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JP2000329762A - 白血球測定用試薬及び白血球測定用試料調製方法 - Google Patents

白血球測定用試薬及び白血球測定用試料調製方法

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Publication number
JP2000329762A
JP2000329762A JP13797699A JP13797699A JP2000329762A JP 2000329762 A JP2000329762 A JP 2000329762A JP 13797699 A JP13797699 A JP 13797699A JP 13797699 A JP13797699 A JP 13797699A JP 2000329762 A JP2000329762 A JP 2000329762A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
buffer
osmotic pressure
blood cell
acid
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13797699A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Tono
良昭 東野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sysmex Corp
Original Assignee
Sysmex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sysmex Corp filed Critical Sysmex Corp
Priority to JP13797699A priority Critical patent/JP2000329762A/ja
Publication of JP2000329762A publication Critical patent/JP2000329762A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸透圧補償剤による浸透圧調整による白血球
の分画性能の向上、特に、リンパ球と単球の分画性能の
向上を目的とした白血球測定用試料を調製するための試
薬および白血球測定試料の調製方法を提供する。 【解決手段】 上記の白血球測定用試薬は、(a)pH
を酸性域に保つための緩衝剤を含有する低張な溶液から
なる赤血球溶血剤;および(b)上記緩衝剤中の酸を中
和するための緩衝剤と、溶液を白血球の分画性能を向上
させるための最終浸透圧が約400〜約500mOsm
/kgである浸透圧補償剤とからなる溶液である。ま
た、白血球測定用試料調製方法は上記試薬を使用するも
のであって、(a)pHを酸性域に保つための緩衝剤を
含有する低張な溶液からなる赤血球溶血剤に、抗凝固処
理を施した新鮮な血液を加えて、赤血球を溶血させる工
程;および(b)上記緩衝剤中の酸を中和するための緩
衝剤と、溶液を白血球の分画性能を向上させるための最
終浸透圧が約400〜約500mOsm/kgである浸
透圧補償剤とからなる溶液で処理された血液試料を加え
る工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臨床検査分野にお
いて、赤血球を除去した白血球測定用試料を調製するた
めの試薬および白血球測定試料の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】臨床検査分野おける血液検査において、
血液中の白血球を種類別に計数することは一般的に良く
行われており、白血球を分類をすることよって、病気の
診断に貢献することができることが知られている。白血
球を分類する方法には、光源と、試料中の細胞が細い流
路を流れるようにしたフローセルと、細胞から発せられ
た光を検出する測光部と、検出信号の強度によっては散
乱光を一緒に検出し、検出信号の強度によって白血球を
分類しようとしたものである。この方法では、血球を染
色し、染色された血球を光で照射し、そのとき血球から
発する蛍光および場合によっては散乱光を一緒に検出
し、検出信号の強度によって血球を分類しようとするも
のである。
【0003】この方法に属する第1の方法としては、特
公平7−23890があり、pHを酸性域に保つための
緩衝剤を含有する低張な溶液からなる赤血球溶血剤と、
上記緩衝剤中の酸を中和するための緩衝剤と溶液を白血
球の形態を保持する浸透圧に調整する浸透圧補償剤とか
らなる溶液からなり、赤血球を除去した白血球測定用試
料を調製するための試薬および白血球測定試料の調製方
法である。この方法によれば、酸性低張処理により赤血
球−白血球の同時通過が無視できるところまで赤血球が
ゴースト化され、白血球の分画性能が向上している。
【0004】第2の方法としては、特公平7−2695
5があり、酸性溶解試薬により全血試料を非赤血球画分
と赤血球画分から効果的に区別し、さらに抑制剤により
溶解活性を著しく低下させると同時に中和し、特異的な
