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JP2000259028A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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Publication number
JP2000259028A
JP2000259028A JP11057744A JP5774499A JP2000259028A JP 2000259028 A JP2000259028 A JP 2000259028A JP 11057744 A JP11057744 A JP 11057744A JP 5774499 A JP5774499 A JP 5774499A JP 2000259028 A JP2000259028 A JP 2000259028A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
endless belt
recording material
roller
forming apparatus
image forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11057744A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutoshi Fujisawa
和利 藤沢
Kaneo Yoda
兼雄 依田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP11057744A priority Critical patent/JP2000259028A/ja
Publication of JP2000259028A publication Critical patent/JP2000259028A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな駆動力で安定した定着動作を行い、定
着不良も生じ難くする。 【解決手段】 加熱される無端ベルト110に圧接され
る加圧ローラ120と、弾性層を有するバックアップロ
ーラ130を備え、バックアップローラを無端ベルトに
対して滑らせつつ無端ベルトの周速よりも遅い周速で回
転駆動し、その駆動経路には、駆動源側とバックアップ
ローラ側との間に、駆動源側の駆動回転数よりもバック
アップローラ側の回転数が大きくなったときに、駆動源
側とバックアップローラ側との間の動力伝達を非伝達と
する動力伝達手段134を設ける。バックアップローラ
の表面または無端ベルトの裏面に潤滑剤を塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真技術を用
いて用紙等の記録材にトナー画像を形成することのでき
るプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置
に関する。特にその定着器、より詳しくは、加熱される
無端ベルトを用いたベルト定着器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真技術を用いて用紙等の
記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置は、回転
駆動される感光体と、この感光体に露光して表面に静電
潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してト
ナー画像となす現像手段と、そのトナー画像を記録材に
転写させる転写手段と、この転写手段によりトナー画像
が転写された記録材を通過させつつ加熱して記録材上に
トナー画像を定着させる定着器とを有している。
【0003】定着器は、通常、加熱される回転体と、こ
れに圧接されている回転体とを有しており、これら両回
転体によって、通過する記録材を挟圧しつつ加熱し、記
録材上のトナー画像を記録材上に溶融定着させるように
なっている。
【0004】このような定着器においては、2つの回転
体に周速差があると、その挟圧部(圧接部)を通過する
記録材上のトナー画像に擦れが生じて画像が乱れること
から、2つの回転体とも駆動するということはなされて
おらず、一方の回転体のみを駆動し、他方の回転体はこ
れに従動させる構成が採用されている。
【0005】また、加熱される回転体がローラである
と、その初期的な加熱に長時間を要することから、加熱
される回転体を無端ベルトとして、その初期的加熱時間
を短縮したベルト定着器が知られている。
【0006】図20はベルト定着器の第1例を示す図で
ある(特開平9−138600号公報)。
【0007】このベルト定着器は、無端状の耐熱ベルト
6と、このベルト6をその内側から支持するローラ7
a,7bと、ベルト6を加熱するローラ8と、ベルト6
の外周面に接する加圧ローラ9とを有しており、加圧ロ
ーラ9がモータMで矢印a方向に回転駆動され、ベルト
6が加圧ローラ9に従動し、各ローラ7a,7b,8が
ベルト6に従動する。
【0008】トナー画像が形成された記録材は、ベルト
6と加圧ローラ9との圧接部(ニップ部)Nに矢印bで
示すように供給され、圧接部Nを通ることでトナー画像
が加熱溶融されて記録材上に定着させられる。
【0009】図21はベルト定着器の第2例を示す図で
ある(特開昭61−110179号公報)。
【0010】このベルト定着器は、加熱される無端ベル
ト1と、この無端ベルト1に圧接される回転体としての
圧力ロール2と、その圧接部Nにおいて無端ベルト1を
内方から支持する非回転マンドレル3と、無端ベルト1
を加熱する回転可能な管加熱器4とを備えており、圧力
ロール2が回転駆動されることで、無端ベルト1が圧力
ロール2に従動し非回転マンドレル3上を移動する。
【0011】トナー画像が形成された記録材は、前記圧
接部Nを通ることでトナー画像が加熱溶融されて記録材
上に定着させられる。
【0012】また、この定着器は、記録材上のトナーが
無端ベルト1の表面に転移してしまうという現象(いわ
ゆるオフセット現象)を防止するために、無端ベルト1
の表面に離型剤としてシリコーンオイル等の離型オイル
を塗布するオイル塗布ローラ5を備えている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】例えば図20に示した
従来の画像形成装置におけるベルト定着器においては、
そのニップ部Nの周方向(図20において左右方向)の
長さを長くするために、ローラ7a、加圧ローラ9のう
ち少なくとも一方を弾性層を有する構成とすることがな
される。特に、ニップ部Nを通過した記録材がベルト6
に巻き付き難くするために、ローラ7a側にのみ弾性層
を設けて(あるいは、ローラ7a、加圧ローラ9の両者
に弾性層を設ける場合には、ローラ7a側の弾性層をよ
り変形し易くして)ニップ部Nの断面形状(図20の紙
面と直交する方向からみた形状)がローラ7a側に凸形
状となるように構成するということがなされる。
【0014】ところで、互いに圧接される一対のローラ
を回転させるための駆動力を考えると、ローラが弾性層
を有している場合と有していない場合とでは異なり、弾
性層を有している場合の方が大きな駆動力が必要とな
る。弾性層を有している場合には、圧接部において弾性
層を圧縮変形させる力も必要となるからである。すなわ
ち、互いに圧接される一対のローラのうち少なくとも一
方が弾性層を有していると、その弾性層を圧縮変形させ
ながら回転させなければならなくなるから、その分大き
な駆動力が必要となる。なお、このことは、一対のロー
ラのうち一方を駆動して他方を従動させる場合、両ロー
ラを駆動する場合、のいずれの場合についても言えるこ
とであり、また一対のローラがベルトを介して圧接され
ている場合も同様である。
【0015】図20に示したベルト定着器では、回転駆
動される加圧ローラ9に対し、ベルト6を介してローラ
7aが基本的には完全に従動する構造となっているの
で、ローラ7a側に弾性層を設けた場合には、必要以上
に大きな駆動力が必要になるという問題がある。なお、
この点に関しては後述する本発明の作用との対比で詳し
く説明する。
【0016】この駆動力が不足すると、安定した定着動
作が得られなくなり、定着不良等が生じる。
【0017】一方、図21に示したベルト定着器では、
マンドレル3が回転しない構造であり、圧力ロール2に
無端ベルト1を従動させさえすればよいから、図20に
示した定着器に比べれば、その駆動力は小さくて済む。
【0018】しかしながら、図21に示したベルト定着
器では、記録材が圧接部Nを通過した際に、圧接部Nの
長手方向(ベルト幅方向であり図21における紙面と直
交する方向)に関し、マンドレル3における、記録材が
通過した領域の温度と、記録材が通過しなかった領域に
おける温度との差が著しく大きくなる。マンドレル3が
回転しないために、記録材が通過した領域においては、
マンドレル3の熱がベルト1を介して記録材に局部的に
奪われることとなるからである。
【0019】このマンドレル3における温度差は、逆
に、マンドレル3に当接している無端ベルト1における
温度差となって現れるため、幅の小さな記録材が通過し
た後に、幅の大きな記録材が通過すると、前記温度差に
よる定着むら等の定着不良が生じてしまうという問題が
ある。
【0020】本発明の目的は、以上のような問題を解決
し、比較的小さな駆動力で安定した定着動作がなされ、
定着不良も生じにくい画像形成装置を提供することにあ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の画像形成装置は、加熱される無端ベル
トと、この無端ベルトに圧接される回転体と、その圧接
部において前記無端ベルトを内方から支持する弾性層を
有するバックアップローラとを備え、前記無端ベルトと
回転体のうち一方が駆動され、他方が従動する定着器を
有し、記録材上にトナー画像を形成し、その記録材を、
前記定着器における前記圧接部に通して、前記トナー画
像を加熱溶融して記録材上に定着させる画像形成装置で
あって、前記バックアップローラを前記無端ベルトに対
して滑らせつつ無端ベルトの周速よりも遅い周速で回転
駆動し、その駆動経路には、駆動源側とバックアップロ
ーラ側との間に、駆動源側の駆動回転数よりもバックア
ップローラ側の回転数が大きくなったときに、駆動源側
とバックアップローラ側との間の動力伝達を非伝達とす
る動力伝達手段を設けたことを特徴とする。
【0022】請求項2記載の画像形成装置は、請求項1
記載の画像形成装置において、前記バックアップローラ
の表面または無端ベルトの裏面に潤滑剤を塗布する潤滑
剤塗布手段が設けられていることを特徴とする。
【0023】請求項3記載の画像形成装置は、請求項1
記載の画像形成装置において、前記無端ベルトの表面側
には、離型オイルを塗布する、前記無端ベルトの幅より
も長いオイル塗布ローラが設けられているとともに、無
端ベルトの裏面側には、無端ベルトを介して前記オイル
塗布ローラに圧接され、かつ無端ベルトからのはみ出し
部においても前記オイル塗布ローラに圧接される裏面用
オイル塗布ローラが設けられていることを特徴とする。
【0024】請求項4記載の画像形成装置は、請求項
1,2,または3記載の画像形成装置において、前記バ
ックアップローラの表面は、滑り易い平滑面となってい
ることを特徴とする。
【0025】請求項5記載の画像形成装置は、請求項1
〜4のうちいずれか一項に記載の画像形成装置におい
て、前記無端ベルトの幅は、画像形成に供され得る前記
記録材の最大通過幅よりも大きく形成されているととも
に、前記無端ベルトと前記バックアップローラとの間の
摩擦力をF1,前記無端ベルトにおける、前記記録材に
圧接されない部位と前記回転体との間の摩擦力をF2と
したとき、F1<F2なる条件が満たされるように構成
されていることを特徴とする。
【0026】請求項6記載の画像形成装置は、請求項1
〜5のうちいずれか一項に記載の画像形成装置におい
て、前記無端ベルトの幅は、画像形成に供され得る前記
記録材の最大通過幅よりも大きく形成されているととも
に、前記無端ベルトの幅をL1,無端ベルトと前記バッ
クアップローラとの間の摩擦係数をμ1,前記無端ベル
トにおける、前記記録材に圧接されない部位のベルト幅
方向の長さをL2,無端ベルトにおける、前記記録材に
圧接されない部位と前記回転体との間の平均摩擦係数を
μ2としたとき、L1×μ1<L2×μ2なる条件が満
たされるように構成されていることを特徴とする。
【0027】請求項7記載の画像形成装置は、請求項1
〜6のうちいずれか一項に記載の画像形成装置におい
て、前記無端ベルトの幅は、画像形成に供され得る前記
記録材の最大通過幅よりも大きく形成されているととも
に、前記無端ベルトにおける前記記録材に圧接されない
部位、この部位に圧接される前記回転体の部位、のうち
少なくとも一方に、高グリップ部が設けられていること
を特徴とする。
【0028】請求項8記載の画像形成装置は、請求項7
記載の画像形成装置において、前記高グリップ部は耐熱
製繊維のネットにより形成されており、このネットにお
ける網目が周方向に関してずれていることを特徴とす
る。
【0029】請求項9記載の画像形成装置は、請求項7
記載の画像形成装置において、前記高グリップ部は突部
を周方向に連続して設けることにより形成されており、
