[go: up one dir, main page]

JP2000300158A - 製パン改良剤 - Google Patents

製パン改良剤

Info

Publication number
JP2000300158A
JP2000300158A JP11183999A JP11183999A JP2000300158A JP 2000300158 A JP2000300158 A JP 2000300158A JP 11183999 A JP11183999 A JP 11183999A JP 11183999 A JP11183999 A JP 11183999A JP 2000300158 A JP2000300158 A JP 2000300158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bread
glucose oxidase
improver
catalase
amylase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11183999A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyoshi Sato
信良 佐藤
Hideyo Fukuhara
英与 福原
Tetsuo Ueda
哲夫 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oriental Yeast Co Ltd
Original Assignee
Oriental Yeast Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oriental Yeast Co Ltd filed Critical Oriental Yeast Co Ltd
Priority to JP11183999A priority Critical patent/JP2000300158A/ja
Publication of JP2000300158A publication Critical patent/JP2000300158A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然物系の成分のみからなる製パン改良剤の
提供およびそれを添加する製パン法を提供する。 【構成】 少なくとも、グルコースオキシダーゼ、α−
アミラーゼ、L−シスチン、グルコアミラーゼおよびカ
タラーゼを必須成分として含有する製パン改良剤を構成
することにより、天然物のみの成分を使用した改良剤が
得られる。本発明の製パン改良剤を用いたパンは、外観
や内相さらには風味、食感にすぐれ、製品価値の高いも
のとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製パン改良剤に関
し、天然物由来の成分を含有してなる新規な製パン改良
剤を提供する。本発明は、また、該製パン改良剤を添加
したパンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】良質なパンを製造するため改良剤成分と
して、多くの酸化剤が知られている。古くは、臭素酸カ
リウム、ヨウ素酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が知
られており、臭素酸カリウムが多用されてきたが、近年
の“天然指向の食品”、健康上の理由から、臭素酸カリ
ウムに変りL−アスコルビン酸が使用されるようになっ
た。
【0003】また、天然物由来の酸化剤としては、グル
コースオキシダーゼが利用されている。該グルコースオ
キシダーゼは、パン生地の酸化およびグルテンの三次構
造の結合を促進する作用を担うが、単独添加した場合、
かま伸び効果が弱い為、カタラーゼ、Lーアスコルビン
酸、あるいはLーシスチンと併用されている。さらに、
天然物由来の改良剤としては、カタラーゼ、リポオキシ
ダーゼ、リパーゼなどの複合製剤が工夫されるなどいく
つかの報告がある。グルコースオキシダーゼおよびシス
チンを通常のパン類原料に添加・混捏せしめてなるパン
類の製造方法(特開昭57−58844号)や、グルコ
ースオキシダーゼ、シスチンおよびカタラーゼを生地に
添加・混捏せしめてなるパン類の製造方法(特公昭63
−58534号)などの報告がある。
【0004】また、製パン時における酵母の発酵に必要
な窒素源を補うため、塩化アンモニウム等が製パン改良
剤として添加されることもある。その他、水質の硬度お
よびpHの調整のために、硫酸カルシウム、炭酸カルシ
ウム等の塩も併せて添加されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら、既知の酸化剤
の多くは、速効性酸化剤として作用し、添加量によって
は、生地が締り、パンのかま伸びが不充分となり、パン
の内相も荒れてくる好ましくない性質を与えることが知
られている。そのため、その他成分との配合調整が重要
になってくる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれら従来
の問題点を解決すべく、天然物由来の酵素を使用した製
パン改良剤の研究を重ねた結果、全く新規な製パン改良
剤を完成させた。すなわち本発明は、少なくともグルコ
ースオキシダーゼ、α−アミラーゼ、L−シスチン、グ
ルコースオキシダーゼおよびカタラーゼを必須成分とし
て使用する点を重要なポイントとする製パン改良剤を提
供し、また、グルコースオキシダーゼ、α−アミラー
ゼ、L−シスチン、グルコアミラーゼおよびカタラーゼ
を添加する製パン法に関するものである。
【0007】グルコースオキシダーゼ 本発明のグルコースオキシダーゼは、グルコースを特異
的に酸化してグルコン酸を生ずる酵素であり、酵素番号
1.1.3.4.が挙げられ、Aspergillus nigerやPen
icillium notatumなどの微生物や植物に広く分布する。
本発明においては、食品に使用可能なグルコースオキシ
ダーゼであればいずれも使用でき、その起源、調製法、
純度などは問ず、何ら限定されるものではない。公知の
所望のグルコースオキシダーゼを使用することができ
る。本発明のグルコースオキシダーゼ添加量としては、
小麦粉1Kgに対して1〜200単位(以下、Uとも表
記する)で、特に5〜80単位の範囲が好ましい。グル
コースオキシダーゼを使用することにより、生地のボリ
ューム低下防止、腰落ち防止効果が発揮されるグルコー
スオキシダーゼの単位は、pH7.0、40℃で1分間
に1μmoleのグルコースを酸化触媒し、グルコン酸
を生成する酵素量を1単位とした。以下に示す測定方法
に基づき、活性を決定する。
【0008】(活性測定法) Sample:0.01M酢酸Buffer(pH5.
