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JP2000356482A - プレート式熱交換器及びこれを備える氷蓄熱装置 - Google Patents

プレート式熱交換器及びこれを備える氷蓄熱装置

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Publication number
JP2000356482A
JP2000356482A JP11169112A JP16911299A JP2000356482A JP 2000356482 A JP2000356482 A JP 2000356482A JP 11169112 A JP11169112 A JP 11169112A JP 16911299 A JP16911299 A JP 16911299A JP 2000356482 A JP2000356482 A JP 2000356482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow path
heat exchanger
plate
heating
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11169112A
Other languages
English (en)
Inventor
Taisei Kema
大成 毛馬
Mitsuharu Numata
光春 沼田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP11169112A priority Critical patent/JP2000356482A/ja
Publication of JP2000356482A publication Critical patent/JP2000356482A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレート式熱交換器を用いて水を過冷却状態
にまで冷却する場合に、一箇所で生じた凍結が他の水側
流路に進展するのを防止する。 【解決手段】 多数の伝熱プレート(P1,P2)を積層し
て本体部(51)を形成する。本体部(51)には、伝熱プ
レート(P1,P2)を挟んで水側流路(40)と冷媒側流路
(47)とが交互に区画形成される。伝熱プレート(P1,P
2)の流路形成部(60)に連続して出口ヘッダ(42)を
形成する。出口ヘッダ(42)に臨む流路形成部(60)の
縁部(63)に沿って加熱流路(44)を形成する。この加
熱流路(44)に高温の冷媒を流し、縁部(63)を加熱す
る。本体部(51)における出口ヘッダ(42)側の外縁に
沿って加熱ヒータ(80)を設ける。この加熱ヒータ(8
0)によって、出口ヘッダ(42)に臨むヘッダ内壁(5
2)を加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレート式熱交換
器に関し、特に、凍結による流路の閉塞対策に係るもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、伝熱プレートとガスケットを
交互に複数積層して構成されるプレート式熱交換器が知
られている(例えば、日本冷凍協会発行「新版 冷凍空
調便覧第4版 応用編」p.82,p.759参照)。また、プ
レート式熱交換器として、ガスケットを用いずに伝熱プ
レート同士をロウ付け等で接合して構成されるものも知
られている。
【0003】上記プレート式熱交換器は、高い熱交換性
能を発揮し、熱交換器の小型化が図れる等の利点を有す
ることから、様々な流体を熱交換させるために利用され
ている。例えば、特開平11−37676号公報には、
氷蓄熱式の空気調和装置であって、過冷却熱交換器とし
てプレート式熱交換器を用いたものが開示されている。
【0004】上記公報の空気調和装置は、いわゆるダイ
ナミック型氷蓄熱を行うように構成されている。具体的
に、上記空気調和装置は、過冷却熱交換器において冷媒
回路の冷媒と水とを熱交換させている。過冷却熱交換器
では水を過冷却状態(例えば−3℃程度)にまで冷却
し、その後に過冷却水の過冷却状態を解消させることに
よってスラリー状の氷を製造する。そして、このような
製氷動作を夜間に行って氷を蓄熱槽に蓄え、該氷の冷熱
を昼間の冷房に利用するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、過冷却
熱交換器では、0℃以下の過冷却状態にまで水を冷却し
ている。このため、熱交換器内で何かの拍子に水が凍結
すると、これをきっかけにして氷が急速に成長してゆ
く。そして、熱交換器内で氷が成長すると、水の流路が
閉塞されて製氷運転が妨げられるという問題がある。こ
の様な問題は、過冷却熱交換器にプレート式熱交換器を
採用した場合に特に顕著となる。以下、この点につい
て、図5,図6を参照しながら説明する。
【0006】図5は、上記の伝熱プレート(a)同士を
接合したプレート式熱交換器における出口ヘッダ(d)
付近の断面を示している。つまり、複数の伝熱プレート
(a)が等間隔で積層され、各伝熱プレート(a)の間に
は、水側流路(b)と冷媒側流路(c)とが交互に形成さ
れている。また、各水側流路(b)の水を合流させて流
出口に導く出口ヘッダ(d)が形成されている。そし
て、プレート式熱交換器では、水側流路(b)の水が冷
媒側流路(c)の冷媒と熱交換して冷却され、出口ヘッ
ダ(d)を通って外部へ流出する。
【0007】出口ヘッダ(d)付近では、水側流路(b)
の水は過冷却状態となっている。この過冷却状態は、非
常に不安定な状態である。このため、伝熱プレート
(a)にスケールが付着していたり傷が付いていると、
これらに起因する乱れで過冷却状態が解消して水が凍結
する場合がある。
