JP2000121815A - 回折格子パターンおよび該回折格子パターンを適用した物品 - Google Patents
回折格子パターンおよび該回折格子パターンを適用した物品Info
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- JP2000121815A JP2000121815A JP10296539A JP29653998A JP2000121815A JP 2000121815 A JP2000121815 A JP 2000121815A JP 10296539 A JP10296539 A JP 10296539A JP 29653998 A JP29653998 A JP 29653998A JP 2000121815 A JP2000121815 A JP 2000121815A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】回折格子からなるセルが配置されて構成される
パターンにおいて、明るさが十分で、かつ偽造や模造の
困難なセキュリティ性の向上した回折格子パターンおよ
びそれを基材表面に適用した物品を提供することを目的
とする。 【解決手段】回折格子からなるセルを配置されて構成さ
れるパターンにおいて、前記セルは、四角形の形状を除
く多角形の形状であり、かつセル同士が隙間無く配置さ
れた部分を有することを特徴とする回折格子パターンで
ある。
パターンにおいて、明るさが十分で、かつ偽造や模造の
困難なセキュリティ性の向上した回折格子パターンおよ
びそれを基材表面に適用した物品を提供することを目的
とする。 【解決手段】回折格子からなるセルを配置されて構成さ
れるパターンにおいて、前記セルは、四角形の形状を除
く多角形の形状であり、かつセル同士が隙間無く配置さ
れた部分を有することを特徴とする回折格子パターンで
ある。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、基板の表面に微細
な回折格子(グレーティング)をセル(ドット)毎に配
置することにより形成される回折格子パターンに係わ
り、明るくかつセキュリティ性が高い回折格子パターン
および、該回折格子パターンを適用したセキュリティ製
品に関する。
な回折格子(グレーティング)をセル(ドット)毎に配
置することにより形成される回折格子パターンに係わ
り、明るくかつセキュリティ性が高い回折格子パターン
および、該回折格子パターンを適用したセキュリティ製
品に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の印刷物からなる有価証券、チケッ
ト等では、偽造防止を図る目的で、絵柄の一部に、微少
な文字(マイクロ文字)が混在されたものが公知であ
る。マイクロ文字は、肉眼での識別が困難であるため、
その存在を知らない者にとっては、絵柄の完全な偽造を
行うことができず、マイクロ文字のあるべき個所をルー
ペなどで拡大して観察することによって、偽造品である
か否かの判定が行われる。また、マイクロ文字の作成に
は高度な製版、印刷技術が必要であるため、セキュリテ
ィ性(偽造防止効果)が高い。
ト等では、偽造防止を図る目的で、絵柄の一部に、微少
な文字(マイクロ文字)が混在されたものが公知であ
る。マイクロ文字は、肉眼での識別が困難であるため、
その存在を知らない者にとっては、絵柄の完全な偽造を
行うことができず、マイクロ文字のあるべき個所をルー
ペなどで拡大して観察することによって、偽造品である
か否かの判定が行われる。また、マイクロ文字の作成に
は高度な製版、印刷技術が必要であるため、セキュリテ
ィ性(偽造防止効果)が高い。
【0003】カラーコピー機やパソコンの普及に伴う偽
造技術の進歩に応じて、有価証券、チケットなどでは、
通常の印刷技術だけでは対応が不十分であるため、ホロ
グラムや回折格子の適用によって、適用商品(例えば、
クレジットカードや商品券)のセキュリティ性を向上す
ることが行われているが、ホログラムや回折格子に対し
ても、さらなるセキュリティ性の向上が望まれている。
造技術の進歩に応じて、有価証券、チケットなどでは、
通常の印刷技術だけでは対応が不十分であるため、ホロ
グラムや回折格子の適用によって、適用商品(例えば、
クレジットカードや商品券)のセキュリティ性を向上す
ることが行われているが、ホログラムや回折格子に対し
ても、さらなるセキュリティ性の向上が望まれている。
【0004】セキュリティ性の高い回折格子(もしく
は、ホログラム)を得るために、回折格子の作製方法を
複雑にして、偽造(もしくは、模造)するのを困難なら
しめる方法が考えられている。
は、ホログラム)を得るために、回折格子の作製方法を
