JP2000160382A - 有機化合物の電解フッ素化装置 - Google Patents
有機化合物の電解フッ素化装置Info
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- JP2000160382A JP2000160382A JP10333172A JP33317298A JP2000160382A JP 2000160382 A JP2000160382 A JP 2000160382A JP 10333172 A JP10333172 A JP 10333172A JP 33317298 A JP33317298 A JP 33317298A JP 2000160382 A JP2000160382 A JP 2000160382A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】有機物の電解フッ素化を極めて効率よく、かつ
安定して実施することが可能な新規な電解フッ素化装置
と該電解フッ素化装置を使用したフッ素化有機化合物の
製造方法 【解決手段】間隔をあけて交互に配列された複数の陰極
板1及び陽極板2及び該陰極板と陽極板の配列を挟んで
対向して設けられた陰極集電板10及び陽極集電板11
よりなり、上記陰極板と陽極板との側辺がそれぞれ対応
する集電板に全長にわたって接続されてなる電極部を有
する電解槽よりなる。
安定して実施することが可能な新規な電解フッ素化装置
と該電解フッ素化装置を使用したフッ素化有機化合物の
製造方法 【解決手段】間隔をあけて交互に配列された複数の陰極
板1及び陽極板2及び該陰極板と陽極板の配列を挟んで
対向して設けられた陰極集電板10及び陽極集電板11
よりなり、上記陰極板と陽極板との側辺がそれぞれ対応
する集電板に全長にわたって接続されてなる電極部を有
する電解槽よりなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解浴液中の陽極
および陰極の間で電気化学的に有機化合物をフッ素化す
る電解フッ素化法に関する。詳しくは、有機物の電解フ
ッ素化を極めて効率よく、かつ安定して実施することが
可能な新規な電解フッ素化装置と該電解フッ素化装置を
使用したフッ素化有機化合物の製造方法に関する。
および陰極の間で電気化学的に有機化合物をフッ素化す
る電解フッ素化法に関する。詳しくは、有機物の電解フ
ッ素化を極めて効率よく、かつ安定して実施することが
可能な新規な電解フッ素化装置と該電解フッ素化装置を
使用したフッ素化有機化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電解フッ素化方法は、有機化合物のフッ
素化方法としてよく知られている。得られたフッ素化有
機化合物は、不活性液体、界面活性剤原料、医農薬前駆
体等として広く用いられている。
素化方法としてよく知られている。得られたフッ素化有
機化合物は、不活性液体、界面活性剤原料、医農薬前駆
体等として広く用いられている。
【0003】上記電解フッ素化方法を工業的に実施する
に当たって、従来より種々の問題が指摘されている。例
えば、目的とするパーフルオロ化合物等の電解フッ素化
有機化合物の収率が低いこと、電解中に重合物質が生成
し長期間にわたって安定に電解が継続できないこと、あ
るいは高い電流密度で電解できないために生産量の割に
は設備が大きくなること等の課題を有していた。
に当たって、従来より種々の問題が指摘されている。例
えば、目的とするパーフルオロ化合物等の電解フッ素化
有機化合物の収率が低いこと、電解中に重合物質が生成
し長期間にわたって安定に電解が継続できないこと、あ
るいは高い電流密度で電解できないために生産量の割に
は設備が大きくなること等の課題を有していた。
【0004】これらの課題を解決するために、例えば特
公昭63−30399号公報では、ジメチルスルホキシ
ド等の硫黄化合物を添加する方法が提案されている。ま
た、特開平1−283397号公報ではトリアルキルア
ミンの電解フッ素化において、比較的炭素数の多いもの
と少ないものの混合物を原料とする方法が提案されてい
る。
公昭63−30399号公報では、ジメチルスルホキシ
ド等の硫黄化合物を添加する方法が提案されている。ま
た、特開平1−283397号公報ではトリアルキルア
ミンの電解フッ素化において、比較的炭素数の多いもの
と少ないものの混合物を原料とする方法が提案されてい
る。
【0005】しかしながら、これらの方法はある程度の
効果はあるものの、上記問題を十分に解決し得るには至
っていない。
効果はあるものの、上記問題を十分に解決し得るには至
っていない。
【0006】また、電解フッ素化を実施するための電解
フッ素化装置として、特公昭31−3660、フルオリ
ンケミストリー第1巻418頁(シモンズ編集、195
0年発行)、特開昭47−18775、特開平4−14
3288等に開示されているいわゆるシモンズ式電解槽
が従来より用いられて来た。例えば、図3に例示した電
解槽の構造がその代表的なものである。この電解槽は、
複数の陽極版2、陰極板1を交互に配列して構成される
電極部の構造において、陽極板及び陰極板は、それぞれ
重なり合わない一点で陽極集電体18と陰極集電体17
を介して通常棒状の陽極リブ11と陰極リブ10に接続
し、各リブを電槽蓋上部から取り出されるのが一般的で
ある。
フッ素化装置として、特公昭31−3660、フルオリ
ンケミストリー第1巻418頁(シモンズ編集、195
0年発行)、特開昭47−18775、特開平4−14
3288等に開示されているいわゆるシモンズ式電解槽
が従来より用いられて来た。例えば、図3に例示した電
解槽の構造がその代表的なものである。この電解槽は、
複数の陽極版2、陰極板1を交互に配列して構成される
電極部の構造において、陽極板及び陰極板は、それぞれ
重なり合わない一点で陽極集電体18と陰極集電体17
を介して通常棒状の陽極リブ11と陰極リブ10に接続
し、各リブを電槽蓋上部から取り出されるのが一般的で
ある。
【0007】しかし、この電解槽を用いて、特に工業的
規模で電気フッ素化を実施した場合、陽極板の溶解が偏
って起こり、電解を継続するにつれて対向する電極の極
間距離に部分的な差が生じる。陽極板の溶解が偏って起
こることにより、陽極板一部が極端に溶解する結果、陽
極の取り替え寿命が短いといった問題も有していた。
規模で電気フッ素化を実施した場合、陽極板の溶解が偏
って起こり、電解を継続するにつれて対向する電極の極
間距離に部分的な差が生じる。陽極板の溶解が偏って起
こることにより、陽極板一部が極端に溶解する結果、陽
極の取り替え寿命が短いといった問題も有していた。
【0008】このように、従来の電解フッ素化装置は、
前記問題の解決に対して不十分であるばかりでなく、上
述した種々の問題をも合わせ有していた。
前記問題の解決に対して不十分であるばかりでなく、上
述した種々の問題をも合わせ有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高い電流密度で電解しても長期間にわたり安定した
電解電圧で運転が可能で、高い収率で得ることができる
電解フッ素化装置とこの電解フッ素化装置を用いた電解
フッ素化方法を提供することにある。
は、高い電流密度で電解しても長期間にわたり安定した
電解電圧で運転が可能で、高い収率で得ることができる
電解フッ素化装置とこの電解フッ素化装置を用いた電解
フッ素化方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、前記陽極板の溶
