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JP2000097942A - 免疫クロマトグラフィーのためのキット - Google Patents

免疫クロマトグラフィーのためのキット

Info

Publication number
JP2000097942A
JP2000097942A JP10265543A JP26554398A JP2000097942A JP 2000097942 A JP2000097942 A JP 2000097942A JP 10265543 A JP10265543 A JP 10265543A JP 26554398 A JP26554398 A JP 26554398A JP 2000097942 A JP2000097942 A JP 2000097942A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
sample
mobile phase
antigen
phase antibody
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10265543A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshikazu Oka
美和 岡
Osayuki Shigefuji
修行 重藤
Kimimasa Miyazaki
仁誠 宮▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP10265543A priority Critical patent/JP2000097942A/ja
Publication of JP2000097942A publication Critical patent/JP2000097942A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の方法では検出が極めて困難であった希
薄な試料からの検出対象の検出を可能とする、免疫クロ
マトグラフィーのためのキットを提供すること。 【解決手段】 抗原・抗体の特異的結合反応に基づいて
水性試料中の抗原を検出する免疫クロマトグラフィーの
ためのキット。このキットは、少なくとも試料導入部と
判定部とを有する試料泳動体と、検出対象である抗原に
それぞれ結合し得る第1、第2および第3の抗体とを包
含する。第1の抗体すなわち固定相抗体は、試料の移動
に伴う位置の変化が実質的に起きない強度で判定部に固
定化される。第2の抗体すなわち濃縮用移動相抗体およ
び該第3の抗体すなわち顕色用移動相抗体は、それぞれ
試料導入部に導入された試料と共に判定部を移動し得る
状態にある。濃縮用移動相抗体は磁性標識物に結合し、
そして顕色用移動相抗体は有機色素、金属コロイドおよ
び着色樹脂からなる群より選ばれた顕色標識物に結合し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗原・抗体の特異
的結合反応に基づいて水性試料中の抗原を検出する免疫
クロマトグラフィーのためのキットに関する。本発明は
特に、試料から極微量の抗原物質を簡便かつ迅速に検出
し得る、大規模な自動分析設備を有さない小規模医院お
よび飲食店での使用に適したキットに関する。
【0002】
【従来の技術】免疫クロマトグラフィー技術は、抗体の
持つ反応特異性を利用しており、簡便な体外診断検査器
(例えば、妊娠検査器など)に広く用いられている。検
査器に試料を添加すると、通常約3分後に陽性・陰性の
結果が得られ、素人でも簡単にその判定をし得る。この
ような免疫クロマトグラフィー装置の代表的な構造は、
例えば、オランダのユニリーバ・パテントホールディン
グス、ビー、ブイの米国特許第5,602,040号に記載され
ている。
【0003】従来の典型的な免疫クロマトグラフィー装
置の構造を、図1に示す。
【0004】試料導入部102は、試料が導入される部分
であり、導入された試料を迅速に吸収し、かつ速やかに
標識部103へと通過させる性質の多孔質担体(例えば、
ガラス繊維ろ紙など)で構成されている。中空のケース
に収納された免疫クロマトグラフィー装置の場合は、試
料導入部102を比較的長い構成とし、その一部をケース
から露出することによって、試料導入部102に試料を直
接導入することを可能にし得る。免疫クロマトグラフィ
ー装置全体がケース内に収納されている場合は、試料導
入部と接するケース位置に穴を空けることにより、その
穴から試料導入部に試料を添加することを可能にし得
る。
【0005】標識部103は、標識抗体を担持した多孔質
担体から構成される。例えば、金コロイドまたは着色ラ
テックスに吸着した抗体(標識抗体)を含む水溶液を多
孔質担体(例えば、ガラス繊維ろ紙)に含浸させた後、
凍結乾燥させることにより、これらの抗体を均一に担持
させ得る。
【0006】判定部104の多孔質担体としては、抗体を
固定しやすいことから、ニトロセルロースが最も広く用
いられる。判定部104は、固定化部105を含む。判定部は
また、コンロトール部106を含み得る。固定化部105に