【0008】例えば、伝熱プレート(a)表面の位置A
で凍結が発生したとする。この様な凍結により生じる氷
は、当初は小さなものである。しかしながら、水側流路
(b)の水は既に過冷却状態にまで冷却されており、伝
熱プレート(a)の温度も0℃以下となっている。従っ
て、位置Aから伝熱プレート(a)の表面に沿って急速
に氷が成長し、凍結が進展してゆく。そして、凍結が発
生した水側流路(b)が、氷によって閉塞されてしまう
おそれがある。
【0009】ここで、最初に凍結が発生した水側流路
(b)だけが閉塞するのであれば、過冷却水の製造を継
続することができる。つまり、プレート式熱交換器には
複数の水側流路(b)が形成されているため、そのうち
の一つが閉塞しても残りの水側流路(b)を使って過冷
却水を製造することができる。
【0010】しかしながら、上述のような凍結の進展
は、凍結が生じた水側流路(b)には留まらない。つま
り、出口ヘッダ(d)に臨む部分では隣り合う伝熱プレ
ート(a)同士が接合されている。従って、一の水側流
路(b)で生じた氷は、隣り合う一方の伝熱プレート
(a)から他方の伝熱プレート(a)に伝って成長し、隣
の水側流路(b)まで氷によって閉塞されるおそれがあ
る。この様な凍結の進展が連鎖的に各水側流路(b)に
及ぶと、全ての水側流路(b)が氷で閉塞してしまう。
【0011】このような凍結の進展は、飛散した氷粒子
が伝熱プレート(a)に付着することによっても生じ
る。この点について、図6を参照しながら説明する。
【0012】例えば、伝熱プレート(a)の表面におけ
る位置Bで凍結が生じたとする。水側流路(b)内を流
れる過冷却状態の水は位置Bにある氷と接触し、これを
きっかけとして過冷却状態の解消が起こる。つまり、位
置Bよりも下流側に微細な氷粒子が飛散する。飛散した
氷粒子は水と共に流れるが、その一部は伝熱プレート
(a)の表面、例えば位置Cに付着する。付着した氷粒
子は、伝熱プレート(a)に沿って成長してゆき、更に
は隣接する水側流路(b)にまで凍結が進展する。そし
て、最終的には全水側流路(b)が閉塞し、上記の場合
と同様の問題が生じる。
【0013】また、飛散した氷粒子は、出口ヘッダ
(d)の内壁、例えば位置Dに付着する場合がある。位
置Dに付着した氷粒子には、出口ヘッダ(d)内を流れ
る過冷却状態の水が接触する。従って、位置Dの氷粒子
は次第に成長してゆく。このため、出口ヘッダ(d)に
おける水の流通が妨げられ、プレート式熱交換器におけ
る冷却能力の低下を招くこととなる。
【0014】上述のようにプレート式熱交換器の全水側
流路(b)が閉塞した場合、水の冷却を一旦停止し、水
側流路(b)内の氷を融かす解凍運転を行わなければな
らなかった。このため、氷による流路の閉塞が度々生じ
ると解凍運転を頻繁に行わなければならなくなり、製氷
運転を充分にできなくなるという問題があった。更に、
解凍運転の回数が増えると、これに要するエネルギが嵩
み、エネルギ効率の低下を招くという問題があった。
【0015】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、一箇所での凍結に起
因して全流路が閉塞されるのを防止し、安定した冷却動
作が可能なプレート式熱交換器を提供し、併せて、これ
を備える氷蓄熱装置において、解凍運転の頻度を低減し
て製氷効率を高めることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】−解決手段−本発明が講
じた第1の解決手段は、積層された複数の伝熱プレート
(P1,P2)により構成される本体部(51)を備えるプレ
ート式熱交換器を対象としている。そして、上記本体部
(51)には、上記伝熱プレート(P1,P2)の流路形成部
(60)によって第1流路(40)と第2流路(47)とを交
互に形成し、且つ、各第1流路(40)の出口側と連通す
る出口ヘッダ(42)を形成する一方、上記出口ヘッダ
(42)に臨む上記流路形成部(60)の縁部(63)を加熱
する縁部加熱手段を設けるものである。
【0017】本発明が講じた第2の解決手段は、上記第
1の解決手段において、縁部加熱手段は、流路形成部
(60)の縁部(63)に沿って形成された加熱流路(44)
を有し、該加熱流路(44)内の加熱用流体によって上記
縁部(63)を加熱するように構成されるものである。
【0018】本発明が講じた第3の解決手段は、長方形
状の伝熱プレート(P1,P2)を複数積層して形成された
直方体状の本体部(51)を備え、該本体部(51)におい
て第1流路(40)の第1流体と第2流路(47)の第2流
体とを熱交換させて第1流体を冷却するプレート式熱交
換器を対象としている。そして、 上記本体部(51)に
は、上記伝熱プレート(P1,P2)の流路形成部(60)に
よって該本体部(51)の全幅に亘って該本体部(51)の
長手方向に延びる第1流路(40)と第2流路(47)とを
伝熱プレート(P1,P2)を挟んで交互に区画形成し、且
つ、各第1流路(40)の出口側と連通する出口ヘッダ
(42)を上記流路形成部(60)に隣接して上記本体部
(51)の全幅に亘って形成する一方、上記出口ヘッダ
(42)に臨む流路形成部(60)の縁部(63)に沿って上
記本体部(51)の全幅に亘って形成された加熱流路(4
4)を有し、該加熱流路(44)内の加熱用流体によって
伝熱プレート(P1,P2)を加熱する縁部加熱手段を設け
るものである。
【0019】本発明が講じた第4の解決手段は、上記第
2又は第3の解決手段において、縁部加熱手段の加熱流
路(44)を、隣り合う伝熱プレート(P1,P2)によって
区画形成するものである。
【0020】本発明が講じた第5の解決手段は、積層さ
れた複数の伝熱プレート(P1,P2)により構成される本
体部(51)を備え、該本体部(51)において第1流路
(40)の第1流体と第2流路(47)の第2流体とを熱交
