JP2000273611A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents
合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、一般的な低炭素鋼を用いて、
安価に、表面性状(光沢度)又はさらに加工性が優れた
合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供するこ
とにある。 【解決手段】60度鏡面光沢度が20以上の合金化溶融
亜鉛めっき鋼板を開発した。鋼帯に溶融亜鉛めっき処
理、合金化処理を施す合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法において、前記鋼帯を低炭素鋼として熱間圧延した
後、鋼帯温度850℃以上で焼鈍してから、溶融亜鉛め
っき、合金化処理を施し、さらに板厚を1.5%以上低
下させる調質圧延を施すようにする。
安価に、表面性状(光沢度)又はさらに加工性が優れた
合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供するこ
とにある。 【解決手段】60度鏡面光沢度が20以上の合金化溶融
亜鉛めっき鋼板を開発した。鋼帯に溶融亜鉛めっき処
理、合金化処理を施す合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法において、前記鋼帯を低炭素鋼として熱間圧延した
後、鋼帯温度850℃以上で焼鈍してから、溶融亜鉛め
っき、合金化処理を施し、さらに板厚を1.5%以上低
下させる調質圧延を施すようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法に係わり、特に、該鋼板を表面性状
(光沢度)又はさらに加工性に優れた状態にする技術で
ある。
っき鋼板の製造方法に係わり、特に、該鋼板を表面性状
(光沢度)又はさらに加工性に優れた状態にする技術で
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、耐
食性、塗装性が良好なことから自動車用材料として急速
に需要が拡大している。それに伴い、複雑な形状にプレ
ス成形できるように、外観を美麗にするために表面性状
の良いこと、またはさらに加工性が良いことが要求され
ている。この加工性については、プレス成形時に鋼板が
「しわ」になる欠陥(ストレッチャ・ストレインと称す
る)は、生じさせてはならない。そこで、従来より多く
の研究がなされ、関連する技術が公開されている。
食性、塗装性が良好なことから自動車用材料として急速
に需要が拡大している。それに伴い、複雑な形状にプレ
ス成形できるように、外観を美麗にするために表面性状
の良いこと、またはさらに加工性が良いことが要求され
ている。この加工性については、プレス成形時に鋼板が
「しわ」になる欠陥(ストレッチャ・ストレインと称す
る)は、生じさせてはならない。そこで、従来より多く
の研究がなされ、関連する技術が公開されている。
【0003】例えば、特開平4−72017号公報は、
炭素が0.0050重量%以下の鋼片を、熱間圧延後5
0%以下の冷間圧延を行い、次いで露点−30℃以上+
15℃以下の雰囲気下で、再結晶温度以上900℃以下
の温度で40秒以上の脱炭焼鈍を行い、炭素を0.00
10重量%以上、0.0030重量%未満とした上で、
溶融亜鉛めっきを施し、さらに伸率1.0%以上、2.
0%以下の調質圧延を施すことを特徴とする加工性及び
時効性が良好で、且つ適度の焼付硬化性を有する溶融亜
鉛めっき鋼板の製造技術を開示している。また、特開平
6−158172号公報は、Ti,Nbを添加した極低
炭素鋼を、Ar3点以下で熱間仕上げ圧延後、30℃/
秒以上で冷却、650℃以上で巻き取り、圧下率60%
以上の冷間圧延後、800℃以上Ac3点以下で5分以
下の連続焼鈍してから420〜530℃で溶融亜鉛めっ
き浴に浸漬しめっきを施し、再加熱後に合金化処理する
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を開示している。さら
に、特開平2−118088号公報では、溶融亜鉛めっ
き後のめっき皮膜が溶融状態である鋼板に、Fe−Zn
合金パウダを吹き付け、その後、表面を平滑化処理、加
熱処理することで加工性及び塗装性に優れた合金化溶融
亜鉛めっき鋼板を製造する技術も一般化している。
炭素が0.0050重量%以下の鋼片を、熱間圧延後5
0%以下の冷間圧延を行い、次いで露点−30℃以上+
15℃以下の雰囲気下で、再結晶温度以上900℃以下
の温度で40秒以上の脱炭焼鈍を行い、炭素を0.00
10重量%以上、0.0030重量%未満とした上で、
溶融亜鉛めっきを施し、さらに伸率1.0%以上、2.
