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JP2000161441A - 伝動ベルト用コード及びこれを用いた伝動ベルト - Google Patents

伝動ベルト用コード及びこれを用いた伝動ベルト

Info

Publication number
JP2000161441A
JP2000161441A JP10333746A JP33374698A JP2000161441A JP 2000161441 A JP2000161441 A JP 2000161441A JP 10333746 A JP10333746 A JP 10333746A JP 33374698 A JP33374698 A JP 33374698A JP 2000161441 A JP2000161441 A JP 2000161441A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
treatment
cord
belt
transmission belt
rubber latex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10333746A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Kinoshita
隆史 木下
Hitoshi Hanesaka
仁志 羽坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP10333746A priority Critical patent/JP2000161441A/ja
Publication of JP2000161441A publication Critical patent/JP2000161441A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン含有重合体を使用せずに良好な接着
力を得ることができる接着処理繊維と、この接着処理繊
維のホツレ性を改善し、ゴムとの接着性を向上させた伝
動ベルト用コード及びこれを用いた伝動ベルトを提供す
る。 【解決手段】 ベルト長手方向に沿って心線2を埋設し
た接着ゴム層3と、圧縮ゴム層4を含む弾性体層からな
るVリブドベルト1であり、上記心線3が、アラミド繊
維フィラメント群を撚り合わせた撚糸コードを第1処理
としてイソシアネート化合物で接着処理し、第2処理と
して水素化ニトリルゴムラテックスとアクリロニトリル
−ブタジエンゴムラテックスを含み、水素化ニトリルゴ
ムラテックスとアクリロニトリル−ブタジエンゴムラテ
ックスの固形分重量比が90:10〜50:50である
RFL液で処理したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は伝動ベルト用コード
及びこれを用いた伝動ベルトに係り、詳しくはホツレ性
を改善し、ゴムとの接着性を向上させた伝動ベルト用コ
ード及びこれを用いた伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、省エネルギー化、コンパクト化の
社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰
囲気温度は、従来に比べて上昇し、伝動ベルトの使用環
境温度も高くなってきた。従来の伝動ベルトは主に天然
ゴム、スチレンーブタジエンゴム、クロロプレンゴムを
使用してきたが、 高温雰囲気下では、圧縮ゴム層が早
期に亀裂を発生することがあった。
【0003】このため、最近では、耐熱性ポリマーとし
て開発された水素化ニトリルゴムがVリブドベルト、V
ベルト、あるいは歯付ベルトに使用されている。また、
水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を使用し
たゴム配合物も伝動ベルトの弾性部材に使用されてい
る。これに応じて、心線である繊維コードと水素化ニト
リルゴムとの接着も改善されつつある。
【0004】例えば、繊維コードと水素化ニトリルゴム
組成物との接着において、特公昭60−24131号公
報には、カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジ
エンゴムラテックスからなるRFL液で処理する方法、
特公平5−41525公報、特公平5−41526公
報、特公平5−41527公報には、イソシアネート化
合物、エポキシ化合物及びシランカップリング剤から選
ばれた活性化合物、RFL液及びハロゲン含有重合体を
主成分とする接着剤組成物で処理する方法、特公平6−
41528公報にはエポキシ化合物あるいはイソシアネ
ート化合物で第1処理した後、RFL液で第2処理し、