解が偏って起こる現象が、電極板に対する集電体の接続
の仕方にあることを見い出した。すなわち、従来の電解
フッ素化装置における電極板と集電体との接続は、一般
に、前記図3に見られるように、電極板の一点(一般
に、数cm幅)において集電体と接続されるものであ
り、この接続態様が上記現象に大きな影響を与えるとい
う知見を得た。
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、前記陽極板の溶
解が偏って起こる現象が、電極板に対する集電体の接続
の仕方にあることを見い出した。すなわち、従来の電解
フッ素化装置における電極板と集電体との接続は、一般
に、前記図3に見られるように、電極板の一点(一般
に、数cm幅)において集電体と接続されるものであ
り、この接続態様が上記現象に大きな影響を与えるとい
う知見を得た。
【0011】このことは、電極板の有する高い伝導率か
ら予測できない現象であり、有機化合物の電解フッ素化
という特殊な環境下において顕著に生ずる驚くべき現象
である。
ら予測できない現象であり、有機化合物の電解フッ素化
という特殊な環境下において顕著に生ずる驚くべき現象
である。
【0012】そして、更に研究を重ねた結果、集電体を
板状とし、該集電板に電極板をそれぞれ側辺が対応する
集電板に全長にわたって接続することにより、陽極板の
溶解量を実質的に全面にわたって均一化できるうえ、極
めて高い生産性と安定性とを両立し、更に装置寿命の長
い電解フッ素化装置を完成することに成功し、本発明を
提案するに至った。
板状とし、該集電板に電極板をそれぞれ側辺が対応する
集電板に全長にわたって接続することにより、陽極板の
溶解量を実質的に全面にわたって均一化できるうえ、極
めて高い生産性と安定性とを両立し、更に装置寿命の長
い電解フッ素化装置を完成することに成功し、本発明を
提案するに至った。
【0013】即ち、本発明は、間隔をあけて交互に配列
された複数の陰極板及び陽極板及び該陰極板と陽極板の
配列を挟んで対向して設けられた陰極集電板及び陽極集
電板よりなり、上記陰極板と陽極板との側辺がそれぞれ
対応する集電板に全長にわたって接続されてなる電極部
を有する電解槽よりなることを特徴とする有機化合物の
電解フッ素化装置である。
された複数の陰極板及び陽極板及び該陰極板と陽極板の
配列を挟んで対向して設けられた陰極集電板及び陽極集
電板よりなり、上記陰極板と陽極板との側辺がそれぞれ
対応する集電板に全長にわたって接続されてなる電極部
を有する電解槽よりなることを特徴とする有機化合物の
電解フッ素化装置である。
【0014】また、本発明は、上記電解フッ素化装置
に、供給口より有機化合物を含むフッ化水素溶液よりな
る被電解液を供給し、電流密度3〜50dm2/Aで電
解フッ素化することを特徴とするフッ素化有機化合物の
製造方法をも提供する。
に、供給口より有機化合物を含むフッ化水素溶液よりな
る被電解液を供給し、電流密度3〜50dm2/Aで電
解フッ素化することを特徴とするフッ素化有機化合物の
製造方法をも提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電解フッ素化装置
を添付図面によって説明するが、本発明は、これらの添
付図面に何ら限定されるものではない。
を添付図面によって説明するが、本発明は、これらの添
付図面に何ら限定されるものではない。
【0016】図1は、本発明の電解フッ素化装置の代表
的な態様を示す側面図であり、電極部周辺を断面図とし
て示した図である。
的な態様を示す側面図であり、電極部周辺を断面図とし
て示した図である。
【0017】本発明において、電解フッ素化装置は、電
解槽8内に電極部Aを収容し、該電極部Aの下方に有機
化合物を含む無水フッ化水素溶液よりなる被電解液の供
給口5を、該電極部Aの上方に電解液の取出口6及びガ
ス取出口7を有する。
解槽8内に電極部Aを収容し、該電極部Aの下方に有機
化合物を含む無水フッ化水素溶液よりなる被電解液の供
給口5を、該電極部Aの上方に電解液の取出口6及びガ
ス取出口7を有する。
【0018】上記電解槽の槽部の材質は、使用環境下で
耐食性を有するものが特に制限なく使用され、例えば
鉄、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金や四フッ化エ
チレン樹脂等を用いることができる。
耐食性を有するものが特に制限なく使用され、例えば
鉄、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金や四フッ化エ
チレン樹脂等を用いることができる。
【0019】本発明の電解フッ素化装置は、電極部Aが
間隔をあけて交互に配列された複数の陰極板1及び陽極
板2、及び該陰極板1と陽極板2の配列を挟んで対向し
て設けられた陰極集電板3及び陽極集電板4よりなり、
上記陰極板1と陽極板2との側辺がそれぞれ対応する集
電板3及び4に全長にわたって接続されてなることを特
徴とする。
間隔をあけて交互に配列された複数の陰極板1及び陽極
板2、及び該陰極板1と陽極板2の配列を挟んで対向し
て設けられた陰極集電板3及び陽極集電板4よりなり、
上記陰極板1と陽極板2との側辺がそれぞれ対応する集
電板3及び4に全長にわたって接続されてなることを特
徴とする。
【0020】前記したように、電解フッ素化装置の電極
部の従来の構造は、集電体に電極板が一点で接続された
ものであり、本発明のように電極板の一辺がその全長に
わたって集電体に接続されていない。そのため、かかる
従来の電極部を使用した電解フッ素化装置においては、
陽極板の溶解が偏って起こる現象が生じ、前記した種々
の問題を引き起こし、生産性が低下する。
部の従来の構造は、集電体に電極板が一点で接続された
ものであり、本発明のように電極板の一辺がその全長に
わたって集電体に接続されていない。そのため、かかる
従来の電極部を使用した電解フッ素化装置においては、
陽極板の溶解が偏って起こる現象が生じ、前記した種々
の問題を引き起こし、生産性が低下する。
【0021】これに対して、本発明にあっては、集電体
を板状の集電板3及び4とし、該集電板に電極板をそれ
ぞれ側辺が対応する集電板に全長にわたって接続するこ
とにより、陽極板の溶解量を実質的に全面にわたって均
一化できるため、陽極板の極間がほぼ全面にわたって常
に一定に保たれ、たとえ陽極板が溶解して極間が拡大さ
れた場合でも、局部的な電流密度の上昇による有機化合
物の分解などの発生もなく、生産性を高く維持すること
が可能である。また、陽極板の全体が均一に溶解するた
め、極めて薄い状態まで問題なく使用でき、該陽極板の
取り替え寿命を著しく向上することができる。
を板状の集電板3及び4とし、該集電板に電極板をそれ
ぞれ側辺が対応する集電板に全長にわたって接続するこ
とにより、陽極板の溶解量を実質的に全面にわたって均
一化できるため、陽極板の極間がほぼ全面にわたって常
に一定に保たれ、たとえ陽極板が溶解して極間が拡大さ
れた場合でも、局部的な電流密度の上昇による有機化合
物の分解などの発生もなく、生産性を高く維持すること
が可能である。また、陽極板の全体が均一に溶解するた
め、極めて薄い状態まで問題なく使用でき、該陽極板の
取り替え寿命を著しく向上することができる。
【0022】したがって、有機化合物の電解フッ素化に
おいて、極めて高い生産性と安定性とを両立し、更に装
置寿命の長い電解フッ素化装置を実現することが可能で
ある。
おいて、極めて高い生産性と安定性とを両立し、更に装
