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JP2000149242A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2000149242A
JP2000149242A JP32230998A JP32230998A JP2000149242A JP 2000149242 A JP2000149242 A JP 2000149242A JP 32230998 A JP32230998 A JP 32230998A JP 32230998 A JP32230998 A JP 32230998A JP 2000149242 A JP2000149242 A JP 2000149242A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
recording medium
layer
magnetic layer
metal powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32230998A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Masaki
幸一 正木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP32230998A priority Critical patent/JP2000149242A/ja
Publication of JP2000149242A publication Critical patent/JP2000149242A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁変換特性、特に媒体ノイズが低減され、走
行耐久性と適度なヘッドクリ−ニング効果を併せ持ち、
MRヘッドとの組合わせで短波長でのC/N、エラーレー
トが格段に改良された磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】支持体上に実質的に非磁性である下層と強
磁性金属粉末を結合剤中に分散してなる磁性層をこの順
に設けた磁気記録媒体において、前記強磁性金属粉末の
平均長軸長が0.03〜0.10μmであり、前記磁性
層は前記強磁性金属粉末の平均長軸長よりも小さい平均
長軸長をもち、かつ長軸長の変動係数が0〜30%であ
る非磁性粒子を該強磁性金属粉末100重量部に対し2
5〜400重量部含有することを特徴とする磁気記録媒
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁性層と実質的に非
磁性の下層を有し、上層に強磁性金属粉末を含む高密度
記録用の磁気記録媒体に関するものである。特に磁気抵
抗効果を利用した再生ヘッドと組合わせて使用するとき
に高いS/Nを有する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録技術は、媒体の繰り返し使用が
可能であること、信号の電子化が容易であり周辺機器と
の組み合わせによるシステムの構築が可能であること、
信号の修正も簡単にできること等の他の記録方式にはな
い優れた特長を有することから、ビデオ、オーディオ、
コンピューター用途等を始めとして様々な分野で幅広く
利用されてきた。
【0003】そして、機器の小型化、記録再生信号の質
の向上、記録の長時間化、記録容量の増大等の要求に対
応するために、記録媒体に関しては、記録密度、信頼
性、耐久性をより一層向上させることが常に望まれてき
た。
【0004】例えば、音質及び画質の向上を実現するデ
ィジタル記録方式の実用化、ハイビジョンTVに対応し
た録画方式の開発に対応するために、従来のシステムよ
りも一層、短波長信号の記録再生ができかつヘッドと媒
体の相対速度が大きくなっても信頼性、耐久性が優れた
磁気記録媒体が要求されるようになっている。またコン
ピューター用途も増大するデータ量を保存するために大
容量のデジタル記録媒体が開発されることが望まれてい
る。
【0005】磁気ディスクの分野においても、扱うデー
タ容量が急激に増加している今日において、フロッピー
ディスクの大容量化が望まれている。高密度記録特性に
優れる強磁性金属微粉末を用いた大容量ディスクとして
は100MB以上の高密度FDが実用化されているが、
さらに大容量かつ高転送速度のシステムが要求されてい
る。
【0006】従来、磁気記録媒体には酸化鉄、Co変性
酸化鉄、CrO2 、強磁性金属粉末、六方晶系フェライ
ト粉末を結合剤中に分散した磁性層を非磁性支持体に塗
設したものが広く用いられる。例えば強磁性粉末に強磁
性金属粉末や六方晶系フェライトを使用する方法が特開
昭58−122623号公報、特開昭61−74137
号公報、特公昭62−49656号公報、特公昭60−
50323号公報、US4629653号、US466
6770号、US4543198号等に開示されてい
る。
【0007】また、強磁性粉末の分散性を高めるため
に、種々の界面活性剤(例えば特開昭52−15660
6号公報、特開昭53−15803号公報、特開昭53
−116114号公報等に開示されている。)を用いた
り、種々の反応性のカップリング剤(例えば、特開昭4
9−59608号公報、特開昭56−58135号公
報、特公昭62−28489号公報等に開示されてい
る。)を用いたり、強磁性粉末表面に強く吸着する物質
(例えば、特開昭63−42025号公報、特開平1−
189025号公報、特開平1−236425号公報)
を用いることが提案されている。
【0008】更に、磁性層の表面性を改良するために、
塗布、乾燥後の磁性層の表面形成処理方法を改良する方
法(例えば、特公昭60−44725号公報に開示され
ている。)が提案されている。
【0009】磁気記録媒体の高記録密度を達成するた
め、使用する信号の短波長化が強力に進められている。
信号を記録する領域の長さが使用されていた磁性体の大
きさと比較できる大きさになると明瞭な磁化遷移状態を
作り出すことができないので、実質的に記録不可能とな
る。このため使用する最短波長に対し充分小さな粒子サ
イズの磁性体を開発する必要があり、磁性体の微粒子化
が長年にわたり指向されている。
【0010】磁気記録用金属粉では粒子形状を針状とし
形状異方性を付与し、目的とする抗磁力を得ている。高
密度記録のために強磁性金属粉を微細化し得られる媒体
の表面粗さを小さくする必要があることは当業者によく
知られたことである。しかしながら磁気記録用金属粉
は、微細化にともない針状比が低下し所望の抗磁力が得
られなくなる。最近、ビデオ信号をデジタル化し記録す
るDVCシステムが提案されており、高性能なMEテー
プおよび高性能なMPテープが使用される。
【0011】デジタル信号記録システムにおいて使用さ
れる磁気テープは、システム毎に決められており、所謂
DLT型、3480、3490、3590、QIC、D
8型、あるいはDDS型対応の磁気テープが知られてい
る。これらシステムで用いられる磁気テープは、非磁性
支持体上の一方の側に、膜厚が2.0〜3.0μmと比
較的厚い単層構造の強磁性粉末、結合剤、及び研磨剤を
含む磁性層が設けられており、また他方の側には、巻き
乱れの防止や良好な走行耐久性を保つために、バックコ
ート層が設けられている。しかし一般に上記のように比
較的厚い単層構造の磁性層においては、記録過程で自己
減磁の問題、再生過程で出力が低下するという厚み損失
の問題がある。
【0012】磁性層の厚み損失による再生出力の低下を
改良するために、磁性層を薄層化することが知られてお
り、例えば、特開平5ー182178号公報には非磁性
支持体上に無機質粉末を含み、結合剤に分散してなる下
層非磁性層と該非磁性層が湿潤状態にある内に強磁性粉
末を結合剤に分散してなる1.0μm以下の厚みの上層
磁性層を設けた磁気記録媒体が開示されている。DLT
型、DDSの高容量タイプでは、非磁性層下層上に0.
2〜0.4μmの磁性層を設けた磁気記録媒体が実用さ
れている。
【0013】そして高密度記録の要求は益々高まり、高
回転または高転送の磁気記録媒体が望まれ、安定な記録
再生を維持するためには従来の媒体よりもさらに高度な
走行性及び耐久性が要求されるようになってきている。
以下、塗布型磁気記録媒体において記録密度と走行耐久
性とを主に改善するために提案された先行技術について
述べる。
【0014】例えば、特開平6−52541号公報に
は、磁性層表面の研磨剤の平均突起高さを15nm以下
とした磁気テープを開示し、ヘッド磨耗、ヘッド汚れを
改善し、電磁変換特性と耐久性とを両立させる旨の記載
がある。特開平6−12651号公報は、磁性層のRa
が15nm以下で、30nm以上の突起が125,00
0〜250,000ケ/mm2 分布する磁性層であっ
て、磁性層中の潤滑剤量を示した磁気ディスクを開示し
ている。
【0015】特開平6−309650号公報には、潤滑
剤を磁性粉100 重量部に対し8 〜30重量部含有し、磁性
層の最も高い突起から20nm低い面よりも高い突起の数が
400〜2,500ケ/mm2とした磁気記録媒、すなわち、磁性層
中の潤滑剤量と磁性層面の特定の高さの突起の存在密度
を特定することにより、走行安定性を確保しようとする
磁気記録媒体、特に磁気ディスクを開示している。
【0016】ところで、従来、電磁誘導を動作原理とす
る磁気ヘッド(誘導型磁気ヘッド)が用いられ普及して
いる。だが更に高密度記録再生領域で使用するには限界
が見え始めている。すなわち、大きな再生出力を得るた
めには再生ヘッドのコイル巻数を多くする必要があるが
インダクタンスが増加し高周波での抵抗が増加し結果と
して再生出力が低下する問題があった。
【0017】この問題に対処するために、再生ヘッドに
磁気抵抗効果を利用したMRヘッドを使用することで高
いS/Nを得るシステムが開発されている。HDDはM
Rヘッドを使用することが前提となっているだけでな
く、磁気テ−プシステムでもMRヘッドを使用したシス
テムが開発されている。例えば、DLT型、3480、
3490、3590である。MRヘッドを使用したシス
テムではシステムに起因するノイズ(以下、「システム
ノイズ」という)を大幅に低減できるので、媒体自体に
起因するノイズ(以下、「媒体ノイズ」という)がシス
テムのS/Nを支配することが知られている。
【0018】つまりMRヘッドを使用したシステム用の
磁気記録媒体は媒体ノイズを低減することが必須であ
り、しかも走行耐久性と適度なヘッドクリ−ニング効果
によるヘッド汚れ防止を両立させることが必要である。
MRヘッドで再生するとき、磁気テープの磁化とテープ
厚みの積がMR素子の単位体積あたりの磁化の1/2以
上あるとMRヘッドが飽和し特性が劣化することが知ら
れており(たとえば、A.Okabe et al. IEEE Trans. Mag
n. Vol-32. 3404(1996)) 、新たに磁気テープの設計を
行う必要がある。磁性層の磁化量は非磁性物を混合する
ことで低下させることができるのは言うまでもないこと
である。H.N.Bertram はγFe2O3 にαFe2O3 を混合する
ことで充填率を変化させ、充填度の低下にともないAC消
磁ノイズが減少することを報告している(IEEE Trans.Ma
gn.Vol-22.460(1986)) 。N.Nagai et al.は粒子サイズ
が異なる強磁性金属粉に長軸長0.15μmのαFe2O3
を混合して、粒子間相互作用とAC消磁ノイズ、DC消磁ノ
イズを測定している(IEEE Trans. Magn. Vol-34.1669
(1998) )。長軸長0.1μmの強磁性金属粉に長軸長
0.15μmのαFe2O3 を混合した場合、長軸長0.2
5μmの強磁性金属粉末に0.15μmのαFe2O3 を混
合した場合よりも近傍ノイズの低下量が大きいことを報
告している。本発明者は、磁性層中に含ませる非磁性物
の粒子サイズと粒度分布につき着目し研究した結果、強
磁性金属粉末よりも微細で好ましくは粒度がよくそろっ
た粒子を使用しないとノイズ低減効果が十分でないこと
を見出し本発明にいたった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は電磁変換特
性、特に媒体ノイズが低減され、走行耐久性と適度なヘ
ッドクリ−ニング効果を併せ持ち、MRヘッドとの組合
わせで短波長でのC/N 、エラーレートが格段に改良され
た磁気記録媒体を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者は媒体ノイズ低
減、走行耐久性、適度なヘッドクリ−ニング効果を持つ
磁気記録媒体を得るために鋭意検討した結果、以下のよ
うな媒体とすることで、本発明の目的である優れた電磁
変換特性と優れた走行耐久性が得られることを見いだ
し、本発明に至ったものである。
【0021】本発明は、支持体上に実質的に非磁性であ
る下層と強磁性金属粉末を結合剤中に分散してなる磁性
層をこの順に設けた磁気記録媒体において、前記強磁性
金属粉末の平均長軸長が0.03〜0.10μmであ
り、前記磁性層は前記強磁性金属粉末の平均長軸長より
も小さい平均長軸長をもち、かつ長軸長の変動係数が0
〜30%である非磁性粒子を該強磁性金属粉末100重
量部に対し25〜400重量部含有することを特徴とす
る磁気記録媒体である。
