JP2000349355A - 熱型赤外線検出素子 - Google Patents
熱型赤外線検出素子Info
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Landscapes
- Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱伝導率を小さく保ちつつ、赤外線検出体
の基板への支持が強化された熱型赤外線検出素子を提供
する。 【解決手段】 熱型赤外線検出素子は、基板と、赤外線
を吸収する赤外線吸収部及び赤外線吸収部の主面に形成
され赤外線吸収部が吸収した熱による温度上昇を検出す
る検出部からなる赤外線検出体と、赤外線検出体を基板
から離間した状態に支持する支持部材とを備え、支持部
材が、赤外線検出体を基板に支持する少なくとも3つの
支持部材からなる。
の基板への支持が強化された熱型赤外線検出素子を提供
する。 【解決手段】 熱型赤外線検出素子は、基板と、赤外線
を吸収する赤外線吸収部及び赤外線吸収部の主面に形成
され赤外線吸収部が吸収した熱による温度上昇を検出す
る検出部からなる赤外線検出体と、赤外線検出体を基板
から離間した状態に支持する支持部材とを備え、支持部
材が、赤外線検出体を基板に支持する少なくとも3つの
支持部材からなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱型赤外線検出素子
に関し、特に基板に対する赤外線検出体の支持構造に関
するものである。
に関し、特に基板に対する赤外線検出体の支持構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、赤外線カメラ用の検出素子として
CCDや光電子増倍管等が使用されるが、これらは遠赤
外域は検知できず、近赤外域でしか用いることができな
い。一方、赤外線カメラとしては8〜12μmの波長の
遠赤外線を利用した方が常温付近での黒体放射強度レベ
ルが高く、可視光の外乱に強い。そのため、セキュリテ
ィー等の分野では遠赤外線を検知する素子の要求が大き
い。遠赤外線カメラとしては量子効果や熱効果を利用し
たものがある。量子効果を利用した量子型センサでは検
出感度は優れているものの77K程度までの冷却が必要
であり、使い難い面がある。
CCDや光電子増倍管等が使用されるが、これらは遠赤
外域は検知できず、近赤外域でしか用いることができな
い。一方、赤外線カメラとしては8〜12μmの波長の
遠赤外線を利用した方が常温付近での黒体放射強度レベ
ルが高く、可視光の外乱に強い。そのため、セキュリテ
ィー等の分野では遠赤外線を検知する素子の要求が大き
い。遠赤外線カメラとしては量子効果や熱効果を利用し
たものがある。量子効果を利用した量子型センサでは検
出感度は優れているものの77K程度までの冷却が必要
であり、使い難い面がある。
【0003】一方、熱効果を利用したものは冷却の必要
がなく、1)熱を抵抗変化で検出するボロメータセン
サ、2)熱を熱電対で検出するサーモパイルセンサ、
3)熱を電荷で検出する焦電型センサなどがある。ま
た、近年、これらの素子をシリコンウエハ上にモノシリ
ックでアレイ状に形成した、例えばボロメータを用いた
センサが使用されている。
がなく、1)熱を抵抗変化で検出するボロメータセン
サ、2)熱を熱電対で検出するサーモパイルセンサ、
3)熱を電荷で検出する焦電型センサなどがある。ま
た、近年、これらの素子をシリコンウエハ上にモノシリ
ックでアレイ状に形成した、例えばボロメータを用いた
センサが使用されている。
【0004】通常、ボロメータセンサの感度Resは以
下の式で表わされる。 Res[V/W]=η・α・VB・(1−exp(−τ
i/τT))/G ここで、η:赤外線吸収率、α:抵抗温度係数、VB:
バイアス電圧、τi:積分時間、τT:熱時定数(τT
=H/G)、H:熱容量、G:熱伝導率である。
下の式で表わされる。 Res[V/W]=η・α・VB・(1−exp(−τ
i/τT))/G ここで、η:赤外線吸収率、α:抵抗温度係数、VB:
バイアス電圧、τi:積分時間、τT:熱時定数(τT
=H/G)、H:熱容量、G:熱伝導率である。
【0005】上記の式からわかるように、ボロメータセ
ンサの感度を向上させるためには、 1)赤外線吸収率ηを向上させる、2)抵抗温度係数α
の大きなボロメータ材料を使用する、3)熱伝導率Gを
小さくすることが必要である。また、アレイ状のセンサ
ではフィルファクタと呼ばれるピクセルサイズに対する
赤外線吸収体の面積の割合を大きくすることも要求され
る。なお、応答感度を向上させるためには熱容量Hを小
さくすることが必要である。
ンサの感度を向上させるためには、 1)赤外線吸収率ηを向上させる、2)抵抗温度係数α
の大きなボロメータ材料を使用する、3)熱伝導率Gを
小さくすることが必要である。また、アレイ状のセンサ
ではフィルファクタと呼ばれるピクセルサイズに対する
赤外線吸収体の面積の割合を大きくすることも要求され
る。なお、応答感度を向上させるためには熱容量Hを小
さくすることが必要である。
【0006】従来のボロメータセンサの構造について
は、例えば、特開平5−206526号公報の開示があ
る。ここで開示されている赤外線検出体としての熱吸収
ダイヤフラム100の構造は、図5に示すように、赤外
線吸収部120の表面に熱抵抗材料からなる検出部13
0を設けたものである。この熱吸収ダイヤフラム100
が、支持部材161、162によって基板110から離
間した状態に支えられている。支持部材161、162