置寿命の長い電解フッ素化装置を実現することが可能で
ある。
【0023】本発明において、陰極板1と陽極板2との
側辺がそれぞれ対応する集電板3及び4に全長にわたっ
て接続される態様としては、図1に示すように電極板の
側辺が連続して接続される態様が一般的であるが、非接
続部を間隔をあけて設けることにより、断続的に接続し
た態様も採用することができる。かかる態様は、特に、
集電板に電極板を溶接によって取り付ける場合、上記非
接続部が該電極板の溶接部にかかる応力を緩和する役目
を果たし、電極板のそりを有効に防止できるため好まし
い。
側辺がそれぞれ対応する集電板3及び4に全長にわたっ
て接続される態様としては、図1に示すように電極板の
側辺が連続して接続される態様が一般的であるが、非接
続部を間隔をあけて設けることにより、断続的に接続し
た態様も採用することができる。かかる態様は、特に、
集電板に電極板を溶接によって取り付ける場合、上記非
接続部が該電極板の溶接部にかかる応力を緩和する役目
を果たし、電極板のそりを有効に防止できるため好まし
い。
【0024】上記電極板の側辺を断続的に接続する態様
において、非接続部の長さは、本発明の効果を著しく阻
害しない範囲で適宜決定される。かかる長さは、電極板
の側辺の長さに対して50%以下、好ましくは30%以
下とすることが望ましい。また、一個所の非接続部の長
さは、50mm以下、特に30mm以下が好ましい。
において、非接続部の長さは、本発明の効果を著しく阻
害しない範囲で適宜決定される。かかる長さは、電極板
の側辺の長さに対して50%以下、好ましくは30%以
下とすることが望ましい。また、一個所の非接続部の長
さは、50mm以下、特に30mm以下が好ましい。
【0025】また、上記陰極板および陽極板の材質、大
きさ、使用枚数等は、特に制限されないが、陰極の材質
としては、鉄、銅、ニッケル、ニッケル合金、鉄合金等
が、陽極の材質としては、ニッケル、ニッケル合金等が
好適である。特に、陽極の材質として、不純物として含
まれる鉄濃度が1,000ppm以下、好ましくは40
0ppm以下のニッケルを使用することは、高い電密下
においても長期に渡って安定に運転を継続し得る効果が
あり、好適である。
きさ、使用枚数等は、特に制限されないが、陰極の材質
としては、鉄、銅、ニッケル、ニッケル合金、鉄合金等
が、陽極の材質としては、ニッケル、ニッケル合金等が
好適である。特に、陽極の材質として、不純物として含
まれる鉄濃度が1,000ppm以下、好ましくは40
0ppm以下のニッケルを使用することは、高い電密下
においても長期に渡って安定に運転を継続し得る効果が
あり、好適である。
【0026】本発明の電解フッ素化装置は、大型化する
ほどその効果が顕著に現れ、特に、電解に供される陰極
板及び陽極板の通電表面積が、0.5m2以上、一般に
は1〜200m2の電解フッ素化装置に対して、本発明
は好適である。
ほどその効果が顕著に現れ、特に、電解に供される陰極
板及び陽極板の通電表面積が、0.5m2以上、一般に
は1〜200m2の電解フッ素化装置に対して、本発明
は好適である。
【0027】また、陰極板および陽極板の使用枚数は、
電解電圧等の運転条件を勘案すれば、それぞれ10〜1
50枚程度が好適である。陰極板および陽極板の各一枚
の大きさは、集電板との接続部である側辺長さHが50
〜150cm程度が好適であり、これに対する横辺長さ
Wは、側辺長さHの0.3〜1.0倍、特に0.5〜
0.8倍が陽極の偏った溶解を防止する上で好ましい。
電解電圧等の運転条件を勘案すれば、それぞれ10〜1
50枚程度が好適である。陰極板および陽極板の各一枚
の大きさは、集電板との接続部である側辺長さHが50
〜150cm程度が好適であり、これに対する横辺長さ
Wは、側辺長さHの0.3〜1.0倍、特に0.5〜
0.8倍が陽極の偏った溶解を防止する上で好ましい。
【0028】さらに、互いに対向する陰極板と陽極板と
の極間距離は、公知の設定条件が特に制限なく採用され
るが、通常0.5〜10mm、好ましくは1〜5mmが
好適に採用される。即ち、極間距離を上記範囲より大き
くした場合、液抵抗の上昇を招くばかりでなく、陰極で
発生する水素のドリフト、電極部の下方より供給される
被電解液の供給により、極間を上昇する液流速を十分高
く保つことが困難となり、生成物である比較的比重の重
いフッ素化有機化合物が電極間に滞留し易くなる。生成
したフッ素化有機化合物が電極間に滞留すると、電解に
よる分解や重合を引き起こし得るため望ましくない。ま
た、極間距離を上記範囲より狭くしても良いが、製作精
度が困難となる。
の極間距離は、公知の設定条件が特に制限なく採用され
るが、通常0.5〜10mm、好ましくは1〜5mmが
好適に採用される。即ち、極間距離を上記範囲より大き
くした場合、液抵抗の上昇を招くばかりでなく、陰極で
発生する水素のドリフト、電極部の下方より供給される
被電解液の供給により、極間を上昇する液流速を十分高
く保つことが困難となり、生成物である比較的比重の重
いフッ素化有機化合物が電極間に滞留し易くなる。生成
したフッ素化有機化合物が電極間に滞留すると、電解に
よる分解や重合を引き起こし得るため望ましくない。ま
た、極間距離を上記範囲より狭くしても良いが、製作精
度が困難となる。
【0029】また、陽極板と陰極板との接触を防ぐた
め、各電極板に電気絶縁性のスぺーサーを取り付けても
良い。スぺーサーの材質、形状、取り付け位置、取り付
け数あるいは取り付け方法は、電極板の大きさにもよる
ため特に限定されないが、例えば円盤状、板状あるいは
棒状の四フッ化エチレン樹脂製等の電気絶縁物を電極板
の先端部やその他の任意の箇所に2〜20個所に穴を開
けて嵌め込む、電極板に挟み込む、あるいは電極間にそ
のまま差し込む等の方法で取り付けても良い。もちろ
ん、このスペーサー部は電極表面を遮蔽するため電極板
の有効表面積が減少するため、スペーサーの面積が少な
いことが望ましく、通常電極面積の5%以下、特に2%
以下とすることが好ましい。
め、各電極板に電気絶縁性のスぺーサーを取り付けても
良い。スぺーサーの材質、形状、取り付け位置、取り付
け数あるいは取り付け方法は、電極板の大きさにもよる
ため特に限定されないが、例えば円盤状、板状あるいは
棒状の四フッ化エチレン樹脂製等の電気絶縁物を電極板
の先端部やその他の任意の箇所に2〜20個所に穴を開
けて嵌め込む、電極板に挟み込む、あるいは電極間にそ
のまま差し込む等の方法で取り付けても良い。もちろ
ん、このスペーサー部は電極表面を遮蔽するため電極板
の有効表面積が減少するため、スペーサーの面積が少な
いことが望ましく、通常電極面積の5%以下、特に2%
以下とすることが好ましい。
【0030】本発明において、電極の集電板3及び4の
大きさは上記電極板の大きさ及び枚数に応じて適宜決定
すればよく、また、集電板の材質はそれぞれの電極板の
材質に合わせて適宜決定すればよい。更に、該集電板に
は、電源との接続を行うための端子としてリブ10及び
11を一個所あるいは複数個所に分割して設けても良
い。
大きさは上記電極板の大きさ及び枚数に応じて適宜決定
すればよく、また、集電板の材質はそれぞれの電極板の
材質に合わせて適宜決定すればよい。更に、該集電板に
は、電源との接続を行うための端子としてリブ10及び
11を一個所あるいは複数個所に分割して設けても良
い。
【0031】本発明の電解フッ素化装置において、他の
好ましい態様を例示すれば、被電解液を電解槽の下部よ
り供給し、電極部を経てその上部より電解液を取り出す
ようにした電解フッ素化装置が例示される。すなわち、
