JP2000187786A - 火災検出装置及び火災検出装置における汚れ補償方法 - Google Patents
火災検出装置及び火災検出装置における汚れ補償方法Info
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- JP2000187786A JP2000187786A JP10365785A JP36578598A JP2000187786A JP 2000187786 A JP2000187786 A JP 2000187786A JP 10365785 A JP10365785 A JP 10365785A JP 36578598 A JP36578598 A JP 36578598A JP 2000187786 A JP2000187786 A JP 2000187786A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 試験光を用いた感度補正による汚れ補償の精
度向上を図る。 【解決手段】 試験光放射用の発光器25を透光性カバ
ー23の内側に設け、透光性カバー23からの試験光3
0の反射光/散乱光31を用いて光電変換素子(第一の
光電変換素子24)を含む検知系の感度補正を行うよう
にした。試験光30の経路上に一つの透光性カバー23
しか存在せず、この透光性カバー23の汚れ具合だけに
基づいて汚れ補償を行うことができる。
度向上を図る。 【解決手段】 試験光放射用の発光器25を透光性カバ
ー23の内側に設け、透光性カバー23からの試験光3
0の反射光/散乱光31を用いて光電変換素子(第一の
光電変換素子24)を含む検知系の感度補正を行うよう
にした。試験光30の経路上に一つの透光性カバー23
しか存在せず、この透光性カバー23の汚れ具合だけに
基づいて汚れ補償を行うことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火炎から放射される輻
射光を検出して火災を検出する火災検出装置及び火災検
出装置における汚れ補償方法に関し、特に、排気ガス等
に晒される汚損環境に適用する火災検出装置及び火災検
出装置における汚れ補償方法に関する。
射光を検出して火災を検出する火災検出装置及び火災検
出装置における汚れ補償方法に関し、特に、排気ガス等
に晒される汚損環境に適用する火災検出装置及び火災検
出装置における汚れ補償方法に関する。
【0002】
【従来の技術】火炎から放射される輻射光を検出して火
災を検出する火災検出装置としては、従来より、輻射光
に含まれる特定波長域の輻射エネルギーの大きさを検出
する定輻射式、火炎特有のちらつきを検出するちらつき
式、複数の波長帯の輻射エネルギーの大きさを比較する
2波長又は3波長式、これらの併用式など様々な方式が
知られているが、何れの方式にあっても、輻射光を電気
信号に変換するための光電変換素子、例えば、フォトダ
イオード、焦電素子あるいは放電管などを欠かせない。
災を検出する火災検出装置としては、従来より、輻射光
に含まれる特定波長域の輻射エネルギーの大きさを検出
する定輻射式、火炎特有のちらつきを検出するちらつき
式、複数の波長帯の輻射エネルギーの大きさを比較する
2波長又は3波長式、これらの併用式など様々な方式が
知られているが、何れの方式にあっても、輻射光を電気
信号に変換するための光電変換素子、例えば、フォトダ
イオード、焦電素子あるいは放電管などを欠かせない。
【0003】ところで、上記光電変換素子への入射窓表
面(受光面)が汚れると、輻射エネルギーの測定が不正
確となって正しい火災検出を行うことができなくなる。
特に、車両用トンネルの内部に設置する場合には、排気
ガス等の汚損物質に常に晒されることになるので、汚損
対策が不可欠である。
面(受光面)が汚れると、輻射エネルギーの測定が不正
確となって正しい火災検出を行うことができなくなる。
特に、車両用トンネルの内部に設置する場合には、排気
ガス等の汚損物質に常に晒されることになるので、汚損
対策が不可欠である。
【0004】図5及び図6は、この種の汚損対策を施し
た従来の火災検出装置の構造図である。火災検出装置1
は、図5に示すように、トンネルの内壁2に取り付けら
れ、内部の二組の光電変換素子(図6ではそのうちの一
組を示す)で左右おおよそ180度の感知領域を半分ず
つ分担してトンネル内の火災を監視する。
た従来の火災検出装置の構造図である。火災検出装置1
は、図5に示すように、トンネルの内壁2に取り付けら
れ、内部の二組の光電変換素子(図6ではそのうちの一
組を示す)で左右おおよそ180度の感知領域を半分ず
つ分担してトンネル内の火災を監視する。
【0005】図6において、3はケース、4は光電変換
素子5を密閉状態で覆う半球状の透光性カバーであり、
光電変換素子5は、検知領域内の火炎8から放射される
輻射光9の透光性カバー4を透過した輻射エネルギーを
電気信号に変換して図示しない制御部に出力する。
素子5を密閉状態で覆う半球状の透光性カバーであり、
光電変換素子5は、検知領域内の火炎8から放射される
輻射光9の透光性カバー4を透過した輻射エネルギーを
電気信号に変換して図示しない制御部に出力する。
【0006】透光性カバー4の表面は、トンネル内の環
境に常に晒されているため、時間の経過と共に排気ガス
等の汚損物質が付着し、それに伴って、光電変換素子5
への輻射エネルギーの到達量が低下するので、(1)汚
損の程度に応じた光電変換素子5を含む検知系の感度補
正による汚れ補償と、(2)この感度補正による汚れ補
償が限界に達する前の透光性カバー4の清掃は欠かせな
い。
境に常に晒されているため、時間の経過と共に排気ガス
等の汚損物質が付着し、それに伴って、光電変換素子5
への輻射エネルギーの到達量が低下するので、(1)汚
損の程度に応じた光電変換素子5を含む検知系の感度補
正による汚れ補償と、(2)この感度補正による汚れ補
償が限界に達する前の透光性カバー4の清掃は欠かせな
い。
【0007】そこで、この従来の火災検出装置1におい
ては、ケース3に、半球状の小さな透光性カバー6に覆
われた発光器7を設け、この発光器7から火炎の輻射光
9に似せた試験光(以下「疑似火炎光」)10を定期的