複雑にして、偽造(もしくは、模造)するのを困難なら
しめる方法が考えられている。
【0005】一例として、コヒーレント光(レーザービ
ーム)の2光束干渉によって、基板の表面に回折格子か
らなる複数の微小なドットを所望に配置し、回折格子パ
ターンからなるディスプレイを得る方法があり、本出願
人による特開昭60−156004号公報、特開平2−
72319号公報、特開平5−72406号公報などに
代表される方法が公知である。
ーム)の2光束干渉によって、基板の表面に回折格子か
らなる複数の微小なドットを所望に配置し、回折格子パ
ターンからなるディスプレイを得る方法があり、本出願
人による特開昭60−156004号公報、特開平2−
72319号公報、特開平5−72406号公報などに
代表される方法が公知である。
【0006】これらの方法は、2本のレーザービームを
感光材料上で交叉させ、ドット単位で露光することによ
り双方のレーザービームを干渉させて、各ドットに形成
される微小な干渉縞からなる回折格子を、そのピッチ、
方向、光強度を適宜変化させながら次々と露光記録し、
回折格子ドット(セル)の集まりからなるパターンを作
製する方法(2光束干渉法)である。
感光材料上で交叉させ、ドット単位で露光することによ
り双方のレーザービームを干渉させて、各ドットに形成
される微小な干渉縞からなる回折格子を、そのピッチ、
方向、光強度を適宜変化させながら次々と露光記録し、
回折格子ドット(セル)の集まりからなるパターンを作
製する方法(2光束干渉法)である。
【0007】回折格子は、感光材料に入射する2光束の
角度によって、そのピッチ(空間周波数の逆数)が変わ
り、その方向は2光束の入射する方向によって変わる。
作製されたパターンの観察時には、前記ピッチは見える
色に、前記方向は見える方向に、それぞれ関係する。ま
た、露光の際の光強度は、干渉縞の深さを変更すること
になり、観察時には見える明るさとして関係することに
なる。
角度によって、そのピッチ(空間周波数の逆数)が変わ
り、その方向は2光束の入射する方向によって変わる。
作製されたパターンの観察時には、前記ピッチは見える
色に、前記方向は見える方向に、それぞれ関係する。ま
た、露光の際の光強度は、干渉縞の深さを変更すること
になり、観察時には見える明るさとして関係することに
なる。
【0008】セル(ドット)を構成単位とする回折格子
パターンの一例を図1(a)に示す。パターン(絵柄)
としては、富士山を囲むように縁取り模様が施されたも
のであり、全て同一の円形のセル(ドット)の集まりに
よって構成されている。縁取り模様の一部を拡大して示
す。
パターンの一例を図1(a)に示す。パターン(絵柄)
としては、富士山を囲むように縁取り模様が施されたも
のであり、全て同一の円形のセル(ドット)の集まりに
よって構成されている。縁取り模様の一部を拡大して示
す。
【0009】回折格子パターンの作製方法は、上記の2
光束干渉法に限定されるものではなく、電子線(エレク
トロン・ビーム=EB)により、基板の表面に格子縞を
直接描画し、回折格子ドット(セル)を配置する方法を
採用しても良い。前記方法は、本出願人による特開平2
−72320公報により公知である。
光束干渉法に限定されるものではなく、電子線(エレク
トロン・ビーム=EB)により、基板の表面に格子縞を
直接描画し、回折格子ドット(セル)を配置する方法を
採用しても良い。前記方法は、本出願人による特開平2
−72320公報により公知である。
【0010】電子線で直接描画する場合は、四角形をセ
ル(ドット)とすることが多い。セル(ドット)を構成
単位とする回折格子パターンでセル(ドット)形状が四
角形の一例を図1(b)に示す。パターン(絵柄)とし
ては、同じく、富士山を囲むように縁取り模様が施され
たものであり、全て同一の四角形のセル(ドット)の集
まりによって構成されている。縁取り模様の一部を拡大
して示す。
ル(ドット)とすることが多い。セル(ドット)を構成
単位とする回折格子パターンでセル(ドット)形状が四
角形の一例を図1(b)に示す。パターン(絵柄)とし
ては、同じく、富士山を囲むように縁取り模様が施され
たものであり、全て同一の四角形のセル(ドット)の集
まりによって構成されている。縁取り模様の一部を拡大
して示す。
【0011】セル(ドット)の形状が円形の場合は、領
域全面にセル同士が間隙無く敷き詰められず、回折格子
のない部分ができて十分明るい画像を得ることが難しい
と言う問題がある。また、四角形の場合、領域全面にセ
ル同士が間隙無く敷き詰めることができ、円形の場合に
比較して、領域を有効に利用し、明るいパターンを得る
ことが可能であるが、形状が単純すぎるため、よりセキ
ュリティ効果があり、より複雑な表現ができるセル(ド
