JP2000199978A - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
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Abstract
る。 【解決手段】 感光層中の電荷輸送物質として次のいず
れかの条件を満たすものを用いる。 (1)芳香族性を有さないπ電子を8個以上有し、かつ
希釈THF溶液中における蛍光収率Φが1>Φ>0.1
3である。 (2)芳香族性を有さないπ電子を12個以上有し、か
つ希釈THF溶液中における蛍光収率Φが1>Φ>0.
09である。
Description
関するものである。さらに詳しくは有機系の光導電性物
質を含有する感光層を有する高感度でかつ高性能の電子
写真用感光体で、光疲労特性に特に優れているものに関
するものである。
ーの発生と移動の機能を別々の化合物に分担させる、い
わゆる機能分離型の感光体が近年の主流となっており、
このタイプによる有機系感光体の実用化も行われてい
る。電荷キャリヤー輸送媒体としては、ポリビニルカル
バゾールなどの高分子光導電性化合物を用いる場合と低
分子光導電性化合物をバインダーポリマー中に分散溶解
する場合とがある。
バインダーとして皮膜性、可とう性、接着性などのすぐ
れたポリマーを選択することができるので容易に機械的
特性の優れた感光体を得ることができる(例えば、特開
昭60−196767号公報、特開昭60−21865
2号公報、特開昭60−233156号公報、特開昭6
3−48552号公報、特開平1−267552号公
報、特公平3−39306号公報、特開平3−1134
59号公報、特開平1−123358号公報、特開平3
−149560号公報、特開平6−273950号公
報、特開昭62−36674号公報、特開平7−036
203号公報、特開平6−11854号公報、特開昭6
3−48553号公報、等参照)。しかしながら、高感
度な感光体を作るのに適した化合物を見出すことが難し
いことがある。
電気特性的には残留電位が不十分、光応答性が悪い、繰
り返し使用した場合帯電性が低下し、残留電位が蓄積す
る等種々の問題を抱えており、こうした問題に対し、例
えば特定の2種類のヒドラゾン化合物を併用し、感光体
の他の特性をあまり損わずに残留電位上昇を防止する技
術(特開昭61−134767号公報)等が報告されて
いる。しかしながら、特定のバランスの点では必ずしも
十分ではなく、感光体全体としての特性をバランスよく
向上させる技術が求められていた。更に、感光体はプロ
セス中で、除電光、露光により光暴露を受け、製造中、
感光体交換時等にも、一般室内光の暴露を受ける。これ
らの光暴露による光疲労の少ない電子写真感光体も同時
に求められていた。
を解決するためになされたものでありその目的の第1
は、高感度及び高移動度の電子写真感光体を提供するこ
とにある。目的の第2は、高感度であって、膜厚を厚く
した場合においても残留電位が充分低く、繰り返し使用
しても特性の変動が少なく、かつ光疲労特性にも非常に
優れた電子写真用感光体を提供することにある。目的の
第3は、800nm前後の長波長においても高感度でか
つ帯電性、暗減衰、残留電位等が良好なバランスの取れ
た電子写真用感光体を提供することにある。
的を満足しえる有機系の低分子光導電性化合物について
鋭意研究したところ、特定のパラメータを満たす化合物
が好適であることを見い出し、本発明に至った。即ち、
本発明の要旨は、電荷発生物質及び電荷輸送物質を含有
する感光層を有する電子写真感光体において、該電荷輸
送物質が芳香族性を有しないπ電子を8個以上有し、か
つ、溶液中における蛍光収率Φが
輸送物質が芳香性を有しないπ電子を12個以上有し、
かつ、溶液中における蛍光収率Φが
を特徴とする電子写真感光体にある。
本発明者は、有機分子光疲労機構に、三重項失活過程
が、分子を破壊している可能性があることに着目し、該
電荷輸送物質の光励起後の失活過程について考察を行っ
た。有機電荷輸送物質において、芳香族性を有しない、
二重結合の導入、感度、残留電位、移動度、溶解性を改
良する点において、重要な分子設計となりうると思われ
る。
チルベン分子に代表されるように、光励起後、そのまま
元の状態に戻らずに、三重項励起状態を経る失活過程等
を経由して、色々な分子にトランスファーしてしまうも
のがあることが知られている。この三重項励起状態は、
一重項励起状態よりも、励起状態の寿命が長く、この間