に放射し、その受光レベルから透光性カバー4の表面の
汚損状況を知ることにより、上記(1)及び(2)の要
求に応えている。
ては、ケース3に、半球状の小さな透光性カバー6に覆
われた発光器7を設け、この発光器7から火炎の輻射光
9に似せた試験光(以下「疑似火炎光」)10を定期的
に放射し、その受光レベルから透光性カバー4の表面の
汚損状況を知ることにより、上記(1)及び(2)の要
求に応えている。
【0008】すなわち、疑似火炎光10を光電変換素子
5で受光して基準値と比較し、その差に応じて光電変換
素子5を含む検知系の感度を補正することにより、上記
(1)の要求に応えるとともに、その補正量が限界に達
する前に清掃要求信号を発生することにより、上記
(2)の要求に応えている。
5で受光して基準値と比較し、その差に応じて光電変換
素子5を含む検知系の感度を補正することにより、上記
(1)の要求に応えるとともに、その補正量が限界に達
する前に清掃要求信号を発生することにより、上記
(2)の要求に応えている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の火災検出装置1にあっては、疑似火炎光10が二つ
の透光性カバー、すなわち、発光器7を覆う第一の透光
性カバー6と、光電変換素子5を覆う第二の透光性カバ
ー4とを透過するため、光電変換素子5を含む検知系の
感度補正に第一の透光性カバー6の汚損程度が加味され
てしまい、正確な感度補正を行うことができないという
問題点があった。
来の火災検出装置1にあっては、疑似火炎光10が二つ
の透光性カバー、すなわち、発光器7を覆う第一の透光
性カバー6と、光電変換素子5を覆う第二の透光性カバ
ー4とを透過するため、光電変換素子5を含む検知系の
感度補正に第一の透光性カバー6の汚損程度が加味され
てしまい、正確な感度補正を行うことができないという
問題点があった。
【0010】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、試験光を用いた感度補正による汚れ補償の精度向
上を図ることにある。
題は、試験光を用いた感度補正による汚れ補償の精度向
上を図ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、透光性カバー
の内側に試験光放射用の発光器を設け、試験光を該透光
性カバーに照射した際の該透光性カバー及び又は表面汚
損膜からの反射光及び又は散乱光を用いて光電変換素子
を含む検知系の感度補正による汚れ補償を行うようにし
た。
の内側に試験光放射用の発光器を設け、試験光を該透光
性カバーに照射した際の該透光性カバー及び又は表面汚
損膜からの反射光及び又は散乱光を用いて光電変換素子
を含む検知系の感度補正による汚れ補償を行うようにし
た。
【0012】具体的には、請求項1記載の火災検出装置
は、火炎から放射される輻射光を透過させる透光性カバ
ーと、前記透光性カバーを透過した輻射光を受光する光
電変換素子と、前記透光性カバーの内側に設けられ、試
験光を発生する発光器と、前記透光性カバーに前記試験
光を照射してその反射光及び又は散乱光から前記透光性
カバーの表面の汚れ具合を検出する検出手段と、該検出
手段の検出結果に基づいて前記光電変換素子を含む検知
系の感度補正を行う補正手段と、を備えたことを特徴と
し、請求項2記載の火災検出装置は、請求項1記載の火
災検出装置において、前記検知系は、前記検出手段を兼
ねることを特徴とし、請求項3記載の火災検出装置は、
火炎から放射される輻射光を透過させる透光性カバー
と、前記透光性カバーを透過した輻射光を受光する第一
の光電変換素子と、前記透光性カバーの内側に設けら
れ、試験光を発生する発光器と、前記透光性カバーに前
記試験光を照射した際の反射光及び又は散乱光を受光す
る第二の光電変換素子と、前記第二の光電変換素子の出
力から前記透光性カバーの表面の汚れ具合を検出する検
出手段と、該検出手段の検出結果に基づいて前記第一の
光電変換素子を含む検知系の感度補正を行う補正手段
と、を備えたことを特徴とし、請求項4記載の火災検出
装置は、請求項1又は請求項3記載の火災検出装置にお
いて、前記試験光が前記透光性カバーの表面に対して臨
界角以下の角度で入射するように前記発光器の取り付け
位置を設定したことを特徴とし、請求項5記載の火災検
出装置は、請求項3記載の火災検出装置において、前記
検出手段は、前記試験光の非発生時の前記第二の光電変
換素子の出力を外乱レベルとして測定し、該外乱レベル
と前記反射光及び又は散乱光のレベル差に基づいて前記
透光性カバーの表面の汚れ具合を検出することを特徴と
し、請求項6記載の火災検出装置は、請求項5記載の火
災検出装置において、前記検出手段は、前記外乱レベル
と前記反射光及び又は散乱光のレベル差が所定レベルを
超えるとき、前記透光性カバーの清掃要求信号を発生す
ることを特徴とし、請求項7記載の火災検出装置は、請
求項5記載の火災検出装置において、前記補正手段は、
前記検出手段の検出結果に基づいて行われる、前記第一
の光電変換素子を含む検知系の感度補正が、所定の補正
限界レベルを超えるとき、前記透過性カバーの清掃要求
信号を発生することを特徴とし、請求項8記載の火災検
出装置における汚れ補償方法は、火炎から放射される輻
射光を透過させる透光性カバーと、前記透光性カバーを
透過した輻射光を受光する光電変換素子と、前記透光性
カバーの内側に設けられ、試験光を発生する発光器と、
を備え、前記透光性カバーに前記試験光を照射してその
反射光及び又は散乱光から前記透光性カバーの表面の汚
れ具合を検出し、その検出結果に基づいて前記光電変換
素子を含む検知系の感度補正を行うことを特徴とし、請
求項9記載の火災検出装置における汚れ補償方法は、請
求項8記載の火災検出装置における汚れ補償方法におい
て、前記透光性カバーに前記試験光を照射してその反射
光及び又は散乱光から前記透光性カバーの表面の汚れ具
合を検出する際に、前記検知系を用いて該検出を行わせ
ることを特徴とし、請求項10記載の火災検出装置にお
ける汚れ補償方法は、火炎から放射される輻射光を透過
させる透光性カバーと、前記透光性カバーを透過した輻
射光を受光する第一の光電変換素子と、前記透光性カバ
