JP2000308814A - 抗血栓性の向上した血液浄化膜 - Google Patents
抗血栓性の向上した血液浄化膜Info
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Abstract
性を有する膜を提供する。 【解決手段】一般式[1]、[2]または[3]で表さ
れる血液浄化膜。 [上記式[1]〜[3]においてR1 は炭素数1〜20
のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基、炭
素数7〜20のアラルキル基、または R7 −(A)n − (Aはオキシアルキレン基である。nは1から30の整
数を、R7 は炭素数1〜20のアルキル基、または炭素
数6〜12のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル
基。)である。また、R2 、R3 は炭素数1〜20のア
ルキル基、または炭素数6〜12のアリール基、炭素数
7〜20のアラルキル基である。R4 、R5 は炭素数1
〜10のアルキレン基であり、mは1〜10の整数であ
る。式[1]および[3]におけるR6 は、水素原子、
炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜12のアリー
ル基又は炭素数7〜20のアラルキル基である。]
Description
血液浄化膜に関する。詳しくは、血液透析、血液透析濾
過、血液濾過、血漿分離、人工肺等に用いられる抗血栓
性が向上した血液浄化膜に関する。さらに詳しくは、長
期間にわたって連続的に体外循環に使用される抗血栓性
が向上した血液浄化膜に関する。
腎不全患者の延命法として用いられる血液透析、血液透
析濾過、血液濾過や、リウマチ、高脂血症の治療に用い
られる血漿分離や血漿交換、開心術時に用いられる人工
肺等がある。
常、患者より血液を体外に取り出し、血液浄化膜によ
り、透析、濾過、透析濾過、血漿分離、酸素付加等の処
理を行い、血液を患者に返却する体外循環と呼ばれる手
段が通常とられる。ここで、一般に体外に取り出された
血液は、外部の異物と接触すると凝固する性質を持って
いるので、体外循環においては、血液が血液浄化膜内で
凝固し、血栓が形成することを防ぐため、体外へ取り出
された血液にヘパリン等の抗凝固剤が添加される。
中毒、劇症肝炎等の治療に、持続的血液濾過、持続的血
液透析、持続的血液透析濾過と呼ばれる持続的血液浄化
療法が広く行われている。これは、通常の慢性腎不全患
者の治療に用いられる血液透析が1回あたり4〜5時間
の治療であるのに対し、持続的血液浄化では1回当たり
12時間〜数日間にわたって、連続的に体外循環治療を
行うものである。これにより病因物質や水分の連続除去
が可能となり、上記重篤な疾病の改善に大きな効果を上
げている。このように長期間にわたる持続治療の際、患
者の容体によっては、使用する抗凝固剤の量が制限され
たり、血液が凝固しやすい状態にあることが多く、使用
される血液浄化膜には、高い血液適合性、抗血栓性が要
求される。
る膜の素材として、人工腎臓としては、再生セルロー
ス、鹸化セルロース、セルロースジアセテート、セルロ
ーストリアセテートや再生セルロース膜表面にポリエチ
レングリコールやビタミンE等を固定化した修飾セルロ
ースなどのセルロース類、ポリアクリロニトリル、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリ
レート、エチレンビニルアルコール共重合体等の合成高
分子が、血漿分離膜としては、セルローストリアセテー
トやポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリプロピ
レン等が、人工肺としてはポリプロピレンやシリコン等
が用いられている。これらの血液浄化膜素材は、汎用プ
ラスチックや繊維素材を血液浄化膜用途に転用しただけ
に過ぎず、大量生産されているために、低コストで入手
でき、製膜も比較的容易ではあるが、血液浄化膜用途を
主眼として開発されたものではないので、血液浄化膜と
して十分な血液適合性や抗血栓性を持っているとは言え
ない。
ポリエチレングリコールやビタミンEを膜表面に固定化
し、血液適合性を向上する試みが為されているものの、
これらの効果は血液が異物と接触した際の補体活性を抑
制することを目的になされたものであり、抗血栓性が充
分に向上しているとは言いにくく、また、これらの物質
を膜に固定化することは、製膜工程の複雑化、コストア
ップにつながっている。
究されているものの1つにホスホリルコリン構造があ
る。このホスホリルコリン構造は生体膜を形成している
リン脂質、つまり、ホスファチジルコリンと類似構造で
ある。このため、ホスホリルコリン構造を分子内に有す
る高分子材料は、生体との親和性が高く、抗血栓性材料
として有用である。例えば、2−メタクリロイルオキシ
エチルホスホリルコリンを含む重合体は、細胞膜外壁の
構成成分の1つであるホスファチジルコリンと類似の構
造を有し、生体由来のリン脂質を積極的に吸着させるこ
とによって生体膜類似表面を形成し、優れた血液適合性
が得られることが報告されている(例えば、特開昭54
