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JP2000202904A - ポリエステルフィルムおよびその製造法 - Google Patents

ポリエステルフィルムおよびその製造法

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JP2000202904A
JP2000202904A JP11006363A JP636399A JP2000202904A JP 2000202904 A JP2000202904 A JP 2000202904A JP 11006363 A JP11006363 A JP 11006363A JP 636399 A JP636399 A JP 636399A JP 2000202904 A JP2000202904 A JP 2000202904A
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film
stretching
polyester film
polyester
ratio
Prior art date
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JP11006363A
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Takuji Toudaiji
卓司 東大路
Tetsuya Tsunekawa
哲也 恒川
Kenji Tsunashima
研二 綱島
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Priority to JP11006363A priority Critical patent/JP2000202904A/ja
Publication of JP2000202904A publication Critical patent/JP2000202904A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】剛性、強靱性、寸法安定性、電気特性などに優
れ、かつ、厚みむらや表面欠点も少なく、それら性質に
より、例えば、磁気記録媒体用、コンデンサー用、熱転
写リボン用、あるいは感熱孔版印刷原紙用などの各種の
工業材料用フィルムとして非常に適したポリエステルフ
ィルムを製造する方法を提供すること。 【解決手段】第一の方法は、ポリエステルを主成分とす
る樹脂からなるフィルムを同時二軸テンターを用いて延
伸するポリエステルフィルムの製造法において、フィル
ムの面積延伸倍率が1.0005〜3.0倍の倍率で微
延伸する操作を3回以上含み、トータルの面積延伸倍率
が25〜150倍であることを特徴とするものであり、
第二の方法は、ポリエステルを主成分とする樹脂からな
るフィルムを同時二軸テンターを用いて延伸して得られ
るポリエステルフィルムの製造法において、フィルムを
延伸した後、続いて弛緩する一連の操作を2回以上10
000回未満含み、トータルの面積延伸倍率が25〜1
50倍であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来のポリエステ
ルフィルムの物性・品質を大幅に向上させたポリエステ
ルフィルムとその製造法に関する。
【0002】具体的には、剛性、強靱性、寸法安定性、
電気特性などに優れ、かつ、厚みむらや表面欠点も少な
く、それら性質により、例えば、磁気記録媒体用、コン
デンサー用、熱転写リボン用、あるいは感熱孔版印刷原
紙用などの各種の工業材料用フィルムとして非常に適し
たポリエステルフィルムと該フィルムを製造する方法に
関するものである。
【0003】
【従来の技術】プラスチックフィルムは、他の素材から
は得られないような大面積のフィルムの連続生産が可能
であり、その強度、耐久性、透明性、柔軟性、表面特性
の付与が可能などの特徴を活かして、磁気記録媒体用、
農業用、包装用、建材用などの大量に需要のある各種分
野で用いられている。
【0004】その中でも、二軸延伸ポリエステルフィル
ムは、その優れた機械的特性、熱的特性、電気的特性、
耐薬品性のために、さまざまな分野で利用されており、
特に磁気テープ用ベースフィルムとしての有用性は、他
のフィルムの追随を許さない。 該分野において、特
に、近年は、機材の軽量化、小型化と長時間記録化のた
めに、ベースフィルムの一層の薄膜化が要求されてい
る。また、熱転写リボン用、コンデンサー用、あるいは
感熱孔版印刷原紙用においても、近年、薄膜化の傾向が
非常に強い。
【0005】しかしながら、フィルムを薄膜化すると、
機械的強度が不十分となって、フィルムの腰の強さが弱
くなったり、伸びやすくなったりするため、例えば、磁
気記録媒体用では、テープダメージを受けやすくなった
り、ヘッドタッチが悪化して電磁変換特性が低下したり
する。また、フィルムを薄膜化すると、熱転写リボン用
では、印字する際のリボンの平坦性が保たれず、印字ム
ラや過転写が発生し、また、コンデンサ用では、絶縁破
壊電圧が低下するといった問題点がある。
【0006】このような薄膜化志向の中で、ヤング率に
代表されるような引張特性などの機械特性の向上によ
る、ますますの高強度化が望まれている。
【0007】そのため、従来から種々の方法でフィルム
の高強度化が検討されてきた。
【0008】一般に知られてきた、二軸延伸ポリエステ
ルフィルムの高強度化の手法としては、例えば、縦・横
二方向に延伸したフィルムを再度縦方向に延伸し、縦方
向に高強度化する、いわゆる再縦延伸法が一般的である
(例えば、特公昭42−9270号公報、特公昭43−
3040号公報、特開昭46−1119号公報、特開昭
46−1120号公報など)。また、さらに横方向にも
強度を付与したい場合には、上述の再縦延伸を行なった
後、再度横方向に延伸するという再縦再横延伸法が提案
されている(例えば、特開昭50−133276号公
報、特開昭55−22915号公報など)。また、一段
目の延伸をフィルムの縦方向に2段階以上で行い、引き
続き、フィルムの横方向に延伸を行う縦多段延伸法が提
案されている(例えば、特公昭52−33666号公
報、特公昭57−49377号公報など)。
【0009】この縦多段延伸法は、高強度化、フィルム
の厚みむら改善、生産性の向上を図る上で、上記した再
縦延伸法、再縦再横延伸法よりも優れた方法である。し
かし、フィルムの高強度化を行った場合、フィルムの熱
収縮率も高くなる、フィルム破れが多発するという実用
上好ましくない問題を発生することは、この縦多段延伸
法の場合も同様であった。
【0010】また、後述する本発明法と似ている、従来
知られているフィルム製造方法の一つとして、フィルム
の縦方向と横方向のうち、少なくとも一つの方向につい
て3回以上連続的に繰返して延伸をする微延伸繰返し法
(超多段延伸法)の提案がある(特開平8−22477
7号公報、特開平9−57845号公報)。しかし、該
特開平8−224777号公報、該特開平9−5784
5号公報に記載されている発明においては、主に逐次二
軸延伸の場合の具体例が示されているのみで、同時二軸
延伸の場合の有効な製膜機構や装置、プロセス条件につ
いては、特別に具体的に言及するものではなく、加え
て、高倍率延伸に対応可能なことから本発明において好
ましい装置として使用を提案しているリニアモーター方
式による同時二軸延伸法の有効性についても何ら触れら
れていない。
【0011】一方で、近年、リニアモーター方式の同時
二軸テンターが開発され、その製膜速度の高さ等から注
目を集めている(例えば、特公昭51−33590号公
報、米国特許第4853602号明細書、米国特許第4
675582号明細書など)。
【0012】すなわち、従来の同時二軸延伸方式であ
る、スクリューの溝にクリップを乗せてクリップ間隔を
広げていくスクリュー方式、あるいは、パンタグラフを
用いてクリップ間隔を広げていくパンタグラフ方式等に
おいては、いずれも製膜速度が遅いこと、延伸倍率等の
条件変更が容易でないこと、また、高倍率延伸が容易で
ないこと等の問題があった。これに対し、リニアモータ
ー方式の同時二軸延伸法では、これらの問題を一挙に解
決できる可能性があるからである。
【0013】上述の特公昭51−33590号公報に
は、リニアモーターによって生じる電気力によってテン
タークリップ間隔を変更して高能率生産を可能にするこ
とが開示されている。また、上述の米国特許第4,85
3,602号明細書では、リニアモーターを使用した延
伸システムが開示されており、また、上述米国特許第
4,675,582号明細書では延伸区間にそって多数
のリニアモーターを制御するのに有効なシステムについ
て開示されている。しかし、それら米国特許において
も、本発明で開示せんとする延伸方法や、該方法で得ん
とする高品質のポリエステルフィルムに関して言及され
てはいない。
【0014】すなわち、リニアモーター方式の同時二軸
延伸によって、物性・品質に優れたポリエステルフィル
ムを製造するプロセス条件は、未だ不明であり、有効な
延伸手法は未だ模索されている段階にあった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、物
性、品質の高いポリエステルフィルムを製造することを
可能とする技術には、まだ改良の余地があり、新技術の
開発が求められているのが当該分野の現状である。
【0016】本発明の課題は、機械強度、熱寸法安定性
に優れ、厚みむらも少ない、高品質のポリエステルフィ
ルムおよびその製造法を提供することである。
【0017】本発明の目的は、剛性、強靱性、寸法安定
性に優れ、厚みむら、表面欠点も少ない、高品質のポリ
エステルフィルムと、その製造法を提供することであ
る。
【0018】本発明者らは、ポリエステルフィルムの物
性、品質を極限まで高める手法について鋭意検討した。
【0019】
【課題を解決するための手段】その結果、同時二軸テン
ターを使用して、面積延伸倍率1.0005〜3.0倍
の微延伸する操作を3回以上含み、トータルの面積延伸
倍率を25〜150倍であるようにして延伸する、第一
の本発明のポリエステルフィルムの製造法とすることに
より、本発明の目的を達成することができることがわか
った。
【0020】あるいは、延伸に続いて、弛緩する操作を
2回以上10000回未満含み、トータルの面積延伸倍
率が25〜150倍であるようにして延伸する、第二の