に分子が破壊される可能性が高くなりうる。又、この励
起状態は、基底三重項の酸素分子の影響を受けやすく、
壊れ易いと考えられる。従って、蛍光収率の高い分子
は、一重項励起状態から、一重項基底状態に直接失活す
るので、他の失活経路を取りにくく、光疲労に対して、
強いと思われる。そこで、この二重結合を多く有する電
荷輸送物質の中では、この失活過程をコントロールし
た、蛍光収率の大きいものが、光疲労に対して、強い分
子であると考え、本発明に至った。すなわち、芳香族性
を有しないπ電子を8個以上有し、かつ、該電荷輸送物
質の溶液中における蛍光収率Φが
送物質が芳香性を有しないπ電子を12個以上有し、か
つ、該電荷輸送物質の溶液中における蛍光収率Φが
体が、前記条件を満足し、帯電性、感度、残留電位等に
優れ、かつ光疲労に対しても優れた電子写真感光体とな
る。上記の条件を満たす化合物として、下記構造式
(1)、(2)の化合物が例示できるが、本発明はこれ
に限定されるものではない。
(テトラヒドロフラン)溶液中(濃度1〜5×10-6m
ol/L)で常法により測定することにより求められ
る。本発明のパラメーターを満たす化合物を電荷輸送物
質として用いた場合には、高感度で耐久性に優れた感光
体を与える。電子写真感光体の感光層の形態としては、
種々のものが知られているが、本発明の電子写真感光体
の感光層としてはそのいずれであっても良い。
輸送層をこの順に積層したもの、あるいは、逆に積層し
たものである積層型、さらには電荷輸送媒体中に電荷発
生材料(電荷発生物質)の粒子を分散したいわゆる分散
型など、いずれの構成も用いることができる。たとえば
バインダー中に有機電荷輸送物質、と必要に応じて増
感剤となる色素や電子吸引性化合物を添加した単層型感
光層、光を吸収すると極めて高い効率で電荷キャリヤ
ーを発生する電荷発生材料(光伝導性粒子)と、有機電
荷輸送物質をバインダー中に分散した分散型感光層、
有機電荷輸送物質とバインダーからなる電荷発生層と光
を吸収すると極めて高い効率で電荷キャリヤーを発生す
る電荷発生材料あるいはこれとバインダーからなる電荷
発生層を積層した積層型感光層等があげられる。
送物質とともに有機光伝導体として優れた性能を有する
公知の他のアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、
スチルベン化合物を混合してもよい。本発明において
は、本発明の有機電荷輸送物質を電荷発生層と電荷輸送
層(電荷移動層)の2層からなる感光層の電荷輸送層中
に用いる場合に、特に感度が高く、残留電位が小さく、
かつ耐久性に優れた感光体を得ることができる。
あるいはバインダーとの分散液として塗布して電荷発生
層を作成し、その上に、前記有機電荷輸送物質を含む有
機溶剤溶液をキャストするか、あるいは前記有機電荷輸
送物質をバインダー等とともに溶解し、その分散液を塗
布することにより得られる。また電荷発生物質と電荷輸
送物質とが、バインダー中に分散、溶解した状態で伝導
性支持体上に塗布した一層型感光体であってもよい。以
下、本発明の電子写真感光体で通常用いられる構成につ
いて説明する。
周知の電子写真感光体に採用されているものがいずれも
使用できる。具体的には例えばアルミニウム、ステンレ
ス鋼、銅、ニッケル等の金属材料からなるドラム、シー
トあるいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物、あ
るいは表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化ス
ズ、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエステル
フィルム、紙等の絶縁性支持体が挙げられる。更に、金
属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質等
の導電性物質を適当なバインダーとともに塗布して導電
処理したプラスチックフィルム、プラスチックドラム、
紙、紙管等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブ
ラック、炭素繊維等の導電性物質を含有し、導電性とな
ったプラスチックのシートやドラムが挙げられる。又、
酸化スズ、酸化インジウム等の導電性金属酸化物で導電
処理したプラスチックフィルムやベルトが挙げられる。
なかでもアルミニウム等の金属のエンドレスパイプが好
