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JP2000198309A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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Publication number
JP2000198309A
JP2000198309A JP10374384A JP37438498A JP2000198309A JP 2000198309 A JP2000198309 A JP 2000198309A JP 10374384 A JP10374384 A JP 10374384A JP 37438498 A JP37438498 A JP 37438498A JP 2000198309 A JP2000198309 A JP 2000198309A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic fiber
cross
fiber filament
tire
section
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10374384A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Yamamoto
雅彦 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP10374384A priority Critical patent/JP2000198309A/ja
Publication of JP2000198309A publication Critical patent/JP2000198309A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Tires In General (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化を実現し、耐久性に優れた空気入りタ
イヤを提供すること。 【解決手段】 異形断面形状を有する有機繊維フィラメ
ントを撚り合わせてなるタイヤ補強用コードで補強され
た空気入りタイヤであって、該有機繊維フィラメントの
異形断面形状が、該有機繊維フィラメントの断面の外周
に接する外接円を描いたとき、該有機繊維フィラメント
の断面の外周と該外接円の円周とが重ならない部分を少
なくとも2つ有し、さらに該有機繊維フィラメントの断
面の周長さをL、該断面の面積と等しい円の周長さをL
0 としたとき、下記式(1)を満たす異形断面形状であ
ることを特徴とする空気入りタイヤである。 【数1】 1.05≦(L/L0 )≦1.50 式(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤに
関し、詳しくは、有機繊維フィラメント等からなるタイ
ヤ補強用コードで補強されたゴム層、即ちファイバー・
レインフォースド・ラバー(FRR)の積層板であるカ
ーカス層、ベルト層等を備える空気入りタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、空気入りタイヤには、耐久性向上
のために、機械的強度の高い、有機繊維やスチールコー
ド等のタイヤ補強用コードが、補強材としてカーカス
層、ベルト層等に組み込まれており、非常に重要な役割
をに担っている。特に空気入りタイヤの中でも、ランフ
ラット走行が可能な(すなわち、パンクして、タイヤ内
圧が大気圧と等しくなっても、ある程度の距離を安心し
て走行が可能な)タイヤ(空気入り安全タイヤという)
に関しては、タイヤ補強用コードの担う役割が大きい。
【0003】空気入り安全タイヤは、タイヤの空気室内
におけるリムの部分に、金属、合成樹脂製の環状中子を
取りつけた中子タイプと、タイヤサイドウォールのビー
ド部からショルダー区域にかけて、カーカスの内面に断
面が三日月状の比較的硬質ゴムの層を配置して補強した
サイド補強タイプが知られている。これら2つのタイプ
のうち中子タイプは、ランフラット走行に当たって荷重
支持能力が高いことから、乗り心地をあまり問題にしな
い荷物運搬用車両、軍用車両向けとして、またサイド補
強タイプは、比較的荷重負担が小さく、乗り心地を重視
する乗用車向けとして、夫々それなりに評価を得てい
る。
【0004】現在、開発されている空気入り安全タイヤ
はサイド補強タイプが多く、このサイド補強タイプは、
サイドウォールにおけるカーカス層の内面に断面が三日
月状の比較的硬質の補強ゴム層を、その一方の端部がカ