そしてゴム配合物と塩化ゴムを溶剤に溶かしたゴム糊で
第3処理する方法が開示されている。
【0005】また、カルボキシル基含有アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴムゴムラテックスからなるRFL液で
処理する方法では、従来に比べて繊維コードと水素化ニ
トリルゴムとの接着力は改善されたが、この処理コード
を心線に用いた伝動ベルトを走行させて繰り返し疲労を
与えた場合には、早期に心線と接着ゴム層とが界面剥離
し、実使用上、接着力が不足していることが明らかにな
った。
【0006】活性化合物、RFL液及びハロゲン含有重
合体を主成分とする接着剤組成物を使用する場合には、
ハロゲン含有重合体の使用は、地球環境上、制限される
可能性を含んでいる。 更には、特公平6−41528
公報に記載された方法では、塩化ゴムが地球環境上、制
限される可能性を含んでおり、将来において継続的に安
定した供給が危ぶまれる問題を含んでいる。
【0007】現在、アラミド繊維コードは高強度、高モ
ジュラスの有機繊維で、熱中の寸法安定性が他の有機繊
維より優れており、広く動力伝動用ベルトの心線として
用いられている。しかし、歯付ベルト、Vリブドベルト
及びカットエッジタイプのVベルト等のベルト両側面
(カット面)を露出させた動力伝動用ベルトの心線とし
て使用した場合、そのカット面から該繊維のフィラメン
トが飛び出す「ホツレ」という問題が発生したために、
種々の改善が今日まで行われてきた。
【0008】例えば、(1)レゾルシン−ホルマリン−
ゴムラテックス接着液(以下、RFL液と略記する)を
用いる方法、(2)エポキシ又はイソシアネート化合物
で前処理した後、RFL液を用いる方法などが試みられ
てきた。また、RFL液の含浸性を改善するため、特開
平8−100370号公報にはRFL液を含む処理液を
真空・加圧条件下で含浸する方法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(1)に記載
したRFL液処理のみの場合には、、屈曲性はよいがホ
ツレ易さが残り、一方(2)の方法ではコードが硬くな
り、ホツレ性は改善されるが屈曲疲労性が悪くなる等、
何れも未だ充分満足される状態に至っていない。更に、
処理液を真空・加圧条件下で含浸する方法も連続処理に
は不適であった。
【0010】本発明者等も、さきにアラミド繊維を少な
くとも1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と
液状ゴムの混合溶液で処理し、しかる後、これを未加硫
ゴムと密着加硫せしめる接着方法を提案した。この方法
は従来法に比べ屈曲疲労性及びホツレ性を著しく改善で
きたが、なお接着性がやや劣っている難があり、更に検
討の余地が残されていた。
【0011】本発明は、これらの点を考慮し、ハロゲン
含有重合体を使用せずに良好な接着力を得ることができ
る接着処理繊維と、この接着処理繊維のホツレ性を改善
し、ゴムとの接着性を向上させた伝動ベルト用コード及
びこれを用いた伝動ベルトを提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明は、アラミド繊維フィラメント群を撚り合わせた
撚糸コードからなる伝動ベルト用コードにおいて、該撚
糸コードを第1処理としてイソシアネート化合物で接着
処理し、第2処理として水素化ニトリルゴムラテックス
とアクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスを含
み、水素化ニトリルゴムラテックスとアクリロニトリル
−ブタジエンゴムラテックスの固形分重量比が90:1
0〜50:50であるRFL液で処理した伝動ベルト用
コードにある。
【0013】本発明のように、アラミド繊維コードを第
1処理液としてイソシアネート化合物で処理した場合、
RFL液の濡れ性が良くなり、RFL液が心線内部まで
浸透しやすく、浸透したRFL液がフィラメントを固着
し、ホツレ性を改善し、更に第2処理液のRFL液にお
けるH−NBRラテックスとNBRラテックスの固形分
重量比において、NBRラテックスの比率が所定範囲内
であると、RFL液の耐熱性が良好になり、アラミド繊
維コードの屈曲疲労性も改善される
【0014】本願請求項2記載の発明は、撚糸コードを
第1処理する前に予めエポキシ化合物で処理をする伝動
ベルト用コードにある。
【0015】本願請求項3記載の発明は、ベルト長手方
向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層を
含む弾性体層からなる動力伝動ベルトにおいて、上記心
線が、アラミド繊維フィラメント群を撚り合わせた撚糸
コードを第1処理としてイソシアネート化合物で接着処
理し、第2処理として水素化ニトリルゴムラテックスと
アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスを含み、
水素化ニトリルゴムラテックスとアクリロニトリル−ブ
タジエンゴムラテックスの固形分重量比が90:10〜
50:50であるRFL液で処理した伝動ベルトにあ
る。
【0016】本願請求項4記載の発明は、 ベルト長手
方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層
を含む弾性体層からなるVリブドベルトあるいはVベル
トから選ばれた伝動ベルトにある。
【0017】本願請求項5記載の発明は、撚糸コードを
第1処理する前に予めエポキシ化合物で処理をする伝動
ベルトにある。
【0018】本願請求項6記載の発明は、ベルト長手方
向に沿って複数の歯ゴムと心線を埋設した背ゴムからな
る歯付ベルトにおいて、上記心線が、アラミド繊維フィ
ラメント群を撚り合わせた撚糸コードを第1処理として
イソシアネート化合物で接着処理し、第2処理として水
素化ニトリルゴムラテックスとアクリロニトリル−ブタ
ジエンゴムラテックスを含み、水素化ニトリルゴムラテ
ックスとアクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス
の固形分重量比が90:10〜50:50であるRFL
液で処理した歯付ベルトにある。
【0019】本願請求項7記載の発明は、撚糸コードを
第1処理する前に予めエポキシ化合物で処理をする歯付
ベルトにある。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明で使用するゴム組成物とし
ては、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、水素化ニト
リルゴム(H−NBR)に不飽和カルボン酸金属塩を添
加したもの、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレ
ン(ACSM)、NBR、クロロプレンゴム(CR)、
クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)、EP
DM等を主成分とし、これにカーボンブラックのような
補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫助剤、硫黄
のような加硫剤等が添加混合される。なかでも、水素化
ニトリルゴム配合物が最適である。
【0021】水素化ニトリルゴムは、水素添加率80%
以上であり、耐熱性及び耐オゾン性の特性を発揮するた
めに好ましくは90%以上が良い。水素添加率80%未
満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オゾン性が極
度に低下する。耐油性及び耐寒性を考慮すると、結合ア
クリロニトリル量は20〜45%の範囲が好ましい。
【0022】本発明で使用するアラミド繊維フィラメン
ト群を撚り合わせた撚糸コードは、分子構造の主鎖中に
芳香環をもつアラミド、例えば商品名ケブラー、テクノ
ーラ、トワロン等であり、1〜3デニールのモノフィラ
メントを100〜3000本収束したトータル300〜
3100デニ−ルの無撚りの原糸を2〜5本寄せ集め、
これを上撚り数4〜50回/10cmで上撚りして得た
ものである。無論、上撚りの前に下撚りを施してもよ
い。
【0023】使用する撚糸コードは、下記方法によって
処理される。 (1)まず未処理撚糸コードを、イソシアネート化合物
で室温に設定した第1処理液に0.5〜30秒間浸漬し
た後、150〜190°Cに調節したオーブンに2〜5
分間通して乾燥される。イソシアネート化合物で処理し
た場合、RFL液との濡れ性に優れており、RFL液が
心線内部まで浸透し易く、浸透したRFL液がフィラメ
ントを固着し、ホツレ性を改善する。
【0024】(2)水素化ニトリルゴムラテックス(H
−NBRラテックス)とアクリロニトリル−ブタジエン
ゴムラテックス(NBRラテックス)からなるゴムラテ
ックスを成分とするRFL液である第2処理液で処理す
る。RFL液はレゾルシンとホルマリンの初期縮合物を
ゴムラテックスと混合したものであり、この場合レゾル
シンとホルマリンのモル比は3/1〜1/3にすること
が接着力を高める上で好適である。また、レゾルシンと
ホルマリンの初期縮合物は、このゴムラテックスのゴム
分100重量部に対してその樹脂分が5〜100重量部
になるように混合した上、全固形濃度を5〜40%濃度
に調節される。
【0025】この場合の処理液の温度は5〜40°Cに
調節し、また浸漬時間は0.5〜30秒であり、200
〜250°Cに調節したオーブンに1〜3分間通して熱
処理される。
【0026】上記H−NBRラテックスとNBRラテッ