【0022】本発明の好ましい態様は次の通りである。 1.前記強磁性金属粉末は、長軸長の変動係数が0〜3
0%であり、単結晶率が30%以上であり、平均針状比
が4〜10であり、抗磁力が1800〜3000エルス
テッドであり、飽和磁化が120〜160emu/gであ
り、及び比表面積が40〜75m2 /gであることを特
徴とする磁気記録媒体。
【0023】2.前記非磁性粒子の平均長軸長は0.0
2〜0.10μm未満であり、長軸長の変動係数が0〜
30%であり、平均針状比が3〜10であり、及び比表
面積が40〜120m2 /gであることを特徴とする磁
気記録媒体。 3.前記非磁性粒子はヘマタイト、ゲータイト、ルチル
型二酸化チタン及び導電性酸化錫から選ばれた少なくと
も1種であることを特徴とする磁気記録媒体。
【0024】4.前記非磁性粒子がヘマタイト、ゲータ
イト、ルチル型二酸化チタン及び導電性酸化錫から選ば
れた少なくとも1種であり、かつ表面処理されているこ
とを特徴とする磁気記録媒体。 5.前記非磁性粒子は、アルミニウム元素を含有したゲ
ータイトにアルミニウム化合物を被着し、脱水、アニー
ル処理し、必要により水系で表面処理し、鉄原子に対し
アルミニウム原子を10〜50原子%含有させてなるヘ
マタイトであり、前記磁性層は研磨剤粒子として前記ヘ
マタイト以外は含有しないことを特徴とする磁気記録媒
体。
【0025】6.前記磁性層は、抗磁力が1800エル
ステッド以上であり、磁化量(飽和磁束密度×磁性層厚
み/4π)が1.0〜8.0memu/cm2 であり、
磁性層厚みが0.05〜1.0μmであり、かつ前記磁
性層の表面粗さが3D−MIRAU法による中心面平均
表面粗さで3.0nm以下であることを特徴とする磁気
記録媒体。
【0026】本発明の構成とすることで、媒体ノイズが
小さく優れた走行耐久性と適度なヘッドクリ−ニング効
果を併せ持つ磁気記録媒体を得ることができることを見
いだしたものである。そして、本発明は、面記録密度が
0.3〜3Gbit/inch2 更には面記録密度が0.5〜3
Gbit/inch2 である磁気記録媒体に有効に適用される
が、このような高い面記録密度は、本発明の層構成の磁
気記録媒体で効果的に実現できる。
【0027】本発明により、上記高密度特性と優れた耐
久性を併せ持つ磁気記録媒体が得られたのは以下のよう
なポイントを有機的に結合し、総合した結果である。そ
のポイントは高Hc、超平滑化、複合潤滑剤や高耐
久性結合剤、強磁性粉末の改良による耐久性確保、磁
性層の超薄層化と下層との界面での変動減少、強磁性
粉末の高充填化、粉体(強磁性粉末、非磁性粉末)の
超微粒子化、ヘッドタッチの安定化、寸法安定性と
サーボ、磁性層、支持体の熱収縮率改良、高温、低
温での潤滑剤の作用等が挙げらる。
【0028】本発明の好適な磁気記録媒体は、極めて薄
い磁性層に高出力、分散性、耐久性に優れた微粒子強磁
性金属粉末を含み、下層に球状又は針状などの無機粉末
を含み、非磁性粒子を特定量使用することにより磁化量
を最適化した磁性層とすることで磁性層内の自己減磁作
用を低減すると共に高周波領域での出力を確保して全帯
域のノイズを低下させ、更に重ね書き特性も向上させた
ものである。記録および再生ヘッドの改良により、薄層
磁性層の効果が一層発揮でき、デジタル記録特性の向上
が図れる。特に再生ヘッドにMR素子、巨大磁気抵抗素
子を使用するシステムで使用されると好適である。尚、
本明細書において、記録ヘッドおよび再生ヘッドの少な
くとも一方に言及する場合は、単にヘッドという。
【0029】一般に、塗布型磁気記録媒体、特に本発明
のような重層構造の磁気記録媒体の媒体ノイズには多く
の要因がある。その要因は磁性体の大きさ、磁性層の欠
陥(磁性層表面の凹凸、空隙、磁性体凝集、磁性層と下
層の界面乱れ、磁性層厚み変動、更に各種物理特性の分
布)、磁性層中の磁性粒子の粒子間相互作用の強さ等で
ある。これらの要因とノイズへの寄与の大きさを見積も
った結果、磁性層中に添加する非磁性粒子が磁性層中の
磁性粒子の粒子間相互作用の強さ、表面凹凸、磁性体凝
集、下層と磁性層の界面の乱れ等に大きく影響を及ぼし
ていることをつきとめ、本発明にいたった。
【0030】本発明者はこれら知見に基づいて検討し、
磁性層にはノイズの原因となる磁性体に比較して粗大な
研磨剤を添加しないか、もしくは削減し、磁性体である
強磁性金属粉末の平均長軸長よりも小さい平均長軸長の
非磁性粒子を強磁性金属粉末に対して特定量添加するこ
とで全帯域のノイズレベルが低下することを見出した。
【0031】本発明は非磁性粒子を特定量使用すること
で、強磁性金属粉末の配向をそこなうことがないので、
磁化の減少にともなう出力低下を少なくできる。これ
は、上記非磁性粒子の使用により、個々の強磁性金属粉
末が凝集することなく分散して独立に存在するようにな
るためと思われる。磁性層に非磁性粒子を混合する割合
は、好適に使用されるMRヘッドの特性との関連で決め
ることが好ましいが、強磁性金属粉末100重量部に対
し25〜400重量部から選定される。好ましくは、3
0〜300重量部、さらに好ましくは、30〜200重
量部である。25重量部より小さいと、MRヘッドを飽
和させる懸念があり、またノイズ低下の効果が十分に得
られない。また400重量部より大きいと、磁束密度が
小さく出力が小さくなりすぎ、S/N、C/Nが不足する。
【0032】使用される非磁性粒子は、その平均長軸長
が強磁性金属粉末の平均長軸長より小さいことが必要で
あり、その形態、表面構造が強磁性金属粉末と近似乃至
類似していることが更に好ましい。これは、その類似性
が非磁性粒子と強磁性金属粉末が磁性層内で更に一様に
分散され上記強磁性金属粉末の独立性を高めると共に磁
性層の表面性向上と共に強磁性金属粉末の配向性(特に
面内成分)の良化に寄与するため、出力を高めかつノイ
ズの低減効果を高めるものと考えられる。
【0033】また、非磁性粒子として、例えば、伝導
性、研磨性等の機能を有した機能性粒子を適宜選択する
ことにより、一般的に磁性層に添加されるカーボンブラ
ックや研磨剤を削減乃至無添加とすることができるので
好ましい。本発明は、粒子サイズと粒度分布、更には表
面構造を制御した非磁性粒子を高性能な強磁性金属粉末
と混合した薄層磁性層を形成することで、ノイズを格段
に低下させることができ、従来にない優れたCN比と走
行耐久性、汚れ防止を両立する磁気記録媒体を得ること
ができた。
【0034】本発明に使用する強磁性金属粉末は、高密
度領域の適性を最大限に引き出すために、高出力、高分
散性、配向性に優れたものが好適である。即ち強磁性金
属粉末の平均長軸長は0.03〜0.10μm、好まし
くは0.03〜0.09μmであり、強磁性金属粉末の
結晶子サイズは80〜180Åが好ましく、80〜16
0Åが更に好ましい。また、該強磁性金属粉末は、更に
Coを多く含み、焼結防止や研磨性付与等の機能を有す
るAlやY化合物を含むことにより高出力、高耐久性が
達成できる。
【0035】また、強磁性金属粉末は、粒子サイズ分布
が優れていることが好ましく、長軸長の変動係数(長軸
長の標準偏差/平均長軸長)は0〜30%が好ましく、
0〜25%が更に好ましい。この変動係数を小さくする
ことで、抗磁力分布を改良することができる。また、強
磁性金属粉末の単結晶率は30%以上が好ましい。単結
晶率を大きくすると、磁化反転モードが一斉回転に近づ
き、高い抗磁力を持つ強磁性金属粉末を得ることができ
る。
【0036】強磁性金属粉末の平均針状比は4〜10が
好ましく、5〜9が更に好ましい。強磁性金属粉末の抗
磁力は1800〜3000エルステッド(Oe)が好ま
しく、2000〜3000エルステッドが更に好まし
く、その飽和磁化(σs)は120〜160emu/g が好
ましく、125〜155emu/g が更に好ましい。強磁性
金属粉末の比表面積は、好ましくは40〜75m2 /g
で、更に好ましくは40〜70m2 /gである。尚、本
明細書において、強磁性金属粉末又は非磁性粒子の比表
面積とはBET法による比表面積(SBET )を意味す
る。
【0037】上記強磁性金属粉末は、特開平9−225
22号公報、特開平9−106535号公報、特開平6
−340426号公報、特願平9−261939号公報
およびこれらを組み合わせることにより得ることができ
る。高密度記録を達成するために抗磁力は高いことが好
ましく、使用する記録ヘッドの性能にもよるが、上記の
ように1800〜3000エルステッドが好ましい。高
抗磁力化にともない、信号のオーバーライトが問題とな
る。強磁性金属粉末の抗磁力は、形状異方性が主な起源
であるので、上記の通り平均長軸長の変動係数が小さい
ことが好ましい。
【0038】本発明における強磁性金属粉末及び非磁性
粒子のサイズ・サイズ分布は、次のようにして定義され
るものである。高分解能透過型電子顕微鏡で強磁性金属
粉末または非磁性粒子の粒子写真を撮影し、粒子形態又
は格子像より粒子中の結晶を観察した。約200〜30
0個の粒子についてこのような測定を実施して平均長軸
長と単結晶率を求めた。単結晶率とは、1個の結晶でで
きている粒子数を観察した全粒子数で割って100倍し
たものである。長軸長の変動係数は、長軸長の標準偏差
を平均長軸長で割り算し100倍して求めた。平均針状
比は、撮影した高分解能電顕写真の粒子の輪郭を画像解
析装置でなぞりその最大長を長軸長とし、その最短長を
短軸長として各々の粒子の針状比(長軸長/短軸長)を
求め、それら針状比の算術平均として求める。
【0039】本発明に使用する非磁性粒子の平均長軸長
は、強磁性金属粉末の平均長軸長より小さいことが必要
である。本発明に使用する非磁性粒子の形状は、長軸と
短軸が存在し、平均針状比が1より十分に大きいもので
あれば特に制限されるべきものではないが、上述のよう
に強磁性金属粉末と似ていることが好ましく、針状、紡
錘状等が好ましい。尚、本発明においては、非磁性粉体
として、所望により平均針状比が1であるもの、例え
ば、球状、粒状のものも併用し得る。
【0040】非磁性粒子の平均長軸長は、好ましくは
0.02〜0.10μm未満、更に好ましくは0.02
〜0.08μmである。平均長軸長が0.02μm未満
では分散が極めて困難となり、磁性層の表面粗さが劣化
する。平均長軸長が0.10μm以上であると、塗布後
磁界中を通過させたとき粒子の配向が低下し、ひいては
出力が低下するので好ましくなく、ノイズ低減効果も乏
しくなるので好ましくない。
【0041】また、非磁性粒子の平均針状比は、好まし
くは4〜10であり、更に好ましくは5〜8である。ま
た、非磁性粒子は、強磁性金属粉末と同様に粒子サイズ
分布が小さいことが好ましく、長軸長の変動係数は、0
〜30%が好ましく、さらに好ましくは0〜25%であ
る。また、粒子の針状比の変動係数も小さいことが好ま
しく、0〜30%の範囲が好ましい。
【0042】非磁性粒子のSBET は、好ましくは40〜
120m2 /gである。非磁性粒子の構成素材は、本発
明の条件を満足するのであれば特に制限されるべきもの
ではなく、無機物質、有機物質が挙げられるが、無機物
質が好ましく、金属酸化物が更に好ましい。尚、無機物
質、有機物質の素材としては、後述の下層に使用される
無機粉末及び有機粉末、更には後述の下層および/また
は上層に含有し得る研磨剤と同様のものが挙げられる金
属酸化物としては、ヘマタイト、ゲータイト、ルチル型
二酸化チタン、導電性酸化錫、酸化インジウム等が挙げ
られ、これらは針状あるいは紡錘状が好ましい。
【0043】これら非磁性粒子は、Al、Si、Zr等
の元素を含有する化合物で表面処理が施され、これら元
素の酸化物等が形成されたものが好ましい。ゲータイト
は磁性酸化鉄の原料や酸化鉄還元法で合成される強磁性
金属粉末の原料を使用することができる。ヘマタイトは
これらゲータイトを脱水、アニール処理し、必要により
表面処理することにより製造される。この場合、ゲータ
イトは種々の元素をゲータイト形成と共に固溶状態で有
することもできるし、ゲータイト表面に種々の元素の化
合物、例えば、水酸化物を被着し、脱水、アニール処理
し、更に必要なら形成されたヘマタイト表面を更に所望
の元素の化合物で処理することにより、所望の元素を有
したヘマタイトを製造することができる。
【0044】本発明では、アルミニウム元素を含有した
ゲータイトにアルミニウム化合物を被着し、脱水、アニ
ール処理し、生成したヘマタイトを水に分散し、これに
硫酸アルミニウムを添加し、アルカリを添加してヘマタ
イト表面に水酸化アルミニウムを沈着させ、脱水処理す
ることにより、酸化アルミニウムを表面に有するヘマタ
イトを得ることができる。このヘマタイトは、鉄原子に
対しアルミニウム原子を10〜50原子%含有させたも
のが好ましい。
【0045】このようなヘマタイトを使用すれば、他の
研磨剤粒子は、磁性層への添加を全く禁ずるものではな
いが、特に磁性層に含有させる必要がない。ここで研磨
剤粒子とは、モース硬度5以上のものを言う。このよう
な態様は、他の研磨性の良好な非磁性粒子についても同
様であることは明らかである。また、ルチル型酸化チタ
ン、導電性酸化錫は特開平9−175821号公報、特
開平8−231222号公報、特開平9−12314号
公報に記載された方法を用いることができる。
【0046】非磁性粒子として、導電性酸化錫を用いた
場合、一般的に使用されるカーボンブラック等の導電性
物質を削減乃至無添加とすることができ、研磨剤粒子も
削減乃至無添加とすることもできる。磁性層の厚みは、
