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JP2000290800A - 鋼帯の電解洗浄方法及び装置 - Google Patents

鋼帯の電解洗浄方法及び装置

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Publication number
JP2000290800A
JP2000290800A JP11097666A JP9766699A JP2000290800A JP 2000290800 A JP2000290800 A JP 2000290800A JP 11097666 A JP11097666 A JP 11097666A JP 9766699 A JP9766699 A JP 9766699A JP 2000290800 A JP2000290800 A JP 2000290800A
Authority
JP
Japan
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steel strip
electrode
width
electrodes
edge
Prior art date
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Pending
Application number
JP11097666A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruhiko Sugita
晴彦 杉田
Jun Sato
佐藤  淳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP11097666A priority Critical patent/JP2000290800A/ja
Publication of JP2000290800A publication Critical patent/JP2000290800A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際の操業で適用可能な鋼帯のエッジ部にお
けるSiの過剰付着を防止できる鋼帯の電解洗浄方法及
び装置を提供する。 【解決手段】 冷延鋼帯をアルカリ洗剤浴中で電解洗浄
するに際して、電極2a、2bの有効幅を該冷延鋼帯3
幅に対して、(電極の有効幅−冷延鋼帯幅)/2を−3
50mm〜+50mmの範囲内にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷延鋼帯製造工
程における鋼帯の電解洗浄方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷間圧延した鋼帯の表面には、圧延油、
機械油、スケール、鉄粉、ごみ、ほこりなどが付着して
いる。表面清浄度が要求される品種、例えばメッキ原板
に関しては電解洗浄ラインで表面を洗浄した後に焼鈍を
行う。
【0003】電解洗浄ラインの電解洗浄装置は、図1に
示すように、アルカリ液1のタンク中に、鋼帯3の走行
方向に設置された対をなす電極2a、2bが複数対設置
され、前記対をなす電極2a、2b間に鋼帯3を介して
通電し、鋼帯3から水素または酸素の泡を発生させ、鋼
帯3を洗浄する。
【0004】アルカリ液1に使用するアルカリはオルソ
珪酸ソーダが一般的であり、電解洗浄装置で洗浄する
と、洗浄後の鋼帯3表面に電着Siが付着する。この電
着Siは焼鈍過程で鋼帯3の密着を防ぐ効果があるが、
過剰の電着Siは、焼鈍過程で酸化して酸化Siとな
り、テンパーカラーが発生したり、メッキ過程でメッキ
外観や耐食性などに悪影響を与えたりする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電解洗浄装置では、幅
寸法の異なる鋼帯の全幅にわたって発泡させるために電
極幅を最大鋼帯幅に合わせて広くしてあるので、鋼帯3
のエッジ部に電流が集中する。このため電着Siはエッ
ジ部に多くつくことになる。そのため、焼鈍過程でエッ
ジ部でテンパーカラーが発生したり、またメッキ過程で
エッジ部にメッキムラが発生したりする。
【0006】特開昭54−14339号公報では、洗浄
