変異マウスは誕生時には生育可能であるが、嗅覚 皮質、下嗅覚皮質および内嗅覚皮質を含む嗅脳および辺縁構造、扁桃および歯状 回のサイズが小さい。TLX/テイルレス機能の修飾は、鬱病、不安症、攻撃性 疾患、卒中、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ニューロパシ ー性の痛み、CNS炎症性疾患および他の神経変性疾患を包含するCNSの疾病 (これらに限らない)、ならびに目の欠陥およびCNS発達に関する問題を変化さ せうる。 最近、しかも本発明の優先日後、Jacksonら(Royal Free Hospital,London) は、ヒトTLX遺伝子配列を公表した(GenBank受託番号Y13276)。 治療において役割を果たしうるさらなる受容体の同定および特徴づけに対する 必要性が存在し続けている。 発明の概要 1の態様において、本発明は、テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドなら びにその製造のための組み換え物質および方法に関する。本発明のもう1つの態 様は、テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用 方法に関する。かかる使用は、とりわけ鬱病、不安症、攻撃性疾患、卒中、多発 性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ニューロパシー性の痛み、CN S炎症性疾患および他の神経変性疾患のごときCNSの疾病中枢神経系の疾病、 目の欠陥およびCNS発達に関する問題の治療を包含する。さらにもう1つの態 様において、本発明は、本発明により提供される材料を用いるアンタゴニストお よびアゴニストの同定方法、ならびに同定された化合物を用いるテイルレス核ホ ルモン受容体のバランス不良関連症状の治療方法に関する。さらにもう1つの態 様は、不適当なテイルレス核ホルモン受容体活性またはレベルに関連した疾病の 検出のための診断アッセイに関する。 図面の簡単な説明 図1はヒトテイルレス核ホルモン受容体のヌクレオチド配列配列番号:1およ び推定アミノ酸配列配列番号:2を示す。 発明の説明定義 下記定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするため のものである。 「テイルレス核ホルモン受容体」は、一般的には、配列番号:2に示すアミノ 酸配列を有するポリペプチド、またはその対立遺伝子変種をいう。 「受容体活性」または「受容体の生物学的活性」は、該テイルレス核ホルモン 受容体の代謝的または生理学的機能をいい、類似の活性または改善された活性ま たは望ましくない副作用を減じられたこれらの活性を包含する。該テイルレス核 ホルモン受容体の抗原性および免疫原性の活性も含まれる。 「テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチド」は、テイルレス核ホルモン受容 体配列に対して十分に類似したアミノ酸配列を有するポリペプチド、好ましくは 少なくとも1つの当該受容体活性を示すポリペプチドをいう。 「テイルレス核ホルモン受容体遺伝子」は、配列番号:1に示すヌクレオチド 配列を有するポリヌクレオチドまたはその対立遺伝子変種および/またはそれら の相補物をいう。 「テイルレス核ホルモン受容体ポリヌクレオチド」は、テイルレス核ホルモン 受容体ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードするヌクレオチド配列、あ るいは配列番号:2のポリペプチドまたはその対応フラグメントをコードしてい るヌクレオチド配列に対して少なくとも92%の同一性を有するヌクレオチド配 列、あるいは配列番号:1に含まれるヌクレオチド配列に対して十分な同一性を 有していて増幅に使用可能な条件またはプローブもしくはマーカーとして使用可 能な条件でハイブリダイゼーションするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチ ドをいう。 本明細書の用語「抗体」は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体、キメ ラ、1本鎖、ならびにヒト化抗体、さらにはFabフラグメントを包含し、 Fabまたは他の免疫グロブリン発現ライブラリーの生成物も包含する。 「単離」とは、「人間の手により」天然の状態から変化させられた、すなわち 、それが天然に存在する場合、元来の環境から変化させるもしくは取り除く、ま たはその両方を行ったことを意味する。例えばポリヌクレオチドまたはポリペプ チドが、天然の状態で生物中に存在する場合は、「単離」されていないが、同一 のポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、天然に共存する物質から分離されて いる場合は、本明細書に用いる用語である、「単離」がなされている。 「ポリヌクレオチド」とは、一般的には、修飾されていないRNAもしくはD NA、または修飾されたRNAもしくはDNAであってよい、任意のポリリボヌ クレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドを意味する。「ポリヌクレオチ ド」は、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物または一 本鎖、二本鎖および三本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖RN A、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖もしくはよ り典型的には二本鎖もしくは三本鎖、または一本鎖および二本鎖領域の混合物で あってもよいDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子を意味するが、これ らに限定するものではない。さらに、「ポリヌクレオチド」は、RNAもしくは DNA、またはRNAとDNAの両方を含む三本鎖領域を意味する。安定性また はその他の理由で修飾した骨格を有するDNAまたはRNAは、本明細書の用語 「ポリヌクレオチド」に含まれる。イノシン等の通常的でない塩基、またはトリ チル化塩基等は「修飾」された塩基に含まれる。種々の修飾がDNAおよびRN Aについて行われているので、「ポリヌクレオチド」は、典型的に、天然におい て見いだされるようなポリヌクレオチドのかかる化学的、酵素的または代謝的に 修飾された形態、ならびにウイルスおよび細胞に特徴的なDNAおよびRNAの 化学的形態を包含する。また、「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレ オチドと称される短いポリヌクレオチドを包含する。 「ポリペプチド」は、ペプチド結合または修飾したペプチド結合により互いに 結合している2個またはそれ以上のアミノ酸を含むペプチドまたは蛋白を意味す る。「ポリペプチド」は、通常、例えばペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴ マーとも称される短鎖のもの、および一般的に蛋白と称される長鎖のものの両方 を意味する。ポリペプチドは遺伝子によりコードされた20種のアミノ酸とは異 なるアミノ酸を含有していてもよい。「ポリペプチド」には、プロセッシングお よびその他の翻訳後修飾のような天然プロセスにより修飾されたものが含まれる が、当業者に周知の化学修飾技術によっても修飾される。かかる修飾は基礎的な 参考書およびさらに詳細な論文ならびに多数の研究文献にも詳しく記載されてお り、これらは当業者に周知である。