JP2000251894A - 非水二次電池およびその使用方法 - Google Patents
非水二次電池およびその使用方法Info
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Abstract
する正極活物質を用い、充電負荷特性が優れ、かつ高容
量の非水二次電池を提供する。 【解決手段】 充放電によってリチウムイオンがドープ
・脱ドープする正極活物質を用いた正極、負極およびセ
パレータを有する非水二次電池において、上記正極活物
質として、一般式Lix Mny O4-z で表され、上記式
中のy、zに関して、0.48≦y/4−z≦0.5
2、0<z≦0.15とし、xに関して、充電および放
電のいずれの状態においても、0.10≦x≦0.95
の範囲に規制した球状ないし楕円状のスピネル型リチウ
ムマンガン酸化物を用い、かつ電池の開放端子電圧を3
V以上にする。上記スピネル型リチウムマンガン酸化物
はマンガン元素の一部をアルミニウム、ホウ素などの他
元素で置換した他元素固溶型のスピネル型リチウムマン
ガン酸化物であってもよい。
Description
し、さらに詳しくは、充電負荷特性が優れ、かつ高容量
の非水二次電池およびその使用方法に関する。
のポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化に
伴い、小型軽量でかつ高容量の二次電池が必要とされる
ようになってきた。現在、この要求に応える高容量二次
電池として、正極活物質としてLiCoO2 を用い、負
極活物質として炭素系材料を用いたリチウムイオン二次
電池が商品化されている。この電池の充放電反応は、充
電時に正極活物質のLiCoO2 の結晶から脱離したリ
チウムイオンが負極活物質である炭素系材料に挿入さ
れ、放電時には上記炭素系材料に挿入されたリチウムイ
オンが脱離して、LiCoO2 の結晶中に再度挿入され
る、トポケミカルな電気化学反応に基づいている。そし
て、この電池の正極活物質として使用されているLiC
oO2 は、製造が容易であり、かつ取り扱いが容易なこ
とから、好適な正極活物質として評価され、これまで多
用されてきた。
あるコバルト(Co)を原料として製造されるために、
今後、資源不足が深刻になると予想される。また、コバ
ルト自体の価格も高く、価格変動も大きいために、安価
で供給の安定している正極材料の開発が望まれる。
として、スピネル構造のリチウムマンガン酸化物、ニッ
ケル酸リチウム、チタン酸リチウムなどを用いたリチウ
ムイオン二次電池について研究が行われ、それらのリチ
ウム含有複合酸化物の中でも構成元素の価格が安価で、
供給が安定しているマンガンを構成元素としたスピネル
型リチウムマンガン酸化物がLiCoO2 に代わる正極
活物質として注目されている
化物は、他のリチウム複合酸化物に比べて価格が安く、
しかも充電状態での熱安定性が高く電解液との反応性が
低いことから、大型電池用途で、かつ大量の電池を必要
とするハイブリット電気自動車(HEV)や電気自動車
(PEV)用のリチウムイオン二次電池の正極材料とし
て期待されている。
ンガン酸化物には、Li2 Mn4 O 9 、Li4 Mn5 O
12、LiMn2 O4 などがあり、なかでもLiMn2 O
4 がリチウム電位に関して4V領域で充放電が可能であ
ることから、研究が盛んに行われている(特開平6−7
6824号公報、特開平7−73883号公報、特開平
7−230802号公報、特開平7−245106号公
報など)。
池は電池内でのイオンの伝導度が非常に低く、そのため
電池の内部抵抗が大きく、また正極、負極とも、充電時
および放電時の分極が大きいため、充電には定電流充電
(CC)と定電圧充電(CV)とを併用した充電方式が
採用されている。
うことによって所定の充電終止電圧まで電圧が上昇する
が、この時、正極活物質、負極活物質とも、リチウムイ
オンの拡散速度が遅いために分極が非常に大きく、見掛
け上は充電終止電圧に到達しているが、実際の電圧は所
定の充電終止電圧より低く、そのため、定電流充電のみ
では正極活物質、負極活物質のいずれも有効に利用する
ことができない。そこで、定電流充電を行った後、定電
圧充電を行い、正極活物質、負極活物質とも充分に利用
できるようにしている。この定電圧充電では、定電流充
電に比べて、一定電圧を保つために時間の経過に伴って
充電電流値が小さくなってくる。この充電電流値の低下
に伴い、各電極の分極が小さくなり、分極が小さくなっ
たぶん、さらに電流を流すことが可能になって所定の終
止電圧まで充電を行うことができるようになる。
電流充電によって充電される電気量よりも定電圧充電に
よって充電される電気量の方が大きくなる。このような
場合、定電圧充電では上記のように時間の経過に伴って
充電電流値が小さくなるため、所定の終止電圧まで充電
を行うには長時間が必要になるという問題がある。その
ため、充電方式としては、電気容量の大部分をできる限
り定電流充電によって充電する方が充電時間の短縮上好
ましい。従って、非水二次電池の正極活物質としては、
定電流充電できる容量が大きく、定電圧充電での充電時
間が短く、全体として短い時間で充電が完了できるもの
が要求される。
ラ、携帯電話、電気シェーバー、電動工具などの機器で
は、使用直前に内蔵二次電池あるいは電池パックを充電
することが多く、そのためできるかぎり短い時間で充電
が完了することが求められている。特に、リチウムイオ
ン二次電池を電源として使用する機器の場合は、電池パ
ック中の素電池の放電終止電圧が3V以上になる場合が
ほとんどであり、3V以上の電圧における電池容量の充
電に要する時間の短縮が必要とされている。
CoO2 はその結晶が層状構造を有しているので、比較
的結晶中のリチウムのドープ・脱ドープが円滑に進むの
に対し、LiMn2 O4 は層状の結晶構造をとっていな
いため、リチウムイオンのドープ・脱ドープする拡散速
度が遅く、そのため、定電流充電できる容量が小さく、
分極も大きいため、充電負荷特性がLiCoO2 に比べ
て劣っているのが現状である。特に携帯機器などの電源
に利用する場合、短時間で充電をする必要があることか
ら、高率(ハイレート)の充電が行われるが、LiMn
2 O4 を正極活物質として用いた場合、大きな充電電流
が流れると、正極や負極の分極、特に正極の分極がさら
に大きくなるため、定電流充電できる容量が小さくな
り、充電負荷特性が低下して、充電時間を短縮すること
が困難である。
4mAh/gであるが、深い充放電を行うとLiCoO
2 が相変化を起こしてサイクル寿命に影響を与えるた
め、実際のリチウムイオン二次電池において実用的な放
電容量は125〜140mAh/gの範囲になる。これ
に対して、LiMn2 O4 の理論放電容量は148mA
h/gであるが、このLiMn2 O4 もLiCoO2 と
同様に充放電中に相変化を起こし、また、負極活物質と
して炭素系材料を用いた場合には炭素系材料の不可逆容
量が大きいために、実際に電池とした場合に利用できる
放電容量は90〜105mAh/g程度になる。このこ
とからも明らかなように、LiMn2 O4を正極活物質
