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JP2000150896A - 薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタおよびその製造方法

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Publication number
JP2000150896A
JP2000150896A JP10325073A JP32507398A JP2000150896A JP 2000150896 A JP2000150896 A JP 2000150896A JP 10325073 A JP10325073 A JP 10325073A JP 32507398 A JP32507398 A JP 32507398A JP 2000150896 A JP2000150896 A JP 2000150896A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor film
amorphous semiconductor
film
thin film
film transistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10325073A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiro Hata
明宏 畑
Yasunori Shimada
康憲 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP10325073A priority Critical patent/JP2000150896A/ja
Publication of JP2000150896A publication Critical patent/JP2000150896A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない工程でもって製造でき、かつ信頼性の
高い薄膜トランジスタおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 この薄膜トランジスタの製造方法は、結
晶化を助長する元素を添加した感光性ペースト1を島状
に形成することで、上記元素を選択的に非晶質半導体膜
15a中へ添加し、加熱処理を行って、非晶質半導体膜
15aを多結晶化させる。したがって、フォトレジスト
マスクを形成する工程が不要になり、製造プロセスを簡
略化できる。また、この製造方法によれば、元素添加工
程において、フォトレジスト膜を使用しないから、不純
物が非晶質半導体膜15a中に混入されることがない。
したがって、少ない工程でもって、信頼性が高くて電気
的安定性の高い薄膜トランジスタを製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アクティブマト
リクス型の液晶表示装置等に用いられる薄膜トランジス
タおよびその製造方法に関し、特に、結晶性を有する半
導体を用いた薄膜トランジスタおよびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、平面ディスプレイ等の画像表示素
子への応用を目的とした薄膜トランジスタ(TFT)の開
発が活発に行われている。アクティブマトリクス型の液
晶表示装置等に用いられる薄膜トランジスタには、高移
動度,高いオン電流/オフ電流比,高耐圧,素子サイズの縮
小等が要求される。
【0003】多結晶半導体薄膜トランジスタは、非晶質
半導体膜を用いた薄膜トランジスタと比べて、コンダク
タンスが大きいという長所を有しているが、通常、プロ
セス温度が1000℃と高くなり、ガラス基板を用いる
ことが困難であるという製造上の問題がある。例えば、
コーニング製の7059ガラスはガラス歪点が593℃
であり、基板の大面積化を考慮した場合、600℃以上
の加熱には問題がある。
【0004】そこで、このプロセス温度に関する対策と
して、非晶質半導体膜の表面にニッケルやパラジウム、
更には鉛等の元素を微量に推積させてから、加熱するよ
うにすれば、プロセス温度:550℃,処理時間:4時間
程度で結晶化を行える。これにより、600℃以下のプ
ロセス温度で多結晶半導体を得ることができる。上記の
ような結晶化を助長する徴量元素(触媒元素)を導入する
には、プラズマ処理や蒸着、更にはイオン注入を利用す
ればよい。
【0005】しかし、上記のような触媒元素が半導体中
に多量に存在していると、これらの半導体を用いた装置
の信頼性や電気的安定性を阻害するから、望ましいこと