0%以下の調質圧延を施すことを特徴とする加工性及び
時効性が良好で、且つ適度の焼付硬化性を有する溶融亜
鉛めっき鋼板の製造技術を開示している。また、特開平
6−158172号公報は、Ti,Nbを添加した極低
炭素鋼を、Ar3点以下で熱間仕上げ圧延後、30℃/
秒以上で冷却、650℃以上で巻き取り、圧下率60%
以上の冷間圧延後、800℃以上Ac3点以下で5分以
下の連続焼鈍してから420〜530℃で溶融亜鉛めっ
き浴に浸漬しめっきを施し、再加熱後に合金化処理する
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を開示している。さら
に、特開平2−118088号公報では、溶融亜鉛めっ
き後のめっき皮膜が溶融状態である鋼板に、Fe−Zn
合金パウダを吹き付け、その後、表面を平滑化処理、加
熱処理することで加工性及び塗装性に優れた合金化溶融
亜鉛めっき鋼板を製造する技術も一般化している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した特開平4−7
2017号公報及び特開平6−158172号公報記載
の方法で製造した鋼板は、炭素を極低領域まで低下させ
ているために、加工性は所望通りになる。しかしなが
ら、表面性状、特に光沢度についてはまだ不十分であ
る。また、極低炭素鋼は、製鋼段階で精錬費用が嵩むの
で、製造した溶融亜鉛めっき鋼板のコストが高くなる。
一方、特開平2−118088号公報記載の方法では、
合金化処理装置の後に、Fe−Zn合金パウダの吹付装
置、平滑化処理及び加熱処理装置を別途設けなければな
らないというコスト的な問題点がある。また、パウダの
吹付量及び加熱温度の変動で、かえって加工性不良が生
じるという問題点もあった。
2017号公報及び特開平6−158172号公報記載
の方法で製造した鋼板は、炭素を極低領域まで低下させ
ているために、加工性は所望通りになる。しかしなが
ら、表面性状、特に光沢度についてはまだ不十分であ
る。また、極低炭素鋼は、製鋼段階で精錬費用が嵩むの
で、製造した溶融亜鉛めっき鋼板のコストが高くなる。
一方、特開平2−118088号公報記載の方法では、
合金化処理装置の後に、Fe−Zn合金パウダの吹付装
置、平滑化処理及び加熱処理装置を別途設けなければな
らないというコスト的な問題点がある。また、パウダの
吹付量及び加熱温度の変動で、かえって加工性不良が生
じるという問題点もあった。
【0005】本発明の目的は、かかる事情に鑑み、一般
的な普通低炭素鋼を用いて、安価に、表面性状(光沢
度)またはさらに加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
鋼板とその製造方法を提供することにある。
的な普通低炭素鋼を用いて、安価に、表面性状(光沢
度)またはさらに加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき
鋼板とその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の製造において、鋼板の表面性状、特に光
沢度を従来より良くする可能性について鋭意研究し、冷
間圧延工程の省略で、確実に光沢が良くなることを知見
した。そして、該知見に加え、低炭素鋼を用いても、加
工性を良好に維持できる条件を配慮して、本発明を完成
させた。
鉛めっき鋼板の製造において、鋼板の表面性状、特に光
沢度を従来より良くする可能性について鋭意研究し、冷
間圧延工程の省略で、確実に光沢が良くなることを知見
した。そして、該知見に加え、低炭素鋼を用いても、加
工性を良好に維持できる条件を配慮して、本発明を完成
させた。
【0007】すなわち、本発明は、60度鏡面光沢度が
20以上の合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
20以上の合金化溶融亜鉛めっき鋼板である。
【0008】また、本発明は、鋼帯に溶融亜鉛めっき処
理後、合金化処理を施す合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製
造方法において、前記鋼帯を普通低炭素鋼として熱間圧
延した後、鋼帯温度850℃以上とする焼鈍を行ってか
ら溶融亜鉛めっきを施し、その後合金化処理を施し、板
厚を1.5%以上低下させる調質圧延を施すことを特徴
とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
理後、合金化処理を施す合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製
造方法において、前記鋼帯を普通低炭素鋼として熱間圧
延した後、鋼帯温度850℃以上とする焼鈍を行ってか
ら溶融亜鉛めっきを施し、その後合金化処理を施し、板
厚を1.5%以上低下させる調質圧延を施すことを特徴
とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