1)でグルコースオキシダーゼ濃度が0.005〜0.
03単位/mlになるように希釈する。 試薬A(MBTH−DEA溶液):100mg EDT
A‐2Na 17mg MBTH、 0.4ml DEA 0.1M 酢酸で前述試薬を溶解し、1Lに調製す
る。 試薬B(POD溶液):0.1M 酢酸Na溶液で、Per
oxidaseを8プルプロカリン単位/mlに希釈 基質溶液 :0.1M 酢酸で、15%グルコース溶
液とする 反応停止液 :0.5N−HCl
【0009】表1.操作手順
【0010】
【数1】計算式 単位/ml=単位/ml×1/C 29.05:Indamine dyeの590nmにおけるミリモ
ル分子吸光係数 C :溶解時の酵素濃度
【0011】α−アミラーゼ 本発明のα−アミラーゼは、デンプンのα1→4グルコ
シド結合のみを加水分解する酵素でアミラーゼの一種で
ある。酵素番号3.2.1.1が挙げられ、動物(唾
液、膵臓など)、植物(麦芽など)、およびアスペルギ
ルス属、バチルス属等の微生物に広範囲に分布してお
り、その作用様式(糖化力糖化力の比など)の多様であ
る。本発明においては、食品に使用可能なαアミラーゼ
であればいずれも使用でき、その起源、調製法、純度な
どは問ず、何ら限定されるものではない。一般的に市販
されているものが使用可能である。添加量としては、小
麦粉1kgに対し1〜500単位で特に50〜350単
位の範囲が好ましい。α−アミラーゼの単位は、基質溶
液として、可溶性澱粉溶液(0.1M酢酸緩衝液、pH
5.8)を基質とし、pH6.9、40℃で30分間反
応させ、生じた還元糖をグルコース量(mg/dl)に
換算し、これを1単位として表す。
【0012】L−シスチン 本発明のL−シスチンは、蛋白質を構成する含硫アミノ
酸の一種で、酸化作用を有する物質である。一般的には
毛髪や角などのケラチン中に多く含まれ、通常の蛋白質
中での含量は少ない。本発明においては、食品に使用可
能なL−シスチンであればいずれも使用でき、その起
源、調製法、純度などは問ず、何ら限定されるものでは
ない。一般的に市販されているものが使用可能である。
添加量としは、10〜100ppmで、特に20〜60
ppmの範囲が好ましい。10ppm未満では使用効果
が表れず、一方100ppmを超えると、パンが膨らみ
すぎて、パンの外観、内相に荒れがでて好ましくない。
【0013】グルコアミラーゼ 本発明のグルコアミラーゼは、エキソ−1,4−α−D
−グルコシダーゼとも称され、澱粉分解酵素(アミラー
ゼ)の一種である。グルコアミラーゼは、α−アミラー
ゼやβ−アミラーゼと異なり、澱粉分子の非還元末端か
ら1グルコース単位づつ分解していき、α1−4結合だ
けでなく、α1−6結合も分解する酵素であり、酵素番
号3.2.1.3.が挙げられる。Rhizopus
属、Asperugillus属、Penicilli
um属などの微生物に分布している。本発明では、食品
に使用可能なグルコアミラーゼであればいずれも使用で
き、その起源、調製法、純度などは問ず、何ら限定され
るものではない。一般的に市販されているものが使用可
能である。添加量としては、小麦粉1kgに対し1〜1
00単位で特に5〜50単位の範囲が好ましい。
【0014】グルコアミラーゼの単位は、澱粉をグルコ
アミラーゼによって分解((下述する(a))し、生成
するグルコースの量をグルコースオキシダーゼ法(下述
する(b))によって定量することによってグルコアミ
ラーゼの活性を測定した。1分間に1μmoleのグル
コースを産生する酵素量を1単位として表す。
【0015】(a)グルコアミラーゼによる澱粉の分解
反応:乾重量1.2gの可溶性澱粉(ナカライテスク株
式会社製)を約40mlの蒸留水に懸濁し、沸騰浴中で
溶解した後、正確に50mlになるように蒸留水を用い
て調整し、それを0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)5
0mlと混合して基質溶液とする。該基質溶液の4ml
を採取して、40℃で5分間インキュベートし、そこに
同様に5分間プレインキュベートした試料酵素溶液[試
料酵素1000mgを蒸留水100mlに正確に溶解し
た酵素溶液(酵素活性が強い場合はこれを更に希釈して
用いる)]0.8mlを添加して良く混和し40℃にて
インキュベートする。試料酵素溶液の添加から正確に2
0分経過後に、10N−NaOH水溶液0.1mlを添
加混合して反応を停止させる。グルコアミラーゼ反応の
ブランクテストとしては、前記の基質溶液4mlに10
N−NaOH水溶液0.1mlを添加混合後に試料酵素
溶液0.8mlを添加したもの(インキュベートしない
もの)を用いる。この酵素反応液中のグルコース濃度
(T)(μmole/ml)およびブランクテスト溶液