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖および アミノまたはカルボキシル末端等のポリペプチドの任意の部位で起こりうる。同 一の型の修飾は該ポリペプチドの幾つかの部位で、同一または異なる程度で存在 し得ることが理解されよう。また、ポリペプチドは多くの型の修飾をも含み得る 。ポリペプチドは、ユビキチネーションの結果として分枝状となったものであっ てもよく、ポリペプチドは分枝ありまたはなしの環状のものであってもよい。環 状、分枝状;および環状かつ分枝状ポリペプチドは、翻訳後の天然プロセスによ り生じるものであってもよく、また、合成的方法により作られるものであっても よい。修飾には、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラ ビンの 共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有 結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合 、交差架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、交差架橋共有結合形成 、シスチン形成、ピログルタメート形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化 、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリスト イル化、酸化、蛋白加水分解プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化 、グリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル 化、水酸化およびADPリボシル化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化のご ときトランスファーRNA媒介の蛋白へのアミノ酸の添加、ならびにユビキチネ ーションなどがある。例えばProteins-Structure and Molecular Properties、 第2版、T.E.Creighton、W.H.Freeman and Company、ニューヨーク(1993)およ びPosttranslational Covalent Modification of Proteins、B.C.Johnson編、ア カデミックプレス、ニューヨーク(1983)のWold,F.,Post-translational Prote in Modifications:Perspective and Prospects、1〜12頁;Seifterら、Meth.En zymol.182:626-646(1990)およびRattanら、Protein Synthesis:Posttranslat ional Modifications and Aging,Ann.N.YAcad.Sci.663:48-62(1992)を参照さ れたい。 本明細書で用いる「変種」なる用語は、対照ポリヌクレオチドまたはポリペプ チドとは各々異なるポリヌクレオチドまたはポリペプチドであるが、本質的な特 性は保持している。典型的なポリヌクレオチドの変種は、別の対照ポリヌクレオ チドとはヌクレオチド配列が異なる。変種のヌクレオチド配列の変化は、対照ポ リヌクレオチドによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させるも のであってもよく、変化させないものであってもよい。以下に論じるように、ヌ クレオチドの変化は結果的に、対照配列によりコードされるポリペプチドにおけ るアミノ酸置換、付加、欠損、融合および末端切断を招く。典型的なポリペプチ ドの変種は、別の対照ポリペプチドとはアミノ酸配列が異なる。一般的には、差 異は、対照ポリペプチドおよび変種の配列が、全体的に非常に類似しており、多 くの領域で同一なものに限られる。変種および対照ポリペプチドは、1またはそ れ以上の置換、付加、欠損が任意の組み合わせで起こることにより、アミノ酸配 列が変化し得る。置換または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝学的コードにより コードされたものであってもなくてもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチ ドの変種は、例えば対立遺伝子変種のような自然発生的なものでもよく、または 自然発生することが知られていない変種でよい。ポリヌクレオチドおよびポリペ プチドの非自然発生変種は、突然変異技術または直接的合成により製造できる。 「同一性」とは、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の同一性の尺度である 。一般的には、最大の合致が得られるように配列が並置される。「同一性」なる 用語自体は当該分野において認識された意味を有し、公表された方法を用いて計 算できる。例えば、Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.編、オックス フォード・ユニバーシティー・プレス、ニューヨーク、1988年;Biocomputing: Informatics and Genome Projects,Smith,D.W編、アカデミック・プレス、ニュ ーヨーク、1993年;Computer Analysis of Sequence Data,パートI,Griffin, A.M.およびGriffin,H.G.編、ヒューマン・プレス、ニュージャージー、1994年; Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinie,G.、アカデミック・プレ ス、1987年;Sequence Analysis Primer,Gribskov,M.およびDevereux,J.編、M ストックトン・プレス、ニューヨーク、1991年参照。2つのポリヌクレオチドま たはポリペプチド配列間の同一性を測定するための多くの方法があるが、用語「 同一性」は当業者によく知られている。(Carillo,H.およびLipman,D.,SIAM J.Ap phied Math.,48:1073(1988))。2つの配列間の同一性または類似性を決定するた めに通常用いられる方法には、Guide to Huge Computers,Martin J.Bishop,ed., Academic Press,San Diego,1994およびCarillo,H.およびLipman,D.,SIAM J.Apph ed Math.,48:1073(1988)に記載された方法があるが、これらに限らない。同一 性および類似性を決定する方法は、公に入手できるコンピュータープログラムに 集成されている。二つの配列間の同一性および類似性を測定する好ましいコンピ ュータープログラム法には、GCSプログラムパッケージ(Devereux,J.ら、Nuc leic Acids Research 12(1):387(1984)、BLASTPN、BLASTN、およびFASTA (Atschul,S.F.ら、J.Molec.Biol(1990) 215:403))があるが、これらに限定す るものではない。 本発明は、新規テイルレス核ホルモン受容体のポリペプチドおよびポリヌクレ オチドに関し、それらはアミノ酸配列同一性によりマウス孤児核受容体テイルレ スに関連している。本発明は、特に、図1(配列番号:1および2)に示すヌク レオチドおよびアミノ酸配列を有するテイルレス核ホルモン受容体に関する。 