は、検出対象と特異的に結合する抗体(検出抗体)が固
定されている。検出抗体(固定相抗体ともいう)は、判
定部104上の任意の領域に水溶液として滴下した後、乾
燥および洗浄することにより固定化される。コントロー
ル部106には、検出対象とは結合しないが標識抗体と結
合するコントロール抗体が固定化される。コントロール
抗体は、検出対象を認識する抗体と同様の方法で固定化
される。コントロール抗体と標識抗体との反応が確認さ
れれば、固定化部で確認された検出対象の判定が正確で
あることを示す。
【0007】吸水部107は、過剰の試料を迅速に吸収す
るために、優れた吸水力および給水容量を有する多孔質
担体(例えば、ガラス繊維ろ紙)から構成される。
【0008】試料導入部102、標識部103、判定部104、
および吸水部107を図1に示す配置で組み合わせて、試
料泳動のための試料泳動体110が構成される。試料泳動
体110は、各部が全て同じ多孔質担体から構成される場
合もあるが、通常、少なくとも一部が他の部分とは異な
る材料から構成される。例えば、抗体を固定化したニト
ロセルロース片、すなわち判定部と、ガラス繊維ろ紙か
ら構成される試料導入部および吸水部とを試料が通過し
得るように接続させて、試料泳動体を構成する。試料泳
動体は、両面テープ108に貼り付けられ、両面テープの
裏面に貼り付けられた支持体101によって一体として保
持される。試料泳動体110、両面テープ108、および支持
体101から、免疫クロマトグラフィー装置111が構成され
る。
【0009】このような免疫クロマトグラフィー装置
を、以下のように用いて、検出対象の検出が行われる。
まず、所定量の試料(通常約0.1〜2ml)を、クロマトグ
ラフィー装置の試料導入部に添加する。試料は、試料導
入部から、標識部および判定部を通過して、吸水部に向
かって移動する。標識部を試料が通過する際には、標識
部に担持されていた標識抗体が試料の水分により溶出
し、試料とともに判定部へと移動する。試料中に検出対
象(抗原)が存在する場合、標識抗体は検出対象と結合
する。標識抗体が結合した検出対象は、さらに移動して
固定化部105に到達した際に、抗原・抗体の特異的結合
反応に基づき、固定化抗体と結合する。通常、添加され
る試料の容量は、担持されている標識抗体の量に比較し
て大過剰であるので、検出対象と結合しなかった標識抗
体は過剰の試料により洗い流されて、固定化部から除か
れる。
【0010】以上の結果、検出対象を含む試料を導入し
た場合のみにおいて、固定化部で標識抗体による着色が
確認され、陽性と判定される。一方、検出対象を含まな
い試料では、標識抗体は固定化部に結合されず、判定部
を通過して吸水部に吸収される。そのため、固定化部に
着色は認められず、陰性と判定される。判定部がコント
ロール部を含む場合、標識抗体がコントロール部に達す
ると結合するので、コントロール部に標識抗体による着
色が認められる。コントロール部の着色により、試料の
泳動の終了が確認される。このようにして、試料中に検
出対象(抗原)が存在するか否かが判定され得る。
【0011】上述のような従来の免疫クロマトグラフィ
ー装置は、比較的簡便に使用し得るとはいえ、検出感度
が低く、希薄な試料からの検出対象の検出が極めて困難
であるという問題を有している。免疫クロマトグラフィ
ーは、分析技術である以上、通常、検出感度は高いほど
望ましい。免疫クロマトグラフィーで感度を向上させる
ためには、アフィニティー、すなわち抗原に対する結合
能力のより高い抗体を使用する必要がある。しかし、抗
体のアフィニティーには事実上限界があるため、抗体の
改良だけでは、検出感度の向上に限界がある。以上のこ
とから、より検出感度の高い免疫クロマトグラフィーを
可能にする手段が望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
の解決を意図するものであり、従来の方法では検出が極
めて困難であった希薄な試料からの検出対象の検出を可
能とする、免疫クロマトグラフィーのためのキットを提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のキットは、抗原
・抗体の特異的結合反応に基づいて水性試料中の抗原を
検出する免疫クロマトグラフィーのためのキットであっ
て、少なくとも試料導入部と判定部とを有する試料泳動
体と、検出対象である抗原にそれぞれ結合し得る第1、
第2および第3の抗体とを包含し、該第1の抗体すなわ
ち固定相抗体は試料の移動に伴う位置の変化が実質的に
起きない強度で該判定部に固定化され、該第2の抗体す
なわち濃縮用移動相抗体および該第3の抗体すなわち顕
色用移動相抗体は、それぞれ該試料導入部に導入された
試料と共に該判定部を移動し得る状態にあり、ここで、
該濃縮用移動相抗体は磁性標識物に結合し、そして該顕
色用移動相抗体は有機色素、金属コロイドおよび着色樹
脂からなる群より選ばれた顕色標識物に結合している。
本明細書において、抗体が抗原に「結合し得る」とは、
直接的に抗原に結合し得る場合だけでなく、他の種類の
抗体を介して抗原に間接的に結合し得る場合も含めてい
う。すなわち、結果的に、抗原と上記3種類の抗体とを
含む適切な複合体が成立すればよい。特に、上記濃縮用
