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JP2000207791A - 磁性記録媒体 - Google Patents

磁性記録媒体

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Publication number
JP2000207791A
JP2000207791A JP11004406A JP440699A JP2000207791A JP 2000207791 A JP2000207791 A JP 2000207791A JP 11004406 A JP11004406 A JP 11004406A JP 440699 A JP440699 A JP 440699A JP 2000207791 A JP2000207791 A JP 2000207791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
layer
domain wall
magnetic layer
recording
Prior art date
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Pending
Application number
JP11004406A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Shiratori
力 白鳥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP11004406A priority Critical patent/JP2000207791A/ja
Publication of JP2000207791A publication Critical patent/JP2000207791A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁壁移動を検出することにより、光学的な回
折限界を越えた高密度記録信号が再生可能な再生方法に
おいて、再生信号品質、特にジッター特性を向上させる
ことが可能な磁性記録媒体を提供する。 【解決手段】 第1及び第2磁性層11,12は、第3
及び第4磁性層13,14に比べて相対的に磁壁抗磁力
が小さな磁性膜からなり、該第2及び第3磁性層12,
13は、キュリー温度が室温よりも高く該第1及び第4
磁性層11,14のキュリー温度よりも低い磁性膜から
なり、該第2磁性層12と該第3磁性層13とのキュリ
ー温度の差が10℃以内であり、該第2磁性層12の膜
厚が1nm以上20nm以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性材料の磁化の
配列状態により情報の記録を行う磁性記録媒体に関する
ものである。特に光ビームにより情報の再生を行う光磁
気記録方式等において、記録密度の向上を可能とする記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能な記録媒体として、各種の
磁性記録媒体が実用化されている。特に、半導体レーザ
ーの熱エネルギーを用いて磁性薄膜に磁区を書き込んで
情報を記録し、磁気光学効果を用いてこの情報を読み出
す光磁気記録媒体は、高密度記録が可能な大容量可換媒
体として期待されている。近年、動画像のデジタル化の
動きとあいまって、これらの磁性記録媒体の記録密度を
高めてさらに大容量の記録媒体とする要求が高まってい
る。
【0003】一般に、光記録媒体の線記録密度は、再生
光学系のレーザ波長及び対物レンズの開口数NAに大き
く依存する。すなわち、再生光学系のレーザ波長λと対
物レンズの開口数NAが決まるとビームウェストの径が
決まるため、信号再生可能な記録ピットの空間周波数は
2NA/λ程度が限界となってしまう。したがって、従
来の光ディスクで高密度化を実現するためのには、再生
光学系のレーザ波長を短くするか対物レンズの開口数を
大きくする必要がある。しかしながら、レーザ波長を短
くするのは素子の効率、発熱等の問題で容易ではなく、
また対物レンズの開口数を大きくすると、焦点深度が浅
くなる等して機械的精度に対する要求が厳しくなるとい
う問題が生じる。