−63025号公報、特開昭63−96200号公報な
ど)。また、ポリウレタンの主鎖にホスホリルコリン基
を導入することにより同様に優れた血液適合性が得られ
ることが報告されている(特開昭62−500726号
公報、特開平08−134085号公報、特開平08−
259654号公報、WO86/02933)しかしな
がら、これらの材料は、医療材料として十分満足できる
抗血栓性を発揮するには至っていない。
ース膜に2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコ
リンおよびその単量体の共重合体である分子量1000
〜100万の高分子酸がエステル結合した、抗血栓性再
生セルロース膜が開示されているが、これらは膜面への
結合が困難であり、また結合した高分子酸が脱落しやす
い等の欠点がある。
従来技術の問題を解消し、血液浄化膜として十分な生体
適合性、抗血栓性を有する膜を提供することにある。
鑑み鋭意検討した結果、特定のホスホリルコリン類似基
(以下ホスホリルコリン基と略記する)を側鎖に有する
特定構造のポリウレタン又はポリウレタンウレアを含
み、かつこのポリウレタンまたはポリウレタンウレアが
膜表面に多く局在化させることにより効率良く抗血栓性
が向上することを見出した。本発明は即ち、以下の
(1)乃至(3) に記載したものである。 (1)一般式[1]、[2]または[3]で表されるホ
スホリルコリン構造を有するジオールを少なくともジオ
ール成分の一部として用いて得られる抗血栓性ポリウレ
タンまたはポリウレタンウレアを含み、かつこの抗血栓
性ポリウレタンまたはポリウレタンウレアが膜表面に局
在化していることを特徴とする抗血栓性の向上した血液
浄化膜。
のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基、炭
素数7〜20のアラルキル基、または下記基 R7 −(A)n − (Aはオキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチ
レン、オキシペンタメチレン、オキシヘキサメチレン基
であり、これらの群から選ばれる1種または2種以上が
混在してもよく、結合順はランダムでもよい。また、n
は1から30の整数を表す。さらに、R7 は炭素数1〜
20のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール
基、炭素数7〜20のアラルキル基であっても良い。)
である。また、R2 、R3 は炭素数1〜20のアルキル
基、または炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜2
0のアラルキル基であり、それぞれ同じであっても異な
っていてもよい。さらに、R4 、R5 は炭素数1〜10
のアルキレン基であり、R4、R5 はそれぞれ同じであ
っても異なっていてもよい。mは1〜10の整数であ
る。また、式[1]および[3]におけるR6 は、水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜12の
アリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であ
る。] (2)上記(1)記載の抗血栓性の向上した血液浄化膜
を赤外スペクトルで測定した時、(上記(1)記載の抗
血栓性ポリウレタンまたはポリウレタンウレアに由来す
るピークの吸光度)/(血液浄化膜の素材に由来するピ
ークの吸光度)が(表面赤外吸収スペクトル測定で得ら
れる値)/(透過赤外赤外スペクトル測定で得られる
値)>1であることを特徴とする上記(1)記載の抗血
栓性の向上した血液浄化膜。 (3)抗血栓性のポリウレタンまたはポリウレタンウレ
アが脂肪族系である上記(1)記載の抗血栓性の向上し
た血液浄化膜。
いて、血液浄化膜に含まれるポリウレタン又はポリウレ
タンウレア(以下、ポリウレタンとポリウレタンウレア
を総称して「ポリウレタン類」ということがある)は、
下記式[1]〜[3]で表されるホスホリルコリン構造
を側鎖に含むものである。
のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基、炭
素数7〜20のアラルキル基、または下記基 R7 −(A)n − (Aはオキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチ
レン、オキシペンタメチレン、オキシヘキサメチレン基
であり、これらの群から選ばれる1種または2種以上が
混在してもよく、結合順はランダムでもよい。また、n
は1から30の整数を表す。さらに、R7 は炭素数1〜
20のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール
基、炭素数7〜20のアラルキル基であっても良い。)
である。また、R2 、R3 は炭素数1〜20のアルキル
基、または炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜2
0のアラルキル基であり、それぞれ同じであっても異な
っていてもよい。さらに、R4 、R5 は炭素数1〜10