本発明のポリペプチド テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドは、配列番号:2のポリペプチド( 詳細には成熟ポリペプチド);ならびに配列番号:2のポリペプチドまたはその 重要部分に対して少なくとも99%の同一性を有するテイルレス核ホルモン受容 体ポリペプチドを包含する。 テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドは「成熟」蛋白の形態であってもよ く、あるいは融合蛋白のごとき大型の蛋白の一部であってもよい。分泌またはリ ーダー配列、プロ配列、複数のヒスチジン残基のごとき精製を促進する配列、ま たは組み換え生産を行っている間の安定性のためのさらなる配列を含むさらなる アミノ酸配列を含んでいることがしばしば有利である。 生物学的活性のあるテイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドのフラグメント も本発明に包含される。フラグメントは、前述のテイルレス核ホルモン受容体ポ リペプチドのアミノ酸配列のすべてではなく一部に対して全く同一であるアミノ 酸配列を有するポリペプチドである。テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチド では、フラグメントは「独立して存在するもの(free standing)」であるか、あ るいはより大きなポリペプチド内に含まれていてもよく、その中でフラグメント は一部分もしくは領域を形成している。最も好ましくは、単一の連続した領域と して、より大きなポリペプチドに含まれる。本発明ポリペプチドフラグメントの 典型例は、例えば、テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドのアミノ酸番号約 1〜20、21〜40、41〜60、61〜80、81〜100および101か ら末端までからなるフラグメントを包含する。この意味において、「約」とは、 片方の端または両端において、示された数よりも数個、5個、4個、3個、2個 または1個多いかまたは少ない範囲を含む。 好ましいフラグメントは、例えば、アミノ末端を含む一連の残基が欠失、また はカルボキシ末端を含む一連の残基が欠失、あるいは一方がアミノ末端でもう一 方がカルボキシ末端を含む2種の一連の残基が欠失していること以外はテイルレ ス核ホルモン受容体ポリペプチドのアミノ酸配列を有する末端切断ポリペプチド を包含する。また、構造的または機能的属性により特徴づけられるフラグメント 、例えばアルファーヘリックスおよびアルファーヘリックス形成領域、ベータシ ートおよびベータシート形成領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよび コイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、アルファー両親媒性領域、ベータ両 親媒性領域、可変領域、表面形成領域、基質結合領域、および高抗原性指標領域 を含むフラグメントなども好ましい。受容体活性を媒介する、生物学的に活性な 領域も好ましく、類似の活性もしくは改善された活性のある、または望ましくな い活性を減じたフラグメント等がある。動物、とりわけヒトにおいて抗原的また は免疫原的なフラグメントも含まれる。 よって、本発明ポリペプチドは、配列番号:2のアミノ酸配列に対して少なく とも99%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたは配列番号:2の 対応フラグメントに対して少なくとも99%の同一性を有するそのフラグメント を包含する。好ましくは、これらのポリペプチドのすべては、抗原的活性を包含 する受容体の生物学的活性を保持している。上記配列およびフラグメントの変種 もこのグループに含まれる。好ましい変種は、保存的アミノ酸置換により変化し たものであり、すなわち、同様の特徴を有するアミノ酸により置換されているも のである。典型的なかかる置換は、Ala、Val、LeuおよびIle間: SerおよびThr間;AspおよびGlu間;AsnおよびGln間;ならび に塩基性残基LysおよびArg間;あるいは芳香族残基PheおよびTyr間 におけるものである。数個、5ないし10個、1ないし5個、または1ないし2 個のアミノ酸がいずれかの組み合わせで置換、欠失または付加されている変種が 特に好ましい。 いずれの適当な方法でも本発明テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドを製 造することができる。かかるポリペプチドは、単離された天然ポリペプチド、組 み換え法によるポリペプチド、合成法によるポリペプチド、またはこれらの方法 の組み合わせによるポリペプチドを包含する。かかるポリペプチドの製造手段は 当該分野においてよく理解されている。 本発明のポリヌクレオチド 本発明のもう1つの態様は、テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドをコー ドしている単離ポリヌクレオチドおよびそれに密接に関連したポリヌクレオチド に関する。 ヒトテイルレス核受容体ホルモン受容体をコードするcDNAの配列決定結果 により示されるように、本発明テイルレス核ホルモン受容体は、核ホルモン受容 体の他の蛋白に構造的に関連している。そのcDNA配列は、385個のアミノ 酸(推定分子量42.6kDa)をコードする1つの読み枠を含んでいる。図1 (配列番号:2)のテイルレス核ホルモン受容体は、マウステイルレス核ホルモ ン受容体(Monaghan et al,Development,121:839-853,1995)に対して385個 のアミノ酸残基において約98%の同一性(BLASTを用いた場合)を有する。図 1(配列番号:1)のテイルレス核ホルモン受容体遺伝子は、マウステイルレス 核ホルモン受容体(Monaghan et al,Development,121:839-853,1995)に対して 1158個のヌクレオチド残基において約91%の同一性(BLAST)を有する。 本発明テイルレス核ホルモン受容体は、コーディング配列中の1つの位置、す なわち位置268においてJacksonらの配列(GenBank受託番号Y13276)と異な り、この位置においてCではなくTを有する。これが翻訳されるとアミノ酸配列 の90番目がヒスチジンでなくチロシンとなる。この相違は多型性変異またはエ ラー、例えば配列を得るための遺伝子クローニングにおけるPCRエラーにより 生じうる。カエル、マウス、ニワトリのごとき他の種由来のTLXはJacksonの 配列と同じ位置にCを有する。 ヒト・扁桃細胞中のmRNA由来のcDNAライブラリーから、発現配列タグ (EST)分析(Adams,M.D.,et al.Science(1991)252:1651-1656;Adams,M.D.et al.,Nature(1992)355:632-634;Adams,M.D.,et al.,Nature(1995)377 Supp:3-17 4)を用いて、テイルレス核ホルモン受容体をコードしている本発明の1のポリ ヌクレオチドを得てもよい。ゲノムDNAライブラリーのごとき天然起源から本 発明ポリヌクレオチドを得ることもでき、あるいはよく知られ市販されている手 段方法を用いて合成することもできる。 テイクレス核ホルモン受容体ポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列 は、その全長にわたり図1(配列番号:1)に示すコーディング配列と同一であ ってもよく、あるいは配列番号:2のポリペプチドをコードしているこのヌクレ オチド配列の縮重形態であってもよく、あるいは配列番号:2のポリペプチドを コードしているヌクレオチド配列に対して非常に同一性のあるものであってもよ い。