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JP2000097325A - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

Info

Publication number
JP2000097325A
JP2000097325A JP10287223A JP28722398A JP2000097325A JP 2000097325 A JP2000097325 A JP 2000097325A JP 10287223 A JP10287223 A JP 10287223A JP 28722398 A JP28722398 A JP 28722398A JP 2000097325 A JP2000097325 A JP 2000097325A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engagement
torque
shift
speed
automatic transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10287223A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Nanba
篤史 難波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP10287223A priority Critical patent/JP2000097325A/ja
Publication of JP2000097325A publication Critical patent/JP2000097325A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】イナーシャ相制御における係合要素の制御油圧
を、自動変速機の変速モデルに基づいて算出することに
より、マップに依存する程度を減らす。 【解決手段】慣性項、粘性項、及びフィードバック項を
有する変速モデルの入力パラメータは、タービン回転数
ω1 、アウトプット回転数ω5 、予め設定された目標タ
ービン回転数ωr 、タービントルクTT である。これら
のパラメータを有する項を加算して求められたトルクか
ら、制御油圧を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機に係
り、特に変速時のイナーシャ相制御における係合要素の
油圧制御に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の自動変速機は、トル
クコンバータと機械式の変速機構で構成されている。ト
ルクコンバータは、クランクシャフトのトルク、すなわ
ち駆動機関であるエンジンの出力トルクを変速機の入力
軸に出力する。一方、変速機構は、この入力軸のトルク
をさらに変速して、変速機の出力軸に出力する。変速機
構における変速は、サンギア、リングギア、ピニオンギ
ア等で構成された動力伝達機構の特性を切り替えること
により達成される。この動力伝達特性の切り替えは、ギ
アに連結されたクラッチやブレーキといった係合要素に
対する係合制御(係合または解放)により行われる。
【0003】ところで、自動変速機における変速制御
は、原則として、変速開始時制御、トルク相制御、イナ
ーシャ相制御、変速終了時制御という順序で進行する。
ここでイナーシャ相とは、タービン回転数(変速機の入
力軸の回転数)が変速比の変化に伴い変化する区間であ
る。タービン回転数は、アップシフトの際は低下し、ダ
ウンシフトの際は上昇する。イナーシャ相制御におい
て、係合側(すなわち後段側)のクラッチまたはブレー
キ(以下、これらを係合要素という)を急激に係合させ
ると、タービン回転数が急激に変化して変速ショックが
生じてしまう。逆に、この係合要素を必要以上に緩やか
に係合させると、変速に要する時間が長くなり、変速の
間延び感をドライバーに与えてしまうので好ましくな
い。従って、シフトクオリティの観点で見ると、イナー
シャ相制御時において、タービン回転数を適切な時間内
で適切な変化率で変化させることが重要である。
【0004】従来、イナーシャ相制御時における係合要
素の油圧制御は、変速状態を示すパラメータと制御油圧
との関係を示すマップを主体に行われていた。このよう
なパラメータとして、例えば入力軸のトルクや軸の回転
速度などが挙げられる。センサにより検出されたこれら
のパラメータから、マップを参照して、対応した制御油
圧が決定される。しかしながら、このようなマップを主
体にして制御油圧の算出を行おうとすると、マップを多
用しなければならない場合が多い。従って、セッティン
グすべき事項が膨大になってしまうと共に、制御フロー
が複雑になってしまうといった問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、イナーシャ相制御時の係合要素の制御油圧の算出に
おいて、マップに依存する程度を減らすことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明の第1の形態は、自動変速機において、駆
動機関からの駆動力を受ける入力軸と、車輪に駆動力を
伝達する出力軸と、入力軸と出力軸との間の動力伝達特
性を設定する複数の係合要素と、変速時に係合要素の解
放及び係合を制御する制御手段とを有し、この制御手段
は、イナーシャ相制御において、入力軸の回転数が、入
力軸の回転数の変化を規定した目標パターンに基づき設
