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JP2000144132A - 液晶組成物、光学素子とその製法、及び光学部材 - Google Patents

液晶組成物、光学素子とその製法、及び光学部材

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Publication number
JP2000144132A
JP2000144132A JP10375347A JP37534798A JP2000144132A JP 2000144132 A JP2000144132 A JP 2000144132A JP 10375347 A JP10375347 A JP 10375347A JP 37534798 A JP37534798 A JP 37534798A JP 2000144132 A JP2000144132 A JP 2000144132A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
optical element
crystal polymer
general formula
crystal composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10375347A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyouko Izumi
今日子 泉
Shusaku Nakano
秀作 中野
Masahiro Yoshioka
昌宏 吉岡
Shu Mochizuki
周 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP10375347A priority Critical patent/JP2000144132A/ja
Publication of JP2000144132A publication Critical patent/JP2000144132A/ja
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  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶ポリマー溶液の塗布方式を適用でき、従
って大面積体も容易に効率よく製造できて、しかも実用
的な手段で架橋処理できてモノドメイン配向性に優れ、
かつ耐熱性に優れるグランジャン配向の光学素子を形成
しうるコレステリック型の液晶ポリマーの開発。 【解決手段】一般式(I): (ただし、R1、R2は水素又はメチル基で、A、B、D
は有機基であり、1≦n≦100である。)で表される
セグメントと、ネマチック配向性を付与するセグメント
と、光学活性部を有するセグメントを繰返し単位として
有する側鎖型コレステリック液晶ポリマーに、アクリロ
イル基又はメタクリロイル基を1個又は2個以上有する
低分子化合物を配合してなり、架橋処理が可能な液晶組
成物、及びその液晶組成物をグランジャン配向させて電
磁波照射及び加熱の一方又は両方により架橋処理した円
偏光二色性を示す光学素子、並びに前記の光学素子に円
偏光を直線偏光化する位相差層を設けた光学部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、グランジャン配向の維持
下に架橋処理して耐熱性に優れる光学素子を形成しうる
コレステリック型の液晶組成物、及びその光学素子の製
造方法とそれを用いた光学部材に関する。
【0002】
【発明の背景】コレステリック液晶ポリマーを配向処理
してなる種々の光学素子が提案されており、例えば円偏
光分離膜などとして液晶表示装置等への適用が期待され
ている。しかしながら、かかる光学素子は、液晶ポリマ
ーの溶液を配向膜上に塗布して乾燥後、ガラス転移温度
以上に加熱して冷却することで形成されたものであり、
その耐熱性がガラス転移温度に依存して耐熱性に乏しい
問題点があった。
【0003】すなわち前記の光学素子は、応力が作用し
ない場合には等方相転移温度以下でそのグランジャン配
向状態を維持するが、応力が作用した場合にはガラス転
移温度付近で当該配向が崩れて光学特性が変化する。光
学素子における応力は、例えば液晶セル等に粘着層を介
し偏光板や位相差板等と共に接着した場合の如く、実用
形態における使用条件下での温度変化等による寸法変化
等で発生し、実用形態ではむしろ応力の発生が常態であ
る。ちなみに偏光板の温度変化による寸法変化の場合、
それに粘着層を介し接着した光学素子には収縮応力が発
生する。
【0004】前記した光学素子の耐熱性向上対策とし
て、ガラス転移温度の高い液晶ポリマーを用いる方式で
は、配向処理温度の上昇で光学素子の形成温度も高くな
り、配向膜やその支持基材に要求される耐熱温度も高く
なって使用基材の制約等の実用的制約が大きいことか
ら、液晶ポリマーの架橋処理による耐熱性向上対策が検
討されている。
【0005】従来、前記の架橋物としては、側鎖末端に
アクリロイル基等の架橋基を有する液晶ポリマーを光重
合開始剤にて紫外線等を介し架橋処理したものが知られ
ていた(特開平4−12322号公報)。これは、架橋
基を有しない液晶ポリマーを低分子量の架橋剤で架橋処
理しても、その低分子化合物の配合で耐熱性の低下を招
き、架橋処理による耐熱性の向上を相殺して全体として