好ましくは、本発明ポリヌクレオチドは、テイルレス核ホルモン受容体ポリ ペプチドをコードしているヌクレオチド配列に対して少なくとも92%同一、好 ましくは少なくとも95%同一、より好ましくは少なくとも97%同一、最も好 ましくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含み、あるいは図1( 配列番号:1)に示すコーディングヌクレオチド配列に対して少なくとも92% 同一、好ましくは少なくとも95%同一、より好ましくは少なくとも97%同一 、最も好ましくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含み、あるい は配列番号:2のポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列に対して少な くとも92%同一、好ましくは少なくとも95%同一、より好ましくは少なくと も97%同一であるヌクレオチド配列を含む。 本発明ポリヌクレオチドをテイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドの組み換 え生産に用いる場合、ポリヌクレオチドはそれ自体、成熟ポリペプチドまたはそ のフラグメントのコーディング配列を含むものであってもよく;あるいは他のコ ーディング配列を伴った読み枠中の成熟ポリペプチドまたはフラグメントのコー ディング配列を含むものであってもよい。他のコーディング配列としては、例え ば、リーダーまたは分泌配列、プレ、プロ、プレプロ蛋白配列をコードする コーディング配列、または他の融合ペプチド部分が挙げられる。例えば、融合ポ リペプチドの精製を促すマーカー配列をコードしていてもよい。本発明のこの態 様の1の好ましい具体例において、マーカー配列は、pQEベクター(Qiagen,I nc.)に提供されるようなヘキサーヒスチジンペプチド(Gentzら、Proc.Natl.Ac ad.Sci.,USA,86:821-824(1989)に記載される)またはHAタグ(Wilsonら、Ce ll,37:767(1984))である。本発明のポリヌクレオチドはまた、構造遺伝子およ び遺伝子発現を調節する天然の配列をも含むが、これらに限定するものではない 。ポリヌクレオチドは、例えば、転写された非翻訳配列、終止シグナル、リボソ ーム結合部位、mRNAを安定化する配列のごとき非コーディング5'および3' 配列を含有していてもよい。 図1(配列番号:2)に示すアミノ酸配列を有するテイルレス核ホルモン受容 体またはその変種をコードしているポリヌクレオチドは本発明の特に好ましい具 体例である。 さらに好ましい具体例は、表2(配列番号:2)のテイルレス核ホルモン受容 体ポリペプチドのアミノ酸配列を含むテイルレス核ホルモン受容体変種をコード しているポリヌクレオチドであり、数個、5ないし10個、1ないし5個、1な いし3個、1ないし2個または1個のアミノ酸残基がいずれかの組み合わせで置 換、欠失または付加されているものである。 本発明のさらに好ましい具体例は、図1(配列番号:2)に示すアミノ酸配列 を有するテイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドをコードしているポリヌクレ オチドに対して全長にわてり少なくとも92%同一であるポリヌクレオチド、お よびかかるポリヌクレオチドに相捕的なポリヌクレオチドである。寄託クローン のヒトcDNAのテイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドをコードしているポ リヌクレオチドに対して全長にわたり少なくとも92%同一である領域を含むポ リヌクレオチドおよびそれに相捕的なポリヌクレオチドが最も好ましい。この点 において、少なくとも97%同一のポリヌクレオチドが非常に好ましく、少なく とも98〜99%同一のものがさらに非常に好ましく、少なくとも99%同一の ものが最も好ましい。 さらに本発明は、上記配列にハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドに 関する。この点において、本発明は、厳密な条件下で上記ポリヌクレオチドにハ イブリダイゼーションするポリヌクレオチドに特別に関する。本明細書の用語「 厳密な条件」は、配列間に少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%の同 一性がある場合にハイブリダイゼーションが起こることを意味する。 配列番号:1に含まれるヌクレオチド配列またはそのフラグメントに対して十 分に同一である本発明ポリヌクレオチドをcDNAおよびゲノムDNA用のハイ ブリダイゼーションプローブとして用いて全長のcDNAおよびテイルレス核ホ ルモン受容体をコードしているゲノムクローンを単離し、あるいはテイルレス核 ホルモン受容体遺伝子に対して高い類似性を有する配列を有する他の遺伝子の cDNAおよびゲノムクローンを単離してもよい。かかるハイブリダイゼーショ ン法は当業者に知られている。典型的には、これらのヌクレオチド配列は、対照 に対して70%、好ましくは80%、より好ましくは90%の同一性を有する。 一般的には、プローブは少なくとも15個のヌクレオチドを含む。好ましくは、 かかるプローブは少なくとも30個のヌクレオチドを有し、少なくとも50個の ヌクレオチドを有していてもよい。特に好ましいプローブは30ないし50個の 範囲のヌクレオチドを含む。 本発明ポリヌクレオチドおよびポリペプチドを、動物およびヒトの疾病の研究 試薬ならびに治療および診断のための材料として用いてもよい。 ベクター、宿主細胞、発現 本発明はまた、ポリヌクレオチドまたは本発明のポリヌクレオチドを含むベク ター、本発明のベクターで遺伝子操作する宿主細胞および組換え技法による本発 明のポリペプチドの製造にも関する。本発明のDNA構築物に由来するRNAを 用いる、かかる蛋白の製造に無細胞翻訳系を用いてもよい。 組換え体を製造するために、宿主細胞を遺伝子操作して、発現系もしくはそれ らの一部、または本発明のポリヌクレオチドを組み込むことができる。ポリヌク レオチドの宿主細胞への導入は、例えば、Davisら、Basic Methods in Molecular Biology(1986);Sambrookら、Molecular Cloning;A Laboratory Man ual、第2版;コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コー ルド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(1989)のように、多くの標準的な 実験マニュアルに記載される方法により行うことができ、例えばリン酸カルシウ ムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、 トランスベクション、マイクロインジェクション、陽イオン脂質媒介トランスフ ェクション、エレクトロポレーション、トランスダクション、スクレイプ負荷(s crape loading)、バリスティック導入(ballistic introduction)および感染等 がある。 適当な宿主の代表的なものには、細菌細胞、例えば連鎖球菌属(Streptococci) 、ブドウ球菌属(Staphylococi)、大腸菌(E.coli)、ストレプトミセスおよび枯草 菌(Bacillus subtiis)細胞;真菌細胞例えば酵母細胞およびアスペルギルス属 (Aspergillus)細胞;昆虫細胞例えばショウジョウバエS2(DrosophilaS2) およびスポドプテラSf9(Spodoptera Sf9)細胞;動物細胞例えばCHO、C OS、HeLa、C127、3T3、BHK、293およびボウズ(Bows)黒色 腫細胞;ならびに植物細胞等がある。 