JP2000309060A - 長繊維強化成形材料、およびその成形品 - Google Patents
長繊維強化成形材料、およびその成形品Info
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- B29B—PREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
- B29B7/00—Mixing; Kneading
- B29B7/80—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29B7/88—Adding charges, i.e. additives
- B29B7/90—Fillers or reinforcements, e.g. fibres
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- B29B9/00—Making granules
- B29B9/12—Making granules characterised by structure or composition
- B29B9/14—Making granules characterised by structure or composition fibre-reinforced
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 成形の際に熱可塑性樹脂中での強化繊維の
良好な含浸、分散を達成でき、且つ高い成形性(特に薄
肉成形性)をも達成できる長繊維強化成形材料、および
前記成形材料から得られる高い力学的特性(特に耐衝撃
性)を有する成形品を提供する。 【構成】 構成要素[A]、および、少なくとも構成
要素[B]と構成要素[C]とからなる複合体[BC]
により構成されていることを特徴とする長繊維強化成形
材料。 [A]:熱可塑性樹脂 [B]:液晶性樹脂 [C]:連続した強化繊維束
良好な含浸、分散を達成でき、且つ高い成形性(特に薄
肉成形性)をも達成できる長繊維強化成形材料、および
前記成形材料から得られる高い力学的特性(特に耐衝撃
性)を有する成形品を提供する。 【構成】 構成要素[A]、および、少なくとも構成
要素[B]と構成要素[C]とからなる複合体[BC]
により構成されていることを特徴とする長繊維強化成形
材料。 [A]:熱可塑性樹脂 [B]:液晶性樹脂 [C]:連続した強化繊維束
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長繊維強化成形材
料、およびその成形品に関する。本発明の目的は、成形
の際に熱可塑性樹脂中での強化繊維の良好な含浸、分散
を達成でき、且つ高い成形性(特に薄肉成形性)をも達
成できる生産性の高い長繊維強化成形材料、および前記
長繊維強化成形材料から得られる高い力学的特性(特に
耐衝撃性)を有する成形品に関するものである。
料、およびその成形品に関する。本発明の目的は、成形
の際に熱可塑性樹脂中での強化繊維の良好な含浸、分散
を達成でき、且つ高い成形性(特に薄肉成形性)をも達
成できる生産性の高い長繊維強化成形材料、および前記
長繊維強化成形材料から得られる高い力学的特性(特に
耐衝撃性)を有する成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強化繊維を熱可塑性樹脂に配合して、所
望の力学的特性を有する成形品を得ることは公知であ
る。しかしながら、熱可塑性樹脂に強化繊維を配合した
場合には、強度・剛性は大きく向上するものの、耐衝撃
性が低下するというのが一般的である。
望の力学的特性を有する成形品を得ることは公知であ
る。しかしながら、熱可塑性樹脂に強化繊維を配合した
場合には、強度・剛性は大きく向上するものの、耐衝撃
性が低下するというのが一般的である。
【0003】従来、かかる問題を解決するために、大き
く2つの手法が試みられてきた。第1の手法は、耐衝撃
性に優れた樹脂を用いる手法である。しかし、耐衝撃性
に優れる樹脂は一般的に溶融粘度が高く、成形時の流動
性を大きく低下させるため、薄肉成形品を得ることは困
難である。また、強化繊維束中への熱可塑性樹脂の含浸
が困難なため、得られた成形品中で熱可塑性樹脂の強化
繊維への含浸不良や、強化繊維の分散不良などの成形欠
陥が多く発生するといった問題を有していた。
く2つの手法が試みられてきた。第1の手法は、耐衝撃
性に優れた樹脂を用いる手法である。しかし、耐衝撃性
に優れる樹脂は一般的に溶融粘度が高く、成形時の流動
性を大きく低下させるため、薄肉成形品を得ることは困
難である。また、強化繊維束中への熱可塑性樹脂の含浸
が困難なため、得られた成形品中で熱可塑性樹脂の強化
繊維への含浸不良や、強化繊維の分散不良などの成形欠
陥が多く発生するといった問題を有していた。
【0004】第2の手法は、強化繊維の長繊維化による
手法である(例えば、特開平5−208418号公
報)。しかし、この第2の手法では、前記の第1の手法
に比べて耐衝撃性の改善効果は大きいものの、やはり成
形時の流動性を大きく低下させるため、第1の手法と同
様に薄肉成形品を得ることは困難で、且つ含浸不良や分
散不良などの成形欠陥が多く発生するといった問題を有
していた。
手法である(例えば、特開平5−208418号公
報)。しかし、この第2の手法では、前記の第1の手法
に比べて耐衝撃性の改善効果は大きいものの、やはり成
形時の流動性を大きく低下させるため、第1の手法と同
様に薄肉成形品を得ることは困難で、且つ含浸不良や分
散不良などの成形欠陥が多く発生するといった問題を有
していた。
【0005】つまり、従来の成形材料を用いて、高い強
度・剛性・耐衝撃性を有する力学的特性のバランスのと
れた薄肉成形品を得ることは非常に困難であった。
度・剛性・耐衝撃性を有する力学的特性のバランスのと
れた薄肉成形品を得ることは非常に困難であった。
【0006】これらの問題を解決するため、例えば特開
平10−138379号公報(先行例1)には、熱可塑
性樹脂中での強化繊維の含浸性、分散性を改善する目的
で、低分子量(低粘度)の熱可塑性重合体(重合体A)
を、強化繊維束に予め含浸させ、含浸後の強化繊維束と
高分子量(高粘度)の熱可塑性樹脂(樹脂B)とを接す
るように配置した成形材料にて成形することにより、成
形品中での樹脂B中での強化繊維の含浸性、分散性を改
善できる旨が記述されている。
平10−138379号公報(先行例1)には、熱可塑
性樹脂中での強化繊維の含浸性、分散性を改善する目的
で、低分子量(低粘度)の熱可塑性重合体(重合体A)
を、強化繊維束に予め含浸させ、含浸後の強化繊維束と
高分子量(高粘度)の熱可塑性樹脂(樹脂B)とを接す
るように配置した成形材料にて成形することにより、成
形品中での樹脂B中での強化繊維の含浸性、分散性を改
善できる旨が記述されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、成形の際に熱可塑性樹脂中での強化
繊維の良好な含浸、分散を達成でき、且つ高い成形性
(特に薄肉成形性)をも達成できる生産性の高い長繊維
強化成形材料、および前記長繊維強化成形材料から得ら
れる高い力学的特性(特に耐衝撃性)を有する成形品を
提供せんとするものである。
技術の背景に鑑み、成形の際に熱可塑性樹脂中での強化
繊維の良好な含浸、分散を達成でき、且つ高い成形性
(特に薄肉成形性)をも達成できる生産性の高い長繊維
強化成形材料、および前記長繊維強化成形材料から得ら
れる高い力学的特性(特に耐衝撃性)を有する成形品を
提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、基本的には次のような手段を採用する
ものである。即ち、本発明の長繊維強化成形材料は、構
成要素[A]、および、少なくとも構成要素[B]と構
成要素[C]とからなる複合体[BC]により構成され
ていることを特徴とする。 [A]:熱可塑性樹脂 [B]:液晶性樹脂 [C]:連続した強化繊維束 また、本発明の繊維強化成形品は、上記長繊維強化成形
材料から成形されたことを特徴とするものである。
解決するために、基本的には次のような手段を採用する
ものである。即ち、本発明の長繊維強化成形材料は、構
成要素[A]、および、少なくとも構成要素[B]と構
成要素[C]とからなる複合体[BC]により構成され
ていることを特徴とする。 [A]:熱可塑性樹脂 [B]:液晶性樹脂 [C]:連続した強化繊維束 また、本発明の繊維強化成形品は、上記長繊維強化成形
材料から成形されたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、即ち、成形
の際に熱可塑性樹脂中での強化繊維の良好な含浸、分散
を達成でき、且つ高い成形性(特に薄肉成形性)をも達
成できる生産性の高い長繊維強化成形材料、および前記
長繊維強化成形材料から得られる、高い力学的特性(特
に耐衝撃性)を有する成形品について鋭意検討し、力学
的特性のバランスに優れ、高い耐衝撃性を有する熱可塑
性樹脂と、溶融粘度が低く、強化繊維の分散、含浸、お
よび薄肉成形性を飛躍的に改善する液晶性樹脂と、成形
品に高い力学的特性を付与する強化繊維とを、ある特定
の形態で配合してみたところ、かかる課題を一挙に解決
することを究明したものである。
の際に熱可塑性樹脂中での強化繊維の良好な含浸、分散
を達成でき、且つ高い成形性(特に薄肉成形性)をも達
成できる生産性の高い長繊維強化成形材料、および前記
長繊維強化成形材料から得られる、高い力学的特性(特
に耐衝撃性)を有する成形品について鋭意検討し、力学
的特性のバランスに優れ、高い耐衝撃性を有する熱可塑
性樹脂と、溶融粘度が低く、強化繊維の分散、含浸、お
よび薄肉成形性を飛躍的に改善する液晶性樹脂と、成形
品に高い力学的特性を付与する強化繊維とを、ある特定
の形態で配合してみたところ、かかる課題を一挙に解決
することを究明したものである。
【0010】一般的に、強化繊維を構成要素[A]に単
純に配合すると、力学的特性は改善されるものの、成形
性、特に薄肉成形性が低下する。強化繊維が本発明のよ
うに長繊維の場合は、その成形性、特に薄肉成形性の低
下の程度は一段と大きく、更には、構成要素[A]の構
成要素[C]への含浸、構成要素[A]中での構成要素
[C]の分散に大きく劣るといった問題や、繊維強化成
形材料の生産性が大幅に低下するといった問題を有して
いた。
純に配合すると、力学的特性は改善されるものの、成形
性、特に薄肉成形性が低下する。強化繊維が本発明のよ
うに長繊維の場合は、その成形性、特に薄肉成形性の低
下の程度は一段と大きく、更には、構成要素[A]の構
成要素[C]への含浸、構成要素[A]中での構成要素
[C]の分散に大きく劣るといった問題や、繊維強化成
形材料の生産性が大幅に低下するといった問題を有して
いた。
【0011】そこで本発明では、構成要素[C]の分
散、含浸、および薄肉成形性を飛躍的に改善する構成要
素[B]を構成要素[C]中に含浸させ、予め複合体
[BC]を形成させたところ、かかる問題を解決できる
ことを見出した。つまり、構成要素[C]のごく近傍に
構成要素[B]を配置し、構成要素[B]の強化繊維の
分散、含浸、および薄肉成形性を飛躍的に改善する効果
を最大限に引き出すことのできる複合体[BC]を予め
形成することにより、構成要素[A]中の構成要素
[C]の分散、含浸が良好で、且つ高い成形性(特に薄
肉成形性)を達成することができる。更に、前記複合体
[BC]の形成により、成形材料の高い生産性をも格段
に高くすることができる。この効果は、構成要素[C]
が連続繊維、もしくは長繊維である場合に更に顕著に発
現し、本発明は長繊維強化成形材料において特に有効で
ある。なお、複合体[BC]において、構成要素[B]
を構成要素[C]中に含浸させている状態とは、構成要
素[C]中の各々単繊維の間に構成要素[B]が満たさ
れており、構成要素[B]の海中に構成要素[C]が島
のように分散している状態のことを指す。
散、含浸、および薄肉成形性を飛躍的に改善する構成要
素[B]を構成要素[C]中に含浸させ、予め複合体
[BC]を形成させたところ、かかる問題を解決できる
ことを見出した。つまり、構成要素[C]のごく近傍に
構成要素[B]を配置し、構成要素[B]の強化繊維の
分散、含浸、および薄肉成形性を飛躍的に改善する効果
を最大限に引き出すことのできる複合体[BC]を予め
形成することにより、構成要素[A]中の構成要素
[C]の分散、含浸が良好で、且つ高い成形性(特に薄
肉成形性)を達成することができる。更に、前記複合体
[BC]の形成により、成形材料の高い生産性をも格段
に高くすることができる。この効果は、構成要素[C]
が連続繊維、もしくは長繊維である場合に更に顕著に発
現し、本発明は長繊維強化成形材料において特に有効で
ある。なお、複合体[BC]において、構成要素[B]
を構成要素[C]中に含浸させている状態とは、構成要
素[C]中の各々単繊維の間に構成要素[B]が満たさ
れており、構成要素[B]の海中に構成要素[C]が島
のように分散している状態のことを指す。
【0012】前記複合体[BC]は、押出機などを用い
て溶融させた構成要素[B]が満たされたダイ中で、ス
クイーズロールなどを用いて構成要素[C]を開繊さ
せ、連続的に構成要素[B]を構成要素[C]中に含浸
させながら引き取る方法や、押出機などを用いて溶融さ
せた構成要素[B]をダイコーターなどにより構成要素
[C]に所望量供給した後、溶融温度以上の雰囲気下で
スクイーズロールなどを通過させることにより、張力や
せん断力付与し、各々単繊維を移動運動(収束、拡幅な
ど)させて、連続的に構成要素[B]を構成要素[C]
中に含浸させながら引き取る方法、などを用いて形成す
るのが一般的である。従来、構成要素[A]に相当する
ものを構成要素[C]に含浸させる試みが行われてきた
が、その粘度の高さから高い生産性を達成することがで
きなかった。本発明では、構成要素[A]に変わって、
構成要素[A]よりも大幅に粘度が低い構成要素[B]
にて含浸を行うため、格段に高い生産性で製造すること
ができる。
て溶融させた構成要素[B]が満たされたダイ中で、ス
クイーズロールなどを用いて構成要素[C]を開繊さ
せ、連続的に構成要素[B]を構成要素[C]中に含浸
させながら引き取る方法や、押出機などを用いて溶融さ
せた構成要素[B]をダイコーターなどにより構成要素
[C]に所望量供給した後、溶融温度以上の雰囲気下で
スクイーズロールなどを通過させることにより、張力や
せん断力付与し、各々単繊維を移動運動(収束、拡幅な
ど)させて、連続的に構成要素[B]を構成要素[C]
中に含浸させながら引き取る方法、などを用いて形成す
るのが一般的である。従来、構成要素[A]に相当する
ものを構成要素[C]に含浸させる試みが行われてきた
が、その粘度の高さから高い生産性を達成することがで
きなかった。本発明では、構成要素[A]に変わって、
構成要素[A]よりも大幅に粘度が低い構成要素[B]
にて含浸を行うため、格段に高い生産性で製造すること
ができる。
【0013】但し、構成要素[A]と構成要素[B]と
に、末端基の制御や相溶化剤の添加などにより、ある程
度の相溶性を予め付与している場合には、成形品の力学
的特性(特に耐衝撃性)はある程度は向上するものの、
成形時の流動性(薄肉成形性)は僅かしか改善されな
い。
に、末端基の制御や相溶化剤の添加などにより、ある程
度の相溶性を予め付与している場合には、成形品の力学
的特性(特に耐衝撃性)はある程度は向上するものの、
成形時の流動性(薄肉成形性)は僅かしか改善されな
い。
【0014】本発明の複合体[BC]中において、構成
要素[C]は、構成要素[B]によって完全に含浸され
ていることが好ましい。しかし、本発明の効果である樹
脂中での強化繊維の分散性や、樹脂の強化繊維への含浸
性の達成は、複合体[BC]中にある程度のボイドが存
在した場合にも可能であり、生産性を損なわない最低限
のボイド率であれば大きな問題とはならない。但し、ボ
イド率が70%を超える場合は、前記の分散性、含浸性
の達成は極端に困難となるため、複合体[BC]中のボ
イド率は70%以下であるのがよい。望ましくは60%
以下、更に望ましくは50%以下である。なお、本発明
では、ASTM D2734に準拠してボイド率を測定
した。
要素[C]は、構成要素[B]によって完全に含浸され
ていることが好ましい。しかし、本発明の効果である樹
脂中での強化繊維の分散性や、樹脂の強化繊維への含浸
性の達成は、複合体[BC]中にある程度のボイドが存
在した場合にも可能であり、生産性を損なわない最低限
のボイド率であれば大きな問題とはならない。但し、ボ
イド率が70%を超える場合は、前記の分散性、含浸性
の達成は極端に困難となるため、複合体[BC]中のボ
イド率は70%以下であるのがよい。望ましくは60%
以下、更に望ましくは50%以下である。なお、本発明
では、ASTM D2734に準拠してボイド率を測定
した。
【0015】本発明の長繊維強化成形材料において、構
成要素[A]と複合体[BC]とは、完全には混合され
ず、異なる相を形成している。両者の境界は明確である
必要はない。好ましくは、構成要素[C]から平均50μ
m以内、より好ましくは500μm以内は、実質的に構
成要素[A]が存在しない方が良い。
成要素[A]と複合体[BC]とは、完全には混合され
ず、異なる相を形成している。両者の境界は明確である
必要はない。好ましくは、構成要素[C]から平均50μ
m以内、より好ましくは500μm以内は、実質的に構
成要素[A]が存在しない方が良い。
【0016】構成要素[A]と複合体[BC]とは、ド
ライブレンドなどの方法により各々に配置されていても
よいし、接するように配置され、且つ両者が固定されて
いてもよい。本発明において、構成要素[A]と複合体
[BC]とが接するように配置され、且つ両者が固定さ
れている場合には、成形材料として取扱性などに優れる
ため好ましい。
ライブレンドなどの方法により各々に配置されていても
よいし、接するように配置され、且つ両者が固定されて
いてもよい。本発明において、構成要素[A]と複合体
[BC]とが接するように配置され、且つ両者が固定さ
れている場合には、成形材料として取扱性などに優れる
ため好ましい。
【0017】構成要素[A]と複合体[BC]とが接す
るように配置され、且つ両者が固定されている場合に
は、例えば図1、2のように、加熱プレスなどにより層
状に配置され、且つ固定されていることが好ましい形態
である。また、例えば図3、4のように、電線被覆法な
