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JP2000134697A - 圧電型電気音響変換器 - Google Patents

圧電型電気音響変換器

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Publication number
JP2000134697A
JP2000134697A JP10299256A JP29925698A JP2000134697A JP 2000134697 A JP2000134697 A JP 2000134697A JP 10299256 A JP10299256 A JP 10299256A JP 29925698 A JP29925698 A JP 29925698A JP 2000134697 A JP2000134697 A JP 2000134697A
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JP
Japan
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metal plate
piezoelectric ceramic
piezoelectric
case
rectangular
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JP10299256A
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Inventor
Masayuki Fujino
雅幸 藤野
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低周波化と広帯域化とを図るとともに、音響変
換効率に優れた圧電型電気音響変換器を得る。 【解決手段】矩形状金属板2には、表面に駆動電極3
a,4aが形成された寸法の異なる複数の矩形状圧電セ
ラミック板3,4が対面接合される。金属板2はケース
10に収容され、圧電セラミック板3,4の峡間部に対
応する金属板2の部位2aをケース10の支持部11で
拘束支持する。金属板2の周縁部はケース10に対して
封止剤15により変位可能に封止される。各駆動電極3
a,4aと金属板2との間に共通の周波数信号を入力す
ることにより、金属板2を支持部11を支点として屈曲
振動させ、複数の共振周波数で音圧ピークを得ることで
広帯域化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電ブザーやスピー
カー,圧電受話器などの圧電型電気音響変換器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯電話機などにおいて、圧電受
話器として圧電型電気音響変換器が広く用いられてい
る。この種の圧電型電気音響変換器は、例えば特開平7
−107593号公報,特開平7−203590号公報
に記載のように、円形の圧電セラミック板の片面電極に
円形の金属板を貼り付けてユニモルフ型振動板を構成
し、この振動板の周縁部を円形のケースの中に支持し、
ケースの開口部をカバーで閉鎖した構造のものが一般的
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
圧電型電気音響変換器の場合、1個の振動板は1つの共
振周波数を持つように、圧電セラミック板を間にして表
裏一対の駆動電極が形成された構造となっている。この
ような振動板をケースに組み込むと、共振周波数で1つ
の音圧ピークが得られるが、その周波数の前後では音圧
は急激に低下するため、所定の音圧レベルでは狭い帯域
となる。
【0004】近年、広い帯域で所定の音圧レベルを得る
ことができる圧電型電気音響変換器が要望されている。
このような要望を満たすため、導電性薄板により共鳴室
を構成するケースを形成し、このケースの対向する2面
に圧電セラミック板を接着した圧電型電気音響変換器が