クスの固形分重量比が90:10〜50:50であり、
NBRラテックスの固形分重量比が10未満になると、
第1処理液との濡れ性が悪くなり、RFL液が心線内部
まで浸透せず、ホツレ性が悪くなる。逆に、NBRラテ
ックスの固形分重量比が50を越えると、RFLの耐熱
性が悪くなり、ひいてはコードの屈曲疲労性が悪くな
る。
【0027】また、本発明では、予めイソシアネート化
合物で処理する前にエポキシ化合物で処理することがで
きる。イソシアネート化合物の処理だけでも良好な接着
を得ることができるが、エポキシ化合物で前処理する方
が更に強固な接着が得られる。
【0028】上記第1処理液で使用するイソシアネート
化合物としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、
ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネ
ート(例えば商品名としてPAPIがある)等がある。
このイソシアネート化合物もトルエン、メチルエチルケ
トン等の有機溶剤に混合して使用される。また、上記イ
ソシアネート化合物にフェノール類、第3級アルコール
類、第2級アルコール類等のブロック化剤を反応させて
ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化し
たブロック化ポリイソシアネートも使用可能である。
【0029】第2処理液であるRFL液は、レゾルシン
とホルマリンの初期縮合物とH−NBRラテックスとN
BRラテックスとを混合したものであり、この場合レゾ
ルシンとホルマリンのモル比は3/1〜1/3にするこ
とが接着力を高めるうえで好適である。また、レゾルシ
ンとホルマリンの初期縮合物は、これをゴムラテックス
のゴム分100重量部に対してその樹脂分が5〜100
重量部になるようにゴムラテックスと混合したうえ、全
固形濃度を5〜40%濃度に調節される。
【0030】また、前処理で使用するエポキシ化合物と
しては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペン
タエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレン
グリコール等のポリアルキレングリコールとエピクロル
ヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応
生成物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ジメチルメタン、フェノール.ホルムアルデヒド樹
脂、レゾルシン.ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノ
ール類やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物な
どである。上記エポキシ化合物はトルエン、メチルエチ
ルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
【0031】図1に示すVリブドベルト1は、上記の接
着処理した撚糸コードを心線の使用した実施例を示して
いる。これによると、接着ゴム層3中アラミド繊維を素
材とする高強度で低伸度のコードよりなる心線2を接着
ゴム層3中に埋設し、その下側に弾性体層である圧縮ゴ
ム層4を有している。この圧縮ゴム層4にはベルト長手
方向にのびる断面略三角形の複数のリブ7が設けられ、
またベルト表面には付着したゴム付帆布5が設けられて
いる。
【0032】前記圧縮ゴム層4に使用されるゴムは、ア
ルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン(ACS
M)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、NBR、ク
ロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチ
レンゴム(CSM)、EPDMであり、耐熱劣化性の改
良されたゴムである。
【0033】アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレ
ンは、、塩素含有量が15〜35重量%で、硫黄含有量
が0.5〜2.5重量%の範囲になるようにクロロスル
フォン化した直鎖状分子構造の低密度ポリエチレンであ
る。
【0034】また、本発明のVリブドベルトの圧縮ゴム
層4には、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、
綿、アラミドからなる短繊維を混入して圧縮ゴム層4の
耐側圧性を向上させるとともに、プーリと接する面にな
る圧縮ゴム層4の表面に該短繊維を突出させ、圧縮ゴム
