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JP2000272512A - 車両用構体 - Google Patents

車両用構体

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Publication number
JP2000272512A
JP2000272512A JP11078871A JP7887199A JP2000272512A JP 2000272512 A JP2000272512 A JP 2000272512A JP 11078871 A JP11078871 A JP 11078871A JP 7887199 A JP7887199 A JP 7887199A JP 2000272512 A JP2000272512 A JP 2000272512A
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JP
Japan
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vehicle
plate
plates
welding
joint
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JP11078871A
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English (en)
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Shinichi Okada
真一 岡田
Makoto Ogawara
誠 小河原
Shunji Takahashi
俊二 高橋
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
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Publication of JP2000272512A publication Critical patent/JP2000272512A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T30/00Transportation of goods or passengers via railways, e.g. energy recovery or reducing air resistance

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空の板を使用する車両用構体の製造を、従
来よりも簡単にして低コスト化をはかる。 【解決手段】 内外にスキンを有し間に中空部を含む板
10が当該中空部の延伸方向を車両1の前後方向に向け
て配列されることにより屋根2と側3、台枠5が構成さ
れた車両用構体において、車両1(1台分)の全長に満
たない長さをもつ上記の板10(10A・10B)を車
両1の前後方向に連結することにより当該屋根2と側
3、台枠5を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、鉄道車
両やバスなどの車両のための構体(車体構造)に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両等の構体は、近年、中空の断面
を有する板(中空板)によるモノコック構造として構成
されることがある。中空部をはさんで内外にスキン(内
皮・外皮)を有する高剛性の板を使用しながら、フレー
ムと呼ばれる骨の部材を使用せずに、車両の側(側壁)
や屋根または台枠(床)を構成するのである。
【0003】モノコック構造の構体は、骨と外皮とから
なるいわゆるフレーム方式の場合とは違って、外からの
力を構体全体で受け止めることになる。フレーム方式と
比べて構成部材の数を減らすことができ、そのために短
い期間で組み立てることも可能になるという利点があ
る。上記のように内外にスキンを有する板を使用する場
合には、遮音効果や断熱効果が高いなどというメリット
もある。
【0004】内外にスキンを有する上記のような中空の
板(たとえば図2に示すダブルスキン・トラス構造など
と呼ばれるもの)は、一般に、アルミニウム等を材料と
する押出し加工等によって製造される。そのような加工
により、厚さ50mm程度・幅500mm程度・長さ2
5m程度の中空板を製造し、その長さ方向(中空部が延
伸する方向。加工時の押出し方向)を車両の前後方向
(長さ方向・進行方向)に向けるとともに、隣接する複
数の板を幅方向に接合して、車両の側、屋根または台枠
等を構成する。25m程度という長さは、板をそのまま