その相隣接する突部同士の間隔が、前記圧接部の周方向
における長さよりも小さく構成されていることを特徴と
する。
【0030】請求項10記載の画像形成装置は、請求項
7記載の画像形成装置において、前記高グリップ部はベ
ルトの略幅方向すなわち回転体の略軸線方向に伸びる線
状の突部である突条を周方向に連続して設けることによ
り形成されており、かつこの突条は、無端ベルトの幅方
向すなわち回転体の軸線方向に対して、無端ベルトをそ
の両端方向に引っ張る方向に傾斜していることを特徴と
する。
【0031】請求項11記載の画像形成装置は、請求項
9または10記載の画像形成装置において、前記突部の
高さは、前記記録材の標準的厚さに等しいことを特徴と
する。
【0032】請求項12記載の画像形成装置は、請求項
7記載の画像形成装置において、前記高グリップ部は、
前記無端ベルトにおける前記記録材に圧接されない部位
と、この部位に圧接される前記回転体の部位との両方に
設けられており、一方の高グリップ部は突部を周方向に
連続して設けることにより形成され、他方の高グリップ
部は前記突部よりも柔軟な弾性層で形成されていること
を特徴とする。
【0033】請求項13記載の画像形成装置は、請求項
7〜12のうちいずれか一項に記載の画像形成装置にお
いて、前記画像形成装置は、前記記録材の両面にトナー
画像を形成可能であることを特徴とする。
【0034】請求項14記載の画像形成装置は、請求項
7〜13のうちいずれか一項に記載の画像形成装置にお
いて、前記画像形成装置は、複数色のトナーの重ね合わ
せによるフルカラー画像を形成可能であることを特徴と
する。
【0035】
【作用効果】請求項1記載の画像形成装置によれば、記
録材上にトナー画像が形成され、その記録材が、加熱さ
れる無端ベルトと、この無端ベルトに圧接される回転体
と、その圧接部において前記無端ベルトを内方から支持
する弾性層を有するバックアップローラとを備え、前記
無端ベルトと回転体のうち一方が駆動され、他方が従動
する定着器における前記圧接部を通過することにより、
前記トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させら
れる。
【0036】前記圧接部を形成する無端ベルトと回転体
は、そのうち一方が駆動され、他方が従動する構成であ
るから、基本的には前述したように無端ベルトと回転体
との間には周速差が生じず、したがって、前記圧接部を
通過する記録材上のトナー画像に擦れが生じて画像が乱
れるという事態が生じ難い。また、ベルトが加熱される
構成であるから、初期的加熱時間を短縮することができ
る。さらに、前記圧接部において無端ベルトを内方から
支持するバックアップローラが弾性層を有しているの
で、前記圧接部の周方向の長さを長く形成することが可
能であるとともに、圧接部の断面形状をバックアップロ
ーラ側すなわち無端ベルト側に凸形状となるように構成
することも可能であり、したがって、圧接部を通過した
記録材の無端ベルトへの巻き付きを生じ難くすることが
可能である。
【0037】そして、前記バックアップローラが前記無
端ベルトに対して滑りつつ無端ベルトの周速よりも遅い
周速で回転するので、比較的小さな駆動力で安定した定
着動作を得ることが可能になるとともに、定着不良も生
じにくくなる。
【0038】この点について詳しく説明する。
【0039】前述したように、互いに圧接される一対の
ローラ(ないし回転体)を回転させるための駆動力は、
ローラが弾性層を有している場合の方が大きな駆動力が
必要であり、このことは、一対のローラがベルトを介し
て圧接されている場合も同様である。
【0040】図20に示したベルト定着器では、回転駆
動される加圧ローラ9に対してベルト6を介してローラ
7aが基本的に完全に従動する構造となっていたので、
ローラ7a側に弾性層を設けた場合には、大きな駆動力
が必要になっていた。
【0041】これに対し、この請求項1記載の発明で
は、前記弾性層を有するバックアップローラは、無端ベ
ルトに対して滑りつつ無端ベルトの周速よりも遅い周速
で回転する、すなわち、無端ベルト(したがってまた前
記回転体)に対して従動しない。むしろ、バックアップ
ローラを無端ベルトに対して積極的に滑らせつつ無端ベ
ルトの周速よりも遅い周速で回転させる構成となってい
る。
【0042】このため、弾性層を有するバックアップロ
ーラを無端ベルトないし回転体に対して基本的に完全に
従動させる場合に比べて、バックアップローラを、その
弾性層を圧縮変形させながら回転させるその回転数を少
なくすることができる。この作用は、無端ベルトを駆動
する場合、回転体を駆動する場合、のいずれの場合にも
得られる作用である。
【0043】したがって、この請求項1記載の発明によ
れば、必要以上に駆動力を大きくする必要がなくなり、
結果として、比較的小さな駆動力で安定した定着動作を
得ることが可能となる。
【0044】なお、バックアップローラが無端ベルト
(したがってまた前記回転体)に対して従動しない構成
であっても、上述したように、前記圧接部を形成する無
端ベルトと回転体は、そのうち一方が駆動され、他方が
従動する構成であるから、基本的には無端ベルトと回転
体との間には周速差が生じず、したがって、前記圧接部
を通過する記録材上のトナー画像に擦れが生じて画像が
乱れるという事態は生じ難い。
【0045】しかも、この請求項1記載の発明によれ
ば、前記バックアップローラが、無端ベルトよりも遅い
周速であるとはいえ、回転する構成となっているので、
記録材が前記圧接部を通過した際に、圧接部の長手方向
(ベルト幅方向)に関し、バックアップローラにおけ
る、記録材が通過した領域の温度と、記録材が通過しな
かった領域における温度との差が著しく大きくなってし
まうということがなくなる。
【0046】したがって、図21に示した従来のベルト
定着器で生じていたような、定着むら等の定着不良も生
じ難くなる。
【0047】以上説明したように、この請求項1記載の
画像形成装置によれば、比較的小さな駆動力で安定した
定着動作がなされ、定着不良も生じにくくなる。
【0048】しかも、バックアップローラは、駆動手段
によって回転駆動される構成となっているので、一層確
実に、バックアップローラを無端ベルトに対して滑らせ
つつ無端ベルトの周速よりも遅い周速で回転させること
ができる。
【0049】したがって、一層確実に、比較的小さな駆
動力で安定した定着動作を得ることが可能となる。
【0050】なお、バックアップローラを回転駆動する
駆動手段を設けても、前述した理由によって、定着器全
体を駆動させるための駆動力は、バックアップローラを
無端ベルトに完全に従動させる構成とした場合に比べて
小さくて済む。
【0051】さらに、バックアップローラの駆動経路に
は、駆動源側とバックアップローラ側との間に、駆動源
側の駆動回転数よりもバックアップローラ側の回転数が
大きくなったときに、駆動源側とバックアップローラ側
との間の動力伝達を非伝達とする動力伝達手段が設けら
れているので、仮に、何らかの理由によってバックアッ
プローラが無端ベルトに対して一時的に完全に従動して
しまったとしても、装置が破損してしまうという事態が
生じなくなる。
【0052】請求項2記載の画像形成装置によれば、請
求項1記載の画像形成装置において、前記バックアップ
ローラの表面または無端ベルトの裏面に潤滑剤を塗布す
る潤滑剤塗布手段が設けられているので、容易にバック
アップローラを無端ベルトに対して滑らせつつ無端ベル
トの周速よりも遅い周速で円滑に回転させることができ
るようになる。
【0053】したがって、容易に、比較的小さな駆動力
で安定した定着動作を得ることが可能となる。
【0054】請求項3記載の画像形成装置によれば、請
求項1記載の画像形成装置において、前記無端ベルトの
表面側には、離型オイルを塗布するオイル塗布ローラが
設けられているので、記録材上のトナーが無端ベルトの
表面に転移してしまうといういわゆるオフセット現象が
生じ難くなる。
【0055】また、無端ベルトの裏面側には、裏面用オ
イル塗布ローラが設けられているので、この裏面用オイ
ル塗布ローラによって無端ベルトの裏面にオイルが塗布
され、したがって、容易にバックアップローラを無端ベ
ルトに対して滑らせつつ無端ベルトの周速よりも遅い周
速で円滑に回転させることができることとなる。
【0056】しかも、オイル塗布ローラは無端ベルトの
幅よりも長く構成されているとともに、前記裏面用オイ
ル塗布ローラは無端ベルトの裏面側において無端ベルト
を介して前記オイル塗布ローラに圧接され、かつ無端ベ
ルトからのはみ出し部においても前記オイル塗布ローラ
に圧接される構成となっているので、裏面用オイル塗布
ローラには、前記はみ出し部におけるオイル塗布ローラ
との圧接部を介してオイル塗布ローラからオイルが供給
されることとなる。
【0057】したがって、無端ベルトの裏面側に配置さ
れた裏面用オイル塗布ローラを交換する必要がなくな
る。
【0058】すなわち、この請求項3記載の画像形成装
置によれば、容易に、比較的小さな駆動力で安定した定
着動作を得ることが可能となると同時に、オフセット現
象も生じ難くなり、しかも、裏面用オイル塗布ローラの
交換も不要となる。
【0059】請求項4記載の画像形成装置によれば、請
求項1,2,または3記載の画像形成装置において、前
記バックアップローラの表面は、滑り易い平滑面となっ
ているので、容易にバックアップローラを無端ベルトに
対して滑らせつつ無端ベルトの周速よりも遅い周速で円
滑に回転させることができる。
【0060】したがって、容易に、比較的小さな駆動力
で安定した定着動作を得ることが可能となる。
【0061】請求項5記載の画像形成装置によれば、請
求項1〜4のうちいずれか一項に記載の画像形成装置に
おいて、前記無端ベルトの幅は、画像形成に供され得る
前記記録材の最大通過幅よりも大きく形成されていると
ともに、前記無端ベルトと前記バックアップローラとの
間の摩擦力をF1,前記無端ベルトにおける、前記記録
材に圧接されない部位と前記回転体との間の摩擦力をF
2としたとき、F1<F2なる条件が満たされるように
構成されているので、確実に、バックアップローラを無
端ベルトに対して滑らせつつ無端ベルトの周速よりも遅
い周速で回転させることができる。
【0062】したがって、確実に、比較的小さな駆動力
で安定した定着動作を得ることが可能となる。
【0063】請求項6記載の画像形成装置によれば、請
求項1〜5のうちいずれか一項に記載の画像形成装置に
おいて、前記無端ベルトの幅は、画像形成に供され得る
前記記録材の最大通過幅よりも大きく形成されていると
ともに、前記無端ベルトの幅をL1,無端ベルトと前記
バックアップローラとの間の摩擦係数をμ1,前記無端
ベルトにおける、前記記録材に圧接されない部位のベル
ト幅方向の長さをL2,無端ベルトにおける、前記記録
材に圧接されない部位と前記回転体との間の平均摩擦係
数をμ2としたとき、L1×μ1<L2×μ2なる条件
が満たされるように構成されているので、確実に、バッ
クアップローラを無端ベルトに対して滑らせつつ無端ベ
ルトの周速よりも遅い周速で回転させることができる。
【0064】したがって、確実に、比較的小さな駆動力
で安定した定着動作を得ることが可能となる。
【0065】請求項7記載の画像形成装置によれば、請
求項1〜6のうちいずれか一項に記載の画像形成装置に
おいて、前記無端ベルトの幅は、画像形成に供され得る
前記記録材の最大通過幅よりも大きく形成されていると
ともに、前記無端ベルトにおける前記記録材に圧接され
ない部位、この部位に圧接される前記回転体の部位、の
うち少なくとも一方に、高グリップ部が設けられている
ので、上記無端ベルトと回転体との圧接部に、比較的滑
り易い記録材が供給され、この滑り易い記録材の介在に
よって、駆動側の無端ベルト(または回転体)と記録材
との間および/または記録材と従動側の回転体(または
無端ベルト)との間でスリップが生じそうになったとし
ても、前記高グリップ部の作用によって駆動側の無端ベ
ルト(または回転体)に対する従動側の回転体(または
無端ベルト)の従動性が向上し、無端ベルトと回転体と
が基本的に同一の周速で回転することとなる。このた
め、上記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難
くなり)、結果として安定した定着動作がなされること
となる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れ
が生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0066】請求項8記載の画像形成装置によれば、請
求項7記載の画像形成装置において、前記高グリップ部
は耐熱製繊維のネットにより形成されており、このネッ
トにおける網目が周方向に関してずれているので、この
高グリップ部に圧接される部位の局部的な摩耗が防止さ
れ、結果として高グリップ部に圧接される部位を有する
無端ベルトまたは回転体の耐久性が向上する。
【0067】請求項9記載の画像形成装置によれば、請
求項7記載の画像形成装置において、前記高グリップ部
は突部を周方向に連続して設けることにより形成されて
おり、その相隣接する突部同士の間隔が、前記圧接部の
周方向における長さよりも小さく構成されているので、
確実に、駆動側の無端ベルト(または回転体)に対する
従動側の回転体(または無端ベルト)の従動性が向上
し、無端ベルトと回転体とが基本的に同一の周速で回転
