JP2000271253A - ゴルフパターヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】各種のパターヘッド構成母材を削り出し、
コンピュター制御の切削或いは鋳造、鍛造等によってパ
ターヘッド本体１を一体成形する。フエース３の後方に
若干の間隔を在してパターヘッド１本体のソール面４よ
り上方に繋けて開口内周面が徐々に小径に窄ませて形成
した円形のボール嵌着孔５を形成する。 【効果】打球されたボールがパターのスイートスッポッ
トから離れたパターヘッドのフエースのスッポットで打
たれた時に、パターヘッドの捩じれに対抗修正できる効
果を持たせたゴルフパターヘッドを提供する

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ゴルフパターの
改良に関するもので、更に詳しくは、グリーンに於いて
ホールインしたボールをストロークした立ったままの姿
勢でホール内からボールを拾い上げることができると共
にパターヘッドのバランス調整機能も具えたゴルフパタ
ーヘッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、一般的に使用されているゴルフパ
ターは、グリップを有するシャフトと、ソール面及びフ
エース面を有するヘッド本体とを前記シャフトの下端部
に直接或いは、ピン型パターで代表されるような特殊な
屈曲を形成したホーゼルを介して連結固定した構造にな
っている。

【０００３】通常ホールインしたボールを拾い上げるに
は、腰を屈めると同時に、俯いた状態で腕を下方に伸ば
し、指先でホール内からボールを取り出す人的操作を余
儀なくしなければならなかった。ゴルフプレー中に於い
て最もプレーヤーの体に緊張感の重圧を与え、グリーン
上でパット時にプレーヤーが脳卒中や心筋梗塞で倒れる
事故は多々あるといわれている。これはパット中に急激
な血圧の上昇が要因になっている。例えば、パットのア
ドレスの時、極度の緊張状態の姿勢で俯いた時には通常
のプレー時における血圧値の変動は、およそ約１．５倍
にも血圧が高くなるとの実測報告もある。健康な人の脈
拍は一分間平均７０程度であるが、プレー中の脈拍は９
０〜１１０以上にも達し、パット時には更に高くなると
いわれている。特にこの緊張状態のままでホールに入っ
たボールを俯いて拾い上げようとして、頭を下げた時の
血圧の上昇率は想像を絶するくらい高く、普段から血圧
の高い人の場合などは、その危険度は最高になるとの報
告がある。また、プレーヤーが体に欠陥がある時、例え
ば腰部捻挫（ギックリ腰）、足関節等の障害，その他の
傷害事故等で屈む動作が不自由な場合も多々存在してい
た。

【０００４】そこで、前記した動作、即ちパッテング後
立ったままの姿勢でホール内からボールを拾い上げる目
的で種々の器具が提案されている。これらの多くはパタ
ーのグリップエンドにボール取出機構（拾い上げ機構）
を設けている。例えば、「ボール回収装置兼ゴルフクラ
ブ」（特公昭４５−１２３３０）、「パター」（実開昭
５０−７３５７６）、「ゴルフクラブの拾握構造」（実
開昭５４−８９９６８）、「ゴルフ用具」（実開昭６０
−６３３７２）、「ゴルフボール拾い上げ具」（実開昭
６３−１６０８６５）、「ゴルフパター」（実開昭）が
あるが、構造的に実際のパッテング時には邪魔になり、
またルール上も問題があり、あまり使用されていない。
またこのボール拾い機構をパターのヘッドに取り付けた
り組み込んだりしたものも提案されているが、構造や機
能上問題があり事実上使用されていない。例えば、この
種のものとして、パターへツドの後方部に横方向に凹型
の窪みを設け、その両端をやや上方向に湾曲させこの凹
部によってボールを拾い上げるようにしたものがある。
しかしこの種のパターは、横方向に窪みをその後方部に
形成する凹部としている構造から、ホールインしたボー
ルを拾い上げるには、直径１０８ミリメートルにして深
さ１００ミリメートル以上とされる等の規則に基づくホ
ール形状の為、長手方向に伸廷する形状のパターヘッド
における長さの関係上、前記ホール内のボールを拾い上
げるのは、なかなか困難であり、且つ、前記凹部にボー
ルを乗せ得たとしても、ボールはこの凹部内で安定性を
欠き、本来の目的達成には相当の熟練を要し実用性を欠
いていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明はパ
ッテングの立ったままの姿勢で、しかもパッテングに使
用したパターヘッドを利用してホール内から簡単且つ極
めて容易に確実にボールを拾い上げ得るパターの開発に
成功した。そして更に、副次的に工学的乃至科学原理に
基づきパター設計に取り入れられている、いわゆる「ヒ
ール・トウ・バランス設計」の原理を活用し、パターヘ
ッドのヒールとトウにバランス調整機能を付設し、これ
によって慣性モーメントが増大し、その結果として、打
球されたボールがパターのスイートスッポットから離れ
たパターヘッドのフエースのスッポットで打たれた時
に、パターヘッドの捩じれに対抗修正できる効果を持た
せたゴルフパターヘッドを提供する点にある。