提案されている(実開平6−29300号公報)。この
場合には、2個の円板状の圧電セラミック板を用い、そ
の駆動電極に共通にリード線を接続するとともに、ケー
スに他方のリード線を接続し、これらリード線の間に周
波数信号を印加することにより、各圧電セラミック板を
相反方向へ伸縮運動させ、その伸縮運動によってケース
全体を屈曲振動させて音を発生させるようになってい
る。
【0005】この圧電型電気音響変換器の場合、ケース
の内部全体が共鳴室となるので、低周波側への広帯域化
が図れるという利点がある。しかし、2個の圧電セラミ
ック板は同一周波数で共振するため、共振点で高い音圧
ピークを得ることはできるものの、高い音圧レベルを広
帯域で得ることはできない。また、振動板であるケース
の周囲全周が拘束されているので、振動周波数が高くな
り、低周波側への広帯域化にも限度があった。さらに、
円板状の圧電セラミック板を用いているので、最大変位
点が中心点だけになり、変位体積が小さい。この変位体
積は、空気を動かすエネルギーとなるので、音響変換効
率を高めることが難しかった。
【0006】そこで、本発明の目的は、低周波化と広帯
域化とを図るとともに、音響変換効率に優れた圧電型電
気音響変換器を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、1枚の矩形状金属板と、
上記金属板に対面接合され、表面に駆動電極が形成され
た寸法の異なる複数の矩形状圧電セラミック板と、上記
金属板を収容し、上記圧電セラミック板の峡間部に対応
する金属板の部位を拘束支持する支持部を有するケース
と、上記金属板の周縁部をケースに対して変位可能に封
止する封止剤とを備え、上記各駆動電極と金属板との間
に共通の周波数信号を入力することにより、上記金属板
を支持部を支点として屈曲振動させ、複数の共振周波数
で音圧ピークを得るようにしたことを特徴とする圧電型
電気音響変換器を提供する。
【0008】共通の金属板に複数の圧電セラミック板を
接合し、各駆動電極と金属板との間に共通の周波数信号
を入力すると、圧電セラミック板が長さ方向に伸縮し、
これに応じて金属板が屈曲振動を起こし、発音する。こ
のとき、圧電セラミック板の峡間部に対応する金属板の
部位がケースの支持部で拘束され、金属板の周縁部は封
止剤で自由支持されているので、金属板は中間部を固定
点とする片持ち支持構造となり、両端支持や周囲を固定
した場合に比べて振動周波数の低周波化を実現できる。
各圧電セラミック板を接合した金属板の部位(振動部)
は同時に振動するが、各振動部の峡間部は支持部で拘束
されているので、各振動部が分離され、一方の振動部の
振動が金属板を介して他の振動部に伝播するのを防止で
きる。各振動部は寸法の異なる駆動電極で構成されるの
で、各振動部の共振周波数は異なる。これら共振周波数
を近づけることで、広い帯域で高い音圧レベルを有する
圧電型電気音響変換器を得ることができる。
【0009】各振動部の共振周波数は、圧電セラミック
板の形状によって左右される。圧電セラミック板は矩形
状であるから、長さまたは幅寸法を変更することで、任
意の共振周波数を容易に得ることができる。また、従来
のような円板状の振動板では、最大変位点が中心点だけ
になるので、変位体積が小さいが、矩形の振動板の場合
には、最大変位点が長さ方向または幅方向に沿って存在
するので、変位体積が大きくなる。この変位体積は、空
気を動かすエネルギーとなるので、矩形の圧電セラミッ
ク板は円形の圧電セラミック板に比べて音響変換効率を
高めることができる。
【0010】金属板の周縁部をケースに対して封止する
と、金属板の表裏両側に音響空間である前気室と後気室
とが形成される。特に、放音穴を有する前気室を共通の
部屋とすれば、前気室の容積を大きくできるので、共鳴
周波数を下げることができる。そのため、各振動部の共
振周波数による音圧ピークの他に、それより低周波側に
共鳴周波数による音圧ピークも現れ、一層の広帯域化が
可能となる。
【0011】さらに広帯域化を図るには、金属板に対し
て3個以上の圧電セラミック板を接合するのが望まし