どにより構成要素[A]が複合体[BC]の周囲を被覆
するように配置されていることも、同様に好ましい形態
といえる。図4に示されるように、構成要素[A]が複
数の複合体[BC]を被覆するように配置されている場
合、複合体[BC]の本数は2〜6程度が望ましい。
るように配置され、且つ両者が固定されている場合に
は、例えば図1、2のように、加熱プレスなどにより層
状に配置され、且つ固定されていることが好ましい形態
である。また、例えば図3、4のように、電線被覆法な
どにより構成要素[A]が複合体[BC]の周囲を被覆
するように配置されていることも、同様に好ましい形態
といえる。図4に示されるように、構成要素[A]が複
数の複合体[BC]を被覆するように配置されている場
合、複合体[BC]の本数は2〜6程度が望ましい。
【0018】尚、前述の構成要素[A]と複合体[B
C]の存在形態は、何れも成形性を考慮したものであ
る。従って、成形された後の成形品においてはかかる存
在形態が保持されている必要はない。
C]の存在形態は、何れも成形性を考慮したものであ
る。従って、成形された後の成形品においてはかかる存
在形態が保持されている必要はない。
【0019】前述の本発明の長繊維強化成形材料は、長
手方向において、ほぼ同一の断面形状を保ち、連続であ
ってもよいし、様々な成形方法に対応できるように、1
〜50mmの長さにカットされていてもよい。望ましく
は2〜40mm、更に望ましくは3〜30mm、最も望
ましくは4〜15mmである。カットされた長繊維強化
成形材料は、そのまま成形材料として用いてもよいし、
カット後に個々の成形材料を再固定してから用いてもよ
い。再固定の方法としては、加熱しながらのプレスする
などの熱融着による例を挙げることができる。
手方向において、ほぼ同一の断面形状を保ち、連続であ
ってもよいし、様々な成形方法に対応できるように、1
〜50mmの長さにカットされていてもよい。望ましく
は2〜40mm、更に望ましくは3〜30mm、最も望
ましくは4〜15mmである。カットされた長繊維強化
成形材料は、そのまま成形材料として用いてもよいし、
カット後に個々の成形材料を再固定してから用いてもよ
い。再固定の方法としては、加熱しながらのプレスする
などの熱融着による例を挙げることができる。
【0020】本発明の長繊維強化成形材料は、例えば射
出成形(射出圧縮成形、ガスアシスト射出成形、インサ
ート射出成形、多層射出成形や、それらの組み合わせな
どを含む)、ブロー成形、押出成形、プレス成形、トラ
ンスファー成形、フィラメントワインディング成形など
の公知の成形方法によって成形されるが、最も望ましい
成形法は、生産性の高いプレス成形、もしくは射出成形
である。
出成形(射出圧縮成形、ガスアシスト射出成形、インサ
ート射出成形、多層射出成形や、それらの組み合わせな
どを含む)、ブロー成形、押出成形、プレス成形、トラ
ンスファー成形、フィラメントワインディング成形など
の公知の成形方法によって成形されるが、最も望ましい
成形法は、生産性の高いプレス成形、もしくは射出成形
である。
【0021】前記成形法に用いられる長繊維強化成形材
料の形態としては、ペレット、BMC、SMC、スタン
パブルシート、プリプレグなどが挙げられるが、前記の
1〜50mmにカットされた長繊維強化成形材料は、前
述の射出成形、プレス成形などに適する成形材料である
長繊維ペレット、もしくはスタンパブルシートの形態を
とることが好ましい。
料の形態としては、ペレット、BMC、SMC、スタン
パブルシート、プリプレグなどが挙げられるが、前記の
1〜50mmにカットされた長繊維強化成形材料は、前
述の射出成形、プレス成形などに適する成形材料である
長繊維ペレット、もしくはスタンパブルシートの形態を
とることが好ましい。
【0022】一般的に長繊維ペレットとは、特公昭63
−37694公報に示されるような、構成要素[C]が
ペレットの長手方向にほぼ平行に配列し、ペレット中の
構成要素[C]の長さがペレット長さとほぼ同一である
ペレットが含まれるものを指す。本発明では、1〜50
mmにカットされた複合体[BC]と、一般的にペレッ
トと呼ばれる射出成形向け成形材料の形態を有する構成
要素[A]、もしくは/および構成要素[B]とを、ド
ライブレンドにて混合したものや、複合体[BC]と構
成要素[A]とを接するように配置、固定後に1〜50
mmにカットしたもの(マスターペレット)も長繊維ペ
レットに含まれる。更に、前記マスターペレットを、ペ
レットの形態を有する構成要素[A]、もしくは/およ
び構成要素[B]とを、ドライブレンドにて混合したも
のも長繊維ペレットに含まれる。ドライブレンドによる
混合は、長繊維強化成形材料の生産設備の投資を最小限
にとどめることができるだけでなく、本発明の効果を損
なわずに、場合によっては更に本発明の効果をより高め
て成形することを可能にする。
−37694公報に示されるような、構成要素[C]が
ペレットの長手方向にほぼ平行に配列し、ペレット中の
構成要素[C]の長さがペレット長さとほぼ同一である
ペレットが含まれるものを指す。本発明では、1〜50
mmにカットされた複合体[BC]と、一般的にペレッ
トと呼ばれる射出成形向け成形材料の形態を有する構成
要素[A]、もしくは/および構成要素[B]とを、ド
ライブレンドにて混合したものや、複合体[BC]と構
成要素[A]とを接するように配置、固定後に1〜50
mmにカットしたもの(マスターペレット)も長繊維ペ
レットに含まれる。更に、前記マスターペレットを、ペ
レットの形態を有する構成要素[A]、もしくは/およ
び構成要素[B]とを、ドライブレンドにて混合したも
のも長繊維ペレットに含まれる。ドライブレンドによる
混合は、長繊維強化成形材料の生産設備の投資を最小限
にとどめることができるだけでなく、本発明の効果を損
なわずに、場合によっては更に本発明の効果をより高め
て成形することを可能にする。
【0023】本発明における構成要素[A]の溶融粘度
ηAと構成要素[B]の溶融粘度ηBとの差(ηA−η
B)が50Pa・s以上、且つηBが100Pa・s以
下であることが好ましい。(ηA−ηB)が大きく、且
つηBが低いほど本発明の効果がより大きく発現するた
め、特に好まれる。好ましくは、(ηA−ηB)が80
Pa・s以上、且つηBが90Pa・s以下であり、更
に好ましくは、(ηA−ηB)が100Pa・s以上、
且つηBが80Pa・s以下である。また、特に流動性
に優れた組成物を得ようとする場合には、ηBを40P
a・s以下とすることが好ましい。ηBに特に下限はな
いが、一般的には0.1Pa・s以上である。
ηAと構成要素[B]の溶融粘度ηBとの差(ηA−η
B)が50Pa・s以上、且つηBが100Pa・s以
下であることが好ましい。(ηA−ηB)が大きく、且
つηBが低いほど本発明の効果がより大きく発現するた
め、特に好まれる。好ましくは、(ηA−ηB)が80
Pa・s以上、且つηBが90Pa・s以下であり、更
に好ましくは、(ηA−ηB)が100Pa・s以上、
且つηBが80Pa・s以下である。また、特に流動性
に優れた組成物を得ようとする場合には、ηBを40P
a・s以下とすることが好ましい。ηBに特に下限はな
いが、一般的には0.1Pa・s以上である。
【0024】なお、本発明における溶融粘度とは、融点
(Tm)+10℃の条件で、ずり速度1,000(1/
秒)の条件下で高化式フローテスターによって測定した
値である。ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定にお
いて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の昇
温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm
1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した
後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、
再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸
熱ピーク温度(Tm2 )を指す。また、融点(Tm)を
示さない非晶性の熱可塑性樹脂の場合は、商品カタログ
に記載されている推奨成形温度範囲における最低温度を
擬似的に融点(Tm)と仮定した。構成要素[B]の融
点は、特に限定されないが、構成要素[A]への分散性
の点から好ましくは340℃以下、より好ましくは33
0℃以下である。
(Tm)+10℃の条件で、ずり速度1,000(1/
秒)の条件下で高化式フローテスターによって測定した
値である。ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定にお
いて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の昇
温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm
1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した
後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、
再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸
熱ピーク温度(Tm2 )を指す。また、融点(Tm)を
示さない非晶性の熱可塑性樹脂の場合は、商品カタログ
に記載されている推奨成形温度範囲における最低温度を
擬似的に融点(Tm)と仮定した。構成要素[B]の融
点は、特に限定されないが、構成要素[A]への分散性
の点から好ましくは340℃以下、より好ましくは33
0℃以下である。
【0025】本発明の複合体[BC]において、複合体
[BC]を100体積%とすると、構成要素[B]が9
〜90体積%からなるのが好ましい。構成要素[C]が
最密充填状態で、構成要素[B]中に完全に含浸してい
る場合、構成要素[C]の体積率は約91%となる(構
成要素[C]が真円断面を有していると仮定)。よっ
て、構成要素[B]は9体積%より少ない場合には、完
全な含浸が理論上不可能となる。また、構成要素[B]
が90体積%より多い場合は、十分な補強効果を有する
だけの構成要素[C]を長繊維強化成形材料中に添加す
ることが困難となり、高い力学的特性が充分達成できな
い。より好ましくは12〜80体積%で、更に好ましく
は15〜70体積%である。
[BC]を100体積%とすると、構成要素[B]が9
〜90体積%からなるのが好ましい。構成要素[C]が
最密充填状態で、構成要素[B]中に完全に含浸してい
る場合、構成要素[C]の体積率は約91%となる(構
成要素[C]が真円断面を有していると仮定)。よっ
て、構成要素[B]は9体積%より少ない場合には、完
全な含浸が理論上不可能となる。また、構成要素[B]
が90体積%より多い場合は、十分な補強効果を有する
だけの構成要素[C]を長繊維強化成形材料中に添加す
ることが困難となり、高い力学的特性が充分達成できな
い。より好ましくは12〜80体積%で、更に好ましく
は15〜70体積%である。
【0026】また本発明では、構成要素[A]100重
量部に対して、構成要素[B]が1〜100重量部添加
されているのが望ましい。構成要素[B]が1重量部よ
り小さいと、薄肉成形性に劣り、本発明の効果が十分に
発現しない。反対に構成要素[B]が100重量部より
大きいと、薄肉成形性には優れるものの、力学的特性、
特に耐衝撃性に劣り、同様に本発明の効果が十分に発現
しない。より望ましくは3〜80重量部であり、更に望
ましくは6〜60重要部である。尚、この場合の添加量
とは構成要素[B]、[C]が互いに相溶している分も非相
溶の分も合わせて計算した値である。また、後述の構成
要素[B’]の場合も、構成要素[A]と異なる相の界面を
保ちつつも、構成要素[B’]が構成要素[A]の相へ取り
込まれることがある。
量部に対して、構成要素[B]が1〜100重量部添加
されているのが望ましい。構成要素[B]が1重量部よ
り小さいと、薄肉成形性に劣り、本発明の効果が十分に
発現しない。反対に構成要素[B]が100重量部より
大きいと、薄肉成形性には優れるものの、力学的特性、
特に耐衝撃性に劣り、同様に本発明の効果が十分に発現
しない。より望ましくは3〜80重量部であり、更に望
ましくは6〜60重要部である。尚、この場合の添加量
とは構成要素[B]、[C]が互いに相溶している分も非相
溶の分も合わせて計算した値である。また、後述の構成
要素[B’]の場合も、構成要素[A]と異なる相の界面を
保ちつつも、構成要素[B’]が構成要素[A]の相へ取り
込まれることがある。
【0027】更に本発明では、長繊維強化成形材料を1
00重量%とした場合、構成要素[C]が5〜70重量
%からなるのが好ましい。構成要素[C]が5重量%よ
り小さいと、薄肉成形性には優れるものの、力学的特
性、特に耐衝撃性に劣り、本発明の効果が十分に発現し
ない。反対に構成要素[C]が70重量%より大きい
と、薄肉成形性に劣り、同様に本発明の効果が十分に発
現しない。より好ましくは10〜50重量%、更に好ま
しくは15〜40重量%である。
00重量%とした場合、構成要素[C]が5〜70重量
%からなるのが好ましい。構成要素[C]が5重量%よ
り小さいと、薄肉成形性には優れるものの、力学的特
性、特に耐衝撃性に劣り、本発明の効果が十分に発現し
ない。反対に構成要素[C]が70重量%より大きい
と、薄肉成形性に劣り、同様に本発明の効果が十分に発
現しない。より好ましくは10〜50重量%、更に好ま
しくは15〜40重量%である。
【0028】本発明における構成要素[A]は、耐衝撃
性により優れ、且つ生産性の高い射出成形などの成形が
可能な熱可塑性樹脂である。本発明における熱可塑性樹
脂としては、ポリメチレンメタクリレート樹脂、ポリカ
ーボネイト樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリス
チレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂、
アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ
エーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリ
エーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリア
ミドイミド樹脂などのほか、ポリエチレンやポリプロピ
レンやポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、ナイロン
6やナイロン66や半芳香族ナイロン等のポリアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレートや液晶ポリエステル等のポリエステル樹脂、ポ
リオキシメチレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂
などや、これらの共重合体、変性体、および2種類以上
ブレンドした樹脂などを例として挙げることができる。
また、複数の樹脂を混合するときの相溶性制御などのた
めに末端基を変性したり、封止した樹脂も、本発明で使
用できる熱可塑性樹脂に含まれる。
性により優れ、且つ生産性の高い射出成形などの成形が
可能な熱可塑性樹脂である。本発明における熱可塑性樹
脂としては、ポリメチレンメタクリレート樹脂、ポリカ
ーボネイト樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリス
チレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂、
アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ
エーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリ
エーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリア
ミドイミド樹脂などのほか、ポリエチレンやポリプロピ
レンやポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、ナイロン
6やナイロン66や半芳香族ナイロン等のポリアミド樹
脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレートや液晶ポリエステル等のポリエステル樹脂、ポ
リオキシメチレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂
などや、これらの共重合体、変性体、および2種類以上
ブレンドした樹脂などを例として挙げることができる。
また、複数の樹脂を混合するときの相溶性制御などのた
めに末端基を変性したり、封止した樹脂も、本発明で使
用できる熱可塑性樹脂に含まれる。
【0029】熱可塑性樹脂には、結晶性の熱可塑性樹脂
(以下、結晶樹脂と呼ぶ)と非晶性の熱可塑性樹脂(以
下、非晶樹脂と呼ぶ)がある。非晶樹脂は、結晶樹脂よ
り成形収縮率が低く、寸法安定性に優れ、耐衝撃性にも
優れるものの、成形時の流動性(薄肉成形性)が結晶樹
脂に劣るのが一般的である。しかしながら、構成要素
[B]を用いることにより、前記非晶樹脂の成形時の流動
性(薄肉成形性)が結晶樹脂に劣るという短所が克服さ
れる。即ち、構成要素[A]として非晶樹脂を使用した
場合、従来は困難であった構成要素[A]中での構成要
素[C]の分散性と、成形時の流動性(薄肉成形性)の
両立という本発明の効果を、最大限に発現させることが
出来る。従って、本発明における熱可塑性樹脂として
は、結晶樹脂よりは、非晶樹脂が好ましい。
(以下、結晶樹脂と呼ぶ)と非晶性の熱可塑性樹脂(以
下、非晶樹脂と呼ぶ)がある。非晶樹脂は、結晶樹脂よ
り成形収縮率が低く、寸法安定性に優れ、耐衝撃性にも
優れるものの、成形時の流動性(薄肉成形性)が結晶樹
脂に劣るのが一般的である。しかしながら、構成要素
[B]を用いることにより、前記非晶樹脂の成形時の流動
性(薄肉成形性)が結晶樹脂に劣るという短所が克服さ
れる。即ち、構成要素[A]として非晶樹脂を使用した
場合、従来は困難であった構成要素[A]中での構成要
素[C]の分散性と、成形時の流動性(薄肉成形性)の