することとなる。このため、上記スリップが確実に防止
され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安
定した定着動作がなされることとなる。
【0068】請求項10記載の画像形成装置によれば、
請求項7記載の画像形成装置において、前記高グリップ
部はベルトの略幅方向すなわち回転体の略軸線方向に伸
びる線状の突部である突条を周方向に連続して設けるこ
とにより形成されており、かつこの突条は、無端ベルト
の幅方向すなわち回転体の軸線方向に対して、無端ベル
トをその両端方向に引っ張る方向に傾斜しているので、
ベルトに皺がより難くなるとともに、ベルトの偏りも少
なくなり、結果として、より安定した定着動作がなされ
るとともに、ベルトの耐久性も向上することとなる。
【0069】請求項11記載の画像形成装置によれば、
請求項9または10記載の画像形成装置において、前記
突部の高さは、前記記録材の標準的厚さに等しい高さに
構成されているので、記録材が前記圧接部を通過する
際、無端ベルトがそれほど大きくは変形せず、したがっ
て、ベルトの耐久性が向上することとなる。
【0070】請求項12記載の画像形成装置によれば、
請求項7記載の画像形成装置において、前記高グリップ
部は、前記無端ベルトにおける前記記録材に圧接されな
い部位と、この部位に圧接される前記回転体の部位との
両方に設けられており、一方の高グリップ部は突部を周
方向に連続して設けることにより形成され、他方の高グ
リップ部は前記突部よりも柔軟な弾性層で形成されてい
るので、前記一方の高グリップ部である突部が前記他方
の高グリップ部である柔軟な弾性層に確実に食い込むこ
ととなる。
【0071】したがって、無端ベルトと回転体との間の
従動性が確実に得られ、前述したスリップが確実に防止
され(少なくとも著しく生じ難くなり)て、結果として
確実に安定した定着動作がなされることとなる。
【0072】請求項13記載の画像形成装置は、請求項
7〜12のうちいずれか一項に記載の画像形成装置にお
いて、前記記録材の両面にトナー画像を形成可能となっ
ているので、この画像形成装置によれば、両面にトナー
画像が形成された記録材が定着器における圧接部を通過
する場合がある。
【0073】記録材上のトナーは、記録材と、無端ベル
トあるいは回転体との摩擦係数を低減させることがある
ため、トナー画像が記録材の両面に形成されていると、
トナー画像が片面にのみ形成されている場合に比べて前
述したスリップが生じるおそれが大きくなる。
【0074】これに対し、この請求項13記載の画像形
成装置によれば、少なくとも、前記無端ベルトの幅は、
画像形成に供され得る前記記録材の最大通過幅よりも大
きく形成されているとともに、前記無端ベルトにおける
前記記録材に圧接されない部位、この部位に圧接される
前記回転体の部位、のうち少なくとも一方に、高グリッ
プ部が設けられているので、記録材の両面にトナー画像
を形成した場合でも、上記スリップが生じなくなり(少
なくとも著しく軽減されることとなり)、結果として安
定した定着動作がなされることとなる。
【0075】すなわち、この請求項13記載の画像形成
装置によれば、記録材の両面に画像乱れのない(少なく
とも著しく少ない)画像を形成することが可能となる。
【0076】請求項14記載の画像形成装置は、請求項
7〜13のうちいずれか一項に記載の画像形成装置にお
いて、複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画
像を形成可能となっているので、この画像形成装置によ
れば、少なくとも片面に上記フルカラー画像が形成され
た記録材が定着器における圧接部を通過する場合があ
る。
【0077】前述したように記録材上のトナーは、記録
材と回転体との摩擦係数を低減させることがあるため、
複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像が記
録材上に形成されていると、単色のトナー画像のみが形
成されている場合に比べて前述したスリップが生じるお
それが大きくなる。
【0078】これに対し、この請求項14記載の画像形
成装置によれば、少なくとも、前記無端ベルトの幅は、
画像形成に供され得る前記記録材の最大通過幅よりも大
きく形成されているとともに、前記無端ベルトにおける
前記記録材に圧接されない部位、この部位に圧接される
前記回転体の部位、のうち少なくとも一方に、高グリッ
プ部が設けられているので、記録材上に複数色のトナー
の重ね合わせによるフルカラー画像を形成した場合で
も、上記スリップが生じなくなり(少なくとも著しく軽
減されることとなり)、結果として安定した定着動作が
なされることとなる。
【0079】すなわち、この請求項14記載の画像形成
装置によれば、画像乱れのない(少なくとも著しく少な
い)フルカラー画像を形成することが可能であり、上記
請求項13記載の構成と組み合わせた場合には、記録材
の両面に画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フ
ルカラー画像を形成することが可能となる。
【0080】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0081】<第1の実施の形態>図1は本発明に係る
画像形成装置の第1の実施の形態を示す概略図である。
【0082】先ず、この画像形成装置の概要について説
明し、後にその定着器について詳しく説明する。
【0083】この画像形成装置は、イエロー(Y)、シ
アン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の
トナーによる現像器を用いて単色画像およびフルカラー
画像を形成することのできる装置である。
【0084】図1において、10は感光体ユニットであ
り、その感光体11が、図示しない適宜の駆動手段によ
って図示矢印方向に回転駆動される。
【0085】感光体11は、導電性基材と、その表面に
形成された感光層とを有している。
【0086】感光体11の周りには、その回転方向に沿
って、帯電手段としての帯電ローラ12、露光手段とし
ての露光ユニット20、現像手段としての現像器30
(Y,C,M,K)、転写手段としての中間転写ユニッ
ト40、およびクリーニング手段13が配置される。な
お、感光体ユニット10には、感光体11、帯電ローラ
12、およびクリーニング手段13が組み込まれてい
る。
【0087】帯電ローラ12は、感光体11の外周面に
当接して外周面を一様に帯電させる。一様に帯電した感
光体11の外周面には、露光ユニット20によって所望
の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、この露
光L1によって感光体11上に静電潜像が形成される。
【0088】この静電潜像は、現像器30でトナーが付
与されて現像される。
【0089】現像器として、イエロー用の現像器30
Y、シアン用の現像器30C、マゼンタ用の現像器30
M、およびブラック用の現像器30Kが設けられてい
る。これら現像器30Y,30C,30M,30Kは、
それぞれ揺動可能に構成されており、選択的に1つの現
像器の現像ローラ31のみが感光体11に当接し得るよ
うになっている。したがって、これらの現像器30は、
イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのうちのいずれ
かのトナーを感光体11の表面に付与して感光体11上
の静電潜像を現像しトナー画像を形成する。
【0090】トナー画像は、中間転写ユニット40の中
間転写体をなす中間転写ベルト46上に転写される。
【0091】クリーニング手段13は、上記転写後に、
感光体11の外周面に残留し付着しているトナーを掻き
落とすクリーナブレードと、このクリーナブレードによ
って掻き落とされたトナーを受ける受け部とを備えてい
る。
【0092】中間転写ユニット40は、駆動ローラ41
と、4本の従動ローラ42,43,44,45と、これ
ら各ローラの回りに張架された中間転写体としての無端
状の中間転写ベルト46とを有している。
【0093】駆動ローラ41は、その端部に固定された
図示しない歯車が、感光体11の端部に設けられた駆動
用歯車(図示せず)と噛み合っていることによって、感
光体11と略同一の周速で回転駆動され、したがって中
間転写ベルト46が感光体11と略同一の周速で図示矢
印方向に循環駆動されるようになっている。
【0094】従動ローラ45は、駆動ローラ41との間
で中間転写ベルト46がそれ自身の張力によって感光体
11に圧接される位置に配置されており、感光体11と
中間転写ベルト46との圧接部において一次転写部T1
が形成されている。
【0095】駆動ローラ41には、中間転写ベルト46
を介して図示しない電極ローラが配置されており、この
電極ローラを介して、中間転写ベルト46に一次転写電
圧が印加される。
【0096】従動ローラ42はテンションローラであ
り、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト46を
その張り方向に付勢している。
【0097】従動ローラ43は、二次転写部T2を形成
するバックアップローラである。このバックアップロー
ラ43には、中間転写ベルト46を介して二次転写手段
としての二次転写ローラ48が対向配置されている。二
次転写ローラ48は、図示しない接離機構により中間転
写ベルト46に対して接離可能である。二次転写ローラ
48には、二次転写電圧が印加される。
【0098】従動ローラ44は、ベルトクリーナ49の
ためのバックアップローラである。ベルトクリーナ49
は、中間転写ベルト46と接触してその外周面に残留し
付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレード49
aと、このクリーナブレード49aによって掻き落とさ
れたトナーを受ける受け部49bとを備えている。この
ベルトクリーナ49は、図示しない接離機構によって中
間転写ベルト46に対して接離可能である。
【0099】中間転写ベルト46は、導電層と、この導
電層の上に形成され、感光体11に圧接される抵抗層と
を有する複層ベルトで構成されている。導電層は、合成
樹脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導
電層に、前述した電極ローラを介して、一次転写電圧が
印加される。
【0100】中間転写ベルト46が循環駆動される過程
で、一次転写部T1において、感光体11上のトナー画
像が中間転写ベルト46上に転写され、中間転写ベルト
46上に転写されたトナー画像は、二次転写部T2にお
いて、二次転写ローラ48との間に供給される用紙等の
シート(記録材)Sに転写される。
【0101】なお、中間転写ユニット40には、前記電
極ローラ、テンションローラ42の付勢手段、二次転写
ローラ48、およびベルトクリーナ49も組み込まれて
いる。
【0102】記録材Sは、給紙手段をなす給紙装置50
から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミ
ングで二次転写部T2に供給される。51は記録材Sを
積層保持する給紙カセット、52はピックアップローラ
である。
【0103】二次転写部T2でトナー画像が転写された
記録材Sは、定着手段をなす定着器100を通ることに
よってそのトナー画像が記録材S上に定着される。
【0104】定着器100は、後に図2を参照して詳し
く説明するように、加熱される無端ベルト110と、こ
の無端ベルト110に圧接される回転体としての加圧ロ
ーラ120と、その圧接部Nにおいて無端ベルト110
を内方から支持する弾性層を有するバックアップローラ
130とを有しており、無端ベルト110と加圧ローラ
120との圧接部Nによって、通過する記録材Sを挟圧
しつつ加熱して、トナー画像を記録材S上に溶融定着さ
せる。
【0105】定着器100を通った記録材Sは、最終的
には、排紙経路60を通って、装置本体のケース70上
に形成されたシート受け部71上に排出されるが、この
画像形成装置は、定着器100を通過した記録材Sの表
裏を反転させて再び二次転写部T2に記録材Sを返送す
ることのできる反転返送経路60’を備えている。すな
わち、この実施の形態における記録材Sの搬送手段は、
排紙経路60および反転返送経路60’を有しており、
排紙経路60が反転返送経路60’の一部を構成してい
る。
【0106】反転返送経路60’は、定着器100を通
過した記録材Sを搬入し、かつ、一旦搬入した記録材S
を逆送することのできる互いに独立した2つの排紙経路
61,62を有するスイッチバック経路63と、このス
イッチバック経路63から逆送された記録材Sを再び前
記二次転写部T2に向けて返送する返送路64とを有し
ている。したがって、この反転返送経路60’によって
再び二次転写部T2に返送される記録材Sは、その表裏
が反転されて二次転写部T2に返送されることとなる。
【0107】このような画像形成装置は、記録材Sの表
面(第1面)にのみトナー画像を形成することもできる
し、両面(表裏である第1面および第2面)にトナー画
像を形成することもできる。
【0108】以上のような画像形成装置全体の作動の概
要は次の通りである。
【0109】(i)図示しないホストコンピュータ等
(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画