い。その場合、請求項2のように、上記支持部を間にし
てその少なくとも片側の金属板の部位に、寸法の異なる
複数の矩形状圧電セラミック板を接合し、これら圧電セ
ラミック板の峡間部に対応する金属板の部位に、上記支
持部と直交方向のスリットを形成し、上記スリットにゴ
ム弾性材料よりなる封止剤を埋設するのが望ましい。
【0012】この場合には、金属板にスリットを設ける
ことで、隣合う振動部間の振動伝播を防止できる。スリ
ットを開放状態にしておくと、金属板の両面に形成され
る前気室と後気室とが連通し、発音できないので、スリ
ットを振動を阻害しないゴム弾性材料などの封止剤で封
止することで、振動伝播を防止しながら、前気室と後気
室とを遮蔽している。
【0013】請求項3に記載の発明は、1枚の矩形状金
属板と、上記金属板に対面接合され、表面に寸法の異な
る2個の矩形状駆動電極が形成された矩形状圧電セラミ
ック板と、上記金属板を収容し、駆動電極の峡間部に対
応する金属板の部位を拘束支持する支持部を有するケー
スと、上記金属板の周縁部をケースに対して変位可能に
封止する封止剤とを備え、上記各駆動電極と金属板との
間に共通の周波数信号を入力することにより、上記金属
板を支持部を支点として屈曲振動させ、複数の共振周波
数で音圧ピークを得るようにしたことを特徴とする圧電
型電気音響変換器を提供する。
【0014】この発明では、1枚の金属板に複数の駆動
電極が形成された圧電セラミック板を接合したものであ
る。なお、圧電セラミック板の裏面側電極は1個の共通
電極であってもよい。この場合も、請求項1に記載の発
明と同様に、複数の駆動電極の峡間部に対応する金属板
の部位をケースの支持部で拘束支持することで、金属板
を支持部によって片持ち支持し、振動周波数を下げるこ
とができる。各振動部は寸法の異なる駆動電極で構成さ
れるので、各振動部の共振周波数は異なる。これら共振
周波数を近づけることで、広帯域で高い音圧レベルを有
する圧電型電気音響変換器を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜図6は本発明にかかる圧電
型電気音響変換器の第1実施例である圧電受話器を示
す。この圧電受話器は、大略、ユニモルフ型の振動板1
とケース10とカバー20とで構成されている。上記ケ
ース10とカバー20とによって本発明のケースを構成
している。
【0016】振動板1は、矩形の金属板2と、金属板2
上に電気的および機械的に対面接合された2枚の矩形の
圧電セラミック板3,4とで構成されている。金属板2
は例えばリン青銅,42Niなどの良導電性とバネ弾性
とを兼ね備えた材料が用いられる。金属板2が42Ni
の場合には、セラミック(PZT等)と熱膨張係数が近
いので、より信頼性の高いものが得られる。圧電セラミ
ック板3,4はPZTなどの圧電セラミックよりなり、
その表裏面には電極3a,3bおよび電極4a,4bが
形成されており(図4参照)、裏面電極3b,4bが金
属板2の表面に導電性接着剤(図示せず)によって対面
接着されて電気的に導通している。なお、圧電セラミッ
ク板3,4の裏面を導電性接着剤によって金属板2に直
接接着することで、裏面電極3b,4bを省略してもよ
い。
【0017】圧電セラミック板3,4の長さx1 ,x
2 、幅y1 ,y2 、厚みt1 ,t2 のうち、少なくとも
1つの寸法が異なるように設定されている。そのため、
2個の圧電セラミック板3,4の共振周波数は互いに異
なる。この実施例では、次のように設定されている。 x1 >x21 =y21 =t2 上記の寸法を適宜選択することにより、例えば一方の圧
電セラミック板3と金属板2とで構成される振動部は
2.880kHzの共振周波数を持ち、他方の圧電セラ
ミック板4と金属板2とで構成される振動部は3.97
3kHzの共振周波数を持つように設定することができ
る。
【0018】ケース10は樹脂で一体成形されたもので
あり、その内部には支持壁(支持部)11で仕切られた
2個の凹部12,13が形成されている。支持壁11の
