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JP2000264859A - α−不飽和カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

α−不飽和カルボン酸エステルの製造方法

Info

Publication number
JP2000264859A
JP2000264859A JP7088199A JP7088199A JP2000264859A JP 2000264859 A JP2000264859 A JP 2000264859A JP 7088199 A JP7088199 A JP 7088199A JP 7088199 A JP7088199 A JP 7088199A JP 2000264859 A JP2000264859 A JP 2000264859A
Authority
JP
Japan
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producing
ammonia
hydrocyanic acid
methyl
acid
Prior art date
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Pending
Application number
JP7088199A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Kida
紘一 木田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication of JP2000264859A publication Critical patent/JP2000264859A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術の欠点を克服したα−不飽和カルボ
ン酸エステルの製造法を提供する。 【解決手段】 青酸とカルボニル化合物よりシアンヒド
リンを製造する工程1、シアンヒドリンを水和してα−
ヒドロキシイソ酪酸アミドを製造する工程2、α−ヒド
ロキシイソ酪酸アミドとアルコールよりα−ヒドロキシ
イソ酪酸エステルとアンモニアを製造する工程3、α−
ヒドロキシイソ酪酸エステルを脱水してα−不飽和カル
ボン酸エステルを製造する工程4、及び工程3で得られ
たアンモニアを用いて青酸を製造する工程5からなるα
−不飽和カルボン酸エステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、青酸とカルボニル
化合物とアルコールを原料とする新規なα−不飽和カル
ボン酸エステル製造法に関する。α−不飽和カルボン酸
エステルは、種々のポリマー原料として大量に使用され
ており、工業的に重要な中間原料である。
【0002】
【従来の技術】αー不飽和カルボン酸エステルの工業的
製造法としては、特にメタアクリル酸の製造法が代表的
である。青酸とアセトンを原料としてアセトンシアンヒ
ドリン(以後ACHと記載)を経由するACH法、そし
てこれを改良したACH新法、更にはイソブチレン又は
t−ブタノールを原料とするC4酸化法などが実用化さ
れている。その他、カルボン酸の酸化脱水素法、プロピ
オン酸やプロピオンアルデヒドとホルムアルデヒドとの
縮合脱水法、イソブチレシのアンモ酸化法など、多くの
方法が提案されている。
【0003】しかし、C4酸化法の場合には、多くの副
反応が起こりメタクリル酸メチルの収率が低いこと、精
製に費用が嵩むこと、複雑で高価な製造装置を必要とす
ることなどの不都合があり、更に又、原料のイソブチレ
ンやt−ブタノールの調達にも制約があるという難点も
ある。また、C4酸化法でメタクロレインの酸化とエス
テル化を同時に行うオキシエステル化法なる改良プロセ
スも提案されているが上記の基本的な問題の解決には至
っていないまた、メチルアセチレンに一酸化炭素を付加
するプロセスも発表されているが原料ソースが乏しく、
工業的な量を調達することは難しい。
【0004】一方、ACH法は、青酸とアセトンよりA
CHを合成し、過剰の濃硫酸の存在下にACHとメタノ
ールを反応させてメタクリル酸メチルを得る方法であ
り、反応が容易で収率も高く、現在も広く実施されてい
る。然るにこの方法では、大量の廃硫酸及び硫酸アンモ
ニウムの副生を伴い、これがメタクリル酸メチルの製造
コストを圧迫するという欠点がある。そこで、従来のA
CH法を改良して硫酸触媒を使用しない、すなわち硫安
を副生しない新ACH法が特開平1-290653 号公報にお
いて提案された。この方法は以下の5つの反応工程から
なっている。
【0005】即ち、 (1)青酸とカルボニル化合物よりアセトンシアンヒド