移動相抗体および顕色用移動相抗体は、一方の抗体が抗
原に直接結合し、その抗体に対して他方の抗体が結合す
る関係にあり得る。つまり、固定相抗体および濃縮用移
動相抗体が抗原に直接結合し、顕色用移動相抗体は濃縮
用移動相抗体に結合してもよい。一方、固定相抗体およ
び顕色用移動相抗体が抗原に直接結合し、濃縮用移動相
抗体は顕色用移動相抗体に結合してもよい。さらに、濃
縮用移動相抗体および顕色用移動相抗体が抗原に直接結
合し、固定相抗体が濃縮用移動相抗体に結合することも
可能である。
【0014】上記試料泳動体と濃縮用移動相担体とは、
それぞれ個別の容器に収容されて提供され得る。かかる
態様において、本発明のキットは、上記濃縮用移動相抗
体を可逆的に局在化し得る磁場印加手段、および上記濃
縮用移動相抗体を保持するための前処理容器の少なくと
も一方をさらに包含し得る。
【0015】上記濃縮用移動相抗体の磁性標識物は、F
e、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mg、Cd、Gd、Tbおよびそれら
の酸化物ならびにそれらの混合物からなる群より選ばれ
た少なくとも1種を含み得る。
【0016】本発明のキットにおいて、顕色用移動相抗
体は、上記試料泳動体上に保持され得る。このとき、顕
色用移動相抗体と試料泳動体とは、一体となって免疫ク
ロマトグラフィー装置を構成する。
【0017】上記顕色用移動相抗体の顕色標識物は有機
色素であり得る。この有機色素は、シアニン系色素であ
り得る。シアニン系色素は、以下の式で示される化合物
からなる群より選択され得る(ここで、Xはハロゲン、
Mは水素またはアルカリ金属、nは1〜4の整数であ
る):
【0018】
【化7】
【化8】 および
【化9】
【0019】上記シアニン色素は、以下の式で示される
化合物からなる群より選択され得る:
【化10】
【化11】 および
【化12】
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】本発明においては、他に特定されない限
り、当該分野で公知である、タンパク質の分離および分
析法、ならびに免疫学的手法が採用され得る。これらの
手法は、市販のキット、抗体、標識物質などを使用して
行い得る。
【0022】本発明のキットは、抗原・抗体の特異的結
合反応に基づいて水性試料中の抗原を検出する免疫クロ
マトグラフィーのために提供される。水性試料は、水を
溶媒として含む任意の試料であり得る。水性試料の例と
しては、尿、血液、血漿、血清、唾液、乳、汗などの体
液およびそれらの分画物のような生体由来の試料;井戸
水、地下水、水道水、果汁のような天然由来の試料;な
らびに食料品、野菜、肉、卵などの粉砕物を水に懸濁し
た試料であり得る。
【0023】検出対象とされる抗原の例としては、絨毛
性ゴナドトロピン、C反応性タンパク質、黄体形成ホル
モン、成長ホルモン、ガン胎児性抗原、αフェトプロテ
イン、濾胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、黄体形
成ホルモン放出ホルモン、低密度リポタンパク質(LD
L)、高密度リポタンパク質(HDL)のような哺乳動物由
来のペプチドまたはタンパク質;サルモネラ菌、大腸
菌、赤痢菌、結核菌のような微生物由来のタンパク質ま
たは微生物菌体自体;ならびにHIVウイルス、A型肝炎
ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型
肝炎ウイルスのようなウイルス由来のタンパク質または
ウイルス粒子自体が挙げられる。
【0024】本発明のキットは、少なくとも試料導入部
と判定部とを有する試料泳動体と、検出対象である抗原
にそれぞれ結合し得る第1、第2および第3の抗体とを
構成要素として含む。試料泳動体の材料としては、検出
対象の抗原に対する非特異的な吸着を実質的に示すこと
がなく、かつ水性試料の移動を可能にする、任意の多孔
質担体を用い得る。多孔質担体の例としては、セルロー
ス、ニトロセルロース、ガラス繊維ろ紙、スチロール樹
脂、ビニル系樹脂が挙げられる。多孔質担体の水に対す
る親和性が低い場合は界面活性剤を用いてもよい。試料
泳動体の形状は特に限定されないが、シート状に形成さ
れていることが好ましい。試料泳動体の試料導入部と判
定部とには、連続した同一の多孔質担体を用いてもよい
し、異なる材料を用いてもよい。試料導入部は、好まし
くは、ガラス繊維ろ紙、セルロースである。判定部は、
好ましくは、ニトロセルロース、ガラス繊維ろ紙であ
る。試料導入部と判定部とを、共にニトロセルロースで
構成すると、試料の流速が著しく低くなるので、判定部
だけをニトロセルロースで構成し、試料導入部には、試
料の流速がより早いガラス繊維ろ紙などを用いることが
好ましい。
【0025】試料泳動体の判定部には、試料の移動に伴
う位置の変化が実質的に起きない強度で、第1の抗体、
すなわち固定相抗体が固定化されている。この抗体は、
検出対象の抗原に結合し得る任意の抗体であり得る。
【0026】固定相抗体は、当該分野で公知の方法によ
り、適切な量で試料泳動体に固定化され得る。例えば、
判定部がニトロセルロースである場合、抗体を含む溶液