像形成信号)が画像形成装置の図示しない制御部に入力
されると、感光体11、現像器30の各ローラ31、お
よび中間転写ベルト46が回転駆動される。
【0110】(ii)感光体11の外周面が帯電ローラ
12によって一様に帯電される。
【0111】(iii)一様に帯電した感光体11の外
周面に、露光ユニット60によって第1色目(例えばイ
エロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなさ
れ、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0112】(iv)感光体11には、第1色目(例え
ばイエロー)用の現像器30Yの現像ローラのみが接触
し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目
(例えばイエロー)のトナー画像が感光体11上に形成
される。
【0113】(v)中間転写ベルト46には上記トナー
の帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体
11上に形成されたトナー画像が、一次転写部T1にお
いて中間転写ベルト46上に転写される。このとき、二
次転写ローラ48およびベルトクリーナ49は、中間転
写ベルト46から離間している。
【0114】(vi)感光体11上に残留しているトナ
ーがクリーニング手段13によって除去された後、除電
手段21からの除電光L2によって感光体11が除電さ
れる。
【0115】(vii)上記(ii)〜(vi)の動作
が必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令
信号の内容に応じて、第2色目、第3色目、第4色目、
と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー
画像が中間転写ベルト46上において重ね合わされて中
間転写ベルト46上に形成される。
【0116】(viii)所定のタイミングで給紙装置
50から記録材Sが供給され、記録材Sの先端が二次転
写部T2に達する直前にあるいは達した後に(要するに
記録材S上の所望の位置に、中間転写ベルト46上のト
ナー画像が転写されるタイミングで)二次転写ローラ4
8が中間転写ベルト46に押圧されるとともに二次転写
電圧が印加され、中間転写ベルト46上のトナー画像
(基本的には4色のトナー画像が重ね合わせられたフル
カラー画像)が記録材S上に転写される。また、ベルト
クリーナ49が中間転写ベルト46に当接し、二次転写
後に中間転写ベルト46上に残留しているトナーが除去
される。
【0117】(ix)記録材Sが定着器100を通過す
ることによって記録材S上にトナー画像が定着し、その
後、記録材Sが所定の位置に向け(両面印刷でない場合
にはシート受け部71に向け、両面印刷の場合には、ス
イッチバック経路63を経て返送路64に向け)搬送さ
れる。
【0118】すなわち、表面(第1面)にのみ画像を形
成する場合には、給紙装置50から給送された記録材S
は、その第1面に二次転写部T2でトナー画像が転写さ
れ、定着器100で定着された後、排紙経路61または
62を経てシート受け部71上に排出される。なお、排
紙経路61,62の入り口部分60Aには、図示しない
経路切換手段が設けられており、これによってどちらの
排紙経路(61,62)に記録材Sが搬入されるかが決
定される。
【0119】両面(第1面および第2面)に画像を形成
する場合には、給紙装置50から給送された記録材S
は、その第1面に二次転写部T2でトナー画像が転写さ
れ、定着器100で定着された後、一旦排紙経路61ま
たは62(スイッチバック経路63)に入り、逆送され
て返送路64を経て、ゲートローラ対Gによって所定の
タイミングで再び二次転写部T2に返送され、第2面に
もトナー画像が転写される。その後、定着器100で第
2面にもトナー画像が定着され、排紙経路61または6
2を経てシート受け部71上に排出される。
【0120】以上、この実施の形態の画像形成装置の概
要について説明したが、次に、その定着器100につい
て詳しく説明する。
【0121】先ず、定着器100の基本構成について説
明する。
【0122】図2は定着器100の基本構成を示す概略
図である。
【0123】前述したように、定着器100は、加熱さ
れる無端ベルト110と、この無端ベルト110に圧接
される回転体としての加圧ローラ120と、その圧接部
Nにおいて無端ベルト110を内方から支持する弾性層
を有するバックアップローラ130とを有しており、無
端ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nによっ
て、通過する記録材Sを挟圧しつつ加熱して、トナー画
像を記録材S上に溶融定着させるようになっている。ま
た、この実施の形態の定着器100は、無端ベルト11
0を加熱する加熱手段としての加熱ローラ140を有し
ており、無端ベルト110は、バックアップローラ13
0と加熱ローラ140との間に張架されている。
【0124】これら無端ベルト110、加圧ローラ12
0、および加熱ローラ140を回転させるための駆動ロ
ーラとしては、バックアップローラ130以外のロー
ラ、すなわち、加圧ローラ120または加熱ローラ14
0を用いることができるが、この実施の形態では、加圧
ローラ120を駆動ローラとして用いている。
【0125】すなわち、加圧ローラ120は、画像形成
装置本体に設けられた図示しない駆動手段によって図2
の矢印方向(反時計方向)に回転駆動され、無端ベルト
110、および加熱ローラ140が従動するようになっ
ている。具体的には、加圧ローラ120に対して無端ベ
ルト110が圧接されていることにより、無端ベルト1
10が加圧ローラ120に従動し、無端ベルト110が
加熱ローラ140に巻き掛けられていることにより、加
熱ローラ140が無端ベルト110に従動するようにな
っている。
【0126】バックアップローラ130は、後述するよ
うにして無端ベルト110等とは別に回転駆動され、し
たがって、無端ベルト110に対しては従動せず、無端
ベルト110に対して滑りつつ無端ベルト110の周速
よりも遅い周速で回転する。
【0127】なお、加熱ローラ140を駆動ローラとし
て用いた場合には、加熱ローラ140で駆動される無端
ベルト110に対して加圧ローラ120が圧接されてい
ることにより、加圧ローラ120が無端ベルト110に
従動することとなる。
【0128】無端ベルト110は、薄肉金属製のベルト
基材(例えばニッケルの電鋳ベルト)110a(図12
(b)参照)の表面に、記録材およびトナーに対する剥
離性に優れた表層(例えばシリコーンゴム層)110b
を形成したものである。
【0129】図2において、111はバックアップロー
ラ130への巻掛け部における無端ベルト110の表面
温度を検出するためのサーミスタである。このサーミス
タ111は加圧ローラ120との圧接部Nの上流側に設
けられている。
【0130】バックアップローラ130は、金属製の芯
材131と、この芯材131の表面に設けられた比較的
肉厚の弾性層132とを有しており、芯材131の軸1
31aで定着器100のフレームの側板101に対して
回転可能に支持されている。
【0131】弾性層132は、シリコーンゴムを例えば
7mm程度の厚さで設け、さらにその表面には低摩擦層
132aを設けてある。低摩擦層132aは、例えば、
弾性層132の表面にPFAチューブを被せることで形
成する。したがって、バックアップローラ130の表面
は、滑り易い平滑面となっている。
【0132】加熱ローラ140は、熱伝導性に優れた材
料(例えばアルミニウム)でパイプ状に形成されてお
り、その内部に熱源であるハロゲンランプ141が配置
されている。この加熱ローラ140は、無端ベルト11
0の巻掛け部において無端ベルト110を急速に加熱す
ることが可能である。この実施の形態の加熱ローラ14
0はテンションローラとして構成されており、図示しな
い適宜の付勢手段で無端ベルト110の張り方向に付勢
されている。なお、図2において、143は加熱ローラ
140の温度を検出するためのサーミスタである。
【0133】加圧ローラ120は、パイプ状の熱伝導性
に優れた芯材(例えば鉄管)121と、この芯材121
の表面に設けられた弾性層122と、この弾性層122
の表面に形成された、記録材およびトナーに対する剥離
性に優れた表層122aとを備え、芯材121の内部に
熱源であるハロゲンランプ123が配置されている。弾
性層122は、前記バックアップローラ130の弾性層
132に比べて肉薄とするか、またはバックアップロー
ラ130の弾性層132よりも硬い材料で形成する。こ
の実施の形態では、弾性層122は、シリコーンゴムを
例えば1mm程度の厚さで設け、さらにその表層122
aとしてオイルバリヤー性を有するフッ素ラテックスを
コーティングしてある。
【0134】加圧ローラ120は、定着器100のフレ
ーム側板101に対して回転可能に支持されており、画
像形成装置本体に設けられた図示しない駆動手段によっ
て図2の矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。な
お、加圧ローラ120は、その半径方向へは移動不能に
取り付けられており、弾性層122および前記バックア
ップローラ130の弾性層132の弾性力で無端ベルト
110を介してバックアップローラ130に圧接されて
いる。その圧接部Nは、バックアップローラ130の弾
性層132が加圧ローラ120の弾性層122よりも肉
厚で変形し易い(または柔らかくて変形し易い)ことか
ら、バックアップローラ130側に凸状に形成される。
図2において、124は加圧ローラ120の表面温度を
検出するためのサーミスタである。
【0135】定着器100のフレーム101には、二次
転写部T2(図1参照)によりトナー画像が形成(転
写)された記録材Sを無端ベルト110と加圧ローラ1
20との圧接部(ニップ部)Nに導く、ガイド102が
設けられている。また、圧接部Nの下流側には、排紙ロ
ーラ対103と、定着後の記録材Sを排紙経路60に導
くガイド104とが設けられている。なお、上記各サー
ミスタは、前述した図示しない制御部に接続されてお
り、各サーミスタからの検出温度に応じ、制御部によっ
て前記各熱源123,141への通電量が制御されるよ
うになっている。
【0136】図3〜図5はこの実施の形態の駆動系の例
を示す概念図(部分斜視図)で、図3は第1例を、図4
は第2例を、図5は第3例をそれぞれ示している。
【0137】この実施の形態の特徴は、バックアップロ
ーラ130を、駆動手段によって、無端ベルト110に
対して滑らせつつ無端ベルト110の周速Vbよりも遅
い周速Vfで回転駆動するようにした点にある。
【0138】図3に示すように、駆動系の第1例は、加
圧ローラ120を駆動するモータM1と別の駆動手段で
あるモータM2を設け、このモータM2でバックアップ
ローラ130を回転駆動するようにしてある。モータM
1は、加圧ローラ120を周速Vk(例えば160mm
/s程度)で駆動し、モータM2はバックアップローラ
130を周速Vf(例えば140mm/s程度)で駆動
するように構成してある。
【0139】バックアップローラ130の駆動経路に
は、駆動源であるモータM2側とバックアップローラ1
30側との間に、動力伝達手段134が設けられてい
る。
【0140】この動力伝達手段134は、駆動源(モー
タM2)側の駆動回転数よりもバックアップローラ13
0側の回転数が大きくなったときに、駆動源(モータM
2)側とバックアップローラ130側との間の動力伝達
を非伝達とする。なお、駆動源(モータM2)側の駆動
回転数よりもバックアップローラ130側の回転数が小
さくなろうとした場合には、駆動源(モータM2)側か
らの動力をバックアップローラ130側へ伝達し、前述
したように、バックアップローラ130は周速Vf(例
えば140mm/s程度)で駆動される。
【0141】したがって、仮に、何らかの理由(例え
ば、加圧ローラ120とバックアップローラ130とが
直接圧接されている部位N3におけるグリップが一時的
に大きくなった等の理由)によってバックアップローラ
130が加圧ローラ120すなわち無端ベルト110に
対して一時的に完全に従動し、その回転数が駆動源(モ
ータM2)側の駆動回転数よりも大きくなってしまった
としても、装置が破損してしまうという事態が生じなく
なる。上記動力伝達手段134を設けない場合におい
て、バックアップローラ130が無端ベルト110に対
して一時的に完全に従動してしまった、すなわちVk=
Vb=Vfになってしまったとすると、装置の駆動系が
破損してしまうおそれがあるが、この実施の形態によれ
ばそのようなおそれがなくなる。
【0142】動力伝達手段134は、例えばワンウェイ
クラッチで構成する。
【0143】第2例は、図4に示すように、モータMに
駆動ギヤ133を設け、このギヤ133に前記第1例と
同様の動力伝達手段134を介してバックアップローラ
130の軸131aを連結してある。また、前記駆動ギ
ヤ133と噛み合うギヤ125を加圧ローラ120の軸
120aに固定してある。モータMは、駆動ギヤ13
3、および動力伝達手段134を介してバックアップロ
ーラ130を回転駆動するとともに、駆動ギヤ133、
および前記ギヤ125を介して加圧ローラ120を回転