の耐熱性の向上に乏しいことによる。また低分子の重合
性液晶化合物からなる流動層を2枚の基板間に介在させ
て光照射等により重合処理する方式にては、製造効率に
乏しくて大面積体を得にくいことなどによる。
【0006】しかしながら、前記の公知方式では架橋処
理を、高温加熱下に液晶ポリマーの流動性を高めつつ多
量の光を照射して行う必要があり、その架橋処理条件の
制御が困難で実用性に乏しい難点があった。
【0007】液晶配向性をもたないセグメントの側鎖末
端に架橋基を有する液晶ポリマーに、多官能型の架橋剤
を配合して光照射により架橋処理する方式も提案させて
いるが(特開平7−261137号公報)、得られる配
向層がマルチドメインのもので、モノドメイン配向によ
る光学特性の均一性が要求される光学素子の形成には不
向きな問題点があった。
【0008】
【発明の技術的課題】本発明は、液晶ポリマー溶液の塗
布方式を適用でき、従って大面積体も容易に効率よく製
造できて、しかも実用的な手段で架橋処理できてモノド
メイン配向性に優れ、かつ耐熱性に優れるグランジャン
配向の光学素子を形成しうるコレステリック型の液晶ポ
リマーの開発を課題とする。
【0009】
【課題の解決手段】本発明は、一般式(I): (ただし、R1、R2は水素又はメチル基で、A、B、D
は有機基であり、1≦n≦100である。)で表される
セグメントSRと、ネマチック配向性を付与するセグメ
ントSNと、光学活性部を有するセグメントSCを繰返
し単位として有する側鎖型コレステリック液晶ポリマー
に、アクリロイル基又はメタクリロイル基を1個又は2
個以上有する低分子化合物を配合してなり、架橋処理が
可能なことを特徴とする液晶組成物を提供するものであ
る。
【0010】また本発明は、前記液晶組成物の配向架橋
処理物からなり、グランジャン配向による円偏光二色性
を示すことを特徴とする光学素子、及び前記の液晶組成
物をグランジャン配向させた後、それを電磁波照射及び
加熱の一方又は両方により架橋処理することを特徴とす
る光学素子の製造方法、並びに前記の光学素子に円偏光
を直線偏光化する位相差層を設けたことを特徴とする光
学部材を提供するものである。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、上記の液晶組成物を溶
液化してそれを塗布乾燥し、ガラス転移温度以上に加熱
後冷却する方式にて配向処理でき、かつその配向処理層
を配向の乱れを生じることなくアクリロイル基等を含有
する低分子化合物を介し実用的条件の手段で架橋処理し
て耐熱性を向上させることができる。従って従来の液晶
ポリマーに準じた低温配向処理が可能で、耐熱性に優れ
モノドメイン配向性に優れるグランジャン配向の光学素
子の大面積体も容易に効率よく製造することができる。
また本発明にて配合する低分子化合物は、それによる着
色を殆ど生じない特長も有している。
【0012】
【発明の実施形態】本発明による液晶組成物は、下記の
一般式(I)で表されるセグメントSRと、ネマチック
配向性を付与するセグメントSNと、光学活性部を有す
るセグメントSCを繰返し単位として有する側鎖型コレ
ステリック液晶ポリマーに、アクリロイル基又はメタク
リロイル基を1個又は2個以上有する低分子化合物を配
合してなり、架橋処理が可能なものである。 一般式(I): (ただし、R1、R2は水素又はメチル基で、A、B、D
は有機基であり、1≦n≦100である。)
【0013】前記の一般式(I)で表されるセグメント
SRは、分子鎖の末端にアクリロイル基又はメタクリロ
イル基を有して液晶ポリマーの架橋に関与するものであ
る。かかる架橋に関与する(メタ)アクリロイル基を分
子鎖の末端に有することで、実用的な条件による架橋処
理性や配向性の維持性等に優れている。
【0014】前記の一般式(I)において、Aは、一般
式(II):Z1(CH2)mR32で表されるものからな
ると共に、Bは、パラ置換環状構造物型化合物からな
り、Dは、一般式(IV):Z3(CH2)xZ4で表される
ものからなるものである。
【0015】前記一般式(II):Z1(CH2)mR32
において、Z1、Z2は−COO−、−O−、−OCO
−、又は−(CH2)g−(gは0〜6の整数)であり、
mは0〜12の整数で、R3は下記の一般式(III)で表
されるものである。なおZ1とZ2は、同じものであって
もよいし、相違するものであってもよい。 (ただし、hは一般式(II)のm=0ときは0で、1≦
m≦12のときは1であり、fは1又は2である。)
【0016】一方、上記一般式(I)におけるBのパラ
置換環状構造物型化合物としては、下記のものなどがあ
げられる。
【0017】就中、次のパラ置換環状構造物型化合物が
前記のBとして好ましい。
【0018】他方、上記一般式(I)のDを形成する一
般式(IV):Z3(CH2)xZ4において、Z3はx=0
のとき−(CH2)j−(jは0〜6の整数)、1≦x≦
10のとき−COO−、−O−、−OCO−、又は−
(CH2)k−(kは0〜6の整数)であり、Z4は−C
OO−、−O−、−OCO−、又は−(CH2)p−(p
は0〜6の整数)である。なおZ3とZ4は、同じもので
あってもよいし、相違するものであってもよい。
【0019】側鎖型コレステリック液晶ポリマーとして
は、上記したセグメントSRを有すると共に、ネマチッ
ク配向性を付与するセグメントSNと光学活性部を有す
るセグメントSCを繰返し単位として有して、サーモト
