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JP2000211225A - インクリボンカセット - Google Patents

インクリボンカセット

Info

Publication number
JP2000211225A
JP2000211225A JP11018737A JP1873799A JP2000211225A JP 2000211225 A JP2000211225 A JP 2000211225A JP 11018737 A JP11018737 A JP 11018737A JP 1873799 A JP1873799 A JP 1873799A JP 2000211225 A JP2000211225 A JP 2000211225A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink ribbon
core
roller
unwinding
guide roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11018737A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Motoyama
信之 本山
Kazuhiko Amemori
和彦 雨森
Nagatake Watanabe
長武 渡辺
Yoshiyuki Hori
芳行 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dynic Corp
Original Assignee
Dynic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dynic Corp filed Critical Dynic Corp
Priority to JP11018737A priority Critical patent/JP2000211225A/ja
Publication of JP2000211225A publication Critical patent/JP2000211225A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】適切なバックテンションを与え印字不良の問題
を解消し、組立作業も容易なインクリボンカセット。 【解決手段】一対の巻出コア13および巻取コア14が
収納され、印字ヘッドを挿入するための凹部19が設け
られ、インクリボン12のパスラインにおいて印字ヘッ
ド挿入凹部19と巻取コア14との間にはインクリボン
の走行を補助する巻取駆動ローラ23が設けられ、巻出
コア13と印字ヘッド挿入凹部19との間には巻出停止
ローラ16が設けられたインクリボンカセット10にお
いて、巻出コア13と巻出停止ローラ16との間には少
なくとも一のガイドローラが設けられ、巻出コア側の最
初のガイドローラ15におけるインクリボンの抱き角が
巻出コアにおけるインクリボンが最大巻状態から最小巻
状態に至るにつれて最大140度、最小80度の範囲で
減少してゆくように最初のガイドローラが配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタのキャリ
ッジ上に装着されて該プリンタ側の印字ヘッドとの共働
により所定の記録媒体に印字するために用いられるイン
クリボンカセットに関する。
【従来の技術】従来より、カセット本体内に一対の回転
自在なコアが収納され、これらコア間にインクリボンが
巻回されて一方が巻出コア、他方が巻取コアとされたイ
ンクリボンカセットの構成が知られている(たとえば特
開平6−48003号公報参照)。このインクリボンカ
セットにおいて、カセット本体の一方の長手方向端縁に
は印字ヘッドを挿入するための凹部が設けられており、
インクリボンはそのパスラインにおいて該凹部を通過す
るときにカセット本体の外部に導出され、該凹部に挿入
された印字ヘッドとの共働によって記録媒体に印字する
ものである。このようなインクリボンカセットは、プリ
ンタのキャリッジ上に装着したときに巻取コアがキャリ
ッジの巻取ボビンに嵌着されて該巻取ボビンと共に回転
駆動されることにより、インクリボンを巻出コアから巻
取コアに向けて上記パスラインに沿って走行させるが、
インクリボンの走行を安定化させて蛇行や印字不良を防
止すると共に巻太り(インクリボンが巻取コアに緩んだ
状態で巻き取られる現象)を防止するため、インクリボ
ンにバックテンションを与えることが必要となる。従来
のインクリボンカセットにおいては、一般に、カセット
本体の底面と巻出コアとの間にフェルトシートを介在さ
せてインクリボンがこのシートに接触しながら巻出コア
から巻き出されるようにすることによってバックテンシ
ョンを与えたり、あるいはインクリボンのパスライン中
においてバネに接触させることによってバックテンショ
ンを与えていた。また、上記特開平6−48003号公
報記載のインクリボンカセットにあっては、巻出側およ
び巻取側のリボン送りローラをいずれも駆動ローラと
し、且つ、これら駆動ローラにおけるインクリボンの抱
き角が巻始めから巻終わりまで駆動限界以上(実施例で
は210度以上)の一定角度を保持するようにしてい
る。このために、巻出側および巻取側においてコアと駆
動ローラとの間にガイドローラを設けこのガイドローラ
にインクリボンを巻回すことにより駆動ローラにおける
抱き角が常に一定となるように構成している。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バック
テンションを与えるためにフェルトシートやバネを用い
ることはインクリボンカセットの製造コストを増大させ
るので好ましくない。本発明者らは、フェルトシートや
バネを用いずにインクリボンに適切なバックテンション
を与えることについて実験と研究を重ねた結果、インク
リボンのパスラインにおいてヘッド部と巻取コアおよび
巻出コアとの間に設けられる一対のローラのうち巻取側
のローラを駆動ローラとすることによりインクリボンの
走行を積極的に補助する一方で、巻出側のローラは非駆
動且つインクリボンの走行によっても従動回転せずに停
止状態を維持する停止ローラとすることによって、イン
クリボンに対して効果的にバックテンションを与えるこ
とができることを知見した。さらに、このように巻出停
止ローラと巻取駆動ローラを設けた構成においては、上
記従来技術に記載されるように巻出ローラにおけるイン
クリボンの抱き角よりもむしろ、巻出コアから巻き出さ
れるインクリボンが接触する最初のガイドローラにおけ
るインクリボンの抱き角がバックテンションに大きな影
響を与えることが分かった。しかしながら、ガイドロー
ラにおける抱き角を大きくすれば大きなバックテンショ
