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JP2000191601A - メタクリル酸エステル誘導体及びその重合体並びにメタクリル酸エステル誘導体の製造方法 - Google Patents

メタクリル酸エステル誘導体及びその重合体並びにメタクリル酸エステル誘導体の製造方法

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Publication number
JP2000191601A
JP2000191601A JP10374630A JP37463098A JP2000191601A JP 2000191601 A JP2000191601 A JP 2000191601A JP 10374630 A JP10374630 A JP 10374630A JP 37463098 A JP37463098 A JP 37463098A JP 2000191601 A JP2000191601 A JP 2000191601A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
mmol
formula
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10374630A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisatoyo Kato
久豊 加藤
Hirokane Taguchi
裕務 田口
Kaoru Kimura
馨 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP10374630A priority Critical patent/JP2000191601A/ja
Publication of JP2000191601A publication Critical patent/JP2000191601A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】α−ヒドロキシメチルアクリル酸エステルおよ
びその誘導体を原料として有用な新規化合物を提供す
る。 【解決手段】下式[1A]又は[1B]で示されるメタク
リル酸エステル誘導体。 【化1】 【化2】 ただし、上式[1A]及び[1B]中のR1は水素原子又
はアルキル基を示し、R2及びR3は、それぞれアルキル
基を示し、R2及びR3は環を形成しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の新規なメタクリル酸
エステル誘導体は、重合性を有しており、各種化学材料
の合成原料として、或いは医薬又は農薬等の合成中間体
等として各種の用途に有用であり、本発明の重合体は金
属キレート形成材料等の各種化学材料として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸およびメタクリル酸の誘導体
は、重合性モノマー、あるいは、各種の化合物の合成中
間体として広く用いられてきた。これらの誘導体の一つ
であるα−ヒドロキシメチルアクリル酸エステルは、エ
ステル基のα位にヒドロキシメチル基を有するという構
造的な特徴から各種の用途展開が注目されてきた化合物
である。近年、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エステ
ルおよびその誘導体の高純度合成法[特開平5−173
75、7−285906、8−183758、8−30
1817、8−183755]、精製法[特開平9−6
7310]、保存方法[特開平9−136856]など
の技術が開示され、用途開発に関する期待はさらに高く
なってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、α−ヒドロ
キシメチルアクリル酸エステルおよびその誘導体を原料
として有用な新規な化合物を提供することを課題とする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、α−ヒドロ
キシメチルアクリル酸エステルと1,3−ジケトンとを
反応させることにより、新規なメタクリル酸エステル誘
導体が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、下式[1A]又は[1B]で示され
るメタクリル酸エステル誘導体及び前記メタクリル酸エ
ステル誘導体又はこれと他の共重合性単量体を重合して
得られる重合体並びに下式[2]で示されるメタクリル
酸誘導体と1,3−ジケトンとを塩基性化合物の存在下
で反応させることを特徴とする前記メタクリル酸エステ
ル誘導体の製造方法である。
【0005】
【化4】
【0006】
【化5】
【0007】ただし、上式[1A]及び[1B]中のR1
は水素原子又はアルキル基を示し、R2及びR3は、それ
ぞれアルキル基を示し、R2及びR3は環を形成しても良
い。
【化6】
【0008】(上式におけるXは脱離基であり、R1
水素原子又はアルキル基である。)
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 ○メタクリル酸エステル誘導体 本発明のメタクリル酸エステル誘導体は、前式[1A]