のアルキレン基であり、R4、R5 はそれぞれ同じであ
っても異なっていてもよい。mは1〜10の整数であ
る。また、式[1]および[3]におけるR6 は、水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜12の
アリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であ
る。]
化合物と1種または2種以上のジイソシアナート化合物
とを反応させることによって得ることができる。活性水
素化合物としては一般式[1]〜[3]で表されるホス
ホリルコリン基含有ジオールを必須成分とし、その他に
活性水素含有化合物としてジオール及び/またはジアミ
ンを併用することができる。これらの活性水素含有化合
物については、特に限定的ではなく、イソシアナートに
対して反応性を有する活性水素含有化合物を適宜選択し
て用いることができる。
以下の(i)〜(iii)の活性水素含有化合物を用い
ることができる。 (i)前記一般式[1]〜[3]で表される少なくとも
いずれか1つのホスホルルコリン基含有ジオール (ii)ポリマージオール (iii)鎖伸長剤 以下にこの発明で用いることが可能な活性水素含有化合
物について示す。
物の中で好ましい化合物を以下に例示するが、本発明は
これらに限定されるものではない。一般式[1]におい
て、R2 =R3 =R6 =メチル、R4 =R5 =メチレ
ン、m=1であるとき、R1 =メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ヘキシル、
シクロヘキシル、オクチルなどの化合物。一般式[1]
において、R2 =R3 =R6 =メチル、R4 =R5 =メ
チレン、m=1であるとき、R1 =R7 −(A)n−で
表されるとき、R7 =メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、オクチル、ラウリル、セチル又はオレイル、Aは、
オキシエチレン(nは例えば、3〜20)、オキシプロ
ピレン(nは例えば、3〜20)、オキシブチレン(n
は例えば、3〜20)、オキシヘキサメチレン(nは例
えば、3〜20)、オキシエチレン−オキシプロピレン
共重合体(nは例えば、3〜20)などの化合物。一般
式[2]において、R2 =R3 =メチル、R4 =R5 =
−CH2 −CH(CH3 )−、m=3であるとき、R1
=メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
tert−ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチルな
どの化合物。一般式[2]において、R2 =R3 =メチ
ル、R4 =R5 =−CH2 −CH(CH3 )−、m=3
であるとき、R1 =R7 −(A)n−で表されるとき、
R4=メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、
ラウリル、セチル又はオレイル、Aは、オキシエチレン
(nは例えば、3〜20)、オキシプロピレン(nは例
えば、3〜20)、オキシブチレン(nは例えば、3〜
20)、オキシヘキサメチレン(nは例えば、3〜2
0)、オキシエチレン−オキシプロピレン共重合体(n
は例えば、3〜20)などの化合物。一般式[3]にお
いて、R4 =R5 =エチレン、R6 =メチル、R1 =メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert
−ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチルなどの
化合物。一般式[3]において、R4 =R5 =エチレ
ン、R6 =メチルであるとき、R 1 =R7 −(A)n−
で表されるとき、R7 =メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、オクチル、ラウリル、セチル又はオレイル、A
は、オキシエチレン(nは例えば、3〜20)、オキシ
プロピレン(nは例えば、3〜20)、オキシブチレン
(nは例えば、3〜20)、オキシヘキサメチレン(n
は例えば、3〜20)、オキシエチレン−オキシプロピ
レン共重合体(nは例えば、3〜20)などの化合物。
で、R1 が基R7 −(A)n−であるものは、側鎖末端
に親水性基であるポリオキシアルキレン基が存在するこ
とによりポリウレタン類の親水性が向上し、より生体適
合性に優れたものになる。そして、この様な親水性基の
存在による効果が、ホスホリルコリン基が側鎖に存在す
ることによってホスホリルコリン基の運動性が向上する
ことと相乗的に作用して、血液凝固因子活性抑制および
血小板粘着抑制効果がより有効に発揮される。
て一般式[1]〜[3]で表されるホスホリルコリン構
造に由来するリンを0.03〜1.30ミリモル含むこ
とが好ましい。ホスホリルコリン構造に由来するリンの
含有量が0.03ミリモルより少ないと、十分な抗血栓
性が得られないことがあり、1.30ミリモルを超える
とポリウレタン類の機械的物性が低下し、硬く、脆弱な
材料になるため好ましくない。
ジイソシアネートは、従来ポリウレタンの製造に用いら