は、熱吸収ダイヤフラム100の両端部から基板110
の側面に延出してリード151、152を支持するそれ
ぞれの長手部材からなる。
は、例えば、特開平5−206526号公報の開示があ
る。ここで開示されている赤外線検出体としての熱吸収
ダイヤフラム100の構造は、図5に示すように、赤外
線吸収部120の表面に熱抵抗材料からなる検出部13
0を設けたものである。この熱吸収ダイヤフラム100
が、支持部材161、162によって基板110から離
間した状態に支えられている。支持部材161、162
は、熱吸収ダイヤフラム100の両端部から基板110
の側面に延出してリード151、152を支持するそれ
ぞれの長手部材からなる。
【0007】支持部材161、162に載せられたリー
ド151、152は、熱吸収ダイヤフラム100が吸収
した赤外線を検出部130が熱抵抗の変化として電気的
に外部に導くために設けられている。支持部材161、
162は、熱吸収ダイヤフラム100の熱が基板110
へ逃げ難いように長くしかつ断面積を小さくして、熱伝
導率を小さく抑えるように形成される。
ド151、152は、熱吸収ダイヤフラム100が吸収
した赤外線を検出部130が熱抵抗の変化として電気的
に外部に導くために設けられている。支持部材161、
162は、熱吸収ダイヤフラム100の熱が基板110
へ逃げ難いように長くしかつ断面積を小さくして、熱伝
導率を小さく抑えるように形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、支持部
材161、162のように断面積が小さく、かつ長い腕
状の支持部材を用いているので、剛性が低くなってしま
う。また、ボロメータ素子製造のための成膜プロセスに
おいて膜厚方向の内部応力の発生を避けることができ
ず、この応力によって赤外線吸収部120や支持部材1
61、162が歪み、基板110と接触することでセン
サとしての性能が得られなくなる。
材161、162のように断面積が小さく、かつ長い腕
状の支持部材を用いているので、剛性が低くなってしま
う。また、ボロメータ素子製造のための成膜プロセスに
おいて膜厚方向の内部応力の発生を避けることができ
ず、この応力によって赤外線吸収部120や支持部材1
61、162が歪み、基板110と接触することでセン
サとしての性能が得られなくなる。
【0009】一方、熱吸収ダイヤフラム100の支持点
は、支持部材161、162の各基部の2点であるた
め、内部応力の不均一性によって熱吸収ダイヤフラム1
00が回転し、基板110と接触することもある。ま
た、センサとしての性能を高めようとして支持部材16
1、162を長くしたり、その断面積を小さくしたりす
ると、さらに支持剛性は低くなり、不良率の発生は多く
なる。熱吸収ダイヤフラム100と基板110との間隔
を非常に大きくすれば上記のような接触を回避できる
が、熱吸収の効率や生産の効率(プロセスの時間等)の
点から、熱吸収ダイヤフラム100と基板110との間
隔をλ/4(λ:波長)より大きく設定することは好ま
しくない。
は、支持部材161、162の各基部の2点であるた
め、内部応力の不均一性によって熱吸収ダイヤフラム1
00が回転し、基板110と接触することもある。ま
た、センサとしての性能を高めようとして支持部材16
1、162を長くしたり、その断面積を小さくしたりす
ると、さらに支持剛性は低くなり、不良率の発生は多く
なる。熱吸収ダイヤフラム100と基板110との間隔
を非常に大きくすれば上記のような接触を回避できる
が、熱吸収の効率や生産の効率(プロセスの時間等)の
点から、熱吸収ダイヤフラム100と基板110との間
隔をλ/4(λ:波長)より大きく設定することは好ま
しくない。
【0010】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、熱伝導を小さく保ちつつ、赤外線検
出体の基板への支持が強化された熱型赤外線検出素子を
提供するものである。
されたものであり、熱伝導を小さく保ちつつ、赤外線検
出体の基板への支持が強化された熱型赤外線検出素子を
提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基板
と、赤外線を吸収する赤外線吸収部及び赤外線吸収部の
主面に形成され赤外線吸収部が吸収した熱による温度上
昇を検出する検出部からなる赤外線検出体と、赤外線検
出体を基板から離間した状態に支持する支持部材とを備
え、支持部材が、赤外線検出体を基板に支持する少なく
とも3つの支持部材からなることを特徴とする熱型赤外
線検出素子が提供される。
と、赤外線を吸収する赤外線吸収部及び赤外線吸収部の
主面に形成され赤外線吸収部が吸収した熱による温度上
昇を検出する検出部からなる赤外線検出体と、赤外線検
出体を基板から離間した状態に支持する支持部材とを備
え、支持部材が、赤外線検出体を基板に支持する少なく
とも3つの支持部材からなることを特徴とする熱型赤外
線検出素子が提供される。
【0012】すなわち、従来、赤外線検出体へ伝播され
るべき熱が基板へ逃げ難いように長くしかつ断面積を小
さくした2つの支持部材、例えば、検出部から延出した
1対のリード自体あるいは腕状の長手部材を用いて赤外
線検出体を基板から離間した状態に支持していたが、こ
のような支持構造では2つの支持部材を中心とする赤外
線検出体の揺動、つまり水平面あるいは垂直面における
捩じれや揺れが容易に発生する。したがって、この発明
では、前記2つの支持部材にもう1つの支持部材を加え
て赤外線検出体を基板に少なくとも3点で支持すること