によってはない。すなわち、上記ニッケル等の結晶化を
助長する元素(触媒元素)は、非結晶質半導体を結晶化さ
せる際には必要であるが、結晶化した多結晶膜中には極
力含まれないことが望ましい。この目的を達成するに
は、結晶化に必要な触媒元素の量を極力少なくし、最低
限の触媒元素量で結晶化を行う必要がある。
【0006】そこで、従来から開示されている触媒元素
の微量添加を制御する薄膜トランジスタの製造方法(特
開平7−211635)を、図9,10を参照して説明す
る。
【0007】まず、図9(A)に示すように、ガラス基板
101上に非晶質半導体膜(α-Si)105aを成膜す
る。次に、図9(B)に示すように、フォトレジスト膜1
13を用いて、非晶質半導体膜105aの上部に必要と
するパターンを形成する。この状態において、例えば、
100ppmのニッケルを含有した酢酸塩溶液を適量滴
下し、スピナー114で50rpm,10秒間のスピン
コートを行い、基板表面全体に均一な水膜111を形成
させる。次に、この状態で5分間保持した後、スピナー
を用いて2000rpm,60秒間のスピンドライを行
う。
【0008】次に、図9(C)に示すように、フォトレジ
スト膜113を剥離液や酸素アッシングによって除去す
ることによって、ニッケル元素を吸着した領域112が
選択的に形成される。その後、550℃,4時間の加熱
処理を施すことによって、非晶質半導体膜105aを多
結晶質半導体膜(P-Si)105bに成長させる。この
とき、ニッケルが導入された部分115は、図9(C)に
示すように、ニッケルが導入されなかった領域へと横方
向に結晶成長(ラテラル成長)し、ラテラル成長領域11
6が形成される。
【0009】その後、エキシマレーザの照射等によるア
ニールを行い、多結晶質半導体膜の結晶性をより高め
る。次に、図9(D)に示すように、多結晶質半導体膜1
05bを所定の形状にパターニングする。その後、図9
(E)に示すように、ゲート絶縁膜106を成膜し、より
高い耐圧を得るために600℃で12時間程度加熱し
て、ゲート絶縁膜106を繊密化する。
【0010】その後、金属膜を成膜し、さらに、この金
属膜を所定の形状にパターニングして、図9(F)および
図7に示すように、ゲート配線103とゲート電極10
3aを形成する。次に、図10(G)に示すように、ゲー
ト電極103aを不純物注入マスクにして、リンに代表
される5価の元素(またはボロンに代表される8価の元
素)をドーパントとして、加速電圧10KV程度,ドー
ズ量1×1015/cm2〜1×1017/cm2の条件で不純
物注入を行い、不純物注入領域119を形成する。この
後、図10(H)に示すように、エキシマレーザの照射等
によって、不純物が注入された領域の活性化を行い、チ
ャネル領域に加えてソース領域104bおよびドレイン
領域108bを形成する。
【0011】次に、図10(I),図10(J)に示すよう
に、層間絶縁膜107を成膜し、層間絶縁膜107およ
びゲート絶縁膜106を同時に所定の形状にパターニン
グしてコンタクトホール120を形成する。その後、金
属膜を成膜し、さらに、この金属膜を所定の形状にパタ
ーニングして、図7にも示すように、ソース配線104
とソース電極104aとドレイン電極108aとを形成
する。そして、このようにして得られた図7に示す薄膜
トランジスタ100の近傍に、ドレイン電極108aと
接続するように画素電極102を形成する。この画素電
極102は、例えばITO(インジウム・ティン・オキ
サイド)等の透明導電膜にからなる。
【0012】なお、図7は、この従来例で製造された多
結晶半導体膜を有した薄膜トランジスタ100を多数備
えた液晶表示装置のパネル基板の一部を示すもので、図
8は、図7のB−B線断面を示す。
【0013】上記製造工程の図9(C)に示したように、
上記触媒元素としてのニッケル元素を、非結晶質半導体
膜105aに導入し、加熱処理を行うことによって、多
結晶質半導体膜105bに成長したラテラル成長領域1
16は、ガラス基板101表面と平行に針状あるいは柱
状の結晶が成長方向に沿って延びており、その成長方向
において結晶粒界が存在しない。したがって、このラテ
ラル成長領域116を利用して、薄膜トランジスタ10
0のチャネル部を形成することによって、高性能な薄膜
トランジスタを製作できる。
【0014】上記従来例の製造方法によれば、図5に一
例を示すように、楕円の実線で示したラテラル成長の端
部42を有するラテラル成長領域の成長方向43に対し
て平行に、ソース領域44,チャネル領域46,ドレイン
領域45を配置した場合には、結晶成長方向とキャリヤ
移動方向とを同一の方向にすることができる。したがっ
て、キャリヤの移動方向に結晶粒界が存在しない高移動