【0009】さらに、本発明は、前記熱間圧延で、鋼帯
の板厚を1.6mm以下とすることを特徴とする合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
の板厚を1.6mm以下とすることを特徴とする合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
【0010】本発明では、冷間圧延を省略して光沢度を
良好にし、焼鈍条件及び調質圧延(スキンパス圧延とも
いう)条件を適切にして、プレス加工の欠陥であるスト
レッチャ・ストレインを防止したので、表面性状または
さらに加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板が製造
できるようになる。また、被めっき鋼帯を低炭素鋼と
し、冷間圧延を省略するばかりでなく、Fe−Zn合金
パウダの吹付装置、平滑及び加熱処理装置等を追加する
必要もないので、製造コストが従来に比べて著しく安価
になる。
良好にし、焼鈍条件及び調質圧延(スキンパス圧延とも
いう)条件を適切にして、プレス加工の欠陥であるスト
レッチャ・ストレインを防止したので、表面性状または
さらに加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板が製造
できるようになる。また、被めっき鋼帯を低炭素鋼と
し、冷間圧延を省略するばかりでなく、Fe−Zn合金
パウダの吹付装置、平滑及び加熱処理装置等を追加する
必要もないので、製造コストが従来に比べて著しく安価
になる。
【0011】
【発明の実施の形態】一般的な合金化溶融亜鉛めっき鋼
板の製造ラインを図1に示す。まず、鋼鋳片を熱間及び
冷間で所定厚みに圧延して、被めっき材である鋼帯とす
る。そして、該鋼帯を連続的に焼鈍炉、めっき装置、合
金化炉、調質圧延機を順次通過させて、製品とする。
板の製造ラインを図1に示す。まず、鋼鋳片を熱間及び
冷間で所定厚みに圧延して、被めっき材である鋼帯とす
る。そして、該鋼帯を連続的に焼鈍炉、めっき装置、合
金化炉、調質圧延機を順次通過させて、製品とする。
【0012】本発明では、この被めっき材の鋼帯を低炭
素鋼とする。その主な化学組成は、C:0.03〜0.
05重量%、Si:0.03重量%以下、Mn:0.1
8〜0.30重量%、P:0.025重量%以下、S:
0.020重量%以下、Al:0.035〜0.075
重量%、Mn/S:12.0以上、残部Fe及び不可避
不純物である。最近、溶融亜鉛めっき鋼板の素材には、
炭素濃度が50ppm以下の極低炭素鋼が用いられるこ
とが多い。しかし、熱間圧延で以前は安定して製造でき
なかった板厚1.6mm以下の鋼帯が製造できるように
なったこと、及び安価な製造コストを目指す観点から、
本発明では、あえて低炭素鋼を用いることにした。
素鋼とする。その主な化学組成は、C:0.03〜0.
05重量%、Si:0.03重量%以下、Mn:0.1
8〜0.30重量%、P:0.025重量%以下、S:
0.020重量%以下、Al:0.035〜0.075
重量%、Mn/S:12.0以上、残部Fe及び不可避
不純物である。最近、溶融亜鉛めっき鋼板の素材には、
炭素濃度が50ppm以下の極低炭素鋼が用いられるこ
とが多い。しかし、熱間圧延で以前は安定して製造でき
なかった板厚1.6mm以下の鋼帯が製造できるように
なったこと、及び安価な製造コストを目指す観点から、
本発明では、あえて低炭素鋼を用いることにした。
【0013】まず、発明者は、製品の光沢度を良くする
ため、前記低炭素鋼の試片で多くのめっき実験を重ね、
冷間圧延材を素材にめっき、合金化したものよりも、熱
間圧延材を素材にした方が、光沢度に優れることを知っ
た。そこで、上記ラインのうち、冷間圧延の工程を省略
してめっきすることを発想した。
ため、前記低炭素鋼の試片で多くのめっき実験を重ね、
冷間圧延材を素材にめっき、合金化したものよりも、熱
間圧延材を素材にした方が、光沢度に優れることを知っ
た。そこで、上記ラインのうち、冷間圧延の工程を省略
してめっきすることを発想した。
【0014】しかしながら、さらに問題は、被めっき材
として比較的炭素含有量の高い鋼帯で、加工性を良好に
することができるかにあった。そこで、発明者は、熱間
圧延材のめっき前に行う焼鈍の条件及び調質圧延条件を
鋭意検討し、以下のような条件を見出したのである。
として比較的炭素含有量の高い鋼帯で、加工性を良好に
することができるかにあった。そこで、発明者は、熱間
圧延材のめっき前に行う焼鈍の条件及び調質圧延条件を
鋭意検討し、以下のような条件を見出したのである。
【0015】なお、本発明で言う「加工性良好」とは、
製品の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の時効後の降伏伸びが
小さいことを意味する。これは、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板となってから、種々の形状の鋼製品に加工するまで