れるジイソシアネート、並びに今後開発されるであろう
ジイソシアネートの全てが利用可能であり、これ等の中
から1種または2種以上を選択し、重合に用いる。例え
ば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシ
アネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、オクタメチレンジイソシアネート、ウンデカメチ
レンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネー
ト、3,3’−ジイソシアネートプロピルエーテル、シ
クロペンチレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘ
キサン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−メチレ
ンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、イソホロン
ジイソシアナートなどのアルキレンジイソシアナート
類、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、
キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルプロパンジイソシアネート、4−イソシアナトベンシ
ルイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4
−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシア
ネート等が例示される。
以上を選択することにより、ミクロ相分離構造を発現す
るためか抗血栓性を著しく向上さえることができる。し
たがって、ジイソシアネート類を用いるのは2種以上用
いた方が好ましい。また、そのジイソシアネート類の2
種の選択の仕方は無限に可能である。この中で、以下の
ような組合せが効果的にミクロ相分離構造を発現するた
めか抗血栓性を著しく向上せしめることができる。 (1)エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソ
シアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、オクタメチレンジイソシアネート、3,3’−
ジイソシアネートプロピルエーテル、シクロペンチレン
−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4
−ジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート類、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート
と2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、キシ
リレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプ
ロパンジイソシアネート、4−イソシアナトベンシルイ
ソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−
フェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジ
イソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネー
ト等の芳香族系ジイソシアネート類と、(2)ウンデカ
メチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシア
ネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソ
シアナート)、イソホロンジイソシアナートなどのアル
キレンジイソシアナート類の2つの群に分類され、これ
ら(1)(2)群それぞれより1種以上ずつを選択して
本発明のポリウレタン類の重合に用いる。
せとしては、(2)の群の中から4,4’−メチレンビ
ス(シクロヘキシルイソシアナート)(以下HMDIと
略記する)を選択し、(1)の群内エチレンジイソシア
ネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレン
ジイソシアネート、3,3’−ジイソシアネートプロピ
ルエーテル、シクロペンチレン−1,3−ジイソシアネ
ート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート等の
脂肪族系ジイソシアネート類から1種以上を選択し、ポ
リウレタン類の重合に用いることが好ましい。
として用いる事を目的としているため生体内で起こるで
あろう分解反応において生成する分解物の毒性が低いこ
とが好ましくなる。この毒性は脂肪族系ジイソシアネー
トを用いた場合に生成する脂肪族系アミンが芳香族ジイ
ソシアネートを用いた場合に生成する芳香族性アミンよ
り低いことが知られていることから、これらの脂肪族系
ジイソシアネートを用いることがより好ましい。選択し
