JP2000336033A - 沈降炭酸カルシウム又は炭酸カルシウムを含有する製剤及びそれを有効成分とする高リン血症改善剤 - Google Patents
沈降炭酸カルシウム又は炭酸カルシウムを含有する製剤及びそれを有効成分とする高リン血症改善剤Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】慢性透析患者を対象に,これまでは,アルミニ
ウム製剤がリン結合剤として多く使用されてきたが,長
期投与による副作用が発現した.このため,アルミニウ
ム製剤の代わり,リン酸イオンと反応するカルシウムと
して沈降炭酸カルシウムに着目したが,沈降炭酸カルシ
ウムの粉末は微細な粉末で服用しにくく,特に水分の摂
取が制限される腎透析患者にとっては,コンプライアン
ス上問題があり,服用し易い製剤かが期待されていた.
また,効能・効果としては「制酸剤」であり,「高リン
血症改善剤」としての効能・効果が科学的に立証されて
いない. 【解決手段】医療現場の要望に応えるべく,服用しやす
剤形として沈降炭酸カルシウムを錠剤化あるいは散剤化
(細粒化,顆粒化)し,慢性腎不全患者並びに腎透析患
者の高リン血症改善剤としての効能・効果を臨床より確
立させた.
ウム製剤がリン結合剤として多く使用されてきたが,長
期投与による副作用が発現した.このため,アルミニウ
ム製剤の代わり,リン酸イオンと反応するカルシウムと
して沈降炭酸カルシウムに着目したが,沈降炭酸カルシ
ウムの粉末は微細な粉末で服用しにくく,特に水分の摂
取が制限される腎透析患者にとっては,コンプライアン
ス上問題があり,服用し易い製剤かが期待されていた.
また,効能・効果としては「制酸剤」であり,「高リン
血症改善剤」としての効能・効果が科学的に立証されて
いない. 【解決手段】医療現場の要望に応えるべく,服用しやす
剤形として沈降炭酸カルシウムを錠剤化あるいは散剤化
(細粒化,顆粒化)し,慢性腎不全患者並びに腎透析患
者の高リン血症改善剤としての効能・効果を臨床より確
立させた.
Description
【0001】
【発明の属する技術】本発明は,沈降炭酸カルシウムを
有効成分とする慢性腎不全患者並びに腎透析患者におけ
る高リン血症改善剤として使用される内服固型剤で,製
剤的に安定で,かつ,服用し易い錠剤あるいは散剤,細
粒剤,顆粒剤に関する.
有効成分とする慢性腎不全患者並びに腎透析患者におけ
る高リン血症改善剤として使用される内服固型剤で,製
剤的に安定で,かつ,服用し易い錠剤あるいは散剤,細
粒剤,顆粒剤に関する.
【0002】
【従来の技術】従来のリン結合剤はアルミニウム製剤が
用いられていたが,長期投与による副作用として,骨
症,脳症,貧血,の発現が疑われ,その使用が制限され
るに至ったためこれに代わるものが必要となった.その
ため,リン結合を示すカルシウムとして沈降炭酸カルシ
ウムが用いられるようになったが,沈降炭酸カルシウム
は粉末であり,服用しにくく,また,高リン血症改善剤
としての効能・効果は確立されていない.
用いられていたが,長期投与による副作用として,骨
症,脳症,貧血,の発現が疑われ,その使用が制限され
るに至ったためこれに代わるものが必要となった.その
ため,リン結合を示すカルシウムとして沈降炭酸カルシ
ウムが用いられるようになったが,沈降炭酸カルシウム
は粉末であり,服用しにくく,また,高リン血症改善剤
としての効能・効果は確立されていない.
【0003】また,沈降炭酸カルシウム原末は「制酸
剤」として古くから医療現場で使用されているが,リン
結合を目的とした高リン血症改善剤ではない.
剤」として古くから医療現場で使用されているが,リン
結合を目的とした高リン血症改善剤ではない.
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は,上述の課題
を解決し,製剤的に安定で,臨床現場で服用し易い剤形
である錠剤化あるいは散剤化を行い,高リン血症改善剤
の効能・効果を確立することを課題とする.