ーカス層を隔ててベルト層とオーバーラップし、また他
方の端部はゴムフィラーとオーバーラップするように配
置して強化されている。走行中にタイヤがパンクして空
気が抜けてしまうと、補強ゴム層で強化したサイドウォ
ール固有の剛性によって荷重を支持し、速度は多少落と
さなければならないとはいえ、所定の距離、ランフラッ
ト走行することができる。
【0005】このように従来より、様々なサイド補強タ
イプの空気入り安全タイヤが提案されているが、その多
くは偏平高性能タイヤ、つまりスポーツカーに装着され
る偏平率が低く(具体的には、60%未満)、軸荷重が
比較的低い車輛用である。これら偏平高性能タイヤにお
いてもランフラット走行耐久性は未だ十分とはいい難
い。なお、偏平率はリムに装着した状態における{(タ
イヤの高さ)/(タイヤの幅)}×100で表され、偏
平タイヤは偏平率が60%未満のようなタイヤをいう。
【0006】一方、近年の安全性に関する要求の高まり
から、偏平率が60%以上である汎用の乗用車タイヤで
も空気入り安全タイヤが求められている。
【0007】汎用の乗用車用タイヤの場合、荷重負担は
比較的小さいといっても、乗用車も大型になると1本当
たりの荷重は500kgf前後となる。このようなタイ
ヤにより、パンク状態で走行すると、サイドウォールの
変形が大きくなり、走行時に受ける数倍の動荷重によっ
て完全に座屈してしまい、これを繰り返しながら走行す
ることとなる。
【0008】近年、空気入りタイヤには、カーカス層、
ベルト層等に組み込まれているタイヤ補強用コードとし
て、寸法安定性に優れ、機械的強度の高いポリエステル
繊維製のコードが汎用されているが、寸法安定性に優
れ、機械的強度の高いタイヤ補強用コードを用いても、
走行中の振動、荷重移動等によるタイヤの変形、その変
形による自己発熱、また、転がり抵抗、制動等による摩
擦熱等により、タイヤ補強用コードとコーティングゴム
との接着界面で剥離が生じ耐久性が低下するということ
が問題となっていた。特に空気入り安全タイヤでは、ラ
ンフラット走行時に前記の如くサイドウォールが大きく
変形し、またその変形による自己発熱のため内部温度が
非常に高くなり、耐久性の低下が顕著に表れる。
【0009】また、空気入り安全タイヤは、従来技術で
は主にサイドウォール部のカーカス層の内側に三日月断
面形状の補強ゴム層を配置して強度を保持しているが、
実際には更にサイドウォール部の剛性を増すために、カ
ーカス層を通常の1〜2層より多い3〜4層とする必要
があり、通常走行において、重量増加、更にはそれに伴
う転がり抵抗、操縦安定性の悪化が問題となる。一方、
近年では、車輛の低燃費化にともなって、タイヤの重量
軽減が強く要請され、タイヤ重量軽減のためにタイヤサ
イドウォールの薄肉化が益々指向され、非常時において
はタイヤの内圧が大気圧と等しくなるランフラット走行
性能を維持するとともに、タイヤ内圧充填時の通常走行
での性能、即ち、タイヤ重量の軽減による走行性の向上
も当然要求されることとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、軽量
化を実現し、耐久性に優れた空気入りタイヤ、特に空気
入り安全タイヤに関しては、内圧充填時の通常走行性能
を高レベルで維持しながら、軽量化を実現し、従来の補
強ゴム層を有する空気入り安全タイヤに比べ、ランフラ
ット走行性能が大幅に改善された空気入りタイヤを提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく、タイヤ補強用コードとタイヤの耐久性と
の関係について鋭意検討した結果、特定の断面を有する
有機繊維フィラメントからなるタイヤ補強用コードを用
いることにより、前記目的を達成し得ることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、<1>異形断面形状を有する有機繊
維フィラメントを撚り合わせてなるタイヤ補強用コード
で補強された空気入りタイヤであって、該有機繊維フィ
ラメントの異形断面形状が、該有機繊維フィラメントの
断面の外周に接する外接円を描いたとき、該有機繊維フ
ィラメントの断面の外周と該外接円の円周とが重ならな
い部分を少なくとも2つ有し、さらに該有機繊維フィラ
メントの断面の周長さをL、該断面の面積と等しい円の
周長さをL0 としたとき、下記式(1)を満たす異形断
面形状であることを特徴とする空気入りタイヤである。
【0013】
【数4】 1.05≦(L/L0 )≦1.50 式(1)
【0014】<2>有機繊維フィラメントの異形断面形
状が、有機繊維フィラメントのデニール数をD、及び有
機繊維フィラメントの密度をρとしたとき、下記式
(2)を満たす異形断面形状であることを特徴とする前