度薄膜トランジスタを実現できる。一方、図6に示すよ
うに、楕円の実線で示したラテラル成長の端部52を有
するラテラル成長領域の成長方向53に対して、略直角
にソース領域54,チャネル領域56,ドレイン領域55
を配置した場合には、ドレイン領域55端部の電解集中
領域における粒界部分を無くすことができる。したがっ
て、ドレイン領域端部での粒界トラップ密度を低減で
き、トランジスタ動作時の特性劣化の原因を解消できる
から、オンオフ電流比の大きい薄膜トランジスタを作製
できる。
【0015】ところが、上記従来の薄膜トランジスタの
製造方法では、図9(B)に示すように、フォトレジスト
マスク113を形成した後、触媒元素(ニッケル)を含有
した溶液を滴下して水膜111を形成するので、触媒元
素を選択的に非晶質半導体膜105aに導入するための
工程が多くなるという問題がある。
【0016】さらに、上記従来例では、非晶質半導体膜
105aの表面に直接フォトレジスト膜113が接触す
るので、不純物が非晶質半導体膜105a中に混入し、
非晶質半導体膜105aの膜質劣化を招く。この膜質劣
化は薄膜トランジスタの信頼性や電気的安定性を阻害す
るという問題がある。
【0017】そこで、非晶質半導体膜105aとフォト
レジスト膜113との間にブロッキング層を設け、この
ブロッキング層の内、触媒元素を導入する部分115の
対向領域を開口してから、触媒元素を含有した溶液を滴
下する方法が考えられる。この方法によれば、非晶質半
導体膜105aに直接フォトレジスト膜113が触れる
のを避けることができるが、ブロッキング層を形成する
工程が追加の工程となり、工程数が増加する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の目
的は、少ない工程でもって製造でき、かつ信頼性の高い
薄膜トランジスタおよびその製造方法を提供することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の薄膜トランジスタの製造方法は、
絶縁性基板上または基板を覆って形成された絶縁膜上
に、非晶質半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、上
記非晶質半導体膜上に、結晶化を助長する元素を添加し
た感光性ペーストを島状に形成して、上記非晶質半導体
膜上に上記結晶化を助長する元素を選択的に微量添加す
る元素添加工程と、加熱処理を行って、上記元素を上記
非晶質半導体膜中へ拡散,導入し、上記非晶質半導体膜
を多結晶化させる元素拡散工程とを備えることを特徴と
している。
【0020】この請求項1の発明の薄膜トランジスタの
製造方法では、結晶化を助長する元素を添加した感光性
ペーストを使用し、上記感光性ペーストを島状に形成し
上記元素を選択的に非晶質半導体膜中へ添加し、加熱処
理を行って、上記非晶質半導体膜を多結晶化させる。
【0021】したがって、この発明の製造方法によれ
ば、従来例におけるフォトレジストマスクを形成した
後、触媒元素を含有した溶液を滴下するという2工程
を、結晶化を助長する元素を添加した感光性ペーストを
島状に形成するという1つの工程で済ますことができ
る。したがって、製造プロセスを簡略化でき、かつコス
トダウンを行うことができる。
【0022】また、この発明の製造方法によれば、元素
添加工程において、フォトレジスト膜を使用しないか
ら、従来のように非晶質半導体膜の表面に直接フォトレ
ジスト膜が接触することが無い。したがって、非晶質半
導体膜とフォトレジスト膜との間にブロッキング層を設
けなくても、不純物が非晶質半導体膜中に混入されるこ
とがないから、工程の増加を招くことなく、非晶質半導
体膜の膜質の劣化を防止できる。したがって、この発明
によれば、少ない工程でもって、信頼性が高くて電気的
安定性の高い薄膜トランジスタを製造できる。
【0023】また、請求項2の発明の薄膜トランジスタ
は、絶縁性基板上または基板を覆って形成された絶縁膜
上に形成された非晶質半導体膜上に、結晶化を助長する
元素を添加した感光性ペーストが島状に形成されてか
ら、加熱によって多結晶化された多結晶半導体薄膜を備
え、この多結晶半導体薄膜にソースおよびドレインを形
成したことを特徴としている。
【0024】この請求項2の発明の薄膜トランジスタに
よれば、元素添加工程において、フォトレジスト膜を使
用しないから、従来のように非晶質半導体膜の表面に直
接フォトレジスト膜が接触することが無い。したがっ
て、非晶質半導体膜とフォトレジスト膜との間にブロッ
キング層を設けなくても、不純物が非晶質半導体膜中に
混入されることがないから、簡単な工程で非晶質半導体
膜の膜質の劣化を防止できる。したがって、この発明に