として用いる場合は、LiCoO2 を正極活物質として
用いる場合よりも電池容量を大きくすることができな
い。
5.1g/cm3 であるのに対し、LiMn2 O4 の真
密度は4.0〜4.2g/cm3 であり、正極活物質と
しての充填性を考えると、LiMn2 O4 の方が容量面
で不利を生じることになる。
極活物質として充放電によってリチウムイオンがドープ
・脱ドープするリチウムマンガン酸化物を用いる非水二
次電池において、充電負荷特性が優れ、かつ高容量の非
水二次電池およびその適正な使用方法を提供することを
目的とする。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、リチウムイオンが
ドープ・脱ドープする正極活物質として、一般式Lix
Mny O4-z で表され、上記式中のy、zに関して、
0.48≦y/4−z≦0.52、0<z≦0.15と
し、xに関して、充電および放電のいずれの状態におい
ても、0.10≦x≦0.95の範囲に規制した球状な
いし楕円状のスピネル型リチウムマンガン酸化物を用
い、かつ電池の開放端子電圧を3V以上にすることによ
り、充電負荷特性が優れ、かつ高容量の非水二次電池が
得られ、それによって上記課題を解決できることを見出
し、本発明を完成するにいたった。
スピネル型リチウムマンガン酸化物を表す一般式中にお
いて、そのリチウム量を示すxに関して、充電および放
電のいずれの状態においても、0.10≦x≦0.95
の範囲に規制したスピネル型リチウムマンガン酸化物と
は、上記一般式で表されるスピネル型リチウムマンガン
酸化物を、充電および放電のいずれの状態においても、
そのxに関して、0.10≦x≦0.95の範囲に規制
して用いることを意味している。
最初にスピネル型リチウムマンガン酸化物の非水二次電
池用正極活物質としての特性について説明すると、スピ
ネル型リチウムマンガン酸化物では、その構成元素であ
るLi、Mn、Oの含有比が、電気化学的な容量に多大
な影響を及ぼす。
から明らかなように、Mnの平均価数が3.5価であ
り、通常、3価のMnと4価のMnとが等量混在してい
る。しかしながら、実際に充放電に関与するのは3価の
Mnだけであり、LiMn2 O 4 の組成中の3価のMn
が多くなるほど放電容量が大きくなる。従って、3価の
Mnを多くするために、LiMn2 O4 の結晶構造中の
酸素量を少なくしたリチウムマンガン酸化物にすること
が考えられる。
Mn2 O4 の構造が立方晶のスピネル構造から正方晶の
LiMn2 O4 へと相変化を起こす。この正方晶のLi
Mn 2 O4 はリチウム電位3V領域では充放電が可能で
あるが、4V付近の高電位が要求される場合には使用で
きない。また、LiMn2 O4 中の含有酸素量はLiM
n2 O4 中のMn(マンガン)の価数を決定するのに重
要で、酸素含有量が多いと4価のMnが増加し、酸素含
有量が少ないと3価のMnが増加する。3価のMnはヤ
ーン・テラー効果のため、価数変化を起こすときに物質
自体が相変化を起こしやすく、充放電中のLiMn2 O
4 の構造を不安定にし、Li(リチウム)イオンの出入
りに伴いスピネル相の破壊が起きやすい。
ウムイオンをドープ・脱ドープすることにより、Li
(リチウム)量が0〜1.00の範囲で変化し、電気化
学的容量が減少する。そのため、できるかぎりリチウム
含有量の多いことが好ましいが、量論組成を超えた過剰
なLiはLiMn2 O4 においてMnの占めるべき16
dサイトに入り、このMnの16dサイトに入ったLi
は充放電に関与しない。さらに、LiがMnの16dサ
イトに入ると、LiMn2 O4 中の4価のMnが増加
し、充放電電気容量が減少する。従って、一般式Lix
Mny O4-z で表されるスピネル型リチウムマンガン酸
化物において、酸素含有量がO4-z (0<z≦0.1
5)であるときは、MnとOの比を0.48≦y/4−
z≦0.52にすることによって、Mnの平均価数は
3.5価以下になり、3価のMnを多く含有させること
ができるようになる。
記のように4価のMnが増加し、充放電容量が小さくな
るため、酸素含有量は4未満で、3.85以上であるこ
と、すなわち、0<z≦0.15であることが必要とさ
れる。
チウムマンガン酸化物に関して、スピネル構造を維持し
つつ、できるだけ3価のMnを多く含有させた組成にし
て、放電容量を大きくし、4V級の高電位にも充分に対
応できるようにしたものである。
ムマンガン酸化物を正極活物質とする場合、充電および
放電のいずれの状態においても、リチウム量を示すxに
関して、0.10≦x≦0.95の範囲に規制し、電池
の開放端子電圧を3V以上にすることにより、充電負荷
特性が優れた非水二次電池が得られるように見出したも
のである。
めには、正極活物質のスピネル型リチウムマンガン酸化
物中のリチウムのすべてを充放電反応に利用することが
好ましい。しかしながら、本発明のスピネル型リチウム
マンガン酸化物を正極活物質として用いた場合、その分
極の大きさから定電流充電方式で充電できる容量が小さ
く、例えば、充電終止電圧を4.2Vにした場合には定
電圧充電で長時間充電する必要があることが判明した。
そこで、本発明では、充電および放電のいずれの状態に
おいても、正極活物質中のリチウム量を一定の範囲、す
なわち、0.10≦x≦0.95の範囲に制限してスピ
ネル型リチウムマンガン酸化物を使用することにより、
定電流充電できる容量を大きくし、定電圧充電の時間を
短縮して、高率での充電においても優れた充電負荷特性
が得られることを見出したのである。
マンガン酸化物は、結晶中のリチウムがドープ・脱ドー
プすることにより充放電サイクルするものであるが、充
放電時のいずれにおいてもリチウム量を制限するために
は、電池組立後に開放端子電圧が3V以上になるように
初充電し、充電後に負極中にドープされたリチウムを残
存させるように放電および充電の終止電圧を制御するこ
とによって達成することができる。
正極活物質として用いる一般式Li x Mny O4-z の充
放電サイクル時におけるx、y、zの値を、それぞれ次
のようにする。
たっては、開放端子電圧が3V以上の電圧領域で使用す
ることにより、上記非水二次電池の有する充電負荷特性
が優れ、かつ高容量であるという特性を適正に発揮させ
ることができる。
質として用いるスピネル型リチウムマンガン酸化物につ
いて詳細に説明するが、その前に、これまでのLiMn
2 O4 についても、その形状、製造原料について触れて
おくと、LiMn2 O4 の製造原料としては一般に電解
合成二酸化マンガンが使用されている。しかし、この電
解合成二酸化マンガンを用いて製造されたLiMn2 O
4 酸化物は、図2の電子顕微鏡写真に示すように、粒子
が角張った形状をしている。
には、正極合剤の密度を高める必要があるが、上記のよ
うに粒子が角張った形状をしたLiMn2 O4 では、そ
の角張った形状のために、正極合剤の密度を高めること
ができず、正極活物質の充填密度が低くなってしまうと
いう問題であった。
や結着剤などを含む正極合剤含有ペーストを導電性基体
に塗布、乾燥して、導電性基体に正極合剤塗膜を形成す