本発明のポリエステルフィルムの製造法とすることによ
り、本発明の目的を達成することができることがわかっ
た。
【0021】これらの第一の本発明法、あるいは第二の
本発明法を採用することにより、(1) ポリエステルフィ
ルムのヤング率が大幅にアップし、熱収縮率が小さくな
る、(2) 延伸倍率がアップし、生産性が高まる、(3) フ
ィルムの厚みむらが良化し、フィルムの破れ頻度も低下
する、(4) フィルムの結晶化度が高くなりやすく、熱処
理ゾーンの温度を下げても熱収縮率が悪化しない、など
の数々の驚くべき知見を見出し、本発明を完成させるに
至った。
【0022】すなわち、本発明の骨子は、次に記載の、
第一のポリエステルフィルムの製造法、あるいは第二の
ポリエステルフィルムの製造法である。
【0023】本発明の第一の方法は、ポリエステルを主
成分とする樹脂からなるフィルムを同時二軸テンターを
用いて延伸するポリエステルフィルムの製造法におい
て、フィルムの面積延伸倍率が1.0005〜3.0倍
の倍率で微延伸する操作を3回以上含み、トータルの面
積延伸倍率が25〜150倍であることを特徴とするポ
リエステルフィルムの製造法である(以下、この第一の
製造法を、「製造法(I)」と呼ぶ)。
【0024】そして、本発明のポリエステルフィルムの
製造法(I)は、次のような好ましい実施態様を有する
ものである。
【0025】(a)微延伸操作を3回以上連続的に行う
こと。
【0026】(b)微延伸を10回以上、10000回
未満の回数で繰り返すこと。
【0027】(c)未延伸フィルムに対して、前記微延
伸を(ガラス転移温度(Tg)+10)℃〜(Tg+1
20)℃の温度範囲で行うこと。
【0028】(d)未延伸フィルムに対して、前記微延
伸を、フィルムの結晶化度が3%以上、30%未満にな
るまで連続的に繰り返すこと。
【0029】本発明の第二の方法は、ポリエステルを主
成分とする樹脂からなるフィルムを同時二軸テンターを
用いて延伸して得られるポリエステルフィルムの製造法
において、フィルムを延伸した後、続いて弛緩する一連
の操作を2回以上10000回未満含み、トータルの面
積延伸倍率が25〜150倍であることを特徴とするポ
リエステルフィルムの製造法である(以下、この第二の
製造法を、「製造法(II)」と呼ぶ)。
【0030】そして、本発明のポリエステルフィルムの
製造法(I)、(II)は、いずれも次の好ましい実施態
様を有するものである。
【0031】(a)クリップの駆動方式がリニアモータ
ー方式であること。
【0032】また、本発明のポリエステルフィルムは、
上述の本発明の製造法(I)、あるいは(II)によって
製造されるポリエステルフィルムである。
【0033】そして、更に、該ポリエステルフィルム
は、次のような好ましい実施態様を有するものである。
【0034】(a)フィルムの縦方向と横方向のヤング
率の和が8〜30GPaであり、100℃、30分の熱
収縮率の和が、2%以下であること。
【0035】(b)結晶化度が、30〜90%であるこ
と。
【0036】(c)ポリエステルが、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレートまたはこれらの
共重合体または変成体であること。
【0037】(d)固有粘度が、0.6以上であるこ
と。
【0038】本発明にかかる該ポリエステルフィルム
は、磁気記録媒体、コンデンサー、熱転写リボン、ある
いは感熱孔版のベースフィルム等の用途において好適で
ある。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。
【0040】本発明で言うポリエステルとは、ジオール
とジカルボン酸からの縮重合により得られるポリマーを
少なくとも80重量%含有するポリマーである。ジカル
ボン酸とは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸など
で代表されるものであり、また、ジオールとは、エチレ
ングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどで代表
されるものである。
【0041】具体的には、例えば、ポリメチレンテレフ
タレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリ
テトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オ
キシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジ
メチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートを挙げることができる。これらのポリエステル
は、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよ
く、共重合成分として、例えば、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコー
ルなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
などのジカルボン酸成分、ヒドロキシ安息香酸、6ーヒ
ドロキシー2ーナフトエ酸などのヒドロキシカルボン酸
成分を含有していてもよい。
【0042】本発明の場合、特に、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート(ポリエチレン−
2,6−ナフタレート)およびこれらの共重合体および
変成体が、本発明の効果をより高く発現できる点から好
ましい。
【0043】また、本発明の場合、前記ポリエステルの
固有粘度は、0.6以上が好ましく、0.8以上がさら
に好ましく、1.0以上が最も好ましい。高分子量のポ
リエステルは、通常、高ヤング率化に伴ってフィルムの
熱収縮率も高くなるという欠点があるが、本発明の製造
法によれば、フィルムのトータルの面積延伸倍率が高ま
るのみでなく、微細構造の緩和が効果的に進むので熱収
縮率も小さくできる。
【0044】本発明でいう「延伸」とは、フィルムの縦
方向、横方向に配向を与えるための操作であり、同時二
軸テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持
しながら搬送して、縦方向および横方向から選ばれる少
なくとも一方向に対して引張る操作をいう。なお、フィ
ルムの「縦方向」とはフィルムの長手方向であり、「横
方向」とはフィルムの幅方向である。また、「同時二軸
延伸」とは、縦方向と横方向との延伸が時間的に同時に
延伸されている操作である。この「同時二軸延伸」の前
後、あるいは前または後に、更に別の延伸を行うことも
よく、例えば、横方向または縦方向に単独にあるいは逐
次に先に延伸した後に、縦方向と横方向に同時に延伸す
る方法や、さらに同時二軸延伸後に、横方向または縦方
向に単独にあるいは逐次にさらに延伸する方法なども、
本発明で排除するものではない。
【0045】このような延伸方向や延伸倍率を自由に変
更できる延伸機として、本発明ではリニアモーター方式
の同時二軸テンターを使用することが好ましいと言え
る。
【0046】上述したように、リニアモーター式の同時
二軸テンターは、(1) 製膜速度、フィルム幅を従来の逐
次二軸延伸並み、またはそれ以上に高めることができ
る、(2) 高倍率延伸に対応できる、(3) 延伸、熱処理、
弛緩工程でのフィルムの変形パターンを自由に変更でき
る、等のことから近年注目を集めている。
【0047】本発明法には、このリニアモーター方式の
同時二軸テンターによる超多段延伸を採用することが、
物性、品質の高いポリエステルフィルムを低コストで得
る上で特に好ましい。
【0048】次に、本発明の製造法(I)について説明
する。該方法では、この超多段延伸を行う際の1回の微
延伸の面積延伸倍率は1.0005〜3.0倍に設定し
て、微延伸を3回以上含み、トータルの面積延伸倍率が
25〜150倍であることが必要である。
【0049】ここで、「面積延伸倍率」とはフィルムの
縦方向の延伸倍率と横方向の延伸倍率の積である。本発
明において、「微延伸」とは、延伸倍率が通常よりも小
さい延伸、概して延伸倍率が面積延伸倍率でいうと、
3.0倍以下の範囲内に入るような延伸をいう。
【0050】本発明においては、上述のように微延伸を
繰返すものであるが、1回の微延伸による面積延伸倍率
が3.0倍を越えると、本発明の所期の効果が得られに
くく、また1.0005倍未満であることは実用上の必
須要件ではない。
【0051】この1回の微延伸による面積延伸倍率は、
1.005〜2.0倍がより好ましく、1.01〜1.
5倍がさらに好ましい。製造法(I)の中に含む微延伸
の回数は、10回以上、10000回未満が好ましく、
50回以上、1000回未満がさらに好ましい。また、
該微延伸は、連続的に3回以上行うことが好ましい。最
終的なトータルの面積延伸倍率は、25〜150倍であ
ることが必要であるが、好ましくは、30〜120倍、
さらに好ましくは50〜100倍である。トータルの面
積延伸倍率が25倍未満であると、本発明の所期の効果
が得られなくなり、また150倍を超えることは実用上
困難である。
【0052】なお、本発明でいう「一回の微延伸」と
は、(1) 製造法(I)で示したように1回の微延伸ごと
に延伸を止める、(2) 製造法(II)で示したように延伸
後に弛緩する、(3) 延伸モード、延伸倍率、温度条件、
延伸速度などの延伸条件を変化させる、などの操作を一
区切りとして定義されるものである。
【0053】なお、上記(3) の場合、すなわち、連続的
に延伸している場合、時間と縦または横方向の倍率(ま
たは、クリップ速度)の関係は、直線的(単調増加)で
あっても、非直線的であってもよい。非直線的である場
合は、時間と縦または横方向の倍率の関係を表す曲線に
おける変曲点を微延伸の区切りとする。なお、ここで
「延伸モード」とは、「縦のみ延伸」、「横のみ延
伸」、「縦横同時延伸」の3種の延伸の態様のことをい
う。また、上記(1) において、延伸を止める場合は、延
伸に要した時間の1/100〜4/5の時間止めること
が好ましい。より好ましい延伸停止時間は、その直前の
延伸に要した時間の1/100〜3/5であり、さらに
好ましくは1/10〜1/2である。本発明において、
延伸速度は縦方向、横方向のそれぞれについて、200
0〜300000%/分が好ましく、より好ましくは5