ーの内側に設けられ、試験光を発生する発光器と、前記
透光性カバーに前記試験光を照射してその反射光及び又
は散乱光を受光する第二の光電変換素子と、を備え、前
記透光性カバーに前記試験光を照射した際の、前記第二
の光電変換素子の出力から前記透光性カバーの表面の汚
れ具合を検出し、その検出結果に基づいて前記第一の光
電変換素子を含む検知系の感度補正を行うことを特徴と
し、請求項11記載の火災検出装置における汚れ補償方
法は、請求項10記載の火災検出装置における汚れ補償
方法において、前記試験光の非発生時の前記第二の光電
変換素子の出力を外乱レベルとして測定し、該外乱レベ
ルと前記反射光及び又は散乱光のレベル差に基づいて前
記透光性カバーの表面の汚れ具合を検出することを特徴
とし、請求項12記載の火災検出装置における汚れ補償
方法は、請求項11記載の火災検出装置における汚れ補
償方法において、前記外乱レベルと前記反射光及び又は
散乱光のレベル差が所定レベルを超えるとき、又は、前
記レベル差に基づいて行われる前記第一の光電変換素子
を含む検知系の感度補正が、所定の補正限界レベルを超
えたとき、前記透光性カバーの清掃要求信号を発生する
ことを特徴とする。
は、火炎から放射される輻射光を透過させる透光性カバ
ーと、前記透光性カバーを透過した輻射光を受光する光
電変換素子と、前記透光性カバーの内側に設けられ、試
験光を発生する発光器と、前記透光性カバーに前記試験
光を照射してその反射光及び又は散乱光から前記透光性
カバーの表面の汚れ具合を検出する検出手段と、該検出
手段の検出結果に基づいて前記光電変換素子を含む検知
系の感度補正を行う補正手段と、を備えたことを特徴と
し、請求項2記載の火災検出装置は、請求項1記載の火
災検出装置において、前記検知系は、前記検出手段を兼
ねることを特徴とし、請求項3記載の火災検出装置は、
火炎から放射される輻射光を透過させる透光性カバー
と、前記透光性カバーを透過した輻射光を受光する第一
の光電変換素子と、前記透光性カバーの内側に設けら
れ、試験光を発生する発光器と、前記透光性カバーに前
記試験光を照射した際の反射光及び又は散乱光を受光す
る第二の光電変換素子と、前記第二の光電変換素子の出
力から前記透光性カバーの表面の汚れ具合を検出する検
出手段と、該検出手段の検出結果に基づいて前記第一の
光電変換素子を含む検知系の感度補正を行う補正手段
と、を備えたことを特徴とし、請求項4記載の火災検出
装置は、請求項1又は請求項3記載の火災検出装置にお
いて、前記試験光が前記透光性カバーの表面に対して臨
界角以下の角度で入射するように前記発光器の取り付け
位置を設定したことを特徴とし、請求項5記載の火災検
出装置は、請求項3記載の火災検出装置において、前記
検出手段は、前記試験光の非発生時の前記第二の光電変
換素子の出力を外乱レベルとして測定し、該外乱レベル
と前記反射光及び又は散乱光のレベル差に基づいて前記
透光性カバーの表面の汚れ具合を検出することを特徴と
し、請求項6記載の火災検出装置は、請求項5記載の火
災検出装置において、前記検出手段は、前記外乱レベル
と前記反射光及び又は散乱光のレベル差が所定レベルを
超えるとき、前記透光性カバーの清掃要求信号を発生す
ることを特徴とし、請求項7記載の火災検出装置は、請
求項5記載の火災検出装置において、前記補正手段は、
前記検出手段の検出結果に基づいて行われる、前記第一
の光電変換素子を含む検知系の感度補正が、所定の補正
限界レベルを超えるとき、前記透過性カバーの清掃要求
信号を発生することを特徴とし、請求項8記載の火災検
出装置における汚れ補償方法は、火炎から放射される輻
射光を透過させる透光性カバーと、前記透光性カバーを
透過した輻射光を受光する光電変換素子と、前記透光性
カバーの内側に設けられ、試験光を発生する発光器と、
を備え、前記透光性カバーに前記試験光を照射してその
反射光及び又は散乱光から前記透光性カバーの表面の汚
れ具合を検出し、その検出結果に基づいて前記光電変換
素子を含む検知系の感度補正を行うことを特徴とし、請
求項9記載の火災検出装置における汚れ補償方法は、請
求項8記載の火災検出装置における汚れ補償方法におい
て、前記透光性カバーに前記試験光を照射してその反射
光及び又は散乱光から前記透光性カバーの表面の汚れ具
合を検出する際に、前記検知系を用いて該検出を行わせ
ることを特徴とし、請求項10記載の火災検出装置にお
ける汚れ補償方法は、火炎から放射される輻射光を透過
させる透光性カバーと、前記透光性カバーを透過した輻
射光を受光する第一の光電変換素子と、前記透光性カバ
ーの内側に設けられ、試験光を発生する発光器と、前記
透光性カバーに前記試験光を照射してその反射光及び又
は散乱光を受光する第二の光電変換素子と、を備え、前
記透光性カバーに前記試験光を照射した際の、前記第二
の光電変換素子の出力から前記透光性カバーの表面の汚
れ具合を検出し、その検出結果に基づいて前記第一の光
電変換素子を含む検知系の感度補正を行うことを特徴と
し、請求項11記載の火災検出装置における汚れ補償方
法は、請求項10記載の火災検出装置における汚れ補償
方法において、前記試験光の非発生時の前記第二の光電
変換素子の出力を外乱レベルとして測定し、該外乱レベ
ルと前記反射光及び又は散乱光のレベル差に基づいて前
記透光性カバーの表面の汚れ具合を検出することを特徴
とし、請求項12記載の火災検出装置における汚れ補償
方法は、請求項11記載の火災検出装置における汚れ補
償方法において、前記外乱レベルと前記反射光及び又は
散乱光のレベル差が所定レベルを超えるとき、又は、前
記レベル差に基づいて行われる前記第一の光電変換素子
を含む検知系の感度補正が、所定の補正限界レベルを超
えたとき、前記透光性カバーの清掃要求信号を発生する
ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本実施の形態における火
災検出装置の構造図である。この図において、火災検出
装置20は、例えば、車両用トンネルの内壁21に取り
付けられたケース22と、ケース22の前面開口部に密
閉状態で装着された透光性カバー23とを備え、透光性
カバー23の内側となるケース22の内部に、第一の光
電変換素子(光電変換素子)24、発光器25、第二の