上記電解槽は、電極部の下方に有機化合物を含むフッ化
水素溶液よりなる被電解液の供給口を、該電極部の上方
に電解液の取出口およびガス取出口を有する電解フッ素
化装置である。
好ましい態様を例示すれば、被電解液を電解槽の下部よ
り供給し、電極部を経てその上部より電解液を取り出す
ようにした電解フッ素化装置が例示される。すなわち、
上記電解槽は、電極部の下方に有機化合物を含むフッ化
水素溶液よりなる被電解液の供給口を、該電極部の上方
に電解液の取出口およびガス取出口を有する電解フッ素
化装置である。
【0032】この場合の電解フッ素化装置を前記図1を
用いて説明すれば、電解槽8内に電極部Aを収容し、該
電極部Aの下方に有機化合物を含む無水フッ化水素溶液
よりなる被電解液の供給口5を、該電極部Aの上方に電
解液の取出口6およびガス取出口7を有する態様であ
る。また、被電解液の供給口5の取り付け位置は、電極
部Aの下方であれば特に制限されない。また、電解液の
取出口6及びガス取出口7は電極部Aの上方であれば特
に制限されないが、一般には、電解液の取出口6の上方
にガス取出口7が設けられる。
用いて説明すれば、電解槽8内に電極部Aを収容し、該
電極部Aの下方に有機化合物を含む無水フッ化水素溶液
よりなる被電解液の供給口5を、該電極部Aの上方に電
解液の取出口6およびガス取出口7を有する態様であ
る。また、被電解液の供給口5の取り付け位置は、電極
部Aの下方であれば特に制限されない。また、電解液の
取出口6及びガス取出口7は電極部Aの上方であれば特
に制限されないが、一般には、電解液の取出口6の上方
にガス取出口7が設けられる。
【0033】生成したフッ素化有機化合物は電極間に留
まると電解によって分解され得るが、上記電解フッ素化
装置をかかる構成とすることによって、生成したフッ素
化有機化合物を陰極で発生した水素ガスのドリフト効果
と電解槽下部からの被電解液の供給による上昇流によっ
て電極間を上昇せしめ、溶液電解液取出口6より無水フ
ッ化水素液と共に効率よく取り出すことができる。
まると電解によって分解され得るが、上記電解フッ素化
装置をかかる構成とすることによって、生成したフッ素
化有機化合物を陰極で発生した水素ガスのドリフト効果
と電解槽下部からの被電解液の供給による上昇流によっ
て電極間を上昇せしめ、溶液電解液取出口6より無水フ
ッ化水素液と共に効率よく取り出すことができる。
【0034】さらにこの場合の好ましい態様の一つとし
て、電解液の取出口6の取り付け位置を、電極部の上端
を基準とした電解液の取出口の中心部までの高さL(m
m)が、電極部の高さH(mm)に対して下記の関係を
満足するように決定することが挙げられる。
て、電解液の取出口6の取り付け位置を、電極部の上端
を基準とした電解液の取出口の中心部までの高さL(m
m)が、電極部の高さH(mm)に対して下記の関係を
満足するように決定することが挙げられる。
【0035】0.2H≦L≦0.8Hすなわち、上記電
解液の取出口6の取り付け位置をかかる範囲に調整する
ことにより、該取出口6より、電極部内を通過してその
上部に達したフッ素化有機化合物が液の比重差で沈降す
る前に高濃度でさらに効率よく取り出すことができ、電
極部の上部に該フッ素化有機化合物が蓄積するのを防止
することができる。
解液の取出口6の取り付け位置をかかる範囲に調整する
ことにより、該取出口6より、電極部内を通過してその
上部に達したフッ素化有機化合物が液の比重差で沈降す
る前に高濃度でさらに効率よく取り出すことができ、電
極部の上部に該フッ素化有機化合物が蓄積するのを防止
することができる。
【0036】また、他の好ましい態様として、電解槽に
おける被電解液の供給口5と電極部との間の壁面に、被
電解液を電極部の有効通電部に偏流せしめる邪魔板9を
設ける態様が挙げられる。
おける被電解液の供給口5と電極部との間の壁面に、被
電解液を電極部の有効通電部に偏流せしめる邪魔板9を
設ける態様が挙げられる。
【0037】すなわち、本発明の電解フッ素化装置は、
陰極板と陽極板とがそれぞれ一側辺が集電板に接続され
た状態で取り付けられるため、電極板の先端と反対極の
集電板との間に若干の間隙が必要となる。そして、該間
隙部では、実質的に電気分解反応が起こらない。上記態
様にあっては、この間隙部への被電解液の供給を遮断
し、電極部の電気分解に有効な有効通電部分に選択的に
被電解液を供給することにより、極めて生産性良く電解
フッ素化反応を実施することができる。
陰極板と陽極板とがそれぞれ一側辺が集電板に接続され
た状態で取り付けられるため、電極板の先端と反対極の
集電板との間に若干の間隙が必要となる。そして、該間
隙部では、実質的に電気分解反応が起こらない。上記態
様にあっては、この間隙部への被電解液の供給を遮断
し、電極部の電気分解に有効な有効通電部分に選択的に
被電解液を供給することにより、極めて生産性良く電解
フッ素化反応を実施することができる。
【0038】したがって、上記邪魔板9の幅は、前記電
極板の端部と反対極の集電板との距離に応じて適宜決定
すればよい。この幅は、電極板の大きさにもよるが、一
般には5〜100mm、好ましくは10〜50mmであ
る。
極板の端部と反対極の集電板との距離に応じて適宜決定
すればよい。この幅は、電極板の大きさにもよるが、一
般には5〜100mm、好ましくは10〜50mmであ
る。
【0039】上記邪魔板の材質は特に制限されないが、
電槽本体と同じ材質、或いは四フッ化エチレン等のフッ
素系樹脂類が一般に使用される。
電槽本体と同じ材質、或いは四フッ化エチレン等のフッ
素系樹脂類が一般に使用される。
【0040】さらに、他の好ましい態様としては、電解
槽の少なくとも胴部が、絶縁性部材よりなる断熱体によ
って被覆されてなる態様が挙げられる。
槽の少なくとも胴部が、絶縁性部材よりなる断熱体によ
って被覆されてなる態様が挙げられる。
【0041】すなわち、本発明の被電解液は、フッ化水
素を液状で扱うため、その沸点未満の温度に被電解液及
び電解フッ素化で生成するフッ素化有機化合物を含有す
る電解液を保持することが特に好ましい。このため、後
記の温度調節システムが一般に採用されるが、該電解槽
の胴部、すなわち、電解槽においてフッ化水素液が存在
する部分の外部を絶縁性部材よりなる断熱体によって被
覆することが、該システムによる冷却効果を高めるため
に効果的である。
素を液状で扱うため、その沸点未満の温度に被電解液及
び電解フッ素化で生成するフッ素化有機化合物を含有す
る電解液を保持することが特に好ましい。このため、後
記の温度調節システムが一般に採用されるが、該電解槽
の胴部、すなわち、電解槽においてフッ化水素液が存在
する部分の外部を絶縁性部材よりなる断熱体によって被
覆することが、該システムによる冷却効果を高めるため
に効果的である。
【0042】上記断熱体としては、電解槽の外部の漏洩
電流又はショートを防止するため、絶縁性部材よりなる
ものが使用される。例えば、グラスウール、発泡ポリウ
レタン等の材質が好ましい。
電流又はショートを防止するため、絶縁性部材よりなる
ものが使用される。例えば、グラスウール、発泡ポリウ
レタン等の材質が好ましい。
【0043】さらにまた、他の好ましい態様としては、
電極部の電極間に均等に被電解液を供給するために、電
極部の下方に均一な穴を多数有する板状体よりなる整流
板12を設けた態様が挙げられる。
電極部の電極間に均等に被電解液を供給するために、電
極部の下方に均一な穴を多数有する板状体よりなる整流
板12を設けた態様が挙げられる。
【0044】上記整流板としては、ある程度の整流機能