高密度記録の磁気記録方式や磁気ヘッド、MRヘッド等
から要求される性能に適合するように好ましくは0.0
5〜1.0μm、更に好ましくは0.08〜0.5μm
の薄層に選択される。均一でかつ薄層にしたこのような
磁性層は微粒子の強磁性金属粉末及び非磁性粒子を分散
剤の使用と分散性の高い結合剤の組み合わせにより高度
に分散させることができる。
【0047】本発明の磁気記録媒体の磁性層の抗磁力
(Hc)は、好ましくは1800エルステッド以上であ
り、更に好ましくは2000エルステッド以上であり、
特に好ましくは2200〜3500エルステッドであ
る。上限は明確ではないが、記録ヘッドの改良にともな
い上限が拡大すると考えられる。1800エルステッド
未満では本発明が指向する高記録密度は達成されない。
磁性層の最大磁束密度(Bm)は、好ましくは1500
〜4000ガウス、更に好ましくは1800〜3500
ガウスであり、(飽和磁束密度×磁性層厚み/4π)で
定義される磁化量(以下、単に「磁化量」と記す)は、
好ましくは1.0〜8.0memu/cm2、更に好ま
しくは1.5〜7.0memu/cm2 であることが好
ましい。
【0048】尚、磁気記録媒体の磁化量を調整するため
に、強磁性金属粉末の酸化膜を増加させ飽和磁化を上記
好ましい範囲から低下させることも考えられるが、飽和
磁化を低下させ過ぎると、強磁性金属粉末および得られ
た磁気記録媒体のSFDが劣化するので、このような強
磁性金属粉末を高密度記録媒体用としては用いることは
困難である。
【0049】本発明の好適な態様においては、システム
で使用されるヘッドとの関係で、磁性層の抗磁力、磁性
層厚み、磁性層の磁化量を上記範囲において最適化する
ことが好ましい。
【0050】本発明の磁性層の中心面平均表面粗さ(R
a)は、3D−MIRAU法により測定される値であ
り、本発明では好ましくは3.0nm以下、更に好まし
くは2.7nm以下、特に好ましくは2.5nm以下で
ある。Raが3.0nmを越えると磁気記録媒体とヘッ
ドのスペーシングロスが大きくなり、出力が低く、ノイ
ズが高くなり、本発明の磁気記録媒体が有する媒体性能
を十分に発揮することが困難である。
【0051】耐久性は磁気記録媒体にとって重要な要素
である。特に高転送レートを実現するためにヘッドとテ
ープの相対速度を大きくする必要がある。ヘリカルシス
テムではヘッドの回転数を、従来の記録システムに比べ
て0.5〜1桁以上上げる必要があり、リニアシステム
でもテープ送り速度を大きくする必要がある。磁気ヘッ
ド、カートリッジ内部品と媒体とが高速摺動する場合の
媒体の耐久性の確保は重要である。媒体の耐久性を向上
させる手段には、上記本発明の手段に加え、媒体自身の
膜強度を上げる結合剤処方と、ヘッドとの滑り性を維持
する潤滑剤処方等がある。本発明の媒体では超薄層磁性
層に適した3次元ネットワークバインダーシステムが好
適に用いられ、高速回転時における走行の安定性、耐久
性を確保し、高転送レートを実現している。
【0052】潤滑剤は、使用される種々の温・湿度環境
下でそれぞれ優れた効果を発揮する潤滑剤を複数組み合
わせて使用することが好ましく、広範囲な温度(低温、
室温、高温)、湿度(低湿、高湿)環境下でも各潤滑剤
がそれぞれ機能を発揮し、総合的に安定した潤滑効果を
維持できるものである。また本発明の層構造、即ち、上
層が磁性層で下層が非磁性層の2層構造を活用し、下層
に潤滑剤のタンク効果を持たせることで磁性層に常に適
量の潤滑剤が供給されるようにし、磁性層の耐久性を向
上できる。磁性層に含ませることが出来る潤滑剤量には
限度があり、単純に磁性層をうすくすることは潤滑剤の
絶対量が減少し、走行耐久性の劣化につながるので耐久
性を確保することは困難であった。上下2層に別々の機
能を持たせ、互いに補完することで電磁変換特性の向上
と耐久性の向上を両立させた。この機能分化は磁気ヘッ
ドとメデイアを高速摺動させるシステムでは特に有効で
ある。
【0053】下層には潤滑剤の保持機能の他に表面電気
抵抗のコントロール機能を付与できる。一般に電気抵抗
のコントロールには、磁性層中にカーボンブラック等の
固体導電材料を加えることが多い。これらは磁性体の充
填密度を上げることの制約となるほか、磁性層が薄層に
なるに従い、表面粗さにも影響を与える。下層に導電材
料を加えることによってこれらの欠点を除くことができ
る。また下層のクッション効果は良好なヘッドタッチと
安定した走行性をもたらすことができる。
【0054】磁気記録の大容量化/高密度化に伴い、記
録トラック密度が向上する。一般には媒体上にサーボ記
録エリアを設け、記録トラックに対するヘッドのトレー
サビリテイを確保している。本発明の磁気記録媒体では
支持体として等方的寸度安定性を高めたものを使用する
ことが好ましく、トレーサビリテイの一層の安定化を図
ることができる。そして平滑性の優れた支持体を用いる
ことによって、磁性層の平滑性を更に向上できる。
【0055】デイスク形態の磁気記録の高密度化には、
線記録密度とトラック密度の向上が必要である。このう
ちトラック密度の向上には、支持体の特性が重要であ
る。本発明の媒体では支持体の寸度安定性、特に等方性
に配慮される。高トラック密度における記録再生では、
サーボ記録は不可欠な技術であるが、支持体を出来るだ
け等方化することで媒体サイドからもこの改良が図れ
る。さらに磁性層やバックコ−ト層が温湿度変化に対
し、寸度安定性が良好であることが好ましい。
【0056】マルチメデイア社会になり、画像記録への
ニーズは産業界のみならず家庭でも益々強くなってお
り、本発明の大容量磁気記録媒体は単に文字、数字など
のデータ以外に、画像記録用媒体としての機能/コスト
の要請に十分応えられる能力を持つものである。本発明
の好ましい大容量媒体は実績のある塗布型磁気記録媒体
をベースとしており、長期信頼性に富み、またコストパ
フォーマンスに優れているものである。
【0057】本発明の好ましい高容量磁気記録媒体は、
以上のような種々の要因を積み重ね、相乗的、有機的に
本発明の構成要素と組み合わせることにより、初めて達
成されるものである。
【0058】
【発明の実施の形態】[磁性層]本発明の磁気記録媒体
は下層と磁性層(上層ともいう)を支持体の片面だけで
も、両面に設けても良い。上下層は下層を塗布後、下層
が湿潤状態の内に同時乃至逐次に下層上に上層を塗布す
る方法(W/W=ウェット・オン・ウェット法)でも、
下層が乾燥した後に下層上に上層を塗布する方法(W/
D=ウェット・オン・ドライ法)でも設けることが出来
る。生産得率の点からW/Wが好ましいが、デイスクの
場合はW/Dも十分使用できる。本発明の重層構成でW
/Wでは上層/下層が同時に形成できるため、カレンダ
ー工程などの表面処理工程を有効に活用でき、超薄層で
も磁性層の表面粗さを良化できる。
【0059】[強磁性金属粉末]強磁性金属粉末として
は、α−Feを主成分とする単体及び合金の強磁性金属
粉末が好ましい。強磁性金属粉末には所定の原子以外に
Al、Si、Ca、Mg、Ti、Cr、Cu、Y、S
n、Sb、Ba、W、La、Ce、Pr、Nd、P、C
o、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでも
かまわない。特に、Al、Ca、Mg、Y、Ba、L
a、Nd、Sm、Co、Niの少なくとも1つをα−F
e以外に含むことが好ましい。CoはFeと合金を作る
と飽和磁化が増加し、かつ減磁が改良されるので特に好
ましい。Coの含有量はFeに対して1〜40原子%が
好ましく、さらに好ましくは15〜35原子%、より好
ましくは20〜35原子%である。Y等の希土類元素の
含有量は1.5原子%〜12原子%が好ましく、さらに
好ましくは3〜10原子%、より好ましくは4〜9原子
%である。Alは1.5〜12原子%が好ましく、さら
に好ましくは3〜10原子%、より好ましくは4〜9原
子%である。Y等の希土類元素やAlは焼結防止や研磨
性付与等として機能しており、両者を組合わせて使用す
ることでより高い焼結防止効果等が得られる。これらの
強磁性粉末にはあとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活性
剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行って
もかまわない。
【0060】強磁性金属粉末の含水率は0.1〜2重量
%とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性金
属粉末の含水率は最適化するのが好ましい。強磁性金属
粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化す
ることが好ましい。その範囲は通常、6〜12である
が、好ましくは7〜11である。強磁性金属粉末のステ
アリン酸吸着量(表面の塩基性点の尺度)は通常、1〜
15μmole/m2、好ましくは2〜10μmole/m2 、更に
好ましくは3〜8μmole/m2 である。ステアリン酸吸着
量が多い強磁性金属粉末を使用する時、表面に強く吸着
する有機物で表面修飾して磁気記録媒体を作成すること
がテ−プ表面に遊離の脂肪酸を多くすることができ摩擦
係数を低下するので好ましい。強磁性金属粉末には可溶
性のNa、Ca、Fe、Ni、Sr、NH4 、SO4
Cl、NO2 、NO3 などの無機イオンを含む場合があ
る。これらは、本質的に無い方が好ましい。各イオンの
総和が300ppm 以下程度であれば、特性には影響しな
い。特開平9−231546号公報に記載されているよ
うに、テープ中で脂肪酸鉄や脂肪酸金属塩を生成させな
いためベンゾヒドロキサム酸との錯体形成量が少ない強
磁性金属粉末が好ましい。また、本発明に用いられる強
磁性金属粉末は空孔が少なく、その値は通常、10容量
%以下で、好ましくは5容量%以下である。
【0061】また形状については先に示した粒子サイ
ズ、磁気特性を満足すれば針状、米粒状、紡錘状のいず
れでもかまわない。また、形状についての定義は、前記
非磁性粒子の形状について記載したことと同様なことが
強磁性金属粉末の形状についても当てはまる。強磁性金
属粉末自体のSFDは小さい方が好ましく、強磁性金属
粉末のHc分布を小さくすることが好ましく、前記長軸
長の変動係数の範囲とすることが好ましい。磁気記録媒
体のSFDが小さいと、磁化反転がシャープでピークシ
フトが小さくなり、高密度デジタル磁気記録に好適であ
る。Hc分布を小さくするためには、原料となるゲ−タ
イトの粒度分布を良くする、単分散αFe2O3 を使用す
る、粒子間の焼結を防止するなどの方法がある。また、
前記非磁性粒子として使用する変動係数の小さいヘマタ
イトやゲータイトを原料とすることができる。
【0062】[下層]次に下層に関する詳細な内容につ
いて説明する。本発明の下層は、実質的に非磁性であれ
ば、その構成は特に制限されるべきものではないが、通
常、少なくとも樹脂からなり、好ましくは、非磁性粉
末、例えば、無機粉末あるいは有機粉末が樹脂中に分散
されたものが挙げられる。
【0063】無機粉末としては、例えば、金属酸化物、
金属炭酸塩、金属窒化物、金属炭化物等の無機化合物か
ら選択することができる。無機化合物としては例えばα
化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−ア
ルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化
セリウム、α−酸化鉄、ゲータイト、窒化珪素、二酸化
チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸
化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、などが単独
または組合せで使用される。特に好ましいのは、粒度分
布の小ささ、機能付与の手段が多いこと等から、二酸化
チタン、酸化亜鉛、α−酸化鉄、酸化錫、硫酸バリウム
であり、更に好ましいのは二酸化チタン、α−酸化鉄で
ある。α−酸化鉄は、粒子サイズがそろった磁性酸化鉄
やメタル用原料を加熱脱水し、さらにアニ−ル処理によ
り空孔を少なくし、必要によりAl、Si化合物で表面
処理をしたものが好ましい。通常、二酸化チタンは光触
媒性を持っているので、光があたるとラジカルが発生し
バインダー、潤滑剤と反応する懸念がある。このため、
本発明に使用する二酸化チタンは、Al、Fe等を1〜
10%固溶させ光触媒特性を低下させることが好まし
い。さらに表面をAl、Si化合物で処理し、触媒作用
を低下させることが好ましい。これら非磁性粉末の粒子
サイズは0.005〜1μmが好ましいが、必要に応じ
て粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単
独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をも
たせることもできる。とりわけ好ましいのは非磁性粉末
の粒子サイズは0.01μm〜0.5μmである。特
に、非磁性粉末が粒状金属酸化物である場合は、平均粒
子径0.08μm以下が好ましく、針状金属酸化物であ
る場合は、平均長軸長が0.3μm以下が好ましく、
0.2μm以下がさらに好ましい。タップ密度は通常、
0.3〜1.5g/ml、好ましくは0.4〜1.3g/mlで
ある。非磁性粉末の含水率は通常、0.2〜5重量%、