ロピックな性質により液晶化温度範囲で配向膜等を介し
グランジャン配向状態を形成してモノドメイン化する適
宜なものを用いることができ、その種類について特に限
定はない。
【0020】ちなみに前記したセグメントSNの例とし
ては、ネマチック配向性を付与する共役性の直線状原子
団(メソゲン)を有するものなどがあげられる。すなわ
ち、例えばスペーサ部を介しパラ置換環状化合物等から
なるメソゲンを有するネマチック配向性の単位を、ポリ
アクリレートやポリメタクリレート等の如きビニル系連
鎖からなる主鎖骨格中に側鎖として導入してなるセグメ
ントSNを有するものなどがあげられる。
【0021】なお前記のパラ置換環状化合物としては、
例えばアゾメチン型やアゾ型、アゾキシ型やエステル
型、トラン型やフェニル型、ビフェニル型やフェニルシ
クロヘキシル型、ビシクロヘキシル型の如きパラ置換芳
香族単位やパラ置換シクロヘキシル環単位などを有する
ものなどがあげられ、上記したパラ置換環状構造物型化
合物なども含まれる。パラ置換環状化合物におけるパラ
位における末端置換基は、例えばシアノ基やアルキル
基、アルコキシ基やハロゲン基などの適宜なものであっ
てよい。
【0022】またスペーサ部は、屈曲性を示す適宜なも
のであってよく、その例としてはポリメチレン鎖−(C
2)v−やポリオキシメチレン鎖−(CH2CH2O)w
−などがあげられる。スペーサ部を形成する構造単位の
繰返し数は、メソゲン部の化学構造等により適宜に決定
され、一般にはポリメチレン鎖の場合にはvが0〜2
0、就中2〜12、ポリオキシメチレン鎖の場合にはw
が0〜10、就中1〜3とされる。
【0023】一方、光学活性部を有するセグメントSC
は、上記のネマチック配向性を付与するセグメントSN
と共同してグランジャン配向性を示すコレステリック液
晶ポリマーとしての特性を付与するものである。従って
セグメントSCとしては、光学活性部を有するものであ
ればよく、例えば公知のコレステリック液晶ポリマーに
準じた適宜な形態とすることができる。
【0024】好ましいセグメントSCは、光学活性部に
基づく捩じり力が大きくて、液晶配向性を乱さないもの
である。ちなみにその例としては、下記の一般式(V)
にて表されるものなどがあげられる。 (ただし、R4は水素又はメチル基で、Eは−COO
−、−O−、−OCO−、又は−(CH2)u−(uは0
〜6の整数)であり、R5は下記の一般式(VI)で表さ
れるもので、yは1又は2であり、Fは−COO−、−
O−、又は−OCO−である。またGは、下記の一般式
(VII)で表されるものが好ましい。)
【0025】 (ただし、R6は水素又はメチル基で、1≦q≦6、0
≦r≦5、かつq≧r+1である。)
【0026】
【0027】上記のセグメントSRとセグメントSNと
セグメントSCを有する側鎖型コレステリック液晶ポリ
マーの調製は、例えば(メタ)アクリル酸エステルの如
きビニル系主鎖形成用モノマーに、上記一般式(I)に
準じたABDR2成分を導入したセグメントSR形成用
モノマー、必要に応じスペーサ基を介してメソゲン基を
導入したセグメントSN形成用モノマー、又は光学活性
部を有するセグメントSC形成用モノマーの1種又は2
種以上をポリマー化する共重合方式や、ヒドロキシル基
やカルボキシル基やハロゲン等の官能基を有する主鎖形
成用のプレポリマーを予め合成して、その官能基を介し
セグメントSRやセグメントSNやセグメントSCを形
成するための化合物を高分子反応により導入する方式な
どの適宜な方式で行うことができる。
【0028】前記のプレポリマー方式は、モノマーの共
重合方式にては例えばセグメントSR形成用モノマーが
含有する残存させるべき(メタ)アクリロイル基が主鎖
の重合に関与して有効に残せない場合に、当該官能基を
末端に有するプレポリマーを用いて、その官能基を介し
(メタ)アクリロイル基を導入して目的の側鎖型コレス
テリック液晶ポリマーを調製する方式などとして特に有
効である。なおそのプレポリマー方式にて、セグメント
SN形成用モノマーやセグメントSC形成用モノマー等
の変質の恐れのないモノマーは、予めプレポリマー中に
共重合させておくこともできる。
【0029】前記の共重合方式やプレポリマー方式にて
は、例えばラジカル重合方式やカチオン重合方式、アニ
オン重合方式等のビニル系モノマーの重合方式などに準
じた適宜な方式にて側鎖型コレステリック液晶ポリマー
や主鎖形成用のプレポリマーの調製を行うことができ
る。なおラジカル重合方式を適用する場合、各種の重合
開始剤を用いうるが、就中アゾビスイソブチロニトリル
や過酸化ベンゾイルの如く分解温度が高くも低くもない
中間的温度で分解するものが好ましい。
【0030】ちなみにかかるプレポリマー方式の具体例
を以下に示す。すなわち下記に示した反応工程の如く、
先ず工程1で4,4'−ビフェノールをTHF(テトラヒ
ドロフラン)中でTsOH(トシル酸:触媒)の存在
下、DHP(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン)を加え
室温にて撹拌して片側をTHPで保護したビフェノール
とした後、塩化アクリロイルを反応させてアクリロイル
基を導入し、THF中でTsOHを用いてTHPエーテ
ルを除去してヒドロキシル基に戻す。
【0031】一方、工程2で例えばTHF中で還流下に
重合処理してメタノール中で沈殿させる方式等の適宜な
方式で得たポリ〔4−(2−プロペノイルオキシエトキ