000〜200000%/分、さらに好ましくは100
00〜100000%/分である。また、縦方向の最終
的な製膜速度は、200m/分以上が好ましく、より好
ましくは300m/分以上であり、さらに好ましくは4
00m/分以上である。上記(1)における延伸停止時間
は、その時点における延伸速度によって変化してもよ
い。
【0054】本発明において、ポリエステルフィルムに
対して微延伸を施す場合の延伸温度は、特に限定されな
いが、未延伸フィルムに対して微延伸を施す場合は、
(ポリエステルのガラス転移温度(Tg)+10)℃〜
(Tg+120)℃に保つことが好ましく、(Tg+2
0)℃〜(Tg+80)℃がより好ましい。 延伸温度
が(Tg+10)℃未満では、延伸による配向が進みす
ぎて高倍率まで延伸しにくくなる。
【0055】一方、 延伸温度が(Tg+120)℃を
越えると、構造緩和に必要な微小配向をポリマー鎖に与
えることが難しくなり、また延伸工程でもオリゴマーの
飛散が激しくなる。なお、本発明では、各延伸温度条件
下、応力−歪み曲線の降伏点に達するまでの延伸倍率で
微延伸を施すことが好ましい。かかる条件では、延伸張
力と歪みが1対1に対応するため、延伸によるフィルム
の厚みの均質性がほとんど悪化せず、高品質のポリエス
テルフィルムが得られやすくなるからである。フィルム
の構造を固定化するために、(Tg+120)℃以上、
融点未満の温度条件下で行う熱処理では、本発明の微延
伸が有効であり、この場合の好ましい面積延伸倍率は
1.5倍以下であり、さらに好ましくは1.2倍以下に
設定して微延伸を繰り返すと、フィルムの機械物性が高
まりやすい。
【0056】本発明では、ポリエステルを主たる成分と
する樹脂からなる未延伸フィルムに対して、延伸、熱処
理を施して二軸配向ポリエステルフィルムを得るまでの
いずれの工程で微延伸を繰り返してもよいが、未延伸フ
ィルムの結晶化度が3%以上、30%未満になるまでの
工程または前記した熱処理工程で、微延伸を3回以上連
続的に繰り返すことが好ましいものである。ここで、未
延伸フィルムとは、十分乾燥された原料ペレットを押出
機に供給し、T型口金により、回転する金属製キャステ
ィングドラム上にシート状に押し出し、冷却固化せしめ
たもの、もしくは未乾燥ペレットをベント式押出機に供
給し同様にして得られたものをいう。
【0057】未延伸フィルムが体積緩和を起こして結晶
化度が高くなる前の初期の延伸工程で微延伸を連続的に
繰り返すことが好ましいが、微延伸を3回以上連続的に
繰り返しても、結晶化度が3%未満である場合は、その
後の同時二軸延伸で発生する歪みの除去が難しくなっ
て、延伸倍率を高めにくくなる傾向があるのみでなく、
フィルムのヤング率低下、熱収縮率の増大が激しくなり
やすい。
【0058】未延伸フィルムに対して、本発明の微延伸
を連続的に繰返した後のフィルムの結晶化度は、特に、
5%以上、25%未満であることがより好ましく、10
%以上、20%未満であることがさらに好ましい。結晶
化度が30%を越えた後のフィルムについては、微延伸
を繰り返してもよいが、一段で高倍率延伸しても構わな
い。特に、添加物の影響等により結晶化しやすい原料の
場合、一段階で高倍率に延伸する方が微延伸を繰り返す
よりも、物性・品質に優れたフィルムを得る上で好まし
い場合がある。また、フィルムの結晶化度が30%を越
えたフィルムは、微延伸により体積緩和が進みやすく、
高倍率延伸する前に結晶化してしまい、高ヤング率化し
にくくなる傾向があるので、その場合には一段階で高倍
率延伸するなどの工夫が必要である。
【0059】次いで、製造法(II)について説明する。
該方法は、フィルムを延伸した後、続いて弛緩する一連
の操作を2回以上10000回未満含み、トータルの面
積延伸倍率が25〜150倍であることが必要である。
【0060】ここで、「弛緩」とは、フィルムの両端を
クリップで把持しながら搬送して、縦方向および横方向
から選ばれる少なくとも一つの方向に対してフィルムを
弛ませて応力緩和させる操作をいう。また、本発明で
は、縦方向および横方向のいずれか一方の方向に延伸し
ながら、もう一方の方向に弛緩してもよい。
【0061】本発明において、延伸と弛緩を同時に施す
場合、該操作の面積延伸倍率が1以上の場合には「延
伸」といい、1未満の場合には「弛緩」という。
【0062】ここで、「面積延伸倍率」とは縦方向の寸
法変化率と横方向の寸法変化率の積であり、「寸法変化
率」とは、延伸または弛緩後の長さの元の長さに対する
比である。寸法変化率が1以上では、その値が延伸倍率
を表し、1未満では、その寸法変化率(%)と100と
の差が弛緩率(%)である。従来技術では、弛緩処理は
フィルムの延伸が完了した後、もしくは延伸・熱処理を
施した後の冷却工程で主に施されてきたが、本発明で
は、シート状に溶融押出、キャストした未延伸フィルム
に対して、延伸を施し、フィルムに配向を付与してい
き、目的とする最終延伸倍率に達するまでの途中の段階
で弛緩処理を施すことが好ましい。
【0063】このような延伸や弛緩の方向、延伸倍率、
弛緩率を自由に変更できるような延伸機として、本発明
ではリニアモーター方式の同時二軸テンターを使用する
ことが好ましいのである。リニアモーター式の同時二軸
テンターを用いる場合の特徴点は、前述のとおりであ
り、製膜速度、フィルム幅を従来の逐次二軸延伸並み、
またはそれ以上に高めることができるとともに、高倍率
延伸に対応できる、延伸、熱処理、弛緩工程でのフィル
ムの変形パターンを自由に変更できる等のことがある。
本発明には、このリニアモーター方式の同時二軸テンタ
ーを用いて、延伸と弛緩を組み合わせて製膜すること
が、物性・品質の高いポリエステルフィルムを低コスト
で得る上で特に好ましいのである。
【0064】本発明では、未延伸フィルムを高倍率まで
延伸する間のどの延伸段階で弛緩をするかは、特に限定
されないが、延伸した後、続いて弛緩する操作を2回以
上10000回未満含む操作を行う。より好ましくは、
3回以上1000回未満であり、さらに好ましくは、5
回以上100回未満である。該操作回数が1回だけでは
弛緩操作が少ないので本発明の目的とする効果が小さ
く、また、10000回以上は、実用上困難である場合
が多いので、好ましくない。また、延伸操作と弛緩操作
は、縦方向と横方向に同時に行ってもよいし、いずれか
一方向だけでもかまわない。さらに、本発明における2
回以上繰り返される一連の操作には、単に延伸と弛緩と
を交互に繰り返す操作のほかに、これらの間にさらに延
伸または弛緩が少なくとも1回入る操作、たとえば、
「−延伸−弛緩−弛緩−延伸−」あるいは「−弛緩−延
伸−延伸−弛緩−」のような一連の操作の態様も含まれ
る。
【0065】また、製造法(II)において、一回の延伸
による面積延伸倍率、および弛緩による弛緩率は、特に
限定されないが、一回の延伸による面積延伸倍率は、
1.005〜10倍であり、弛緩率は、弛緩直前の縦・
横各々の方向の長さに対して0.1〜80%であること
が好ましい。一回の延伸による面積延伸倍率は、より好
ましくは1.05〜5倍であり、さらに好ましくは1.
1〜3倍である。一回の延伸による面積延伸倍率が10
倍を越えると、本発明の目的とする効果が得られにくく
なったり、フィルム破れが多発したりする場合があり、
また、面積延伸倍率が1.005倍未満であることは実
用上の必須要件ではなく、装置の設定上困難である場合
が多いので、1.005〜10倍の範囲が好ましい。ま
た、弛緩率のより好ましい範囲は、0.5〜60%であ
り、さらに好ましくは1〜40%である。弛緩率が80
%を越えると、延伸による本発明の目的とする効果が小
さくなったり、フィルムの平面性や生産性が悪化したり
する場合があり、また、弛緩率が0.1%未満であるこ
とは装置の設定上困難である場合が多いので、0.1〜
80%の範囲が好ましい。
【0066】このように、製造法(I)のような微延
伸、または、製造法(II)のような延伸と弛緩操作を連
続的に繰り返すと、フィルム中におけるポリエステル鎖
の絡み合いが解れるためか、(1) 構造・体積緩和が加速
し、高ヤング率かつ低熱収率のフィルムが得られやすく
なる、(2) トータルの面積延伸倍率がアップして、フィ
ルムの生産性が向上し、コストダウンが図れる、等の効
果が得られるので好ましい。なお、複数回実施する微延
伸(製造法(I)の場合)、または延伸と弛緩(製造法
(II)の場合)の寸法変化率は、各回で同じであっても
異なっていてもよく、また縦方向と横方向の各々の延伸
倍率や弛緩率も所望のフィルム物性をもとに適宜選択で
きる。また、前記のように縦方向または横方向のいずれ
か一方を微延伸してもよい。さらに、縦方向と横方向の
各々のトータル延伸倍率の比(縦/横)は、フロッピー
ディスク用途では等方性付与のため0.9〜1.1が好
ましく、また、磁気ヘッドの回転がヘリカル方式の磁気
記録装置で使用されるビデオテープ等の用途では0.7
〜1.0であり、磁気ヘッドの回転がリニア方式の磁気
記録装置で使用されるデータテープ用途では1.0〜
1.3であることが好ましい。
【0067】本発明のフィルムの縦方向(MD方向)の
ヤング率(YMD)と横方向(TD方向)のヤング率
(YTD)の和、すなわち、トータルヤング率は、使用
する原料にもよるが、8〜30GPaの範囲内が好まし
い。トータルヤング率が8GPa未満ではフィルムとし
ての実用性に乏しく、また30GPaを越えることは大
変困難な場合があり、この場合、フィルム破れが多発す
ることがある。トータルヤング率のより好ましい範囲は
10〜25GPaであり、特に好ましくは12〜22G
Paである。縦方向と横方向のヤング率のバランス関係
は、縦横二方向の各々のトータル倍率を適宜変更するこ
とによりコントロールできる。
【0068】本発明で得られるフィルムの熱収縮率は、
多くの場合、縦方向(MD方向)と横方向(TD方向)
の100℃、30分の熱収縮率の和が2%以下が好まし
い。熱収縮率の和のより好ましい範囲は1%以下、さら
に好ましくは0.5%以下である。熱収縮率の和が2%
より大きいと、例えば、ポリエステルの加工工程、例え
ば、磁気記録媒体用における磁性層塗布工程、カレンダ
ー工程などにおいて、しわや平面性不良などが起こりや
すいので、熱収縮率の和は2%以下であることが好まし
い。本発明で開示する製造法によれば、熱収縮率を大き
くすることなく、縦方向と横方向のヤング率を高めやす
くなる。すなわち、縦方向と横方向のヤング率の和が8