中のグルコース濃度(T0)(μmole/ml)を下
記のグルコースオキシダーゼ法により定量する。
【0016】(b)グルコースオキシダーゼ法によるグ
ルコースの測定法:試料溶液(5〜30μgのグルコー
スを含有)0.5mlにグルコースオキシダーゼ・パー
オキシダーゼ混合試薬を3ml加えて混和した後、40
℃にて30分間インキュベートし440nmにおける吸
光度を分光光度計(株式会社日立製作所製「220
A」)にて測定し、試料溶液の代わりに蒸留水を用いた
ものをブランクとして、予めグルコース標準液より作成
した検量線より試料溶液中のグルコース濃度(μmol
e/ml)を求める。上記の反応によって1分間に1μ
moleのグルコースを産生する酵素量を1単位として
以下の数式にしたがって算出する。そして、下記の数式
によって算出される試料酵素液の酵素活性から、試料酵
素液を調製する際の試料酵素の濃度に応じて試料酵素中
の酵素活性を求める(なお下記の数式における希釈倍率
は通常100である)。なお、ここで用いる上記のグル
コースオキシダーゼ・パーオキシダーゼ混合試薬は、1
20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)25
0mlにグルコースオキシダーゼ(Boehringer Mannhei
m社製、Grade II)を9単位/ml、パーオキシダーゼ
(Boehringer Mannheim 社製、Grade II)を1.5単位
/ml、ATBS(2,2’−アジノ−ジ(3−エチル
−ベンズチアゾリンスルホネート(6)ジアンモニウム
塩)を0.92mMになるように添加して調製したもの
である。
【0017】数式 試料酵素液の酵素活性(単位/ml)={(T−T0)×4.9}
/(20×0.8) 試料酵素1gの酵素活性(単位)=(試料酵素液の酵素活
性)×(希釈倍率)
【0018】カタラーゼ 本発明のカタラーゼは、過酸化水素の分解反応を触媒す
る酵素であり、酵素番号1.11.1.6.が挙げられ
る。動物、植物、微生物の好気的細胞に広く分布してい
る。本発明では、食品に使用可能なグルコアミラーゼで
あればいずれも使用でき、その起源、調製法、純度など
は問ず、何ら限定されるものではないが、ホウレンソ
ウ、西洋ワサビ、大豆、イチジク、落花生、クロロプラ
スト、アカメガシワ、ヤシャジツ、ヤコウトウ、カイド
ウヒ、トマト、メロン、リンゴ、ナシ、バナナ等の植物
や、ミクロコッカス リソディクティカス(Micro
coccus lysodeikticus)、アスペ
ルギルス ニガー(Aspergillus nige
r)、シュードモナス属(Pseudomonas)、
ロドシュードモナス属(Rhodopseudomon
as)、ストレプトコッカス属(Streptococ
cus)、バチルス属(Bacillus)、サッカロ
ミセス属(Saccharomyces)等の微生物が
挙げられる。添加量としては、小麦粉1kgに対し1〜
1000単位で特に50〜350単位の範囲が好まし
い。
【0019】カタラーゼの単位は、過酸化水素水を基質
とし、pH5.3、30℃で1分間反応させ、1μmo
leの過酸化水素を酸素と水に分解する酵素量を1単位
として表す。
【0020】パン 本発明のパンは、パンを製造するための材料、例えば主
原料としての小麦粉にイースト、本発明の製パン改良
剤、グルコースオキシダーゼ、α−アミラーゼ、L−シ
スチン、グルコアミラーゼ、カタラーゼ、イーストフー
ド、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリン、バ
ター、液状油、油中水型乳化組成物、水中油型乳化組成
物等)、水(捏水)、乳製品、食塩、糖類などを添加
し、更に必要に応じ乳化剤、調味料(グルタミン酸類、
核酸類)、保存料、ビタミン、カルシウム等の強化剤、
蛋白質、還元剤(アスコルビン酸またはその塩類な
ど)、フレーバー等の1種又は2種以上を添加混捏し、
発酵工程を経て焼成したものを言う。もちろん、フィリ
ングなどの詰め物をしたパンも本発明でいうパンに含ま
れる。即ち、本発明でいうパンは、食パン、特殊パン、
調理パン、菓子パン、蒸しパンなどを意味する。例え
ば、食パンとしては白パン、黒パン、フランスパン、バ
ラエティブレッド、ロール(テーブルロール、バンズ、
バターロールなど)が挙げられる。特殊パンとしてはグ
リッシーニ、マフィン、ラスクなど、調理パンとしては
ホットドック、ハンバーガー、ピザパイなど、菓子パン
としてはジャムパン、あんパン、クリームパン、レーズ
ンパン、メロンパン、スイートロール、リッチグッズ
(クロワッサン、ブリオッシュ、デニッシュペストリ
ー)などが挙げられ、蒸しパンとしては肉まん、あんま