ンを与えることができるが、大きな抱き角を与えるよう
にガイドローラを配置するとインクリボンを鋭角的なパ
スラインで通す必要があり、組立作業が困難となるだけ
でなく、インクリボンの終端が近いことを示すエンドテ
ープとの継ぎ目部分がガイドローラを通過するときに引
っかかってリボン切れを起こすことがある。上記従来技
術において巻出コアと巻出側ローラとの間に設けられて
いるガイドローラにおけるインクリボンの抱き角は図面
上約160度であり、このように大きな抱き角とした場
合には上述の問題が顕著に現れるものであった。また、
巻出側を停止ローラとした場合に160度もの抱き角を
与えるようにガイドローラを配置すると走行不良を招く
ことがあった。
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、従来技
術における上記問題を解決し、インクリボンカセット組
立作業を困難にすることなくしかも安価に、インクリボ
ンに適切なバックテンションを与えてインクリボンの走
行を安定化させることのできる新規なインクリボンカセ
ットを提供することを目的とする。すなわち、本発明に
よるインクリボンカセットは、カセット本体内にインク
リボンが巻回された一対の巻出コアおよび巻取コアが収
納され、カセット本体の一方の長手方向端縁に印字ヘッ
ドを挿入するための凹部が設けられ、巻出コアから印字
ヘッド挿入凹部を通って巻取コアに至るインクリボンの
パスラインにおいて印字ヘッド挿入凹部と巻取コアとの
間にはインクリボンの走行を補助する巻取駆動ローラが
設けられると共に巻出コアと印字ヘッド挿入凹部との間
には巻出停止ローラが設けられ、且つ、巻出コアと巻出
停止ローラとの間には少なくとも一のガイドローラが設
けられ、巻出コア側の最初のガイドローラにおけるイン
クリボンの抱き角が巻出コアにおけるインクリボンが最
大巻状態から最小巻状態に至るにつれて最大140度、
最小80度の範囲で減少してゆくように該最初のガイド
ローラが配置されてなることを特徴とする。巻出コアに
インクリボンが最大巻されたときの上記最初のガイドロ
ーラにおけるインクリボン抱き角(α)は100度以上
であることが好ましく、より好ましくは120度以上で
ある。一方、巻出コアにインクリボンが最小巻されたと
きの上記最初のガイドローラにおけるインクリボン抱き
角(β)は90度以下であることが好ましく巻取駆動ロ
ーラの材質は好ましくは熱可塑性エラストマーであり、
巻出停止ローラの材質は好ましくはABS(アクリロニ
トリルブタジエンスチレン),AS(アクリロニトリル
スチレン),PS(ポリスチレン),PC(ポリカーボ
ネート)およびPOM(ポリアセタール)よりなる群か
ら選ばれるいずれか一である。巻出停止ローラに代えて
巻出停止ピン、またはインクリボンの走行を案内する案
内面を有する固定部材を用いても良い。
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例によるイ
ンクリボンカセット10が示されている。なお、内部機
構を示すため、図1にはケース11およびカバーを接合
してなるカセット本体からカバーを取り除いた状態のイ
ンクリボンカセット10が示されている。ケース11内
にはインクリボン12が巻回された一対のコア13、1
4が収容されており、図1の状態ではコア13が巻出コ
ア、コア14が巻取コアとされている。インクリボン1
2は巻出コア13からガイドローラ15、巻出停止ロー
ラ16、ガイドローラ17および18によって案内さ
れ、さらに、ケース11の一方の長手方向端縁の中央部
に形成される凹部19の両側に突出して形成される先細
形状の突起部20、21の一方20の先端部に案内され
た後、凹部19に向けてカセット本体の外部に導出され
る。他方の突起部21の先端部に案内されて再度カセッ
ト本体内部に導入されたインクリボン12は、ガイドロ
ーラ22、巻取駆動ローラ23およびガイドローラ24
に案内され、巻取コア14に巻き取られる。このように
して巻出コア13から巻取コア14に至るインクリボン
12のパスラインが規定されている。インクリボンカセ
ット10が熱転写プリンタのキャリッジに装填された状
態において、該キャリッジ上の一対のボビンが巻出コア
13および巻取コア14に各々嵌合し、巻取コア14に
嵌合された巻取ボビンが適当な駆動源により回転駆動さ
れることにより、インクリボン12が前述のパスライン
を通って巻出コア13から巻取コア14に向けて送出さ
れ、これに伴って巻出コア13も巻取コア14の回転駆
動方向と同方向に従動回転する。また、キャリッジと共
にプラテンに沿って往復移動可能に設けられるサーマル
ヘッドは、インクリボンカセット10の凹部19に挿入
され、印字時には図1において上方に移動してインクリ
ボンカセット10の外部に導出されている部分のインク
リボン12を引き上げ、インクリボン12の走行に同期
して搬送される所定の記録媒体に対して所定の印字を行
うものである。かかるプリンタ側の構成および熱転写方
式による印字メカニズムは公知であるので、図示省略し
て以上の簡単な説明に止める。ガイドローラ15、1
7、18、22および24はいずれも回転自在に設けら
れたフリーローラであり、それら周面とインクリボン1
2の非印字面(バックコート面)または印字面との間の
摩擦によりインクリボン12の走行に伴って回転する。
巻出停止ローラ16および巻取駆動ローラ23はガイド
ローラ15、17、18、22および24と共にインク
リボン12を所定のパスラインに沿って走行するように
案内する役割を果たすと共に、巻取駆動ローラ23は装
填状態においてキャリッジ側の駆動軸(図示せず)が嵌
合されることにより該駆動軸が回転駆動されたときにそ
の駆動力を受けて図1において反時計方向に回転してイ
ンクリボン12の走行を積極的に補助する。一方、巻出
停止ローラ16は積極的に回転駆動されないだけでな
く、インクリボン12走行に伴って従動回転もせずに実
質的に停止状態を維持することにより、走行するインク
リボン12に対してバックテンションを与える。巻取駆
動ローラ23の材質は好ましくは熱可塑性エラストマー
であり、特にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TP
O)であってショアー硬度(D)が40以上、より好ま
しくは45〜50のものが好適に用いられる。巻出停止
ローラの材質は好ましくはABS(アクリロニトリルブ
タジエンスチレン),AS(アクリロニトリルスチレ
ン),PS(ポリスチレン),PC(ポリカーボネー
ト)およびPOM(ポリアセタール)よりなる群から選
ばれるいずれか一である。ここで、巻出コア13と巻出
停止ローラ16との間に設けられるガイドローラ15は
インクリボン12が巻き出されるにつれて巻出コア13
に対する抱き角が変化する。すなわち、巻出コア13に