使用して車両の全長をカバーできるように定めたもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような板による
モノコック構造として車両用構体を構成する場合、必要
とする部材の数や組立期間、遮音性・断熱性等について
利点があるとはいえ、コストの面では必ずしも有利では
ない。中空部をはさんで内外にスキンを有する板は、各
スキン等を溶接で一体化する場合はもちろん、アルミ等
の押出し加工によっても容易には製造できないからであ
る。とくに、15mを超える長い板については、製造が
難しいためにかなりのコストがかかる。
【0006】そのほか、そのような長い板は、車両用構
体として組み立てる前の取扱いも容易ではない。厚さや
幅に比較してかなり長いために剛性が低く、したがっ
て、組み立ての前に変形(曲げやねじり等)させてしま
うことのないように運搬や支持の際に細心の配慮が必要
だからである。変形を起こすことのない取扱いをするた
めには、手間もかかりコストも必要になる。
【0007】請求項に係る発明は、中空の板を使用する
上記のような車両用構体の製造を、従来よりも簡単にし
て低コスト化をはかろうというものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の車両用
構体は、内外にスキンを有し間に中空部を含む板(つま
り上記の中空板)が当該中空部の延伸方向を車両の前後
方向に向けて配列されることにより側(側壁)、屋根ま
たは台枠(床)が構成された車両用構体において、車両
(1台分)の全長に満たない長さをもつ上記の板を車両
の前後方向に連結することにより、当該(つまり上記の
ような中空板による)側、屋根または台枠を構成したこ
とを特徴とする。
【0009】この車両用構体は、車両の前後方向に中空
の板を連結することによって車両の側や屋根、台枠を構
成するものであるから、構体とする前の板として、車両
の全長以上に長いものを製造しておく必要がない。車両
用構体に使用する上記のような中空の板は、押出し加工
によるアルミニウムまたはアルミ合金製の形材として製
造するのが現在の技術水準では一般的だが、必要な板の
長さを短くすることができると、それを製造する押出し
加工そのものが容易になり低コストで行える。押出し加
工については、製品の長さが短いと、材料の延性や変形
抵抗と密接に関係する温度の維持が容易になるうえ、押
出し中の材料とダイス等との間の摩擦・潤滑状態を一定
に保ちやすいことなどから、加工の困難さが大幅に緩和
されるのである。
【0010】車両の全長よりも短い板を使用すると、そ
れを車両の前後方向に連結することが必要になるが、上
記のとおり短い板を押出し加工すれば足りる点からは、
その連結に要する手間やコストの増大を上回るメリット
が得られる。連結の位置や数によっては板の製造長さを
かなり短くすることができ、その長さによっては、板の
大幅なコストダウンを実現できるほか、従来なら適用不
能だった材料で構体用の中空の板を製造できる可能性も
生じるからである。長さが短くなると、素材としての板
は剛性が高くなるため、組み立て前の運搬や支持等に特
別な手間やコストをかけなくてもその板に不都合な変形
が生じ難くなる、という利点もある。なお、構体の機械
的強度についても、連結の形態や連結位置等を適宜に設
定することによって十分に満たされ得る。
【0011】請求項2に記載の車両用構体は、とくに、
車両の前後方向への上記の板の連結を、同方向における
車両の中程付近の一箇所で、同方向での位置の異なる複
数箇所を櫛歯状に結ぶ線に沿った溶接により行ったこと
を特徴とする。
【0012】構体とする上記の板について前後方向への
連結をこのように行うと、上述のように、連結に要する
負担を上回る大きなメリットを得ることができる。その
理由の第一は、板の連結を車両の中程付近で行うため、
素材とする板としては車両の全長の半分程度の長さのも
ののみを製造すれば足りる点にある。アルミニウム等の
押出し加工により押出し形材として中空の板を得るとす
ると、車両全長の半分程度(すなわち長さ十数メート
ル)の板は、車両の全長に及ぶ25m前後の長さを有す
るものよりもはるかに簡単に製造され、製造コストが大
幅に低減されるのである。そのような短い板なら、アル
ミニウム系以外の金属を素材とする押出し加工によって
製造できる可能性も生じる。理由の第二は、板の連結
を、車両の中程付近のわずか一箇所において行う点にあ
る。一箇所のみで連結を行うなら、連結のために必要と
なる溶接や仕上げ等の作業量が最小限で済み、製造期間
やコストの増加を抑え得るからである。理由の第三とし
ては、連結にともなって構体の機械的強度が低下するこ
とも防止される点があげられる。板の連結を、前後方向
位置の異なる複数箇所を櫛歯状に結ぶ線に沿った溶接に
より行うからである。車両の前後方向と直交する一本の