シ)安息香酸〕のカルボキシル基を塩化チオニルにて酸
クロライド化してプレポリマーとし、それに前記のアク
リロイルビフェニールからなるセグメントSR形成化合
物、前記等に準じた適宜な方式で得たネマチック配向性
でヒドロキシル基を有するセグメントSN形成化合物、
及び光学活性部とヒドロキシル基を有するセグメントS
C形成化合物をTEA(トリエチルアミン)の存在化に
反応させて、目的の液晶ポリマーP1とするものであ
る。
【0032】
【0033】なお前記した4−(2−プロペノイルオキ
シエトキシ)安息香酸の調製は、例えばエチレンクロロ
ヒドリンと4−ヒドロキシ安息香酸をヨウ化カリウム
(触媒)の存在下にアルカリ水溶液中で加熱還流させて
ヒドロキシカルボン酸を得た後、それをアクリル酸と脱
水反応させる方式などにより行うことができる。
【0034】従って本発明において用いる側鎖型コレス
テリック液晶ポリマーは、例えば上記に準じた方式にて
1種又は2種以上の適宜なセグメント形成用のモノマー
等を用いて種々のものを得ることができる。
【0035】側鎖型コレステリック液晶ポリマーにおけ
るセグメントSRとセグメントSNとセグメントSCの
含有割合は、架橋性やそれによる耐熱性の向上性、グラ
ンジャン配向性などにより適宜に決定しうるが、一般に
はセグメントSRを3モル%以上、就中5〜70モル
%、特に10〜50モル%含有し、セグメントSCを1
〜80モル%、就中60モル%以下、特に2〜40モル
%含有することが好ましい。
【0036】また側鎖型コレステリック液晶ポリマーの
分子量も適宜に決定しうるが、一般には製膜性や膜強
度、配向性やその均一性、特にラビング配向膜によるモ
ノドメイン配向の達成性などの点より、重量平均分子量
に基づいて2千〜10万、就中2.2千〜8万、特に
2.5千〜5万のものが好ましい。
【0037】液晶ポリマーの架橋処理を目的に配合する
低分子化合物としては、アクリロイル基やメタクリロイ
ル基を1個又は2個以上有する適宜なものを用いること
ができ、液晶ポリマーの配向を乱さないものが好ましく
用いうる。低分子化合物は、それ自体が液晶性であって
もよいし、なくてもよいが、液晶ポリマーの配向を乱さ
ない点より液晶性のものが好ましい。
【0038】また低分子化合物の構造や分子量について
も特に限定はない。実用的な条件による架橋処理性等の
点よりは、下記の一般式(VIII)で表されるものの如く
アクリロイル基又は/及びメタクリロイル基を分子の末
端に有するものが好ましい。
【0039】 (ただし、R7は水素又はメチル基で、0≦t≦20で
ある。) なお当該架橋部分を支持するコア部は、適宜な有機基で
あってよいが、好ましくは芳香環等の液晶性を乱しにく
いものである。
【0040】本発明による液晶組成物の調製は、例えば
必要に応じ溶媒を介して側鎖型コレステリック液晶ポリ
マーと低分子化合物を混合する方式などにより行うこと
ができる。その溶媒には側鎖型コレステリック液晶ポリ
マーと低分子化合物を溶解しうる適宜なものを用いるこ
とができ、特に限定はない。その例としては、1,1,
2,2,−テトラクロロエタンやシクロヘキサノン、塩
化メチレンやクロロホルム、テトラヒドロフラン等の単
独溶媒や混合溶媒などがあげられる。
【0041】液晶ポリマーに対する低分子化合物の使用
量は、過少による耐熱性の向上不足(架橋不足)、過多
による配向処理中の析出やそれによる配向阻害などを防
止する点より、側鎖型コレステリック液晶ポリマー10
0重量部あたり、100重量部以下、就中1〜70重量
部、特に5〜40重量部が好ましい。
【0042】本発明による光学素子は、液晶組成物の配
向架橋処理物からなり、グランジャン配向による円偏光
二色性を示すものからなる。その製造は、従来の配向処
理に準じた適宜な方法にて行うことができる。ちなみに
その例としては、液晶組成物の溶液を配向処理面上に展
開して乾燥後、加熱処理してグランジャン配向層を形成
し、それを架橋処理する方法などにより行うことができ
る。その光学素子の形成に際しては、1種又は2種以上
の液晶ポリマー及び低分子化合物を用いうる。
【0043】配向処理面としては、例えば低分子液晶化
合物の配向処理に公知のものを用いることができる。そ
の例としては、基材上にポリイミドやポリビニルアルコ
ール等の薄膜を形成してその表面をレーヨン布等にてラ
ビング処理したものや、酸化珪素等を斜方蒸着したも
の、あるいは延伸フィルムなどがあげられる。なお前記
の基材には、配向処理時の加熱温度に耐える適宜なもの
を用いうる。
【0044】また液晶組成物溶液の展開は、例えばその
溶液をスピンコート法やロールコート法、フローコート
法やプリント法、ディップコート法や流延成膜法等の適
宜な方法で薄層展開し、それを乾燥処理して溶媒を除去
する方法などにより行うことができる。
【0045】液晶組成物の展開層を配向させるための加
熱処理は、液晶ポリマーのガラス転移点から等方相を呈
する溶融状態までの温度範囲に加熱することにより行う
ことができる。なお配向状態を固定化するための冷却条
件については特に限定はなく、通例前記の加熱処理を3
00℃以下の温度で行いうることから、自然冷却方式が
一般に採られる。
【0046】配向処理を終えた展開層は、それを架橋処
理して配向架橋物とされるが、その架橋処理は電磁波照
射及び加熱の一方又は両方により行うことができる。電
磁波照射には、紫外線や電子線等の適宜な放射線を用い
うる。電磁波の波長や照射量は適宜に決定しうるが、紫