非常に多くの発現系を使用できる。かかる系は、染色体、エピソームおよびウ イルス由来のベクター、例えば細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由来、 トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入エレメント由来、酵母染色体エ レメント由来、例えばバキュロウイルス、パポバウイルス、例えばSV40、ワ クシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよび レトロウイルス等のウイルス由来のベクター、ならびにそれらを組み合わせた物 に由来するベクター、例えばプラスミドおよびバクテリオファージ遺伝学的エレ メント由来のベクター、例えばコスミドおよびファージミドを包含する。発現系 は、発現を制御ならびに発生させる制御領域を含有していてもよい。一般的には 、宿主中でポリヌクレオチドを保持、伸長または発現してポリペプチドを発現す るのに適した系またはベクターを用いてもよい。例えばSambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual(上述)に記載されているような周知のおよび 常套的な種々の技術により、適当なDNA配列を発現系に挿入できる。 翻訳蛋白を、小胞体内腔、ペリプラスミックスペースまたは細胞外環境へ分泌 させるために、適当な分泌シグナルを所望ポリペプチド中に含ませてもよい。こ れらのシグナルはポリペプチドに本来的なものであってもく、あるいは異種性の シグナルでもよい。 テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドをスクリーニングアッセイのために 発現させる場合、一般的には、細胞表面にポリペプチドを生成させるのが好まし い。この場合、スクリーニングアッセイに使用する前に細胞を集めてもよい。テ イルレス核ホルモン受容体ポリペプチドを培地中でスクリーニングする場合、培 地を回収してポリペプチドを回収し精製することができる。細胞内に生成される 場合、まず細胞を溶解し、次いで、ポリペプチドを回収しなければならない。 テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドは周知の方法により、組換え細胞培 養物から回収および精製でき、その方法には例えば硫酸アンモニウムまたはエタ ノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホ セルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性ク ロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチン クロマトグラフィー等がある。高速液体クロマトグラフィーを精製に用いるのが 最も好ましい。ポリペプチドが単離および/または精製中に変性した場合、再び 活性な立体配座にするために、蛋白再生のための周知の技法を用いることができ る。 診断アッセイ 本発明はまた診断試薬としての本発明テイルレス核ホルモン受容体ポリヌクレ オチドの使用にも関する。機能不全に関連している変異形態のテイルレス核ホル モン受容体遺伝子の検出は、テイルレス核ホルモン受容体の発現低下、過剰発現 または変化した発現から生じる疾病またはかかる疾病に対する感受性の診断をす るための手段を提供するであろう。テイルレス核ホルモン受容体遺伝子中の変異 を有する個体を、種々の方法によりDNAレベルで検出できる。 診断用の核酸は、対象の細胞、例えば骨、血液、尿、唾液、組織生検または剖 検材料から得てもよい。ゲノムDNAは検出に直接使用できるか、または分析の 前にPCRもしくはその他の増幅法を用いることにより酵素的に増幅できる。 RNAまたはcDNAも同様の方法で用いることができる。正常な遺伝子型と比 較した場合の増幅生成物のサイズの変化により、欠失および挿入を検出すること ができる。点突然変異は、増幅DNAを標識テイルレス核ホルモン受容体ポリヌ クレオチド配列にハイブリダイズさせることにより同定できる。好ましくは、完 全に対合した配列は、RNアーゼ消化または融解温度の差により、誤対合二重ら せんから区別できる。DNA配列の差はまた、変性剤含有または不含のゲル中の DNAフラグメントの電気泳動の可動性の変化を検出することにより、または直 接的なDNAの配列決定により検出できる。例えばMeyers et.al.Science,230:1 242(1985)参照。特異的な位置での配列の変化はまた、ヌクレアーゼ保護アッ セイ例えばRNアーゼおよびS1保護または化学的切断法によっても明らかにす ることができる。例えばCotton et al.Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,85:4397-4401 (1985)参照。 診断アッセイは、本明細書記載の方法によりテイルレス核ホルモン受容体遺伝 子の変異を検出することにより、鬱病、不安症、攻撃性疾患、卒中、多発性硬化 症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ニューロパシー性の痛み、CNS炎症 性疾患および他の神経変性疾患のごときCNSの疾病中枢神経系の疾病、目の欠 陥およびCNS発達に関する問題に対する感受性の診断または決定方法を提供す る。 さらに、対象由来の試料の異常に上昇または低下したテイルレス核ホルモン受 容体ポリペプチドもしくはテイルレス核ホルモン受容体mRNAレベルを調べる ことを含む方法によって、鬱病、不安症、攻撃性疾患、卒中、多発性硬化症、ア ルツハイマー病、パーキンソン病、ニューロパシー性の痛み、CNS炎症性疾患 および他の神経変性疾患のごときCNSの疾病中枢神経系の疾病、目の欠陥およ びCNS発達に関する問題を診断することができる。減少または増加した発現は 、ポリヌクレオチドの定量法として当該分野で周知の方法の任意の方法、例え ばPCR、RT−PCR、RNアーゼ保護、ノーザンブロッティングおよびその 他のハイブリダイゼーション法を用いて測定できる。宿主由来の試料中の蛋白レ ベル、例えばテイルレス核ホルモン受容体のレベルを決定するために用いること ができるアッセイ法は、当業者に周知である。このようなアッセイ法には、ラジ オイムノアッセイ、競争結合アッセイ、ウェスタンブロット分析およびELIS Aアッセイ等がある。 染色体アッセイ 本発明ヌクレオチド配列は染色体の同定にも価値がある。本発明配列は、個々 のヒト・染色体上の特定の位置を標的とし、これにハイブリダイゼーションしう る。本発明による重要な部分の染色体へのマッピングは、それらの配列を遺伝子 関連疾病と関連づける重要な第1工程である。配列を正確な染色体位置にマッピ ングしたならば、染色体上の配列の物理的位置を遺伝学的地図のデータと関連づ けることができる。かかるデータは、例えば、V.McKusick,Mendelian Inheritan ce in Man(Johns Hopkins University Weich Medical Libraryからオンライン で利用できる)に見いだされる。次いで、連関(物理的に近接した遺伝子の同時 遺伝)の分析により、同じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾病との関係 を同定する。 