又は[1B]で表わされる。前式[1A]はケト型であ
り、前式[1B]はエノール型であり、これらはケト−
エノール型互変異性の関係にある。以下、上式1Aを例
にして説明する。上式[1A]において、R1は、水素
原子又はアルキル基である。好ましいアルキル基は、炭
素数1から18の直鎖状又は分枝状又は環状のアルキル
基である。好ましい具体例として、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、デシル基、ウンデシル基、テトラデシル
基、ステアリル基等の直鎖状アルキル基、iープロピル
基、iーブチル基、tーブチル基、2−エチルヘキシル
基などの分枝状アルキル基及びシクロヘキシル基、イソ
ボルニル基、アダマンチル基等の環状アルキル基があ
り、これらの中でも、エチル基、プロピル基、ブチル
基、iープロピル基、iーブチル基、tーブチル基、シ
クロヘキシル基がより好ましい。
【0010】R2及びR3は、それぞれ互いに環を形成し
得るアルキル基であり、好ましいアルキル基は炭素数1
から18の脂肪族又は芳香族置換基であり、それらは分
枝状でも良い。
【0011】一般式[1A]で表わされるメタクリル酸
エステル誘導体は、下記一般式[2]で示されるメタク
リル酸誘導体と1,3−ジケトンとを塩基性化合物の存
在下で反応させることにより、容易に製造することがで
きる。
【0012】
【化7】
【0013】一般式[2]において、Xは脱離基であ
る。好ましい脱離基は、水酸基、塩素原子、臭素原子、
よう素原子、アセチルオキシ基、モノクロロアセチルオ
キシ基、ジクロロアセチルオキシ基、トリフルオロアセ
チルオキシ基、2−クロロベンゾイルオキシ基、4−ニ
トロベンゾイルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、
ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニル
オキシ基であり、中でも水酸基、塩素原子、アセチルオ
キシ基、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニ
ルオキシ基及びp−トルエンスルホニルオキシ基がより
好ましい。前記一般式[2]で示されるメタクリル酸誘
導体は、予め調製したものを用いても、反応系内で調製
したものを用いても良い。
【0014】本発明における好ましい1,3−ジケトン
は、入手が容易であることから、アセチルアセトン、
2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,
5−ヘプタンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、
1,3−シクロヘキサンジオンおよびジメドン等であ
る。
【0015】1,3−ジケトンと前式[2]で示される
メタクリル酸誘導体との反応モル比率は、化学量論的に
は1:1であるが、1:5から5:1のモル比で反応さ
せても良い。ただし、モル比がこの範囲を超えた場合
は、生成物の単離精製が困難となるため好ましくない。
【0016】好ましい塩基性化合物は、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、水素化ナトリウム、金属ナトリウム、燐酸二ナトリ
ウム、燐酸三カリウム、n−ブチルリチウム、s−ブチ
ルリチウム、t−ブチルリチウム、n−ブチルマグネシ
ウムクロリド、s−ブチルマグネシウムクロリド、t−
ブチルマグネシウムクロリド、トリエチルアミン、ジイ
ソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルア
ミン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリ
ジン、テトラメチルエチレンジアミン及びジアザビシク
ロ[2.2.2]オクタン等であり、これらは単独ある
いは、二種以上を混合して用いることができる。
【0017】塩基性化合物の好ましい使用量は、前記一
般式[2]で示されるメタクリル酸誘導体に対して、
0.5当量から10当量、好ましくは、1当量から5当
量である。使用量がこれらの範囲以下である場合は、そ
の効果が不十分であり、使用量がこれらの範囲以上であ
る場合は、製造コストが高価となるため好ましくない。
【0018】一般式[2]で示されるメタクリル酸誘導
体と1,3−ジケトンとの反応(本反応)において、ト
リフェニルホスフィン、テトラブチルアンモニウムブロ
ミド、ヨウ化カリウムなどの公知のアルキル化触媒を加
えても良い。
【0019】本反応は、無溶媒又は溶媒中で行うことが
できる。好ましい溶媒は、本反応の進行を妨げるもので
なければ良く、ベンゼン、トルエン、ペンタン、シクロ
ヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニト
リル、N,Nージメチルホルムアミド、N,Nージメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、水およびこれらの混合溶媒である。
【0020】本反応における好ましい反応温度は、0℃