をニトロセルロース上に滴下した後、乾燥、および洗浄
することにより、抗体を非特異的に吸着させ得る。他の
固定化法として、例えば、特願平8-283297号公報に記載
のような糖コンジュゲートを用いて、抗体をガラス濾紙
などに固定化してもよい。判定部の表面は、検出反応の
際の非特異的吸着によるバックグラウンドの発色を防止
するため、抗体の固定化の後、例えば、ウシ血清アルブ
ミン(BSA)などで処理され得る。この操作はブロッ
キングと呼ばれ、その方法は当該分野で公知である。
【0027】本発明における第2および第3の抗体、す
なわち濃縮用移動相抗体および顕色用移動相抗体は、い
ずれも試料と共に試料泳動体を移動し得る状態にある。
これらの移動相抗体は、それぞれ、検出対象の抗原に結
合し得、かつその結合が同じ抗原と固定相抗体との結合
を妨げない限り、任意の抗体であり得る。
【0028】濃縮用移動相抗体は、磁性標識物に結合す
ることにより標識されている。磁性標識物の例として
は、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Mg、Cd、Gd、Tbまたはそ
れらの酸化物もしくはそれらの混合物が挙げられる。磁
性標識物の形状は特に制限されないが、クロマトグラフ
ィーでの移動が容易であるように、微粒子であることが
好ましい。微粒子は、通常、抗体との結合を容易にする
ために、その表面が高分子化合物(例えば、シラン)な
どでコーティングされ得る。存在し得るコーティング部
分も含めた微粒子の粒径は、通常、約0.01μm〜10μm、
好ましくは約0.05μm〜0.5μm程度であり得る。微粒子
の粒径は、より定量的な測定のためには、ほぼ均一であ
ることが好ましい。磁性標識物は、例えば、滋賀県工業
技術センター研究報告(「機能性微粒子の利用技術に関
する研究」1995年VOL.9)に示された方法で合成し得
る。磁性標識物による抗体の標識は、例えば、化学技術
誌(「磁性細菌粒子の機能とその応用」昭和62年7月
号)に示された方法で実施し得る。
【0029】顕色用移動相抗体は、顕色標識物に結合す
ることにより標識されている。顕色標識物の例として
は、有機色素、金属コロイド、着色樹脂が挙げられる。
【0030】有機色素の例としては、シアニン系、クス
リン系、インジゴ系の色素が挙げられる。有機色素は、
抗体と結合した状態で水性試料とともに試料泳動体上を
泳動し得る程度に水溶性であることが望ましい。また、
検出の便宜から、可視光領域に最大吸収波長を有する有
機色素が望ましい。
【0031】本発明において、有機色素は、モル吸光係
数が高く吸収波長に自由度があるという点で、好ましく
はシアニン系色素である。シアニン系色素の好ましい例
としては、以下の一般式のいずれかに示される構造を有
する色素が挙げられる:
【0032】
【化13】
【化14】 および
【化15】 ここで、Xはハロゲンであり、Mは水素またはアルカリ
金属であり、そしてnは1〜4の整数である。Xで示さ
れるハロゲンの例としては、フッ素、塩素、臭素、およ
びヨウ素が挙げられ、好ましくはヨウ素である。Mで示
されるアルカリ金属の例としては、リチウム、ナトリウ
ム、およびカリウムが挙げられ、好ましくはカリウムで
ある。nは、好ましくは2である。シアニン系色素は、
より好ましくは以下の式のいずれかに示される構造を有
する化合物である:
【化16】
【化17】 および
【化18】
【0033】金属コロイドの例としては、金コロイド、
銀コロイド、塩化銀コロイドが挙げられるが、着色が容
易に肉眼で判別できる点から金コロイドが好ましい。
【0034】着色樹脂の例としては、着色ポリスチレ
ン、着色ポリ塩化ビニル、着色ポリカーボネートなどの
コロイドが挙げられるが、中でも着色ポリスチレンのコ
ロイド粒子、すなわち着色ラテックスが、タンパク質の
吸着の容易性、水に対する分散性の点から好ましい。
【0035】顕色標識物による第3の抗体の標識は、当
該分野で公知の方法で行われる。シアニン系標識色素お
よびシアニン標識タンパク質の製造方法は、例えば、特
開平8-259826号公報に開示されている。また、シアニン
系色素で標識した重合抗体およびその製造方法が、特開
平9-325147号公報に開示されている。シアニン系色素で
標識する場合、特開平9-325147号公報に開示される方法
に従って、色素標識した重合抗体を作製することが好ま
しい。色素標識重合抗体を顕色用移動相抗体として用い
ると、一分子あたり多数の抗原結合部位が存在するため
に、対象抗原の検出感度が極めて高くなり、検出の定量
性がより向上するという利点がある。金属コロイドおよ
び着色樹脂での抗体の標識方法は、当該分野で周知であ
る。
【0036】濃縮用移動相抗体は、通常、試料を試料導
入部に添加する前に、試料と混合するために、免疫クロ
マトグラフィー装置とは別に、適切な形態、例えば、溶
液として提供され得る。この場合、濃縮用移動相抗体が
検出対象の抗原と結合した状態で試料の溶媒の大部分を
除去することにより、試料中の抗原を濃縮する工程(前
処理工程)を実施し得る。もっとも、水性試料が格別の
濃縮を要しない場合においては、濃縮用移動相抗体は試
料泳動体上に移動可能な状態で担持されていてもよい。