換させるプレート式熱交換器を対象としている。そし
て、上記本体部(51)には、上記伝熱プレート(P1,P
2)の流路形成部(60)によって第1流路(40)と第2
流路(47)とを伝熱プレート(P1,P2)を挟んで交互に
複数ずつ形成すると共に、上記流路形成部(60)に隣接
して形成されて各第1流路(40)の出口側と連通する出
口ヘッダ(42)と、該出口ヘッダ(42)に臨む流路形成
部(60)の縁部(63)に沿って区画されて内部を流れる
第3流体と伝熱プレート(P1,P2)とを接触させる第3
流路(44)とを形成するものである。
【0021】本発明が講じた第6の解決手段は、上記第
1〜第5の何れか1の解決手段において、出口ヘッダ
(42)に臨む本体部(51)のヘッダ内壁(52)を加熱す
る内壁加熱手段を設けるものである。
【0022】本発明が講じた第7の解決手段は、上記第
6の解決手段において、内壁加熱手段は、本体部(51)
の外縁に沿って設けられた加熱部材(80)を有し、該加
熱部材(80)で本体部(51)を加熱することによりヘッ
ダ内壁(52)を加熱するように構成されるものである。
【0023】本発明が講じた第8の解決手段は、氷蓄熱
装置であって上記第1〜第5の何れか1の解決手段に係
るプレート式熱交換器を備えるものを対象とし、上記プ
レート式熱交換器において第1流体である水を過冷却状
態にまで冷却し、冷却された水の過冷却状態を解消させ
ることにより生成した氷を蓄熱槽(31)に蓄えるように
構成するものである。
【0024】−作用−上記第1,第3の解決手段では、
プレート式熱交換器(50)の本体部(51)において、第
1流路(40)を第1流体が、第2流路(47)を第2流体
が流れる。第1流体と第2流体とは、伝熱プレート(P
1,P2)を介して熱交換を行う。特に、第3の解決手段で
は、第1流体が冷却される。各第1流路(40)は、伝熱
プレート(P1,P2)の流路形成部(60)により形成さ
れ、且つ出口ヘッダ(42)と連通している。従って、各
第1流路(40)の冷却された第1流体は出口ヘッダ(4
2)で合流し、その後、本体部(51)から流出する。
【0025】ここで、例えばプレート式熱交換器(50)
において第1流体を過冷却状態まで冷却するような場合
には、第1流路(40)のうちの一つで第1流体が凍結し
て氷化物が生じることがある。この様に、一の第1流路
(40)内で氷化物が生じると、該氷化物が伝熱プレート
(P1,P2)の流路形成部(60)に沿って成長し、更に流
路形成部(60)の縁部(63)から出口ヘッダ(42)内を
通って隣の伝熱プレート(P1,P2)にまで凍結が進展
し、最終的に全第1流路(40)が氷化物で閉塞するおそ
れがある。
【0026】これに対し、本解決手段では、縁部加熱手
段が流路形成部(60)の縁部(63)を加熱している。従
って、縁部加熱手段の加熱により上記縁部(63)の温度
を第1流体の凍結温度よりも高く保持すれば、凍結の進
展は該縁部(63)よりも先に及ばない。即ち、最初に凍
結が生じた第1流路(40)が氷化物で閉塞されることは
あっても、一箇所での凍結に起因して全第1流路(40)
の閉塞を招くことはない。
【0027】上記第2の解決手段では、縁部加熱手段の
加熱流路(44)に加熱用流体を流通させることによって
流路形成部(60)の縁部(63)が加熱される。つまり、
加熱流路(44)は流路形成部(60)の縁部(63)に沿っ
て形成されているため、加熱流路(44)に加熱用流体を
流すことによって上記縁部(63)が暖められる。
【0028】上記第4の解決手段では、互いに隣り合う
伝熱プレート(P1,P2)によって加熱流路(44)が区画
形成される。つまり、別途新たに部材を追加することな
く、伝熱プレート(P1,P2)の形状変更等によって加熱
流路(44)が形成される。
【0029】上記第5の解決手段では、プレート式熱交
換器(50)の本体部(51)において、第1流路(40)を
第1流体が、第2流路(47)を第2流体が流れる。第1
流体と第2流体とは、伝熱プレート(P1,P2)を介して
熱交換を行う。ここで、例えばプレート式熱交換器(5
0)において第1流体を過冷却状態まで冷却することと
すると、上述のように、一箇所での第1流体の凍結に起
因して全ての第1流路(40)が閉塞するおそれがある。
【0030】これに対し、本解決手段では、流路形成部
(60)の縁部(63)に沿って第3流路(44)を形成して
いる。従って、この第3流路(44)に上記縁部(63)の
温度よりも高温の第3流体を流せば該縁部(63)が加熱
される。そして、上記縁部(63)の温度を第1流体の凍
結温度よりも高く保持すれば、凍結の進展は該縁部(6
3)よりも先に及ばず、上述の全第1流路(40)の閉塞
の問題は回避される。
【0031】上記第6の解決手段では、本体部(51)に
おけるヘッダ内壁(52)が内壁加熱手段によって加熱さ
れる。従って、ヘッダ内壁(52)に氷化物が付着した場
合であっても、該氷化物は融解する。このため、出口ヘ
ッダ(42)内で氷化物が成長し、第1流体の流動が妨げ
られるという問題は回避される。
【0032】上記第7の解決手段では、内壁加熱手段の
加熱部材(80)が本体部(51)の外縁に沿って設けられ
る。この加熱部材(80)によって、本体部(51)の外
縁、即ち伝熱プレート(P1,P2)の外縁部分が加熱され
る。そして、加熱部材(80)からの熱が伝熱プレート
(P1,P2)を伝導し、出口ヘッダ(42)に臨む本体部(5
1)のヘッダ内壁(52)が暖められる。
【0033】上記第8の解決手段では、上記各解決手段
に係るプレート式熱交換器(50)を備える氷蓄熱装置が
構成される。この氷蓄熱装置は、いわゆるダイナミック
型氷蓄熱を行う。つまり、プレート式熱交換器(50)で
水を過冷却状態にまで冷却し、該水の過冷却状態を解消
させてスラリー状の氷を製造する。そして、製造した氷
を蓄熱槽(31)に蓄え、冷熱を水の潜熱として蓄えるよ