を解決し,製剤的に安定で,臨床現場で服用し易い剤形
である錠剤化あるいは散剤化を行い,高リン血症改善剤
の効能・効果を確立することを課題とする.
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,かかる課
題を解決するため検討した結果,沈降炭酸カルシウム
(又は炭酸カルシウム)に加えて,賦形薬として例えば
乳糖,崩壊剤として例えば低置換度ヒドロキシプロピル
セルロース,結合剤として例えばヒドロキシプロピルセ
ルロース及び滑沢剤として例えばステアリン酸マグネシ
ウムなどを処方した製剤が長期間安定で,また,崩壊及
び溶出がスムーズである錠剤化及び散剤化(細粒剤化,
顆粒剤化)に成功した. すなわち,本発明は以下のとおりである. ・沈降炭酸カルシウムを有効成分とした高リン血症改善
剤. ・有効成分として沈降炭酸カルシウムに賦形薬成分とし
て乳糖,マニトール,コンスターチの一種あるいはその
組み合わせよりなる成分,結合剤としてヒドロキシプロ
ピルセルロース,カルボキシメチルセルロース,結晶セ
ルロース,コンスターチ,ポビドン,メチルセルロース
の一種あるいは組み合わせよりなる成分,崩壊剤として
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース,カルメロース
ナトリウム,コンスターチの一種あるいは組み合わせよ
りなる成分,更に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウ
ム,タルクの一種あるいは組み合わせよりなる成分を含
有する錠剤である,請求項1の高リン血症改善剤. ・下記の配合成分割合からなる請求項2の錠剤. 沈降炭酸カルシウム 100〜1000mg/1錠 賦形薬 10〜110mg/1錠 結合剤 2mg〜25mg/1錠 崩壊剤 4mg〜70mg/1錠 滑沢剤 0.5〜6mg/1錠 ・沈降炭酸カルシウム10〜90%の割合に賦形薬成分
として乳糖,マニトール,結晶セルロース,ヒドロキシ
プロピルセルロース,カルボキシメチルセルロース,メ
チルセルロース,コンスターチ,ポビドンの組み合わせ
よりなる成分を配合してなる散剤,細粒剤,顆粒剤であ
る請求項1の高リン血症改善剤. ・下記の配合成分割合からなる請求項4の散剤. 沈降炭酸カルシウム 10〜90% 賦形薬 10〜90%
題を解決するため検討した結果,沈降炭酸カルシウム
(又は炭酸カルシウム)に加えて,賦形薬として例えば
乳糖,崩壊剤として例えば低置換度ヒドロキシプロピル
セルロース,結合剤として例えばヒドロキシプロピルセ
ルロース及び滑沢剤として例えばステアリン酸マグネシ
ウムなどを処方した製剤が長期間安定で,また,崩壊及
び溶出がスムーズである錠剤化及び散剤化(細粒剤化,
顆粒剤化)に成功した. すなわち,本発明は以下のとおりである. ・沈降炭酸カルシウムを有効成分とした高リン血症改善
剤. ・有効成分として沈降炭酸カルシウムに賦形薬成分とし
て乳糖,マニトール,コンスターチの一種あるいはその
組み合わせよりなる成分,結合剤としてヒドロキシプロ
ピルセルロース,カルボキシメチルセルロース,結晶セ
ルロース,コンスターチ,ポビドン,メチルセルロース
の一種あるいは組み合わせよりなる成分,崩壊剤として
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース,カルメロース
ナトリウム,コンスターチの一種あるいは組み合わせよ
りなる成分,更に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウ
ム,タルクの一種あるいは組み合わせよりなる成分を含
有する錠剤である,請求項1の高リン血症改善剤. ・下記の配合成分割合からなる請求項2の錠剤. 沈降炭酸カルシウム 100〜1000mg/1錠 賦形薬 10〜110mg/1錠 結合剤 2mg〜25mg/1錠 崩壊剤 4mg〜70mg/1錠 滑沢剤 0.5〜6mg/1錠 ・沈降炭酸カルシウム10〜90%の割合に賦形薬成分
として乳糖,マニトール,結晶セルロース,ヒドロキシ
プロピルセルロース,カルボキシメチルセルロース,メ
チルセルロース,コンスターチ,ポビドンの組み合わせ
よりなる成分を配合してなる散剤,細粒剤,顆粒剤であ
る請求項1の高リン血症改善剤. ・下記の配合成分割合からなる請求項4の散剤. 沈降炭酸カルシウム 10〜90% 賦形薬 10〜90%
【0006】更に,腎透析患者を含めて血清リン値改善
効果を指標に臨床を実施し,有効性,安全性を確認し
た.また,服用のし易さでは,担当医及び患者の判定も
よく,初期の目的である服用のし易いさを改善した高リ
ン血症改善作用を有する製剤を確立した.