定された目標回転数に追従するように、自動変速機の変
速モデルに基づき、係合側の係合要素の油圧を変化させ
る自動変速機を提供する。
【0007】また、本発明の第2の形態は、自動変速機
において、駆動機関からの駆動力を受ける入力軸と、車
輪に駆動力を伝達する出力軸と、入力軸と出力軸との間
の動力伝達特性を設定する複数の係合要素と、変速時に
係合要素の解放及び係合を制御する制御手段とを有し、
この制御手段は、イナーシャ相制御において、入力軸の
回転数が、入力軸の回転数の変化を規定した目標パター
ンに基づき設定された目標回転数に追従するように、自
動変速機の第1の変速モデルに基づき、係合側の係合要
素の油圧を変化させると共に、当該追従の過程におい
て、出力軸のトルクが実質的に変化しないように、自動
変速機の第2の変速モデルに基づき、係合側の係合要素
以外の他の係合要素の油圧を変化させる自動変速機を提
供する。
【0008】ここで、上記の第1または第2の形態にお
いて、変速モデルは、複数の変速モデルが設けられてい
て、変速の種類ごとに異なる変速モデルを用いることが
好ましい。それぞれの変速モデルは、出力軸に関する粘
性項及び目標回転数に関する粘性項を有することが望ま
しく、また、目標回転数に関する慣性項を有していても
よい。さらに、変速モデルは、目標回転数と入力軸の回
転数との偏差に関するフィードバック項を有することが
好ましい。
【0009】また第2の形態において、出力軸のトルク
が、イナーシャ相制御において、変速後のトルクと一致
した状態を実質的に維持するように、解放側の係合要素
の油圧を、第2の変速モデルに基づき、一時的に上昇さ
せることが好ましい。また、出力軸のトルクが、イナー
シャ相制御において、係合側の係合要素の油圧変化によ
り生じた出力軸のトルクの変動を打ち消すように、他の
係合要素の油圧を、第2の変速モデルに基づいて、一時
的に上昇させてもよい。
【0010】また、第1及び第2の形態において、係合
要素ごとに対応づけて設けられた複数のリニアソレノイ
ドバルブをさらに有し、リニアソレノイドバルブのそれ
ぞれは、制御手段からの制御電流に応じた油圧を係合要
素に与えることにより、係合要素の係合制御を行うよう
に構成することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、一例としての自動変速機
(AT)における概略的構造を示す図である。エンジン
のクランクシャフト9からの駆動力は、トルクコンバー
タ10を介して、この変速機のタービンシャフト11に
伝達される。変速機の入力軸であるタービンシャフト1
1は、リアプラネタリ2のサンギアに連結されている。
一方、変速機の出力軸であるリダクションドライブシャ
フト12は、フロントプラネタリ1のリングギア及びリ
アプラネタリ2のプラネタリキャリアに連結されてい
る。2つのプラネタリギア1、2における各メンバ(サ
ンギア、プラネタリキャリア、リングギア)は、図示し
たように、3つの多板クラッチ(リバースクラッチ3、
ハイクラッチ5、ロークラッチ6)、2つの多板ブレー
キ(2&4ブレーキ4、ロー&リバースブレーキ7)、
ローワンウェイクラッチ8に連結されている。これらの
係合要素(クラッチ、ブレーキ)は、変速段に応じて選
択的に係合または解放される。これにより、この変速機
は前進4段、後進1段の変速を行うことができる。
【0012】図2は、上記の変速機における変速位置と
係合要素の係合状態との関係を示した表である。この表
において、○印は、該当する係合要素が係合しているこ
とを表し、ブランクは解放していることを表している。
また、◎印は、該当する駆動時のみ係合していることを
表している。この変速機では、1速−2速間変速を除
き、クラッチ・ツウ・クラッチ(Clutch to Clutch)変
速が行われる。クラッチ・ツウ・クラッチ変速とは、前
段係合要素を解放すると同時に、後段係合要素を係合し
ていく変速である。一方、ローワンウェイクラッチ8が
作用する1速−2速間の変速では、2&4ブレーキ4の
係合制御だけで変速が達成される。
【0013】図3は、自動変速機の制御機構を全体的に
示した説明図である。この制御機構は、主として、エン
ジン21、変速機構22、油圧制御機構23、電子制御
ユニット(ECU)24で構成されている。エンジン2
1により発生したトルクは、トルクコンバータ10、タ
ービンシャフト11、及び変速機構22を介してリダク
ションドライブシャフト12に伝達される。このシャフ
ト12のトルクは、ドライブピニオンシャフト15を介
して、デファレンシャルギア16に伝達され、前輪を駆
動する。
【0014】スロットル開度センサS1は、エンジン2
1のスロットル開度θを検出するためのセンサである。
エンジン回転数センサS2は、クランクシャフト9の回
転数、すなわちエンジン回転数ωE を検出するセンサで
ある。また、タービン回転数センサS3は、タービンシ
ャフト11の回転数ω1 を検出するセンサである。アウ
トプット回転数センサS4は、リダクションドライブシ
ャフト12(本実施例における出力軸)の回転数ω5 を
検出するセンサである。これらの回転数を検出するセン
サは、例えば電磁ピックアップを用いてもよい。係合要
素に供給される油圧は、これら4つのセンサS1、S
2、S3、S4からの出力をパラメータとして、後述す
る変速モデルに代入し、その演算結果に基づいて制御さ
れる。
【0015】油圧制御機構23中のオイルポンプ36
は、オイルパン37から吸入した制御油を吐出する。レ
ギュレータバルブ38により所定の油圧に調整された制
御油は、5つのリニアソレノイドバルブ31、32、3