ット)の形状が望まれる。
域全面にセル同士が間隙無く敷き詰められず、回折格子
のない部分ができて十分明るい画像を得ることが難しい
と言う問題がある。また、四角形の場合、領域全面にセ
ル同士が間隙無く敷き詰めることができ、円形の場合に
比較して、領域を有効に利用し、明るいパターンを得る
ことが可能であるが、形状が単純すぎるため、よりセキ
ュリティ効果があり、より複雑な表現ができるセル(ド
ット)の形状が望まれる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、回折格子か
らなるセルが配置されて構成されるパターンにおいて、
明るさが十分で、かつ偽造や模造の困難なセキュリティ
性の向上した回折格子パターンおよびそれを基材表面に
適用した物品を提供することを目的とする。
らなるセルが配置されて構成されるパターンにおいて、
明るさが十分で、かつ偽造や模造の困難なセキュリティ
性の向上した回折格子パターンおよびそれを基材表面に
適用した物品を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、まず請求項1においては、回折格子からな
るセルを配置されて構成されるパターンにおいて、前記
セルは、四角形の形状を除く多角形の形状であり、かつ
セル同士が隙間無く配置された部分を有することを特徴
とする回折格子パターンである。
決するため、まず請求項1においては、回折格子からな
るセルを配置されて構成されるパターンにおいて、前記
セルは、四角形の形状を除く多角形の形状であり、かつ
セル同士が隙間無く配置された部分を有することを特徴
とする回折格子パターンである。
【0014】また、請求項2においては、請求項1記載
の回折格子パターンにおいて、前記セルが、セルの縦横
の平均長さが300μm以下であることを特徴とする。
の回折格子パターンにおいて、前記セルが、セルの縦横
の平均長さが300μm以下であることを特徴とする。
【0015】また、請求項3においては、請求項1記載
の回折格子パターンにおいて、前記セル形状の多角形
が、正六角形であることを特徴とする。
の回折格子パターンにおいて、前記セル形状の多角形
が、正六角形であることを特徴とする。
【0016】また、請求項4においては、請求項1記載
の回折格子パターンにおいて、前記セル形状の多角形
が、三角形であることを特徴とする。
の回折格子パターンにおいて、前記セル形状の多角形
が、三角形であることを特徴とする。
【0017】さらにまた、請求項5においては、請求項
1乃至請求項3記載の何れかの回折格子パターンを、シ
ール、または転写箔などの形態に加工して、基材の表面
に貼着させてなることを特徴とする物品である。
1乃至請求項3記載の何れかの回折格子パターンを、シ
ール、または転写箔などの形態に加工して、基材の表面
に貼着させてなることを特徴とする物品である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。図2は、本発明による回折格子パタ
ーンの一例を示す説明図である。(a)はセル(ドッ
ト)の形状が、Y方向に凹凸を有する六角形であり、そ
の集まりによって回折格子パターン構成されており、Y
方向で、上下の六角形のそれぞれの凹部と凸部が接する
ことにより、セル同士が隙間なく敷き詰められている。
(b)は、セル(ドット)の形状が、XY両方向に凹凸
を有する多角形(図では14角形)であり、その集まり
によって回折格子パターンが構成されており、XY両方
向で、上下の多角形のそれぞれの凹部と凸部が接するこ
とによりセル同士隙間なく敷き詰められている。
施形態を説明する。図2は、本発明による回折格子パタ
ーンの一例を示す説明図である。(a)はセル(ドッ
ト)の形状が、Y方向に凹凸を有する六角形であり、そ
の集まりによって回折格子パターン構成されており、Y
方向で、上下の六角形のそれぞれの凹部と凸部が接する
ことにより、セル同士が隙間なく敷き詰められている。
(b)は、セル(ドット)の形状が、XY両方向に凹凸
を有する多角形(図では14角形)であり、その集まり
によって回折格子パターンが構成されており、XY両方
向で、上下の多角形のそれぞれの凹部と凸部が接するこ
とによりセル同士隙間なく敷き詰められている。
【0019】図3は、本発明の回折格子パターンの他の
例を示す説明図である。セル(ドット)の形状が、正六
角形で、その集まりによって回折格子パターンが構成さ
れている。XY平面で均等にバランス良くセル(ドッ
ト)を配列して隙間なく敷き詰めることができる。
例を示す説明図である。セル(ドット)の形状が、正六
角形で、その集まりによって回折格子パターンが構成さ
れている。XY平面で均等にバランス良くセル(ドッ