直線に沿って溶接するなら、外力等によって生じる応力
がその直線上に集中する可能性があるが、上記のとおり
櫛歯状の線に沿って溶接しているのであれば、応力が集
中することも、微小なクラックが大きく成長することも
効果的に防止される。
【0013】請求項3に記載の車両用構体は、車両の前
後方向への上記の板の連結を、たとえば図5(a)また
は(b)のように、内外それぞれのスキン同士を突き合
わせ溶接し、または内外それぞれのスキン同士を板状の
継手を介して溶接することにより行うことを特徴とす
る。
【0014】スキン同士をこのように溶接すると、上記
の板同士を強固に連結して、十分な機械的強度を構体に
付与することができる。継手を使用しないか、使用して
も板状の継手を使用するのみであるため、連結のために
構体の重量が増すことはほとんどない。また、溶接の形
態や実施方法、さらには継手の使用位置などを適切に選
定すれば、低コストで容易に、しかも車両の外観を低下
させないように連結することも可能である。
【0015】請求項4に記載の車両用構体は、車両の前
後方向への上記の板の連結を、とくに継手を介した溶接
によってなし、当該継手として、たとえば図3または図
4の各継手20・30・40・50のように、連結部分
の前後の板における外側スキンの内面(内向き面つまり
車内側の面)に接するフランジ部分と、内側スキンの内
面(内向き面)または外面(外向き面つまり車外側の
面)に接するフランジ部分と、それらのフランジ部分の
間をつなぐウェブ部分とを有し、車両の幅または高さの
方向(つまり前後方向と直交する方向)に延びた形材
(横断面の概略形状がH形・I形・C形(溝形)等の金
属材)を使用したことを特徴とする。
【0016】このような継手を用いる溶接によって板同
士の連結を行うなら、その連結は少ない作業量で簡単に
行え、ひいては車両用構体を低コストで構成できること
になる。その理由はつぎのとおりである。第一に、同一
の断面形状をもつ板同士を連結するうえでは、継手を介
して行う溶接の方が、継手を介さない溶接よりも簡単に
行える。車両用構体に使用する板は内外の各スキンの厚
さが5mm以下であるが、そのような薄い部材同士を同
一面内でつなぐように溶接するには、継手を使用するの
が効果的だからである。継手や裏あて金などを用いるこ
となく直接に各部材を突き合わせて溶接するとすれば、
一般的なアーク溶接等では容易でないため特殊な溶接手
段を使用する必要が生じてしまう。第二に、上記のよう
な継手を使用することによって、連結部分での前後の板
の位置ぎめが容易になる。双方の板を相互間の位置がず
れないように保持するのが難しい一般的な突き合わせ溶
接の場合とは違って、継手を用いる場合には、一方の板
に当該継手を溶接した時点から、その継手を利用して
(つまりその継手に他方の板を添えるかたちで)他方の
板の位置ぎめを行えるからである。板の間の位置ぎめが
容易だと、手間をかけずに正しい位置関係に板同士を連
結することが可能になる。第三に、継手の入手が容易で
ある。上記のように二つのフランジ部分とその間のウェ
ブ部分とを連続的に有する形材は、市販品を使用するに
しても押出し加工等によって製造するにしても、大した
コストをかけずに簡単に入手できるからである。
【0017】また、継手を上記のように使用して中空板
を連結するのは車両の外観の点でも好ましい。上記継手
のうち一方のフランジ部分は、連結部分の前後の板にお
ける外側スキンの内向き面に接するものであり、そのス
キンの外向き面に接して当該外向き面上に段差を生じさ
せるというものではないからである。外側スキンの外向
き面は車両の外側に露出する面であって車両の外観に直
結するため、その面上に段差を生じないことは、溶接後
の仕上げを簡単なものにしながらも車両の外観を損なわ
ない、という点で大きな意義をもつ。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜図3に、発明の実施につい
ての一形態を紹介する。図1は客室車両1の全体図で、
同(a)は平面図、同(b)は側面図、また同(c)
は、台枠5・6を示す平面図であって図2(a)におけ
るI−I矢視図である。図2はその車両1の横断面図で
あり、同(a)の左半分は図1(a)におけるL−L断
面図(車両の中程付近でのもの)で右半分は図1(a)
におけるR−R断面図(車両の端部付近でのもの)、ま
た図2(b)は、同(a)におけるb部詳細図であって
中空の板10の詳細を示す横断面図である。そして図3
は、図1の各図におけるIII−III断面図で、上記の板1
0の連結部分10Cについて詳細を示す縦断面図であ
る。
【0019】新幹線の客室車両である車両1は、図1お
よび図2のように、屋根2と側(側壁)3・台枠(床)
5および6などの構体によって車体が構成されている。