3、34、35に供給される。ここで、リニアソレノイ
ドバルブは係合要素ごとに設けられている。それぞれの
リニアソレノイドバルブは、油圧制御回路51からの電
流値に応じて、それに対応した係合要素を直接的かつリ
ニア(電流値に応じて連続した制御量を生じる)に係合
制御する。係合要素ごとにソレノイドバルブを設け、各
係合要素の係合制御を、対応したバルブにより直接的に
行う方式は、一般にダイレクトATと呼ばれている。
【0016】図4は、リニアソレノイドバルブの構造を
示す断面図である。制御電流に応じて電磁石により発生
された磁界が、スプール弁を移動させ、これにより供給
ポートと出力ポートが連通される。リニアソレノイドバ
ルブを用いたダイレクトAT方式では、制御電流に応じ
てリニアに油圧を調整できる。また、デユーティソレノ
イドバルブで必要とされるアキュムレータを用いる必要
がない。従って、リニアソレノイドバルブを用いたダイ
レクトAT方式は、インターロックや突き上げ感を生じ
させないような精度の高い油圧制御を、リニアソレノイ
ドバルブへ供給する電流制御により行うことができる。
本実施例では、このリニアソレノイドバルブとして、電
流が0の時に最大コントロール圧を供給するノーマリー
・ハイ(Normally-High )のバルブを用いている。図5
は、変速段及び各リニアソレノイドバルブの開閉状態の
関係を示した表である。
【0017】なお、ダイレクトAT方式に代えて、デュ
ーティソレノイドバルブと切り換え弁とを組み合わせた
コンベンショナルな油圧回路を用いることも可能であ
る。但し、油圧の正確な制御が必要な本実施例では、ダ
イレクトATを利用するのが好ましいであろう。
【0018】ECU24は、CPU41、ROM42、
RAM43、入力回路44、及び出力回路45で構成さ
れている。4つのセンサS1、S2、S3、S4から出
力された信号は、入力回路44に入力される。CPU4
1はこれらのセンサからの情報に応じて様々な演算を行
う。演算結果としての制御情報は、出力回路45を介し
て油圧制御回路51に出力される。油圧制御回路51
は、出力回路45からの制御信号から各リニアソレノイ
ドバルブを動作させる電流値を求め、これを各々のリニ
アソレノイドバルブに供給する。
【0019】(変速の種類ごとの変速モデルの算出)イ
ナーシャ相制御における係合要素の制御油圧は、このセ
クションで述べる変速モデルを用いて決定され、実際の
タービン回転数ω1 が、設定された目標タービン回転数
ωr に追従するように制御される。図6は、図1に示し
た自動変速機のスケルトン図である。同図中の記号のう
ち、Iは慣性モーメント、Tはトルク、Dは粘性係数、
そしてωは回転軸の回転数を示している。また、添字は
変速機のメンバを示している。ここで、添字Hはハイク
ラッチ5、添字Rはリバースクラッチ3、添字Dは2&
4ブレーキ4、添字Lはロークラッチ6、添字Bはロー
&リバースブレーキ7、そしてWはローワンウェイクラ
ッチ8をそれぞれ意味している。図6に示した自動変速
機中の各メンバの運動方程式を求めると、以下のような
粘性項(Dωで表される項)や慣性項(ωの微分値を含
む項)を含む関係式が得られる。ここで、タービンシャ
フトの慣性モーメントI1 は、エンジン21やトルクコ
ンバータ10の慣性モーメントも考慮した値である。
【数1】 また、プラネタリギア(フロントプラネタリ1及びリア
プラネタリ2)のトルクに関する関係式は以下のように
なる。ここで、添字1はフロントプラネタリ側を意味
し、添字2はリアプラネタリ側を意味している。また、
添字Sはサンギア、添字Cはプラネタリキャリア、そし
て添字Rはリングギアを示している。
【数2】 さらに、プラネタリギア1、2の回転数(回転速度)に
関する関係式は以下のようになる。
【数3】
【0020】上記の関係式より、変速の種類ごとに変速
モデルを導出する。具体的には、プラネタリギア1、2
のトルク及び回転数の関係式より、タービン回転数ω1
、タービントルクTT 、及び係合要素の制御油圧Pの
関係を求める。ここでは、Dレンジでの変速を考えると
共に、変速中のリダクションドライブシャフトの回転数
変化は微小であるものとして説明する。
【数4】
【0021】まず、1−2変速(アップシフト及びダウ
ンシフトの双方を含む)のイナーシャ相制御において、
変速モデルは、TH =0、TW =0、ω2 =ω4 とする
と以下のようになる。
【数5】 次に、2−3変速(アップシフト及びダウンシフトの双
方を含む)のイナーシャ相制御において、変速モデル
は、TW =0、ω2 =ω4 とすると以下のようになる。
【数6】 また、3−4変速(アップシフト及びダウンシフトの双
方を含む)のイナーシャ相制御において、変速モデル
は、TW =0、ω1 =ω2 とすると以下のようになる。
【数7】
【0022】変速の種類ごとの動力伝達特性を示す上記
関係式(数式5から数式7)に基づいて、イナーシャ相
制御時に、タービンシャフト11の実際の回転数ω1 が
目標タービン回転数ωr に追従するような制御が行われ
る。タービン回転数ω1 の制御は、係合要素への油圧制
御により行われる。係合要素の油圧は、上記の数式より
導出されたモデル(粘性項、慣性項、トルク項等のフィ
ード・フォワード量(F/F量)に、目標タービン回転
数ωr と実回転数ω1 との偏差をフィード・バック量
(F/B量)として加算)より計算される。
【0023】まず、1−2変速(アップシフト及びダウ
ンシフトの双方を含む)のイナーシャ相制御において、
係合側の係合要素(2&4ブレーキ4)のトルクTD
は、上述した数式から導出された下式に基づいて算出さ