光電変換素子26及び制御部27(検出手段、補正手
段)を実装して構成されている。透光性カバー23を含
む火災検出装置20の前面部分は、図示のとおりフラッ
トになっており、この形状は、塵や埃等を付着し難くく
する点で好ましい形状である。透光性カバー23の素材
には、火炎28から放射される輻射光29を低損失で透
過する材料、例えば、サファイアガラス等の赤外線透過
材料が用いられている。
災検出装置の構造図である。この図において、火災検出
装置20は、例えば、車両用トンネルの内壁21に取り
付けられたケース22と、ケース22の前面開口部に密
閉状態で装着された透光性カバー23とを備え、透光性
カバー23の内側となるケース22の内部に、第一の光
電変換素子(光電変換素子)24、発光器25、第二の
光電変換素子26及び制御部27(検出手段、補正手
段)を実装して構成されている。透光性カバー23を含
む火災検出装置20の前面部分は、図示のとおりフラッ
トになっており、この形状は、塵や埃等を付着し難くく
する点で好ましい形状である。透光性カバー23の素材
には、火炎28から放射される輻射光29を低損失で透
過する材料、例えば、サファイアガラス等の赤外線透過
材料が用いられている。
【0014】第一の光電変換素子24は、透光性カバー
23を透過した火炎28から放射される輻射光29の輻
射エネルギーを電気信号に変換して制御部27に出力す
るものであり、また、発光器25は、制御部27からの
駆動信号に応答して試験光を放射するものであり、さら
に、第二の光電変換素子26は、透光性カバー23側か
らの試験光30の反射光及び又は散乱光(以下「反射光
/散乱光31」と言う)を電気信号に変換して制御部2
7に出力するものである。
23を透過した火炎28から放射される輻射光29の輻
射エネルギーを電気信号に変換して制御部27に出力す
るものであり、また、発光器25は、制御部27からの
駆動信号に応答して試験光を放射するものであり、さら
に、第二の光電変換素子26は、透光性カバー23側か
らの試験光30の反射光及び又は散乱光(以下「反射光
/散乱光31」と言う)を電気信号に変換して制御部2
7に出力するものである。
【0015】なお、第一及び第二の光電変換素子24、
26は、例えば、4.4μm付近の帯域通過特性を有す
る光学波長フィルター24a、26aをその受光面に装
着している。また、第一及び第二の光電変換素子24、
26には、例えば、焦電素子等の赤外線検知素子が用い
られる。
26は、例えば、4.4μm付近の帯域通過特性を有す
る光学波長フィルター24a、26aをその受光面に装
着している。また、第一及び第二の光電変換素子24、
26には、例えば、焦電素子等の赤外線検知素子が用い
られる。
【0016】図2は、制御部27の構成図である。この
図において、40は発光器25を駆動する駆動回路、4
1はディジタル/アナログ変換器、42は第一の光電変
換素子24の出力信号に対して所要の前置処理(フィル
タ処理、サンプリング処理及び増幅処理など)を施す前
置回路、43はアナログ/ディジタル変換器、44は第
二の光電変換素子26の出力信号に対して所要の前置処
理(フィルタ処理、サンプリング処理及び増幅処理な
ど)を施す前置回路、45はアナログ/ディジタル変換
器、46は入出力インターフェース回路、47は所要の
制御プログラムを実行して火災検出装置の動作制御を行
うCPU、48は上記所要の制御プログラム及び該プロ
グラムの実行に必要なデータを格納するROM、49は
上記CPU47の作業領域として用いられるRAM、5
0は通信媒体51を介して遠隔地に設けられた受信機5
2との間でデータの送受を行う通信インターフェースで
ある。
図において、40は発光器25を駆動する駆動回路、4
1はディジタル/アナログ変換器、42は第一の光電変
換素子24の出力信号に対して所要の前置処理(フィル
タ処理、サンプリング処理及び増幅処理など)を施す前
置回路、43はアナログ/ディジタル変換器、44は第
二の光電変換素子26の出力信号に対して所要の前置処
理(フィルタ処理、サンプリング処理及び増幅処理な
ど)を施す前置回路、45はアナログ/ディジタル変換
器、46は入出力インターフェース回路、47は所要の
制御プログラムを実行して火災検出装置の動作制御を行
うCPU、48は上記所要の制御プログラム及び該プロ
グラムの実行に必要なデータを格納するROM、49は
上記CPU47の作業領域として用いられるRAM、5
0は通信媒体51を介して遠隔地に設けられた受信機5
2との間でデータの送受を行う通信インターフェースで
ある。
【0017】図3は、制御部27のCPU47で実行さ
れる制御プログラムのフローチャートである。このフロ
ーチャートにあっては、(S1)通常の火災監視動作中
に定期的に、(S2)試験実施時期か否かを判定し、試
験実施時期でなければ、通常の火災監視動作を繰り返
す。
れる制御プログラムのフローチャートである。このフロ
ーチャートにあっては、(S1)通常の火災監視動作中
に定期的に、(S2)試験実施時期か否かを判定し、試
験実施時期でなければ、通常の火災監視動作を繰り返
す。
【0018】通常の火災監視の原理は、冒頭で説明した
定輻射式、ちらつき式、2波長又は3波長式若しくはこ
れらの併用式等どのような方式であっても構わない。
定輻射式、ちらつき式、2波長又は3波長式若しくはこ
れらの併用式等どのような方式であっても構わない。
【0019】例えば、定輻射式であれば、火炎からの輻
射光に含まれる特定波長域(CO2共鳴放射帯と呼ばれ
る4.4μmを中心とした火炎特有の放射波長域)の信
号に基づいて火災を検出し、又は、ちらつき式であれ
ば、火炎からの輻射光に含まれる炎のゆらぎ周波数(1
〜数Hz程度の極低周波数)の信号に基づいて火災を検
出し、若しくは、2波長式や3波長式であれば、火炎か
らの輻射光に含まれる当該波長域の信号レベルのそれぞ
れを比較し、その比較結果に基づいて火災を検出でき
る。
射光に含まれる特定波長域(CO2共鳴放射帯と呼ばれ
る4.4μmを中心とした火炎特有の放射波長域)の信
号に基づいて火災を検出し、又は、ちらつき式であれ
ば、火炎からの輻射光に含まれる炎のゆらぎ周波数(1
〜数Hz程度の極低周波数)の信号に基づいて火災を検