効果を指標に臨床を実施し,有効性,安全性を確認し
た.また,服用のし易さでは,担当医及び患者の判定も
よく,初期の目的である服用のし易いさを改善した高リ
ン血症改善作用を有する製剤を確立した.
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を示す.
【0008】
【試験結果】新剤型である錠剤の物性試験及び定量例に
よって具体的に示す. 1.試料 本発明品:実施例1〜4の錠剤 2.試験 実施例1〜4について,外観,物性(重量,直径,厚
み,硬度,摩損率)及び定量を測定した. 3.試験結果 試験結果を表1に示す.
よって具体的に示す. 1.試料 本発明品:実施例1〜4の錠剤 2.試験 実施例1〜4について,外観,物性(重量,直径,厚
み,硬度,摩損率)及び定量を測定した. 3.試験結果 試験結果を表1に示す.
【0009】実施例1 沈降炭酸カルシウム250g,結晶セルロース25g,
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース17.5g,ヒ
ドロキシプロピルセルロース6gととり,適量の水を用
いて練合し,乾燥した後,整粒する.これにステアリン
酸マグネシウム1.5gを加え,10分間混合し,打錠
用顆粒とする.これを直径8mmの杵を用いて打錠す
る.
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース17.5g,ヒ
ドロキシプロピルセルロース6gととり,適量の水を用
いて練合し,乾燥した後,整粒する.これにステアリン
酸マグネシウム1.5gを加え,10分間混合し,打錠
用顆粒とする.これを直径8mmの杵を用いて打錠す
る.
【0010】実施例2 沈降炭酸カルシウム500g,乳糖41.8g,カルボ
キシメチルセルロース30.0g,メチルセルロース2
4gととり,適量の水を用いて練合し,乾燥した後,整
粒する.これにステアリン酸マグネシウム4.2gを加
え,10分間混合し,打錠用顆粒とする.これを直径1
0mmの杵を用いて打錠する.
キシメチルセルロース30.0g,メチルセルロース2
4gととり,適量の水を用いて練合し,乾燥した後,整
粒する.これにステアリン酸マグネシウム4.2gを加
え,10分間混合し,打錠用顆粒とする.これを直径1
0mmの杵を用いて打錠する.
【0011】実施例3 沈降炭酸カルシウム500g,乳糖51.8g,低置換
度ヒドロキシプロピルセルロース35.0g,ヒドロキ
シプロピルセルロース9gととり,適量の水を用いて練
合し,乾燥した後,整粒する.これにステアリン酸マグ
ネシウム4.2gを加え,10分間混合し,打錠用顆粒
とする.これを直径10mmの杵を用いて打錠する.
度ヒドロキシプロピルセルロース35.0g,ヒドロキ
シプロピルセルロース9gととり,適量の水を用いて練
合し,乾燥した後,整粒する.これにステアリン酸マグ
ネシウム4.2gを加え,10分間混合し,打錠用顆粒
とする.これを直径10mmの杵を用いて打錠する.
【0012】実施例4 沈降炭酸カルシウム500g,乳糖44.8g,低置換
度ヒドロキシプロピルセルロース36.0g,ヒドロキ
シプロピルセルロース15gをとり,適量の水を用いて
練合し,乾燥した後,整粒する.これにステアリン酸マ
グネシウム4.2gを加え,10分間混合し,打錠用顆
粒とする.これを直径10mmの杵を用いて打錠する.