れる。なお、1−2変速は、ワンウェイクラッチ・ツウ
・クラッチ(oneway clutch toclutch)であるため、2
&4ブレーキ4の係合制御のみで変速が達成される。
【数8】
【0024】ここで、目標タービン回転数ωr は、イナ
ーシャ相制御の開始時における変速比(変速前の変速
比)から、この変速により最終的に到達すべき変速比
(変速後の変速比)に向かって、滑らかに変化するよう
に予め設定されている。目標タービン回転数ωr は、変
速を滑らかに実行できるように、イナーシャ相制御の開
始時からの経過時間ごとに算出される(詳細は後述)。
実際のタービン回転数ω1が目標タービン回転数ωr に
追従するように、目標タービン回転数ωr 、その微分
値、及びタービントルクTT 等を変速モデルに代入し、
制御対象である係合要素の基本トルクTD (油圧PD )
を計算する。
【0025】次に、2速から3速への変速(アップシフ
ト)時のイナーシャ相制御において、この変速の係合側
であるハイクラッチ5のトルクTH は下式から算出され
る。この場合、解放側である2&4ブレーキ4のトルク
TD は、イナーシャ相制御の期間中、最低圧に設定され
ている。
【数9】 逆に、3速から2速への変速(ダウンシフト)時のイナ
ーシャ相制御において、パワーオンの場合、ハイクラッ
チ5のトルクTH は下式より算出される。この場合、2
&4ブレーキ4のトルクTD は、イナーシャ相制御の経
過時間に伴い、一次関数的に変化するように設定され
る。
【数10】 パワーオフの場合、2&4ブレーキ4のトルクTD は下
式により算出される。この場合、ハイクラッチ5のトル
クTH は、イナーシャ相制御の期間中、最低圧に設定さ
れている。
【数11】
【0026】一方、3速から4速への変速時のイナーシ
ャ相制御において、2&4ブレーキ4のトルクTD は下
式から算出される。この場合、ロークラッチ6のトルク
TLは、イナーシャ相制御の期間中、最低圧に設定され
ている。
【数12】 逆に、4速から3速への変速時のイナーシャ相制御にお
いて、パワーオンの場合、2&4ブレーキ4のトルクT
D は下式により算出される。この場合、ロークラッチ6
のトルクTL は、イナーシャ相制御の経過時間に伴い、
一次関数的に変化するように設定される。
【数13】 また、パワーオフの場合、ロークラッチ6のトルクTL
は下式により算出される。この場合、2&4ブレーキ4
のトルクTD は、イナーシャ相制御の期間中、最低圧に
設定されている。
【数14】
【0027】なお、数式8及び数式14におけるF/B
項を省いたF/F項だけの変速モデルを適用することも
可能である。但し、F/B項を有する変速モデルを用い
た方が、追従制御をより正確に行うことができる。特
に、後述するように、タービントルクTT を、実測値で
はなく、センサ出力に基づいた推定値を用いるような場
合、正確な回転数制御を行うためには、目標値と実測値
の偏差をフィードバックすることが好ましい。また、数
式8から数式14の変速モデルは、F/F項のうち、粘
性項(Va ・ωr 及びWa ・ω5 の項)を有している。
従って、変速実行時における回転軸の回転数を算出され
たトルクに反映することができる。
【0028】なお、本実施例における変速モデルでは、
タービン回転数ω1 の回転方向を正とし、各メンバの運
動方程式を上述した数式のように設定しているから、係
合要素の油圧はその係合要素のトルクの絶対値を与える
ことになる。そのため、変速モデルから算出されたトル
ク値が負になった場合は、その符号を反転させる。ま
た、フィードバック等をパラメータとした結果、算出さ
れたトルク値の符号に相違が生じた場合(すなわち、す
べての係合要素のトルク値を正としている場合におい
て、演算結果が負の値になった場合)、そのトルクの指
示は0に設定している。
【0029】上記の追従制御に関する演算は、図3のE
CU24において実行される。図7は、この演算に関す
る概念的な制御系ブロック図である。自動変速機におけ
るタービン回転数ω1 は、図3に示したタービン回転数
センサS3により検出される。また、アウトプット回転
数ω5 (リダクションドライブシャフト12の回転数)
は、アウトプット回転数センサS4により検出される。
検出されたアウトプット回転数ω5 にF/FゲインWa
を乗じることにより、第1の値を求める。また、アウト
プット回転数ω5 及び目標変速比に基づいて、目標ター
ビン回転数ωrを算出する。この目標タービン回転数ωr
を微分した値に、F/FゲインHaを乗じることによ
り、第2の値を求めると共に、目標タービン回転数ωr
にF/FゲインVaを乗じることにより第3の値を求め
る。また、目標タービン回転数ωr とタービン回転数ω
1 との偏差にF/BゲインFaを乗じることにより第4
の値を求める。このF/BゲインFaは、例えば10ra
d/s の基準回転数偏差を設定し、解放側のトルクにこの
偏差の影響をどの程度反映させるかを考慮して適切な値
を設定しておく。
【0030】一方、タービントルクTT は、エンジント
ルクの推定値TE 及びトルク比の推定値に基づいて算出
された推定値を用いる。図14は、タービントルクTT
の算出方法を説明するための図である。まず、エンジン
トルクTE を算出するために、スロットル開度センサS
1からスロットル開度θを検出すると共に、エンジン回
転数センサS2からエンジン回転数ωE を求める。エン
ジントルクTE は、パラメータ及びタービントルクTT
(推定値)間の対応関係を記述したエンジントルクマッ
プを参照し、これらのパラメータに対応する値を用い
る。一方、トルク比を算出するために、タービン回転数
