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JP2000191235A - ワインダ―における巻取方法及び巻取装置 - Google Patents

ワインダ―における巻取方法及び巻取装置

Info

Publication number
JP2000191235A
JP2000191235A JP10372140A JP37214098A JP2000191235A JP 2000191235 A JP2000191235 A JP 2000191235A JP 10372140 A JP10372140 A JP 10372140A JP 37214098 A JP37214098 A JP 37214098A JP 2000191235 A JP2000191235 A JP 2000191235A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
package
winding
winds
yarn
dangerous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10372140A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Ohashi
健二 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Machinery Ltd filed Critical Murata Machinery Ltd
Priority to JP10372140A priority Critical patent/JP2000191235A/ja
Publication of JP2000191235A publication Critical patent/JP2000191235A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 綾振ドラムを使用した巻取装置であっても、
リボンレスを達成することができるワインンダーの巻取
方法及び巻取装置を提供する。 【解決手段】 糸の綾振り溝を有して回転する綾振ドラ
ム7の表面にパッケージPを接触させて糸を巻き取り、
パッケージ径の増大と共に所定のパッケージ・危険ワイ
ンド数に近づくと、パッケージPを綾振ドラム7と非同
期で回転させ、前記非同期の巻き取りを続けた後に前記
非同期の状態を解除することで前記パッケージ・危険ワ
インド数を回避する。そのため、パッケージ・危険ワイ
ンド数に近づいたパッケージ径を検出する検出手段21
と、この検出手段21の信号により前記パッケージに対
して制動を作用させ、パッケージ・危険ワインド数を越
えるところで解除される制動手段22と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸の綾振り溝を有
して回転する綾振ドラムの表面にパッケージを接触させ
て糸を巻き取るワインンダーの巻取方法及び巻取装置に
関し、特にリボン巻きを防止するものに関する。
【0002】
【従来の技術】リング精紡機などの精紡機で生産された
給糸ボビンは次工程のワインダーに供給されて巻きなお
され、糸中の糸欠点が除去されつつ、所定の糸量で所定
の形状のパッケージに巻き返される。一個のパッケージ
を得るのに通常数本〜数十本の給糸ボビンが使われる。
このワインダーには、糸の綾振り溝を有して回転する綾
振ドラムの表面にパッケージを接触させて糸を巻き取る
巻取装置が備えられている。
【0003】この綾振ドラムを使用した巻取装置では、
パッケージの綾角が一定であるため、パッケージ径の増
大と共に、パッケージ・ワインド数が徐々に減少してい
く。ここで、パッケージ・ワインド数とはリボン巻き発
生を示す指数であり、糸がパッケージ巾Sの二倍の距離
を何回折り返すかで表される。例えば図8(a)の状態
がパッケージ・ワインド数1に近い状態である。
【0004】このパッケージ・ワインド数が整数倍又は
整数分の一になると、綾振ドラムの綾振り周期とパッケ
ージの巻取周期とが同調し、パッケージに巻き取られる
糸が同じ所に集まってリボン状に巻かれるリボン巻きが
発生する。綾振ドラムを使用した巻取装置では、パッケ
ージ・ワインド数が徐々に減少していくため、パッケー
ジ・ワインド数が整数倍又は整数分の一になって大きな
リボン巻きが発生してしまう。
【0005】このため、綾振ドラムを使用した巻取装置
に対する種々のリボン巻き防止手段が提案されている。
巻取中に、パッケージに交番的な制動力を付与したり、