の間に時効硬化し、降伏点が上昇し加工性が低下すると
共に、降伏伸びが発生し、加工時にストレッチャ・スト
レインを生じる。この発生を防止するには、降伏伸びが
小さい方が望ましい。
製品の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の時効後の降伏伸びが
小さいことを意味する。これは、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板となってから、種々の形状の鋼製品に加工するまで
の間に時効硬化し、降伏点が上昇し加工性が低下すると
共に、降伏伸びが発生し、加工時にストレッチャ・スト
レインを生じる。この発生を防止するには、降伏伸びが
小さい方が望ましい。
【0016】本発明での光沢度は、60度鏡面光沢度で
20以上である。20未満では、従来の冷間圧延材を素
材とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板と同等であり、光沢
度が劣るものである。光沢度を20以上とすることによ
って、美麗な外観となり、プレス後の塗装密着性にも優
れるという効果もある。好ましくは、20〜80、より
好ましくは20〜60である。
20以上である。20未満では、従来の冷間圧延材を素
材とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板と同等であり、光沢
度が劣るものである。光沢度を20以上とすることによ
って、美麗な外観となり、プレス後の塗装密着性にも優
れるという効果もある。好ましくは、20〜80、より
好ましくは20〜60である。
【0017】焼鈍温度:850℃以上 冷間圧延材を焼鈍する場合には、焼鈍温度を鋼帯の再結
晶温度以上にするのが、加工性の点から良いと言われて
いる。熱間圧延材について種々検討した結果、850℃
以上とすることにより加工性が優れることが判明した。
従って、本発明では、焼鈍温度を850℃以上とする。
また、あまり温度を高くし過ぎると、結晶粒の粗大化が
起き、加工性がかえって低下するので、900℃以下が
好適である。
晶温度以上にするのが、加工性の点から良いと言われて
いる。熱間圧延材について種々検討した結果、850℃
以上とすることにより加工性が優れることが判明した。
従って、本発明では、焼鈍温度を850℃以上とする。
また、あまり温度を高くし過ぎると、結晶粒の粗大化が
起き、加工性がかえって低下するので、900℃以下が
好適である。
【0018】好ましい焼鈍の雰囲気:露点−30℃未満 焼鈍雰囲気は、冷間圧延材の場合と同様に、炉内へ4〜
5容量%の水素−残部窒素のガスを吹き込むことで良
い。本発明に係る熱間圧延材では、露点を−30℃未満
に抑えることが好ましい。その理由は、−30℃以上で
は酸化により合金化後の光沢度が低下するためである。
なお、焼鈍時間は、冷間圧延材と同様で良い。
5容量%の水素−残部窒素のガスを吹き込むことで良
い。本発明に係る熱間圧延材では、露点を−30℃未満
に抑えることが好ましい。その理由は、−30℃以上で
は酸化により合金化後の光沢度が低下するためである。
なお、焼鈍時間は、冷間圧延材と同様で良い。
【0019】前記条件で焼鈍した熱間圧延材は、溶融亜
鉛めっき浴に浸漬され、めっきが施される。めっき浴の
組成、浴温等のめっき条件は、従来公知の条件で良い。
また、めっき後に施す合金化処理の温度も同様である。
鉛めっき浴に浸漬され、めっきが施される。めっき浴の
組成、浴温等のめっき条件は、従来公知の条件で良い。
また、めっき後に施す合金化処理の温度も同様である。
【0020】調質圧延での板厚の低下率:1.5%以上 本発明では、この合金化処理後に調質圧延を実施する
が、光沢度に加えて、さらに加工性を良好にする観点か
らその条件を検討した。その結果を、調質圧延時の板厚
の低下率(記号SKで表示)、焼鈍時板温及び時効後の
降伏伸びの3者の関係で図2に示す。図2より、実験室
で得た値も、実機での値も、焼鈍における鋼帯温度を8
50℃以上とし、調質圧延時の板厚低下率を1.5%以
上にすると、時効後の降伏伸びが低下し、加工性が良く
なることを示唆している。従って、本発明では、調質圧
延での板厚の低下率を1.5%以上とする。また、2.
5%を超えると、加工性が低下、あるいは外観が劣化す
ることがあるため、2.5%以下とすることが好まし
い。
が、光沢度に加えて、さらに加工性を良好にする観点か
らその条件を検討した。その結果を、調質圧延時の板厚
の低下率(記号SKで表示)、焼鈍時板温及び時効後の
降伏伸びの3者の関係で図2に示す。図2より、実験室
で得た値も、実機での値も、焼鈍における鋼帯温度を8
50℃以上とし、調質圧延時の板厚低下率を1.5%以
上にすると、時効後の降伏伸びが低下し、加工性が良く
なることを示唆している。従って、本発明では、調質圧
延での板厚の低下率を1.5%以上とする。また、2.