度ヒドロキシプロピルセルロース36.0g,ヒドロキ
シプロピルセルロース15gをとり,適量の水を用いて
練合し,乾燥した後,整粒する.これにステアリン酸マ
グネシウム4.2gを加え,10分間混合し,打錠用顆
粒とする.これを直径10mmの杵を用いて打錠する.
【0013】
【試験結果】新剤型である散剤の物性試験及び定量例に
よって具体的に示す. 1.試料 本発明品:実施例5〜6の散剤 2.試験 実施例5〜6について,外観,物性(粒度分布),含量
を測定した. 3.試験結果 試験結果を表2に示したように,外観,粒度分布及び含
量とも問題を認めなかった.
よって具体的に示す. 1.試料 本発明品:実施例5〜6の散剤 2.試験 実施例5〜6について,外観,物性(粒度分布),含量
を測定した. 3.試験結果 試験結果を表2に示したように,外観,粒度分布及び含
量とも問題を認めなかった.
【0014】実施例5 沈降炭酸カルシウム250g,乳糖20g,カルボキシ
メチルセルロース15g,メチルセルロース15gをと
り,適量の水を用いて練合し,乾燥した後,整粒・篩過
し,散剤とする.
メチルセルロース15g,メチルセルロース15gをと
り,適量の水を用いて練合し,乾燥した後,整粒・篩過
し,散剤とする.
【0015】実施例6 沈降炭酸カルシウム500g,乳糖40g,カルボキシ
メチルセルロース30g,メチルセルロース30gをと
り,適量の水を用いて練合し,乾燥した後,整粒・篩過
し,散剤とする.
メチルセルロース30g,メチルセルロース30gをと
り,適量の水を用いて練合し,乾燥した後,整粒・篩過
し,散剤とする.
【0016】
【発明の効果】本発明の製剤は患者にとって服用し易い
ものである.一方,沈降炭酸カルシウムは既に制酸剤と
して広く臨床使用され,その安全性は周知されている
が,透析患者の高リン血症改善の有用性は証明されてい
ない.そこで,1錠中沈降炭酸カルシウム500mgを
含有する錠剤(実施例3の錠剤)を用いて薬理試験及び
臨床試験を実施した結果を以下に示す.
ものである.一方,沈降炭酸カルシウムは既に制酸剤と
して広く臨床使用され,その安全性は周知されている
が,透析患者の高リン血症改善の有用性は証明されてい
ない.そこで,1錠中沈降炭酸カルシウム500mgを
含有する錠剤(実施例3の錠剤)を用いて薬理試験及び
臨床試験を実施した結果を以下に示す.
【0017】
【薬理作用】本剤の薬理作用は,腎不全に伴うリン排泄
能低下時に,食物中のリンを腸管内で不溶性・非吸収性
のリン酸カルシウムにすることにより,リン吸収を抑制
し,高リン血症を改善することである.このリン結合反
応の場が消化管内に限定されており,生体系の種々の調
節因子の影響を受けることが少ないところから,in
vitroの試験成績に基づき薬効を類推することが可
能であると判断し,試験を行った.その結果,胃内の想
定される1〜5の範囲のpHで暴露するとき,いずれの
条件下においてもほぼ一定のリン結合力がみられ,形成
される塩は不溶性の第二及び第三リン酸カルシウムであ
った.
能低下時に,食物中のリンを腸管内で不溶性・非吸収性
のリン酸カルシウムにすることにより,リン吸収を抑制
し,高リン血症を改善することである.このリン結合反
応の場が消化管内に限定されており,生体系の種々の調
節因子の影響を受けることが少ないところから,in
vitroの試験成績に基づき薬効を類推することが可
能であると判断し,試験を行った.その結果,胃内の想
定される1〜5の範囲のpHで暴露するとき,いずれの
条件下においてもほぼ一定のリン結合力がみられ,形成
される塩は不溶性の第二及び第三リン酸カルシウムであ
った.