ト)を配列して隙間なく敷き詰めることができる。
【0020】図4は、本発明の回折格子パターンのさら
に別の例を示す説明図である。セル(ドット)の形状
が、三角形で、その集まりによって構成されており、
(a)、(b)は二等辺三角形を上下に反転させて、隙
間なく敷き詰めている。(a)は、上下同じ向きの三角
形の送りの位相が上の段と下の段で揃っているが、
(b)は上下同じ向きの三角形の送りの位相が上の段と
下の段とでは、半ピッチずれている。(c)、(d)は
直角三角形を隙間なく敷き詰めており、(c)は直角三
角形を上下に反転させている。(c)は上下同じ向きの
三角形の送りの位相が上の段と下の段で揃っている。一
方、(d)はと直角三角形を上下表裏に反転させた4種
類の直角三角形を隙間なく敷き詰めており、4種類のそ
れぞれの直角三角形の送り(位相)は、上下ともばらば
らである。
に別の例を示す説明図である。セル(ドット)の形状
が、三角形で、その集まりによって構成されており、
(a)、(b)は二等辺三角形を上下に反転させて、隙
間なく敷き詰めている。(a)は、上下同じ向きの三角
形の送りの位相が上の段と下の段で揃っているが、
(b)は上下同じ向きの三角形の送りの位相が上の段と
下の段とでは、半ピッチずれている。(c)、(d)は
直角三角形を隙間なく敷き詰めており、(c)は直角三
角形を上下に反転させている。(c)は上下同じ向きの
三角形の送りの位相が上の段と下の段で揃っている。一
方、(d)はと直角三角形を上下表裏に反転させた4種
類の直角三角形を隙間なく敷き詰めており、4種類のそ
れぞれの直角三角形の送り(位相)は、上下ともばらば
らである。
【0021】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、四角形以外で隙間がないように敷き詰めら
れるのであれば、どんな形でも良い。また、隣り合うセ
ル(ドット)を構成する回折格子の空間周波数、方向
(角度)については、その視覚的効果を考慮して、デザ
イン、設計することは言うまでもない。
のではなく、四角形以外で隙間がないように敷き詰めら
れるのであれば、どんな形でも良い。また、隣り合うセ
ル(ドット)を構成する回折格子の空間周波数、方向
(角度)については、その視覚的効果を考慮して、デザ
イン、設計することは言うまでもない。
【0022】本発明では、一つのセル(ドット)を肉眼
で識別することが困難な程度にする必要があり、拡散光
源のような光源下でルーペなどにより拡大して観察する
ことによって、異なるセル(ドット)を認識できるよう
にする必要がある。回折格子は、ある特定の方向にのみ
光を回折するので、特定方向から観測したときのみ回折
格子からなるセルを観測できる。そのため、本発明で示
した様な微小なセルの形状を肉眼により観測するのは困
難である。特に、そのセルによるパターンが少なくとも
2種類以上の異なる空間周波数や角度の回折格子からな
る場合、特定方向から観察した場合に、同時にその2種
類以上の回折格子からなるセルを観察することは困難で
あり、そのセルの形状の肉眼での判別をより困難にする
ことができる。そのため、このような回折格子のセルか
らなる回折格子パターンにおいては、さらに高い偽造防
止の効果がある。このような、回折格子パターンを拡散
光源のような光源下において、ルーペ等により拡大して
観測することよって、偽造品であるか否かの判定を行う
ことができる。
で識別することが困難な程度にする必要があり、拡散光
源のような光源下でルーペなどにより拡大して観察する
ことによって、異なるセル(ドット)を認識できるよう
にする必要がある。回折格子は、ある特定の方向にのみ
光を回折するので、特定方向から観測したときのみ回折
格子からなるセルを観測できる。そのため、本発明で示
した様な微小なセルの形状を肉眼により観測するのは困
難である。特に、そのセルによるパターンが少なくとも
2種類以上の異なる空間周波数や角度の回折格子からな
る場合、特定方向から観察した場合に、同時にその2種
類以上の回折格子からなるセルを観察することは困難で
あり、そのセルの形状の肉眼での判別をより困難にする
ことができる。そのため、このような回折格子のセルか
らなる回折格子パターンにおいては、さらに高い偽造防
止の効果がある。このような、回折格子パターンを拡散
光源のような光源下において、ルーペ等により拡大して
観測することよって、偽造品であるか否かの判定を行う
ことができる。
【0023】肉眼で識別することが困難な程度のセル
(ドット) のXY方向の平均の大きさを定めるにあた
って、例えば、視力0.7の人が70cm離れてパター
ンを視覚する場合について以下に考える。視力が0.7
の人の目の分解能は、1.4分(=1.4°/60)で