両端には、ケース10の上面まで延びる位置決め突起1
4が形成され、これら突起14の内面で振動板1の両側
縁をガイドする機能を有する。振動板1はケース10の
中に所定の隙間をもって収納され、振動板1の周縁部と
ケース10の内面との隙間はシリコーンゴムなどのゴム
弾性を有する封止剤15によって封止される。これによ
ってケース10と振動板1との間に2個の後気室16,
17(図3参 照)が形成される。なお、封止剤15は
ゴム弾性を有するので、振動板1の周縁部を拘束せず、
自由な変位を許容している。上記支持壁11の頂面に
は、圧電セラミック板3,4の峡間部に対応する金属板
2の中間部2aが接着剤18によって固定される。この
接着剤18は、エポキシ系接着剤のように硬化後は硬質
部材となり、金属板2の中間部2aを拘束支持する。上
記のように金属板2の中間部2aを拘束支持すること
で、金属板2は中間部2aを固定点とする片持ち支持構
造となり、金属板2は大きく屈曲振動できる。また、中
央部2aが拘束されることで、2つの振動部が分離さ
れ、一方の振動部で発生した振動が他方の振動部へ波及
するのを防止する効果を有する。なお、ケース10の底
部両側面には制動孔19が形成され、後気室16,17
を外気に開放している。
【0019】カバー20もケース10と同質の樹脂材料
よりなり、その天井部中央には1個の放音孔21が形成
されている。カバー20の周縁部はケース10の開口部
上縁に接着あるいは超音波溶着などの手法によって固着
されている。そのため、カバー20と振動板1との間に
1個の前気室22(図3参照)が形成される。
【0020】上記圧電セラミック板3,4の表面電極
(駆動電極)3a,4aには共通のリード線23が接続
され、金属板2にはリード線24が接続され、これらリ
ード線23,24はケース10の外部へ導出されてい
る。リード線23,24間に矩形波信号または正弦波信
号を印加することにより、2個の振動部を同時に駆動す
ることができる。なお、圧電セラミック板3,4の表面
電極3a,4a、および金属板2を外部と接続するため
に、リード線23,24に代えてリード端子を用いても
よい。
【0021】上記構成の圧電受話器の動作を以下に説明
する。リード線23,24の間に例えば矩形波信号を印
加し、その周波数を変化させてゆくと、図5のようにイ
ンピーダンスが変化し、所定の周波数で一方の圧電セラ
ミック板3で構成される振動部が共振し、別の周波数で
他方の圧電セラミック板4で構成される振動部が共振す
る。この時、金属板2の中間部2aが支持壁11によっ
て固定され、周縁部は変位自在に支持されているので、
いわば片持ち支持状態となり、金属板2は図4(b)に
破線で示すようなモードで振動する。そのため、両端支
持や周囲を固定した場合に比べて各振動部の振動周波数
を低くすることができる。
【0022】図6は、周波数変化に伴う音圧の変化を示
す。図6のように2個の音圧ピークが現れ、一方の音圧
ピークP1 は圧電セラミック板3で構成される振動部の
共振点であり、他方の音圧ピークP2 は圧電セラミック
板4で構成される振動部の共振点である。この2つの音
圧ピークP1 ,P2 間の音圧レベルは、2つの共振周波
数の近くにあるため、急激な低下が起こらず、広い帯域
で鳴動することができる。なお、図6において、破線は
前気室22の共鳴による音圧ピークを示す。この共鳴に
よる音圧ピークP3は音圧ピークP1 ,P2 より低周波
域に発生するため、全体として一層の広帯域化が可能で
ある。
【0023】図7は、一枚の矩形の圧電セラミック板を
接着した振動板を用いた圧電受話器の音圧特性Aと、2
枚の矩形の圧電セラミック板を接着した振動板を用いた
圧電受話器の音圧特性Bとを比較したものである。な
お、駆動電圧としては、ピーク−ピークの電圧が3Vで
ある矩形波を用いた。特性Aの圧電セラミック板の寸法
は14mm×8.5mm×50μmであり、特性Bの圧
電セラミック板の寸法は7.5mm×8.5mm×70
μm、および5.5mm×8.5mm×70μmであ
る。金属板は共に14mm×8.5mm×50μmの方
形板を用いた。