罹病個体と未罹病個体との間のcDNAまたはゲノム配列の相違も調べること ができる。罹病個体のいくつかまたは全部において変異が観察されるが正常個体 においては観察されない場合、その変異は疾病の原因である可能性がある。 遺伝子が6q21に局在しており、CNSの疾病に関連したトランスロケーシ ョンにマッピングされる領域にあることが、染色体局在化により示された。この 局在化はJacksonらにより確証された(上記文献参照)。 抗体 本発明のポリペプチドもしくはそれらの変種、またはそれらを発現する細胞は 、テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドに対して免疫特異的な抗体を産生す る 免疫原として用いることができる。本明細書で用いる「免疫特異的」とは、抗体 が、先行技術における他の関連ポリペプチドに対してよりも、本発明ポリペプチ ドに対して実質的に大きいアフィニティーを有することを意味する。 本発明のポリペプチドに対して生じる抗体は、ポリペプチドまたはエピトープ が付いたフラグメント、アナログまたは細胞を、好ましくはヒトはでない動物に 、通常の実験法を用いて投与することにより得ることができる。連続的細胞系培 養により産生される抗体を提供する、当業者周知の技術を用いて、モノクローナ ル抗体を調製することができる。例としては、Kohler,G.and Milstein,C.,Natur e,256:495-497(1975);Kozbor et al.Immunology Today,4:72(1983);Col e et al.Monodonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R Liss,Inc.,77-96頁 (1985)に記載されるような種々の技法がある。 一本鎖抗体の産生のために記載された技術(米国特許第4946778号)は 、本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生するのに適用できる。また、 トランスジェニックマウスまたはその他の生物、例えばその他の哺乳動物を用い て、ヒト化抗体等の抗体を発現させてもよい。 上記抗体を用いて、ポリペプチドを発現するクローンを単離または同定しても よく、あるいはアフィニティークロマトグラフィーによりポリペプチドを精製し てもよい。 テイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドに対する抗体を用いて、とりわけ、 鬱病、不安症、攻撃性疾患、卒中、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキン ソン病、ニューロパシー性の痛み、CNS炎症性疾患および他の神経変性疾患の ごときCNSの疾病中枢神経系の疾病、目の欠陥およびCNS発達に関する問題 を治療してもよい。 ワクチン 本発明の別の態様は、哺乳動物における免疫学的反応を誘導する方法に関し、 該方法は、抗体および/またはT細胞免疫応答を生じさせるに十分なテイルレス 核ホルモン受容体またはそれらのフラグメントを哺乳動物に接種して、とりわけ 、 鬱病、不安症、攻撃性疾患、卒中、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキン ソン病、ニューロパシー性の痛み、CNS炎症性疾患および他の神経変性疾患の ごときCNSの疾病中枢神経系の疾病、目の欠陥およびCNS発達に関する問題 から該動物を防御することを特徴とする。本発明のもう1つの態様は、哺乳動物 における免疫学的応答を誘導する方法に関し、該方法は、テイルレス核ホルモン 受容体ポリペプチドをインビボで発現させるベクターを介してテイルレス核ホル モン受容体ポリペプチドを送達し、かかる免疫学的応答を誘導して該動物を疾患 から防御する抗体を生させることを特徴とする。 本発明のさらなる態様は免疫学的/ワクチン処方(組成物)に関するものであ り、それは、哺乳動物宿主中に導入された場合、テイルレス核ホルモン受容体ポ リペプチドに対する哺乳動物の免疫学的応答を誘導する。該組成物はテイルレス 核ホルモン受容体ポリペプチドまたはテイルレス核ホルモン受容体遺伝子を含ん でなる。ワクチン処方は、さらに適当な担体を含んでいてもよい。テイルレス核 ホルモン受容体ポリペプチドは胃で分解される可能性があるので、好ましくは非 経口投与する(皮下、筋肉内、静脈、皮内等への注射を包含)。非経口投与に適し た処方は、抗酸化剤、バッファー、静細菌剤および処方を受容者の血液と等張に する溶質を含んでいてもよい水性または非水性滅菌注射用溶液;ならびに懸濁剤 または増粘剤を含んでいてもよい水性または非水性滅菌懸濁液を包含する。処方 を1回量または複数回量として容器に入れて提供してもよく、例えば、密封アン プルおよびバイアルに入れて提供してもよく、また使用直前に滅菌液体担体の添 加のみを必要とする凍結乾燥状態として保存してもよい。またワクチン処方は、 水中油系および当該分野で知られた他の系のごとき処方の免疫原性を高めるため のアジュバント系を含んでいてもよい。用量は、個々のワクチンの活性に左右さ れ、通常の実験により容易に決定することができる。 スクリーニングアッセイ 本発明受容体ポリペプチドに結合してこれを活性化(アゴニスト)または阻害 (アンタゴニスト)する化合物のスクリーニングプロセスにおいて本発明テイル レス核ホルモン受容体を用いてもよい。よって、本発明ポリペプチドを用いて、 小型分子基質とリガンドとの結合を、例えば細胞、無細胞調製物、化学ライブラ リーおよび天然産物混合物において評価してもよい。これらの基質およびリガン ドは天然の基質およびリガンドであってもよく、あるいは構造または機能を模倣 したものであつてもよい。Cohgan et al.,Current Protocols in Immunology 1( 2):Chapter5(1991)参照。 テイルレス核ホルモン受容体蛋白は咄乳動物宿主に広く存在し、多くの生物学 的機能に関与しており、多くの病気にもかかわっている。したがって、テイルレ ス核ホルモン受容体を刺激する化合物および薬剤、あるいはまたテイルレス核ホ ルモン受容体を阻害しうる化合物または薬剤を見いだすことが望まれる。一般的 には、鬱病、不安症、攻撃性疾患、卒中、多発性硬化症、アルツハイマー病、パ ーキンソン病、ニューロパシー性の痛み、CNS炎症性疾患および他の神経変性 疾患のごときCNSの疾病中枢神経系の疾病、目の欠陥およびCNS発達に関す る問題のごとき状態を治療または予防するためにアゴニストが用いられる。鬱病 、不安症、攻撃性疾患、卒中、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン 病、ニューロパシー性の痛み、CNS炎症性疾患および他の神経変性疾患のごと きCNSの疾病中枢神経系の疾病、目の欠陥およびCNS発達に関する問題のご とき状態の種々の治療または予防のためにアンタゴニストを用いてもよい。 一般的には、かかるスクリーニング手順は、細胞表面に本発明受容体ポリペプ チドを発現する適当な細胞を製造することを含む。かかる細胞は、哺乳動物由来 の細胞、酵母、ショウジョウバエ(Drosophila)または大腸菌(E.coh)を包含 する。次いで、受容体発現細胞(または発現された受容体を含む細胞膜)を試験 化合物と接触させて、結合または機能的応答の刺激もしくは阻害を観察する。 アッセイの一例は、本発明テイルレス核ホルモン受容体のリガンド結合ドメイ ンおよび別の蛋白のDNA結合ドメインを含むキメラ受容体をリポーター遺伝子 アッセイにおいて用いるものであってもよい。これはシス−トランスアッセイの 形態となるであろう。