を有し、開口率3〜30%程度のものが特に制限なく使
用され、例えばエクスパンド板等の格子状板、多孔板、
金網等を、1枚あるいは複数枚組み合わせて用いれば良
い。
を有し、開口率3〜30%程度のものが特に制限なく使
用され、例えばエクスパンド板等の格子状板、多孔板、
金網等を、1枚あるいは複数枚組み合わせて用いれば良
い。
【0045】本発明において、電解槽内の温度調節機構
は、公知の構造、システムが特に制限なく採用される。
例えば、電解槽に供給される被電解液を外部に設けた熱
交換器等の冷却手段によって冷却しながら温度調整する
システム、電解槽内に冷却装置を内蔵せしめて温度調整
するシステム等が一般的である。
は、公知の構造、システムが特に制限なく採用される。
例えば、電解槽に供給される被電解液を外部に設けた熱
交換器等の冷却手段によって冷却しながら温度調整する
システム、電解槽内に冷却装置を内蔵せしめて温度調整
するシステム等が一般的である。
【0046】さらに、前記図1においては電解槽本体中
に集電板3及び4が内蔵される態様を示したが、該集電
板によって電解槽の側壁を構成する態様も可能であり、
かかる態様を採用することにより、電解槽への電極の脱
着操作が極めて簡易化された電解フッ素化装置を提供す
ることができる。
に集電板3及び4が内蔵される態様を示したが、該集電
板によって電解槽の側壁を構成する態様も可能であり、
かかる態様を採用することにより、電解槽への電極の脱
着操作が極めて簡易化された電解フッ素化装置を提供す
ることができる。
【0047】本発明の電解フッ素化装置の最も好適な態
様として、図2に示す態様が挙げられる。すなわち、図
2に示される電解フッ素化装置は、間隔をあけて配列し
た陰極板1および陽極板2をそれぞれ側辺で陰極集電板
3および陽極集電板4に接続して構成された陰極ユニッ
ト13および陽極ユニット14と、被電解液の供給口
5、電解液の取出口6およびガス取出口7を有し、対向
する壁面が開口した枠体15とよりなり、該陰極ユニッ
ト13および陽極ユニット14が該枠体15の開口部内
で陰極板1と陽極板2とが相互に間隔をあけて配列され
るように対向して配置され、かつ枠体15の周辺部で陰
極集電板3と陽極集電板4とをそれぞれ絶縁性のパッキ
ン(図示せず)を介して圧接せしめることにより、電解
槽が構成されてなる態様を示す。
様として、図2に示す態様が挙げられる。すなわち、図
2に示される電解フッ素化装置は、間隔をあけて配列し
た陰極板1および陽極板2をそれぞれ側辺で陰極集電板
3および陽極集電板4に接続して構成された陰極ユニッ
ト13および陽極ユニット14と、被電解液の供給口
5、電解液の取出口6およびガス取出口7を有し、対向
する壁面が開口した枠体15とよりなり、該陰極ユニッ
ト13および陽極ユニット14が該枠体15の開口部内
で陰極板1と陽極板2とが相互に間隔をあけて配列され
るように対向して配置され、かつ枠体15の周辺部で陰
極集電板3と陽極集電板4とをそれぞれ絶縁性のパッキ
ン(図示せず)を介して圧接せしめることにより、電解
槽が構成されてなる態様を示す。
【0048】なお、陰極リブ10、陽極リブ11、邪魔
板9および整流板12は必要に応じて付設することがで
きる。
板9および整流板12は必要に応じて付設することがで
きる。
【0049】上記図2に示す態様において、枠体15と
陰極ユニット13および陽極ユニット14との絶縁性
は、その周囲で圧接する面間に絶縁性のパッキンを存在
させて行うことが一般的であるが、該絶縁性のパッキン
は圧接部より外側に10〜200mm、好ましくは20
〜100mm延長して設けることが好ましい。
陰極ユニット13および陽極ユニット14との絶縁性
は、その周囲で圧接する面間に絶縁性のパッキンを存在
させて行うことが一般的であるが、該絶縁性のパッキン
は圧接部より外側に10〜200mm、好ましくは20
〜100mm延長して設けることが好ましい。
【0050】すなわち、本発明の電解フッ素化装置を使
用した電解フッ素化方法は、沸点が19℃のフッ化水素
を液状に保つためにその沸点未満で実施されることが特
に好ましい。そのため、該電解フッ素化装置を構成する
電解槽の外壁面では結露し得るため、特に、前記パッキ
ン部分を水層が覆うことにより、漏洩電流が発生し易く
なる。また、場合によっては、ショートするという事態
にまで発展する可能性がある。
用した電解フッ素化方法は、沸点が19℃のフッ化水素
を液状に保つためにその沸点未満で実施されることが特
に好ましい。そのため、該電解フッ素化装置を構成する
電解槽の外壁面では結露し得るため、特に、前記パッキ
ン部分を水層が覆うことにより、漏洩電流が発生し易く
なる。また、場合によっては、ショートするという事態
にまで発展する可能性がある。
【0051】本発明の上記態様にあっては、該パッキン
を前記圧接部の周囲に鍔状に延長して設けることによ
り、かかる漏洩電流、さらには電解液の漏洩や水滴等に
よる短絡を極めて効果的に防止することができる。
を前記圧接部の周囲に鍔状に延長して設けることによ
り、かかる漏洩電流、さらには電解液の漏洩や水滴等に
よる短絡を極めて効果的に防止することができる。
【0052】さらに、本発明の電解フッ素化装置を多数
設置する場合、整流器を1台として多数の電解槽を直列
に結合することが、電力の省エネルギーの観点から特に
好ましく実施される。この場合、一つの電解槽の陽極と
別の電解槽の陰極を金属リブ類で接合しても良いが、さ
らに本発明における電解フッ素化装置のうち集電板によ
って電解槽の側壁を構成する態様の場合、一つの電解槽
の陽極集電板と別の電解槽の陰極集電板をフィルタープ
レス方式等により圧着して接続する態様も可能となり、
かかる態様を採用することにより、極めて簡易化された
電解フッ素化装置群も採用することができる。
設置する場合、整流器を1台として多数の電解槽を直列
に結合することが、電力の省エネルギーの観点から特に
好ましく実施される。この場合、一つの電解槽の陽極と
別の電解槽の陰極を金属リブ類で接合しても良いが、さ
らに本発明における電解フッ素化装置のうち集電板によ
って電解槽の側壁を構成する態様の場合、一つの電解槽
の陽極集電板と別の電解槽の陰極集電板をフィルタープ
レス方式等により圧着して接続する態様も可能となり、
かかる態様を採用することにより、極めて簡易化された
電解フッ素化装置群も採用することができる。
【0053】本発明の電解フッ素化装置を使用して有機
化合物を電解フッ素化することにより、高い生産性で、
かつ安定してフッ素化有機化合物を製造することができ
る。
化合物を電解フッ素化することにより、高い生産性で、
かつ安定してフッ素化有機化合物を製造することができ
る。
【0054】すなわち、本発明は、上記電解フッ素化装
置に、供給口より有機化合物を含むフッ化水素溶液より
なる被電解液を供給し、電流密度3〜50A/dm2で
電解フッ素化することを特徴とするフッ素化有機化合物
の製造方法をも提供する。
置に、供給口より有機化合物を含むフッ化水素溶液より
なる被電解液を供給し、電流密度3〜50A/dm2で
電解フッ素化することを特徴とするフッ素化有機化合物
の製造方法をも提供する。
【0055】本発明において、電解フッ素化の対象とな
る有機化合物としては、特に限定されるものではなく、
炭素原子に直接結合した水素原子を有する有機化合物、
および炭素−炭素二重結合を有する有機化合物が何ら制
限されず使用できる。例えば、これまで電解フッ素化の
対象として知られている脂肪族飽和炭化水素、脂肪族不
飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類;直鎖ま
たは環状の脂肪族第一アミン、第二アミンまたは第三ア
ミン、芳香族アミン等のアミン類;アルキルモルホリン
またはモルホリン誘導体;直鎖または環状の脂肪族エー
テル、芳香族エーテル、ポリエーテル等のエーテル類;
直鎖または環状の脂肪族アルコール、芳香族アルコール
等のアルコール類;フェノール類;直鎖または環状の脂
肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等およびこれらから
誘導されるカルボン酸クロリド、カルボン酸フルオリド
等のカルボン酸ハライド、あるいは酸無水物、エステル
等のカルボン酸およびその誘導体類;ケトン類;アルデ
ヒド類;脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸およびこ
れらから誘導されるスルホン酸クロリド、スルホン酸フ
ルオリド等のスルホン酸ハライド、あるいはエステルな
どのスルホン酸およびその誘導体類;チオール、チオエ
ーテルなどの含イオウ化合物等およびこれらの混合物を
挙げることができる。
る有機化合物としては、特に限定されるものではなく、
炭素原子に直接結合した水素原子を有する有機化合物、
および炭素−炭素二重結合を有する有機化合物が何ら制
限されず使用できる。例えば、これまで電解フッ素化の
対象として知られている脂肪族飽和炭化水素、脂肪族不
飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類;直鎖ま
たは環状の脂肪族第一アミン、第二アミンまたは第三ア
ミン、芳香族アミン等のアミン類;アルキルモルホリン
またはモルホリン誘導体;直鎖または環状の脂肪族エー
テル、芳香族エーテル、ポリエーテル等のエーテル類;
直鎖または環状の脂肪族アルコール、芳香族アルコール
等のアルコール類;フェノール類;直鎖または環状の脂
肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等およびこれらから
誘導されるカルボン酸クロリド、カルボン酸フルオリド
等のカルボン酸ハライド、あるいは酸無水物、エステル
等のカルボン酸およびその誘導体類;ケトン類;アルデ
ヒド類;脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸およびこ
れらから誘導されるスルホン酸クロリド、スルホン酸フ
ルオリド等のスルホン酸ハライド、あるいはエステルな
どのスルホン酸およびその誘導体類;チオール、チオエ
ーテルなどの含イオウ化合物等およびこれらの混合物を
挙げることができる。
【0056】これらのなかでも電解フッ素化で用いるフ
ッ化水素への溶解性を勘案すると、分子中に窒素原子、
酸素原子、硫黄原子のうちの少なくとも一つを有する有
機化合物が好ましい。もちろん、上記した有機化合物の
水素原子が一部フッ素原子のようなハロゲン原子で置換
された有機化合物も、原料として用い得ることは言うま
でもない。
ッ化水素への溶解性を勘案すると、分子中に窒素原子、
酸素原子、硫黄原子のうちの少なくとも一つを有する有
機化合物が好ましい。もちろん、上記した有機化合物の
水素原子が一部フッ素原子のようなハロゲン原子で置換
された有機化合物も、原料として用い得ることは言うま
でもない。
【0057】上記した有機化合物のなかでも、本発明に
よる効果が顕著である化合物は、アンモニアおよび炭
素、窒素、酸素、硫黄の各原子の総和が1〜40個の有
機化合物、さらには3〜20個の有機化合物である。特
に第三アミン類、エーテル類、チオール類、カルボン酸
類、スルホン酸類、モルホリン類が好ましく用いられ
る。
よる効果が顕著である化合物は、アンモニアおよび炭
素、窒素、酸素、硫黄の各原子の総和が1〜40個の有
機化合物、さらには3〜20個の有機化合物である。特
に第三アミン類、エーテル類、チオール類、カルボン酸
類、スルホン酸類、モルホリン類が好ましく用いられ
る。
【0058】本発明において、電解フッ素化に用いるフ
ッ化水素は、市販されている無水フッ化水素酸がそのま
ま、あるいは必要に応じて微量含まれる水分を予め低電
流密度での電解等の公知の方法で除去したのちに用いら
れる。また、必要に応じて、四級アンモニウム塩や電導
度増加剤等の第三成分を加えても良い。
ッ化水素は、市販されている無水フッ化水素酸がそのま
ま、あるいは必要に応じて微量含まれる水分を予め低電
流密度での電解等の公知の方法で除去したのちに用いら
れる。また、必要に応じて、四級アンモニウム塩や電導
度増加剤等の第三成分を加えても良い。
【0059】また、原料のフッ化水素と有機化合物の供
給方法は、電解フッ素化装置の構造に合わせて、バッチ
式および連続式の方法を適宜採用することができるが、
本発明の方法によれば、長期間にわたって安定に電解フ
ッ素化を実施できるため、連続式で行うことが特に好ま
しい。
給方法は、電解フッ素化装置の構造に合わせて、バッチ
式および連続式の方法を適宜採用することができるが、
本発明の方法によれば、長期間にわたって安定に電解フ
ッ素化を実施できるため、連続式で行うことが特に好ま
しい。
【0060】本発明において、電解温度は通常−20〜
50℃、好ましくは0〜20℃の温度範囲から選択すれ
ば良い。また、電極部内の最高液温度と最低液温度との
温度差を10℃以下、好ましくは5℃以下とすること
が、温度差電池に基づく陽極の偏った溶解を防止できる
ため、特に好ましい。
50℃、好ましくは0〜20℃の温度範囲から選択すれ
ば良い。また、電極部内の最高液温度と最低液温度との
温度差を10℃以下、好ましくは5℃以下とすること
が、温度差電池に基づく陽極の偏った溶解を防止できる
ため、特に好ましい。
【0061】上記温度の調整方法は特に制限されない
が、電解液の攪拌もしくは循環、あるいは電解液への不
活性ガスの吹き込み等の操作によって行うことが好まし
い。特に、上記した電解液を電解槽の下部より供給し、
電極部を経てその上部より電解液を取り出すようにした
態様がより好ましい。この場合、通常、電極部内の最高
液温度は電解液取出口部の液温度、電極部内の最低液温
度は電解液供給口部の液温度とすれば良い。さらに、こ
の場合、電極部を上昇する液流速を3cm/秒以上とす
ることが、生成したフッ素化有機化合物を効率良く電解
槽から取り出せるため特に好ましい。
が、電解液の攪拌もしくは循環、あるいは電解液への不
活性ガスの吹き込み等の操作によって行うことが好まし
い。特に、上記した電解液を電解槽の下部より供給し、
電極部を経てその上部より電解液を取り出すようにした
態様がより好ましい。この場合、通常、電極部内の最高
液温度は電解液取出口部の液温度、電極部内の最低液温
度は電解液供給口部の液温度とすれば良い。さらに、こ
の場合、電極部を上昇する液流速を3cm/秒以上とす
ることが、生成したフッ素化有機化合物を効率良く電解
槽から取り出せるため特に好ましい。
【0062】本発明において、電解浴液中における有機
化合物の濃度は10〜50重量%から、電解電圧は4〜
9Vから選択すれば良い。
化合物の濃度は10〜50重量%から、電解電圧は4〜
9Vから選択すれば良い。
【0063】電流密度は、本発明に従えば工業的規模で
あっても極めて高い電流密度で電解フッ素化することが
可能となるが、あまり高い場合は電極リブや除熱のため
の設備の大型化を招くため、好ましくは3〜50A/d
m2の範囲から、特に7〜30A/dm2の範囲から選
ぶ方が良い。電解圧力は、減圧または加圧下で実施して