から150℃であり、好ましくは室温から120℃であ
る。反応温度が低すぎる場合は、反応の進行が遅く、反
応温度が高すぎる場合には、原料又は生成物の分解反応
が進行しやすくなる。
【0021】本反応における好ましい反応時間は、反応
条件にもよるが、通常30分から24時間である。
【0022】本反応で得られる一般式[1A]で示される
メタクリル酸エステル誘導体は、溶媒抽出、蒸留、再沈
殿、再結晶及び高速液体クロマトグラフィーなどの常法
により容易に単離・精製することができる。
【0023】○メタクリル酸エステル誘導体の重合体 つぎに、本発明のメタクリル酸エステル誘導体又はこれ
と他の共重合性単量体を重合して得られる重合体につい
て説明する。本発明の重合体は、前記一般式[1A]で示
されるメタクリル酸エステル誘導体を単独あるいは混合
して重合させるか、或いはこれらの誘導体と共重合可能
な化合物と共重合させることにより製造される。重合あ
るいは共重合の方法は特に限定されるものではなく、た
とえば、ラジカル開始剤を用いる方法、紫外線を用いる
方法、電子線を用いる方法、加熱による方法などの公知
の重合方法を用いることができる。
【0024】共重合可能な好ましい化合物は、アクリル
酸誘導体、メタクリル酸誘導体、スチレン誘導体などの
公知の重合性化合物であり、これらを一種又は二種以上
を用いることができる。なお、共重合する場合のモノマ
ー組成比は特に限定されるものではないが、全単量体の
内、一般式[1A]で示されるメタクリル酸エステル誘導
体を0.5mol%以上とすることが好ましく、2mol%以
上とすることがより好ましい。
【0025】好ましい重合度は、数平均分子量が1,0
00〜100,000である。
【0026】本発明のメタクリル酸エステル誘導体又は
これと他の共重合性単量体を重合して得られる重合体
は、重合反応終了後の粗生成物をそのまま使用してもよ
く、また、溶媒抽出、再沈殿などの常法で精製した後、
各種の用途に使用することができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0028】
【実施例1】エチルα−メチルスルホニルオキシメチル
アクリレートを用いて下式[3]で示される化合物(化
合物[3]という。以下、同様に式[i]で示される化
合物を化合物[i]という。但し、iは正の整数であ
る)を合成した。
【0029】
【化8】
【0030】具体的な合成法は以下の通りである。エチ
ルα−ヒドロキシメチルアクリレート24.5g(18
8mmol)およびトリエチルアミン42.8g(423mm
ol)のトルエン100g溶液に、−20℃でメタンスル
ホン酸クロリド23.7g(207mmol)のトルエン5
0g溶液を滴下し、氷冷下で1時間攪拌後、室温でさら
に16時間反応させ、一般式[2]におけるXがメチル
スルホニルオキシ基であり、R1がエチル基である化合
物を合成した。つぎに、ジメドン22.0g(157mm
ol)およびジアザビシクロ[2.2.2]オクタン1.
76g(15.7mmol)を加え、75℃で3時間攪拌し
た。放冷後、酢酸エチルで抽出し、0.5N塩酸および
水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、濃縮し、残さをアセトニトリルより再結晶すること
により、淡黄色結晶性の化合物25.2gを得た(収率
64%)。上記のようにして得た化合物は、1H−NM
RおよびIR分析により、化合物[3]であることが確
認された。
【0031】1H−NMRのケミカルシフトおよびIR
の吸収波数を以下に示した。 1H−NMR(CDCl3)δ:1.05(6H,s),1.33(3H,
t),2.20(2H,s),2.33(2H,s),3.23(2H,s),4.26(2H,q),6.1
0(1H,s),6.23(1H,s),9.80(1H,s) IR(KBr)cm-1:2960,2560,1720,1640,1550,135
0,1250,1210,1160,1050
【0032】
【実施例2】エチルα−アセチルオキシメチルアクリレ
ート(この化合物は一般式[2]におけるXがアセチル
オキシ基であり、R1がエチル基である化合物である)
を用いて化合物[3]を合成した。具体的な合成法は以
下の通りである。ジメドン1.68g(12.0mmol)
のテトラヒドロフラン35ml溶液に、炭酸ナトリウム
3.82g(36.0mmol)の水35ml溶液を加え
た。つぎに、エチルα−アセチルオキシメチルアクリレ
ート[合成法は、D.Avci, et al.,J.polym.Sci.,part
A:Polym.Chem.32,2937(1994)で開示され
ている]4.40g(25.8mmol)を滴下した。室温
で16時間反応させた後、酢酸エチルで抽出し、0.5
N塩酸および水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、濃縮し、残さをアセトニトリルより再結
晶することにより、淡黄色結晶性の化合物0.90gを
得た(収率30%)。上記のようにして得た化合物は、
1H−NMRおよびIR分析により、化合物[3]であ
ることが確認された。
【0033】
【実施例3】エチルα−ヒドロキシメチルアクリレート
を用いて化合物[3]を合成した。具体的な合成法は以