インディケータ標識結合物質との免疫化学的相互作用に
より非赤血球画分をさらに副集団に分ける方法である。
この方法によれば、非赤血球画分を自然な生理的状態に
維持しながら赤血球画分の迅速で完全な溶血を達成する
ことができる。
【0005】しかしながら、上記の2つの方法おいて、
浸透圧補償剤(抑制剤)による浸透圧調整による白血球
の分画性能の向上については全く開示されていない。特
に、リンパ球と単球の分画性能の向上について触れられ
ていない。
【0006】また、HIV感染者のAIDS発症のモニ
タリング、HIV感染者の症状の確認と治療(発症を遅
らせる)のサポートに、リンパ球サブセットであるCD
4カウント、CD4/CD8の比率のモニタリングが有
効でことが知られている。しかしながら、リンパ球に赤
血球ゴースト成分、単球が混入すると、CD4カウン
ト、CD4/CD8の比率を正確に求めることができな
いことがわかっている。そのため、赤血球ゴースト成分
に加えて、リンパ球と単球の分画精度の向上が望まれて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、浸透圧補償剤による浸透圧調整に
よる白血球の分画性能の向上、特に、リンパ球と単球の
分画性能の向上を目的とした白血球測定用試料を調製す
るための試薬および白血球測定試料の調製方法を課題と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するためにpHを酸性域に保つための緩衝剤を含有
する低張な溶液からなる赤血球溶血剤による溶血処理後
に、上記緩衝剤中の酸を中和するための緩衝剤と浸透圧
に調整する浸透圧補償剤とからなる溶液の浸透圧と白血
球の分画性能につてい種々の検討を加え、下記の知見を
得ることにより本発明を完成した。すなわち、浸透圧補
償剤による最終浸透圧が約400〜約500mOsm/
kgの範囲にあるとき、白血球集団の集合能が上がり、
白血球(リンパ球、単球、顆粒球)の分画性能が向上
し、特にリンパ球と単球の分離が特に向上することを見
い出した。つまり、本発明は白血球測定用試薬は、
(a)pHを酸性域に保つための緩衝剤を含有する低張
な溶液からなる赤血球溶血剤;および(b)上記緩衝剤
中の酸を中和するための緩衝剤と、溶液を白血球の分画
性能を向上させるための最終浸透圧が約400〜約50
0mOsm/kgである浸透圧補償剤とからなる溶液で
ある。
【0009】また、本発明の白血球測定用試料調製方法
は上記試薬を使用するものであって、(a)pHを酸性
域に保つための緩衝剤を含有する低張な溶液からなる赤
血球溶血剤に、抗凝固処理を施した新鮮な血液を加え
て、赤血球を溶血させる工程;および(b)上記緩衝剤
中の酸を中和するための緩衝剤と、溶液を白血球の分画
性能を向上させるための最終浸透圧が約400〜約50
0mOsm/kgである浸透圧補償剤とからなる溶液で
処理された血液試料を加える工程からなる。
【0010】
【実施の形態】pHを酸性域に保つための緩衝剤を含有
する低張な溶液からなる赤血球溶血剤(第1液)とは、
特公平7−23890に開示されたものが使用できる。
pKa3.5±1.5ならばいずれの緩衝剤でも使用可
能でり、例えばマレイン酸、マロン酸、フタル酸、ジグ
リコール酸、サリチル酸、フマル酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸などである。緩衝剤の濃度は、第1液の浸
透圧を低くすることが望ましい。本発明の目的には50
mM以下が望ましく、さらに、好適には、5〜30mM
が望ましい。
【0011】また、赤血球溶血剤の浸透圧は低いほど赤
血球の溶血が速やかに行われる。本発明の目的には0〜
100mOsm/kgの範囲、特に、0〜50mOsm
/kgであることが好ましい。
【0012】赤血球溶血剤中の酸を中和するための緩衝
剤と、溶液を白血球の分画性能を向上させるための最終
浸透圧が約400〜約500mOsm/kgである浸透
圧補償剤とからなる溶液(第2液)とは、pKa7.0
〜9.5の緩衝剤であれば、いずれの緩衝剤でも使用可
能である。例えば、リン酸、トリス、トライシン、ビシ
ン、2−アミノ−メチル−1,3−プロパンジオール、
タウリン、ホウ酸、セリンなどである。
【0013】また、最終浸透圧は白血球分画性能に影響
し、約400〜約500mOsm/kgの範囲、特に約
400mOsm/kgが望ましい。浸透圧補償剤は、塩
類が使用できる。例えば、NaCl、KCl等の塩類が
使用可能である。ここで、最終浸透圧とは第1液と血液
を混合した後に、第2液を添加したときの浸透圧であ
る。
【0014】調製した試料を測定するには、例えば図1
に示すような構造のフローサイトメータ(例えば、FA
CScan、ベクトンディッキンソン社)が使用でき、
特に改良の必要がない。光源は、使用する蛍光色素波長
に合わせて適宜選択することができる。
【0015】本発明を以下の実施例によって説明する
が、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0016】
【実施例】第1液:1種類、第2液:8種類についての
組み合わせにおいて、健常人から採取した血液を用い