又は綾振ドラムの駆動モータをオンオフして、綾振ドラ
ムとパッケージの間に周期的なスリップを生じさせ、綾
振りする糸の糸道を分散させるディスターブというリボ
ン巻き防止手段が採用されている。また、このディスタ
ーブをワインド数が整数倍又は整数分の一になる部分に
だけ作動させるリボン巻き防止手段も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ディス
ターブによるリボン巻き防止手段は、一か所に集中しよ
うとする糸道を分散させることにより、リボン巻きの集
中を防止するだけであって、リボン巻きそのものを無く
すリボンレスの手段ではない。
【0007】紡糸巻取機のように、綾振ドラムによる綾
振りではなく、別途のトラバース装置で綾振りを行う巻
取装置においては、リボン巻きが発生しないパッケージ
・ワインド数を保つパッケージ・ワインド数一定の巻取
を行い、パッケージ径の増大とともに綾角が減少する
と、綾角を所定値に戻すような新たなパッケージ・ワイ
ンド数にジャンプさせるリボンレスの巻取手段が採用さ
れている。しかしながら、綾振ドラムを使用した巻取装
置では、綾角が実質的に固定されるため、パッケージ・
ワインド数一定の巻取とトラバースジャンプを組み合わ
せたリボンレスの巻取手段を採用できない。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、綾振ドラム
を使用した巻取装置であっても、リボンレスを達成する
ことができるワインンダーの巻取方法及び巻取装置を提
供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1の発明は、糸の綾振り溝を有して回転する綾振ドラ
ムの表面にパッケージを接触させて糸を巻き取るワンイ
ンダーにおいて、パッケージ径の増大と共に所定のパッ
ケージ・危険ワインド数に近づくと、前記パッケージを
前記綾振ドラムと非同期で回転させ、前記非同期の巻き
取りを続けた後に前記非同期の状態を解除することで前
記パッケージ・危険ワインド数を回避することを特徴と
するワインダーにおける巻取方法である。
【0010】所定のパッケージ・危険ワインド数に近づ
き、パッケージを綾振ドラムと非同期で回転させると、
パッケージ・ワインド数がパッケージ・危険ワインド数
から離れた所にシフトする。パッケージの回転が遅くな
ると、パッケージ・ワインド数が下がり、パッケージ・
危険ワインド数を一気に通過する。パッケージの回転が
早くなると、パッケージ・ワインド数が上がり、パッケ
ージ・危険ワインド数迄の余裕が増える。このパッケー
ジ・危険ワインド数からシフトしたパッケージ・ワイン
ド数の巻取を続け、前記パッケージを前記綾振ドラムと
の非同期を解除して同期する状態に戻すと、パッケージ
・危険ワイント数から離れたパッケージ・ワインド数に
なる。パッケージの回転を遅くした後元に戻すと、パッ
ケージ・ワインド数が上がるが、パッケージ・危険ワイ
ンド数を過ぎている。パッケージの回転を早くした後元
に戻すと、パッケージ・ワインド数が下がるが、パッケ
ージ・危険ワインド数を一気に通過する。このように、
非同期にするとき、又は非同期から同期に戻すときに、
パッケージ・危険ワインド数をジャンプすることで、リ
ボン巻きを実質的にゼロにすることができる。なお、所
定のパッケージ・危険ワインド数とは、パッケージ・ワ
インド数が整数倍又は整数分の一になることであり、例
えばパッケージ・ワインド数が1.5や1.0になると
きである。
【0011】請求項2の発明は、前記非同期の回転が、
前記パッケージを前記綾振ドラムの表面でスリップさせ
ることにより行われる請求項1記載のワインダーにおけ
る巻取方法である。
【0012】パッケージの綾振ドラムに接触して回転し
ているため、パッケージの回転にブレーキを掛けると、
スリップが大きくなってパッケージの回転が遅れる非同
期運転となる。そして、パッケージ・ワインド数が減少
する時に、パッケージ・危険ワインド数を一気に通過す
るジャンプが行われる。また、パッケージの回転に作用
させているブレーキを開放すると、非同期状態も解除さ
れる。この解除のとき、ワインド数が増加してパッケー
ジ・危険ワインド数に近づくが、既にパッケージ・危険
ワインド数を過ぎた時点となっている。
【0013】請求項3の発明は、前記非同期の期間は、
パッケージ・危険ワインド数の前の区間がパッケージ・
危険ワインド数の後の区間より長くなるように定められ
る請求項2記載のワインダーにおける巻取方法である。
【0014】パッケージ・危険ワインド数に近づくと、
図8(a)のように糸同志が接近していき、パッケージ