うにしている。
【0034】上記氷蓄熱装置では、プレート式熱交換器
(50)の全ての第1流路(40)が氷で閉塞すると、製氷
動作を継続できなくなる。これに対し、上記プレート式
熱交換器(50)によれば、一つの第1流路(40)で凍結
が生じた場合であっても、凍結が他の第1流路(40)ま
で進展する事態は回避される。従って、各第1流路(4
0)の内部でそれぞれ凍結が生じない限りは全第1流路
(40)の閉塞には至らず、その間は製氷動作が継続して
行われる。
【0035】
【発明の効果】上記の解決手段によれば、第1流路(4
0)内の第1流体の温度とは無関係に、伝熱プレート(P
1,P2)における流路形成部(60)の縁部(63)の温度を
所定値に設定することができる。このことから、以下の
ような効果が得られる。
【0036】例えば、第1流体を過冷却状態にまで冷却
するような場合には、第1流路(40)内での第1流体の
凍結が発生しやすく、更に凍結が全ての第1流路(40)
に進展して第1流体の流通が妨げられ、冷却動作が不能
となるおそれがある。これに対し、流路形成部(60)の
縁部(63)を縁部加熱手段により加熱している。従っ
て、該縁部(63)を第1流体の凍結温度よりも高温に保
持しておけば、一つの第1流路(40)で生じた凍結が隣
の第1流路(40)に進展するのを防止することができ
る。
【0037】つまり、第1流路(40)内で凍結が生じる
と伝熱プレート(P1,P2)の流路形成部(60)に沿って
氷化物が成長してゆくが、上記縁部(63)は加熱されて
いるため該縁部(63)において氷化物は融解する。従っ
て、第1流路(40)内で生じた凍結が縁部(63)よりも
先に進展するのを阻止することができる。
【0038】そして、上述のように凍結の進展を阻止で
きれば、一箇所で発生した凍結に起因して他の第1流路
(40)が氷化物で閉塞される事態を回避することができ
る。この結果、最初に凍結が生じた一の第1流路(40)
が氷化物で閉塞されたとしても、残りの第1流路(40)
における第1流体の流通を確保することができ、凍結発
生後においても第1流体の冷却を継続することができ
る。即ち、第1流路(40)内で凍結が生じた後であって
も、安定した冷却動作を行うことが可能となる。
【0039】更に、上記第6,第7の解決手段によれ
ば、ヘッダ内壁(52)に沿って凍結が進展して出口ヘッ
ダ(42)内で氷化物が成長するのを防止することができ
る。このため、第1流路(40)内で凍結が生じた場合で
あっても、出口ヘッダ(42)における第1流体の流通を
十分に確保することができ、冷却動作を一層確実に継続
させることが可能となる。
【0040】上記第8の解決手段によれば、上記各解決
手段に係るプレート式熱交換器(50)を用いることによ
って、プレート式熱交換器(50)の閉塞に起因する製氷
動作の停止回数を削減することができる。このため、長
時間に亘って確実に製氷動作を継続することができ、製
氷効率の向上を図ることができる。
【0041】また、プレート式熱交換器(50)の第1流
路(40)が氷で閉塞した場合には、内部の氷を融かす解
凍運転が必要となる。この解凍運転は、プレート式熱交
換器(50)を暖めることにより行うものであり、ある程
度のエネルギを消費する。これに対し、本解決手段によ
ればプレート式熱交換器(50)の閉塞が生じる頻度を低
減できる。このため、解凍運転の回数を削減でき、解凍
運転に要するエネルギの削減を図ることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0043】本実施形態の空気調和装置は、氷蓄熱装置
である水循環回路(30)と、図外の冷媒回路とにより構
成されている。
【0044】上記冷媒回路は、圧縮機、室外熱交換器、
膨張機構、室内熱交換器を冷媒配管で接続して閉回路に
形成され、内部を冷媒が循環して冷凍サイクルを行うよ
うに構成されている。また、冷媒回路には四路切換弁が
設けられ、該四路切換弁の切り換えによって冷媒回路で
の冷媒循環方向を反転し、冷凍サイクルとヒートポンプ
サイクルとを切り換え可能に構成されている。
【0045】図1に示すように、上記水循環回路(30)
は、蓄熱槽(31)、ポンプ(32)、予熱器(11)、混合
器(33)、過冷却熱交換器(50)、及び過冷却解消器
(34)を順に水配管(35)で接続して形成されている。
この水循環回路(30)は、蓄熱槽(31)から吸い込んだ
水を過冷却熱交換器(50)で過冷却状態にまで冷却し、
冷却した水の過冷却状態を解消させて製造したスラリー
状の氷を蓄熱槽(31)に蓄えて蓄熱を行うように構成さ
れている。
【0046】上記予熱器(11)は、上記冷媒回路と接続
配管(20)によって接続されている。この予熱器(11)
は、冷媒回路から高温の液冷媒を供給され、該液冷媒と
水循環回路(30)を流れる水とを熱交換させて水循環回
路(30)の水を加熱するように構成されている。上記混
合器(33)は、予熱器(11)で加熱された水を撹拌する
ように構成されている。
【0047】ここで、蓄熱槽(31)内に氷が残留してい
る状態で水を吸引した場合、吸引された水には微細な氷
片が含まれる。そして、氷片を含む水を冷却しても、氷
片が成長するだけで過冷却状態とはならない。このた
め、蓄熱槽(31)から吸引した水を予熱器(11)で暖
め、更に混合器(33)で攪拌して氷片を融かしてから過
冷却熱交換器(50)へ供給するようにしている。
【0048】上記過冷却熱交換器(50)は、上記冷媒回
路と接続配管(20)により接続されている。この過冷却
熱交換器(50)は、上記混合器(33)から供給された水
を冷媒回路の冷媒と熱交換させ、過冷却状態にまで冷却
して過冷却水を生成するように構成されている。過冷却
熱交換器(50)の詳細な構成は、後述する。
【0049】上記種氷生成器(13)は、上記冷媒回路と
接続配管(20)により接続されている。種氷生成器(1