よれば、少ない工程でもって製造できる信頼性が高くて
電気的安定性の高い薄膜トランジスタを提供できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態に基づいて詳細に説明する。
【0026】この発明の薄膜トランジスタの製造方法の
実施の形態を、図3,図4を順に参照して説明する。
【0027】この実施の形態は、まず、図3(A)に示す
ように、ガラス基板または絶縁膜を成膜した基板からな
る基板11上に、非晶質半導体膜(α-Si)15aを3
0〜150nm程度の厚さに成膜する。次に、図3(B)
に示すように、結晶化を助長する触媒元素として例えば
ニッケルを100ppmだけ添加した感光性ペースト1
を塗布し、フォトリソを行って、所定の島形状に形成す
る。このフォトリソでは、100〜700mJ/cm2
露光量で露光ができ、炭酸ナトリウム0.5〜1%の水
溶液で現像を行うことができる。
【0028】次に、550℃で4時間の熱処理を行っ
て、非晶質半導体膜15aを、多結質晶半導体膜(P−
Si)15bに成長させる。このとき、図3(C)に示す
ように、ニッケル元素が導入された部分21は、ニッケ
ル元素が導入されなかった領域へ向かって、ラテラル成
長する。これにより、ラテラル成長領域22が形成され
る。上記触媒元素(ニッケル)を非結晶質半導体膜15a
に導入し加熱処理を行うことによって、ラテラル成長領
域15aは、多結晶質半導体膜15bに成長する。この
多結晶質半導体膜15bは、基板11表面と平行に針状
あるいは柱状の結晶が成長方向に沿って延びており、そ
の成長方向において結晶粒界が存在しない。したがっ
て、このラテラル成長領域22を利用して、薄膜トラン
ジスタのチャネル部を形成することにより、図5,図6
を参照して説明したように、高移動度薄膜トランジスタ
やオンオフ電流比の大きい薄膜トランジスタを作製でき
る。
【0029】次に、図3(D)に示すように、上記触媒元
素(ニッケル)を添加した感光性ペースト1を、1%程度
の炭酸ナトリウム水溶液で剥離する。その後、エキシマ
レーザの照射等によるアニールを行い、多結晶質半導体
膜15bの結晶性をより高める。次に、多結晶質半導体
膜15bを所定の形状にパターニングする。
【0030】その後、図3(E)に示すように、ゲート絶
縁膜16を成膜し、より高い耐圧を得るために600℃
で12時間程度加熱してゲート絶縁膜16を繊密化す
る。その後、図3(F)に示すように、金属膜を成膜し、
更に、この金属膜を所定の形状にパターニングして、図
1にも示すようなゲート配線13およびゲート電極13
aを形成する。
【0031】次に、図4(G)に示すように、上記ゲート
電極13aを不純物注入マスクとして、リンに代表され
る5価の元素(またはボロンに代表される3価の元素)を
ドーパントとして、加速電圧10KV程度,ドーズ量1
×1015/cm2〜1×1017/cm2の条件で不純物注
入を行い、不純物注入領域19を形成する。この後、図
4(H)に示すように、エキシマレーザの照射等によっ
て、不純物が注入された領域の活性化を行い、チャネル
領域に加えてソース領域14bおよびドレイン領域18
bを形成する。
【0032】次に、図4(I),図4(J)に示すように、
層間絶縁膜17を成膜し、層間絶縁膜17およびゲート
絶縁膜16を同時に所定の形状にパターニングしてコン
タクトホール20を形成する。その後、図4(K)に示す
ように、金属膜を成膜し、更に、この金属膜を所定の形
状にパターニングして、図1にも示すように、ソース配
線14とソース電極14aおよびドレイン電極18aを
形成する。
【0033】そして、図1に示すように、このようにし
て得られた薄膜トランジスタ10の近傍に、ドレイン電
極18bと接続するように画素電極12を形成する。こ
の画素電極12は、例えばITO等の透明導電膜からな
る。
【0034】この実施の形態の薄膜トランジスタの製造
方法によれば、結晶化を助長する元素を添加した感光性
ペースト1を使用し、上記感光性ペースト1を島状に形
成し上記元素を選択的に非晶質半導体膜15a中へ添加
し、加熱処理を行って、上記非晶質半導体膜15aを多
結晶化させる。したがって、この製造方法によれば、従
来例におけるフォトレジストマスクを形成した後、触媒
元素を含有した溶液を滴下するという2工程を、結晶化
を助長する元素を添加した感光性ペーストを島状に形成
するという1つの工程で済ますことができる。したがっ
て、製造プロセスを簡略化でき、かつコストダウンを行
うことができる。
【0035】また、この製造方法によれば、元素添加工
程において、フォトレジスト膜を使用しないから、従来
のように非晶質半導体膜の表面に直接フォトレジスト膜
が接触することが無い。したがって、非晶質半導体膜と