によって、赤外線検出体の揺動を抑え、それによって赤
外線検出体が基板に接触するのを防止して熱型赤外線検
出素子の歩留まりを向上させることができる。
るべき熱が基板へ逃げ難いように長くしかつ断面積を小
さくした2つの支持部材、例えば、検出部から延出した
1対のリード自体あるいは腕状の長手部材を用いて赤外
線検出体を基板から離間した状態に支持していたが、こ
のような支持構造では2つの支持部材を中心とする赤外
線検出体の揺動、つまり水平面あるいは垂直面における
捩じれや揺れが容易に発生する。したがって、この発明
では、前記2つの支持部材にもう1つの支持部材を加え
て赤外線検出体を基板に少なくとも3点で支持すること
によって、赤外線検出体の揺動を抑え、それによって赤
外線検出体が基板に接触するのを防止して熱型赤外線検
出素子の歩留まりを向上させることができる。
【0013】さらにこの発明では、熱型赤外線検出素子
が、赤外線検出体の検出部を基部として外方に延出した
1対のリードを有し、支持部材のうちの2つの支持部材
がこれらリードを配した状態で赤外線検出体の2つの部
位を支持し、他の支持部材が、前記2つの部位とは異な
る部位を支持してなる支持構造により、赤外線検出体と
基板との間の熱伝導を小さく保ちつつ、熱型赤外線検出
素子の支持を強化できるため、赤外線の検出感度を高め
ながら、製造工程における製品の歩留まりの向上を図る
ことができる。
が、赤外線検出体の検出部を基部として外方に延出した
1対のリードを有し、支持部材のうちの2つの支持部材
がこれらリードを配した状態で赤外線検出体の2つの部
位を支持し、他の支持部材が、前記2つの部位とは異な
る部位を支持してなる支持構造により、赤外線検出体と
基板との間の熱伝導を小さく保ちつつ、熱型赤外線検出
素子の支持を強化できるため、赤外線の検出感度を高め
ながら、製造工程における製品の歩留まりの向上を図る
ことができる。
【0014】本発明における熱型赤外線検出素子とは、
極低温までの冷却が不要な、常温における熱効果を利用
した遠赤外線検出素子であって、具体的には熱を抵抗変
化で検出するボロメータセンサ、熱を熱電対で検出する
サーモパイルセンサ、熱を電荷で検出する焦電型センサ
などが挙げられる。また、これらの素子をシリコンウエ
ハ上にモノシリックでアレイ状に形成したボロメータを
用いたセンサも本発明に含まれる。
極低温までの冷却が不要な、常温における熱効果を利用
した遠赤外線検出素子であって、具体的には熱を抵抗変
化で検出するボロメータセンサ、熱を熱電対で検出する
サーモパイルセンサ、熱を電荷で検出する焦電型センサ
などが挙げられる。また、これらの素子をシリコンウエ
ハ上にモノシリックでアレイ状に形成したボロメータを
用いたセンサも本発明に含まれる。
【0015】リードのそれぞれを支持する各支持部材
が、リードに沿って形成された腕状長手部材からなり、
前記他の1つの支持部材が、腕状または脚状の短手部材
からなるものであれば、前記他の1つの支持部材(以
下、第3の支持部材と称する)に、高い剛性を保持させ
ることができ、安定性の高い支持構造が得られる。な
お、上記で用いた「腕状」の部材とは赤外線検出体と基
板とを、主として水平方向で連絡する部材をいい、「脚
状」の部材とは赤外線検出体と基板とを、主として垂直
方向で連絡する部材をいう。したがって、赤外線検出体
が基板上に形成された凹状部分の内部に支持される場合
は、この凹状部分の壁面(側面)が「腕状」部材の一方
の支持部位となり、凹状部分の底面が「脚状」部材の一
方の支持部位となり得る。なお、前記の基板との連絡方
法については特に限定するものではなく、プロセスの関
係上、支持部材が基板に対して斜めに連絡していても良
い。
が、リードに沿って形成された腕状長手部材からなり、
前記他の1つの支持部材が、腕状または脚状の短手部材
からなるものであれば、前記他の1つの支持部材(以
下、第3の支持部材と称する)に、高い剛性を保持させ
ることができ、安定性の高い支持構造が得られる。な
お、上記で用いた「腕状」の部材とは赤外線検出体と基
板とを、主として水平方向で連絡する部材をいい、「脚
状」の部材とは赤外線検出体と基板とを、主として垂直
方向で連絡する部材をいう。したがって、赤外線検出体
が基板上に形成された凹状部分の内部に支持される場合
は、この凹状部分の壁面(側面)が「腕状」部材の一方
の支持部位となり、凹状部分の底面が「脚状」部材の一
方の支持部位となり得る。なお、前記の基板との連絡方
法については特に限定するものではなく、プロセスの関
係上、支持部材が基板に対して斜めに連絡していても良
い。
【0016】第3の支持部材を含む支持部材は、熱伝導
性を考慮してその材質あるいは断面積を適宜、設定ある
いは選定することによって、高い剛性を保持しかつ熱伝
導を小さく抑えることができる。少なくとも3つの支持
部材が、赤外線検出体上で一直線上に並ばない部位、す
なわち、3つの支持部材が、赤外線検出体上で三角形を
形成する部位をそれぞれ支持する構成により安定性の高
い支持構造が得られる。
性を考慮してその材質あるいは断面積を適宜、設定ある
いは選定することによって、高い剛性を保持しかつ熱伝
導を小さく抑えることができる。少なくとも3つの支持
部材が、赤外線検出体上で一直線上に並ばない部位、す
なわち、3つの支持部材が、赤外線検出体上で三角形を
形成する部位をそれぞれ支持する構成により安定性の高
い支持構造が得られる。
【0017】支持部材は、ポリイミド樹脂を材料として
構成することができ、さらに赤外線吸収部とともにポリ
イミド樹脂を材料として一体的に成形することもでき