記<1>に記載の空気入りタイヤである。
【0015】
【数5】 3.93×10×(D/ρ)1/2 ≦L≦5.61×10×(D/ρ)1/2 式(2)
【0016】<3>有機繊維フィラメントの異形断面形
状が、外接円に対する、有機繊維フィラメントの断面の
外周と外接円の円周とが重ならない部分の深さをdC
外接円の直径をd0 としたとき、下記式(3)を満たす
異形断面形状であることを特徴とする前記<1>又は<
2>に記載の空気入りタイヤである。
【0017】
【数6】 (1/10)≦(dC /d0 )≦(1/3) 式(3)
【0018】<4>有機繊維フィラメントが、ポリエス
テル、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリオレ
フィンケトン、レーヨンからなる群より選択される1種
以上であることを特徴とする前記<1>〜<3>のいず
れかに記載の空気入りタイヤである。
【0019】<5>空気入りタイヤが、空気入り安全タ
イヤであることを特徴とする前記<1>〜<4>のいず
れかに記載の空気入りタイヤである。
【0020】本発明の空気入りタイヤは、特定の断面を
有する有機繊維フィラメントを撚り合わせたタイヤ補強
用コードを用いることにより、タイヤ補強用コードとコ
ーティングゴムとの接触面積の向上、ひいては物理的接
着力の向上(エッジ効果)をもたらし、高温にさらされ
た場合でも、コーティングゴムとの高い接着性を維持
し、コーティングゴムとの界面剥離を防止でき耐久性に
優れる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の空気入りタイヤは、異形
断面形状を有する有機繊維フィラメントを撚り合わせて
なるタイヤ補強用コードで補強されてなる。空気入りタ
イヤの種類としては、如何なる種類のものでも構わない
が、タイヤにかかる応力の大きさ、またそれによる自己
発熱の高さを考慮すると、ランフラット走行可能な空気
入り安全タイヤが好適である。
【0022】空気入り安全タイヤの概略断面図の例を図
1に示す。図1に示す空気入り安全タイヤ10は、円筒
状クラウン部12の両端から径方向内側に向かって、先
端部にビードフィラー14、ビードリング16を埋設し
たサイドウォール18が連なり、これらサイドウォール
18の一方からクラウン部12を通り他方のサイドウォ
ール18に至る間を通り、その両端部をビードリング1
6の回りに軸方向外側に巻上げて固定した折り返しカー
カス層20(カーカス層折り返し部20bを有するカー
カス層本体20a)、ビードリング16近傍から、サイ
ドウォール18と折り返しカーカス層20の外側との間
を通り、他方のトレッド部30近傍に至る間にさらに1
枚のダウンカーカス層22、折り返しカーカス層20の
クラウン部12外周囲上に2枚のベルト層24、必要に
応じてベルト層24の外周側にベルト補強層26、2
8、及びトレッド部30を順次配置して夫々補強してあ
ると共に、サイドウォール18の折り返しカーカス層2
0の内周面に、荷重を分担支持する断面が三日月状の補
強ゴム層32が配置されている。
【0023】図1において、折り返しカーカス層20、
ダウンカーカス層22、ベルト層24、必要に応じて設
けられたベルト補強層26、28はタイヤ補強用コード
で補強されており、これらの少なくとも1層は、タイヤ
補強用コードとして前記異形断面形状を有する有機繊維
フィラメントを撚り合わせたタイヤ補強用コードで補強
されていることが好適である。
【0024】前記有機繊維フィラメントを撚り合わせた
タイヤ補強用コードについて詳しく説明する。前記有機
繊維フィラメントの異形断面形状とは、円形ではないこ
とを意味し、該有機繊維フィラメントの断面(以下、繊
維断面ということがある)の外周に接する外接円(以
下、単に外接円ということがある)を描いたとき、該有
機繊維フィラメントの断面の外周と該外接円の円周とが
重ならない部分を少なくとも2つ有することを示す。該
有機繊維フィラメントの断面の外周と該外接円の円周と
が重ならない部分の数が2つ未満であると、コーティン
グゴムとの接触面積が小さくなり、狙いとする物理的接
着力の向上が得られない。本発明において、「該有機繊
維フィラメントの断面の外周と該外接円の円周とが重な
らない部分(以下、凹部ということがある。)」とは、
外接円の円周上より内側にある繊維断面の周部分であ
り、この周部分は繊維断面からみて凸状であっても凹状
であっても構わない。
【0025】前記有機繊維フィラメントの異形断面形状
は、該有機繊維フィラメントの断面の周長さをL(m
m)、該断面の面積と等しい円の周長さをL0 (mm)
としたとき、下記式(1)を満たす異形断面形状であ
る。
【0026】