・危険ワインド数から離れると、図8(c)のように糸
同志が離れていく。糸同志が接近する場合の方が、糸の
解舒時に引っ掛かり易いため、パッケージ・危険ワイン
ド数から離す非同期の区間を、パッケージ・危険ワイン
ド数の前の区間で長くし、糸同志の接近間隔を出来るだ
け広く保つ。
【0015】請求項4の発明は、前記パッケージの前記
綾振ドラムに対する接圧は、前記非同期の回転が始まる
とその前の同期の期間より下げられる請求項2記載のワ
インダーにおける巻取方法である。
【0016】パッケージの綾振ドラムに対する接圧を下
げると、パッケージが綾振ドラムの表面でスリップし易
くなる。
【0017】請求項5の発明は、糸の綾振り溝を有して
回転する綾振ドラムの表面にパッケージを接触させて糸
を巻き取るワンインダーにおいて、パッケージ・危険ワ
インド数に近づいたパッケージ径を検出する検出手段
と、この検出手段の信号により前記パッケージに対して
制動を作用させ、パッケージ・危険ワインド数を越える
ところで解除される制動手段と、を備えるワインダーに
おける巻取装置である。
【0018】パッケージ径を検出すると、綾振ドラム径
とドラム・ワインド数から、パッケージ・ワインド数が
求められる。パッケージ・ワインド数が整数倍又は整数
分の一になるパッケージ・危険ワインド数に近づいたこ
とを検出すると、綾振ドラムに接触して回転するパッケ
ージに制動手段により制動を掛けると、パッケージがス
リップし回転が遅くなってパッケージ・ワインド数が減
少し、パッケージ・危険ワインド数を通過する。パッケ
ージ・危険ワインド数を越える所定のパッケージ径であ
って、ブレーキによるスリップがなくなった場合に、パ
ッケージ・危険ワインド数を下回るパッケージに至ると
制動手段が解除されて通常の巻取に復帰する。
【0019】請求項6の発明は、前記制動手段が作動す
ると、作動前に比較して前記パッケージの前記綾振ドラ
ムに対する接圧を下げる接圧低減手段が備えられる請求
項5記載のワインダーにおける巻取装置である。
【0020】接圧低減手段がパッケージの接圧を下げる
と、スリップが生じやすくなる、制動手段によるパッケ
ージ回転の低下の巾が広がる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の巻取装置が
適用されるワインダーの機器構成図である。まず、巻取
装置の構成を説明し、つぎに巻取方法を説明する。
【0022】ワインダーのうち特に自動ワインダーと呼
ばれるものは、多数のワインディングユニットを並設し
て構成される。図1には、一つのワインディングユニッ
トの機器構成が図示される。
【0023】図1のワインディングユニットUは、給糸
ボビン1から解舒され引き出された糸Yが、バルーンガ
イド2、糸の有無を検出する光学的フィラー3、カッタ
ー4、手動調整のディスク型テンサー5、クリアラー6
の如く糸欠点をチェックして切断する糸欠点検出ヘッド
を通り、綾振ドラム7に接触して回転するパッケージP
に巻き取られる構成になっている。このパッケージPは
その紙管8の両端においてクレードル9に回転自在に支
持される。
【0024】綾振ドラム7を駆動するモータ16はユニ
ットコントローラ11で制御され、綾振ドラム7の回転
はドラム回転センサ17で検出され、センサ17からの
パルス信号をユニットコントローラ11が計数・積算す
る。この積算値は、多数錘のユニットコントローラ(巻
取装置)Uを統括制御する制御装置18による設定値と
比較され、所定の糸長のパッケージになると、綾振ドラ
ム7を停止させ、グリーンランプ19が点灯し、玉揚装
置による玉揚を待つ待機状態となる。
【0025】これらの機器のうち、綾振ドラム7、クレ
ードル9、モータ16、ユニットコントローラ11等が
巻取装置を構成する。リボンレスの巻取を行うため、こ
の巻取装置には、パッケージPの径の増大に対応したク
レードル9の揺動角を検出し、検出信号をユニットコン
トローラ11に送信するパッケージ径検出手段21と、
クレードル9に設けられ、パッケージPの回転に制動を
付与する制動手段22と、クレードル9に設けられ、パ
ッケージPに対する接圧を減少させる接圧低減手段23
と、が備えられている。制動手段22は、ユニットコン
トローラ11で制御される電磁弁24で制動又は解除に
切り換えられる。
【0026】綾振ドラム7の詳細が図2に示される。綾
振ドラム7の表面に綾振り溝7aが刻設されている。綾
振ドラム7の表面に接触するパッケージPは、綾振り溝
7aで案内され往復動する糸を巻き込んでいく。この綾
振ドラム7のドラム・ワインド数WDは、1.5、2.