る。ポリイミド樹脂は、熱伝導率及び熱膨張率が小さ
く、電気絶縁性にも優れる点で好ましい材料である。し
たがって、ポリイミド樹脂を用いると、さらに熱伝導率
を小さく抑えることができ、より高いセンサ感度を得る
ことができる。
構成することができ、さらに赤外線吸収部とともにポリ
イミド樹脂を材料として一体的に成形することもでき
る。ポリイミド樹脂は、熱伝導率及び熱膨張率が小さ
く、電気絶縁性にも優れる点で好ましい材料である。し
たがって、ポリイミド樹脂を用いると、さらに熱伝導率
を小さく抑えることができ、より高いセンサ感度を得る
ことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して、本
発明の熱型赤外線検出素子としてボロメータの形態をも
つ熱吸収ダイヤフラムの4つの実施の形態を説明する。
なお、各図において(a)は平面図を示し、(b)は平
面図で矢印が示す部位における断面図を示す。実施例1 図1に示した熱吸収ダイヤフラム10は、赤外線を吸収
する赤外線吸収部21及び赤外線吸収部21の表面に形
成され赤外線吸収部21の温度変化を検出する検出部3
1から構成されている。また、熱吸収ダイヤグラム10
は基板11から離間した状態に支持する3つの支持部材
61、62、63で支持されている。
発明の熱型赤外線検出素子としてボロメータの形態をも
つ熱吸収ダイヤフラムの4つの実施の形態を説明する。
なお、各図において(a)は平面図を示し、(b)は平
面図で矢印が示す部位における断面図を示す。実施例1 図1に示した熱吸収ダイヤフラム10は、赤外線を吸収
する赤外線吸収部21及び赤外線吸収部21の表面に形
成され赤外線吸収部21の温度変化を検出する検出部3
1から構成されている。また、熱吸収ダイヤグラム10
は基板11から離間した状態に支持する3つの支持部材
61、62、63で支持されている。
【0019】基板11は、赤外線検出体41を収納する
凹状空間部11aを有するシリコンの基板からなり、赤
外線吸収部21は、例えばSiO2 などからなる矩形の
板状部材である。検出部31は赤外線吸収部21の表面
に形成され、赤外線吸収部21の外形よりわずかに内側
に位置する外形を有し、酸化バナジウム等の熱温度係数
の高い感熱体からなる膜状部材である。検出部31の対
向する隅部(a図の左上、右下)には、略L字状に延出
した1対のリード51、52の基部が接続されている。
リード51、52の各先端部は、例えば外部の格子状の
駆動回路(図示せず)に接続される。
凹状空間部11aを有するシリコンの基板からなり、赤
外線吸収部21は、例えばSiO2 などからなる矩形の
板状部材である。検出部31は赤外線吸収部21の表面
に形成され、赤外線吸収部21の外形よりわずかに内側
に位置する外形を有し、酸化バナジウム等の熱温度係数
の高い感熱体からなる膜状部材である。検出部31の対
向する隅部(a図の左上、右下)には、略L字状に延出
した1対のリード51、52の基部が接続されている。
リード51、52の各先端部は、例えば外部の格子状の
駆動回路(図示せず)に接続される。
【0020】熱吸収ダイヤフラム10は、リード51、
52の基部に対向する赤外線吸収部21の隅部から基板
11に向かって略L字状に延出した腕状の長手部材6
1、62と、第3の支持部材としての脚状の短手部材6
3で支持されている。長手部材61、62上には、リー
ド51、52が設けられており、熱吸収ダイヤフラム1
0の2つの部位、すなわち、対角位置にある隅部を支持
する。脚状短手部材63は、上記した赤外線吸収部21
の隅部の間に位置する一隅部(a図の右上)から赤外線
吸収部21の面と平行に略L字状に延出し、その先端が
さらに基板11の底部に向かって略直角に延出した、2
つの屈曲部位を有し、長手部材61、62より短い長さ
で赤外線吸収部21と基板11との間に懸け渡されてい
る。上記した各支持部材61、62、63の側面部と赤
外線検出体41の側面部とは、熱的絶縁を得るために所
定幅のギャップ(空間)で隔てられている。
52の基部に対向する赤外線吸収部21の隅部から基板
11に向かって略L字状に延出した腕状の長手部材6
1、62と、第3の支持部材としての脚状の短手部材6
3で支持されている。長手部材61、62上には、リー
ド51、52が設けられており、熱吸収ダイヤフラム1
0の2つの部位、すなわち、対角位置にある隅部を支持
する。脚状短手部材63は、上記した赤外線吸収部21
の隅部の間に位置する一隅部(a図の右上)から赤外線
吸収部21の面と平行に略L字状に延出し、その先端が
さらに基板11の底部に向かって略直角に延出した、2
つの屈曲部位を有し、長手部材61、62より短い長さ
で赤外線吸収部21と基板11との間に懸け渡されてい
る。上記した各支持部材61、62、63の側面部と赤
外線検出体41の側面部とは、熱的絶縁を得るために所
定幅のギャップ(空間)で隔てられている。
【0021】このように、長手部材61、62及び短手
部材63の3つの支持部材が、赤外線検出体41上で三
角形を形成する部位にそれぞれの端部を有することによ
り、安定した3点支持構造を形成できる。すなわち、長
手部材61、62だけでは2つの支持部材を中心とする
熱吸収ダイヤフラム10の振れが発生し易いが、前記2
つの支持部材に第3の支持部材を加えて熱吸収ダイヤフ
ラム10を基板に3点支持することによって、熱吸収ダ
イヤフラム10の振れを抑えることができる。さらに、
第3の支持部材63が2つの支持部材61、62より短
い部材からなるので、高い剛性を保持した安定性の高い
支持構造が得られる。
部材63の3つの支持部材が、赤外線検出体41上で三