【数7】 1.05≦(L/L0 )≦1.50 ・・・・・式(1)
【0027】前記式(1)において、(L/L0 )が
1.05未満であると、コーティングゴムとの接触面積
の向上及びエッジ効果が不十分であり、界面剥離防止効
果が期待できない。また、(L/L0 )が1.50を超
えると、要素フィラメントの摩耗及び摩滅に対する耐久
性の低下、紡糸用の口金加工のコストアップ及び紡糸生
産性の低下等によるタイヤ自体のコストアップが起こる
ばかりでなく、コーティングゴムとの接触面積の向上に
よる界面剥離防止効果がこれ以上期待できない。
【0028】前記式(1)において、有機繊維フィラメ
ントの断面の周長さ、即ちLは、1本の有機繊維フィラ
メントを任意の場所から20mm間隔で5ヶ所切断し、
その5ヶ所の断面写真から実測した値の平均値を示す。
【0029】前記式(1)において、有機繊維フィラメ
ントのデニール数をD(kg/9000m)、及び有機
繊維フィラメントの密度をρ(kg/m3 )としたと
き、L 0 (mm)は、下記式(α)で近似できる。
【0030】
【数8】 L0 ≒3.74×10×(D/ρ)1/2 ・・・・・式(α)
【0031】即ち、前記有機繊維フィラメントの異形断
面形状は、有機繊維フィラメントのデニール数をD、及
び有機繊維フィラメントの密度をρとしたとき、下記式
(2)を満たす異形断面形状である。
【0032】
【数9】 3.93×10×(D/ρ)1/2 ≦L≦5.61×10×(D/ρ)1/2 ・・・・・式(2)
【0033】図2(A)〜(I)に、好適な異形断面形
状を有する有機繊維フィラメントの断面図の例を示す。
【0034】前記有機繊維フィラメントの異形断面形状
は、凹部が少なくとも2つ所あればよいが、外接円に対
する凹部の深さは浅すぎると接触面積の向上及びエッジ
効果が不十分となり易く、深すぎると繊維強度が低下し
易くなる。このため、前記有機繊維フィラメントの異形
断面形状は、外接円に対する、有機繊維フィラメントの
断面の外周と該外接円の円周とが重ならない部分の深さ
をdc (mm)、外接円の直径をd0 (mm)としたと
き、下記式(3)、好ましくは下記式(3−a)を満た
す異形断面形状であることが好適である。
【0035】
【数10】 (1/10)≦(dC /d0 )≦(1/3) ・・・・・式(3) (1/5)≦(dC /d0 )≦(1/3) ・・・・・式(3−a)
【0036】前記式(3)及び(3−a)において、外
接円に対する凹部の深さ、即ちdcは、任意の外接円上
の点と、その点を通り外接円の接線に対して垂直な線が
繊維断面の外周と接した点とを結ぶ長さが1番長いもの
を示す。また、dc は、複数の凹部の深さが異なると
き、各々の凹部の深さの平均値を示す。
【0037】前記有機繊維フィラメントの異形断面形状
は、繊維強度の観点からいえば、繊維断面の外接円の面
積に対して、繊維断面の面積が50%以上程度であるこ
とが好ましく、あまり繊維断面の面積が小さくなると、
前記繊維断面の外周長さ、及び凹部の深さの条件を満た
していても、繊維強度が不十分となり、耐久性が低下す
る虞がでてくる。
【0038】図3(A)及び(B)は、前記有機繊維フ
ィラメントの異形断面形状の外接円の直径d0 と凹部の
深さdc とを具体的に示した概念図である。図3におい
て破線で示されるのが、繊維断面の外接円である。図3
(A)は外接円の直径d0 に対して、(1/8)d0
度の深さdc をもつ凹部が3箇所形成されている異形断
面形状を示す。また、図3(B)は外接円の直径d0
対して、(1/4)d 0 程度の深さdc をもつ凹部が3
箇所形成されている異形断面形状を示す。いずれもタイ
ヤ補強用コードを構成する有機繊維フィラメントとして
好適な例であるが、両者の対比において、同じ凹部の数
でも凹部の深さにより繊維断面の面積が大きく異なるこ
とがわかる。
【0039】前記異形断面形状を有する有機繊維フィラ
メントは、円形の断面形状を有する通常の繊維に比較し
てコーティングゴムとの間の接触面積を広くとることが
でき、繊維自体の太さや素材を大きく変えることなく接
着強度の向上を図ることができる。
【0040】本発明の中空有機繊維フィラメントを構成
する樹脂は、特に制限はなく、タイヤ補強用コードの使
用部位、所望の強度、弾性率、曲げ剛性、耐久性等の物
性を考慮して、適宜公知のタイヤ補強用コードに用いら
れるもののなかから選択されるが、一般的には、ポリエ
ステル、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリオ
レフィンケトン、レーヨンからなる群より選択される一
種以上であることが好ましい。有機繊維フィラメントを
構成する樹脂としては、具体的には、高強度ポリエステ