出し、若しくは、2波長式や3波長式であれば、火炎か
らの輻射光に含まれる当該波長域の信号レベルのそれぞ
れを比較し、その比較結果に基づいて火災を検出でき
る。
【0020】各方式に必要な“信号”は、第一の光電変
換素子24の後段に位置する前置回路42の出力信号で
あるから、例えば、定輻射式の場合は特定波長域の信号
が出力されるように、また、ちらつき式の場合は炎のゆ
らぎ周波数の信号が出力されるように、前置回路42の
フィルタ特性やサンプリング周期及び増幅度等を設定す
ればよい。さらに、2波長式や3波長式の場合は当該波
長域の信号が出力されるように、光学波長フィルタ24
aの透過波長帯を可変としたり、あるいは、光電変換素
子24、前置回路42及びA/D変換器43を含む検知
系を複数設け、それぞれの検知系の光電変換素子の光学
波長フィルタを透過帯域の異なるものとするなどすれば
よい。
換素子24の後段に位置する前置回路42の出力信号で
あるから、例えば、定輻射式の場合は特定波長域の信号
が出力されるように、また、ちらつき式の場合は炎のゆ
らぎ周波数の信号が出力されるように、前置回路42の
フィルタ特性やサンプリング周期及び増幅度等を設定す
ればよい。さらに、2波長式や3波長式の場合は当該波
長域の信号が出力されるように、光学波長フィルタ24
aの透過波長帯を可変としたり、あるいは、光電変換素
子24、前置回路42及びA/D変換器43を含む検知
系を複数設け、それぞれの検知系の光電変換素子の光学
波長フィルタを透過帯域の異なるものとするなどすれば
よい。
【0021】通常の火災監視動作を行っている間に、例
えば、1時間に1回程度の試験実施時期が来ると、ま
ず、(S3)試験モードに切替えて通常の火災監視動作
を一時停止する。そして、(S4)カウンタをリセット
し、(S5)外乱レベルを測定して作業領域に記憶す
る。
えば、1時間に1回程度の試験実施時期が来ると、ま
ず、(S3)試験モードに切替えて通常の火災監視動作
を一時停止する。そして、(S4)カウンタをリセット
し、(S5)外乱レベルを測定して作業領域に記憶す
る。
【0022】外乱レベルとは、試験モード開始時点にお
ける前置回路44の出力信号レベルであり、要するに、
試験モードの開始時点で透光性カバー23を通して第二
の光電変換素子26で受光された、火災検出装置20の
周囲環境の光量レベル、定常的にはトンネル照明等を光
源として第二の光電変換素子26で受光されたエネルギ
ーレベルである。
ける前置回路44の出力信号レベルであり、要するに、
試験モードの開始時点で透光性カバー23を通して第二
の光電変換素子26で受光された、火災検出装置20の
周囲環境の光量レベル、定常的にはトンネル照明等を光
源として第二の光電変換素子26で受光されたエネルギ
ーレベルである。
【0023】(S6)測定された外乱レベルが所定のし
きい値レベルSLaを超えた場合、その外乱レベルは定
常光源以外の一時的光源、例えば、一時的に増光されト
ンネル照明や走行中の車両のヘッドライトによる光量を
含むと判断し、(S7)カウンタをアップ(カウント値
を+1する)して、(S9)所定時間(例えば、車両の
通過時間に相当する5秒程度)待機した後、(S5)再
び外乱レベルの測定・記憶を行う。そして、(S8)そ
れでもn回(例えば、n=2)続けてSLaを超える場
合には、火災の可能性ありと判断し、(S1)通常の監
視動作に復帰する。
きい値レベルSLaを超えた場合、その外乱レベルは定
常光源以外の一時的光源、例えば、一時的に増光されト
ンネル照明や走行中の車両のヘッドライトによる光量を
含むと判断し、(S7)カウンタをアップ(カウント値
を+1する)して、(S9)所定時間(例えば、車両の
通過時間に相当する5秒程度)待機した後、(S5)再
び外乱レベルの測定・記憶を行う。そして、(S8)そ
れでもn回(例えば、n=2)続けてSLaを超える場
合には、火災の可能性ありと判断し、(S1)通常の監
視動作に復帰する。
【0024】一方、外乱レベルがSLaを超えない場合
は、第二の光電変換素子26で定常的な光源の光量レベ
ルを検出し、正常に検出できたと判断し、(S10)発
光器25を駆動して試験光30を放射する。
は、第二の光電変換素子26で定常的な光源の光量レベ
ルを検出し、正常に検出できたと判断し、(S10)発
光器25を駆動して試験光30を放射する。
【0025】試験光30は、例えば、実際の火炎28か
ら放射される輻射光29によく似た性状を持つ光であ
り、例えば、火炎と同一波長帯域の光を、炎のゆらぎ周
波数に相当する周期で点滅しながら放射する光である。
ら放射される輻射光29によく似た性状を持つ光であ
り、例えば、火炎と同一波長帯域の光を、炎のゆらぎ周
波数に相当する周期で点滅しながら放射する光である。
【0026】試験光30は、図4に示すように、透光性
カバー23に角度θaで入射し、透光性カバー23の内
部を角度θbで屈折して進むことになる。
カバー23に角度θaで入射し、透光性カバー23の内
部を角度θbで屈折して進むことになる。
【0027】今、透光性カバー23の表面(外気に晒さ
れた面)に汚れの膜(以下「汚損膜」という)60がで
きていないとすると、透光性カバー23に入射した試験
光30aは、透光性カバー23の表面からθa′の角度
で屈折して外界に飛び出すが、汚損膜60ができている
場合は、同表面と汚損膜60の境界や汚損膜60の内部
で一部が反射及び又は散乱し、その反射光/散乱光31
aがθd及びθeの角度で屈折して透光性カバー23の
内側、すなわち、ケース22の内部に戻って行く。光路
可逆の原理からθa=θe、θb=θdであり、且つ、
θcは次式で与えられる臨界角以下の角度(試験光3
0が全反射しない角度)である。 sinθc=1/(透光性カバー23の屈折率) ……… なお、実際には汚損膜60がない場合にも、透光性カバ
ー23の内側の面(火災検出器20の内部を臨む面)等
で若干の反射成分が発生するが、この反射成分は、試験
時は定常的に同一レベルであり、信号処理等でキャンセ
ルできるため、簡単化のために無視することにする。
れた面)に汚れの膜(以下「汚損膜」という)60がで
きていないとすると、透光性カバー23に入射した試験
光30aは、透光性カバー23の表面からθa′の角度