両立という本発明の効果を、最大限に発現させることが
出来る。従って、本発明における熱可塑性樹脂として
は、結晶樹脂よりは、非晶樹脂が好ましい。
【0030】長繊維強化成形材料がプレス成形もしくは
射出成形されたのちの繊維強化成形品では、耐衝撃性等
の性能が要求される。よって、本発明における結晶性の
熱可塑性樹脂としては、構成要素[C]との接着性に優
れるポリアミド樹脂が、本発明の効果を高く発現するこ
とができるため望ましい。本発明におけるポリアミド樹
脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカル
ボン酸を主たる原料とするナイロンである。その原料の
代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノ
ウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメ
チル安息香酸などのアミノ酸、ε−アミノカプロラクタ
ム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペン
タメチレンジアミン、ノナンメチレンジアミン、ウンデ
カメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,
2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレン
ジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−
アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4
−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−
アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピ
ル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪
族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、ス
ペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル
酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロ
テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪
族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明
においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモ
ポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形
で使用することができる。
射出成形されたのちの繊維強化成形品では、耐衝撃性等
の性能が要求される。よって、本発明における結晶性の
熱可塑性樹脂としては、構成要素[C]との接着性に優
れるポリアミド樹脂が、本発明の効果を高く発現するこ
とができるため望ましい。本発明におけるポリアミド樹
脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカル
ボン酸を主たる原料とするナイロンである。その原料の
代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノ
ウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメ
チル安息香酸などのアミノ酸、ε−アミノカプロラクタ
ム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペン
タメチレンジアミン、ノナンメチレンジアミン、ウンデ
カメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,
2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレン
ジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル
−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−
アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4
−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−
アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピ
ル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪
族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、ス
ペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル
酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロ
テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪
族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明
においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモ
ポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形
で使用することができる。
【0031】本発明において、特に有用なポリアミド樹
脂は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れ
たナイロン樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロ
アミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナ
イロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロ
ン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン
612)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(ナイ
ロン9T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキ
サメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66
/6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ
カプロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポリヘ
キサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポ
リマー(ナイロン6I/6)、ポリヘキサメチレンアジ
パミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマ
ー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー
(ナイロン66/6I)、ポリドデカミド/ポリヘキサ
メチレンテレフタラミドコポリマー(ナイロン12/6
T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチ
レンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタル
アミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリ
ヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレン
イソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、
ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチ
ルペンタメチレンテレフタルアミド)コポリマー(ナイ
ロン6T/M5T)、ポリキシリレンアジパミド(ナイ
ロンXD6)、およびこれらの混合物ないし共重合体な
どを挙げることができる。また、これらのポリアミド樹
脂を成形性、耐熱性、低吸水性などの必要特性に応じ
て、これらの共重合体、および2種類以上混合した樹脂
も本発明で使用できる。更に、耐衝撃性向上などのため
に、上記樹脂にエラストマー、もしくはゴム成分を添加
した樹脂や、樹脂を混合するときの相溶性制御などのた
めに末端基を変性したり、封止した樹脂も、本発明で使
用できるポリアミド樹脂に含まれる。
脂は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れ
たナイロン樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロ
アミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナ
イロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロ
ン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン
612)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(ナイ
ロン9T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキ
サメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66
/6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ
カプロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポリヘ
キサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポ
リマー(ナイロン6I/6)、ポリヘキサメチレンアジ
パミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマ
ー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー
(ナイロン66/6I)、ポリドデカミド/ポリヘキサ
メチレンテレフタラミドコポリマー(ナイロン12/6
T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチ
レンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタル
アミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリ
ヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレン
イソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、
ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチ
ルペンタメチレンテレフタルアミド)コポリマー(ナイ
ロン6T/M5T)、ポリキシリレンアジパミド(ナイ
ロンXD6)、およびこれらの混合物ないし共重合体な
どを挙げることができる。また、これらのポリアミド樹
脂を成形性、耐熱性、低吸水性などの必要特性に応じ
て、これらの共重合体、および2種類以上混合した樹脂
も本発明で使用できる。更に、耐衝撃性向上などのため
に、上記樹脂にエラストマー、もしくはゴム成分を添加
した樹脂や、樹脂を混合するときの相溶性制御などのた
めに末端基を変性したり、封止した樹脂も、本発明で使
用できるポリアミド樹脂に含まれる。
【0032】本発明で使用するポリアミド樹脂として、
最も有用なものとしては、ナイロン6、ナイロン66、
およびそれらの共重合体が挙げられる。ナイロン6を使
用した場合には、本発明の一つの効果である成形時の流
動性を更に一層高く発現することができるため、とりわ
け好ましい。
最も有用なものとしては、ナイロン6、ナイロン66、
およびそれらの共重合体が挙げられる。ナイロン6を使
用した場合には、本発明の一つの効果である成形時の流
動性を更に一層高く発現することができるため、とりわ
け好ましい。
【0033】本発明における非晶性の熱可塑性樹脂とし
ては、寸法安定性、耐衝撃性、耐熱性などの力学的特性
には特に優れるものの、特に薄肉成形性に劣るという問
題を有しているポリカーボネイト樹脂、ポリフェニレン
エーテル樹脂、もしくはこれらの共重合体、変性体を含
む熱可塑性樹脂が、本発明の効果を最大限に発現するこ
とができるため望ましい。
ては、寸法安定性、耐衝撃性、耐熱性などの力学的特性
には特に優れるものの、特に薄肉成形性に劣るという問
題を有しているポリカーボネイト樹脂、ポリフェニレン
エーテル樹脂、もしくはこれらの共重合体、変性体を含
む熱可塑性樹脂が、本発明の効果を最大限に発現するこ
とができるため望ましい。
【0034】特に構成要素[B]と混合した場合、耐衝
撃性と薄肉成形性が同時に改善されるポリカーボネイト
樹脂を含むものが最も望ましい。本発明におけるポリカ
ーボネイト樹脂とは、カーボネート結合を有し、芳香族
二価フェノール系化合物とホスゲン、または炭酸ジエス
テルとを反応させることにより得られる非晶性の熱可塑
性樹脂であり、該芳香族ホモまたはコポリカーボネート
樹脂は、メチレンクロライド中1.0g/dlの濃度で
20℃で測定した対数粘度が0.2〜3.0dl/g、
特に0.3〜1.5dl/gの範囲ものが好ましく用い
られる。ここで二価フェノール系化合物としては、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使
用でき、これら単独あるいは混合物として使用すること
ができる。
撃性と薄肉成形性が同時に改善されるポリカーボネイト
樹脂を含むものが最も望ましい。本発明におけるポリカ
ーボネイト樹脂とは、カーボネート結合を有し、芳香族
二価フェノール系化合物とホスゲン、または炭酸ジエス
テルとを反応させることにより得られる非晶性の熱可塑
性樹脂であり、該芳香族ホモまたはコポリカーボネート
樹脂は、メチレンクロライド中1.0g/dlの濃度で
20℃で測定した対数粘度が0.2〜3.0dl/g、
特に0.3〜1.5dl/gの範囲ものが好ましく用い
られる。ここで二価フェノール系化合物としては、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使
用でき、これら単独あるいは混合物として使用すること
ができる。
【0035】また、ポリカーボネート樹脂はその他の特
性を付与させるためにその一部(通常、熱可塑性樹脂全
成分の70重量%以下、好ましくは60重量%以下、特
に好ましくは50重量%以下)を結晶性の熱可塑性樹脂
に置き換えることが可能であり、具体的には、ナイロン
6、ナイロン66、半芳香族ナイロンなどのポリアミド
樹脂や、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテ
レフタレートなどのポリエステル樹脂が例として挙げら
れる。
性を付与させるためにその一部(通常、熱可塑性樹脂全
成分の70重量%以下、好ましくは60重量%以下、特
に好ましくは50重量%以下)を結晶性の熱可塑性樹脂
に置き換えることが可能であり、具体的には、ナイロン
6、ナイロン66、半芳香族ナイロンなどのポリアミド
樹脂や、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテ
レフタレートなどのポリエステル樹脂が例として挙げら
れる。
【0036】本発明における構成要素[B]は液晶性樹
脂であり、溶融時に異方性を形成し得る樹脂のことを指
す。液晶性樹脂としては、液晶ポリエステル、液晶ポリ
エステルアミド、液晶ポリカーボネート、液晶ポリエス
テルエラストマーなどの例が挙げられ、なかでも分子鎖
中にエステル結合を有するものが好ましく、特に液晶ポ
リエステル、液晶ポリエステルアミドなどが好ましく用
いられる。
脂であり、溶融時に異方性を形成し得る樹脂のことを指
す。液晶性樹脂としては、液晶ポリエステル、液晶ポリ
エステルアミド、液晶ポリカーボネート、液晶ポリエス
テルエラストマーなどの例が挙げられ、なかでも分子鎖
中にエステル結合を有するものが好ましく、特に液晶ポ
リエステル、液晶ポリエステルアミドなどが好ましく用
いられる。
【0037】本発明に好ましく使用できる液晶性樹脂は
芳香族オキシカルボニル単位としてp−ヒドロキシ安息
香酸からなる構造単位を含む液晶性ポリエステルであ
り、また、エチレンジオキシ単位を必須成分とする液晶
性ポリエステルも好ましく使用できる。さらに好ましく
は下記構造単位(I) 、(III) 、(IV)からなるポリエステ
ルあるいは(I) 、(II)、(III) 、(IV)の構造単位からな
るポリエステルであり、最も好ましいのは(I) 、(II)、
(III) 、(IV)の構造単位からなるポリエステルである。
芳香族オキシカルボニル単位としてp−ヒドロキシ安息
香酸からなる構造単位を含む液晶性ポリエステルであ
り、また、エチレンジオキシ単位を必須成分とする液晶
性ポリエステルも好ましく使用できる。さらに好ましく
は下記構造単位(I) 、(III) 、(IV)からなるポリエステ
ルあるいは(I) 、(II)、(III) 、(IV)の構造単位からな
るポリエステルであり、最も好ましいのは(I) 、(II)、
(III) 、(IV)の構造単位からなるポリエステルである。
【0038】
【化1】
【0039】(ただし式中のR1 は
【0040】
【化2】
【0041】の(a)〜(j)から選ばれた一種以上の
基を示し、R2 は