外線の場合には液晶ポリマーによる吸収が少ない、30
0nmより長波長の紫外線が好ましい。また電子線の場合
には、液晶ポリマーの崩壊防止等の点より系による相違
もあるが一般的には1〜200Mradが好ましい。
【0047】前記において架橋処理には、必要に応じて
適宜な量の開始剤を用いうる。その開始剤には、架橋方
式に応じた適宜なものを用いうるが、得られる光学素子
を可及的に着色させないものが好ましく用いうる。ちな
みに加熱架橋方式では、配向処理時の加熱温度で分解し
ない高温型の開始剤を用いる必要がある。
【0048】一方、紫外線による架橋方式では、紫外線
照射のみ及び加熱処理併用のいずれの場合にも配向処理
時の加熱温度で分解しない高温型の開始剤を用いること
が好ましい。また液晶ポリマーによる吸収が少ない、3
00nmより長波長の紫外線で分解するものが好ましい。
ちなみにその例としては、2−ベンジル−2−ジメチル
アミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン
−1や、オリゴ〔2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン〕な
どがあげられる。
【0049】なお電磁波照射による架橋処理に際して
は、酸素阻害による影響を回避するため減圧下や無酸素
下等にて行うことが好ましい。加熱処理による架橋処理
の場合には、液晶ポリマーのガラス転移温度と等方相転
移温度との間の適宜な温度にて行うことができる。
【0050】本発明による光学素子は、適宜な基材上に
グランジャン配向した液晶層を有する形態や、配向液晶
層の単独層からなるフィルム形態などの適宜な形態を有
するものであってよい。液晶の単独層からなるフィルム
は、配向処理面よりの剥離物などとして得ることができ
るが、その剥離回収には、長鎖アルキル基等からなる離
型性側鎖を有するラビング膜形成材を用いる方式や、炭
素数8〜18のアルキル鎖を有するシラン化合物を表面
に結合修飾させたガラス板に配向処理面を形成する方式
などの適宜な方式を必要に応じて適用することができ
る。
【0051】一方、基材との重畳物からなる光学素子と
する場合、その基材としては、プラスチックフィルムや
ガラス板、ポリマーシートあるいは位相差板等の延伸フ
ィルムや偏光板の如き光学素材などの適宜なものを用い
うる。前記プラスチックフィルムとしては、例えばポリ
カーボネート系、ポリエステル系、ポリイミド系、ポリ
エーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン
系、ポリビニルアルコール系、ポリアリレート系、ポリ
塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリアクリル
系、ポリアミド系、エポキシ系、セルロース系、ポリエ
チレンやポリプロピレンの如きポリオレフィン系、ポリ
アリレート系などの延伸フィルムを形成することもある
光学的に透明な適宜なプラスチックからなるものを用い
うる。なお基材としては、ガラス板やトリアセチルセル
ロースフィルムの如く複屈折による位相差が可及的に小
さいものが特に好ましく用いうる。
【0052】なお配向架橋処理した液晶層の厚さは、使
用目的に応じた光学特性などにより適宜に決定しうる
が、一般には柔軟性等の点より100μm以下、就中5
0μm以下、特に1〜30μmとされる。
【0053】本発明による光学素子は、その円偏光二色
性に基づいて自然光を透過と反射を介して左右の円偏光
に分離する機能を示す。その反射光等の波長特性は、グ
ランジャン配向の螺旋ピッチ等にて決まる。従ってその
螺旋ピッチ等を制御して、種々の波長光に対して円偏光
二色性を示す光学素子を得ることができ、液晶表示装置
等にては可視光域において円偏光二色性を示すものが好
ましく用いうる。
【0054】前記において1層のグランジャン配向層
(コレステリック液晶層)では、その螺旋ピッチの制約
から通例、円偏光二色性を示す波長域に限界がある。そ
のような場合には、円偏光二色性を示す波長域が相違す
るグランジャン配向層の組合せにて2層又は3層以上を
重畳することにより円偏光二色性を示す波長域を拡大す
ることができる。ちなみに反射円偏光の中心波長が30
0〜900nmのコレステリック液晶層をその反射光の中
心波長が異なる、就中それぞれ50nm以上異なる組合せ
で用いて、その2〜6種類を重畳することで可視光域等
の広い波長域で円偏光二色性を示す光学素子を形成する
ことができる。
【0055】また前記コレステリック液晶層の重畳化
は、斜め入射光の波長シフトに対処する点などよりも有
利である。なお重畳は、同じ偏光方向の円偏光を反射す
るもの同士の組合せで行うことが、各層で反射される円
偏光の位相状態を揃えて各波長域で異なる偏光状態とな
ることを防止して、利用できる偏光の増量等の点より好
ましい。
【0056】コレステリック液晶層の重畳は、単なる重
ね置き方式や接着層による接着方式、熱融着方式や重ね
塗り方式、それらの場合に必要に応じて基材を介在させ
る方式などの適宜な方式にて行うことができる。前記の
熱融着方式では、液晶層同士を融着する方式なども採る
ことができる。その場合、融着界面で上下の液晶層が混
合した層を形成して、それらの中間の波長域で円偏光二
色性を示す層を創設することもできる。
【0057】光学素子の実用に際しては、上記した光学
素材からなる基材に付設する場合の如く、位相差層等の