た2種以上のジイソシアネートの混合割合はいかなる混
合比でもよいが、好ましい2種以上のジイソシアネート
の組合せとその組成比は、例えば、前記(1)の群から
ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと略記す
る)をまた(2)の群よりHMDIを選択し、その混合
比はHDI/HMDI=10/90〜90/10、好ま
しくは40/60〜80/20、より好ましくは、30
/70〜50/50である。
ルキレングリコール(エチレン、テトラメチレン、ヘキ
サメチレン等の炭素数2〜8、好ましくは2〜6の直鎖
又は分枝鎖状のアルキレン基がエーテル結合で結合した
ポリオキシアルキレンの末端に水酸基が結合したも
の)、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオー
ル、ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオー
ル、水添ポリイソプレンジオール等を用いることができ
る。本発明では、ポリマージオールにおけるモノマーの
繰り返し単位数が4〜200程度のものを用いることが
好ましく、モノマーの繰り返し単位数が10〜150程
度のものを用いることがより好ましい。また、ポリマー
ジオールの添加量は重合開始時の重合成分の全重量のう
ちポリマージオール成分は、5〜50重量%、好ましく
は5〜40重量%である。この様なポリマージオールを
用いることによって、得られるポリウレタン類に適度な
柔軟性を付与することができる。
よびアルキレンジアミンから選ばれた少なくとも1種を
用いればよい。アルキレンジオールとしては、炭素数2
〜8、好ましくは2〜6の直鎖または分枝鎖状のアルキ
レン基の両末端に水酸基を有するアルキレンジオールを
用いることが好ましい。本発明での使用に適するアルキ
レンジオールの具体例としては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−
ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールな
どのアルキレングリコール等を例示することができる。
アルキレンジアミンとしては、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン等の直鎖状アルキレンジアミン、1,2−ジアミ
ノプロパン、1,3−ジアミノペンタン等の分岐状アル
キレンジアミン、1,2−シクロヘキサジアミン、1,
3−シクロヘキサジアミン、1,4−シクロヘキサジア
ミン等の環状アルキレンジアミン等を用いることができ
る。この中で鎖伸長剤としては、プロピレングリコー
ル、ブチレングリコールおよびブチレンジアミンが特に
好ましい。鎖伸長剤としては、上記したアルキレンジオ
ール及びアルキレンジアミンから選ばれた成分を1種単
独または2種以上混合して用いることができる。鎖伸長
剤を用いることにより得られるポリウレタン類に適度な
硬度を付与することができる。
特に制限されなず、常法に従って有機溶媒中で前記した
活性水素含有化合物と2種以上のジイソシアネート化合
物とを反応させればよい。有機溶媒としては、例えば、
ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、N−メチ
ル−2−ピロリドン(NMP)、N−メチルホルムアミ
ド(NMF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、テ
トラヒドロフラン(THF)、トルエン、ジオキサン等
が用いることができ、これ等の有機溶媒は混合して用い
てもよい。活性水素含有化合物とジイソシアネート化合
物の反応割合は、通常、ジイソシアネート化合物1当量
に対して、活性水素含有化合物を0.7〜1.5当量程
度とすればよく、0.8〜1.2当量程度とすることが
好ましい。具体的な反応条件については、使用するジイ
ソシアネートやジオールの構造により異なるが、例え
ば、窒素雰囲気下20〜150℃程度で、1〜50時間
程度撹拌しながら(i)および(ii)と過剰の2種以
上のジイソシアネートと反応させて、両末端にイソシア
ネート基を有するプレポリマーを形成させた後残存する
イソシアネート基と当量相当の鎖伸長剤を添加し、鎖伸
長剤がジアミンの場合は0〜20℃、ジオールの場合は
20〜120℃で所要時間(0.1〜20時間)反応さ
せればよい。この様にして得られたポリウレタンまたは
ポリウレタンウレアは、再沈殿法等により精製を行うこ
とが可能である。
ホスホリルコリン構造部分を含むジオール、ポリマージ
オール、アルキレンジオール等のジオール成分とジイソ
シアネート化合物とを、前記した方法と同様にして反応
させることにより両末端にイソシアネート基を有するプ
レポリマーを得、このプレポリマーをHMPA、NM
P、NMF、DMF、DMAc、THF等の有機溶媒に
溶解した後冷却し、アルキレンジアミンを添加して鎖延
長することによってポリウレタンウレアを得る方法等に
よって製造することもできる。ポリウレタン類の重合
時、重合を効率的に進行できるように特に制限されない
が、ジブチルジラウリル酸錫、テトラブトキシチタン等