過程における電着Siのエッジ部の異常付着を防ぐた
め、エッジ部付近の電極の面積を陽極よりも陰極の方を
大きくする方法が提案されている。
【0007】洗浄作業を継続すると、アルカリ液中の汚
れやイオンなどが各々異極性の電極2a、2bに引寄せ
られて付着し、電極2aと2b間の電圧が上昇する。そ
のため、制御装置4で一定時間ごとに電極2aと2bの
極性を逆転する操作を行ない、付着物を溶解し上昇した
電圧を低下させる。
【0008】実際の操業では、この操作を繰り返すこと
が必要になるが、特開昭54−14339号公報に記載
の方法では、陽極と陰極の極性を固定しなければならな
いので、現実的な提案ではない。
【0009】本発明は、前記問題点を考慮し、実際の操
業で適用可能な鋼帯のエッジ部におけるSiの過剰付着
を防止できる鋼帯の電解洗浄方法及び装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の手段は以下の通りである。
【0011】(1)冷延鋼帯をアルカリ洗剤浴中で電解
洗浄するに際して、電極の有効幅を該冷延鋼帯幅に対し
て、(電極の有効幅−冷延鋼帯幅)/2を−350mm
〜+50mmの範囲内にすることを特徴とする鋼帯の電
解洗浄方法(第1発明)。
【0012】(2)前記(1)において、電極幅を変更
して(電極の有効幅−冷延鋼帯幅)/2を−350mm
〜+50mmの範囲内にすることを特徴とする鋼帯の電
解洗浄方法(第2発明)。
【0013】(3)前記(1)において、電極幅方向エ
ッジ部側の電極表面に絶縁体のエッジマスクを設置して
(電極の有効幅−冷延鋼帯幅)/2を−350mm〜+
50mmの範囲内にすることを特徴とする鋼帯の電解洗
浄方法(第3発明)。
【0014】(4)前記(1)において、鋼帯走行方向
に設置されている対をなす電極の各電極幅方向エッジ部
側の電極表面に対向して導電部材を設置して、(電極の
有効幅−冷延鋼帯幅)/2を−350mm〜+50mm
の範囲内にするとともに、前記対をなす電極のエッジ部
に設置した導電部材をお互いに通電可能に配設すること
を特徴とする請求項1記載の鋼帯の電解洗浄方法(第4
発明)。
【0015】(5)電解タンク中の鋼帯走行方向に設置
されている対をなす電極間に電流を流して冷延鋼帯を電
解洗浄する装置において、鋼帯走行方向に設置されてい
る対をなす電極の各電極の幅方向エッジ部側の電極表面
に対向して導電部材を設置するとともに、前記対をなす
電極のエッジ部に設置した導電部材をお互いに通電可能
に配設することを特徴とする鋼帯の電解洗浄装置。
【0016】
【発明の実施の形態】鋼帯エッジ部の電着Siが多すぎ
ると、焼鈍過程でテンパーカラー、メッキ過程でメッキ
ムラの原因になる。本発明者等の知見によると、テンパ
ーカラーよりもメッキムラの方がムラが目立ちやすい。
従って、前記の欠陥を防ぐには、メッキムラが問題にな
らない程度まで、鋼帯表面の電着Si量を均一化するこ
とが必要である。電解清浄装置では、鋼帯に流れる電気
量が多いほど、電着Siが多くなる。従って、電着Si
量を均一化するには、鋼帯表面を流れる電流を均一化す
ることが重要である。
【0017】電解洗浄装置における鋼帯幅方向の電流分
布の状態を図2に示す。(a)に示すように電極幅が鋼
帯幅より広い場合、鋼帯3のエッジ部に電流が集中す
る。一方、(b)に示すように電極幅を狭くして鋼帯3
の両端より電極2の張り出し部分を少なくした場合、鋼
帯3のエッジ部の電流集中を低減できる。
【0018】図3は、単位長さあたり1kAの電流を流
した場合の鋼帯幅方向の電流密度分布をシミュレーショ
ンした結果を示す図である。電極幅が鋼帯幅より片側当
たり300mm広い場合は、エッジ部はセンター部の約
3.5倍の電流密度であるのに対し、電極幅と鋼帯幅が
同じ場合はエッジ部はセンター部の電流密度の2倍以下
となっている。さらに電極幅を狭くするとエッジ部の電
流密度をさらに下げることができる。しかし電極幅が狭
すぎるとエッジ部の電流が不足し、エッジ部で洗浄不良
が発生する。したがって、エッジ部において、必要な洗
浄性を確保しながら、焼鈍時のテンパーカラーの発生や
メッキ時のメッキムラの発生を防ぐには、電極幅を鋼帯
幅に対して適正な範囲にする必要がある。