ル、アラミドと称される全芳香族ポリアミド、ポリアリ
レートと称される全芳香族ポリエステル、脂肪族ポリア
ミド(ナイロン)、レーヨン等が挙げられ、中でもタイ
ヤカーカスコードとしての耐久性、フィラメント形状コ
ントロールの容易性の観点からナイロン66、ナイロン
46等の脂肪族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト等が好ましい。その他にも、例えば、特開平9−32
4377号に記載の如き、下記一般式で示される繰り返
し単位を有する所謂ポリオレフィンケトン樹脂も好まし
く挙げられる。
【0041】
【化1】
【0042】式中、Aはエチレン性結合によって重合さ
れたエチレン性不飽和化合物由来の部分であり、各繰り
返し単位において同一でも異なってよい。
【0043】前記一般式で示される繰り返し単位からな
る樹脂は、高分子中の>C=O単位がオレフィン由来の
単位と交互に配列される重合体を表し、ここで用いうる
オレフィン由来の単位とは、具体的には、エチレン、プ
ロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オ
クテン、ノネン、デセン、ドデセン、スチレン、メチル
アクリレート、メチルメタクリレート、ビニルアセテー
ト、ウンデセン酸、ウンデセノール、6−クロロヘキセ
ン、N−ビニリピロリドン、スルホニルホスホン酸のジ
テチルエステル等が挙げられ、耐久性、耐熱性等の観点
からは、エチレンを主体とした共重合体、具体的には、
一酸化炭素/エチレン/プロピレン共重合体等が好まし
い。
【0044】前記異形断面形状を有する有機繊維フィラ
メントの製造方法としては、紡糸口金の孔形を異形断面
形状になるように工夫して変形させる方法が好適である
が、その他に、口金直下での融着を利用して変形させる
方法、複合糸の分割、後処理等によって変形させる方法
等で行ってもよい。
【0045】前記タイヤ補強用コードは、異形断面形状
を有する有機繊維フィラメントを撚り合わせて形成され
るが、コードの撚り構造、太さなどは公知のタイヤ補強
用コードの範囲で、目的に応じて適宜選択できるが、一
般的には、コードは2500デシテックス(dTex)
/2〜1000dTex/2程度であり、撚り構造は4
0×40〜20×20程度である。
【0046】前記タイヤ補強用コードは、カーカス層、
ベルト層及びベルト補強層の少なくとも1層に用いてタ
イヤを補強するが、タイヤの空気が抜けたとき、サイド
ウォールが折れ曲がるとカーカス層内周近傍には、特に
圧縮応力が働き、自己発熱により内部温度が特に高くな
るため、前記タイヤ補強用コードはカーカス層に用いる
ことが好適である。
【0047】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例を用いて説
明する。実施例、比較例に用いられる各種の評価方法は
次の通りである。 ・硬度はJIS Aで表され、JIS K6301−1
995に従って測定される。
【0048】・ランフラット耐久性は、空気入り安全タ
イヤを車体総重量2(t)の車に4輪装着し、内圧が大
気圧、速度が50(km/hr)の条件で走行テストを
行った。このとき、故障発生までの走行距離よりランフ
ラット耐久性を算出し、コントロール(比較例1)を1
00とした指数(ランフラット性能指数)で表した。数
値が大きい程、ランフラット耐久性は良好である。
【0049】(実施例1〜3)(比較例1〜4) 用いられる空気入り安全タイヤはタイヤサイズが205
/60R15、リムサイズが15×6JJの図3に示す
構造であり、カーカス(ボディプライ)層として、下記
表2に示す異形断面形状を有するポリエステル繊維によ
り構成された1100dTexの2本撚りのタイヤ補強
用コードをそれぞれ用いた打ち込み数が50本/5cm
の層を2枚用い(実施例1〜3、比較例2〜4)、三日
月状の補強ゴム層として、表1に従う配合で加硫後の硬
度が80°、最大厚みが7mmであるゴムを用い、ベル
ト層として、1×5構造で、その線径が0.25mmで
あるスチールコードを打込み数が40本/5cm、スチ
ールコード角度がタイヤ周方向に対し20°としたスチ
ールベルト層を2枚切り離し構造で用い、さらにベルト
補強層として、1400dTexの2本撚りのナイロン
コードを打込み数が40本/5cm、ナイロンコード角
度がタイヤ周方向に対して0°であるキャップレイヤー
構造で用いた。
【0050】さらに、カーカス層のタイヤ補強用コード
として、断面形状が円形であるポリエステル繊維により
構成された1100dTexの2本撚りのタイヤ補強用
コードを用いたタイヤを作製し、コントロール(比較例
1)とした。このようにして得られたタイヤのランフラ