センサS3から検出されたタービン回転数ω1 及びエン
ジン回転数ωE から、速度比(ω1 /ωE )を算出す
る。そして、この速度比及びトルク比(推定値)間の対
応関係を記述したマップを参照し、このパラメータに対
応する値をトルク比として用いる。マップにより推定さ
れたトルク比とエンジントルクTE に基づいて、タービ
ントルクTT を推定する。なお、このようなタービント
ルクTT の算出は一例であって、この他にも様々な方法
でタービントルクT Tを算出することができる。例え
ば、エンジンパラメータとして、スロットル開度θの代
わりに、エンジンの吸入管圧力や吸入空気量といった他
のパラメータに基づいて、タービントルクTT を推定し
てもよい。また、トルクセンサの類を用いて、タービン
トルクTT を直接測定することも可能である。決定され
たタービントルクTT にF/FゲインMaを乗じること
により、第5の値を求める。
【0031】さらに、係合側のトルク(2−3変速では
ハイクラッチ5のトルクTH 、3−4変速では2&4ブ
レーキ3のトルクTD )にF/FゲインLaを乗じるこ
とにより、第6の値を求める。
【0032】以上の6つの値を加算することにより、解
放側のトルクTを求める。そして、このトルクTを発生
するような油圧Pを算出し、解放側のリニアソレノイド
バルブを制御する。
【0033】イナーシャ相制御開始時の変速比から到達
すべき変速比に向かって、経過時間に伴い滑らかに変化
するような目標タービン回転数ωr を設定しておく。そ
して、ある時間における目標タービン回転数ωr を設定
した上で、タービン回転数ω1 が、この目標タービン回
転数ωr に追従するように制御する。この追従制御は、
ある時間ごとのパラメータを変速モデルに代入してその
時間のトルクTを求め、これに対応する制御油圧Pを係
合要素に供給することにより達成される。これにより、
イナーシャ相制御において、タービン回転数ω1 を、予
め設定された変化パターン(目標タービン回転数ωr の
変化パターン)に従って滑らかに変化させることができ
る。
【0034】以上の説明から明らかなように、本実施例
では、イナーシャ相制御において、係合側の制御油圧を
変速モデルに基づいて算出している。この変速モデル
は、変速機構の基本的な関係式と、それぞれの変速にお
ける各メンバの拘束条件から導出されたものであるか
ら、必要な制御油圧を比較的正確に算出することができ
る。また、変速モデルは粘性項を有しているため、変速
時における回転軸の回転速度の影響を考慮した適切な制
御量を算出することが可能となる。さらに、変速の種類
(変速段、アップシフトやダウンシフト、パワーオンや
パワーオフ)に応じて、異なる変速モデルを用いている
ため、それぞれの変速に適した制御油圧を的確に算出す
ることができる。その結果、変速モデルを用いた油圧制
御を行えば、シフトクオリティの悪化を抑制することが
可能となる。また、マップを多用することなく、変速モ
デルという比較的単純な関係式から係合要素の油圧を算
出することができる。従って、従来技術のようにセッテ
ィングすべき事項が膨大になることがなく、制御フロー
も比較的単純化できるといった効果がある。
【0035】(2−3変速における変速モデルの適用
例)このような変速モデルを用いた、具体例を2速から
3速への変速を例に説明する。この変速には、変速開始
時制御、トルク相制御、イナーシャ相制御、及び変速終
了時制御といった4つの制御モードがある。2−3変速
における各制御モードは、フラグF23、フラグF23T 、
及びフラグF23I により切り換えられる。フラグF23は
2−3変速制御の実行を示すフラグであり、2−3変速
許可状態では1にセットされる。図8は、各制御モード
とフラグF23T 、F23I との関係を示した表である。
【0036】図9は、アップシフトにおけるタイミング
チャートである。同図において、2−3変速指令が出さ
れると、フラグF23が0から1に変化する。その後、変
速開始時制御(1)、トルク相制御(2)、イナーシャ
相制御(3)、変速終了時制御(4)を経て、2−3変
速が終了すると、フラグF23は1から0へ変わる。図1
0は、2−3変速のアップシフトにおける制御手順の一
部を示したフローチャートである。図11は、図10の
フローチャートに続き、トルク相制御の制御手順を示し
たフローチャートである。図12は、図10のフローチ
ャートに続き、イナーシャ相制御の制御手順を示したフ
ローチャートである。また、図13は、図12のフロー
チャートに続き、変速終了時制御の制御手順を示したフ
ローチャートである。
【0037】まず、2−3変速指令が出されるまでフラ
グF23は0のままであり、フラグF23T 及びフラグF23
I も初期的には0に設定されている。従って、ステップ
101での判断によりリターンへと進む。このフローチ
ャートは繰り返し実行されているため、結局、2−3変
速指令が出されるまでステップ102以降は実行されな
い。2−3変速指令が出されると、フラグF23は1に変
わりアップシフトが開始される。この際、フラグF23T
及びフラグF23I は両方とも0(すなわち図9の変速開
始時制御(1)の状態)なので、ステップ102、ステ
ップ103、及びステップ104を経て、ステップ10
5へと進む。
【0038】ステップ105において、エンジンの吹上
がりの程度、すなわち、解放側の係合要素(2&4ブレ
ーキ4)の滑りの程度が判定される。滑りが生じた場
合、タービン回転数ω1 が、滑り判定回転数ωth((ア
ウトプット回転数ω5 )*(2速変速比i2 )+(滑り