で屈折して外界に飛び出すが、汚損膜60ができている
場合は、同表面と汚損膜60の境界や汚損膜60の内部
で一部が反射及び又は散乱し、その反射光/散乱光31
aがθd及びθeの角度で屈折して透光性カバー23の
内側、すなわち、ケース22の内部に戻って行く。光路
可逆の原理からθa=θe、θb=θdであり、且つ、
θcは次式で与えられる臨界角以下の角度(試験光3
0が全反射しない角度)である。 sinθc=1/(透光性カバー23の屈折率) ……… なお、実際には汚損膜60がない場合にも、透光性カバ
ー23の内側の面(火災検出器20の内部を臨む面)等
で若干の反射成分が発生するが、この反射成分は、試験
時は定常的に同一レベルであり、信号処理等でキャンセ
ルできるため、簡単化のために無視することにする。
【0028】反射光/散乱光31の光量は、汚損膜60
の成分や粒子径、粒子密度等によって変化し、同時に、
この汚損膜60の成分や粒子密度等は、火炎28からの
輻射光29の、第一の光電変換素子24へ到達する成分
による検知系の出力レベルの減衰に関係し、透光性カバ
ー23を通過した輻射光29aの光量の低下要因とな
る。
の成分や粒子径、粒子密度等によって変化し、同時に、
この汚損膜60の成分や粒子密度等は、火炎28からの
輻射光29の、第一の光電変換素子24へ到達する成分
による検知系の出力レベルの減衰に関係し、透光性カバ
ー23を通過した輻射光29aの光量の低下要因とな
る。
【0029】したがって、火炎28からの輻射光29
と、透光性カバー23を通過した輻射光29aとの量的
関係を知ることができ、これから、透光性カバー23の
表面の汚損による減衰の程度を推測することができる。
と、透光性カバー23を通過した輻射光29aとの量的
関係を知ることができ、これから、透光性カバー23の
表面の汚損による減衰の程度を推測することができる。
【0030】反射光/散乱光31は、第二の光電変換素
子26で電気信号に変換され、その後段に位置する前置
回路44で所要の前置処理を受けた後、(S11)試験
光30の発生時の受光レベルとして作業領域に記憶され
る。
子26で電気信号に変換され、その後段に位置する前置
回路44で所要の前置処理を受けた後、(S11)試験
光30の発生時の受光レベルとして作業領域に記憶され
る。
【0031】そして、(S12)この受光レベルから先
に記憶しておいた外乱レベルを引き算して汚損レベルを
算出し、(S13)その汚損レベルが所定レベルを超え
ている、又は、その汚損レベルに基づいて行われる検知
系の感度補正が補正限界値(当該火災検出装置20の感
度補正の限界値)を超えている場合は、(S15)感度
補正を行えない程度の汚損膜60が透光性カバー23に
付着していると判断して清掃要求信号を受信機52に発
信し、超えていない場合は、以下のとおり、(S14)
汚損レベルに応じた通常の監視動作の感度補正処理を行
う。
に記憶しておいた外乱レベルを引き算して汚損レベルを
算出し、(S13)その汚損レベルが所定レベルを超え
ている、又は、その汚損レベルに基づいて行われる検知
系の感度補正が補正限界値(当該火災検出装置20の感
度補正の限界値)を超えている場合は、(S15)感度
補正を行えない程度の汚損膜60が透光性カバー23に
付着していると判断して清掃要求信号を受信機52に発
信し、超えていない場合は、以下のとおり、(S14)
汚損レベルに応じた通常の監視動作の感度補正処理を行
う。
【0032】例えば、受光レベルをA、外乱レベルをB
とすると、Aは試験光30によるレベルaと試験時の外
乱レベルbとの和であり、bはBと略等値であるから、
A−B(この式はAに含まれるbを取り除くことに相当
する)により汚損レベルaを演算(S12)し、その演
算値aが所定の目標値+αに収束するように、例えば、
増幅器の増幅率を変えたり、火災判断のための火災検出
しきい値を変えたり、又は、第一の光電変換素子24を
含む検知系の入出力特性を変えたりして、通常の監視動
作の感度を増減操作する。
とすると、Aは試験光30によるレベルaと試験時の外
乱レベルbとの和であり、bはBと略等値であるから、
A−B(この式はAに含まれるbを取り除くことに相当
する)により汚損レベルaを演算(S12)し、その演
算値aが所定の目標値+αに収束するように、例えば、
増幅器の増幅率を変えたり、火災判断のための火災検出
しきい値を変えたり、又は、第一の光電変換素子24を
含む検知系の入出力特性を変えたりして、通常の監視動
作の感度を増減操作する。
【0033】なお、αは、第一の光電変換素子24を含
む検知系と、発光器25及び第二の光電変換素子26を
含む試験系とのばらつき補正等を考慮した係数である。
む検知系と、発光器25及び第二の光電変換素子26を
含む試験系とのばらつき補正等を考慮した係数である。
【0034】以上のとおり、本実施の形態によれば、試
験光30を発生する発光器25を透光性カバー23の内
側に設け、透光性カバー23に試験光30を照射して、
その反射光/散乱光31の受信信号に基づいて透光性カ
バー23の表面の汚れ具合を検出し、第一の光電変換素
子24を含む検知系の感度補正による汚れ補償を行うよ
うにしたため、試験光30(及びその反射光/散乱光3
1)の経路上に存在する透光性カバーを透光性カバー2
3一つのみとすることができた。
験光30を発生する発光器25を透光性カバー23の内
側に設け、透光性カバー23に試験光30を照射して、
その反射光/散乱光31の受信信号に基づいて透光性カ
バー23の表面の汚れ具合を検出し、第一の光電変換素
子24を含む検知系の感度補正による汚れ補償を行うよ
うにしたため、試験光30(及びその反射光/散乱光3
1)の経路上に存在する透光性カバーを透光性カバー2
3一つのみとすることができた。
【0035】したがって、従来技術のような第一の透光
性カバー6(図6参照)が試験光30(及びその反射光
/散乱光31)の経路上に存在しないので、火炎28か
ら放射される輻射光29の経路上に位置する唯一の透光
性カバー23の汚損のみを検出して感度補正を行うこと
ができ、汚れ補償の格段の精度向上を図ることができ
る。
性カバー6(図6参照)が試験光30(及びその反射光
/散乱光31)の経路上に存在しないので、火炎28か