【0024】図7から明らかなように、音圧ピーク値よ
り6dB小さい音圧での周波数帯域は、一枚の圧電セラ
ミック板を用いた場合には0.959kHzであるのに
対し、図4のように2枚の圧電セラミック板(共振周波
数がそれぞれ2.880kHzと3.973kHz)を
用いると2.010kHzとなり、帯域を約2倍に広げ
ることができた。なお、音圧レベルA,Bが異なるの
は、測定点が異なることと、圧電セラミック板の厚みが
異なるからである。
【0025】図8〜図10は本発明の第2実施例を示
す。この実施例の振動板30は、矩形状の金属板31の
上面に一枚の矩形状の圧電セラミック板32を対面接合
するとともに、この圧電セラミック板32の表面に寸法
の異なる2個の矩形状の表面電極(駆動電極)33,3
4を形成したものである。なお、圧電セラミック板32
の裏面電極35はほぼ全面に形成されている。
【0026】上記表面電極33,34の峡間部に対応す
る金属板31の中間部31aは、ケース10の支持壁1
1に硬質接着剤18で接着することにより拘束支持され
ている。金属板31の周縁部は、ケース10の内面に弾
性封止剤15で封止されている。
【0027】この実施例の場合も、第1実施例と同様
に、表面電極33,34に共通のリード線23を接続
し、金属板31にもリード線24を接続し、これらリー
ド線の間に矩形波信号または正弦波信号を印加する。こ
のとき、表面電極33,34の長さ寸法x1 ,x2 が異
なるので、2つの異なる共振周波数を持つことになり、
広帯域の音圧レベルを得ることができる。
【0028】図11は、1個の駆動電極を有する1枚の
圧電セラミック板を接着した振動板を用いた圧電受話器
の音圧特性Aと、図10のように2個の駆動電極を有す
る1枚の矩形の圧電セラミック板を接着した振動板を用
いた圧電受話器の音圧特性Cとを比較したものである。
なお、駆動電圧としては、ピークからピークの電圧が3
Vである矩形波を用いた。特性Aの圧電セラミック板
(電極)の寸法は14mm×8.5mm×50μmであ
り、特性Cの圧電セラミック板の寸法は14mm×8.
5mm×70μm、電極寸法は7.5mm×8.5mm
および5.5mm×8.5mmである。金属板は共に1
4mm×8.5mm×50μmの方形板を用いた。
【0029】図11から明らかなように、音圧ピーク値
より6dB小さい音圧での周波数帯域は、1個の駆動電
極を形成した場合には0.959kHzであるのに対
し、2個の駆動電極(共振周波数がそれぞれ3.72k
Hzと5.23kHz)を形成すると、2.475kH
zとなり、帯域を約2.5倍に広げることができた。な
お、音圧レベルA,Cが異なるのは、測定点が異なるこ
とと、圧電セラミック板の厚みが異なるからである。
【0030】図12〜図14は本発明の第3実施例を示
す。この実施例の振動板40は、一枚の金属板41の上
面に寸法の異なる3個の矩形圧電セラミック板42,4
3,44を対面接合したものである。上記振動板40は
ケース10内に収容され、圧電セラミック板42と4
3,44との峡間部に対応する金属板41の中間部41
aがケース10の支持壁11で支持され、硬質接着剤1
8によって接着固定される。また、金属板41の周縁部
とケース10の内面との隙間には弾性封止剤15が充填
され、封止されている。圧電セラミック板43と44の
峡間部に対応する金属板41の部位には、支持壁11と
直交方向にスリット41bが形成されている。弾性封止
剤15はスリット41bにも充填され、スリット41b
を介して前気室22と後気室16,17とが連通するの
を防止している。
【0031】この実施例の場合も、各圧電セラミック板
42,43,44の表面電極と金属板41との間に共通
の信号(矩形波信号または正弦波信号)を印加すること
により、各振動部を同時に振動させることができる。こ
のとき、圧電セラミック板42と43,44との峡間部
に対応する金属板41の中間部41aは支持壁11に固
定され、圧電セラミック板43と44との間の部位はス
リット41bによって遮断されているので、各振動部が