下の通りである。ジメドン3.00g(21.4)およ
び炭酸ナトリウム5.90g(55.7mmol)の水50
ml溶液に、エチルα−ヒドロキシメチルアクリレート
(この化合物は一般式[2]におけるXがヒドロキシ基
であり、R1がエチル基である化合物である。)6.6
9g(51.4mmol)を滴下した。70℃で6時間反応
させた後、酢酸エチルで抽出し、0.5N塩酸および水
で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精
製を行った後、残さをアセトニトリルから再結晶するこ
とにより、無色結晶性の化合物0.14gを得た(収率
3%)。上記のようにして得た化合物は、1H−NMR
およびIR分析により、化合物[3]であることが確認
された。
【0034】
【実施例4】エチルα−アセチルオキシメチルアクリレ
ートを用いて化合物[3]を合成した。具体的な合成法
は以下の通りである。ジメドン1.68g(12.0mm
ol)のテトラヒドロフラン50ml溶液に60%油性水
素化ナトリウム0.50g(12.5mmol)を加え、1
0分間攪拌後、エチルα−ヒドロキシメチルアクリレー
トの酢酸エステル2.20g(12.8mmol)を滴下し
た。室温で1時間攪拌後、再度、60%油性水素化ナト
リウム0.50g(12.5mmol)を加え、10分間攪
拌後、α−ヒドロキシメチルアクリレートの酢酸エステ
ル2.20g(12.8mmol)を滴下した。室温で16
時間反応させた後、酢酸エチルで抽出し、0.5N塩酸
および水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
による精製を行った後、残さをアセトニトリルから再結
晶することにより、無色結晶性の化合物0.45gを得
た(収率15%)。上記のようにして得た化合物は、1
H−NMRおよびIR分析により、化合物[3]である
ことが確認された。
【0035】
【実施例5】エチルα−メチルスルホニルオキシメチル
アクリレートを用いて下式[4]で示される化合物を合
成した。
【0036】
【化9】
【0037】具体的な合成法は以下の通りである。エチ
ルα−ヒドロキシメチルアクリレート60.0g(46
1mmol)およびトリエチルアミン105g(1.04m
ol)のトルエン150g溶液に、−20℃でメタンス
ルホン酸クロリド58.1g(507mmol)のトルエン
100g溶液を滴下し、氷冷下で1時間攪拌後、室温で
さらに16時間反応させ、一般式[2]におけるXがメ
チルスルホニルオキシ基であり、R1がエチル基である
化合物を合成した。つぎに、1,3−シクロヘキサンジ
オン43.0g(383mmol)およびジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン4.30g(38.3mmol)を
加え、75℃で3時間攪拌した。放冷後、酢酸エチルで
抽出し、0.5N塩酸および水で洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、残さをアセトニ
トリルより再結晶することにより、淡黄色結晶性の化合
物43.3gを得た(収率50%)。上記のようにして
得た化合物は、1H−NMRおよびIR分析により、化
合物[4]であることが確認された。
【0038】1H−NMRのケミカルシフトおよびIR
の吸収波数を以下に示し、1H−NMRのチャートを図
1に示した。 1H−NMR(CDCl3)δ:1.32(3H,t),1.91(2H,
m),2.32(2H,t),2.46(2H,m),3.21(2H,s),4.25(2H,q),6.1
1(1H,s),6.22(1H,s),9.90(1H,s) IR(KBr)cm-1:2960,2600,1710,1640,1570,136
0,1270,1250,1190,1070,1020
【0039】
【実施例6】エチルα−メチルスルホニルオキシメチル
アクリレートを用いて下式[5A]及び[5B]で示さ
れるケト−エノール異性体混合物を合成した。
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】 具体的な合成法は以下の通りである。エチルα−ヒドロ
キシメチルアクリレート60.0g(461mmol)、ハ
イドロキノン0.15gおよびトリエチルアミン105
g(1.04mol)のトルエン250g溶液に、−2
0℃でメタンスルホン酸クロリド58.1g(507mm
ol)のトルエン125g溶液を滴下し、氷冷下で1時間
攪拌後、室温でさらに16時間反応させた。つぎに、ア
セチルアセトン46.2g(461mmol)およびトリブ
チルホスフィン1.87g(9.24mmol)を加え、室
温一時間さらに65℃で3時間攪拌した。放冷後、酢酸
エチルで抽出し、0.1N塩酸および水で洗浄した。有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ハイドロキノン
0.2gを加えて溶解した。溶媒を濃縮後、減圧蒸留
(94−103℃、4mmHg)することにより、無色
液状の化合物18.4gを得た(収率19%)。上記の
ようにして得た化合物は、1H−NMRにより、上式
[5A]及び[5B]で示されるケト−エノール異性体