図1(b)のように、側3のうちには窓4Aと乗降口4
Bが複数設けられ、台枠5・6の下には車輪8やその支
持装置(図示せず)、駆動装置(同)などが配置されて
いる。客室車両であるから、車両1の構体の内側には複
数の座席(図示せず)等が設けられる。
【0020】この客室車両1では、図2のように、屋根
2や側3、台枠5・6といった構体を、ダブルスキン・
トラス構造と呼ばれる中空の板10(板10のうちには
種々の形状・寸法のものを含む)を使用したモノコック
構造によって構成している。これらの板10はアルミニ
ウム合金を押出し加工して形成した押出し形材であっ
て、横断面のうちに図のように三角形を含むトラス構造
に似た形状を有し、その形状を押出し方向(長さ方向、
つまり中空部の延伸方向)に連続させたものである。そ
してその方向を車両1の長手方向(前後方向)に向けて
いる。
【0021】図2(b)に示す側3を例にとって当該板
10の構造を説明すると、板10の横断面のうちには、
外皮(外側スキン)11と内皮(内側スキン)12およ
び斜材13が一体化され、それらによって中間の中空部
が三角柱状の複数の小空間14に仕切られている。横断
面における板10の寸法は、使用部分によって多少の相
違はあるものの、厚さ(外皮11の外向き面から内皮1
2の内向き面までの寸法)が50〜100mm、幅が4
00〜600mmである。外皮11・内皮12・斜材1
3の厚みは2〜4mmである。板10の幅方向、つまり
車両1の周囲に沿った方向(車両1の幅または高さ方
向)への板10同士の接合は、各板10の幅方向の各端
部に、接合用の突起対10xおよび10y(突起10y
の間に突起10xが差し込まれ得る)をそれぞれ交互に
形成しておき、それらを差し込み合わせたうえ溶接する
ことにより行っている。屋根2や台枠5・6について
も、板10の概略の構成と幅方向への接合は図2(b)
と同様である。
【0022】この客室車両1では、図1(a)〜(c)
のように、屋根2、側3および台枠5としての板10の
それぞれを、1台の車両1の全長に満たない長さの板1
0A・10Bを車両1の長手方向に溶接にて連結するこ
とにより構成している。板10A・10B間の各連結部
分10Cは、窓4Aと乗降口4Bにより板10が分断さ
れる側3の一部を除いて、屋根2、側3および台枠5の
いずれにおいても車両1の長手方向中程付近の一箇所に
設けている。つまり、車両1の全長に及ぶ板10の各本
は、各一箇所の連結部分10Cにおいて前後に連結する
ことにより一本の連続体としたことになる。それら連結
部分10Cは、車両1の長手方向位置の異なる複数箇所
(図1のように屋根2・台枠5については3箇所、側3
については2箇所)に設け、隣接する板10との間で幅
方向へは連結部分10Cが連続しないようにした。した
がって車両1の中程付近には、車両1の長手方向位置の
異なる複数箇所を櫛歯状(ジグザグ)に結ぶように各板
10間の溶接のための線が存在している。
【0023】屋根2、側3および台枠5の各板10を上
記のように連結することにより構成すると、車両1の全
長に及ぶ25m近い長さの板10を素材とする必要はな
く、その半分程度の長さの板10を素材にして当該構体
を構成することができる。中空部を有するダブルスキン
・トラス構造の板10をアルミ合金の押出し加工によっ
て製造する場合、その長さが15mを超えると製造コス
トが格段に高くなることから、板10の必要長さをこの
ように短縮できると、板10、ひいては車両1の製造コ
ストを大幅に短縮することができる。同時に、構体とし
て組み立てる前の板10の運搬や支持等に要する手間や
コストが軽減でき、保管場所も容易に確保できる。板1
0のそれぞれについて連結部分Cが一箇所であるから、
連結に要する手間やコストの上昇もわずかで、上記した
押出し加工上のコストダウン幅を上回ることはない。な
お、複数箇所を櫛歯状に結ぶ溶接によって各板10間の
連結をなしているため、連結にともなう構体の機械的強
度の低下はほとんどない。
【0024】連結部分10Cにおける板10同士(板1
0A・10B間。長さ方向)の連結は、図3に示す継手
20を介した溶接により行っている。継手20は、両端
(図の上下)にフランジ21・22を有するとともにそ
れらの間をウェブ23でつないだ概ねH形(フランジ2
1・22の幅が等しくないものでT形に近い)の横断面
を有し、板10の長さ方向とは直交する方向(図3の紙
面と直角な方向)に板10の幅に等しい長さだけ延びた
形材である。この例では、かかる断面を有する継手20
を、板10と同様にアルミ合金の押出し加工によって製
造し、適当な長さに切断して使用している。この継手2
0のうちフランジ21は、両側の縁部21aと中間部2
1bとの間に段差を設けたもので、連結部分Cをはさむ
前後の板10A・10Bにおける外皮11の内向き面に