角形を形成する部位にそれぞれの端部を有することによ
り、安定した3点支持構造を形成できる。すなわち、長
手部材61、62だけでは2つの支持部材を中心とする
熱吸収ダイヤフラム10の振れが発生し易いが、前記2
つの支持部材に第3の支持部材を加えて熱吸収ダイヤフ
ラム10を基板に3点支持することによって、熱吸収ダ
イヤフラム10の振れを抑えることができる。さらに、
第3の支持部材63が2つの支持部材61、62より短
い部材からなるので、高い剛性を保持した安定性の高い
支持構造が得られる。
【0022】このような支持構造は、第3の支持部材と
しての短手部材63が、前記2つの支持部材61、62
と異なる部位、すなわち、他の隅部を支持することによ
って成立する。すなわち、支持部材による基板11への
熱伝導率を抑えるために細くかつ長い長手部材61、6
2を使用する必要を生じるが、この2つの支持部材によ
る支持剛性の低下を第3の支持部材63が補うように作
用する。
しての短手部材63が、前記2つの支持部材61、62
と異なる部位、すなわち、他の隅部を支持することによ
って成立する。すなわち、支持部材による基板11への
熱伝導率を抑えるために細くかつ長い長手部材61、6
2を使用する必要を生じるが、この2つの支持部材によ
る支持剛性の低下を第3の支持部材63が補うように作
用する。
【0023】上記した3つの支持部材が熱吸収ダイヤフ
ラム10を支える点を結ぶ三角形の面積がより広くなる
ように構成されるのが好ましく、この三角形の面積が狭
ければ腕状長手部材61、62の基部あるいは先端部を
互いに結ぶ軸上で回転し易いが、互いに広い間隔で形成
された3点で支持すれば非常に安定した支持を得ること
ができる。
ラム10を支える点を結ぶ三角形の面積がより広くなる
ように構成されるのが好ましく、この三角形の面積が狭
ければ腕状長手部材61、62の基部あるいは先端部を
互いに結ぶ軸上で回転し易いが、互いに広い間隔で形成
された3点で支持すれば非常に安定した支持を得ること
ができる。
【0024】ところで、第3の支持部材として短手部材
63を追加することによって支持部材による基板11へ
の熱伝導が増加する可能性があるが、リード51、52
の熱伝導率を支持部材61、62、63の熱伝導率と比
べた場合、支持部材(61、62、63)の熱伝導率は
非常に小さい。すなわち、リード51、52を形成する
材料の熱伝導率は、例えば、リードとなるAl(アルミ
ニウム)では235[W/mK]、Ti(チタン)では
22[W/mK]であり、支持部材60を形成する材
料、例えば、SiO2 の熱伝導率1.4[W/cmK]
等と比べて1桁以上、熱伝導率が高い。したがって、S
iO2 の支持部材が1本増えたとしても全体として熱伝
導率が急激に増加することはない。
63を追加することによって支持部材による基板11へ
の熱伝導が増加する可能性があるが、リード51、52
の熱伝導率を支持部材61、62、63の熱伝導率と比
べた場合、支持部材(61、62、63)の熱伝導率は
非常に小さい。すなわち、リード51、52を形成する
材料の熱伝導率は、例えば、リードとなるAl(アルミ
ニウム)では235[W/mK]、Ti(チタン)では
22[W/mK]であり、支持部材60を形成する材
料、例えば、SiO2 の熱伝導率1.4[W/cmK]
等と比べて1桁以上、熱伝導率が高い。したがって、S
iO2 の支持部材が1本増えたとしても全体として熱伝
導率が急激に増加することはない。
【0025】熱伝導率の計算の一例を以下に示す。仮
に、支持部材の幅を1μm、長さを30μmとし、それ
ぞれの厚みを、SiO2 :0.5μm、Ti:0.1μ
mとした場合、SiO2 及びTiの熱伝導率は、SiO
2 が2.33E−8[W/K]、Tiが7.3E−8
[W/K]となり、SiO2 とTiの熱伝導率の比は約
1対3となる。
に、支持部材の幅を1μm、長さを30μmとし、それ
ぞれの厚みを、SiO2 :0.5μm、Ti:0.1μ
mとした場合、SiO2 及びTiの熱伝導率は、SiO
2 が2.33E−8[W/K]、Tiが7.3E−8
[W/K]となり、SiO2 とTiの熱伝導率の比は約
1対3となる。
【0026】したがって同じ断面積、同じ長さのSiO
2 の支持部材が1本増えたとしても、支持部材全体とし
ては、下記の計算式に示すように、およそ12%の増加
に留まる。すなわち、(2.33E−8×3+7.3E
−8×2)/(2.33E−8×2+7.3E−8×
2)=1.12となる。また、リードがAlの場合では
SiO2 とAlの熱伝導率の比はさらに大きくなるの
で、第3の支持部材を追加することの影響はより小さく
なる。逆に、第3の支持部材として短手部材63を付け
加えた分だけ、リード51、52を設けた2つの支持部
材である長手部材61、62を細く、あるいは長く設け
ることができる。
2 の支持部材が1本増えたとしても、支持部材全体とし
ては、下記の計算式に示すように、およそ12%の増加
に留まる。すなわち、(2.33E−8×3+7.3E
−8×2)/(2.33E−8×2+7.3E−8×
2)=1.12となる。また、リードがAlの場合では
SiO2 とAlの熱伝導率の比はさらに大きくなるの
で、第3の支持部材を追加することの影響はより小さく
なる。逆に、第3の支持部材として短手部材63を付け
加えた分だけ、リード51、52を設けた2つの支持部
材である長手部材61、62を細く、あるいは長く設け
ることができる。
【0027】さらに、ポリイミド樹脂の熱伝導率は、
0.168[W/mK]であって、SiO2 の熱伝導率