る工程を経て作製されるが、上記のような角張った形状
をしたLiMn2 O4 粒子では、その角張った形状のた
めに塗膜中でのLiMn2 O4 粒子間の電気化学的反応
が均一に進行しなくなる。
リチウムマンガン酸化物は、図1の電子顕微鏡写真に示
すように、二次粒子が球状ないし楕円状をしているの
で、正極合剤の密度を高めることができ、また、正極活
物質粒子間での電気化学的な反応が均一に進行するよう
になるものと考えられ、それによって、大きな放電容量
を期待でき、高容量の非水二次電池が得られるようにな
る。本発明において、上記スピネル型リチウムマンガン
酸化物の形状を表現するにあたり、球状ないし楕円状と
表現しているが、これはほぼ球状のものからほぼ楕円状
のものまですべて(つまり、ほぼ球状からほぼ楕円状ま
での中間的な形状のものも含む)を含み、その中に含ま
れるいずれの形状であってもよいことを意味している。
マンガン酸化物の粒子径としては、充放電効率を高める
ため、平均粒子径で1〜45μmが好ましく、特に平均
粒子径で1〜25μmが好ましい。また、その比表面積
としては、有効反応面積を増やすため、0.5〜3m2
/gが好ましく、特に1〜3m2 /gにすることが好ま
しく、そのような平均粒子径や比表面積にすることによ
り、電気化学的反応の進行がスムーズになり、充放電容
量を向上させることができることも見出した。
マンガン酸化物の粒子径を平均粒子径で1〜45μm、
比表面積を0.5〜3m2 /gにすることにより、充放
電容量が改善できる理由は、現在のところ必ずしも明確
ではないが、次のように考察される。すなわち、本発明
の非水二次電池の正極は前記スピネル型リチウムマンガ
ン酸化物を結着剤などを用いて溶剤中で分散してペース
トにし、この正極合剤含有ペーストを集電体となる導電
性基体上に塗布し、乾燥して導電性基体に正極合剤塗膜
を形成する工程を経ることによって作製されるが、この
正極合剤含有ペーストの調製時にスピネル型リチウムマ
ンガン酸化物の平均粒子径を1μm以上、比表面積を3
m2 /g以下にしておくことにより、正極合剤含有ペー
スト中でスピネル型リチウムマンガン酸化物の粒子同士
の凝集を抑制できるとともに、スピネル型リチウムマン
ガン酸化物粒子の溶剤への濡れ性が向上するので、上記
ペーストの調製にあたって使用する溶剤の量を少なくす
ることができる。この正極合剤含有ペーストを導電性基
体に塗布し、乾燥して形成した正極合剤塗膜中に溶剤が
残存すると、該溶剤が負荷特性に悪影響を与えるが、本
発明のスピネル型リチウムマンガン酸化物は上記のよう
に溶剤の使用量を少なくすることができるので、この正
極合剤塗膜中の残存溶剤を低減でき、しかも正極作製工
程中で電池特性に影響を及ぼす一因となる導電性基体上
に塗布した正極合剤含有ペーストの乾燥温度を低下でき
るので、正極合剤含有ペーストの乾燥後の正極合剤塗膜
中のスピネル型リチウムマンガン酸化物や結着剤、電子
伝導助剤などの分布が均一になり、それらも負荷特性を
向上させる要因になるものと考えられる。
の粒子径を平均粒子径で45μm以下、比表面積を0.
5m2 /g以上にしておくことにより、粒子表面の電気
化学的反応の進行を円滑にするとともに、微粒子のスピ
ネル型リチウムマンガン酸化物になるので、上記の正極
合剤塗膜の密度をさらに高めることができ、本発明の球
状もしくは楕円状の粒子形状の効果をより一層顕著に発
現させることができる。なお、本発明において平均粒子
径は、電子顕微鏡写真(倍率:500倍)で、写真中の
個々の粒子の粒子径を測定し、粒子50個の粒子径の平
均値により求めた値をいい、比表面積は試料1gを12
0℃で20時間脱気処理し、試料の測定環境真空度が1
0mTorr以下になった後に試料の1〜100Åの細
孔について窒素吸着法(ユアサアイオニオクス製、オー
トソープ1)で測定を行い、その際の吸着側での測定値
から求めた値をいう。
ン酸化物は、Fe(鉄)含有量を200ppm以下にす
ることが好ましい。すなわち、本発明のスピネル型リチ
ウムマンガン酸化物の原料である化学合成二酸化マンガ
ンの製造過程でマンガン以外の遷移金属が混入してくる
が、特にFe成分の混入が多く、このFe成分の少ない
化学合成二酸化マンガンを原料としてスピネル型リチウ
ムマンガン酸化物の合成を行うと、生成物の充放電容量
を向上でき、負荷特性の優れた非水二次電池が得られる
ことが判明した。この理由は現在のところ必ずしも明確
ではないが、本発明者らが考察したところ、Feを含有
した二酸化マンガンを用いるとリチウムマンガン酸化物
の生成過程において充放電反応に寄与しない酸化鉄ある
いはFe含有リチウム酸化物が生成するものと考えられ
る。そこで、Fe含有量の少ない二酸化マンガンを用い
て、上記のような不純物の生成を抑制し、リチウムマン
ガン酸化物中のFe含有量を200ppm以下にするこ
とにより、充放電反応でドープ・脱ドープするリチウム
イオンの固相内拡散の効率を高め、充放電容量のみなら
ず、負荷特性も改善できるようになるものと考えられ
る。
を1当量合成するには、原料である二酸化マンガンが2
当量必要であることから、二酸化マンガン中の不純物で
あるFe成分はリチウムマンガン酸化物中において約2
倍の含有量に濃縮される。そのため、二酸化マンガン中
のFe成分の含有量は、得られるスピネル型リチウムマ
ンガン酸化物の負荷特性に非常に影響を与えやすいと考
えられる。
ル型リチウムマンガン酸化物中のFe含有量を200p
pm以下、より好ましくは100ppm以下、さらに好
ましくは50ppm以下にすることにより、上記スピネ
ル型リチウムマンガン酸化物を正極活物質として用いた
ときに、高い充放電容量と優れた負荷特性が得られるよ
うにしたのである。
リチウムマンガン酸化物の合成法について述べると、そ
のマンガン源としては化学合成二酸化マンガンを用いる
が、その際、球状ないし楕円状のものを用いることが好
ましい。この球状ないし楕円状の化学合成二酸化マンガ
ンを用いることによって、得られるスピネル型リチウム
マンガン酸化物を球状ないし楕円状にすることがしやす
くなる。また、上記粒子径および比表面積のスピネル型
リチウムマンガン酸化物を製造するためには、二酸化マ
ンガンの粒子径としては、平均粒子径で1〜45μmの
ものを用いることが好ましく、特に平均粒子径で1〜2
5μmのものを用いることが好ましい。
中のFe含有量を200ppm以下にするためには、F
e含有量が少ない化学合成二酸化マンガンを用いること
が好ましい。
二酸化マンガンは従来公知の方法により製造することが
できる。例えば、化学合成二酸化マンガンの製造過程に
おいてマンガンをイオンとして水溶液中に溶解させる過
程で、炭酸カルシウムなどの添加や硫化などによりFe
成分を塩として沈殿させる際に、溶液中のpHや添加量
を調整することによってFe含有量の少ない化学合成二
酸化マンガンを製造することができる。また、マンガン
イオンを炭酸アンモニウムなどで沈殿させ、炭酸マンガ
ンとして取り出す過程においても、溶液中のpHや添加
量の調整が充分に行われなかった場合にFe成分が同時
に沈殿してくる可能性があるので、炭酸アンモニウムな