駆動する。例えば、ギヤ133と125との比を45:
40程度とし、加圧ローラ120を周速Vk(例えば1
91mm/s程度)で駆動し、バックアップローラ13
0を周速Vf(例えば170mm/s程度)で駆動する
ように構成してある。
【0144】バックアップローラ130の駆動経路に
は、駆動源であるギヤ133側とバックアップローラ1
30側との間に、前記動力伝達手段134が設けられて
いる。
【0145】この動力伝達手段134は、駆動源(ギヤ
133)側の駆動回転数よりもバックアップローラ13
0側の回転数が大きくなったときに、駆動源(ギヤ13
3)側とバックアップローラ130側との間の動力伝達
を非伝達とする。
【0146】第3例は、図5に示すように、図示しない
モータで回転駆動される駆動ギヤMGを設け、このギヤ
MGと噛み合うギヤ125を加圧ローラ120の軸12
0aに固定してある。また、前記ギヤ125と噛み合う
ギヤ133を設け、このギヤ133に前記第1例と同様
の動力伝達手段134を介してバックアップローラ13
0の軸131aを連結してある。駆動ギヤMGは、前記
ギヤ125を介して加圧ローラ120を回転駆動すると
ともに、さらに前記ギヤ125、ギヤ133、および動
力伝達手段134を介してバックアップローラ130を
回転駆動する。ギヤ133と125との比は、例えば、
第2例と同様45:40程度とし、加圧ローラ120を
周速Vk(例えば191mm/s程度)で駆動し、バッ
クアップローラ130を周速Vf(例えば170mm/
s程度)で駆動するように構成してある。
【0147】この例における動力伝達手段134は、駆
動源(ギヤ133)側の駆動回転数よりもバックアップ
ローラ130側の回転数が大きくなったときに、駆動源
(ギヤ133)側とバックアップローラ130側との間
の動力伝達を非伝達とする。
【0148】この実施の形態の画像形成装置によれば、
記録材S上にトナー画像が形成され、その記録材Sが、
定着器100、すなわち加熱される無端ベルト110
と、この無端ベルト110に圧接される回転体としての
加圧ローラ120と、その圧接部Nにおいて無端ベルト
110を内方から支持する弾性層132を有するバック
アップローラ130とを備え、加圧ローラ120が駆動
され、無端ベルト110が従動する定着器100におけ
る前記圧接部Nを通過することにより、トナー画像が加
熱溶融されて記録材S上に定着させられる。
【0149】前記圧接部Nを形成する無端ベルト110
と加圧ローラ120は、そのうち一方(この場合加圧ロ
ーラ120)が駆動され、他方(この場合無端ベルト1
10)が従動する構成であるから、基本的には無端ベル
ト110と加圧ローラ120との間には周速差が生じず
(Vb=Vk)、したがって、圧接部Nを通過する記録
材S上のトナー画像に擦れが生じて画像が乱れるという
事態が生じ難い。また、ベルト110が加熱される構成
であるから、初期的加熱時間を短縮することができる。
さらに、圧接部Nにおいて無端ベルト110を内方から
支持するバックアップローラ130が弾性層132を有
しているので、圧接部Nの周方向の長さを長く形成する
ことが可能であるとともに、圧接部Nの断面形状をバッ
クアップローラ130側すなわち無端ベルト110側に
凸形状となるように構成することが可能であり、したが
って、圧接部Nを通過した記録材Sの無端ベルト110
への巻き付きを生じ難くすることが可能である。
【0150】そして、バックアップローラ130が無端
ベルト110に対して滑りつつ無端ベルトの周速Vbよ
りも遅い周速Vfで回転するので、比較的小さな駆動力
で安定した定着動作を得ることが可能になるとともに、
定着不良も生じにくくなる。
【0151】この点について、再び念のために詳しく説
明する。
【0152】前述したように、互いに圧接される一対の
ローラを回転させるための駆動力は、ローラが弾性層を
有している場合の方が大きな駆動力が必要であり、この
ことは、一対のローラがベルトを介して圧接されている
場合も同様である。
【0153】図20に示したベルト定着器では、回転駆
動される加圧ローラ9に対してベルト6を介してローラ
7aが基本的に完全に従動する構造となっていたので、
ローラ7a側に弾性層を設けた場合には、大きな駆動力
が必要になっていた。
【0154】これに対し、この実施の形態では、弾性層
132を有するバックアップローラ130は、無端ベル
ト110に対して滑りつつ無端ベルト110の周速Vb
よりも遅い周速Vfで回転する、すなわち、無端ベルト
110(したがってまた加圧ローラ120)に対して従
動しない。むしろ、バックアップローラ130を無端ベ
ルト110に対して積極的に滑らせつつ無端ベルト11
0の周速Vbよりも遅い周速Vfで回転させる構成とな
っている。
【0155】このため、弾性層132を有するバックア
ップローラ130を無端ベルト110ないし加圧ローラ
120に対して基本的に完全に従動させる場合に比べ
て、バックアップローラ130を、その弾性層132を
圧縮変形させながら回転させるその回転数を少なくする
ことができる。この作用は、無端ベルト110を駆動す
る場合、加圧ローラ120を駆動する場合、のいずれの
場合にも得られる作用である。特に、この実施の形態に
おける弾性層132は比較的厚手であり、したがってよ
り大きく圧縮変形することとなるが、この弾性層132
を圧縮変形させながら回転させるバックアップローラ1
30の回転数を少なくすることができるので一層有効で
ある。
【0156】したがって、この実施の形態によれば、必
要以上に駆動力を大きくする必要がなくなり、結果とし
て、比較的小さな駆動力で安定した定着動作を得ること
が可能となる。
【0157】なお、バックアップローラ130が無端ベ
ルト110(したがってまた加圧ローラ120)に対し
て従動しない構成であっても、上述したように、圧接部
Nを形成する無端ベルト110と加圧ローラ120は、
そのうち一方が駆動され、他方が従動する構成であるか
ら、基本的には無端ベルト110と加圧ローラ120と
の間には周速差が生じず(Vb=Vk)、したがって、
圧接部Nを通過する記録材S上のトナー画像に擦れが生
じて画像が乱れるという事態は生じ難い。
【0158】しかも、バックアップローラ130が、無
端ベルト110よりも遅い周速Vfであるとはいえ、回
転する構成となっているので、記録材Sが圧接部Nを通
過した際に、圧接部Nの長手方向(ベルト幅方向)に関
し、バックアップローラ130における記録材Sが通過
した領域(図6におけるN1参照)の温度と、記録材S
が通過しなかった領域(図6におけるN2参照)におけ
る温度との差が著しく大きくなってしまうということが
なくなる。
【0159】したがって、図21に示した従来のベルト
定着器で生じていたような、定着むら等の定着不良も生
じ難くなる。
【0160】以上のように、この実施の形態の画像形成
装置によれば、比較的小さな駆動力で安定した定着動作
得ることが可能となり、定着不良も生じにくくなる。
【0161】しかも、バックアップローラ130が回転
駆動される構成となっているので、一層確実に、バック
アップローラ130を無端ベルト110に対して滑らせ
つつ無端ベルト110の周速よりも遅い周速で回転させ
ることができる。
【0162】また、バックアップローラ130の表面
は、滑り易い平滑面となっているので、一層容易にバッ
クアップローラ130を無端ベルト110に対して滑ら
せつつ無端ベルト110の周速Vbよりも遅い周速Vf
で円滑に回転させることができる。
【0163】したがって、一層確実に、比較的小さな駆
動力で安定した定着動作を得ることが可能となる。
【0164】なお、バックアップローラ130を回転駆
動する駆動手段を設けても、前述した理由によって、定
着器100全体を駆動するための駆動力は、バックアッ
プローラ130を無端ベルト110に完全に従動させる
構成とした場合に比べて小さくて済む。
【0165】さらに、バックアップローラ130の駆動
経路には、駆動源側とバックアップローラ130側との
間に、駆動源側の駆動回転数よりもバックアップローラ
130側の回転数が大きくなったときに、駆動源側とバ
ックアップローラ130側との間の動力伝達を非伝達と
する動力伝達手段134が設けられているので、仮に、
何らかの理由によってバックアップローラ130が無端
ベルト110に対して一時的に完全に従動してしまった
としても、装置が破損してしまうという事態が生じなく
なる。
【0166】<第2の実施の形態>図6は、本発明に係
る画像形成装置の第2の実施の形態における定着器10
0の特徴部分を示す概念図(斜視図)である。この図に
おいて、前述した第1の実施の形態と同一部分には同一
の符号を付してある。
【0167】この実施の形態が上述した第1の実施の形
態と異なる点は、無端ベルト110の裏面に潤滑剤を塗
布する潤滑剤塗布手段160(図2参照)を設けること
により、バックアップローラ130が無端ベルト110
に対して滑り易くした点にありその他の点に変わりはな
い。
【0168】この実施の形態における潤滑剤塗布手段1
60は、無端ベルト110の裏面に当接して潤滑材とし
てのオイルを塗布するオイルパッド161で構成してあ
る。このオイルパッド161は、例えば、オイルを含浸
させた棒状のフェルトで構成する。
【0169】なお、図7に示すように、潤滑剤塗布手段
160としてのオイルパッド161は、バックアップロ
ーラ130に対して設けて、バックアップローラ130
の表面にオイルを塗布するように構成してもよい。
【0170】この実施の形態によれば、上述した第1の
実施の形態による作用効果に加え、さらに次のような作
用効果が得られる。
【0171】すなわち、バックアップローラ130の表
面または無端ベルト110の裏面に潤滑剤を塗布する潤
滑剤塗布手段160が設けられているので、容易にバッ
クアップローラ130を無端ベルト110に対して滑ら
せつつ無端ベルト110の周速Vbよりも遅い周速Vf
で円滑に回転させることができる。
【0172】したがって、この実施の形態によれば、一
層容易に、比較的小さな駆動力で安定した定着動作を得
ることが可能となる。
【0173】<第3の実施の形態>図8は本発明に係る
画像形成装置の第3の実施の形態における定着器100
の特徴部分を示す概念図で、(a)は正面図、(b)は
部分省略側面図である。この図において、前述した第1
の実施の形態と同一部分には同一の符号を付してある。
【0174】この実施の形態が上述した第1の実施の形
態と異なる点は、無端ベルト110の表面側には、離型
オイルを塗布する、無端ベルト110の幅よりも長いオ
イル塗布ローラ150が設けられているとともに、無端
ベルト110の裏面側には、無端ベルト110を介して
前記オイル塗布ローラ150に圧接され、かつ無端ベル
ト110からのはみ出し部162aにおいてもオイル塗
布ローラ150に圧接される裏面用オイル塗布ローラ1
62が設けられている点にあり、その他の点に変わりは
ない。
【0175】オイル塗布ローラ150は、軸151と、
この軸151の回りに固定された肉厚の多孔質材料また
は繊維質材料からなるオイル保持層152とを有してお
り、オイル保持層152には、離型オイル(例えばジメ
チルシリコーンオイル)が含浸させてある。
【0176】裏面用オイル塗布ローラ162は、軸16
2bと、この軸162bの回りに固定された多孔質材料
または繊維質材料からなるオイル保持層162cとを有
しており、オイル保持層162cには、初期的に(一番
最初にユーザの手元に供されるときには)離型オイルが
含浸させてある。
【0177】これらオイル塗布ローラ150および裏面
用オイル塗布ローラ162は、図示しない適宜の付勢手
段で無端ベルト110を挟圧するようにして無端ベルト
110に圧接されて従動回転し、無端ベルト110の表
面および裏面に、離形オイルを塗布する。
【0178】この実施の形態によれば、無端ベルト11
0の裏面側には、裏面用オイル塗布ローラ162が設け
られているので、この裏面用オイル塗布ローラ162に
よって無端ベルト110の裏面にオイルが塗布され、し
たがって、上述した第2の実施の形態により得られる作
用効果と同様な作用効果が得られる。
【0179】さらに次のような作用効果が得られる。
【0180】無端ベルト110の表面側には、離型オイ
ルを塗布するオイル塗布ローラ150が設けられている
ので、記録材S上のトナーが無端ベルト110の表面に
転移してしまうといういわゆるオフセット現象が生じ難
くなる。
【0181】しかも、オイル塗布ローラ150は無端ベ
ルト110の幅よりも長く構成されているとともに、裏
面用オイル塗布ローラ162は無端ベルト110の裏面
側において無端ベルト110を介してオイル塗布ローラ
150に圧接され、かつ無端ベルト110からのはみ出
し部162aにおいてもオイル塗布ローラ150に圧接
される構成となっているので、裏面用オイル塗布ローラ
162には、前記はみ出し部162aにおけるオイル塗
布ローラ150との圧接部を介してオイル塗布ローラ1
50からオイルが供給されることとなる。
【0182】この点に関し詳しく説明すると、前述した
ように裏面用オイル塗布ローラ162のオイル保持層1
62cには、初期的に離型オイルが含浸させてあるが、
画像形成装置がユーザーによって使用されるにつれて、
そのオイルは消費されてゆく。そしてその消費量が一定
量を越えると、裏面用オイル塗布ローラ162に含浸さ
れているオイルの密度とオイル塗布ローラ150に含浸
されているオイルの密度との差により、前記はみ出し部