の1.4[W/cmK]と比較すると約1桁程度低いた
め、支持部材の材料としてポリイミド樹脂を用いること
により、さらに熱伝導率を下げることができる。そのた
め、支持部材を増やしても熱吸収ダイヤフラムの支持強
化と低い熱伝導率・高フィルファクターの両立を図るこ
とができる。
0.168[W/mK]であって、SiO2 の熱伝導率
の1.4[W/cmK]と比較すると約1桁程度低いた
め、支持部材の材料としてポリイミド樹脂を用いること
により、さらに熱伝導率を下げることができる。そのた
め、支持部材を増やしても熱吸収ダイヤフラムの支持強
化と低い熱伝導率・高フィルファクターの両立を図るこ
とができる。
【0028】熱吸収ダイヤフラム10の製造方法の概略
を以下に例示する。まず、凹状空間部11aを有するシ
リコン基板11上にポリイミド樹脂などからなる犠牲層
を設け、次にその上に赤外線吸収部21、支持部材6
1、62、63を成膜及びエッチングにより形成し、次
いで凹状空間部11aに充填された上記犠牲層をエッチ
ングにより除去する。次に赤外線吸収部21上に酸化バ
ナジウム等の感熱体からなる検出部31を成膜により形
成し、1対のリード51、52をアルミニウム等の導電
材料で成膜する。なお、支持部材をポリイミドを形成す
る場合は、犠牲層となる材料をポリイミド以外にする必
要がある。
を以下に例示する。まず、凹状空間部11aを有するシ
リコン基板11上にポリイミド樹脂などからなる犠牲層
を設け、次にその上に赤外線吸収部21、支持部材6
1、62、63を成膜及びエッチングにより形成し、次
いで凹状空間部11aに充填された上記犠牲層をエッチ
ングにより除去する。次に赤外線吸収部21上に酸化バ
ナジウム等の感熱体からなる検出部31を成膜により形
成し、1対のリード51、52をアルミニウム等の導電
材料で成膜する。なお、支持部材をポリイミドを形成す
る場合は、犠牲層となる材料をポリイミド以外にする必
要がある。
【0029】実施例2 図2に示した熱吸収ダイヤフラム20は、赤外線を吸収
する赤外線吸収部22及び赤外線吸収部22の表面に形
成され赤外線吸収部22の温度変化を検出する検出部3
2から構成されている。また熱吸収ダイヤフラム20
は、基板11から離間した状態に支持する3つの支持部
材71、72、73で支持されている。
する赤外線吸収部22及び赤外線吸収部22の表面に形
成され赤外線吸収部22の温度変化を検出する検出部3
2から構成されている。また熱吸収ダイヤフラム20
は、基板11から離間した状態に支持する3つの支持部
材71、72、73で支持されている。
【0030】検出部32の対向する隅部(a図の左上、
右下)には、略L字状に延出した1対のリード53、5
4の基部が接続されている。ここでは、リード53、5
4が長く設けられた点並びにそれに応じて3つの支持部
材71、72、73の長さ及び形状が変更された点で図
1に示した熱吸収ダイヤフラム10と異なる。熱吸収ダ
イヤフラム20を形成する赤外線吸収部22及び検出部
32は若干の形状の変更を伴うが大勢には何ら影響がな
い。
右下)には、略L字状に延出した1対のリード53、5
4の基部が接続されている。ここでは、リード53、5
4が長く設けられた点並びにそれに応じて3つの支持部
材71、72、73の長さ及び形状が変更された点で図
1に示した熱吸収ダイヤフラム10と異なる。熱吸収ダ
イヤフラム20を形成する赤外線吸収部22及び検出部
32は若干の形状の変更を伴うが大勢には何ら影響がな
い。
【0031】すなわち、1対のリード53、54を載せ
た2つの腕状の長手部材71、72を、図2に示すよう
に、さらに長くすることによって、支持部材全体として
の熱伝導をさらに小さくすることができる。したがっ
て、リード53、54を載せない脚状の短手部材73自
体の剛性が高いため、長手部材71、72を細くまた長
くしても支持剛性を確保でき、同時に熱伝導を低く抑え
ることができる。
た2つの腕状の長手部材71、72を、図2に示すよう
に、さらに長くすることによって、支持部材全体として
の熱伝導をさらに小さくすることができる。したがっ
て、リード53、54を載せない脚状の短手部材73自
体の剛性が高いため、長手部材71、72を細くまた長
くしても支持剛性を確保でき、同時に熱伝導を低く抑え
ることができる。
【0032】実施例3 図3に示した熱吸収ダイヤフラム30は、赤外線を吸収
する赤外線吸収部23及び赤外線吸収部23の表面に形
成され赤外線吸収部23の温度変化を検出する検出部3
3から構成されている。また、熱吸収ダイヤフラム30
は、基板11から離間した状態に支持する1対のリード
55、56を載せた2つの腕状の長手部材81、82に
加えて2つの腕状の短手部材83、84で支持されてい
る。
する赤外線吸収部23及び赤外線吸収部23の表面に形
成され赤外線吸収部23の温度変化を検出する検出部3
3から構成されている。また、熱吸収ダイヤフラム30
は、基板11から離間した状態に支持する1対のリード
55、56を載せた2つの腕状の長手部材81、82に
加えて2つの腕状の短手部材83、84で支持されてい
る。
【0033】ここでは、第3及び第4の支持部材となる
短手部材83、84の形状が変更された点で図1に示し
た熱吸収ダイヤフラム10と異なる。赤外線吸収部23
及び検出部33は若干の形状の変更を伴うが、大勢には
何ら影響がない。
短手部材83、84の形状が変更された点で図1に示し
た熱吸収ダイヤフラム10と異なる。赤外線吸収部23
及び検出部33は若干の形状の変更を伴うが、大勢には
何ら影響がない。
【0034】短手部材83、84は、図3に示すよう