3)は、冷媒回路から膨張後の冷媒を供給され、該冷媒
によって過冷却熱交換器(50)からの過冷却水を更に冷
却して水配管(35)の内壁面に種氷を生成する。そし
て、この種氷に水配管(35)を流れる過冷却水が接触す
ると、該過冷却水中において氷核が生じる。
【0050】上記過冷却解消器(34)は、種氷生成器
(13)からの氷核を含む過冷却水を攪拌するように構成
されている。過冷却解消器(34)での攪拌によって過冷
却水の過冷却状態が解消され、スラリー状の氷が生成す
る。このスラリー状の氷は、蓄熱槽(31)に送られて蓄
えられる。
【0051】上記過冷却熱交換器(50)について、図2
〜図4を参照しながら詳細に説明する。過冷却熱交換器
(50)は、プレート式熱交換器(50)により構成されて
いる。プレート式熱交換器(50)は、図2に示すよう
に、多数の伝熱プレート(P1,P2)を積層して構成され
る本体部(51)を備えている。
【0052】本体部(51)の最前面には前面フレーム
(70)が、最背面には背面フレーム(55)がそれぞれ設
けられている。前面フレーム(70)には、水側入口(7
1)、水側出口(72)、冷媒側入口(78)、冷媒側出口
(79)、加熱用入口(75)及び加熱用出口(76)が形成
されている。図示しないが、水側入口(71)及び水側出
口(72)には、水循環回路(30)の水配管(35)がそれ
ぞれ接続されている。また、冷媒側入口(78)、冷媒側
出口(79)、加熱用入口(75)及び加熱用出口(76)に
は、上記冷媒回路から延びる接続配管(20)が接続され
ている。
【0053】上記伝熱プレート(P1,P2)は、図3に示
すように、長方形状に形成されている。伝熱プレート
(P1,P2)の長手方向の中央部には、ほぼ全幅に亘って
流路形成部(60)が形成されている。伝熱プレート(P
1,P2)には、一端側(図3における下端側)に入口ヘッ
ダ開口(61)が、他端側(図3における上端側)に出口
ヘッダ開口(62)がそれぞれ流路形成部(60)に連続し
て形成されている。また、流路形成部(60)のうち出口
ヘッダ開口(62)に臨む部分は、縁部(63)に構成され
ている。
【0054】上記流路形成部(60)には、加熱流路形成
部(64)と波板部(67)とが形成されている。加熱流路
形成部(64)は、出口ヘッダ開口(62)に臨む流路形成
部(60)の縁部(63)に沿って、伝熱プレート(P1,P
2)の幅方向に帯状に形成されている。加熱流路形成部
(64)には、一端側(図3における右端側)に加熱用導
入開口(65)が、他端側(図3における左端側)に加熱
用導出開口(66)が形成されている。波板部(67)は、
断面が波板状に形成されると共に、波形状の延長方向が
ヘリンボーン状となるように形成されている。波板部
(67)には、入口ヘッダ開口(61)側に冷媒側導入開口
(68)が、出口ヘッダ開口(62)側に冷媒側導出開口
(69)が互いに対角に位置するように形成されている。
【0055】上記伝熱プレート(P1,P2)は、波板部(6
7)の形状が相違する二種類のプレート、即ち、第1プ
レート(P1)と第2プレート(P2)とによって構成され
ている。具体的に、第1プレート(P1)の波板部(67)
は、図3の左側から右側に向かって、波形状の延長方向
の傾斜が上向き、下向きの順で繰り返すように形成され
ている。一方、第2プレート(P2)の波板部(67)は、
図示しないが、第1プレート(P1)とは逆に波形状の延
長方向の傾斜が下向き、上向きの順で繰り返すように形
成されている。
【0056】上記本体部(51)は、図4に示すように、
第1プレート(P1)と第2プレート(P2)とを交互に多
数積層して形成されている。本体部(51)には、伝熱プ
レート(P1,P2)を挟んでその積層方向に第1流路であ
る水側流路(40)と第2流路(47)である冷媒側流路
(47)とが交互に区画形成されている。そして、本体部
(51)は、水側流路(40)の水と冷媒側流路(47)の冷
媒とを熱交換させるように構成されている。
【0057】上記本体部(51)には、積層された各伝熱
プレート(P1,P2)の入口ヘッダ開口(61)によって入
口ヘッダ(41)が形成されている。入口ヘッダ(41)
は、各水側流路(40)の入口側と連通し、且つ水側入口
(71)と連通している。そして、混合器(33)から供給
される水は、水側入口(71)から入口ヘッダ(41)に入
って各水側流路(40)に分配される。
【0058】上記本体部(51)には、積層された各伝熱
プレート(P1,P2)の出口ヘッダ開口(62)によって出
口ヘッダ(42)が形成されている。この出口ヘッダ(4
2)を区画する本体部(51)の内壁のうち、該本体部(5
1)の外縁に沿った部分がヘッダ内壁(52)に構成され
ている。つまり、出口ヘッダ(42)は、各伝熱プレート
(P1,P2)における流路形成部(60)の縁部(63)と本
体部(51)のヘッダ内壁(52)とによって区画されてい
る。上記出口ヘッダ(42)は、各水側流路(40)の出口
側と連通し、且つ水側出口(72)と連通している。そし
て、各水側流路(40)からの水は、出口ヘッダ(42)で
合流した後に水側出口(72)を通って本体部(51)の外
へ流出する。
【0059】上記本体部(51)には、積層された各伝熱
プレート(P1,P2)の冷媒側導入開口(68)によって冷
媒側導入路(48)が、冷媒側導出開口(69)によって冷
媒側導出路(49)が形成されている。冷媒側導入路(4
8)は、各冷媒側流路(47)の入口側と連通し、且つ冷
媒側入口(78)と連通している。そして、冷媒回路から
接続配管(20)を通じて供給される冷媒は、冷媒側入口
(78)から冷媒側導入路(48)に入って各冷媒側流路
(47)に分配される。一方、冷媒側導出路(49)は、各
冷媒側流路(47)の出口側と連通し、且つ冷媒側出口
(79)と連通している。そして、各冷媒側流路(47)か