独立して振動できる。その振動モードは図4の(b)に
破線で示したものと同様である。各振動部の共振点にお
いて音圧ピークを発生するので、各共振点を近づけるこ
とにより、広帯域で高い音圧レベルを得ることができ
る。特に、金属板41は中間部41aが固定され、周囲
が自由に変位できるので、いわば片持ち支持構造とな
り、振動周波数を下げることができる。その結果、低周
波化と広帯域化とを実現できる。
【0032】図15〜図17は本発明の第4実施例を示
す。この実施例の振動板50は、一枚の金属板51の上
面に寸法の異なる4個の矩形圧電セラミック板52,5
3,54,55を対面接合したものである。圧電セラミ
ック板52,53と54,55との峡間部に対応する金
属板51の中間部51aがケース10の支持壁11で支
持され、硬質接着剤18によって接着固定される。ま
た、金属板51の周縁部とケース10の内面との隙間に
は弾性封止剤15が充填され、封止される。圧電セラミ
ック板52と53の峡間部、および54と55の峡間部
に対応する金属板51の部位には、支持壁11と直交方
向にスリット51b,51cが形成されている。弾性封
止剤15はスリット51b,51cにも充填され、スリ
ット51b,51cを介して前気室22と後気室16,
17とが連通するのを防止している。
【0033】この実施例の場合も、各圧電セラミック板
52〜55の表面電極と金属板51との間に共通の信号
(矩形波信号または正弦波信号)を印加することによ
り、各振動部を同時に振動させることができる。圧電セ
ラミック板52,53と54,55との峡間部に位置す
る金属板51の中間部51aは支持壁11に固定され、
圧電セラミック板52と53の間、および54と55の
間の部位はスリット51b,51cによって隔離させて
いるので、各振動部が独立して振動できる。そのため、
各振動部の共振点において音圧ピークを発生し、各共振
点を近づけることにより、広帯域で高い音圧レベルを得
ることができる。特に、金属板51の中間部51aが固
定され、周辺部は自由に振動できることから、低周波化
を実現できる。
【0034】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能
である。例えば図15〜図17の実施例では、金属板の
中間部を境にしてその両側に個別の圧電セラミック板を
接着したが、図8〜図10の実施例のように金属板の中
間部を跨いで1枚の圧電セラミック板を接着してもよ
い。上記実施例では金属板の表面に圧電セラミック板を
貼り付けたが、金属板の裏面に圧電セラミック板を貼り
付けてもよい。すなわち、放音孔を有する前気室側に金
属板を配置し、後気室側に圧電セラミック板を配置して
もよい。上記実施例では、金属板の片面に圧電セラミッ
ク板を貼り付けたユニモルフ型振動板について説明した
が、金属板の両面に圧電セラミック板を貼り付けたバイ
モルフ型振動板を用いてもよい。本発明の圧電型電気音
響変換器は、圧電受話器だけでなく、圧電ブザーや圧電
スピーカにも適用可能である。
【0035】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に記載の発明によれば、共通の金属板に複数の圧電セラ
ミック板を接合し、金属板の中間部をケースの支持部で
拘束支持し、金属板の両端部は封止剤により変位自在に
封止したので、金属板は中間部を支点とする片持ち支持
構造となり、両端支持や周囲固定方式に比べて振動周波
数の低周波化を実現できるとともに、金属板が大きく屈
曲振動でき、音響変換効率を高めることができる。
【0036】また、金属板の両側部に接合される矩形圧
電セラミック板の寸法を変えたので、各振動板の共振周
波数を変えることができる。そのため、複数の音圧ピー
クを容易に得ることができ、広帯域の圧電型電気音響変
換器を得ることができる。さらに、ケース内に1枚の金
属板を収納するのみであるから、複数の金属板を収納す
る場合に比べて部品数を削減できるとともに、コストを
低減でき、ケースを小型化できる。
【0037】請求項3に記載の発明も、請求項1の発明