混合物(モル比9:11)であることが確認された。
【0042】1H−NMRのケミカルシフトを以下に示
した。 (ケト型異性体) 1H−NMR(CDCl3)δ:1.28(3H,t),2.22(6H,
s),2.83(2H,d),4.00(1H,t),4.17(2H,q),5.63(1H,s),6.2
1(1H,s) (エノール型異性体) 1H−NMR(CDCl3)δ:1.31(3H,t),2.06(6H,
s),3.25(2H,s),4.26(2H,q),5.44(1H,s),6.24(1H,s)
【0043】
【実施例7】t−ブチルα−メチルスルホニルオキシメ
チルアクリレートを用いて下式[6A]及び[6B]で
示されるケト−エノール異性体混合物を合成した。
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】具体的な合成法は以下の通りである。t−
ブチルα−ヒドロキシメチルアクリレート39.6g
(250mmol)、ハイドロキノン0.20gおよびトリ
エチルアミン63.2g(625mmol)のトルエン15
0g溶液に、−20℃でメタンスルホン酸クロリド3
4.4g(300mmol)のトルエン100g溶液を滴下
し、氷冷下で1時間攪拌後、室温でさらに16時間反応
させ、一般式[2]におけるXがメチルスルホニルオキ
シ基であり、R1がt−ブチル基である化合物を合成し
た。つぎに、アセチルアセトン12.0g(120mmo
l)およびトリブチルホスフィン2.83g(14.0m
mol)を加え、室温一時間さらに70℃で5時間攪拌し
た。放冷後、酢酸エチルで抽出し、水で洗浄した。有機
層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ハイドロキノン
0.2gを加えて溶解した。溶媒を濃縮後、減圧蒸留
(94−110℃、4mmHg)することにより、無色
液状の化合物3.24gを得た(収率5%)。上記のよ
うにして得た化合物は、1H−NMRにより、上式[6
A]及び[6B]で示されるケト−エノール異性体混合
物モル比1:1.1)であることが確認された。
【0047】1H−NMRのケミカルシフトを以下に示
した。 (ケト型異性体) 1H−NMR(CDCl3)δ:1.50(9H,s),2.20(6H,
s),2.80(2H,d),4.00(1H,t),5.57(1H,s),6.12(1H,s) (エノール型異性体) 1H−NMR(CDCl3)δ:1.54(9H,s),2.08(6H,
s),3.22(2H,s),5.36(1H,s),6.15(1H,s)
【0048】
【実施例8】t−ブチルα−メチルスルホニルオキシメ
チルアクリレートを用いて下式[7]で示される化合物
を合成した。
【0049】
【化14】
【0050】具体的な合成法は以下の通りである。t−
ブチルα−ヒドロキシメチルアクリレート1.90g
(12.0mmol)、トリエチルアミン2.73g(2
7.0mmol)のトルエン10g溶液に、0℃でメタンス
ルホン酸クロリド1.51g(13.2mmol)のトルエ
ン10g溶液を滴下し、0℃で1時間反応後、室温でさ
らに16時間反応させ、一般式[2]におけるXがメチ
ルスルホニルオキシ基であり、R1がt−ブチル基であ
る化合物を合成した。つぎに、1,3−シクロヘキサン
ジオン1.13g(10.1mmol)およびジアザビシク
ロ[2.2.2]オクタン0.45g(4.0mmol)を
加え、75℃で3時間攪拌した。放冷後、酢酸エチルで
抽出し、0.1N塩酸及び水で洗浄した。有機層を無水
硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、淡黄色結
晶性の化合物0.83gを得た(収率33%)。上記の
ようにして得た化合物は、1H−NMRにより、化合物
[7]であることが確認された。
【0051】1H−NMRのケミカルシフトおよびIR
の吸収波数を以下に示した。 1H−NMR(CDCl3)δ:1.46-1.52(9H,m),1.8
7-1.97(2H,m),2.33-2.43(4H,m),3.20(2H,s),6.02(1H,
s),6.13(1H,s),10.12(1H,br) IR(KBr)cm-1:3390,2950,2630,1700,1630,157
0,1360,1270,1220,1190,1140,1070,1010
【0052】
【実施例9】実施例5で得た本発明の化合物(化合物
[4])とメタクリル酸メチルとの共重合を行った。具
体的な合成法は以下の通りである。化合物[4]4.4
9g(20.0mmol)、メタクリル酸メチル5.00g
(49.9mmol)およびアゾビスイソブチロニトニル3
28mg(2.00mmol)のトルエン10gおよびN,
N−ジメチルホルムアミド5g溶液に、15分間窒素ガ
スを導入した後、65℃で3時間攪拌した。放冷後、反
応混合物をジエチルエーテル250mlに攪拌しながら
滴下し、生成した沈殿物を回収後、減圧乾燥した。収量
は2.02gであった。上記のようにして得た沈殿物
は、1H−NMR分析の結果、化合物[4]とメタクリ
ル酸メチルとの共重合体[モノマー組成比(化合物
[4]:メタクリル酸メチル)=1:5]であることを
確認した。上記のようにして得た共重合体の示差走査熱