らの冷媒は、冷媒側導出路(49)で合流した後に冷媒側
出口(79)を通って本体部(51)の外へ流出する。
【0060】上記本体部(51)には、積層された各伝熱
プレート(P1,P2)の加熱流路形成部(64)によって加
熱流路(44)が形成されている。ここで、第1プレート
(P1)の加熱流路形成部(64)は正面から見て凸状に形
成され、第2プレート(P2)の加熱流路形成部(64)は
正面から見て凹状に形成されている。そして、異なった
形状の加熱流路形成部(64)を有する伝熱プレート(P
1,P2)が交互に積層されることによって、加熱流路(4
4)が形成されている。
【0061】更に、積層された各伝熱プレート(P1,P
2)の加熱用導入開口(65)によって加熱用導入路(4
5)が、加熱用導出開口(66)によって加熱用導出路(4
6)が形成されている。加熱用導入路(45)は、各加熱
流路(44)の入口側と連通し、且つ加熱用入口(75)と
連通している。そして、冷媒回路から接続配管(20)を
通じて供給される冷媒は、加熱用入口(75)から加熱用
導入路(45)に入って各加熱流路(44)に分配される。
一方、加熱用導出路(46)は、各加熱流路(44)の出口
側と連通し、且つ加熱用出口(76)と連通している。そ
して、各加熱用流路からの冷媒は、加熱用導出路(46)
で合流した後に加熱用出口(76)を通って本体部(51)
の外へ流出する。
【0062】上述のように、加熱流路(44)には冷媒回
路からの冷媒が供給される。その際、加熱流路(44)に
は、冷媒回路から高温の冷媒、例えば圧縮機の吐出ガス
冷媒や凝縮後の液冷媒などが供給される。そして、この
高温の冷媒が加熱流路(44)を流れることにより、伝熱
プレート(P1,P2)における流路形成部(60)の縁部(6
3)が加熱される。つまり、加熱流路(44)は、流路形
成部(60)の縁部(63)を加熱する縁部加熱手段を構成
している。また、加熱流路(44)は、第3流体である高
温の冷媒を流通させる第3流路でもある。
【0063】上記本体部(51)には、出口ヘッダ(42)
側の端部の外縁部に沿って加熱部材である加熱ヒータ
(80)が設けられている。この加熱ヒータ(80)は、通
電により発熱して伝熱プレート(P1,P2)を部分的に加
熱し、本体部(51)のヘッダ内壁(52)を加熱する内壁
加熱手段を構成している。
【0064】−運転動作− 本実施形態の空気調和装置は、夜間に深夜電力を利用し
て製氷を行う製氷運転と、夜間に蓄えた冷熱を利用して
昼間に冷房を行う利用冷房運転とを行う。また、蓄えた
冷熱を用いずに冷房を行う通常冷房運転や、冷媒回路で
ヒートポンプサイクルを行う暖房運転も可能である。
【0065】製氷運転時の動作について説明する。製氷
運転時には、冷媒回路において室外熱交換器と過冷却熱
交換器(50)との間で冷媒が循環し、冷凍サイクル動作
が行われる。その際、室外熱交換器が凝縮器となり、過
冷却熱交換器(50)が蒸発器となる。
【0066】一方、ポンプ(32)を駆動すると、水循環
回路(30)において水が循環する。蓄熱槽(31)から吸
引された水は、ポンプ(32)を通って予熱器(11)へ流
入する。予熱器(11)では冷媒回路の冷媒によって水が
加熱され、その後、加熱された水は混合器(33)へ送ら
れて攪拌される。予熱器(11)での加熱と混合器(33)
での攪拌によって、水に含まれていた氷片が完全に融解
する。
【0067】混合器(33)からの水は、過冷却熱交換器
(50)へ流入し、入口ヘッダ(41)を通って各水側流路
(40)に分流される。また、過冷却熱交換器(50)に
は、冷媒回路からの膨張後の冷媒が流入する。該冷媒
は、冷媒側導入路(48)を通って各冷媒側流路(47)に
分流される。過冷却熱交換器(50)では、水側流路(4
0)の水と冷媒側流路(47)の冷媒とが熱交換を行う。
そして、水側流路(40)の水は水側流路(40)を流れる
間に冷却され、過冷却状態の過冷却水となる。一方、冷
媒側流路(47)の冷媒は、冷媒側流路(47)を流れる間
に水側流路(40)の水から吸熱して蒸発する。
【0068】過冷却熱交換器(50)からの過冷却水は、
過冷却解消器(34)に向かって水配管(35)を流れる。
その間、過冷却水は、種氷生成器(13)によって生成さ
れた種氷と接触し、該過冷却水中で氷核が生じる。氷核
を含んだ過冷却水は、過冷却解消器(34)に流入して攪
拌される。過冷却解消器(34)での攪拌によって、過冷
却水の過冷却状態が完全に解消され、スラリー状の氷が
生成される。生成したスラリー状の氷は、蓄熱槽(31)
に送られて貯留される。以上の動作によって、冷媒回路
の冷凍サイクル動作により生じた冷熱が水の潜熱として
蓄熱槽(31)内に蓄えられる。
【0069】また、製氷運転時には、過冷却熱交換器
(50)の加熱流路(44)には、冷媒回路から高温の冷媒
が供給される。そして、高温の冷媒が加熱流路(44)を
流れることにより、伝熱プレート(P1,P2)における流
路形成部(60)の縁部(63)が加熱され、該縁部(63)
の温度が水の凍結温度よりも高温に保たれる。更に、加
熱ヒータ(80)に通電することにより伝熱プレート(P
1,P2)を部分的に加熱する。そして、出口ヘッダ(42)
に臨む本体部(51)のヘッダ内壁(52)を加熱し、該ヘ
ッダ内壁(52)の温度を水の凍結温度よりも高温に保
つ。
【0070】上述のように、過冷却熱交換器(50)はプ
レート式熱交換器(50)により構成され、水側流路(4
0)内を過冷却状態の水が流れている。更に、伝熱プレ
ート(P1,P2)の温度は、水側流路(40)内の水温より
も低くなっている。従って、伝熱プレート(P1,P2)に
付着したスケールや傷などによる流れの乱れに起因して
水側流路(40)内で凍結が発生すると、水側流路(40)
内で氷が成長し、伝熱プレート(P1,P2)に沿って凍結
が進展してゆく。