と同様に、圧電セラミック板に複数の駆動電極を設ける
ことで、各部を個別に振動させることができ、低周波で
広帯域の圧電型電気音響変換器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる圧電型電気音響変換器の第1実
施例の分解斜視図である。
【図2】図1に示す圧電型電気音響変換器のカバーを取
り外した状態の平面図である。
【図3】図1に示す圧電型電気音響変換器の断面図であ
る。
【図4】図1に示す圧電型電気音響変換器に使用される
振動板の平面図および正面図である。
【図5】図1に示す圧電型電気音響変換器のインピーダ
ンス特性である。
【図6】図1に示す圧電型電気音響変換器の音圧特性で
ある。
【図7】図1に示す圧電型電気音響変換器と単一の圧電
体を用いた圧電型電気音響変換器との音圧特性の比較図
である。
【図8】圧電型電気音響変換器の第2実施例のカバーを
取り外した状態の平面図である。
【図9】図8に示す圧電型電気音響変換器の断面図であ
る。
【図10】図8に示す圧電型電気音響変換器に使用され
る振動板の平面図および正面図である。
【図11】図8に示す圧電型電気音響変換器と単一の電
極を有する圧電体を用いた圧電型電気音響変換器との音
圧特性の比較図である。
【図12】圧電型電気音響変換器の第3実施例のカバー
を取り外した状態の平面図である。
【図13】図12に示す圧電型電気音響変換器の断面図
である。
【図14】図12に示す圧電型電気音響変換器に使用さ
れる振動板の平面図である。
【図15】圧電型電気音響変換器の第4実施例のカバー
を取り外した状態の平面図である。
【図16】図15に示す圧電型電気音響変換器の断面図
である。
【図17】図15に示す圧電型電気音響変換器に使用さ
れる振動板の平面図である。
【符号の説明】
1 振動板 2 金属板 3,4 圧電セラミック板 3a,4a 表面電極(駆動電極) 10 ケース 11 支持壁(支持部) 15 封止剤 16,17 後気室 18 接着剤 20 カバー 22 前気室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1枚の矩形状金属板と、上記金属板に対面
    接合され、表面に駆動電極が形成された寸法の異なる複
    数の矩形状圧電セラミック板と、上記金属板を収容し、
    上記圧電セラミック板の峡間部に対応する金属板の部位
    を拘束支持する支持部を有するケースと、上記金属板の
    周縁部をケースに対して変位可能に封止する封止剤とを
    備え、上記各駆動電極と金属板との間に共通の周波数信
    号を入力することにより、上記金属板を支持部を支点と
    して屈曲振動させ、複数の共振周波数で音圧ピークを得
    るようにしたことを特徴とする圧電型電気音響変換器。
  2. 【請求項2】上記支持部を間にしてその少なくとも片側
    の金属板の部位には、寸法の異なる複数の矩形状圧電セ
    ラミック板が接合され、これら圧電セラミック板の峡間
    部に対応する金属板の部位に、上記支持部と直交方向の
    スリットが形成され、上記スリットにゴム弾性材料より
    なる封止剤が埋設されていることを特徴とする請求項1
    に記載の圧電型電気音響変換器。
  3. 【請求項3】1枚の矩形状金属板と、上記金属板に対面
    接合され、表面に寸法の異なる2個の矩形状駆動電極が
    形成された矩形状圧電セラミック板と、上記金属板を収
    容し、駆動電極の峡間部に対応する金属板の部位を拘束
    支持する支持部を有するケースと、上記金属板の周縁部
    をケースに対して変位可能に封止する封止剤とを備え、
    上記各駆動電極と金属板との間に共通の周波数信号を入
    力することにより、上記金属板を支持部を支点として屈
    曲振動させ、複数の共振周波数で音圧ピークを得るよう
    にしたことを特徴とする圧電型電気音響変換器。
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