の重合触媒を添加してもよい。重合触媒の添加量は、通
常、反応溶液全体を基準として、1〜500ppm程度
とすればよい。
均分子量が3,000〜8,000,000程度であ
り、好ましくは、4,000〜5,000,000程度
である。本明細書中に記載した分子量はゲルパーミネー
ションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した
値であり、測定に用いるゲルカラムは、ShodexA
D−803/S、AD−804/S、AD−806/
S、KD−802の4本を直列に連結したものであり、
移動相としては0.1%臭化リチウムを溶解させたDM
Fを用い、検量線をポリエチレングリコールで引き、5
0℃で測定することによって分子量を求めた。
する抗血栓性ポリウレタン類が得られる。本発明の抗血
栓性ポリウレタン類では、生体成分との接触が長期にわ
たっても、血液適合性に優れたホスホリルコリン残基の
効果に加えて、1種類のジイソシアネートのみを反応さ
せて得たポリウレタンと比較するとさらに良好な抗血栓
性が獲得でき、長時間良好な抗血栓性が維持できる。す
なわち、生体成分との接触初期から長期間接触後に至る
まで、安定して良好な抗血栓性を発揮する材料が得られ
る。
は、膜に対して、0.01wt%〜30wt%であるこ
とが好ましく、0.1wt%〜20wt%がより好まし
く、1wt%〜10wt%であることが特に好ましい。
ポリウレタン類の含有量が膜に対して0.01wt%よ
り少ないと、十分な抗血栓性が得られないことがあり、
また30wt%を超えると、膜の素材によっては強度が
低下したり、ウレタン類の添加により膜の透過性が低下
することがあるので好ましくない。通常、ポリウレタン
類の含有量が増加すると抗血栓性は向上するが、ポリウ
レタン類の膜中への存在状態によって(例えば、膜材質
中に均一に分散している場合や膜の表面に集中して存在
する場合など)その効果は一概には言えない。一般的に
は上記範囲にあることで実用上問題のない抗血栓性を得
ることが可能である。
膜、血液透析濾過膜、血液濾過膜などの腎不全治療に用
いられる一般に人工腎臓と呼ばれるもの、血漿分離膜、
人工肺等、血液と接触し、透析、濾過、ガス交換等血液
に対して作用を行う全ての膜で応用することができる。
また、血液浄化治療とはことなるが、血液から血漿を分
離して献血するドナープラズマフェレーシス用の血漿分
離膜にも応用することができるが、もっとも好ましい利
用用途としては、膜と血液の接触時間が長い、持続的血
液浄化治療用の膜である。
なく、再生セルロース、鹸化セルロース、セルロースア
セテート、セルローストリアセテート、修飾セルロース
等のセルロース類、ポリアクリロニトリル、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリメチルメ
タクリレート、エチレンビニルアルコール共重合体、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、
シリコンなどが上げられる。
糸膜、管状膜、平膜などが上げられる。
ウレタンウレアは、ジイソシアネートの組成を検討する
ことにより抗血栓能を向上させることも可能であるが、
更に前記膜素材との相溶性の制御が可能である。このこ
とは本発明の抗血栓性ポリウレタンまたはポリウレタン
ウレアをブレンドすることによる膜物性の低下をなく
し、かつ抗血栓性を付与した膜となることを意味する。
つまり、本発明の抗血栓性ポリウレタンまたはポリウレ
タンウレアは如何なる膜素材に対しても相溶性の優れた
ポリマーである。
入するための好ましい手法としては、ポリウレタン類を
含む製膜原液から、血液浄化膜を製膜することである。
すなわち、通常、血液浄化膜は、膜素材としてのポリマ
ー、ポリマーに対する溶媒、必要により非溶媒や添加剤
を加え溶解した製膜原液から製膜されるが、ポリウレタ
ン類を添加した製膜原液から製膜すれば、ポリウレタン
類を含んだ血液浄化膜を得ることができる。ただしポリ
ウレタン類の耐熱性はあまり高くない場合は、ポリマー
を溶解するために高温を要する場合は、一度高温で溶解
した製膜原液を冷却した後に、ポリウレタン類を添加す
ることもできる。
させる方法として以下の方法が例示できるが、これに限
定されるものではない。前記した様にポリウレタン類を
含む血液浄化膜は製膜原液を凝固させて製膜する。この
凝固時に溶液浴(以後凝固浴という)中に製膜原液を流
し込み製膜するが、この凝固浴に極性溶媒を用いること
により効果的に本発明のポリウレタン類は膜表面に局在
化させることができる。ここでいう極性溶媒とは如何な
る極性溶媒が用いることが可能であるが、例えば、水、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、イソブタノール、tert- ブタノール
等の低級アルコール、DMF、NMP、DMAc、DM
SO、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール等の水溶性グリコール類
等の水溶性有機溶媒。さらにこれらの極性溶媒はあらゆ
る種類の極性溶媒を混合して用いてよく、かつあらゆる
混合組成比で用いてよい。