適宜な光学層と積層した光学部材とすることもできる。
その光学層については、特に限定はなく使用目的等に応
じた適宜なものを用いうる。ちなみに1/4波長板と積
層することで、コレステリック液晶層による円偏光を直
線偏光に変換して取り出しうる光学部材を得ることがで
きる。かかる光学部材は、例えば偏光板を効率よく透過
しうる光を供給して吸収ロスを防止しうる偏光光源の形
成などに好適である。
【0058】前記の1/4波長板としては、適宜なもの
を用いることができ、液晶表示装置等の形成には波長4
00〜700nmの範囲にある単色光又は所定波長範囲の
可視光域に対して1/4波長板として機能するものが好
ましく用いうる。1/4波長板は、適宜な材質からなる
位相差層などとして得ることができ、透明で均一な位相
差を与えるものが好ましい。一般には、上記の基材で例
示したプラスチックや液晶ポリマーなどからなる高分子
系の位相差板が用いられる。
【0059】
【実施例】参考例1 水酸化カリウム300gをエタノール700ml/水30
0mlの混合液に溶解させ、それに4−ヒドロキシ安息香
酸276gと触媒量のヨウ化カリウムを溶解させて加温
状態でエチレンクロロヒドリン177gを徐々に加えて
約15時間還流させた後、その反応液よりエタノールを
留去して水2L中に注ぎ、その水溶液をジエチルエーテ
ルで2回洗浄し塩酸の添加で酸性液としてその沈殿物を
濾別乾燥しエタノールで再結晶させて、4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)安息香酸298gを得、その18.2
gをテトラヒドロフラン300mlに溶解させてそれにア
クリル酸ビニル19.5gとリパーゼPS18gと少量
のp−メトキシフェノールを加え、40℃で3時間撹拌
した。得られた反応液よりリパーゼPSを濾別しその濾
液を減圧留去し、生成の固体を2−ブタノン/ヘキサ
ン:2/1混合液で再結晶させて、4−(2−プロペノ
イルオキシエトキシ)安息香酸17.5gを得た。
【0060】前記の4−(2−プロペノイルオキシエト
キシ)安息香酸9.44g、ヒドロキノン2.2g、触
媒量のジメチルアミノピリジン(DMAP)及び少量の
ブチルヒドロキシトルエンを塩化メチレン100mlに溶
解させ、室温にて撹拌下、それに塩化メチレン10mlに
溶解させたジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)
9.89gを徐々に加えて5時間反応させた後、析出し
たDCCウレアを濾別しその濾液を順次各150mlの
0.5N−HClと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽
和食塩水にて2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、
濾別して溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマト(塩
化メチレン/ジエチルエーテル:25/1)を行い、純
度97%以上のジアクリル体4.8gを得た。
【0061】参考例2 4,4'−ビフェノール120g、p-トルエンスルホン
酸一水和物5gをTHF1.2Lに溶解させて室温で撹
拌下に、THF300mlで希釈したDHP54.2gを
2.5時間かけて滴下して(反応液温度23.5〜27
℃)室温で終夜撹拌を続けた後、その反応液からTHF
を約3/4留去し、それに塩化メチレン1Lを添加して
順次各1Lの飽和食塩水、0.5N−NaOH、0.5
N−HCl、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を留去して、シリカゲルカラムクロマト
(塩化メチレン/ジエチルエーテル:15/1)で精製
して、純度97%の4−(4'−ヒドロキシビフェニ
ル)テトラヒドロピラニルエーテル23.1gを得た。
【0062】次に前記のピラニルエーテル23.1gを
TEA(トリエチルアミン)15.5mlと少量のBHT
(ブチルヒドロキシトルエン)と共にTHF250mlに
溶解させて室温にて撹拌し水浴による冷却下に塩化アク
リロイル8.34mlを25分間かけて滴下して30分間
撹拌し、水浴を除去して室温に戻しながら終夜撹拌を続
けて析出したTEA塩酸塩を濾別しその濾液よりTHF
を約3/4留去して塩化メチレン300mlを添加し、そ
の有機層を順次各300mlの飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、0.5N−HCl、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して、4−(4'−
アクリロイルビフェニル)テトラヒドロピラニルエーテ
ル21.0gを得た後、それを少量のBHTと共にTH
F250mlに溶解させ、約60℃の水浴上で撹拌しつ
つ、それに12N−HCl:10mlを加えて30分撹拌
後、反応液よりTHFを約3/4留去し塩化メチレン2
50mlを加えて250mlの飽和食塩水にて2回洗浄し、
硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して、4−
(4'−アクリロイル)ビフェノールを得た。
【0063】参考例1で得た4−(2−プロペノイルオ
キシエトキシ)安息香酸100gをTHF2L中で窒素
気流下に還流溶解させ、それにTHFに溶解させたアゾ
ビスイソブチロニトリル6.94gを加えて4時間反応