フォトレジスト膜との間にブロッキング層を設ける必要
がなく、不純物が非晶質半導体膜15a中に混入される
ことがないから、工程の増加を招くことなく、非晶質半
導体膜15aの膜質の劣化を防止できる。したがって、
この製造方法によれば、少ない工程でもって、信頼性が
高くて電気的安定性の高い薄膜トランジスタを製造でき
る。
【0036】図1に示す液晶表示装置のパネル基板の一
部には、上記薄膜トランジスタ10が多数形成されてい
る。また、図1のA-A線断面を、図2に示す。図1に
示すように、薄膜トランジスタ10は、基板11上にマ
トリクス状に配された画素電極12に各々接続され、各
画素電極12へ画像信号の供給を制御するスイッチング
素子として形成されている。また、基板11上には、画
像信号を供給するための走査信号線(ゲート線)13とデ
ータ信号線(ソース線)14とが平面的に交差するように
多数配設されている。走査信号線13は、上記ゲート電
極13aと一体に形成される。一方、データ信号線14
は、上記ソース電極14aと一体に形成される。
【0037】図2に示すように、上記薄膜トランジスタ
10は、多結晶半導体膜(P-Si)15bの上に、ゲー
ト絶縁膜16,ゲート電極13a,層間絶縁膜17が順次
形成され、更に、上記2つのコンタクトホール20に、
ソース電極14aとドレイン電極18aとが形成された
構造になっている。上記多結晶半導体膜15bは、チャ
ネル領域と、その両側のソース領域14bおよびドレイ
ン領域18bを有し、このチャネル領域はゲート電極1
3aの下部に位置する。また、ドレイン電極18aは、
その近傍の画像電極12に接続されている。
【0038】上記薄膜トランジスタ10は、非晶質半導
体膜15a上に、結晶化を助長する元素(ニッケル)を添
加した感光性ペースト1が島状に形成されてから加熱に
よって、多結晶化された多結晶半導体薄膜15bを備
え、この多結晶半導体薄膜15bにソース領域14bお
よびドレイン領域18bを形成した。この薄膜膜トラン
ジスタ10によれば、元素添加工程において、フォトレ
ジスト膜を使用しないから、従来のように非晶質半導体
膜の表面に直接フォトレジスト膜が接触することが無
い。したがって、非晶質半導体膜とフォトレジスト膜と
の間にブロッキング層を設けなくても、不純物が非晶質
半導体膜中に混入されることがないから、簡単な工程で
非晶質半導体膜の膜質の劣化を防止できる。したがっ
て、この薄膜トランジスタ10によれば、少ない工程で
もって製造できる信頼性が高くて電気的安定性の高い薄
膜トランジスタを実現できる。
【0039】なお、上記実施形態では、結晶化を助長す
る元素としてニッケルを用いたが、他の元素(パラジウ
ム等)を用いてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の薄膜トランジスタの製造方法は、結晶化を助長する
元素を添加した感光性ペーストを使用し、上記感光性ペ
ーストを島状に形成し上記元素を選択的に非晶質半導体
膜中へ添加し、加熱処理を行って、上記非晶質半導体膜
を多結晶化させる。
【0041】したがって、この発明の製造方法によれ
ば、従来例におけるフォトレジストマスクを形成した
後、触媒元素を含有した溶液を滴下するという2工程
を、結晶化を助長する元素を添加した感光性ペーストを
島状に形成するという1つの工程で済ますことができ
る。したがって、低温,短時間でもって非晶質半導体膜
を多結晶化できるから、製造プロセスを簡略化でき、か
つコストダウンを行うことができる。
【0042】また、この発明の製造方法によれば、元素
添加工程において、フォトレジスト膜を使用しないか
ら、従来のように非晶質半導体膜の表面に直接フォトレ
ジスト膜が接触することが無い。したがって、非晶質半
導体膜とフォトレジスト膜との間にブロッキング層を設
けなくても、不純物が非晶質半導体膜中に混入されるこ
とがないから、工程の増加を招くことなく、非晶質半導
体膜の膜質の劣化を防止できる。したがって、この発明
によれば、少ない工程でもって、信頼性が高くて電気的
安定性の高い薄膜トランジスタを製造できる。
【0043】また、請求項2の発明の薄膜トランジスタ
は、絶縁性基板上または基板を覆って形成された絶縁膜
上に形成された非晶質半導体膜上に、結晶化を助長する
元素を添加した感光性ペーストが島状に形成されてから
加熱によって、多結晶化された多結晶半導体薄膜を備
え、この多結晶半導体薄膜にソースおよびドレインを形
成した。
【0044】この請求項2の発明の薄膜トランジスタに
よれば、元素添加工程において、フォトレジスト膜を使
用しないから、従来のように非晶質半導体膜の表面に直
接フォトレジスト膜が接触することが無い。したがっ
て、非晶質半導体膜とフォトレジスト膜との間にブロッ