あり、70cm離れて、300μm以上を離れた2点を
識別することができる。従って、回折格子パターンを7
0cm離れて視覚する場合に、平均の大きさ300μm
以下のセル(ドット)については、その存在(当然、形
状も)を認識できず、また形状に円形や四角形と異なる
ものを採用し、配列の特殊性を付加することによって、
本発明の目的が実現される。また、例えば、視力1.0
の人の目であっても、その分解能は、1.0分であり、
50cmの距離で観測する場合、150μm以上離れた
2点を識別できるが、300μmのセルの形状からその
文字、マークが何であるか判別することは困難である。
セル(ドット)が300μmよりはるかに小さくすれ
ば、一層、本発明に合致するが、実用上、上記の場合は
一般的であり、妥当な数値範囲である。
(ドット) のXY方向の平均の大きさを定めるにあた
って、例えば、視力0.7の人が70cm離れてパター
ンを視覚する場合について以下に考える。視力が0.7
の人の目の分解能は、1.4分(=1.4°/60)で
あり、70cm離れて、300μm以上を離れた2点を
識別することができる。従って、回折格子パターンを7
0cm離れて視覚する場合に、平均の大きさ300μm
以下のセル(ドット)については、その存在(当然、形
状も)を認識できず、また形状に円形や四角形と異なる
ものを採用し、配列の特殊性を付加することによって、
本発明の目的が実現される。また、例えば、視力1.0
の人の目であっても、その分解能は、1.0分であり、
50cmの距離で観測する場合、150μm以上離れた
2点を識別できるが、300μmのセルの形状からその
文字、マークが何であるか判別することは困難である。
セル(ドット)が300μmよりはるかに小さくすれ
ば、一層、本発明に合致するが、実用上、上記の場合は
一般的であり、妥当な数値範囲である。
【0024】本発明の回折格子セル(ドット)の集まり
からなるパターンは、周知の手法により、大量複製さ
れ。シール(ステッカー)または転写箔などの形態に加
工して、基材の表面に貼着することで、偽造及び不正使
用が困難な物品を提供することができる。
からなるパターンは、周知の手法により、大量複製さ
れ。シール(ステッカー)または転写箔などの形態に加
工して、基材の表面に貼着することで、偽造及び不正使
用が困難な物品を提供することができる。
【0025】また、回折格子パターンを基材の表面に適
用する際には、剥離されて偽造や改竄などの不正使用を
防止するために、脆性破壊層を設けることや、剥離を困
難にするために、転写箔の形態とするなどの応用が考え
られる。
用する際には、剥離されて偽造や改竄などの不正使用を
防止するために、脆性破壊層を設けることや、剥離を困
難にするために、転写箔の形態とするなどの応用が考え
られる。
【0026】上記のセルサイズで、形状の異なる回折格
子セル(ドット)は、 以下のようにして作製される。図
2(a)の形状を例にとって図5及び図6で説明す
子セル(ドット)は、 以下のようにして作製される。図
2(a)の形状を例にとって図5及び図6で説明す
【0027】<2光束干渉法>図5に示すように、レー
ザービームを感光材料上で交叉させる際に、双方のビー
ム形状を、同一形状の開口(同図では、Y方向に凹凸を
有する六角形)が設けられたマスクを通過させて、意図
する形状となるように干渉させる。このとき、ビームの
感光材料面に入射する角度、方向を変化させることによ
って回折格子の空間周波数、角度(方向)を変化させる
ことができる。これにより、回折格子からなるセルが配
置されて構成されるパターンにおいて、セルの回折格子
の空間周波数及び/または角度が2種類以上ある回折格
子パターンを作製できる。
ザービームを感光材料上で交叉させる際に、双方のビー
ム形状を、同一形状の開口(同図では、Y方向に凹凸を
有する六角形)が設けられたマスクを通過させて、意図
する形状となるように干渉させる。このとき、ビームの
感光材料面に入射する角度、方向を変化させることによ
って回折格子の空間周波数、角度(方向)を変化させる
ことができる。これにより、回折格子からなるセルが配
置されて構成されるパターンにおいて、セルの回折格子
の空間周波数及び/または角度が2種類以上ある回折格
子パターンを作製できる。
【0028】<EB描画方法>図6に示すように、電子
ビーム描画装置を用いて、感光材料が搭載されたX−Y
ステージを移動させながら、感光材料上に意図する形状
となるように回折格子からなるセルを描画する。電子ビ
ーム描画の場合には、セル内の回折格子の格子縞を描画
することにより、回折格子からなるセルが配置されて構
成されるパターン(同図では、セルの形状が、Y方向に
凹凸を有する六角形)を作製できる。
ビーム描画装置を用いて、感光材料が搭載されたX−Y