リンを製造する工程1、 HCN + CH3COCH3 → (CH3)2C(OH)CN (2)アセトンシアシヒドリンを水和してα−ヒドロキ
シイソ酪酸アミドを製造する工程2、 (CH3)2C(OH)CN + H2O → (CH3)2C(OH)CONH2 (3)α−ヒドロキシイソ酪酸アミドと蟻酸メチルを反
応させてα−ヒドロキシイソ酪酸メチルおよびホルムア
ミドを製造する工程3、 (CH3)2C(OH)CONH2 + HCOOCH3 → (CH3)2C(OH)COOCH3
+ HCONH2 (4)α−ヒドロキシイソ酪酸メチルを脱水してメタク
リル酸メチル製造する工程4及び、 (CH3)2C(OH)COOCH3 → CH2=C(CH3)COOCH3 + H2O (5)ホルムアミドの脱水反応により青酸を製造する工
程5、 HCONH2 → HCN + H2O からなり、工程5で得られた青酸を工程1の原料とする
メタクリル酸メチルの製造方法であり、各工程の収率が
高く、耐腐食性の材料も不要であり、青酸が再生産され
る優れたプロセスである。しかしながらこのACH新法
において、工程3は平衡反応であるため反応率が50%
程度と低く、未反応のα−ヒドロキシイソ酪酸アミドお
よび蟻酸メチルの分離、リサイクルのため、装置規模が
大きくなり、ユーティリティコストも高くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来技
術、特にシアンヒドリンを経由する製造方法の欠点を克
服した新規なα−不飽和カルボン酸エステルの製造方法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等はシアンヒド
リン経由法の上記の課題について、反応を変更し、さら
に各工程のつながりを合理的にすることにより、安価な
αー不飽和カルボン酸エステルの製造方法に到達するこ
とができた。すなわち、本発明は、(1)青酸とカルボ
ニル化合物よりシアンヒドリンを製造する工程1、
(2)工程1で得られたシアンヒドリンを水和してα−
ヒドロキシカルボン酸アミドを製造する工程2、(3)
工程2で得られたα−ヒドロキシカルボン酸アミドとア
ルコールよりα−ヒドロキシカルボン酸エステルとアン
モニアを製造する工程3、(4)工程3で得られたα−
ヒドロキシカルボン酸エステルを脱水してα−不飽和カ
ルボン酸エステルを製造する工程4、及び(5)工程3
で得られるアンモニアを用いて青酸を製造する工程5か
らなり、工程5で得られた青酸を工程1の原料とするα
ー不飽和カルボン酸エステルの製造方法である。また特
にアルコールとしてメタノールを用いた場合、以下の工
程で青酸を再生産するクローズドサイクルとなる。すな
わち(1)青酸とカルボニル化合物よりシアンヒドリン
を製造する工程1、(2)工程1で得られたシアンヒド
リンを水和してα−ヒドロキシカルボン酸アミドを製造
する工程2、(3)工程2で得られたα−ヒドロキシカ
ルボン酸アミドとメタノールよりα−ヒドロキシカルボ
ン酸メチルとアンモニアを製造する工程3、(4)工程
3で得られたα−ヒドロキシカルボン酸メチルを脱水し
てα−不飽和カルボン酸メチルを製造する工程4、及び
(5)工程3で得られたアンモニアとメタノールとを分
子状酸素の共存下、固体触媒上、気相で青酸を製造する
工程5からなり、工程5で得られた青酸を工程1の原料
とするα−不飽和カルボン酸エステルの製造方法であ
る。
【0008】本発明の製造法によれば工程3で新ACH
法で用いられていた蟻酸メチルに替えてアルコールを使
用するため以下の優位性が生まれる。先ず、工程3でア
ンモニアが最も低沸点となるからアンモニアを反応系外
に抜き出すことが出来るので、反応平衡を生成側に進め
ることが出来る。したがってα−ヒドロキシカルボン酸
アミドの高い転化率を得ることが出来、リサイクルは大
幅に削減されるか不要にすることができる。また工程3
においてアルコールとしてメタノールを用いた場合、過
剰にメタノールを加えても未反応の残存メタノールをア
ンモニアと共に留出させてそのまま工程5に送ることが
できるので、アンモニアを純度よく分離する必要もな
い。更に工程4においてα−ヒドロキシカルボシ酸メチ
ルはメタノール共存下で反応することが望ましいので、
α−ヒドロキシカルボン酸メチルの蒸留による回収では
メタノールと分離する必要がない。これらの効果のため
ユーティリティコストや設備費が削減できる。また工程
5の青酸製造工程は常圧以上での運転が可能で、これも
ユーティリティコストや設備費が削減できる。上記のご
とく、蟻酸メチルに替えてアルコールとすることによ
り、従来のシアンヒドリシ経由法を大幅に合理化するこ
とができる。このように各工程を合理的かつ関連して統
合することにより、効率的なα−不飽和カルボン酸エス
テルの製造法となりうることはこれまで知られていなか