0、2.5等種々のものがある。図示例は、ドラム・ワ
インド数WDが2.0のものである。
【0027】パッケージPの巻径をdとし、綾振ドラム
7の直径をDとし、ドラム・ワインド数がWDであり、
パッケージPと綾振ドラム7との間に通常許容される0
〜数%のスリップしかないとすると、パッケージ・ワイ
ンド数WPは、以下の式で表される。 WP=WD×(D/d)・・・・(1)式
【0028】例えば、綾振ドラム7の直径Dが100m
mであり、ドラム・ワインド数WDが2.5であるす
る。すると、図7に示されるように、パッケージ・ワイ
ンド数WPが2.0となるのは、パッケージ径が125
mmのときであり、パッケージ・ワインド数WPが1.
5となるのは、パッケージ径が167mmのときであ
り、パッケージ・ワインド数WPが1.0となるのは、
パッケージ径が250mmのときである。普通の大きさ
のパッケージPを巻き形成する場合に問題になる危険ワ
インド数は、1.5又は1.0である。
【0029】図7において、パッケージ・危険ワインド
数1.5に至る手前のパッケージ・ワインド数1.56
はパッケージ径160mmであり、パッケージ・危険ワ
インド数1.5を通過した後のパッケージ・ワインド数
1.47はパッケージ径170mmになる。同様に、パ
ッケージ・危険ワインド数1.0に至る手前のパッケー
ジ・ワインド数1.04はパッケージ径240mmであ
り、パッケージ・危険ワインド数1.0を通過した後の
パッケージ・ワインド数0.99はパッケージ径253
mmになる。
【0030】このようなパッケージPの径を検出するパ
ッケージ径検出手段21の詳細が図3に示される。パッ
ケージPを回転自在に支持するクレードル9は、軸25
を支点として揺動自在である。パッケージ径検出手段2
1は、この軸25と、軸25に嵌入されたカムレバー2
6と、このカムレバー26で作動するスイッチ27とか
らなる。カムレバー26は、軸25から見て放射状に突
出した第1カム部29及び第2カム部30を有してい
る。この第1カム部29及び第2カム部30が通過する
部分にスイッチ27として近接スイッチが固設されてい
る。パッケージ径が増大し、第1カム部29が近接スイ
ッチを横切り始め、近接スイッチ27がオンになり(第
1検出状態)、第1カム部29が近接スイッチを横切り
終わると、近接スイッチ27がオフになる(第2検出状
態)。更にパッケージ径が増大すると、第2カム部30
が近接スイッチを横切り始め、近接スイッチ27がオン
になり(第3検出状態)、第2カム部30が近接スイッ
チを横切り終わると、近接スイッチ27がオフになる
(第4検出状態)。
【0031】図7において、前記第1検出状態は、パッ
ケージ・危険ワインド数1.5に至る手前のパッケージ
径160mmを検出する状態であり、前記第2検出状態
は、パッケージ・危険ワインド数1.5を越えた後のパ
ッケージ径170mmを検出する状態であり、前記第3
検出状態は、パッケージ・危険ワインド数1.0に至る
前のパッケージ径240mmを検出する状態であり、前
記第4検出状態は、パッケージ・危険ワインド数1.0
を越えた後のパッケージ径253mmを検出する状態で
ある。
【0032】なお、パッケージ径検出手段としては、パ
ッケージPを支持するクレードル9の揺動角を検出する
手段に限らず、パッケージを形成する糸長からパッケー
ジ径を算出する手段であってもよい。
【0033】図4は、クレードル9の大径側ボビンホル
ダに設けられた制動手段22を示している。コーン状の
紙管8の大径側が嵌まるボビンホルダ35は固定軸36
に対して軸受を介して回転自在に支持されている。制動
手段22は、固定軸36の軸心方向で摺動自在な中心軸
37と、中心軸37のボビンホルダ35側に設けられた
ブレーキシュー38と、中心軸37の反ボビンホルダ3
5側の大径筒部36a内に設けられたピストン39と、
中心軸37の反ボビンホルダ35側のキャップ40とピ
ストン39との間に設けられた押しバネ41とからな
る。ポート42から、ピストン39とシリンダとしての
大径筒部36aで区画される作動室43内に、所定圧の
空気を導入すると、ブレーキシュー38は図面右方向に
移動し、ボビンホルダ35の摺動面35aに当たって、
前記所定の空気圧で決まる制動力を紙管8即ちパッケー
ジの回転に対して発生させる。その結果、綾振ドラムと
パッケージとの間のスリップが通常より大きくなる。
【0034】図5は、クレードル9の小径側ボビンホル
ダに設けられた制動手段22′を示している。この小径