各縁部21aを接触させるとき、間にある中間部21b
の外側面が外皮11の外向き面の延長面上に位置し、か
つ中間部21bと各外皮11の端部との間にレ形の溶接
開先を構成する。一方のフランジ22は平坦な形状のも
ので、フランジ21の位置を上記のように定めるときフ
ランジ22の外側面が板10A・10Bの各内皮12の
外向き面(車外に向いた面)に接し、内皮12間にI形
開先を構成するとともにフランジ22がその溶接のため
の裏あて金となる。上記のレ形開先においてフランジ2
1と各外皮11との間に溶接24(黒塗り部分は溶接ビ
ードを示す。以下も同様)を施し、I形開先においてフ
ランジ22と両内皮12との間に溶接25を行うと、板
10A・10B間は連結部分10Cでしっかりと連結さ
れることになる。なお、図中の符号19は、板10A・
10Bの間に継手20を配置するために斜材13等を切
り欠いてできた空間である。
【0025】外皮11や内皮12の厚みが数mmである
ことから、板10A・10B間は、継手20を用いてで
きる上記のような各開先において行う溶接24・25に
より連結するのが有利である。そのような薄い板を一般
の突き合わせ溶接によって連結するのは容易でないが、
上記のような開先を形成したうえで行う場合には、通常
のアーク溶接によって連結が可能だからである。また、
板10A・10Bのうち一方に継手20を溶接したのち
は、その継手20の一部に接触させることにより他方の
板(板10Aまたは10B)の位置ぎめを行えて、適正
な位置に当該板の溶接を行えるからでもある。継手20
のうちフランジ21は、図3のように板10A・10B
の外皮11の内向き面に接するとともにその外向き面の
延長面上に位置するため、溶接24を実施したのちはそ
のビードの外面を平らにするという簡単な仕上げを施す
だけで、車両1の表面を滑らかにしてその外観を向上さ
せ得る、というのも、継手20を使用する上記の溶接が
好ましい理由である。
【0026】板10A・10B間の連結は、たとえば図
5(a)または同(b)のような連結部分10Cによっ
て行うことも可能である。すなわち、車両1の表面に露
出する外皮11同士の連結についてはI形の突き合わせ
溶接64・74により行い、内皮12同士の連結は、I
形突き合わせ溶接75(図5(b))、または板状継手
60を内向き面(車内に向いた面)に用いた隅肉溶接6
5(図5(a))によって行うことである。しかし、外
皮11・内皮12の厚さが数mmと薄いため、I形の突
き合わせ溶接64・74・75を行うためには、フォイ
ルを用いるシーム溶接などを行う必要がある。図中の空
間19は、シーム溶接機(図示せず)の電極を挿入する
ために斜材13を切り欠いたものである。
【0027】連結部分10Cには、図3に示した継手2
0に代えて図4の継手30・40・50を使用するのも
よい。いずれの継手も、連結部分10Cの前後の板10
A・10Bにおける外皮11の内向き面に接するフラン
ジ部分と、内皮12の外向き面または内向き面に接する
フランジ部分と、それらのフランジ部分の間をつなぐウ
ェブ部分とを有していて横断面が概略H形ないしI形・
T形、またはC形(コ形)をした形材からなる。各形材
は、板10の長さ方向と直交する方向(つまり車両1の
幅または高さの方向)に延びたもので、やはりアルミ合
金の押出し加工により製造している。
【0028】図4(a)に示す継手30は、両端のフラ
ンジ31・32をウェブ33に関して対称的に形成した
断面H形のもので、図3の継手20におけるフランジ2
1と同様に各フランジ31・32の外側の面に段差を形
成している。つまり、フランジ31上の段差は、外皮1
1の内向き面に縁部が接するとともに当該外皮11の外
向き面の延長面上に中間部が位置するように形成し、フ
ランジ31上の段差もそれと対称に設けている。各フラ
ンジ31・32を外皮11の内向き面と内皮12の外向
き面とに接触させて図のように継手30を配置したと
き、各フランジ31・32と外皮11または内皮12と
の間にレ形の溶接開先が構成され、各開先に溶接34・
35を施すことによって板10A・10B間の連結を行
える。
【0029】図4(b)の継手40は断面がC形(コの
字形状)の形材であって、やはり両端のフランジ41・
42をウェブ43にてつないだ断面形状を有する。各フ
ランジ41・42を外皮11の内向き面と内皮12の外
向き面とに接触させて継手40を配置したとき、フラン
ジ41・42のそれぞれが、外皮11間および内皮12
間のI形溶接44・45のための裏あて金となる。
【0030】図4(c)の継手50は、断面がT形に近
い非対称のH形になった形材からなり、やはり両端のフ
ランジ51・52とその間のウェブ53とからなる。フ
ランジ51を外皮11の内向き面に接触させるととも
に、フランジ52を内皮12の内向き面(車内を向いた
面)に接触させる。そして、フランジ51を裏あて金に