かかるキメラ受容体の一例は、配列番号:2のアミノ酸残 基104から385までまたは83から385までに対応するポリペプチドを含 む。リガンド結合ドメインをイー・コリ(E.coh)GST−融合蛋白として直接 発現させることによりアッセイを構築してもよい。これをリガンド結合アッセイ または蛍光捕捉アッセイとして用いてもよい。 そのアッセイは候補化合物の結合を試験するだけでよく、候補化合物に直接的 または間接的に結合した標識を用いることにより、あるいは標識競争物質との競 争を用いるアッセイにおいて、受容体を有する細胞への付着を検出する。さらに 、これらのアッセイにおいて、受容体を表面に有する細胞に適する検出系を用い て、候補化合物が受容体活性化により発生するシグナルを生じるかどうかを試験 してもよい。一般的には、既知アゴニスト存在下において活性化阻害剤をアッセ イし、アゴニストによる活性化に対する候補化合物の存在の影響を観察する。 潜在的なテイルレス核ホルモン受容体アンタゴニストの例は、抗体、あるいは いくつかの場合にはオリゴヌクレオチドまたはテイルレス核ホルモン受容体のリ ガンドに密接に関連した蛋白(例えば、リガンドのフラグメント、または受容体 に結合するが応答を誘発せず、その結果受容体活性を妨害する小型分子)を包含 する。 予防および治療方法 本発明は、過剰または不十分な量のテイルレス核ホルモン受容体活性に関連す る異常な状態の治療方法を提供する。 テイルレス核ホルモン受容体活性が過剰な場合、いくつかの方法を用いること ができる。1の方法は、有効量の上記阻害剤化合物(アンタゴニスト)を医薬上 許容される担体とともに対象に投与して、テイルレス核ホルモン受容体へのリガ ンドの結合をブロックすることあるいは第2のシグナルを阻害することにより活 性化を阻害し、そのことにより異常な状態を改善することを特徴とする。 もう1つのアプローチにおいて、内在性テイルレス核ホルモン受容体と競争し てリガンドに結合する能力をやはり有している可溶性形態のテイルレス核ホルモ ン受容体ポリペプチドを投与してもよい。かかる競争物質の典型的な具体例はテ イルレス核ホルモン受容体ポリペプチドのフラグメントを含む。 さらにもう1つの方法において、発現ブロック法を用いて内在性テイルレス核 ホルモン受容体をコードしている遺伝子の発現を阻害してもよい。知られている かかる方法には、細胞内で生成した、あるいは別個に投与されたアンチセンス配 列を用いる。例えば、Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gen e Expression,CRC Press,Boca Raton,FL(1988)中、OWConnor,J.Neurochem (1991)56:560を参照のこと。別法として、遺伝子とともに三重らせんを形成する オリゴヌクレオチドを提供してもよい。例えば、Lee et al.,Nucleic Acids Res (1979)6:3073;Cooney et al.,Science(1988)241:456;Dervan et al.,Science (1991)251:1360参照。これらのオリゴマーはそれ自体投与することができ、ある いは関連オリゴマーをインビボで発現させることもできる。 ティルレス核ホルモン受容体およびその活性の発現不足に関連する異常な症状 の治療には、いくつかの方法が用いられる。1の方法は、テイルレス核ホルモン 受容体を活性化する治療上有効量の化合物(すなわち上記アゴニスト)を医薬上 許容される担体とともに投与し、そのことにより異常な状態を改善することを特 徴とする。別法として、遺伝子治療を用いて、対象中の細胞によるテイルレス核 ホルモン受容体の細胞内での生成を有効ならしめてもよい。例えば、上記のごと く本発明ポリヌクレオチドを処理加工して複製欠損レトロウイルスベクターに入 れて発現するようにしてもよい。次いで、レトロウイルス発現構築物を単離し、 本発明ポリペプチドをコードしているRNAを含むレトロウイルスプラスミドベ クターでトランスダクションしたパッケージング細胞中に導入して、今度はパッ ケージング細胞が目的遺伝子を含む感染性ウイルス粒子を生成するようにしても よい。これらのプロデューサー細胞を対象に投与して細胞をインビボで処理加工 して、インビボでポリペプチドを発現するようにしてもよい。遺伝子治療の概説 としては、Human Molecular Genetics,T.Strachan and A.P.Read,BIOS Scientif -ic Publishers Ltd(1986)中、第20章、Gene Therapy and other Molecular G enetic-based Therapeutic Approaches(およびその中の引用文献)参照。もう 1つのアプローチは、適当な医薬担体と混合して治療量のテイルレス核ホルモン 受容体ポリペプチドを投与することである。 処方および投与 可溶性形態のテイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドのごときペプチド、な らびにアゴニストおよびアンタゴニストペプチドまたは小型分子を、適当な医薬 担体と組み合わせて処方してもよい。かかる処方は、治療上有効量のポリペプチ ドまたは化合物、および医薬上許容される担体または賦形剤を含んでなる。かか る担体としては、セイライン、緩衝化セイライン、デキストロース、水、グリセ ロール、エタノール、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない 。処方は投与経路に適したものとすべきであり、当業者によく知られている。さ らに本発明は、上記本発明成分の1種またはそれ以上を充填した、1個またはそ れ以上の容器を含んでなる医薬パックおよびキットにも関する。 本発明ポリペプチドおよび他の化合物を単独で使用してもよく、あるいは治療 化合物のごとき他の化合物と一緒に使用してもよい。 医薬組成物の全身投与の好ましい形態は、注射、典型的には静脈注射を包含す る。皮下、筋肉内または腹腔内のごとき他の注射経路を用いることもできる。全 身投与のための別の手段は、胆汁酸塩またはフシジン酸または他の界面活性剤の ごとき浸透剤を用いる経粘膜または経皮投与を包含する。さらに、腸溶処方また はカプセル処方がうまく処方されるならば、経口投与も可能である。これらの化 合物の投与は局所的なものであってもよく、膏薬、パスタ、ゲル等の形態であっ てもよい。 必要な用量範囲は、ペプチド、投与経路、処方の性質、対象の症状の性質、お よび担当医師の判断による。しかしながら、適当な用量は対象の体重1kgあた り0.1ないし100μgの範囲である。しかしながら、種々の使用化合物およ び種々の投与経路のさまざまな有効性を考慮すれば、必要な用量は広範囲なもの と思われる。例えば、経口投与には静脈注射よりも多い用量が必要であると考え られる。当該分野においてよく知られた最適化のための標準的な常套的実験を用 いてこれらの用量の変更を行うことができる。 しばしば「遺伝子治療」と称される上記治療方法において、治療に使用するポ リペプチドを対象中において得ることもできる。よって、例えば、レトロウイル スプラスミドベクターを用いることにより、ポリペプチドをコードしているDN AまたはRNAのごときポリヌクレオチドを用いて対象由来の細胞をエクスビボ で処理加工してもよい。次いで、細胞を対象に導入する。 特記しないかぎり、当業者によく知られた標準的方法を用いて下記実施例を行 う。実施例は本発明を例示説明するものであり、本発明を限定するものではない 。 実施例1 イー・コリ宿主株SOLR(Stratagene)中のHGSクローン243890を HGSから得て、250mlのLuriaブロス中で増幅した。