好ましくは0.3〜3重量%、更に好ましくは0.3〜
1.5重量%である。非磁性粉末のpHは通常、2〜1
2であるが、pHは5.5〜11の間が特に好ましい。
非磁性粉末の比表面積は通常、1〜100m2 /g、好
ましくは5〜80m2 /g、更に好ましくは10〜80
2 /gである。非磁性粉末の結晶子サイズは40〜1
000Åが好ましく、40〜800Åが更に好ましい。
DBP(ジブチルフタレート)を用いた吸油量は通常、
5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、更
に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は通常、
1.5〜7、好ましくは3〜6である。形状は針状、球
状、多面体状、板状のいずれでも良い。非磁性粉末のS
A(ステアリン酸)吸着量は通常、1〜20μmole/
m2、好ましくは2〜15μmole/m2 、さらに好ましくは
3〜8μmole/m2 である。SA吸着量が多い非磁性粉末
を使用する時、表面に強く吸着する有機物で表面修飾し
て磁気記録媒体を作成することが摩擦係数を低下させる
ことができるので好ましい。これらの非磁性粉末の表面
にはAl、Mg、Si、Ti、Zr、Sn、Sb、Z
n、Y等の化合物で表面処理することが好ましい。非磁
性粉末の表面に存在させて、特に分散性に好ましいのは
Al23、SiO2、TiO2、ZrO2、MgOおよび
これらの含水酸化物であるが、更に好ましいのはAl2
3、SiO2、ZrO2 およびこれらの含水酸化物であ
る。これらは組み合わせて使用しても良いし、単独で用
いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面
処理層を用いても良いし、先ずアルミナを施した後にそ
の表層にシリカを施す方法、またはその逆の方法を採る
こともできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質
層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好
ましい。
【0064】本発明の下層に用いられる非磁性粉末の具
体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製
HIT−100、HIT−82、戸田工業製α−酸化鉄
DPN−250BX、DPN−245、DPN−270
BX、DPN−550BX、DPN−550RX、DB
N−650RX、DAN−850RX、石原産業製酸化
チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55
B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55
D、SN−100、チタン工業製酸化チタンSTT−4
D、STT−30D、STT−30、STT−65C、
α−酸化鉄α−40、テイカ製酸化チタンMT−100
S、MT−100T、MT−150W、MT−500
B、MT−600B、MT−100F、MT−500H
D、堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−1
0、BF−20、ST−M、同和鉱業製酸化鉄DEFI
C−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2B
M、TiO2 P25、宇部興産製100A、500A、
及びそれを焼成したものが挙げられる。
【0065】下層にカ−ボンブラックを混合させて公知
の効果である表面電気抵抗(Rs)を下げること、光透
過率を小さくすること、所望のマイクロビッカース硬度
を得る事ができる。また、下層にカーボンブラックを含
ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらすことも可能で
ある。カーボンブラックの種類はゴム用ファ−ネス、ゴ
ム用サ−マル、カラ−用ブラック、導電性カ−ボンブラ
ック、アセチレンブラック等を用いることができる。下
層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下の
ような特性を最適化すべきであり、併用することでより
効果が得られることがある。
【0066】下層のカ−ボンブラックの比表面積は通
常、50〜500m2 /g、好ましくは70〜400m
2 /g、DBP吸油量は通常、20〜400ml/100g、
好ましくは30〜400ml/100gである。カ−ボンブラ
ックの平均粒子径は通常、5〜80nm、好ましく10〜
50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カ−ボ
ンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10重
量%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。本発
明に用いられるカ−ボンブラックの具体的な例としては
キャボット製 BLACKPEARLS 2000、1
300、1000、900、800、880、700、
VULCAN XC−72、三菱化学製#3050B、
#3150B、#3750B、#3950B、#95
0、#650B、#970B、#850B、MA−60
0、MA−230、#4000、#4010、コロンビ
アンカ−ボン製 CONDUCTEX SC、RAVE
N8800、8000、7000、5750、525
0、3500、2100、2000、1800、150
0、1255、1250、アクゾー製ケッチェンブラッ
クECなどがあげられる。カ−ボンブラックを分散剤な
どで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用して
も、表面の一部をグラファイト化したものを使用しても
かまわない。また、カ−ボンブラックを塗料に添加する
前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これら
のカーボンブラックは上記無機粉末に対して50重量%
を越えない範囲、下層総重量の40%を越えない範囲で
使用できる。これらのカ−ボンブラックは単独、または
組合せで使用することができる。本発明で使用できるカ
−ボンブラックは例えば「カ−ボンブラック便覧」(カ
−ボンブラック協会編)を参考にすることができる。
【0067】また下層には有機粉末を目的に応じて、添
加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹脂
粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉
末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフ
ィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド
系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレ
ン樹脂も使用することができる。その製法は特開昭62
−18564号、特開昭60−255827号に記され
ているようなものが使用できる。
【0068】下層の結合剤樹脂(種類と量)、潤滑剤・
分散剤・添加剤の量、種類、溶剤、分散方法に関しては
磁性層に関する公知技術が適用できる。また下層には、
補強剤を兼ねて研磨剤を添加することもできる。研磨剤
としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミ
ナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化
鉄、コランダム、窒化珪素、炭化珪素、チタンカ−バイ
ト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主とし
てモ−ス硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで
使用される。また、これらの研磨剤同士の複合体(研磨
剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよ
い。これらの研磨剤には主成分以外の化合物または元素
が含まれる場合もあるが主成分が90重量%以上であれ
ば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは
0.01〜1μが好ましく、特に電磁変換特性を高める
ためには、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久
性を向上させるには必要に応じて粒子サイズの異なる研
磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広
くして同様の効果をもたせることも可能である。タップ
密度は0.3〜1.5g/cc、含水率は0.1〜5重量
%、pHは2〜11、比表面積は1〜40m2 /gが好
ましい。研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、のい
ずれでも良いが、形状の一部に角を有するものが研磨性
が高く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−1
0、AKP−15、AKP−20、AKP−30、AK
P−50、HIT−20、HIT−30、HIT−5
0、HIT−60A、HIT−60G、HIT−70、
HIT−80、HIT−82、HIT−100、スミコ
ランダムAA−03、AA−04、AA−06、レイノ
ルズ社製ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DB
M、不二見研磨剤社製WA10000、上村工業社製U
B20、日本化学工業社製G−5、クロメックスU2、
クロメックスU1、戸田工業社製TF100、TF14
0、イビデン社製ベータランダムウルトラファイン、昭
和鉱業社製B−3などが挙げられる。下層に添加するこ
とで磁性層表面形状を制御したり、磁性層表面の無機粒
子の突出状態を制御したりすることができる。これら下
層に添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定す
べきものである。
【0069】[結合剤]本発明の下層、上層に使用され
る結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑
性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150
℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好まし
くは10,000〜100,000、重合度が約50〜1
000程度のものである。このような例としては、塩化
ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、
アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、ア
クリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステ
ル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラ−
ル、ビニルアセタ−ル、ビニルエ−テル、等を構成単位
として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、
各種ゴム系樹脂がある。
【0070】また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂とし
てはフェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化
型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アク
リル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコ−ン樹
脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイ
ソシアネ−トプレポリマ−の混合物、ポリエステルポリ
オ−ルとポリイソシアネ−トの混合物、ポリウレタンと
ポリイソシアネートの混合物等があげられる。これらの
樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブ
ック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬
化型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの
例とその製造方法については特開昭62−256219
に詳細に記載されている。
【0071】以上の樹脂は単独または組合せて使用でき
るが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアル
コ−ル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸
共重合体、から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン
樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネ−トを組
み合わせたものがあげられる。
【0072】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエ−テルポリウレタン、ポリエ−テル
ポリエステルポリウレタン、ポリカ−ボネ−トポリウレ
タン、ポリエステルポリカ−ボネ−トポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用で
きる。ここに示したすべての結合剤について、より優れ
た分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COO
M、−SO3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)2
−O−P=O(OM)2 、(以上につきMは水素原子、
またはアルカリ金属塩基)、−OH、−NR2 、−N+
3 (Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−C
N、などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を
共重合または付加反応で導入したものを用いることが好
ましい。このような極性基の量は10-1〜10-8モル/g
であり、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。
【0073】本発明に用いられるこれらの結合剤の具体
的な例としては、ユニオンカ−バイト製VAGH、VY
HH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VY
ES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PK
HH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業
製、MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、
MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MP
R−TM、MPR−TAO、電気化学製1000W、D
X80、DX81、DX82、DX83、100FD、
日本ゼオン製MR−104、MR−105、MR11
0、MR100、MR555、400X−110A、日
本ポリウレタン製ニッポランN2301、N2302、
N2304、大日本インキ製パンデックスT−510
5、T−R3080、T−5201、バ−ノックD−4
00、D−210−80、クリスボン6109、720
9、東洋紡製バイロンUR8200、UR8300、U
R−8700、RV530、RV280、大日精化製、
ダイフェラミン4020、5020、5100、530
0、9020、9022、7020、三菱化学製、MX
5004、三洋化成製サンプレンSP−150、旭化成
製サランF310、F210などがあげられる。
【0074】本発明の下層、磁性層に用いられる結合剤
は下層にあっては非磁性粉末または磁性層にあっては非
磁性粒子及び強磁性金属粉末の合計に対し、5〜50重
量%の範囲、好ましくは10〜30重量%の範囲で用い
られる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30重量
%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20重量%、
ポリイソシアネ−トは2〜20重量%の範囲でこれらを
組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の
脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレタン
のみまたはポリウレタンとポリイソシアネートのみを使
用することも可能である。
【0075】本発明において、ポリウレタンを用いる場
合は、ガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは
0〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応
力は0.05〜10Kg/mm2 、降伏点は0.05〜10K
g/mm2 が好ましい。本発明の磁気記録媒体は基本的に下
層および上層の二層からなるが、本発明の要件を満足す
る範囲で磁性層を複層化してもよく、同様に下層も複層
化し得る。更に、必要により種々の機能を持たせた任意
の層を設けることも可能である。従って、結合剤量、結
合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリイソシアネ−ト、あるいはそれ以外の樹脂の量、各
樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物
理特性などを必要に応じ下層、磁性層等の各層で変える
ことはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべき
であり、多層磁性層に関する公知技術等を適用できる。
例えば、各層で結合剤量を変更する場合、ヘッドに対す
るヘッドタッチを良好にするためには、非磁性層の結合
剤量を多くして柔軟性を持たせること等が例示される。
【0076】本発明に用いることができるポリイソシア
ネ−トとしては、トリレンジイソシアネ−ト、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレン
ジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフ
チレン−1,5−ジイソシアネ−ト、o−トルイジンジ
イソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフ
ェニルメタントリイソシアネ−ト等のイソシアネ−ト
類、また、これらのイソシアネ−ト類とポリアルコール
との生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生
成したポリイソシアネ−ト等を使用することができる。
これらのイソシアネート類の市販されている商品名とし
ては、日本ポリウレタン製、コロネートL、コロネ−ト
HL、コロネ−ト2030、コロネ−ト2031、ミリ
オネ−トMR、ミリオネ−トMTL、武田薬品製、タケ
ネ−トD−102、タケネ−トD−110N、タケネ−
トD−200、タケネ−トD−202、住友バイエル
製、デスモジュ−ルL、デスモジュ−ルIL、デスモジ
ュ−ルN、デスモジュ−ルHL等があり、これらを単独
または硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上
の組合せで各層とも用いることができる。
【0077】[カーボンブラック]本発明の磁性層に使
用されるカ−ボンブラックは、ゴム用ファ−ネス、ゴム
用サ−マル、カラ−用ブラック、導電性カ−ボンブラッ
ク、アセチレンブラック等を用いることができる。比表
面積は5〜500m2 /g、DBP吸油量は10〜40
0ml/100g、平均粒子径は5nm〜300nm、pH
は2〜10、含水率は0.1〜10重量%、タップ密度
は0.1〜1g/cc、が好ましい。本発明に用いられる
カ−ボンブラックの具体的な例としてはキャボット製、
BLACKPEARLS 2000、1300、100
0、900、905、800、700、VULCAN
XC−72、旭カ−ボン製、#80、#60、#55、
#50、#35、三菱化学製、#2400B、#230
0、#900、#1000#30、#40、#10B、
コロンビアンカ−ボン製、CONDUCTEX SC、
RAVEN 150、50、40、15、RAVEN−
MT−P、アクゾー社製、ケッチェンブラックEC、な
どがあげられる。カ−ボンブラックを分散剤などで表面
処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の
一部をグラファイト化したものを使用してもかまわな
い。また、カ−ボンブラックを磁性塗料に添加する前に
あらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカ
−ボンブラックは単独、または組合せで使用することが
できる。カ−ボンブラックを使用する場合は磁性体に対
する量の0.1〜30重量%で用いることが好ましい。
カ−ボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、
遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用
いるカ−ボンブラックにより異なる。
【0078】従って本発明に使用されるこれらのカ−ボ
ンブラックは磁性層、下層でその種類、量、組合せを変
え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示し
た諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはもちろ
ん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
本発明の磁性層で使用できるカ−ボンブラックは例えば
「カ−ボンブラック便覧」カ−ボンブラック協会編を参
考にすることができる。
【0079】[研磨剤]ヘッドのクリーニング効果を持
たせたり塗膜を補強するため、磁性層に含有させること
ができる研磨剤は、平均粒子径(平均針状比が1乃至略
1)が通常、0.01〜1μm 、好ましくは0.05〜
0.8μm、又は平均長軸長が非磁性粒子の平均長軸長
より大きいか又は0.1μm以上2μm以下、好ましく
は1.0μm以下、モ−ス硬度5以上の粒子が使用し得
る。
【0080】結合剤としては、α化率90%以上のα−
アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸
化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、炭化
珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒
化ホウ素、など主としてモ−ス硬度5以上の公知の材料
が単独または組合せで使用される。また、これらの研磨
剤同士の複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したも
の)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外
の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が9
0重量%以上であれば効果にかわりはない。電磁変換特
性を高めるためには、その研磨剤の粒子サイズ粒度分布
が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要
に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、
単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもた
せることも可能である。タップ密度は0.3〜1.5g/
cc、含水率は0.1〜5重量%、pHは3〜11、比表
面積は10〜80m2 /gが好ましい。本発明に用いら
れる研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれ
でも良いが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高
く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−10、A
KP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−3
0、AKP−50、AKP−80、AKP−100、A
KP−1520、AKP−1500、HIT−50、H
IT−60A、HIT−60G、HIT−70、HIT
−80、HIT−82、HIT−100、スミコランダ
ムAA−03、AA−04、日本化学工業社製、G5、
G7、S−1、酸化クロムK、上村工業社製UB40
B、不二見研磨剤社製WA8000、WA10000、
ミクロンサイズダイヤモンド( 0-1/4、0-1/6 、0-1/8
の各グレード;製造メーカーとしては、東名ダイヤモン
ド、LANDS 社、DuPont社、GE社など) 、戸田工業社製T
F100、TF140、TF180などが上げられる。
これら研磨剤の合計量は強磁性金属粉末100重量部に
対して通常、0〜20重量部、望ましくは0〜15重量
部の範囲で添加される。非磁性粒子のモース硬度が5未
満の場合、研磨剤の添加量が少なすぎると十分な耐久性
が得られず、20重量部より多すぎると表面性、充填度
が劣化する。
【0081】これら研磨剤は、あらかじめ結合剤で分散
処理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。 [添加剤]本発明の磁性層と下層に使用される、添加剤