どの添加量や溶液中のpHを調整することによっても、
Fe含有量の少ない二酸化マンガンを製造することがで
きる。
源としては、特に限定されることなく各種のリチウム塩
を用いることができるが、例えば、水酸化リチウム・一
水和物、硝酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、
臭化リチウム、塩化リチウム、クエン酸リチウム、フッ
化リチウム、ヨウ化リチウム、乳酸リチウム、シュウ酸
リチウム、リン酸リチウム、ピルビン酸リチウム、硫酸
リチウム、酸化リチウムなどが挙げられ、それらの中で
も、酸化炭素、酸化窒素、酸化硫黄などの環境に悪影響
を及ぼすガスが発生しないという理由から、水酸化リチ
ウム・一水和物が特に好ましい。そして、このようなリ
チウム塩を上記二酸化マンガンと混合し焼成することに
よってスピネル型リチウムマンガン酸化物が得られる。
その際、サイクル特性向上のためにMnの一部をAl、
Cu、Fe、Ni、Co、Cr、B、Siのような他の
元素と置換することもできる。このときの他元素(他元
素をAで表す)の固溶量(b)は、一般式Lix (Mn
1-b Ab ) y O4-z (充放電サイクル時におけるx、
y、zの値は、0.10≦x≦0.95、0.48≦y
/4−z≦0.52、0<z≦0.15であり、AはA
l、Cu、Fe、Ni、Co、Cr、B、Siのうち少
なくとも一つを表す)において0<b≦0.1の範囲が
好ましい。マンガン元素の一部を他の元素で置き換える
ことにより、スピネル構造中の酸素原子とマンガン原子
との結合強度が高くなり、結晶構造が安定化するので、
上記他元素固溶スピネル型リチウムマンガン酸化物は電
池のサイクル特性、特に高温サイクル特性を向上させる
点で好ましい。一般の他元素固溶スピネル型リチウムマ
ンガン酸化物では通常固溶元素が充放電には関与しない
ため放電容量が低下するが、本発明の他元素固溶スピネ
ル型リチウムマンガン酸化物では、xの範囲を制御する
ことにより、放電容量の低下を抑制することができ、正
極活物質として好適に使用することができる。そして、
そのような一般式Lix (Mn1-b Ab ) y O4-z で表
される他元素固溶スピネル型リチウムマンガン酸化物に
おいても、該他元素固溶スピネル型リチウムマンガン酸
化物中のFe含有量は200ppm以下であることが好
ましく、さらに該他元素固溶スピネル型リチウムマンガ
ン酸化物の比表面積は0.5〜3m2 /gであることが
好ましく、平均粒子径は1〜45μmであることが好ま
しい。
マンガン酸化物の製造にあたり、二酸化マンガンとリチ
ウム塩との仕込み比は、LiとMnの混合モル比でLi
/Mn≦0.5、特に0.45≦Li/Mn≦0.49
にすることが好ましい。上記LiとMnの混合モル比を
0.5以下にするのが好ましいとするのは、上記Li/
Mnの混合モル比が0.5より大きくなると、反応中間
生成物などが残存しやすくなり、その中間生成物が電池
系内で充放電反応を阻害し、非水二次電池の充放電容量
を小さくするおそれがあるためである。
製造にあたり、二酸化マンガンとリチウム塩とを混合し
て、ペレット化したものを焼成することが好ましい。す
なわち、反応を固相反応で行うために、原料の固相内拡
散により反応が進行するので、ペレット化しておくこと
によって、原料のリチウム塩粒子と二酸化マンガン粒子
との接触が良くなり、反応が進行しやすくなる。このペ
レットの大きさとしては、その最長径で5〜15mmが
好ましい。
チウムマンガン酸化物の製造にあたり、その焼成条件と
しては、780〜820℃まで昇温し、その温度で24
〜36時間保持することが好ましい。780〜820℃
で焼成することにより、生成するリチウムマンガン酸化
物の結晶性が向上し、スピネル型マンガン構造が形成し
やすくなる。焼成温度が780℃以下より低くなると、
生成物であるスピネル型リチウムマンガン酸化物の結晶
性低下や不純物の生成により放電容量が小さくなり、焼
成温度が820℃より高くなるとスピネル型リチウムマ
ンガン酸化物の充電容量と放電容量の差、つまり不可逆
容量が大きくなって放電容量が小さくなるおそれがあ
る。
一気に780〜820℃まで昇温するよりも、室温から
リチウム塩の融点である250〜500℃で予備加熱し
てから780〜820℃に昇温することが好ましい。こ
れは、リチウム塩と二酸化マンガンとの反応が段階的に
起こり、中間生成物を経由してスピネル型リチウムマン
ガン酸化物が生成するので、それぞれの中間生成物を形
成するための一段落目の反応として予備加熱するための
ものであり、一気に780〜820℃まで昇温すると、
リチウム塩と二酸化マンガンとが部分的に最終段階まで
反応し、それによって生成したスピネル型リチウムマン
ガン酸化物が未反応物の反応を妨害するおそれがある。
また、目的とするスピネル型リチウムマンガン酸化物を
得るための焼成時間を短縮するためにも段階的に加熱を
行うのが有効である。この予備加熱の時間は特に制限さ
れるものではないが、通常、12〜30時間が好まし
く、室温からリチウム塩の融点付近まで昇温し、さらに
その温度を保持してから加熱することが好ましい。
気としては、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガ
スと酸素ガスとの混合雰囲気中で行うことが好ましい。
これらのガスの混合比としては、不活性ガス/酸素ガス
の体積比で5/5〜9/1の範囲にすることが好まし
く、8/2〜9/1の範囲にすることがより好ましい。
上記のように、不活性ガス/酸素ガスを体積比で5/5
〜9/1にするとにより、反応の進行が容易になり、不
純物を含有しないスピネル型リチウムマンガン酸化物が
容易に得られるようになる。
流量としては、出発原料混合物100gあたり1リット
ル/分以上にするのが好ましく、原料混合物100gあ
たり1〜5リットル/分がより好ましい。ガス流量が少
ない場合、つまりガス流速が遅い場合には、スピネル構
造への反応性に差異が生じ、Mn2 O3 やLi2 MnO
3 などの不純物が残存するおそれがある。
えば、上記スピネル型リチウムマンガン酸化物に、要す
れば、例えば鱗片状黒鉛、アセチレンブラックなどのよ
うな電子伝導助剤と、例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデンなどのバインダーを加えて混
合し、得られた正極合剤を、例えば、加圧成形するか、
あるいは有機溶剤で分散して、正極合剤含有ペーストを
調製し(この場合、バインダーはあらかじめ有機溶剤に
溶解させておいてから正極活物質のスピネル型リチウム
マンガン酸化物などと混合してもよい)、該正極合剤含
有ペーストを導電性基体に塗布し、乾燥して導電性基体
に正極合剤塗膜を形成する工程を経ることによって作製
される。上記正極合剤塗膜について説明すると、導電性
基体に塗布した正極合剤含有ペースト中の溶剤などの揮
発性成分は塗膜形成のための乾燥工程で蒸発し、導電性
基体に形成された正極合剤塗膜は、正極活物質としての
スピネル型リチウムマンガン酸化物と必要に応じた添加
されたバインダーや電子伝導助剤などとの混合物からな