162aにおけるオイル塗布ローラ150との圧接部を
介してオイル塗布ローラ150からオイルが裏面用オイ
ル塗布ローラ162へ供給されることとなる。なお、画
像形成装置がユーザーによって使用されるにつれて、オ
イル塗布ローラ150のオイルも消費されてゆくことと
なるが、その消費量が一定量を越えた場合には(消費量
が一定量を越えたことは感光体11または中間転写ベル
ト46の累積回転数等を検出しておくことによって容易
に検出することができる)、オイル塗布ローラ150は
ユーザー等によって交換されることとなる。
【0183】すなわち、この実施の形態によれば、無端
ベルト110の外側にあって比較的交換し易いオイル塗
布ローラ150を交換すればよく、無端ベルト110の
裏面側に配置され、したがって比較的交換作業が困難な
裏面用オイル塗布ローラ162を交換する必要がなくな
る。
【0184】<第4の実施の形態>図9は本発明に係る
画像形成装置の第4の実施の形態における定着器100
の特徴部分を示す概念図(斜視図)である。この図にお
いて、前述した第2の実施の形態と同一部分には同一の
符号を付してある。
【0185】この実施の形態が前述した第2の実施の形
態と異なる点は、潤滑剤塗布手段160を設ける代わり
に(あるいは設けるとともに)、無端ベルト110の幅
L1を、画像形成に供され得る記録材の最大通過幅Pよ
りも大きく形成するとともに、無端ベルト110とバッ
クアップローラ130との間の摩擦力をF1,無端ベル
ト110における、最大通過幅Pを有する記録材Sに圧
接されない部位と回転体としての加圧ローラ120との
間の摩擦力をF2としたとき、F1<F2なる条件が満
たされるように構成されている点にあり、その他の点に
変わりはない。
【0186】この実施の形態では、無端ベルト110に
おける、最大通過幅Pを有する記録材Sに圧接されない
部位は無端ベルト110の両端に形成されており、図9
において左方の部位L2Lにおける加圧ローラ120と
の間の摩擦力をF2L,右方の部位L2Rにおける加圧
ローラ120との間の摩擦力をF2Rとしたとき、F1
<F2(=F2L+F2R)なる条件が満たされるよう
に構成されている。例えば、F1=2Kgf程度,F2
=4Kgf程度となるように構成してある。
【0187】この実施の形態によれば、無端ベルトの幅
L1は、画像形成に供され得る記録材の最大通過幅Pよ
りも大きく形成されているとともに、無端ベルト110
とバックアップローラ130との間の摩擦力をF1,無
端ベルトにおける、記録材に圧接されない部位と加圧ロ
ーラ120との間の摩擦力をF2としたとき、F1<F
2なる条件が満たされるように構成されているので、確
実に、バックアップローラ130を無端ベルト110に
対して滑らせつつ無端ベルト110の周速よりも遅い周
速で回転させることができる。
【0188】したがって、上述した第2の実施の形態に
より得られる作用効果と同様な作用効果が確実に得られ
る。
【0189】<第5の実施の形態>図10は本発明に係
る画像形成装置の第5の実施の形態における定着器10
0の特徴部分を示す概念図(斜視図)である。この図に
おいて、前述した第2の実施の形態と同一部分には同一
の符号を付してある。
【0190】この実施の形態が前述した第2の実施の形
態と異なる点は、潤滑剤塗布手段160を設ける代わり
に(あるいは設けるとともに)、無端ベルト110の幅
L1を、画像形成に供され得る記録材の最大通過幅Pよ
りも大きく形成するとともに、無端ベルト110とバッ
クアップローラ130との間の摩擦係数をμ1,無端ベ
ルト110における、最大通過幅Pを有する記録材Sに
圧接されない部位のベルト幅方向の長さをL2,無端ベ
ルト110における、記録材に圧接されない部位と加圧
ローラ120との間の平均摩擦係数をμ2としたとき、
L1×μ1<L2×μ2なる条件が満たされるように構
成されている点にあり、その他の点に変わりはない。
【0191】この実施の形態では、無端ベルト110に
おける、最大通過幅Pを有する記録材Sに圧接されない
部位は無端ベルト110の両端に形成されており、図1
0において左方の部位の長さをL2L,右方の部位の長
さをL2Rとしたとき、L1×μ1<L2×μ2(=
(L2L+L2R)×μ2)なる条件が満たされるよう
に構成されている。例えば、L1=380mm程度,μ
1=0.05程度,L2=50mm程度,μ2=0.8
程度となるように構成してある。
【0192】この実施の形態によれば、無端ベルト11
0の幅は、画像形成に供され得る記録材の最大通過幅P
よりも大きく形成されているとともに、無端ベルト11
0の幅をL1,無端ベルト110とバックアップローラ
130との間の摩擦係数をμ1,無端ベルト110にお
ける、記録材に圧接されない部位のベルト幅方向の長さ
をL2,無端ベルト110における、記録材に圧接され
ない部位と加圧ローラ120との間の平均摩擦係数をμ
2としたとき、L1×μ1<L2×μ2なる条件が満た
されるように構成されているので、確実に、バックアッ
プローラ130を無端ベルト110に対して滑らせつつ
無端ベルト110の周速よりも遅い周速で回転させるこ
とができる。
【0193】したがって、上述した第2の実施の形態に
より得られる作用効果と同様な作用効果が確実に得られ
る。
【0194】<第6の実施の形態>この実施の形態の特
徴は、図11に示すように、無端ベルト110の幅L1
が、画像形成に供され得る記録材の最大通過幅Pよりも
大きく形成されているとともに、無端ベルト110にお
ける記録材に圧接されない部位112、この部位112
に圧接される加圧ローラ120の部位126、のうち少
なくとも一方に、高グリップ部Gが設けられている点に
ある。その他の点については、上述した第1〜第5の実
施の形態の構成を適宜作用することができるが、オイル
塗布ローラ150を設ける場合には、そのオイル塗布幅
は、記録材の最大通過幅Pよりも小さくかつ記録材上に
形成され得る最大画像形成幅よりも大きく設定する。
【0195】この実施の形態では、無端ベルト110に
おける記録材に圧接されない部位112に高グリップ部
G(ベルト側の高グリップ部Gを符号110Gで示す)
が設けられている。
【0196】図12は、高グリップ部110Gを示す概
略図で、(a)は部分平面図、(b)は図(a)におけ
るb−b断面図である。
【0197】この高グリップ部110Gは、前記部位1
12においてベルト110の側縁部110cに沿って、
ベルト基材110aの表面に、耐熱繊維(例えばグラス
ファイバー)のネット113を接着剤114で接着する
ことによって構成されている。具体的には、例えば、前
記記録材Sの最大通過幅Pが330mm程度である場合
に、無端ベルト110の幅L1を390mm程度とし、
その両端に幅25mm程度のネット113を接着するこ
とで構成する。ネット113は、太さ0.5mm程度
で、編目のピッチが2mm程度のものを用いる。
【0198】この実施の形態の画像形成装置によれば、
前述した第1の実施の形態等による作用効果に加え、次
ぎような作用効果が得られる。
【0199】無端ベルト110の幅L1は、画像形成に
供され得る記録材の最大通過幅Pよりも大きく形成され
ているとともに、無端ベルト110における記録材に圧
接されない部位、この部位に圧接される加圧ローラ12
0の部位、のうち少なくとも一方に、高グリップ部Gが
設けられているので、無端ベルト110と加圧ローラ1
20との圧接部N(正確には図11に示す圧接部Nの一
部N1)に、比較的滑り易い記録材が供給され、この滑
り易い記録材Sの介在によって、駆動側の加圧ローラ1
20(加熱ローラ140で無端ベルト110が駆動され
る場合には無端ベルト110,以下同じ)と記録材Sと
の間および/または記録材Sと従動側の無端ベルト11
0(加熱ローラ140で無端ベルト110が駆動される
場合には加圧ローラ120,以下同じ)との間でスリッ
プが生じそうになったとしても、前記高グリップ部Gの
作用によって駆動側の加圧ローラ120に対する従動側
の無端ベルト110の従動性が向上し、確実に、無端ベ
ルト110と加圧ローラ120とが基本的に同一の周速
で回転することとなる。このため、上記スリップが防止
され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として確
実に、安定した定着動作がなされることとなる。したが
ってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにくくな
って画像乱れがほとんど生じなくなる。
【0200】この画像形成装置は、記録材Sの両面にト
ナー画像を形成可能となっているので、両面にトナー画
像Tが形成された記録材Sが定着器100における圧接
部Nの一部N1を通過する場合がある。
【0201】記録材S上のトナーは、記録材Sと、無端
ベルト110あるいは加圧ローラ120との摩擦係数を
低減させることがあるため、トナー画像が記録材Sの両
面に形成されていると、トナー画像が片面にのみ形成さ
れている場合に比べて前述したスリップが生じるおそれ
が大きくなる。
【0202】これに対し、この実施の形態の画像形成装
置によれば、無端ベルト110の幅L1は、画像形成に
供され得る記録材Sの最大通過幅Pよりも大きく形成さ
れているとともに、無端ベルト110における記録材に
圧接されない部位112、この部位112に圧接される
加圧ローラ120の部位126、のうち少なくとも一方
に、高グリップ部Gが設けられているので、記録材Sの
両面にトナー画像を形成した場合でも、上記スリップが
生じなくなり(少なくとも著しく軽減されることとな
り)、結果として安定した定着動作がなされることとな
る。
【0203】すなわち、この実施の形態の画像形成装置
によれば、記録材Sの両面に画像乱れのない(少なくと
も著しく少ない)画像を形成することが可能となる。
【0204】さらに、この画像形成装置は、複数色のト
ナーの重ね合わせによるフルカラー画像が形成可能とな
っているので、少なくとも片面にフルカラー画像が形成
された記録材Sが定着器100における圧接部Nの一部
N1を通過する場合がある。
【0205】前述したように記録材S上のトナーは、記
録材Sと、無端ベルト110あるいは加圧ローラ120
との摩擦係数を低減させることがあるため、複数色のト
ナーの重ね合わせによるフルカラー画像が記録材S上に
形成されていると、単色のトナー画像のみが形成されて
いる場合に比べて前述したスリップが生じるおそれが大
きくなる。
【0206】これに対し、この実施の形態の画像形成装
置によれば、無端ベルト110の幅L1は、画像形成に
供され得る記録材Sの最大通過幅Pよりも大きく形成さ
れているとともに、無端ベルト110における記録材に
圧接されない部位112、この部位112に圧接される
加圧ローラ120の部位126、のうち少なくとも一方
に、高グリップ部Gが設けられているので、記録材S上
に複数色のトナーの重ね合わせによるフルカラー画像を
形成した場合でも、上記スリップが生じなくなり(少な
くとも著しく軽減されることとなり)、結果として安定
した定着動作がなされることとなる。
【0207】すなわち、この実施の形態の画像形成装置
によれば、画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)
フルカラー画像を形成することが可能であり、しかも記
録材Sの両面に画像乱れのない(少なくとも著しく少な
い)フルカラー画像を形成することが可能となる。
【0208】なお、高グリップ部Gは記録材Sに圧接さ
れない部位に設けられているので、記録材Sおよび記録
材S上の画像に悪影響を及ぼすことはない。
【0209】<第7の実施の形態>この実施の形態が上
述した第6の実施の形態と異なる点は、図12(c)に
示すように、高グリップ部110Gを形成するネット1
13における網目113cが周方向(図示矢印で示す方
向)に関してずれている点にあり、その他の点に変わり
はない。この実施の形態では、ネット113の周方向に
伸びる線材113aを多少傾斜させることによって網目
113cを周方向に関してずらしてある。
【0210】この実施の形態によれば、上述した第6の
実施の形態により得られる作用効果に加え次のような作
用効果が得られる。
【0211】すなわち、高グリップ部110Gを形成す
るネット113における網目113cが周方向(図示矢
印で示す方向)に関してずれているているので、この高
グリップ部110Gに圧接される部位(この場合加圧ロ
ーラ120の部位126)の局部的な摩耗が防止され、
結果として高グリップ部に圧接される部位126を有す
る加圧ローラ120(高グリップ部Gを加圧ローラ12
0に設けた場合には無端ベルト110)の耐久性が向上
する。
【0212】<第8の実施の形態>この実施の形態が上
述した第6の実施の形態と異なる点は、図13(a)
(b)(c)に示すように、高グリップ部110Gが、
突部G1を周方向に連続して設けることにより形成され
ており、その相隣接する突部G1同士の間隔すなわちピ
ッチG1pが、圧接部Nの周方向における長さLNより
も小さく構成されている点にあり、その他の点に変わり
はない。この実施の形態では、凸部G1を突条(凸部を
線状に形成したもの)としてあるが、必ずしも突条とす
る必要はない。また、この実施の形態の無端ベルト11
0は、耐熱性樹脂ベルトで構成し、凸部G1をベルトと
一体に形成することが望ましいが、第6の実施の形態と
同様のベルトを用い、前記部位112に凸部を有するゴ