も良いが、生成物の回収、付帯設備等を勘案すると、常
圧下で実施する方が好ましい。
あっても極めて高い電流密度で電解フッ素化することが
可能となるが、あまり高い場合は電極リブや除熱のため
の設備の大型化を招くため、好ましくは3〜50A/d
m2の範囲から、特に7〜30A/dm2の範囲から選
ぶ方が良い。電解圧力は、減圧または加圧下で実施して
も良いが、生成物の回収、付帯設備等を勘案すると、常
圧下で実施する方が好ましい。
【0064】本発明をさらに具体的に説明するために以
下実施例を掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
下実施例を掲げるが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0065】
【実施例】実施例1 図2に示す形態の、陰極ユニット13と陽極ユニット1
4が枠体15の開口部内で陰極板1と陽極板2とが相互
に間隔をあけて配列されるように対向して配置され、か
つ枠体15の周辺部で陰極集電板3と陽極集電板4とを
それぞれ絶縁性のパッキンを介して圧接させた電解フッ
素化装置を用いた。
4が枠体15の開口部内で陰極板1と陽極板2とが相互
に間隔をあけて配列されるように対向して配置され、か
つ枠体15の周辺部で陰極集電板3と陽極集電板4とを
それぞれ絶縁性のパッキンを介して圧接させた電解フッ
素化装置を用いた。
【0066】陰極板1と陽極板2はそれぞれ1枚の大き
さが側辺H860mm、横辺W510mm、厚さ2mm
のニッケル板(陽極板中の鉄濃度が100ppmのも
の)で、陰極板9枚ならびに陽極板10枚がそれぞれの
集電板に側辺部が10mmの間隔を開けながら50mm
幅で溶接されている。さらに、陽極板の先端部より30
mmの部位に、上端から30mmの位置から200mm
間隔で5個の四フッ化エチレン製スペーサーを陽極板に
10mm孔を開けてリベット方式で取り付けてある。こ
のスペーサーは外径15mmで陽極板から2mmの厚み
を有する。陰極板にも同様に、陰極板の先端部から30
mmの部位に、上端から130mmの位置から200m
m間隔で4個の四フッ化エチレン製スペーサーを取り付
けた。
さが側辺H860mm、横辺W510mm、厚さ2mm
のニッケル板(陽極板中の鉄濃度が100ppmのも
の)で、陰極板9枚ならびに陽極板10枚がそれぞれの
集電板に側辺部が10mmの間隔を開けながら50mm
幅で溶接されている。さらに、陽極板の先端部より30
mmの部位に、上端から30mmの位置から200mm
間隔で5個の四フッ化エチレン製スペーサーを陽極板に
10mm孔を開けてリベット方式で取り付けてある。こ
のスペーサーは外径15mmで陽極板から2mmの厚み
を有する。陰極板にも同様に、陰極板の先端部から30
mmの部位に、上端から130mmの位置から200m
m間隔で4個の四フッ化エチレン製スペーサーを取り付
けた。
【0067】陰極集電板3と枠体15(ステンレス
製)、および陽極集電板4と枠体15をそれぞれ枠体1
5より各周囲で80mm長い四フッ化エチレン製のパッ
キンを介して圧接させた。この時、陽極板と陰極板との
極間距離は3mmであり、一方の電極板先端と他方の電
極集電板との距離、すなわち対向する電極部のない幅部
は10mmであった。
製)、および陽極集電板4と枠体15をそれぞれ枠体1
5より各周囲で80mm長い四フッ化エチレン製のパッ
キンを介して圧接させた。この時、陽極板と陰極板との
極間距離は3mmであり、一方の電極板先端と他方の電
極集電板との距離、すなわち対向する電極部のない幅部
は10mmであった。
【0068】また、枠体15には、電極部の下方に電解
液の供給口5、電極部の上方に電解液の取出口6(電極
部上端から高さ350mmの位置に中心部がある)とガ
ス取出口7、さらに底部に幅20mmの邪魔板9と開口
率10%(孔径5mm)の整流板12を設けてある。さ
らに枠体15、陰極ユニット13および陽極ユニット1
4の外側をそれぞれ独立して厚さ50mmの発泡ポリウ
レタン製断熱材で被覆した。
液の供給口5、電極部の上方に電解液の取出口6(電極
部上端から高さ350mmの位置に中心部がある)とガ
ス取出口7、さらに底部に幅20mmの邪魔板9と開口
率10%(孔径5mm)の整流板12を設けてある。さ
らに枠体15、陰極ユニット13および陽極ユニット1
4の外側をそれぞれ独立して厚さ50mmの発泡ポリウ
レタン製断熱材で被覆した。
【0069】この電解フッ素化装置を用い、循環槽、循
環ポンプ、冷却器、および凝縮器を配置し、フッ化水素
とトリブチルアミン(トリブチルアミンの濃度15重量
%)を原料とし、陰極リブ10と陽極リブ11間に電流
密度10A/dm2で直流電源を印加して電解フッ素化
を行った。循環槽に原料を連続的に供給し、循環ポンプ
と用いて電解液を冷却器を介して電解フッ素化装置の下
部の供給口へ電解液温度5℃で供給し、上部の取出口よ
り電解液温度9℃で抜き出して循環槽へと循環した。循
環流量は電極間の線速度を9cm/sとなるように電解
液を流した。電解により発生したフッ化水素を含んだ水
素ガスをガス取出口より凝縮器に通じ、還流液を循環槽
に戻した。得られたフッ素化生成物は循環槽底部より連
続的に抜き出した。
環ポンプ、冷却器、および凝縮器を配置し、フッ化水素
とトリブチルアミン(トリブチルアミンの濃度15重量
%)を原料とし、陰極リブ10と陽極リブ11間に電流
密度10A/dm2で直流電源を印加して電解フッ素化
を行った。循環槽に原料を連続的に供給し、循環ポンプ
と用いて電解液を冷却器を介して電解フッ素化装置の下
部の供給口へ電解液温度5℃で供給し、上部の取出口よ
り電解液温度9℃で抜き出して循環槽へと循環した。循
環流量は電極間の線速度を9cm/sとなるように電解
液を流した。電解により発生したフッ化水素を含んだ水
素ガスをガス取出口より凝縮器に通じ、還流液を循環槽
に戻した。得られたフッ素化生成物は循環槽底部より連
続的に抜き出した。
【0070】電解開始後10日後のパーフロオロトリブ
チルアミンの収率は81%で、電解電圧は5.9Vであ
った。その後3ヶ月にわたって電解を継続したが、収率
および電解電圧は安定していた。3ヶ月後に電解フッ素
化装置を開放し、陽極板の厚みを測定した。その厚み
は、初期値に対し0.1±0.01mmの減肉で、部位
によらずほぼ均一な状態であった。
チルアミンの収率は81%で、電解電圧は5.9Vであ
った。その後3ヶ月にわたって電解を継続したが、収率
および電解電圧は安定していた。3ヶ月後に電解フッ素
化装置を開放し、陽極板の厚みを測定した。その厚み
は、初期値に対し0.1±0.01mmの減肉で、部位
によらずほぼ均一な状態であった。
【0071】比較例1 実施例1において、電極板の取り付け構造を図3に示す
態様とした以外は、ほぼ同様な構造の電解フッ素化装置
を構成し、上記実施例1と同条件で電解フッ素化を実施
した。
態様とした以外は、ほぼ同様な構造の電解フッ素化装置
を構成し、上記実施例1と同条件で電解フッ素化を実施
した。
【0072】その結果、電解開始後10日後のパーフロ
オロトリブチルアミンの収率は68%で、電解電圧は
6.2Vであった。その後3ヶ月にわたって電解を継続
した結果、収率は61%に低下し、電解電圧は6.6V
に上昇した。
オロトリブチルアミンの収率は68%で、電解電圧は
6.2Vであった。その後3ヶ月にわたって電解を継続
した結果、収率は61%に低下し、電解電圧は6.6V
に上昇した。
【0073】また、3ヶ月後に電解フッ素化装置を開放
し、陽極板の厚みを測定したところ、その厚みは、初期