んなどが挙げられる。
【0021】製造方法 本発明のパンの製造方法としては、パンを製造する際の
製パン方法や製パン条件、製パン装置などは特に制限さ
れず、目的とするパンの種類などに応じて、通常使用さ
れている方法および装置、条件などを採用して行えばよ
い。限定されるものではないが、本発明で採用し得る製
パン法としては、例えば、ノータイム法、ストレート
法、中種法、オーバーナイト法、低温長時間法、冷凍生
地等いずれの製パン法にも使用することができる。
【0022】本発明のパンを製造する際に少なくとも、
グルコースオキシダーゼ、α−アミラーゼ、L−シスチ
ン、グルコアミラーゼおよびカタラーゼの添加時期や添
加方法などは特に制限されず適宜変更可能である。パン
生地中に少なくとも、グルコースオキシダーゼ、α−ア
ミラーゼ、L−シスチン、グルコアミラーゼおよびカタ
ラーゼを添加混合し得ればどのような方法で行ってもよ
い。
【0023】グルコースオキシダーゼ、α−アミラー
ゼ、L−シスチン、グルコアミラーゼおよびカタラーゼ
は、各々単独で使用しても混合して使用してもよい。ま
た、そのまま粉末状で穀粉類(原材料)に添加してもよ
いし、捏水に一緒にまたは個別に溶解して添加してもよ
い。添加時期についても、例えば、中種法においては中
種材料と本捏材料に、製パン改良材を分割して添加して
も、いずれか一方に添加してもよく、好ましくは、中種
材料に添加するのがよい。添加方法については、上述し
たように適宜選択し組み合わせて、グルコースオキシダ
ーゼ、α−アミラーゼ、L−シスチン、グルコアミラー
ゼおよびカタラーゼを使用すれば良く、そのまま粉末状
で、生地を調製する混捏作業の前または混捏の初期の段
階で添加するのが、生地中にグルコースオキシダーゼ、
α−アミラーゼ、L−シスチン、グルコアミラーゼおよ
びカタラーゼを均一に混合分散させることができるので
好ましい。
【0024】本発明によれば、充分な容積のパン類が得
られ更に外観、内相、食感等も満足なものとなり、且つ
作業工程も生地のべたつき等がなく、また生地の安定性
があり、操作が容易になるなどすぐれた効果が顕著に発
現する。
【0025】グルコースオキシダーゼは、発酵を通して
生地中のグルコースを酸化し過酸化水素を生成するの
で、常に酸化剤を生地中に供給する形になり、過剰な生
地の締まりを生じることなく生地だれ、容積低下、腰落
ちを防止することができる。グルテン、酸化剤は生地強
化に、乳化剤は生地強化と生地伸展性の面でプラスに働
いている。一方、アミラーゼは生地の伸展性、製品のソ
フト感を出す効果がある。カタラーゼは、酸化の調整を
スムーズにする作用がある。また、グルコースなどの発
酵源を添加するのもよい。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の技術的範囲を制限するための
ものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容易
に本発明に修飾、変更を加えることができ、それらは本
発明の技術的範囲に含まれる。
【0027】実施例1.中種製パン法(食パン) 以下に示した製パン配合および工程にて、表2の製パン
改良剤を使用し製パン試験を行った。なお製パン改良剤
として、グルコースオキシダーゼ、α−アミラーゼ、L
−シスチン、グルコースオキシダーゼ、カタラーゼをそ
れぞれ、表2に示す所定の割合で配合した各種製パン改
良剤を使用して食パンを製造した。製パン改良剤の効果
として、食パン製造時のホイロ時間を測定し、生地の処
理性を経験的評価で◎、◎○、○、○△、△、×(順に
優、やや良、良、普通、やや劣る、劣る)で評価した。
また、得られた食パンの高さおよび容積を測定し、外観
およびパンのソフトさを10名のパネラーを用い、◎、
◎○、○、○△、△、×(順に優、やや良、良、普通、
やや劣る、劣る)で評価した。さらに、これらの評価を
勘案し総合して総評点を◎、◎○、○、○△、△、×
(順に優、やや良、良、普通、やや劣る、劣る)で評価
した。結果を表3に示す。
【0028】i)配合
【0029】ii)工程 注)(1)発酵は28℃、湿度80%の条件下に調節 (2)ホイロは35℃、湿度85%の条件下に調節 (3)小麦粉は総量2Kgで、混捏は関東混合機堅型2
0クオートミキサー使用した。 *改良剤は、下表2示す配合のものを使用した。
【0030】表2.製パン改良剤(食パン)の配合
【0031】表3.評価結果
【0032】比較例1.中種製パン法(食パン) 上述の実施例1に示した製パン配合および工程に従っ
て、表4の製パン改良剤を添加し製パン試験を行った。
なお比較例の製パン改良剤として表4に示すように、グ
ルコースオキシダーゼ、α−アミラーゼ、L−シスチ