【0037】一方、顕色用移動相抗体は、試料泳動体上
に移動可能な状態で担持されて提供され得る。顕色用移
動相抗体を担持する部分は、標識部を構成し、これは、
試料導入部または判定部と同じかまたは異なる多孔質担
体であり得る。上述のように、標識部は、さらに濃縮用
移動相抗体を担持することがある。この場合、水性試料
は、試料導入部に直接添加され得る。試料泳動体への移
動相抗体の担持方法は当該分野で公知である。例えば、
抗体を含む溶液を試料泳動体に含浸させ、その後凍結乾
燥することにより、抗体を試料泳動体に担持させ得る。
【0038】顕色用移動相抗体は、上記前処理工程を行
う態様のために、試料を試料導入部に添加する前に、試
料と混合するために、免疫クロマトグラフィー装置とは
別に、適切な形態、例えば、溶液として提供され得る。
【0039】本発明においては、通常、固定相抗体と、
濃縮用移動相抗体および顕色用移動相抗体の少なくとも
一方とは、検出対象の抗原分子に同時に結合する性質を
有しており、抗体−抗原−抗体のいわゆるサンドイッチ
反応を行う。従って、異なる種類の抗体が抗原の異なる
部位に結合するか、あるいは抗体の認識部位が同じで、
抗原が当該認識部位を複数含む構造を有している。これ
らの抗体は、ポリクローナル抗体であっても、モノクロ
ーナル抗体であってもよく、キメラ抗体、Fab抗体、(Fa
b)2抗体などの形態でもあり得る。抗体のクラスは特に
限定されないが、好ましくは、IgGである。当業者は、
検出対象の抗原に対応して適切な抗体を選択し得る。一
定の抗原に結合するポリクローナル抗体またはモノクロ
ーナル抗体などは、当該分野で公知であり、容易に入手
し得る。抗体はまた、当該分野で公知の免疫学的方法な
どに従って作製し得る。
【0040】上記前処理工程を伴う免疫クロマトグラフ
ィーのために、本発明のキットは、移動相抗体を可逆的
に局在化し得る磁場印加手段を含み得る。磁場印加手段
は、磁性標識物を磁力で吸引し得る任意の手段であり
得、その材料および形状は、特に限定されない。磁場印
加手段を用いることにより、上記前処理工程において、
磁性標識物と結合した抗原を出発試料から選択的に濃縮
し得、結果として、抗原の検出感度が著しく向上する。
【0041】従って、本発明のキットは、移動相抗体を
保持する前処理容器をさらに含み得る。前処理容器は、
外部から印加される磁場を実質的に遮断しない限り任意
の容器であり得、その例として、ビーカー、フラスコ、
チューブ、セル、バイアルが挙げられる。前処理容器の
形状は、特に限定されないが、大容量の出発試料から濃
縮された極少容量の濃縮試料を取り出しやすい形状であ
ることが好ましい。前処理容器の材質は、特に限定され
ないが、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、ポリカーボネートのようなプラスチック;
ガラス;シリコン樹脂が挙げられる。前処理容器の容量
は、通常、約10mL〜約100L、好ましくは約100m
L〜約10L、より好ましくは約500mL〜約5Lであり
得る。また、この前処理容器は、家庭用のジューサーあ
るいはミキサーのように、試料の水分を抽出するか、あ
るいは試料を粉砕し、水を混合する機能を有していても
よい。
【0042】本発明のキットは、上記試料泳動体におい
て、吸水部として用いられる部分をさらに含み得る。吸
水部は、過剰の試料を迅速に吸収するために、優れた吸
水力および給水容量を有する多孔質物質から構成され
る。多孔質担体の吸水部の多孔質物質の例としては、ガ
ラス繊維ろ紙、セルロースが挙げられる。
【0043】本発明のキットは、上記試料泳動体におい
て、コントロール抗体をさらに含み得る。コントロール
抗体は、検出対象の抗原とは結合せず移動相抗体の少な
くとも一方と結合する任意の抗体であり得る。コントロ
ール抗体によって、抗原と結合していない移動相抗体の
存在を検出することにより、試料が判定部を通過したこ
とを容易に判断し得る。コントロール抗体は、試料泳動
体の判定部において、固定相抗体とは異なる任意の位置
に固定化され得る。好ましくは、固定相抗体が固定化さ
れた位置よりも吸水部に近い側の位置である。コントロ
ール抗体の固定化は、固定相抗体の固定化と同様の方法
により行われ得る。
【0044】本発明のキットによる免疫クロマトグラフ
ィー装置211の構成を、図2に例示する。試料導入部20
2、標識部203、判定部204、および吸水部207を、図2に
示すように順次配置して、試料泳動体210が組立てられ
る。判定部204は、第1の抗体(固定相抗体)が固定化
された固定化部205を含む。判定部204はまた、コントロ
ール抗体が固定化されたコンロトール部を含み得る。標
識部203には、顕色用移動相抗体が担持される(上述の
ように、標識部の存在は任意である)。試料泳動体は、
両面テープ208に貼り付けられ、そして両面テープを介
して、支持体201上に保持される。
【0045】上記磁場印加手段および前処理容器を用い
て免疫クロマトグラフィーを行う場合、出発試料は、試
料導入部への添加の前に、予め前処理容器中で濃縮用移
動相抗体(および必要に応じて顕色用移動相抗体)と混
合される。試料中の検出対象抗原を濃縮用移動相抗体と