【0004】このため、レーザ波長や対物レンズの開口
数を変えずに、記録媒体の構成や再生方法を工夫して記
録密度を改善する、いわゆる超解像技術が種々開発され
ている。
【0005】例えば、特開平3−93058号において
は、磁気的に結合される再生層と記録保持層とを有して
なる多層膜の、記録保持層に信号記録を行うとともに、
再生層の磁化の向きを揃えた後、レーザー光を照射して
加熱し、再生層の昇温領域に、記録保持層に記録された
信号を転写しながら読み取る信号再生方法が提案されて
いる。この方法によれば、再生用のレザーのスポット径
に対して、このレーザーによって加熱されて転写温度に
達し信号が検出される領域は、より小さな領域に限定で
きるため、再生時の符号間干渉を減少させ、2NA/λ
以上の空間周波数の信号を再生することが可能となる。
【0006】しかしながら、この再生方法は、再生用の
レーザーのスポット径に対して、有効に使用される信号
検出領域が小さくなるため、再生信号振幅が低下し、十
分な再生出力が得られないという欠点を有している。こ
のため有効信号検出領域をスポット径に対してあまり小
さくすることはできず、結局は光学系の回折限界で決ま
る記録密度に対して、大幅な高密度化を達成することは
できない。
【0007】かかる問題点に鑑みて、本発明者は既に特
開平6−290496号において、記録マークの境界部
に存在する磁壁を温度勾配によって高温側に移動させ、
この磁壁移動を検出することにより、再生信号振幅を低
下させることなく、光学系の分解能を超えた記録密度の
信号を再生することが可能な磁性記録媒体及び再生方法
を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−29049
6号記載の内容について以下に簡単に説明し、本発明で
解決しようとしている問題点を述べる。
【0009】記録媒体は、磁壁抗磁力の小さな第1磁性
層と、キュリー温度の低い第2磁性層と、磁壁抗磁力の
大きな第3磁性層からなる。文献J. Magn. Soc. Jpn.,
22,suppl. No. S2, pp. 47-50 (1998) にあるように、
第1磁性層は再生時に磁壁移動が起こる移動層(displac
ement layer)として機能し、第2磁性層は磁壁移動の開
始位置を制御する遮断層(switching layer) として機能
し、第3磁性層は情報を保持するメモリ層(memory lay
er) として機能する。
【0010】磁性膜面上に温度分布を形成すると、これ
に伴って磁壁エネルギー密度の分布が形成され、磁壁を
エネルギーの低い高温側へ移動させようとする磁壁駆動
力が発生する。
【0011】遮断層のキュリー温度以下の温度の場所で
は、各磁性層は互いに交換結合しているため、前述の磁
壁駆動力が作用しても、メモリ層の大きな磁壁抗磁力に
妨げられて磁壁移動は起こらない。
【0012】ところが、遮断層のキュリー温度近傍の温
度Tsになる位置では交換結合力が弱まるため、磁壁抗
磁力の小さな移動層中の磁壁だけが単独で高温側に磁壁
移動する。
【0013】この磁壁移動は、媒体を温度分布に対して
相対的に移動させると、磁壁の空間的間隔に対応した時
間間隔で発生することになる。したがって、磁壁移動の
発生を検出することで、光学系の分解能とは無関係に信
号を再生することが可能になる。
【0014】さてここで、磁壁の移動開始温度Tsは、
磁壁の移動を妨げる摩擦力が、磁壁駆動力よりも小さく
なる閾値温度として決まる。
【0015】この閾値温度Tsの前後で、両者の大小関
係ができるだけ急激に逆転するようにした方が、磁壁移
動開始位置が揺らがず、ジッターが抑制できる。このた
め、遮断層はできるだけ異方性が大きく磁壁エネルギー
密度が大きな材料で構成して、遮断層のキュリー温度に
向かって移動層とメモリ層との間の交換結合力が急激に
低下するようにした方がよい。
【0016】ところが、遮断層のキュリー温度以上にな
っても、移動層と遮断層の界面で、遮断層側の磁性原子
は、移動層からの大きな分子磁界を受けるために、界面
付近の遮断層にはスピンのオーダリングが生じる。遮断
層は本質的に異方性の大きな材料で構成されているた
め、分子磁界の影響でスピンのオーダリングが生じる
と、異方性はかなり大きくなり、大きな磁壁抗磁力が誘
起される。