基を示し、R2 は
【0042】
【化3】
【0043】の(A)〜(F)から選ばれた一種以上の
基を示す。また、式中Xは水素原子または塩素原子を示
す。) なお、構造単位(II)および(III) の合計と構造単位(IV)
は実質的に等モルであることが望ましい。
基を示す。また、式中Xは水素原子または塩素原子を示
す。) なお、構造単位(II)および(III) の合計と構造単位(IV)
は実質的に等モルであることが望ましい。
【0044】上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香
酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4
´−ジヒドロキシビフェニル、3,3´,5,5´−テ
トラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイ
ドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイ
ドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロ
キシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよ
び4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ば
れた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した
構造単位を、構造単位(III) はエチレングリコールから
生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イ
ソフタル酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボ
ン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸
から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成し
た構造単位を各々示す。これらのうちR1が
酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4
´−ジヒドロキシビフェニル、3,3´,5,5´−テ
トラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイ
ドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイ
ドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロ
キシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよ
び4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ば
れた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した
構造単位を、構造単位(III) はエチレングリコールから
生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イ
ソフタル酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボ
ン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸
から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成し
た構造単位を各々示す。これらのうちR1が
【0045】
【化4】
【0046】であり、R2が
【0047】
【化5】
【0048】であるものが特に好ましい。
【0049】上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)
の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮
させるためには次の共重合量であることが好ましい。
の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮
させるためには次の共重合量であることが好ましい。
【0050】すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(II
I)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合
計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜93モ
ル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が
好ましく、60〜7モル%がより好ましい。また、構造
単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]は好ましくは75
/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜
93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)お
よび(III)の合計と実質的に等モルであることが好まし
い。
I)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合
計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜93モ
ル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が
好ましく、60〜7モル%がより好ましい。また、構造
単位(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]は好ましくは75
/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜
93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)お
よび(III)の合計と実質的に等モルであることが好まし
い。
【0051】一方、上記構造単位(II)を含まない場合は
流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および
(III)の合計に対して40〜90モル%であることが
好ましく、60〜88モル%であることが特に好まし
く、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モ
ルであることが好ましい。
流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および
(III)の合計に対して40〜90モル%であることが
好ましく、60〜88モル%であることが特に好まし
く、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モ
ルであることが好ましい。
【0052】また液晶性ポリエステルアミドとしては、
上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールか
ら生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性
溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールか
ら生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性
溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0053】なお、上記好ましく用いることができる液
晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記
構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジ
フェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボ
ン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカ
ルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’
−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジオール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−
シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールなどの脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒド
ロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの
芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸
などを液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せ
しめることができる。
晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記
構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジ
フェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボ
ン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカ
ルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’
−ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジオール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−
シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールなどの脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒド
ロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの
芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸
などを液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せ
しめることができる。
【0054】本発明で使用する液晶性樹脂は、ペンタフ
ルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可能で
ある。その際、0.1g/dlの濃度で60℃で測定し
た値で0.5〜15.0dl/gが好ましく、1.0〜
3.0dl/gが特に好ましい。
ルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可能で
ある。その際、0.1g/dlの濃度で60℃で測定し
た値で0.5〜15.0dl/gが好ましく、1.0〜
3.0dl/gが特に好ましい。
【0055】本発明において使用する上記液晶性ポリエ
ステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエス
テルの重縮合法に準じて製造できる。
ステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエス
テルの重縮合法に準じて製造できる。
【0056】例えば、上記液晶ポリエステルの製造にお
いて、次の製造方法が好ましく挙げられる。 (1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセ
トキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族
ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって製造す
る方法。 (2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無
水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化し
た後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。 (3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよ
び4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール
重縮合反応により製造する方法。 (4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを
反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重
縮合反応により製造する方法。 (5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス
(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)ま
たは(2)の方法により製造する方法。
いて、次の製造方法が好ましく挙げられる。 (1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセ
トキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族
ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって製造す
る方法。 (2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無
水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化し
た後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。 (3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよ
び4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール
重縮合反応により製造する方法。 (4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを
反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重
縮合反応により製造する方法。 (5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス
(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)ま
たは(2)の方法により製造する方法。
【0057】液晶性ポリエステルの重縮合反応は無触媒
でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネー
ト、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチ
モン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用するこ
ともできる。
でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネー
ト、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチ
モン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用するこ
ともできる。
【0058】本発明の効果、特に成形材料の薄肉成形性
と、成形品の高い耐衝撃性との両立は、長繊維強化成形
材料が、少なくとも次の構成要素[A]、[B’]、
[C]を有し、構成要素[A]、および、少なくとも構
成要素[B’]と構成要素[C]とからなる複合体
[B’C]により構成されていることを特徴とする長繊
維強化成形材料 [A]:熱可塑性樹脂 [B’]:[A]に半相溶性の樹脂 [C]:連続した強化繊維束 であるとき、高い効果を発現することは従来技術では殆
ど考えられなかったものであり、特筆に値する。
と、成形品の高い耐衝撃性との両立は、長繊維強化成形
材料が、少なくとも次の構成要素[A]、[B’]、
[C]を有し、構成要素[A]、および、少なくとも構
成要素[B’]と構成要素[C]とからなる複合体
[B’C]により構成されていることを特徴とする長繊
維強化成形材料 [A]:熱可塑性樹脂 [B’]:[A]に半相溶性の樹脂 [C]:連続した強化繊維束 であるとき、高い効果を発現することは従来技術では殆
ど考えられなかったものであり、特筆に値する。
【0059】ここで、構成要素[B’]は、構成要素
[A]と基本的には成形温度近傍の温度でも僅かしか化
学的な相互作用を発生しない半相溶系を形成する樹脂で
ある。
[A]と基本的には成形温度近傍の温度でも僅かしか化
学的な相互作用を発生しない半相溶系を形成する樹脂で
ある。
【0060】この場合には、構成要素[A]と構成要素
[B’]とが、成形温度近傍で化学的な相互作用を起こ
さないように、化学反応が考えられる構成要素[A]、
および/もしくは構成要素[B’]乃至はそれらの前駆
体の末端基を封止したり、変性したりすることなどによ
り、成形時における構成要素[A]と構成要素[B’]
との化学的な相互作用を抑制するのが望ましい。前述の
点が、ある程度の相溶性を意図した2つの樹脂を用いる
従来技術と全く異なり、本発明の特質の1つである。