ムベルト等を固着してもよい。
【0213】この実施の形態によれば、高グリップ部1
10Gは突部G1を周方向に連続して設けることにより
形成されており、その相隣接する突部G1同士の間隔G
1pが、圧接部Nの周方向における長さLNよりも小さ
く構成されているので、確実に、駆動側の加圧ローラ1
20(または無端ベルト110)に対する従動側の無端
ベルト110(または加圧ローラ120)の従動性が向
上し、確実に、無端ベルトと回転体とが基本的に同一の
周速で回転することとなる。
【0214】したがって、上述した第6の実施の形態に
より得られる作用効果と同様な作用効果が得られる。
【0215】<第9の実施の形態>この実施の形態が上
述した第8の実施の形態と異なる点は、図13(d)に
示すように、高グリップ部110Gが、無端ベルト11
0の略幅方向に伸びる線状の突部である突条G1を周方
向に連続して設けることにより形成されており、かつこ
の突条G1が、無端ベルト110の幅方向に対して、無
端ベルト110をその両端方向に引っ張る方向(この方
向に作用する力を矢印F3で示す)に傾斜している点に
あり、その他の点に変わりはない。この実施の形態で
は、上記第8の実施の形態同様、相隣接する突条G1同
士の間隔すなわちピッチG1pを、圧接部Nの周方向に
おける長LNさよりも小さく構成してあるが、必ずしも
その必要はない。突条G1が無端ベルト110の幅方向
に対して傾斜している分だけ、ピッチG1pを大きくし
ても、突条G1の少なくとも一部が常に加圧ローラ12
0に圧接されるように構成することが可能だからであ
る。
【0216】この実施の形態によれば、上述した第8の
実施の形態により得られる作用効果に加え、さらに次の
ような作用効果が得られる。
【0217】すなわち、高グリップ部110Gが、無端
ベルト110の略幅方向に伸びる線状の突部である突条
G1を周方向に連続して設けることにより形成されてお
り、かつこの突条G1が、無端ベルト110の幅方向に
対して、無端ベルト110をその両端方向に引っ張る方
向(この方向に作用する力を矢印F3で示す)に傾斜し
ているので、ベルト110に皺がより難くなるととも
に、ベルト110の偏りも少なくなり、結果として、よ
り安定した定着動作がなされるとともに、ベルト110
の耐久性も向上することとなる。
【0218】<第10の実施の形態>この実施の形態の
特徴は、上記第8または第9の実施の形態において、図
14(a)に示すように、突部(突条を含む)G1の高
さGhを、記録材Sの標準的厚さtsに等しくした点に
ある。
【0219】この実施の形態によれば、上記第8または
第9の実施の形態により得られる作用効果に加え次のよ
うな作用効果が得られる。
【0220】すなわち、突部G1の高さGhが、記録材
Sの標準的厚さtsに等しい高さに構成されているの
で、記録材Sが圧接部Nを通過する際、無端ベルト11
0は、略図14(b)に示すように、それほど大きくは
変形しないこととなる。仮に、突部G1の高さが、記録
材Sの標準的厚さtsに比べて大きすぎるとすると、そ
の分、ベルトの側部は仮想線110c’で示すように必
要以上に大きく変形することとなるし、逆に、突部G1
の高さが記録材Sの標準的厚さtsに比べて小さすぎる
とすると、高グリップ部Gとしての作用が十分に得られ
なくなってしまう。
【0221】これに対し、この実施の形態によれば、突
部G1の高さGhが記録材Sの標準的厚さtsに等しい
高さに構成されているので、記録材Sが圧接部Nを通過
する際、無端ベルト110は、略図14(b)に示すよ
うに、それほど大きくは変形せず、したがって、ベルト
110の耐久性が向上するとともに、十分なグリップ作
用も得られることとなる。
【0222】<第11の実施の形態>この実施の形態が
上述した第6の実施の形態と異なる点は、図15に示す
ように、高グリップ部Gが、無端ベルト110における
記録材Sに圧接されない部位112と、この部位112
に圧接される加圧ローラ120の部位126との両方に
設けられており、一方の高グリップ部110Gは突部G
1を周方向に連続して設けることにより形成され、他方
の高グリップ部120Gは前記突部G1よりも柔軟な弾
性層で形成されている点にあり、その他の点に変わりは
ない。この実施の形態では、突部G1を無端ベルト11
0側に設け、この突部G1よりも柔軟な弾性層を加圧ロ
ーラ120側に設けているが、突部G1を加圧ローラ1
20側に設け、この突部G1よりも柔軟な弾性層を無端
ベルト110側に設けてもよい。また、突部G1は突条
(図13(a)(b)参照)としてあるが、突条としな
くてもよい(図14(a)参照)。
【0223】図16(a1)(a2)は高グリップ部1
20Gの一例を示す図で、図(a1)は概略的な部分断
面斜視図、図(a2)は図(a1)におけるa2−a2
断面図である。
【0224】この高グリップ部120Gは、加圧ローラ
120における記録材Sに圧接されない部位であって無
端ベルト110に圧接される部位126に、柔軟な弾性
層をなす厚めで帯状のシリコーンゴムスポンジ120G
aをリング状に巻き付けて固着し、あるいは厚手で予め
リング状に形成されたシリコーンゴムスポンジ120G
aを固着することで構成してある。
【0225】このシリコーンゴムスポンジ120Ga
は、図(a3)に示すように、無端ベルト110と加圧
ローラ120とが圧接されると、同図に示すように圧縮
されて高グリップ部を形成する。
【0226】図16(b)は無端ベルト110と加圧ロ
ーラ120との圧接部Nにおける記録材Sに圧接されな
い部位112,126の様子を示す概略的断面図で、図
15におけるb矢視図に相当する図である。
【0227】同図に示すように、上記圧接部Nにおいて
は、無端ベルト110側の高グリップ部110Gをなす
突部G1が、加圧ローラ120側の高グリップ部である
柔軟な弾性層120Gに確実に食い込む状態となる。
【0228】この実施の形態によれば、上記第6の実施
の形態により得られる作用効果に加え、さらに次のよう
な作用効果が得られる。
【0229】すなわち、高グリップ部が、無端ベルト1
10における記録材Sに圧接されない部位112と、こ
の部位112に圧接される加圧ローラ120の部位12
6との両方に設けられており、一方の高グリップ部11
0Gは突部G1を周方向に連続して設けることにより形
成され、他方の高グリップ部120Gは前記突部G1よ
りも柔軟な弾性層で形成されているので、前記突部G1
が前記他方の高グリップ部120Gである柔軟な弾性層
に確実に食い込むこととなる。
【0230】したがって、無端ベルト110と加圧ロー
ラ120との間の従動性が確実に得られ、前述したスリ
ップが確実に防止され(少なくとも著しく生じ難くな
り)て、結果として確実に安定した定着動作がなされる
こととなる。
【0231】<変形例>高グリップ部Gの構成は、上述
した実施の形態におけるもの以外にも適宜採用すること
ができる。例えば、以下のような構成を採用することも
できる。
【0232】図17(a1)(a2)は高グリップ部G
の第1変形例を示す図で、図(a1)は概略的な部分斜
視図、図(a2)は概略的な部分側面図である。
【0233】この高グリップ部G1’は、無端ベルト1
10または加圧ローラ120における記録材Sに圧接さ
れない部位に、ベルト幅方向(軸線方向)に伸びる多数
の突条G1aを有する無端ゴムベルトG1bを固着す
る、あるいは多数の突条G1aを有する無端ゴムベルト
G1b状のものを前記部位に一体的に形成することで構
成してある。突条G1aの高さは、100μm〜500
μm程度とする。
【0234】図17(b1)(b2)は高グリップ部G
の第2変形例を示す図で、図(b1)は概略的な部分斜
視図、図(b2)は概略的な部分側面図である。
【0235】この高グリップ部G2は無端ベルト110
または加圧ローラ120における記録材Sに圧接されな
い部位に、ベルト幅方向(軸線方向)に伸びる多数の突
条G2aを有する耐熱テープあるいは波状の耐熱テープ
G2bをリング状に張り付けることで構成してある。突
条G2aの高さは、100μm〜500μm程度、より
好ましくは200μm程度とする。
【0236】図18(a1)(a2)は高グリップ部G
の第3変形例を示す図で、図(a1)は概略的な部分斜
視図、図(a2)は図(a1)における部分拡大断面図
(a2視図に相当する図)である。
【0237】この高グリップ部G3は、無端ベルト11
0または加圧ローラ120における記録材Sに圧接され
ない部位に、ベルト幅方向(軸線方向)に伸びる多数の
線状溝G3aを周方向に沿って多数形成することで構成
してある。溝G3aの高さは、100μm〜500μm
程度とする。
【0238】図18(b)は高グリップ部Gの第4変形
例を示す概略的断面図である。
【0239】この高グリップ部G4は、無端ベルト11
0または加圧ローラ120における記録材Sに圧接され
ない部位に、粒状体(例えばガラスビーズ)G4aをエ
ポキシ接着剤G4bで固着することで構成してある。こ
の高グリップ部G4を無端ベルト110に設ける場合に
は粒状体G4aの粒径は50μm〜200μm程度と
し、加圧ローラ120に設ける場合には粒状体G4aの
粒径は200μm〜500μm程度とする。
【0240】
【実験例】以下に説明するようにして、バックアップロ
ーラ130の無端ベルト110に対する周速の比(Vf
/Vb)と、必要な駆動力(W)と、記録紙として葉書
を通過させた後にA4サイズの用紙を通過させたときの
定着むらについて実験を行なった(図19参照)。
【0241】定着器100としては、図2,図6に示し
たように無端ベルト110の裏面にオイルパッド161
でオイルを塗布し、図3に示したように、加圧ローラ1
20をモータM1で駆動し、このモータM1と別のモー
タM2でバックアップローラ130を回転駆動する構造
のものを用いた。なお、この実験においては、動力伝達
手段134は設けず、モータM2でバックアップローラ
130を直接回転させる構造のもので実験を行なった。
【0242】無端ベルト110としては、ニッケルの電
鋳ベルト基材の表面にシリコーンゴム層を形成したもの
を用いた。無端ベルト110の幅は380mmとした。
【0243】加圧ローラ120としては、心材としての
鉄管121の表面にシリコーンゴムを1mmの厚さで設
け、さらにその表面にフッ素ラテックスをコーティング
し多ものを用いた。加圧ローラ120の外径は35m
m、長さは395mmとした。
【0244】バックアップローラ130としては、アル
ミ製の芯材131の表面にシリコーンゴム層を7mmの
厚さで設け、さらにその表面にPFAチューブを被せた
ものを用いた。バックアップローラ130の外径は40
mm,長さは400mmとした。
【0245】以上のような定着器を用いて、モータM1
で加圧ローラ120を周速Vk=160mm/sで駆動
し、モータM2による駆動力を変化させてバックアップ
ローラ130の周速Vfを0〜160mm/sまで変化
させた。
【0246】そのときの、バックアップローラ130の
加圧ローラ120(すなわち無端ベルト110)に対す
る周速の比(Vf/Vb)と、無端ベルト110,加圧
ローラ120,およびバックアップローラ130を回転
させるのに必要な駆動力、すなわちモータM1による駆
動力とモータM2による駆動力との総和(W)との関係
を図19(a)に示す。
【0247】この結果から、バックアップローラ130
の周速Vfが加圧ローラ120の周速Vk(すなわち無
端ベルト110の周速Vb)に近づくほど(前記周速比
(Vf/Vb)が1に近づくほど)、大きな駆動力が必
要になることが分かった。
【0248】一方、上記定着器で、バックアップローラ
130の加圧ローラ120(すなわち無端ベルト11
0)に対する周速の比(Vf/Vb)を、0〜100%
(Vf=0〜160mm/s)の間において、20%お
きに変化させ、各場合において、記録紙として葉書を通
過させた後にA4サイズの用紙を通過させたときの定着
むらを観察した。この実験および観察は多数回行なっ
た。
【0249】その結果を、図19(b)の表に示す。
【0250】表中、「×」は定着むらが目立った、
「△」は定着むらが目立つこともあるし目立たないこと
もあった、「○」は定着むらは目立たなかった、という
意味である。
【0251】この実験結果から、バックアップローラ1
30の加圧ローラ120(すなわち無端ベルト110)
に対する周速比(Vf/Vb)は、少なくとも60%以
上とすることが望ましいということが分かった。
【0252】以上、本発明の実施の形態および実験例に
ついて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜
変形実施可能である。
【0253】例えば、上記各実施の形態を適宜組み合わ
せることも可能である。
【0254】
【発明の効果】請求項1〜14記載のいずれの画像形成
装置によっても、確実に、比較的小さな駆動力で安定し
た定着動作がなされ、定着不良も生じにくくなる。しか
も、装置が破損してしまうという事態が生じなくなる。
【0255】さらに、請求項2記載の画像形成装置によ
れば、、容易に、比較的小さな駆動力で安定した定着動
作を得ることが可能となる。
【0256】請求項3記載の画像形成装置によれば、容
易に、比較的小さな駆動力で安定した定着動作を得るこ
とが可能となると同時に、オフセット現象も生じ難くな
り、しかも、裏面用オイル塗布ローラの交換も不要とな
る。
【0257】請求項4記載の画像形成装置によれば、容