【0019】本発明者等が前記適正電極幅について種々
調査した。その結果、電極と鋼帯間で良好な通電が行わ
れる電極の幅(以下、電極の有効幅)が鋼帯幅より狭い
場合、電極エッジ部と鋼帯エッジ部との距離が350m
m超え、即ち(電極の有効幅−鋼帯幅)/2が−350
mm未満になると、鋼帯のエッジ部が洗浄不足になるこ
と、また前記電極の有効幅が鋼帯幅より広い場合、電極
エッジ部と鋼帯エッジ部との距離が50mm超え、即ち
(電極の有効幅−鋼帯幅)/2が50mmを超えると、
鋼帯のエッジ部のSi付着過多になり、焼鈍時のテンパ
ーカラーやメッキ時のメッキムラが発生しやすくなるこ
とが分かった。従って、必要な洗浄性を確保しながら、
焼鈍時のテンパーカラーやメッキ時のメッキムラの発生
を防ぐには、電極の有効幅を鋼帯幅に対して、(電極の
有効幅−冷延鋼帯幅)/2を−350mm〜+50mm
の範囲内にする必要がある。
【0020】通常の電極では、電極全幅で鋼帯と良好な
通電が行われるので、電極の有効幅は電極幅に一致し、
電極幅を冷延鋼帯幅に対して前記範囲を満足するように
すればよい(第2発明)。
【0021】また、電極幅自体を調整する代りに、鋼帯
と良好な通電が行われる電極の幅を調整するようにして
もよい。例えば、電極幅方向のエッジ部側の電極表面に
絶縁体のエッジマスクを設置し、電極エッジ部で鋼帯と
の通電が行われないようにしてもよい(第3発明)。ま
た、鋼帯走行方向に設置されている対をなす電極の各電
極幅方向エッジ部側の電極表面に対向して導電部材を設
置し、前記対をなす電極のエッジ部に設置した導電部材
をお互いに通電可能に配設し、電極エッジ部で電極と導
電部材間で通電を行い、導電部材が設置されていない電
極中央部側で電極と鋼帯間の通電を行うようにしてもよ
い(第4発明、第5発明)。この場合、電極の有効幅
は、第3発明ではエッジマスクが設置されていない部分
の電極幅、第4発明では導電部材が対向して配置されて
いない部分の電極幅をいう。
【0022】本発明では、電極の極性切替えの制約がな
いので、実施の操業において容易に適用可能である。
【0023】以下、本発明についてさらに説明する。先
ず、電極幅を鋼帯幅に対して、(電極の有効幅−冷延鋼
帯幅)/2を−350mm〜+50mmの範囲内に調整
する場合について説明する。
【0024】通常、電解洗浄装置の電解タンクでは、図
1に示したように、対をなす電極2a、2bが鋼帯走行
方向に複数対設置されている。図4は、電解タンク内の
複数の電極対のうちの1対を示している。図4におい
て、鋼帯3の上下に設置された1対の電極2a、2aは
互いに同極性に設置され、電極2a、2aに対して異極
性の1対の電極2b、2bがその隣に配置されている。
電極2aを+電極とした場合、電極2bは−電極にな
り、電流は、電極2a→鋼帯3→電極2bの経路で流れ
る。このとき電極2a近傍の鋼帯3表面からは水素、ま
た電極2b近傍の鋼帯3表面から酸素の泡を発生する。
電極2a、2bの幅は鋼帯3の幅に対して、(電極幅−
冷延鋼帯幅)/2を−350mm〜+50mmの範囲内
に合わせてある。電極幅を前記のようにすることによっ
て、鋼帯3のエッジ部において電流集中がなくなり、ま
た必要な洗浄性を確保できるようになり、焼鈍時のテン
パーカラーやメッキ時のメッキムラの発生を防止でき
る。
【0025】図4の装置において、洗浄する鋼帯幅範囲
が広い場合、鋼帯幅に応じて電極幅の調整が可能な構造
にすると、生産性の点から有利である。図5〜8に、鋼
帯幅に対応して電極幅を調整可能に配設した例を示す。
なお、図5〜図9では、いずれも複数ある電極のうちの
鋼帯上側に配設されている電極の1つを上方から見た状
態を示す。
【0026】図5では、電極11は、鋼帯幅方向に延び
た櫛の歯状の凹凸部を有する、分割された1組の電極1
1aと11bから構成されており、電極11aと11b
は、何れも鋼帯幅方向に移動可能に配設されている。鋼
帯3の幅が狭い場合、電極11aと11bは各々鋼帯中
央部側に移動し、(a)に示すように、一方の電極の凸
部が他方の電極の凹部に装着されてほぼ隙間のない平面
を形成する位置まで移動可能である。鋼帯3の幅が広い
場合、電極11aと11bは、(a)に示す状態から、
お互いに遠ざかる方向に移動し、(b)に示すような状