〜30GPaであり、かつ、100℃、30分の熱収縮
率の和が2%以下のポリエステルフィルムが得られやす
くなる。
【0069】本発明の製造法によれば、ポリエステルの
構造緩和が進みやすいため、二軸延伸・熱処理後のフィ
ルムの結晶化度が高くなりやすい。前記のように、フィ
ルムの結晶化度は、使用する原料、延伸倍率、熱処理の
温度条件等にもよるが、本発明では30〜90%であ
る。工業的に使用可能な製造法によって、結晶化度が5
0%以上のフィルムを得ることは通常容易でないが、こ
のようなフィルムが本発明の製造法によれば、比較的容
易に得られるのである。
【0070】また、本発明の製造法によれば、フィルム
の結晶化度が高くなりやすいため、必ずしも200℃以
上の温度で熱処理する必要がなくなる。熱処理の温度を
低下させると、テンター内でのオリゴマー汚れや飛散、
フィルム表面のオリゴマー量も少なくなるので、表面欠
点の低減等の点で有利である。ヤング率が高く、熱収縮
率の小さい、高品質のポリエステルフィルムを得る上で
好ましい結晶化度の範囲は、40〜80%であり、さら
に好ましくは45〜70%である。結晶化度が30%未
満では、構造の固定化が不十分な場合が多く、フィルム
の熱収縮率が高くなるので好ましくない。また、結晶化
度が90%を越えると、フィルム破れの多発、各種フィ
ルム用途における加工適性の低下を招く。
【0071】また、本発明のポリエステルフィルム中に
は、本発明の効果が阻害されない範囲内で、無機粒子や
有機粒子、その他の各種の添加剤、例えば酸化防止剤、
帯電防止剤、結晶核剤などを添加してもかまわない。無
機粒子の具体例としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、酸化チタンなどの酸化物、カオ
リン、タルク、モンモリロナイトなどの複合酸化物、炭
酸カルシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、チタン酸バリウム、
チタン酸カリウムなどのチタン酸塩、リン酸第3カルシ
ウム、リン酸第2カルシウム、リン酸第1カルシウムな
どのリン酸塩などを用いることができるが、これらに限
定されるわけではない。また、これらは目的に応じて2
種以上が組合されて用いてもかまわない。
【0072】有機粒子の具体例としては、ポリスチレン
もしくは架橋ポリスチレン粒子、スチレン・アクリル系
及びアクリル系架橋粒子、スチレン・メタクリル系及び
メタクリル系架橋粒子などのビニル系粒子、ベンゾグア
ナミン・ホルムアルデヒド、シリコーン、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどの粒子を用いることができるが、こ
れらに限定されるものではなく、粒子を構成する部分の
うち少なくとも一部がポリエステルに対し不溶の有機高
分子微粒子であれば如何なる粒子でもよい。また有機粒
子は、易滑性、フィルム表面の突起形成の均一性から粒
子形状が球形状で均一な粒度分布のものが好ましい。こ
れらの粒子の粒径、配合量、形状などは用途、目的に応
じて選ぶことが可能であるが、通常は、平均粒子径とし
ては0.05μm以上3μm以下、配合量としては、
0.01重量%以上10重量%以下が好ましい。
【0073】また、本発明のポリエステルフィルムは、
単一膜のものでもよいが、これに他のポリマー層、例え
ば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ
塩化ビニリデンおよびアクリル系ポリマーを直接あるい
は接着剤などの層を介して、2層以上とされた積層フィ
ルムであっても構わない。特に、ポリエステル層が表層
に積層された積層フィルムの場合は、特に表面特性が重
要な磁気記録媒体のベースフイルムにおいて、用途に応
じて、磁気記録面となるフィルム面とその反対面の表面
粗さを異なる設計にできる方法として有用なものであ
る。
【0074】本発明におけるフィルムの全体厚みは、フ
ィルムの用途、使用目的に応じて適宜決定できる。
【0075】通常、磁気材料用途では1μm以上20μ
m以下が好ましく、中でもディジタルビデオ用塗布型磁
気記録媒体用途では2μm以上8μm以下、ディジタル
ビデオ用蒸着型磁気記録媒体用途では3μm以上9μm
以下が好ましい。また、工業材料用途の中では、熱転写
リボン用途では1μm以上6μm以下、コンデンサ用途
では0.5μm以上15μm以下、感熱孔版原紙用途で
は0.5μm以上5μm以下であることが好ましい。
【0076】次に、本発明のポリエステルフィルムの製
造法の具体的な例について説明するが、本発明はかかる
例に限定されるものでないことは無論である。ここで
は、ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート
を用いた例を示すが、用いるポリエステルにより製造条
件は異なる。
【0077】ポリエステルとして、固有粘度が0.65
のポリエチレンテレフタレートのペレットを真空下で1
80℃に加熱して3時間以上真空乾燥して、270〜3
00℃の温度に加熱された押出機に供給し、T型口金よ
りシート状に押し出す。異物や変質ポリマーを除去する
ために各種のフィルター、例えば、焼結金属、多孔性セ
ラミック、サンド、金網などの素材からなるフィルター
を用いることが好ましい。また、必要に応じて、定量供
給性を向上させるためにギアポンプを設けてもよい。こ
の溶融されたシートを、表面温度10〜40℃に冷却さ
れたドラム上に静電気力で密着させて冷却固化し、実質
的に非晶状態の未延伸キャストフィルムを得る。また、
積層フィルムの場合は、2台以上の押出機、マニホール
ドまたは合流ブロックを用いて、溶融状態のポリエステ
ルを積層したシートを押出す。このときの未延伸フィル
ムの端部と中央部の厚みの比率(端部の厚み/中央部の
厚み)は、1以上、10以下の範囲内とするのが好まし
く、より好ましくは1以上、5未満、最も好ましくは1
以上、3未満である。前記厚みの比率が1未満であった
り、10を越えるとフィルム破れまたはクリップ外れが
多発するので好ましくない。次いで、この未延伸フィル
ムを、リニアモーター方式の同時二軸延伸テンターに該
フィルムの両端部をクリップで把持して導き、予熱ゾー
ンで90〜150℃に加熱し、フィルムの面積延伸倍率
が1.0005〜3倍の微延伸を少なくとも3回以上連
続的に行う。または、別の方法として、フィルムの面積
延伸倍率が1.005〜10倍の延伸と、弛緩率が0.
1〜80%である弛緩を少なくとも2回以上連続的に繰
り返して行う。このときにいずれの場合も、フィルム端
部を把持するクリップの温度は、80〜160℃の温度
範囲に設定するのが好ましい。延伸工程での延伸温度
は、90〜150℃の温度範囲内に保つことが好ましい
が、いったん冷却して、フィルムの結晶化を抑えながら
延伸してもかまわない。また、分子量が高い原料や結晶
化しにくい原料の場合には、延伸温度を200℃まで高
めることも好ましく行うことができる。また、延伸工程
の後半、すなわち面配向係数が0.15以上のフィルム
の延伸工程では、延伸温度を2段階以上で徐々に高めな
がら延伸することが好ましい。以上のように同時二軸テ
ンターにおける延伸を施して、フィルムのトータルの面
積延伸倍率を25〜150倍に延伸する。
【0078】次いで、二軸延伸されたポリエステルフィ
ルムに平面性、寸法安定性を付与するために、180℃
以上融点未満の温度範囲で熱処理を施し、熱固定温度か
らの冷却過程で、好ましくは100〜220℃の温度範
囲で縦および横方向に、好ましくは各方向に対して1〜
6%の範囲で弛緩処理を行う。弛緩処理は1段でもよい
し、多段で行ってもよく、温度分布の変化を設けてもよ
い。この際、熱処理工程で微延伸を繰り返して行うこと
も、結晶のサイズを大きくしてフィルムのヤング率を高
める上で好ましく行うことができる。その後、フィルム
を室温まで、必要ならば、縦および横方向に弛緩処理を
施しながら、フィルムを冷やして巻き取り、目的とする
ポリエステルフィルムを得る。
【0079】なお、本発明では、フィルムの表面特性を
付与するため、例えば易接着性、易滑性、離型性、制電
性を付与するために、フィルムの同時二軸テンターにお
ける延伸の前または後の工程で、ポリエステルフィルム
の表面に塗材をコーテングすることも好ましく行うこと
ができる。
【0080】[物性値の評価法] (1)固有粘度[η]オルトクロロフェノール中、25℃
で測定した溶液粘度から下式から計算される値を用い
る。すなわち、 ηsp/C=[η]+K[η]2・C ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、
Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/1
00ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.34
3とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオスト
ワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で
示す。
【0081】(2)ガラス転移温度Tg、融解温度Tm 示差走査熱量計として、セイコー電子工業(株)製“ロ
ボットDSC−RDC220”を用い、データー解析装
置として、同社製“ディスクセッション”SSC/52
00を用いて測定した。測定サンプルとして約5mg採
取し、室温から昇温速度20℃/分で300℃まで加熱
したときに得られる熱カーブより、Tg、Tmを求め
た。
【0082】(3)ヤング率 ASTM−D882に規定された方法に従って測定し
た。オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装
置“テンシロンAMF/RTA−100”を用いて、試
料フィルムを幅10mm、試長間100mm、引張り速
度200mm/分で引っ張った。得られた応力−歪曲線
の立上がりの接線の勾配からヤング率を求めた。測定は
23℃、65%RHの雰囲気下で行った。
【0083】(4)熱収縮率 JIS−C−2318に規定された方法に従って測定し
た。フィルムを幅10mm、測定長約200mmとなる
ように2本のラインを引き、この2本のライン間の距離
を正確に測定しこれをL0とする。このサンプルを10
0℃のオーブン中に30分間、無荷重下で放置後再び2
本のライン間の距離を測定しこれをL1とし、下式によ
り熱収縮率を求める。