としては潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果
などをもつものが使用される。二硫化モリブデン、二硫
化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒
鉛、シリコ−ンオイル、極性基をもつシリコ−ン、脂肪
酸変性シリコ−ン、フッ素含有シリコ−ン、フッ素含有
アルコ−ル、フッ素含有エステル、極性基を持つパーフ
ルオロポリエーテル、ポリオレフィン、ポリグリコ−
ル、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、
アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリ
フェニルエ−テル、フェニルホスホン酸、αナフチル燐
酸、フェニル燐酸、ジフェニル燐酸、p−エチルベンゼ
ンホスホン酸、フェニルホスフィン酸、アミノキノン
類、各種シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカ
リ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和
結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、お
よびこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)また
は、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五
価、六価アルコ−ル(不飽和結合を含んでも、また分岐
していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキ
シアルコ−ル(不飽和結合を含んでも、また分岐してい
てもかまわない)、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸
(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわな
い)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五
価、六価アルコ−ルのいずれか一つ(不飽和結合を含ん
でも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ
脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪
酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキル
エ−テルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸ア
ミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用でき
る。
【0082】これらの具体例としては脂肪酸では、カプ
リン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン
酸、などが挙げられる。エステル類ではブチルステアレ
ート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イ
ソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチ
ルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキ
シジエチルステアレート、2ーエチルヘキシルステアレ
ート、2ーオクチルドデシルパルミテート、2ーヘキシ
ルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレー
ト、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリ
デシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチル
グリコールジデカノエート、エチレングリコ−ルジオレ
イル、アルコール類ではオレイルアルコ−ル、ステアリ
ルアルコール、ラウリルアルコ−ル、などがあげられ
る。また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グ
リシド−ル系、アルキルフェノ−ルエチレンオキサイド
付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステ
ルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導
体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等
のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、
燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの酸性基
を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホ
ン酸類、アミノアルコ−ルの硫酸または燐酸エステル
類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用
できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤
便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されてい
る。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%
純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応
物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかまわな
い。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、さら
に好ましくは10重量%以下である。
【0083】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は個々に異なる物理的作用を有するものであり、
その種類、量、および相乗的効果を生み出す潤滑剤の併
用比率は目的に応じ最適に定められるべきものである。
下層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじ
み出しを制御する、沸点、融点や極性の異なるエステル
類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量
を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の
添加量を下層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考
えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではな
い。一般には潤滑剤の総量として磁性層にあっては強磁
性金属粉末及び非磁性粒子または下層にあっては非磁性
粉末に対し、0.1〜50重量%、好ましくは2〜25
重量%の範囲で選択される。
【0084】また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性および下層塗料製造のどの工程で
添加してもかまわない、例えば、磁性塗料では、混練工
程前に磁性体と混合する場合、磁性体と結合剤と溶剤に
よる混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場
合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合な
どがある。また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同
時または逐次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布す
ることにより目的が達成される場合がある。また、目的
によってはカレンダ−した後、またはスリット終了後、
磁性層表面に潤滑剤を塗布することもできる。
【0085】本発明で用いられる有機溶剤は公知のもの
が使用でき、例えば特開昭6−68453に記載の溶剤
を用いることができる。 [層構成]本発明の磁気記録媒体の厚み構成は支持体が
通常、2.5〜100μm、テ−プの場合は体積密度を
大きくするため2.5〜10μmが好ましく、さらに好
ましくは3.0〜8μmである。ディスクの場合は20
〜100μmが好ましく、さらに好ましくは25〜80
μmである。
【0086】支持体と下層の間に密着性向上のため下塗
り層を設けてもかまわない。本下塗層厚みは通常、0.
01〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.5μmで
ある。この場合、帯電防止やカール補正などの効果を出
すために磁性層側と反対側にバックコ−ト層を設けても
かまわない。この厚みは通常、0.1〜4μm、好まし
くは0.3〜2.0μmである。これらの下塗層、バッ
クコ−ト層は公知のものが使用できる。
【0087】本発明の磁性層の厚みは用いるヘッドの飽
和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最
適化されるものである。磁性層を異なる磁気特性を有す
る2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に
関する構成が適用できる。本発明の下層の厚みは通常、
0.2〜5.0μm、好ましくは0.3〜3.0μm、
さらに好ましくは0.5〜2.5μmである。
【0088】なお、本発明の下層は実質的に非磁性であ
ればその効果を発揮するものであり、たとえば不純物と
してあるいは意図的に少量の磁性体を含んでも、本発明
の効果を示すものであり、本発明と実質的に同一の構成
と見なすことができることは言うまでもない。実質的に
非磁性とは下層の残留磁束密度が500ガウス以下もし
くは抗磁力が磁性層の略40%以下であることを示し、
好ましくは残留磁束密度と抗磁力がゼロの場合である。
【0089】[支持体]本発明に用いられる支持体はポ
リエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレート
等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロ−スト
リアセテ−ト、ポリカ−ボネ−ト、ポリアミド(例え
ば、アラミド等の芳香族ポリアミド)、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリスルフォン、ポリベンゾオキサゾ
−ルなどの公知のフィルムが使用できる。ポリエチレン
ナフタレ−ト、アラミドなどの高強度支持体を用いるこ
とが好ましい。また必要に応じ、磁性層側と、磁性層を
設けない場合のその反対面側との表面粗さを変えるため
特開平3−224127に示されるような積層タイプの
支持体を用いることもできる。これらの支持体にはあら
かじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱
処理、除塵処理、などを行ってもよい。また本発明の支
持体としてアルミまたはガラス基板を適用することも可
能である。
【0090】支持体表面をWYKO社製TOPO−3D
−MIRAU法で測定した中心面平均表面粗さ(Ra)
は通常、8.0nm以下、好ましくは4.0nm以下、さら
に好ましくは2.0nm以下のものを使用する。これらの
支持体は単に中心面平均表面粗さが小さいだけではな
く、0.5μm以上の粗大突起がないことが好ましい。
また表面の粗さ形状は必要に応じて支持体に添加される
フィラ−の大きさと量により自由にコントロ−ルされる
ものである。これらのフィラ−としては一例としてはC
a、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系
などの有機微粉末があげられる。支持体の最大高さSR
maxは1μm以下、十点平均粗さSRzは0.5μm以
下、中心面山高さはSRpは0.5μm以下、中心面谷
深さSRvは0.5μm以下、中心面面積率SSrは10
%以上、90%以下、平均波長Sλaは5μm以上、3
00μm以下が好ましい。所望の電磁変換特性と耐久性
を得るため、これら支持体の表面突起分布をフィラーに
より任意にコントロールできるものであり、0.01μ
mから1μmの大きさのもの各々を0.1mm2 あたり0
個から2000個の範囲でコントロ−ルすることができ
る。
【0091】本発明に用いられる支持体のF−5値は、
好ましくは5〜50Kg/mm2、また、支持体の100℃3
0分での熱収縮率は、好ましくは3%以下、さらに好ま
しくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率は好ま
しくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下であ
る。破断強度は5〜100Kg/mm2 、弾性率は100〜
2000Kg/mm2 、が好ましい。温度膨張係数は10-4
〜10-8/℃であり、好ましくは10-5〜10-6/℃で
ある。湿度膨張係数は10-4/RH%以下であり、好ましく
は10-5/RH%以下である。これらの熱特性、寸法特
性、機械強度特性は支持体の面内各方向に対し10%以
内の差でほぼで等しいことが好ましい。
【0092】[製法]本発明の磁気記録媒体の磁性塗料
を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、お
よびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程
からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれて
いてもかまわない。本発明に使用する磁性体、非磁性粒
子、非磁性粉末、結合剤、カ−ボンブラック、研磨剤、
帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程
の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々
の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわな
い。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散
後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよ
い。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製
造技術を一部の工程として用いることができる。混練工
程ではオープンニーダ、連続ニ−ダ、加圧ニ−ダ、エク
ストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが
好ましい。ニ−ダを用いる場合は磁性体または非磁性粉
末と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤の
30重量%以上が好ましい)および磁性体100部に対
し15〜500部の範囲で混練処理される。これらの混
練処理の詳細については特開平1−106338、特開
平1−79274に記載されている。また、磁性層液お
よび非磁性層液を分散させるにはガラスビーズを用るこ
とができるが、高比重の分散メディアであるジルコニア
ビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適であ
る。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用
いられる。分散機は公知のものを使用することができ
る。分散速度がことなる磁性体、研磨剤、カーボンブラ
ックをあらかじめ別々に分散し、混合し必要によりさら
に微分散して塗布液とすることができる。
【0093】本発明で重層構成の磁気記録媒体を塗布す
る場合、以下のような方式を用いることが好ましい。第
一に磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗
布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状
態のうちに特公平1−46186や特開昭60−238
179、特開平2−265672に開示されている支持
体加圧型エクストルージョン塗布装置により上層を塗布
する方法であり、第二に特開昭63−88080、特開
平2−17971、特開平2−265672に開示され
ているような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの
塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する方法であ
り、第三に特開平2−174965に開示されているバ
ックアップロール付きエクストルージョン塗布装置によ
り上下層をほぼ同時に塗布する方法である。なお、磁性
粒子の凝集による磁気記録媒体の電磁変換特性等の低下
を防止するため、特開昭62−95174や特開平1−
236968に開示されているような方法により塗布ヘ
ッド内部の塗布液にせん断を付与することが望ましい。
さらに、塗布液の粘度については、特開平3−8471
に開示されている数値範囲を満足する必要がある。本発
明の構成を実現するには下層を塗布し乾燥させたのち、
その上に磁性層を設ける逐次重層塗布をもちいてもむろ
んかまわず、本発明の効果が失われるものではない。た
だし、塗布欠陥を少なくし、ドロップアウトなどの品質
を向上させるためには、前述の同時重層塗布を用いるこ
とが好ましい。
【0094】支持体上に形成された磁性層は、カレンダ
ーにより表面変形処理されることが好ましい。カレンダ
ー処理ロ−ルとしてエポキシ、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロ
−ルまたは金属ロ−ルで処理するが、特に両面磁性層と
する場合は金属ロ−ル同志で処理することが好ましい。
処理温度は、好ましくは50℃以上、さらに好ましくは
100℃以上である。線圧力は好ましくは200kg/cm
以上、さらに好ましくは300kg/cm 以上である。カレ
ンダー処理後にダイヤモンドホィ−ルで表面に存在する
過剰の結合剤の除去処理を行ったり、スリット後サファ
イヤブレ−ドや研磨テ−プを使用して表面層の余剰の結
合剤を除去する。このような処理により、繰り返し走行
させた時、過剰の結合剤が流動し摩擦係数が増加した
り、ヘッドを目づまらせることを防止できる。
【0095】本発明の磁気記録媒体のヘッドに対する摩
擦係数は、温度−10℃〜40℃、湿度0%〜95%の
範囲において通常、0.5以下、好ましくは0.3以
下、表面固有抵抗は好ましくは磁性面で104 〜1012
オ−ム/sq、帯電位は−500Vから+500V以内が好
ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は面内各方向
で好ましくは100〜2000Kg/mm2 、破断強度は好
ましくは10〜70Kg/mm 2 、磁気記録媒体の弾性率は
面内各方向で好ましくは100〜1500Kg/mm2、残留
のびは好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆ
る温度での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ま
しくは0.5%以下、もっとも好ましくは0.1%以下
である。磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した
動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50℃以上1
20℃以下が好ましく、下層のそれは0℃〜100℃が
好ましい。損失弾性率は1×108〜8×109dyne/cm
2 の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下
であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故
障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の
面内各方向で10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2
以下、さらに好ましくは10mg/m2 以下である。塗布層
が有する空隙率は下層、磁性層とも好ましくは30容量
%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙
率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目
的によってはある値を確保した方が良い場合がある。
【0096】磁性層表面において、最大高さRmaxは
0.5μm以下、十点平均粗さRzは0.3μm以下、
中心面山高さRpは0.3μm以下、中心面谷深さRvは
0.3μm以下、中心面面積率Srは20〜80%以
下、平均波長λaは5〜300μm以下が好ましい。磁
性層の表面突起は0.01μm〜1μmの大きさのもの
を0〜2000個の範囲で任意に設定することが可能で
あり、これにより電磁変換特性、摩擦係数を最適化する
ことが好ましい。これらは支持体のフィラ−による表面
性のコントロ−ル、磁性層表面に分散される無機粒子の
制御、磁性層に添加し得る粉体の粒径と量、カレンダー
処理のロ−ル表面形状などで容易にコントロ−ルするこ
とができる。カールは±3mm以内とすることが好まし
い。
【0097】本発明の磁気記録媒体は、目的に応じ下層
と磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは
容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率
を高くし走行耐久性を向上させると同時に下層の弾性率
を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを
良くするなどである。
【0098】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明するが、
本発明はこれに限定されるべきものではない。以下の
「部」とは「重量部」のことである。 実施例1〜10、比較例1〜3 上層用組成物 強磁性金属粉末 100部 組成:Fe75原子%、Co25原子% Al/Fe=6原子% Y/Fe=6原子% 表面酸化膜厚28Å Hc:2230エルステッド、SBET :52m2 /g、 σs :150emu/g 、平均長軸長:0.095μm 、 長軸長の変動係数(以下、単に「変動係数」と記す):25%、 単結晶率:35%、結晶子サイズ:120Å、平均針状比:6.5 非磁性粒子:表1に記載(後述の非磁性粒子塗料を使用) 表2に記載 塩化ビニル重合体 MR110(日本ゼオン社製) 11部 ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 5部 αアルミナ HIT60A( 住友化学製) 10部 カ−ボンブラック #50(旭カーボン社製) 2部 フェニルホスホン酸 3部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 0.5部 メチルエチルケトン 180部 シクロヘキサノン 180部 下層用組成物 非磁性粉末 α−Fe2 3 80部 平均長軸長:0.11μm 、SBET :52m2 /g、 pH:9、 表面処理剤Al(OH)3 を原料α−Fe2 3 に対して2重
量%になるように湿式で中和処理して付着させた。
【0099】 スミコランダムAA−04 5部 (αアルミナ、平均粒子径:0.40μm) カ−ボンブラック コンダクテックスSC−U(コロンビアンカーボン社製) 20部 塩化ビニル重合体:MR110(日本ゼオン製) 12部 ポリウレタン樹脂:UR8200(東洋紡社製) 5部 フェニルホスホン酸 3部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 0.5部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(7/3混合溶剤) 300部 非磁性粒子塗料 非磁性粒子(表1に示す) 100部 塩化ビニル重合体:MR110(日本ゼオン製) 11部 ポリウレタン樹脂:UR8200(東洋紡社製) 5部 フェニルホスホン酸 3部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 0.5部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(7/3混合溶剤) 300部
【0100】
【表1】
【0101】表面処理物の量は、名称の欄に記載の処理
前の非磁性粒子に対する重量%で、Al(OH)3 を湿式で中
和処理にて付着させた。上記上層用組成物(非磁性粒子
を除く)および非磁性粒子塗料のそれぞれについて、又
は下層用組成物について顔料、塩化ビニル重合体、フェ
ニルホスホン酸と処方量の50%の各溶剤をニ−ダで混
練した後、ポリウレタン樹脂と残りの成分を加えてサン
ドミルで分散し、得られた上層用組成物、非磁性粒子塗
料又は下層形成用分散液を調製し、該上層用組成物およ
び非磁性粒子塗料を十分攪拌混合し上層形成用分散液を
作成した。得られた分散液にポリイソシアネ−トを下層
形成用には5部、磁性層形成用には5部を加え、さらに
それぞれにシクロヘキサノン30部を加え、1μm の平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層形成用
および上層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。表2の
非磁性粒子使用量の欄には、強磁性金属粉末100部を
使用して得られた上層用組成物に対し、混合した非磁性
粒子塗料中の非磁性粒子固形分の部数を記した。
【0102】得られた下層形成用塗料(非磁性層用)