った。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の工程1に用いられるカル
ボニル化合物及び工程3に用いられるアルコールは以下
の通りである。カルボニル化合物は一般式 R1COR2、ア
ルコールは一般式 R3OH で示され、ここで R1 は炭素数
1〜7のアルキル基、R2は水素原子又は炭素数1〜7の
アルキル基を表し、且つ R1 、R2及びR3が共にメチル基
の場合は除く。したがって、本発明に用いられるカルボ
ニル化合物を例示すれぱアセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒ
ド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒドなどのア
ルデヒド化合物、及びアセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンなどのケトン化合物である。ま
た本発明に用いられるアルコールを例示すれぱメタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、イソブタノール、シクロヘキサノールなどで
ある。
【0010】まず工程1である青酸とカルボニル化合物
の反応によるシアンヒドリンの製造は、公知の方法にて
実施されるものであり、アルカリ又はアミン類等の触媒
の存在下、両者を混合することによりなされる。反応は
定量的に進行し、高収率でシアンヒドリンが得られる。
α−不飽和カルボン酸メチルエステルを製造する場合
は、好適には青酸を含むメタノールのアンモ酸化生成ガ
スをアセトンで吸収することにより、効率よくシアンヒ
ドリン生産することができる。
【0011】工程2、即ちα−ヒドロキシカルボン酸ア
ミドの製造は、シアンヒドリンと水の混合物を触媒存在
下において反応させることにより実施される。触媒とし
ては、ニトリル類の水和反応に有効な触媒が適用可能で
あり、金属酸化物触媒等の使用が望ましい。具体的に
は、マンガン、銅、ニッケルなどの酸化物が有効であ
り、特に二酸化マンガシが好ましい。水に対するシアン
ヒドリンの仕込重量比は、10:90〜90:10が適
切な範囲である。又この系には、カルボニル化合物ある
いはメタノール等の溶媒を共存させることも好ましい効
果がある。二酸化マンガンを触媒とする場合には、反応
温度は20〜150℃が好ましい範囲であり、40〜1
20℃が特に好ましい範囲である。反応時間は0.3〜
6時間が好ましく、0.5〜3時間が特に好ましい。反
応は、回分式、半回分式あるいは連続式の何れの方式に
ても実施し得る。
【0012】工程3、即ちα−ヒドロキシカルボン酸ア
ミドとアルコールの反応によるα−ヒドロキシカルボン
酸エステルの製造は、α−ヒドロキシカルボン酸アミド
とアルコールの混合物を沸騰状態又は不活性ガスをバブ
リングさせることによる擬似沸騰状態において液相均一
触媒の存在下にて加熱してアンモニアを留去する方法、
あるいは固体不均一触媒の存在下、α−ヒドロキシカル
ボン酸アミドとアルコールの混合物を沸騰状態で反応さ
せて、アンモニアガスの脱離とα−ヒドロキシカルボン
酸エステルの生成を同時に行う方法が好ましい。本反応
では、α−ヒドロキシカルボン酸エステルの収率は、ア
ンモニアの速やかな脱離と反応温度、触媒に依存する。
【0013】反応温度は好ましくは80〜250℃、従
って反応液の蒸気圧および共存するガスによる自生圧力
は常圧から5MPaの範囲であり、反応時間は0.2〜
10時間が適当である。触媒としては均一触媒として反
応液に可溶な金属触媒、たとえばアルカリ金属アルコラ
ート、チタン、錫、アルミニウムなどの有機金属化合
物、さらに好ましくはチタン、錫のアルコラートたとえ
ばチタンテトライソプロボキシドあるいはスズテトラブ
トキシドなどが好適に使用できる。また固体不均一触媒
としては塩基性のものが好ましく、たとえば塩基性イオ
ン交換樹脂、マグネシア、酸化カルシウムなどを液相で
スラリー、あるいは成型触媒として使うことができるが
均一触媒に比較すると一般に効率が低い。
【0014】本反応の特徴はアンモニアの速やかな脱離
により、α−ヒドロキシカルボン酸アミドの60%以上
の高い転化率が得られ、前記従来法とは異なりホルムア
ミドの副生がないので反応生成物の簡単な蒸留でα−ヒ
ドロキシカルボン酸メチルを回収することができる。ま
た未反応のアルコールはα−ヒドロキシカルボン酸エス
テルと分離する必要はなく共に留出して次の工程4の脱
水工程に送ることが好ましい。
【0015】工程4のα−ヒドロキシカルボン酸エステ
ルの脱水反応によるα−不飽和カルボン酸エステルの製
造工程に関しては、硫酸、リン酸等を触媒として用いた
液相反応により実施可能であるが、固体触媒を使用する
気相反応によれば、より有効に実施することができる。