【0084】 熱収縮率(%)={(L0−L1)/L0}×100 (5) 結晶化度 JIS−K−7112に規定された方法に従って、密度
勾配から求めた。臭化ナトリウム水溶液による密度勾配
管を作成し、25℃におけるフィルムの密度を測定す
る。この密度dから、下式を用いて結晶化度を求めた。
【0085】結晶化度(%)=((d−da)/(dc
−da))x100 ここで、daは非晶密度、dcは完全結晶密度であり、
ポリエチレンテレフタレートの場合、文献値よりda=
1.335、dc=1.455g/cm3 とした。
【0086】(6)面配向係数 JIS−K−7105に規定された方法に従って、屈折
率を測定した。光源をナトリウムランプとして、フィル
ムの屈折率(縦方向:Na、横方向: Nb、厚み方
向:Nc)をアッベ式屈折計(アタゴ製)により求め、
下式より面配向係数Fを算出した。マウント液はヨウ化
メチレンを用い、23℃、65%RHの雰囲気下で測定
した。
【0087】F=[( Na+ Nb )/2]−Nc (7)破れ頻度 真空乾燥したポリエチレンテレフタレートをT型口金か
ら、静電気力でキャスティングドラム上に密着させて冷
却固化せしめて、キャストフィルムを得、リニアモータ
ー方式の同時二軸テンターによる製膜に伴うフィルム破
れを観察して、次の基準で判定した。
【0088】 ◎:フィルム破れが皆無である場合 ○:フィルム破れが極まれに生じる場合 △:フィルム破れが時々生じる場合 ×:フィルム破れが頻発する場合 (8) フィルムの長手方向厚みむら アンリツ株式会社製フィルムシックネステスター「KG
601A」および電子マイクロメータ「K306C」を
用い、フィルムの縦方向に30mm幅、10m長にサン
プリングしたフィルムを連続的に厚みを測定する。フィ
ルムの搬送速度は3m/分とした。10m長での厚み最
大値Tmax(μm)、最小値Tmin(μm)から、 R=Tmax−Tmin を求め、Rと10m長の平均厚みTave(μm)か
ら、次式により厚みむらを求めた。
【0089】 厚みむら(%)=(R/Tave)x100 (9)クリープコンプライアンス フィルムを幅4mmにサンプリングし、試長15mmに
なるように、真空理工(株)製TMA(TM−300
0)および加熱制御部TA−1500にセットした。
【0090】50℃、65%RHの条件下、28MPa
の荷重をフィルムにかけて、30分間保ち、そのときの
フィルム伸び量を測定した。フィルムの伸縮量(%表
示、ΔL)は、カノープス電子(株)製ADコンバータ
ADX−98Eを介して、日本電気(株)製パーソナル
コンピューターPC−9801により求め、次式からク
リープコンプライアンスを算出した。
【0091】クリープコンプライアンス(GPa-1)=
(ΔL/100)/0.028 (10)高速削れ性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面
粗度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度2
50m/分、走行回数1パス、巻き付け角:60゜、走
行張力:90g)。このとき、フィルムを走行させ終わ
った後のガイドピンを肉眼で観察し、白粉の付着が見ら
れないものを○、白粉の付着が若干見られるものを△、
白粉が多く付着しているものは×と判定した。○が望ま
しいが、△でも実用的には使用可能である。
【0092】 (11)磁気テープの電磁変換特性(C/N) 本発明のポリエステルフィルムの表面に、下記組成の磁
性塗料および非磁性塗料をエクストルージョンコーター
により重層塗布(上層は磁性塗料で塗布厚0.1μm、
非磁性下層の厚みは適宜変化させた)し、磁気配向さ
せ、乾燥させる。次いで反対面に下記組成のバックコー
ト層を形成した後、小型テストカレンダー装置(スチー
ル/スチールロール、5段)で、温度:85℃、線圧:
200kg/cmでカレンダー処理した後、60℃で、
48時間キュアリングする。上記テープ原反を8mm幅
にスリットし、パンケーキを作成した。次いで、このパ
ンケーキから長さ200m分を、カセットに組み込んで
カセットテープとした。
【0093】このテープに、市販のHi8用VTR(S
ONY社製 EV−BS3000)を用いて、7MHz
+1MHzのC/N(キャリア対ノイズ比)の測定を行
った。このC/Nを市販のHi8用ビデオテープ(SO
NY社製120分MP)と比較して、+3dB以上は
○、+1以上+3dB未満は△、+1dB未満は×と判
定した。○が望ましいが、△でも実用的には使用可能で
ある。
【0094】 (磁性塗料の組成) ・強磁性金属粉末 : 100重量部 ・スルホン酸Na変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部 ・スルホン酸Na変成ポリウレタン : 10重量部 ・ポリイソシアネート : 5重量部 ・ステアリン酸 : 1.5重量部 ・オレイン酸 : 1重量部 ・カーボンブラック : 1重量部 ・アルミナ : 10重量部 ・メチルエチルケトン : 75重量部 ・シクロヘキサノン : 75重量部 ・トルエン : 75重量部 (非磁性下層塗料の組成) ・酸化チタン : 100重量部 ・カーボンブラック : 10重量部 ・スルホン酸Na変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部 ・スルホン酸Na変成ポリウレタン : 10重量部 ・メチルエチルケトン : 30重量部 ・メチルイソブチルケトン : 30重量部 ・トルエン : 30重量部 (バックコートの組成) ・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95重量部 ・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10重量部 ・αアルミナ : 0.1重量部 ・酸化亜鉛 : 0.3重量部 ・スルホン酸Na変成ポリウレタン : 20重量部 ・スルホン酸Na変成塩化ビニル共重合体 : 30重量部 ・シクロヘキサノン : 200重量部 ・メチルエチルケトン : 300重量部 ・トルエン : 100重量部 (12)磁気テープの走行耐久性および保存性 本発明のポリエステルフィルムの表面に、下記組成の磁
性塗料を塗布厚さ2.0μmになるように塗布し、磁気
配向させ、乾燥させる。次いで反対面に下記組成のバッ
クコート層を形成した後、カレンダー処理した後、60
℃で、48時間キュアリングする。上記テープ原反を1
/2インチ幅にスリットし、磁気テープとして、長さ6
70m分を、カセットに組み込んでカセットテープとし
た。
【0095】 (磁性塗料の組成) ・強磁性金属粉末 : 100重量部 ・変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部 ・変成ポリウレタン : 10重量部 ・ポリイソシアネート : 5重量部 ・ステアリン酸 : 1.5重量部 ・オレイン酸 : 1重量部 ・カーボンブラック : 1重量部 ・アルミナ : 10重量部 ・メチルエチルケトン : 75重量部 ・シクロヘキサノン : 75重量部 ・トルエン : 75重量部 (バックコートの組成) ・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95重量部 ・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10重量部 ・αアルミナ : 0.1重量部 ・変成ポリウレタン : 20重量部 ・変成塩化ビニル共重合体 : 30重量部 ・シクロヘキサノン : 200重量部 ・メチルエチルケトン : 300重量部 ・トルエン : 100重量部 作成したカセットテープを、IBM社製Magstar
3590 MODELB1A Tape Driveを
用い、100時間走行させ、次の基準でテープの走行耐
久性を評価した。○が合格品とした。
【0096】○:テープ端面の伸び、折れ曲がりがな
く、削れ跡が見られない。
【0097】△:テープ端面の伸び、折れ曲がりがない
が、一部削れ跡が見られる。
【0098】×:テープ端面の一部が伸び、ワカメ状の
変形が見られ、削れ跡が見られる。
【0099】また、上記作成したカセットテープをIB
M社製Magstar3590 MODELB1A T
ape Driveに、データを読み込んだ後、カセッ
トテープを40℃、80%RHの雰囲気中に100時間
保存した後、データを再生して次の基準で、テープの保
存性を評価した。○が合格品とした。
【0100】○:トラックずれもなく、正常に再生し
た。
【0101】△:テープ幅に異常がないが、一部に読み
とり不可が見られる。
【0102】×:テープ幅に変化があり、読みとり不可
が見られる。
【0103】(13)フロッピーディスクの耐トラッキ
ング性 A.温度変化によるトラッキングずれテスト トラッキングずれテストとしては、次のような方法を用
いる。金属薄膜をスパッタ法により基材フィルムの両面
に磁気記録層を形成してディスク状に打ち抜いた金属薄
膜よりなるフロッピーディスクを温度15℃、湿度60
%RHでリングヘッドを用いて磁気記録し、そのときの
最大出力と磁気シートの出力エンベロープを測定する。
次に、雰囲気温度40℃、湿度60%RHになるように
維持して、その温度における最大出力と出力エンベロー
プを調べ、温度15℃、湿度60%RHのときの出力エ
ンベロープと、温度40℃、湿度60%RHのときの出
力エンベロープを比較して、トラッキングの状態を判定
する。この差が小さいほど優れた耐トラッキング性を有
している。この差が3dBを超えるとトラッキングが×
であり、3dB以内のものは○として評価した。
【0104】B.湿度変化によるトラッキングずれテス
ト 前項と同様にして作成したフロッピーディスクを温度2
5℃、相対湿度20%の雰囲気で記録し、さらに雰囲気
条件を温度25℃、相対湿度70%に保持し、両条件に
おける出力エンベロープを比較して、トラッキングの状
態を判定する。前項と同様に、この差が3dBを超える
とトラッキングが×であり、3dB以内のものは○とし
て評価した。
【0105】(14)フロッピーディスクの耐スクラッ
チ性 上記(13)と同様にして得られたフロッピーディスク
に磁気記録した同一トラックを相対走行速度6m/秒で
10万回以上走査し、その出力エンベロープを調べた。
評価基準は、磁性層の表面に生じた傷を確認し、かつ出