【０００６】

【課題を解決する為の手段】上述の目的を達成する為、
この発明の第一の手段は、各種のパターヘッド構成母材
を削り出し、コンピュター制御の切削或いは鋳造、鍛造
等によってパターヘッド本体を一体成形し、フエースの
後方に若干の間隔を在してパターヘッド本体のソール面
より上方に繋けて開口内周面が徐々に小径に窄ませて形
成した円形のボール嵌着孔を形成したものである。

【０００７】第二の手段は、各種のパターヘッド構成母
材を削り出し、コンピューター制御の切削或いは鋳造、
鍛造等によってパター本体を一体成形し、この本体の両
側部がパターヘッド本体のフエースに対して直角方向に
膨出し、この膨出し部分にパターヘッド本体のソール面
より上方に繋けて開口内周面が徐々に小径に窄ませて円
形のボール嵌着孔を形成し、その囲繞枠の背面部位に切
欠部を設けたものである。

【０００８】第三の手段は、前記パターヘッド本体のト
ウ側面及びヒール側面にバランス調整部を配設したもの
である。

【０００９】第四の手段は、前記ボール嵌着孔の内周面
の複数部分がゴルフボールの外周面に接触嵌着するよう
に多角形の内面に形成したものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて添付図面を参照して説明する。図に於いて符号１は
ゴルフパターヘッド構成母材として一般的に実施されて
いる金属素材で構成され、金属加工の常法手段による削
り出し、或いはコンピューター制御の切削装置、又は鋳
造或いは鍛造加工により一体に製作されたパターヘッド
本体であって、三次元曲面を有する周面外形状に形成す
ると共に、上から見て略Ｄ型の投影形状を有する（通常
マレット型パターヘッドと称されている）。符号２は前
記パターヘッド本体１のフエース３の後方に若干の間隔
を置いて形成した円形のボール嵌着孔で、パターヘッド
本体１のソール４の表面よりパターヘッド本体１の上面
１ａ方向である上方に繋けて貫通穿設して形成してあ
り、ソール４の開口内週面の口径２ａはゴルフボールＢ
の径よりも、やや大径で上面１ａの口径２ｂに繋けて開
口内周面５は徐々に小径に窄ませて形成してある。

【００１１】符号６は前記パターヘッド本体１のフエー
ス３寄りのトウ側面及びヒール側面に設けたバランス調
整部で、パターヘッド本体１の側部表面より幾分凹まし
て形成し、このバランス調整部６には必要に応じて使用
者の選択した重量の調整部材７（一般的に使用されてい
る接着可能な鉛薄板テープ）を接着できるようになって
いる。

【００１２】符号８は前記パターヘッド本体１のトップ
ライン部９の上面に位置する部位に設けたシャフト取付
部で、製作手段の相違によって熔接固定或いはシャフト
Ｓの先端（ネックの先端部）を挿入接着固定の為の挿入
孔を穿つこともある。その為、このシャフト取付部８の
位置は、例えばトウ・ヒールバランス用であれば、ネッ
ク部を適宜グーズネックに折曲したものの取付位置、又
フエースバランス用であれば、ヘッドがシャフト軸を中
心に回転する動きをなくすように、シャフトの中心線の
延長上若しくは、その真後ろにヘッドの重心を配置する
取付位置、その他カウンターバランス用であれば、シャ
フトのグリップ側に重量を付加した位置に、更にバーチ
カルバランスであれば、シャフトの中心線の延長よりヒ
ール側にヘッドの重心を配置するように重心がシャフト
の中心線の延長上に位置する取付位置にそれぞれ対応し
て設定する。更に、多くのゴルフアーにセンターシャフ
トパターといわれ、代表されるアクシュネット型のとき
や上から見て大きな投影面積の大きな形状を有するＤ型
のマレットパター、また、比較的高度の技術がある人に
好まれるＬ字型パター等に適応してシャフト取付部８の
取付位置は決定する。