即ち、気相触媒反応による場合には、触媒としてシリ
カ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、及び固体リン酸等
の固体酸触媒が使用され、反応は、常圧下、反応温度2
00〜500℃にて実施するのが好ましい。この場合、
触媒へのカーボン析出を抑制する為に、反応系へスチー
ムやイナートガスを共存させることもできる。このとき
エステルの加水分解を防ぐためアルコールを共存させる
ことが好ましく、これが工程3においてアルコールとα
−ヒドロキシカルボン酸エステルの分離を不要とした理
由である。
【0016】工程5の青酸の製造はアンモニアを原料と
する種々の方法が用いられる。例えば、メタンのアンモ
酸化(Andrussow 法)による青酸の製造、アクリルニト
リル製造工程へのアンモニアのリサイクルと該工程で得
られる副生青酸の利用等が用いられる。特に、アルコー
ルとしてメタノールを用いた場合、メタノール及び工程
3の反応系から留出するアンモニアを原料として、ある
いは好適には工程3で生成するアンモニアと未反応メタ
ノールとの混合物を原料として、酸素含有ガス、通常は
空気を用いて、気相、固体触媒の存在下でアンモ酸化反
応により青酸を製造する方法がある。反応条件としては
300〜550℃が好ましく、400〜500℃が特に
好ましい。触媒としては金属酸化物、一般にアンモ酸化
反応に用いられる触媒やメタノールを酸化する触媒、例
えば、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化
銅、酸化スズ、酸化クロムなどを単独あるいは複合して
用いることが好ましい。反応は固定床あるいは流動床の
反応器が望ましく、強い発熱を伴うので除熱の装置を設
けることが必要である。反応器より流出する青酸を含む
生成ガスから未反応のアンモニアを硫酸などの鉱酸の水
溶液で洗い落とした後、生成ガスを凝縮させ次いで蒸留
によって青酸を回収した後、この青酸とカルボニル化合
物とを工程1において反応させる方法、あるいは鉱酸の
水溶液で洗浄した生成ガスをそのまま工程1に送ってア
セトンと接触せしめてACHとする方法の何れも可能で
あるが、効率的に実施出来る点で鉱酸の水溶液で洗浄し
た生成ガスをそのまま工程1に送ってカルボニル化合物
と接触せしめてACHとする方法の方が好適である。
【0017】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。 実施例1 工程1(青酸とアセトアルデヒドよりシアシヒドリンの
合成) 撹拌機、温度計、青酸滴下ロートを備えた内容量500
型のフラスコに、アセトアルデヒド88gと1規定の水
酸化ナトリウム水溶液1mlを仕込み、フラスコ内の温
度を20 ℃に保ちながら青酸59.4gを滴下した。青
酸滴下終了後、20 ℃にて2時間保ち反応を完結させ
た。次に、50 %硫酸を加えて生成液のpHを3とし
た。フラスコを減圧系に接続し、未反応の青酸を系外に
留出させ、シアンヒドリン143gを得た。シアンヒド
リシの純度は98.4%、カルボニル化合物基準の収率
は99 %であった。
【0018】工程2(上記シアンヒドリンの水和による
乳酸アミドの合成) 撹拌機、還流冷却器、温度計を備えた内容積1Lのフラ
スコに、過マンガン酸カリ63.2gと水500gを7
0 ℃に加熱撹拌した。これに硫酸マンガン96.2gを
溶解した水溶液240g、及び15 %硫酸40 gを添加
し、70 ℃で3時間反応させた。内容物を冷却した後、
沈殿物を吸引穂過し、2. 4Lの水で洗浄した。沈殿物
ケーキを60 ℃で一夜乾燥し、74 gの活性二酸化マン
ガンを取得し、下記反応の触媒として使用した。
【0019】撹拌機、還流冷却器、温度計を備えた内容
積1Lのフラスコに、順次、工程1で得られたシアンヒ
ドリン125g、水350g、アセトン100g及び二
酸化マンガン60 gを仕込み、60℃にて5時間加熱撹
枠して反応させた。生成液を氷冷した後、吸引濾過して
触媒を分離した。濾液をガスクロマトフィー分析した結
果、シアンヒドリンの反応率は99%、乳酸アミドの収
率は95%であった。この濾液を減圧下に蒸留し、主留
分としての純度99%以上の乳酸アミド130gを得
た。
【0020】工程3(乳酸アミドとメタノールからの乳
酸メチル合成) 撹拌機付の内容積1Lのステンレス製オートクレーブに
工程2で得られた乳酸アミド89g、メタノール96
g、及びチタンテトライソプロボキシド Ti(isoPrO)4
を10g仕込み、180℃にて自生圧1.9Mpaにお
いて2時間加熱撹拌して、 生成するアンモニアを留去し
ながら反応させた。生成物を冷却後、ガスクロマト分析
した結果、乳酸アミドの反応率は81%であり、乳酸ア
ミド基準の乳酸メチルの選択率は94%であつた。