に、上記した赤外線吸収部23の隅部の間に位置する両
隅部(a図の右上及び左下)から赤外線吸収部23の面
と平行に直線状に延出し、その先端がさらに基板11の
凹状空間部11aの側面と接合されている。短手部材8
3、84は、図からも明らかなように、腕状長手部材8
1、82より短い長さを有する。
に、上記した赤外線吸収部23の隅部の間に位置する両
隅部(a図の右上及び左下)から赤外線吸収部23の面
と平行に直線状に延出し、その先端がさらに基板11の
凹状空間部11aの側面と接合されている。短手部材8
3、84は、図からも明らかなように、腕状長手部材8
1、82より短い長さを有する。
【0035】すなわち、第3及び第4の支持部材となる
脚状短手部材83、84を設けることにより、多数の支
持部材による熱吸収ダイヤフラム30の支持剛性の強化
を図ることができる。第3及び第4の支持部材を含む支
持部材の構成、形状、太さ及び材料は、支持剛性の強化
による歩留まりの向上と、熱伝導率の増加・フィルファ
クター低下によるセンサ性能低下との関係から、最適値
を適宜決定すればよい。
脚状短手部材83、84を設けることにより、多数の支
持部材による熱吸収ダイヤフラム30の支持剛性の強化
を図ることができる。第3及び第4の支持部材を含む支
持部材の構成、形状、太さ及び材料は、支持剛性の強化
による歩留まりの向上と、熱伝導率の増加・フィルファ
クター低下によるセンサ性能低下との関係から、最適値
を適宜決定すればよい。
【0036】実施例4 図4に示した熱吸収ダイヤフラム40は、赤外線を吸収
する赤外線吸収部24及び赤外線吸収部24の表面に形
成され赤外線吸収部24の温度変化を検出する検出部3
4から構成されている。また、熱吸収ダイヤフラム40
は、基板11から離間した状態に支持する1対のリード
57、58を載せた2つの腕状長手部材91、92に加
えて4つの腕状短手部材93、94、95及び96で支
持されている。
する赤外線吸収部24及び赤外線吸収部24の表面に形
成され赤外線吸収部24の温度変化を検出する検出部3
4から構成されている。また、熱吸収ダイヤフラム40
は、基板11から離間した状態に支持する1対のリード
57、58を載せた2つの腕状長手部材91、92に加
えて4つの腕状短手部材93、94、95及び96で支
持されている。
【0037】ここでは、第3〜第6の支持部材となる腕
状短手部材93、94、95及び96の形状が、図1に
示した熱吸収ダイヤフラム10と異なる。赤外線検出体
44を形成する赤外線吸収部24及び検出部34は若干
の形状の変更を伴うが大勢には何ら影響がない。
状短手部材93、94、95及び96の形状が、図1に
示した熱吸収ダイヤフラム10と異なる。赤外線検出体
44を形成する赤外線吸収部24及び検出部34は若干
の形状の変更を伴うが大勢には何ら影響がない。
【0038】すなわち、図4に示すように、短手部材9
3及び94は、赤外線吸収部24の隅部の間に位置する
両隅部(a図の右上及び左下)から赤外線吸収部24の
辺と平行に腕状長手部材91及び92の先端部に向かっ
て直線状に延出し、その先端が腕状長手部材91、92
と一体になって基板11の凹状空間部11aの側面と接
合されている。一方、腕状短手部材95及び96は、腕
状長手部材91及び92の基部から赤外線吸収部24の
辺と平行に、腕状長手部材91及び92の主部と直角方
向に直線状に延出し、その先端が基板11の凹状空間部
11aの側面と接合されている。
3及び94は、赤外線吸収部24の隅部の間に位置する
両隅部(a図の右上及び左下)から赤外線吸収部24の
辺と平行に腕状長手部材91及び92の先端部に向かっ
て直線状に延出し、その先端が腕状長手部材91、92
と一体になって基板11の凹状空間部11aの側面と接
合されている。一方、腕状短手部材95及び96は、腕
状長手部材91及び92の基部から赤外線吸収部24の
辺と平行に、腕状長手部材91及び92の主部と直角方
向に直線状に延出し、その先端が基板11の凹状空間部
11aの側面と接合されている。
【0039】なお、この発明においてリードの引き出し
方向は特に限定されない。したがって、一方を縦方向
に、もう一方を横方向に引き出すことによって、熱吸収
ダイヤフラムをアレイ状に配列した場合には、外部の電
極あるいは外部のリードと接続し易くなる。また、上記
の各実施例においては、赤外線の検出素子としてボロメ
ータが使用されているが、本発明はボロメータに限定さ
れることはなく、サーモパイルセンサや焦電型センサ
等、他の赤外線検出素子にも適用可能である。
方向は特に限定されない。したがって、一方を縦方向
に、もう一方を横方向に引き出すことによって、熱吸収
ダイヤフラムをアレイ状に配列した場合には、外部の電
極あるいは外部のリードと接続し易くなる。また、上記
の各実施例においては、赤外線の検出素子としてボロメ
ータが使用されているが、本発明はボロメータに限定さ
れることはなく、サーモパイルセンサや焦電型センサ
等、他の赤外線検出素子にも適用可能である。
【0040】
【発明の効果】この発明では、2つの支持部材にもう1
つ以上の支持部材を加えて赤外線検出体を基板に3点以
上で支持することによって、赤外線検出体の揺動を抑
え、それによって赤外線検出体が基板に接触するのを防
止し、製品の歩留まりを向上させることができる。さら
に、2つの支持部材が1対のリードのそれぞれと接触状
態で赤外線検出体の2つの部位を支持し、他の1つ以上
の支持部材が、これらリードと非接触状態で前記2つの
部位とは異なる部位を支持してなる支持構造により、赤