基準量Δω))よりも大きくなる。変速の開始当初は滑
りは生じていないため、ω1 =i2 *ω5 である。この
場合、ステップ106に進み、解放側の制御油圧を低下
させる。この油圧は、実質的に線形的に低下する適当な
一次関数q23とタービントルクTT との積より算出され
る。
【0039】上述したステップ101からステップ10
6の手順を繰り返し、解放側の油圧を徐々に線形的に低
下させていくと、やがて解放側の係合要素に滑りが生じ
る。この滑りにより、タービン回転数ω1 が滑り判定回
転数ωthより高くなる。この場合、ステップ107へと
進み、フラグF23T が0から1へと変更され、クロック
CTに0がセットされる(ステップ108)。これによ
り、制御モードは変速開始時制御(1)からトルク相制
御(2)へと変わる。
【0040】図11のステップ109において、タービ
ン回転数ω1 の引き込みの有無が判定される。トルク相
制御(2)の開始当初は、タービン回転数ω1 はアウト
プット回転数ω5 に2速変速比i2 乗じた値より大き
く、滑り状態にあるためタービン回転数ω1 の引き込み
生じていない。従って、ステップ110へと進み、トル
ク相制御が実行される。
【0041】トルク相制御(ステップ110)では、解
放側の係合要素に生じた滑りを維持するように、係合側
の油圧を上昇させると共に、解放側の油圧を低下させ
る。これを繰り返し実行することにより、タービン回転
数ω1 が目標タービン回転数ωr に追従した状態で、係
合側の油圧及び解放側の油圧の双方が変化していく。こ
のような解放側及び係合側の油圧制御が進むと、やがて
2速方向への引き込みが生じる。その結果、アウトプッ
ト回転数ω5 に2速変速比i2 を乗じた値より、タービ
ン回転数ω1 の方が小さくなる。この場合、ステップ1
09からステップ117に進む。そして、フラグF23T
を1から0に変え、カウンタ値CTをリセットし(ステ
ップ118)、フラグF23I を0から1に変えた後(ス
テップ119)、図12のステップ120へ進む。
【0042】フラグF23T が0で、フラグF23I が1な
ので、イナーシャ相制御(3)が実行される。イナーシ
ャ相制御の開始時において、アウトプット回転数ω5 に
3速変速比i3 を乗じた値よりもタービン回転数ω1 は
大きい。従って、ステップ120からステップ131へ
進み、イナーシャ相制御が実行される。
【0043】まず、イナーシャ相制御の開始に伴い、カ
ウンタ値CTに1が加算された後、解放側のトルクTD
が0になるように設定されると共に(ステップ13
2)、解放側の油圧PD が0になるように設定される
(ステップ133)。次に、係合側の油圧PH を算出す
るために、ステップ133から137の手順が実行され
る。
【0044】ステップ134において、現在のカウンタ
値CTに基づき、目標パターンf2を参照して、カウン
タ値CTに対応するパターン値R23(CT)が特定される
(一例として下表参照)。
【表1】 CT 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R23 1.99 1.95 1.90 1.83 1.75 1.67 0.61 1.55 1.51 1.50 ωr 3980 3900 3790 3650 3500 3350 3210 3100 3020 3000
【0045】表1を例に説明すると、カウンタ値CT=
1に対応したパターン値R23(1) として、1.99が得られ
る。例えば、2速変速比i2 =2.00、3速変速後の変速
比i3 =1.50、アウトプット回転数ω5 が2000rpm (一
定値)であるとすると、CT=1における目標タービン
回転数ωr は3980rpm になる(ステップ135)。
【0046】この目標タービン回転数ωr にタービン回
転数ω1 が追従するように、係合側のトルクTH が算出
される(ステップ136)。このトルクTH は、数式9
で示される変速モデルに基づき算出される。目標タービ
ン回転数ωr 、タービントルクTT (推定値)、タービ
ン回転数ω1 (タービン回転数センサS3の実測値)、
及びアウトプット回転数ω5 (アウトプット回転数セン
サS4の実測値)をパラメータとして、変速モデルに代
入し、その時点のトルクTD が決定される。
【0047】求められたトルクTH から係合側の油圧P
H を求める(ステップ137)。一般に、係合要素の油
圧Pは、トルクTと一次関数の関係にあり、P=k・|
T|+s(但し、k、sは定数、|T|はトルクの絶対
値)により求められる。そこで、係合要素ごとに固有の
パラメータ(ハイクラッチ5の場合はkH 、sH )を設
定しておけば、トルクTH から油圧PH を求めることが
できる。このようにして求められた油圧PH を指示値と
して、変換テーブル等を参照してリニアソレノイドバル
ブの制御電流を求める。その後、リターンへと進む。
【0048】ステップ131からステップ137までの
手順は、ステップ120により、タービン回転数ω1 が
3速の変速比に同期したものと判断されるまで、繰り返
し実行される。なお、イナーシャ相制御の開始からの経
過に伴って(カウンタ値CTがインクリメントされるに
従い)、目標タービン回転数ωr は、表1に示すよう
に、滑らかに(不連続な変化を生じることなく)減少し
ていく。その結果、タービン回転数ω1 も目標タービン
回転数ωr に追従するため、経時的に滑らかに変化して
いく。
【0049】イナーシャ相制御が進み、やがてタービン
回転数ω1 が3速の変速比に同期すると(ステップ12
0)、ステップ122へと進む。これにより、フラグF