させてジエチルエーテル6L中に注ぎ、ポリマーを沈殿
させて濾別し、メタノール/THF:3/2重量比の混
合液200g中で擦り洗いし、濾別乾燥させてポリ〔4
−(2−プロペノイルオキシエトキシ)安息香酸〕を
得、その2gとジメチルホルムアミド1滴をクロロホル
ム20ml中に加えて室温で撹拌下、塩化チオニル1.8
6mlを滴下して約40℃の水浴中で加熱しながら4時間
撹拌した後、未反応の塩化チオニルと溶媒を留去し、乾
燥THF5mlで溶解し再度溶媒を留去して酸クロライド
を洗浄し、それを乾燥THF20mlに溶解させた。
【0064】次いで前記溶液に上記の4−(4'−アク
リロイル)ビフェノール0.41gとTEA0.236
mlと少量のBHTを乾燥THF5ml中に溶解させた溶液
を加え、30分後にN−(1−ナフチルエチル)−4−
ヒドロキシベンズアミド0.49gとTEA0.236
mlを乾燥THF5ml中に溶解させた溶液を加えて、更に
30分後に1−(4−ヒドロキシフェニル)−2(4'
−シアノフェニル)アセチレン1.09gとTEA0.
781mlを乾燥THF10ml中に溶解させた溶液を加え
て室温で終夜撹拌を続け、析出したTEA塩酸塩を濾別
し、その濾液にクロロホルム200mlを加えて順次各2
00mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、0.5N−H
Cl、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
後、溶媒を留去し、それをTHF40mlに溶解させてヘ
キサン400ml中に滴下しポリマーを析出させて濾別乾
燥し、側鎖型コレステリック液晶ポリマー2.6gを得
た。
【0065】前記の側鎖型コレステリック液晶ポリマー
を下記に示した。
【0066】参考例3 参考例1に準じて得た4−(2−プロペノイルオキシエ
トキシ)安息香酸9.17g、参考例2に準じて得た4
−(4'−ヒドロキシビフェニル)テトラヒドロピラニ
ルエーテル10g、DMAP0.4g及び少量のBHT
を室温にて撹拌下、塩化メチレン200mlに懸濁させ、
それに塩化メチレン10mlに溶解させたDCC8.01
gを徐々に加えて終夜撹拌後、析出したDCCウレアを
濾別しその濾液を順次各200mlの0.5N−HClと
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水にて2回洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、IP
A/トルエン:210ml/20mlによる再結晶操作で、
THP保護ビフェノール末端モノマーを得た。
【0067】次に前記のTHP保護ビフェノール末端モ
ノマー1.15g、末端シアノビフェニルモノマー2.
63g、及びナフチルアミン誘導体モノマー1.83g
をTHF100ml中、窒素気流下に加熱撹拌し、63℃
で還流させてモノマーを溶解させ、それにTHF2mlに
溶解させたアゾビスイソブチロニトリル0.19gを加
えて4時間撹拌還流させた後、p-トルエンスルホン酸
一水和物0.75gを加えてさらに1時間撹拌還流さ
せ、室温に冷却してメタノール800ml中に重合溶液を
滴下してポリマーを析出させ、濾別後それをメタノール
/THF:3/1混合液で洗浄し、濾別乾燥させてプレ
ポリマー4.43gを得た。
【0068】前記のプレポリマー(ビフェノール末端ポ
リマー)4.13g、TEA837μl、触媒量のDM
AP及び少量のBHTを乾燥THF80ml中に室温で撹
拌して溶解させ、それに塩化アクリロイル487μlを
加えて撹拌を続け、得られた反応液よりTEA塩酸塩を
濾別し、その濾液にクロロホルム350mlを加えて順次
各350mlの水、0.5N−HCl、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、溶媒を留去し、THF30mlを加えてポリ
マーを溶解させ、ジエチルエーテル400ml中に滴下し
てポリマーを析出させ、濾別乾燥して、ガラス転移温度
103℃(架橋温度190℃)の側鎖型コレステリック
液晶ポリマー2.76gを得た。
【0069】なお上記参考例3の反応工程を下記に示し
た。
【0070】参考例4 参考例3に準じて得たTHP保護ビフェノール末端モノ
マー1.14g、末端シアノビフェニルモノマー3.1
5g、及びフェニルエチルアミン誘導体モノマー0.8
1gをTHF100ml中、窒素気流下に加熱撹拌し、6
3℃で還流させてモノマーを溶解させ、それにTHF2
mlに溶解させたアゾビスイソブチロニトリル0.19g
を加えて4時間撹拌還流させた後、p-トルエンスルホ
ン酸一水和物0.75gを加えてさらに1時間撹拌還流
させ、室温に冷却してメタノール800ml中に重合溶液
を滴下してポリマーを析出させ、濾別後それをメタノー
ル/THF:3/1混合液で洗浄し、濾別乾燥させてプ
レポリマー3.27gを得た。
【0071】前記のプレポリマー3.53g、TEA6
61μl、触媒量のDMAP及び少量のBHTを乾燥T
HF80ml中に室温で撹拌して溶解させ、それに塩化ア
クリロイル385μlを加えたほかは参考例4に準じ
て、ガラス転移温度84℃(架橋温度225℃)の側鎖
型コレステリック液晶ポリマー2.29gを得た。
【0072】実施例1 参考例2で得た側鎖型コレステリック液晶ポリマーをシ
クロヘキサノンに溶解させて30重量%の溶液とし、そ
れに参考例1で得たジアクリ体を液晶ポリマーに対して