外線検出体と基板との間の熱伝導を小さく保ちつつ、熱
型赤外線検出素子の支持を強化できるため、赤外線の検
出感度を高めながら、製造工程における製品の歩留まり
の向上を図ることができる。
つ以上の支持部材を加えて赤外線検出体を基板に3点以
上で支持することによって、赤外線検出体の揺動を抑
え、それによって赤外線検出体が基板に接触するのを防
止し、製品の歩留まりを向上させることができる。さら
に、2つの支持部材が1対のリードのそれぞれと接触状
態で赤外線検出体の2つの部位を支持し、他の1つ以上
の支持部材が、これらリードと非接触状態で前記2つの
部位とは異なる部位を支持してなる支持構造により、赤
外線検出体と基板との間の熱伝導を小さく保ちつつ、熱
型赤外線検出素子の支持を強化できるため、赤外線の検
出感度を高めながら、製造工程における製品の歩留まり
の向上を図ることができる。
【図1】本発明の一実施例による赤外線検出素子の支持
構造を示す平面図(a)及び断面図(b)。
構造を示す平面図(a)及び断面図(b)。
【図2】本発明の他の実施例による赤外線検出素子の支
持構造を示す平面図(a)及び断面図(b)。
持構造を示す平面図(a)及び断面図(b)。
【図3】本発明のさらに他の実施例による赤外線検出素
子の支持構造を示す平面図(a)及び断面図(b)。
子の支持構造を示す平面図(a)及び断面図(b)。
【図4】本発明のさらに他の実施例による赤外線検出素
子の支持構造を示す平面図(a)及び断面図(b)。
子の支持構造を示す平面図(a)及び断面図(b)。
【図5】従来の赤外線検出素子の支持構造の一例を示す
平面図(a)及び断面図(b)。
平面図(a)及び断面図(b)。
10 熱吸収ダイヤフラム 11 基板 21 赤外線吸収部 31 検出部 61、62 腕状長手部材(支持部材) 63 脚状短手部材(支持部材) 51、52 リード
Claims (5)
- 【請求項1】 基板と、赤外線を吸収する赤外線吸収部
及び赤外線吸収部の主面に形成され赤外線吸収部が吸収
した熱による温度上昇を検出する検出部からなる赤外線
検出体と、赤外線検出体を基板から離間した状態に支持
する支持部材とを備え、 支持部材が、赤外線検出体を基板に支持する少なくとも
3つの支持部材からなることを特徴とする熱型赤外線検
出素子。 - 【請求項2】 前記熱型赤外線検出素子は、前記赤外線
検出体の検出部を基部として外方に延出した1対のリー
ドを有し、支持部材のうちの2つの支持部材がこれらリ
ードを配した状態で赤外線検出体の2つの部位を支持
し、他の支持部材が、前記2つの部位とは異なる部位を
支持してなる請求項1に記載の熱型赤外線検出素子。 - 【請求項3】 リードのそれぞれを支持する各支持部材
は、赤外線検出体の外形に沿って形成された長手部材か
らなり、前記他の支持部材は、短手部材からなる請求項
2に記載の熱型赤外線検出素子。 - 【請求項4】 前記少なくとも3つの支持部材が、赤外
線検出体上で一直線上に並ばない部位でそれぞれ支持す
る請求項1から4のいずれか1つに記載の熱型赤外線検
出素子。 - 【請求項5】 支持部材が、ポリイミド樹脂を材料とし
て形成された請求項1〜4のいずれか1つに記載の熱型
赤外線検出素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11156720A JP2000349355A (ja) | 1999-06-03 | 1999-06-03 | 熱型赤外線検出素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11156720A JP2000349355A (ja) | 1999-06-03 | 1999-06-03 | 熱型赤外線検出素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000349355A true JP2000349355A (ja) | 2000-12-15 |
Family
ID=15633872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11156720A Pending JP2000349355A (ja) | 1999-06-03 | 1999-06-03 | 熱型赤外線検出素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000349355A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002365129A (ja) * | 2001-06-08 | 2002-12-18 | Nec Corp | 熱型赤外線検出器 |
KR100547064B1 (ko) * | 2001-03-30 | 2006-02-01 | 가부시끼가이샤 도시바 | 적외선 센서 장치 및 그 제조 방법 |
-
1999
- 1999-06-03 JP JP11156720A patent/JP2000349355A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100547064B1 (ko) * | 2001-03-30 | 2006-02-01 | 가부시끼가이샤 도시바 | 적외선 센서 장치 및 그 제조 방법 |
JP2002365129A (ja) * | 2001-06-08 | 2002-12-18 | Nec Corp | 熱型赤外線検出器 |
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