キング層を設けなくても、不純物が非晶質半導体膜中に
混入されることがないから、簡単な工程で非晶質半導体
膜の膜質の劣化を防止できる。したがって、この発明に
よれば、少ない工程でもって製造できる信頼性が高くて
電気的安定性の高い薄膜トランジスタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の薄膜トランジスタが多数形成され
る液晶表示装置のパネル基板の一部を示す平面図であ
る。
【図2】 図1のA−A線における上記薄膜トランジス
タの断面図である。
【図3】 上記薄膜トランジスタの製造工程の前半を示
す工程図である。
【図4】 上記薄膜トランジスタの製造工程の後半を示
す工程図である。
【図5】 結晶成長の方向と薄膜トランジスタのソー
ス,ドレイン,チャネルの各領域の配置を示した図で、キ
ャリヤの移動方向に結晶粒界が存在しない配置図であ
る。
【図6】 結晶成長の方向と薄膜トランジスタのソー
ス,ドレイン,チャネルの各領域の配置を示した図で、ド
レイン端部での粒界トラップ密度が低減する配置図であ
る。
【図7】 従来の薄膜トランジスタが多数形成される液
晶表示装置のパネル基板の一部を示す平面図である。
【図8】 図7のB−B線における上記薄膜トランジス
タの断面図である。
【図9】 上記薄膜トランジスタの製造工程の前半を示
す工程図である。
【図10】 上記薄膜トランジスタの製造工程の後半を
示す工程図である。
【符号の説明】
1…触媒元素含有ペースト、10…薄膜トランジスタ、
11…ガラス基板、12…画素電極、13…ゲート配
線、13a…ゲート電極、14…ソース配線、14a…
ソース電極、14b,44,54…ソース領域、15a…
非晶質半導体膜、15b…多結晶質半導体膜、16…ゲ
ート絶縁膜、17…層間絶縁膜、18a…ドレイン電
極、18b,45,55…ドレイン領域、19…不純物
注入領域、20…コンタクトホール、21,41,51…
触媒元素導入領域、22,43,53…ラテラル成長領
域、46,56…チャネル領域、42,52…ラテラル成
長端部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F052 AA01 BB07 DA02 FA01 JA01 JA10 5F110 AA05 CC02 FF36 GG02 GG13 GG15 HJ01 HJ04 HJ12 HJ23 NN02 PP03 PP23 PP24 PP34 QQ04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上または基板を覆って形成さ
    れた絶縁膜上に、非晶質半導体膜を形成する半導体膜形
    成工程と、 上記非晶質半導体膜上に、結晶化を助長する元素を添加
    した感光性ペーストを島状に形成して、上記非晶質半導
    体膜上に上記結晶化を助長する元素を選択的に微量添加
    する元素添加工程と、 加熱処理を行って、上記元素を上記非晶質半導体膜中へ
    拡散,導入し、上記非晶質半導体膜を多結晶化させる元
    素拡散工程とを備えることを特徴とする薄膜トランジス
    タの製造方法。
  2. 【請求項2】 絶縁性基板上または基板を覆って形成さ
    れた絶縁膜上に形成された非晶質半導体膜上に、結晶化
    を助長する元素を添加した感光性ペーストが島状に形成
    されてから、加熱によって多結晶化された多結晶半導体
    薄膜を備え、この多結晶半導体薄膜にソースおよびドレ
    インを形成したことを特徴とする薄膜トランジスタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004006644A (ja) * 2002-01-28 2004-01-08 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置及びその作製方法
JP2005150711A (ja) * 2003-10-21 2005-06-09 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置の作製方法
JP2014239246A (ja) * 2002-01-28 2014-12-18 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
JP2021101464A (ja) * 2002-01-28 2021-07-08 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置

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