結合させた後、前処理容器の外部より磁場印加手段を適
用することにより、抗原・磁性標識抗体結合物が前処理
容器の内壁に吸着される。試料の溶媒(上清)の大部分
を除去し、磁場を取り除いた後、必要に応じて微少量の
分散媒(例えば、バッファー)を加えることにより、抗
原が高度に濃縮された試料を得ることができる。この前
処理工程で得られた濃縮率に応じて、免疫クロマトグラ
フィーの検出感度の向上が図れる。
【0046】得られた濃縮試料は、免疫クロマトグラフ
ィー装置の試料導入部に添加されると、試料導入部から
判定部を通過して移動する。ここで、検出対象の抗原は
濃縮用移動相抗体と結合した状態で移動する。(前処理
工程において顕色用移動相抗体が使用されない場合に
は)標識部に到達した抗原は、ここで顕色用移動相抗体
と結合してさらに移動する。判定部中の固定化部に到達
した抗原は、さらに固定相抗体と結合して固定化され
る。抗原と結合していない移動相抗体は、過剰の試料が
固定化部を通過して流れることにより洗い流される。そ
の結果、検出対象を含む試料では、固定化部で移動相抗
体の顕色標識および磁性標識による着色が確認され、陽
性と判定される。一方、検出対象を含まない試料では、
移動相抗体は固定化部に結合されないため、固定化部に
おける着色は認められず、陰性と判定される。このよう
にして、試料中に検出対象の抗原が存在するか否かが確
認され得る。
【0047】以上のように、試料中の抗原は、磁性標識
物および顕色標識物による固定化部の着色に基づいて、
目視または吸光光度計での測定により検出し得る。顕色
標識物の中でも有機色素を用いると、高感度で特に信頼
性の高い定量的な検出が可能であるため、有機色素の使
用は特に好ましい。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0049】<実施例> [判定部の作製]0.7cm×1.2cmのニトロセルロース(ミ
リポア社製)の短辺の端から0.5cmの上に、抗サルモネ
ラポリクローナル抗体5mg/mLを含有するPBS溶液1.0μL
を、ニトロセルロースの長辺に対して垂直方向に端から
端まで幅約1.0mmのライン状に滴下し、その後、40℃4
時間遮光状態で乾燥することにより、抗サルモネラポリ
クローナル抗体を固定化した。得られた固定化ニトロセ
ルロースを、1%スキムミルクを含有する0.1Mトリス溶
液(pH8.2)に浸潤し、30℃30分間シェイカーにて振盪
することにより、ブロッキングした。ブロッキング後、
ニトロセルロースを、0.1Mトリス溶液(pH8.2)で30℃3
0分間にて3回洗浄した後、デシケータ内にて一晩乾燥
させた。乾燥後の抗体固定化ニトロセルロースを、判定
部の多孔質担体として用いた。
【0050】[標識部の作製] (a)抗サルモネラポリクローナル抗体のPBS溶液(10mg/m
L)にジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネ
ート)のPBS溶液(4.06mg/0.1mL)をゆっくり滴下し、3
5℃30分間撹拌することにより、抗体を多量体化させ
た。30分後、このPBS溶液を分子量分画カラム(ファル
マシア社製:セファデックスG25M)にてゲル濾過し、
6mLの重合抗体含有PBS溶液(10mg/6mL)を得た。これ
を、使用するまで4℃で保存した。
【0051】(b)ウシ血清アルブミン(BSA)のPBS溶液
(110mg/mL)にジチオスレイトール77mgを添加し(最終
濃度7.7mg/mL)、室温で30分間撹拌することにより、BS
AのSH基を遊離させた。30分後、速やかに分子量分画カ
ラム(ファルマシア社製:セファデックスG25M)にて
ゲル濾過して、SH基が遊離したBSAを含有するPBS溶液
(全体量24mL)を得た。
【0052】(c)得られたBSA含有PBS溶液を、(b)の4℃
保存の重合抗体含有PBS溶液(10mg/6mL)と混合し、4℃
で20時間撹拌することにより、重合抗体とBSAとを結合
させた。20時間後、この溶液を、未反応のBSAを除くた
め、分子量分画カラム(ファルマシア社製:セファクリ
ルS300HR)にてゲル濾過し、抗サルモネラ重合抗体−BS
A含有PBS溶液(全体量40mL〜50mL)を得た。
【0053】(d)得られた抗サルモネラ重合抗体−BSA含
有PBS溶液に、以下の構造式を有するシアニン系色素SLI
C3のPBS溶液(350mg/2mL)をゆっくり滴下し、次いで4
℃で20時間撹拌することにより、SLIC3をBSAと結合させ
た:
【化19】
【0054】(e)20時間後、この溶液を、未反応のSLIC3
を除くために、分子量分画カラム50cmおよび150cm(フ
ァルマシア社製:セファデックスG25M)にてゲル濾過
し、抗サルモネラ重合抗体−BSA−SLIC3(SLIC3標識抗
サルモネラ重合抗体)含有PBS溶液を得た(全体量60mL
〜90mL)。
【0055】(f)得られたSLIC3標識抗サルモネラ重合抗
体含有PBS溶液に、適量の安定剤(BSAおよびシュクロー
ス)を添加した。
【0056】(g)約0.9cm×約0.7cmの大きさのガラス濾
紙に、SLIC3標識抗サルモネラ重合抗体含有PBS溶液を0.