23T及びフラグF23I が共に1にセットされ、カウンタ
値CTがリセットされた後(ステップ123)、図13
のステップ124に進む。
【0050】フラグF23T 及びフラグF23I が共に0で
あるから、変速終了時制御(4)が実行される。まず、
ステップ124において、係合側の油圧を上昇させ、こ
の油圧が最大値になったか否かが判断される(ステップ
125)。最大値に到達していない場合には、リターン
に進み、このフローチャートの次の実行を待つ。次の実
行において、フラグF23T 及びフラグF23I は共に1な
ので、ステップ104から、ステップ124に進む。そ
して、係合側の油圧が最大値になるまで、この手順が繰
り返される。そして、この油圧が最大値になると、ステ
ップ125からステップ126へと進む。その結果、フ
ラグF23T 及びフラグF23I を1から0に変えると共
に、フラグF23も1から0に変え(ステップ127)、
リターンに進む。フラグF23が0になったので、以上の
手順を持って、2−3変速は終了する。
【0051】(イナーシャ相制御の変形例)このセクシ
ョンでは、アップシフトのクラッチ・ツウ・クラッチ変
速時に、シフトクオリティを一層向上させる制御につい
て説明する。図15は、2速−3速のアップシフト時
に、イナーシャ相制御における出力トルクの推移を説明
するためのタイミングチャートである。
【0052】まず、上記のセクション(2−3変速での
適用例)で述べたように、解放側の係合要素である2&
4ブレーキ4のトルクTD を0にして、係合側の係合要
素であるハイクラッチ5の係合制御だけでイナーシャ相
制御を行った場合(同図の破線aのように推移)、変速
機の出力軸のトルク(アウトプットトルクTo )は、破
線bで示したように推移する。このようなアウトプット
トルクTo の変化(盛り上がり)は、イナーシャ相制御
時に、アウトプット回転数ω5 の変化により生じた慣性
トルクの影響によるものである。その結果、ドライバー
に突き上げ感を感じさせ、シフトクオリティを悪化させ
る要因となる。そこで、解放側の係合要素である2&4
ブレーキ4を、イナーシャ相制御において再度係合制御
(実線cのように推移)し、アウトプットトルクTo の
盛り上がりを相殺するようにすれば(実線dのように推
移)、シフトクオリティを一層向上させることが可能と
なる。このような2&4ブレーキ4の係合制御は、アウ
トプットトルクTo に関する変速モデルを用いて行うこ
とができる。
【0053】アウトプットトルクTo に関する変速モデ
ルは以下のようにして導出することができる。まず、数
式1中で出現しているアウトプットトルクTo につい
て、数式2、3、4の基本モデル、及び2−3速変速に
おける拘束条件を考慮して変形すると下式が得られる。
【数15】 この場合、2&4ブレーキ4(解放側) の再係合制御
(トルクTD )を考慮した場合におけるハイクラッチ5
(係合側) のトルクTH は、下式で表すことができる。
【数16】 ここで、アウトプットトルクTo について求めた数式1
5に、数式16中のF/B項を除いた全F/F項を代入
することにより、下式が得られる(数式15でω1 =ω
r としている)。
【数17】 3速の変速比をi3 とすると、ωr =i3 ・ω5 なの
で、数式17は以下のようになる。
【数18】 すなわち、数式18は、3速同期時のアウトプットトル
クTo に相当する。従って、To −To3=0となるよう
に、解放側のトルクTD 及び係合側のトルクTH を計算
すれば、回転数変化に伴う慣性トルクを相殺することが
できる。なお、図15におけるアウトプットトルクTo
の推移(実線d)は、To −To3が0の場合を示してい
る。但し、To −To3が0でなく、ある一定の値になる
ように制御した場合であっても、慣性トルクを低減する
ことができる。
【0054】従って、解放側のトルクTD は、最終的に
下式のような変速モデルで表現することができる。
【数19】 なお、必要に応じて、目標タービン回転数ωr の項を省
略してもよい。一方、係合側のトルクTH は、最終的に
下式のような変速モデルで表現することができる。
【数20】 なお、必要に応じて、数式19のトルクTD を代入し
て、数式20を下式のように整理してもよい。
【数21】
【0055】このようにして求められた係合側及び解放
側の変速モデル(数式19及び数式20)を用いて、上
記のセクションで述べたイナーシャ相制御を行うことに
より、慣性トルクの影響によるアウトプットトルクTo
の盛り上がりを抑制できる。従って、シフトクオリティ
をより向上させることが可能となる。なお、アウトプッ
トトルクTo の変化を抑制する係合要素は、解放側の係
合要素には限定されず、その変速に関与していない他の
係合要素(例えば、リバースクラッチ3やロー& リバー
スブレーキ7)を用いることも可能である。
【0056】
【発明の効果】このように、本発明によれば、イナーシ
ャ相制御において、予め設定された目標タービン回転数
に追従するように、係合要素への制御油圧を変速モデル
に基づいて算出している。この変速モデルは、変速の種
類ごとに異なるモデルを用いているため、変速ごとに正
確な油圧制御が可能となるため、シフトクオリティの悪
化を抑制することが可能となる。また、マップを多用す
ることなく油圧制御が行えるため、セッティングすべき
事項が膨大になるのを抑制でき、制御フローを比較的単
純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の自動変速機における主要部の概略的
構造を示す図
【図2】変速位置と係合要素の係合状態との関係を示し