ン、グルコアミラーゼ、カタラーゼをそれぞれ1成分づ
つ除いたものを添加した。評価方法も実施例1と同様に
評価した。結果を表5に示す。
【0033】表4.製パン改良剤(食パン)の配合
【0034】表5.評価結果
【0035】表3および5の結果から明らかなように、
本発明の製パン改良剤の必須の成分のうち1成分でも欠
けた製パン改良剤は、いずれも満足のいく食パンを得る
ことはできず、実施例1のように製パン改良剤の必須成
分である5成分を所定の配合で混合して初めて、生地の
処理性、パンの高さ、容積、ソフトさ等いずれも良好な
食パンを得ることができ、製品価値のより高いものであ
った。
【0036】実施例2.中種製パン法(菓子パン) 以下に示した製パン配合および条件にて、表4の製パン
改良剤を添加し製パン試験を行った。なお製パン改良剤
として、グルコースオキシダーゼ、α−アミラーゼ、L
−シスチン、グルコースオキシダーゼ、カタラーゼをそ
れぞれ、表6に示す所定の割合で配合した製パン改良剤
を添加して菓子パンを製造した。製パン改良剤の効果と
して菓子パン製造時のホイロ時間を測定し、生地の処理
性を経験的評価で◎、◎○、○、○△、△、×(順に
優、やや良、良、普通、やや劣る、劣る)で評価した。
また、得られた菓子パンの高さおよび容積を測定し、外
観およびパンのソフトさを10名のパネラーを用い、
◎、◎○、○、○△、△、×(順に優、やや良、良、普
通、やや劣る、劣る)で評価した。さらに、これらの評
価を勘案し総合して総評点を◎、◎○、○、○△、△、
×(順に優、やや良、良、普通、やや劣る、劣る)で評
価した。結果を表7に示す。
【0037】標準中種法(菓子パン配合) i)配合
【0038】ii)工程 注)(1)発酵は28℃、湿度80%の条件下に調節 (2)ホイロは35℃、湿度85%の条件下に調節 (3)小麦粉は総量2Kg、混捏は関東混合機堅型20
クオートミキサーを使用した。 *改良剤は、下表6に示す配合のものを使用した。
【0039】表6.製パン改良剤(菓子パン)の配合
【0040】表7.評価結果
【0041】比較例2.中種製パン法(菓子パン) 上述の実施例2に示した製パン配合および工程に従っ
て、表8の製パン改良剤を添加し製パン試験を行った。
なお比較例の製パン改良剤として表8に示すように、グ
ルコースオキシダーゼ、α−アミラーゼ、L−シスチ
ン、グルコアミラーゼ、カタラーゼをそれぞれ1成分づ
つ除いたものを添加した。評価方法も実施例2と同様に
評価した。結果を表9に示す。
【0042】表8.製パン改良剤(菓子パン)の配合
【0043】表9.評価結果
【0044】表7および表9の結果から明らかなよう
に、本発明の製パン改良剤の必須の成分のうち1成分で
も欠けた製パン改良剤は、いずれも満足のいく、菓子パ
ンを得ることはできず、実施例2のように製パン改良剤
の必須成分である5成分を所定の配合で混合して初め
て、生地の処理性、パンの高さ、容積、ソフトさ等いず
れも良好な菓子パンを得ることができ、製品価値のより
高いものであった。
【0045】
【発明の効果】本発明に係わる製パン改良剤は、少なく
ともグルコースオキシダーゼ、α−アミラーゼ、L−シ
スチン、グルコアミラーゼおよびカタラーゼを必須成分
として構成する新規な改良剤である。そのうえ、本発明
に係わる製パン改良剤は、天然物系の成分のみからな
り、どのような製パン法にも広く適用することができ、
しかも、本発明の製パン改良剤を添加することにより、
生地の伸展性、生地の処理性にすぐれ、パンの外観や内
相さらには風味、食感にすぐれた、製品価値の高いパン
を製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、グルコースオキシダーゼ、α
    −アミラーゼ、L−シスチン、グルコアミラーゼおよび
    カタラーゼを含有することを特徴とする製パン改良剤。
  2. 【請求項2】小麦粉1kgに対し、グルコースオキシダ
    ーゼを1〜200単位、α−アミラーゼを1〜500単
    位、L−シスチンを10〜100ppm、グルコアミラ
    ーゼを1〜100単位およびカタラーゼを1〜1000
    単位の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載
    の製パン改良剤。
  3. 【請求項3】パンの製造方法であって、少なくともグル
    コースオキシダーゼ、α−アミラーゼ、L−シスチン、
    グルコアミラーゼおよびカタラーゼを添加することを特
    徴とする製パン方法。