全巻された状態(巻出コア13におけるインクリボン1
2の巻径が最大である初期状態、図1において実線で示
される)において最大の抱き角を有し、この状態からイ
ンクリボン12が巻き出されるにつれて抱き角は徐々に
減少し、インクリボン12が巻取コア17に全巻された
状態(巻出コア13におけるインクリボン巻径が最小と
なった状態、図1に仮想線で示される)となったときに
ガイドローラ15における抱き角は最小となるが、ガイ
ドローラ15におけるインクリボン12の抱き角が80
〜140度の範囲で変化するようにガイドローラ15を
配置することが好ましい。実施例では、図2に示される
ように、巻出コア13が最大巻径を有するときのインク
リボン12maxがガイドローラ15に抱かれる抱き角
(α)が約138度、最小巻径時のインクリボン12m
inの抱き角(β)が約87度となるようにガイドロー
ラ15が配置されている。インクリボンカセットは巻出
コア13に全巻された状態で出荷されるが、このときの
ガイドローラ15における抱き角(α)が大きすぎると
インクリボンの架け渡しが困難となり、インクリボンカ
セットの組立作業効率が大幅に低下してしまう。この観
点より抱き角(α)は140度を越えないことが要求さ
れる。また、ガイドローラ15における抱き角が小さす
ぎるとインクリボンの走行に対して適度なバックテンシ
ョンを与えることが困難となって印字不良の原因となる
ため、抱き角の最小値(β)は少なくとも80度以上で
あることが要求される。 さらに、印字初期においては
巻出コア13の回転角度が相対的に小さく、巻出コア1
3の回転に伴う摩擦によっては十分なバックテンション
をインクリボン12に対して与えることができないた
め、このときのガイドローラ15における抱き角(α)
をある程度大きなものとしてバックテンションを補完す
る必要がある。この観点より抱き角(α)は100度以
上であることが好ましく、より好ましくは120度以上
である。また、印字終期においてはインクリボン12の
終端が近いことを示すエンドテープ(図示せず)がガイ
ドローラ15を通過するが、このときの抱き角が大きい
とエンドテープとの継ぎ目が引っかかって剥がれやすく
なるため、抱き角(β)は90度以下とすることが好ま
しい。以上において本発明の一実施例について詳述した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、請求項に
記載された発明の範囲内において広く変形態様をとるこ
とができる。たとえば、図1の構成において巻出停止ロ
ーラ16が用いられているが、既述したようにこの部材
はインクリボン12に対してバックテンションを与える
ためにその走行中実質的に停止状態を維持するものであ
るから、必ずしもローラ形状を有する必要はなく、ピン
形状やその他の形状、たとえばインクリボン12の走行
を案内する円弧状の案内面を有する固定部材であっても
よい。
【発明の効果】本発明によれば、巻出コアから巻取コア
に向けて走行するインクリボンに対して適切なバックテ
ンションを与えることができ、インクリボンを所定のパ
スラインに安定して走行させることができるため、ボイ
ド等の印字不良を防止することが出きる。本発明ではバ
ックテンションを与えるためにフェルトシートやバネ等
の特別な部材を必要とせず、また巻出側のローラは非駆
動の固定部材であることから駆動系の構成も簡略化され
るため、インクリボンカセットの製造コストを安価に抑
えることができる。さらに、巻出コアと巻出停止ローラ
との間に設けられるガイドローラにおけるインクリボン
に対する抱き角を過大にする必要がないので、インクリ
ボンカセットの組立作業が面倒にならず、リボン切れ等
の問題も生じないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるインクリボンカセット
の内部構造を示す上面図である。
【図2】巻出コア側の最初のガイドローラにおけるイン
クリボンのパスラインおよび抱き角の変化を示す説明図
である。
【符号の説明】
10 インクリボンカセット 11 ケース 12 インクリボン 12max 巻出コアに最大巻されたときのインクリボ
ンのパスライン 12min 巻出コアに最小巻されたときのインクリボ
ンのパスライン 13 巻出コア 14 巻取コア 15、17、18、22、24 ガイドローラ 15 巻出コア側の最初のガイドローラ 16 巻出停止ローラ 23 巻取駆動ローラ 19 ヘッド挿入凹部 20、21 突起部 α ガイドローラ15におけるインクリボンの最大抱き
角 β ガイドローラ15におけるインクリボンの最小抱き
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月9日(1999.2.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 インクリボンカセット
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタのキャリ
ッジ上に装着されて該プリンタ側の印字ヘッドとの共働
により所定の記録媒体に印字するために用いられるイン
クリボンカセットに関する。
【従来の技術】従来より、カセット本体内に一対の回転
自在なコアが収納され、これらコア間にインクリボンが
巻回されて一方が巻出コア、他方が巻取コアとされたイ
ンクリボンカセットの構成が知られている(たとえば特
開平6−48003号公報参照)。このインクリボンカ
セットにおいて、カセット本体の一方の長手方向端縁に
は印字ヘッドを挿入するための凹部が設けられており、
インクリボンはそのパスラインにおいて該凹部を通過す
るときにカセット本体の外部に導出され、該凹部に挿入
された印字ヘッドとの共働によって記録媒体に印字する
ものである。このようなインクリボンカセットは、プリ
ンタのキャリッジ上に装着したときに巻取コアがキャリ
ッジの巻取ボビンに嵌着されて該巻取ボビンと共に回転
駆動されることにより、インクリボンを巻出コアから巻
取コアに向けて上記パスラインに沿って走行させるが、
インクリボンの走行を安定化させて蛇行や印字不良を防
止すると共に巻太り(インクリボンが巻取コアに緩んだ
状態で巻き取られる現象)を防止するため、インクリボ
ンにバックテンションを与えることが必要となる。従来
のインクリボンカセットにおいては、一般に、カセット
本体の底面と巻出コアとの間にフェルトシートを介在さ
せてインクリボンがこのシートに接触しながら巻出コア
から巻き出されるようにすることによってバックテンシ
ョンを与えたり、あるいはインクリボンのパスライン中
においてバネに接触させることによってバックテンショ
ンを与えていた。また、上記特開平6−48003号公
報記載のインクリボンカセットにあっては、巻出側およ
び巻取側のリボン送りローラをいずれも駆動ローラと