【００１３】図４に於いては、前記図１乃至図３と異な
る別の実施例が示されている。即ち、前記実施例と異な
る構成点は、パターヘッド本体１に貫通穿設した円形の
ボール嵌着孔２を囲繞する囲繞枠１０の背面部位に最適
間隔の切欠部１１を設けてある。この切欠部１１の間隔
距離は工学、科学原理に基づくパター設計理論とされる
「ヒール・トウ・バランス」効果を目的として設定して
あり、パターヘッド本体１のヒールとトウ間のフエース
３にヒッテイングポイントが集中させる為のものであ
る。従って構成上は前記第一実施例におけるパターヘッ
ド本体１の両側部がフエース４に対して直角方向に膨出
した囲繞枠１０が形成される。

【００１４】図５においては、前記実施例と異なるボー
ル嵌着孔１２の形態が示されている。前記実施例に於い
てボール嵌着孔２は平面に於いて円形状に形成したが、
この実施例では図面に示すように、８角形、６角形、４
角形、３角形等の多角形に形成してある。そして各々の
多角形状の各内辺面１３は、パターヘッド本体１のソー
ル４の表面よりパターヘッド本体１の上面１ａ方向であ
る上方に繋けて貫通穿設して形成してあり、ソール４の
各々の開口内辺面１３での口径１３ａはゴルフボールＢ
の径よりも、やや大径で上面１ａの口径１３ａに繋けて
開口内辺面１３は徐々に小径に窄ませて形成してある。

【００１５】前記した図面に示した実施例におけるパタ
ーヘッド本体の形状は、一般的にピン型で代表される
「ヒール・トウ・バランス型設計」のものを説明した
が、この発明に於いては、この実施例に限定することな
く例えば「フエース・バランス設計」と称している等し
いモーメントアームを有するパターの形状構造、また比
較的新らしい設計思想でフエース・バランス設計がスク
エアのフエースの向きを使用者の技術に委ねるのに対
し、それをパターに自動的にさせようとする「バーチカ
ルバランス設計」( ＶＥＲＴＩＣＡＬ，ＢＡＲＡＮＣ
Ｅ) の理論、即ちシャフトの中心線の延長上よりヒール
側にヘッドの重心を配置するようにしたパターの形状構
造に設計できることは勿論である。

【００１６】更に、この発明に係わるゴルフパターヘッ
ドは正規なゴルフ規則に則り、パターヘッド本体１のヒ
ールからトウまでの間隔は、フエース３から背面までの
間隔よりも長く形成されており公式競技に使用できるこ
とはいうまでもない。

【００１７】

【発明の効果】この発明に係わるゴルフパターヘッド
は、以上詳述したような構成を有し次のような効果を発
揮する。

【００１８】先ず、この発明に係るゴルフパターにつき
使用方法を説明すると、プレーヤーがパッテングしホー
ル内に収まったボールＢに対して、パッテングしたまま
の立った姿勢でパターヘッド本体１に設けたボール嵌着
孔２を上から軽く押圧気味に嵌め込む。この時、その円
球表面に形成された無数のディンプル（図示せず）間の
窪みを除いたボールＢの円球表面にボール嵌着孔２の開
口内周面５が密接的に囲着し、このボールＢはボール嵌
着孔２内に抜脱できぬ状態に捕獲される。即ちボールＢ
の円球表面はソール４の開口内周面の口径２ａがボール
Ｂの径よりも、やや大径で上面１ａの口径２ｂに繋けて
徐々に小径に窄ませて形成してあるから、ボールＢの有
する弾力性の為上から押圧気味の付与力とボールＢの弾
力による摩擦作用の相乗効果が発生し表面反応が作用し
て開口内周面５内にボールＢは確実に保持される。尚、
この際湿潤状態の雰囲気（グリーンが湿っている時等）
に於いては、ボールＢ表面には表面張力が効果的に働き
ボール保持はより確実になる。