して外皮11の端部同士のI形溶接54を行い、フラン
ジ52の縁部と内皮12の内向き面との間に隅肉溶接5
5を行うことにより、板10A・10B間を連結する。
【0031】以上、実施の形態を紹介したが、発明の実
施がこれらに限るものでないことは言うまでもない。た
とえば、中空の板が、横断面内に三角形状の小空間を有
する図示のダブルスキン・トラス構造のものでなくて
も、発明を実施することは可能である。また、屋根2と
側3、および台枠5のすべてではなくそれら構体のうち
いずれかの部分を、発明にしたがって上記のように中空
板の連結構造として構成することもできる。そのほか、
バス等、鉄道車両以外の車両において上述のような構体
を実施するなど、種々形態での実施が可能である。
【0032】
【発明の効果】請求項1に記載した車両用構体は、車両
の全長以上の長さを有する中空の板を構成用の素材とす
る必要がない。したがって当該中空の板を、押出し加工
等によって低コストで容易に製造し構体の素材とするこ
とができる、従来は不可能だった材料で製造できる可能
性も生じる、組み立ての前に特別な手間やコストをかけ
ず運搬等することができる−という利点がある。
【0033】請求項2に記載の車両用構体なら、上記の
利点が顕著になり、とくに大きなメリットがもたらされ
る。素材とする板として車両の全長の半分程度の長さの
もののみを製造すれば足りること、その板の連結作業を
一車両のうちのわずか一箇所において行うにすぎないこ
と、構体の機械的強度の低下もほとんどないこと−が
その理由である。
【0034】請求項3の車両用構体なら、ほとんど重量
を増すことなく、板同士を強固に連結して構体に十分な
機械的強度を付与することが可能である。
【0035】請求項4の車両用構体は、特有の継手を用
いる溶接によって板同士の連結を行うので、少ない作業
量による簡単な連結が可能になり、車両用構体が低コス
ト化する。これは、溶接による薄板同士の連結は継手を
介して行うのが容易であること、その継手を使用するこ
とにより手間をかけずに正しく位置ぎめして板同士を連
結できること、使用する継手は低コストで簡単に入手で
きること−に基づく利点である。車両の外側の面上に
段差を生じないので、溶接後の仕上げを簡単化しながら
車両の外観を良くすることができる、という利点もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、客室車両1の全体図であって、発明の
実施について一形態を示すものである。図1(a)は平
面図、同(b)は側面図、また同(c)は、台枠5・6
を示す平面図であって図2(a)におけるI−I矢視図
である。
【図2】図2は図1の車両1の横断面図であり、図2
(a)の左半分は図1(a)におけるL−L断面図(車
両の中程付近でのもの)で、右半分は図1(a)におけ
るR−R断面図(車両の端部付近でのもの)である。ま
た図2(b)は、同(a)におけるb部詳細図であって
中空の板10の詳細を示す横断面図である。
【図3】図3は、図1の各図におけるIII−III断面図
で、継手20による板10の連結部分10Cについて詳
細を示す縦断面図である。
【図4】図4(a)〜(c)の各図は、図3に示した継
手20に代えて連結部分10Cに使用できる継手30・
40・50を示す縦断面図である。
【図5】図5は、板10の連結部分10Cに使用できる
他の(図3・図4以外の)形態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 車両(客室車両) 2 屋根 3 壁 5・6 台枠 10・10A・10B (中空部を含む)板 10C 連結部分 11 外皮(外側スキン) 12 内皮(内側スキン) 14 中空部 20・30・40・50 継手
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月24日(2000.3.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の車両用
構体は、内外にスキンを有し間に中空部を含む押出し加
工にてなる板(つまり上記の中空板)が当該中空部の延
伸方向を車両の前後方向に向けて配列されることにより
側(側壁)、屋根または台枠(床)が構成された車両用
構体において、車両(1台分)の全長に満たない長さを
もつ上記の板を車両の前後方向に連結することにより、
当該(つまり上記のような中空板による)側、屋根また
は台枠を構成したことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】この車両用構体は、車両の前後方向に中空
の板を連結することによって車両の側や屋根、台枠を構
成するものであるから、構体とする前の板として、車両
の全長以上に長いものを製造しておく必要がない。車両