態になる。(a)に示すように一方の電極の凸部が他方
の電極の凹部に完全に装着される状態の電極11の幅を
W1、(b)に示すように一方の電極の凸部が他方の電
極の凹部に装着開始される状態の電極11の幅をW2と
すると、電極11aと11bを鋼帯3幅方向に移動する
ことによって、電極11の幅(有効幅)WをW1〜W2
の範囲内で自在に調整できる。本装置では、洗浄する鋼
帯3の幅範囲が広い場合、鋼帯3の幅に応じて、電極1
1a、11bの幅方向位置を調整し、電極11の幅Wを
鋼帯幅に対して本発明に規定する範囲内に自在に調整で
きる。
【0027】図6では、電極11は、固定電極11c
(幅W1)と、軸13の回りに回転自在な補助電極11
d(幅W3)に分割して配置されている。鋼帯3の幅が
狭い場合、(a)に示すように、補助電極11dを回転
して固定電極11cの上側に配設し、補助電極11dを
使用しない。鋼帯3の幅が広い場合、(b)に示すよう
に、補助電極11dと固定電極11cが同一電極面を形
成するように配設する。補助電極11dを使用しない場
合、電極11の幅はW1であり、補助電極11dを使用
すると、電極の幅をW1からW1+2×W3に広げるこ
とができる。
【0028】図7では、電極11eが軸14の回りに回
転可能に配設されている。電極11eを、(a)の状態
から90度回転して(b)の状態にすると、電極11e
の幅をW1からW4に広げることができる。
【0029】図8では、図7に示した電極11eのコー
ナー部分が円弧状に形成されている。電極形状は必要に
応じてこのような形状にしてもよい。
【0030】図9では、主電極11f(幅W1)の両側
に補助電極11g(幅W3)が配設されており、主電極
11fと補助電極11gは、お互いに独立して電流制御
可能に配設されている。鋼帯3の幅が狭い場合、(a)
に示すように、主電極11fだけ使用し、補助電極11
gを使用しない。鋼帯3の幅が広い場合、(b)に示す
ように、主電極11fと補助電極11gを併用する。主
電極11fと補助電極11gを併用すると、電極11の
幅をW1からW1+2×W3に広げることができる。
【0031】次に、電極幅方向のエッジ部側の電極表面
に絶縁体のエッジマスクを設置する場合について説明す
る。
【0032】図10では、図4と同様、電解タンク内の
複数対の電極のうちの1対を示している。図10では、
鋼帯3の上下に設置された各電極2a、2bの鋼帯3に
対向する各幅方向エッジ部側の表面に絶縁体のエッジマ
スク5が付設されていること以外は、図4の場合と同様
の構成である。
【0033】図10の装置では、図11に示すように、
絶縁体のエッジマスク5が設置されている電極面と鋼帯
3との通電が行われなくなる。電極2(2a、2b)の
幅をW1、エッジマスク5の幅をW3とすると、電極の
有効幅Wは、エッジマスク5が設置されていない電極の
幅W1−2×W3になる。本装置では、前記電極の有効
幅Wを冷延鋼帯幅に対して、(電極の有効幅W−冷延鋼
帯幅)/2を−350mm〜+50mmの範囲内にす
る。
【0034】図10に示した装置においても、鋼帯幅に
応じて電極の有効幅の調整が可能であると有利である。
図12に、電極の有効幅を調整可能に配設した装置の例
を示す。図12の装置では、エッジマスク5は、シフト
アーム6によって、鋼帯3幅方向に移動可能に配設され
ている。電極2の幅をW0とすると、エッジマスク5の
鋼帯幅方向中央部側への移動量、鋼帯エッジ部側への引
出し量を調整することによって、電極2の有効幅Wを電
極幅W0を越えない範囲で自在に調整できる。
【0035】次に、電極幅方向のエッジ部側の電極表面
に対向して導電部材を設置する場合について説明する。
【0036】図13では、図4と同様、電解洗浄装置の
電解タンク内の複数対の電極のうちの1対を示してお
り、対をなす電極2a、2bの幅方向エッジ部側の各電
極表面に対向して導電体の導電部材7が付設されている
こと以外は、図4の場合と同様の構成である。図13に
おいて、鋼帯3の上下に電極2a、2a、2b、2bが
配設されており、導電部材7は、上下の電極2a間及び
2b間のエッジ部側に、電極2aから電極2bを貫通す
るように配設されている。この導電部材7は、鋼帯3の
走行方向に配設されている電解タンク内の全電極間を貫