る正極合剤で構成される。
て使用する有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2
−ピロリドン(以下、「NMP」と略す)、エチルメチ
ルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロヘキサノ
ン、トルエン、テトラヒドロフランなどが挙げられ、こ
れらは適宜選択して使用される。
は、リチウムまたはリチウム含有化合物が用いられる
が、そのリチウム含有化合物としてはリチウム合金とそ
れ以外のものとがある。上記リチウム合金としては、例
えば、リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウ
ム−インジウム、リチウム−ガリウム、リチウム−イン
ジウム−ガリウムなどが挙げられる。リチウム合金以外
のリチウム含有化合物としては、例えば、錫酸化物、珪
素酸化物、ニッケル−珪素系合金、マグネシウム−珪素
系合金、乱層構造を有する炭素系材料、黒鉛、タングス
テン酸化物、リチウム鉄複合酸化物などが挙げられる。
これら例示のリチウム含有化合物中には、製造時にリチ
ウムを含んでいないものもあるが、負極活物質として作
用するときにはリチウムを含んだ状態になる。これらの
うち、特に炭素系材料、黒鉛などを負極活物質として用
いると、初充電によってスピネル型リチウムマンガン酸
化物からドープされるリチウムイオンが不可逆容量分の
リチウムとして負極活物質中に残存するので、充放電時
のスピネル型リチウムマンガン酸化物中のリチウム量の
制御が容易になる。
記正極活物質の場合と同様のバインダーや電子伝導助剤
などを加えて混合し、得られた負極合剤を適宜の手段で
成形することによって作製される。例えば、上記負極合
剤を加圧成形するか、あるいは上記負極合剤を正極の場
合と同様の有機溶剤などで分散して負極合剤含有ペース
トを調製し(この場合、バインダーはあらかじめ有機溶
剤などに溶解させてから負極活物質などと混合してもよ
い)、その負極合剤ペーストを導電性基体に塗布し、乾
燥して、導電性基体に負極合剤塗膜を形成する工程を経
ることによって作製される。
ペーストを導電性基体に塗布する際の塗布方法として
は、例えば、押出しコーター、リバースローラー、ドク
ターブレードなどをはじめ、各種の塗布方法を採用する
ことができる。また、正極、負極などの電極の導電性基
体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チ
タン、銅などの金属の網、パンチドメタル、エキスパン
ドメタル、フォームメタル、箔などが用いられるが、本
発明において、正極の導電性基体としては特にアルミニ
ウム箔が適しており、負極の導電性基体としては特に銅
箔が適している。
ては、活物質の種類などによっても異なるが、正極活物
質/負極活物質=1.5〜4.0(重量比)にすること
が好ましい。
物を正極活物質として用いた非水二次電池において、電
解質としては、通常、有機溶媒にリチウム塩を溶解させ
た非水系の液状電解質(以下、「電解液」という)が用
いられる。上記電解液の溶媒は特に限定されるものでは
ないが、鎖状エステルを主溶媒として用いることが特に
適している。そのような鎖状エステルとしては、例え
ば、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボ
ネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EM
C)、酢酸エチル(EA)、プロピオン酸メチル(M
P)などの鎖状のCOO−結合を有する有機溶媒が挙げ
られる。この鎖状エステルが電解液の主溶媒であるとい
うことは、これらの鎖状エステルが全電解液溶媒中の5
0体積%より多い体積を占めることを意味しており、特
に鎖状エステルが全電解液溶媒中の65体積%以上、と
りわけ鎖状エステルが全電解液溶媒中の70体積%以上
を占めることが好ましく、なかでも鎖状エステルが全電
解液溶媒中の75体積%以上を占めることが好ましい。
主溶媒にすることが好ましいとしているのは、鎖状エス
テルが全電解液溶媒中の50体積%を超えることによっ
て、電池特性、特に低温特性が改善されるからである。
は、電解液溶媒を上記鎖状エステルのみで構成するより
も、電解液溶媒として、上記鎖状エステルに誘電率の高
いエステル(誘電率30以上のエステル)を混合して用
いることが好ましい。そのような誘電率の高いエステル
の全電解液溶媒中で占める量としては、10体積%以
上、特に20体積%以上が好ましい。すなわち、誘電率
の高いエステルが全電解液溶媒中で10体積%以上にな
ると容量の向上が明確に発現するようになり、誘電率の
高いエステルが全電解液溶媒中で20体積%以上になる
と容量の向上がより一層明確に発現するようになる。た
だし、誘電率の高いエステルの全電解液溶媒中で占める
体積が多くなりすぎると、電池の放電特性が低下する傾
向があるので、誘電率の高いエステルの全電解液溶媒中
で占める量としては、上記のように好ましくは10体積
%以上、より好ましくは20体積%以上の範囲内で、4
0体積%以下が好ましく、より好ましくは30体積%以
下、さらに好ましくは25体積%以下である。
ば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボ
ネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−
ブチロラクトン(γ−BL)、エチレングリコールサル
ファイト(EGS)などが挙げられ、特にエチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネートなどの環状構造のも
のが好ましく、とりわけ環状のカーボネートが好まし
く、具体的にはエチレンカーボネート(EC)が最も好
ましい。
用可能な溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエ
タン(1,2−DME)、1,3−ジオキソラン(1,
3−DO)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチ
ル−テトラヒドロフラン(2−Me−THF)、ジエチ
ルエーテル(DEE)などが挙げられる。そのほか、ア
ミン系またはイミド系有機溶媒や、含イオウ系または含
フッ素系有機溶媒なども用いることができる。
O4 、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiS
bF6 、LiCF3 SO3 、LiC4 F9 SO3 、Li
CF 3 CO2 、Li2 C2 F4 (SO3 )2 、LiN
(CF3 SO2 )2 、LiC(CF3 SO2 )3 、Li
Cn F2n+1SO3 (n≧2)などが単独でまたは2種以
上混合して用いられる。特にLiPF6 やLiC4 F9
SO3 などは充放電特性が良好なことから好ましい。電
解液中における溶質の濃度は、特に限定されるものでは
ないが、0.3〜1.7mol/l、特に0.4〜1.