用構体に使用する上記のような中空の板は、押出し加工
による形材として製造するが、必要な板の長さを短くす
ることができると、それを製造する押出し加工そのもの
が容易になり低コストで行える。押出し加工について
は、製品の長さが短いと、材料の延性や変形抵抗と密接
に関係する温度の維持が容易になるうえ、押出し中の材
料とダイス等との間の摩擦・潤滑状態を一定に保ちやす
いことなどから、加工の困難さが大幅に緩和されるので
ある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】請求項4に記載の車両用構体は、車両の前
後方向への上記の板の連結を、とくに継手を介した、突
き合わせ溶接以外の溶接によってなし、当該継手とし
て、たとえば図3または図4の各継手20・30・40
・50のように、連結部分の前後の板における外側スキ
ンの内面(内向き面つまり車内側の面)に接するフラン
ジ部分と、内側スキンの内面(内向き面)または外面
(外向き面つまり車外側の面)に接するフランジ部分
と、それらのフランジ部分の間をつなぐウェブ部分とを
有し、車両の幅または高さの方向(つまり前後方向と直
交する方向)に延びた形材(横断面の概略形状がH形・
I形・C形(溝形)等の金属材)を使用したことを特徴
とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【発明の効果】請求項1に記載した車両用構体は、車両
の全長以上の長さを有する中空の板を構成用の素材とす
る必要がない。したがって当該中空の板を、押出し加工
によって低コストで容易に製造し構体の素材とすること
ができる、従来は不可能だった材料で製造できる可能性
も生じる、組み立ての前に特別な手間やコストをかけず
運搬等することができる−という利点がある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】請求項4の車両用構体は、特有の継手を用
いる溶接によって板同士の連結を行うので、少ない作業
量による簡単な連結が可能になり、車両用構体が低コス
ト化する。これは、溶接による薄板同士の連結は継手を
介し、突き合わせ溶接以外の溶接によって行うのが容易
であること、その継手を使用することにより手間をかけ
ずに正しく位置ぎめして板同士を連結できること、使用
する継手は低コストで簡単に入手できること−に基づ
く利点である。車両の外側の面上に段差を生じないの
で、溶接後の仕上げを簡単化しながら車両の外観を良く
することができる、という利点もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 俊二 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外にスキンを有し間に中空部を含む板
    が当該中空部の延伸方向を車両の前後方向に向けて配列
    されることにより側、屋根または台枠が構成された車両
    用構体であって、 車両の全長に満たない長さの上記の板が車両の前後方向
    に連結されることにより、当該側、屋根または台枠が構
    成されていることを特徴とする車両用構体。
  2. 【請求項2】 車両の前後方向への上記の板の連結が、
    同方向における車両の中程付近の一箇所で、同方向での
    位置の異なる複数箇所を櫛歯状に結ぶ線に沿った溶接に
    よってなされていることを特徴とする請求項1に記載の
    車両用構体。
  3. 【請求項3】 車両の前後方向への上記の板の連結が、
    内外それぞれのスキン同士を突き合わせ溶接し、または
    内外それぞれのスキン同士を板状の継手を介し溶接する
    ことによってなされていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の車両用構体。
  4. 【請求項4】 車両の前後方向への上記の板の連結が、
    継手を介した溶接によってなされ、 当該継手として、連結部分の前後の板における外側スキ
    ンの内面に接するフランジ部分と、内側スキンの内面ま
    たは外面に接するフランジ部分と、それらのフランジ部
    分の間をつなぐウェブ部分とを有し、車両の幅または高
    さの方向に延びた形材が使用されていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の車両用構体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020117092A (ja) * 2019-01-24 2020-08-06 近畿車輌株式会社 鉄道車両の床構造およびその製造方法

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