[B’]とが、成形温度近傍で化学的な相互作用を起こ
さないように、化学反応が考えられる構成要素[A]、
および/もしくは構成要素[B’]乃至はそれらの前駆
体の末端基を封止したり、変性したりすることなどによ
り、成形時における構成要素[A]と構成要素[B’]
との化学的な相互作用を抑制するのが望ましい。前述の
点が、ある程度の相溶性を意図した2つの樹脂を用いる
従来技術と全く異なり、本発明の特質の1つである。
【0061】構成要素[A]と構成要素[B’]とが、
基本的に成形温度近傍の温度でも僅かしか化学的な相互
作用を発生しない半相溶系であるか否かの目安として
は、例えば成形品中の構成要素[A]中での構成要素
[B’]の分散直径が挙げられる。つまり、構成要素
[B’]の分散直径が小さい場合は、化学的な相互作用
が起こっており、分散直径が大きい場合は、化学的な相
互作用が僅かしか起こっていないといえる。
基本的に成形温度近傍の温度でも僅かしか化学的な相互
作用を発生しない半相溶系であるか否かの目安として
は、例えば成形品中の構成要素[A]中での構成要素
[B’]の分散直径が挙げられる。つまり、構成要素
[B’]の分散直径が小さい場合は、化学的な相互作用
が起こっており、分散直径が大きい場合は、化学的な相
互作用が僅かしか起こっていないといえる。
【0062】本発明では、構成要素[B’]の分散直径
は0.3〜5.0μmの範囲であることが望ましい。構
成要素[B’]の分散直径が0.3μmより小さいと、
構成要素[A]と構成要素[B’]との化学的な相互作
用が強く、本発明の十分な効果が得られない。また、
5.0μmを越えると成形品の力学的特性に悪影響を及
ぼす。より望ましくは0.4〜4.0μmの範囲であ
り、更に望ましくは0.5〜3.5μmの範囲である。
は0.3〜5.0μmの範囲であることが望ましい。構
成要素[B’]の分散直径が0.3μmより小さいと、
構成要素[A]と構成要素[B’]との化学的な相互作
用が強く、本発明の十分な効果が得られない。また、
5.0μmを越えると成形品の力学的特性に悪影響を及
ぼす。より望ましくは0.4〜4.0μmの範囲であ
り、更に望ましくは0.5〜3.5μmの範囲である。
【0063】尚、液晶樹脂は一般的な成形用熱可塑性樹
脂に対して、非相溶若しくは半相溶である場合が多く、
従って、構成要素[B]と構成要素[B’]が同一であるこ
とが多い。しかし、だからといって、これに限定される
ものではなく、例えば、構成要素[B]の液晶性樹脂とし
て、構成要素[A]にある程度相溶性を有しているもので
あっても良いし、あるいは構成要素[B’]の構成要素
[A]には半相溶性である樹脂が非液晶性を有するもので
あっても良い。尚、この場合には、粘度が低いことが好
ましい。尚、前記液晶性や半相溶性は成形、特に射出成
形時において重要となる特性である。従って、本発明の
射出成形溶ペレットにおいては、かかる特性を有するあ
るいは発現し得ることが重要であるが、射出成形されれ
ばもはやかかる特性は求めれない。よって、生成された
後、物理的又は化学的後処理で、あるいは自然放置によ
ってかかる特性が消去若しくは喪失されても何ら問題な
い。
脂に対して、非相溶若しくは半相溶である場合が多く、
従って、構成要素[B]と構成要素[B’]が同一であるこ
とが多い。しかし、だからといって、これに限定される
ものではなく、例えば、構成要素[B]の液晶性樹脂とし
て、構成要素[A]にある程度相溶性を有しているもので
あっても良いし、あるいは構成要素[B’]の構成要素
[A]には半相溶性である樹脂が非液晶性を有するもので
あっても良い。尚、この場合には、粘度が低いことが好
ましい。尚、前記液晶性や半相溶性は成形、特に射出成
形時において重要となる特性である。従って、本発明の
射出成形溶ペレットにおいては、かかる特性を有するあ
るいは発現し得ることが重要であるが、射出成形されれ
ばもはやかかる特性は求めれない。よって、生成された
後、物理的又は化学的後処理で、あるいは自然放置によ
ってかかる特性が消去若しくは喪失されても何ら問題な
い。
【0064】本発明における構成要素[C]は連続した
強化繊維束である。本発明で使用できる強化繊維として
は、PAN系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維、
S−ガラス、E−ガラスなどのガラス繊維、アラミド繊
維、の他にボロン繊維やシリコンカーバイド繊維やシリ
コンナイトライド繊維などの無機繊維、ステンレス鋼繊
維や銅繊維等の金属繊維、ポリステル繊維やナイロン繊
維やポリフェニレンサルファイド繊維等の有機繊維など
が例として挙げられ、これらにニッケルや銅などの1層
以上の金属被覆などの後加工を加えた繊維や、これらを
2種類以上ブレンドした繊維も含まれる。
強化繊維束である。本発明で使用できる強化繊維として
は、PAN系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維、
S−ガラス、E−ガラスなどのガラス繊維、アラミド繊
維、の他にボロン繊維やシリコンカーバイド繊維やシリ
コンナイトライド繊維などの無機繊維、ステンレス鋼繊
維や銅繊維等の金属繊維、ポリステル繊維やナイロン繊
維やポリフェニレンサルファイド繊維等の有機繊維など
が例として挙げられ、これらにニッケルや銅などの1層
以上の金属被覆などの後加工を加えた繊維や、これらを
2種類以上ブレンドした繊維も含まれる。
【0065】本発明で使用する強化繊維としては、平均
繊維径は1〜20μmであることが好ましい。より好ま
しくは2〜12μmであり、更に好ましくは3〜10μ
mである。平均繊維径が1μm未満では、熱可塑性樹脂
の連続した強化繊維束中への含浸が困難となり、成形品
中での強化繊維の分散性に劣るなどの問題を生じる。一
方、平均繊維径が20μmを超えると、力学的特性に優
れる成形品が得られず、所望の補強効果が得られない。
繊維径は1〜20μmであることが好ましい。より好ま
しくは2〜12μmであり、更に好ましくは3〜10μ
mである。平均繊維径が1μm未満では、熱可塑性樹脂
の連続した強化繊維束中への含浸が困難となり、成形品
中での強化繊維の分散性に劣るなどの問題を生じる。一
方、平均繊維径が20μmを超えると、力学的特性に優
れる成形品が得られず、所望の補強効果が得られない。
【0066】また、本発明で使用する強化繊維として
は、成形時における繊維破断をできるだけ回避するた
め、引張破断伸度が1.5%以上の強化繊維を用いるの
がよい。望ましくは、引張破断伸度が1.7%以上がよ
く、更に望ましくは引張破断伸度が1.9%以上がよ
い。一方、繊維強化樹脂成形品の高強度・高剛性を維持
するためには、強化繊維がある程度高い強度・弾性率を
保持しなければならないため、引張破断伸度が5.0%
以下の強化繊維を用いるのがよい。望ましくは引張破断
伸度が4.5%以下がよく、更に望ましくは引張破断伸
度が4.0%以下がよい。
は、成形時における繊維破断をできるだけ回避するた
め、引張破断伸度が1.5%以上の強化繊維を用いるの
がよい。望ましくは、引張破断伸度が1.7%以上がよ
く、更に望ましくは引張破断伸度が1.9%以上がよ
い。一方、繊維強化樹脂成形品の高強度・高剛性を維持
するためには、強化繊維がある程度高い強度・弾性率を
保持しなければならないため、引張破断伸度が5.0%
以下の強化繊維を用いるのがよい。望ましくは引張破断
伸度が4.5%以下がよく、更に望ましくは引張破断伸
度が4.0%以下がよい。
【0067】上記強化繊維は、繊維束として1000〜
700000本の単繊維を束ねてなるのが好ましい。単
繊維数が1000本より少ない強化繊維束を用いた場合
には、繊維強化成形材料の生産性が低下し、コストアッ
プにつながり好ましくない。また、単繊維数が7000
00本より多い強化繊維束を用いた場合には、構成要素
[B]を充分に含浸させるのが困難となり、本発明の効
果を損なう場合が多い。より好ましくは3000〜50
0000本の強化繊維束であり、より好ましくは600
0〜24000本の強化繊維束である。
700000本の単繊維を束ねてなるのが好ましい。単
繊維数が1000本より少ない強化繊維束を用いた場合
には、繊維強化成形材料の生産性が低下し、コストアッ
プにつながり好ましくない。また、単繊維数が7000
00本より多い強化繊維束を用いた場合には、構成要素
[B]を充分に含浸させるのが困難となり、本発明の効
果を損なう場合が多い。より好ましくは3000〜50
0000本の強化繊維束であり、より好ましくは600
0〜24000本の強化繊維束である。
【0068】本発明で使用する強化繊維は、シランカッ
プリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネート
カップリング剤などで表面処理、ウレタン系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、オ
レフィン系樹脂、アミド系樹脂、テルペン・フェノール
などのフェノール系共重合体、液晶性樹脂などで集束処
理されていてもよい。
プリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネート
カップリング剤などで表面処理、ウレタン系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、オ
レフィン系樹脂、アミド系樹脂、テルペン・フェノール
などのフェノール系共重合体、液晶性樹脂などで集束処
理されていてもよい。
【0069】本発明で使用する強化繊維として望ましく
は、成形品において軽量化、高剛性化が達成でき、更に
導電性付与による電界シールド効果が期待できる炭素繊
維、もしくは炭素繊維を含有するものがよい。更に望ま
しくは、引張強度と弾性率とのバランスに優れるPAN
系炭素繊維、もしくはPAN系炭素繊維を含有するもの
がよい。特に成形品に高い電界シールド効果を付与した
い場合、炭素繊維の他に、炭素繊維にニッケル、銅、
銀、金等の金属を1層以上炭素繊維に被覆したものを用
いることことが望ましい。前記成形品は、軽量化が可能
であることから、特に携帯用の電気・電子機器部材用途
に一層好適となる。
は、成形品において軽量化、高剛性化が達成でき、更に
導電性付与による電界シールド効果が期待できる炭素繊
維、もしくは炭素繊維を含有するものがよい。更に望ま
しくは、引張強度と弾性率とのバランスに優れるPAN
系炭素繊維、もしくはPAN系炭素繊維を含有するもの
がよい。特に成形品に高い電界シールド効果を付与した
い場合、炭素繊維の他に、炭素繊維にニッケル、銅、
銀、金等の金属を1層以上炭素繊維に被覆したものを用
いることことが望ましい。前記成形品は、軽量化が可能
であることから、特に携帯用の電気・電子機器部材用途
に一層好適となる。
【0070】本発明で使用する炭素繊維としては、X線
光電子分光法により測定される炭素繊維表面の酸素
(O)と炭素(C)の原子数の比である表面官能基量
(O/C)が、0.05〜0.4の範囲にあるものが望
ましい。O/Cが0.05より小さいことは、炭素繊維
表面に樹脂との接着に寄与するような官能基が非常に少
ないことを意味している。炭素繊維と樹脂の接着性が劣
ると、成形品に高い力学特性が期待できない。逆にO/
Cが0.4より大きいことは、炭素繊維表面の酸化、も
しくはアルカリ処理などが必要以上に行われており、炭
素の結晶構造が破壊されて、炭素繊維表面に脆弱層が形
成されていることを意味している。この場合もO/Cが
低すぎる場合と同様、繊維表層付近で破壊が生じやすい
ため、成形品に高い力学的特性が期待できない。更に、
O/Cを0.05〜0.4の範囲にすることは、成形品
中の炭素繊維の分散性など、炭素繊維と樹脂との接着性
以外にも好ましい効果をもたらす。
光電子分光法により測定される炭素繊維表面の酸素
(O)と炭素(C)の原子数の比である表面官能基量
(O/C)が、0.05〜0.4の範囲にあるものが望
ましい。O/Cが0.05より小さいことは、炭素繊維
表面に樹脂との接着に寄与するような官能基が非常に少
ないことを意味している。炭素繊維と樹脂の接着性が劣
ると、成形品に高い力学特性が期待できない。逆にO/
Cが0.4より大きいことは、炭素繊維表面の酸化、も
しくはアルカリ処理などが必要以上に行われており、炭
素の結晶構造が破壊されて、炭素繊維表面に脆弱層が形
成されていることを意味している。この場合もO/Cが
低すぎる場合と同様、繊維表層付近で破壊が生じやすい
ため、成形品に高い力学的特性が期待できない。更に、
O/Cを0.05〜0.4の範囲にすることは、成形品
中の炭素繊維の分散性など、炭素繊維と樹脂との接着性
以外にも好ましい効果をもたらす。
【0071】表面官能基(O/C)は、X線光電子分光
法により次のような手順によって求められる。まず、溶
媒でサイジング剤などの樹脂を除去した炭素繊維、もし
くは炭素繊維束をカットして、銅製の試料支持台上に拡
げた状態でならべた後、光電子脱出角度を90度とし、
X線源としてMgKα1、2を用い、試料チャンバー中
を1×10-8Torrに保つ。測定時の帯電に伴うピー
クの補正としてC1Sの主ピークの運動エネルギー値
(K.E.)を969eVに合わせる。C1Sピーク面積
は、K.E.として958〜972eVの範囲で直線の
ベースラインを引くことにより求める。O1Sピーク面積
は、K.E.として714〜726eVの範囲で直線の
ベースラインを引くことにより求める。ここで表面官能
基量(O/C)とは、前記O1Sピーク面積とC1Sピーク
面積の比から、装置固有の感度補正値を用いて原子数比
として算出する。
法により次のような手順によって求められる。まず、溶
媒でサイジング剤などの樹脂を除去した炭素繊維、もし
くは炭素繊維束をカットして、銅製の試料支持台上に拡
げた状態でならべた後、光電子脱出角度を90度とし、
X線源としてMgKα1、2を用い、試料チャンバー中
を1×10-8Torrに保つ。測定時の帯電に伴うピー
クの補正としてC1Sの主ピークの運動エネルギー値
(K.E.)を969eVに合わせる。C1Sピーク面積
は、K.E.として958〜972eVの範囲で直線の
ベースラインを引くことにより求める。O1Sピーク面積
は、K.E.として714〜726eVの範囲で直線の
ベースラインを引くことにより求める。ここで表面官能
基量(O/C)とは、前記O1Sピーク面積とC1Sピーク
面積の比から、装置固有の感度補正値を用いて原子数比
として算出する。
【0072】本発明では、構成要素[C]の他にも充填
材として、例えば、ワラステナイト、セピオライト、ゾ
ノトライト、セリサイト、マイカ、タルク、カオリン、
クレー、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラ
スフレーク、ガラスマイクロバルーン、二硫化モリブデ
ン、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、ポリリン酸カル
シウム、グラファイト、チタン酸カリウムウィスカ、ホ
ウ酸アルミウィスカ、マグネシウムオキシサルフェート
ウィスカ、などを使用できる。これらの充填材は単独で
も、2種類以上ブレンドしたものでもよい。
材として、例えば、ワラステナイト、セピオライト、ゾ
ノトライト、セリサイト、マイカ、タルク、カオリン、
クレー、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラ
スフレーク、ガラスマイクロバルーン、二硫化モリブデ
ン、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、ポリリン酸カル
シウム、グラファイト、チタン酸カリウムウィスカ、ホ
ウ酸アルミウィスカ、マグネシウムオキシサルフェート
ウィスカ、などを使用できる。これらの充填材は単独で
も、2種類以上ブレンドしたものでもよい。
【0073】更に、本発明の長繊維強化成形材料、およ
びその成形品には、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、滑
剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、結晶核剤、可塑剤、熱
安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、流動
性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制振剤、防臭剤、摺動性改
質剤、導電性付与剤、帯電防止剤等の任意の添加剤を添
加して、所定の特性をさらに付与することができる。
びその成形品には、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、滑
剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、結晶核剤、可塑剤、熱
安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、流動
性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制振剤、防臭剤、摺動性改
質剤、導電性付与剤、帯電防止剤等の任意の添加剤を添
加して、所定の特性をさらに付与することができる。
【0074】また、更なる特性改良の必要性に応じて無
水マレイン酸などによる酸変性オレフィン系重合体、エ
チレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共
重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合
体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/
メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニ
ル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/
プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、ABSなど
のオレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエ
ラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマーな
どのエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混