10重量%加え、その溶液をガラス板上に接着した延伸
PETフィルムからなる配向膜上にスピンコートして乾
燥させ、160℃で5分間加熱して配向処理し室温にて
放冷した後、電子線を40Mrad照射して、架橋処理さ
れたグランジャン配向により円偏光二色性を示す光学素
子を得た。
【0073】実施例2 参考例3で得た側鎖型コレステリック液晶ポリマーと参
考例4で得た側鎖型コレステリック液晶ポリマーを重量
比7:3で混合したものをシクロヘキサノンに溶解させ
た30重量%溶液を用いたほかは実施例1に準じて、架
橋処理されたグランジャン配向により円偏光二色性を示
す光学素子を得た。
【0074】比較例1 電子線照射せずに未架橋体としたほかは、実施例1に準
じてグランジャン配向の光学素子を得た。
【0075】比較例2 ジアクリル体を配合しないほかは実施例1に準じてグラ
ンジャン配向の光学素子(未架橋)を得た。
【0076】比較例3 電子線照射せずに未架橋体としたほかは、実施例2に準
じてグランジャン配向の光学素子を得た。
【0077】評価試験 実施例、比較例で得た光学素子と偏光板(日東電工社
製、G1220DU)を厚さ20μmのアクリル系粘着
層を介して接着し、それを種々の温度で1時間加熱して
外観の変化を目視観察し、変化が認められない最高温度
を耐熱温度として評価した。その結果を次表に示した。
【0078】
【0079】表より、実施例の光学素子では架橋処理に
より耐熱温度が20℃以上向上していることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/30 G02B 5/30 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 (72)発明者 吉岡 昌宏 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 望月 周 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA03 BA05 BA20 BA26 BB03 BC05 BC22 4H027 BA02 BA13 BD12 BD24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): (ただし、R1、R2は水素又はメチル基で、A、B、D
    は有機基であり、1≦n≦100である。)で表される
    セグメントSRと、ネマチック配向性を付与するセグメ
    ントSNと、光学活性部を有するセグメントSCを繰返
    し単位として有する側鎖型コレステリック液晶ポリマー
    に、アクリロイル基又はメタクリロイル基を1個又は2
    個以上有する低分子化合物を配合してなり、架橋処理が
    可能なことを特徴とする液晶組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、一般式(I)におけ
    るAが一般式(II):Z1(CH2)mR32(ただし、
    1、Z2は同一又は相違の−COO−、−O−、−OC
    O−、又は−(CH2)g−(gは0〜6の整数)であ
    り、mは0〜12の整数で、R3は下記の一般式(III)
    で表されるものである。) (ただし、hは一般式(II)のm=0ときは0で、1≦
    m≦12のときは1であり、fは1又は2である。)で
    表されるものであり、Bがパラ置換環状構造物型化合物
    で、Dが一般式(IV):Z3(CH2)xZ4(ただし、Z
    3はx=0のとき−(CH2)j−(jは0〜6の整
    数)、1≦x≦10のとき−COO−、−O−、−OC
    O−、又は−(CH2)k−(kは0〜6の整数)で、Z
    4はZ3と同一又は相違の−COO−、−O−、−OCO
    −、又は−(CH2)p−(pは0〜6の整数)で表され
    るものである。)である液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、側鎖型コレス
    テリック液晶ポリマー100重量部あたり低分子化合物
    を1〜70重量部配合してなる液晶組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の液晶組成物の配向
    架橋処理物からなり、グランジャン配向による円偏光二
    色性を示すことを特徴とする光学素子。
  5. 【請求項5】 請求項4において、可視光域にて円偏光
    二色性を示す光学素子。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、円偏光二色性
    を示す波長域が相違するものの2層以上の重畳体からな
    る光学素子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3に記載の液晶組成物をグラ
    ンジャン配向させた後、それを電磁波照射及び加熱の一
    方又は両方により架橋処理することを特徴とする光学素
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4〜6に記載の光学素子に円偏光
    を直線偏光化する位相差層を設けたことを特徴とする光
    学部材。
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