【0017】原子の拡散も考慮すると、界面付近の遮断
層の異方性はさらに大きくなると考えられる。
【0018】このため、メモリ層との交換結合力が急激
に低下しても、この界面付近の遮断層の磁壁抗磁力が残
り、磁壁の移動を妨げる摩擦力は急激に低下せず、磁壁
移動開始位置が揺らいで、ジッターが大きくなってしま
うのである。以上が先願発明の抱える問題点である。
【0019】本発明は、上記先願発明の問題点を解決す
るためになされたものであり、磁壁の移動開始温度Ts
の前後で、磁壁の移動を妨げる摩擦力と磁壁駆動力との
大小関係が急激に逆転し、磁壁移動開始位置が揺らが
ず、ジッターの抑制された信号再生を行うことが可能な
磁性記録媒体を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的は下記の磁性記
録媒体によって達成される。
【0021】少なくとも、第1、第2、第3、及び第4
の磁性層が室温において交換結合して順次積層されてお
り、室温において、該第1及び第2磁性層は、第3及び
第4磁性層に比べて相対的に磁壁抗磁力が小さな磁性膜
からなり、該第2及び第3磁性層は、キュリー温度が室
温よりも高く該第1及び第4磁性層キュリー温度よりも
低い磁性膜からなり、該第2磁性層と該第3磁性層との
キュリー温度の差が10℃以内であり、該第2磁性層の
膜厚が1nm以上20nm以下であることを特徴とする
磁性記録媒体である。
【0022】また、上記の磁性記録媒体において、該第
1磁性層は、膜厚方向に段階的もしくは連続的に、第2
磁性層に近づくほどキュリー温度が低くなるような構造
を有していることを特徴とする磁性記録媒体である。
【0023】さらに、記録トラックを有し、該記録トラ
ックの両側部において、第1磁性層の膜面方向の交換相
互作用による結合が切断もしくは低減されていることを
特徴とする前記各項記載の磁性記録媒体である。
【0024】遮断層のキュリー温度に近いキュリー温度
を有し、磁壁抗磁力が小さく本質的な異方性の小さな磁
性層が、遮断補助層として移動層と遮断層との間に挿入
されているため、遮断層のキュリー温度近傍の温度で、
遮断補助層側の遮断層界面には磁壁抗磁力が誘起されな
い。
【0025】遮断補助層の移動層側の界面では、移動層
からの大きな分子磁界を受けるために、界面付近の遮断
層にはスピンのオーダリングが生じるが、遮断補助層は
本質的に異方性が小さく磁壁抗磁力の小さな材料で構成
されているため、スピンのオーダリングが生じても、あ
まり大きな磁壁抗磁力は誘起されない。
【0026】この結果、メモリ層との交換結合力が急激
に低下すれば、磁壁の移動を妨げる摩擦力も急激に低下
することになり、磁壁駆動力との大小関係が急激に逆転
するため、磁壁移動開始位置が揺らがず、ジッターの抑
制された信号再生を行うことが可能になる。
【0027】ただし、遮断補助層の厚さが厚くなると、
移動層とメモリ層との間の交換結合力が弱まり、温度上
昇に伴って交換結合力が急激に低下する特性が損なわれ
るので、遮断補助層の厚さは20nm以下、望ましくは
10nm以下にする必要がある。また、分子磁界の及ぶ
範囲は1nm程度あるので、遮断補助層の厚さを少なく
とも1nm以上にする必要がある。
【0028】遮断補助層のキュリー温度が遮断層のキュ
リー温度よりも10℃以上高いと、遮断温度において、
遮断補助層からの分子磁界によって遮断層に大きな磁壁
抗磁力が誘起されてしまう。また、逆に10℃以上低い
と、遮断補助層のキュリー温度近傍の温度に向けて交換
結合力が緩やかに低下するようになってしまう。このた
め遮断補助層と遮断層とのキュリー温度の差が10℃以
内である必要がある。
【0029】また、上記の磁性記録媒体において、該第
1磁性層が、膜厚方向に段階的もしくは連続的に、該第
2磁性層に近づくほどキュリー温度が低くなるような構
造を有している磁性記録媒体とすることにより、磁壁抗
磁力に比べて相対的に大きな磁壁駆動力を第1磁性層中
の磁壁に作用させることができるようになるため、磁壁
移動がスムーズになり再生信号特性が向上する。
【0030】さらに、記録トラックを有し、該記録トラ
ックの両側部において、第1磁性層の膜面方向の交換相
互作用による結合が切断もしくは低減されている磁性記
録媒体とすることにより、トラック上に、磁区の両側部
に実質的に磁壁を形成せずに、閉じていない磁壁配列パ