ましい支持体である。この支持体上に感光層が形成され
る。
ン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、硫化カド
ミウム、アモルファスシリコン等の無機光伝導性粒子;
無金属フタロシアニン、金属含有フタロシアニン、ペリ
ノン系顔料、チオインジゴ、キナクリドン、ペリレン系
顔料、アントラキノン系顔料、アゾ系顔料、ビスアゾ系
顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキス系アゾ顔料、シア
ニン系顔料等の有機光伝導性粒子が挙げられ、有機光伝
導性粒子の方が好ましい。
リリウム塩、インジゴ、アントアントロン、ピラントロ
ン等の各種有機顔料、染料が使用できる。中でも無金属
フタロシアニン、銅、塩化インジウム、塩化ガリウム、
錫、オキシチタニウム、亜鉛、バナジウム等の金属又
は、その酸化物、塩化物の配位したフタロシアニン類、
モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポリアゾ類等のアゾ
顔料が好ましい。
属フタロシアニンが好ましく、Cu−Kα線によるX線
回折パターンのブラッグ角(2θ±0.2°)9.7
°、24.2°、27.3°に回折ピークを示すオキシ
チタニウムフタロシアニンが特に好ましい。前記オキシ
チタニウムフタロシアニンの製造方法は特に限定されな
いが、例えば以下の方法で製造される。
1中に記載されている〔II〕型結晶の製造方法。つま
り、オルトフタロジニトリルとチタンのハロゲン化物を
不活性有機溶剤中で加熱して反応させ、次いで加水分解
する。 2.各種結晶型のオキシチタニウムフタロシアニンを直
接、有機酸溶媒中、硫酸又は式R−SO3 H(式中、R
は置換基を有していてもよい、脂肪族又は芳香族残基を
表わす。)で表わされるスルホン化物とで加熱処理する
とか、場合によってはその後不溶性有機溶媒と水との混
合溶媒で加熱処理する。 3.所望によりあらかじめ、濃硫酸に溶解後氷水中に放
出するとペイントシェーカー、ボールミル、サンドグラ
インドミル等の機械的摩砕法等の公知な方法により無定
型化後、上記スルホン化物とで加熱処理したり水不溶性
有機溶媒と水の混合溶媒にて加熱処理する。 4.上述のスルホン化物との処理の場合、加熱処理のか
わりにペイントシェーカー、ボールミル、サンドグライ
ンドミル等の機械的摩砕法を併用しても製造出来る。
ニンの他にブラッグ角(2θ±0.2°)9.3°、1
3.2°、26.2°及び27.1°に回折ピークを示
すオキシチタニウムフタロシアニン、ブラッグ角(2θ
±0.2°)9.2°、14.1°、15.3°、1
9.7°及び27.1°に回折ピークを示すジヒドロキ
シシリコンフタロシアニン、ブラッグ角(2θ±0.2
°)8.5°、12.2°、13.8°、16.9°、
22.4°、28.4°、及び30.1°に回折ピーク
を示すジクロロスズフタロシアニンも好ましい電荷発生
物質であり、これらと前記のオキシチタニウムフタロシ
アニンとの混合物も好ましい態様である。
加される染料色素としては、例えばメチルバイオレッ
ト、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレット等
のトリフェニルメタン染料、メチレンブルーなどのチア
ジン染料、キニザリン等のキノン染料及びシアニン染料
やビリリウム塩、チアビリリウム塩、ベンゾビリリウム
塩等が挙げられる。
形成する電子吸引性化合物としては、例えばクロラニ
ル、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニ
トロアントラキノン、1−クロロ−5−ニトロアントラ
キノン、2−クロロアントラキノン、フェナントレンキ
ノン等のキノン類;4−ニトロベンズアルデヒド等のア
ルデヒド類;9−ベンゾイルアントラセン、インダンジ
オン、3,5−ジニトロベンゾフェノン、2,4,7−
トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニト
ロフルオレノン、3,3′,5,5′−テトラニトロベ
ンゾフェノン等のケトン類;無水フタル酸、4−クロロ
ナフタル酸無水物等の酸無水物;テトラシアノエチレ
ン、テレフタラルマロノニトリル、9−アントリルメチ
リデンマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニト
リル、4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマ
ロノニトリル等のシアノ化合物;3−ベンザルフタリ
ド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリ
ド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,
5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタリド類等の
電子吸引性化合物が挙げられる。
の物質の微粒子を、例えばポリエステル樹脂、ポリビニ
ルアセテート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
ビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、
ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエ
ーテルなどの各種バインダー樹脂で結着するのが好まし
い。更に、バインダー樹脂としては、スチレン、酢酸ビ
ニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、ビニルアルコール、エチルビニルエーテル等
のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリアミド、け
い素樹脂等が挙げられる。この場合の電荷発生物質の使
用比率はバインダー樹脂100重量部に対して通常20
から2000重量部、好ましくは30から500重量部
の範囲より使用され、電荷発生層の膜厚は通常0.05
〜5μm、好ましくは0.1〜2μm、より好ましくは
0.15〜0.8μmが好適である。
善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の各
種添加剤を含んでいてもよい。あるいは電荷発生層は上
記電荷発生物質の蒸着膜であってもよい。積層型感光層
の電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂としては、電
荷輸送物質と相溶性が良く、層を形成した後に電荷輸送
物質が結晶化したり相分離しない樹脂が用いられ、具体
的には上記の電荷発生層で用いられるバインダー樹脂と
同じ群の中から適宜選択される。ただし、塗布法により
積層する場合に、後から塗布する塗布液の溶剤により先
に形成した層を溶解しないようにする必要がある。この
ために、通常、先に形成した層のバインダー樹脂を架橋
して硬化するか、あるいは、電荷発生層と電荷輸送層の
バインダー樹脂を異なるものとして、一方しか溶解しな
い溶剤を用いる。積層型感光層の電荷輸送層の膜厚は、
通常10〜50μm、好ましくは15〜45μmであ
り、特に好ましくは25〜40μmである。
径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以
下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。感光
層内に分散される電荷発生材料の量は例えば0.5〜5
0重量%の範囲であるが少なすぎると充分な感度が得ら
れず、多すぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害
があり、より好ましくは1〜20重量%の範囲で使用さ
れる。
れるバインダー樹脂としては、電荷輸送材料との相溶性
が良く、塗膜形成後に電荷輸送材料が結晶化したり、相
分離することのないポリマーが好ましく、例えば、スチ
レン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、ブタジエン等のビニル化合物の
重合体及び共重合体、ポリビニルアセタール、ポリカー
ボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、
ポリスルホン、ポリイミド、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリウレタン、セルロースエステル、セルロースエ
ーテル、フェノキシ樹脂、けい素樹脂、エポキシ樹脂等
の各種ポリマーが挙げられ、またこれらの部分的架橋硬
化物も使用できる。バインダーの使用量は通常有機電荷
輸送物質に対し、0.5〜30重量倍、好ましくは0.