側ボビンホルダには、玉揚時のパッケージを急停止させ
るための制動手段22′が設けられており、大きな空気
圧を作用させると、本来の急制動になり、小さい空気圧
を作用させると、綾振ドラムとパッケージとの間のスリ
ップが通常より大きくなる、急停止手段と制動手段の兼
用である。小径側のボビンホルダ45は、クレードル9
に取り付けられた固定の筒体46に対して軸受を介して
回転する回転軸47に固定されている。この回転軸47
の反ボビンホルダ側にブレーキシュー48が固設されて
いる。このブレーキシュー48への当たり面49aを有
するピストン49が筒体46内に収容されている。この
ピストン49と筒体46の蓋体50との間に作用室51
が形成されている。ポート52から作用室51に高圧空
気を導入すると、急停止用の制動となり、ポート52か
ら作用室51に低圧空気を導入すると、スリップ増大用
の制動になる。高圧空気と低圧空気の切換は、電磁弁5
3,54により行われる。
【0035】なお、前述した制動手段は、綾振ドラム7
に対するパッケージPのスリップを通常運転時の0〜数
%に加えて、5〜10%スリップさせることにより、パ
ッケージPと綾振ドラム7とを非同期で回転させるもの
である。
【0036】接圧低減手段23は、図3に示されるよう
に、クレードル9の揺動と共に回転する軸25と、軸2
5に嵌入されたレバー55と、レバー55の先端に取り
付けられたカムローラ56を押すレバー57と、レバー
57を押圧方向に引き込むバネ58とからなる。図6
(a)に示されるように、レバー55のローラ56が当
たる部分は、軸25の中心Oと同心円弧の第1段傾斜部
59と、より半径が大きな同心円弧の第2段傾斜部60
と、更に半径が大きな同心円弧の第3段傾斜部61とを
有している。傾斜部が59→60に移行する曲線59a
のところで、接圧が一段下がり、更に傾斜部が60→6
1に移行する曲線60aのところで、接圧がもう一段下
がる。これらの一段下がりのところが、パッケージ・ワ
インド数1.5又は1.0の手前に対応しており、ここ
からパッケージに制動を掛けてスリップを増大させる。
そのため、綾振ドラムに対するパッケージのスリップ増
大が確実に実現できる。
【0037】図1に戻り、ワインディングユニットの巻
取装置以外の部分の機器の説明を以下に行う。糸信号を
検出するクリアラー6からの信号はユニットコントロー
ラ11に入力される。ユニットコントローラ11は、ス
ラブ、太糸、細糸などの糸欠点があった時、クリアラー
6に内蔵されたカッターによりその糸を直ちに切断す
る。その後にサクションマウス13をパッケージP側に
回動させ、同時にドラム7を逆回転させて上糸を捕捉し
糸欠点を除去し、サクションマウス13を図示の下方に
回動させて上糸を糸継装置15に案内する。また中継パ
イプ14をフィラー3付近まで回動させ、フィラー3ま
で通っている下糸を捕捉し、中継パイプ14を図示の上
方に回動させて下糸を糸継装置15に案内する。そし
て、糸継装置15で上糸と下糸を糸継ぎした後、綾振ド
ラム7を回転させて巻取を再開するようになっている。
【0038】フィラー3は糸無しを検出してユニットコ
ントローラ11に糸無し信号を出力する。給糸ボビン1
が全部解舒され空ボビンになると、フィラー3が糸無し
信号を出力すると共に、糸欠点を検出するクリアラー6
の糸信号も出力されなくなる。このように空ボビンが検
知されると、ユニットコントローラ11は、ボビンチェ
ンジの指令を出力し、空ボビンが排出され新たな給糸ボ
ビン1が巻取位置に供給される。この新たな給糸ボビン
1の口出しされた糸端はフィラー3付近まで吹き上げら
れ、上述したサクションマウス13及び中継パイプ14
の作動により糸継装置15で糸継ぎされ、新たな給糸ボ
ビン1の巻取が開始される。
【0039】つぎに、上述した糸の巻取装置による糸の
巻取方法を図7及び図8によりに説明する。図7は、ド
ラム・ワインド数WDが2.5で、直径が100mmの
綾振ドラム7を使用した場合の巻取方法を示している。
パッケージ径125mmでパッケージ・危険ワインド数
が2.0になるが、糸層が薄いため実用上問題になら
ず、そのまま通過させる。巻取を続けると、パッケージ
径とパッケージ・ワインド数との関係は一次直線とな
る。パッケージ・ワインド数が1.5となる前のパッケ
ージ径160mmを検出すると、パッケージPに制動を
掛け、パッケージPをスリップさせる。このスリップ率
を例えば9%とすると、綾振ドラム7の径が9%小さく
なったのと同等になり、パッケージ・ワインド数は1.