ら放射される輻射光29の経路上に位置する唯一の透光
性カバー23の汚損のみを検出して感度補正を行うこと
ができ、汚れ補償の格段の精度向上を図ることができ
る。
【0036】なお、第二の光電変換素子26を含む試験
系の機能を、第一の光電変換素子24を含む検知系の機
能で兼用することも可能である。
系の機能を、第一の光電変換素子24を含む検知系の機
能で兼用することも可能である。
【0037】すなわち、図4において、透光性カバー2
3の表面に付着した汚損膜60には、粒子状の微細な汚
損物質が含まれており、試験光30aがこの汚損物質で
反射・散乱されると、その一部が第一の光電変換素子2
4に飛び込んで受光されるからであり、第一の光電変換
素子24の後段に位置する前置回路42の出力信号を使
用しても、反射光/散乱光31の受光レベルに準じる信
号レベルを検出できるからである。
3の表面に付着した汚損膜60には、粒子状の微細な汚
損物質が含まれており、試験光30aがこの汚損物質で
反射・散乱されると、その一部が第一の光電変換素子2
4に飛び込んで受光されるからであり、第一の光電変換
素子24の後段に位置する前置回路42の出力信号を使
用しても、反射光/散乱光31の受光レベルに準じる信
号レベルを検出できるからである。
【0038】このようにすると、第二の光電変換素子2
6を含む試験系を不要にでき、構成を簡素化してコスト
を削減できるというメリットが得られる。
6を含む試験系を不要にでき、構成を簡素化してコスト
を削減できるというメリットが得られる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、試験光放射用の発光器
を透光性カバーの内側に設け、試験光を透光性カバーに
照射した際の透光性カバー及び又は表面汚損膜からの試
験光の反射光及び又は散乱光を用いて光電変換素子(第
一の光電変換素子)を含む検知系の感度補正を行うよう
にしたので、試験光の経路上に一つの透光性カバーしか
存在せず、この透光性カバーの汚れ具合だけに基づいて
汚れ補償を行うことができる。
を透光性カバーの内側に設け、試験光を透光性カバーに
照射した際の透光性カバー及び又は表面汚損膜からの試
験光の反射光及び又は散乱光を用いて光電変換素子(第
一の光電変換素子)を含む検知系の感度補正を行うよう
にしたので、試験光の経路上に一つの透光性カバーしか
存在せず、この透光性カバーの汚れ具合だけに基づいて
汚れ補償を行うことができる。
【0040】したがって、火炎から放射される輻射光の
光電変換素子(第一の光電変換素子)への入射経路上の
汚れだけを考慮して、光電変換素子(第一の光電変換素
子)を含む検知系の感度補正を行うことができ、汚れ補
償の格段の精度向上を図ることができるという効果が得
られる。
光電変換素子(第一の光電変換素子)への入射経路上の
汚れだけを考慮して、光電変換素子(第一の光電変換素
子)を含む検知系の感度補正を行うことができ、汚れ補
償の格段の精度向上を図ることができるという効果が得
られる。
【0041】
【図1】実施の形態の構造図である。
【図2】実施の形態の制御部の構成図である。
【図3】実施の形態の制御部における動作フローチャー
トである。
トである。
【図4】実施の形態の試験光の反射状態図である。
【図5】従来の火災検出装置の設置図である。
【図6】従来の火災検出装置の構造図である。
23 透光性カバー 24 第一の光電変換素子(光電変換素子) 25 発光器 26 第二の光電変換素子 27 制御部(検出手段、補正手段) 28 火炎 29 輻射光 30 試験光
フロントページの続き (72)発明者 松熊 秀成 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 山野 直人 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 (72)発明者 土肥 学 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 Fターム(参考) 2G065 AB02 AB22 AB24 BA09 BA13 BA16 BA36 BC07 BC14 BC17 BC19 BC28 BC33 BC35 CA29 DA01 DA06 DA15 5C085 AA11 CA07 CA11 CA25 DA16 DA18 DA19 EA38 FA12 FA20 FA24 5G405 AA01 AB05 CA08 CA13 CA35 DA21 DA23 DA24 EA38 FA06 FA16
Claims (12)
- 【請求項1】 火炎から放射される輻射光を透過させる
透光性カバーと、 前記透光性カバーを透過した輻射光を受光する光電変換
素子と、 前記透光性カバーの内側に設けられ、試験光を発生する
発光器と、 前記透光性カバーに前記試験光を照射してその反射光及
び又は散乱光から前記透光性カバーの表面の汚れ具合を
検出する検出手段と、 該検出手段の検出結果に基づいて前記光電変換素子を含
む検知系の感度補正を行う補正手段と、 を備えたことを特徴とする火災検出装置。 - 【請求項2】 前記検知系は、前記検出手段を兼ねるこ
とを特徴とする請求項1記載の火災検出装置。 - 【請求項3】 火炎から放射される輻射光を透過させる
透光性カバーと、 前記透光性カバーを透過した輻射光を受光する第一の光
電変換素子と、 前記透光性カバーの内側に設けられ、試験光を発生する
発光器と、 前記透光性カバーに前記試験光を照射した際の反射光及
び又は散乱光を受光する第二の光電変換素子と、 前記第二の光電変換素子の出力から前記透光性カバーの
表面の汚れ具合を検出する検出手段と、 該検出手段の検出結果に基づいて前記第一の光電変換素
子を含む検知系の感度補正を行う補正手段と、 を備えたことを特徴とする火災検出装置。 - 【請求項4】 前記試験光が前記透光性カバーの表面に
対して臨界角以下の角度で入射するように前記発光器の
取り付け位置を設定したことを特徴とする請求項1又は
請求項3記載の火災検出装置。 - 【請求項5】 前記検出手段は、前記試験光の非発生時
の前記第二の光電変換素子の出力を外乱レベルとして測
定し、該外乱レベルと前記反射光及び又は散乱光のレベ