層4の摩擦係数を低下させて、ベルト走行時の騒音を軽
減する。これらの短繊維のうち、剛直で強度を有し、し
かも耐磨耗性を有するアラミド短繊維が最も効果があ
る。
【0035】上記アラミド短繊維が前述の効果を充分に
発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20
mmで、その添加量はゴム100重量部に対して1〜3
0重量部である。このアラミド繊維は、例えば商品名コ
ーネックス、ノーメックス、ケブラー、テクノーラ、ト
ワロン等である。尚、アラミド短繊維の添加量が1重量
部未満の場合には、圧縮ゴム層4のゴムが粘着しやすく
なって磨耗する欠点があり、また一方30重量部を越え
ると短繊維がゴム中に均一に分散しなくなる。
【0036】接着ゴム層は、アルキル化クロロスルフォ
ン化ポリエチレン(ACSM)、水素化ニトリルゴム
(H−NBR)、NBR、クロロプレンゴム(CR)、
クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)、EP
DMのような耐熱劣化性の改良されたゴムが使用され、
ゴムに通常のカーボンブラックのような補強剤、充填
剤、軟化剤、老化防止剤、加硫助剤、硫黄のような加硫
剤等を含有させたものである。
【0037】前記接着処理した撚糸コードは、Vリブド
ベルトのみならず歯付ベルトにも使用される。歯付ベル
ト10は、図2に示すようにベルト長手方向に沿って複
数の歯ゴム12と心線13を埋設した背ゴム14とから
なり、歯ゴム12の表面にはカバー帆布15を貼着して
いる。
【0038】前記撚糸コードは、他のベルトとしてカッ
トエッジタイプのVベルト21にも使用される。このベ
ルト21は、図3に示すように心線23を埋設した接着
ゴム層24と圧縮ゴム26とから構成され、更に上記接
着ゴム層24及び圧縮ゴム層26の各表面層にゴム付帆
布22を積層している。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 1.撚糸コード 無撚りのアラミド繊維フィラメント(帝人社製テクノー
ラ1,500デニール)を表1の前処理液に浸漬後、2
00°Cで1分間熱処理した後、1,500デニール/
1×2の構成、下撚り係数0.5、上撚り係数2.5で
下撚りと同一方向に上撚りして、撚糸コードとした。
【0040】
【表1】
【0041】2.処理コード 読いて、上記撚糸コードを表2に示すように第1処理液
に浸漬後、200°Cで1分間熱処理し、更に表3に示
す第2処理液に浸漬後、200°Cで1分間熱処理して
心線用の処理コードにした。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】3.ベルトの作製 円筒状モールドに表4に示す水素化ニトリルゴム配合物
を巻き付けた後、その上から表5に示す処理コードをス
パイラルに巻き付け、更に同ゴムシートを巻き付け、こ
れを加硫して平ベルトとした。得られた平ベルトの平剥
離力、熱老化屈曲疲労後強力保持率、ホツレ性を下記の
方法により測定した。その結果を表5に記載する。
【0045】4.平剥離力 25mmの幅に隙間なく並べた処理コードと表4に示す
ゴムを合わせて、圧力2MPa、温度153℃で30分
間加硫して剥離試料を作製し、50mm/分の速度でT
型剥離試験を行い、処理コードとゴム間の剥離力を測定
した。
【0046】5.熱老化屈曲疲労後強力保持率 平ベルトから作製したコード2本をゴム中に埋設した試
料を、140℃で3日間熱老化した後、屈曲試験を実施
し、10,000回屈曲後、試料から取り出したコード
の強力をJIS L−1017に従って測定し、屈曲前
のコード強力で除して強力保持率を求めた。屈曲試験は
直径10mmの2本の棒に絡みつけ、他端に2kgの荷
重を与え、該2本の棒を速度100回/分、ストローク
100mmで上下動させて試験試料を屈曲させた。
【0047】6.ホッレ性 平ベルトを幅2cmにカットし、カット面に露出したコ
ードのホツレ程度を目視により5段階(A〜E)で評価
した。評価Aは良で、Eは悪になる。
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】以上の結果、比較例1のように第1処理液
としてエポキシ化合物を使用すると、第2処理液のRF
L液の心線内部への浸透性が悪く、またホツレ性も悪く
なる。一方、実施例のごとくイソシアネート化合物で処
理すると、RFL液の濡れ性が良くなり、RFL液が心
線内部まで浸透しやすく、浸透したRFL液がフィラメ
ントを固着し、ホツレ性を改善する。また、第2処理液
のRFL液におけるH−NBRラテックスとNBRラテ
ックスの固形分重量比において、NBRラテックスの比
率が50より多くなると、RFL液の耐熱性が悪くな
り、アラミド繊維コードの屈曲疲労性の悪化につなが
る。