し、且つ、これら駆動ローラにおけるインクリボンの抱
き角が巻始めから巻終わりまで駆動限界以上(実施例で
は210度以上)の一定角度を保持するようにしてい
る。このために、巻出側および巻取側においてコアと駆
動ローラとの間にガイドローラを設けこのガイドローラ
にインクリボンを巻回すことにより駆動ローラにおける
抱き角が常に一定となるように構成している。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バック
テンションを与えるためにフェルトシートやバネを用い
ることはインクリボンカセットの製造コストを増大させ
るので好ましくない。本発明者らは、フェルトシートや
バネを用いずにインクリボンに適切なバックテンション
を与えることについて実験と研究を重ねた結果、インク
リボンのパスラインにおいてヘッド部と巻取コアおよび
巻出コアとの間に設けられる一対のローラのうち巻取側
のローラを駆動ローラとすることによりインクリボンの
走行を積極的に補助する一方で、巻出側のローラは非駆
動且つインクリボンの走行によっても従動回転せずに停
止状態を維持する停止ローラとすることによって、イン
クリボンに対して効果的にバックテンションを与えるこ
とができることを知見した。さらに、このように巻出停
止ローラと巻取駆動ローラを設けた構成においては、上
記従来技術に記載されるように巻出ローラにおけるイン
クリボンの抱き角よりもむしろ、巻出コアから巻き出さ
れるインクリボンが接触する最初のガイドローラにおけ
るインクリボンの抱き角がバックテンションに大きな影
響を与えることが分かった。しかしながら、ガイドロー
ラにおける抱き角を大きくすれば大きなバックテンショ
ンを与えることができるが、大きな抱き角を与えるよう
にガイドローラを配置するとインクリボンを鋭角的なパ
スラインで通す必要があり、組立作業が困難となるだけ
でなく、インクリボンの終端が近いことを示すエンドテ
ープとの継ぎ目部分がガイドローラを通過するときに引
っかかってリボン切れを起こすことがある。上記従来技
術において巻出コアと巻出側ローラとの間に設けられて
いるガイドローラにおけるインクリボンの抱き角は図面
上約160度であり、このように大きな抱き角とした場
合には上述の問題が顕著に現れるものであった。また、
巻出側を停止ローラとした場合に160度もの抱き角を
与えるようにガイドローラを配置すると走行不良を招く
ことがあった。
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、従来技
術における上記問題を解決し、インクリボンカセット組
立作業を困難にすることなくしかも安価に、インクリボ
ンに適切なバックテンションを与えてインクリボンの走
行を安定化させることのできる新規なインクリボンカセ
ットを提供することを目的とする。すなわち、本発明に
よるインクリボンカセットは、カセット本体内にインク
リボンが巻回された一対の巻出コアおよび巻取コアが収
納され、カセット本体の一方の長手方向端縁に印字ヘッ
ドを挿入するための凹部が設けられ、巻出コアから印字
ヘッド挿入凹部を通って巻取コアに至るインクリボンの
パスラインにおいて印字ヘッド挿入凹部と巻取コアとの
間にはインクリボンの走行を補助する巻取駆動ローラが
設けられると共に巻出コアと印字ヘッド挿入凹部との間
には巻出停止ローラが設けられ、且つ、巻出コアと巻出
停止ローラとの間には少なくとも一のガイドローラが設
けられ、巻出コア側の最初のガイドローラにおけるイン
クリボンの抱き角が巻出コアにおけるインクリボンが最
大巻状態から最小巻状態に至るにつれて最大140度、
最小80度の範囲で減少してゆくように該最初のガイド
ローラが配置されてなることを特徴とする。巻出コアに
インクリボンが最大巻されたときの上記最初のガイドロ
ーラにおけるインクリボン抱き角(α)は100度以上
であることが好ましく、より好ましくは120度以上で
ある。一方、巻出コアにインクリボンが最小巻されたと
きの上記最初のガイドローラにおけるインクリボン抱き
角(β)は90度以下であることが好ましく巻取駆動ロ
ーラの材質は好ましくは熱可塑性エラストマーであり、
巻出停止ローラの材質は好ましくはABS(アクリロニ
トリルブタジエンスチレン),AS(アクリロニトリル
スチレン),PS(ポリスチレン),PC(ポリカーボ
ネート)およびPOM(ポリアセタール)よりなる群か
ら選ばれるいずれか一である。巻出停止ローラに代えて
巻出停止ピン、またはインクリボンの走行を案内する案
内面を有する固定部材を用いても良い。
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例によるイ
ンクリボンカセット10が示されている。なお、内部機
構を示すため、図1にはケース11およびカバーを接合
してなるカセット本体からカバーを取り除いた状態のイ
ンクリボンカセット10が示されている。ケース11内
にはインクリボン12が巻回された一対のコア13、1
4が収容されており、図1の状態ではコア13が巻出コ
ア、コア14が巻取コアとされている。インクリボン1
2は巻出コア13からガイドローラ15、巻出停止ロー
ラ16、ガイドローラ17および18によって案内さ
れ、さらに、ケース11の一方の長手方向端縁の中央部
に形成される凹部19の両側に突出して形成される先細
形状の突起部20、21の一方20の先端部に案内され
た後、凹部19に向けてカセット本体の外部に導出され
る。他方の突起部21の先端部に案内されて再度カセッ
ト本体内部に導入されたインクリボン12は、ガイドロ
ーラ22、巻取駆動ローラ23およびガイドローラ24
に案内され、巻取コア14に巻き取られる。このように
して巻出コア13から巻取コア14に至るインクリボン
12のパスラインが規定されている。インクリボンカセ
ット10が熱転写プリンタのキャリッジに装填された状
態において、該キャリッジ上の一対のボビンが巻出コア
13および巻取コア14に各々嵌合し、巻取コア14に
嵌合された巻取ボビンが適当な駆動源により回転駆動さ
れることにより、インクリボン12が前述のパスライン
を通って巻出コア13から巻取コア14に向けて送出さ
れ、これに伴って巻出コア13も巻取コア14の回転駆
動方向と同方向に従動回転する。また、キャリッジと共
にプラテンに沿って往復移動可能に設けられるサーマル
ヘッドは、インクリボンカセット10の凹部19に挿入
され、印字時には図1において上方に移動してインクリ
ボンカセット10の外部に導出されている部分のインク
リボン12を引き上げ、インクリボン12の走行に同期
して搬送される所定の記録媒体に対して所定の印字を行
うものである。かかるプリンタ側の構成および熱転写方
式による印字メカニズムは公知であるので、図示省略し
て以上の簡単な説明に止める。ガイドローラ15、1