5mol/l程度が好ましい。
に、ゲル状電解質や固体電解質なども用いることができ
る。それらのゲル状電解質や固体電解質としては、無機
系電解質のほか、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピ
レンオキサイド、エポキシ樹脂、ポリアクリロニトリ
ル、ウレタン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビ
ニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体またはそれ
らの誘導体などを主材にした有機系電解質などを挙げる
ことができる。
電解液を多く保持できるものが好ましく、そのような観
点から、厚さが10〜50μmで、開孔率が30〜70
%のポリプロピレン製、ポリエチレン製またはエチレン
とプロピレンとのコポリマー製の微孔性フィルムや不織
布などが好ましい。
正極、負極をセパレータを介して巻回または積層した電
極体を電池ケースに挿入し、これに電解液を注入して封
口することにより組み立てられる。
にして使用に供することにより、初充電でスピネル型リ
チウムマンガン酸化物中のリチウムがリチウムイオンと
して脱ドープし、これが負極活物質中にドープすること
によって充放電サイクルが行われる。本発明は、この充
放電時に、充電および放電のいずれにおいても、一般式
Lix Mny O4-z 中のリチウム量xを、0.10≦x
≦0.95に規制することによって、充電負荷特性を向
上させている。
チウムマンガン酸化物中のリチウムイオンは、LiCo
O2 やLiNiO2 などの場合のように酸素と酸素との
層間の隙間を移動するのではなく、スピネル型リチウム
マンガン化合物のリチウム、マンガン、酸素の固相内を
移動しなければならない。そのため、リチウムイオンは
スピネル型リチウムマンガン化合物中に存在するリチウ
ム、マンガンおよび酸素の空いたサイト間を移動しなけ
ればならず、結晶中のリチウムイオンの移動が非常に遅
くなる。そのため、スピネル型リチウムマンガン酸化物
はLiCoO2などに比べて結晶中でのリチウムイオン
の拡散速度が遅く、また定電流充電時の分極が大きいた
めに、定電流充電方式で充電できる電気容量が低下する
ものと考えられる。しかも、非水二次電池は、通常、負
極活物質より正極活物質の方がリチウムイオンの拡散速
度が遅く、リチウムイオンの拡散速度に関して正極律速
であることから、充電負荷特性を向上するために正極活
物質としては拡散速度が大きな状態で使用する必要があ
る。
しても、本発明において用いるスピネル型リチウムマン
ガン酸化物はリチウム量の多い組成にしているため、結
晶中にリチウムが多量に存在している場合、リチウムイ
オンが固相内を移動する際にリチウムイオン同士の反発
によるイオン移動の妨害があるため、リチウムイオンが
自由に移動することがしにくくなり、充分な電流を流す
ことが困難になる。一方、スピネル型リチウムマンガン
酸化物はリチウム含有量が少なくなるにつれ、LiCo
O2 やLiNiO2 などのように酸素−酸素層が存在し
ないために、結晶中にリチウムイオン含有量が減少する
とともにその格子体積が減少し、そのため構成元素間の
距離が縮まることによってリチウムとマンガンと酸素間
の距離が縮まり、イオン含有量が多いときと同様に充分
に電流を流すことが困難になり、充電負荷特性を低下さ
せることとなる。さらに、本発明において用いるスピネ
ル型リチウムマンガン酸化物は、酸素含有量を低下させ
て3価のMnを多く含有していることから、3価のMn
によるヤーン・テラー効果によりスピネル型リチウムマ
ンガン酸化物からのリチウムのドープ・脱ドープによ
り、結晶構造が不安定になりやすく、スピネル相の破壊
が生じやすくなる。
ープすることによって電池容量を大きくすることが本来
望ましいが、本発明のスピネル型リチウムマンガン酸化
物を正極活物質とした電池で充電負荷特性を改善するた
めには、スピネル型リチウムマンガン化合物中のリチウ
ムの量xを充電時に0.10以上、好ましくは0.15
以上、さらに好ましくは0.20以上にし、放電時のリ
チウム量xを0.95以下、好ましくは0.93以下、
さらに好ましくは0.90以下にすることにより、定電
圧充電に要する充電時間を短縮し、充電負荷特性を向上
させることに成功したものである。すなわち、放電時に
結晶中のリチウム量xを0.95以下にすることによ
り、結晶中のリチウムイオンの反発を低減できるととも
に、充電時にはリチウム量xを0.10以上にすること
により結晶中からリチウムイオンが脱ドープする通路を
確保して拡散速度を向上させ、また結晶構造の安定性を
維持して、優れた充電負荷特性と放電容量を確保するこ
とができるようにしたのである。
ては、本発明の非水二次電池が放電状態で組み立てられ
ることから、まず、開放端子電圧を3V以上にすること
により負極活物質中に正極活物質のスピネル型リチウム
マンガン酸化物からリチウムイオンをドープさせ、該ド
ープされたリチウムイオンの一部を以後の充放電時に負
極中に残存させ、充放電時のいずれも所定終止電圧で充
放電を終了させることによってリチウム量を規制するこ
とが可能である。上記の終止電圧は負極活物質の種類に
よって異なるが、例えば、負極活物質に黒鉛を用いた場
合には、充電終止電圧を4.1〜4.3V、乱層構造の
炭素系材料を負極活物質とした場合には4.2〜4.3
Vとし、いずれの炭素系材料を使用した場合も放電終止
電圧を3.0V以上にすることにより規制することがで
きる。また、上記充電は、定電流・定電圧で充電を行う
ことが好ましく、その際、定電圧充電の時間を短くし、
充電時間を短縮するために、充電電流が2.5mA/c
m2 以下の電流密度で充電を行うことが好ましい。
だし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
酸化マンガン中のFe含有量は21ppmである)をあ
らかじめ45μm以下に分級を行った。また、リチウム
源である顆粒状の水酸化リチウム・一水和物を遊星ボー
ルミルにより微粉末になるまで粉砕した。つぎに、上記
の化学合成二酸化マンガン19.23gと水酸化リチウ
ム・一水和物4.36gとを混合し、さらに遊星ボール
ミル中で充分に粉砕混合を行った。この混合物をプレス
機を用いて、ペレット状に圧縮成形し、このペレットを
アルミナボート中に入れ、管状電気炉中で焼成した。上
記化学合成二酸化マンガン中のMn量と水酸化リチウム
・一水和物中のLi量とのモル比Li/Mnは0.47
であった。
8/2(体積比)の混合ガスを原料混合物(すなわち、
出発原料である化学合成二酸化マンガンと水酸化リチウ
ム・一水和物との混合物)100gあたり1.0リット
ル/分の流量で供給して制御した。焼成は、まず200
℃/hで470℃まで昇温し、470℃で24時間保持
して予備加熱をし、その後、100℃/hで800℃ま
で昇温し、800℃で36時間保持することによって行
った。その後、自然放冷を行い、焼成物の温度が80℃
以下になった後、管状電気炉から焼成物を取り出し、充
分に粉砕を行った。
後、再度ペレット状に圧縮成形し、このペレットを上記
と同様に焼成を行った。すなわち、200℃/hの昇温
速度で800℃まで昇温し、800℃の温度で36時間
保持して焼成した。その後、自然放冷で室温まで降温
し、降温後、ペレットを充分に粉砕し、粉砕後の粉末を
分級し、45μm以下の球状ないし楕円状の粉末を得