【0018】
【臨床試験】更に腎透析施設で実施した臨床結果を以下
に示す.
に示す.
【0019】
【有効性】1)臨床試験 I 高リン血症を呈する透析患者を対象に,実施例3の錠剤
とプラセボ投与により,本剤の有効性と安全性及び至適
用量の検討を目的とした用量検索試験を二重盲検比較法
により実施した.その結果,表3に示すように,血清リ
ン値改善効果(著効率)はプラセボ投与群20.0%に
対し,本剤1.5g/日投与群46.4%,3.0g/
日投与群82.1%と高く,三群間に用量相関性が確認
された.なお,有効率は,プラセボ投与群が36.0
%,本剤1.5g/日投与群は57.1%,3.0g/
日投与群は82.1%であった.また,概括安全度にお
ける「安全である」の率はプラセボ投与群93.3%に
対し,1.5g/日投与群,3.0g/日投与群とも9
6.7%であり,差はなかった.
とプラセボ投与により,本剤の有効性と安全性及び至適
用量の検討を目的とした用量検索試験を二重盲検比較法
により実施した.その結果,表3に示すように,血清リ
ン値改善効果(著効率)はプラセボ投与群20.0%に
対し,本剤1.5g/日投与群46.4%,3.0g/
日投与群82.1%と高く,三群間に用量相関性が確認
された.なお,有効率は,プラセボ投与群が36.0
%,本剤1.5g/日投与群は57.1%,3.0g/
日投与群は82.1%であった.また,概括安全度にお
ける「安全である」の率はプラセボ投与群93.3%に
対し,1.5g/日投与群,3.0g/日投与群とも9
6.7%であり,差はなかった.
【0020】2)臨床試験 II 高リン血症に対して治療中又は治療予定の保存期及び透
析中の慢性腎不全患者を対象に,本剤の有効性と安全性
を検討した.その結果,血清リン値改善効果判定時の本
剤の投与量は1.0gから4.5gに分布していたが,
1.5g/日投与例44例(41.9%),3.0g/
日投与例36例(34.3%)が多かった.なお,血清
リン値の推移は良好にコントロールされ,高リン血症の
指標である7.0mg/dLを超えることはなかった.
表4に示すように,血清リン値改善効果(「有効」以
上)は82.5%,全般改善度(「有効」以上)は8
1.0%,概括安全度における「安全である」の率は9
5.4%,有用度(「有用」以上)は87.3%であっ
た.また,患者の印象では「錠剤が飲みやすい」の率は
78.5%であった.以上より,本製剤は慢性腎不全及
び透析患者における高リン血症改善剤として優れた効果
を示し,また,安全性の高い,且つ,服用し易い製剤で
あることが証明された.
析中の慢性腎不全患者を対象に,本剤の有効性と安全性
を検討した.その結果,血清リン値改善効果判定時の本
剤の投与量は1.0gから4.5gに分布していたが,
1.5g/日投与例44例(41.9%),3.0g/
日投与例36例(34.3%)が多かった.なお,血清
リン値の推移は良好にコントロールされ,高リン血症の
指標である7.0mg/dLを超えることはなかった.
表4に示すように,血清リン値改善効果(「有効」以
上)は82.5%,全般改善度(「有効」以上)は8
1.0%,概括安全度における「安全である」の率は9
5.4%,有用度(「有用」以上)は87.3%であっ
た.また,患者の印象では「錠剤が飲みやすい」の率は
78.5%であった.以上より,本製剤は慢性腎不全及
び透析患者における高リン血症改善剤として優れた効果
を示し,また,安全性の高い,且つ,服用し易い製剤で
あることが証明された.
【0021】3)臨床試験 III 高リン血症に対して治療中又は治療予定の保存期及び透
析中の慢性腎不全患者を対象に,本剤が長期投与時の血
清リン値の管理効果及び有用性を検討した.その結果,
6箇月の観察期間中血清リン値の改善は持続的で安定し
ており,表5に示すように,血清リン値改善効果は7
8.6%,全般改善度は78.6%,概括安全度は9
3.3%,有用度は78.6%であった.また,患者の
印象では「錠剤が飲みやすい」の率は88.9%であっ
た.以上より,本製剤は慢性腎不全及び透析患者におけ
る高リン血症改善剤として優れた効果を示し,また,安
全性の高い,且つ,服用し易い製剤であることが証明さ
れた.