ターンとして情報を記録することができる。
【0031】このような状態の記録パターンを、磁壁移
動させながら読み出すと、側部磁壁の生成・消滅を伴わ
ずに磁壁移動させることができるため、磁壁移動が安定
し、再生信号特性がさらに向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明図面を参照してさら
に詳細に説明する。
【0033】図1は、本発明の再生方法に用いる磁性記
録媒体の層構成の一実施態様を示す模式的断面図であ
る。この態様においては、基板15上に、下地層16、
第1磁性層11、第2磁性層12、第3磁性層13、第
4磁性層14、及び上地層17が順次積層されている。
【0034】基板15としては、例えば、ポリカーボネ
ート、アクリル、ガラス等を用いることができる。下地
層16や上地層17としては、例えば、SiN,Ai
N,SiO,ZnS,MgF,TaO等の誘電体材料が
使用できる。磁壁の移動を光学的に検出するのでなけれ
ば、必ずしも透光性材料である必要はない。
【0035】磁性層以外の層は必須のものではない。磁
性層の積層順序を逆にしてもよい。また、この構成に、
さらにAl,AlTa,AlTi,AlCr,Cu,P
t,Au等からなる金属層を付加して、熱的な特性を調
整してもよい。また、高分子樹脂からなる保護コートを
付与してもよい。あるいは、成膜後の基板を貼り合わせ
てもよい。
【0036】これら各層は、例えばマグネトロンスパッ
タ装置による連続スパッタリング、または連続蒸着等に
よって被着形成できる。特に各磁性層は、真空を破るこ
となく連続成膜されることで、互いに交換結合をしてい
る。
【0037】上記媒体において、各磁性層11〜14
は、磁気記録媒体や光磁気記録媒体に一般的に用いられ
ている材料の他、磁気バブル材料や反強磁性材料等、種
々の磁性材料によって構成することが考えられる。
【0038】例えば、Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,
Tb,Dy,Ho,Er等の希土類金属元素の一種類あ
るいは二種類以上が10〜40原子%と、Fe,Co,
Ni等の鉄族元素の一種類あるいは二種類以上が90〜
60原子%とで構成される希土類−鉄族非晶質合金によ
って構成し得る。
【0039】また、耐食性向上等のために、これらの合
金にCr,Mn,Cu,Ti,Al,Si,Pt,In
等の元素を少量添加してもよい。
【0040】また、Pt/Co,Pd/Co等の白金族
−鉄族周期構造膜や、白金族−鉄族合金膜、Co−Ni
−OやFe−Rh系合金等の反強磁性材料、磁性ガーネ
ット等の材料も使用可能である。
【0041】重希土類−鉄族非晶質合金の場合、飽和磁
化は、希土類元素と鉄族元素との組成比により制御する
ことが可能である。補償組成にすれば、室温での飽和磁
化を0emμ/ccにできる。
【0042】キュリー温度も、組成比により制御するこ
とが可能である。飽和磁化と独立に制御するためには、
鉄族元素として、Feの一部をCoで置き換えた材料を
用い、置換量を制御する方法がより好ましく利用でき
る。すなわち、Fe 1原子%をCoで置換することに
より、6℃程度のキュリー温度上昇が見込めるので、こ
の関係を用いて所望のキュリー温度となるようにCoの
添加量を調整する。
【0043】Cr,Ti,Al等の非磁性元素を微量添
加することにより、逆にキュリー温度を低下させること
も可能である。
【0044】また、二種類以上の希土類元素を用いてそ
れらの組成比を調整することでもキュリー温度を制御で
きる。
【0045】具体的には、キュリー温度は第1磁性層は
150〜300℃、第2磁性層は100〜200℃、第
3磁性層は100〜200℃、第4磁性層は150〜3
50℃の範囲に調整することが好ましい。
【0046】磁壁抗磁力や磁壁エネルギー密度は、主と
して材料元素の選択によって制御するが、下地の状態
や、スパッタガス圧等の成膜条件によっても調整可能で
ある。TbやDy系の材料は異方性が大きく磁壁抗磁力
や磁壁エネルギー密度が大きく、Gd系材料は小さい。
不純物の添加等によってこれらの物性値を制御すること
もできる。
【0047】膜厚は、成膜速度と成膜時間で制御でき
る。
【0048】本発明の磁性記録媒体へのデータ信号の記