【００１９】上述の操作によりボール嵌着孔２に保持さ
れた状態で、ゴルフパターをホール内から引き上げ、ボ
ールＢを上方から軽く触る程度で容易にボール嵌着孔２
からボールＢを抜出し取り出すことができる。

【００２０】更に、前記パター本体１のトウ側及びヒー
ル側面に設けたバランス調整部６には、プレーヤーの好
み、技術力に応じて必要重量の調整部材７接着すること
により自分の要求するバランス設計のパターヘッドを得
ることができる。例えばトウ・ヒールバランスのヘッド
を得たい時は、やや重目の調整部材７を装着し、その重
量をトウとヒールに配分すればよい。この時前記別の実
施例で説明したように、パターヘッド本体１のボール嵌
着孔２を囲繞する囲繞枠１０には切欠部１１を設けてあ
る為ヒール・トウ・バランス効果が相乗効果として顕著
に発揮される。同様にフエース・バランス、バーチカル
バランスのヘッドを得たい時は、それぞれの設計理論に
従って調整部材７の配位置を選択し好みのバランスのヘ
ッドを製作できると共に重心の低い低重心のヘッドを得
たい時は調整部材７をソール面に近い部位に装着すれば
よい。

【００２１】以上説明したようにこの発明によれば、パ
ッテングの立ったままの姿勢で、しかもプレーのパッテ
ングに使用したパターヘッドを利用してホール内から簡
単且つ確実、容易にボールを拾い上げることができると
共に更に副次的にプレーヤーの好みのバランス設計に調
整できるゴルフパターヘッドを提供できゴルフ愛好者に
とって有益な効果が期待できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るゴルフパターヘッドの全体を示
す一部を省略した斜視図。

【図２】この発明に係るゴルフパターヘッドの平面図。

【図３】この発明に係るゴルフパターの第２図Ａ―Ａ線
断面図。

【図４】この発明に係るゴルフパターの別の実施例を示
す平面図。

【図５】この発明に係るゴルフパターの別の実施例を示
す平面図。

【符号の説明】

Ｂ ゴルフボール Ｓ シャフト １ パターヘッド本体 ２ ボール嵌着孔 ３ フエース ４ ソール ５ ボール嵌着孔の開口内周面 ６ バランス調整部 ７ 調整部材 ８ シャフト取付部 ９ トップライン部 １０ ボール嵌着孔の囲繞枠 １１ 囲繞枠の切欠部 １２ 別の実施例のボール嵌着孔 １３ 別の実施例におけるボール嵌着孔の開口内辺面

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 各種のパターヘッド構成母材を削り出
   し、コンピューター制御の切削或いは鋳造、鍛造等によ
   ってパターヘッド本体を一体成形し、フエースの後方に
   若干の間隔を在してパターヘッド本体のソール面より上
   方に繋けて開口内周面が徐々に小径に窄ませて形成した
   円形のボール嵌着孔を形成したことを特徴とするゴルフ
   パターヘッド。
2. 【請求項２】 各種のパターヘッド構成母材を削り出
   し、コンピューター制御の切削或いは鋳造、鍛造等によ
   ってパターヘッド本体を一体成形し、この本体の両側部
   がパターヘッド本体のフエースに対して直角方向に膨出
   し、この膨出し部分にパターヘッド本体のソール面より
   上方に繋けて開口内周面が徐々に小径に窄ませて円形の
   ボール嵌着孔を形成し、その囲繞枠の背面部位に切欠部
   を設けたことを特徴とするゴルフパターヘッド。
3. 【請求項３】 前記パターヘッド本体のトウ側面及びヒ
   ール側面にバランス調整部を配設した請求項１及び２記
   載のゴルフパターヘッド。
4. 【請求項４】 前記ボール嵌着孔の内周面の複数部分が
   ゴルフボールの外周面に接触嵌着するように多角形の内
   面に形成した請求項１乃至３記載のゴルフパターヘッ
   ド。