7、18、22および24はいずれも回転自在に設けら
れたフリーローラであり、それら周面とインクリボン1
2の非印字面(バックコート面)または印字面との間の
摩擦によりインクリボン12の走行に伴って回転する。
巻出停止ローラ16および巻取駆動ローラ23はガイド
ローラ15、17、18、22および24と共にインク
リボン12を所定のパスラインに沿って走行するように
案内する役割を果たすと共に、巻取駆動ローラ23は装
填状態においてキャリッジ側の駆動軸(図示せず)が嵌
合されることにより該駆動軸が回転駆動されたときにそ
の駆動力を受けて図1において反時計方向に回転してイ
ンクリボン12の走行を積極的に補助する。一方、巻出
停止ローラ16は積極的に回転駆動されないだけでな
く、インクリボン12走行に伴って従動回転もせずに実
質的に停止状態を維持することにより、走行するインク
リボン12に対してバックテンションを与える。巻取駆
動ローラ23の材質は好ましくは熱可塑性エラストマー
であり、特にオレフィン系熱可塑性エラストマー(TP
O)であってショアー硬度(D)が40以上、より好ま
しくは45〜50のものが好適に用いられる。巻出停止
ローラの材質は好ましくはABS(アクリロニトリルブ
タジエンスチレン),AS(アクリロニトリルスチレ
ン),PS(ポリスチレン),PC(ポリカーボネー
ト)およびPOM(ポリアセタール)よりなる群から選
ばれるいずれか一である。ここで、巻出コア13と巻出
停止ローラ16との間に設けられるガイドローラ15は
インクリボン12が巻き出されるにつれて巻出コア13
に対する抱き角が変化する。すなわち、巻出コア13に
全巻された状態(巻出コア13におけるインクリボン1
2の巻径が最大である初期状態、図1において実線で示
される)において最大の抱き角を有し、この状態からイ
ンクリボン12が巻き出されるにつれて抱き角は徐々に
減少し、インクリボン12が巻取コア17に全巻された
状態(巻出コア13におけるインクリボン巻径が最小と
なった状態、図1に仮想線で示される)となったときに
ガイドローラ15における抱き角は最小となるが、ガイ
ドローラ15におけるインクリボン12の抱き角が80
〜140度の範囲で変化するようにガイドローラ15を
配置することが好ましい。実施例では、図2に示される
ように、巻出コア13が最大巻径を有するときのインク
リボン12maxがガイドローラ15に抱かれる抱き角
(α)が約138度、最小巻径時のインクリボン12m
inの抱き角(β)が約87度となるようにガイドロー
ラ15が配置されている。インクリボンカセットは巻出
コア13に全巻された状態で出荷されるが、このときの
ガイドローラ15における抱き角(α)が大きすぎると
インクリボンの架け渡しが困難となり、インクリボンカ
セットの組立作業効率が大幅に低下してしまう。この観
点より抱き角(α)は140度を越えないことが要求さ
れる。また、ガイドローラ15における抱き角が小さす
ぎるとインクリボンの走行に対して適度なバックテンシ
ョンを与えることが困難となって印字不良の原因となる
ため、抱き角の最小値(β)は少なくとも80度以上で
あることが要求される。 さらに、印字初期においては
巻出コア13の回転角度が相対的に小さく、巻出コア1
3の回転に伴う摩擦によっては十分なバックテンション
をインクリボン12に対して与えることができないた
め、このときのガイドローラ15における抱き角(α)
をある程度大きなものとしてバックテンションを補完す
る必要がある。この観点より抱き角(α)は100度以
上であることが好ましく、より好ましくは120度以上
である。また、印字終期においてはインクリボン12の
終端が近いことを示すエンドテープ(図示せず)がガイ
ドローラ15を通過するが、このときの抱き角が大きい
とエンドテープとの継ぎ目が引っかかって剥がれやすく
なるため、抱き角(β)は90度以下とすることが好ま
しい。以上において本発明の一実施例について詳述した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、請求項に
記載された発明の範囲内において広く変形態様をとるこ
とができる。たとえば、図1の構成において巻出停止ロ
ーラ16が用いられているが、既述したようにこの部材
はインクリボン12に対してバックテンションを与える
ためにその走行中実質的に停止状態を維持するものであ
るから、必ずしもローラ形状を有する必要はなく、ピン
形状やその他の形状、たとえばインクリボン12の走行
を案内する円弧状の案内面を有する固定部材であっても
よい。
【発明の効果】本発明によれば、巻出コアから巻取コア
に向けて走行するインクリボンに対して適切なバックテ
ンションを与えることができ、インクリボンを所定のパ
スラインに安定して走行させることができるため、ボイ
ド等の印字不良を防止することが出きる。本発明ではバ
ックテンションを与えるためにフェルトシートやバネ等
の特別な部材を必要とせず、また巻出側のローラは非駆
動の固定部材であることから駆動系の構成も簡略化され
るため、インクリボンカセットの製造コストを安価に抑
えることができる。さらに、巻出コアと巻出停止ローラ
との間に設けられるガイドローラにおけるインクリボン
に対する抱き角を過大にする必要がないので、インクリ
ボンカセットの組立作業が面倒にならず、リボン切れ等
の問題も生じないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるインクリボンカセット
の内部構造を示す上面図である。
【図2】巻出コア側の最初のガイドローラにおけるイン
クリボンのパスラインおよび抱き角の変化を示す説明図
である。
【符号の説明】 10 インクリボンカセット 11 ケース 12 インクリボン 12max 巻出コアに最大巻されたときのインクリボ
ンのパスライン 12min 巻出コアに最小巻されたときのインクリボ
ンのパスライン 13 巻出コア 14 巻取コア 15、17、18、22、24 ガイドローラ 15 巻出コア側の最初のガイドローラ 16 巻出停止ローラ 23 巻取駆動ローラ 19 ヘッド挿入凹部 20、21 突起部 α ガイドローラ15におけるインクリボンの最大抱き
角 β ガイドローラ15におけるインクリボンの最小抱き
角 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月12日(1999.2.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 インクリボンカセット
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタのキャリ
ッジ上に装着されて該プリンタ側の印字ヘッドとの共働
により所定の記録媒体に印字するために用いられるイン
クリボンカセットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、カセット本体内に一対の回転
自在なコアが収納され、これらコア間にインクリボンが
巻回されて一方が巻出コア、他方が巻取コアとされたイ
ンクリボンカセットの構成が知られている(たとえば特
開平6−48003号公報参照)。
【0003】このインクリボンカセットにおいて、カセ
ット本体の一方の長手方向端縁には印字ヘッドを挿入す
るための凹部が設けられており、インクリボンはそのパ
スラインにおいて該凹部を通過するときにカセット本体
の外部に導出され、該凹部に挿入された印字ヘッドとの
共働によって記録媒体に印字するものである。
【0004】このようなインクリボンカセットは、プリ
ンタのキャリッジ上に装着したときに巻取コアがキャリ
ッジの巻取ボビンに嵌着されて該巻取ボビンと共に回転
駆動されることにより、インクリボンを巻出コアから巻
取コアに向けて上記パスラインに沿って走行させるが、
インクリボンの走行を安定化させて蛇行や印字不良を防
止すると共に巻太り(インクリボンが巻取コアに緩んだ
状態で巻き取られる現象)を防止するため、インクリボ
ンにバックテンションを与えることが必要となる。
【0005】従来のインクリボンカセットにおいては、
一般に、カセット本体の底面と巻出コアとの間にフェル
トシートを介在させてインクリボンがこのシートに接触
しながら巻出コアから巻き出されるようにすることによ
ってバックテンションを与えたり、あるいはインクリボ
ンのパスライン中においてバネに接触させることによっ
てバックテンションを与えていた。
【0006】また、上記特開平6−48003号公報記
載のインクリボンカセットにあっては、巻出側および巻
取側のリボン送りローラをいずれも駆動ローラとし、且
つ、これら駆動ローラにおけるインクリボンの抱き角が
巻始めから巻終わりまで駆動限界以上(実施例では21
0度以上)の一定角度を保持するようにしている。この
ために、巻出側および巻取側においてコアと駆動ローラ
との間にガイドローラを設けこのガイドローラにインク
リボンを巻回すことにより駆動ローラにおける抱き角が
常に一定となるように構成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バック
テンションを与えるためにフェルトシートやバネを用い
ることはインクリボンカセットの製造コストを増大させ
るので好ましくない。
【0008】本発明者らは、フェルトシートやバネを用
いずにインクリボンに適切なバックテンションを与える
ことについて実験と研究を重ねた結果、インクリボンの
パスラインにおいてヘッド部と巻取コアおよび巻出コア
との間に設けられる一対のローラのうち巻取側のローラ
を駆動ローラとすることによりインクリボンの走行を積
極的に補助する一方で、巻出側のローラは非駆動且つイ
ンクリボンの走行によっても従動回転せずに停止状態を
維持する停止ローラとすることによって、インクリボン
に対して効果的にバックテンションを与えることができ
ることを知見した。
【0009】さらに、このように巻出停止ローラと巻取
駆動ローラを設けた構成においては、上記従来技術に記
載されるように巻出ローラにおけるインクリボンの抱き
角よりもむしろ、巻出コアから巻き出されるインクリボ
ンが接触する最初のガイドローラにおけるインクリボン
の抱き角がバックテンションに大きな影響を与えること
が分かった。
【0010】しかしながら、ガイドローラにおける抱き
角を大きくすれば大きなバックテンションを与えること
ができるが、大きな抱き角を与えるようにガイドローラ
を配置するとインクリボンを鋭角的なパスラインで通す
必要があり、組立作業が困難となるだけでなく、インク
リボンの終端が近いことを示すエンドテープとの継ぎ目
部分がガイドローラを通過するときに引っかかってリボ
ン切れを起こすことがある。
【0011】上記従来技術において巻出コアと巻出側ロ
ーラとの間に設けられているガイドローラにおけるイン
クリボンの抱き角は図面上約160度であり、このよう
に大きな抱き角とした場合には上述の問題が顕著に現れ
るものであった。また、巻出側を停止ローラとした場合
に160度もの抱き角を与えるようにガイドローラを配
置すると走行不良を招くことがあった。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、従来技
術における上記問題を解決し、インクリボンカセット組
立作業を困難にすることなくしかも安価に、インクリボ
ンに適切なバックテンションを与えてインクリボンの走
行を安定化させることのできる新規なインクリボンカセ
ットを提供することを目的とする。
【0013】すなわち、本発明によるインクリボンカセ
ットは、カセット本体内にインクリボンが巻回された一
対の巻出コアおよび巻取コアが収納され、カセット本体
の一方の長手方向端縁に印字ヘッドを挿入するための凹
部が設けられ、巻出コアから印字ヘッド挿入凹部を通っ
て巻取コアに至るインクリボンのパスラインにおいて印
字ヘッド挿入凹部と巻取コアとの間にはインクリボンの
走行を補助する巻取駆動ローラが設けられると共に巻出
コアと印字ヘッド挿入凹部との間には巻出停止ローラが
設けられ、且つ、巻出コアと巻出停止ローラとの間には
少なくとも一のガイドローラが設けられ、巻出コア側の
最初のガイドローラにおけるインクリボンの抱き角が巻
出コアにおけるインクリボンが最大巻状態から最小巻状
態に至るにつれて最大140度、最小80度の範囲で減
少してゆくように該最初のガイドローラが配置されてな
ることを特徴とする。
【0014】巻出コアにインクリボンが最大巻されたと
きの上記最初のガイドローラにおけるインクリボン抱き
角(α)は100度以上であることが好ましく、より好
ましくは120度以上である。一方、巻出コアにインク
リボンが最小巻されたときの上記最初のガイドローラに
おけるインクリボン抱き角(β)は90度以下であるこ
とが好ましく巻取駆動ローラの材質は好ましくは熱可塑
性エラストマーであり、巻出停止ローラの材質は好まし
くはABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン),
AS(アクリロニトリルスチレン),PS(ポリスチレ
ン),PC(ポリカーボネート)およびPOM(ポリア
セタール)よりなる群から選ばれるいずれか一である。
【0015】巻出停止ローラに代えて巻出停止ピン、ま
たはインクリボンの走行を案内する案内面を有する固定
部材を用いても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例によるイ
ンクリボンカセット10が示されている。なお、内部機
構を示すため、図1にはケース11およびカバーを接合
してなるカセット本体からカバーを取り除いた状態のイ