易に、比較的小さな駆動力で安定した定着動作を得るこ
とが可能となる。
【0258】請求項5記載の画像形成装置によれば、よ
り確実に、比較的小さな駆動力で安定した定着動作を得
ることが可能となる。
【0259】請求項6記載の画像形成装置によれば、よ
り確実に、バックアップローラを無端ベルトに対して滑
らせつつ無端ベルトの周速よりも遅い周速で回転させる
ことができる。
【0260】請求項7記載の画像形成装置によれば、安
定した定着動作がなされるとともに、記録材上のトナー
画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じ
なくなる。
【0261】請求項8記載の画像形成装置によれば、無
端ベルトまたは回転体の耐久性が向上する。
【0262】請求項9記載の画像形成装置によれば、よ
り安定した定着動作がなされることとなる。
【0263】請求項10記載の画像形成装置によれば、
より安定した定着動作がなされるとともに、ベルトの耐
久性も向上することとなる。
【0264】請求項11記載の画像形成装置によれば、
ベルトの耐久性が向上することとなる。
【0265】請求項12記載の画像形成装置によれば、
無端ベルトと回転体との間の従動性が確実に得られ、確
実に安定した定着動作がなされることとなる。
【0266】請求項13記載の画像形成装置によれば、
記録材の両面に画像乱れのない(少なくとも著しく少な
い)画像を形成することが可能となる。
【0267】請求項14記載の画像形成装置によれば、
画像乱れのない(少なくとも著しく少ない)フルカラー
画像を形成することが可能となる。
【0268】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態
を示す概略図。
【図2】同じく定着器100の基本構成を示す概略図。
【図3】同じくこの実施の形態の駆動系の第1例を示す
概念図(部分斜視図)。
【図4】同じくこの実施の形態の駆動系の第2例を示す
概念図(部分斜視図)。
【図5】同じくこの実施の形態の駆動系の第3例を示す
概念図(部分斜視図)。
【図6】本発明に係る画像形成装置の第2の実施の形態
における定着器100の特徴部分を示す概念図(斜視
図)である。
【図7】同上実施の形態の特徴を示す概念図(斜視
図)。
【図8】図8は本発明に係る画像形成装置の第3の実施
の形態における定着器100の特徴部分を示す概念図
で、(a)は正面図、(b)は部分省略側面図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置の第4の実施の形態
における定着器100の特徴部分を示す概念図(斜視
図)である。
【図10】本発明に係る画像形成装置の第5の実施の形
態における定着器100の特徴部分を示す概念図(斜視
図)である。
【図11】本発明に係る画像形成装置の第6の実施の形
態における定着器100の主要部を示す概略的正面図。
【図12】高グリップ部110Gを示す概略図で、
(a)は部分平面図、(b)は図(a)におけるb−b
断面図、(c)は本発明に係る画像形成装置の第7の実
施の形態における高グリップ部を示す部分平面図であ
る。
【図13】本発明に係る画像形成装置の第8の実施の形
態における高グリップ部を示す図で、(a)は部分平面
図、(b)は図(a)におけるb−b断面図、(c)は
作用説明図、(d)は本発明に係る画像形成装置の第9
の実施の形態における高グリップ部を示す部分平面図で
ある。
【図14】本発明に係る画像形成装置の第10の実施の
形態における高グリップ部を示す図で、(a)は部分断
面図、(b)はは作用説明図。
【図15】本発明に係る画像形成装置の第11の実施の
形態における定着器100の主要部を示す概略的正面
図。
【図16】(a1)(a2)は高グリップ部120Gの
一例を示す図で、図(a1)は概略的な部分断面斜視
図、図(a2)は図(a1)におけるa2−a2断面
図、図(a3)(b)はそれぞれ作用説明図である。
【図17】(a1)(a2)は高グリップ部Gの第1変
形例を示す図で、図(a1)は概略的な部分斜視図、図
(a2)は概略的な部分側面図、(b1)(b2)は高
グリップ部Gの第2変形例を示す図で、図(b1)は概
略的な部分斜視図、図(b2)は概略的な部分側面図で
ある。
【図18】(a1)(a2)は高グリップ部Gの第3変
形例を示す図で、図(a1)は概略的な部分斜視図、図
(a2)は図(a1)における部分拡大断面図(a2視
図に相当する図)、図(b)は高グリップ部Gの第4変
形例を示す概略的断面図である。
【図19】実験結果を示す図で、図(a)はバックアッ
プローラの無端ベルトに対する周速の比(Vf/Vb)
と、駆動力(W)との関係を示す図(グラフ)、図
(b)は定着むらに関する実験結果を示す図(表)であ
る。
【図20】従来技術の説明図。
【図21】従来技術の説明図。
【符号の説明】
S 記録材 100 定着器 110 無端ベルト 112 記録材に圧接されない部位 113 耐熱製繊維のネット 113a 網目 120 加圧ローラ(回転体) 126 記録材に圧接されない部位 130 バックアップローラ 132 弾性層 134 動力伝達手段 150 オイル塗布ローラ150 160 オイル塗布手段 162 裏面用オイル塗布ローラ N 圧接部 L1 無端ベルトの幅 G 高グリップ部 G1 突部 P 記録材の最大通過幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H030 AA06 AD04 AD05 AD06 2H033 AA09 AA16 AA46 BA11 BA44 BB28 BB33 BB37 BB38 CA36 CA40

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱される無端ベルトと、この無端ベル
    トに圧接される回転体と、その圧接部において前記無端
    ベルトを内方から支持する弾性層を有するバックアップ
    ローラとを備え、前記無端ベルトと回転体のうち一方が
    駆動され、他方が従動する定着器を有し、記録材上にト
    ナー画像を形成し、その記録材を、前記定着器における
    前記圧接部に通して、前記トナー画像を加熱溶融して記
    録材上に定着させる画像形成装置であって、 前記バックアップローラを前記無端ベルトに対して滑ら
    せつつ無端ベルトの周速よりも遅い周速で回転駆動し、
    その駆動経路には、駆動源側とバックアップローラ側と
    の間に、駆動源側の駆動回転数よりもバックアップロー
    ラ側の回転数が大きくなったときに、駆動源側とバック
    アップローラ側との間の動力伝達を非伝達とする動力伝
    達手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記バックアップローラの表面または無
    端ベルトの裏面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布手段が設
    けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成
    装置。
  3. 【請求項3】 前記無端ベルトの表面側には、離型オイ
    ルを塗布する、前記無端ベルトの幅よりも長いオイル塗
    布ローラらが設けられているとともに、無端ベルトの裏
    面側には、無端ベルトを介して前記オイル塗布ローラに
    圧接され、かつ無端ベルトからのはみ出し部においても
    前記オイル塗布ローラに圧接される裏面用オイル塗布ロ
    ーラが設けられていることを特徴とする請求項1記載の
    画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記バックアップローラの表面は、滑り
    易い平滑面となっていることを特徴とする請求項1,
    2,または3記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記無端ベルトの幅は、画像形成に供さ
    れ得る前記記録材の最大通過幅よりも大きく形成されて
    いるとともに、前記無端ベルトと前記バックアップロー
    ラとの間の摩擦力をF1,前記無端ベルトにおける、前
    記記録材に圧接されない部位と前記回転体との間の摩擦
    力をF2としたとき、F1<F2なる条件が満たされる
    ように構成されていることを特徴とする請求項1〜4の
    うちいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記無端ベルトの幅は、画像形成に供さ
    れ得る前記記録材の最大通過幅よりも大きく形成されて
    いるとともに、前記無端ベルトの幅をL1,無端ベルト
    と前記バックアップローラとの間の摩擦係数をμ1,前
    記無端ベルトにおける、前記記録材に圧接されない部位
    のベルト幅方向の長さをL2,無端ベルトにおける、前
    記記録材に圧接されない部位と前記回転体との間の平均
    摩擦係数をμ2としたとき、L1×μ1<L2×μ2な
    る条件が満たされるように構成されていることを特徴と
    する請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の画像形成
    装置。
  7. 【請求項7】 前記無端ベルトの幅は、画像形成に供さ
    れ得る前記記録材の最大通過幅よりも大きく形成されて
    いるとともに、前記無端ベルトにおける前記記録材に圧
    接されない部位、この部位に圧接される前記回転体の部
    位、のうち少なくとも一方に、高グリップ部が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一
    項に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記高グリップ部は耐熱製繊維のネット
    により形成されており、このネットにおける網目が周方
    向に関してずれていることを特徴とする請求項7記載の
    画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記高グリップ部は突部を周方向に連続
    して設けることにより形成されており、その相隣接する
    突部同士の間隔が、前記圧接部の周方向における長さよ
    りも小さく構成されていることを特徴とする請求項7記
    載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記高グリップ部はベルトの略幅方向
    すなわち回転体の略軸線方向に伸びる線状の突部である
    突条を周方向に連続して設けることにより形成されてお
    り、かつこの突条は、無端ベルトの幅方向すなわち回転
    体の軸線方向に対して、無端ベルトをその両端方向に引
    っ張る方向に傾斜していることを特徴とする請求項7記
    載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記突部の高さは、前記記録材の標準
    的厚さに等しいことを特徴とする請求項9または10記
    載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記高グリップ部は、前記無端ベルト
    における前記記録材に圧接されない部位と、この部位に
    圧接される前記回転体の部位との両方に設けられてお
    り、一方の高グリップ部は突部を周方向に連続して設け
    ることにより形成され、他方の高グリップ部は前記突部
    よりも柔軟な弾性層で形成されていることを特徴とする
    請求項7記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記画像形成装置は、前記記録材の両
    面にトナー画像を形成可能であることを特徴とする請求
    項7〜12のうちいずれか一項に記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記画像形成装置は、複数色のトナー
    の重ね合わせによるフルカラー画像を形成可能であるこ
    とを特徴とする請求項7〜13のうちいずれか一項に記
    載の画像形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007114698A (ja) * 2005-10-24 2007-05-10 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP2010078991A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Fuji Xerox Co Ltd 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置
JP2010217232A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP2014219593A (ja) * 2013-05-09 2014-11-20 キヤノン株式会社 ベルト駆動装置及び画像形成装置

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