力エンベロープが不安定となったものを×とした。磁性
層の表面に傷が発生せず、かつ出力エンベロープが安定
であるものを○と評価した。
【0106】(15)熱転写リボンの印字性 片面に融着防止層を塗布した本発明の熱転写リボン用ポ
リエステルフィルムに下記組成の熱転写インクを、塗布
厚みが3.5μmになるようにホットメルトコーターで
融着防止層とは反対面に塗工し、熱転写リボンを作成し
た。
【0107】 (熱転写インクの組成) カルナウバワックス :60.6重量% マイクロクリスタリンワックス :18.2重量% 酢酸ビニル・エチレン共重合体 : 0.1重量% カーボンブラック :21.1重量% 作成した熱転写リボンについて、オークス社製のバーコ
ードプリンター(BC−8)で黒ベタを印字して、印字
性を評価した。○が合格品とした。
【0108】 ○:鮮明に印字 △:印字にピッチずれが生じる ×:リボンにしわが入り、印字が乱れる ××:ホットメルト塗工時にフィルムにしわが入り、熱
転写インクが均一に塗布できない。
【0109】(16)コンデンサ用特性評価 A.絶縁抵抗 本発明のポリエステルフィルムの片面に表面抵抗値が2
Ω/□となるようにアルミニウムを真空蒸着した。その
際、長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に
蒸着した(蒸着部の幅57mm、マージン部の幅3mm
の繰り返し)。次に各蒸着部の中央と各マージン部の中
央に刃を入れてスリットし、左もしくは右に1.5mm
幅のマージンを有する全幅30mmのテープ状の巻き取
りリールとした。得られた左右対称のマージンを有する
アルミ蒸着フィルム1対を重ね,1.5μFの容量とな
る長さに巻回した。この巻回物を120℃、20kg/
cm2 の圧力で10分間プレスして成形した。両端面に
メタリコンを溶射して電極とし、リード線を取り付けて
コンデンサーサンプルとした。次いで、ここで作成した
1.5μFのコンデンサーサンプル1000個を23
℃、65%RHの雰囲気下においてYHP社製の超絶縁
抵抗計4329Aにて印加電圧500Vでの1分値とし
て測定し、絶縁抵抗が5000MΩ未満のコンデンサー
サンプルを不良品として以下の基準で判定した。なお、
本発明においては◎、○と△を合格とした。
【0110】 ◎:不良品が10個未満 ○:不良品が10個以上20個未満 △:不良品が20個以上50個未満 ×:不良品が50個以上 B.絶縁破壊電圧 JIS−C−2318に記載の方法に準じて、ただし、
金属蒸着を施していないフィルムを試験片として用いて
次のように評価する。
【0111】適当な大きさの金属製平板の上にゴムショ
ア硬さ約60度、厚さ約2mmのゴム板を一枚敷き、そ
の上に厚さ約6μmのアルミニウム箔を10枚重ねたも
のを下部電極とし、約50gの重さで周辺に約1mmの
丸みを持った径8mmの底面が平滑で傷のない黄銅製円
柱を上部電極とする。試験片は、あらかじめ温度20±
5℃、相対湿度65±5%の雰囲気に48時間以上放置
しておく。上部電極と下部電極の間に試験片をはさみこ
み、温度20±5℃、相対湿度65±5%の雰囲気中で
両電極間に直流電源により直流電圧を印加し、該直流電
圧を1秒間に100Vの速さで0Vから絶縁破壊するま
で上昇させる。試料50個に対し試験を行い、絶縁破壊
電圧を試験片の厚みで除したものの平均値を求め、その
値が400V/μm以上を合格(○)とする。
【0112】(17)感熱孔版用原紙の画像性 本発明のポリエステルフィルムに、酢酸ビニル系の接着
材を用いて下記方法で得られた不織布を接着し、フィル
ムの不織布側の反対面にシリコーン系離型材を塗布して
感熱孔版用原紙を得た。原紙を理想科学工業(株)製
“RISOGRAPH”GR375に供給して、黒ベタ
のものを原稿として、製版、印刷を行った。20枚の印
刷を行い、20枚目の印刷画像の白抜けと濃淡ムラの状
態を目視により、次の基準で判定した。
【0113】(白抜け) ○:白抜けが全くないもの △:白抜けがわずかに見られるもの ×:白抜けが目立つもの (濃淡むら) ○:むらが全くないもの △:むらがわずかに見られるもの ×:むらが目立つもの ○または△が実用上使用できるレベルである。
【0114】[主体繊維の製造]ポリエチレンテレフタ
レートのチップを290℃で溶融し、孔数が900の口
金を通して285℃で吐出し、1000m/分の速度で
巻き取った。
【0115】次に、この未延伸糸を3.8倍の倍率で8
0℃の温水中で延伸し、200℃で緊張熱処理、さらに
125℃で弛緩熱処理した後、5mmに切断し、平均繊
維径5μmで複屈折が0.20の主体繊維Aを得た。
【0116】[未延伸繊維の製造]他方、ポリエチレン
テレフタレートチップを290℃で溶融し、孔数が90
0の口金を通して285℃で吐出し、5mmに切断し、
平均繊維径8μmで複屈折が0.05の未延伸繊維aを
得た。
【0117】[抄紙]主体繊維Aと未延伸繊維aとを、
80:20の重量比率でパルパー中で十分混合分散せし
めた後、円網抄紙機で速度10m/分、ヤンキードライ
ヤー(表面温度130℃)で加熱乾燥した。抄上げ目付
量は8g/m2 であった。次いで金属/弾性ロール系カ
レンダー加工機で金属ロール表面温度210℃、線圧1
5kg/cmの条件下圧着することにより、厚さ25μ
mの不織布を得た。
【0118】
【実施例】以下に、本発明を実施例、比較例に基づいて
説明する。
【0119】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65、ガラ
ス転移温度75℃、融点255℃、平均径0.3μmの
球状架橋ポリスチレン粒子0.1重量%配合)のペレッ
トを180℃で3時間真空乾燥した後に、280℃に加
熱された押出機に供給して溶融押出し、Tダイよりシー
ト状に吐出する。さらにこのシートを表面温度25℃の
冷却ドラム上に静電気力で密着させて冷却固化し、未延
伸キャストフィルムを得る。この未延伸フィルムの両端
部をクリップで把持して、リニアモーター方式の同時二
軸延伸テンターに導き、フィルム温度を100℃に加熱
し、面積延伸倍率1.082倍(縦倍率:1.04倍、
横倍率:1.04倍)の同時二軸微延伸を連続的に50
回行う。微延伸と微延伸の間の延伸停止時間は直前の微
延伸に要する時間の1/10とする。その後、210℃
の温度で熱固定を施し、120℃の冷却ゾーンで縦方向
に2%、横方向に2%の弛緩率で弛緩処理を行い、フィ
ルムを室温に徐冷して巻取る。フィルム厚みは押出量を
調節して9μmに合わせる。なお、延伸時のクリップ温
度は100℃とする。ここで得られたフィルムはトータ
ルの面積倍率が約50倍に達し、結晶化度が58%と高
く、高ヤング率と低熱収縮率を両立する、厚みむらも少
ない高品質のフィルムである。
【0120】なお、製膜時のフィルム破れは少なく、高
物性、高品質のフィルムが極めて安定に得られる。
【0121】実施例2〜5、比較例1、2 微延伸の倍率、繰り返し回数、トータルの面積延伸倍率
を変更する以外は実施例1と同様に製膜し、二軸延伸ポ
リエステルフィルムを得る。ここで、微延伸の繰り返し
回数が3回および2回の実施例2および比較例1の場合
には、微延伸後にさらに同時二軸延伸を一段階で施し、
フィルムのトータル面積延伸倍率を25倍とする。微延
伸を繰り返す回数を3回以上とし、さらに増やしていく
と、フィルムの破れ頻度が低下し、トータル面積延伸倍
率が高まる傾向が見られる。また、微延伸の繰り返し回
数を増やして高倍率延伸すると、フィルムの結晶化度が
高まり、高剛性、低熱収縮性で厚みむらも小さい高品質
のフィルムが得られる。微延伸の繰り返し回数やトータ
ル面積延伸倍率が、本発明の範囲を満たさないと、ヤン
グ率が小さかったり、熱収縮率が大きかったりする(比
較例1、2)。
【0122】
【表1】 比較例3〜5 微延伸を行なわずに、フィルムを延伸した以外は、実施
例1と同様に製膜し、二軸延伸ポリエステルフィルムを
得る。フィルム温度が100℃の温度条件下、同時二軸
テンターで縦方向に4.3倍に延伸した後、横方向に
4.3倍に延伸した場合、およびフィルムを縦および横
方向に各々4.3倍の倍率で同時二軸延伸した場合に
は、ヤング率が小さく、熱収縮率が大きなフィルムしか
得られず、フィルムの厚みむらも大きくなる(比較例
3、4)。また、フィルムを縦方向と横方向に各々4.
0倍の倍率で同時二軸延伸した後、さらに、縦方向と横
方向に各々1.3倍の倍率で同時二軸延伸した場合に
は、フィルム破れが多発し、フィルムの熱収縮率が大き
くなる(比較例5)。
【0123】
【表2】 実施例6〜10 本実施例では微延伸後の到達結晶度を変えて製膜した例
を示す。微延伸の倍率と繰り返し回数を変更し、連続的
に微延伸を繰り返した後に一段階で同時二軸延伸してト
ータルの面積延伸倍率を50倍に設定する以外は実施例
1と同様に製膜して二軸延伸ポリエステルフィルムを得
る。ここで、1回の延微伸による縦方向および横方向の
倍率は等倍とする。微延伸後のフィルムの結晶化度が2
%および34%のときには、ヤング率が低下し、熱収縮
率が高くなる。
【0124】
【表3】 実施例11〜13 同時二軸テンター内で、フィルムの流れ方向に100
℃、140℃、210℃、250℃の温度ゾーンを設け
て、微延伸の温度条件を変更する以外は実施例4と同様
に製膜し、二軸配向ポリエステルフィルムを得る。21
0℃、250℃という高温域で微延伸を行うと、フィル
ムのヤング率が高まり、熱収縮率が低下する。
【0125】
【表4】 実施例14 実施例1と同様にして得た未延伸フィルムの両端部をク
リップで把持して、リニアモーター方式の同時二軸延伸
テンターに導き、フィルム温度を100℃に加熱し、縦
横逐次に各々2.5倍延伸した後、面積延伸倍率1.4
4倍(縦倍率:1.2倍、横倍率:1.2倍)の微延伸
を連続的に6回行う。その際に、温度領域を150℃、
180℃、210℃と順に、温度ゾーンを設けて、それ
ぞれで2回ずつの微延伸を行う。微延伸と微延伸の間の
延伸停止時間は直前の微延伸に要する時間の1/10と
する。その後、210℃の温度で熱固定を施し、120
℃の冷却ゾーンで縦方向に2%、横方向に2%の弛緩率
で弛緩処理を行い、フィルムを室温に徐冷して巻取る。
フィルム厚みは押出量を調節して10μmに合わせる。
高ヤング率で低熱収縮性のフィルムが得られる。
【0126】実施例15 実施例1と同様にして得た未延伸フィルムの両端部をク
リップで把持して、リニアモーター方式の同時二軸延伸
テンターに導き、フィルム温度を115℃に加熱し、縦