析中の慢性腎不全患者を対象に,本剤が長期投与時の血
清リン値の管理効果及び有用性を検討した.その結果,
6箇月の観察期間中血清リン値の改善は持続的で安定し
ており,表5に示すように,血清リン値改善効果は7
8.6%,全般改善度は78.6%,概括安全度は9
3.3%,有用度は78.6%であった.また,患者の
印象では「錠剤が飲みやすい」の率は88.9%であっ
た.以上より,本製剤は慢性腎不全及び透析患者におけ
る高リン血症改善剤として優れた効果を示し,また,安
全性の高い,且つ,服用し易い製剤であることが証明さ
れた.
Claims (5)
- 【請求項1】 沈降炭酸カルシウム又は炭酸カルシウム
を有効成分とした高リン血症改善剤. - 【請求項2】 有効成分として沈降炭酸カルシウムに賦
形薬成分として乳糖,マニトール,コンスターチの一種
あるいはその組み合わせよりなる成分,結合剤としてヒ
ドロキシプロピルセルロース,カルボキシメチルセルロ
ース,結晶セルロース,コンスターチ,ポビドン,メチ
ルセルロースの一種あるいは組み合わせよりなる成分,
崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロース,
カルメロースナトリウム,コンスターチの一種あるいは
組み合わせよりなる成分,更に滑沢剤としてステアリン
酸マグネシウム,タルクの一種あるいは組み合わせより
なる成分を含有する錠剤である,請求項1の高リン血症
改善剤. - 【請求項3】 下記の配合成分割合からなる請求項2の
錠剤. 沈降炭酸カルシウム 100〜1000mg/1錠 賦形薬 10〜110mg/1錠 結合剤 2〜25mg/1錠 崩壊剤 4〜70mg/1錠 滑沢剤 0.5〜6mg/1錠 - 【請求項4】 沈降炭酸カルシウム10〜90%の割
合に賦形薬成分として乳糖,マニトール,結晶セルロー
ス,ヒドロキシプロピルセルロース,カルボキシメチル
セルロース,メチルセルロース,コンスターチ,ポビド
ンの組み合わせよりなる成分を配合してなる散剤(30
号:5%以下)あるいは細粒剤(200号:10%以
下),顆粒剤(12号:5%以下,42号15%以下)
である請求項1の高リン血症改善剤. - 【請求項5】 下記の配合割合からなる請求項4の散
剤. 沈降炭酸カルシウム 10〜90% 賦形薬 10〜90%
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11188031A JP2000336033A (ja) | 1999-05-27 | 1999-05-27 | 沈降炭酸カルシウム又は炭酸カルシウムを含有する製剤及びそれを有効成分とする高リン血症改善剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11188031A JP2000336033A (ja) | 1999-05-27 | 1999-05-27 | 沈降炭酸カルシウム又は炭酸カルシウムを含有する製剤及びそれを有効成分とする高リン血症改善剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000336033A true JP2000336033A (ja) | 2000-12-05 |
Family
ID=16216464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11188031A Pending JP2000336033A (ja) | 1999-05-27 | 1999-05-27 | 沈降炭酸カルシウム又は炭酸カルシウムを含有する製剤及びそれを有効成分とする高リン血症改善剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000336033A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4562797B1 (ja) * | 2009-05-29 | 2010-10-13 | マイラン製薬株式会社 | 沈降炭酸カルシウムを有効成分とする口腔内崩壊錠 |
-
1999
- 1999-05-27 JP JP11188031A patent/JP2000336033A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4562797B1 (ja) * | 2009-05-29 | 2010-10-13 | マイラン製薬株式会社 | 沈降炭酸カルシウムを有効成分とする口腔内崩壊錠 |
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