合物を添加して所定の特性をさらに付与することができ
る。
水マレイン酸などによる酸変性オレフィン系重合体、エ
チレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共
重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合
体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/
メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニ
ル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/
プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、ABSなど
のオレフィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエ
ラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマーな
どのエラストマーから選ばれる1種または2種以上の混
合物を添加して所定の特性をさらに付与することができ
る。
【0075】前記長繊維強化成形材料を成形することに
より得られた成形品において、高い力学的特性(特に耐
衝撃性)や、高い導電性を達成するためには、構成要素
[C]の繊維強化成形品中の長さを長くすることが有効
である。この場合、特に成形条件、および射出成形機、
金型の影響を考慮しなければならない。成形条件に関し
ていえば、背圧が低いほど、射出速度が遅いほど、スク
リュー回転数が遅いほどが繊維強化成形品中の構成要素
[C]の長さが長くなる傾向があり、特に背圧は計量性
が不安定にならない程度にできるだけ低く設定するのが
望ましい。望ましい背圧は1〜10kgf/cm2であ
る。射出成形機については、ノズル径が太いほど、スク
リュー溝深さが深いほど、圧縮比が低いほど、繊維強化
成形品中の構成要素[C]の長さが長くなる傾向があ
る。金型については、スプルー径を大きくするほど、ゲ
ート径を大きくするほど、繊維強化成形品中の構成要素
[C]の長さが長くなる傾向がある。
より得られた成形品において、高い力学的特性(特に耐
衝撃性)や、高い導電性を達成するためには、構成要素
[C]の繊維強化成形品中の長さを長くすることが有効
である。この場合、特に成形条件、および射出成形機、
金型の影響を考慮しなければならない。成形条件に関し
ていえば、背圧が低いほど、射出速度が遅いほど、スク
リュー回転数が遅いほどが繊維強化成形品中の構成要素
[C]の長さが長くなる傾向があり、特に背圧は計量性
が不安定にならない程度にできるだけ低く設定するのが
望ましい。望ましい背圧は1〜10kgf/cm2であ
る。射出成形機については、ノズル径が太いほど、スク
リュー溝深さが深いほど、圧縮比が低いほど、繊維強化
成形品中の構成要素[C]の長さが長くなる傾向があ
る。金型については、スプルー径を大きくするほど、ゲ
ート径を大きくするほど、繊維強化成形品中の構成要素
[C]の長さが長くなる傾向がある。
【0076】本発明の繊維強化成形品が、高い力学的特
性(特に耐衝撃性)や、高い導電性を達成するために
は、構成要素[C]が繊維強化成形品中で、(数式1)
の値が7〜600であることが望ましい。
性(特に耐衝撃性)や、高い導電性を達成するために
は、構成要素[C]が繊維強化成形品中で、(数式1)
の値が7〜600であることが望ましい。
【0077】(数式1) Σ(lw×Wf) ここで、lwは繊維強化成形品中に含まれる構成要素
[C]の重量平均繊維長(mm)、Wfは繊維強化成形
品中に含まれる構成要素[C]の配合率(重量%)を示
し、Σは繊維強化成形品中に含有される構成要素[C]
の種類が複数である場合、それぞれについての括弧内の
値を合計することを意味する。
[C]の重量平均繊維長(mm)、Wfは繊維強化成形
品中に含まれる構成要素[C]の配合率(重量%)を示
し、Σは繊維強化成形品中に含有される構成要素[C]
の種類が複数である場合、それぞれについての括弧内の
値を合計することを意味する。
【0078】lwは、繊維強化成形品から少なくとも構
成要素[A]、[B]を除去して、構成要素[C]のフ
ィラメントのみを任意に少なくとも400以上抽出し、
その長さを1μm単位まで光学顕微鏡もしくは走査型電
子顕微鏡にて測定して、下記の(数式2)、もしくは
(数式3)を用いて算出する。但し、Wiは長さliの
構成要素[C]の重量、Niは長さliの構成要素
[C]の数とする。
成要素[A]、[B]を除去して、構成要素[C]のフ
ィラメントのみを任意に少なくとも400以上抽出し、
その長さを1μm単位まで光学顕微鏡もしくは走査型電
子顕微鏡にて測定して、下記の(数式2)、もしくは
(数式3)を用いて算出する。但し、Wiは長さliの
構成要素[C]の重量、Niは長さliの構成要素
[C]の数とする。
【0079】 (数式2) lw=Σ(Wi×li)/ΣWi (数式2)は一定直径の構成要素[C]に対しては、
(数式3)の様に表すことができる。
(数式3)の様に表すことができる。
【0080】 (数式3) lw=Σ(Ni×li2)/Σ(Ni×li) 本発明では、lwを測定する際の構成要素[A]、
[B]を除去する方法として、構成要素[A]、[B]
のみを溶解させ、含有される構成要素[C]は溶解させ
ない溶媒などに繊維強化成形品を一定時間浸漬し、構成
要素[A]、[B]を十分溶解させた後、濾過などによ
り構成要素[C]と分離する手法を採用した。また、繊
維強化成形品を窒素雰囲気中で550℃にて約1時間程
度保持することによりよっても構成要素[A]、[B]
を除去することが可能である。
[B]を除去する方法として、構成要素[A]、[B]
のみを溶解させ、含有される構成要素[C]は溶解させ
ない溶媒などに繊維強化成形品を一定時間浸漬し、構成
要素[A]、[B]を十分溶解させた後、濾過などによ
り構成要素[C]と分離する手法を採用した。また、繊
維強化成形品を窒素雰囲気中で550℃にて約1時間程
度保持することによりよっても構成要素[A]、[B]
を除去することが可能である。
【0081】(数式1)の値が7未満の構成要素[C]
を含有する繊維強化成形品は、成形時の繊維強化樹脂組
成物の流動性は良好なため、成形性(特に薄肉成形性)
に優れる。また、繊維強化成形品の強度・剛性について
も、含有される構成要素[C]の(数式1)の値が7未
満であってもWfが20重量%以上であれば、ある程度
の高い値を付与することも可能である。しかし、耐衝撃
性については、含有される構成要素[C]の(数式1)
の値が7以下の場合は大幅に劣り、高強度・高剛性と耐
衝撃性の両立ができないといった問題を有する。
を含有する繊維強化成形品は、成形時の繊維強化樹脂組
成物の流動性は良好なため、成形性(特に薄肉成形性)
に優れる。また、繊維強化成形品の強度・剛性について
も、含有される構成要素[C]の(数式1)の値が7未
満であってもWfが20重量%以上であれば、ある程度
の高い値を付与することも可能である。しかし、耐衝撃
性については、含有される構成要素[C]の(数式1)
の値が7以下の場合は大幅に劣り、高強度・高剛性と耐
衝撃性の両立ができないといった問題を有する。
【0082】ところが、(数式1)の値が7以上の構成
要素[C]を含有する繊維強化成形品は、強度・剛性に
ついてはある程度の改善はみられるものの、それ以上の
飛躍的な改善が見られないが、耐衝撃性については格段
に改善される。また、含有される構成要素[C]の(数
式1)の値が600以下であれば、成形時の繊維強化樹
脂組成物の流動性の低下は僅かであるため、成形性(特
に薄肉成形性)を高く維持することが可能である。しか
し、(数式1)の値が600を超える場合には、高強度
・高剛性と耐衝撃性の両立は可能なものの、その成形時
の流動性は大幅に低下し、それと共に成形性(特に薄肉
成形性)も大きく低下する。
要素[C]を含有する繊維強化成形品は、強度・剛性に
ついてはある程度の改善はみられるものの、それ以上の
飛躍的な改善が見られないが、耐衝撃性については格段
に改善される。また、含有される構成要素[C]の(数
式1)の値が600以下であれば、成形時の繊維強化樹
脂組成物の流動性の低下は僅かであるため、成形性(特
に薄肉成形性)を高く維持することが可能である。しか
し、(数式1)の値が600を超える場合には、高強度
・高剛性と耐衝撃性の両立は可能なものの、その成形時
の流動性は大幅に低下し、それと共に成形性(特に薄肉
成形性)も大きく低下する。
【0083】つまり、(数式1)の値が7〜600であ
る構成要素[C]で繊維強化成形品を強化することによ
り、高強度・高剛性と耐衝撃特性とを高い次元で両立さ
せ、しかも成形性(特に薄肉成形性)にも優れた繊維強
化成形品が得られる。構成要素[C]の(数式1)の値
は8〜500であることが好ましい。更に好ましくは構
成要素[C]の(数式1)の値が10〜400である。
る構成要素[C]で繊維強化成形品を強化することによ
り、高強度・高剛性と耐衝撃特性とを高い次元で両立さ
せ、しかも成形性(特に薄肉成形性)にも優れた繊維強
化成形品が得られる。構成要素[C]の(数式1)の値
は8〜500であることが好ましい。更に好ましくは構
成要素[C]の(数式1)の値が10〜400である。
【0084】繊維強化成形品中に含有される構成要素
[C]の(数式1)の値が7〜600である場合でも、
Wfが8〜32重量%、もしくはlwが0.1〜10m
mである場合、高強度・高剛性・高耐衝撃性などの力学
的特性が最も適したバランスで両立できるだけでなく、
前記繊維強化成形品を成形する際の成形時の流動性が良
好で、成形性(特に薄肉成形性)に特別に優れるので望
ましい。更に望ましくは、繊維強化成形品中に含有され
る構成要素[C]の(数式1)の値が7〜600である
場合でも、Wfが10〜30重量%、且つlwが0.2
〜7mmである。
[C]の(数式1)の値が7〜600である場合でも、
Wfが8〜32重量%、もしくはlwが0.1〜10m
mである場合、高強度・高剛性・高耐衝撃性などの力学
的特性が最も適したバランスで両立できるだけでなく、
前記繊維強化成形品を成形する際の成形時の流動性が良
好で、成形性(特に薄肉成形性)に特別に優れるので望
ましい。更に望ましくは、繊維強化成形品中に含有され
る構成要素[C]の(数式1)の値が7〜600である
場合でも、Wfが10〜30重量%、且つlwが0.2
〜7mmである。
【0085】本発明における繊維強化成形品として望ま
しい体積固有抵抗値は、100Ω・cm以下である。体
積固有抵抗値が100Ω・cm以上の場合、電磁波シー
ルド材などの用途には適応しにくく、用途が限定される
といった問題を有する。より望ましい体積固有抵抗値は
50Ω・cm以下であり、更に望ましい体積固有抵抗値
は10Ω・cm以下である。
しい体積固有抵抗値は、100Ω・cm以下である。体
積固有抵抗値が100Ω・cm以上の場合、電磁波シー
ルド材などの用途には適応しにくく、用途が限定される
といった問題を有する。より望ましい体積固有抵抗値は
50Ω・cm以下であり、更に望ましい体積固有抵抗値
は10Ω・cm以下である。
【0086】ここでいう体積固有抵抗値とは、直方体形
状を有している試験片の導電ペーストを塗布された両端
部の電気抵抗値から、測定機器、治具などの接触抵抗値
を減じた値について、前記試験片の端部面積を乗じ、試
験片長さで除すことにより算出する。本発明では、単位
はΩ・cmを用いた。
状を有している試験片の導電ペーストを塗布された両端
部の電気抵抗値から、測定機器、治具などの接触抵抗値
を減じた値について、前記試験片の端部面積を乗じ、試
験片長さで除すことにより算出する。本発明では、単位
はΩ・cmを用いた。
【0087】本発明における繊維強化成形品は、高い力
学的特性(特に耐衝撃性)に加え、高い成形時の流動性
(薄肉成形性)を兼ね備えているので、従来の繊維強化
成形品より肉厚を小さくすることが可能であり、肉厚が
3mm以下の薄肉成形品として用いるのが最適である。
好ましくは、肉厚2mm以下の薄肉成形品として用いる
のが本発明の効果をより発揮できる。更に好ましくは、
肉厚1.5mm以下の薄肉成形品として用いるのがよ
い。ここでいう成形品の肉厚とは、成形品のうち、リブ
部分やボス部分などの突起物などを除いた平板部分の肉
厚を指す。
学的特性(特に耐衝撃性)に加え、高い成形時の流動性
(薄肉成形性)を兼ね備えているので、従来の繊維強化
成形品より肉厚を小さくすることが可能であり、肉厚が
3mm以下の薄肉成形品として用いるのが最適である。
好ましくは、肉厚2mm以下の薄肉成形品として用いる
のが本発明の効果をより発揮できる。更に好ましくは、
肉厚1.5mm以下の薄肉成形品として用いるのがよ
い。ここでいう成形品の肉厚とは、成形品のうち、リブ
部分やボス部分などの突起物などを除いた平板部分の肉
厚を指す。
【0088】本発明における繊維強化成形品は、UL−
94規格において、1/16インチ厚での難燃性がV−
2以上である成形品として用いるのがよい。より望まし
くは、1/16インチ厚での難燃性がV−0以上である
難燃性成形品として用いるのがよく、更に望ましくは、
1/32インチ厚での難燃性がV−0以上である難燃性
成形品として用いるのがよい。その場合は、ハロゲン
系、リン系、シリコン系などの難燃剤、および必要に応
じて金属水和物系、フェノール系、カーボンブラックな
どの難燃助剤を添加し、所望の難燃性を付与することが
望ましい。
94規格において、1/16インチ厚での難燃性がV−
2以上である成形品として用いるのがよい。より望まし
くは、1/16インチ厚での難燃性がV−0以上である
難燃性成形品として用いるのがよく、更に望ましくは、
1/32インチ厚での難燃性がV−0以上である難燃性
成形品として用いるのがよい。その場合は、ハロゲン
系、リン系、シリコン系などの難燃剤、および必要に応
じて金属水和物系、フェノール系、カーボンブラックな
どの難燃助剤を添加し、所望の難燃性を付与することが
望ましい。
【0089】本発明における繊維強化成形品の用途とし
ては、高い力学的特性、高い導電性、および高い薄肉成
形性が求められる電子・電気機器用部材、特に軽量化と
電磁波シールド性の要求が高い携帯用の電子・電気機器
のハウジングなどが挙げられる。より具体的には、大型
ディスプレイ、ノート型パソコン、携帯用電話機、PH
S、PDA(電子手帳などの携帯情報端末)、ビデオカ
メラ、携帯用ラジオカセット/MD再生機などのハウジ
ングなどである。また、高い導電性を有しているため、
炭素繊維の少量添加で帯電防止性、放電防止性、および
塵付着防止性などを付与することができ、それらの特性
が必要とされる部材への適応にも有用である。より具体
的には、ICトレイ、シリコンウエハ工程バスケットな
ど半導体副資材や、食品・飲料の運搬/梱包用副資材な
どの例が挙げられる。
ては、高い力学的特性、高い導電性、および高い薄肉成
形性が求められる電子・電気機器用部材、特に軽量化と
電磁波シールド性の要求が高い携帯用の電子・電気機器
のハウジングなどが挙げられる。より具体的には、大型
ディスプレイ、ノート型パソコン、携帯用電話機、PH
S、PDA(電子手帳などの携帯情報端末)、ビデオカ
メラ、携帯用ラジオカセット/MD再生機などのハウジ
ングなどである。また、高い導電性を有しているため、
炭素繊維の少量添加で帯電防止性、放電防止性、および
塵付着防止性などを付与することができ、それらの特性
が必要とされる部材への適応にも有用である。より具体
的には、ICトレイ、シリコンウエハ工程バスケットな
ど半導体副資材や、食品・飲料の運搬/梱包用副資材な
どの例が挙げられる。
【0090】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の主旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは、全て本発明の技術範囲に包含される。
明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の主旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは、全て本発明の技術範囲に包含される。
【0091】以下の(a)〜(d)項に、得られた繊維
強化成形品の評価項目、およびその評価方法を記す。 (a)繊維強化成形材料の生産性(表1中では生産性と
表記) 製造時の引き取り速度、構成要素[C]の破断回数、工
程数などから、単位時間当たりの生産可能な数量を総合
的に判断し、◎(特に良好)、○(良好)、△(普
通)、×(劣る)、××(特に劣る)の4段階で相対的
に評価した。 (b)薄肉成形性(表1中ではIPと表記) ファンゲートにて、幅150mm×長さ150mm×厚
さ1.0mm、および1.2mmの薄肉平板を射出成形
する際の、射出圧力で薄肉成形性を代表させた(単位は
kg/cm2)。射出圧力が低いほど、薄肉成形性が高
いといえる。なお射出成形は、射出成形機J150EI
I−P(日本製鋼所製、型締力150t)を用いて、実
施例1ではシリンダ温度280℃、実施例2〜5,比較
例1〜4ではシリンダ温度320℃にて行った。なお、
金型温度はすべて金型温度80℃とした。 (c)電磁波シールド性(表1中ではSEと表記) (b)項にて成形した1.2mm厚の薄肉平板を用い
て、アドバンテスト法に基づきプローブアンテナを用い
て電界シールド性の測定を行った。シールドボックスは
TR17301A、スペクトルアナライザはR3361
Bを用いた(両装置ともアドバンテスト社製)。薄肉平
板は、四辺厚み面をサンドペーパーで研磨し、樹脂層を
取り除いた後に、研磨面に導電性ペースト(藤倉化成
(株)製ドータイト)を塗布し、充分溶媒を乾燥させて
から、室温23℃湿度50%の雰囲気下で測定に供し
た。電界シールド性は、10〜1000MHzの範囲で
測定し、本実施例では1000MHzでの電界の減衰率
で代表させた(単位はdB)。 (d)衝撃強度(表1中ではIZODと表記) ASTM D 256に準拠したモールドノッチ有りI
ZOD衝撃強度で代表させた(単位はJ/m)。用いた
試験片の板厚は1/8インチで、絶乾状態で試験に供し
た。なお射出成形は、射出成形機IS100(東芝機械
製、型締力100t)を用いて、実施例1ではシリンダ
温度280℃、実施例2〜5,比較例1〜4ではシリン
ダ温度320℃にて行った。なお、金型温度はすべて金