くように配設されていてもよい。
【0037】図13の装置では、図14に示すように、
鋼帯3の両側から張り出した部分では、電極2と導電部
材7間で電流が流れる。したがって、対をなす電極2
a、2b間において、鋼帯3に対面した部分では、電極
2a→鋼帯3→電極2bのルートで電流が流れ、鋼帯3
の両エッジ部側から張り出した部分では、電極2a→導
電部材7→電極2bのルートで電流が流れるため、鋼帯
3のエッジ部に電流が集中することを防止できる。この
場合、鋼帯3の両側に配設された導電部材7の間隔をW
7とすると、電極2の有効幅Wは、導電部材7の間隔W
7になる。したがって、本装置では、前記電極2の有効
幅Wを冷延鋼帯幅に対して、(電極の有効幅W−冷延鋼
帯幅)/2を−350mm〜+50mmの範囲内にす
る。
【0038】導電部材7の断面形状の例を図15に示
す。(a)は導電部材7の断面が矩形の場合である。鋼
帯エッジ部の電流集中をより効果的に抑制するには、
(b)に示すように縦長のもの(電極2から導電部材7
までの距離が短いもの)や、(c)に示すように鋼帯3
エッジ部を囲むような形状のものが有効である。また導
電部材7は、電気抵抗の小さい材料の方が有効である。
また、図12の場合と同様、導電部材7を鋼帯幅方向に
移動する手段を設置して、導電部材7を鋼帯幅方向に移
動し、電極2の有効幅Wを調整してもよい。
【0039】
【実施例】(実施例1)冷間圧延した鋼帯を、電解洗浄
ラインに装入し、幅が一定の電極を配設した電解洗浄装
置で洗浄を行った後、焼鈍、調質圧延し、電気亜鉛メッ
キラインで亜鉛メッキした。洗浄後の鋼帯の洗浄度、メ
ッキ後の鋼帯のメッキ外観を調査した。鋼帯の洗浄度
は、洗浄後の鋼帯表面のエッジ部にセロテープを貼付
け、再び剥がした後、セロテープの汚れ具合を目視観察
し、以下のように評価した。
【0040】 ○:良好(汚れが少ないもの) ×:不良(汚れが多いもの) メッキ外観は、図16に示すような形態で発生したエッ
ジ部のメッキムラの幅wの平均値を求め、7mm以下を
合格、7mm越えを不合格とした。
【0041】調査結果を図17に示す。図17から分か
る通り、電極幅が鋼帯幅に対して本発明範囲内にある
と、洗浄度とメッキ外観が何れも良好であるが、電極幅
が鋼帯幅に対して本発明範囲を外れると洗浄度、メッキ
外観の何れかが劣る。
【0042】(実施例2)電極のエッジ部に絶縁体のエ
ッジマスクを設置した電解洗浄装置を使用して、エッジ
マスクの位置を変更して電極の有効幅を調整して、冷間
圧延後の鋼帯を洗浄し、実施例1と同様、焼鈍、調質圧
延し、亜鉛メッキを行い、洗浄後の鋼帯の洗浄度、メッ
キ後の鋼帯のメッキ外観を調査した。
【0043】調査結果を図18に示す。図18におい
て、電極露出幅とは、エッジマスクが設置されていない
部分の電極幅(電極の有効幅)である。
【0044】図18から分かる通り、電極露出幅が鋼帯
幅に対して、本発明範囲内にあると、洗浄度とメッキ外
観が何れも良好であるが、電極露出幅が鋼帯幅に対して
本発明範囲を外れると洗浄度、メッキ外観の何れかが劣
る。
【0045】(実施例3)電極のエッジ部に図15
(a)に示した矩形の導電部材(断面形状:縦10mm
×横50mm)を配設した電解洗浄装置を用いて、導電
部材と鋼帯の間隔を10mm((電極の有効幅−鋼帯
幅)/2=10mm)にして、冷間圧延後の鋼帯を洗浄
し、実施例1と同様、焼鈍、調質圧延し、亜鉛メッキを
行い、洗浄後の鋼帯の洗浄度、メッキ後の鋼帯のメッキ
外観を調査した。メッキ外観については、さらにメッキ
ムラの発生率(幅7mm以上のメッキムラが発生した部
分の長さの割合)を調査した。比較のために、導電部材
を設けなかった場合についても同様の調査をした。調査
結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1から分かる通り、電極の有効幅が鋼帯
幅に対して、本発明範囲を満足する発明例は、導電部材
を使用しない比較例に比べて、エッジムラの程度が大幅
に改善されている。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、鋼帯のエッジ部におけ
るSiの過剰付着を防止し、焼鈍時のテンパーカラーや
メッキ時のエッジムラの発生を防止できる。本発明を実