7〜10重量倍の範囲である。
より好ましくは10〜45μmで使用される。またこの
場合にも成膜性、可とう性、機械的強度等を改良するた
めの公知の可塑剤、残留電位を抑制するための添加剤分
散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するた
めのレベリング剤、界面活性剤、例えばシリコーンオイ
ル、フッ素系オイルその他の添加剤が添加されていても
良い。更に、本発明の電子写真用感光体の感光層は成膜
性、可撓性、機械的強度を向上させるために周知の可塑
剤を含有していても良い。可塑剤としては、フタル酸エ
ステル、りん酸エステル、エポキシ化合物、塩素化パラ
フィン、塩素化脂肪酸エステル、メチルナフタレンなど
の芳香族化合物などが挙げられる。
た、必要に応じ、バリアー層、接着層、ブロッキング層
等の中間層、透明絶縁層、あるいは保護層など、電気特
性、機械特性の改良のための層を有していてもよいこと
はいうまでもない。バリアー層、中間層としては、例え
ばアルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸
化アルミニウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カ
ゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セル
ロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイ
ミド、ポリアミド、等の有機層が使用される。
可塑性或いは熱硬化性ポリマーを主体とするオーバーコ
ート層を設けても良い。通常は、電荷発生層の上に電荷
移動層を形成するが、逆も可能である。各層の成形方法
としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散さ
せて得られた塗布液を順次塗布するなどの公知の方法が
適用できる。電荷輸送層にはこの他に、塗膜の機械的強
度や、耐久性向上のための種々の添加剤を用いることが
できる。
や、種々の安定剤、流動性付与剤、架橋剤等が挙げられ
る。感光層の塗布方法としては、スプレー塗布法、スパ
イラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等がある。ス
プレー塗布法としては、エアスプレー、エアレススプレ
ー、静電エアスプレー、静電エアレススプレー、回転霧
化式静電スプレー、ホットスプレー、ホットエアレスス
プレー等があるが、均一な膜厚を得るための微粒化度、
付着効率等を考えると回転霧化式静電スプレーにおい
て、再公表平1−805198号公報に開示されている
搬送方法、すなわち円筒状ワークを回転させながらその
軸方向に間隔を開けることなく連続して搬送することに
より、総合的に高い付着効率で膜厚の均一性に優れた電
子写真感光体を得ることができる。
119651号公報に開示されている注液塗布機又はカ
ーテン塗布機を用いた方法、特開平1−231966号
公報に開示されている微小開口部から塗料を筋状に連続
して飛翔させる方法、特開平3−193161号公報に
開示されているマルチノズル体を用いた方法等がある。
以下、最も広く用いられる浸漬塗布方法について具体的
に説明する。前述した本発明の有機電荷輸送物質、バイ
ンダー、溶剤等を用いて好適な全固形分濃度が25%以
上であってより好ましくは40%以下の、かつ粘度が通
常50〜300センチポアーズ以下、好ましくは100
〜200センチポアーズ以下の電荷輸送層形成用の塗布
液を調整する。ここで実質的に塗布液の粘度はバインダ
ーポリマーの種類及びその分子量により決まるが、あま
り分子量が低い場合にはポリマー自身の機械的強度が低
下するためこれを損わない程度の分子量を持つバインダ
ーポリマーを使用することが好ましい。この様にして調
整された塗布液を用いて浸漬塗布法により電荷輸送層が
形成される。
ロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホ
ルムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、
ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;酢酸
エチル、蟻酸メチル、メチルセロソルブアセテート等の
エステル類;ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化
炭化水素などの有機電荷輸送物質を溶解させる溶剤が挙
げられる。勿論これらの中からバインダーを溶解するも
のを選択する必要がある。その後塗膜を乾燥させ、必要
且つ充分な乾燥が行われる様に乾燥温度時間を調整する
とよい。乾燥温度は通常100〜250℃好ましくは、
110〜170℃さらに好ましくは、120〜140℃
の範囲である。乾燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾
燥機、赤外線乾燥機及び遠赤外線乾燥機等を用いること
ができる。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の製造
例、実施例に限定されるものではない。なお、実施例中
「部」とあるは「重量部」を示す。
パターンにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.