3mL/1sheetで含浸した後、ガラス濾紙を凍結乾燥した。
【0057】(h)凍結乾燥後、標識化したガラス濾紙を
遮光乾燥状態で保存した。
【0058】[免疫クロマトグラフィー装置の作製]試
料導入部および吸水部の多孔質担体としては、それぞ
れ、約0.7cm×約2.5cmのガラス繊維ろ紙を用いた。
【0059】約0.7cm×約6.0cmの両面テープを、約0.7c
m×約6.0cmの白色硬質エンビ板の支持体の表面に張っ
た。両面テープの反対側に、上記の試料導入部、標識
部、判定部、および吸水部を、図2の斜視図に示すよう
に貼り付けることによって試料泳動体を構成し、免疫ク
ロマトグラフィー装置を作製した。
【0060】[前処理容器でのサルモネラ菌の濃縮]サ
ルモネラ菌を、1×101〜1×109 cells/mLの範囲の
各種濃度でリン酸緩衝食塩水(PBS)に分散した分散液
を用意した。これらの分散液を、水性試料として用い
た。サルモネラ菌を含まないPBSを、コントロールの水
性試料として用いた。
【0061】磁気微粒子としてBio-Mag4100(Advanced
Magnetics, Boston)を使用した。Bio-Mag4100は、粒径
が約1.0μmであり、中心部が酸化鉄でできており、その
表面は高分子化合物のシラン(silane)でコーティング
してあり、複合体を作製するのに十分な多数のアミノ基
を有している。このBio-Mag4100 100mgに、1%グルタ
ルアルデヒドPBS溶液5mLを混合し、1時間撹拌した。
上清を除去し、このグルタルアルデヒド処理したBio-Ma
g4100を、抗サルモネラポリクローナル抗体0.2mg/mL 5m
Lに分散し、一晩撹拌した。上清を除去し、PBS溶液を添
加し、20mg/mLPBS分散液の免疫磁気微粒子を得た。
【0062】1L用ガラス製ビーカー中で水性試料1L
に対して、免疫磁気微粒子の分散液4mLを添加した。サ
ルモネラ菌と免疫磁気微粒子との十分な結合のために、
水性試料と免疫磁気微粒子分散液との混合液を、緩やか
に混和しながら室温(23℃)で1時間インキュベートし
た。インキュベートの後、永久磁石(表面磁束密度1800
Gauss、残留磁束密度11000Gauss、外径φ15mm×高さ1
50mm)を前処理容器の外壁から適用し、免疫磁気微粒子
とサルモネラ菌との結合物を前処理容器の内壁面に吸引
した。これにより、前処理容器の内壁面に、免疫磁気微
粒子が濃縮されたドットペレットが得られた。濃縮され
た免疫磁気微粒子を吸引しないように注意しながら上清
を除去した。次いで、永久磁石をはずした。ドットペレ
ット(免疫磁気微粒子とサルモネラ菌の結合物)にPBS
溶液1mLを添加し、ボルテックスをかけることにより、
結合物が懸濁した濃縮試料を得た。
【0063】[濃縮試料の泳動と検出]上記の懸濁試料
1mLを、上記の免疫クロマトグラフィー装置の試料導入
部に添加し、10分間放置した。この間に、添加された懸
濁試料は、試料導入部から、標識部および判定部を通過
して吸水部へと泳動した。検出終了は、黒色を帯びた磁
性標識された移動相抗体が、固定化部を通過し、吸水部
に完全に吸収されて、黒色が判定部上を通過しなくなっ
たときである。時間にして約3〜10分間以内で泳動終了
が目視で確認可能である。クロマトグラフィーの終了3
0分後、反射吸光度測定器(島津製作所製CS9300)によ
り、550nm(SLIC3の最大吸収波長)の入射光に対する
固定化部の反射光の強度を測定した。ブランクは、未使
用のニトロセルロース表面とした。
【0064】[測定結果]実施例で得られた結果を、図
3に示す。本実施例による磁性免疫クロマトグラフィー
では、良好な感度が得られた範囲は1×103〜1×106ce
lls/mLであった。磁性標識抗体および色素標識抗体を用
いない従来の免疫クロマトグラフィーでは、一般に、良
好な感度が得られる範囲は1×105〜1×106cells/mLで
あるので、本発明により、従来技術と比較して、約100
倍以上の検出限界の向上が可能であることが示された。
【0065】さらに、図3に示されるように、本実施例
による磁性免疫クロマトグラフィーでは、菌対数と検出
シグナルとがほぼ直線的に相関している。従って、本発
明により、特に信頼性の高い定量的な検出が可能である
ことが示された。
【0066】
【発明の効果】本発明により、抗原・抗体の特異的結合
反応に基づいて水性試料中の抗原を検出する免疫クロマ
トグラフィーのためのキットが提供される。本発明のキ
ットを用いる免疫クロマトグラフィーによれば、微生物
および微生物由来タンパク質などの検出において、出発
試料から検出対象を効率的に濃縮し得、検出速度の向
上、検出感度の増加、および検出感度のダイナミックレ
ンジの拡大を同時に達成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の免疫クロマトグラフィー装置を示す斜
視図である。
【図2】 本発明の免疫クロマトグラフィーキットによ
る免疫クロマトグラフィー装置の構成例を示す斜視図で
ある。
【図3】 出発試料中のサルモネラ濃度と判定部におけ
る反射光強度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