を、乾燥後の下層の厚さが1.7μmになるようにさら
にその直後にその上に磁性層の厚さが0.20μm の厚
みとなるように、厚さ4.4μm で中心面平均表面粗さ
が2nmのアラミド支持体(商品名:ミクトロン)上に
上層形成用塗布液(磁性層用)を同時重層塗布を行い、
両層がまだ湿潤状態にあるうちに6000エルステッド
の磁力を持つコバルト磁石と6000エルステッドの磁
力を持つソレノイドにより配向し、乾燥により塗膜をセ
ットした。
【0103】乾燥後、金属ロ−ルのみから構成される7
段のカレンダ−で温度95℃にて分速200m/分で処
理を行い、その後、厚み0.5μmのバック層(カーボ
ンブラック 平均粒子径:17nm 100部、炭酸カ
ルシウム 平均粒子径:40nm 80部、αアルミナ
平均粒子径:200nm 5部をニトロセルロ−ス樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネ−トに分散)を塗布
した。3.8mmの幅にスリットし、スリット品の送り
出し、巻き取り装置を持った装置に不織布と研磨テ−プ
が磁性面に押し当たるように取り付け、テ−プクリ−ニ
ング装置で磁性層の表面のクリ−ニングを行い、テープ
試料を得た。
【0104】得られたサンプルについて磁気特性、中心
面平均表面粗さ(Ra)、出力とC/N、テ−プ耐久性
を評価した。 (1)磁気特性(Hc、磁化量):振動試料型磁束計
(東英工業社製)を用い、Hm10キロエルステッドで
測定した。磁化量は飽和磁束密度×磁性層厚み/4πで
算出した磁気記録媒体の単位面積当たりの磁化量であ
る。 (2)中心面平均表面粗さ(Ra):3D−MIRAU
での表面粗さ(Ra):WYKO社製TOPO3Dを用
いて、MIRAU法で約250×250μm の面積のR
a値を測定した。測定波長約650nm にて球面補正、円筒
補正を加えている。本方式は光干渉にて測定する非接触
表面粗さ計である。 (3)テ−プのCN比は、記録ヘッド(MIG 、ギャップ
0.15μm、1.8T)をドラムテスターに取り付けてデ
ジタル信号を、ヘッド−メディア相対速度3m/se
c、記録波長0.35μmで記録した。トラックピッチ
5μm のMRヘッドを使用し再生信号を測定し、ノイズ
は変調ノイズを測定した。比較例1の出力、C/N を0d
Bとして表示した。 (4)テープ耐久性は、DDSドライブを用いて所定の
信号を記録した後、再生信号をモニターしつつ50℃、
10%RHで走行させた。初期再生出力の70%になっ
た時点で回数を評価した。100回繰り返し走行させ、
出力低下がなかったサンプルは低下なしと表示する。さ
らに、スチル評価機を使用し、40℃10%RHでスチル
耐久性を評価した。得られた結果を表2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】本発明の範囲の平均長軸長と変動係数を持
つ強磁性金属粉末と非磁性粒子を所定量磁性層に含有さ
せたことで、高いC/N を得ることができた。強磁性金属
粉末よりも平均長軸長が大きいか、変動係数が大きい非
磁性粒子を混合するとSQが劣化し、実施例と同じ混合割
合の場合、感度、C/N 、耐久性及びスチルが劣った。実
施例において、非磁性粒子の混合量が多い場合、磁化量
の低減にともない感度は低下するが、ノイズがそれ以上
に低下し高いC/N をもつ磁気記録媒体が得られた。実施
例は、信号を繰り返し再生した時、出力低下が少なく繰
り返し耐久性が優れていた。繰り返し再生で出力低下が
認められたヘッドを顕微鏡観察すると、ヘッド周辺に汚
れが存在していた。
【0107】 実施例11〜14、比較例4〜5 上層組成物 強磁性金属粉末 100部 組成:Fe75原子%、Co25原子% Al/Fe=6原子% Y/Fe=8原子% 表面酸化膜厚28Å Hc:2170エルステッド、SBET :56m2 /g、σs 145emu/g 平均長軸長:0.065μm 、 変動係数:22%、単結晶率:41%、結晶子サイズ:115Å、 平均針状比:6.0 非磁性粒子:表3に記載(後述の非磁性粒子塗料を使用) 表4に記載 塩化ビニル重合体 MR110(日本ゼオン社製) 11部 ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 5部 カ−ボンブラック #50(旭カーボン社製) 2部 フェニルホスホン酸 3部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 0.5部 メチルエチルケトン 180部 シクロヘキサノン 180部 下層組成物:実施例1と同じ 非磁性粒子の調製 炭酸鉄を経由してゲータイト生成時にAlイオンを共存さ
せ微粒子の核晶を生成し、さらに核晶を成長させるとき
にもAlを共存させAlを粒子内に固溶させた(粒子に添加
したAl量を表3に示す。)。ゲータイトを400℃で
脱水し、さらに650℃でアニール処理を行ったヘマタ
イトを水で分散し、硫酸アルミニウムを添加(Al/F
eで2原子%となる量)し、アルカリを添加してヘマタ
イト表面に水酸化アルミニウムを沈着させ湿式で中和処
理することにより、表面処理を行った。
【0108】得られたヘマタイトをTEM 観察し平均長軸
長、長軸長の変動係数、平均針状比、SBET を測定し
た。結果を表3に示す
【0109】
【表3】
【0110】 非磁性粒子塗料 非磁性粒子 Al添加α-Fe2O3(表3に記載) 100部 塩化ビニル重合体 MR110(日本ゼオン社製) 11部 ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 5部 カ−ボンブラック #50(旭カーボン社製) 2部 フェニルホスホン酸 3部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 0.5部 メチルエチルケトン 180部 シクロヘキサノン 180部 上記上層用組成物(非磁性粒子は除く)および非磁性粒
子塗料のそれぞれについて、又は下層用組成物について
顔料、塩化ビニル重合体、フェニルホスホン酸と処方量
の50%の各溶剤をニ−ダで混練した後、ポリウレタン
樹脂と残りの成分を加えてサンドミルで分散し、得られ
た上層用組成物、非磁性粒子塗料又は下層形成用分散液
を調製し、該上層用組成物および非磁性粒子塗料を十分
攪拌混合し上層形成用分散液を作成した。得られた分散
液にポリイソシアネ−トを下層形成用には5部、磁性層
形成用には5部を加え、さらにそれぞれにシクロヘキサ
ノン30部を加え、1μm の平均孔径を有するフィルタ
ーを用いて濾過し、下層形成用および上層形成用の塗布
液をそれぞれ調製した。表4の非磁性粒子使用量の欄に
は、強磁性金属粉末100部を使用して得られた上層用
組成物に対し、混合した非磁性粒子塗料中の非磁性粒子
固形分の部数を記した。
【0111】得られた下層形成用塗料(非磁性層用)
を、乾燥後の下層の厚さが1.7μmになるようにさら
にその直後にその上に磁性層の厚さが0.25μm の厚
みとなるように、厚さ4.4μm で中心面平均表面粗さ
が2nmのアラミド支持体(商品名:ミクトロン)上に
上層形成用塗布液(磁性層用)を同時重層塗布を行い、
両層がまだ湿潤状態にあるうちに6000エルステッド
の磁力を持つコバルト磁石と6000エルステッドの磁
力を持つソレノイドにより配向し、乾燥した。
【0112】乾燥後、金属ロ−ルのみから構成される7
段のカレンダ−で温度95℃にて分速200m/分で処
理を行い、その後、厚み0.5μmのバック層(カーボ
ンブラック 平均粒子径:17nm 100部、炭酸カ
ルシウム 平均粒子径:40nm 80部、αアルミナ
平均粒子径:200nm 5部をニトロセルロ−ス樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネ−トに分散)を塗布
した。3.8mmの幅にスリットし、スリット品の送り
出し、巻き取り装置を持った装置に不織布と研磨テ−プ
が磁性面に押し当たるように取り付け、テ−プクリ−ニ
ング装置で磁性層の表面のクリ−ニングを行い、テープ
試料を得た。
【0113】得られたサンプルについて上記の実施例と
同様に磁気特性、中心面平均表面粗さ(Ra)、出力と
C/N、テ−プ耐久性を評価した。電磁変換特性評価の
基準は非磁性粒子Aを50部混合した比較例4を使用し
た。
【0114】
【表4】
【0115】本発明の範囲の平均長軸長と変動係数を持
つ強磁性金属粉末と非磁性粒子を所定量磁性層に含有さ
せたことで、高いC/N を得ることができた。強磁性金属
粉末よりも平均長軸長が大きい非磁性粒子を混合すると
SQが劣化し、実施例と同じ混合割合の場合、感度、C/N
、耐久性及びスチルが劣った。実施例において、非磁
性粒子の混合量が多い場合、磁化量の低減にともない感
度は低下するが、ノイズがそれ以上に低下し高いC/N を
もつ磁気記録媒体が得られた。実施例は、信号を繰り返
し再生した時、出力低下が少なく繰り返し耐久性が優れ
ていた。特に、実施例13及び14のように高Al含有量
のα-Fe2O3を使用した時、磁性層に研磨剤粒子を加えな
くても、信号を繰り返し再生した時、出力低下が少なく
繰り返し耐久性が優れていた。
【0116】
【発明の効果】本発明は、支持体上に実質的に非磁性で
ある下層と強磁性金属粉末を結合剤中に分散してなる磁
性層をこの順に設け、前記強磁性金属粉末として、その
平均長軸長が0.03〜0.10μmであるものを用い
ると共にその平均長軸長よりも小さい平均長軸長をもつ
非磁性粒子を該強磁性金属粉末100重量部に対し25
〜400重量部用いた磁性層を形成することにより、電
磁変換特性、特に媒体ノイズが低減され、走行耐久性と
適度なヘッドクリ−ニング効果を併せ持ち、MRヘッド
との組合わせで短波長でのC/N、エラーレートが格段に
改良された磁気記録媒体を提供することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に実質的に非磁性である下層と
    強磁性金属粉末を結合剤中に分散してなる磁性層をこの
    順に設けた磁気記録媒体において、前記強磁性金属粉末
    の平均長軸長が0.03〜0.10μmであり、前記磁
    性層は前記強磁性金属粉末の平均長軸長よりも小さい平
    均長軸長をもち、かつ長軸長の変動係数が0〜30%で
    ある非磁性粒子を該強磁性金属粉末100重量部に対し
    25〜400重量部含有することを特徴とする磁気記録
    媒体。
  2. 【請求項2】 前記強磁性金属粉末は、長軸長の変動係
    数が0〜30%であり、単結晶率が30%以上であり、
    平均針状比が4〜10であり、抗磁力が1800〜30
    00エルステッドであり、飽和磁化が120〜160em
    u/gであり、及び比表面積が40〜75m2 /gである
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記非磁性粒子の平均長軸長は0.02
    〜0.10μm未満であり、長軸長の変動係数が0〜3
    0%であり、平均針状比が3〜10であり、及び比表面
    積が40〜120m2 /gであることを特徴とする請求
    項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記非磁性粒子はヘマタイト、ゲータイ
    ト、ルチル型二酸化チタン及び導電性酸化錫から選ばれ
    た少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記非磁性粒子がヘマタイト、ゲータイ
    ト、ルチル型二酸化チタン及び導電性酸化錫から選ばれ
    た少なくとも1種であり、かつ表面処理されていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記非磁性粒子は、アルミニウム元素を
    含有したゲータイトにアルミニウム化合物を被着し、脱
    水、アニール処理し、必要により水系で表面処理し、鉄
    原子に対しアルミニウム原子を10〜50原子%含有さ
    せてなるヘマタイトであり、前記磁性層は研磨剤粒子と
    して前記ヘマタイト以外は含有しないことを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記磁性層は、抗磁力が1800エルス
    テッド以上であり、磁化量(飽和磁束密度×磁性層厚み
    /4π)が1.0〜8.0memu/cm2 であり、磁
    性層厚みが0.05〜1.0μmであり、かつ前記磁性
    層の表面粗さが3D−MIRAU法による中心面平均表
    面粗さで3.0nm以下であることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6780531B2 (en) 2000-10-31 2004-08-24 Hitachi Maxell, Ltd. Magnetic recording medium comprising a magnetic layer having specific surface roughness and protrusions
CN112562950A (zh) * 2019-09-25 2021-03-26 Tdk株式会社 铁氧体烧结磁体

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