ット耐久性を測定した。結果を表2に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】なお、前記各実施例における通常走行時
(タイヤ内圧3.0(Kgf/cm2))の耐久性を測
定したところ、すべて問題のないレベルであった。
【0054】表2に示されるように、カーカス層のタイ
ヤ補強用コードとして、異形断面状の空気入り安定タイ
ヤは内圧充填時の耐久性を維持しながら、ランフラット
耐久性に優れていることがわかる。
【0055】カーカス層のタイヤ補強用コードとして、
円形の断面形状を有する繊維により構成されたタイヤ補
強用コードを用いた場合(比較例1)及び、繊維断面の
外周円の周長さに対し繊維断面の周長さが長すぎる繊維
により構成されたコードを用いた場合(比較例3)には
ランフラット耐久性が悪化する。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明は、軽量化を実現
し、耐久性に優れた空気入りタイヤ、特に、内圧充填時
の通常走行性能を高レベルで維持しながら、軽量化を実
現し、従来の補強ゴム層を有する空気入り安全タイヤに
比べ、ランフラット走行性能が大幅に改善された空気入
り安全タイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 例示の空気入り安全タイヤの概略断面図であ
る。
【図2】(A)〜(I)は、異形断面形状を有する有機
繊維フィラメントの断面形状の例を示す概略断面図であ
る。
【図3】(A)、(B)は、異形断面形状を有する有機
繊維フィラメントの断面の外接円と断面の凹部との関係
を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 空気入り安全タイヤ 12 クラウン部 14 ビードフィラー 16 ビードリング 18 サイドウォール 20 折り返しカーカス層 20a 折り返しカーカス層本体 20b カーカス層折り返し部 22 ダウンカーカス層 24 ベルト層 26、28 ベルト補強層 30 トレッド部 32 三日月状補強ゴム層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D02G 3/48 D02G 3/48

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異形断面形状を有する有機繊維フィラメ
    ントを撚り合わせてなるタイヤ補強用コードで補強され
    た空気入りタイヤであって、該有機繊維フィラメントの
    異形断面形状が、該有機繊維フィラメントの断面の外周
    に接する外接円を描いたとき、該有機繊維フィラメント
    の断面の外周と該外接円の円周とが重ならない部分を少
    なくとも2つ有し、さらに該有機繊維フィラメントの断
    面の周長さをL、該断面の面積と等しい円の周長さをL
    0 としたとき、下記式(1)を満たす異形断面形状であ
    ることを特徴とする空気入りタイヤ。 【数1】 1.05≦(L/L0 )≦1.50 式(1)
  2. 【請求項2】 有機繊維フィラメントの異形断面形状
    が、有機繊維フィラメントのデニール数をD、及び有機
    繊維フィラメントの密度をρとしたとき、下記式(2)
    を満たす異形断面形状であることを特徴とする請求項1
    に記載の空気入りタイヤ。 【数2】 3.93×10×(D/ρ)1/2 ≦L≦5.61×10×(D/ρ)1/2 式(2)
  3. 【請求項3】 有機繊維フィラメントの異形断面形状
    が、外接円に対する、有機繊維フィラメントの断面の外
    周と外接円の円周とが重ならない部分の深さをdC 、外
    接円の直径をd0 としたとき、下記式(3)を満たす異
    形断面形状であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の空気入りタイヤ。 【数3】 (1/10)≦(dC /d0 )≦(1/3) 式(3)
  4. 【請求項4】 有機繊維フィラメントが、ポリエステ
    ル、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリオレフ
    ィンケトン、及びレーヨンからなる群より選択される1
    種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 空気入りタイヤが、空気入り安全タイヤ
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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