101、201 支持体 102、202 試料導入部 103、203 標識部 104、204 判定部 105、205 固定化部 106 コントロール部 107、207 吸水部 108、208 両面テープ 110、210 試料泳動体 111、211 免疫クロマトグラフィー装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮▲崎▼ 仁誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4C063 AA01 AA05 BB08 CC06 DD04 EE10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗原・抗体の特異的結合反応に基づいて
    水性試料中の抗原を検出する免疫クロマトグラフィーの
    ためのキットであって、 少なくとも試料導入部と判定部とを有する試料泳動体
    と、検出対象である抗原にそれぞれ結合し得る第1、第
    2および第3の抗体とを包含し、該第1の抗体すなわち
    固定相抗体は試料の移動に伴う位置の変化が実質的に起
    きない強度で該判定部に固定化され、該第2の抗体すな
    わち濃縮用移動相抗体および該第3の抗体すなわち顕色
    用移動相抗体は、それぞれ該試料導入部に導入された試
    料と共に該判定部を移動し得る状態にあり、ここで、該
    濃縮用移動相抗体は磁性標識物に結合し、そして該顕色
    用移動相抗体は有機色素、金属コロイドおよび着色樹脂
    からなる群より選ばれた顕色標識物に結合している、免
    疫クロマトグラフィーのためのキット。
  2. 【請求項2】 前記濃縮用移動相抗体を可逆的に局在化
    し得る磁場印加手段をさらに包含する、請求項1に記載
    のキット。
  3. 【請求項3】 前記濃縮用移動相抗体を保持するための
    前処理容器をさらに包含する、請求項2に記載のキッ
    ト。
  4. 【請求項4】 前記磁性標識物が、Fe、Mn、Co、Ni、C
    u、Zn、Mg、Cd、Gd、Tbおよびそれらの酸化物ならびに
    それらの混合物からなる群より選ばれた少なくとも1種
    を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のキット。
  5. 【請求項5】 前記顕色用移動相抗体が前記試料泳動体
    上に保持された、請求項1に記載のキット。
  6. 【請求項6】 前記顕色標識物が、有機色素である、請
    求項1に記載のキット。
  7. 【請求項7】 前記有機色素が、シアニン系色素であ
    る、請求項6に記載のキット。
  8. 【請求項8】 前記シアニン系色素が、以下の式で示さ
    れる化合物からなる群より選択される(ここで、Xはハ
    ロゲン、Mは水素またはアルカリ金属、nは1〜4の整
    数である)、請求項7に記載のキット: 【化1】 【化2】 および 【化3】
  9. 【請求項9】 前記シアニン系色素が、以下の式で示さ
    れる化合物からなる群より選択される、請求項8に記載
    のキット: 【化4】 【化5】 および 【化6】
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002006837A1 (fr) * 2000-07-14 2002-01-24 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Proteine a marquage de particules et immuno-chromatographe utilisant ce dernier
WO2003016914A1 (fr) * 2001-08-17 2003-02-27 Shanghai Health Digit Limited Kit de diagnostic simultane d'une pluralite de maladies infectieuses et technique de preparation de celui-ci
WO2003023403A1 (en) * 2001-08-29 2003-03-20 Shanghai Health Digit Limited A KIT FOR THE SIMULTANEOUS DIAGNOSIS OF FOUR KINDS OF DISEASES (ToRCH) RESULTING IN DEFORMITY FETUS AND A METHOD FOR PREPARATION OF IT
JP2012189453A (ja) * 2011-03-10 2012-10-04 Toppan Printing Co Ltd 標識磁性粒子を用いた被検物質の検出方法、及び被検物質の検出システム
CN109911425A (zh) * 2019-01-29 2019-06-21 新疆维吾尔自治区人民医院 一种肺结核病检测试剂盒及其应用

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