た表
【図3】自動変速機の制御機構を全体的に示した説明図
【図4】リニアソレノイドバルブの構造を示す断面図
【図5】変速段及び各リニアソレノイドバルブの開閉状
態の関係を示した表
【図6】図1に示した自動変速機のスケルトン図
【図7】追従制御を実行するための概念的な制御系ブロ
ック図
【図8】制御モードと2つのフラグの関係を示した表
【図9】アップシフトにおけるタイミングチャート
【図10】2−3変速のアップシフトにおける制御手順
の一部を示したフローチャート
【図11】図10のフローチャートに続き、トルク相制
御の制御手順を示したフローチャート
【図12】図10のフローチャートに続き、イナーシャ
相制御の制御手順を示したフローチャート
【図13】図10のフローチャートに続き、変速終了時
制御の制御手順を示したフローチャート
【図14】タービントルクTT の算出方法を説明するた
めの図
【図15】2速−3速のアップシフト時に、イナーシャ
相制御における出力トルクの推移を説明するためのタイ
ミングチャート
【符号の説明】
1 フロントプラネタリ、2 リアプラネタリ、3 リ
バースクラッチ、4 2&4ブレーキ、5 ハイクラッ
チ、6 ロークラッチ、7 ロー&リバースブレーキ、
8 ローワンウェイクラッチ、9 クランクシャフト、
10 トルクコンバータ、11 タービンシャフト、1
2 リダクションドライブシャフト、15 ドライブピ
ニオンシャフト、 16 デファレンシャルギア、21
エンジン、22 変速機構、 23 油圧制御機構、
24 ECU、31、32、33、34、35 リニア
ソレノイドバルブ、36 オイルポンプ、37 オイル
パン、 38 レギュレータバルブ、41 CPU、4
2 ROM、43 RAM、44 入力回路、45 出
力回路、51 油圧制御回路、S1 スロットル開度セ
ンサ、S2 エンジン回転数センサ、S3 タービン回
転数センサ、S4 アウトプット回転数センサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動変速機において、 駆動機関からの駆動力を受ける入力軸と、 車輪に駆動力を伝達する出力軸と、 前記入力軸と前記出力軸との間の動力伝達特性を設定す
    る複数の係合要素と、 変速時に前記係合要素の解放及び係合を制御する制御手
    段とを有し、 前記制御手段は、イナーシャ相制御において、前記入力
    軸の回転数が、前記入力軸の回転数の変化を規定した目
    標パターンに基づき設定された目標回転数に追従するよ
    うに、自動変速機の変速モデルに基づき、係合側の前記
    係合要素の油圧を変化させることを特徴とする自動変速
    機。
  2. 【請求項2】自動変速機において、 駆動機関からの駆動力を受ける入力軸と、 車輪に駆動力を伝達する出力軸と、 前記入力軸と前記出力軸との間の動力伝達特性を設定す
    る複数の係合要素と、 変速時に前記係合要素の解放及び係合を制御する制御手
    段とを有し、 前記制御手段は、イナーシャ相制御において、前記入力
    軸の回転数が、前記入力軸の回転数の変化を規定した目
    標パターンに基づき設定された目標回転数に追従するよ
    うに、自動変速機の第1の変速モデルに基づき、係合側
    の前記係合要素の油圧を変化させると共に、当該追従の
    過程において、前記出力軸のトルクが実質的に変化しな
    いように、自動変速機の第2の変速モデルに基づき、前
    記係合側の係合要素以外の他の係合要素の油圧を変化さ
    せることを特徴とする自動変速機。
  3. 【請求項3】前記変速モデルは、変速の種類ごとに異な
    る前記変速モデルが用いられることを特徴とする請求項
    1または2に記載された自動変速機。
  4. 【請求項4】前記変速モデルは、前記出力軸に関する粘
    性項及び前記目標回転数に関する粘性項を有することを
    特徴とする請求項1または2に記載された自動変速機。
  5. 【請求項5】前記変速モデルは、前記目標回転数に関す
    る慣性項を有することを特徴とする請求項1または2に
    記載された自動変速機。
  6. 【請求項6】前記変速モデルは、前記目標回転数と前記
    入力軸の回転数との偏差に関するフィードバック項を有
    することを特徴とする請求項1または2に記載された自
    動変速機。
  7. 【請求項7】前記出力軸のトルクが、前記イナーシャ相
    制御において、変速後のトルクと一致した状態を実質的
    に維持するように、前記解放側の係合要素の油圧を、前
    記第2の変速モデルに基づき、一時的に上昇させること
    を特徴とする請求項2に記載された自動変速装置。
  8. 【請求項8】前記出力軸のトルクが、前記イナーシャ相
    制御において、前記係合側の係合要素の油圧変化により
    生じた前記出力軸のトルクの変動を打ち消すように、前
    記他の係合要素の油圧を、前記第2の変速モデルに基づ
    いて、一時的に上昇させることを特徴とする請求項2に
    記載された自動変速装置。
  9. 【請求項9】前記係合要素ごとに対応づけて設けられた
    複数のリニアソレノイドバルブをさらに有し、 前記リニアソレノイドバルブのそれぞれは、前記制御手
    段からの制御電流に応じた油圧を前記係合要素に与える
    ことにより、前記係合要素の係合制御を行うことを特徴
    とする請求項1または2に記載された自動変速機。
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