ることにより、本発明のポリウレタン類を効果的に局在
化させることが可能であるが、得られた血液浄化膜にお
ける本発明のポリウレタン類の膜表面へ局在化している
ことを解析する手段として赤外吸収スペクトル測定(以
下IRスペクトル測定と略記する)がある。このIRス
ペクトル測定は既知の方法であり、分子中にある原子団
(基)は分子の構造にかかわらず同一の波数またはそれ
に近い波数で吸収帯を生じる。また、その測定方法の中
に透過光を用いる透過型赤外分光法(TIR)と測定物
表面における反射赤外光を利用した全反射減衰分光法
(ATR−IR)がある。この2つの測定法を用いるこ
とにより測定物の表面解析が比較検討できる。したがっ
て、本発明の血液浄化膜のTIRおよびATR−IRを
用いることにより本発明のポリウレタン類の血液浄化膜
表面への局在化していることを確認できる。その解析方
法は特に限定されないが、例えば、ポリエーテルスルホ
ンに本発明のポリウレタン類を添加した場合、ポリエー
テルスルホン由来の芳香環に基づくC=Cの伸縮の15
80cm-1における吸光度とポリウレタン類由来のウレ
タン結合に基づくC=O伸縮の1700cm-1における
吸光度の比をTIRおよびATR−IRで測定し、それ
ぞれの相対比を求めることにより評価できる。さらに、
本発明のポリウレタン類が脂肪族系であるとポリエーテ
ルスルホン由来の芳香族系CH伸縮の3100cm-1に
おける吸光度とポリウレタン類由来の脂肪族系CH伸縮
の2960cm-1における吸光度の比をTIRおよびA
TR−IRで測定し、それぞれの相対比を求めることも
できる。つまり、膜素材がポリエーテルスルホンであ
り、かつ本発明のポリウレタン類が脂肪族系であると
き、TIR測定により1580cm-1の吸光度に対する
1700cm-1の吸光度の比をAとし、ATR−IR測
定による1580cm-1の吸光度に対する1700cm
-1の吸光度の比をBとした時のB/Aを算出し、この値
が1より大きいとき本発明のポリウレタン類は血液浄化
膜表面に局在化していることを意味する。
入するための別の好ましい手法としては、常法により得
られた血液浄化膜に、ポリウレタン類をコーティングす
ることである。この方法は、一旦製膜した血液浄化膜に
後処理によって、ポリウレタン類を導入することにな
り、工程が複雑となるが、製膜時に製膜原液を高温に保
たねばならない場合や、膜素材とポリウレタン類が同一
の溶媒に溶解できない場合に、血液浄化膜にポリウレタ
ンを導入するための手法として好適に用いることができ
る。
ル、R4 =R5 =メチレン、m=1、R1 =R7 −
(A)n−であり、R7 =メチル、A=オキシエチレ
ン、n=3.25であるジオール(以下CDOと略記す
る) 50.00g、ポリテトラメチレングリコール
(平均分子量1320)(以下PTMGと略記する)5
6.23g、NMP 1000mlに溶解させ、オイル
バス上で100℃に加熱した。この溶液にHDI 3
3.87gをアルゴンガスによって反応器内を充分に置
換した後でゆっくり加えた。添加後、100℃で2時間
攪拌し、HMDI 123.28gをゆっくり加え、添
加後、100℃で7時間撹拌した。ブタンジオール3
8.26gをゆっくり添加し、さらに100℃で12時
間撹拌した。反応後、この反応混合物を50%アセトン
水溶液 5000mlに注ぎ込んだ。得られた沈澱物を
濾別し、再びアセトンで洗浄し生じた沈澱物を回収して
減圧乾燥し、重合体Aを241.31g得た。得られた
重合体Aの重量平均分子量は112,000であった。
スルホン(住友化学株式会社、スミカエクセル4800
P )18wt%、溶媒としてNMP 63.82w%、
非溶媒としてトリエチレングリコール16wt%、さら
に親水化剤としてポリビニルピロリドンK90 1wt
%に重合体A 0.18wt%を添加し、50℃にて、
3時間攪拌溶解し、1時間静置脱泡した後、焼結フィル
ターにて、未溶解物を除去し紡糸原液を得た。スリット
外径300μm 、スリット内径200μm、内液吐出孔
径100μmのチューブインオリフィス型ノズルの外側
スリットより紡糸原液を、内液吐出孔より、水50wt
%、NMP 40wt%、トリエチレングリコール10
wt%の内液を吐出した。ノズルから吐出した紡糸原液
は30cmの空中走行部を経て、ノズル直下の凝固浴に
導いた。凝固液は水80wt%、NMP 16wt%、
トリエチレングリコール4wt%で温度は60℃であっ
た。凝固した中空糸膜は、水洗後、乾燥しワインダーに
て巻き取った。巻取り速度は15m/minであった。
得られた中空糸膜の内径は200μm、外径は280μ
mであり、膜厚は40μmであった。得られた中空糸膜
のTIRおよび内表面と外表面のATR−IRを測定し
た(測定はSPECTRA TECH社製 IRμS/SIRMを用いて行っ
た)。得られたスペクトルからポリエーテルスルホン由
来の芳香環に基づくC=C伸縮の1580cm-1におけ
るそれぞれの吸光度とポリウレタン類由来のウレタン結
合に基づくC=O伸縮の1700cm-1におけるそれぞ
れの吸光度の比を以下の表1に示す。また、このときの
TIRの値とATR−IRの値を示し、かつそれらの比
も示す。また、得られた中空糸膜を9600本束ね、ダ