【0021】工程4(乳酸メチルの脱水によるアクリル
酸メチルの合成) リン酸二水素ナトリウム20 gと水80gの混合液に、
フジディビソン株式会社製シリカゲル(16〜2 4メッ
シュ)60gを加え、減圧下に水を留去し、次いで15
0℃にて一夜乾燥して触媒を調製し、下記の反応に使用
した。蒸発器を備えた石英製反応管(内径14mm×長
さ40mm)に触媒10gを充填し、電気炉で加熱し、
触媒層の最高温度を400℃にて制御した。工程3で得
られた、メタノールと乳酸メチルのモル比が2対1とな
る混合物を定量ボンプで毎時10g連続的に供給し、蒸
発器で気化したのち、上記触媒層に供給しながら通算1
0時間の反応を行った。反応生成物を分析した結果、ア
クリル酸メチルの反応率は99 %であり、仕込乳酸メチ
ル基準で目的物乳酸メチルが収率88 %で得られた。
【0022】工程5(メタノールのアンモ酸化による青
酸の製造) 硝酸第二鉄9水和物25gとモリブデン酸アンモニウム
3.64gを各々50mlの蒸留水に溶解させる。室温
下で硝酸第二鉄水溶液中にモリブデン酸アンモニウム水
溶液を激しく撹拌しながら混合し、均一な触媒溶液を得
る。この混合液を活性アルミナ(8〜14メッシュ)を
1300℃/20時間焼成した担体271gにふりかけ
ながら含浸させる。含浸した触媒を120℃の乾燥器中
で48時間乾燥し、十分にに水分を取り除いた後、50
0℃、16時間空気流通下で焼成した。この触媒を内径
18mmのSUS316の反応管の10mlに充填し
た。アンモニア/メタノールのモル比を1.2、空気中
における酸素/メタノールのモル比2.5、空間速度S
V4000/時間、反応温度420〜430℃、常圧
下、10時間連続流通で反応を行った。反応生成ガスを
ガスクロマトグラフイーで分析した結果、反応したメタ
ノール基準の青酸収率92%、反応したアンモニア基準
の青酸収率は90%であった。副生成物は炭酸ガスおよ
び一酸化炭素であった。
【0023】
【発明の効果】本発明により、問題となる副生物を生じ
ない経済性の高いα−不飽和カルボシ酸酸エステルの製
造方法が提供される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)青酸とカルボニル化合物よりシア
    ンヒドリンを製造する工程1、(2)工程1で得られた
    シアンヒドリンを水和してα−ヒドロキシカルボン酸ア
    ミドを製造する工程2、(3)工程2で得られたα−ヒ
    ドロキシカルボン酸アミドとアルコールよりα−ヒドロ
    キシカルボン酸エステルとアンモニアを製造する工程
    3、(4)工程3で得られたα−ヒドロキシカルボン酸
    エステルを脱水してα−不飽和カルボン酸エステルを製
    造する工程4、及び(5)工程3で得られるアンモニア
    を用いて青酸を製造する工程5からなり、工程5で得ら
    れた青酸を工程1の原料とすることを特徴とするα−不
    飽和カルボン酸エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 (1)青酸とカルボニル化合物よりシア
    ンヒドリンを製造する工程1、(2)工程1で得られた
    シアンヒドリンを水和してα−ヒドロキシカルボン酸ア
    ミドを製造する工程2、(3)工程2で得られたα−ヒ
    ドロキシカルボン酸アミドとメタノールよりα−ヒドロ
    キシカルボン酸メチルとアンモニアを製造する工程3、
    (4)工程3で得られたα−ヒドロキシカルボン酸メチ
    ルを脱水してα−不飽和カルボン酸メチルを製造する工
    程4、及び(5)工程3で得られたアンモニアとメタノ
    ールとを分子状酸素の共存下、固体触媒上、気相で青酸
    を製造する工程5からなり、工程5で得られた青酸を工
    程1の原料とする請求項1記載のα−不飽和カルボン酸
    エステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 (1)青酸とアセトアルデヒドよりラク
    トニトリルを製造する工程1、(2)工程1で得られた
    ラクトニトリルを水和して乳酸アミドを製造する工程
    2、(3)工程2で得られた乳酸アミドとメタノールよ
    り乳酸メチルとアンモニアを製造する工程3、(4)工
    程3で得られた乳酸メチルを脱水してアクリル酸メチル
    を製造する工程4、及び(5)工程3で得られたアンモ
    ニアとメタノールとを分子状酸素の共存下、固体触媒
    上、気相で青酸を製造する工程5からなり、工程5で得
    られた青酸を工程1の原料とする請求項2記載のα−不
    飽和カルボン酸エステルの製造方法。
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