3°、10.6°、13.2°、15.1°、15.7
°、16.1°、20.8°、23.3°、27.1°
に回折ピークを示すチタニウムオキシフタロシアニン顔
料1.0部をジメトキシエタン14部に加え、サンドグ
ラインダーで分散処理をした後、ジメトキシエタン14
部と4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2(三菱化
学(株)社製)14部を加え希釈し、さらに、ポリビニ
ルブチラール(電気化学工業(株)社製、商品名デンカ
ブチラール#6000−C)0.5部と、フェノキシ樹
脂(ユニオンカーバイド(株)社製、商品名UCAR
(商標登録)PKHH)0.5部をジメトキシエタン6
部、4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2 6部の
混合溶液に溶解した液と混合し、分散液を得た。75μ
m膜厚のポリエステルフィルムに蒸着されたアルミニウ
ム蒸着層の上に、この分散液を乾燥後の重量が0.4g
/m2 になる様にワイヤーバーで塗布した後、乾燥して
電荷発生層を形成させた。この上に前記化合物(1)7
0部と下記に示すポリカーボネート樹脂
の混合溶媒に溶解した塗布液を塗布、乾燥し、膜厚20
μmの電荷輸送層を形成させた。このようにして得た2
層からなる感光層を有する電子写真感光体によって感度
すなわち半減露光量を測定したところ0.43μJ/c
m2 であった。半減露光量はまず、感光体を暗所で50
μAのコロナ電流により負帯電させ、次いで20ルック
スの白色光を干渉フィルターに通して得られた780n
mの光(露光エネルギー10μW/cm2 )で露光し、
表面電位が−550Vから−275Vまで減衰するのに
要する露光量を測定することにより求めた。
電位を残留電位として測定したところ、−9Vであっ
た。この操作を2000回繰り返したが、残留電位の上
昇はみられなかった。又、感光体を暗所で、50μAの
コロナ電流により負帯電させたときの表面電位をV0 と
し、感光体に3000ルックスの白色光を5分間照射し
た後、同様に負帯電させたときの表面電位をVとし、
(V/V0 )を強露光保持率として求めたところ、9
1.4%であった。
回繰り返した後に負帯電させた時の表面電位をV′と
し、(V′/V0 )を強露光復帰率として求めたとこ
ろ、92.6%であった。又、前記化合物(1)の希薄
THF溶液中の蛍光収率(照射UV 254nm)を測
定したところ、0.164であった。
ミン系化合物の代わりに、前記化合物(2)を50部用
いる以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を得
た。次いで実施例1と同様にして感度、残留電位、強露
光保持率、強露光復帰率、蛍光収率を測定した。この結
果を実施例1の感光体についての測定結果と共に第1表
に示す。
ミン系化合物の代わりに、下記に示す比較化合物(3)
を用いる以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を
得た。
位、強露光保持率、強露光復帰率、蛍光収率を測定し
た。この結果を実施例1の感光体についての測定結果と
共に第1表に示す。
原因となる残留電位が小さく、とくに光疲労が少ないた
めに繰返し使用による残留電位の蓄積や、表面電位及び
感度の変動が小さく耐久性に優れるという特徴を有す
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 導電性支持体上に、電荷発生物質及び電
荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体に
おいて、該電荷輸送物質が芳香族性を有しないπ電子を
8個以上有し、かつ、該電荷輸送物質の希釈THF溶液
中における蛍光収率Φが 【数1】1>Φ>0.13 を満たす有機電荷輸送物質であることを特徴とする電子
写真感光体。 - 【請求項2】 導電性支持体上に、電荷発生物質及び電
荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体に
おいて、該電荷輸送物質が芳香族性を有しないπ電子を
12個以上有し、かつ、該電荷輸送物質の希釈THF溶
液中における蛍光収率Φが 【数2】1>Φ>0.09 を満たす有機電荷輸送物質であることを特徴とする電子
写真感光体。 - 【請求項3】 電荷輸送物質がアルキル基を少なくとも
2個有する請求項1又は2に記載の電子写真感光体。 - 【請求項4】 電荷発生物質が、無金属フタロシアニン
又は、金属フタロシアニン、又は、ビスアゾ顔料である
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
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JP165899A JP2000199978A (ja) | 1999-01-07 | 1999-01-07 | 電子写真感光体 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002214810A (ja) * | 2001-01-23 | 2002-07-31 | Mitsubishi Chemicals Corp | 電子写真感光体、電荷輸送層用塗布液及び電子写真感光体の製造方法 |
JP2002214807A (ja) * | 2001-01-17 | 2002-07-31 | Mitsubishi Chemicals Corp | 電子写真感光体 |
JP2003195534A (ja) * | 2001-12-26 | 2003-07-09 | Konica Corp | 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
JP2003215820A (ja) * | 2002-01-23 | 2003-07-30 | Konica Corp | 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ |
JP2005126411A (ja) * | 2003-09-30 | 2005-05-19 | Kyocera Mita Corp | スチルベン誘導体、その製造方法、および電子写真感光体 |
-
1999
- 1999-01-07 JP JP165899A patent/JP2000199978A/ja active Pending
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