【0071】一方、本実施形態では、流路形成部(60)
の縁部(63)を加熱し、該縁部(63)の温度を水の凍結
温度よりも高温に保っている。このため、一つの水側流
路(40)内で凍結が発生しても流路形成部(60)の縁部
(63)より先に凍結は進展せず、凍結が発生した一の水
側流路(40)が氷で閉塞することはあっても、一箇所で
の凍結が他の水側流路(40)に進展して全ての水側流路
(40)が閉塞することはない。また、加熱ヒータ(80)
によりヘッダ内壁(52)を加熱している。このため、水
側流路(40)内での凍結により生じて飛散した氷粒子が
ヘッダ内壁(52)に付着しても該氷粒子を融かすことが
でき、付着した氷粒子が成長して過冷却水の流通を妨げ
るのを防止できる。
【0072】尚、本実施形態では凍結が発生した水側流
路(40)の閉塞は回避できないため、多数の水側流路
(40)内で凍結が発生してしまうと製氷運転を停止せざ
るを得ない。この様な場合には、解凍運転を行って水側
流路(40)内の氷を融かしてから製氷運転を再開する。
具体的に、解凍運転時には、冷媒回路の圧縮機が吐出す
るホットガスを冷媒側流路(47)に導入することによっ
て氷を融かしている。ただし、従来は一つの水側流路
(40)で凍結が発生しても凍結が他の水側流路(40)に
進展することから解凍運転を要していたのに対し、本実
施形態では多数の水側流路(40)で凍結が発生しない限
りは解凍運転を要しない。従って、本実施形態における
製氷運転が完了するまでの解凍運転の回数は、従来に比
して大幅に減少する。
【0073】利用冷房運転時の動作について説明する。
利用冷房運転時には、ポンプ(32)を駆動して水循環回
路(30)で水を循環させる。一方、冷媒回路では、室内
熱交換器と過冷却熱交換器(50)との間で冷媒を循環さ
せて冷凍サイクル動作が行われる。その際、室内熱交換
器が蒸発器となり、過冷却熱交換器(50)が凝縮器とな
る。また、冷媒回路から予熱器(11)への冷媒の供給は
行われない。
【0074】具体的に、過冷却熱交換器(50)では、冷
媒回路の冷媒が水循環回路(30)の水に放熱して凝縮す
る。これによって、蓄熱槽(31)に蓄えた冷熱を冷媒回
路の冷媒に付与する。凝縮した冷媒は、減圧された後に
室内熱交換器で蒸発する。そして、室内熱交換器で室内
空気が冷却され、冷房が行われる。
【0075】通常冷房運転及び暖房運転の際には、冷媒
回路において室内熱交換器と室外熱交換器との間で冷媒
が循環し、過冷却熱交換器(50)及び予熱器(11)へ冷
媒は供給されない。そして、通常冷房運転時には、室外
熱交換器を凝縮器とし、室内熱交換器を蒸発器として冷
凍サイクルを行う。一方、暖房運転時には、室外熱交換
器を凝縮器とし、室内熱交換器を凝縮器としてヒートポ
ンプサイクルを行う。
【0076】−実施形態の効果− 本実施形態によれば、伝熱プレート(P1,P2)における
流路形成部(60)の縁部(63)を加熱することにより、
一つの水側流路(40)で生じた凍結が他の水側流路(4
0)に進展するのを防止することができる。また、本体
部(51)のヘッダ内壁(52)を加熱することにより、氷
粒子がヘッダ内壁(52)に付着して成長するのを防止す
ることができる。このため、一つの水側流路(40)で凍
結が生じた場合であっても、凍結の進展を当該水側流路
(40)内に留めておくことができ、他の水側流路(40)
にまで凍結が進展するのを確実に防止できる。従って、
一箇所で発生した凍結により全ての水側流路(40)が閉
塞するのを回避することができ、過冷却水の生成を安定
して継続することが可能となる。
【0077】また、上述のように、本実施形態によれ
ば、解凍運転を全く不要とすることはできないものの、
解凍運転の回数を大幅に減少させることができる。この
ため、製氷運転の停止回数を削減して製氷効率を向上さ
せることができ、更には解凍運転に要するエネルギを削
減してエネルギ効率を向上させることができる。
【0078】−実施形態の変形例− 上記実施形態では、解凍運転を行う際には、単に過冷却
熱交換器(50)の冷媒側流路(47)にホットガスを導入
するようにしている。つまり、水側流路(40)内に水と
氷の両方が存在する状態で解凍運転を行っている。この
場合には、氷だけでなく水をも温度上昇させなければ氷
を融かすことができない。
【0079】これに対し、解凍運転の際に、予め過冷却
熱交換器(50)から水を抜いてから冷媒側流路(47)に
ホットガスを導入するようにしてもよい。この場合には
水側流路(40)内に水は存在しないことから、従来、水
を温度上昇させるために要していた熱量は不要となる。
このため、本変形例によれば、解凍運転に要するエネル
ギを大幅に削減することができる。
【0080】また、本変形例の場合、解凍運転中には水
側流路(40)で氷が融け、入口ヘッダ(41)内に水が滴
下することとなる。従って、入口ヘッダ(41)への水の
滴下の有無をセンサ等で検知すれば、解凍運転の完了を
確実に検知することができる。ここで、従来は、経験則
やノウハウにより解凍運転の継続時間を定めていたた
め、解凍運転の時間が過剰になったり不足したりする場
合があった。これに対し、本変形例によれば解凍運転の
完了を検知できるため、解凍運転を過不足無く行うこと
が可能となる。
【0081】
【発明のその他の実施の形態】上記実施形態では、過冷
却熱交換器(50)の加熱流路(44)に冷媒回路の冷媒を
流すようにしているが、これに代えて、水循環回路(3
0)における予熱器(11)及び混合器(33)の下流側で
分流した水を加熱流路(44)に流すようにしてもよい。
【0082】また、縁部加熱手段として加熱ヒータ(8
0)を本体部(51)の外縁部に設けるようにしている
が、これに代えて、本体部(51)の出口ヘッダ(42)側
の外縁部に沿って冷媒の通路を形成し、該通路に冷媒回