て、第1液と混合した後に、第2液を添加し、最終浸透
圧が白血球分画に与える影響を確認した。具体的には血
液50μLに対して、第1液500μLを添加し、30
秒間室温で放置した後、第2液を1000μL添加して
混合し、5分間室温で放置した。最終的に調製されたサ
ンプルは、一般的に使用されるフローサイトメータで測
定し、前方散乱強度、側方散乱強度によるスキャッタグ
ラム(2次元分布図)を得た。このようにして得られた
スキャタグラムを図2〜図5に示した。図中、Lymp
はリンパ球、Monoは単球、Granは顆粒球を示
す。
【0017】 第1液、第2液の組成は以下の通りである。 第1液 10mMクエン酸−リン酸2ナトリウム緩衝剤 pH3.0、浸透圧62mOsm/kg 第2液 50mMリン酸ナトリウム緩衝剤 pH7.7 上記緩衝剤に塩化ナトリウム(浸透圧補償剤)を加え
て、最終浸透圧が100、200、300、400、5
00、600、700、800mOsm/kgになるよ
うな8種類の溶液
【0018】図2〜5に示したスキャッタグラムに示し
たように、従来例の最終浸透圧(200mOsm/k
g)と比較例の最終浸透圧(800mOsm/kg)に
比べて、最終浸透圧が400、500mOsm/kgと
き、白血球集団の集合能が上がり、白血球(リンパ球、
単球、顆粒球)の分画性能が向上し、特にリンパ球と単
球の分離が向上していることがわかる。
【0019】次に、リンパ球と単球の集合能を測る物差
しとして、リンパ球と単球の集団(ゲートで囲まれた領
域)のそれぞれの前方散乱光強度と側方散乱光強度のヒ
ストグラムの標準偏差を求め、図6〜9のグラフに示し
た。図6〜9に示されたように、最終浸透圧400、5
00mOsm/kgときにリンパ球と単球のそれぞれの
側方散乱光と前方散乱光のヒストグラムの標準偏差が小
さくなり、リンパ球と単球の集合能が上がっていること
がわかる。
【0020】
【発明の効果】本発明は、次のような効果を奏する。本
発明は、抗凝固剤処理を施した血液にpHを酸性域に保
つための緩衝剤を含有する低張な溶液からなる赤血球溶
血剤による溶血処理後に、上記緩衝剤中の酸を中和する
ための緩衝剤と浸透圧を調整する浸透圧補償剤とからな
る溶液を添加し、最終浸透圧を約400〜約500mO
sm/kgに保つことにより、白血球の分画性能が向上
し、特にリンパ球と単球の分離が向上し、より正確な白
血球分類ができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用できるフローサイトメータの概略
図である。
【図2】従来例(最終浸透圧:200mOsm/kg)
のスキャッタグラムを示した図である。
【図3】本発明(最終浸透圧:400mOsm/kg)
のスキャッタグラムを示した図である。
【図4】本発明(最終浸透圧:500mOsm/kg)
のスキャッタグラムで示した図ある。
【図5】比較例(最終浸透圧:700mOsm/kg)
のスキャッタグラムで示した図である。
【図6】リンパ球の前方散乱強度ヒストグラムの標準偏
差を示した図である。
【図7】リンパ球の側方散乱強度ヒストグラムの標準偏
差を示した図である。
【図8】単球の前方散乱強度ヒストグラムの標準偏差を
示した図である。
【図9】単球の側方散乱強度ヒストグラムの標準偏差を
示した図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)および(b)からなる白血球
    測定用試薬。 (a)pHを酸性域に保つための緩衝剤を含有する低張
    な溶液からなる赤血球溶血剤; (b)上記緩衝剤中の酸を中和するための緩衝剤と、溶
    液を白血球の分画性能を向上させるための最終浸透圧が
    約400〜約500mOsm/kgである浸透圧補償剤
    とからなる溶液。
  2. 【請求項2】 下記(a)および(b)の工程からなる
    ことを特徴とする白血球測定用試料調製方法。 (a)pHを酸性域に保つための緩衝剤を含有する低張
    な溶液からなる赤血球溶血剤に、抗凝固処理を施した新
    鮮な血液を加えて、赤血球を溶血させる工程; (b)上記緩衝剤中の酸を中和するための緩衝剤と、溶
    液を白血球の分画性能を向上させるための最終浸透圧が
    約400〜約500mOsm/kgである浸透圧補償剤
    とからなる溶液で処理された血液試料を加える工程。
JP13797699A 1999-05-19 1999-05-19 白血球測定用試薬及び白血球測定用試料調製方法 Pending JP2000329762A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102226804A (zh) * 2011-03-28 2011-10-26 中国人民解放军总医院 一种用于血液白细胞五分类计数的溶血剂及其用途
CN108414427A (zh) * 2017-02-10 2018-08-17 深圳市帝迈生物技术有限公司 一种白细胞分类试剂
WO2021087730A1 (zh) * 2019-11-05 2021-05-14 深圳迈瑞生物医疗电子股份有限公司 白细胞分类试剂及其使用方法

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