ンクリボンカセット10が示されている。
【0017】ケース11内にはインクリボン12が巻回
された一対のコア13、14が収容されており、図1の
状態ではコア13が巻出コア、コア14が巻取コアとさ
れている。インクリボン12は巻出コア13からガイド
ローラ15、巻出停止ローラ16、ガイドローラ17お
よび18によって案内され、さらに、ケース11の一方
の長手方向端縁の中央部に形成される凹部19の両側に
突出して形成される先細形状の突起部20、21の一方
20の先端部に案内された後、凹部19に向けてカセッ
ト本体の外部に導出される。他方の突起部21の先端部
に案内されて再度カセット本体内部に導入されたインク
リボン12は、ガイドローラ22、巻取駆動ローラ23
およびガイドローラ24に案内され、巻取コア14に巻
き取られる。このようにして巻出コア13から巻取コア
14に至るインクリボン12のパスラインが規定されて
いる。
【0018】インクリボンカセット10が熱転写プリン
タのキャリッジに装填された状態において、該キャリッ
ジ上の一対のボビンが巻出コア13および巻取コア14
に各々嵌合し、巻取コア14に嵌合された巻取ボビンが
適当な駆動源により回転駆動されることにより、インク
リボン12が前述のパスラインを通って巻出コア13か
ら巻取コア14に向けて送出され、これに伴って巻出コ
ア13も巻取コア14の回転駆動方向と同方向に従動回
転する。また、キャリッジと共にプラテンに沿って往復
移動可能に設けられるサーマルヘッドは、インクリボン
カセット10の凹部19に挿入され、印字時には図1に
おいて上方に移動してインクリボンカセット10の外部
に導出されている部分のインクリボン12を引き上げ、
インクリボン12の走行に同期して搬送される所定の記
録媒体に対して所定の印字を行うものである。
【0019】かかるプリンタ側の構成および熱転写方式
による印字メカニズムは公知であるので、図示省略して
以上の簡単な説明に止める。
【0020】ガイドローラ15、17、18、22およ
び24はいずれも回転自在に設けられたフリーローラで
あり、それら周面とインクリボン12の非印字面(バッ
クコート面)または印字面との間の摩擦によりインクリ
ボン12の走行に伴って回転する。
【0021】巻出停止ローラ16および巻取駆動ローラ
23はガイドローラ15、17、18、22および24
と共にインクリボン12を所定のパスラインに沿って走
行するように案内する役割を果たすと共に、巻取駆動ロ
ーラ23は装填状態においてキャリッジ側の駆動軸(図
示せず)が嵌合されることにより該駆動軸が回転駆動さ
れたときにその駆動力を受けて図1において反時計方向
に回転してインクリボン12の走行を積極的に補助す
る。一方、巻出停止ローラ16は積極的に回転駆動され
ないだけでなく、インクリボン12走行に伴って従動回
転もせずに実質的に停止状態を維持することにより、走
行するインクリボン12に対してバックテンションを与
える。
【0022】巻取駆動ローラ23の材質は好ましくは熱
可塑性エラストマーであり、特にオレフィン系熱可塑性
エラストマー(TPO)であってショアー硬度(D)が
40以上、より好ましくは45〜50のものが好適に用
いられる。巻出停止ローラの材質は好ましくはABS
(アクリロニトリルブタジエンスチレン),AS(アク
リロニトリルスチレン),PS(ポリスチレン),PC
(ポリカーボネート)およびPOM(ポリアセタール)
よりなる群から選ばれるいずれか一である。
【0023】ここで、巻出コア13と巻出停止ローラ1
6との間に設けられるガイドローラ15はインクリボン
12が巻き出されるにつれて巻出コア13に対する抱き
角が変化する。すなわち、巻出コア13に全巻された状
態(巻出コア13におけるインクリボン12の巻径が最
大である初期状態、図1において実線で示される)にお
いて最大の抱き角を有し、この状態からインクリボン1
2が巻き出されるにつれて抱き角は徐々に減少し、イン
クリボン12が巻取コア17に全巻された状態(巻出コ
ア13におけるインクリボン巻径が最小となった状態、
図1に仮想線で示される)となったときにガイドローラ
15における抱き角は最小となるが、ガイドローラ15
におけるインクリボン12の抱き角が80〜140度の
範囲で変化するようにガイドローラ15を配置すること
が好ましい。実施例では、図2に示されるように、巻出
コア13が最大巻径を有するときのインクリボン12m
axがガイドローラ15に抱かれる抱き角(α)が約1
38度、最小巻径時のインクリボン12minの抱き角
(β)が約87度となるようにガイドローラ15が配置
されている。
【0024】インクリボンカセットは巻出コア13に全
巻された状態で出荷されるが、このときのガイドローラ
15における抱き角(α)が大きすぎるとインクリボン
の架け渡しが困難となり、インクリボンカセットの組立
作業効率が大幅に低下してしまう。この観点より抱き角
(α)は140度を越えないことが要求される。
【0025】また、ガイドローラ15における抱き角が
小さすぎるとインクリボンの走行に対して適度なバック
テンションを与えることが困難となって印字不良の原因
となるため、抱き角の最小値(β)は少なくとも80度
以上であることが要求される。 さらに、印字初期にお
いては巻出コア13の回転角度が相対的に小さく、巻出
コア13の回転に伴う摩擦によっては十分なバックテン
ションをインクリボン12に対して与えることができな
いため、このときのガイドローラ15における抱き角
(α)をある程度大きなものとしてバックテンションを
補完する必要がある。この観点より抱き角(α)は10
0度以上であることが好ましく、より好ましくは120
度以上である。
【0026】また、印字終期においてはインクリボン1
2の終端が近いことを示すエンドテープ(図示せず)が
ガイドローラ15を通過するが、このときの抱き角が大
きいとエンドテープとの継ぎ目が引っかかって剥がれや
すくなるため、抱き角(β)は90度以下とすることが
好ましい。
【0027】以上において本発明の一実施例について詳
述したが、本発明はこれに限定されるものではなく、請
求項に記載された発明の範囲内において広く変形態様を
とることができる。たとえば、図1の構成において巻出
停止ローラ16が用いられているが、既述したようにこ
の部材はインクリボン12に対してバックテンションを
与えるためにその走行中実質的に停止状態を維持するも
のであるから、必ずしもローラ形状を有する必要はな
く、ピン形状やその他の形状、たとえばインクリボン1
2の走行を案内する円弧状の案内面を有する固定部材で
あってもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、巻出コアから巻取コア
に向けて走行するインクリボンに対して適切なバックテ