た。このリチウムマンガン酸化物の粒子構造の倍率15
10倍の電子顕微鏡写真を図1に示す。図1において、
白っぽく見えている部分がリチウムマンガン酸化物であ
るが、この図1に示すように、得られたリチウムマンガ
ン酸化物は球状ないし楕円状をしていた。
スピネル構造であることを確認するために、得られたリ
チウムマンガン酸化物をX線回折により分析したとこ
ろ、スピネル構造のLiMn2 O4 に固有の回折線が観
察され、不純物に基因するピークが認められなかったこ
とから、得られたリチウムマンガン酸化物はスピネル構
造のリチウムマンガン酸化物であることが確認された。
のLi、Mn、Oの組成を原子吸光分析装置で測定し
た。この測定にあたって、試料の調製は次のように行っ
た。すなわち、得られたリチウムマンガン酸化物0.2
5gにイオン交換水10mlと12N塩酸10mlを加
え、リチウムマンガン酸化物が完全に溶解するまで加熱
した。その後、室温まで放冷し、イオン交換水を加え、
全量を100mlにして、分析用試料を調製した。各元
素の分析は標準添加法で行った。分析結果より、得られ
たリチウムマンガン酸化物の組成はLi1.01Mn1.99O
3.88であることが判明した。また、リチウムマンガン酸
化物中のFe含有量を上記Li、Mn、Oの組成分析と
同様に原子吸光分析装置により測定したところ、Fe含
有量は40ppmであった。
ル型リチウムマンガン酸化物の電子顕微鏡写真(倍率:
500倍)を撮影し、写真中の個々の粒子の粒子径を測
定し、粒子50個の粒子径の平均値を求めたところ、平
均粒子径は25μmであった。また、比表面積をユアサ
アイオニクス製オートソーブ−1を使用し、試料細孔の
測定範囲を1〜100Åとして120℃で20時間脱気
処理を行い、試料の測定環境真空度が10mTorr以
下となったことを確認した後に、窒素ガスをプローブガ
スとして測定したところ、比表面積は1.0m2 /gで
あった。
マンガン酸化物を用い、モデルセルを作製した。まず、
上記スピネル型リチウムマンガン酸化物1.6g、アセ
チレンブラック0.3gおよびポリテトラフルオロエチ
レン0.1gをそれぞれ計り取り、乳鉢上で充分に混合
した。これらの混合物がガム状になるまで充分に乳鉢上
ですりつぶし、このガム状混合物を500μmのメッシ
ュの篩に押しつけ、粉末状態にした。この粉末を40m
g取り、直径10mmの白金網とともにプレス機で圧縮
成形し、ペレット状電極を作製した。
用極とし、対極および参照極にリチウム箔を用い、Li
PF6 をエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネ
ートとの体積比1:3の混合溶媒に1.0mol/lの
濃度に溶解させた非水溶液を電解液とし、モデルセルを
作製した。その後、0.5mA/cm2 の電流密度でリ
チウム量xがx=0.90になるように予備充電を行
い、48時間放置し、開放端子電圧の測定を行ったとこ
ろ、3.72Vであった。さらに、その後、充放電時の
リチウム量xが0.20≦x≦0.90(充放電反応に
寄与するリチウムの量としては0.70)になるように
して充放電試験に供した。
酸化マンガン中のFe含有量は35ppmである)をあ
らかじめ45μm以下に分級を行った。また、リチウム
源である顆粒状の水酸化リチウム・一水和物および三酸
化二ホウ素をそれぞれ遊星ボールミルにより微粉末にな
るまで粉砕した。
9.50gと三酸化二ホウ素0.20gと水酸化リチウ
ム・一水和物4.64gとを混合し、さらに遊星ボール
ミルにより充分に粉砕混合を行った。得られた混合物を
プレス機でペレット状に圧縮成形し、このペレットをア
ルミナボート中に入れ、管状電気炉中で焼成した。上記
化学合成二酸化マンガンと三酸化二ホウ素中のMn+B
量と水酸化リチウム・一水和物中のLi量とのモル比L
i/(Mn+B)は0.48であった。
0℃としたこと以外は実施例1と同様に行って、他元素
固溶スピネル型リチウムマンガン酸化物を製造した。
物を実施例1と同様に電子顕微鏡で観察したところ、形
状は球状ないし楕円状であった。また、上記他元素固溶
スピネル型リチウムマンガン酸化物をエックス線回折分
析により確認したところ、スピネル構造のリチウムマン
ガン酸化物であることが確認された。また、実施例1と
同様にLi、Mn、B、Oの組成とFe含有量を原子吸
光分析装置で測定したところ、得られた他元素固溶スピ
ネル型リチウムマンガン酸化物の組成はLi1. 03Mn
1.92B0.05O3.93であり、Fe含有量は72ppmであ
った。さらに、この他元素固溶スピネル型リチウムマン
ガン酸化物の平均粒子径と比表面積を実施例1と同様に
測定したところ、平均粒子径は23μmで、比表面積は
1.0m2/gであった。
型リチウムマンガン酸化物を用いて実施例1と同様にモ
デルセルと電池を作製した。モデルセルについては、
0.5mA/cm2 の電流密度でリチウム量xがx=
0.94になるように予備充電を行い、48時間放置し
た後、開放端子電圧の測定を行った。その後、充放電時
のリチウム量xが0.24≦x≦0.94(充放電反応
に寄与するリチウムの量としては0.70)になるよう
にした以外は、実施例1と同様にして充放電試験に供し
た。
0.8m2 /g)を正極活物質として用いた以外は、実
施例1と同様にモデルセルと電池を作製した。ただし、
使用にあたっては、上記スピネル型リチウムマンガン酸
化物の一種であるLiMn2 O4 の充放電時のリチウム
量の変化範囲を0.05〜0.75とした。上記市販の
LiMn2 O4 について、実施例1と同様に電子顕微鏡
で観察したところ、形状は図2(倍率1500倍の電子
顕微鏡写真)に示すように角張った形状をしていた。ま
た、このLiMn2 O4 のFe含有量を実施例1と同様
にして、原子吸光分析装置で測定したところ、Fe含有
量は600ppmであった。
同様にモデルセルを作製し、0.5mA/cm2 の電流
密度でリチウム量xがx=0.75となるように予備充
電を行い、48時間放置した後、開放端子電圧の測定を
行った。その後、充放電時のリチウム量xが0.05≦
x≦0.75(充放電反応に寄与するリチウムの量とし
ては0.70)となるようにした以外は、実施例1と同
様にして充放電試験に供した。
e含有量が329ppmある化学合成二酸化マンガンを
使用し、化学合成二酸化マンガン中のMn量と水酸化リ
チウム・一水和物中のLi量との比がモル比で0.52
5となるように原料の混合を行い、かつ焼成温度を85
0℃に変更し、生成物の分級を行わなかった以外は、実
施例1と同様にリチウムマンガン酸化物を製造した。製
造されたリチウムマンガン酸化物をX線回折分析により
確認したところ、スピネル型リチウムマンガン酸化物で
あることが確認された。また、実施例1と同様にLi、
Mn、Oの組成とFe含有量を原子吸光分析装置で測定
したところ、製造されたリチウムマンガン酸化物の組成
はLi1.08Mn1.92O3.96であり、Fe含有量は643
ppmであった。さらに、このリチウムマンガン酸化物
の平均粒子径と比表面積を実施例1と同様に測定したと
ころ、平均粒子径は62μmで、比表面積は0.1m2
/gであった。
マンガン酸化物を用いて実施例1と同様にモデルセルと
電池を作製した。モデルセルについては、0.5mA/
cm 2 の電流密度でリチウム量xがx=0.98になる
ように予備充電を行い、48時間放置した後、開放端子
電圧の測定を行った。その後、充放電時のリチウム量x
が0.28≦x≦0.98(充放電反応に寄与するリチ