塩化セシウム遠心分離 によりファージミドDNAを精製し、蛍光色素ターミネーターサイクル配列決定 を用いるABI Prism 377 DNAシークエンサーにより配列決定した。最初にpBlu escript II SK+ファージミドベクター(Stratagene)中のT7およびT3プロ モーターに相捕的なプライマー、次いで、得られた配列に相捕的な内部プライマ ーを用いて両鎖からヌクレオチド配列を得た。 HGSクローン243890から失われているテイルレス核ホルモン受容体遺 伝子の5’末端を、製造者の説明に従って下記の合成オリゴヌクレオチドプライ マーを用いてヒト脳Marathon-ReadyTMcDNAライブラリー(Clontech)の全体から PCR増幅し、次いで、pCRScriptTMSK(+)(Stratagene)中にクローン化した。 5’GGCAGCTGATTCACACACCGACTCC3’ 5’GTGGCCACTTCATAGAGATACATTGGG3’ 実施例2−組織分配 RT−PCRおよびTaqmanシステム(Perkin Elmer/Applied Biosystems)を 用いて、CNSおよび末梢組織におけるヒトのテイルレス核ホルモン受容体(T LX)の組織分配を調べた。脳の8つの異なる領域および14の末梢組織からR NAを得た。ヒトTLX配列特異的プライマーをRT−PCR用に設計し、第2 のプライマーセットをTaqman用に設計した。RT−PCRは、TLXが 大動脈、心臓、膵臓、骨格筋、精巣、前立腺、肺、腎臓、骨髄、肝臓および脂肪 組織には存在しないが、TLXが扁桃、尾形、海馬、視床、黒質、小脳、視床下 部、前頭皮質および脊髄に存在することを示した。Taqmanのデータは、TLXが 膵臓、肺、肝臓、脾臓および腸には存在しないが、TLXが扁桃、海馬、小脳、 側座核、線条、果核、海馬傍回、内側前回に存在することを示した。TLXは、 胃において、脳の領域よりも約2オーダー低いレベルで存在していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61K 39/395 N C07K 14/705 C07K 14/705 16/28 16/28 C12N 1/21 C12N 1/21 C12Q 1/02 C12Q 1/02 G01N 33/15 G01N 33/15 Z 33/50 33/50 T P 33/566 33/566 33/68 33/68 //(C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 ジェンキンズ,オーウェン イギリス、シーエム19・5エイダブリュ ー、エセックス、ハーロウ、サード・アベ ニュー、ニュー・フロンティアーズ・サイ エンス・パーク・サウス、スミスクライ ン・ビーチャム・ファーマシューティカル ズ (72)発明者 モサコースカ,ダヌタ・エワ・イレーナ イギリス、シーエム19・5エイダブリュ ー、エセックス、ハーロウ、サード・アベ ニュー、ニュー・フロンティアーズ・サイ エンス・パーク・サウス、スミスクライ ン・ビーチャム・ファーマシューティカル ズ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:2またはその対応フラグメントのポリペプチドをコードしてい るヌクレオチド配列に対して少なくとも92%同一であるヌクレオチド配列を含 む単離ポリヌクレオチド、または該ヌクレオチド配列に相捕的なヌクレオチド配 列。 2.配列番号:2のポリペプチドまたはそのフラグメントをコードしているヌ クレオチド配列をコードしている請求項1のポリヌクレオチド。 3.配列番号:1に含まれるヌクレオチド配列に対して少なくとも92%同一 であるヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド。 4.ヌクレオチド配列が配列番号:1に含まれるものである請求項3のポリヌ クレオチド。 5.請求項3のポリヌクレオチドの少なくとも15個の連続したヌクレオチド を含むポリヌクレオチドプローブまたはプライマー。 6.適合する宿主細胞中に存在する場合に、配列番号:2のポリペプチドまた はそのフラグメントのポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列に対して 少なくとも92%の同一性を有するテイルレス核ホルモン受容体またはそのフラ グメントを生成する能力のある発現系を含むDNAまたはRNA分子。 7.請求項6の発現系で宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションして 、適当な培養条件下で宿主細胞がテイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドまた はフラグメントを生成するようにすることを含む、テイルレス核ホルモン受容体 ポリペプチドまたはそのフラグメントを生成する細胞の製造方法。 8.配列番号:2に含まれるアミノ酸配列に対して少なくとも99%同一であ るアミノ酸配列を含むテイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドまたはそのフラ グメント。 9.配列番号:2のアミノ酸配列を含む請求項8のポリヌクレオチド、または そのフラグメント。 10.請求項8のテイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドに対して免疫特異 的な抗体。 11.テイルレス核ホルモン受容体活性の増強を必要とする対象の治療方法で あって、 (a)該受容体に対する治療上有効量のアゴニストを対象に投与すること、お よび/または (b)インビボで該受容体活性を生じる形態のテイルレス核ホルモン受容体ポ リヌクレオチドを対象に提供すること を含む方法。 12.テイルレス核ホルモン受容体活性の阻害を必要とする対象の治療方法で あって、 (a)該受容体に対する治療上有効量のアンタゴニストを投与すること、およ び/または (b)該受容体をコードしているヌクレオチド配列の発現を阻害する核酸分子 を対象に投与すること、および/または (c)リガンドを求めて該受容体と競争する治療上有効量のポリペプチドを対 象に投与すること を含む方法。 13.対象におけるテイルレス核ホルモン受容体の発現または活性に関連した 対象における疾病またはかかる疾病に対する感受性の診断方法であって、 (a)該対象ノゲノム中の該テイルレス核ホルモン受容体をコードしているヌ クレオチド配列における変異の存在または不存在を決定すること、および/また は (b)該対象由来の試料中のテイルレス核ホルモン受容体発現の存在または量 を分析すること を含む方法。 14.テイルレス核ホルモン受容体に結合する化合物の同定方法であって、 (a)請求項11の細胞を候補化合物と接触させること、ついで (b)該細胞に結合する候補化合物の能力を評価すること を含む方法。 15.候補化合物が細胞表面のテイルレス核ホルモン受容体ポリペプチドの活 性化により発生するシグナルを生じさせるかどうかを決定することをさらに含み 、該シグナルを生じさせる候補化合物がアゴニストであると同定される請求項 14の方法。 16.請求項15の方法により同定されるアゴニスト。 17.テイルレス核ホルモン受容体に対する既知アゴニストに該細胞を接触さ せ、ついで、該候補化合物の存在下で該アゴニストにより生じたシグナルが減少 するかどうかを決定することをさらに含み、該シグナルを減少させる候補化合物 が該テイルレス核ホルモン受容体に対するアンタゴニストであると同定される請 求項14の方法。 18.請求項17の方法により同定されるアンタゴニスト。
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