録は、磁気記録もしくは熱磁気記録によって、第4磁性
層の磁化配向状態をデータ信号に対応させることによっ
て行う。熱磁気記録には、媒体を移動させながら、第4
磁性層がキュリー温度以上になるようなパワーのレーザ
ー光を照射しながら外部磁界を変調する方式と、一定方
向の磁界を印加しながらレーザーパワーを変調する方式
とがある。
【0049】後者の場合、光スポット内の所定領域のみ
が第4磁性層のキュリー温度以上になるようにレーザー
光の強度を調整すれば、光スポットの径以下の記録磁区
が形成でき、光学系の分解能以上の高密度記録パターン
が形成できる。
【0050】以下に具体的な実施例をもって本発明を詳
細に説明するが、本発明はその主旨を逸脱しない限りに
おいて以下の実施例に限定されるものではない。
【0051】
【実施例】(実施例1)直流マグネトロンスパッタリン
グ装置に、BドープしたSi,及びGd,Dy,Tb,
Fe,Co、及びAlの各ターゲットを取り付け、トラ
ッキング用の案内溝の形成されたポリカーボネート基板
を基板ホルダーに固定した後、1×10 -5Pa以下の高
真空になるまでチャンバー内をクライオポンプで真空排
気した。真空排気したままArガスを0.5Paとなる
までチャンバー内に導入し、基板を回転させながら、タ
ーゲットをスパッタして各層を成膜した。
【0052】SiN層成膜時にはArガスに加えてN2
ガスを導入し、直流反応性スパッタにより成膜した。
【0053】最初に、下地層としてSiN層を90nm
成膜した。引き続き、第1磁性層としてGdFe層を膜
厚(h1)30nm、第2磁性層としてGdFeAl層
を膜厚(h2)10nm、第3磁性層としてTbFe層
を膜厚(h3)10nm、第4磁性層としてTbFeC
o層を膜厚(h4)80nmに順次成膜した。
【0054】最後に、保護層としてSiN層を50nm
成膜した。
【0055】各磁性層は、Gd,Tb,Fe,Co,A
lの各ターゲットに投入するパワーの比によって組成比
を制御した。
【0056】組成比は、各磁性層とも補償組成近傍の組
成になるように調整した。(厳密には、再生温度となる
第3磁性層のキュリー温度近傍の温度で希土類元素と鉄
族元素とが補償されるように、室温で若干希土類元素優
勢になるように調整した。)また、第1磁性層のキュリ
ー温度(Tc1)は230℃程度となるように調整し、
第2磁性層のキュリー温度(Tc2)と第3磁性層のキ
ュリー温度(Tc3)は160℃、第4磁性層のキュリ
ー温度(Tc3)は310℃程度となるように調整し
た。
【0057】(比較例1)比較例として、第2磁性層を
挿入しない他の実施例1と同様のサンプルを作製した。
【0058】さて、実施例1ならびに比較例1のサンプ
ルの動特性を、従来から一般的に使用されている磁界変
調記録用の磁気ヘッドの搭載されている光磁気ディスク
評価装置を用いて評価した。サンプルは線速1.5m/
secとなるように回転させた。
【0059】記録時には、記録再生用レーザーを4mW
で直流照射しながら磁界を±200Oeで変調すること
により、第4磁性層のキュリー温度以上に加熱した後の
冷却過程で、磁界の変調に対応した上向き磁化領域と下
向き磁化領域とのパターンを形成した。
【0060】再生用レーザーのパワーPrを1.8mW
として、マーク長0.1μmのトーンパターンにおける
ジッターを測定したところ、比較例1のサンプルでは
8.5nsecであったのに対し、実施例1のサンプル
では6nsecのジッターが得られた。
【0061】(実施例2)実施例1のサンプルの第2磁
性層の膜厚を種々変化させたサンプルを作製して、同様
に動特性を評価した結果、膜厚1nm以上20nm以下
の範囲で、8.5nsec以下のジッターが得られ、第
2磁性層挿入の効果が認められた。
【0062】(実施例3)実施例1のサンプルの第2磁
性層のキュリー温度を種々変化させたサンプルを作製し
て、同様に動特性を評価した結果、150℃以上170
℃以下の範囲で、8.5nsec以下のジッターが得ら
れ、第2磁性層挿入の効果が認められた。
【0063】(実施例4)第1磁性層を以下のような2
層で構成して順次成膜した。まず第12構成層としてキ
ュリー温度(Tc12)が260℃のGdFeCoAl
層を膜厚(h12)10nm、次に第11構成層として
キュリー温度(Tc11)が210℃のGdFeCoA