ステージを移動させながら、感光材料上に意図する形状
となるように回折格子からなるセルを描画する。電子ビ
ーム描画の場合には、セル内の回折格子の格子縞を描画
することにより、回折格子からなるセルが配置されて構
成されるパターン(同図では、セルの形状が、Y方向に
凹凸を有する六角形)を作製できる。
【0029】
【発明の効果】セルを構成単位とする回折格子パターン
にあって、一層セキュリティ性の向上したパターンおよ
びそれを適用した物品が提供される。上述したように、
回折格子は特定の方向(X−Y平面では、格子縞と直交
する方向)にのみ光を回折するので、特定方向から観測
したときのみ格子縞を視覚できる。そのため、パターン
を一見して、微小な回折格子セルの存在(および形状)
を識別するのは困難である。しかし、拡散光源のような
光源下において、ルーペなどを用いて拡大して観測する
ことによって、セルの形状(例えば、六角形)を識別す
ることができる。
にあって、一層セキュリティ性の向上したパターンおよ
びそれを適用した物品が提供される。上述したように、
回折格子は特定の方向(X−Y平面では、格子縞と直交
する方向)にのみ光を回折するので、特定方向から観測
したときのみ格子縞を視覚できる。そのため、パターン
を一見して、微小な回折格子セルの存在(および形状)
を識別するのは困難である。しかし、拡散光源のような
光源下において、ルーペなどを用いて拡大して観測する
ことによって、セルの形状(例えば、六角形)を識別す
ることができる。
【0030】また、回折格子セルを、肉眼で識別するこ
とが困難な大きさとすることによって、一部の回折格子
セルの形状を変えても、全体のパターンを損なうことが
なく、全体の装飾性を変化させることなく、またパター
ン内に隠し情報を混在させることができ、セキュリティ
性を向上させることが可能である。
とが困難な大きさとすることによって、一部の回折格子
セルの形状を変えても、全体のパターンを損なうことが
なく、全体の装飾性を変化させることなく、またパター
ン内に隠し情報を混在させることができ、セキュリティ
性を向上させることが可能である。
【図1】従来の回折格子パターンの一例を示す説明図。
【図2】本発明の多角形のセル(ドット)による回折格
子パターンの一例を示す説明図。
子パターンの一例を示す説明図。
【図3】本発明の正六角形のセル(ドット)による回折
格子パターンの一例を示す説明図。
格子パターンの一例を示す説明図。
【図4】本発明の三角形のセル(ドット)による回折格
子パターンの一例を示す説明図。
子パターンの一例を示す説明図。
【図5】2光束干渉法により、セルの特殊な形状で回折
格子パターンを作製する方法を示す説明図。
格子パターンを作製する方法を示す説明図。
【図6】EB描画方法により、セルの特殊な形状で回折
格子パターンを作製する方法を示す説明図。
格子パターンを作製する方法を示す説明図。
Claims (5)
- 【請求項1】回折格子からなるセルを配置されて構成さ
れるパターンにおいて、前記セルは、四角形の形状を除
く多角形の形状であり、かつセル同士が隙間無く配置さ
れた部分を有することを特徴とする回折格子パターン。 - 【請求項2】前記セルが、セルの縦横の平均長さが30
0μm以下であることを特徴とする請求項1記載の回折
格子パターン。 - 【請求項3】前記セル形状の多角形が、正六角形である
ことを特徴とする請求項1記載の回折格子パターン。 - 【請求項4】前記セル形状の多角形が、三角形であるこ
とを特徴とする請求項1記載の回折格子パターン。 - 【請求項5】請求項1乃至請求項3記載の何れかの前記
回折格子パターンを、シール、または転写箔などの形態
に加工して、基材の表面に貼着させてなることを特徴と
する物品。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP10296539A JP2000121815A (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | 回折格子パターンおよび該回折格子パターンを適用した物品 |
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JP10296539A JP2000121815A (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | 回折格子パターンおよび該回折格子パターンを適用した物品 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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