42に飛び、パッケージ・危険ワインド数1.5を一気
に通過する。スリップを掛けた巻取をパッケージ径が1
70mmになるまで続け、パッケージPに対する制動を
解除する。すると、一次直線に復帰するが、その時のパ
ッケージ・ワインド数が1.47であり、パッケージ・
危険ワインド数1.5まで戻らない。また、パッケージ
・危険ワインド数が1.0の場合も、パッケージ・危険
ワインド数が1.5の場合と同様のことが行われる。
【0040】パッケージPに制動を掛ける前後の糸の状
態を図8により説明する。パッケージ・危険ワインド数
に至る手前の状態が図8(a)に示される。糸は、Y1
→Y2→Y3→Y4と間隔eを狭めながら、糸が巻かれ
ていく。このように間隔eが狭くなる巻取においては、
糸がパッケージの解舒時に糸同志が引っ掛かり易い。図
8(b)のように、パッケージ・危険ワインド数を過ぎ
た後は、糸は、Y11→Y12→Y13→Y14と間隔
eを広めながら、巻かれていく。また、パッケージの制
動を解除した場合でも、パッケージ・危険ワインド数を
通過しているかめ、図8(c)のように、糸は、Y21
→Y22→Y23→Y24と間隔eを広めながら、巻か
れていく。このように間隔eが広くなる巻取において
は、パッケージの解舒時に糸同志が引っ掛かり難い。そ
のため、図7において、パッケージ・危険ワインド数の
前の区間a,cが、後の区間b,dより長くなってい
る。これにより、パッケージPの回転に制動を掛ける区
間が短くなり、回転数低下による生産性の低下を極力少
なく出来る。
【0041】
【実施例】つぎに、具体的実験例を図により説明する。
図1で示されるワインディングユニットを使用し、綿糸
Ne40の給糸ボビンを糸継ぎしながら、パッケージ径
250mmのパッケージを巻き形成し、以下の条件で、
本発明例のパッケージと比較例のパッケージを得た。
【0042】−本発明例− パッケージ径235mmから247mmの間でパッケー
ジに制動を掛け、パッケージ・危険ワインド数1.0を
回避し、パッケージ径250mmのパッケージを得た。
【0043】なお、パッケージPと綾振ドラム7の非同
期で回転は、パッケージPの減速方向のスリップに限ら
ず、パッケージPに転接するモータ等を用いパッケージ
Pを増速方向にスリップさせるものであってもよい。
【0044】−比較例− パッケージ径230mmから250mmの間で、綾振ド
ラムのモータをオンオフさせるディスターブを施し、パ
ッケージ径250mmのパッケージを得た。
【0045】なお、綾振ドラム・ワインド数は2.5で
あり、ドラム径が98mmのテーパーコーンドラムであ
るため、パッケージ・危険ワインド数1.0はパッケー
ジ径245mm付近である。そして、コーン状の小径側
から250mm離れた点で毎分1500mの高速解舒を
行い、糸切れの発生を測定した。その結果が図9に示さ
れる。図9(a)の本発明例では、糸切れは発生してい
ない。しかし、図9(b)の比較例では、パッケージ・
危険ワインド数1.0の前後で10回も糸切れが発生し
ている。なお、糸切れの間の間隔は糸継ぎのための空白
時間である。
【0046】
【発明の効果】請求項1の発明によると、パッケージ・
危険ワインド数をパッケージと綾振ドラムの同期から非
同期又は非同期から同期の切り換わり時に、パッケージ
・危険ワインド数を一気に通過させるため、リボン巻き
を実質的にゼロにすることができる。
【0047】請求項2の発明によると、パッケージを綾
振ドラムとの非同期及びその解除を簡単に行うことがで
きる。
【0048】請求項3の発明によると、パッケージ・危
険ワインド数に近づいて、解舒しにくい区間を出来るだ
け手前から外すため、パッケージの糸の解舒性をより向
上させることができる。
【0049】請求項4の発明によると、パッケージの綾
振ドラム表面でのスリップが、接圧減少によって容易に
得ることができる。