【0051】
【発明の効果】以上のように本願請求項記載の発明で
は、第1処理液としてイソシアネート化合物で処理する
と、RFL液の濡れ性が良くなり、RFL液が心線内部
まで浸透しやすく、浸透したRFL液がフィラメントを
固着し、ホツレ性を改善し、更に第2処理液のRFL液
におけるH−NBRラテックスとNBRラテックスの固
形分重量比において、NBRラテックスの比率が所定範
囲内であると、RFL液の耐熱性が良好になり、アラミ
ド繊維コードの屈曲疲労性も改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るVリブドベルトの断面図である。
【図2】本発明に係る歯付ベルトの正面図である。
【図3】本発明に係るVベルトの断面図である。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2 心線 3 接着ゴム層 4 圧縮ゴム層 5 ゴム付帆布 7 リブ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アラミド繊維フィラメント群を撚り合わ
    せた撚糸コードからなる伝動ベルト用コードにおいて、
    該撚糸コードを第1処理としてイソシアネート化合物で
    接着処理し、第2処理として水素化ニトリルゴムラテッ
    クスとアクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスを
    含み、水素化ニトリルゴムラテックスとアクリロニトリ
    ル−ブタジエンゴムラテックスの固形分重量比が90:
    10〜50:50であるRFL液で処理したことを特徴
    とする伝動ベルト用コード。
  2. 【請求項2】 撚糸コードを第1処理する前に予めエ
    ポキシ化合物で処理をする請求項1記載の伝動ベルト用
    コード。
  3. 【請求項3】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
    接着ゴム層と、圧縮ゴム層を含む弾性体層からなる動力
    伝動ベルトにおいて、上記心線が、アラミド繊維フィラ
    メント群を撚り合わせた撚糸コードを第1処理としてイ
    ソシアネート化合物で接着処理し、第2処理として水素
    化ニトリルゴムラテックスとアクリロニトリル−ブタジ
    エンゴムラテックスを含み、水素化ニトリルゴムラテッ
    クスとアクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスの
    固形分重量比が90:10〜50:50であるRFL液
    で処理したものであることを特徴とする伝動ベルト。
  4. 【請求項4】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
    接着ゴム層と、圧縮ゴム層を含む弾性体層からなるVリ
    ブドベルトあるいはVベルトから選ばれた請求項4記載
    の伝動ベルト。
  5. 【請求項5】 撚糸コードを第1処理する前に予めエ
    ポキシ化合物で処理をする請求項3または4記載の伝動
    ベルト。
  6. 【請求項6】 ベルト長手方向に沿って複数の歯ゴムと
    心線を埋設した背ゴムからなる歯付ベルトにおいて、上
    記心線が、アラミド繊維フィラメント群を撚り合わせた
    撚糸コードを第1処理としてイソシアネート化合物で接
    着処理し、第2処理として水素化ニトリルゴムラテック
    スとアクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスを含
    み、水素化ニトリルゴムラテックスとアクリロニトリル
    −ブタジエンゴムラテックスの固形分重量比が90:1
    0〜50:50であるRFL液で処理したものであるこ
    とを特徴とする歯付ベルト。
  7. 【請求項7】 撚糸コードを第1処理する前に予めエ
    ポキシ化合物で処理をする請求項6記載の歯付ベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010071333A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Gates Unitta Asia Co ベルト及びその心線と心線の処理液
DE10236112B4 (de) * 2001-08-13 2017-01-26 Bando Chemical Industries, Ltd. Kraftübertragungsriemen und Verfahren zu dessen Herstellung

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