JP11183999A 1999-04-20 1999-04-20 製パン改良剤 Pending JP2000300158A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11183999A JP2000300158A (ja) 1999-04-20 1999-04-20 製パン改良剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11183999A JP2000300158A (ja) 1999-04-20 1999-04-20 製パン改良剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000300158A true JP2000300158A (ja) 2000-10-31

Family

ID=14571471

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11183999A Pending JP2000300158A (ja) 1999-04-20 1999-04-20 製パン改良剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000300158A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090130253A1 (en) * 2004-10-29 2009-05-21 Domingues David J Refrigerated, chemically leavened doughs in package, with carbon dioxide atmosphere
WO2012010593A1 (en) * 2010-07-21 2012-01-26 Novozymes A/S Process for producing a baked product having increased flavor stability with catalase and phospholipase
JP2013074865A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Nisshin Oillio Group Ltd ペストリー生地及びペストリー食品
JP2019165645A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 日油株式会社 製パン用油脂組成物および製パン用穀粉生地
JP2020156377A (ja) * 2019-03-26 2020-10-01 日油株式会社 フライ食品用油脂組成物およびフライ食品
CN114403181A (zh) * 2022-01-13 2022-04-29 福气面团数字科技股份有限公司 抗菌添加剂、面团生产方法及零防腐剂烘焙食品

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10182577B2 (en) 2004-10-29 2019-01-22 General Mills, Inc. Refrigerated, chemically leavened doughs in package, with carbon dioxide atmosphere
US9314033B2 (en) * 2004-10-29 2016-04-19 General Mills, Inc. Refrigerated, chemically leavened doughs in package, with carbon dioxide atmosphere
US9848609B2 (en) 2004-10-29 2017-12-26 General Mills, Inc. Refrigerated, chemically leavened doughs in package, with carbon dioxide atmosphere
US20090130253A1 (en) * 2004-10-29 2009-05-21 Domingues David J Refrigerated, chemically leavened doughs in package, with carbon dioxide atmosphere
WO2012010593A1 (en) * 2010-07-21 2012-01-26 Novozymes A/S Process for producing a baked product having increased flavor stability with catalase and phospholipase
US9402402B2 (en) 2010-07-21 2016-08-02 Novozymes A/S Process for producing a baked product having increased flavor stability with catalase and phospholipase