【0050】請求項5の発明によると、制動手段がパッ
ケージのスリップを生じさせることにより、パッケージ
・危険ワインド数を一気に通過させ、解除手段がスリッ
プを無くしてもパッケージ・危険ワインド数を下回る所
に戻すため、簡単な機器構成でパッケージ・危険ワイン
ド数を回避してリボン巻きを実質的にゼロにすることが
できる。
【0051】請求項6の発明によると、接圧低減手段に
よってスリップの巾が広がり、制動手段によるパッケー
ジ・危険ワインド数の回避が確実にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巻取装置が適用されるワインダの機器
構成図である。
【図2】綾振ドラムの正面図である。
【図3】パッケージ径検出手段の構造を示す側面図であ
る。
【図4】パッケージの大径側の制動手段の構造を示す断
面図である。
【図5】パッケージの小径側の制動手段の構造を示す断
面図である。
【図6】接圧低減手段の構造と作動を示す図である。
【図7】本発明のワインダーにおける巻取方法を示すグ
ラフ図である。
【図8】本発明のワインダーにおける巻取方法の糸の状
態を示す図である。
【図9】パッケージの高速解舒実験の結果を示すグラフ
図である。
【符号の説明】
7 綾振ドラム 7a綾振り溝 21 パッケージ径検出手段 22 制御手段 23 接圧低減手段 U ワインディングユニット(巻取装置) P パッケージ WD ドラム・ワインド数 WP パッケージ・ワインド数

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸の綾振り溝を有して回転する綾振ドラ
    ムの表面にパッケージを接触させて糸を巻き取るワンイ
    ンダーにおいて、パッケージ径の増大と共に所定のパッ
    ケージ・危険ワインド数に近づくと、前記パッケージを
    前記綾振ドラムと非同期で回転させ、前記非同期の巻き
    取りを続けた後に前記非同期の状態を解除することで前
    記パッケージ・危険ワインド数を回避することを特徴と
    するワインダーにおける巻取方法。
  2. 【請求項2】 前記非同期の回転は、前記パッケージを
    前記綾振ドラムの表面でスリップさせることにより行わ
    れる請求項1記載のワインダーにおける巻取方法。
  3. 【請求項3】 前記非同期の期間は、パッケージ・危険
    ワインド数の前の区間がパッケージ・危険ワインド数の
    後の区間より長くなるように定められる請求項2記載の
    ワインダーにおける巻取方法。
  4. 【請求項4】 前記パッケージの前記綾振ドラムに対す
    る接圧は、前記非同期の回転が始まるとその前の同期の
    期間より下げられる請求項2記載のワインダーにおける
    巻取方法。
  5. 【請求項5】 糸の綾振り溝を有して回転する綾振ドラ
    ムの表面にパッケージを接触させて糸を巻き取るワンイ
    ンダーにおいて、パッケージ・危険ワインド数に近づい
    たパッケージ径を検出する検出手段と、この検出手段の
    信号により前記パッケージに対して制動を作用させ、パ
    ッケージ・危険ワインド数を越えるところで解除される
    制動手段と、を備えるワインダーにおける巻取装置。
  6. 【請求項6】 前記制動手段が作動すると、作動前に比
    較して前記パッケージの前記綾振ドラムに対する接圧を
    下げる接圧低減手段が備えられる請求項5記載のワイン
    ダーにおける巻取装置。
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Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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