方向に倍率1.04倍で微延伸を連続的に20回行った
後、80℃で同時二軸延伸を縦方向4倍、横方向5倍に
延伸する。微延伸と微延伸の間の延伸停止時間は直前の
微延伸に要する時間の1/10とする。その後、210
℃の温度で熱固定を施し、120℃の冷却ゾーンで縦方
向に2%、横方向に2%の弛緩率で弛緩処理を行い、フ
ィルムを室温に徐冷して巻取る。フィルム厚みは押出量
を調節して10μmに合わせる。高ヤング率で低熱収縮
性のフィルムが得られる。
【0127】実施例16 実施例1と同様にして得た未延伸フィルムの両端部をク
リップで把持して、リニアモーター方式の同時二軸延伸
テンターに導き、フィルム温度を100℃に加熱し、面
積延伸倍率1.082倍(縦倍率:1.04倍、横倍
率:1.04倍)と横方向のみの微延伸1.04倍を交
互に10回(トータルの微延伸操作回数:20回)行っ
た後、同時二軸延伸を縦横各方向4倍に延伸する。微延
伸と微延伸の間の延伸停止時間は直前の微延伸に要する
時間の1/10とする。その後、210℃の温度で熱固
定を施し、120℃の冷却ゾーンで縦方向に2%、横方
向に2%の弛緩率で弛緩処理を行い、フィルムを室温に
徐冷して巻取る。フィルム厚みは押出量を調節して10
μmに合わせる。高ヤング率で低熱収縮性のフィルムが
得られる。
【0128】
【表5】 実施例17、比較例6 固有粘度が1.0のポリエチレンテレフタレート(ガラ
ス転移温度74℃、融点255℃、平均径0.3μmの
球状架橋ポリスチレン粒子0.1重量%配合)をポリエ
ステル原料として使用し、同時二軸微延伸の効果を調べ
る。ここで、延伸ゾーンの温度は115℃、熱処理ゾー
ンの温度は210℃とし、延伸パターンを変更する以外
は、実施例1と同様に製膜し、厚さ6.5μmの二軸配
向ポリエステルフィルムを得る。微延伸を行う場合、一
回の微延伸による面積倍率は1.082倍(縦倍率:
1.04倍、横倍率:1.04倍)として連続的に50
回繰り返す。微延伸と微延伸の間の延伸停止時間は直前
の微延伸に要する時間の1/10とする。微延伸を行わ
ない場合は、一段階で縦・横各方向に等倍率で同時二軸
延伸を行う。比較例6の場合とは異なり、微延伸を施し
た実施例17では、トータルの面積延伸倍率が高まり、
高ヤング率で低熱収縮性のフィルムが得られる。
【0129】実施例18、19、比較例7、8 固有粘度が0.65のポリエチレンー2,6−ナフタレ
ート(ガラス転移温度125℃、融点265℃、平均径
0.3μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.1重量%配
合)およびエチレンテレフタレート90モル%とエチレ
ンー2,6−ナフタレート10モル%の共重合ポリマー
(ガラス転移温度84℃、融点235℃、平均径0.3
μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.1重量%配合)を
使用し、延伸温度を表6に示した条件に設定する以外
は、実施例17および比較例6と同様に製膜し、厚さ
6.5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得る。原
料として、ポリエチレンー2,6−ナフタレートや上記
共重合ポリマーを使用した場合においても、本発明の微
延伸の効果は顕著に見られた。同時二軸微延伸を繰り返
して行うと、トータル面積倍率および結晶化度が高ま
り、高ヤング率化および低熱収縮化した高品質のポリエ
ステルフィルムを安定に製膜できる。
【0130】
【表6】 実施例20(表7、8) 実施例1と同様にして得た未延伸フィルムの両端部をク
リップで把持して、リニアモーター方式の同時二軸延伸
テンターに導き、フィルム温度を100℃に加熱し、面
積延伸倍率2.25倍(縦倍率:1.5倍、横倍率:
1.5倍)の同時二軸延伸と、さらに続けて弛緩処理
(縦弛緩率:5%,横弛緩率:5%)を行う一連の操作
を連続的に5回行う。その後、210℃の温度で熱固定
を施した後、120℃の冷却ゾ−ンで縦方向に2%、横
方向に2%の弛緩率で弛緩処理を行い、フイルムを室温
に徐冷して巻取る。フィルム厚みは押出量を調節して1
0μmに合わせる。なお、延伸時のクリップ温度は10
0℃とする。ここで得られたフィルムはトータルの面積
延伸倍率が34.5倍に達し、高ヤング率と熱寸法安定
性を両立して、さらに厚みむらも少ない高品質のフィル
ムである。また、製膜時のフィルム破れは少なく、高物
性、高品質のフィルムが極めて安定に得られる。実施例
5と延伸倍率と繰り返し回数が同じで弛緩操作を加える
ことで、わずかにヤング率が低下するが、熱寸法安定性
が向上する。
【0131】実施例21〜23、比較例9 1回の微延伸の倍率、弛緩率、繰り返し回数、トータル
の面積延伸倍率を変更する以外は、実施例20と同様に
製膜し、二軸延伸ポリエステルフィルムを得る。実施例
21〜23において得られたポリエステルフィルムは、
実施例20と同様に、高ヤング率と熱寸法安定性を両立
して、さらに厚みむらも少ない高品質のフィルムであ
る。また、製膜時のフィルム破れは少なく、高物性、高
品質のフィルムが極めて安定に得られる。一方、比較例
9において得られたポリエステルフィルムは、トータル
面積延伸倍率が本発明の範囲を満たさないため、ヤング
率が小さくなる。
【0132】実施例24(表7、8) 実施例1と同様にして得た未延伸フィルムを、フィルム
温度が100℃の温度条件下、同時二軸テンターでフィ
ルムを面積延伸倍率16.0倍(縦倍率:4.0倍、横
倍率:4.0倍)の同時二軸延伸と、さらに続けて弛緩
処理(縦弛緩率:5%、横弛緩率:5%)を行った後、
温度170℃で面積延伸倍率2.25倍(縦倍率:1.
5倍、横倍率:1.5倍)の同時二軸延伸と、さらに続
けて弛緩処理(縦弛緩率:5%、横弛緩率:5%)を行
う。その後、210℃の温度で熱固定を施した後、12
0℃の冷却ゾーンで縦方向に2%、横方向に2%の弛緩
率で弛緩処理を行い、フィルムを室温に徐冷して巻取
る。得られたポリエステルフィルムは、実施例20と同
様に、高ヤング率と熱寸法安定性を両立して、さらに厚
みむらも少ない高品質のフィルムである。また、製膜時
のフィルム破れは少なく、高物性、高品質のフィルムが
極めて安定に得られる。
【0133】実施例25 実施例1と同様にして未延伸キャストフィルムを得た。
この未延伸フィルムの両端部をクリップで把持して、リ
ニアモーター方式の同時二軸延伸テンターに導き、フィ
ルム温度を100℃に加熱し、面積延伸倍率1.21倍
(縦倍率:1.1倍、横倍率:1.1倍)の同時二軸延
伸と、さらに続けて弛緩処理(縦弛緩率:5%、横弛緩
率:5%)を行う一連の操作を10回行う。そして、面
積延伸倍率1.21倍(縦倍率:1.1倍、横倍率:
1.1倍)の同時二軸延伸を2回行い、弛緩処理は行わ
ない。続けて、面積延伸倍率1.21倍(縦倍率:1.
1倍、横倍率:1.1倍)の同時二軸延伸と、さらに続
けて弛緩処理(縦弛緩率:5%、横弛緩率:5%)を行
う一連の操作を30回行う。延伸、弛緩の一連の操作の
トータルの繰り返し回数は40回であり、延伸のみの操
作のトータルの回数は2回である。その後、210℃の
温度で熱固定を施した後、120℃の冷却ゾーンで縦方
向に2%、横方向に2%の弛緩率で弛緩処理を行い、フ
ィルムを室温に徐冷して巻取る。ここで得られたフィル
ムは、高ヤング率と熱寸法安定性を両立して、さらに厚
みむらも少ない高品質のフィルムである。また、製膜時
のフィルム破れは少なく、高物性、高品質のフィルムが
極めて安定に得られる。
【0134】実施例26 実施例1と同様にして未延伸キャストフィルムを得る。
この未延伸フィルムの両端部をクリップで把持して、リ
ニアモーター方式の同時二軸延伸テンターに導き、フィ
ルム温度を100℃に加熱し、面積延伸倍率1.21倍
(縦倍率:1.1倍、横倍率:1.1倍)の同時二軸延
伸と、さらに続けて弛緩処理(縦弛緩率:5%、横弛緩
率:5%)を行う一連の操作を30回行う。そして、弛
緩処理(縦弛緩率:5%、横弛緩率:5%)を1回行
い、続けて、温度140℃で同様の同時二軸延伸と、さ
らに続けて弛緩処理を行う一連の操作を5回行う。そし
て、弛緩処理(縦弛緩率:5%、横弛緩率:5%)を1
回行い、続けて、温度170℃で同様の同時二軸延伸
と、さらに続けて弛緩処理を行う一連の操作を7回行
う。延伸、弛緩の一連の操作のトータルの回数は42回
であり、弛緩のみの操作のトータルの回数は2回であ
る。その後、210℃の温度で熱固定を施した後、12
0℃の冷却ゾーンで縦方向に2%、横方向に2%の弛緩
率で弛緩処理を行い、フイルムを室温に徐冷して巻取
る。ここで得られたフィルムは、高ヤング率と熱寸法安
定性を両立して、さらに厚みむらも少ない高品質のフィ
ルムである。また、製膜時のフィルム破れは少なく、高
物性、高品質のフィルムが極めて安定に得られる。
【0135】
【表7】
【表8】 実施例27、28 押出機2台を用い、280℃に加熱された押出機Aに
は、ポリエチレンテレフタレート(I)(固有粘度0.
65、ガラス転移温度75℃、融解温度255℃、平均
径0.07μmの球状シリカ粒子0.16重量%配合)
のペレットを180℃で3時間真空乾燥した後に供給
し、同じく280℃に加熱された押出機Bには、ポリエ
チレンテレフタレート(II)(固有粘度0.65、ガラ
ス転移温度75℃、融解温度255℃、平均径0.3μ
mの球状架橋ポリスチレン粒子0.2重量%と平均径
0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.01重量%
配合)のペレットを180℃で3時間真空乾燥した後に
供給し、Tダイ中で合流し(積層比I/II=10/
1)、表面温度25℃のキャストドラムに静電密着させ
て、冷却固化し、積層未延伸フィルムを作成する。この
未延伸フィルムに対して、実施例27は実施例1と同様
の延伸条件で製造し、さらに実施例28は、実施例20
と同様の延伸条件にして製造する。得られた厚さ6.5
μmのフィルムに磁気記録媒体用の加工を施して、ビデ
オテープ、データテープとしての実用特性を評価する。
結果は、表9のとおり、優れた特性を有している。
【0136】比較例10 実施例27と同様にして得た未延伸フィルムの両端部を
クリップで把持して、リニアモーター方式の同時二軸延
伸テンターに導き、フィルム温度を95℃に加熱し、縦
方向と横方向に各々3.5倍の倍率で同時二軸延伸した
後、さらに、温度110℃で縦方向と横方向に各々1.