値に対し陽極板上部が0.6mm、下部が0.2mmに
減肉していた。
し、陽極板の厚みを測定したところ、その厚みは、初期
値に対し陽極板上部が0.6mm、下部が0.2mmに
減肉していた。
【図1】 本発明の電解フッ素化装置の代表的な態様を
示す断面図
示す断面図
【図2】 本発明の電解フッ素化装置の他の代表的な態
様を示す斜視図
様を示す斜視図
【図3】 従来の電解フッ素化装置を示す斜視図
1 陰極板 2 陽極板 3 陰極集電板 4 陽極集電板 5 被電解液の供給液 6 電解液の取出口 7 ガス取出口 8 電解槽 9 邪魔板 10 陰極リブ 11 陽極リブ 12 整流板 13 陰極ユニット 14 陽極ユニット 15 枠体 16 スペーサー 17 陰極集電体 18 陽極集電体
フロントページの続き (72)発明者 吉永 雅樹 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社ト クヤマ内 (72)発明者 池田 剛 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社ト クヤマ内 Fターム(参考) 4K021 AA04 AB09 AC01 AC30 BA04 BB03 BB04
Claims (12)
- 【請求項1】間隔をあけて交互に配列された複数の陰極
板及び陽極板及び該陰極板と陽極板の配列を挟んで対向
して設けられた陰極集電板及び陽極集電板よりなり、上
記陰極板と陽極板との側辺がそれぞれ対応する集電板に
全長にわたって接続されてなる電極部を有する電解槽よ
りなることを特徴とする有機化合物の電解フッ素化装
置。 - 【請求項2】電極部の下方に有機化合物を含むフッ化水
素溶液よりなる被電解液の供給口を、該電極部の上方に
電解液の取出口及びガス取出口を有する電解槽よりなる
ことを特徴とする請求項1記載の電解フッ素化装置。 - 【請求項3】電極部の上端を基準とした電解液の取出口
の中心部までの高さL(mm)が、電極部の高さH(m
m)に対して下記の関係を満足することを特徴とする請
求項2記載の電解フッ素化装置。 0.2H≦L≦0.8H - 【請求項4】電解槽における被電解液の供給口と電極部
との間の壁面に、被電解液を電極部の有効通電部に偏流
せしめる邪魔板を設けた請求項1記載の電解フッ素化装
置。 - 【請求項5】電解槽の少なくとも胴部が、絶縁性部材よ
りなる断熱体によって被覆されてなる請求項1記載の電
解フッ素化装置。 - 【請求項6】陽極板が、含有される鉄の濃度が1000
ppm以下のニッケルよりなる請求項1記載の電解フッ
素化装置。 - 【請求項7】電極部の下方に均一な穴を多数有する板状
体よりなる整流板を設けた請求項1記載の電解フッ素化
装置。 - 【請求項8】間隔をあけて配列した陰極板及び陽極板を
それぞれ側辺で陰極集電板及び陽極集電板に接続して構
成された陰極ユニット及び陽極ユニットと、被電解液の
供給口、電解液の取出口及びガス取出口を有し、対向す
る壁面が開口した枠体とよりなり、該陰極ユニット及び
陽極ユニットが該枠体の開口部内で陰極板と陽極板とが
相互に間隔をあけて配列されるように対向して配置さ
れ、且つ枠体の周辺部で陰極集電板と陽極集電板とをそ
れぞれ絶縁性のパッキンを介して圧接せしめることによ
り、電解槽が構成されてなる請求項1記載の電解フッ素
化装置。 - 【請求項9】絶縁性のパッキンが圧接部より外側に延長
して設けられた請求項8記載の電解フッ素化装置。 - 【請求項10】請求項1〜9記載の電解フッ素化装置
に、供給口より有機化合物を含むフッ化水素溶液よりな
る被電解液を供給し、電流密度3〜50dm2/Aで電
解フッ素化することを特徴とするフッ素化有機化合物の
製造方法。 - 【請求項11】電極部内の最高液温度と最低液温度との
温度差が10℃以下である請求項10記載のフッ素化有
機化合物の製造方法。 - 【請求項12】電極部を上昇する液流速を3cm/秒以
上とした請求項11記載のフッ素化有機化合物の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10333172A JP2000160382A (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | 有機化合物の電解フッ素化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10333172A JP2000160382A (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | 有機化合物の電解フッ素化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000160382A true JP2000160382A (ja) | 2000-06-13 |
Family
ID=18263113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10333172A Pending JP2000160382A (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | 有機化合物の電解フッ素化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000160382A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006348381A (ja) * | 2005-05-17 | 2006-12-28 | Asahi Kasei Corp | 電解フッ素化による有機化合物の製造方法 |
CN104532287A (zh) * | 2015-01-07 | 2015-04-22 | 黎明化工研究设计院有限责任公司 | 一种电化学氟化电解槽 |
JP2021063267A (ja) * | 2019-10-15 | 2021-04-22 | 株式会社豊田中央研究所 | 化学反応装置 |
JP2021062339A (ja) * | 2019-10-15 | 2021-04-22 | 株式会社豊田中央研究所 | 反応装置 |
-
1998
- 1998-11-24 JP JP10333172A patent/JP2000160382A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006348381A (ja) * | 2005-05-17 | 2006-12-28 | Asahi Kasei Corp | 電解フッ素化による有機化合物の製造方法 |
CN104532287A (zh) * | 2015-01-07 | 2015-04-22 | 黎明化工研究设计院有限责任公司 | 一种电化学氟化电解槽 |
JP2021063267A (ja) * | 2019-10-15 | 2021-04-22 | 株式会社豊田中央研究所 | 化学反応装置 |
JP2021062339A (ja) * | 2019-10-15 | 2021-04-22 | 株式会社豊田中央研究所 | 反応装置 |
JP7327073B2 (ja) | 2019-10-15 | 2023-08-16 | 株式会社豊田中央研究所 | 化学反応装置 |
JP7459477B2 (ja) | 2019-10-15 | 2024-04-02 | 株式会社豊田中央研究所 | 反応装置 |
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