ンションを与えることができ、インクリボンを所定のパ
スラインに安定して走行させることができるため、ボイ
ド等の印字不良を防止することが出きる。
【0029】本発明ではバックテンションを与えるため
にフェルトシートやバネ等の特別な部材を必要とせず、
また巻出側のローラは非駆動の固定部材であることから
駆動系の構成も簡略化されるため、インクリボンカセッ
トの製造コストを安価に抑えることができる。
【0030】さらに、巻出コアと巻出停止ローラとの間
に設けられるガイドローラにおけるインクリボンに対す
る抱き角を過大にする必要がないので、インクリボンカ
セットの組立作業が面倒にならず、リボン切れ等の問題
も生じないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるインクリボンカセット
の内部構造を示す上面図である。
【図2】巻出コア側の最初のガイドローラにおけるイン
クリボンのパスラインおよび抱き角の変化を示す説明図
である。
【符号の説明】 10 インクリボンカセット 11 ケース 12 インクリボン 12max 巻出コアに最大巻されたときのインクリボ
ンのパスライン 12min 巻出コアに最小巻されたときのインクリボ
ンのパスライン 13 巻出コア 14 巻取コア 15、17、18、22、24 ガイドローラ 15 巻出コア側の最初のガイドローラ 16 巻出停止ローラ 23 巻取駆動ローラ 19 ヘッド挿入凹部 20、21 突起部 α ガイドローラ15におけるインクリボンの最大抱き
角 β ガイドローラ15におけるインクリボンの最小抱き
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 長武 埼玉県深谷市内ケ島500 ダイニック株式 会社埼玉工場内 (72)発明者 堀 芳行 埼玉県深谷市内ケ島500 ダイニック株式 会社埼玉工場内 Fターム(参考) 2C068 AA01 AA06 AA15 EE01 EE87 FF01 FF12 FF19 GK02 GK13 HH04 HH12 HH20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カセット本体内にインクリボンが巻回され
    た一対の巻出コアおよび巻取コアが収納され、カセット
    本体の一方の長手方向端縁に印字ヘッドを挿入するため
    の凹部が設けられ、巻出コアから印字ヘッド挿入凹部を
    通って巻取コアに至るインクリボンのパスラインにおい
    て印字ヘッド挿入凹部と巻取コアとの間にはインクリボ
    ンの走行を補助する巻取駆動ローラが設けられると共に
    巻出コアと印字ヘッド挿入凹部との間には巻出停止ロー
    ラが設けられ、且つ、巻出コアと巻出停止ローラとの間
    には少なくとも一のガイドローラが設けられ、巻出コア
    側の最初のガイドローラにおけるインクリボンの抱き角
    が巻出コアにおけるインクリボンが最大巻状態から最小
    巻状態に至るにつれて最大140度、最小80度の範囲
    で減少してゆくように該最初のガイドローラが配置され
    てなることを特徴とするインクリボンカセット。
  2. 【請求項2】巻出コアにインクリボンが最大巻されたと
    きの上記最初のガイドローラにおけるインクリボン抱き
    角(α)が100度以上であることを特徴とする請求項
    1のインクリボンカセット。
  3. 【請求項3】巻出コアにインクリボンが最大巻されたと
    きの上記最初のガイドローラにおけるインクリボン抱き
    角(α)が120度以上であることを特徴とする請求項
    1のインクリボンカセット。
  4. 【請求項4】巻出コアにインクリボンが最小巻されたと
    きの上記最初のガイドローラにおけるインクリボン抱き
    角(β)が90度以下であることを特徴とする請求項1
    のインクリボンカセット。
  5. 【請求項5】巻取駆動ローラの材質が熱可塑性エラスト
    マーであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    かのインクリボンカセット。
  6. 【請求項6】巻出停止ローラの材質がABS(アクリロ
    ニトリルブタジエンスチレン),AS(アクリロニトリ
    ルスチレン),PS(ポリスチレン),PC(ポリカー
    ボネート)およびPOM(ポリアセタール)よりなる群
    から選ばれるいずれか一であることを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれかのインクリボンカセット。
  7. 【請求項7】巻出停止ローラに代えて巻出停止ピン、ま
    たはインクリボンの走行を案内する案内面を有する固定
    部材が用いられることを特徴とする請求項1ないし6の
    いずれかのインクリボンカセット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017010507A1 (ja) * 2015-07-13 2017-01-19 ブラザー工業株式会社 リボンカセット
JP2017019217A (ja) * 2015-07-13 2017-01-26 ブラザー工業株式会社 リボンカセット
JP2017019216A (ja) * 2015-07-13 2017-01-26 ブラザー工業株式会社 リボンカセット

Cited By (6)

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JP2017019217A (ja) * 2015-07-13 2017-01-26 ブラザー工業株式会社 リボンカセット
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CN107735263A (zh) * 2015-07-13 2018-02-23 兄弟工业株式会社 色带盒
US10166800B2 (en) 2015-07-13 2019-01-01 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ribbon cassette including ink ribbon, first spool, and second spool
US10737519B2 (en) 2015-07-13 2020-08-11 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ribbon cassette including ink ribbon, first spool, and second spool

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