l層を膜厚(h11)10nmに順次成膜した。次に第
2磁性層としてキュリー温度160℃のGdFeCoA
l層を膜厚10nmに成膜した。
【0064】引き続き、第3及び第4磁性層を実施例1
と同様の材料で同様の膜厚に成膜した。組成比は、各磁
性層とも補償組成近傍の組成になるように調整した。
【0065】本実施例の磁性記録媒体の記録再生特性
を、実施例1と同様の方法で測定した結果、5.5ns
ecのジッターが得られた。
【0066】(実施例5)実施例4の磁性記録媒体の案
内溝上にトラッキングサーボをかけて、線速1.5m/
secで媒体を駆動しながら、記録再生用の集光された
レーザービームを10mWで連続照射して、案内溝上の
磁性膜のみを局所アニール処理した。この処理により、
案内溝上の磁性膜の磁性を劣化させ、この部分では磁壁
エネルギーが蓄積しないようにした。
【0067】このサンプルのランド上に、ランド幅いっ
ぱいに磁区を記録して閉じていない磁壁を形成した。実
施例1と同様にして再生した結果、再生時のノイズが低
減し、5nsecのジッターが得られた。
【0068】以上述べた例の他、本発明の磁性記録媒体
は、磁気光学効果による偏光面の変化に限らず、磁壁の
移動によって生ずる別の変化を検出して再生してもよ
い。
【0069】本発明の磁性記録媒体の記録膜は、磁性材
料であれば垂直磁化膜でなくてもよい。
【0070】また、各磁性層の界面は必ずしも明瞭急峻
である必要はなく、膜厚方向に徐々に特性の変化してい
る構成であってもよい。
【0071】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の効
果は、磁壁移動を検出することにより、光学的な回折限
界を越えた高密度記録信号が再生可能な再生方法におい
て、再生信号品質、特にジッター特性を向上させること
が可能な磁性記録媒体を提供できることにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性記録媒体の層構成の一実施態様を
示す模式的断面図である。
【符号の説明】
11 第1磁性層 12 第2磁性層 13 第3磁性層 14 第4磁性層 15 基板 16 下地層 17 上地層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、第1、第2、第3、及び第
    4の磁性層が室温において交換結合して順次積層されて
    おり、室温において、該第1及び第2磁性層は、第3及
    び第4磁性層に比べて相対的に磁壁抗磁力が小さな磁性
    膜からなり、該第2及び第3磁性層は、キュリー温度が
    室温よりも高く該第1及び第4磁性層のキュリー温度よ
    りも低い磁性膜からなり、該第2磁性層と該第3磁性層
    とのキュリー温度の差が10℃以内であり、該第2磁性
    層の膜厚が1nm以上20nm以下であることを特徴と
    する磁性記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記第1磁性層は、膜厚方向に段階的も
    しくは連続的に、第2磁性層に近づくほどキュリー温度
    が低くなるような構造を有している請求項1に記載の磁
    性記録媒体。
  3. 【請求項3】 記録トラックを有し、該記録トラックの
    両側部において、第1磁性層の膜面方向の交換相互作用
    による結合が切断もしくは低減されている請求項1また
    は2に記載の磁性記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7376055B2 (en) 2004-01-23 2008-05-20 Canon Kabushiki Kaisha Method of annealing optical recording medium
US7522479B2 (en) 2004-02-02 2009-04-21 Canon Kabushiki Kaisha Domain wall displacement for magneto-optical recording medium having multiple magnetic layers

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