ウムの量としては0.70)になるようにした以外は、
実施例1と同様にして充放電試験に供した。
および比較例1〜2のモデルセルについて充電負荷特
性、放電容量および放電負荷特性を調べた。その結果を
表1に示す。上記充電負荷特性、放電容量、放電負荷特
性の測定方法は、次の通りである。
密度で定電流充電を開始し、正極活物質の単位重量あた
りの電気量として65mAh/g(x量としてはx=
0.44分に相当)の電気量を充電した時点で定電流充
電を終了し、引き続いて定電圧充電を行い、残部のx=
0.36分の電気量を充電するのにかかった時間を測定
することにより、充電負荷特性を評価した。従って、こ
の充電負荷特性の評価結果を表1に表示するにあたって
は、上記電気量を定電圧充電で充電するのに要した時間
(定電圧充電時間)で表示する。
セルを2.5mA/cm2 の電流密度で、終止電圧を充
電負荷特性試験開始前に測定した開放端子電圧として、
放電したときの放電容量を測定し、それを正極活物質の
単位重量当たりの放電容量に換算し、それを表1に示し
た。
ルセルを48時間放置した後、0.5mA/cm2の電
流密度で、充電負荷特性試験前に測定した開放端子電圧
を終止電圧として、36時間の定電圧放電を行った。そ
の後、48時間放置後に開放端子電圧を測定し、充電負
荷特性試験開始前の開放端子電圧との差が±0.01V
であることを確認した後、再度、上記のような定電流充
電と定電圧充電を行った後、0.7mA/cm2 の電流
密度で表1に記載の開放端子電圧までそれぞれ放電を行
い、上記放電容量測定時のように2.5mA/cm2 の
電流密度で放電したときの放電容量に対する割合
〔(0.7mA/cm2 での放電容量)/(2.5mA
/cm 2 での放電容量)×100〕を求めて、放電負荷
特性を評価した。
よび比較例1〜2のいずれも充放電反応に寄与するリチ
ウム量は0.70であるが、表1に示すように、実施例
1〜2は、比較例1〜2に比べて、充電時の定電圧充電
時間が短く、充電負荷特性が優れていた。また、実施例
1〜2は、比較例1〜2に比べて、放電容量が大きく、
高容量であり、また、放電負荷特性も優れていた。
活物質として、一般式Lix Mny O 4-z で表され、そ
の式中のy、zに関して、0.48≦y/4−z≦0.
52、0<z≦0.15であり、xに関して、充電およ
び放電いずれの状態においても、0.10≦x≦0.9
5の範囲内に規制したスピネル型リチウムマンガン酸化
物を用い、かつ電池の開放端子電圧を3V以上にするこ
とにより、充電負荷特性が優れ、かつ高容量の非水二次
電池を提供することができた。
ン酸化物は、球状ないし楕円状の粒子であることから、
負荷特性がよく、また資源的に豊富で安価なマンガンを
構成元素としているので、大量生産にも適しており、そ
の産業上の意義が大きい。
ル型リチウムマンガン酸化物の粒子構造を示す倍率15
10倍の電子顕微鏡写真である。
500倍の電子顕微鏡写真である。
視図である。
9)
Claims (7)
- 【請求項1】 充放電によってリチウムイオンがドープ
・脱ドープする正極活物質を用いた正極、負極およびセ
パレータを有する非水二次電池において、上記正極活物
質が、一般式Lix Mny O4-z で表され、上記式中の
y、zに関して、0.48≦y/4−z≦0.52、0
<z≦0.15であり、xに関して、充電および放電の
いずれの状態においても、0.10≦x≦0.95の範
囲に規制した球状ないし楕円状のスピネル型リチウムマ
ンガン酸化物であり、かつ電池の開放端子電圧が3V以
上であることを特徴とする非水二次電池。 - 【請求項2】 スピネル型リチウムマンガン酸化物中の
Fe含有量が200ppm以下であることを特徴とする
請求項1記載の非水二次電池。 - 【請求項3】 スピネル型リチウムマンガン酸化物の平
均粒子径が1〜45μmであることを特徴とする請求項
1または2記載の非水二次電池。 - 【請求項4】 充放電によってリチウムイオンがドープ
・脱ドープする正極活物質を用いた正極、負極およびセ
パレータを有する非水二次電池において、上記正極活物
質が、一般式Lix (Mn1-b Ab ) y O4-z で表さ
れ、上記式中のy、zに関して、0.48≦y/4−z
≦0.52、0<z≦0.15であり、AはAl、C
u、Fe、Ni、Co、Cr、B、Siのうち少なくと
も一つを表し、0<b≦0.1であり、xに関して、充
電および放電のいずれの状態においても、0.10≦x
≦0.95の範囲に規制した球状ないし楕円状のスピネ
ル型リチウムマンガン酸化物であり、かつ電池の開放端
子電圧が3V以上であることを特徴とする非水二次電
池。 - 【請求項5】 充放電によってリチウムイオンがドープ
・脱ドープする正極活物質を用いた正極、負極およびセ
パレータを有する非水二次電池の使用方法において、上
記正極活物質が、一般式Lix Mny O4-z で表され、
上記式中のy、zに関して、0.48≦y/4−z≦
0.52、0<z≦0.15である球状ないし楕円状の
スピネル型リチウムマンガン酸化物であり、xに関し
て、充電および放電のいずれの状態においても、0.1
0≦x≦0.95の範囲に規制し、かつ開放端子電圧が
3V以上となる電圧領域で電池を使用することを特徴と
する非水二次電池の使用方法。 - 【請求項6】 充放電によってリチウムイオンがドープ
・脱ドープする正極活物質を用いた正極、負極およびセ
パレータを有する非水二次電池の使用方法において、上
記正極活物質が、Lix (Mn1-b Ab ) y O4-z で表
され、上記式中のy、zに関して、0.48≦y/4−
z≦0.52、0<z≦0.15であり、AはAl、C
u、Fe、Ni、Co、Cr、B、Siのうち少なくと
も一つを表し、0<b≦0.1である球状ないし楕円状
のスピネル型リチウムマンガン酸化物であり、xに関し
て、充電および放電のいずれの状態においても、0.1
0≦x≦0.95の範囲に規制し、かつ開放端子電圧が
3V以上となる電圧領域で電池を使用することを特徴と
する非水二次電池の使用方法。 - 【請求項7】 充電が定電流・定電圧充電であることを
特徴とする請求項5または6記載の非水二次電池の使用
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP11366701A JP2000251894A (ja) | 1998-12-29 | 1999-12-24 | 非水二次電池およびその使用方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP10-377463 | 1998-12-29 | ||
JP37746398 | 1998-12-29 | ||
JP11366701A JP2000251894A (ja) | 1998-12-29 | 1999-12-24 | 非水二次電池およびその使用方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000251894A true JP2000251894A (ja) | 2000-09-14 |
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- 1999-12-24 JP JP11366701A patent/JP2000251894A/ja active Pending
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