5%を超えると、加工性が低下、あるいは外観が劣化す
ることがあるため、2.5%以下とすることが好まし
い。
【0021】
【実施例】図1に示した溶融亜鉛めっきラインで、炭素
を0.035重量%含有する低炭素鋼の鋼帯をめっき
し、合金化処理を施した。鋼帯の走行速度は、70m/
minで、めっき、合金化は従来の条件で行われた。そ
の際、本発明に係る製造方法と従来の方法とを用い、両
者で得た鋼板の特性を比較した。つまり、本発明の実施
では、表1に示す熱間仕上げ圧延を行い、板厚を1.4
mmにした「熱延材」を、表1に示す条件で焼鈍し、溶
融亜鉛めっきを行い合金化し、調質圧延を行った。一
方、従来の方法では、前記熱間圧延で3.5mmにした
熱延材を、冷間圧延で板厚1.4mmにした後、表1に
示す条件で焼鈍し、熔融亜鉛めっき、合金化処理、調質
圧延を行った。時効後降伏伸びは、100℃で30分の
熱処理後測定した。
を0.035重量%含有する低炭素鋼の鋼帯をめっき
し、合金化処理を施した。鋼帯の走行速度は、70m/
minで、めっき、合金化は従来の条件で行われた。そ
の際、本発明に係る製造方法と従来の方法とを用い、両
者で得た鋼板の特性を比較した。つまり、本発明の実施
では、表1に示す熱間仕上げ圧延を行い、板厚を1.4
mmにした「熱延材」を、表1に示す条件で焼鈍し、溶
融亜鉛めっきを行い合金化し、調質圧延を行った。一
方、従来の方法では、前記熱間圧延で3.5mmにした
熱延材を、冷間圧延で板厚1.4mmにした後、表1に
示す条件で焼鈍し、熔融亜鉛めっき、合金化処理、調質
圧延を行った。時効後降伏伸びは、100℃で30分の
熱処理後測定した。
【0022】その結果を、表1に一括して示す。表1よ
り、本発明によれば、光沢度またはさらに加工性が、従
来の方法で得た鋼帯より優れていることが明らかであ
る。また、製造コストは、従来の約80%に低減でき
た。
り、本発明によれば、光沢度またはさらに加工性が、従
来の方法で得た鋼帯より優れていることが明らかであ
る。また、製造コストは、従来の約80%に低減でき
た。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、低炭
素鋼を熱間圧延して得た薄板で、表面性状(光沢度)ま
たはさらに加工性が従来より優れた合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板を、安価に製造できるようになった。
素鋼を熱間圧延して得た薄板で、表面性状(光沢度)ま
たはさらに加工性が従来より優れた合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板を、安価に製造できるようになった。
【図1】連続合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインを
示す図である。
示す図である。
【図2】合金化溶融亜鉛めっき鋼板の調質圧延の板厚の
低下率、焼鈍における鋼帯温度及び時効後の降伏伸びと
の関係を示す図である。
低下率、焼鈍における鋼帯温度及び時効後の降伏伸びと
の関係を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 60度鏡面光沢度が20以上の合金化溶
融亜鉛めっき鋼板。 - 【請求項2】 鋼帯に溶融亜鉛めっき処理後、合金化処
理を施す合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法におい
て、 前記鋼帯を普通低炭素鋼として熱間圧延した後、鋼帯温
度850℃以上とする焼鈍を行ってから溶融亜鉛めっき
を施し、その後合金化処理を施し、板厚を1.5%以上
低下させる調質圧延を施すことを特徴とする合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 前記熱間圧延で、鋼帯の板厚を1.6m
m以下とすることを特徴とする請求項2記載の合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11084146A JP2000273611A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11084146A JP2000273611A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000273611A true JP2000273611A (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=13822369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11084146A Pending JP2000273611A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000273611A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008533300A (ja) * | 2005-03-18 | 2008-08-21 | エスエムエス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト | 溶融めっきされた熱間圧延スチールストリップを制御により減厚させる方法及び当該方法で使用される装置 |
CN110343984A (zh) * | 2019-06-05 | 2019-10-18 | 广州Jfe钢板有限公司 | 一种锌铁合金连续热镀锌钢板生产工艺 |
-
1999
- 1999-03-26 JP JP11084146A patent/JP2000273611A/ja active Pending
Cited By (4)
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