ル差に基づいて前記透光性カバーの表面の汚れ具合を検
出することを特徴とする請求項3記載の火災検出装置。 - 【請求項6】 前記検出手段は、前記外乱レベルと前記
反射光及び又は散乱光のレベル差が所定レベルを超える
とき、前記透光性カバーの清掃要求信号を発生すること
を特徴とする請求項5記載の火災検出装置。 - 【請求項7】 前記補正手段は、前記検出手段の検出結
果に基づいて行われる、前記第一の光電変換素子を含む
検知系の感度補正が、所定の補正限界レベルを超えると
き、前記透過性カバーの清掃要求信号を発生することを
特徴とする請求項5記載の火災検出装置。 - 【請求項8】 火炎から放射される輻射光を透過させる
透光性カバーと、 前記透光性カバーを透過した輻射光を受光する光電変換
素子と、 前記透光性カバーの内側に設けられ、試験光を発生する
発光器と、を備え、 前記透光性カバーに前記試験光を照射してその反射光及
び又は散乱光から前記透光性カバーの表面の汚れ具合を
検出し、 その検出結果に基づいて前記光電変換素子を含む検知系
の感度補正を行うことを特徴とする火災検出装置におけ
る汚れ補償方法。 - 【請求項9】 前記透光性カバーに前記試験光を照射し
てその反射光及び又は散乱光から前記透光性カバーの表
面の汚れ具合を検出する際に、前記検知系を用いて該検
出を行わせることを特徴とする請求項8記載の火災検出
装置における汚れ補償方法。 - 【請求項10】 火炎から放射される輻射光を透過させ
る透光性カバーと、 前記透光性カバーを透過した輻射光を受光する第一の光
電変換素子と、 前記透光性カバーの内側に設けられ、試験光を発生する
発光器と、 前記透光性カバーに前記試験光を照射してその反射光及
び又は散乱光を受光する第二の光電変換素子と、を備
え、 前記透光性カバーに前記試験光を照射した際の、前記第
二の光電変換素子の出力から前記透光性カバーの表面の
汚れ具合を検出し、 その検出結果に基づいて前記第一の光電変換素子を含む
検知系の感度補正を行うことを特徴とする火災検出装置
における汚れ補償方法。 - 【請求項11】 前記試験光の非発生時の前記第二の光
電変換素子の出力を外乱レベルとして測定し、該外乱レ
ベルと前記反射光及び又は散乱光のレベル差に基づいて
前記透光性カバーの表面の汚れ具合を検出することを特
徴とする請求項10記載の火災検出装置における汚れ補
償方法。 - 【請求項12】 前記外乱レベルと前記反射光及び又は
散乱光のレベル差が所定レベルを超えるとき、又は、前
記レベル差に基づいて行われる前記第一の光電変換素子
を含む検知系の感度補正が、所定の補正限界レベルを超
えたとき、前記透光性カバーの清掃要求信号を発生する
ことを特徴とする請求項11記載の火災検出装置におけ
る汚れ補償方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10365785A JP2000187786A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 火災検出装置及び火災検出装置における汚れ補償方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP10365785A JP2000187786A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 火災検出装置及び火災検出装置における汚れ補償方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000187786A true JP2000187786A (ja) | 2000-07-04 |
Family
ID=18485112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10365785A Pending JP2000187786A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 火災検出装置及び火災検出装置における汚れ補償方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000187786A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002133567A (ja) * | 2000-10-27 | 2002-05-10 | Hochiki Corp | 防災受信盤及び光学式火災検知器 |
JP2002197555A (ja) * | 2000-12-25 | 2002-07-12 | Hochiki Corp | 防災監視設備 |
JP2009085836A (ja) * | 2007-10-01 | 2009-04-23 | Denso Corp | 照度センサ |
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JP2012252039A (ja) * | 2011-05-31 | 2012-12-20 | Brother Ind Ltd | 印刷装置、光学センサの汚れ判断方法及び光学センサの汚れ判断プログラム |
GB2494479A (en) * | 2011-10-19 | 2013-03-13 | St Microelectronics Res & Dev | A proximity sensor with a cover for directing radiation from a radiation source to a reference radiation detector |
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KR101713232B1 (ko) * | 2015-09-10 | 2017-03-07 | 김종석 | 상업용 자동 소화 장치 |
-
1998
- 1998-12-24 JP JP10365785A patent/JP2000187786A/ja active Pending
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