型温度80℃とした。 (e)外観品位(表1中では外観と表記) (b)項にて成形した1.2mm厚の薄肉平板につい
て、フローマーク、強化繊維の浮き、ムラ等の欠陥を総
合的に判断し、◎(特に良好)、○(良好)、△(普
通)、×(劣る)の4段階で相対的に評価した。 (実施例1〜4)まず構成要素[B]を、2軸押出機を
用いて、その先端に取り付けられた320℃のクロスヘ
ッドダイ中に十分溶融混練された状態で押し出すのと同
時に、350℃に予め加熱した構成要素[C]を、前記
クロスヘッドダイ中に連続して供給し、溶融した構成要
素[B]を構成要素[C]中に十分含浸させ、複合体
[BC]を形成した(含浸工程)。前記クロスヘッドダ
イとは、そのダイ中で強化繊維束を開繊させながら溶融
樹脂などを含浸させる装置のことを指す。
強化成形品の評価項目、およびその評価方法を記す。 (a)繊維強化成形材料の生産性(表1中では生産性と
表記) 製造時の引き取り速度、構成要素[C]の破断回数、工
程数などから、単位時間当たりの生産可能な数量を総合
的に判断し、◎(特に良好)、○(良好)、△(普
通)、×(劣る)、××(特に劣る)の4段階で相対的
に評価した。 (b)薄肉成形性(表1中ではIPと表記) ファンゲートにて、幅150mm×長さ150mm×厚
さ1.0mm、および1.2mmの薄肉平板を射出成形
する際の、射出圧力で薄肉成形性を代表させた(単位は
kg/cm2)。射出圧力が低いほど、薄肉成形性が高
いといえる。なお射出成形は、射出成形機J150EI
I−P(日本製鋼所製、型締力150t)を用いて、実
施例1ではシリンダ温度280℃、実施例2〜5,比較
例1〜4ではシリンダ温度320℃にて行った。なお、
金型温度はすべて金型温度80℃とした。 (c)電磁波シールド性(表1中ではSEと表記) (b)項にて成形した1.2mm厚の薄肉平板を用い
て、アドバンテスト法に基づきプローブアンテナを用い
て電界シールド性の測定を行った。シールドボックスは
TR17301A、スペクトルアナライザはR3361
Bを用いた(両装置ともアドバンテスト社製)。薄肉平
板は、四辺厚み面をサンドペーパーで研磨し、樹脂層を
取り除いた後に、研磨面に導電性ペースト(藤倉化成
(株)製ドータイト)を塗布し、充分溶媒を乾燥させて
から、室温23℃湿度50%の雰囲気下で測定に供し
た。電界シールド性は、10〜1000MHzの範囲で
測定し、本実施例では1000MHzでの電界の減衰率
で代表させた(単位はdB)。 (d)衝撃強度(表1中ではIZODと表記) ASTM D 256に準拠したモールドノッチ有りI
ZOD衝撃強度で代表させた(単位はJ/m)。用いた
試験片の板厚は1/8インチで、絶乾状態で試験に供し
た。なお射出成形は、射出成形機IS100(東芝機械
製、型締力100t)を用いて、実施例1ではシリンダ
温度280℃、実施例2〜5,比較例1〜4ではシリン
ダ温度320℃にて行った。なお、金型温度はすべて金
型温度80℃とした。 (e)外観品位(表1中では外観と表記) (b)項にて成形した1.2mm厚の薄肉平板につい
て、フローマーク、強化繊維の浮き、ムラ等の欠陥を総
合的に判断し、◎(特に良好)、○(良好)、△(普
通)、×(劣る)の4段階で相対的に評価した。 (実施例1〜4)まず構成要素[B]を、2軸押出機を
用いて、その先端に取り付けられた320℃のクロスヘ
ッドダイ中に十分溶融混練された状態で押し出すのと同
時に、350℃に予め加熱した構成要素[C]を、前記
クロスヘッドダイ中に連続して供給し、溶融した構成要
素[B]を構成要素[C]中に十分含浸させ、複合体
[BC]を形成した(含浸工程)。前記クロスヘッドダ
イとは、そのダイ中で強化繊維束を開繊させながら溶融
樹脂などを含浸させる装置のことを指す。
【0092】次に、構成要素[A]を、1軸押出機を用
いて、その先端に取り付けられた被覆ダイ中(実施例1
では260℃、実施例2〜4では300℃)に十分溶融
混練された状態で押し出すのと同時に、形成されたばか
りの複合体[BC]を直ちに、前記被覆ダイ中に連続し
て供給し、溶融した構成要素[A]を複合体[BC]表
面に被覆し、大凡、図3に示した構造を有する(但し、
全体形状はもう少し真円に近い)連続繊維強化樹脂スト
ランドAを形成した(被覆工程)。
いて、その先端に取り付けられた被覆ダイ中(実施例1
では260℃、実施例2〜4では300℃)に十分溶融
混練された状態で押し出すのと同時に、形成されたばか
りの複合体[BC]を直ちに、前記被覆ダイ中に連続し
て供給し、溶融した構成要素[A]を複合体[BC]表
面に被覆し、大凡、図3に示した構造を有する(但し、
全体形状はもう少し真円に近い)連続繊維強化樹脂スト
ランドAを形成した(被覆工程)。
【0093】その後、前記連続繊維強化ストランドAを
100℃以下まで冷却し、カッターを用いて7mmに切
断して長繊維ペレットAを得た(切断工程)。前述の長
繊維ペレットAの製造を、含浸工程、被覆工程、切断工
程をそれぞれ連続してオンラインで行った結果、20m
/min以上の高い引き取り速度にて生産することがで
きた。つまり、長繊維ペレットAは生産性に非常に優れ
ているといえる。なお、実施例1〜4の複合体[BC]
のボイド率は、約40%であった。
100℃以下まで冷却し、カッターを用いて7mmに切
断して長繊維ペレットAを得た(切断工程)。前述の長
繊維ペレットAの製造を、含浸工程、被覆工程、切断工
程をそれぞれ連続してオンラインで行った結果、20m
/min以上の高い引き取り速度にて生産することがで
きた。つまり、長繊維ペレットAは生産性に非常に優れ
ているといえる。なお、実施例1〜4の複合体[BC]
のボイド率は、約40%であった。
【0094】得られた前記長繊維ペレットAを、実施例
1では80℃、実施例2、3では120℃にて5時間以
上真空中で乾燥させた後、上述の各試験に供した。実施
例4では、前述の長繊維ペレットAと、ペレット状の構
成要素[B]とを、表1に示す比率にてドライブレンド
し、120℃にて5時間以上真空中で乾燥させた後、
(b)〜(e)項記載の各試験に供した。
1では80℃、実施例2、3では120℃にて5時間以
上真空中で乾燥させた後、上述の各試験に供した。実施
例4では、前述の長繊維ペレットAと、ペレット状の構
成要素[B]とを、表1に示す比率にてドライブレンド
し、120℃にて5時間以上真空中で乾燥させた後、
(b)〜(e)項記載の各試験に供した。
【0095】実施例1〜4で用いた長繊維ペレット中の
各構成要素の配合率、および評価結果を表1に示す。な
お、表1中のbal%とは、残量すべてを占めることを
指す。
各構成要素の配合率、および評価結果を表1に示す。な
お、表1中のbal%とは、残量すべてを占めることを
指す。
【0096】実施例1〜4では、射出圧力が低く、外観
の良好な薄肉成形品が得られた。また、電磁波シールド
性、衝撃強度、共に良好であった。強化繊維として炭素
繊維を用いた場合、特に電磁波シールド性は成形品中の
繊維長さに顕著に影響を受け、繊維長さが長いほど良好
な値を示し、繊維長さのよい指標となる。つまり、実施
例1〜4における成形品中の繊維長さは長く維持されて
いるといえる(例えば実施例3ではlw=0.563、
(数式1)=11.3)。 (実施例5)実施例1〜4と同様にして得られた複合体
[BC]を100℃以下まで冷却し、カッターを用いて
7mmに切断して長繊維ペレットBを得た。
の良好な薄肉成形品が得られた。また、電磁波シールド
性、衝撃強度、共に良好であった。強化繊維として炭素
繊維を用いた場合、特に電磁波シールド性は成形品中の
繊維長さに顕著に影響を受け、繊維長さが長いほど良好
な値を示し、繊維長さのよい指標となる。つまり、実施
例1〜4における成形品中の繊維長さは長く維持されて
いるといえる(例えば実施例3ではlw=0.563、
(数式1)=11.3)。 (実施例5)実施例1〜4と同様にして得られた複合体
[BC]を100℃以下まで冷却し、カッターを用いて
7mmに切断して長繊維ペレットBを得た。
【0097】前述の長繊維ペレットBの製造を、含浸工
程、切断工程をそれぞれ連続してオンラインで行った結
果、20m/min以上の高い引き取り速度にて生産す
ることができた。つまり、長繊維ペレットBも生産性に
非常に優れているといえる。
程、切断工程をそれぞれ連続してオンラインで行った結
果、20m/min以上の高い引き取り速度にて生産す
ることができた。つまり、長繊維ペレットBも生産性に
非常に優れているといえる。
【0098】得られた前記長繊維ペレットBと、ペレッ
ト状の構成要素[A]とを、表1に示す比率にてドライ
ブレンドし、120℃にて5時間以上真空中で乾燥させ
た後、(b)〜(e)項記載の各試験に供した。
ト状の構成要素[A]とを、表1に示す比率にてドライ
ブレンドし、120℃にて5時間以上真空中で乾燥させ
た後、(b)〜(e)項記載の各試験に供した。
【0099】実施例で用いた長繊維ペレット中の各構成
要素の配合率、および評価結果を表1に示す。なお、表
1中のbal%とは、残量すべてを占めることを指す。
要素の配合率、および評価結果を表1に示す。なお、表
1中のbal%とは、残量すべてを占めることを指す。
【0100】実施例5でも、実施例1〜4と同様にすべ
ての評価項目に置いて良好な結果が得られた。また、l
w=0.594で、(数式1)=11.9であった。 (比較例1)構成要素[A]と構成要素[B]とを2軸
押出機を用いて、十分溶融させて(本比較例では290
℃)、押出混練し、複合ペレット[AB]を得る。前記
複合ペレット[AB]を1軸押出機にて、その先端に取
り付けられた290℃のクロスヘッドダイ中に十分溶融
混練された状態で押し出すのと同時に、330℃に予め
加熱した構成要素[C]を、前記クロスヘッドダイ中に
連続して供給し、溶融した複合ペレット[AB]を構成
要素[C]中に十分含浸させ、連続繊維強化樹脂ストラ
ンドCを形成した。
ての評価項目に置いて良好な結果が得られた。また、l
w=0.594で、(数式1)=11.9であった。 (比較例1)構成要素[A]と構成要素[B]とを2軸
押出機を用いて、十分溶融させて(本比較例では290
℃)、押出混練し、複合ペレット[AB]を得る。前記
複合ペレット[AB]を1軸押出機にて、その先端に取
り付けられた290℃のクロスヘッドダイ中に十分溶融
混練された状態で押し出すのと同時に、330℃に予め
加熱した構成要素[C]を、前記クロスヘッドダイ中に
連続して供給し、溶融した複合ペレット[AB]を構成
要素[C]中に十分含浸させ、連続繊維強化樹脂ストラ
ンドCを形成した。
【0101】その後、前記連続繊維強化ストランドCを
100℃以下まで冷却し、カッターを用いて7mmに切
断して長繊維ペレットCを得た。但し、本比較例の引き
取り速度は非常に遅く(3m/min以下)、また引き
取り中に構成要素[C]の度重なる破断の発生した。つ
まり、非常に生産性に非常に劣っているといえる。この
ことは長繊維ペレットCのコストが非常に高くなること
を意味した。
100℃以下まで冷却し、カッターを用いて7mmに切
断して長繊維ペレットCを得た。但し、本比較例の引き
取り速度は非常に遅く(3m/min以下)、また引き
取り中に構成要素[C]の度重なる破断の発生した。つ
まり、非常に生産性に非常に劣っているといえる。この
ことは長繊維ペレットCのコストが非常に高くなること
を意味した。
【0102】得られた前記長繊維ペレットCを120℃
にて5時間以上真空中で乾燥させた後、(b)〜(e)
項記載の各試験に供した。
にて5時間以上真空中で乾燥させた後、(b)〜(e)
項記載の各試験に供した。
【0103】比較例1で用いた長繊維ペレット中の各構
成要素の配合率、および評価結果を表1に示す。なお、
表1中のbal%とは、残量すべてを占めることを指
す。
成要素の配合率、および評価結果を表1に示す。なお、
表1中のbal%とは、残量すべてを占めることを指
す。
【0104】比較例1では、(b)項記載の1.0mm
厚の薄肉成形品が得られず、薄肉成形性に劣っていた。
原因は、予め複合体[BC]を形成しなかったため、構
成要素[B]の効果を大きく引き出せなかったためだと
予想される。また、電磁波シールド性、衝撃強度につい
ては、成形品中の強化繊維の長さが若干短かったため
(lw=0.312、(数式1)=6.2)、実施例に
較べて低めの結果となった。 (比較例2)比較例1で用いた複合ペレット[AB]
と、チョップド糸の形態を有する不連続な強化繊維と
を、再び2軸押出機にて押し出し、溶融した複合体[A
B]を不連続な強化繊維束中に含浸させる。前述のよう
にして得られた不連続の強化繊維束のみを含有する短繊
維強化樹脂ストランドをカッターで5mmの長さに切断
して短繊維ペレットAを得る。
厚の薄肉成形品が得られず、薄肉成形性に劣っていた。
原因は、予め複合体[BC]を形成しなかったため、構
成要素[B]の効果を大きく引き出せなかったためだと
予想される。また、電磁波シールド性、衝撃強度につい
ては、成形品中の強化繊維の長さが若干短かったため
(lw=0.312、(数式1)=6.2)、実施例に
較べて低めの結果となった。 (比較例2)比較例1で用いた複合ペレット[AB]
と、チョップド糸の形態を有する不連続な強化繊維と
を、再び2軸押出機にて押し出し、溶融した複合体[A
B]を不連続な強化繊維束中に含浸させる。前述のよう
にして得られた不連続の強化繊維束のみを含有する短繊
維強化樹脂ストランドをカッターで5mmの長さに切断
して短繊維ペレットAを得る。
【0105】得られた短繊維ペレットAを120℃にて
5時間以上真空中で乾燥させた後、(b)〜(e)項記
載の各試験に供した。
5時間以上真空中で乾燥させた後、(b)〜(e)項記
載の各試験に供した。
【0106】比較例2で用いた短繊維ペレットA中の各
構成要素の配合率、および評価結果を表1に示す。な
お、表1中のbal%とは、残量すべてを占めることを
指す。
構成要素の配合率、および評価結果を表1に示す。な
お、表1中のbal%とは、残量すべてを占めることを
指す。
【0107】比較例2では、(b)項記載の1.0mm
厚の薄肉成形品が得られたものの、射出圧力非常に高か
った。また、電磁波シールド性については、薄肉成形品
中の強化繊維の長さが短かったため(lw=0.29
2、(数式1)=5.8)、ほとんど発現しなかった。
衝撃強度も実施例よりは低めの値となった。 (比較例3)構成要素[A]を1軸押出機にて、その先
端に取り付けられた290℃のクロスヘッドダイ中に十
分溶融混練された状態で押し出すのと同時に、330℃
に予め加熱した構成要素[C]を、前記クロスヘッドダ
イ中に連続して供給し、溶融した構成要素[A]を構成
要素[C]中に十分含浸させ、連続繊維強化樹脂ストラ
ンドDを形成した。
厚の薄肉成形品が得られたものの、射出圧力非常に高か
った。また、電磁波シールド性については、薄肉成形品
中の強化繊維の長さが短かったため(lw=0.29
2、(数式1)=5.8)、ほとんど発現しなかった。
衝撃強度も実施例よりは低めの値となった。 (比較例3)構成要素[A]を1軸押出機にて、その先
端に取り付けられた290℃のクロスヘッドダイ中に十
分溶融混練された状態で押し出すのと同時に、330℃
に予め加熱した構成要素[C]を、前記クロスヘッドダ
イ中に連続して供給し、溶融した構成要素[A]を構成
要素[C]中に十分含浸させ、連続繊維強化樹脂ストラ
ンドDを形成した。
【0108】その後、前記連続繊維強化ストランドDを
100℃以下まで冷却し、カッターを用いて7mmに切
断して長繊維ペレットDを得た。但し、本比較例の引き
取り速度は非常に遅く(1m/min以下)、また引き
取り中に構成要素[C]の度重なる破断の発生した。つ
まり、非常に生産性に非常に劣っているといえる。この
ことは長繊維ペレットCのコストが非常に高くなること
を意味した。
100℃以下まで冷却し、カッターを用いて7mmに切
断して長繊維ペレットDを得た。但し、本比較例の引き
取り速度は非常に遅く(1m/min以下)、また引き
取り中に構成要素[C]の度重なる破断の発生した。つ
まり、非常に生産性に非常に劣っているといえる。この
ことは長繊維ペレットCのコストが非常に高くなること
を意味した。
【0109】得られた前記長繊維ペレットDを120℃
にて5時間以上真空中で乾燥させた後、(b)〜(e)
項記載の各試験に供した。
にて5時間以上真空中で乾燥させた後、(b)〜(e)
項記載の各試験に供した。
【0110】比較例3で用いた長繊維ペレット中の各構
成要素の配合率、および評価結果を表1に示す。なお、
表1中のbal%とは、残量すべてを占めることを指
す。
成要素の配合率、および評価結果を表1に示す。なお、
表1中のbal%とは、残量すべてを占めることを指
す。
【0111】比較例3では、構成要素[B]が成形材料
中に配合されていないため、非常に流動性に劣り、
(b)項記載の1.2mm厚、および1.0mm厚の両
方の薄肉成形品が得られなかった。 (比較例4)構成要素[A]と、チョップド糸の形態を
有する不連続な強化繊維とを、2軸押出機にて押し出
し、溶融した構成要素[A]を不連続な強化繊維束中に
含浸させる。前述のようにして得られた不連続の強化繊
維束のみを含有する短繊維強化樹脂ストランドをカッタ
ーで5mmの長さに切断して短繊維ペレットBを得る。
中に配合されていないため、非常に流動性に劣り、
(b)項記載の1.2mm厚、および1.0mm厚の両
方の薄肉成形品が得られなかった。 (比較例4)構成要素[A]と、チョップド糸の形態を
有する不連続な強化繊維とを、2軸押出機にて押し出
し、溶融した構成要素[A]を不連続な強化繊維束中に
含浸させる。前述のようにして得られた不連続の強化繊
維束のみを含有する短繊維強化樹脂ストランドをカッタ
ーで5mmの長さに切断して短繊維ペレットBを得る。
【0112】得られた短繊維ペレットBを120℃にて
5時間以上真空中で乾燥させた後、(b)〜(e)項記
載の各試験に供した。
5時間以上真空中で乾燥させた後、(b)〜(e)項記
載の各試験に供した。
【0113】比較例4で用いた短繊維ペレットB中の各
構成要素の配合率、および評価結果を表1に示す。な
お、表1中のbal%とは、残量すべてを占めることを
指す。
構成要素の配合率、および評価結果を表1に示す。な
お、表1中のbal%とは、残量すべてを占めることを
指す。
【0114】比較例4でも、比較例4と同様に構成要素
[B]が成形材料中に配合されていないため、流動性に
劣り、(b)項記載の1.0mm厚の薄肉成形品が得ら
れなかった。また、電磁波シールド性については、薄肉
成形品中の強化繊維の長さが短かったため(lw=0.