イアライザーを組み立てた。ダイアライザーの膜面積は
1.5m2であった。
スルホン(住友化学株式会社 、スミカエクセル480
0P )18wt%、溶媒としてNMP 63.10w
%、非溶媒としてトリエチレングリコール16wt%、
さらに親水化剤としてポリビニルピロリドンK90 1
wt%に重合体A 0.90wt%を添加したことを除
いて、他は実施例1と全く同じ方法で、中空糸膜を紡糸
し、同様に得られた中空糸膜のTIRおよび内表面のA
TR−IRを測定した。また、実施例1と同様の方法に
より膜面積1.5m2のダイアライザーを得た。
添加しないことを除いて、他は実施例1と全く同じ方法
で、中空糸膜を紡糸し、同様に膜面積1.5m2のダイ
アライザーを得た。
例1で得られた、膜面積1.5m2のダイアライザーを
用いた。各ダイアライザーを生理食塩水1Lで洗浄した
後、ACD添加牛血液(ヘマトクリット30%、総タン
パク質濃度6.5g/dl、37℃)2Lを200ml
/minで流し、20ml/minの条件で濾過し、ダ
イアライザーからの流出血液とろ液をリザーバーに戻す
循環テストを4時間実施した。血液循環前、循環1時間
後、2時間後、3時間後、終了時(4時間後)で血小板
数を計測すると共に、循環テスト終了後、使用したダイ
アライザーを1Lの生理食塩水で血液側を洗浄したとき
に、ダイアライザー中の中空糸の残血本数を計測した。
得られた結果を表2に示す。実施例1および2のウレタ
ン類を含む膜を用いたダイアライザーにおいて、血小板
の減少が少なく、また残血が少ないことがわかる。
1,2、比較例1で得られた膜面積1.5m2のダイア
ライザーの37℃水での透水性、血液側水溶液流量20
0ml、透析液流量500ml、37℃での尿素、ビタ
ミンB12、ミオグロビンのクリアランスを測定した。得
られた結果を表3に示す。いずれのダイアライザーも実
用上差し支えのない性能を有しており、ウレタン類の導
入により膜性能が低下しないことが確認された。
測定の結果、本発明のポリウレタン類はポリエーテルス
ルホン膜の表面に局在化していることが確認された。
そ1/3 の糸に残血が認められた。
の抗血栓性ポリウレタン類が局在化しており、かつ血液
浄化性能が劣らないにも関わらず抗血栓性の優れた血液
浄化膜であった。つまり、本発明の抗血栓性ポリウレタ
ン類が血液と接触する内表面に局在化することにより抗
血栓性は向上したものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式[1]、[2]または[3]で表
されるホスホリルコリン構造を有するジオールを少なく
ともジオール成分の一部として用いて得られる抗血栓性
ポリウレタンまたはポリウレタンウレアを含み、かつこ
の抗血栓性ポリウレタンまたはポリウレタンウレアが膜
表面に局在化していることを特徴とする抗血栓性の向上
した血液浄化膜。 【化1】 【化2】 【化3】 [上記式[1]〜[3]においてR1 は炭素数1〜20
のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基、炭
素数7〜20のアラルキル基、または下記基 R7 −(A)n − (Aはオキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチ
レン、オキシペンタメチレン、オキシヘキサメチレン基
であり、これらの群から選ばれる1種または2種以上が
混在してもよく、結合順はランダムでもよい。また、n
は1から30の整数を表す。さらに、R7 は炭素数1〜
20のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール
基、炭素数7〜20のアラルキル基であっても良い。)
である。また、R2 、R3 は炭素数1〜20のアルキル
基、または炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜2
0のアラルキル基であり、それぞれ同じであっても異な
っていてもよい。さらに、R4 、R5 は炭素数1〜10
のアルキレン基であり、R4、R5 はそれぞれ同じであ
っても異なっていてもよい。mは1〜10の整数であ
る。また、式[1]および[3]におけるR6 は、水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜12の
アリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基であ
る。] - 【請求項2】 請求項1記載の抗血栓性の向上した血液
浄化膜を赤外スペクトルで測定した時、(請求項1記載
の抗血栓性ポリウレタンまたはポリウレタンウレアに由
来するピークの吸光度)/(血液浄化膜の素材に由来す
るピークの吸光度)が(表面赤外吸収スペクトル測定で
得られる値)/(透過赤外赤外スペクトル測定で得られ
る値)>1であることを特徴とする請求項1記載の抗血
栓性の向上した血液浄化膜。 - 【請求項3】 抗血栓性のポリウレタンまたはポリウレ
タンウレアが脂肪族系である請求項1記載の抗血栓性の
向上した血液浄化膜。
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