量測定(DSC分析)によるガラス転移温度(Tg)は
74℃であった。また、ゲル浸透圧クロマトグラフィー
(GPC分析)による数平均分子量は6,100であっ
た。
【0053】
【実施例10】実施例6で得た本発明の化合物(化合物
[5A]及び化合物[5B])とスチレンとの共重合を
行った。具体的な合成法は以下の通りである。化合物
[5A]及び化合物[5B]のケト−エノール異性体混
合物2.13g(10.0mmol)、スチレン1.04g
(10.0mmol)およびアゾビスイソブチロニトニル8
2mg(0.50mmol)を60℃で3時間、さらに80
℃で3時間攪拌した。放冷後、反応混合物をジクロロメ
タン10mlに溶解し、n−ヘキサン150mlに攪拌
しながら滴下し、生成した沈殿物を回収後、減圧乾燥し
た。収量は1.84gであった。上記のようにして得た
沈殿物は、1H−NMR分析の結果、化合物[5A]及
び化合物[5B]のケト−エノール異性体混合物とスチ
レンとの共重合体[モノマー組成比(化合物[5A]及
び化合物[5B]のケト−エノール異性体混合物:スチ
レン)=1:12.4]であることを確認した。上記の
ようにして得た共重合体のDSC分析によるガラス転移
温度(Tg)は56℃であった。また、ゲル浸透圧クロ
マトグラフィー(GPC分析)による数平均分子量は
4,400であった。
【0054】
【実施例11】実施例8で得た本発明の化合物[7]と
スチレンとの共重合を行った。具体的な合成法は以下の
通りである。化合物[7]505mg(2.0mmol)、
スチレン3.47g(33.3mmol)およびアゾビスイ
ソブチロニトニル27mg(0.17mmol)を酢酸エチ
ル12gに溶解して15分間窒素をバブリングした後、
70℃で7時間攪拌した。放冷後、反応混合物をメタノ
ール450mlに攪拌しながら滴下し、生成した沈殿物
を回収後、減圧乾燥した。収量は0.63gであった。
上記のようにして化合物[7]とスチレンとの共重合体
を得た。上記のようにして得た共重合体のDSC分析に
よるガラス転移温度(Tg)は148℃であった(尚、
スチレンの単独重合体は91℃であり、化合物[7]の単
独重合体は88℃である。)。また、ゲル浸透圧クロマ
トグラフィー(GPC分析)による数平均分子量は1
8,600であった。
【0055】
【発明の効果】本発明の新規なメタクリル酸エステル誘
導体は、重合性を有しており、各種化学材料の合成原料
として、或いは医薬又は農薬等の合成中間体等として各
種の用途に有用であり、本発明の重合体は金属キレート
形成材料、耐熱性材料等の各種化学材料として有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5で得られた化合物の1H−NMRチャ
ートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB46 AB82 AB84 AC24 AC44 BA02 BA28 BA32 BA51 BA69 BA92 BB11 BB12 BB20 BB21 BB24 BB31 BC10 BR10 BT12 4J100 AL31P AL31Q BA03P BA11P BA12Q BC23P CA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式[1A]又は[1B]で示されるメタク
    リル酸エステル誘導体。 【化1】 【化2】 ただし、上式[1A]及び[1B]中のR1は水素原子又
    はアルキル基を示し、R2及びR3は、それぞれアルキル
    基を示し、R2及びR3は環を形成しても良い。
  2. 【請求項2】上式[1A]又は[1B]で示されるメタク
    リル酸エステル誘導体又はこれと他の共重合性単量体を
    重合して得られる重合体。
  3. 【請求項3】下式[2]で示されるメタクリル酸誘導体
    と1,3−ジケトンとを塩基性化合物の存在下で反応さ
    せることを特徴とする請求項1記載のメタクリル酸エス
    テル誘導体の製造方法。 【化3】 (上式におけるXは脱離基であり、R1は水素原子又は
    アルキル基である。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1359173A1 (en) * 2002-04-29 2003-11-05 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Polymerizable solid compositions
JP2016099482A (ja) * 2014-11-20 2016-05-30 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法

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EP1359173A1 (en) * 2002-04-29 2003-11-05 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Polymerizable solid compositions
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