路の高温の冷媒を流通させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る水循環回路の構成を示す配管系
統図である。
【図2】実施形態に係る過冷却熱交換器(プレート式熱
交換器)の概略斜視図である。
【図3】図2におけるA−A断面を示す概略断面図であ
る。
【図4】図2におけるB−B断面を示す概略断面図であ
る。
【図5】従来のプレート式熱交換器における凍結進展の
原理を示す説明図である。
【図6】従来のプレート式熱交換器における凍結進展の
原理を示す説明図である。
【符号の説明】
(P1) 第1プレート(伝熱プレート) (P2) 第2プレート(伝熱プレート) (30) 水循環回路(氷蓄熱装置) (31) 蓄熱槽 (40) 水側流路(第1流路) (42) 出口ヘッダ (44) 加熱流路(第3流路) (47) 冷媒側流路(第2流路) (50) 過冷却熱交換器(プレート式熱交換器) (51) 本体部 (52) ヘッダ内壁 (60) 流路形成部 (63) 縁部 (80) 加熱ヒータ(加熱部材)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層された複数の伝熱プレート(P1,P
    2)により構成される本体部(51)を備えるプレート式
    熱交換器であって、 上記本体部(51)には、上記伝熱プレート(P1,P2)の
    流路形成部(60)によって第1流路(40)と第2流路
    (47)とが交互に形成され、且つ、各第1流路(40)の
    出口側と連通する出口ヘッダ(42)が形成される一方、 上記出口ヘッダ(42)に臨む上記流路形成部(60)の縁
    部(63)を加熱する縁部加熱手段を備えているプレート
    式熱交換器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプレート式熱交換器にお
    いて、 縁部加熱手段は、流路形成部(60)の縁部(63)に沿っ
    て形成された加熱流路(44)を有し、該加熱流路(44)
    内の加熱用流体によって上記縁部(63)を加熱するよう
    に構成されているプレート式熱交換器。
  3. 【請求項3】 長方形状の伝熱プレート(P1,P2)を複
    数積層して形成された直方体状の本体部(51)を備え、
    該本体部(51)において第1流路(40)の第1流体と第
    2流路(47)の第2流体とを熱交換させて第1流体を冷
    却するプレート式熱交換器であって、 上記本体部(51)には、上記伝熱プレート(P1,P2)の
    流路形成部(60)によって該本体部(51)の全幅に亘っ
    て該本体部(51)の長手方向に延びる第1流路(40)と
    第2流路(47)とが伝熱プレート(P1,P2)を挟んで交
    互に区画形成され、且つ、各第1流路(40)の出口側と
    連通する出口ヘッダ(42)が上記流路形成部(60)に隣
    接して上記本体部(51)の全幅に亘って形成される一
    方、 上記出口ヘッダ(42)に臨む流路形成部(60)の縁部
    (63)に沿って上記本体部(51)の全幅に亘って形成さ
    れた加熱流路(44)を有し、該加熱流路(44)内の加熱
    用流体によって伝熱プレート(P1,P2)を加熱する縁部
    加熱手段を備えているプレート式熱交換器。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載のプレート式熱交換
    器において、 縁部加熱手段の加熱流路(44)は、隣り合う伝熱プレー
    ト(P1,P2)によって区画形成されているプレート式熱
    交換器。
  5. 【請求項5】 積層された複数の伝熱プレート(P1,P
    2)により構成される本体部(51)を備え、該本体部(5
    1)において第1流路(40)の第1流体と第2流路(4
    7)の第2流体とを熱交換させるプレート式熱交換器で
    あって、 上記本体部(51)には、上記伝熱プレート(P1,P2)の
    流路形成部(60)によって第1流路(40)と第2流路
    (47)とが伝熱プレート(P1,P2)を挟んで交互に複数
    ずつ形成されると共に、上記流路形成部(60)に隣接し
    て形成されて各第1流路(40)の出口側と連通する出口
    ヘッダ(42)と、該出口ヘッダ(42)に臨む流路形成部
    (60)の縁部(63)に沿って区画されて内部を流れる第
    3流体と伝熱プレート(P1,P2)とを接触させる第3流
    路(44)とが形成されているプレート式熱交換器。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか1記載のプレー
    ト式熱交換器において、 出口ヘッダ(42)に臨む本体部(51)のヘッダ内壁(5
    2)を加熱する内壁加熱手段を備えているプレート式熱
    交換器。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のプレート式熱交換器にお
    いて、 内壁加熱手段は、本体部(51)の外縁に沿って設けられ
    た加熱部材(80)を有し、該加熱部材(80)で本体部
    (51)を加熱することによりヘッダ内壁(52)を加熱す
    るように構成されているプレート式熱交換器。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れか1記載のプレー
    ト式熱交換器を備える氷蓄熱装置であって、 上記プレート式熱交換器において第1流体である水を過
    冷却状態にまで冷却し、冷却された水の過冷却状態を解
    消させることにより生成した氷を蓄熱槽(31)に蓄える
    ように構成されている氷蓄熱装置。
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