JP2013074865A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Nisshin Oillio Group Ltd ペストリー生地及びペストリー食品
JP2019165645A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 日油株式会社 製パン用油脂組成物および製パン用穀粉生地
JP7124369B2 (ja) 2018-03-22 2022-08-24 日油株式会社 製パン用油脂組成物および製パン用穀粉生地
JP2020156377A (ja) * 2019-03-26 2020-10-01 日油株式会社 フライ食品用油脂組成物およびフライ食品
JP7140024B2 (ja) 2019-03-26 2022-09-21 日油株式会社 フライ食品用油脂組成物およびフライ食品
CN114403181A (zh) * 2022-01-13 2022-04-29 福气面团数字科技股份有限公司 抗菌添加剂、面团生产方法及零防腐剂烘焙食品
CN114403181B (zh) * 2022-01-13 2023-10-27 福气面团数字科技股份有限公司 抗菌添加剂、面团生产方法及零防腐剂烘焙食品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3456756B2 (ja) パン類の品質改良組成物およびそれを用いたパン類の製造法
DE69830119T2 (de) Teigzusammensetzung und derer Herstellung
JPH074138B2 (ja) 酵母膨脹焼製品及びその製造方法
JPH0335749A (ja) パン改良剤
EP0468731A1 (en) Bread improver and method of producing bread
JP2000513568A (ja) ベーキングにおける分枝酵素の使用
DE69623644T2 (de) Verwendung einer desaminierenden oxidase zum backen
US5451413A (en) Yeast derivative and method to improve bread quality
JP7230623B2 (ja) 製パン用油脂組成物および製パン用穀粉生地
JP2000300158A (ja) 製パン改良剤
JP2019097570A (ja) 酵素を用いた澱粉含有食品の製造方法
JP2001224299A (ja) 小麦粉製品用生地改良剤、生地及び小麦粉製品
US5510126A (en) Tortilla
US4642237A (en) Stable oxidant alpha-amylase concentrates for use in baking
WO2002060262A2 (en) Conditioner for bread
JP2002272357A (ja) パン生地改良用組成物およびそれを用いる製パン法
JP7245715B2 (ja) パン類用品質向上剤、パン類の品質向上方法およびパン類の製造方法
JP7230012B2 (ja) 微生物を含む製パン改良剤
US4296133A (en) Method for producing bread
US2875064A (en) Baking compositions and methods
EP0588426B1 (en) Yeast derivative to improve bread quality
JP2021029119A (ja) パン類用品質向上剤、パン類の製造方法およびパン類の品質向上方法
JPH08266214A (ja) パン生地の製造方法
EP0126529B1 (en) Process for making low sodium crackers and cookies and products obtained thereby
JPH10117668A (ja) サワードウの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060420

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070615

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070717

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071120