際の電解洗浄ラインにおける鋼帯の電解洗浄に適用する
ことも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電解洗浄ラインの電解処理設備の要部を
示す図。
【図2】電解洗浄設備における鋼帯幅方向電流分布の状
態を説明する図で、(a)は鋼帯幅より電極幅が広い場
合、(b)は電極幅を狭くして鋼帯の両端より電極の張
り出した部分を少なくした場合を示す。
【図3】単位長さあたり1kAの電流を流した場合の鋼
帯幅方向電流密度分布のシミュレーション結果を示す
図。
【図4】本発明において、電極幅を変更して電極の有効
幅を調整する電解洗浄装置の電極構造の要部を示す斜視
図。
【図5】図4の装置において、電極幅が変更可能な電極
構造の第1の例を示す図。
【図6】図4の装置において、電極幅が変更可能な電極
構造の第2の例を示す図。
【図7】図4の装置において、電極幅が変更可能な電極
構造の第3の例を示す図。
【図8】図7において、コーナー部分が円弧状に形成さ
れている電極形状の例を示す図。
【図9】図4の装置において、電極幅が変更可能な電極
構造の第4の例を示す図。
【図10】本発明において、絶縁体のエッジマスクを設
置して電極の有効幅を調整する電解洗浄装置の電極構造
の要部を示す斜視図。
【図11】絶縁体のエッジマスクを設置した場合の電解
洗浄設備における鋼帯幅方向における電流分布の状態を
説明する図。
【図12】図10の装置において、エッジマスクを幅方
向に移動可能に配設した例を示す図。
【図13】本発明において、電極幅方向エッジ部側の電
極表面に対向して導電部材を設置した電解洗浄装置の電
極構造の要部を示す斜視図。
【図14】導電部材を設置した場合の電解洗浄設備にお
ける鋼帯幅方向における電流分布の状態を説明する図。
【図15】図13の装置に使用する導電部材の形状の例
を示す図。
【図16】電気亜鉛メッキ後のメッキムラの発生状況を
示す図。
【図17】実施例1において、電極幅と鋼帯幅の差とメ
ッキ外観、洗浄度の関係を示す図。
【図18】実施例2において、電極露出幅と鋼帯幅の差
とメッキ外観、洗浄度の関係を示す図。
【符号の説明】
1 アルカリ液 2、2a、2b 電極 3 鋼帯 4 制御装置 5 エッジマスク 6 シフトアーム 7 導電部材 11、11a〜11g 電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷延鋼帯をアルカリ洗剤浴中で電解洗浄
    するに際して、電極の有効幅を該冷延鋼帯幅に対して、
    (電極の有効幅−冷延鋼帯幅)/2を−350mm〜+
    50mmの範囲内にすることを特徴とする鋼帯の電解洗
    浄方法。
  2. 【請求項2】 電極幅を変更して(電極の有効幅−冷延
    鋼帯幅)/2を−350mm〜+50mmの範囲内にす
    ることを特徴とする請求項1記載の鋼帯の電解洗浄方
    法。
  3. 【請求項3】 電極幅方向エッジ部側の電極表面に絶縁
    体のエッジマスクを設置して(電極の有効幅−冷延鋼帯
    幅)/2を−350mm〜+50mmの範囲内にするこ
    とを特徴とする請求項1記載の鋼帯の電解洗浄方法。
  4. 【請求項4】 鋼帯走行方向に設置されている対をなす
    電極の各電極の幅方向エッジ部側の電極表面に対向して
    導電部材を設置して、(電極の有効幅−冷延鋼帯幅)/
    2を−350mm〜+50mmの範囲内にするととも
    に、前記対をなす電極のエッジ部に設置した導電部材を
    お互いに通電可能に配設することを特徴とする請求項1
    記載の鋼帯の電解洗浄方法。
  5. 【請求項5】 電解タンク中の鋼帯走行方向に設置され
    ている対をなす電極間に電流を流して冷延鋼帯を電解洗
    浄する装置において、鋼帯走行方向に設置されている対
    をなす電極の各電極の幅方向エッジ部側の電極表面に対
    向して導電部材を設置するとともに、前記対をなす電極
    のエッジ部に設置した導電部材をお互いに通電可能に配
    設することを特徴とする鋼帯の電解洗浄装置。
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