264、(数式1)=5.3)、ほとんど発現しなかっ
た。
[B]が成形材料中に配合されていないため、流動性に
劣り、(b)項記載の1.0mm厚の薄肉成形品が得ら
れなかった。また、電磁波シールド性については、薄肉
成形品中の強化繊維の長さが短かったため(lw=0.
264、(数式1)=5.3)、ほとんど発現しなかっ
た。
【0115】
【表1】
【0116】表1中の記号で代表させた本実施例、およ
び比較例で用いた各構成要素は下述の通り。 A1:ナイロン6樹脂 [東レ(株)製 アミランCM1010(融点225
℃、溶融粘度約200Pa・s)] A2:ポリカーボネイト樹脂 [帝人化成(株)製 パンライトL−1250(カタロ
グ記載の最低推奨成形温度270℃、溶融粘度約500
Pa・s以上)] B1:液晶ポリエステル樹脂 [p−ヒドロキシ安息香酸528重量部、4,4´−ジ
ヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸11
2重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレン
テレフタレ−ト864重量部及び無水酢酸586重量部
を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行
った。芳香族オキシカルボニル単位42.5モル%、芳
香族ジオキシ単位7.5モル%、エチレンジオキシ単位
50モル%、芳香族ジカルボン酸単位57.5モル%か
らなる融点208℃、溶融粘度15Pa・sの液晶性樹
脂] B2:液晶ポリエステル樹脂 [p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、4,4´−ジ
ヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸11
2重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレン
テレフタレ−ト216重量部及び無水酢酸969重量部
を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行
った。芳香族オキシカルボニル単位80モル%、芳香族
ジオキシ単位7.5モル%、エチレンジオキシ単位1
2.5モル%、芳香族ジカルボン酸単位20モル%から
なる融点314℃、溶融粘度20Pa・sの液晶性樹
脂] C1:炭素繊維 [東レ(株)製 トレカT700SC−12K−50
C] C2:炭素繊維 [東レ(株)製 トレカS300C−70K−20C]
び比較例で用いた各構成要素は下述の通り。 A1:ナイロン6樹脂 [東レ(株)製 アミランCM1010(融点225
℃、溶融粘度約200Pa・s)] A2:ポリカーボネイト樹脂 [帝人化成(株)製 パンライトL−1250(カタロ
グ記載の最低推奨成形温度270℃、溶融粘度約500
Pa・s以上)] B1:液晶ポリエステル樹脂 [p−ヒドロキシ安息香酸528重量部、4,4´−ジ
ヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸11
2重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレン
テレフタレ−ト864重量部及び無水酢酸586重量部
を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行
った。芳香族オキシカルボニル単位42.5モル%、芳
香族ジオキシ単位7.5モル%、エチレンジオキシ単位
50モル%、芳香族ジカルボン酸単位57.5モル%か
らなる融点208℃、溶融粘度15Pa・sの液晶性樹
脂] B2:液晶ポリエステル樹脂 [p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、4,4´−ジ
ヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸11
2重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレン
テレフタレ−ト216重量部及び無水酢酸969重量部
を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重合を行
った。芳香族オキシカルボニル単位80モル%、芳香族
ジオキシ単位7.5モル%、エチレンジオキシ単位1
2.5モル%、芳香族ジカルボン酸単位20モル%から
なる融点314℃、溶融粘度20Pa・sの液晶性樹
脂] C1:炭素繊維 [東レ(株)製 トレカT700SC−12K−50
C] C2:炭素繊維 [東レ(株)製 トレカS300C−70K−20C]
【0117】
【発明の効果】本発明によれば、成形の際に熱可塑性樹
脂中での強化繊維の良好な含浸、分散を達成でき、且つ
高い成形性(特に薄肉成形性)をも達成できる長繊維強
化成形材料、および前記成形材料から得られる高い力学
的特性(特に耐衝撃性)を有する成形品を提供する提供
することができる。このような繊維強化成形材料、およ
びその成形品は、特に電子機器類のハウジングなどを始
め、前記特性を必要とする幅広い産業分野に好適であ
り、その工業的な効果は大きい。
脂中での強化繊維の良好な含浸、分散を達成でき、且つ
高い成形性(特に薄肉成形性)をも達成できる長繊維強
化成形材料、および前記成形材料から得られる高い力学
的特性(特に耐衝撃性)を有する成形品を提供する提供
することができる。このような繊維強化成形材料、およ
びその成形品は、特に電子機器類のハウジングなどを始
め、前記特性を必要とする幅広い産業分野に好適であ
り、その工業的な効果は大きい。
【0118】従来例(例えば特開平10−138379
号公報)において、重合体Aと樹脂Bとは、ある程度の
相溶性を有することが必要であるのに対して、本発明で
は、構成要素[A]と構成要素[B]とが、化学的相互
作用を極力抑えた半相溶系において格段の効果を発現す
ることを見出した。
号公報)において、重合体Aと樹脂Bとは、ある程度の
相溶性を有することが必要であるのに対して、本発明で
は、構成要素[A]と構成要素[B]とが、化学的相互
作用を極力抑えた半相溶系において格段の効果を発現す
ることを見出した。
【0119】また、従来例での重合体Aは、基本的には
低分子量(オリゴマーなど)であるため、耐熱分解性に
劣るといった問題を有する。特に、樹脂Bが200℃を
超える成形温度を必要とする場合には成形時に重合体A
が熱分解を起こし、場合によっては発煙を引き起こす。
前記発煙は、薄肉成形品を射出成形などで成形する場合
には、充填の障害となると同時に、成形品に不要な残留
応力を付与し、反りなどに悪影響を及ぼすだけでなく、
金型などに重合体Aの熱分解物が付着し、金型メンテナ
ンスのコストがかさむ、といった問題をも有する。本発
明の構成要素[B]では、一般的に約350℃までは熱
分解の怖れがないため、これらの問題点をすべて解決で
きる。更に、本願発明では、従来例では、困難であった
薄肉成形性実現を達成した。
低分子量(オリゴマーなど)であるため、耐熱分解性に
劣るといった問題を有する。特に、樹脂Bが200℃を
超える成形温度を必要とする場合には成形時に重合体A
が熱分解を起こし、場合によっては発煙を引き起こす。
前記発煙は、薄肉成形品を射出成形などで成形する場合
には、充填の障害となると同時に、成形品に不要な残留
応力を付与し、反りなどに悪影響を及ぼすだけでなく、
金型などに重合体Aの熱分解物が付着し、金型メンテナ
ンスのコストがかさむ、といった問題をも有する。本発
明の構成要素[B]では、一般的に約350℃までは熱
分解の怖れがないため、これらの問題点をすべて解決で
きる。更に、本願発明では、従来例では、困難であった
薄肉成形性実現を達成した。
【図1】本発明における長繊維強化成形材料の断面形態
の一例を模式的に示す説明図である。
の一例を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明における長繊維強化成形材料の断面形態
の一例を模式的に示す説明図である。
の一例を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明における長繊維強化成形材料の断面形態
の一例を模式的に示す説明図である。
の一例を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明における長繊維強化成形材料の断面形態
の一例を模式的に示す説明図である。
の一例を模式的に示す説明図である。
1:構成要素[A] 2:構成要素[B] 3:構成要素[C] 4:少なくとも構成要素[B]と構成要素[C]とから
なる複合体[BC]
なる複合体[BC]
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA04 AA08 AB05 AB06 AB08 AB09 AB10 AB11 AB14 AB18 AB22 AC04 AC05 AC06 AD03 AD04 AD05 AD09 AD11 AD37 AD41 AD42 AD44 AD45 AD46 AD52 AD54 AG05 AH04 AH33 AH46 AK14 AK15 AL01 AL11 4F100 AD11B AK01A AK01B AK41B AK45A AK46B AK54A AL05B AS00B BA02 BA26 CA23B DD31 DE05B DG04B DG06B EH36 GB15 GB23 GB41 GB48 JA06A JA06B JB08B JB16A JD01B JD08 JG04 JJ07 YY00 YY00B
Claims (22)
- 【請求項1】 構成要素[A]、および、少なくとも構
成要素[B]と構成要素[C]とからなる複合体[B
C]により構成されていることを特徴とする長繊維強化
成形材料。 [A]:熱可塑性樹脂 [B]:液晶性樹脂 [C]:連続した強化繊維束 - 【請求項2】 構成要素[A]、および、少なくとも構
成要素[B’]と構成要素[C]とからなる複合体
[B’C]により構成されていることを特徴とする長繊
維強化成形材料。 [A]:熱可塑性樹脂 [B’]:[A]に半相溶性の樹脂 [C]:連続した強化繊維束 - 【請求項3】 複合体[BC]または複合体[B’C]
において、構成要素[C]がボイド率が70%以下で含
浸されていることを特徴とする請求項1又は2記載の長
繊維強化成形材料。 - 【請求項4】 構成要素[A]と複合体[BC]または
複合体[B’C]とが、層状に接するように配置されて
いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
長繊維強化成形材料。 - 【請求項5】 構成要素[A]が、複合体[BC]また
は複合体[B’C]の周囲を被覆するように配置されて
いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
長繊維強化成形材料。 - 【請求項6】 請求項4〜5のいずれかに記載の長繊維
強化成形材料が、1〜50mmの長さにカットされてい
ることを特徴とする長繊維強化成形材料。 - 【請求項7】 請求項6に記載の長繊維強化成形材料
が、長繊維ペレットの形態をとることを特徴とする長繊
維強化成形材料。 - 【請求項8】 請求項6〜7のいずれかに記載の長繊維
強化成形材料と、構成要素[A]、および/もしくは構
成要素[B]または構成要素[B’]とが、ドライブレ
ンドにて混合されていることを特徴とする長繊維強化成
形材料。 - 【請求項9】 構成要素[A]の溶融粘度ηAと構成要
素[B]または構成要素[B’]の溶融粘度ηBとの差
(ηA−ηB)が50Pa・s以上であり、且つηBが
100Pa・s以下であることを特徴とする請求項1〜
8記載の長繊維強化成形材料。 - 【請求項10】 複合体[BC]または複合体[B’
C]を100体積%とすると、構成要素[B]または構
成要素[B’]が9〜90体積%からなることを特徴と
する請求項1〜9に記載の長繊維強化成形材料。 - 【請求項11】 構成要素[A]100重量部に対し
て、構成要素[B]または構成要素[B’]が1〜10
0重量部からなることを特徴とする請求項1〜10に記
載の長繊維強化成形材料。 - 【請求項12】 長繊維強化成形材料を100重量%と
した場合、構成要素[C]が5〜70重量%からなるこ
とを特徴とする請求項1〜11に記載の長繊維強化成形
材料。 - 【請求項13】 構成要素[A]中に、ポリアミド樹脂
を含むことを特徴とする請求項1〜12記載の長繊維強
化成形材料。 - 【請求項14】 構成要素[A]中に、ポリカーボネイ
ト樹脂、もしくはポリフェニレンエーテル樹脂を含むこ
とを特徴とする請求項1〜13記載の長繊維強化成形材
料。 - 【請求項15】 構成要素[B]または構成要素
[B’]中に、液晶ポリエステル樹脂、もしくは液晶ポ
リエステルアミド樹脂を含むことを特徴とする請求項1
〜14記載の長繊維強化成形材料。 - 【請求項16】 構成要素[C]中に、炭素繊維を含む
ことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の長
繊維強化成形材料。 - 【請求項17】 請求項1〜16のいずれかに記載の長
繊維強化成形材料を、プレス成形、もしくは射出成形し
てなる繊維強化成形品。 - 【請求項18】 該成形品中に含有される構成要素
[C]が、下記(数式1)において7〜600の値を有
することを特徴とする請求項17に記載の繊維強化成形
品。 (数式1) Σ(lw×Wf) (ここで、lwは繊維強化成形品中に含まれる構成要素
[C]の重量平均繊維長(mm)、Wfは繊維強化成形
品中に含まれる構成要素[C]の配合率(重量%)を示
し、Σは繊維強化成形品中に含有される構成要素[C]
の種類が複数である場合、それぞれについての括弧内の
値を合計することを意味する。) - 【請求項19】 該成形品中に含有される構成要素[B]
または、[B’]が、構成要素[A]中で、0.3〜5mmの
範囲の分散直径を有することを特徴とする請求項17〜
18のいずれかにに記載の繊維強化成形品。 - 【請求項20】 体積固有抵抗値が100Ω・cm以下
であることを特徴とする請求項17〜19のいずれかに
記載の繊維強化成形品。 - 【請求項21】 肉厚が4mm以下であることを特徴と
する請求項17〜20のいずれかに記載の繊維強化成形
品。 - 【請求項22】 UL−94規格における難燃性が、1
/16インチ厚でV−2以上であることを特徴とする請
求項17〜21のいずれかに記載の繊維強化成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11119402A JP2000309060A (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | 長繊維強化成形材料、およびその成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11119402A JP2000309060A (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | 長繊維強化成形材料、およびその成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000309060A true JP2000309060A (ja) | 2000-11-07 |
Family
ID=14760609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11119402A Pending JP2000309060A (ja) | 1999-04-27 | 1999-04-27 | 長繊維強化成形材料、およびその成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000309060A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR101585824B1 (ko) | 2012-07-05 | 2016-01-14 | 데이진 가부시키가이샤 | 성형용 재료, 그 성형체, 및 그 성형체의 제조 방법 |
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US11745443B2 (en) | 2017-03-16 | 2023-09-05 | Guerrilla Industries LLC | Composite structures and methods of forming composite structures |
-
1999
- 1999-04-27 JP JP11119402A patent/JP2000309060A/ja active Pending
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