3倍の倍率で同時二軸延伸し、210℃の温度で熱固定
を施した後、120℃の冷却ゾ−ンで縦方向に2%、横
方向に2%の弛緩率で弛緩処理を行い、フイルムを室温
に徐冷して巻取って、厚さ6.5μmのフィルムを得
る。得られたフィルムに磁気記録媒体用の加工を施した
フィルムは、表9に示したとおり、磁気記録媒体用とし
ての実用特性が本発明のフィルムと比較して劣る。
【0137】
【表9】 実施例29、30 押出機2台を用い、280℃に加熱された押出機Aに
は、ポリエチレンテレフタレート(I)(固有粘度0.
65、ガラス転移温度75℃、融解温度255℃、粒子
なし)のペレットを180℃で3時間真空乾燥した後に
供給し、同じく310℃に加熱された押出機Bには、ポ
リエチレンテレフタレート(II)(固有粘度0.65、
ガラス転移温度75℃、融解温度255℃、平均径0.
3μmの球状架橋ポリスチレン粒子6重量%配合)のペ
レットを180℃で3時間真空乾燥した後に供給し、T
ダイ中で合流し(積層比I/II=250/1)、表面温
度25℃のキャストドラムに静電密着させて、冷却固化
し、積層未延伸フィルムを作成する。実施例29は実施
例1と同様の延伸条件で製造し、さらに実施例30は実
施例20と同様の延伸条件で製造する。得られた厚さ7
5μmのフィルムに磁気記録媒体用の加工を施して、フ
ロッピーディスクとしての実用特性を評価する。結果
は、表10のとおり、優れた特性を有している。
【0138】比較例11 実施例29と同様にして得た未延伸フィルムの両端部を
クリップで把持して、リニアモーター方式の同時二軸延
伸テンターに導き、フィルム温度を95℃に加熱し、縦
方向と横方向に各々4倍の倍率で同時二軸延伸し、21
0℃の温度で熱固定を施した後、120℃の冷却ゾーン
で縦方向に2%、横方向に2%の弛緩率で弛緩処理を行
い、フィルムを室温に徐冷して巻取って、厚さ75μm
のフィルムを得る。得られたフィルムにフロッピーディ
スク用としての加工を施したフィルムは、表10に示し
たとおり、フロッピーディスク用としての実用特性が本
発明のフィルムと比較して劣る。
【0139】
【表10】 実施例31、32 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65、ガラ
ス転移温度75℃、融点255℃、平均径1.0μmの
二酸化ケイ素粒子0.2重量%配合)のペレットを18
0℃で3時間真空乾燥した後に、280℃に加熱された
押出機に供給して溶融押出し、Tダイよりシート状に吐
出する。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラ
ム上に静電気力で密着させて冷却固化し、未延伸キャス
トフィルムを得る。この未延伸フィルムの片面に融着防
止層として下記組成の塗剤を乾燥後の塗布厚みが0.5
μmになるようにグラビアコーターで塗工する。
【0140】 (塗剤の組成) アクリル酸エステル :14.0重量% アミノ変性シリコーン : 5.9重量% イソシアネート : 0.1重量% 水 :80.0重量% その後、同時二軸テンターを用いて、実施例31は、実
施例1と同様の延伸条件で製造し、さらに実施例32
は、実施例20と同様の延伸条件で製造する。得られた
厚さ4μmのフィルムに熱転写リボン用加工を施して、
熱転写リボン用としての実用特性を評価する。結果は、
表11のとおり、優れた特性を有している。
【0141】比較例12 実施例31と同様にして、片面に融着防止層を塗布した
未延伸フィルムを得る。その後、同時二軸テンターを用
いて、比較例10の延伸条件と同様にして厚さ4μmの
熱転写リボン用のフィルムを得る。熱転写リボン用に加
工を施したフィルムは、表11に示したとおり、熱転写
リボン用としての実用特性が本発明のフィルムと比較し
て劣る。
【0142】
【表11】 実施例33、34 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65、ガラ
ス転移温度75℃、融点255℃、平均径1.2μmの
凝集シリカ粒子0.1重量%配合)のペレットを180
℃で3時間真空乾燥した後に、280℃に加熱された押
出機に供給して溶融押出し、Tダイよりシート状に吐出
する。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラム
上に静電気力で密着させて冷却固化し、未延伸キャスト
フィルムを得る。この未延伸フィルムを、同時二軸テン
ターを用いて、実施例33は実施例1と同様の延伸条件
で製造し、さらに実施例34は実施例20と同様の延伸
条件にして作成した厚さ4μmのフィルムを、コンデン
サー用に加工を施して、実用特性を評価する。結果は、
表12のとおり、優れた特性を有している。
【0143】比較例13 実施例33と同様にして得た未延伸フィルムに対して、
比較例11と同様の延伸条件で得た厚さ4μmのフィル
ムを、コンデンサー用に加工を施して、実用特性を評価
する。表12に示したとおり、コンデンサー用としての
実用特性が本発明のフィルムと比較して劣る。
【0144】
【表12】 実施例35、36 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65、ガラ
ス転移温度75℃、融点255℃、平均径1.2μmの
凝集シリカ粒子0.4重量%配合)のペレットを180
℃で3時間真空乾燥した後に、280℃に加熱された押
出機に供給して溶融押出し、Tダイよりシート状に吐出
する。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラム
上に静電気力で密着させて冷却固化し、未延伸キャスト
フィルムを得る。この未延伸フィルムを、同時二軸テン
ターを用いて、実施例35は実施例1と同様の延伸条件
で製造し、さらに実施例36は実施例20と同様の延伸
条件にして作成した厚さ4μmのフィルムを、感熱孔版
原紙用に加工を施して、実用特性を評価する。結果は、
表13のとおり、優れた特性を有している。
【0145】比較例14 実施例35と同様にして得た未延伸フィルムに対して、
比較例11と同様の延伸条件で得た厚さ4μmのフィル
ムを、感熱孔版用原紙に加工を施して、実用特性を評価
する。表13に示したとおり、感熱孔版用としての実用
特性が本発明のフィルムと比較して劣る。
【0146】
【表13】
【0147】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、高剛性、低熱
収縮性で、かつ厚みむら、表面欠点も少ない高品質のポ
リエステルフィルムを、破れ頻度も低下させて安定製膜
できる。本発明は、磁気記録媒体用、コンデンサー用、
熱転写リボン用、感熱孔版印刷用、包装用など各種フィ
ルムの製造法として広く活用が可能であり、また、本発
明により、従来のポリエステルフィルムの機械特性を遙
かに凌ぐ物性と品質を有した新規なポリエステルフィル
ムが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 67:00 H01G 4/24 331Z B29L 7:00 Fターム(参考) 2H111 BB06 BB08 4F210 AA24 AE01 AG01 AH33 AH38 AH81 AR06 AR19 AR20 QA02 QC07 QC17 QD13 QG01 QG18 QL03 5D006 CB01 CB07 5E082 AB05 EE05 EE24 EE37 FG06 FG36 FG48 FG54 GG04 JJ04 JJ22 MM22 MM24 PP06 PP08 PP10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルを主成分とする樹脂からなる
    フィルムを同時二軸テンターを用いて延伸するポリエス
    テルフィルムの製造法において、フィルムの面積延伸倍
    率が1.0005〜3.0倍の倍率で微延伸する操作を
    3回以上含み、トータルの面積延伸倍率が25〜150
    倍であることを特徴とするポリエステルフィルムの製造
    法。
  2. 【請求項2】前記微延伸操作を3回以上連続的に行うこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリエステルフィルムの
    製造法。
  3. 【請求項3】前記微延伸を10回以上、10000回未
    満の回数で繰り返すことを特徴とする請求項1または2
    記載のポリエステルフィルムの製造法。
  4. 【請求項4】未延伸フィルムに対して、前記微延伸を
    (ガラス転移温度(Tg)+10)℃〜(Tg+12
    0)℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載のポリエステルフィルムの製造法。
  5. 【請求項5】未延伸フィルムに対して、前記微延伸を結
    晶化度が3%以上、30%未満になるまで連続的に繰り
    返すことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    ポリエステルフィルムの製造法。
  6. 【請求項6】ポリエステルを主成分とする樹脂からなる
    フィルムを同時二軸テンターを用いて延伸して得られる
    ポリエステルフィルムの製造法において、フィルムを延
    伸した後、続いて弛緩する一連の操作を2回以上100
    00回未満含み、トータルの面積延伸倍率が25〜15
    0倍であることを特徴とするポリエステルフィルムの製
    造法。
  7. 【請求項7】前記延伸操作における一回の延伸による面
    積延伸倍率が1.005〜10倍であり、弛緩操作にお
    ける弛緩率は弛緩直前の縦、横各々の方向の長さに対し
    て0.1〜80%であることを特徴とする請求項6記載
    のポリエステルフィルムの製造法。
  8. 【請求項8】延伸するに当たり、クリップの駆動方式が
    リニアモーター方式であることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載のポリエステルフィルムの製造法。
  9. 【請求項9】前記請求項1〜8記載の方法によって製造
    されてなることを特徴とするポリエステルフィルム。
  10. 【請求項10】フィルムの縦方向と横方向のヤング率の
    和が8〜30GPaであり、100℃、30分の熱収縮
    率の和が2%以下であることを特徴とする請求項9記載
    のポリエステルフィルム。
  11. 【請求項11】結晶化度が30〜90%であることを特
    徴とする請求項9または10記載のポリエステルフィル
    ム。
  12. 【請求項12】ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
    ート、ポリエチレンナフタレートまたはこれらの共重合
    体または変成体であることを特徴とする請求項9〜11
    のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  13. 【請求項13】固有粘度が0.6以上であることを特徴
    とする請求項9〜12のいずれかに記載のポリエステル
    フィルム。
  14. 【請求項14】前記請求項9〜13項のいずれかに記載
    のポリエステルフィルムからなることを特徴とする磁気
    記録媒体。
  15. 【請求項15】前記請求項9〜13のいずれかに記載の
    ポリエステルフィルムからなることを特徴とするコンデ
    ンサー。
  16. 【請求項16】前記請求項9〜13のいずれかに記載の
    ポリエステルフィルムからなることを特徴とする熱転写
    リボン。
  17. 【請求項17】前記請求項9〜13のいずれかに記載の
    ポリエステルフィルムからなることを特徴とする感熱孔
    版。
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